外国人トラブル5選|文化や風習の違いで起こる
外国人雇用において文化や習慣の違いで起こるトラブルをあげ、解決策までご紹介。起こりうる問題を事前に把握することで早期に対策をとることができます。是非読んでご活用ください。
目次
日本人でさえ育った環境によって性格や考え方、習慣が違うので、外国人が異なる文化や風習を持っていることはごく当たり前のことです。
そのため、会社に対する常識も異なってきます。
この記事では、起こりうるトラブルの事例をあげ、解決方法をご紹介します。
文化や習慣の違いがある前提で雇用する
外国人労働者をの雇用したときのトラブルで多いのが、仕事に対しての考え方の違いや日本の常識となっている習慣が通じないことです。
同じアジア人であっても、食事する際、日本人はお皿を持って食べるのがマナーですが、韓国ではお皿を持って食事をするのはマナー違反になります。
先述しましたが、日本人でさえ習慣が違うので、外国人が異なる文化や風習を持っていることはごく当たり前のことです。
起こりうる問題やトラブル5選
外国人社員とのコミュニケーション問題
◆挨拶
コミュニケーションは言語問題だけではありません。
日本人だったら挨拶するのは当たり前ですが、国によってはあいさつの習慣がない国もあります。
タイではもともと挨拶に該当する言葉がありませんでした。知り合いに会ったときなどは、微笑むことで意思疎通をとっているといいます。そんなことから「微笑みの国」と言われるようになったみたいです。
代わりに、「ご飯食べた?」「どこ行くの?」といった言葉をなげかけてコミュニケーションをとります。日本人だと、食事の時間でもないのに何を急に聞いてくるの?と思うかもしれません。
また、タイ・ミャンマー・ベトナムなどの東南アジアの国では会社で毎日顔を合わせるような場合、あいさつをしないのは普通です。黙って職場に入り、黙って職場を去るといったことが日常的に行われています。
こういった文化のギャップは必ず存在します。
日本の挨拶をしてくれなくても、わざとしないのではなく、習慣がないからしていないだけかもしれませんので、ショックを受けず、「日本はこういった文化があるけど、○○(外国人の出身国)ではない?」とまずは相手の立場に立って聞いてあげるのが最優先です。
そして、日本ではまずは挨拶から始めることを教えてあげましょう。
「日本はこういった文化があるけど、○○(外国人の出身国)ではない?」と聞く
- ないと言われた場合
- みんなが気持ちよく働くためにある習慣だからやるなど理由を伝えて教育する
- あると言われた場合
- 習慣はあるが日本も同じ習慣か分からなかったため、やらなかった可能性もあるのでまずは理由をきいてから教育する
といったように、頭ごなしに「何でしないの?」「普通するよね?」などと言わず、相手の価値観を尊重し教育していくことが重要です。
◆基本の「報・連・相」
業務の報連相(報告・連絡・相談)も仕事をスムーズに行う上でとても重要です。しかし、外国では仕事において報連相をしないことが多いようです。
ですから「報連相をしてください」と外国人に伝えても、報連相の意味や必要性が理解できず、おろそかにしてしまう外国人従業員がかなり出てきます。
報連相をしてほしいがその必要性をどう説明していいか分からない場合は、下記のように、時間軸:過去→現在→未来で説明することをおすすめします。
外国人に報連相を伝える際は、報告は「過去のこと」、連絡は「現在進行形のこと」、相談は「未来へ向かって行うこと」といった時間軸で説明すると外国人にも分かりやすく覚えやすいです。
給与やボーナスについてオープンに話す文化
日本人ではあまりないですが、国によっては自分の給与やボーナスについてオープンに話す方もいます。給与の話などはしないでくださいと注意をしても守るとは言えません。
対策としては、給与基準と査定基準を出来る限り定めておくことです。
数字を用いた目標設定や、資格の有無、話せる言語数などに対して定めることをお勧めします。説明を求められたときに明確な基準があると説明ができます。
また、雇用契約書に自信の給与やボーナスを口外しないことを定めておくことも可能です。
外国人社員が残業をしてくれない
外国人みんなが残業をしないわけではありません。一例としてご説明します。欧米諸国の雇用契約には採用された人が行う職務が詳しく記載されています。
それを見れば自分が何の仕事をすればいいのか分かるほど詳しく書かれていることがあります。
分業制かつ裁量労働制が多く取り入れられており、その場合自分の仕事が終われば帰ることが通常です。チームワークを疎かにしているのではなく、自分の仕事をするという契約が行われているからです。
日本は良くも悪くも、「助け合う精神」が仕事であっても根強いです。自分だけの仕事が終わって帰ってしまう外国人従業員を見て、びっくりするかもしれませんが、これも各国での雇用形態の違いによるギャップです。
残業をしない理由によって対処法を説明します。
仕事が終わってないのに残業をしない場合
- ケース①能力に見合った業務量でない
- 雇用したからには力を発揮して働いてもらいたいのが企業側の本音です。この量の業務はやってほしいという希望がありますよね。時間内に終わるように生産性の向上を改めて一緒に考えてみるのもいいと思います。「外国人を雇用して、改めて業務内容を精査することで業務の生産性があがった」という声はよく耳にします。
- ケース②任せた業務は終わっていないがプライベートを優先してしまう
- メリハリをつけた仕事ができるように指導しましょう。このケースでは、企業の経理理念や行動指針を理解してもらうことが重要です。決してプライベートを疎かにして仕事をしなさいと言うわけではありません。外国人従業員にも企業への帰属意識を持ってもらうことで、仕事も頑張ってプライベートも楽しむといったメリハリのついた働き方を指導します。
海外ではチップの習慣がある国があります。ウエイター・ウエイトレスやベルマン、ドアマンなどはお客様からチップを頂くことは+αの収入になります。
ホスピタリティー精神で自分の仕事以外の仕事をすると、他の従業員が稼ぐ分のチップを奪うことになります。こういったこともあるため、分業制として分けられている面があります。
日本では「おもてなしの心」で行われることも海外ではタブーとされていることがあります。
法律により、下記のような場合は労働者は残業を法的に拒否できますのでご注意ください。
- 36協定が締結されていないのに残業をさせる
- 36協定で定めた上限を超える残業をさせる
- 不必要な残業をさせる
- 健康を害するあるいは健康に配慮しない残業をさせる
- 妊産婦が残業をしないことを請求した
- 3歳に満たない子どもを養育する労働者に対し、「所定労働時間」を超えて働かせる
- 小学校就学始期に達するまでの子どもを養育する労働者に対し、制限時間(1ヶ月24時間、1年150時間)を超えて働かせる
転職に関する意識の差でのトラブル
◆組織の構造がもともと違う
海外では、“成果を上げられなかったため当日付けで解雇”といった例は正社員でもよくあります。契約していた職務がはっきりと決まっているため、目標に達しなった人はやめていくことがあります。
こういった背景もあり、転職は当たり前で日本のように1社に長期間所属する意識が低い国もあります。
しかし、せっかく雇用した外国人従業員にすぐにやめられたら困りますね。その対処法を説明します。
- 日頃から、外国人従業員の意見や感じていることを吸い上げる
- 困っていることや・やってみたいこと・不満など感じていることを吸い上げる人を選任し、コミュニケーションをとってもらうことで改善することがあります。
母国語ではない言語で仕事をするだけでも日本人従業員より頭を使ったり、意思疎通に困ったりしていると思います。就業中のちょっとした息抜きの会話はとても有意義になると思います。 日本人でも新入社員に対してメンター制度を導入している企業があります。外国人従業員にもそういった制度を付けてもいいと思います。
- よく話しかける
- ちょっとしたことでも話しかけてもらえると、人間居場所があると思えてきます。気軽に話しかけることで、業務になったときにも困ったときなどすぐに聞いてもらえるようになります。コミュニケーションの積み重ねが転職の意思を生まないことに繋がります。
- 違う仕事がしたいと言われた場合
- 日本では1社でジョブチェンジが可能な点がメリットです。
企業の体質やその時のビジネス展開にもよりますが、社内で新しい職種にチェンジすることも例外ではありません。新たな職務に任命することも考えてみてはどうでしょうか。
外国人採用後のトラブルと対応策まとめ
-
- コミュニケーション「挨拶」→文化を認識した上で教育をする
- コミュニケーション「報連相」→時間軸:過去→現在→未来で説明する
- 給与やボーナスについてオープンに話す→給与基準と査定基準を出来る限り定めておく
- 残業をしてくれない→生産性の向上を考える。企業理念・行動指針の周知でメリハリをつけてもらう
- 転職に関する意識の差→日頃のコミュニケーションによって意思の吸い上げ。社内のジョブチェンジを提案。
以上が起こりうるトラブルと解決策になります。
事前に起こりうる問題を知っておくことで、対応ができると思います。
また、トラブル事例をあげましたが外国人従業員を雇用するにあたってのメリットもたくさんあります!
是非、外国人従業員を仲間に迎えて新しい風を吹かせてもらいましょう!
お気軽にお問い合わせください
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