外国人が介護福祉士になる方法について徹底解説

外国人が介護福祉士になる方法とは?介護福祉士とは何か?から外国人がなるためのルート、EPAルート・養成施設ルート・実務経験ルート、試験に合格するためにはどうすればよいかを解説します。

外国人が介護福祉士になる方法について徹底解説

目次

  1. 介護福祉士とは
  2. 外国人が介護福祉士になるためのルート
    1. EPAルート
    2. 養成施設ルート
    3. 実務経験ルート
  3. 試験に合格するためには
  4. まとめ

介護福祉士とは

介護福祉士は、実際に介護に携わる介護職で唯一の国家資格です。
外国人介護人材にとっても、この資格を取得することは、非常に有用です。
在留資格の更新ができ、長く働き続けられることはもちろんのこと、収入アップ、それにもし、帰国したとしても、指導者への道が開ける可能性もあります。
そして、何よりも大切なことは、知識と実務経験がなければ取れない国家資格を取得することにより、専門職として自信を持って働くことができるということでしょう。

合格への道のりは、試験問題がすべて日本語ですので、容易なものではありません。
本人の強い意志と、周囲のサポートがなければ取得は難しいと思われます。

外国人が介護福祉士になるためのルート

EPAルート

EPA介護福祉士候補者として入国し、介護施設での3年間の実務経験を経て、受験する方法です。
EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定(EPA)に基づき、日本の介護施設で就労・研修を行いながら、日本の介護福祉士国家資格の取得を目指す人のことです。
インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国から来ています。
就労期間は、基本的に4年間です。ですから、4年の就労期間中に受験できる機会は1回となります。

試験について

筆記試験と実技試験があります。
筆記試験に関しては、日本語のハンディを考慮して、試験時間が1.5倍に延長されます。また、漢字にはふりがなが付記されています。
実技試験は、「実務者研修」や「介護技術講習会」を受講することによって免除できます。とは言え、時間やお金の面だけでなく、研修が受けられる施設までの移動が難しかったりしますので、受講するのはごく一部で、実技試験を受ける方が多いようです。

養成施設ルート

介護福祉士養成施設(2年以上の専門学校等)において必要な知識及び技能を修得した後に、介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法です。
日本語学校に留学ビザで入国し、1~2年日本語を学んだ後、介護福祉士養成の専門学校に入るというのが、標準的なコースです。専門学校に入るには、日本語能力試験(JLPT)N2レベルの日本語力が必要です。

試験について

筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。但し、EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。

移行期間中の特例

養成施設を令和8年度末までに卒業すると、卒業後5年の間は、介護福祉士になることができます。
この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、介護福祉士の登録を継続することができます。
令和9年度以降の卒業生からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になれません。

実務経験ルート

介護施設での実務経験が3年以上かつ実務者研修の受講で、介護福祉士試験の受験資格が得られる方法です。
介護技能実習生、特定技能1号介護ともに、最長5年間の就労が可能ですので、条件を満たせば在留期間中に介護福祉士国家試験受験可能になります。
実際 彼らに関しては 介護福祉士を取得し、在留資格「介護」に変更して長期間介護業界で働いてほしいという日本側の願いがあると考えられています。

試験について

筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。
EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。
希望すれば、漢字に、ふりがなが付記されている問題用紙が配布されます。

試験に合格するためには

最新(令和3年度)の情報によると、EPA介護福祉士候補者の受験者数は1,014人でした。
合格者数は374人です。合格率は36.9%となっています。
日本人も含めた全体の合格率は72.3%です。

今回の結果で、注目すべきがベトナム人の合格率の高さです。156人の合格者を出していて、合格率は83.9%となっています。インドネシアは122人で、27.2%、フィリピンは96人で25.3%でした。
なぜ、介護に関するEPA制度の歴史が一番浅い、ベトナムが高い合格率を誇ったのか、その点に注目すれば試験に合格するヒントがあるのではないかと思い探ってみました。

ベトナムは、訪日前の日本語研修が12か月と、他の2国の2倍です。また、日本語能力試験N3取得が要件となっており、他の2国のN5とは全く違います。
N3は日常会話がある程度理解でき、漢字も600字前後わかる必要があります。
N5は、できるだけわかりやすい日本語を使えば、ある程度理解できるレベルで、一般の人の話を聞き取ったりするのは難しいです。漢字は100字程度です。

介護福祉士試験は、筆記試験と技能試験ですが、技能試験に関しは、EPAで受験する場合だけです。3年間に身に着いたスキルで十分対応可能だと思います。
問題は、筆記試験です。筆記は、漢字、語彙力、読解力がものを言います。
漢字は読み方も大切ですが、意味がわかることが試験の際は重要なのです。ですから、ふりがなが付記されているからと言って、一般の日本人もわからないような専門用語を除いて、特段有利になるとは思えません。
職場で、毎日の聞き取りや会話を通して、日本語はだんだん上達するでしょう。

しかし、漢字や語彙、読解力は、トレーニングでしか身に付きません。
今、非漢字圏の学生のための英語やベトナム語、インドネシア語等の訳がついた漢字や語彙のテキストがあります。練習帳もセットになっていて、無理なく自習できます。
時折、職員が誤った書き方をしていないかチェックしてあげれば、より正しく学習できます。
問題を読み取らなければならない筆記試験には、漢字力をつけさせスムーズに文章を読めるようになることが大切です。
その上で、参考書や過去問集を使い、知識を蓄え、問題を解く力を向上させるのです。

介護福祉士試験は、他の国家士試験と比べると、実務経験者に有利に作られていると言われています。安全で、信頼関係を築けるような介護をするための基本的な知識を問う問題がほとんどです。漢字力が身に付き、読むことがスムーズになれば、決して難解な試験ではありません。

まとめ

もし、高校の卒業を控えた1人の外国人が日本で介護の仕事をして働きたいと考えていたとします。
理由は、自分の将来のため、家族を支えたい、国ではいい仕事がない、様々でしょう。
外国人が日本で介護福祉士になるためには、2つの方法をすすめしたいと思います。

まず一つ目は、技能実習「介護」で入国することです。基本的に技能実習は3年ですが、その後特定技能1号として日本での就労を5年間延長することができます。つまり最長8年は働けます。その間に、介護福祉士を取得すれば日本でずっと働けることになります。
なぜ技能実習「介護」をおすすめするかと言うと、日本に行くためのハードルが一番低いからです。
高額な留学資金も必要ありませんし、現地で日本語N4を合格すれば介護技能実習生として日本で働くことができ、その後の努力次第で介護福祉士への道が開かれますので、まずこちらをおすすめしたいと思います。

もう一つの方法は、留学ビザで日本語学校に行き、その後専門学校で勉強する方法です。
日本語も、介護の技能や知識も十分身に付けけた上で、現場に出られます。それに令和6年度までに入学すれば、受験することなく介護福祉士になれ、介護の就労ビザでずっと働き続けられます。
高額な留学資金を用意するのが難しければ、今、卒業後介護施設で働くことを条件に、自治体や介護施設、専門学校が奨学金を出しています。それをまず調べてみてください。

超高齢化社会が進行する日本では、介護のニーズは今後さらに高くなります。
介護業界は慢性的な人材不足で、介護職は求人がとても多く、これからも求人が増え続けます。
しかも、介護福祉士の資格保有者はとても価値があり、介護業界から引っ張りだこです。ですから、介護福祉士の資格を取得すれば必ず仕事があると思いますし、生涯日本において仕事に困ることはないはずです。

ぜひ、介護福祉士を目指す外国人の方々には、志を高く持っていただき、難関を突破して介護福祉士になっていただきたいと思います。

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