特定技能「電気・電子情報関連産業」|外国人を雇用するためには?
製造3分野の1つ、特定技能「電気・電子情報関連産業」について解説しています。外国人材が従事できる業務、特定技能資格を得るための条件、人材の給与体系、企業が雇用するためにはどうすればよいかをご説明します。
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について解説をしていきたいと思います。
他の業種の場合も同様ですが、
「実際にどうすれば電気・電子情報関連産業分野で特定技能人材を雇用できるのだろうか?」
「雇用した後、どのように特定技能外国人を活用していけばいいのか?」
こう言った疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
こうした疑問にお答えすべく、この記事では実際に電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れるために、知っておくべき知識や実務上の注意点を紹介していきます。
特定技能外国人の雇用を検討されている方は、ぜひこの記事を読んでいただければと思います。
目次
特定技能1号の誕生背景とは?
電気・電子情報関連産業分野が特定技能制度の対象になった一番のきっかけは、人材不足が叫ばれていたためです。
採用自体は年々難しくなっており、電気・電子情報関連産業の有効求人倍率は2017年度において2.75倍という数値で、全産業平均は1.50倍になっているのを見ると、採用難度が高くなっていることがわかるかと思います。
電子部品に対する需要は増え続けています。年2%の増加率となっており、このペースで需要が拡大し続けていくと人材不足はかなり深刻なものとなってくるでしょう。
こうした事態を受けて、政府は特定技能1号の対象として電気・電子情報関連産業を指定しました。
特定技能1号外国人が従事できる業務
特定技能1号に認定された外国人は、以下記載の業務を行うことができます。
・機械加工
・金属プレス加工
・工場板金
・めっき
・仕上げ
・機械保全
・電子機器組立
・電気機器組立
・プリント配線版製造
・プラスチック成形
・塗装
・溶接
・工業包装
ちなみに同様の業務を行う日本人が普段従事している関連した業務に、特定技能1号外国人が付随して従事することも可能となっています。
関連業務として考えられるのは、クレーン・フォークリフト等の運転作業、原材料・部品の調達・搬送作業、清掃・保守管理作業、各職種の前後工程作業となります。
特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格取得方法
では、実際にどうすればこの特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得することができるのでしょうか?
条件として、現場で作業を行うに支障のない技能及び日本語力あると認定された場合にこの「電気・電子情報関連産業」が認可されます。
具体的には以下2つのいずれかをクリアする必要があります。
・電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していること
以下詳細を解説していきます。
技能試験及び日本語能力試験への合格
特定技能「電気・電子情報関連産業分野」を取得するためには、必要とされている技能レベル及び日本語レベルをクリアしていることを証明する必要があります。
そのためには、以下の2つの試験を受験し、合格する必要があります。
①製造分野特定1号評価試験
こちらの試験でみられるのは、必要とされている技能レベルをクリアしているかどうかになります。
具体的には、以下記載のように定められています。
「監督者の指示を理解し的確に業務を遂行または自らの判断により業務を遂行できるものであること」
「一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものであること」
出典:経済産業省「製造業における特定技能外国人の受け入れについて」
試験の実施内容ですが、行う業務ごとに分かれており、実技試験と学科試験の2つを受験する必要があります。
なお、実施場所は日本国内およびインドネシアとなっています。
詳細が示されているホームページがありますので、こちらから参照お願いします。
②国際交流基金日本語テスト、もしくは、日本語能力試験(N4以上)
こちらの試験で見られているのは、必要とされている日本語のレベルをクリアしているかどうかと言う点です。
具体的な基準としては、日本語能力試験のN4以上の定義として「ある程度日常会話をすることができ、日常生活を問題なく過ごすことのできる日本語能力」とされています。
この「日本語能力試験」は試験方式としては、マークシートが採用されています。1年に2回実施されており、実施場所は日本各地と海外の指定機関です。
「国際交流基金日本語基礎テスト」に関しては、日本語能力試験と同じ目的で実施されますが、実施場所によってスケジュールに違いがあります。
スケジュールに関して詳細を記載したホームページがあるので、詳しくはこちらからご確認ください。
技能実習2号の修了
電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していると、これまで説明してきた試験を受験せずに特定技能第1号に移行が可能となります。
理由としては、技能実習2号を修了していることは日常生活に支障ない程度の日本語力があり、技能水準も問題ないと判断されるので、求められている技能・日本語のレベルに達しているとみなされます。
特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用するには?
特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用したい企業は、以下の3つを満たし、なおかつ、該当する外国人を直接雇用しなければなりません。派遣社員での雇用は不可となっていますので、注意が必要です。
①雇用企業が「日本標準産業分類」で、対象となる産業を行なっているか
雇用企業は以下に記載の産業に関して、いずれかひとつを行っていることが必須となります。
・中分類28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
・中分類29 電気機械器具製造業
・中分類30 情報通信機械器具製造業
「産業を行なっている」状態の定義ですが、特定技能外国人が従事する職場で、製造品出荷額が直近の1年間で生み出されていることと定義されます。
②「製造業特定技能外国人材受け入れ協議会・連絡会」への入会
今まで特定技能外国人を受け入れたことがない企業は、雇用する前に「製造業特定技能外国人受け入れ協議会・連絡会」への入会が行われている必要があります。
③特定技能外国人に十分な支援がなされているか
特定技能外国人を雇用する場合には、法律で規定されている支援が実施できる体制を整えていることが条件となります。
ただし、登録支援機関に支援を委託している場合には、支援する体制が十分に整っているとみなされます。
特定技能「電気・電子情報関連産業」外国人労働者の雇用形態や給与体系について
雇用形態
特定技能「電気・電子情報関連産業」をもつ外国人を雇用する場合には、直接雇用のみが許されています。派遣社員やアルバイトでの雇用は認められていませんので、雇用の際は注意が必要です。
給与体系
給与体系に関しては、同様の作業に従事している日本人と同等の水準、または同等以上の報酬を支払うことが規定されています。
さらに、当該外国人の技能レベルに合わせて、昇給するということもきちんと雇用条件に明記することが求められます。
さいごに
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について、取得要件や実際に雇用する場合について解説をしてきました。
電気・電子情報業界は冒頭に述べたように、人材不足が叫ばれている業界です。こうした外国人労働者を電気・電子情報関連産業にて雇用できれば、人材不足の問題を解決できる可能性があります。
特定技能外国人の雇用を考えられる場合には、手続きも複雑になるため、ぜひ登録支援機関や人材紹介会社などの専門家に相談することをおすすめします。
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