【2021年】外国人にも最低賃金は適用されるのか?

日本では地域や産業によって最低賃金が決められています。日本人にはもちろん適応されますが、外国人労働者には適応されるのでしょうか。その疑問について詳しく解説していきます。2021年の最新の最低賃金も掲載しています。

【2021年】外国人にも最低賃金は適用されるのか?

この記事では、外国人にも日本の最低賃金が適用されるのかについて解説します。

結論から言うと、 外国人労働者にも日本の最低賃金は適用されます。
外国人労働者の雇用を考えている企業の方は、絶対に把握しておかなければならないことです。
技能実習生や特定技能として働いている外国人の給与が最低賃金以下であった、残業代が1円も支払われていなかった、などの理由で摘発されている企業もあります。
このようなニュースを見たことのある方もいると思いますが、外国人だからといって不当な扱いをするのは犯罪行為です。

近年、外国人労働者が増えたこともあり非常に厳しくチェックされていますので法律をしっかり確認しておきましょう。

目次

  1. 最低賃金とは
  2. 最低賃金の種類
  3. 最低賃金の金額
  4. 最低賃金の算出方法

1. 最低賃金とは

『最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。』

引用:最低賃金制度の概要

これは日本で就労する人であれば国籍は関係なく当てはまります。
もちろん雇用形態が正社員でも契約社員でもアルバイトでも最低賃金以上を支払う必要があります。

また、技能実習生、特定技能、技術・人文知識・国際業務ビザなどの在留資格の違いも関係なく最低賃金制度が適用されます

技能実習生として働く外国人からすると、日本の最低賃金でも母国の給与の数倍になることが多いです。 そのため、最低賃金でも高給と感じる人もいるので最低賃金以下だとしても十分だと勘違いしてしまいます。
そのような外国人の考えにつけこみ労働搾取する企業もいますが、発覚すれば大問題になるので絶対にやめてください。また、外国人も最低賃金以下の給与で生活することが大変になり、失踪の原因になることもあります。

最低賃金を知らない外国人の方には指導をして、自分の企業は最低賃金以上の給与を支払っていることを教えてあげてください。

2.最低賃金の種類

外国人労働者にも絶対に最低賃金以上の給与を支払う必要があることは理解いただけたと思います。
ここでは最低賃金の種類をご紹介します。
最低賃金には「地域別最低賃金」「特定最低賃金」の2種類があります。
よく目にするのは地域別最低賃金かと思いますが、 両方が適用される企業は高い方の最低賃金を支払う必要があります

地域別最低賃金

職種や産業に関係なく、各都道府県で働く全ての人に適用される最低賃金です。
各都道府県、全47件の最低賃金が定められています。

特定最低賃金

特定の産業に定められている最低賃金です。
地域別最低賃金よりも高い金額を設定する必要があると認められた産業に対して定められています。

3. 最低賃金の金額

地域別最低賃金は定期的に改訂されるので、常に最新情報をチェックしておく必要があります。
こちらの記事も随時情報を更新しています。
特定最低賃金は、令和3年3月末時点で227件が定められています。

引用:特定最低賃金の全国一覧

    地域別最低賃金(令和3年度)

都道府県 最低賃金時間額【円】 発効年月

北海道

889

(861)

令和3年10月1日

青森

822

(793)

令和3年10月6日

岩手

821

(793)

令和3年10月2日

宮城

853

(825)

令和3年10月1日

秋田

822

(792)

令和3年10月1日

山形

822

(793)

令和3年10月2日

福島

828

(800)

令和3年10月1日

茨城

879

(851)

令和3年10月1日

栃木

882

(854)

令和3年10月1日

群馬

865

(837)

令和3年10月2日

埼玉

956

(928)

令和3年10月1日

千葉

953

(925)

令和3年10月1日

東京

1,041

(1,013)

令和3年10月1日

神奈川

1,040

(1,012)

令和3年10月1日

新潟

859

(831)

令和3年10月1日

富山

877

(849)

令和3年10月1日

石川

861

(833)

令和3年10月7日

福井

858

(830)

令和3年10月1日

山梨

866

(838)

令和3年10月1日

長野

877

(849)

令和3年10月1日

岐阜

880

(852)

令和3年10月1日

静岡

913

(885)

令和3年10月2日

愛知

955

(927)

令和3年10月1日

三重

902

(874)

令和3年10月1日

滋賀

896

(868)

令和3年10月1日

京都

937

(909)

令和3年10月1日

大阪

992

(964)

令和3年10月1日

兵庫

928

(900)

令和3年10月1日

奈良

866

(838)

令和3年10月1日

和歌山

859

(831)

令和3年10月1日

鳥取

821

(792)

令和3年10月6日

島根

824

(792)

令和3年10月2日

岡山

862

(834)

令和3年10月2日

広島

899

(871)

令和3年10月1日

山口

857

(829)

令和3年10月1日

徳島

824

(796)

令和3年10月1日

香川

848

(820)

令和3年10月1日

愛媛

821

(793)

令和3年10月1日

高知

820

(792)

令和3年10月2日

福岡

870

(842)

令和3年10月1日

佐賀

821

(792)

令和3年10月6日

長崎

821

(793)

令和3年10月2日

熊本

821

(793)

令和3年10月1日

大分

822

(792)

令和3年10月6日

宮崎

821

(793)

令和3年10月6日

鹿児島

821

(793)

令和3年10月2日

沖縄

820

(792)

令和3年10月8日

全国加重平均額

930

(902)

※括弧書きは、令和2年度地域別最低賃金

引用:地域別最低賃金の全国一覧

4.最低賃金の算出方法

給与が最低賃金以上であるかは時給であれば分かりやすいかと思いますが、日給や時給などはどのように計算すれば良いのかを説明します。

  • 時間給制
  • 「1時間の給与≧最低賃金額」

  • 日給制
    • 地域別最低賃金の場合
    • 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額

    • 特定最低賃金の場合
    • 日給≧最低賃金額

  • 月給制
  • 月給÷1ヵ月平均所定労働時間≧最低賃金額

企業の給与が地域別最低賃金、特定最低賃金以上になっているか改めて確認しましょう。

以上が外国人の最低賃金に関する情報でした。
外国人労働者が不当な扱いをされないために、最低賃金について考えなかったことで企業が摘発などされることのないようぜひ参考にしてください。

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