日本は未曽有の人材不足
日本が高齢社会である現状と、そこから考えられる労働人口の減少にフォーカスしました。労働人口減少の対応策として外国人人材のご説明をいたします。
目次
日本の人口は減り続ける
とても悲しいお知らせがあります。
日本では少子高齢化が叫ばれで久しいですが、我々が生きている間にはもう日本人の人口が増えることはありません。
出生率を上げれば人口が維持できるという意見がありますが、実際は、日本人女性の人口が減り続けていますので、少しばかり出生率を上げたところで日本の人口は増えることはありません。
今の日本は出生率が1.42ですから、一世代あとになると新生児は3割以上減ります。
その先の世代ではさらに3割以上減り、2世代前の5割以下になります。
その次の世代はさらに3割以上減ります。
一世代を仮に30年とすると、90年で新生児は元の35%以下になります。
人口動態の予測は様々ありますが、一説によると100年後の日本の人口は約3分の1になってしまうという説もあります。
実のところ、今の日本の人口が激減せずに済んでいるのは、実は日本人の人口減少を外国人の入国で補っているからです。
日本は49年前から高齢化社会だった
高齢化社会の定義は国連が決めています。
65歳以上の高齢者の比率が人口の7%を超えると高齢化社会といいます。
実は日本は49年前に高齢化社会に突入しました。
この日本はもう半世紀も前から高齢化社会なのです。
今や高齢化率は27.7%。
そして出生率は1.42です。
日本の高齢化率はダントツの世界一
日本の高齢化率はダントツの世界一です。
そして今後も世界一をキープしつづけます。
そして日本の高齢化率は40%に近づきます。
2019年現在、日本の高齢化率は、欧米の先進国と比べても圧倒的に高いです。
上記グラフでは、現時点の順位は日本、ドイツ、スウェーデン、フランス、イギリス、アメリカの順で、さらに今後も日本の高齢化率はこれら欧米先進国を引き離していきます。
欧米の先進国は、2035年ごろから高齢化率に歯止めがかかる時代が来るのですが、日本は依然高齢化率が上昇し続け、やがて40%近くに達していきます。
日本の高齢化率はアジア各国にくらべてもダントツに高いです。
上記グラフでは、現時点の順位は日本、韓国、シンガポール、タイ、中国、インド、インドネシア、フィリピンの順ですが、今後これらアジア各国も日本の高齢化率を追っていきます。
中国や韓国は、日本の後を追って高齢化率がぐんぐん上昇しますが、それでも日本は首位をキープし続けます。
日本の人口ピラミッドの推移
図をご覧ください。
1920年の日本の人口ピラミッドは、まさしくきれいなピラミッド型でした。
それが2015年になりますと、かなりいびつな形になります。
2015年の人口ピラミッドにおいて特筆すべきことは、70歳近辺に戦後のベビーブーム世代、つまり団塊の世代がいることです。
このときは一年に250万人が生まれました。
対して今、新生児が生まれる数は年間100万を割り込みました。
そうなると、単純に引き算をすると150万人が減ることになります。
団塊の世代が退職・・・年間250万人
新生児 ・・・年間100万人
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150万人の減少!
この150万人の差が、じわじわと日本を苦しめるのです。
労働人口(生産年齢人口)は年間約60万人ずつ減っている
労働人口(生産年齢人口)は今後劇的に減少していきます。
2015-2020 341万人減少
2020-2025 256万人減少
2025-2030 312万人減少
※15年で909万人減少
2035-2040 556万人減少
ここ4、5年前から急に人材採用がしにくくなったという声を聞きます。
それはなぜか。
理由は、労働人口(生産年齢人口)が年間約60万人ずつ、どんどん減っているからなのです。
そしてこれはこれからも続きます。
ですから、人材採用の状況は「今がまだマシ」と言えます。
去年よりも今年のほうが人材不足になり、
来年は今年よりもさらに人材不足になります。
再来年は来年よりもさらに人材不足。
3年後は再来年よりもさらに人材不足。
今後年を追うごとに人材不足はどんどん深刻化していきます。
2045年の人口ピラミッドはこのような形になります。
これは棺桶型と言われています。
この日本は、棺桶に向かって歩んでいるのです。
もう外国人労働者に頼らなければ日本はやっていけない
年間約60万人ずつ、この日本から労働者が減り続けるわけですから、日本はこの労働者の減少によってやがて持ちこたえられなくなります。
いくらロボットだ、人工知能・AIだと言っても、すべての業界でそれが使えるわけではありません。
5年間で341万人労働力が失われるわけですから、それはもう深刻です。
ですからこの日本は、もう外国人労働者に頼らなければやっていけないのです。
日本に住む外国人の数
日本にはすでにたくさんの外国人が暮らしています。
その中で働いている方もたくさんおられます。
移民というと語弊がありますが、これらの方々をもし移民と呼ぶと、日本はすでに移民大国になっています。
OECDに加盟する35ヵ国の最新データによると、移民数は上から順にドイツ、アメリカ、イギリス、日本の順で、日本は韓国を抜いて移民数第4位です。
これから外国人労働者は増え続ける
特にこれからは単純労働分野の外国人が増えると考えられます。
技能実習と特定技能1号を単純労働と仮定すると、現在その数は約32万人。
しかし3年後にはその合計数は60万人に達すると予想されます。
理由は、特定技能による入国が始まること、また許可される職種が増えることです。
今回特定技能の許可業種に外食業と宿泊業が追加されました。
外食業とはレストラン、ファーストフード、居酒屋、ラーメン屋などを含みます。
日本全国に90万店あると言われる外食産業に特定技能が許可されたわけです。
また、3100万人を超えた外国人観光客の受け入れにより、ホテルや旅館などの宿泊施設が不足しています。
当然働く人もたくさん必要になってきています。
観光立国を目指す日本政府としては、ホテル・旅館の人手不足は観光立国の障害になるとして、真っ先に特定技能を許可しました。
今後さらにホテル・旅館などの宿泊業には技能実習も許可されようとしています。
ですから5年後には外国人の単純労働者は100万人に達すると予想されます。
5年間で341万人の労働力が日本から消失するわけですから、外国人100万人くらいは日本に来てもらって働いてもらわないと、日本はやっていけないのです。
もしかするともっと必要かもしれません。
そして、10年後の日本は単純労働(技能実習と特定技能1号)の外国人が200万人を超えることが予想されます。
日本の至るところで外国人といっしょに働くことが当たり前になる時代がやってくると思います。
東京の銀座でも、大阪の難波でも、京都でも、鎌倉でも、福岡の博多でも、もう外国人観光客だらけです。
5年ほど前までは外国人はほとんど見かけませんでした。
しかし、今では気がつくと外国人観光客が街を歩くことは当たり前になっていました。
これと同じことが職場でも起こり始めます。
今は外国人と働くことは抵抗がある人が多いかもしれません。
しかし、やがて、気がつくと、外国人といっしょ働くことが当たり前になっていることでしょう。
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