外国人従業員に転職されないための6つのポイント
外国人従業員を転職させないために必要ポイントを解説します。ポイントは6つあります。 ポイントを実施して外国人従業員の定着を促進させましょう。
せっかく雇用した外国人がすぐに辞めてしまう。
そんな悩みを抱える企業も多いようです。
ここでは外国人の転職を防止し、定着を促進するためのポイントを解説します。
目次
外国人従業員に対する日本人の戸惑い
少子高齢化、労働人口の減少が進行する日本では、人材採用が年々難しくなってきており、近年、外国人を雇用する企業が増えてきています。 しかし、島国の日本は、いまだに外国人のことを「ガイジン」と読んだりして、外国人慣れをしていない方々が多くいます。
そのような中で、外国人従業員を雇用してみて、戸惑ってしまう方々も多いようです。 例えば、このようなことは皆さん経験しているのではないでしょうか?
- ・朝、時間通りに来ない
- ・ルールを守らない
- ・雑談ばかりしている
- ・サボって携帯電話でケームをしている
- ・仕事とプライベートを分けられない
- ・言われたとおりにやらない
- ・伝えているのに理解しようとしない
- ・わかっていないのに「わかりました」と言う
- ・担当外の仕事をいやがる
- ・みんなが頑張っているのにさっさと先に帰る
- ・本音がわからない
- ・同じ国の人たちだけで壁をつくり、日本人とコミュニケーションを取ろうとしない
うまくコミュニケーションできず、なんとかしなければならない、と常々思っていても対処ができない。ついには突然会社に来なくなってしまう。 そんな経験をされた方も多いことと思います。
今回は、様々な課題が発生する外国人雇用の現場において、外国人の転職を防止し、定着を促進するためのポイントを解説します。
外国人従業員に転職されないための6つのポイント
1.家族のように面倒をみる
雇用した外国人は、皆、祖国から遠く離れて、日本で孤独に暮らしています。
いくら日本人とは違うといっても、同じ人間です。
心のふれあいを求めているのは人種や国籍、習慣が違っても同じだと思います。
ただ、ドライに「仕事だけしてくれればよい」
「個人的な干渉はすべきではない」
そのようなご意見もあろうかとは思いますが、やはりできれば家族のように面倒をみていただきたいと思います。
気は心です。
日本人には言えないが、何か悩みを抱えている可能性もあります。
生活上、困っていることもあるかと思います。
ぜひ、同じ会社の仲間の外国人従業員には、声がけをお願いします。
日本は四季があり、季節ごとにいろいろな行事もあります。
お花見、お祭り、花火、盆踊りなどなど・・・
ぜひ海外から来た若者に、これらの行事に声をかけてあげてください。
またたまには食事に誘ってあげてください。
家族のように接すること。
これが彼らの心を打ち、心のつながりができ、ひいては転職を防止する鍵となります。
2.定期的に面談する
仕事上の悩み、疑問。
生活上のトラブル、問題点、不都合。
雇った外国人は、なにかしらの問題を抱えていることが多いです。
同郷人には言えるが、日本人に対しては、それも特に上司に対しては何も言えない(言わない)外国人が多いようです。
悲しいかな、日本人と外国人の間には一定の溝といいますか、隔たりがあることが多いです。
この距離をできるだけ縮める必要があります。
そのためには、定期的な面談がいいと思います。
できれば、母国語の通訳を交えての面談をしてください。
(通訳が手配できなければ、やさしい日本語で面談をしてください)
毎月1回はこの面談を続けることをおすすめします。
面談により、雇用した外国人は「気にかけてくれている」と感じてくれると思います。
思わぬトラブルを未然に防ぐこともできると思います。
ぜひ、定期的な面談をおすすめします。
3.上から目線で接しない
アジア系の外国人を雇用した場合、特に起こりがちなのが「上から目線」です。
なぜか日本人は、他のアジアの国よりも優れていると勘違いしている人が多くいます。
日本が優れていて、他の国は劣っている。
日本人はすくれていて、他の国の人は見習うべきだ。
そのような大きな勘違いが、外国人に対する接し方に表れてしまいます。
問題はその「上から目線の接し方」は、自分では気づかないものです。
そして、外国人は必ず感じ取ります。
それは「差別的」とも感じ取っているのです。
同じ人間です。
日本人が偉い、などという勘違いは消し去りましょう。
仲間である外国人を同等に接すること。
それが、決定的な亀裂をつくらないための、ひいては転職をぼうしするための重要なポイントなのです。
4.パワハラ(パワーハラスメント)を徹底的に防止する
昭和生まれの日本人は、体罰が当たり前の環境で育ってきた方もたくさんいると思います。
筆者も野球部に入っていたころは、毎日ケツバット(お尻をバットで殴られる)でしごかれました。
でも、当時はこれが当たり前でした。
「愛のムチ」
そんな勘違いは、令和の今、日本人にも外国人にも通用しません。
特に建設系などは、やんちゃな従業員が外国人に対してパワハラをすることが多く見られます。
乱暴な言葉で命令する。
乱暴な言葉で失敗を罵る。
そればかりか、蹴飛ばす、殴る、なども少なくありません。
ぜひ、従業員教育を徹底して、パワハラを防止してください。
ていねいなやさしい言葉で話すこと。
外国人に手を(もちろん足も)触れないこと。
ヘルメット越しならよいというわけでもありません。
ありとあらゆるパワハラを徹底的に防止すること。
これができなければ、全員外国人には転職されると覚悟してください。
5.多様性を認める
日本の常識は、実は世界の非常識であることが多いことをご存知でしょうか?
私たち日本人が当然のごとく、習慣としてきた、日本人の道徳観や規則は、実は外国人にとっては実に滑稽なものに映ることがあります。
企業として絶対に譲れない理念であれば、それは日本人従業員のみならず、外国人従業員に対しても要求するべきでしょう。
しかし、それが過剰な要求になると、外国人は耐えられなくなることが多いです。
違う国で、異なる生活習慣、異なる常識で暮らしてきた外国の方々の多様性を認めること。
それは、転職を防ぐためには乗り越えなければならない壁だと思います。
6. 従業員満足度を徹底的に追求する
あなたの会社は、離職率は高いでしょうか?
もし、離職率が高い場合、従業員満足度の向上に今すぐ取り組むべきだと思います。
従業員満足度を上げる方法はいくつもありますが、結局日本人も外国人も同じで、あなたの会社で働くことに満足度が低ければ、やがて転職を考えることになります。
日本人よりも外国人は転職に対するハードルが低いです。
日本人は転職を繰り返すことに罪悪感を感じますが、外国人は転職してキャリアアップするのが当然だと考える人も多いです。
満足度が低い場合、外国人は躊躇なく転職に走ります。
ポイントは、やりたい仕事とやりたくない仕事を本人にヒヤリングすることだと思います。
やりたくない仕事がある場合、その理由は何か。
コミュニケーション不足なのか、そもそも会社側が約束違反をしているのか。
やりたい仕事が与えられていないのはなぜか。
できる限り本人の意向を汲んで、満足度の高い状態で気持ちよく仕事をしてもらうことが大切だと思います。
転職を避けるには、従業員ひとりひとりの満足度を追求すること。
日本人も外国人も同じなのです。
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