特定技能ビザ申請|準備・必要な書類・ステップまとめ
特定技能ビザ申請における必要な準備、書類の詳細(在留資格認定書交付申請・在留資格変更許可申請)・ビザを取得するためのステップ・必要書類の注意点・手続き上の注意点を細かく解説します。
目次
はじめに
特定技能ビザ(特定技能の在留資格)の申請は、手間かつ時間のかかる手続きとなるので、しっかり丁寧に準備を行う必要があります。今回は、必要な書類と申請のステップを詳しくご説明していきます。
準備が不十分で、時間がかかったり申請が通らないという事態を招かないためにもこの記事をしっかりご覧になることをおすすめします。
なお、法令によって下記記載事項は変更になる可能性もあるので、法務省のホームページで最新情報を確認しておくようにしましょう。
必要な準備、書類
特定技能ビザの申請は、出入国在留庁が管理している
特定技能総合支援サイトにて、必要な書類を確認・ダウンロードできます。ご確認ください。
特定技能所属機関(いわゆる受け入れ先)が法人か個人か、申請が特定技能1号か特定技能2号かによって提出書類が変わりますが、今回は、法人かつ特定技能1号の申請に絞ってご説明します。
必要な書類は、下記のように大きく3つに分けることができます。
①申請人(外国人)に関する必要書類
②所属機関に関する必要書類
③分野に関する必要な書類
在留資格認定書交付申請
①申請人に関する必要書類
- 1 表紙
- 2 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 3 在留資格認定書交付申請書
- 4 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 5 特定技能雇用契約書の写し
- 6 雇用条件の写し ※別紙 賃金の支払い
- 7 雇用の経緯に係る説明書
- 8 徴収費用の説明書
- 9 健康診断個人票 ※別紙 受診者の申告書
- 10 1号特定技能外国人支援計画書
- 11 登録支援機構との支援委託契約に関する説明書
- 12 二国間取決において定められた遵守すべき手続きに係る書類
②所属機関に関する必要書類
- 1 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 2 特定技能所属機関概要書
- 3 登記事項証明書
- 4 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 5 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
- 6 労働保険料納付証明書
- 7 社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 8 税務署発行の納税証明書
- 9 法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年分)
③分野に関する必要な書類
それぞれ所属機関の産業分野により、準備する書類は異なります。
こちらに関しては、詳しくは出入国在留庁のホームページをご確認ください。
それでは、それぞれ見ていきましょう。
在留資格変更許可申請
日本国内に在留しており、留学ビザや技能実習ビザから特定技能ビザに変更する場合などは、「在留資格認定書交付申請書」ではなく「在留資格変更許可申請書」を提出します。
また、上記の①②③に加えて下記の書類も必要になります。
- 1 直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
- 2 給与所得の源泉徴収票
- 3 申請人の国民健康保険被保険証の写し
- 4 ①申請人の国民年金保険料領収証書の写し②申請人の被保険者記録照会
- 5 公的義務履行に関する誓約書
書類の詳細
数多くある書類の中でも、比較的手間のかかるものをご紹介します。
-
・雇用条件の写し:給与や勤務時間、年間休日など各種雇用条件を細かに記載しなければいけません。また、外国人が理解できる言語の書面が必要です。
-
・徴収費用の発明書:住居や食費、光熱費等の給与から天引きする項目について説明する書類です。
-
・健康診断個人票:書式が準備されていますが、診察項目を全て満たしていれば使用する必要はありません。外国で健康診断を受診した場合、日本語訳が必要になります。
- ・1号特定技能外国人支援計画書:各種支援内容の詳細等を記載します。申請書類の中で最も作成難易度が高い書類です。
特定技能ビザを取得するためのステップ
海外から入国する外国人の場合をご説明します。
①技能試験および日本語試験の合格
新規に入国予定などの外国人は、まず技能評価試験および日本語能力試験に合格しなくてはいけません。技能評価試験は、受け入れ先機関の分野ごとに指定の試験が実施されています。
②雇用契約の締結
外国人は、通常、人材紹介会社による斡旋を受けて求職活動をして、無事就職が内定したら受け入れ機関との雇用契約の締結をします。
③事前ガイダンス等の受講および健康診断の受診
雇用契約の締結をする際に、所属機関等が実施する事前ガイダンスと健康診断の受診をします。
健康診断個人票はのちの申請手続きに必要な書類となります。
④在留資格認定証明書の申請
在留資格認定証明書の申請を行います。在留資格に応じて在留資格認定証明書を日本の出入国在留管理庁に申請し、審査を受ける必要があります。出入国在留管理庁の審査が通った後に在留資格認定証明書が交付され、在留資格認定証明書が郵便にて返送されます。 審査は通常、1〜2ヶ月かかります。 ただ、申請後に外国人本人や受け入れ機関側の追加資料を求められることがあると、1週間程度審査が伸びてしまうこともあります。
⑤在留資格認定証明書の交付と発送
日本の出入国在留管理庁に在留資格認定証明書を申請するので、外国人本人が行うのが困難な場合が多く、その場合は、申請取次の資格を持った行政書士などが代理人として申請を行うことになります。
審査が通った後、在留資格認定証明書がその代理人に送られ、受け取ったら外国に居住している外国人本人に再送付をします。
なお、一つ注意点として、在留資格認定証明書の有効期限は3ヶ月のみとなっており、必ず3ヶ月以内に入国しなくてはいけません。(現在は新型コロナウイルス対策の入国制限が実施されていますので、有効期限の緩和措置が取られています)
⑥ビザの申請
在留資格認定証明書を受け取った外国人は、必要な写真や申請書類等を用意して本国にある日本大使館や日本領事などの在外公館に提出し、ビザ発給の申請を行います。 ビザの申請から発給にかかる期間は国によって異なりますが、早ければ数日、長くても2週間程度で発給されます。審査が通ると、提出したパスポートにビザが貼り付けをされます。
⑦入国
ビザが発給されたら日本への入国をします。既述ですが、入国は在留資格認定証明書の発行から3ヶ月以内となっています。(今は新型コロナウイルス蔓延対策の入国制限が実施により、有効期限の延長措置が取られています)
在留資格認定証明書は、上陸条件である「活動の非虚偽性」「在留資格該当性」「基準適合性」を証明する役目を果たし、出入国在留管理庁によって回収されます。
交付の際の在留カードの居住地は未定のままとなっているため、入国後に居住地の市町村役場にて登録の手続きを行う必要があります。
以上がビザ取得のためのステップです。留学生や技能実習生など日本国内に在留している外国人に関しても基本的な流れは同様です。その場合は、「在留資格認定証明書」ではなく、「在留資格変更許可申請書」が必要になります。
申請における注意点
必要書類の注意点
・原本の提出が求められているものは、発行から3ヶ月以内でなくてはいけません。
・出入国在留庁のホームページに掲載されている参考様式を使わない場合は、同様の内容を記載した書類が必要です。
・提出資料が外国語で作成されている場合には日本語訳文を添付する必要があります。
・原則、提出した資料は返却されないので、再度手に入れることが難しい資料の原本等の返却を希望する場合は、申請する際にその旨を伝える必要があります。
手続き上の注意点
・特定技能の受け入れに関する相談は、法務省及び地方入国管理局で可能です。
・特定技能の申請は、郵送ではなく持参しなくてはいけません。
・在留資格認定証明書の交付申請は無料です。
・在留資格変更許可申請は許可される際に4000円が必要になります。
おわりに
今回は、特定技能ビザに必要な書類とそのステップについて解説しました。このように、かなりの労力が必要となり、かつ、所属機関(受入企業)の分野によって手続きが変わったりもするのでしっかり丁寧に進めていかなくてはいけません。申請した後に書類に不備があったり条件が合わない等の問題が発生すると余計な時間を割いてしまうことになります。不安があれば登録支援機関に相談したり、法務省や地方管理局、個人の行政書士や弁護士等を活用するなどして進めていきましょう。
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