日本と海外のビジネスマナーの違いとは
日本と海外のビジネスマナーは、異なる点がいくつもあるため、あらかじめ知っておくことが重要です。一緒に働いているとビジネスマナーの乖離を感じる場面がいくつか出てくるからこそ、ギャップへの対処法と注意点を知っておくことも必要となるでしょう。 そこで、この記事では日本と海外のビジネスマナーの違い6選について詳しく解説します。ギャップへの対処法と注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
日本と海外のビジネスマナーの違い
まずは、日本と海外のビジネスマナーの違いについて見ていきましょう。
挨拶の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、挨拶が違います。
日本では名刺を渡すのがマナーとされていますが、東アジアを除く海外では必ずしも名刺を渡すのがマナーとは限らず、握手だけで済ませることも珍しくありません。
形式的な挨拶が主流の日本と比べて、海外は人情的な挨拶が主流です。
相槌の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、相槌も違います。
日本では「えー!」「はー!」とオーバーリアクションをする傾向にあり、ペコペコと何度もお辞儀するのも日本人ならではのリアクションと言えるでしょう。
対して、アジア諸国を含む海外では目を見ながら耳を傾けて聞く傾向にあり、リアクションも控えめな場合が多いです。
言い回しの違い
言い回しが違うのも日本と海外の違いと言えるでしょう。
日本は曖昧な表現で回りくどい言い回しをする人が多く、上下関係を意識するあまりなかなか意見できない人がいますが、海外はストレートな表現をする人が少なくなく、アジアの国でもあっても、個人主義が大切にされている国も多いです。
人によって言い回しは変わりますが、本音や建て前はあまり通用しないため、飾らないコミュニケーションが求められます。
仕事の価値観の違い
日本ではプライベートを犠牲にして仕事をする人が多い一方、海外では仕事よりプライベートを大事にする人が少なくありません。特にアジア諸国では、家族と楽しい時間を過ごすことを最重視する傾向があります。
例えば、日本では残業する人が称賛される傾向がありますが、海外では定時で帰る人ほど仕事ができると認識される傾向にあります。
人間関係の違い
日本と海外では、人間関係の違いも顕著と言えるでしょう。
日本では職場の人は職場の人と割り切っている人が多いのに対して、海外は職場の人と家族ぐるみの付き合いをする人も少なくありません。
どちらかというと仲間意識があり、ビジネスというよりはファミリーのような関係性が求められることがあります。日本人からすると不思議な感覚かもしれませんが、外国人からすると「一緒に働く人=仲間」なのです。特にアジア諸国出身の方にとっては、日本での職場の人との付き合いは物足りなく思うかもしれません。
飲み会の違い
日本と海外では、飲み会にも違いがあると言えるでしょう。
日本では上司・部下・同僚など、仲の良さに関係なく飲み会に参加する傾向にあります。対して、海外では仲の良い人同士で飲みに行く傾向にあり、強制参加の飲み会はほぼありません。飲み会を強制するとハラスメントと捉えられることがあるからこそ要注意です。特に東南アジアでは宗教上・習慣上お酒の席が一般的でない国もあります。
ギャップに対する対処法
次に、ギャップに対する対処法について見ていきましょう。
わかりやすい日本語を使う
日本で働く外国人労働者の中には、日本語を流暢に話せない人が一定数いるため、わかりやすい日本語を使うのが良いです。
最近では瞬時に翻訳してくれるアプリやサイトもあるので、よりコミュニケーションを取りやすい環境を整えておくのも良いと思います。
オノマトペをすぐに用いない
日本人のコミュニケーションでよく見られるオノマトペは、外国人に通用すると思っている人もいますが、実はほとんど通じません。
オノマトペとは「ワンワン」「ニャンニャン」「サラサラ」「ぷにぷに」など、自然の音や動物の声、植物の見た目などを音で表現した言葉です。
一見するとオノマトペは国際的な場でも通用しそうな響きがあるのですが、ワンワンと聞いて犬、ニャンニャンと聞いて猫と思い浮かべられるのは日本人だけとされています。
外国人にいきなり擬音語・擬声語・擬態語を使用しても余計わかりにくくなるだけなので、極力オノマトペは使わないようにしましょう。
コミュニケーションを取る
日本人と外国人との溝を埋めてくれるのは、やはりコミュニケーションです。
「言葉が通じないから」とコミュニケーションを避けていると、両者の溝は一向に埋まらないどころか、壁ができてしまっても仕方ありません。大切なのは言葉ではなく、心と心で通じ合えるかどうかなので、正確な単語や文法を用いようとしなくて良いでしょう。
お互いに笑顔で話しているだけで何を言っているか100%理解できなくてもコミュニケーションは成立するため、ぜひ積極的に話しかけてみることを推奨します。
もちろん、恥ずかしいと思う必要は一切ありません。
ジェスチャーで伝える
オノマトペは通用しませんが、ジェスチャーならある程度は通じます。
例えば、メモして置いてほしい際は「ペンを持った手で紙に書くジェスチャー」をすることである程度通じますし、電話してほしい時は「受話器を耳に当てるジェスチャー」をすることである程度通じるはずです。
喜怒哀楽も表情である程度は読み取れるからこそ、無理に英語や日本語でコミュニケーションをしないようジェスチャーを交えるのも良いでしょう。
ただ、相手の出身国によってはジェスチャーの意味が変わるため、気を付けなければいけません。例えば、日本では人を呼びたい状況で手招きすることがありますが、国によっては「あっちに行け」とやっているように見えるので、注意しなければなりません。
親指を立てるサムズアップや人差し指・中指を立てるVサインも国によっては余計な誤解を耐えることがあるからこそ、ジェスチャーは慎重に行いましょう。
ビジネスマナーでの注意点
最後に、ビジネスマナーでの注意点について見ていきましょう。
従来のやり方に固執しない
従来のやり方に固執すると、余計な誤解を生むことがあります。
日本にはまだまだ現代の働き方に順応できていない会社が多く、古くからのやり方に固執している企業も少なくありません。例えば、海外では電子的なやり取りが主流になってきているのに対し、日本では未だに紙の書類でやり取りしているところもあるでしょう。
必ずしも新しいやり方に順応すべきとは言いませんが、外国の人と働く場合は従来のやり方に固執しないことも考えておきたいです。
ハラスメントに敏感になる
海外は日本よりもハラスメントに厳しい国があり、地域によってはちょっとした発言や行動がセクハラ・パワハラとして訴えられることがあります。
ちょっとしたコミュニケーションのつもりで行った行動や放った発言が誤解を招き、信頼関係が崩壊してしまうこともあるでしょう。そのため、ことハラスメントにおいてはセクハラ・パワハラに十分ご注意ください。
気を付けていても相手の捉え方次第でハラスメントになることがあるので、信用を失わないためのコミュニケーションを身につけることが肝心です。
理想を押し付けようとしない
日本の理想的な働き方と海外の理想的な働き方とでは乖離があって当然で、どちらかが理想を押し付けようとすると衝突の原因となります。
実際に外国人労働者に対して日本のやり方を押し付けることでトラブルに発展していることがあるため、理想は理想として一度切り離して考えることが重要です。
仕事の進め方は人によって違うため、理想的なやり方を押し付けたからと言って効率よく仕事ができるとは限りません。むしろ、アドバイスや助言が委縮させてしまうことに繋がることもあるので、理想ではなくお互いに働きやすい環境作りを進めていくことが大切ではないでしょうか。
まとめ
日本と海外のビジネスマナーは、挨拶や相槌、言い回しや仕事の価値観、人間関係や飲み会など多種多様な場面で違います。
育ってきた環境が違うだけに、仕事のやり方もそれぞれ違って当然です。
ただ、そのまま放置するとお互いに気持ち良く仕事ができなくなってしまう可能性があるため、お互いにギャップを埋めていくことが求められるでしょう。
例えば、正確な単語や文法を用いようとせずに話したり、オノマトペをすぐに用いないようにしたりするだけでも違います。他にも積極的にコミュニケーションを取ったり、ジェスチャーで伝えたりすることで信頼関係を育むことが可能です。
まずは信用を築くことが求められるので、誤解を生まないよう注意しつつ積極的に会話・交流してみましょう。
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