在留資格一覧表|いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?
外国人雇用に欠かすことができない日本に滞在する外国人が持つ在留資格を理解していますか。この記事では29種類の在留資格を紹介し、現在「外国人が働ける在留資格」にはどのようなものがあるか解説しています。
目次
1.外国人雇用が成功するかが企業の命運を分ける
世界はグローバル化を続けています。
かつて閉鎖された「島国」を謳歌していた日本も、世界のグローバリズムの波には逆らえず、今や在留外国人は288万人に達しています。
一方で、日本は少子高齢化が進行し、生産年齢人口(労働人口)は減少の一途をたどっており、もはや「外国人に頼らなければこの日本はやっていけない」ところまで来ています。
しかし、未だ日本人のほとんどは外国人と共存することに慣れていません。
それは、言語の壁もあるでしょう。
単に、外国人に不慣れだということもあるでしょう。
しかし、明らかに差別的に外国人を見ている人たちがいることも否定できません。
今後、日本が、そして日本企業が、特に中小企業が生き残って行くためには、外国人雇用にチャレンジできるかどうかがその命運を握っています。
「事業を永続的に伸ばしていきたい」
「グローバル展開をしていきたい」
企業がそのように思うなら、外国人の採用は避けては通れません。
しかも、外国人雇用には大きなメリットがあります。
外国人雇用への挑戦は、企業に飛躍のチャンスを与えてくれます。
ここでは、外国人雇用への基本知識としての、在留資格について徹底解説します。
2.滞在目的別在留資格
在留資格は全部で以下の29種類があります。
在留資格を滞在目的で分類すると次のとおりです。
①就労が滞在目的の在留資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習
②就労ができない在留資格
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
③身分により付与される在留資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
④法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格
特定活動
3.在留資格一覧表
滞在目的 | 在留資格 |
本邦において行うことができる活動 | 該当例 |
在留期間 |
|
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就労が目的の在留資格 | 外交 | 日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 | 外交活動の期間 | |
公用 | 日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項に掲げる活動を除く。) | 外国政府の大使 館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 | 5年,3年,1 年,3月,30日又は15日 | ||
教授 | 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動 | 大学教授等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
芸術 | 収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く。) | 作曲家,画家,著述家等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
宗教 | 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
報道 | 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 | 外国の報道機関の記者,カメラマン | 5年,3年,1年又は3月 | ||
高度専門職 | 1号 高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの |
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 | ポイント制による高度人材 | 5年 | |
ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | |||||
ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | |||||
2号 1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動 イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動 ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,介護,興行,技能,特定技能2号の項に掲げる活動(2号イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。) |
無期限 | ||||
経営・管理 | 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・ 会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) | 企業等の経営者・管理者 | 5年,3年,1 年,6月,4月又は3月 |
||
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 | 弁護士,公認会計士等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
医療 | 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 医師,歯科医師,看護師 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
研究 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く。) | 政府関係機関や私企業等の研究者 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
教育 | 本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動 | 中学校・高等学校等の語学教師等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
技術・人文知識・国際業務 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。) | 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
企業内転勤 | 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 | 海外の事業所からの転勤者 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
介護 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動 | 介護福祉士 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
興行 | 演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。) | 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 | 3年,1年,6 月,3月又は15日 |
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技能 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 外国料理の調理 師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 | 5年,3年,1年又は3月 | ||
特定技能 | 1号 | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(入管法第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動 | 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人 | 1年,6月又は4月 | |
2号 | 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人 | 3年,1年又は6月 | ||
技能実習 | 1号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 | 技能実習生 | 法務大臣が 個々に指定する期間(1年を超えない範囲) |
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ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 | |||||
2号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が 個々に指定する期間(2年を超えない範囲) |
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ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | |||||
3号 | イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | 法務大臣が 個々に指定する期間(2年を超えない範囲) |
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ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 | |||||
就労ができない在留資格 | 文化活動 | 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(この表の留学,研修の項に掲げる活動を除く。) | 日本文化の研究者等 | 3年,1年,6月又は3月 |
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短期滞在 | 本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 | 観光客,会議参加者等 | 90日若しくは3 0日又は15日以内の日を単位 とする期間 |
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留学 | 本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動 | 大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,中学校及び小学校等の学生・生徒 | 4年3月,4年, 3年3月,3年, 2年3月,2年, 1年3月,1年, 6月又は3月 | ||
研修 | 本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除く。) | 研修生 | 1年,6月又は3月 | ||
家族滞在 | この表の教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能2号,文化活動,留学の在留資格を もって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 |
在留外国人が扶養する配偶者・子 | 5年,4年3月, 4年,3年3月, 3年,2年3月, 2年,1年3月, 1年,6月又は3月 | ||
法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格 | 特定活動 | 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 | 外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデー,経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 | 5年,3年,1 年,6月,3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
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滞在目的 | 在留資格 | 本邦において有する身分又は地位 | 該当例 | 在留期間 | |
身分により付与される在留資格 | 永住者 | 法務大臣が永住を認める者 | 法務大臣から永住の許可を受けた者 (入管特例法の「特別永住者」を除く。) |
無期限 | |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 | 日本人の配偶者・子・特別養子 | 5年,3年,1年又は6月 | ||
永住者の配偶者等 | 永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 | 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 | 5年,3年,1年又は6月 | ||
定住者 | 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 | 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 | 5年,3年,1 年,6月又は法 務大臣が個々に指定する期間 (5年を超えない範囲) |
4.いまさら聞けない、一般的に使われる「外国人が働ける在留資格」とは?
前述のように、就労が滞在目的の在留資格は、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習とたくさんあります。
また、身分により付与される在留資格も、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者があり、それぞれ就労ができます。
外国人を雇用する際は、必ず在留資格を在留カードで確認しましょう。
しかし、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は限られています。
まずは、在留者が多い在留資格順に見ていきましょう。
- 永住者 800,872人(27.8%)
- 技能実習 402,422人(13.9%)
- 特別永住者 309,282人(10.7%)
- 技術・人文知識・国際業務 288,998人(10.0%)
- 留学 280,274人(9.7%)
- 定住者 203,847人(7.1%)
- 家族滞在 200,299人(6.9%)
- 日本人の配偶者等 143,759人(5.0%)
この中で、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は、永住者、技能実習、特別永住者、技術・人文知識・国際業務(技人国)、留学、定住者、日本人の配偶者、そしてランキング外ですが特定技能です。
(注意:留学は資格外活動の許可を得ればアルバイトとして週28時間働けます)
中でも注目されているのが、特定技能制度です。
特定技能は、人材不足が激しい14業種に認められた新しい在留資格で、日本の労働力不足を補う制度として、今後の拡大が期待されています。
5.在留資格別構成比
在留資格別の構成比は以下のとおりです。
就労ビザと在留資格の違い
外国へ入国する時に必要な証明書であるビザは、特に就労目的で入国する場合に「就労ビザ」と呼びます。一方で、技能実習生や特定技能1号は日本で働くための「在留資格」として必要な資格です。この2つの言葉の違いについて、分かりやすく解説しています。
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