外国人雇用の際のマイナンバーカードに関する基礎知識

外国人雇用の際にマイナンバーカードを使用する場面や外国人雇用でマイナンバーカードが与える影響、取り扱いの注意点についての基礎的な知識をかんたんに解説します。

外国人雇用の際のマイナンバーカードに関する基礎知識

外国人労働者を雇用する際の、マイナンバーに関する注意点をご存知でしょうか。
思わぬトラブルや失敗を生まないために、この記事を読んで基礎となる知識を身につけましょう。

目次

  1. マイナンバー制度
  2. マイナンバーが付与される外国人
    1. マイナンバーが付与される外国人
    2. マイナンバーの発行されていない外国人の雇用
    3. マイナンバーが付与されていても正社員での雇用が禁止されている外国人
  3. マイナンバーが外国人就労に与える影響
    1. 納税状況などの効率的な管理が可能に
    2. 外国人の貢献度の定量化が可能に
  4. マイナンバーが付与されるまでの流れ
    1. マイナンバーが付与されるまでの流れ
    2. 通知カードについて
    3. マイナンバーカードの申請の方法
    4.                
    5. 外国人がマイナンバーカードを持つメリット
  5. マイナンバーの取り扱いでの注意点
    1. 帰国に関して
    2. マイナンバーカードを紛失した場合
    3. 再発行の手続き
    4. 失効、有効期限延長手続きに関して
    5. 企業における外国人労働者のマイナンバーの管理
  6. まとめ

マイナンバー制度


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マイナンバー制度とは、日本に住民票を有する全ての人に12桁の番号が与えられる制度です。
社会保証、税、災害対策の3分野で、いろいろな機関にある個人情報が同一人物のものであると確認するために利用されます。
行政の透明性や効率化を高め、国民にとって便利で公平・公正な社会の実現のための社会基盤です。

マイナンバーが付与される外国人

マイナンバーが付与される外国人

マイナンバーは、日本国内に住民票を有する全ての外国人に与えられます
つまりは、入国管理局から在留カードが交付される「中長期在留者(入管法上の在留資格をもって日本に3ヶ月以上の中長期間在留する外国人)」にはもれなくマイナンバーが付与されます。
観光目的などの「短期滞在」の在留資格で来日する外国人はこの中長期在留者には含まれず、マイナンバーは付与されません。

マイナンバーの発行されていない外国人の雇用

マイナンバーが発行されていない外国人を雇用することは、法律上禁止されています。
外国人労働者を雇用する際には在留カードの提出が必須で、採用面接の際に実物確認が義務付けられています。
在留カードを保持している外国人は住民票を保持しているので、必ずマイナンバーも付与されています。逆に、マイナンバーが発行されていない外国人は在留カードを持っていない可能性が高いです。
トラブルを回避するために、採用面接の際の在留カードの確認は必ず行いましょう。

マイナンバーが付与されていても正社員での雇用が禁止されている外国人

下記の在留資格によっては、マイナンバーが付与されていても正社員としての雇用が法律上禁止されている外国人もいます。

  1. 留学
  2. 家族滞在
  3. 文化活動
  4. 就学
  5. 研修

上記の在留資格を持つ外国人はアルバイトをすることは可能です。ただ、就労時間の上限などといった日本人とは異なるルールがあるので注意が必要です。
また、アルバイトの際には入国管理局で資格外活動許可を得ることが必須となります。アルバイトとして外国人を雇用した際にもマイナンバーの提出が必要です。

マイナンバーが外国人就労に与える影響

納税状況などの効率的な管理が可能に

給与所得者の源泉徴収や各種支払調書にもマイナンバーが記載されることになるため、
外国人の確定申告書の提出や社会保険等の納税状況について行政機関が効率的に把握することが可能になります。
したがって、納税義務を果たしていないなどのルール違反はすぐさま確認され、在留期間の更新が認められなくなったり、
永住権申請の際に許可が下りなくなったりすることがあります。そして、そのような外国人労働者を雇用する企業が
マイナスな評価をされることにも繋がりますので、しっかりと注意を払い、指導をしなくてはいけません。

外国人の貢献度の定量化が可能に

今までは、外国人労働者の日本への貢献度がわかりにくいといった意見がありました。 しかし、マイナンバーの活用が進む中で、政府が外国人の納税額などを集計し経済的な貢献度を定量的に示すことができるようになりました。

マイナンバーが付与されるまでの流れ

マイナンバーが付与されるまでの流れ

日本に入国した中長期間在留する外国人の、マイナンバーが付与されるまでの流れを下記に説明します。

  1. 在留カードが交付される。
  2. 居住地を定めた日から14日以内に在留カードを持参して、居住地の市区町村役所の窓口へ転入届を提出する。
  3. 住民登録がなされて住民票が作成され、マイナンバーが付与される。

そしてその後日、市町村村より通知カードが届きます。
通知カードとは個人番号把握のためのもので、身分証としては利用不可です。
通知カードと引き換えにマイナンバーカードを発行することができ、こちらのマイナンバーカードは身分証明書として利用できます。

通知カードについて

通知カードは、住民票に登録されてから2〜3週間程度で登録した住所に届きます。
このカードにはマイナンバー、氏名、生年月日が記載されています。
顔写真などの個人を証明するものの記載はないので、マイナンバーを証明する書類や身分証明書としては利用できません。

マイナンバーカードの申請の方法

マイナンバーカードとは、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真、マイナンバーが記載され、ICチップがついているカードです。
公的な身分証明書として使用することができます。
通知カードが届く際にマイナンバーカードの交付申請書が同封されていますので、その申請書を使用して下記のいずれかの方法で申請することができます。

  1. スマートフォン:交付申請書のQRコードを使用してWebサイトから申請します。
  2. PC:スマートフォン同様、Webサイトから申請します。
  3. 郵送:交付申請書に必要事項を記入して郵送します。
  4. 身分証明書用写真の撮影機(対応機種のみ):交付申請書のQRコードを使用します。タッチパネルを操作して必要事項を入力して申請します。
  5. 市区町村の窓口:交付申請書に必要事項を記入して、居住地の市区町村に提出します。

初回の発送手数料は無料です。
個人番号カードの発行は任意となります。また、申請期限はありません。
申請してから約1か月後に市区町村からハガキが届き、ハガキと必要書類を持って、マイナンバーカードを受け取りに行きます。

          

外国人がマイナンバーカードを持つメリット

基本的には日本人とマイナンバーカードが使用出来る場面は同じです。
下記の用途で使用できます。

  • 公的な身分証明書
  • 所得税のオンライン申請
  • 子供に関する手当や保育園に入るためのオンライン申請
  • コンビニで住民票の写し取得
  • 健康保険証

マイナンバーの取り扱いでの注意点

帰国時に関して

本国に帰国してもその外国人のマイナンバーは変わりません。 マイナンバーを持つ外国人が再入国の許可を得ることなく出国する場合、在留カードとともに通知カードもしくはマイナンバーカードを返却することになります。
その際にマイナンバーが記載されたカードが交付されるので、再び中長期滞在することになった際にはそのカードを提示してください。そうすると改めて同じマイナンバーが付与されます。

マイナンバーカードを紛失した場合

紛失してしまった場合は、まず下記の2点を早急に行いましょう

  1. 個人番号カードのコールセンターへ電話をして機能を停止させる
  2. 警察へ遺失物届の提出をする

その後、居住地の市町村へ届出をし、再発行の手続きをします。

再発行の手続き

事前に居住地の市町村のホームページを必ず確認をして、所定の役所や市民センターで手続きをしてください。
手続きに必要な書類は、基本的に下記の3点です。

  1. 在留カード
  2. 再交付申請書(役所にあります)
  3. 顔写真(6ヶ月以内に撮影したもの)

再発行は有料です。

失効、有効期限延長手続きに関して

有効期限は、マイナンバーカードを発行した時点での在留期限と同様です。
在留期限が更新されてもマイナンバーの有効期限延長は自動的にされないためご注意ください
必ずご自身で、在留期間の更新前の満了日までに延長手続きをしなくてはいけません。万が一、その手続きを失念して有効期限が切れてしまった場合には失効してしまいます。
失効してしまった場合の手続きも、再発行の際と同様、事前に居住地の市区町村のホームページを必ず確認をして、所定の役所や市民センターで手続きをしてください。
手続きに必要な書類は、基本的に下記の3点です。ただ、各市町村によって異なるためホームページの確認は必須です。

  1. 手持ちのマイナンバーカード
  2. 在留カード
  3. 在留期間変更にともなう有効期限変更ための申請書
    (役所にあります)

企業における外国人労働者のマイナンバーの管理

企業がマイナンバーを取り扱うことができるのは、原則、源泉徴収票や支払調書といった書面を行政機関に提出する場合だけです。
これ以外の目的で企業がマイナンバーを第三者に提供したり保管し続けたりすることは禁止となっています。
また、万が一マイナンバーを漏洩させてしまった場合は刑事罰や損害賠償責任など厳しい罰則があるので、その取り扱いには十分な注意が必要です。

まとめ

今回は、外国人に関するマイナンバーの基礎知識と、実際に外国人を雇用する際のマイナンバーに関する注意点をご説明しました。
企業側は、マイナンバーが活用されている税や社会補償の管理・監督体制を今一度見直すと同時に、外国人労働者への指導も徹底しましょう。

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