不法就労は事業主も処罰の対象

上記のパターンに該当する不法就労をした外国人本人も罪に問われますが、不法就労外国人を働かせた事業主も罪に問われます。
例え、外国人を雇用するときにその外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認いないなどの過失がある場合は処罰の対象となります。

不法就労をさせた、不法就労者を紹介やあっせんした人は「不法就労助長罪」の罪に問われます。3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方が課されます。

「知らなかった」という理由が通用しないため、外国人を雇用する際には正しいルールの理解と不法就労者ではないかどうかの確認、対策が必要です。

不法就労者を雇用しないための確認方法

ここからは、在留カードで確認できる2つの対策を紹介します。

在留カードが有効なものか確認する

1つ目の対策は在留カード自体が有効なものなのかの確認することです。
採用する外国人を決めた場合、必ず在留カードの確認をしてください。
アルバイトで雇用する際も必ず確認が必要です。
偽造された在留カードではないか、有効期限が切れていないかをしっかりと確認しましょう。
確認方法は入出国在留管理庁のサイトで確認ができます。
在留カードの番号と在留カードの有効期限を入力して在留カードが失効していないか確認することができます。
出入国在留管理庁在留カード等番号失効情報照会
この方法は直接在留資格を確認できない場合に有効的な手段です。
しかし、こちらでの問い合わせ結果は在留カードなどの有効性を証明するものではありません。
実在する番号を使用した偽造在留カードもありますので、注意してください。

目視で在留カードを判断するポイントは次の通りです。

  1. ① MOJの文字の絵柄がカードを傾けると緑からピンクに色が変化します。
  2. ② 顔写真の下側にある銀色のホログラムが見る角度を変えると文字の白黒が反転します。
  3. ③ カード左端の縦型模様がカードを傾けると緑からピンクに色が変化します。
  4. ④ 暗い場所でカード表面から強い光を当てて透かすと「MOJMOJMOJ…」の文字が見えます。
在留カードチェックポイント

在留カード記載の就労制限を確認する

2つ目の対策は在留カードの記載されている就労制限を確認し、ルールに則って就労させることです。 在留カードの中央に就労制限の有無の欄があり、この欄に上記の図のように「就労不可」の記載があるカードを持っている外国人は原則働くことができません。
しかし、在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」に「許可」の記載がある場合、記載の就労場所や就労時間の制限内で働くことができます。
例えば留学の在留資格の留学生は原則として就労不可ですが、資格外活動の許可を取ることで週28時間以内、風俗営業等の仕事以外で就労することができます。

外国人の雇用を考えている企業の方は、雇用する前に在留カードが偽造でないか、業務ができる在留資格なのか、就労の制限がないのか確認して、在留資格に則って業務に従事させましょう。

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  • 2022.03.15技能実習生の賃金|最低賃金で雇用できるのか?

    技能実習生の時給を最低賃金に設定することはできます。技能実習生は労働者ではありませんが、実習実施者と雇用契約を結びます。よって、労働基準法が順守されていれば問題ございません。当たり前ですが法定労働時間を超過した場合や、時間外労働については割増賃金を支払わなくてはいけません。また、社会保険・年金等の支払いも通常の社員と同様に労働条件に応じて必要になりますので、ご注意ください。
    本記事では、実際に技能実習生を受け入れる場合には、技能実習生に支払う金額に加えて、受け入れるためのコストが発生しますので、それらについて説明いたします。

    目次

    1. 技能実習生に支払うコスト
    2. 受け入れるために必要なコスト
    3. 技能実習生から見た最低賃金の見え方
    4. 人事ができること
    5. さいごに

    技能実習生に支払うコスト

    技能実習生に対しては、時給換算したときに最低時給以上の支払いが必要です。
    最低賃金の額は各都道府県によって決められた金額、もしくは産業ごとに定められた金額のどちらか高い方の支払いが必要になります。

    ※万一最低時給以下で労働契約を行ったとしても、最低賃金法が優先されるため、必ず最低時給を支払うことになります。

    実例で言えば、最低賃金または最低賃金に少し上乗せした賃金を設定していることがほとんどです
    しかし、建設、介護など人材募集が難しい不人気職種においては、最低賃金で募集しても応募者が集まらない傾向がありますので、賃金設定については監理団体に相談することをおすすめします。

    (参考) 地域別最低賃金の全国一覧

    北海道
    都道府県 最低賃金時間額 発効年月日
       
    北海道 861円 令和元.10.03
    東北    
    青森県 793円 令和2.10.03
    岩手県 793円 令和2.10.03
    宮城県 825円 令和2.10.01
    秋田県 792円 令和2.10.01
    山形県 793円 令和2.10.03
    福島県 800円 令和2.10.02
    関東    
    茨城県 851円 令和2.10.01
    栃木県 854円 令和2.10.01
    群馬県 837円 令和2.10.03
    埼玉県 928円 令和2.10.01
    千葉県 925円 令和2.10.01
    東京都 1,013円 令和元.10.01
    神奈川県 1,012円 令和2.10.01
    北陸    
    富山県 849円 令和2.10.01
    石川県 833円 令和2.10.07
    福井県 830円 令和2.10.02
    甲信越    
    新潟県 831円 令和2.10.01
    山梨県 838円 令和2.10.09
    長野県 849円 令和2.10.01
    東海    
    岐阜県 852円 令和2.10.01
    静岡県 885円 令和元.10.04
    愛知県 927円 令和2.10.01
    三重県 874円 令和2.10.01
    関西    
    滋賀県 868円 令和2.10.01
    京都府 909円 令和元.10.01
    大阪府 964円 令和元.10.01
    兵庫県 900円 令和2.10.01
    奈良県 838円 令和2.10.01
    和歌山県 831円 令和2.10.01
    中四国    
    鳥取県 792円 令和2.10.02
    島根県 792円 令和2.10.01
    岡山県 834円 令和2.10.03
    広島県 871円 令和元.10.01
    山口県 829円 令和元.10.05
    徳島県 796円 令和2.10.04
    香川県 820円 令和2.10.01
    愛媛県 793円 令和2.10.03
    高知県 792円 令和2.10.03
    九州    
    福岡県 842円 令和2.10.01
    佐賀県 792円 令和2.10.02
    長崎県 793円 令和2.10.03
    熊本県 793円 令和2.10.01
    大分県 792円 令和2.10.01
    宮崎県 793円 令和2.10.03
    鹿児島県 793円 令和2.10.03
    沖縄    
    沖縄県 792円 令和2.10.03
    • 法定労働時間を超過分、いわゆる残業代について支払いが必要です。
      月給を時給換算したときに0.25倍以上の金額を割り増して支払う必要がある。
    • 休日労働、深夜労働に対する割増賃金の支払いが必要です。
      上記同様に0.25倍以上の金額を割り増して支払う必要がある。
    • 社会保険各種および年金については、労働条件に応じて加入の必要がある。

    ※但し2021年10月より下記の最低賃金に変わります。(厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が2021年7月決14日に決定)

    受け入れるために必要なコスト

    団体監理型で技能実習生を受け入れるためには、監理団体に入会し、送り出し機関とやりとりをしながら進めて行きます。このため次の費用が技能実習生に支払うものとは別に必要になります。例として1人を受け入れた場合の相場観を記載します。 合計で約50万から120万円かかります。
    ※団体監理型以外に企業単独型があります。海外に事業所をもち、在留資格認定申請、入国前の研修手配・研修などを自社ですべて行う企業単独型もあります。その場合は、自社で行う人件費が本コストに該当します。

    ①監理団体へ支払う入会費・年会費

    監理団体にもいろいろあり、選ぶ監理団体により入会費・年会費に差はあります。
    一般的には、入会費が1万から10万円、年会費が0円から15万円となっており、入会費は初年度のみ必要になる場合がほとんどです。

    ※JITCO(公益財団法人 国際研修協力機構)が必要な場合

    監理団体によっては、JITCOへの加入を必須としているものがあります。その場合、入会費として10万から30万円が必要になりますが、技能実習計画作成、およびビザ申請についてフォローいただくことができます。

    ②監理団体へ支払う監理費


    ・組合監理費 約3万から5万円
    ・送り出し管理費 約5千編から1万円

    ③技能実習生を受け入れるまでにかかる費用

    • 技能実習生を選ぶため、現地を訪問される場合はその費用。
      コロナの影響もあり、WEB面接にしている監理団体もあります。監理団体を選ぶ際に確認しておきましょう。
    • 在留資格申請 0円から4万円
    • 技能実習生総合保険 約3万円
    • 渡航前の健康診断費用 0円から約1万円
    • 入国前研修費 約2万から4万円
    • 渡航費 約10万円
    • 入国後研修費  約10万円
    • 研修手当 約6万円
    • 受け入れ時の健康診断費用 約1万円

    技能実習生から見た最低賃金の見え方


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    技能実習生への給与は最低賃金額を参考にしながら決定している実習実施者の方は多いですが、技能実習生から見たらどう見えるか検討が必要です。最低賃金の金額が隣接県と大きく差があり、低いほうの県は注意が必要です。技能実習生から見ると対して距離が離れておらず、もらえる金額が高いほうを選択してしまう傾向にあります。
    確かに、「給与が安くても地方では生活費にかかる金額が違うから大丈夫」とお考えになられる方もいらっしゃると思いますが、生活費がどれほどの開きがあるかまで情報を入手でき、考慮して実習実施先を志望される技能実習生の方は全員ではありません。日本での手取り収入がブローカーにいわれるがまま月30万ほどもらえると信じて渡航される方もいらっしゃるほどであり、情報感度はそこまで高くないと考えたほうが無難です。

    人事ができること

    最終的に人材受け入れまでのコストを考えるときには、企業内でかかったコストと外部に支払ったコストの合計になります。技能実習生の受け入れの場合は外部に支払ったコストが初年度大きくかかることにかかります。その後、3年間実習をつづけることができれば、その分トータルのコストは低くできます。条件を満たせば、技能実習3号が認められ、さらに追加で2年間技能実習の延長が認められますし、特定技能に在留資格を変更すれば、同じ外国人材をさらに5年間継続して受け入れることもできます。よって、イニシャルコストの問題は、就業期間を長くすることによりある程度引き下げることが可能になります。
    ですから技能実習の段階から自社に対する技能実習生のロイヤルティを高めておくことが大切です。
    技能実習生が気持ちよく働けるよう、母国の文化風習を回りが理解し、日本語が堪能でなくともストレスを感じずにコミュニケーションが取れる仕組みを築いておけば、技能実習3年修了後も、継続して働いていただくことができ、コストも抑えられるはずです。

    さいごに

    人材を受け入れる際は、いかに最低限のコストでよい人材を受け入れるか、その後も最低限のコストでよく働いてもらうかについてついつい考えてしまいがちです。
    このため、技能実習生を受け入れる理由として、次をメリットにあげられる企業様は多いです。

    ・ほぼ3年間企業で実習を行えるので、3年離職しないので安心できる。

    ・最低賃金に近い金額でも人材を受け入れることができるので魅力である。

    特段問題がないように思えますが、この考え方には大きな落とし穴があります。
    万一、劣悪な環境で実習を行ってしまうと、技能実習生の失踪を招くことがあります。
    また、外国人技能実習機構からの摘発を受け、企業価値を落とすことに直結します。

    企業の社会的責任が求められる傾向は強くなっており、特に技能実習生については、海外からは奴隷のように扱われているとして様々なメディアで議論もされ、人権団体からも指摘を受けているほどです。
    ついつい、上記のようなメリットに目を向けてしまいますが、より長期的な目線で考えるべきです。法令遵守の上で技能実習をおこなうことで、国際貢献を行い、技能実習生に支持されることで得られる次のメリットもかなり大きいはずです。

    ・CSRとして、世の中に多様性を受け入れていることをPRできる。

    ・立場の弱い方にしっかり向き合うことで、人材に対して大切に扱っていることをPRできる。

    ・技能実習3年修了後も、継続して働いてもらえる。

    ・クリーンな会社であることが広がれば、有能な技能実習生をより呼び込める。

    逆に万一、残業代などの不払いやその他の法令違反があると、大きなリーガルリスクおよびレピュテーションリスクにつながります。
    最後までお読みいただきありがとうございました。技能実習生の受け入れおよび定着について本記事がお役に立てれば幸いです。

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  • 2022.03.11技能実習「送り出し機関」とは?その見極め方

    企業が技能実習を受け入れることを決断した後は、どうやって人材の確保を行うかが重要になります。 技能実習生を受入れたい企業は、監理団体を経由して送り出し機関と呼ばれる組織を活用して人材を集めていくのですが、 ここでは、送り出し機関の説明と、主に「監理団体」がどのようにして送り出し期間を選べばよいかについてご説明いたします。

    目次は次の通りとなっています。

    目次

    1. 技能実習の送り出し機関とは
    2. 送り出し機関の業務内容
    3. 送り出し機関を選ぶ際に知っておくこと
    4. 送り出し機関を選ぶポイント
    5. 人事として注意しておくべきこと
    6. さいごに

    技能実習の送り出し機関とは

    外国人技能実習生を日本へ送り出す団体や企業を「送り出し機関」と呼んでいます。 送り出し機関は在留資格によって定義が違い、技能実習制度においては次のように定義されています。

    技能実習制度における送出機関

    技能実習制度における送出機関は技能実習生になろうとする者からの技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として、 規則第25条において定められている要件に適合する機関

    出展:公益財団法人 国際人材協力機構
    ※「規則 第25条における外国の送出機関の要件」は出展元に記載があります。

    現在では、ベトナムを中心として次の15ヵ国に送り出し機関があります。

    インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、 バングラディッシュ、フィリピン、ベトナム、ブータン、ミャンマー、モンゴル、ラオス

    送り出し機関の業務内容

    送り出し機関の業務内容は募集から技能実習終了後の再就職支援まで行います。具体的には次に示す6つが主な業務となります。

    ①技能実習応募者の募集と受け入れ企業とのマッチング

    技能実習を希望する方に情報を提供し、応募者を募ります。 募集後は、外国人技能実習生を受け入れる企業の人材ニーズに合わせて選抜を行い、推薦する方を決めていただきます。
    ※技能実習法により、日本で受け入れることができる人材には条件があります。条件を満たすかどうかの選別も送り出し機関で行ってくれています。

    ②日本語、ビジネスマナー、実技などの各種研修

    選抜した技能実習生候補に対し、日本で技能実習がスムーズに行えるように研修を行います。
    日本語、日本のビジネスマナー、現場で必要となる実技などの各種研修をいたします。
    約6カ月をかけて行い、実技試験・最終面接を実施後に、日本に技能実習生を送り出します。

    ③出国手続き・入社手続きなどのフォロー

    健康診断を実施し、監理団体へ報告します。また、監理団体より在留資格認定証明書交付の連絡があれば、技能実習生のパスポート申請手続きを行います。

    ④技能実習中の問い合わせ・トラブル対応

    技能実習生の送り出しが終わり、日本での技能実習が始まった後も、技能実習生の疑問や要望に対する回答や、トラブルに巻き込まれた際にアドバイスを行います。

    ⑤技能実習完了時の帰国手続きのフォロー

    技能実習の完了が近づいてきたら帰国に必要な手続きや、登録されている方に帰国連絡を行います。 また、技能実習生が日本政府に対して支払いし過ぎているもの(厚生年金など)の返金手続き対応も行います。

    ⑥母国での再就職支援

    母国で元技能実習生が活躍できるように母国での就職活動支援を行います。

    送り出し機関を選ぶ際に知っておくこと

    技能実習制度において、送り出し機関を選ぶのは監理団体の役目です。 監理団体が送り出し機関を選ぶ際に知っておいていただきたいことを次にまとめています。

    現地政府が認定していない送り出し機関が存在する。

    トラブルに巻き込まれた際、送り出し国政府が認定している送り出し機関であれば、安心です。 また、現地政府に認定されていれば、違法な要求を行ってくること自体もなく、トラブルに巻き込まれることも少ないです。 現地政府が認定していない送り出し機関を利用しようとしたケースで技能実習生や企業から多額の紹介料を請求されたなどのトラブルが報告されています。

    日本の法律ではなく、送り出し国の法律が適応される。

    人材送り出し業務においては、送り出し国の法律が適応されます。トラブルとならないように対応していくことが大切です。 それぞれの国の文化・ビジネスマナー等を理解し、送り出し機関と契約してください。

    送り出し機関によって「送り出し管理費」に差が大きい。

    専門的な分野を持つ送り出し機関や、規模など様々な特色があり、送り出し管理費は一律の金額となっていません。

    送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取ることは禁止

    技能実習生の失踪の防止や、実習先で従順に働かせるために、送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取るということが、かつては横行していました。 しかし、2017年11月に技能実習法が改正され、外国人技能実習機構が法令違反の取締りを強化してからは、この悪しき商習慣は根絶されつつあります。

    キャッシュバック・過剰な接待は禁止

    監理団体が受け取ってよいのは、受入企業からの管理費だけと決められております。 監理団体が送り出し機関からキャッシュバックを受け取ること、過剰な接待を受けることは禁止されています。 近頃は外国人技能実習機構がかなり厳しく取り締まっており、その数は少なくなってはいますが、見えないところで未だに横行しているようです。

    ブローカー行為(名義貸し)は禁止

    送り出し機関が、送り出しライセンスがない団体の送り出し行為に対して、名義貸しをすることも禁止されています。

    送り出し機関を選ぶポイント

    次に、信頼できる送り出し機関であるかを確認するための注意事項を述べます。
    送り出し機関は送り出し後も、技能実習生の実習中のフォローや、帰国時のフォローもしてくれるため、 受け入れ時だけの問題ではありません。しっかり信用できる先を選ぶ必要があります。 初めて利用される場合は、すでに技能実習生を受け入れている企業や他の監理団体から情報を得ておくことを強くおすすめいたします。

    ・(重要)政府認定の送り出し機関か。

    基本的に各国の政府が認定している送り出し機関をおすすめします。 各国には政府が認定していない団体も数多く存在しており、これまで様々なトラブルが発生しています。

    ・技能実習生から高額なお金を支払わせていないか。

    ・採用すると監理団体や企業にキャッシュバックするような制度がないか。※ある場合、違法。

    ・現地担当者の日本語能力が高いか。日本での就労経験があり、日本のビジネスマナーに理解があるか。

    ・トラブルとなった際に相談できる部署があるか。トラブル時に相談できる日本駐在部署はあるか。

    ・当該送り出し機関とトラブルになっている企業がないか。

    ・当該送り出し機関が送り出した技能実習生とトラブルになっている企業がないか。


    受入企業の人事部門として注意しておくべきこと


    second-2

    技能実習生の人材ニーズについては、受け入れる企業で自由に決めていただいて問題ないのですが、 国・地域により文化・風習が違うため、それを考慮して、監理団体経由で送り出し機関に依頼することが必要です。 時間の厳守など日本の文化・風習では当たり前となっていることが、海外では当たり前ではないことは多々あります。 そのような場合は、前もって社内で受け入れられるかどうかを検討し、どうしても受け入れられないような文化・風習があれば、 その点を守れる人材を選んでいただけるよう人材ニーズに盛り込んでおきましょう。 もちろん、制限すればするほど、外国人技能実習生は集まりにくくなりますので注意が必要です。

    さいごに

    技能実習生を受け入れる場合は、監理団体が信用できる送り出し機関を選ぶことが大切です。人材ニーズに合った人材を選定いただく必要がありますし、 受け入れた後にも問い合わせやトラブル対応を送り出し機関は行ってくれるため重要です。 また、そもそも違法な取引を行っている送り出し機関であれば契約を結ぶことも問題なため重要です。
    ここでは、主に監理団体が送り出し機関を選定するポイントと注意点について記載をしましたが、 実際は技能実習生の受入実績がある他の監理団体や受入企業にヒアリングすることを強くおすすめします。
    人材ニーズにマッチした人を紹介してくれたか、コミュニケーションは円滑だったのか、 入社後のフォローもしっかりしてくれるのかなどは漏れなく確認しておきたいことです。
    同じ送り出し機関を使用するのであれば、ヒアリングした監理団体や受入れ企業にも色々と相談に乗ってもらえるかもしれません。
    最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。よい技能実習生を採用でき、お役に立てば幸いです。

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  • 2022.03.11技能実習生「監理団体」とは|見極め方

    目次

    1. 技能実習「監理団体」とは
      1. 技能実習「監理団体」の種類
      2. 技能実習「監理団体」の役割
    2. 監理団体の見極め方
    3. さいごに

    団体監理型による技能実習生の受入では、監理団体の選び方が大切です。本記事では、監理団体の概要や、選ぶ時のポイントについて解説します。

    1.技能実習「監理団体」とは

    技能実習生の管理及び受入先企業の監督を担うのが監理団体です。商工会議所や協同組合、公益社団法人などの非営利組織が対象となります。

    監理団体の主な業務としては、「技能実習生のサポート業務」「受入企業で適正な実習が行われているか確認する監理業務」です。

    「技能実習生のサポート業務」・・・技能実習生が日本企業で実習をするために、受入企業と協力し求人票の作成、面接、入国手続きなど一連のサポートを行います。

    「受け入れ企業で適正な実習が行われているか確認する監理業務」・・・技能実習生が受入企業で問題なく実習ができているか定期的に受入企業まで出向き監理をします。技能実習生は何かとニュースに取り上げられることがあります。賃金未払いやサービス残業や職場でのいじめなど、問題が起こった際は監理団体が速やかに対処する必要があります。

    1-1 技能実習「監理団体」の種類

    監理団体には2種類あります。

    特定監理事業:1号・2号の採用が可能(滞在できる期間は最大3年)

    一般監理事業:1号・2号・3号の採用が可能(滞在できる期間は最大5年)

    一般監理事業は特定監理事業と異なり、技能実習3 号を受入れることができ、採用人数も通常の2倍となります。例えば、職員数が30人の会社の場合、技能実習1号は、通常3人までですが、一般監理では2倍の6人まで採用できます。
    一般監理事業の監理団体は「優良監理団体」「一般監理団体」とも呼ばれます。
    つまり一般監理事業の監理団体(優良監理団体)は、特定監理事業の監理団体より優良な監理団体であるわけですが、特定監理事業の監理団体が一般監理事業の監理団体に昇格するには、優良要件に適合する必要があります。優良要件はポイント制になっており、一定のポイントを上回ることで一般監理事業に昇格できます。
    また介護職種の受入れに関しては、さらに特別な優良要件が定められており、とても高いハードルをクリアしないと介護職種における一般管理事業の監理団体にはなれません。

    1-2 技能実習「監理団体」の役割

    監理団体は、技能実習を正しく行い、実習生を守るための仕事をしています。最も重要な仕事の1つは定期的な監査であり、受入先企業での未払いや労働基準法違反を監督します。その他にも、技能実習生を問題なく受け入れられるよう、様々なサポートをしています。ここでは、実習生を採用する流れと共に、監理団体の仕事について見ていきましょう。

    【入国前】

    〇採用のサポート

    送り出し機関を通じ実習生の募集をかけ、選考や面談、雇用契約などのサポートをします。面接の際は、以前は受入れ企業の職員と共に現地へ赴いていました。しかし、近頃はコロナ禍によって現地入りが難しいため、オンライン面接が主流になっています。

    〇技能実習計画書の作成を指導

    技能実習計画書の作成時、監理団体は、実習生が働く場所や寝泊りする部屋を視察します。また、内容が認定基準を満たしているか、出入国や労働法を遵守しているか、技能の習得方法や職場環境は整っているかなどの観点でチェックをします。

    〇ビザに関する書類作成

    地方入国管理局(正式名は地方出入国在留管理官署)に「在留資格認定証明書」の交付申請を提出し、査証申請を行います。

    【入国後】

    〇入国後の講習

    技能実習1号は日本に来た後、座学での入国後講習が必須です。入国後講習では、監理団体又は委託された日本語学校の講師等が基礎知識を教えます。内容は、基本の日本語や交通ルール・ゴミの出し方などの生活に必要な知識、法律違反に気づいた時の対応方法などです。なお、この期間中は、受入企業の仕事をすることは禁止されています。

    ○巡回

    技能実習1号の間の1年間については、監理団体は受入企業を1ヶ月に1回巡回をする必要があります。

    〇定期監査

    監理団体は3か月に1度、受入企業の定期監査をします。受入企業が計画通りに実習をさせているか、不法就労や賃金面で問題がないかを調査します。具体的な内容は、技能実習が正しく行われているかの確認、責任者などからの報告、技能実習生との面談、会社の設備や帳簿の閲覧、泊まる部屋などの環境確認です。

    〇相談体制の構築

    実習生からの相談を聞き、適切に対応します。母国語での相談も可能となっています。

    〇帰国旅費の負担

    技能実習生が帰国する際には、監理団体が帰国旅費の全額を負担します。また、自然災害やその他の理由で帰国が難しくなった場合でも、帰国できるまでの間、住居やビザなどの生活面の支援をします。

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    2.監理団体の見極め方


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    監理団体は全国で4,000か所以上あり、良い監理団体もあればそうではない団体も存在します。厚生労働省の報告によれば、法律違反による監理団体許可の取り消しが、令和元年度に4件、令和2年度に13件ありました。取り消し理由は、「実習実施者に対する監査を適切に行っていなかった」、「認定計画に従って入国後講習を実施していなかった」、「外国の送出機関との不適正な内容の取り決めを交わしていた」などです。こうした監理団体を選んでしまうと、受入企業や実習生もトラブルに巻き込まれてしまいます。
    では、良い監理団体を見極めるにはどうしたら良いでしょうか。ここでは、監理団体を選ぶポイントについて説明します。

    〇一般監理事業か特定監理事業かを確認する

    監理団体のうち、優良要件に適合する団体は、一般監理事業を行うことが 一般監理事業の場合、技能実習1号、2号に加え、3号まで受け入れが可能となります。また、実習実施者である受入企業も優良である場合には、実習生の受け入れ人数が、基本人数枠の倍となります。技能実習生を長く受け入れたい場合、一般監理事業を行う団体を選ぶのが良いでしょう。
    また前述のとおり、介護職種においては「介護職種における一般管理事業を行う団体」が別途定められていますので注意が必要です。

    〇監理団体の実績と職員人数を確認する

    実績が多い監理団体であれば、経験を積んでいて、様々なトラブルにも対応できるでしょう。 また、実績と共に、職員の人数も確認しましょう。監理団体は、現地での面接準備や地方入国管理局での手続き、各種書類の作成、企業訪問、技能実習生の予期せぬトラブル対応など、業務内容が多岐に渡ります。膨大な量の業務に対応するには、ある程度の人員が必要です。そのため、監理団体の規模と職員数も確認しましょう。

    〇監理団体に通訳が常駐しているか確認する

    技能実習法では、通訳の常駐は義務付けられていませんが、トラブルがあった時、いつでも対応できる通訳者がいることは安心感につながります。
    技能実習生は、慣れない環境で仕事をし、生活をします。その中で悩みが生じるのは当然のことでしょう。しかし、日本語で自分の悩みを伝えるのは難しいことです。母国の価値観を理解し、母国語で対応してくれる通訳がいれば、悩みを話しやすく、問題をスムーズに解決できるかもしれません。

    〇監理団体の担当者に知識があるか確認する

    技能実習生を受け入れることになれば、監理団体と数年間やりとりをする必要があります。その際、担当者を信頼できなければ、スムーズな受け入れは難しいかもしれません。そのため、担当者に知識や受け入れのノウハウはあるか、困った時にアドバイスを求められるかを確認しましょう。

    〇入国前後の教育体制を確認する

    技能実習生は、日本とは異なる文化・環境の元で生活しています。日本で働くためには、日本語の学習はもちろんのこと、ゴミの出し方や非常時の対応など、生活面での研修が必要です。監理団体が行う講習の方法について確認しましょう。確認するポイントは以下のとおりです。

    1. ・入国前に日本語教育が行われているか、また講習内容はどのようなものか

      現地での講習は必須ではありませんが、一定期間行うことにより、入国後2か月間の講習を最大で半分に短縮することができます。そのため、ほぼ全ての監理団体で、入国前の日本語学習を行っています。講習時間やカリキュラム、日本人講師であるかなどを確認しましょう。

    2. ・介護職種の場合

      介護職種の場合は、特別なルールが定められています。
      N4と呼ばれる日本語力がないと日本に入国できませんし、看護または介護に関する資格を有するか、または150時間以上の介護専門教育を現地で履修する必要がありますので、送り出し機関による教育体制があるかどうかを確認しましょう。

    3. ・入国後の講習内容はどのようなものか

      技能実習1号として日本へ来た場合、原則として最初の2か月間(入国前に一定期間の講習を受講した場合、1か月)は講習が必須となります。この講習でのカリキュラムや生活面での指導内容を確認しましょう。

    4. ・企業が実習生を受け入れた後、日本語学習や技能検定試験のサポートを行ってくれるか

      実習が開始された後でも、日本語能力が低いなど、検定試験の勉強方法がわからないなどの問題が出てくるかもしれません。そんな時、どのような対応を行ってくれるか確認しましょう。

    受入企業が監理団体に支払う費用は、監理団体への加入費や実習生の渡航費、現地での事前講習費、監査指導費(いわゆる管理費)など、トータルで数十万円かかります。
    受入企業としては、なるべくコストを抑えたいところですが、監理団体を安さだけで選んでしまうと、最低限のサービスしか受けられない可能性があります。近頃は技能実習法の運用がかなり厳格になってきており、外国人技能実習機構の検査などをクリアするにはかなりの労力がかかりますので、自社の法令違反を防ぐためにも、費用だけで判断することは避けましょう。
    また、監理団体は手数料をとることを法律で禁止されています。見積もりを取る際には、各項目の料金体系が明確であるかも確認しましょう。

    3.さいごに

    監理団体とは、団体監理型で技能実習生を受け入れる時の組織です。主な役割は、技能実習を適正に行うことや技能実習生を保護することで、具体的には、現地での採用に関わる手続きや技能実習計画などの指導、入国後の講習、定期監査などを行います。現在、全国に4,000か所以上の団体があり、良い監理団体を選ぶことが大切です。選ぶ時には、実績や社内体制、担当者の対応、費用などがポイントになります。まずは、希望する条件を明確にした上で、複数の監理団体に話を聞き、自社のニーズに合う監理団体を探すことをおすすめします。

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  • 2022.03.11技能実習生の派遣は禁止|派遣と技能実習の違い

    目次

    1. 技能実習の人材派遣が禁止されている理由
    2. 技能実習と人材派遣について
      1. 技能実習について
      2. 外国人人材派遣について
    3. 技能実習生を利用するか、人材派遣を利用するか
    4. 人事が検討しなければいけないこと
    5. 技能実習生・人材派遣以外の外国人採用について
    6. 技能実習生の受け入れで想定されるトラブル
    7. まとめ

    1.技能実習の人材派遣が禁止されている理由

    技能実習生の派遣はできません。
    外国人技能実習制度は、日本が先進国としての役割をはたしつつ、国際社会との調和のある発展を図っていくために、国が導入した制度です。発展途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています。人材の不足の解消を目的とする人材派遣とは目的が違うため、技能実習生の派遣はできないこととなっています。

    2.技能実習と人材派遣について

    2-1技能実習について

    技能実習は、誰が技能実習生を受け入れるかで2つの受け入れ方法があります。

    • 企業受け入れ型
      企業等が海外の現地法人の職員を直接受け入れて技能実習を実施する形態。
    • 監理団体受け入れ型
      監理団体が技能実習生を受け入れ、監理団体に登録した企業において技能実習を実施する形態。

    技能実習のスタート時は、2か月間の座学講習が義務づけられています。但しほとんどのケースにおいては、送り出し国で1か月の講習を済ませることによって、入国後の講習が1か月免除され、入国後講習が1か月実施されています。
    入国後の座学講習後は、いよいよ雇用先での技能実習が始まり、来日1年経過のタイミングでは技能評価試験を受け、合格することで、技能実習1号のロ(もしくは技能実習1号のイ)から技能実習2号のロ(もしくは技能実習2号のイ)に変更ができるようになります。これにより、技能を習得開始した実習時間と同じ機関で、同じ技能について習熟するための訓練を受けることが引き続き可能になります。
    最終的に技能実習生が日本で働くことができるのは最長で5年になります。
    注意しなければならない点は、企業は技能実習生を労働力として使うのではなく、あくまでも技能取得のための実習を行うという点です。習得する技能は技能実習生ごとの技能実習計画を外国人技能実習機構に提出して認定を受け、認定を受けた技能実習計画を厳格に守った上での技能実習(技術の習得)が求められます。
    技能実習生を労働力として使うわけではないですが、企業と技能実習生の間では雇用契約の締結が求められ、労働基準法の遵守も求められます。
    労働ではないのに法的に「雇用」「労働」に当てはめているところがあるので、技能実習生が労働力と勘違いされる理由になっています。

    2-2外国人人材派遣について

    外国人人材派遣を受け入れる場合、いわゆる入管法で在留資格(技能実習ではない、技術・人文知識・国際業務など)が認められ、人材派遣会社に雇用される必要があります。その後、人材派遣会社と契約し、人材ニーズにマッチした人材を紹介いただき、人材派遣を利用することになります。

    3.技能実習生を利用するか、人材派遣を利用するか

    技能実習を許可されている分野の職種や作業の場合は、人材派遣を利用するのか技能実習生を採用するのか迷う場合も多いと思います。

    技能実習生を採用する場合、企業単独型で技能実習生を受け入れるには相当なノウハウと管理体制が必要で、中小企業や経験の少ない企業には難しいですので、ほとんどの場合が監理団体を利用する団体監理型になります。
    団体管理型の技能実習の場合は、技能実習生の渡航費、技能実習生の住居費、生活必需品を準備する費用、そして監理団体へ支払う管理費が必要になります。

    ですから、実際に任せたい作業内容や、人材ニーズ、支払えるコストによって、技能実習生を受け入れるか、人材派遣に頼るべきかを判断する必要があります。

    まず、技能実習生を採用する場合は、その職種・作業によって異なりますが、一般的に3年、最長で5年間技能実習生を受け入れることができます。また2019年の法改正により、技能実習3年以上の実績があれば、同職種であれば在留資格「特定技能」への資格変更もできますので、8年~10年間働くことができます。

    一方で、外国人派遣社員を雇う場合は、派遣会社が人材を必要に応じて供給してくれます。
    費用と多大な手間をかけて採用した技能実習生が失踪したり、途中帰国したりしてしまうデメリットがないので、人材派遣の方がよいと思われがちです。
    しかし派遣の場合は派遣会社がコストを上乗せしているので人件費が3割程度高くなります。また外国人派遣の場合は、すぐに辞めてしまう傾向があるのが注意点です。

    また、一般派遣は最長3年で、紹介予定派遣は最長6ヶ月です。紹介予定派遣の後に、直接雇用にすることも可能ですが、短期間で転職してしまう可能性は技能実習生よりも高いと言えるでしょう。

    その点、技能実習の場合は転職ができないので、大半のケースでは同じ職場で3年間は安定して働いていただけます。

    4.人事が検討しなければいけないこと

    人事は技能実習生の技能の習得に役立てる内容はどのようなものがあるのかを整理しておく必要があります。技能実習制度に定められた技能実習を依頼する必要があるため、関係のない実習をするわけにはいきません。監理団体に相談しながら、次の手順で準備するのがおすすめです。

    • 現場の業務の理解
      現場にそもそもどのような業務があり、具体的にどのような作業をする必要があるのか、納期はどれくらいで設定されているのか、日本語でのコミュニケーション量はどれほど必要なのかは最低限把握しておく必要があります。
    • 現場業務の分類
      技能実習生に任せられるものと、任せられないものに分けます。できるとしたものについては、どのような順で取り組めば実習効率がよいか検討してください。後に、技能実習生ごとの技能実習計画を外国人技能実習機構に提出して認定を受ける必要がありますので、早めに監理団体に相談しましょう。
    • 必要人員と人材補填までのスケジュール
      上記検討が完了すれば、何人技能実習生を受け入れられるのか、どのようなタイミングで受け入れていけば、スムーズに実習ができるかを検討しましょう。
      実際に技能実習生を受け入れる場合は、現地面接またはオンラインでの面接を経て、入国までに6ヶ月程度必要です。人員計画を立て、いつ面接し、いつ入国・配属ができるかを監理団体に相談して、計画的に技能実習生を受入れましょう。

    5.技能実習生・人材派遣以外の外国人採用について

    技能実習生・人材派遣以外に外国人を直接雇用する方法もあります。
    しかし、入管法に定められた在留資格はとても複雑で、在留資格によって働ける職種や作業が異なります。
    安易に外国人を採用して、入管法違反に問われることも多いので、外国人の採用をしたことがない場合は、外国人材に詳しい人材紹介会社や行政書士に相談して採用したほうが無難だと思います。
    内定を出し、入社承諾をいただいたとしても、内定後に在留資格申請をしてもそれが入国管理局に認められなければ、働かせることができませんので注意が必要です。

    6.技能実習生の受け入れで想定されるトラブル

    次のようなトラブルが起こる可能性もあります。事前にトラブルとならないように検討して人材の確保を行ってください。

    • 失踪
      トラブルとして多いのが失踪です。原因は実に様々な理由からになるのですが、万一発生した場合にどのような対応を行うか検討しておきましょう。
    • 途中帰国
      3年間の契約の途中で契約を打ち切り、帰国してしまうこともあります。職業選択の自由があり、強制的に実習させることは当然にできませんので、実習生が納得して実習を受けいれる環境づくりが重要です。
    • 病気
      受け入れ前に現地で健康診断を行いますが、そこで大病が発覚するケースがあります。その場合は感染症・肺炎などが原因となっているケースが多いです。
    • 喧嘩
      実習生同士が喧嘩をし、ともに帰国してしまうケースもあります。人事として、外国人の文化を日本人に説明をし、準備を整えていたとしても、外国人同士に文化や風習の理解が乏しければハレーションを起こすリスクは残ります。
    • 金銭トラブル
      外国人同士で金銭トラブルが発生するケースが稀にあります。家賃などお金を収集するようなケースは給与天引きか、口座引き落としとするほうが無難です。

    ★まとめ

    外国人は在留資格に応じた活動を行う必要があるので、企業は任せたい仕事を整理し、何をどの資格保有者に依頼するかを検討することから始める必要があります。
    特に外国人受入れ経験がない会社は、自社で判断することは難しいの、技能実習の場合は監理団体に、人材派遣の場合は派遣会社に、その他の在留資格の場合は人材紹介会社や行政書士に相談しながら準備することをお勧めします。

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  • 2022.03.11技能実習生の転職|原則転職できません

    目次

    1. 技能実習生は自由に転職ができない理由
    2. 在留資格「技能実習」、実習先の選択について
      1. 在留資格「技能実習」について
      2. 転職が可能なタイミング
    3. 人事としてできること
      1. 外国人が日本で働く、メリットに感じやすいこと
      2. 外国人が日本で働く、デメリットに感じやすいこと
    4. まとめ

    1.技能実習生は自由に転職ができない理由

    技能実習1号および2号では、技能実習法の定めにより、外国人技能実習機構に認可を受けた技能実習計画通りの実習実施者(企業)以外で実習を受けることはできないので、実習を受ける先を自由に変更することができません。
    ※技能実習2号から3号になる際は、実習先を変更することはできますが、技能実習3号についてはハードルがとても高いので、ほとんどのケースでは技能実習2号(3年)までで終了しています。

    2.在留資格「技能実習」、実習先の選択について

    2-1在留資格「技能実習」について

    外国人技能実習制度は、日本が先進国としての役割をはたしつつ、国際社会との調和のある発展を図っていくために、国が導入した制度です。発展途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています。
    入管法では、外国人技能実習は在留資格「技能実習」として日本での経済活動ができるようになっており、誰が技能実習生を受け入れるかで大きく分けて2種類の在留資格「技能実習」があります。

    ①企業受け入れ型
    企業等が海外の現地法人の職員を直接受け入れて技能実習を実施する形態。

    ②監理団体受け入れ型
    監理団体が技能実習生を受け入れ、監理団体に登録した企業において技能実習を実施する形態。

    ①であれば在留資格は入国一年目が技能実習1号のイ、入国2~3年目は技能実習2号のイ、入国4~5年目は技能実習3号のイとなっています。
    ②も同様に技能実習1・2・3号のロとなります。

    ①の場合は、通常1か月の座学期間(入国後研修)があり、②の場合は、雇用関係に基づかない座学研修を行うのであればその期間、企業などとの雇用契約はできませんので、技能実習をさせることはできません。入国後研修終了後から技能実習をすることになります。その後は、日本に入国して1年経過後に技能評価試験を受け、合格すれば、2号に変更することが可能になり、日本での技能実習が追加で2年継続可能になります。さらに2年後に3号に合格することができれば、プラス2年間日本での技能実習が可能になる仕組みとなっています。
    ※2号への変更が可能な職種、3号への変更が可能な職種については、職種により違いがありますのでご注意ください。

    2-2転職が可能なタイミング

    前述の通り、技能実習1号および2号では、外国人技能実習機構に認可を受けた技能実習計画通りの実習実施者(企業)以外で実習を受けることはできませんので、自由に転職ができません。
    しかしながら、技能実習2号から3号へ移行する際は、実習生の希望で実習実施者を変更することが可能になっています。つまり、転職をすることが可能となっています。

    3.人事としてできること

    技能実習生の受け入れを行い、3年後、および5年後(技能実習終了時に特定技能への変更ができれば最長で日本で10年間働くことが可能)も外国人に働いてもらうには、当たり前ですが、外国人に企業の魅力を感じていただく必要があります。そのためには、外国人が日本で働くメリットの何を重要視しているかを理解しておく必要があります。また、デメリットをどのようなことに感じやすいのか理解しておく必要があります。
    次にまとめました。

    3-1外国人が日本で働く、メリットに感じやすいこと

    ①日本で高度かつ精密な技能を習得できること


    外国人が日々仕事を行うことで技能を習得できるよう会社として仕組を用意しておくことが必要です。単純に任せたい業務を任せるだけでは、外国人が成長を実感することは難しいのが現状です。行う業務がなぜ重要なのか、日々の業務でどのような成長があったのかを実習を担当する社員からフィードバックを行い、外国人のモチベーションが維持される仕組みの検討が必要です。

    ②自国の家族に送金し、家庭を支えることができること


    日本円を送金することで、自国で稼ぐよりも多くの金額を家庭に送金することができる点を魅力に感じている発展途上国の方は多いです。
    アジアの送り出し国によって経済発展状況はさまざまですが、例えばアジア最貧国のミャンマーでは、地方都市での通常の仕事ですと月給が6,000円程度しかもらえない場合が多いので、日本で働くと収入が30倍程度になり、日本で働く魅力は圧倒的です。
    しかし、外国人が満足する金額をしっかりと支払えているかについては確認の必要があります。
    同業他社や同業他社と比べて明らかな見劣りがあり、自社にそれでも魅力を感じてもらえる魅力がない場合は、不満を解消する手立てが必要です。
    社宅の提供やその他手当について日本は充実している傾向にあり、そこをメリットに感じておられる外国人は多いですが、日本人社員の待遇と差がある場合は不満の原因となりますので、注意が必要です。

    3-2外国人が日本で働く、デメリットに感じやすいこと

    ①コミュニケーションがとりづらい


    日本語は漢字・カタカナ・ひらがなと学習するものが他言語と比較して多く、十分に理解できないまま日本に来た実習生もいます。また、日本人独自の「阿吽の呼吸」のように、相手の表情、細かな言い回しから相手の真意や意図を組んだコミュニケーションは当然にできません。わかりやすくシンプルかつ必要十分な言葉で外国人にはコミュニケーションを行う必要があります。

    ②異文化・風習の理解が足りない企業がある


    外国人は生まれた国・地域で育っており、当然に日本の文化・風習とは違った価値観を持っています。外国人の文化・風習をしっかり理解し、認めたうえでコミュニケーションをとるようにする必要があります。
    ※人事が十分注意していても、配属部署で文化・風習が否定され、トラブルとなるケースもあるので注意が必要です。

    ③プライベートを充実できるか不安


    外国人がプライベートと仕事をしっかり両立できるよう配慮がされている必要があります。違反企業の中には実質170時間以上の残業を月にさせていたケースもあり、言語道断です。残業時間を抑制し、プライベードが充実できることをPRすればそれだけで外国人に安心で選んでもらいやすくなります。

    ★まとめ

    技能実習生として働く場合、技能実習生は原則として転職することはできません。
    企業としては、技能実習生が日本で働き続ける限り、3年間は自社に在籍してもらえる安心感はありますが、自社に魅力がなければ失踪や途中帰国の可能性が出てきます。また送り出し機関からも良い人材の紹介は少なくなるかもしれません。
    企業としてできることは、絶えず、自社に魅力を感じ、イキイキと外国人が活躍できる環境をどれほど用意でき、それを実際に外国人に感じてもらえるかです。そのためには、外国人が育った文化・風習を考慮して対応する必要があります。
    これが実現できれば、様々な価値観が理解され、多様性に富んだ企業となるため、外国人だけでなく日本人にも魅力ある組織となります。
    日本は今後少子高齢化、労働人口の減少が加速しますので、外国人に働いてもらうことは避けては通れなくなります。外国人をどれだけ活用し活躍してもらえるかが、これからの企業の存続を大きく左右することになります。

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  • 2022.03.11技能実習生「製造業」|外国人を雇用するには?

    目次

    1. 人手不足が深刻化している製造業の現状
    2. 製造業の人手不足、技能実習をすぐにでも雇用したい実情
    3. 技能実習「製造業」で外国人を受入可能な職種
    4. 技能実習「製造業」で外国人を雇用する方法
    5. 技能実習「製造業」で外国人を雇用するメリット
    6. さいごに

    「製造業で技能実習生を雇用して売上アップに繋げたいけど、上手く採用する方法は?」など、製造業で外国人技能実習生の雇用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、日本の製造技術は年々需要が高まっており、雇用を積極的に進めている企業が多いのも事実。技能実習生を上手く採用できれば、業績向上に繋がり社内の問題も解決していくでしょう。この記事では、製造業における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。

    人手不足が深刻化している製造業の現状

    現在製造業は深刻な人手不足に直面しています。事実「経済産業省製造産業局 製造業における外国人材受入れに向けた説明会」によれば、企業の人手不足がビジネスに影響が出ていると回答した上位の職種は鉄鋼業・非鉄金属・金属製品・輸送用機械でした。加えて、若い年代の退職ラッシュが続き、高齢化が進んでいる現状なのです。加えて、中小企業はとくに技術者の雇用に苦労しており「雇用したくても求める人材がいない」状況であるのも事実。製造業から人が離れていく現状と合わせて、各社が人材の確保に四苦八苦しているのが製造業の実態なのです。

    製造業の人手不足、技能実習をすぐにでも雇用したい実情

    製造業が人手不足になる原因は何があるのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。

    ・製造業に対して悪い印象を持たれやすい

    製造業は歴史が長く日本を代業する分野です。そのため、製造業の労働環境に対して悪い印象を持たれやすいのが人手不足を進めている一因と言えます。「残業時間が長いのではないか?」「古い企業体質でパワハラなどが存在するのではないか?」など、求職者が製造業に対して良いイメージを持たず、働きたいと思わないのが原因でしょう。たしかに一昔前は製造業にも前述の企業はあったかもしれません。しかし、現在は製造業の労働環境は改善され、企業によっては若い年齢層の雇用に成功しているケースも。今後は製造業全体にとって悪い印象を払拭する努力が必要となるでしょう。

    ・東京オリンピックによる需要拡大

    東京オリンピックの開催が決定したのは2013年。以降2020年開催に向けて製造業の需要は大きく拡大しました。会場を建設するための部品やアスリートのトレーニング機材など、かつてない需要があり製造業の人材確保が急務となったのです。しかし、東京オリンピックは一時的なものであり、長期雇用を望む求職者のニーズにはマッチしないのが現状。東京オリンピックによって需要は拡大したものの、想定していた応募数には至らなかった経緯があります。

    ・政府による在宅勤務の後押し

    現在は自宅でも作業可能な仕事内容が増えました。その理由のひとつに、政府が新型コロナウイルスの影響を考慮し、在宅勤務を後押ししている背景があります。在宅勤務が進めば当然製造業の技術職にも影響を及ぼし、より効率化を求める若い年代はIT企業やテレワーク可能な企業への就職を求めているのです。良くも悪くも若い世代は流行に乗りやすい傾向にありますので、製造業の技術職は今後時代の背景に飲まれてしまう可能性もあるでしょう。

    技能実習「製造業」で外国人を受入可能な職種

    製造業で技能実習生を雇用する際、受入可能な職種を確認しておく必要があります。具体的には以下の15職種になりますので、順番に見ていきましょう。

    職種名作業名
    鋳造鋳鉄鋳物鋳造
    非鉄金属鋳物鋳造
    鍛造ハンマ型鋳造
    プレス型鋳造
    ダイカストホットチャンバダイカスト
    コールドチャンバダイカスト
    機械加工普通旋盤
    フライス盤
    数値制御旋盤
    マシニングセンタ
    金属プレス加工金属プレス
    鉄工構造物鉄工
    工場板金機械板金
    めっき電気めっき
    溶融亜鉛めっき
    アルミニウム陽極酸化処理陽極酸化処理
    仕上げ治工具仕上げ
    金型仕上げ
    機械組立て仕上げ
    機械検査機械検査
    機械保全機械系保全
    電子機器組立て電子機器組立て
    電気機器組立て回転電機組立て
    変圧器組立て
    配電盤・制御盤組立て
    開閉制御器具組立て
    回転電機巻線製作
    プリント配線板製造プリント配線板設計
    プリント配線板製造

    基本的には製造業の主要職種は上記に含まれており、大半の企業は該当するのではないでしょうか。しかし、採用に向けて準備を進めたものの、受入可能な職種ではないケースもあります。あらためて確認が必要です。

    技能実習「製造業」で外国人を雇用する方法

    製造業で外国人技能実習生を雇用する場合、一般的に「監理団体」を選び技能実習生の受入を代行してもらう「団体監理方式」を取る必要があります。監理団体とは、外国人技能実習生を受入れるために手続きや指導を全面サポートする非営利団体です。監理団体には中小企業団体・商工会議所・農業協同組合・職業訓練法人などがあり、監理団体として許可されている団体から選択する必要があります。選択し雇用する体制が整えば、日本在籍数に応じた「技能実習1~3号」と雇用関係が結べるのです。

    また、団体監理方式の他にも「企業単独型」があり、企業単独型は海外に支店や関連企業があれば技能実習生の受入が可能となります。団体監理方式とは違い、間に団体を介さないため、ある程度情報が入った状態で雇用ができるのが最大のメリットです。しかし、海外に支店を持つ企業に限られ、資金豊富な大企業に制限されてしまうデメリットもあります。そのため、一般的には製造業で外国人技能実習生を雇用する場合は、団体監理方式を選択します。

    技能実習「製造業」で外国人を雇用するメリット


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    製造業で外国人技能実習生を雇用する最大のメリットは、若い世代の雇用が見込める点です。前述のとおり、製造業は深刻な若年層離れが加速しています。若い世代はどの企業も求めているため、競争率が激しく獲得は容易ではありません。しかし、製造業で働く外国人技能実習生の大半は20~30代であり、企業が求める年齢層と合致しています。

    加えて、外国人技能実習生は一般的には3年までしか日本で実習できませんが、技能実習3号や特定技能制度を利用すれば、さらに延長して雇用も可能です。技能実習生はモチベーションが高く知識吸収スピードが早いのが特徴。若い世代の日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあります。以上のように、製造業で外国人技能実習生を雇用するメリットは多く、人事戦略を変えるポイントとなりえるでしょう。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。今回は製造業で技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。技能実習生を雇用するには監理団体を選択し、所定の手続きを踏めば団体から技能実習生が派遣されます。技能実習生は多くの企業が望んでいる若い世代の雇用が可能となり、成長次第では若い日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあるのです。実際、技能実習生が業務の根幹を担っている企業があるのも事実。本記事をあらためて参考にし、製造業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。

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  • 2022.03.11技能実習「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?

    目次

    1. 技能実習「ビルクリーニング」の仕事内容とは?
    2. ビルクリーニング業界は「人手不足」「高齢化」の状況
    3. 技能実習「ビルクリーニング」で外国人を雇用する方法
    4. 技能実習「ビルクリーニング」で受入れるメリット
    5. おわりに

    「ビルクリーニングで外国人技能実習生を雇用したいけど、基準や条件はある?」など、ビルクリーニングの技能実習の雇用について気になる方も多いのではないでしょうか。
    実際、ビルクリーニング業界の技能実習採用実績が増えており、自国のクリーニング技術発展に一役買っているのはもちろん、人手不足解消につながっています。

    そのため、ビルクリーニングにおける技能実習生の雇用方法について知れば、業務の効率化や業績向上につながるかもしれません。
    この記事では、技術実習のビルクリーニングで外国人を雇用する方法を中心に解説していきます。

    技能実習「ビルクリーニング」の仕事内容とは?

    毎日出勤するオフィスやプライベートで足を運ぶファッションビルはとても清潔に保たれているのではないでしょうか。
    目に見えるきれいな外観を保ち気持ちよく生活ができるのは、ビルクリーニング作業員のおかげでと言っても過言ではありません。

    技能実習としても注目されているビルクリーニングの具体的な仕事内容は、ビルの共用部分の清掃が主な仕事です。通路・エントランス・トイレ・階段などを雑巾やモップ・スポンジなどで綺麗にしていきます。

    また、ビルクリーニングには日常清掃の他にも、年に数回の「定期清掃」があります。
    定期清掃は年末の大掃除に行われるケースが多く、ワックスがけなどの大掛かりな作業が一般的。
    日常清掃よりもスケールが大きいですが、外国人技能実習生も定期清掃で活躍している会社もあります。

    ビルクリーニング業界は「人手不足」「高齢化」の状況

    現在ビルクリーニング業界では深刻な人手不足と高齢化が進んでいます。実際、厚生労働省の「第1回ビルクリーニング分野特定技能協議会」によると、ビルクリーニングの有効求人倍率(平成29年度)は2.95に達しています。
    数値の影響を受けて、今後5年間で37,000人のビルクリーニング作業員を増やす予定であり、外国人技能実習生の受入れが必要であるのも事実なのです。

    また、現在のビルクリーニング年齢層を見ると、従業員の65歳以上の高齢者が37.2%で従業員のうち70.9%が女性で占めています。
    厚生労働省は今後さらに女性の雇用を積極的に進めると同時に、経験が浅い若年層が責任を持って働ける環境づくりを目指していくと発表されました。

    技能実習「ビルクリーニング」で外国人を雇用する方法

    ビルクリーニングの技能実習生を雇用するためには条件を満たす必要があり、基準をクリアできれば雇用が成立します。技能実習生を採用するためには「企業単独型」と「団体管理型」があり、どちらかの条件に合致させる必要あります。
    それぞれの詳細は以下のとおりです。

    企業単独型

    企業単独型は海外に支店や関連企業があれば技能実習生の受入が可能となります。
    自社と繋がりのある企業から技能実習生が派遣されるため、ある程度情報が入った状態で業務ができるのが最大のメリット。
    企業と技能実習生の間で起こりやすいミスマッチを防げ、腰を据えて働いてくれるのが特徴です。

    しかし、企業単独型は海外に支店などがある企業に限定されるため、基本的には資金が豊富な大企業しか採用できないデメリットがあります。
    また、後程紹介する団体管理型とは違い、入国手続きなども自分たちで行う必要があり、受入企業の業務が非効率であるのも念頭に置いておきましょう。

    団体監理型

    団体管理型は企業単独型とは異なり、企業と技能実習生の間に商工会や事業協同組合などの利益を目的としない監理団体が入る形式です。
    受入企業の大半が団体監理型である場合が多く、より一般的な形式と言えるでしょう。
    監理団体とは受入企業の手続き代行や全面的なサポートを行っており、受入企業の負担が大幅に減るのもメリットになります。加えて、受入人数の緩和や配属に至るまでの日本語講習も行ってくれるのが特徴です。

    一方、デメリットは技能実習生雇用するまでに受入企業に情報は入ってくるものの、正確性に欠け、正式雇用まで信憑性が低い点。採用したものの、お互いにとってプラスにならないケースもありますので、雇用する際は情報収集を欠かさずに行っていきましょう。

    また、受入企業は上記2つの方式からどちらかを選択するのと同時に、技能実習1~3号の技能実習生に対して厚生労働省が定めた該当の作業を必ず行う必要があります。
    それぞれの作業内容について次から見ていきましょう。

    技能実習1号

    作業の段取り

    • 器具及び資材の取扱及び整備作業
    • 什器及び備品等の取扱作業

    クリーニング作業

    • 資材の使い方を修得するための各種清掃作業の補助

    ベッドメイク作業

    • 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
      ※必要に応じて行う(必須ではない)

    技能実習2号

    作業の段取り

    • 資機材(器具、資材及び機械)の取扱及び整備作業
    • 什器及び備品等の取扱作業

    クリーニング作業

    • 日常清掃作業(トイレ日常清掃作業を除く)

    ベッドメイク作業

    • 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
      ※必要に応じて行う(必須ではない)

    技能実習3号

    作業の段取り

    • 資機材の取扱及び整備作業
    • 什器及び備品等の取扱作業

    クリーニング作業

    • 日常清掃作業(トイレ日常清掃作業を除く)

    ベッドメイク作業

    • 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
      ※必要に応じて行う(必須ではない)

    受入企業は企業単独型と団体監理型を選択した上で、技能実習生1~3号に対して厚生労働省が指定した作業を行わなければいけません。
    逆に言えば、以上の条件を満たせば技能実習生の雇用が可能となり、会社の発展に向けて重要な手段となるのです。

    技能実習「ビルクリーニング」で受入れるメリット

    ビルクリーニングにおいて外国人を受入れる最大のメリットは企業の活性化が見込める点です。
    日本人のみで構成された企業であれば、あらたな刺激が加わり既存社員のモチベーションアップにつながるでしょう。

    また、技能実習生は知識・スキルの吸収意欲が非常に高い傾向にあり、育成次第では大きな戦力になってくれる可能性もあります。
    順調に育ってくれれば受入企業の採用戦略も大きく変わり、技能実習生の積極雇用に舵を切るケースも考えられます。
    ビルクリーニング技能実習生の雇用は受入企業にとって大きなプラスとなり、業績アップが見込めるチャンスが広がっていくのです。

    おわりに

    いかがでしたでしょうか。
    今回はビルクリーニングの外国人技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。

    外国人技能実習生を雇用するには、企業単独型と団体監理型を選択した上で、技能実習生1~3号に対して厚生労働省が指定した作業を行えば正式雇用となります。
    今後5年間で37,000人のビルクリーニング作業員を増やす予定であるなど、政府が積極的にビルクリーニング外国人技能実習生を雇用する方向であるのも事実。
    ビルクリーニング技能実習生の雇用は受入企業にとって大きなプラスとなります。

    企業の発展を進めるためにも、本記事をあらためて参考にし、ビルクリーニングの外国人技能実習生の雇用を進めていきましょう。

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  • 2022.03.04クーデター後のミャンマーの情勢の真実セミナー大公開
    【3月14日更新】

    目次

    1. クーデター後のミャンマーの現状、報道されない真実とは?
      1. クーデターはなぜ起きたのか?
      2. NLDとUSDPについて
      3. クーデター後の人々の生活
      4. 世界からの見方
      5. 通貨の暴落とその影響
      6. 平穏なヤンゴン
      7. SACとNUG
      8. 今後のミャンマー
      9. 国民の心
      10. クーデター後のミャンマーの現状
      11. ミャンマーのコロナの状況について
      12. ミャンマーのワクチン接種
    2. 今後ミャンマー人材が有望
    3. なぜ今後のミャンマー人材が有望なのか
    4. ミャンマー・ユニティの人材募集状況
    5. ミャンマー・ユニティのオンライン教育
      1. ミャンマー・ユニティのオンライン教育の強み
      2. オンライン授業の実施内容
    6. Q&Aについて
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    大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者

    大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
    2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。

    この記事では2021年10月6日に行った「クーデター後のミャンマーの情勢の真実」セミナーの内容をもとに、最新情報を記載しています。

    クーデター後のミャンマーの現状、報道されない真実とは?

    クーデターはなぜ起きたのか?

    2021年2月1日にクーデターが起きました。
    2020年11月にミャンマーで総選挙がありました。この総選挙でアウンサン・スー・チー率いるNLD(National League for Democracy)が大勝をしました。
    しかし、軍の党であるUSDPは選挙に不正があったのではないかということを訴えていました。NLDはそれに対して中央選挙委員会もあったため、選挙に対する不正はないと、何も対応していませんでした。
    2021年2月2日と3日に新たな国会が始まる予定で、その議員が首都のネピドーに集まっていました。USDPとしては、不正があったのにも関わらず、このまま何も対応せず国会を開くとは何事だと、2月1日にネピドーにいたアウンサン・スー・チー、それから大統領、何百人かいる議員の半分ぐらいを拘束し、事実上のクーデターということになりました。

    NLDとUSDPについて

    • NLD(National League for Democracy)…スー・チーさん率いる党
    • USDP(Union Solidarity and Development Party)…軍の人たちが中心となっている党

    ミャンマーの歴史を振り返りますと、かつては軍がミャンマーを長く統治していました。しかし、2010年11月以降民主化が進み、経済は著しく発展しました。この2011年~2015年の間に、最もミャンマーが発展して、民主化も進んだと言われています。その時の政党はUSDPが実権を握っておりまして、軍出身のテイン・セインという方が大統領でした。テイン・セイン大統領はASEANの中でもミャンマーがどれだけ遅れているかということを認識し、ASEANの他の地域に早く追いつくようにといろいろな政策を実行していました。また軍出身の人ですが、民主化を進め、スー・チーさんともしっかり協力しながらやってきました。
    2015年の選挙のときには、NLDが勝ち、ここからNLDの政治が始まりました。2015年以降、実は政策も失敗したり、貧困層が増えたりしました。民主化民主化と言っても、結局2015年以降は2011年から15年に比べると国の発展は鈍化しました。

    考え方にもよるのですが、USDPは、2011年~2015年の自分たちが実権を握っていたときの方がミャンマー発展したと、自信もあったと思うのですが、2020年11月の選挙ではNLDが大勝しました。このままNLDに任せていいのかっていう危機感もあれば、逆に、NLDがこのまま勢いに乗ってやっていくとUSDPの意見がないがしろにされるのではないかとかそういった危機感もあったのではないかというふうに言われています。
    実際ミャンマーは2015年以降においてもUSDPという軍の党は25%の議席を占めていました。ですから軍の党がうんと言わないと何も始まらないのですが、2015年の選挙の後、NLDが軍の影響力をもっと少なくしていく憲法改正が行われることも予想されたと思います。あとはこのUSDPの国軍司令官である、ミン・アウン・フライン自身が大統領になりたいという野望もあったのではないかという、専門家の話もあります。そういった背景から、クーデターが起きてしまいました。

    クーデター後の人々の生活

    クーデター後のミャンマーは、2021年2月3月は経済の動きがほとんど止まっていました。民衆は基本的に外出しない。外出する場合はデモに参加するといった日が多く、とにかく経済活動はほぼ止まっていました。企業も休業するところも多く、ミャンマーからの撤退も相次ぎました。稼動しているが、100%稼働ではなく、シフト制にして必要なときだけ仕事に行くような会社もありました。そうした点で、ミャンマー国内に失業者が増大したという現状があります。約100万人の失業者が新たに増えたのではないかと言われています。失業者が出るということは、貧困が増大することも意味していて、ミャンマーでは2019年の貧困率と比べて、約2倍になったという見方もあります。
    4月以降人々の生活の活気さは戻ってきており、また夏以降は経済活動もかなりもどりつつあるという報告もありますが、中には撤退をしている欧米企業もあります。またプロジェクトが保留になっているケースもあります。経済が100%復活するにはまだまだ時間はかかりそうです。

    世界方の見方

    クーデターが起きてしまったことで世界からの見方がかなり変わり、ミャンマーのランクがだいぶ下がりました。それによって通貨であるミャンマーチャット(MMK)が暴落しています。

    通貨の暴落とその影響

    ミャンマーは中国からの製品をはじめ海外製品に頼っている市場です。そのため、通貨の暴落に伴い、人々の生活の必需品、食品などの物価が上がってしまいました。通貨安、物価高、失業が増える、貧困層が増えるというダブルパンチ以上の状態で、今人々の生活は苦しくなる一方であることは間違いありません。

    平穏なヤンゴン

    日本で報道されているニュースを見ると、軍が民衆を抑圧している銃撃戦とか、煙が上がっている画像とか、デモで皆さんが行進している画像とかそういったものが今でも見かけられます。
    しかし、実際のミャンマーのヤンゴンはかなり平穏で、クーデター以前の活気が戻っています。例えば、都心部は車で渋滞し、ショッピングモールには人がたくさんいます。人々が普段の生活に戻り、ショッピングも普通に行われています。若者は綺麗な洋服を着てデートしたり、家族で出かけたり、平穏なヤンゴンに戻っています。
    秋ごろから、ヤンゴン市内においては、人々の生活、ショッピングモールの込み具合、交通渋滞はクーデター前にほぼ戻っています。

    SACとNUG

    今ミャンマーは、国軍が設置したSAC(国家統治評議会)というところが統治しています。
    一方で軍の統治に反発するNUG(国民統一政府)は、元NLDの出身の議員さんたちが集まって作られたもので、NUGの中にそれぞれ大臣、大統領、副大統領などを一応任命をして、臨時政府のようになっています。
    見方によれば、この軍政府とNUG出身の国民統一政府がミャンマーを二重統治しているのではないかという見方もあるのですが、事実上、国を押さえているのは軍政府なので、二重統治と言っていいのかどうかには疑問があるところです。
    ちなみにNUGの議員の中で任命された大臣の方たちは軍の政府から見ると、全員逮捕状が出ていて、身を隠して活動しています。例えば、FacebookなどのSNSを使って発表したり、他国にミャンマーの現状を訴えたり、我々が正しい政治の政府ですとZoomを使ってアピールしています。これらは架空の人物ではないのですが、身を隠して行動しています。
    ミャンマーは元々135以上の民族がいる国家で、ビルマ族が約65%を占めます。それ以外は少数民族です。かつては少数民族とビルマ族の間でよく内戦がありました。クーデター前までにはその内戦もかなり収まりつつあったのですが、全てなくなっていたわけではありません。ロヒンギャ問題もその一つと言えるかもしれません。
    そんな中でNUGはクーデター後、少数民族の人を巻き込んだ動きをしています。2021年9月7日には、国軍に対抗して緊急事態宣言を出して宣戦布告しますみたいなことをNUG副大統領が発表しました。これはどのような発表かと言いますと、「国民の皆さん、明日から仕事に行かなくていいです。ぜひこの内戦に参加してください。」みたいな感じでした。しかし一般の人がこのNUGの宣戦布告みたいな、緊急事態宣言に従っていることはほぼなく、NUGの中の大きな民族も我々はそれに参加しませんって言っているところもあれば、好き勝手やっていいですけど我々の統治している州には何もやらないでくださいとか、空回りしているように思われました。
    ミャンマー国内では今も一部地域では小規模な爆発などが発生していますが、クーデター以前においても特に国境付近ではそのような突発的事件はよく発生していました。現在はヤンゴンなどの主要都市では普通の平穏な市民生活が営まれており、特に最大都市ヤンゴンは人々の活気がものすごくある街になっております。
    その後、NUGと国軍の内紛がいくつかの地域で表面化しています。チン州、その後カレン州、カヤー州なので、国軍とNUG率いるPDF(人民防衛隊)との衝突により難民が増えて、インド、タイ国境に避難している人が増えている状態です。
    国軍は、世界からの圧力もあってか、一方的に停戦を宣言していますが、現実は、一般民衆の家を焼いたり、空爆を落としたりしているようです。一方でPDF(人民防衛隊)も降伏しまいと、強気のようです。また国軍から脱退する兵士もでてきているようです。
    このように、タイとの国境での内紛は長年続いてきた歴史からも、簡単には収束しないかと思われます。

    今後のミャンマー

    しばらく政治の不安定は続くとは思います。しかし、人々の生活と経済活動はだいぶ復活しています。今回クーデターが発生してしまい、ミャンマー人の人たちは嫌な思いやいろんな思いはあると思うのですが、元々素晴らしい国民性を持った、仏教の教えに忠実に従うような人たちなので、今後、国の発展、復活が楽しみになってくる時期がまた来ると思っております。

    国民の心

    ミャンマー人の多くはNLDを率いているスー・チーさんは我が母という表現をするくらい、本当に全てというように思っています。今スー・チーさんは軍の政府から裁判をされています。いろんな容疑での逮捕状が出て、裁判が行われています。それに対してミャンマーの方々の多くは心を痛めていて、早くスー・チーさんを解放してほしいと思っていると思います。
    そんな中でも民衆は、軍に対して何か抵抗するような行動をするとか、デモをするとかそういったことはあまりなく、軍に言われるように仕方なく従っています。でも心はスー・チーさんの解放とか民主化というのを願っている、そういった現実と気持ちのはざまの中で生活している人が多いと思います。ミャンマーに対して希望を失ったという人もいるのですが、やはり家族が大事、国が大事、やっぱり国のこと大好き、スー・チーさんが全てという考えが心の底にあります。ですから、ミャンマーがまた息を吹き替えして、再興を担う人材がミャンマーにはいるのではないかと思っております。クーデターの中でもがきながら、皆さんが頑張っている姿は本当に私も勇気づけられる部分がたくさんあります。

    クーデター後のミャンマーの現状

    2021年2月1日 クーデター発生
    2月3月 デモや混乱が続く
    4月以降 デモなどは鎮静化
    4月後半 人々の活発さが戻ってくる
    4月20日 政府機関の公務員100%オフィス勤務再開
    4月22日 MOEAF技能実習制度に関する推薦状が入手可能に
    5月 インターネットの遮断が改善
    パスポートの申請再開
    6月14日 ミャウダゴン講習が再開
     

    技能実習制度から見ると、現在止まっているものはスマートカードの発行のみということでスマートカードの申請審査も進んでいるので、日本の外国人入国制限が解除されれば日本入国が可能になります。
    実際に2021年11月8日に日本が外国人の入国緩和政策を発表した際は、ミャンマーでも実習生出国に向けての手続きが進みました。
    クーデターという大きな政変の動きがありましたが、そんな中でも技能実習制度に関してはそこまでの影響は出ていないというのが現状です。あとは、日本が早く入国制限解除にならないかと待っていますが、入国制限解除後にたくさんの実習生がすぐに入国できるように我々も準備をしております。

    ミャンマーのコロナの状況について

    コロナ情報
    • 3月7日 (20時) 現在、ミャンマー国内における感染者数は計599,619名、うち回復者549,153名、死亡者19,391名。
    • ミャンマー国内全体では、2月に入りオミクロン株が急拡大し、2月25日には、新規感染者数は3,391名/日、陽性率は12.5%を記録したが、3月に入り、感染者数・陽性率ともに減少傾向にあり、3月1日~7日の1週間平均は1,700名、7.6%となっている。ヤンゴン市内では、2月25日には800名の新規感染が見つかったが、それ以降は2∼300名程度で推移している。
    • まだまだ予断を許さない状況だが、ピークアウトに向かっているとの見解も出てきている。実際にヤンゴン市内の民間病院では、2月中旬はコロナ病棟の一般病床(ICU除く)はほぼ満床であったが、2月下旬以降は、空床が見られるようになってきた。
    • ミャンマー国内では、既に中国製・インド製ワクチンのブースター接種を民間病院主導で開始している。交互接種を認めているクリニックも少なくなく、また、邦人も、当地でブースター接種を行うことが可能となっている。

    COVID19患者入院患者数(又は空床数)推移 2022/01/24更新

    医療機関 病床数 2021/08/23 2021/09/07 2021/09/20 2021/10/04 2021/11/04 2021/12/01 2022/01/07 2022/01/21
    Yangon 私立医療機関
    Pun Hlaing Hospital
    ※緊急時,事前連絡なしで救急外来受診可。
    67床
    →9/7:26床に減
    →11/4:19床に減
    空床3-4床 ※26床に減
    空床3-4床
    19名 7名 ※19床に減
    7名
    6名 19床(含ICU 4床)
    8名(全員軽症)
    19床(含ICU 4床)
    19名満床
    ※1/26~より隔離施設棟増床
    Dagon Medical Centre
    ※事前連絡要
    09-985500098/99
    ICU/HUD 20床 空床あり 10名 10名未満 新規なし なし なし
    ※現在, ICU/ HDU改装中のため受入不可。
    患者減のため病棟閉鎖
    ARYU
    ※事前情報申請(12項目)後,入院決定まで24時間かかる。
    44床(ICU 4床) 空床16床 15~20名 6名 7名 2名 ※45床(ICU 6床)
    2名
    45床(ICU 6床)
    1名
    45床(ICU 6床)
    18名
    Academy
    ※緊急時, 朝6-20時に受診可。
    50床
    →11/30: 10床に減
    満床 47名 35名 空床あり 空床あり ※10床に減
    10名※軽症のみ受入可
    患者減のため病棟閉鎖
    Asia Royal
    ※事前電話連絡要09-778352133
    ※日本人で入院希望の場合
    Dr Su Naing (Manager for COVID admission) 09-797562223
    Deposit 3,000,000 MMK (banktransfer OK)。2人まで付添い可
    →入院期間中は自宅に戻れない。
    50床
    →9/21:23床に減
    →11/30: 20床keep
    未回答 空床あり ※23床に減
    ※後遺症患者受入可
    10名
    5名 7名 ※20床keep
    4名
    患者減のため病棟閉鎖 01/23~
    20床再開
    SSC (Shaw Gon Daing Hospital)
    ※来院時, 事前連絡要
    40床
    (酸素供給可 20床,酸素非供給 20床)
    空床
     (酸素可2床,非供給5床)
      酸素供給病床に4名 5名 患者数減のためコロナ病棟閉鎖
    Parami Hospital 8F
    ※来院時, 事前連絡要
    ※酸素吸入を要する人のみ入院可
    6床 空床あり   後遺症患者のみ
    新規なし
    後遺症患者のみ
    新規なし
    なし ※患者減のため、コロナ病床(8F)閉鎖
    今後、患者増加あれば再開予定(外国人向け、家族数名で滞在できるbig room を9部屋確保)
    Dr May Soe Tunに連絡要
    Victoria Hospital 5床(全て、酸素非供給,ICUなし)
    →1/21, 25床に増
              なし ※超軽症患者のみ受入可(それ以外は、他院に紹介予定) 25床(軽症患者のみ受入れ可)
    今後,中等度・重症受入れ準備中
    ShweLa Min-Lanmadaw 20部屋
    max 30床(2~3人部屋含)
                  30床満床
    ShweLa Min-North Okkalapa                 2名
    空床4床
    Yangon 公立医療機関
    NYGH(新ヤンゴン総合病院)
    ※緊急・PUI患者は来院可
    (外出制限措置の為:6-22時)
    ※邦人は大使館より直接担当者に事前連絡が望ましい。
    200床
    →11/30: 30床に減
      40名 55名 約40名 30名 ※30床に減
    数名入院
    30床
    6名
    1/17 数名
    (救援便陽性者は私立医療機関又はCOVIDセンターに収容)
    YGH(ヤンゴン総合病院)
    ※各タウンシップ保健局より紹介されたCOVID確定及びPUI患者のみ受入可
    ※非コロナ患者は直接来院可
    240床
    ICUあり
      空床あり 100名 50名 患者数減のため入院受入れ停止
    (PUI:保健局紹介患者のみ受診可)
      なし
    (PUI陽性患者はWaibargi Hospに転院搬送。)
    1/17 Waibargi Hosp なし
    マンダレー 私立医療機関
    Mandalar Hospital
    09-951064124(Covid center)
    09-951064099
    緊急時、受診可。可能であれば、事前連絡が望ましい。
    30床
    ICU(2床)
              15名 7名 1/17の週から患者減のため病棟閉鎖
    City Hospital
    09-953071719
    09-788472122
    緊急時、受診可
    100床
    ICU(7床)
              50名 30名 20名
    マンダレー 公立医療機関
    Kandawnadi Hospital 52床                
    NPT (公立医療機関のみコロナ受入れ)
    Nay Pyi Taw General Hospital
    (1000 bedded Hospital)
    緊急時、受診可
    150床
    ICUあり
              不詳
    (聴取困難)
    数名
    (外国人受入れ可)
    不詳
    (聴取困難)
    300 bedded Hospital
    緊急時、受診可
    100 床
    ICUあり
              不詳
    (聴取困難)
    ミャンマー人のみ受入れ可
    外国人受入れ不可
    Pubba Thiri 50床            
    Dekkina Thiri 50床            

    ARYU:事前に以下の12項目の情報提供を要し,入院可否が決定される。支払いは現金only。

    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者の退院要件について

    2月10日付で、保健省より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者の退院要件を変更する旨が発表されました。

      ①無症状の患者(RDT 検査やPCR検査でCOVID-19陽性が確認された者)

      (1)ワクチン接種が完了している場合
      ア.リスク要因(併存症のある患者、高齢者(60歳超)、高齢者と居住している者、隔離施設のない自宅)なしの患者
      (ア)陽性が確認されてから10日間、自宅隔離すること(施設隔離は不要)(注:従前は10日間の施設隔離)
      イ.リスク要因(併存症のある患者、高齢者(60歳超)、高齢者と居住している者、隔離施設のない自宅)ありの患者
      (ア)陽性が確認されてから5日間経過していること(注:従前は10日間)
      (イ)退院後5日間、高性能マスクを着用すること(注:新規措置)

      (2)ワクチン接種が未了(規定回数の接種を完了していない)の場合
      ア.陽性が確認されてから7日間経過していること(注:従前は10日間)
      イ.退院後5日間、自宅隔離すること(注:新規措置)

      ②軽度から中度の症状をもつ患者(RDT 検査やPCR検査でCOVID-19陽性が確認された者)

      (1)ワクチン接種が完了している場合
      ア.陽性が確認されてから7日間経過していること
      (解熱後24時間かつ症状に臨床的改善が認められる場合に限る)
      (注:従前は、症状の発生歴に信憑性がある場合、症状の発症後から10日間、 更に無症状の状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及びCOVID-19の他の症状がない状態)が 少なくとも1日間経過していること、症状の発生歴に信憑性がない場合、少なくとも11日間の入院を推奨)
      イ.退院後5日間、高性能マスクを着用すること(注:新規措置)

      (2)ワクチン接種が未了(規定回数の接種を完了していない)の場合
      ア.陽性が確認されてから11日間経過していること
      (解熱後24時間かつ症状に 臨床的改善が認められる場合に限る)
      (注:従前は、症状の発生歴に信憑性がある場合、    症状の発症後から10日間、更に無症状の状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及び    COVID-19の他の症状がない状態)が少なくとも1日間経過していること、    症状の発生歴に信憑性がない場合、少なくとも11日間の入院を推奨)
      イ.退院後5日間、自宅隔離すること(注:新規措置)

      ③免疫力に極度の低下が見られる患者又は重症者
      少なくとも21日間、入院すること
      (注:従前は、症状の発症後から10日間、 更に無症状状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及びCOVID-19の 他の症状がない状態)が少なくとも4日間経過していること、少なくとも20日間の入院を推奨)

    ミャンマーのワクチン接種

    【ミャンマーで接種可能なワクチンの種類】

    インド製 コバクシン、コビシールド
    中国製 SINOVAC、SINOPHARM
    ロシア製 スプートニクV

    メインはやはりインド製と中国製になります。残念ながら、日本政府が認めているファイザー、アストラゼネガとかそういったワクチンに関しては、今ミャンマーでは接種ができない状態です。現状からいきますと、ミャンマーで接種した場合、日本のワクチンパスポートの対象としては難しいということになります。
    最近では、日本財団がミャンマーに200万回分のワクチン、コバクシンを寄付するということが発表されました。国軍統制下の保健省への寄付ではなくて、ミャンマー赤十字を通して、少数民族地域に配布される予定とのことです。

    ミャンマー国内でのワクチンのブースター接種に関し、日本大使館より更新された民間病院名、料金等の情報

    ミャンマー国内では、依然ワクチン接種率は周辺国に比べ低水準となっていますが、ミャンマー在留日本人に対して在ミャンマー日本大使館からブースター接種についての案内も出始めている状況です。

    医療機関 ワクチン種類 外国人費用 ミャンマー人費用 証明書
    Pun Hlaing International Hospital
    (Address) Hlaing Thar Yar
    Sinopharm 45000 Ks
    ※1/17-2/8(割引期間)31000 Ks
    45000 Ks
    ※1/17-2/8(割引期間)31000 Ks
    Pun Hlaing certificate
    (以前,他の種類のワクチンを接種している場合には,事前にPun Hliang に了解を得る必要あり)
    SML Medical &Diagnostic Center
    (Address) 003-004 Dagon Tower Shwe Gone Daing, Bahan
    (ワクチン接種はShwe Gone Daing RoadのVaccine Clinic 入り口を利用)
    COVAXIN 30 USD & 5000 Ks 18 USD & 5000Ks or
    42000Ks(値上げ)
    SML certificate
    SOS Internatioanl Clinic
    (Address) Inya Lake Hotel, Kaba Aye Pagoda Road
    Sinovac
    Sinopharm
    ※COVAXINは1月末に入荷予定
    45 USD
    ※2回分接種は75USD
    45 USD
    ※2回分接種は75USD
    SOS certificate
    Grandhantha International Hospital
    (Address) No. 3 Corner of Nar Nat Taw Street & Kyee Myin Daing Kan Nar road Kamaryut Township
    Sinovac 35 USD 50000 Kts Grandhantha certificate 
    (2回接種完了QRコード付証明書を呈示できたミャンマー人のみ証明書発行。外国人には証明書発行未実施。)

    今後ミャンマー人材が有望

    今後ミャンマー人がなぜ有望かというとミャンマー人の国民性、それから仏教国で仏教の深い教えが文化として根付いている、生活の一部になっている人がたくさんいるからです。
    国民性としてすごく勤勉であり、家族思いである、こういった素晴らしい人材がミャンマーに元々たくさんいます。しかし今回のクーデターになってしまい貧困層が増える、仕事がない、稼げない、生活が苦しくなる一方ということで海外志向の若者が一気に増加してきております。
    貧困層が増えることで家族のために何とかしたいミャンマー人の方は、だいたい家族と一緒に生活することが一番の幸せだって思っている人もたくさんいます。家族と一緒に生活できないのであれば、海外から仕事をしてちゃんと家族をサポートする、それが幸せの一部と思っている人が多いので、海外で働きたい若者が増加しています。また、家族も家族で今までは自分の子供は自分のところに置いてきたいという両親もいたと思うのですが、より一層今回のクーデターで子供が、息子娘が海外に行くことをより希望する、未来を作ってほしい、自分たちも助かるというような家族の考え方が変わってきていると見受けられます。ミャンマー人材がより有望になってきている、これからより有望なるというふうに考えております。

    なぜ今後のミャンマー人材が有望なのか

    失業者の増大が大きな要因です。こちらに関しては職に就いている人だけではなくて、自営業でやっているような農村の方たちも物が売れないので、次にまく種が買えないという、本当に深刻な問題になっている農家さんが多いと聞いております。
    それに伴って貧困層が増大しておりまして、1日1.9ドル以下で暮らす人口の割合が50%になって2019年の2倍になっています。これは統計から見てもすごい数字だと思いますので、本当に貧困層が一気に増えてきているというふうに考えます。
    あとは通貨安です。クーデター前は1ドル=1300~1350チャットでしたが、クーデター後は1ドル=3000チャットまで暴落しました。今は少し戻り、1750-1800チャットということですが、クーデター前に比べ、すごく高い暴落率になっていますのでそれもあって、物価の上昇が進んでいます。このような状況だと、海外で働くことが、唯一の選択肢といいますか、家族を養うために家族の中で1人か2人海外で働かないと、家族の生活が厳しいっていう家庭も本当に増えてくると思いますので、海外で働くこと自体が加速する見込みというふうに考えています。
    海外と言っても、やはり日本が一番人気なので、日本に行きたい人がより増えている、増えてきます。増えてくるのでその中でしっかりしたスクリーニングをすることでより良い人材を育成していくということが我々の任務となってくるというふうに思っています。
    また業界により、外資企業が相次いて撤退している業界もあります。例えば縫製業界では工場撤退が相次いでおり、失業者が増えていますので、縫製経験者の技能実習生の雇用は今後有望と思われます。

    ミャンマー・ユニティの人材募集状況

    人材募集の状況は、2021年2月3月はクーデターの影響で低迷していましたが、4月後半から募集活動を再開し、5月以降順調に集まっています。6月以降やはり日本で働きたい希望者がかなり増えており、特にミャンマーで絶大な信用があるNo.1送り出し機関のミャンマー・ユニティには応募者が殺到しています。
    応募者だけ増えればいいかというとそういうわけではありません。真剣にミャンマーから日本に行きたいという人もいますが、単なる興味本位で登録する方もいます。日本以外の国の選択肢もあり、マレーシアや中東、アフリカなど、言葉ができなくても体一つあれば仕事が成り立つという国での仕事もあります。ただ、言語能力のない人が日本に来て仕事をすることはなかなか難しいと思うので、やはり将来の計画とか、日本語の学習能力意欲がある人というのを我々の方でしっかりスクリーニングをして、いい教育をしていく必要があると考えております。
    また、我々はMJ Spaceという、無料で勉強できるオンラインサイトも提供しております。ミャンマーにはお金がなくて日本語学校に通えない方も多くいます。また日本語学校がない地域も多くあります。家族の面倒をみなければならない方、家の農業をしなければならないので家を離れられない方もたくさんいます。そんな方々にも等しく日本語を学ぶ機会を与えようという取り組みがMJ Spaceです。
    MJ Spaceはミャンマー全土を対象とし、スマホさえあれば、いつでも、どこでも、誰でも、無料で日本語学習が可能です。
    私たちはより良い人材を募集して、その人たちにより良い教育をしていく必要がありますので、我々の教育体制もさらに充実させていこうと考えております。

    ミャンマー・ユニティのオンライン教育

    ミャンマー・ユニティのオンライン教育の強み

    1. 一方的でではない走行向けのやりとりを重視
    2. オンライン授業と聞くと、授業の内容をビデオで一方的に流しているとか、そういったことを想像される方もいらっしゃるかと思うのですが、我々はそういう授業ではなく、双方でやりとりできる授業を対話しながら、またその個人の実習生の状況に合わせながら、授業を進めています。オフラインの教室での教育と同等の教育を可能にしています。

    3. 徹底的に見える化を意識した体制
    4. 実習生の能力とか、どこまで今進んだか、現状を把握するために毎日小テストをしたり、週末に確認試験をしたりすることでより現状を把握することができるので、かなり細かい指導を行っています。また、受け入れしていただく企業様、組合様と実習生で面談をしていただいたりして、より一層その実習生の現状を把握、そして実習生がモチベーション高く勉強して日本に行けるようにと考えてやっています。

    5. どんな状況下でも、企業理念「実習生のために」を実践
    6. 教師の熱意、優しくも厳しくも、熱意を持って、担任の先生が授業にあたっています。どんなことがあっても信念を貫いて、各教師がどのようにしたらより良いオンライン授業が行えるか、実習生の立場に立って、ちゃんと良い授業ができているか、そのようなことを日々試行錯誤しながら行っています。さらに日本語だけでなく、健康管理とか宿題の出し方とか、そういったところも踏まえて、実習生の日本語力が、最大限伸ばせるように各先生が、いろいろと工夫しながらやっています。

    オンライン授業の実施内容

    月曜日から金曜日の8時~15時ということで、これは教室での授業と変わりありません。担任制度でやっていて、ひとクラス1名の担任の教師がおり、その担任の教師を軸にして授業を回します。
    全クラス教室の授業は同じ進度で実施していて、こちらは教育部にあります事務課との事務スタッフが管理をしつつ実施しています。簡単な内容であれば1日1課、難しい内容のときは2日で1課をすすめるような進捗でやっていて、もちろんレベルごとに時間が違うのですが、N5コースでみんなの日本語初級1を使って300時間、N4コースはみんなの日本語初級2を使ってだいたい400時間以上やっています。
    N3コースこれは介護の技能実習生のためですが、総まとめという教科書で700時間をやっています。一時期クーデターによるインターネット遮断の時期がありましたが、2021年6月10日から日本人の会話の授業もZOOMで再開をして、1日1コマは必ず日本人の先生と授業が受けられるようしています。使用するツール等はMessenger、Viber、ZOOMなどいろいろです。
    ミャンマー・ユニティはオンラインでの教育のメリットを生かした教育をしております。一見オンラインだと実際の教室での授業と比べていろいろ劣る点があるのではないかと私も思っていたのですが、実はオンライン教育でのメリットもたくさんあります。
    例えば、日本語で話すことはできても、書くことを苦手としていた実習生がオンライン教育になって、筆記でのやりとりが増えたのでより日本語が書けるになった、漢字が書けるようになった、綺麗な文字になったと感じます。
    また電話での会話マナーの練習等もしていますので、普通の会話だけではなくて、電話での会話の仕方なども勉強できるようになり、メリットもすごく感じています。
    また、オンライン授業では、皆さんが一生懸命聞こうとするので、入りやすい、より集中してできるようになったという先生の声もあります。そういった意味で、我々のオンライン授業はオンライン教育でのメリットも生かして、教室での授業と同じような進捗でより高い教育を目指したものをやっています。

    Q&Aについて

    1. 現在政治的に混乱していると思いますが技能実習生をコンスタントに送り出すことは政治的、コロナの関係上可能でしょうか?
    2. 現在ミャンマーでは技能実習制度に関して特に大きな影響が出ているところはありません。止まっているのはスマートカードの発行のみで、こちらは日本の入国制限が解除されるとともにスマートカード発行も始まるということなので、政治的混乱は見られますが、実習生をコンスタントに送り出すことは可能です。
      実際に2021年11月8日に日本が外国人入国緩和を発表した後、ミャンマー労働省ではスマートカードの発行申請の準備が進んでおりました。

    3. ASEANの特使受け入れを国軍が否定されているようですが、政府行政の運営リスクが高い状態で、ミャンマー国民を国外に出す許可が取れるのでしょうか?ビザ取得関係と若干重複しますがこれについてもお答えください。
    4. ミャンマーというのは世界でも最貧国の一つで、今まで国軍が実権を握っていた過去も長年に渡ってあります。その頃から技能実習制度というのはありましたので、このまま今の状態でミャンマー国民を国外に出さないことは考えられません。逆に海外に出た人たちからの送金を外貨収入として期待しているという部分があります。
      ビザ取得に関しては、日本側で在留資格認定証明書が発行され、日本が外国人の入国制限を会場すれば、ミャンマーにある日本の大使館でビザ申請・発行が再開されますのでこちらも問題ないと考えております。現在1,000人以上の日本入国待ちの技能実習生がいますが、すでに外国人実習機構から技能実習計画が許可されて、COE(在留資格認定証明書)が多数出ています。何も問題はないと思います。
      実際に2021年11月には、在ミャンマー日本大使館において、ビザ発給のための予約をとることができました。

    5. クーデター後、現地経済状況、コロナウイルス対策事情で日本からミャンマーに出張することは可能でしょうか?
    6. 現状ミャンマーに旅客機、乗客を乗せたフライトの着陸が禁止されています。これはコロナ禍が始まって以来長く続いているのですが、毎月延長延長ということで、2022年1月31日まで延長されています。今後オミクロン株の蔓延により今後も延長されることが予想されます。ですから、一般の方が出張ということでミャンマーに入国するのは現時点では難しいです。現地で駐在事務所とか会社がある方で、日本人の駐在員を送りたい方は政府の特別枠で入国することは一応できますが、ミャンマーに会社がない方は出張としては現状難しい状態です。

    7. ヤンゴン市内の往来等は時間経過とともに活気が戻ったとおっしゃっておられましたが、これらに対する情報取得やワクチン接種の状況等はどのような状況なのでしょうかまた未接種者の技能実習生候補者たちが優先接種できたりするのでしょうか?
    8. 現在、ミャンマーにおいては希望すればワクチン接種が容易にできます。
      ミャンマー国内では、依然ワクチン接種率は周辺国に比べ低水準となっているが、既にブースター接種の動きも出てきています。例えば、パンライン病院からは、2回目接種から4~6か月経過した場合、ブースター接種可能ということで、既にシノファーム製ワクチンのブースター接種案内が届いています。但し、MoHとして、1回目接種率を如何に引き上げるかに注力しており(年内に18歳以上人口の50%が目標)、ブースター接種に関する制度設計が出来ていないため、現時点では正式なワクチン証明書(ブースター接種含む)を発行することは出来ないとのことである。
      2022年1月17日の情報ですと、パンラインではブースター接種の価格が発表され予約が可能となりました。

    9. 日本がワクチンパスポートとして有効と言っているモデルナ、ファイザー、アストラゼネカは接種できないのが現状なのですが、どのワクチンでもいいから、とにかく、受け入れ企業が、今のうちから接種してくださいと頼んだ場合、有料でいつ受けられますか?
    10. 現在、ミャンマーにおいては希望すればワクチン接種が容易にできます。
      受け入れ企業様は今のうちからワクチン接種してくださいお金を払いますというふうにはっきりと言っていただければと思います。

    11. ミャンマーとの取引は初めてですが、日本にいる駐在の存在とは役割について教えてください。
    12. 日本に駐在している営業部というものと、それから実習生指導部というものがあります。営業部は、組合様とのやりとり、面接までの書類をいただいたり、面接の日程を調整したり、いろんなご質問に回答させていただいたり営業活動をしています。
      それから実習生指導部という、ミャンマー人の指導部のスタッフがおりまして、この指導部は基本的に通訳をしたり、必要なときに企業さんに一緒に同行させていただいたり、あとは入国した後の何かの講習でサポートさせていただいたり、それから簡単な資料を翻訳させていただいたり多岐にわたり、業務があります。重要なこととしまして、企業様や組合様からの依頼がなくても、定期的に実習生に我々の方から連絡をして、問題の早期発見とそれに伴ってミャンマー側のスタッフと連携をして家族に連絡をするというようなこともしています。

    13. 日本で実習期間が終了したがミャンマーに帰れない、日本でも仕事もないというようなミャンマー人は現在いるのでしょうか?
    14. 現在、海外に帰れない技能実習生、修了者がものすごくたくさん日本にいまして、その方々に日本政府は特定活動という特別な在留資格を与えて、就労可能な状態にしております。
      そういった方々はいるのですが、紹介してくださいと言われても、なかなか難易度は高いです。現在技能実習修了者を雇いたいっていう人が日本にたくさんいて、奪い合い状態になっております。なぜかというと、技能実習生の入国が禁止されているので、人手が足りないっていう方々がたくさんいて、実習修了者が奪い合い状態なのでご紹介してくださいと言われてもなかなか見つからないというのが現状でございます。特に人手不足が顕著な地方については、やはり技能実習3年経験者は都会での就労を望む傾向があるため、なかなか見つけるのは難しいというのが現状ではないかと思います。

    15. 技能実習生の入国再開時期はいつ頃になると思われますか?
    16. オミクロン株蔓延状況の中で予想は難しい状況です。

    17. 入国制限が解除になった場合日本から面接のためにヤンゴンに入ることが可能になりそうですか?
    18. しばらく、難しいです。我々の面接は、リアルの面接よりも質の高いオンライン面接というのを実現できておりますので、わざわざものすごいお金を使って、1週間ぐらい棒に振って、ミャンマーに面接のために来られるというようなことは、もう今や必要になくなった時代だというふうに思うので、後は、状況を考えて、判断いただければというふうに考えております。

    19. ミャンマーにある日本語学校300個ぐらいあると思いますが機能していますか?
    20. 私達が知るところによりますと、最近また再開したっていう学校が多いかと思います。ただし、もう一旦閉めますっていう学校もありますのでその学校によるかと思いますが、経済活動を再開しておりますので、再開している学校がだいぶ増えてきたっていうような認識でおります。

    21. 現在日本にいるミャンマー人から耳にしていることや、日本からの郵便、(EMS)が止まったままでは、説明を受けたような状況は、受け入れがたい。
    22. ミャンマー人の方たちは自分の国で起きていることなので、やっぱりその客観的な見方っていうのはできないと思います。そういった在日のミャンマー人の方の意見や話も事実だと思います。
      それぞれ置かれた立場が違うと思いますので一概には言えないですが、我々の会社はすでにほぼ100%稼働しております。現状その実習生を送るための準備等も、先スマートカード発行以外も再開しています。実際に募集のための人材登録が増えているっていうのも事実ですので受け入れがたいっていうご意見に関して、それはそれで尊重させていただくしかないかなと思います。
      EMSはもう全然止まっておりません。2021年3月終わりくらいには再開していて、EMSが止まっていた時期は確かに1ヶ月半か2ヶ月ぐらいありましたが、別のOCSという、全日空さん経由の便で書類等送っておりましてこちら問題なく到着しておりました。今はDHLも可能ですので、EMSがなくても、OCSで輸送もできておりました。

    23. ミャンマー人は貧しいとのことですが実習生がミャンマー・ユニティに支払うお金はどのようにしているのですか?
    24. ミャンマーでは実習生からいただくサービス料が2800ドル上限と決まっております。我々も2800ドルをいただいておりまして、それ以外にそれ以上のものは規定に反しますので貰っておりません。
      しかし2800ドルはミャンマー人には結構な金額になります。ただし今報道されているようなタイとか逃げている難民の人とかそういう人ではない一般的な人に関してはだいたい家族とか親戚から集めたりして半分または半分以上それで支払いしてあとは借りて払ったりとかそういった形をとっている実習生がほとんどです。
      実習生は日本に行ってから、だいたい3ヶ月から4ヶ月で親戚とか知人から借りたお金っていうのを返す人が多いというふうに把握しております。2800ドルは32万円ぐらいでございますが、32万円という費用は日本に入国してからですと、比較的容易に支払える額だということでございますので、あまり他の国のようにとんでもない借金を抱えてというようなことにはならないという状態だと思います。

    25. 介護の実技の学習はできない状況でしょうか?
    26. 介護の授業はオンラインで今現在おこなっております。座学でできる部分は座学でカバーをしておりますが、実際の実技、シーツを交換して、オムツを交換して、そういった実技については現状できておりません。ただし入国が決まりましたら、最後にヤンゴンに来て、実技をやって出国するような形で考えています。
      但し、ミャンマー政府の規制で、コロナ感染対策で学校を開けてはいけない、人を集めてはいけないというような指示がある場合は、介護事業者様それぞれに、ご意見をお伺いして対処策を考えるしかないと思っております。

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  • 2022.02.23技能実習「惣菜」|外国人を惣菜製造業で雇用するには?

    目次

    1. 2015年より技能実習制度に「惣菜」が追加
    2. 食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用する方法
    3. 食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するメリット
    4. 食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するデメリット
    5. さいごに

    「食品製造業の『惣菜』で技能実習生を受け入れをしたいけど、なにか条件はあるの?」など、食品製造業の惣菜部門での技能実習生について気になる方も多いのではないでしょうか。
    実際、日本の食品製造業において確かな惣菜加工技術を学び、自国の技術発展への貢献を目的に惣菜部門で多数の外国人が働いているのも事実。

    そのため、惣菜部門での技能実習生雇用について知れば、業務がより効率的にまわるかもしれません。
    この記事では、食品製造業の惣菜部門での技能実習生雇用を中心に解説していきます。

    2015年より技能実習制度に「惣菜」が追加

    現在は外国人労働者の姿を目にする機会が以前と比べて格段に増えてきました。
    食品製造業の惣菜部門においても例外ではなく、スーパーなどで調理場を覗くと外国人が真剣に働いています。

    それもそのはず。食品製造業では2015年に厚生労働省より「惣菜製造業」が正式に追加されました
    企業の労働力確保と同時に、人材送り出し国の食品製造における加工技術の発展に貢献する理由から技能実習制度に惣菜部門が新たに加わったのです。

    食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用する方法

    惣菜製造業において、やみくもに技能実習生を雇用できるかと言われればそうではありません。
    実は、雇用の為には技能実習1~3号別に審査基準が設けられ、基準を満たしてはじめて採用が可能になります
    そのため、雇用を希望する企業は審査基準を把握しておく必要があるのです。

    実際に技能実習1~3号別の審査基準について見ていきますが、その前に技能実習1~3号について簡単に解説していきます。

    技能実習1~3号とは?

    技能実習1号

    技能実習1号は日本の技術を学ぶために来日した外国人の中でも、入国1年目に該当する外国人を指します。
    実習可能な対象職種の制限がなく、幅広く実習可能な点も特徴的。

    また、技能実習1号の実習期間は原則1年ではありますが、期間満了前の対象試験に合格すれば技能実習2号の在留資格が得られます。

    技能実習2号

    技能実習2号は実習2、3年目に該当する外国人であり、技能実習1号で学んだ知識を更に磨いてスキルアップを目指す資格です。
    実習2、3年目は日本文化にも慣れてきて、より実習に集中できる環境が整います。技能実習生が大きく成長する時期でもありますので、雇用企業は指導にさらなる力を入れていくといいでしょう。

    また、3年の実習期間が終了すると一旦帰国した後、技能実習3号への実技試験があります。
    技能実習2号への試験同様、対象試験に合格すれば技能実習3の在留資格が得られるのです。

    技能実習3号

    技能実習3号は4、5年目に該当する外国人であり、技能実習3号へのハイレベルな実技試験に合格したものを指します。

    また、監理団体及び実習実施者による一定の明確な条件を満たし優良であると認められた外国人が対象です。
    4年目に突入すると日本語も流ちょうに話せ、企業の戦力として欠かせない存在になっている外国人も多いのではないでしょうか。
    上手く活用して企業の売上に貢献してもらう会社も多いです。

    技能実習は最長5年の為、技能実習3号で終了となります。

    以下、技能実習1~3号を雇用するための必須業務です。

    技能実習1号

    ①下処理作業

    • 1. 食材の選別及び
    • 2. 食材の皮むき及びカット作業

    ②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。

    1. 加熱調理

    (炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)

    • 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
    • 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 1-3. 調理及び加熱温度測定作
    2. 非加熱調理(合える(和える))
    • 2-1. 食材の計量作業
    • 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 2-3. 調理状態確認作業

    ③衛生管理作業

    • 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
    • 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業

    技能実習2号

    ①下処理作業

    • 1. 食材の選別及び
    • 2. 食材の皮むき及びカット作業

    ②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。

    1. 加熱調理

    (炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)

    • 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
    • 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 1-3. 調理及び加熱温度測定作業
    • 1-4. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
    • 1-5. 調理製品の確認作業
    2. 非加熱調理(合える(和える))
    • 2-1. 食材の計量作業
    • 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 2-3. 調理状態確認作業
    • 2-4. 殺菌、洗浄、水切り作業
    • 2-5. 成型及び整え作業
    • 2-6. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業

    ③衛生管理作業

    • 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
    • 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業

    技能実習3号

    ①下処理作業

    • 1. 食材の選別及び
    • 2. 食材の皮むき及びカット作業

    ②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。

    1. 加熱調理

    (炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)

    • 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
    • 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 1-3. 調理及び加熱温度測定作業
    • 1-4. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
    • 1-5. 調理製品の確認作業
    • 1-6. 上記 1-4に関する品質管理基準に沿ったHACCPシステムに基づく基準逸脱是正措置(※)作業
    • 1-7. 上記 1-1~1-5に係る指導
    2. 非加熱調理(合える(和える))
    • 2-1. 食材の計量作業
    • 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
    • 2-3. 調理状態確認作業
    • 2-4. 殺菌、洗浄、水切り作業
    • 2-5. 成型及び整え作業
    • 2-6. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
    • 2-7. 上記 2-6に関する品質管理基準に沿ったHACCPシステムに基づく基準逸脱是正措置(※)作業
    • 2-8. 上記 2-1~2-6に係る指導

    ※是正措置とは、品質管理基準に満たない製品に仕上がった場合に、是正マニュアルに示された改善の微調整(是正措置)の判断をし、品質管理基準を満たす製品に仕上げるように調整する作業のことをいう(是正マニュアルとは是正措置を行なう範囲を示すもので、標準作業書とは異なる)。

    ③衛生管理作業

    • 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
    • 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業
    • 3. 上記 1、2に係る指導

    安全衛生作業

    安全衛生作業は技能実習1~3号すべてに該当します
    各作業は以下になります。

    ①安全衛生

    1. 雇入れ時等の安全衛生教育
    2. 作業開始前の安全確認
    3. 惣菜製造業職種に必要な整理整頓
    4. 惣菜製造業職種の調理用機械設備等及び周囲の安全確認
    5. 衛生保護着等の着用と服装の安全点検
    6. 安全装置の使用等による安全な作業
    7. 労働衛生上の有害性を防止するための作業
    8. 異常時の応急措置を修得するための作業
    9. 惣菜加工作業における事故・疾病予防に係る安全衛生

    ②食品衛生

    1. 作業者の衛生管理
    2. 調理器具の衛生維持
    3. 製造用機器等の衛生維持
    4. 作業終了時の作業場の清掃等による衛生維持

    上記、基本的な作業となるため、多くの企業はクリアできる基準となります。そのため、積極的に技能実習生の雇用に踏み切ってもいいでしょう。

    食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するメリット

    食品製造の惣菜において技能実習生が就労するメリットは、企業にも実習生にもメリットがあります。
    企業側の最大のメリットは人材の確保です。

    例えば、スーパーの総菜部は離職率が高く、人材が定着しにくいのが特徴。女性比率が高く、結婚や出産で離職を余儀なくされる方が多いのも理由の一つと言えるでしょう。
    技能実習生であれば、上手くいけば長期雇用が見込め、総菜部の根幹を担える素材に成長が見込めます。

    また、技能実習生にとっても、世界が誇る日本の総菜加工技術を自国に持ち込めるメリットがあるのです。
    学んだ技術を最大限に活かせれば、会社に貢献できるだけでなく仕事の幅が広がっていきます。

    以上のように、食品製造の惣菜において技能実習生が就労するのはメリットが多く、雇用する価値が十分にあるのです。

    食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するデメリット

    一方で、デメリットも存在します。

    1つ目に技能実習生は惣菜製造業の技能実習評価試験(初級・専門級・上級)に合格する必要があります
    試験は学科試験と実技試験の2つの構成となっており、両方の合格が必要となります。
    不合格となった場合、一度だけ再試験を受けることができますが、再試験も不合格だった場合、再々受験はできません。
    しかし、合格基準は決して高いわけではないため、十分に準備をしておけば問題ありません。

    2つ目は追加されてまだ間もない制度であるため、制度の内容が変更する可能性が非常に高いです。
    直近では2021年6月1日に食品衛生法に基づく営業許可制度が新しくなったため、惣菜製造業種の審査基準が変更されています。
    また、制度に関する情報やノウハウもまだ多くないため、常に最新の情報を収集する必要があります。

    さいごに

    いかがでしたでしょうか。
    今回は惣菜製造業における技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。

    食品製造業では日本の食品製造における加工技術の発展を目的に、2015年に厚生労働省より「惣菜製造業」が正式に追加されました。
    雇用方法は技能実習1~3号別に審査基準が設けられ、それぞれ項目をクリアすれば雇用が認められます。
    技能実習生は育成次第では長期雇用が見込め、総菜部の根幹を担える素材に成長が見込めるのです。

    また、技能実習生にとっても、世界が誇る日本の総菜加工技術を自国に持ち込めるメリットがあり、企業・技能実習生双方に利点があります。
    本記事をあらためて参考にし、総菜製造業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。

    出典
    惣菜製造業職種(惣菜加工作業)
    OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構 惣菜製造業技能評価試験

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  • 2022.02.23技能実習3年終了後|特定技能?技能実習3号?どちらにすべきか制度の違いを解説

    世界一の少子高齢化がさらに進行する日本。
    労働人口(生産年齢人口)も劇的に減少しており、これからの日本は労働力不足に悩まされることが確実です。
    対策として、日本政府は2019年4月より特定技能制度が発足させ、人手不足の14業種に対して在留資格「特定技能」での外国人労働者の雇用を認めました。
    ところが新型コロナウイルスの蔓延もあり、外国人の入国制限(いわゆる水際対策)が長く続けられ、特定技能外国人の新規入国は止まっています。
    結果、技能実習からの在留資格変更による特定技能労働者がほとんどとなっているのが現状です。

    技能実習とは国際貢献を目的とした、技能移転の制度です。
    途上国から技能実習生を受け入れて、途上国の発展に寄与するために、日本で高度な技能を学んで(実習して)技術を祖国に持ち帰っていただこうという制度です。
    しかし、特定技能制度の創設により、技能実習生が3年で帰国せずに特定技能労働者としてさらに日本で働き続けることが可能となり、技能実習の国際貢献という側面はさらに形骸化してきたと言っても言い過ぎではないでしょう。

    今回は、3年で帰国しないで国内に在留する技能実習生が増える中、4年目以降の在留資格変更は特定技能にするべきか、それとも技能実習3号にするべきか、以下で徹底解説してまいります。

    目次

    1. 技能実習3号のメリット・デメリット
      1. 技能実習生がたった3年で帰国するのは大変もったいないこと
      2. 当初3年を超えて受け入れるにはこれしかなかったこと
      3. 優良要件を失う可能性があること
      4. 職務の自由度が少ないこと
      5. (監理団体は)管理費収入が確実に得られること
      6. 転職されないこと
    2. 特定技能のメリット・デメリット
      1. 外国人にとって自由度が高く、外国人に人気があること
      2. 職務に制限が少なく、企業側の自由度も上がること
      3. 企業の管理費コストが下がること
      4. (監理団体は)収入が減ること
      5. (監理団体は)他の仲介会社に仕事を奪われてしまう可能性があること
      6. 転職されてしまう可能性があること
    3. 技能実習3号と特定技能の比較表
      1. 一般職種の比較表
      2. 介護職種の比較表
    4. まとめ

    技能実習3号のメリット・デメリット

    技能実習3号のメリット~その1

    技能実習生が3年で帰国するのは大変もったいない

    2017年11月、技能実習法(正式名:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の制定により、技能実習3号が新しく創設されました。
    技能実習3号が創設された理由は、ズバリ「技能実習生がたった3年で帰国するのは大変もったいないから」です。

    せっかく3年間も徹底して教育し、結果、技術や経験を習得した技能実習生が3年で帰国しなければならない。
    代わりとして新しく雇用する技能実習生には、また振り出しからいろいろと教えなければならない。
    これは受入企業にとっては、かなり深刻な問題でした。

    技能実習生が3年で帰国するのはもったいない!!という声が大きかったことから技能実習3号が設けられたと言っても過言ではないと思います。

    当初3年を超えて受け入れるにはこれしかなかったこと

    技能実習3号の制度は、優良な監理団体が仲介し、優良な実習実施者(つまり受入れ企業)が技能実習生を引き続き受け入れたいのであれば、技能試験や優良とされるポイントなどとても高いハードルの条件を満たしたした監理団体と実習実施者にだけ技能実習3号を許すという制度です。

    制定当初は、技能実習生に4年以上働いてもらうためにはこの技能実習3号しか制度がありませんでした。また優良認定されるポイントもそんなに厳しくありませんでした。

    技能実習3号のデメリット

    優良要件を失う可能性があること

    しかし、特定技能制度が創設された後、優良と認定されるポイント制度が改悪され(とても厳しくなり)、技能実習3号のメリットは激減してしまいました。
    むやみに技能実習3号を受け入れると、逆にせっかく得ていたポイントを失ってしまうことになりかねないのです。

    監理団体のリスク

    むやみに技能実習3号を受け入れると、監理団体は優良要件を剥奪され、一般監理事業から特定監理事業に格下げの憂き目にあいかねません。
    監理団体事業において、一般監理事業なのか特定監理事業なのかは、生死をわけると言っていいほど重要なことです。
    一般監理事業は優良監理団体とも呼ばれ、信用度が高い。
    一方で特定監理事業は優良ではないので、信用度が低いわけです。
    むやみに技能実習3号を受け入れると、優良要件を剥奪され、一般監理事業から特定監理事業に格下げされる可能性が高くなるので、正直言って、技能実習3号の受入れはおすすめできません。

    実習実施者(受け入れ企業)のリスク

    実習実施者についてもほぼ同様です。
    せっかく優良な実習実施者に認定され、技能実習3号の受け入れをやっていたとしても、優良要件が厳しくなったため、今後は優良資格を失う可能性があります。
    技能実習3号受け入れをしている実習実施者が優良資格を剥奪されると後は悲惨です。
    技能実習生は他の優良実習実施者に移籍をしてもらわなければなりません。
    働き手を失った企業はもっと困ることでしょう。

    職務の自由度が少ないこと

    技能実習3号は、外国人技能実習機構によって認められた技能実習計画に基づき、法令を遵守して行う必要があり、外国人に任せる職務や作業がかなり限定されています
    これに違反した場合は、とても重い罰を受けることになります。
    外国人技能実習機構により違反の事実が公表され、技能実習が禁止されることもあります。
    また監理団体許可が取り消される原因にもなります。
    ですから、とても厳格な職務の管理(実習の管理)が必要になります。
    技能実習3号はとても自由度が低いと言えます。

    技能実習3号のメリット~その2

    (監理団体は)管理費収入が確実に得られること

    しかしながら、現在においても監理団体にとって技能実習3号のメリットもあります。 まず、監理団体が管理費収入が確実に得られることです。
    特定技能においては監理団体が対応する義務も少なくなることから、管理費収入が減ってしまう傾向があり、収入の多寡という面においては、技能実習3号のメリットになります。

    転職されないこと

    もうひとつ、技能実習3号のメリットがあります。
    それは転職されないということです。
    これは色々と苦労をする監理団体と実習実施者(受け入れ企業)にとっては、他に代えがたい大きなメリットとなっています。

    特定技能のメリット・デメリット

    逆に特定技能のメリットもいくつかあります。

    特定技能のメリット

    外国人にとって自由度が高く、外国人に人気があること

    特定技能は原則として転職可能です。
    技能実習は、技能実習計画認定を受けた実習実施者でなければ実習できず、原則として転職が認められていません。
    どんなに嫌なことがあっても、理不尽なことがあっても、転職の自由がない技能実習制度は、職業選択の自由を定めた日本国憲法違反であるとか、現代の奴隷制度だと批判される理由がここにあります。

    職務に制限が少なく、企業側の自由度も上がること

    前述のように技能実習3号は、外国人技能実習機構によって認められた技能実習計画に基づき、法令を遵守して行う必要があり、外国人に任せる職務、作業に限りがあります。
    一方、特定技能においては、受け入れ企業側の自由度は格段に上がります
    特定技能による就労において、全く制限がないわけではありませんが、外国人に任せられる職務・作業の範囲が劇的に広くなり、ほぼ日本人職員と同様の仕事を任せられるようになります。
    法令違反で処罰される可能性も技能実習よりはかなり低いので、企業にとってはとても安心と言えるでしょう。

    企業の管理費コストが下がること

    特定技能は技能実習に比べて制限が少ないことから、監理団体や登録支援機関に支払うコストも少なくなります
    特定技能外国人の受け入れを自社で直接行う場合(外部の登録支援機関を使わない場合)は更にコストが下がります。
    しかし、特定技能にも支援体制の整備の義務はあります。

    特定技能のデメリット

    (監理団体は)収入が減ること

    監理団体は技能実習3号にくらべて特定技能では収入が減ってしまいます。
    理由は前述のとおりです。

    (監理団体は)他の仲介会社に仕事を奪われてしまう可能性があること

    技能実習3号は基本的には技能実習1号、2号の継続案件として、同じ企業、同じ監理団体で実施されることがほとんどです。
    つまり技能実習3号に移行する場合は、監理団体は監理の仕事を維持できることになります。
    しかし、特定技能に移行する場合はそうではありません。

    特定技能の場合、外国人は就職先として他の企業を選ぶことができます。
    また受け入れ企業も他の登録支援機関を選ぶことができます。また企業は自前で特定技能外国人を受け入れる(登録支援機関を使わない)こともできます。
    ですから、技能実習2号から特定技能への移行は、監理団体にとっては仕事を失う可能性があるわけです。

    転職されてしまう可能性があること

    前述の通り、技能実習は原則として転職ができません。
    特定技能は原則として転職ができます。
    全く転職が自由自在というわけではありませんが、転職される可能性があるわけです。
    さまざまな苦労をし、手間をかけ、費用もかけた受け入れ企業にとって、従業員の転職はあまりにも耐え難いことであり、これを強烈なデメリットと捉える企業も少なくありません。

    技能実習3号と特定技能の比較表

    一般職種の比較表

    技能実習2号から上位資格へ移行する際の比較
    技能実習3号 特定技能
    在留期間 2年(資格変更の場合一時帰国の期間を除いて2年) 5年
    帰国期間 1ヶ月以上 帰国の規定なし
    脱退一時金
    (年金)
    2号修了して退職し3号で再入国する場合
    →帰国し3年分の申請 、3号修了後帰国し2年分の申請
    資格変更の場合は、3号修了して帰国後に5年分申請
    帰国したタイミングで申請。帰国前に転出すること。
    遡って申請できるのが5年前までなので還付手続きのタイミングに注意が必要。
    手続きにかかる時間 機構申請後約1~2ヶ月、入管申請後約1ヶ月 入管申請後約1~3ヶ月
    建設職種の場合、国土交通省の許可も必要な為、6か月前の申請が好ましい
    技能水準 無し 2号満了していれば免除
    日本語要件、水準 なし 2号満了していれば免除
    支援する団体 監理団体 登録支援機関
    人数枠 常勤職員人数による 建設職種の場合、常勤人数によって受入人数異なる
    家族帯同 不可 不可
    転籍・転職 原則不可
    ※実習実施者の倒産、やむ負えない場合や2号から3号への移行時は転籍可能
    同一の業務区分内、または試験によりその技能の水準の共通性が確認されている業務区分において転職可能。
    入国・帰国費用 実習実施者負担 入国費用のみ実習実施者負担
    宿舎 1名当たり4.5㎡。宿舎の用意、敷金礼金等は実習実施者負担 7.5㎡ 実習生から引き続き住む場合4.5㎡で可
    技能実習時の宿泊施設から引越したい場合、特定技能外国人に費用負担させてもいい
    給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与
    毎月かかる費用 監理団体監理費:30,000円/人/月
    ※3名受入の場合
    送り出し管理費:
    登録支援機関支援費:25,000円/人/月
    その他費用 実習生総合保険2年分 15,940円
    随時2級または上級試験受験料
    入管への手続き費用
    特定技能外国人総合保険 任意
    入管への手続き費用
    初期費用 50,000円/人
    出入国在留管理庁申請料他 100,000円/人
    建設職種の場合JACに支払う費用
    その他必要な手続等 3号修了時に随時2級・上級試験の受検 3時間以上の特定技能外国人への各種説明
    日誌の記入 入管に申請する書類の準備(公的機関発行書類含む)
    実施状況報告書の提出(年に1回) 各分野の協議会への加入(雇用後4ヶ月以内に)
      入管へ3ヶ月に1度提出する書類の作成(勤怠・賃金)
    変更事項は1ヶ月以内にOTITに届出 変更事項は2週間以内に入管に届出

    介護職種の比較表

    技能実習2号から上位資格へ移行する際の比較
      技能実習3号 特定技能1号
    在留期間 2年(資格変更の場合一時帰国の期間を除いて2年) 5年
    帰国期間 1ヶ月以上(コロナ禍で帰国できない場合を除く) 帰国の規定なし
    手続きにかかる時間 機構申請後約1~2ヶ月、入管申請後約1ヶ月 入管申請後約1~3ヶ月
    技能水準 随時3級の実技試験に合格する必要がある 技能実習2号を満了していれば免除
    日本語要件、水準 介護の場合N3合格 2号満了していれば免除
    支援する団体 監理団体 登録支援機関
    人数枠 常勤介護職員の総数に応じた人数 常勤介護職員の総数を超えない人数
    家族帯同 不可 不可
    転籍・転職 原則不可
    ※実習実施者の倒産、やむ負えない場合や2号から3号への移行時は転籍可能
    同一の業務区分内、または試験によりその技能の水準の共通性が確認されている業務区分において転職可能。
    入国・帰国費用 実習実施者負担 入国費用のみ実習実施者負担
    宿舎 1名当たり4.5㎡。宿舎の用意、敷金礼金等は実習実施者負担 7.5㎡ 実習生から引き続き住む場合4.5㎡で可
    技能実習時の宿泊施設から引越したい場合、特定技能外国人に費用負担させてもいい
    給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与
    その他必要な手続等 技能実習3号修了時に随時2級・上級試験の受検 3時間以上の特定技能外国人への各種説明
    日誌の記入 入管に申請する書類の準備(公的機関発行書類含む)
    実施状況報告書の提出(年に1回) 各分野の協議会への加入(雇用後4ヶ月以内に)
    3ヶ月に1度の監査 入管へ3ヶ月に1度提出する書類の作成(勤怠・賃金)
    変更事項は1ヶ月以内にOTITに届出 変更事項は2週間以内に入管に届出
    脱退一時金(年金) 技能実習2号を修了して退職し3号で再入国する場合
    →帰国し3年分の申請 、3号修了後帰国し2年分の申請
    資格変更の場合は、3号修了して帰国後に5年分申請
    帰国したタイミングで申請。帰国前に転出すること。
    遡って申請できるのが5年前までなので還付手続きのタイミングに注意が必要。
    毎月かかる費用 監理団体監理費:40,000円/人/月※3名受入の場合
    送り出し管理費:
    登録支援機関支援費:25,000円/人/月
    その他費用 実習生総合保険2年分 15,940円
    上級試験受験料
    入管への手続き費用
    特定技能外国人総合保険 任意
    入管への手続き費用
    初期費用 50,000円/人
    出入国在留管理庁申請料他 100,000円/人

    この記事のまとめ

    いかがでしたでしょうか?
    在留資格「特定技能」が創設され、企業と外国人の選択肢は格段に上がりました。
    しかし在留資格の制度はとても情報が多く、難解なものであり、技能実習3年終了後に特定技能で受け入れるべきか、技能実習3号にするべきかについては、ひとことで言い表せない複雑さがありますので、今回それぞれの特徴を徹底的に解説いたしました。
    監理団体の皆様も、受け入れ企業の皆様も、特定技能、技能実習3号それぞれのメリットとデメリットをよくご理解の上、状況に応じた適切な受け入れのご判断、ご相談いただければ、このコラムを精魂込めて書き上げた甲斐が、私にもございます。
    ご精読まことにありがとうございました!

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  • 2022.02.22特定技能「介護」|外国人を介護業界で採用するには?

    目次

    1. 介護業界の人手不足
    2. 慢性的な人手不足解消の対策
    3. 今までの介護分野での外国人の受け入れ方法と問題点
    4. 特定技能「介護」
    5. 特定技能介護外国人の受け入れ要件
      1. 特定技能介護が受け入れられる対象施設
      2. 雇用形態は直接雇用のみ
      3. 給料は日本人の同等以上
      4. 業務内容は身体介護と支援業務がメイン
      5. 受け入れ人数の上限と期間
    6. 特定技能「介護」の在留資格取得の要件
    7. 特定技能介護の外国人の受け入れの注意点
      1. 特定技能外国人への就労・生活支援が必要
      2. 特定技能介護の協議会の加入
    8. 特定技能1号外国人を雇用する場合の費用相場は?
    9. 介護業界で外国人を雇用するためのまとめ

    介護業界の人手不足

    世界でも最先端の超高齢化社会の日本を生きる私たちです。多くの人々が介護の問題に直面します。高齢のご両親が、最愛の配偶者が、やがて自分自身が…。立場や状況はそれぞれ違いますが、介護という厳しい現実と向き合わねばならぬ日が必ずやってきます。
    そんな中、介護業界ではサービスが続けられない事業所や、ベッドが空いているにもかかわらず長年の入居待ちを出してしまう施設が、珍しくありません。これは、すべて介護士の不足に起因するものです。
    2021年7月に厚生労働省が公表した介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人を追加で確保する必要があるとされました。2019年の厚生労働省老健局の報告によると、2018年の介護関係の有効求人倍率は3.95で、年々上昇し続けています。公共財団法人介護労働安定センターの調査によると、7割近くの介護施設が慢性的に介護士の不足を感じており、そのうち実に9割が「採用が困難である」と答えています。
    この人手不足の原因には、労働条件の悪さなどがあり、処遇を改善することも大切です。しかし、実はもっとも根本的な問題は、少子高齢化が進んでいることです。日本は介護だけではなく、様々な業種において、労働人口の減少という言う問題に直面しているのです。
    働き手である15歳から64歳までの生産年齢の人口は、1995年の8,717万人をピークに、2013年には7,883万人、2030年には6,773万人に減少すると予測されています。このような中で、介護業界は、他の業種と人材獲得競争を繰り広げねばならない厳しい状況です。

    慢性的な人手不足解消の対策

    日本人人材の確保がますます難しくなる今後の状況を考えると、現実的な対策として、外国人労働者の活用以外に解決の手立てはないのではないでしょうか。実際、急速なグローバル化に伴って、外国人を受け入れる動きは介護業界にも拡大しています。
    日本とインドネシア、フィリピン及びベトナムとの間で締結されたEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア人・フィリピン人・ベトナム人看護師・介護福祉士候補者の受入れが開始しました。インドネシアからの受入れは平成20年度、フィリピンからの受入れは平成21年度、ベトナムからの受入れは平成26年度からそれぞれ行っております。
    さらに平成29年から、技能実習に介護も加わると、一気に外国人人材を活用する施設が増えました。現在、外国人人材の受け入れを検討中の事業者も多いと耳にします。
    では、いったい受け入れ側は、事前にどのような準備が必要なのでしょうか。介護の場合は、製造業などと違い、人を相手にする仕事です。安全な介護技術はもちろん、様々な性格の方に対応できる柔軟さ、ホスピタリティ、人間力が問われる仕事です。それは、一朝一夕にできるものではなく、育成やチームワークを通して培っていくしかないとか思われます。それには、現在現場で活躍している日本人スタッフの深い理解と、協力が何より大切です。そのような体制作りができてから、外国人人材を迎えることが望まれます。
    介護業界は、海外に進出する企業のようにグローバルな視点にたち、人材育成と、国際交流に努めていかねばならないのではないでしょうか。

    今までの介護分野での外国人の受け入れ方法と問題点

    介護分野ではこれまでに「EPA」、在留資格「介護」、「技能実習」という3つの在留資格に基づいて外国の人材の受け入れを行ってきました。従来の制度の問題点を考えてみました。

    「EPA介護福祉士(候補者)」

    経済活動の連携協定であるEPAにより、インドネシア/フィリピン/ベトナム3カ国から介護職員を受け入れようという制度です。日本語能力はN3~N5でよいのですが、母国で介護や看護の学習経験・資格が必要です。

    【問題点】 受け入れ機関への要件が厳しく(常勤介護職員の4割以上が介護福祉士有資格者であること、適切な研修体制を確保すること等)、中小の介護事業者にとっては、ハードルが高いようです。

    在留資格「介護」

    在留資格「介護」は平成29年度に創設された比較的新しい制度で、介護福祉士の国家資格を持つ外国人が介護施設などとの契約に基づいて業務に従事する際にこの資格が与えられます。通例はまず「留学」の在留資格で入国して介護福祉士養成学校で2年以上学び、国家試験に合格したのちに「介護」の在留資格に切り替えて従事することになります。

    【問題点】 直接海外から留学で介護福祉士養成の専門学校に入る場合は、N2以上の日本語能力を取得していることが求められます。まずは日本語学校に留学し日本語を学んだ後、専門学校に通うというのが標準的なコースになると考えられます。その場合、学費だけでも3年間(日本語学校1年・専門学校2年)で、200万円以上かかり、経済的負担が大きすぎるので、現状では数が少ないです。

    技能実習「介護」

    日本で各種技能を学び、母国で役立ててもらうための制度です。入国時、日本語能力N4が必須で、1~2年ごとの介護関連の試験を受けてパスすれば最長で5年の雇用が認められます。協同組合や商工会などの監理団体を通じて、技能実習生を受け入れています。平成29年に技能実習に介護が追加されてから、この制度を使って、外国人人材を採用しよう考える事業者が大幅に増加しています。

    【問題点】技能実習制度そのものが、我が国の人手不足を補うためのものではなく、あくまでも研修であるというところに大きな矛盾があります。介護に関しては、今のところ目立った問題は起きていませんが、他の業種においては、職場放棄し失踪したケースや、窃盗などのニュースをにぎわすような実習生の犯罪が頻発しています。背景には、低賃金、長時間労働といった実習生を追い詰める問題があると推測されています。技能実習生制度そのものを見直す時期が来ているという識者の声も数多くあります。

    特定技能「介護」

    介護の仕事に関連する外国人雇用制度のなかで、最も新しいのがこの在留資格「特定技能1号」をもつ外国人の雇用です。2019年4月から始まりました。
    特定技能1号とは、日本語能力や介護に関するテストを受験し、必要な水準を満たしていることが確認されれば最大5年間の就労が可能です。
    雇用する際は、認定を受けた登録支援機関のフォローを受ける事もできます。 技能実習のように教育を目的としたものではありませんし、「EPA」や在留資格「介護」のように国家資格の取得・所持を要件としたり、就学・研修期間を設けたりはしていません。介護現場の人材不足を補うために即戦力となる人材を求める制度です。また、この制度は働く側にとっても、メリットが大きいです。労働契約で、日本人と同等、もしくはそれ以上の報酬額を設定、労働時間・有給休暇などについて適切な契約内容にしなければいけないとなっています。同じ業種であれば、転職も認められています。

    しかし、現状進捗が遅れているのも事実です。介護は5年間で6万人受け入れ予定ですが、初年度はわずか56人と大きく出遅れています。2020年末時点でも939人にとどまっており、目標と大きく乖離している現状です。実際、介護分野で働いている人はEPAからの切替えがほとんどです。コロナウイルス感染症の影響も大きく受けていますが、受け入れ側と求職者のマッチングがうまくいっていない部分が大きいです。

    これらの要素が解消された時、制度的には圧倒的に制限が少なく、さらに費用負担も少ない特定技能が介護業界では一気に広まっていくと思われます。

    特定技能介護外国人の受け入れ要件

    特定技能介護が受け入れられる対象施設

    特定技能介護は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、特定介護福祉施設、グループホーム、通所介護事業所(デイサービス)などの介護の業務を行う事業所での受け入れが可能です。但し、訪問系サービスでは特定技能外国人の受け入れはできません。

    雇用形態は直接雇用のみ

    特定技能介護として雇用できるのは直接雇用のみです。
    派遣社員や短期勤務、アルバイトとして雇用することはできません。
    また、フルタイムでの雇用が条件なのも注意が必要です。

    給料は日本人の同等以上

    特定技能介護の外国人への給料は、同じ業務に従事する日本人社員と同等以上を支払うことが条件です。

    業務内容は身体介護と支援業務がメイン

    特定技能介護が従事できるの大きく分けて、身体介護業務と支援業務がメインです。
    身体介護業務の主な業務は入浴、食事、排泄介助などで、支援業務の主な業務はレクリエーションや機能訓練補助などです。
    上記に付随する業務に従事することも可能ですが、付随する業務を主な業務と働かせることは禁止です。

    受け入れ人数の上限と期間

    特定技能の受け入れの人数は日本人等の常勤介護職員の人数以下という決まりがあります。
    この日本人等の常勤介護職員には、技能実習生、EPA、介護福祉候補者、留学生は含まれません。

    特定技能1号が働ける期間は最大5年間です。
    介護分野は特定技能2号は認められていないため、最大5年間になります。

    特定技能「介護」の在留資格取得の要件

    特定技能外国人が日本で就労するには4つの方法があります。それぞれの特長を紹介します。

    試験に合格する

    特定技能外国人が日本で就労するためには、試験に合格する方法があります。試験には「介護技能評価試験」と「日本語試験」、 そして「介護日本語評価試験」があり、これら3つの試験に合格すると特定技能1号の在留資格が取得できます。。日本語試験は、 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上のどちらかに合格する必要があります。
    試験の概要、試験問題や申し込み方法などの詳しい情報についてはこちらの記事【特定技能介護|試験合格が必要。勉強の方法は?】をご確認ください。

    介護分野の技能実習2号を修了する

    介護分野で技能実習2号を修了すれば、前述の試験なしで特定技能1号の在留資格が得られます。 技能実習2号の修了条件は技能実習を2年10か月以上修了し、所定の試験に合格するか現場管理者の評価が一定以上なされた場合に該当します。

    EPA介護福祉士候補者として在留期間満了(4年間)の方

    特定技能1号の在留資格はEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了した方も得られます。

    介護福祉士養成施設を修了する

    介護福祉士養成施設を修了した外国人も特定技能1号の在留資格を得られます。

    特定技能介護の外国人の受け入れの注意点

    特定技能外国人への就労・生活支援が必要

    特定技能の外国人を受け入れた場合、外国人が仕事面も生活面においても安定的にかつ円滑に行えるように10項目の支援が求められています。
    10項目の支援についてはいくつか人材派遣会社などがサポートしてくれることもあります。
    また特定技能外国人を受け入れる際は、出入国管理庁に支援項目に対して計画を記載して、提出し、実施することが求められます。
    1.特定技能外国人への事前ガイダンス
    2.出入国する際の送迎
    3.住居探し支援
    4.生活オリエンテーションの実施
    5.公的手続等への同行、各種行政手続きについての情報提供と支援
    6.日本語習得の支援
    7.相談・苦情に対する対応
    8.日本人との交流促進支援
    9.非自発的離職時の転職支援
    10.定期的な面談・行政機関への通報

    特定技能介護の協議会の加入

    初めて特定技能外国人を雇用する事業所は、受け入れ後4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」の加入が必要です。

    特定技能1号外国人を雇用する場合の費用相場は?

    特定技能外国人への給料は、日本人社員と同等以上を支払うことが条件としてあります。
    そのほか、在留資格申請費用や登録支援機関への支援委託料などを合わせると給料以外に年間で30万から50万円ぐらいかかります。

    介護業界で外国人を雇用するためのまとめ

    介護業界の人手不足は、もう待ったなしの状況まで来ています。少子高齢化は 改善するどころかますます加速しています。そんな中、一筋の光明が外国人人材の活用です。
    今までにあった「EPA」は、3か国のみからの受け入れであり、技能実習「介護」は、労働ビザではなく、あくまでも国際貢献のための教育というものでした。
    今般の「特定技能」の在留資格創設により、介護分野における相当程度な知識・技能を有する外国人労働者の受け入れができるようになりました。
    現在は、コロナウイルス感染症による入国制限や、広報の遅れ、求職者とのマッチングの問題等で、特定技能はまだあまり活用されていませんが、今後はこの制度の利用が一気に広まっていくものと考えられます。
    ただ、どのように整った制度ができても、それだけでは、問題は解決しません。受け入れる事業所の人材育成や、快適な労働環境を整えることが求められます。ひいては、介護業界 日本社会全体が、外国人人材にとって、働きやすく、住みやすい環境にならなければならないのではないかと思います。
    先進国の多くが 我が国のように少子高齢化の時代を迎え、介護人材の確保をアジアに目を向けていると聞きます。良い人材は、より好条件で住みやすい国に流れてしまうでしょう。日本が選ばれる国になるには、どうすればいいのか考える時代を迎えているのではないでしょうか。

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  • 2022.02.21外国人 介護福祉士|受入れのための制度と注意点

    2005年以降、日本は世界高齢化ランキングで1位をとり続けています。

    今後さらに少子高齢化に拍車がかかるなか、医療と並び不安視されている業界が介護業界です。特に介護事業者の皆さまにおいては、介護福祉士の確保に悩まれている方も多いのではないでしょうか?

    即戦力として、または将来の管理職候補として、国家資格取得者の採用は重要だといえます。そして国内人材が減少するなか、注目を集めているのが外国人人材です。
    また、外国人材の中でも介護福祉士であれば勤務年数に期限はなく、また勤務開始後すぐに配置基準への算入が可能です。

    本記事では外国人介護福祉士を受入れるための制度と注意点をご紹介します。
    人材不足にお困りの方、またすでに外国人介護福祉士の採用を検討している方にとって有意義な内容となっています。ぜひご一読ください。

    目次

    1. 外国人介護福祉士の受入れについて
    2. 在留資格「介護」の制度と注意点
      1. 在留資格「介護」とは?
      2. 在留資格「介護」の注意点
    3. 将来的に介護福祉士資格取得が見込める制度
      1. EPA制度
      2. 技能実習・特定技能制度
    4. 外国人の試験合格状況について
    5. まとめ

    1. 外国人介護福祉士の受入れについて

    人材不足に悩む事業者の皆さまにとって、外国人の介護福祉士を採用することは非常に効果的です。日本人以外に採用対象者を広げるため、採用できるチャンスが増えることはもちろんですが、その他に次の2つのメリットがあります。

    永続的に勤務が可能

    国家資格「介護福祉士」を取得していない外国人介護士は、国内滞在中に国家試験に合格できなければ、就労期間は10年が最長です。一方、国家資格を取得している外国人介護福祉士は労働可能な期間に限りがありません
    資格未取得の外国人介護士を採用したのち、試験不合格によって人員が減ってしまうとなれば一苦労です。資格をすでに取得している外国人介護士を採用することで、および今雇用している外国人介護士に国家資格「介護福祉士」を取得してもらうことで、こうした問題やリスクを回避できます。

    配置基準に即算入が可能

    介護技能実習生を採用する場合、6ヶ月間、人員配置基準に含めることができません。
    一方、国家資格「介護福祉士」を取得している場合、勤務開始直後から介護報酬上の配置基準に算入できます。
    例外として2019年4月から始まった特定技能制度では、資格未取得者でも採用直後から配置基準に算入が可能です。ただし特定技能制度の場合、勤務開始から6ヶ月間は他の日本人とチームで行動しケアが必要です。
    このため、コストなしで配置基準に即算入するためには、介護福祉士を採用する方法しかありません。

    すでに国家試験「介護福祉士」に合格している外国人を受入れるためには、在留資格「介護」をもつ外国人を採用する、または今雇用している外国人介護士に国家資格「介護福祉士」を取得してもらう必要があります。
    次からは、外国人介護福祉士を受入れるための制度について、注意点とあわせて具体的に紹介します。

    2. 在留資格「介護」の制度と注意点

    2-1. 在留資格「介護」とは?

    在留資格「介護」は2017年9月に施行された制度です。介護福祉士試験に合格することが前提となっており、外国人介護人材の在留資格において、最もハードルが高いものになっています。そのため、在留資格の更新回数に制限がないほか、外国人の家族も帯同が可能になるメリットがあります。

    在留資格「介護」を取得するための方法は、「養成施設ルート」と「実務経験ルート」の2通りがあります。

    養成施設ルート

    「養成施設ルート」とは、外国人留学生が日本の介護福祉士養成校を卒業し、国家試験に合格することで、在留資格「留学」から在留資格「介護」に移行する方法です。具体的な流れは次の通りです。

    • 外国人留学生として入国
    • 介護福祉士養成校にて修学(2年以上)
    • 介護福祉士試験に合格※ただし経過措置として2026年度卒業までは、試験不合格の場合でも5年間実務に従事することで介護福祉士の資格取得が可能です。
    • 介護事業所に就職

    在留資格「介護」のポイントは、介護福祉士資格を有する以外にも、高い日本語能力が見込める点にあります。一般的な養成校の入学要件は、日本語能力試験N2以上の合格であるためです。

    資格を保有するだけでなく高い日本語能力も兼ねているため、まさに即戦力となり得るでしょう。

    実務経験ルート

    「実務経験ルート」では、従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日時540日以上の実務経験と、実務者研修の修了が必須とされています。

    具体的には、3-2. 技能実習・特定技能制度で説明いたします。

    2-2. 在留資格「介護」の注意点

    一方で、在留資格「介護」制度を活用した外国人介護福祉士の受入れについて、注意すべき点もあります。

    在留資格「介護」の制度においては、外国人留学生と事業者の皆さまをつなぐ受入れ調整機関が存在しません。このため、採用活動を事業者自ら行うことが必要です。

    外国人留学生の採用活動といっても、何から手をつけるべきか迷われると思います。
    まずは外国人採用を積極的に検討していることを周辺の養成校に連絡することから始めましょう。

    同時に、外国人を積極採用していることが伝わる求人募集広告を出すこともおすすめです。留学生のなかには事業所へ直接応募する方もいるため、求人広告を見て留学生から連絡をしてくる可能性もあります。

    介護福祉士養成校に入学する外国人留学生は年々増加しており、令和2年度には2,395人となっています。また、国も奨学金制度を整備するなど受入れ推進を図っています。
    これを機会に、ぜひ在留資格「介護」取得者の受入れを検討してみてください。

    3. 将来的に介護福祉士資格取得が見込める制度

    ここまで外国人介護福祉士を受入れるための制度と注意点について紹介してきました。しかし介護福祉士の人数も限られており、資格保有者を採用することは簡単ではありません。かけたコストが無駄になってしまうことも考えられます。

    そのため次からは、国家資格を将来的に取得する可能性がある外国人の受入れについて解説していきます。どの制度も即座に介護福祉士になれるものではありませんが、国の制度であるため即戦力としての技能をもった方の採用につながります。
    ぜひ参考ください。

    3-1. EPA制度

    EPAとは「経済連携協定」の略で、国家間経済活動の連携を強化する目的があります。
    このため、一定以上の技能をもつ外国人が日本語研修を受けて入国します。対象となる外国人は母国にて看護系の学校をすでに卒業している、または母国政府によって介護士認定されている方です。
    入国から4年目に介護福祉士試験を受験し、合格すれば就労期間の制限がなくなります。
    不合格の際は帰国しなくてはなりませんが、本制度における外国人は介護福祉士資格の取得を目的として来日しています。
    そのため、試験合格の可能性は高いと考えられます。

    EPAの注意点として、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国からの受入れのみという点があります。毎年の受入れ上限が各国300名ずつと限られており、全ての事業者が採用できるとは限らない点に留意してください。

    また、勤務開始から6ヶ月間は配置基準に含むことができない点も注意が必要です(日本語能力試験N2取得者は除きます)。

    採用にあたっては、公益社団法人国際厚生事業団が唯一の受入れ調整機関として機能しています。在留資格「介護」と異なり、外国人と事業者のマッチングについて支援を相談できます。

    試験について

    筆記試験と実技試験があります。
    筆記試験に関しては、日本語のハンディを考慮して、試験時間が1.5倍に延長されます。また、漢字にはふりがなが付記されています。
    実技試験は、「実務者研修」や「介護技術講習会」を受講することによって免除できます。とは言え、時間やお金の面だけでなく、研修が受けられる施設までの移動が難しかったりしますので、受講するのはごく一部で、実技試験を受ける方が多いようです。

    3-2. 技能実習・特定技能制度

    次に紹介する制度は技能実習制度と特定技能制度です。どちらも介護福祉士資格を未取得の状態で国内勤務ができる制度です。特定技能「介護」外国人は、日本滞在中に介護福祉士試験に合格しない場合、最長5年間の就労となります。介護技能実習生は、日本滞在中に介護福祉士試験に合格しない場合、通常3年、最長で5年の実習ですが、3年経過後に特定技能に資格変更が可能で、追加して5年の就労が可能です。

    技能実習制度であれば、入国から3年後と5年後に実務者研修の修了後であれば介護福祉士試験の受験資格が得られます。合格した場合、在留資格「介護」を取得でき、永続的に勤務が可能となります。

    特定技能制度も同様に、国内での就労が3年以上であれば実務者研修の修了後に国家試験の受験資格が得られます。合格した場合、同じく在留資格「介護」に移行することが可能です。

    これらのように、国内での実務経験を経たうえで在留資格「介護」を取得する方法が、在留資格「介護」取得の2つ目の方法である「実務経験ルート」です。

    事業者の皆さまにもし時間的余裕があれば、将来的に介護福祉士を目指す人材として、技能実習生や特定技能外国人の受入れから始めることがおすすめです。

    特に特定技能制度は2019年に開始された最新の制度であり、事業者の皆さまと特定技能外国人の支援制度が整っています。外国人受入れ時から就労中の生活まで支援できる、登録支援機関が国内に多数存在しているためです。

    試験について

    筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。
    EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。
    希望すれば、漢字に、ふりがなが付記されている問題用紙が配布されます。

    4.外国人の試験合格状況について

    最新(令和2年度)の情報によると、EPA介護福祉士候補者の受験者数は対前年度比195人増の953人でした。
    合格者数は440人です。合格率は46.2%となっています。
    日本人も含めた全体の合格率は71.0%です。

    今回の結果で、注目すべきがベトナム人の合格率の高さです。164人の合格者を出していて、合格率は92.1%となっています。インドネシアは146人で、36.5%、フィリピンは130人で34.7%でした。
    なぜ、介護に関するEPA制度の歴史が一番浅い、ベトナムが高い合格率を誇ったのか、その点に注目すれば試験に合格するヒントがあるのではないかと思い探ってみました。

    ベトナムは、訪日前の日本語研修が12か月と、他の2国の2倍です。また、日本語能力試験N3取得が要件となっており、他の2国のN5とは全く違います。
    N3は日常会話がある程度理解でき、漢字も600字前後わかる必要があります。
    N5は、できるだけわかりやすい日本語を使えば、ある程度理解できるレベルで、一般の人の話を聞き取ったりするのは難しいです。漢字は100字程度です。

    介護福祉士試験は、筆記試験と技能試験ですが、技能試験に関しては、EPAで受験する場合だけです。3年間に身に着いたスキルで十分対応可能だと思います。
    問題は、筆記試験です。筆記は、漢字、語彙力、読解力がものを言います。
    漢字は読み方も大切ですが、意味がわかることが試験の際は重要なのです。ですから、ふりがなが付記されているからと言って、一般の日本人もわからないような専門用語を除いて、特段有利になるとは思えません。
    職場で、毎日の聞き取りや会話を通して、日本語はだんだん上達するでしょう。

    しかし、漢字や語彙、読解力は、トレーニングでしか身に付きません。
    今、非漢字圏の学生のための英語やベトナム語、インドネシア語等の訳がついた漢字や語彙のテキストがあります。練習帳もセットになっていて、無理なく自習できます。
    時折、職員が誤った書き方をしていないかチェックしてあげれば、より正しく学習できます。
    問題を読み取らなければならない筆記試験には、漢字力をつけさせスムーズに文章を読めるようになることが大切です。
    その上で、参考書や過去問集を使い、知識を蓄え、問題を解く力を向上させるのです。

    介護福祉士試験は、他の国家士試験と比べると、実務経験者に有利に作られていると言われています。安全で、信頼関係を築けるような介護をするための基本的な知識を問う問題がほとんどです。漢字力が身に付き、読むことがスムーズになれば、決して難解な試験ではありません。

    5. まとめ

    本記事では外国人介護福祉士の受入れ制度について、基本事項と注意点をご紹介しました。ポイントは次のとおりです。

    • 外国人介護福祉士の受入れについては、調整機関が存在しないため事業者自ら採用活動を行うことが必要。
    • 外国人介護福祉士を受入れるためには、まず周辺の介護福祉士養成校に問い合わせすることから始める。
    • 数年間就労したのちに介護福祉士になる人材の受入れであれば、「EPA」「技能実習」「特定技能」といった制度の活用がおすすめ。

    介護福祉士の採用が急ぎ必要であれば、在留資格「介護」を取得している外国人留学生の採用に的を絞りましょう。逆に時間に余裕があるのであれば、他の「EPA」「技能実習」「特定技能」についても検討してみてはいかがでしょうか。

    皆さまの事業発展に少しでも寄与できれば幸いです。
    最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

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  • 2022.02.21外国人介護職|採用のコツと成功事例は?

    目次

    1. 成功事例、失敗事例
      1. 一番多い技能実習生
      2. EPAの例
      3. 外国人介護職受入れの目的の明確化が必要
    2. 外国人介護職受入れが可能な4つの在留資格
      1. EPA(経済連携協定)に 基づく外国人介護福祉士候補者
      2. 在留資格「介護」
      3. 技能実習
      4. 特定技能1号「介護」
    3. 採用のコツ
      1. 自社の採用の目的をよく検討する
      2. 自社のキャパシティーの検討
      3. 受入れ調整機関の決定
      4. 就労希望者との面接
    4. まとめ

    成功事例、失敗事例

    外国人介護職の受け入れには、4つの方法がありますが、EPA外国人介護福祉士候補者以外は、まだ制度が始まったばかりです。新型コロナウイルスの影響で入国が遅れている外国人介護士も多く、5年10年と就労し、施設のかなめとなって働いてくれている人材は、まだこれからです。

    一番多い技能実習生

    外国人介護士の人数で最も多いのは技能実習生です。外国人介護士受入れが可能な4つの在留資格のうち、技能実習は一番ハードルが低く現実的なシステムです。
    他の在留資格と比べてハードルが低い理由は、以下の通りです。

    ・介護施設の費用負担が少ない
    ・日本語要件が日本語能力試験(JLPT)N4でよい
    ・日本語能力試験(JLPT)以外の試験合格要件がない
    ・送り出し国が限られていない

    結果として2020年3月時点で8,967人の介護技能実習生が日本に在留しています。技能実習生を採用した多くの介護事業者が順調に運用しており、ほとんどが成功事例と言えます。

    EPAの例

    EPAで来日し介護福祉士を取得、あるいは特定介護に切り替えて、継続して就労している人たち、こういった人たちはまさしく成功事例でしょう。
    しかし、EPA人材の中には介護福祉士を取得しても帰国する人もいます。なぜでしょうか。実は、職場への不満のためといった受け入れ側との関係の問題ではなく、自国でいい仕事につける目途が立ったということが多いのです。
    例えば、インドネシアでは看護大学を卒業し、日本語もできるようになった彼らは、まさしくエリートです。帰国後、通訳や外国人を対象にした病院で働くこともできます。このように国や地域によりますが、近年経済発展を遂げ、女性の活躍の場が広がったところでは、帰国の道を選ぶという選択も出てきています。 こういったケースは、はたして失敗事例でしょうか。もちろん、彼らの養成や職場での定着に税金も投入されたことや、事業所の教育に費やした時間や努力も鑑みれば、せっかく介護福祉士のレベルまで育てた上での帰国には、問題がないとは言えません。しかし、4年間職場に貢献し、日本側での育成によりキャリアアップして、母国へ帰ったのです。一口に失敗事例とは言えないのではないでしょうか。

    外国人介護職受入れの目的の明確化が必要

    まずは、自社の外国人材を受け入れる目的を認識する必要があります。ただ単に、人手不足を解消したいというだけでは、採用の時どんな制度を選べばいいか、どんな育成をしていけばいいかも、場当たり的であいまいになってしまいます。
    一定期間一生懸命働いてくれたらいいのか、いずれは介護福祉士を取得して施設の中核をなす人材になってほしいのか、事前に事業所の現状と将来を見据えて考えておくことが大切です。
    事業所によっては、毎年新しい実習生が入ってくるシステムを構築し、最長3年で帰国しても、成功していると言える場合もあります。また、3年就労の後、介護福祉士取得まで育成した介護士が、より条件の良い職場に転職されたら、失敗と言わざるを得ない場合もあると思います。

    外国人介護職受入れが可能な4つの在留資格

    外国人介護職員の受入れには、下記の4つの方法があります。

    EPA(経済連携協定)に 基づく外国人介護福祉士候補者

    フィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国より、看護系学校の 卒業生または母国政府より介護士に認定されている者を受け入れています。介護福祉士取得後は、永続的な就労が可能です。取得できなかった場合も、一定の条件で「特定技能」に移行可能です。

    在留資格「介護」

    介護士を養成する専門学校を出るか、今後は技能実習や特定技能から移行した者になります。介護福祉士を持っています。永続的な就労が可能です。また、法人、事業所への要件は特にありません。

    技能実習

    技能実習生は送出国で同種の業務経験があるか、訓練を受けています。 実務要件等を満たせば、介護福祉士国家 試験受験可能です。技能実習での在留期間は最長5年ですが、 介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更し、永続的な就労可能です。 3年目まで修了すれ ば「特定技能」に必要な試験を免除されます。特定技能へ移行することにより、さらに5年就労できます。

    【現状】

    介護職種の技能実習計画の申請件 数は、令和 2 年 1 月末現在で 10,225 件と なっています。そのうち 8,652 件の認定が 出ておりますが、新型コロナウイルスの影響を受け、 来日が遅れています。

    特定技能1号「介護」

    介護技能評価試験・ 介護日本語評価試験(国内外で実施)に合格しなければなりません。また、国際交流基金日本語 基礎テストの合格、 またはJLPT(日本語能力試験) N4 以上の取得も求められます。特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更し、永続的な就労可能です。

    【現状】

    特定技能制度は平成 31 年 4 月から施行されました。令和 2 年 2 月末までに介護技能評価試験、 介護日本語評価試験の合格者数は、それぞれ 2,382 人、2,411 人となっており、 今後、特定技能 1 号の本格的な受入れが始まる見込みです。
    ※このほか、日本人配偶者などの「永住者」の在留資格をもつ外国人を受け入れる方法もあります。

    採用のコツ

    採用への道程を考えてみましょう。

    自社の採用の目的をよく検討する

    何のために、採用するのかということです。将来の人出不足を予想して、今から徐々に入れていきたいのか、現在すでに業務が回らないような状態で、できるだけ多くの即戦力がほしいのか、体力のある男性職員を増やしたいという場合もあるでしょう。また、一定期間の就労か、永続的な就労者を求めたいのかも考えなければなりません。

    自社のキャパシティーの検討

    自社が採用に必要な条件を満たしているか、入国後の法令で決まっている研修等に対応ができるのか検討する必要があります。情報収集や相談は、下記の窓口でできます。

    制度 相談内容 相談先 電話番号
    EPA EPAに基づく外国人介護福祉士候補者に関するあらゆる相談 JICWELS(公益社団法人 国際厚生事業団)受入支援部 03-6206-1138
    在留資格「介 護」 介護福祉士を目指す留学生に関するあらゆる相談 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会介護福祉士を目指す留学生ための相談支援センター 0120-07-8505
    技能実習 技能実習生の雇用 OTIT(外国人技能実習機構) コールセンター 03-3453-8000
    技能実習 技能実習生の雇用 JITCO(公益財団法人 国際人材 協力機構)実習支援部相談課 03-4306-1160
    特定技能 介護分野における特定技 能外国人を初め外国人介 護人材に関するあらゆる 相談 JICWELS(公益社団法人 国際厚生事業団) 外国人介護人材支援部 0120-118-370 (フリーダイヤル)

    受入れ調整機関の決定

    技能実習生を受け入れるには、監理団体によるサポートが必要になります。監理団体は玉石混淆であり、信頼できる監理団体を見つけることがとても重要です。
    まず、介護技能実習生を受け入れることができる監理団体かどうか確認が必要です。可能なら、優良な監理団体の基準に適合している一般監理事業の監理団体を選ぶことをお勧めします。また、監理団体の代表者から介護分野に参入した理由や経緯を聞き、介護への考え方など納得した上で選びましょう。 尚、基準に適合しているかどうかは、外国人技能実習機構のホームページで確認できます。

    特定技能で外国人に就労してもらうには、原則として登録支援機関による支援サポートが必要になります。登録支援機関を選ぶ際にも、代表者から介護分野に参入した理由や経緯を聞き、介護への考え方など納得した上で選びましょう。また登録支援機関によって支援内容が異なりますので、その点の確認も重要になってきます。

    就労希望者との面接

    受入れ調整機関が決まると、いよいよ就労希望者との面接があります。以前は、熱心な事業所は現地に行き、送り出し機関がどんな方針で、どのような訓練をしているかも面接と合わせて見学していました。しかし、新型コロナウイルスの蔓延により、今後しばらくはオンラインでの面接にならざるを得ないでしょう。
    どうして、介護の分野で働きたいのか、また自社を選んだ理由と、今までの経験やスキルをきくこと、こちらへの質問には誠実にこたえること、日本人に面接する際と何ら変わりはありませんが、彼らのモチベーションの高さや、外国で生活していく精神的タフさを見抜くには、定番の質問です。 肝心なことは、必ず相手国の言葉で聞き、回答してもらってください。なぜなら。彼らに、自分の覚悟や希望を伝えるだけの日本語力はまだありません。日本語力を知りたいのなら、趣味や家族に関する質問などソフトな質問に限定したほうがいいです。
    また、通訳は受け入れ企業側で用意することが理想です。なぜなら送り出し側が通訳を提供した場合、面接に合格させるために本人が話していることと違う通訳をされる場合が少なくないからです。しかし自社で通訳の手配が難しい場合は信頼できる送り出し機関を選ぶことが重要です。
    実際は短い時間の面接で判断するのは難しく、もうすでに訓練を積んでいることも考慮し、紹介された者全員合格ということになりがちですが、明るさ、まじめさ、精神的なタフさをしっかり見るべきだと思います。

    ★まとめ

    働くとは、どういうことでしょうか。
    お金を稼ぐために、我慢することでしょうか。それは決して間違いではありません。ですが、そう考えている事業者は外国人介護職員を採用してもうまくいくことはないでしょう。
    彼らは自国にいい仕事がなく、日本円での収入が大きな魅力だというだけで、介護の道を選んだのではありません。理由を調べてみると、もともと医療や介護の分野に興味があった人達が多いです。また、祖父母や両親の介護を考えたり、自分の国の将来の介護需要を見越したりして、日本で経験を積みたいと考えた人達もいます。いずれも、日本は介護における先進国だと考えて来日してきます。
    単なる一定期間の研修で終わらせるのではなく、介護の技術や能力を高めたい、介護業界全体のシステムを学びたいなど、本人の希望を聞き入れ、事例検討会や発表会などを通して、職場にいる限り向上していけるような体制が望まれます。
    また、具体的な成功事例を見ると、就労条件の良さと安心感が自分の職場にはあるから、今後も働きたいという言葉をよく耳にします。安心感というのは、外国人職員がすでに何人か働いていることが大きいようです。就労条件のよさは、給料、休日の取りやすさ、労働時間のことです。非常に厳しい現状があると思いますが、この点を改善しないと永続的な雇用を考えている場合の成功事例は生まれにくいでしょう。
    それから、利用者さんや他の職員とのコミュニケーションの問題です。これには日本語能力向上や認知症の理解を深めるなどの育成支援だけでなく、相談できる体制を整えることが大切です。職員の話をよく聞いて、どうしたらいいのか一緒に考える姿勢こそが信頼関係を築き、この職場でずっとやっていこうとういう成功事例につながる道なのではないかと思われます。

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  • 2022.02.18特定技能介護|特定技能評価試験合格が必須。勉強方法は?

    人手不足に悩む介護事業者の皆さまにおいては、介護特定技能制度の活用を検討されている方も多いことと思われます。 しかし制度を利用するためには、外国人本人が各種試験を合格することが必要です。試験と聞くと、ハードルが高いのではと不安になるかもしれません。 本記事では試験の概要から勉強方法までわかりやすくご説明します。外国人の方々が実際に何を使って勉強し、どのような問題を解くのか。また、よい勉強方法はあるのか。 事前にお知りになることで、特定技能外国人を採用する際の相互理解にもつながります。

    ご覧いただいた後は試験に対して明確なイメージがつかめる内容になっていますので、ぜひご一読ください。

    目次

    1. 介護特定技能外国人に必要な試験とは?
    2. どんな問題が出るのか?試験概要について
      1. 介護技能評価試験
      2. 介護日本語評価試験
    3. 合格するためには?使用するテキストと勉強方法
      1. 試験対応の無料テキスト
      2. 外国人向け学習サイト
    4. 実際の合格率はどのくらいか?
    5.         
    6. 試験はいつ、どこで実施されているのか?
    7. まとめ

    1. 特定技能介護外国人に必要な試験とは?

    そもそも外国人が特定技能制度の求人対象として登録されるためには、外国人本人が試験に合格する必要があります。 留学生など、既に日本国内に在留している場合は日本で受験ができます。しかし在留資格を有していない多くの場合、母国での受験となります。 特定技能1号外国人に認定されるために合格が必要となる試験は以下の通りです。

    ・技能試験 介護技能評価試験

    ・日本語試験 (1)介護日本語評価試験 (2)「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験N4以上」のどちらかひとつ

    以上、あわせて3種類の試験での合格が求められています。

    出入国在留管理庁作成の試験方針によれば、特定技能制度における技能水準は「特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる」こととされています。

    特定技能外国人は、技能実習3年修了と同等の技能と認められ即戦力として働くことになります。そのため、上記の試験合格で技能があることを証明しなくてはなりません。

    また気をつけていただきたい点として、日本語試験は2種類合格しなければなりません。日本語能力に求められる水準は「ある程度日常会話ができ、 生活に支障がない程度の能力」および「介護現場で働く上で必要な能力」であり、それぞれの能力を確認するための試験です。

    なお、「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験N4以上」に関しては各試験案内サイトにてサポートが整っているので、 本記事では介護技能評価試験と介護日本語評価試験に絞って紹介していきます。

    次項からは、2つの試験の内容や出題形式について詳細を説明していきます。

    2. どんな問題が出るのか?試験概要について

    まず、合格が必要な試験についての概要は次の通りです。

    2-1 介護技能評価試験

      
    試験言語 試験実施国の現地語になります
    実施時期 原則毎月実施
    受験資格 17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)
    受験料 1,000円程度
    試験水準 介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できる
    試験時間 60分
    問題数 全45問 学科試験40問
    ・介護の基本(10問)
    ・こころとからだのしくみ(6問)
    ・コミュニケーション技術(4問)
    ・生活支援技術(20問)
    実技試験5問 
    ・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題
    合格基準 総得点の60%以上

    概要だけ読むと難しく感じるかもしれません。以下は特定技能介護技能評価試験の試験問題として実際に公表されている例題になるので、試験の雰囲気や試験内容が伝わることと思います。

    例題:左片麻痺がある人の上衣の着脱介助に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

    1 ボタンのある服は避ける 2 着るときは、左腕を先にとおす 3 脱ぐときは、左腕から先に脱ぐ 4 全介助する

    正答:2 ※実際は現地言語にて出題されます。

    2-2 介護日本語評価試験

      
    実施時期 原則毎月実施
    受験資格 17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上)
    受験料 1,000円程度
    試験水準 介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準
    試験時間 30分
    問題数 全15問
    ・介護のことば(5問)
    ・介護の会話・声かけ(5問)
    ・介護の文書(5問)
    合格基準 総得点の60%以上

    介護日本語評価試験には次のような問題が出題されます。

    例題:介護のことば Which word has the same meaning as _____? Choose the best answer from 1 to 4. ___ の ことばと だいたい おなじ いみのものは どれですか。 いちばん いいものを 1・2・3・4から ひとつ えらんで ください。

    タンさん、この箱(はこ)を更衣室(こういしつ)に持(も)って行(い)ってください。

    1 着替(きが)えをするところ 2 会議(かいぎ)をするところ 3 食事(しょくじ)をするところ 4 運動(うんどう)をするところ

    正答(せいとう):1

    いかがでしょうか。 試験勉強についてはもちろん行う必要がありますが、きちんと勉強すれば独学で対応できるレベルになっています。 次項では実際に試験勉強で使用するテキストと試験対策方法、勉強方法についてご紹介します。

    3. 合格するためには?使用するテキストと勉強方法

    3-1 試験対応の無料テキスト

    厚生労働省のWebサイト上には、介護技能評価試験・介護日本語評価試験に対応する学習用テキストが無料で公開されています。 現在用意されているテキストは以下の通りです。

    ・「介護の特定技能評価試験学習用テキスト」 ・「外国人のための介護福祉専門用語集」 ・「外国人のための介護福祉士国家試験一問一答」 掲載URL:厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて

    非常によくできているので、ぜひ一度目を通していただきたいです。 レイアウトがみやすいことはもちろん、イラストが多用されており初学者にもわかりやすくできています。 それぞれ英語・クメール語・インドネシア語・ネパール語・モンゴル語・ビルマ語・ベトナム語・中国語・タイ語版が公開されています。

    テキストを繰り返し読む・解くことで、独学でも十分に合格することが可能だと思われます。

    2-2 外国人向け学習サイト

    また、日本の介護を学ぶ外国人向け学習サイトを利用することも効果的です。 公益社団法人日本介護福祉士会が提供する学習プラットフォーム「にほんごをまなぼう」 では、 気軽に日本語および日本の介護を勉強することができます。

    先述のテキスト巻末にあるQRコードからもログインが可能です。

    メールアドレスがあればどなたでも、無料で利用できます。日本語学習のための小テストやドリルを受けられるほか、 介護について学ぶためのWebコンテンツも用意されています。

    いきなりテキストを読むことより手を出しやすく、また忙しい中でも効率よく勉強できます。外国人の方が来日された後も、 スキルアップに活用できると思います。

    4. 実際の合格率はどのくらいか?

    さて、出題される問題や勉強方法はご理解いただけたと思いますが、試験自体の合格率が気になるところです。合格基準は総得点の60%以上とされていますが、具体的にどれだけの方が合格しているのでしょうか。

    各回の試験結果についても厚生労働省が公表しています。 例えば、2021年5月にフィリピンで行われた試験の結果をみてみると次の通りです。

    2021年5月実施(フィリピン)

      
    介護技能評価試験 合格率66.1% (245人中162人合格)
    介護日本語評価試験 合格率70.3% (195人中137人合格)

    他の実施国、開催月をみても両試験の合格率はおおむね60〜80%台を推移しているようです。 また、多くの回において、日本語評価試験と比較し技能評価試験の合格率が低くなっています。 もし受験される方にアドバイスを送るとすれば、特に技能評価試験に注力するようお伝えできればよいでしょう。

    5.試験はいつ、どこで実施されているのか?

    国外試験

    現在はカンボジア、インドネシア、モンゴル、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタンで介護技能評価試験と介護日本語評価試験は実施されています。
    過去にはミャンマーでも実施されました。
    詳しいスケジュールはこちらをご確認ください。

    国内試験

    47都道府県で介護技能評価試験と介護日本語評価試験は実施されています。
    試験会場と試験日程はこちらから検索いただけます。

    試験結果は試験後1か月以内に予約サイトのマイページから結果が確認できます。

    6. まとめ

    本記事では介護特定技能制度を利用するにあたり、外国人の方々が合格しなければならない試験について説明しました。 試験合格へ向けたポイントは次のとおりです。

    ・対象となる試験は技能試験1種類+日本語試験2種類の計3種類 ・試験合格の水準は「直ちに日本語で一定の業務を遂行できる」 ・無料テキストと学習サイトで効率よく勉強が可能 ・介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格率は60〜80%程度

    合格率70%前後の資格といえば、ちょうど近年の介護福祉士国家試験と同程度です。来日された後、国家資格をとることを目標とされる外国人の方も多いと思われます。 本記事で紹介した試験を通過することができれば、国家資格取得への足がかりにもなるはずです。

    また、介護事業者の皆さまにとっては試験合格からが大変になるといえます。採用した後、きちんとした支援体制を整備することが求められるため、ぜひ受入れの準備も進めておきましょう。

    事業者の皆さまと外国人の方々、双方にとってよい結果となることを願っております。 最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

    出典
    厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて
    法務省・厚生労働省 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領
    厚生労働省 【介護分野】技能試験及び日本語試験(概要)
    厚生労働省 介護技能評価試験サンプル問題
    厚生労働省 介護日本語評価試験サンプル問題
    (公社)日本介護福祉士会 にほんごをまなぼう

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  • 2022.02.18技能実習生は奴隷なのか?|技能実習制度の現状は?

    技能実習生の受け入れは、日本が国際貢献活動の一環として行っているものであり、本来は発展途上国の方々に日本の技術をお伝えし、母国の経済発展に役に立てていただくことを目的に行っているものです。しかしながら、すべての技能実習生が適切な実習を受けられているわけではないのが現状です。本記事では、厚生労働省の資料をもとにその実態について詳しく解説します。

    この記事を読んでわかること

    -技能実習生の現状。
    -失踪などのリスクの少ない技能実習生はどうやって受け入れたらいいか。
    -実習実施者として何に気をつけたらよいのか。

    目次

    1. 技能実習生の実態
    2. 厳しい実態を生む温床は何か
    3. 企業が技能実習生にできること
    4. まとめ

    1.技能実習生の実態

    厚生労働省の資料によると、令和元年10月末時点での技能実習で日本に滞在する外国人の数は約38.4万人で、ベトナム・フィリピン・インドネシアなどの東南アジアからの来日が主です。(ベトナムが約19.3万人、フィリピンが3.5 万人、インドネシアが3.2万人)
    しかし、毎年約2%の方が実習実施者(技能実習生の受け入れ企業)から失踪しているのが現状です。主に賃金等の不払いなどによる実習実施者側の不正な取り扱いと、日本に来るまでに支払った費用の回収などによる実習生側の経済的な事情が失踪の原因となっています。
    実例としては、労働基準監督署に出入国管理機関から技能実習生の労働関係書類の記入不備が起こっていると通報があり、調べたところ、次の実態が認められた例があります。

    ・実際に労働者時間に対する賃金ではなく、月平均所定労働時間分の賃金を支払っていた。

    ・時間外労働協定の締結なしに時間外労働を行わせており、最長で1ヵ月74時間58分の時間外労働をさせていた。

    ・週40時間を超える労働時間に対して割増賃金を支払っていなかった。

    実習実施者が技能実習生へ日本の技術を伝える目的を忘れ、誤って安い賃金で働いてくれる労働者と認識して取り扱っているとしか思えないものであり、奴隷として取り扱っているに等しいものです。技能実習制度が奴隷制度と言われる原因でもあります。
    技能実習生側の理由としては、日本に来るまでに悪質な送り出し機関に対して多額支払いを要求され、重い借金を背負わされて来日している場合があり、とくにベトナム人実習生において社会問題化しています。
    送り出し機関の甘い言葉に乗せられて多額の借金をして来日したが、聞いていた日本での収入と実際の収入には大きな差があり、とても借金が返せない。
    そんなところにブローカーからの甘い誘惑があると、高収入だと騙されて実習先から失踪し、結果的に犯罪組織に入り違法なことに手を染めてしまう。
    そのような例が相次いでいます。

    (参照)
    厚生労働省資料「外国人技能実習制度の現状、課題等について」

    2.厳しい実態を生む温床は何か

    技能実習生が不適切な扱いを受ける温床は主に3つです。

    ① 実習実施者が技能実習生を労働者と誤認しているケース

    ② 技能実習の送り出しで不正な利益を得ようとする悪質な送り出し機関が介在したケース

    ③ 日本語が理解できず、ストレスから逃げ出すケース


    ① 実習実施者が技能実習生を労働者と誤認しているケース

    技能実習生は基本的に最初に技実習を受けた先で3年間働く方が多いです。実習を受ける先を変更することは、特別な場合を除きできませんので、ほぼ必ず3年間は働くのが実態です。(1年で帰国される方もいらっしゃいますが、稀です。)
    このため、一部の実習実施者が都合の良い労働者として悪用しようとし、劣悪な環境で受け入れて実習を行ってしまっています

    ② 悪質な送り出し機関が介在したケース

    技能実習生によっては、多額の借金を支払って日本にきた方もいらっしゃいます。これは、送り出し機関もしくは、送り出し機関が利用したブローカーに多額の金額を支払っているケースです。主には各国における低所得者層に対し、ブローカーが「日本で働けば円が得られ、現地通貨に変換すれば多額の金額を稼ぐことができる。」「手続きに約100万円かかるが、日本に行けばすぐ支払うことができる。」などと甘い言葉をかけ、希望者を募っていることが多いです。
    特にベトナムでは営利を目的とする送り出し機関が乱立しており、普通の一般人もブローカーとして稼ぐ方も多い一大ビジネスとなっています。
    ベトナムの送り出し機関は、本来は3,600米ドルしか本人から徴収してはならないのに、実際は安くても70万円、高いところでは150万円も本人に支払わせています。
    このような多額のお金を用意できる人は少ないので、結局高利貸しに多額の借金をして来日することになります。
    送り出し機関の甘い言葉に乗せられて多額の借金をして来日したが、聞いていた日本での収入と実際の収入には大きな差があり、とても借金が返せない
    そんなところにブローカーからの甘い誘惑が来ます。
    ブローカーは倍の収入が得られるなどの甘い言葉で技能実習生に失踪を手引します。
    そんなうまい話はあるわけがありませんが、借金苦に困っている技能実習生はまんまと騙されて実習先から失踪し、結果的に犯罪組織に入り違法なことに手を染めてしまう
    そのような例が相次いでおり、ベトナムから来た方の人数・失踪率が高い原因となっています。

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    ③ 日本語が理解できず、ストレスから逃げ出すケース

    日本人としては感じることは少ないですが、日本語はひらがな・カタカナ・漢字があり、習得が難しい言語です。技能実習生は送り出し機関である程度教育を受けてから日本に来られますが、日本語が流ちょうに話せる方はもちろん、コミュニケーションがスムーズにとれる方はあまりおられません。家族と離れて日本に来られ、コミュニケーションがとれず孤立し、ストレスを抱えて現実逃避から失踪される方もおられます。

    3.企業が技能実習生にできること

    企業としては、失踪リスクなどのトラブルリスクをできるだけ下げ、よい技能実習生に適切な実習機会を提供することでwin-winな関係になることを目指しましょう。そのためには、相手の国の文化・風習を理解し、どのようなコミュニケーションをとればお互いにストレスなく働くことができるのか、日本語がなかなか流暢に話せない中でどのようにすればスムーズに仕事がまわるのかなどをしっかり配属予定先の組織長と人事が話し合っておくことが必要です。
    もちろん、実習が所定の時間を超えたのであれば残業代として賃金を支払う必要があります。労働基準法はしっかりと順守いたしましょう。
    また、せっかく受け入れても日本に来るまでに支払った借金を理由に失踪されても困ります。送り出し機関の選定時には次のポイントを確認することをおすすめします。

    ・(重要)政府認定の送り出し機関か。

    ・技能実習生から高額なお金を支払わせていないか。

    ・採用すると監理団体や企業にキャッシュバックするような制度がないか。

    ・現地担当者の日本語能力が高いか。日本での就労経験があり、日本のビジネスマナーに理解があるか。

    ・トラブルとなった際に相談できる部署があるか。トラブル時に相談できる日本駐在部署はあるか。

    ・当該送り出し機関とトラブルになっている企業がないか。

    ・当該送り出し機関が送り出した技能実習生とトラブルになっている企業がないか。

    4.まとめ

    もちろん、技能実習生は奴隷ではありません。ただ、一部の問題のある実習実施者が劣悪な労働条件、もしくは不適切なコミュニケーションしかできない環境で技能実習生を受け入れることから、奴隷のような扱いとなっている方がいらっしゃるのは事実です。一部の海外のメディアでは人権侵害として指摘もされています。
    技能実習生は労働者ではありませんが、労働契約を締結して実習を受けていただいているのであり、労働基準法が適応されます。適切な実習条件を企業としては整えておかねばなりません。
    また、多額の借金を背負って日本に来られた方を受け入れることは、企業にとって失踪などのデメリットがあり、実習生にとってもデメリットとなっています。不適切な運営を行っている送り出し機関を選ばないようにし、リスクを回避してください。
    これにより、失踪などのリスクの低い実習生を確保できますし、何より、不幸な技能実習生の数を減らすことができます。技能実習生を多く受け入れている企業の一部ではCSRの一環として取り組んでおられるところもございます。
    最後までお読みいただき、ありがとうございました。技能実習生とwin-winな関係を結ぶお役に立てれば幸いです。

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  • 2022.02.18他業種技能実習生が介護特定技能資格を取得する最短の方法とは?

    目次

    1. 他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する最短の方法とは?
    2. なぜ技能実習3年修了者が介護業界を目指すのか
    3. 他業種の技能実習生が介護業種の特定技能資格を取得する方法
    4. 介護の特定技能試験の詳細と最短で合格する方法
      1. 介護技能評価試験
      2. 介護日本語評価試験
      3. 介護の特定技能試験に最短で合格する方法
    5. 他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得するメリット
    6. まとめ

    1.人材不足に悩む介護業界、介護業界に転職を望む日本在住外国人

    人材不足に悩む介護事業所の方々には、「人材確保のために、なんとかして 特定技能『介護』の資格者を採用、雇用したい」「技能実習『介護』3年修了者がほとんどいないので、 他職種の技能実習修了者を採用できないか」などの意見が聞かれます。 日本に住む外国人の方々においても「他業種で技能実習生として働いているけど、介護の特定技能資格を 取得して働きたい!」「介護業界は今後需要が高まるから、特定技能の資格取得方法を教えてほしい」 などの声も多いようです。 この日本は世界一の超少子高齢化進行により要介護者が増え、介護業界のニーズは日に日に高まっています。 新たな在留資格「特定技能」の資格取得を経て、新たな職業として選択する人も増えているのが現状です。 心機一転、介護業界で活躍したいと考える外国人も年々上昇傾向にあります。 この記事では、他業種の技能実習生が介護特定技能資格の取得する最短の方法を中心に徹底解説していきます。

    2.なぜ技能実習3年修了者が介護業界を目指すのか

    出入国在留管理庁によると、令和2年末現在における日本在留外国人数は 258万2,686人で、うち技能実習生が378,200人を占めています。技能実習生の 全在留外国人に対する構成比は13.1%にも上っています。 また、新型コロナウィルスの蔓延により、祖国に帰国ができない技能実習生が多数おり、 技能実習生の中で特定技能資格を取得して引き続き日本で働くことを望む方が増えています。 しかし、令和2年3月の外国人技能実習機構の報告によると、技能実習生の職種別構成比は、 技能実習生全体366,167人に対して、

    1. 建設関係76,013人(20.8%)
    2. 食品製造関係68,843人(18.8%)
    3. 機械・金属関係58,819人(16.1%)
    4. 農業関係32,419人(8.9%)
    5. 繊維・衣服関係24,022人(6.6%)
    6. 介護8,967人(2.4%)

    の順となっており、技能実習生が特定技能外国人となって就業を希望する職種と、 実際の技能実習3年修了人数に大きな乖離が見られます

    この需要と供給の乖離について詳しく説明します。 転職ができない技能実習において、①建設関係76,013人(20.8%)④農業関係32,419人(8.9% )⑤繊維・衣服関係24,022人(6.6%)の3つの職種で36%以上を占めていますが、これら3つの職種は、過酷な労働環境であったり、収入が少ないことにより、ほとんどの技能実習生がかなり我慢をして技能実習をしている実態があります。 したがってこれらの職種については、技能実習3年修了者が無試験で同じ職種の特定技能資格を得られるとしても、 彼らが最も転職を希望しない職種でもあるのです。

    そのような中で、①建設関係、④農業関係、⑤繊維・衣服関係の技能実習を3年修了した外国人は どうすればよいでしょうか。 彼らは、過酷な労働環境ではなく屋内の勤務で、収入が安定しており、求人が多い職種に転職を希望します。 その一番理想的な職種が介護職というわけです。

    前述の通り、介護業界は未曾有の人材不足に苛まれています。 経済産業省の推計では、介護人材は2025年には38万人が不足し、その10年後の2035年には約79万人もの人材が不足すると発表されています。 介護職は屋内勤務です。また介護事業者は国から介護報酬を得るために、厳しい条件をクリアしてとても遵法精神が高い経営をしています。そして人材ニーズが凄まじく多い。 だから、必然的に技能実習3年終了者は、その多くが職種を変えて介護業界を目指すことになるのです。

    3.他業種の技能実習生が介護業種の特定技能資格を取得する方法

    他業種の技能実習生が介護業種の特定技能資格を取得するには、まず前提条件として技能実習2号を良好に修了する必要があります。 つまり、技能実習3年を良好に修了する必要があります。その上で、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つに合格し、転職先を探す流れとなります。
    一般的に特定技能資格を取得するにはもうひとつ「日本語試験」の合格が必要ですが、技能実習2号を良好に修了すれば日本語試験は免除されます。

    また、技能実習2号を良好に修了するには、以下2点の条件を満たさなければいけません。

    • 技能実習を2年10ヶ月以上終了している
    • 実施者の評価書の基準が一定以上である

    簡単に言うと「同じ部門で約3年まじめに働いて上司に評価される」ことができれば、技能実習2号を良好に修了できます。 本来であれば、技能検定3級への合格が条件に含まれていますが、上記の「実施者の評価書の基準が一定以上である」を満たしていれば、技能検定3級を合格せずに技能実習2号の修了とみなすケースが多いです。 そのため、現職の技能実習生から容易に介護職の特定技能へ移行できるわけではなく、まずは約3年間必死に頑張っていく必要があるでしょう。

    4.介護の特定技能試験の詳細と最短で合格する方法

    約3年間働き管理職からの評価が高いだけで、介護特定技能資格を取得できるわけではありません。 次のステップは介護の特定技能試験への合格を目指す必要があります。 他職種の技能実習3年修了者が特定技能「介護」の資格を得るためには、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの試験に合格する必要があります。

    4-1 介護技能評価試験

    まず「介護技能評価試験」に合格するための試験の情報について見ていきましょう。

    <実施場所>
    下記のテスト環境が整った国

    • ネパール
    • カンボジア
    • ミャンマー
    • タイ
    • フィリピン
    • モンゴル
    • インドネシア
    • ベトナム
    • 日本国内

    <実施日時>
    各国のいずれかで毎月行っており、詳しくは厚生労働省の専用ページ で公開されていますので、確認しておきましょう。

    <試験科目>
    試験時間60分 問題数45問

    • 学科試験:40問
    介護の基本 10問
    こころとからだのしくみ 6問
    コミュニケーション技術 4問
    生活支援技術 20問
    • 実技試験:5問
    生活支援技術 5問

    <試験結果>
    試験結果は厚生労働省のホームページで順次発表

    4-2 介護日本語評価試験

    次に介護日本語評価試験に合格するための試験要項について見ていきましょう。 介護日本語評価試験の問題数や試験時間、試験の内容などは、以下のように発表されています。

    <試験科目>

    介護の言葉 5問
    介護の会話・声掛け 5問
    介護の文書 5問

    合格基準:問題の総得点の60%以上

    <試験結果>
    試験結果は厚生労働省のホームページで順次発表

    4-3 介護の特定技能試験に最短で合格する方法

    介護特定技能試験の合格率は約60%であり、他業種の方でも真剣に勉強すれば通る資格です。 介護の特定技能試験に合格するための一番の近道は「介護特定技能試験テキストを繰り返し勉強する」といいでしょう。 テキストは無料で公開されており、試験に沿った内容が記載されています。 また、テキストは10か国(日本語・英語・ネパール語・インドネシア語・ミャンマー語・モンゴル語・タイ語 ・ベトナム語・中国語・ビルマ語)に対応しており、母国語での受験が可能です。 日本語のテキストでも多くの漢字にフリガナが振られているため、わかりやすいのが特徴。 下記は日本語の介護特定技能試験テキストになりますので、参考にしてください。他の言語は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

    介護特定技能試験テキスト

    5.他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得するメリット

    他業種の技能実習生が介護特定技能資格の取得を目指すのは時代に合った試みです。 ここからは具体的な取得メリットを紹介していきます。

    <世界に誇る日本の介護技術を習得できる>
    他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する最大のメリットは、 世界に誇る日本の介護技術を習得できる点です。 現在は全世界に日本の介護学校が設立されている背景からも、日本の介護技術が注目されています。 特に日本のきめ細かな気配りやコミュニケーションスキルは世界にはまねできない技術でしょう。 日本に介護を学びにくる外国人も年々増しており、日本の介護を学ぶのは自分を成長させる一歩となります。 外国人にとっていつ母国に帰るかはわかりません。帰国したと同時に親の介護が必要になるケースもあるでしょう。 その場合、日本の介護技術を学んでいれば、大いに貢献できます。世界に誇る日本の介護技術を習得できるのは、 介護特定技能資格を取得する最大のメリットです。

    <時間の融通が利きやすい>
    他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する二つ目のメリットは、時間の融通が利きやすいです。一般的な会社は平日9:00~18:00勤務となりますが、介護職はシフト制が一般的。平日に休日が取れたり午前中だけ休暇をもらえたりできます。中には週休3日制を採用している介護事業者もあります。 特に外国人は日本語学習などで自分の時間を作りたい方も多いのではないでしょうか。他にもプライベートで日本の至る場所へ遊びいきたい方もいるはず。介護職はプライベートも充実させやすい職業なのです。

    <資格を取得すれば働き方の幅が広がる>
    他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する最後のメリットは、資格を取得すれば働き方の幅が広がる点です。介護職の国家資格でもある「介護福祉士」の資格を取得できれば活躍の場が広がります。日本や海外問わず転職先が見つかりやすいのは自信につながるでしょう。手に職をつけるのは一生分の価値があるので、介護職を極めるのは今後おおいに役立つはずです。

    6.まとめ

    いかがでしたでしょうか。今回は他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する方法を中心に徹底解説しました。 他業種の技能実習生が介護分野で活躍するには、技能実習2号を良好に修了した上で、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの試験に合格することが必要です。該当条件を満たすためにも、まずは約3年日本での勤務を行いましょう。その上で、厚生労働省が提供している無料テキストを勉強して試験に合格できれば、他業種の技能実習生が介護職の特定技能資格を取得することができます。 外国人が魅力的な日本の介護分野で働くためにも、また介護事業者が深刻な人材不足を解決させるためにも、あらためて本記事を参考にしていただければ幸いです。

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  • 2022.02.18技能実習生の住居基準・水道光熱費・生活備品は?

    目次

    1. 技能実習生の受け入れ準備はどこまですれば良い?
    2. 外国人技能実習生の住居基準とは?
      1. 技能実習生の住居基準
      2. 技能実習生の家賃
    3. 技能実習生の水道光熱費、生活備品について
      1. 技能実習生の水道光熱費
      2. 技能実習生の生活備品
    4. まとめ

    技能実習生を受け入れる際、企業(実習実施者)では職場環境を整備するだけではなく、技能実習生の日常生活をサポートする必要があります。 では、技能実習生が初めて日本に来る時、受け入れ企業ではどのような準備をすれば良いでしょうか。 この記事では、技能実習生の住居基準・水道光熱費・生活備品について解説します。

    1.技能実習生の受け入れ準備はどこまですれば良い?

    技能実習制度の運用要領には、「実習実施者は、技能実習生が健康で快適な実習生活を送れるようにするため、快適な住環境を確保するとともに、 食生活、医療等についての適切な助言及び援助を行うことができる体制を整備する必要がある。」とあります。 そのため、受け入れ企業が、技能実習生の住居の確保、水道光熱費の手続き、日本で生活するための物品の準備を行う必要があります。 技能実習生が実習を開始した後の家賃や生活費は技能実習生の負担となりますが、実習開始前の準備は、受け入れ企業が行います。 技能実習生の待遇については、住居が劣悪な環境であったり、家賃や水道光熱費を必要以上に徴収されたりするなどのトラブルが過去に相次ぎました。そこで2017年に制定された技能実習法では、 技能実習生を保護するために、生活環境についても様々な基準が定められています。
    参考:技能実習制度運用要領 出入国在留管理庁・厚生労働省

    2.外国人技能実習生の住居基準とは?

    技能実習生が安全で健康的な生活を送れるよう、技能実習制度運用要領で住居や家賃の基準、条件が定められています。

    2-1 技能実習生の住居基準

    部屋に関する基準

    • 寝る場所は、1人につき4.5㎡(約3畳)以上を確保すること。
    • 1人ずつ収納スペースを確保し、施錠が可能で持ち出しできないようにすること。
      例えば、収納ボックスを置いたり、押し入れの中を分けただけでは収納設備としては認められません。
    • 部屋の面積7分の1以上の採光できる窓があること。
    • 暖房設備があること。
    • 日勤、夜勤の技能実習生がいる場合は、活動時間が違うため、寝室を別にすること。

    部屋以外の設備に関する基準

    • 食堂やキッチンがある場合、十分な照明と換気設備を整え、食器を清潔に保管する場所を確保し、害虫などを防ぐ環境を整えること。
    • トイレ、洗面所、お風呂場、洗濯する場所を設けること。
    • 2階以上に寝室がある場合、安全な場所に逃げられる階段が1か所(収容人数が15人以上の場合は2か所以上)あること。
    • 共用部分については、感染症の予防のため、衛生管理を行うこと。

    環境などに関する基準

    • 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話をする密接場面の3つの密を避ける対応を行うこと。
    • 宿泊施設は、安全な場所であること。具体的には、爆発物など火災の危険がない、衛生上有害な場所でない、騒音や振動が少ない、自然災害の危険がない場所であること。
    • 消火設備が十分であること

    事業の附属寄宿舎に該当する場合の基準

    労働基準法では、以下の基準を満たす宿泊施設は「事業の附属寄宿舎」となります。

    • 常態的に相当人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態を備えていること
    • 独立又は区画された施設であること
    • 事業経営の必要上その一部として設けられているような事業との関連をもっていること 例えば、一軒家を借り上げ、技能実習生が複数人で共同生活を送る場合は寄宿舎とみなされるでしょう。 宿泊場所が寄宿舎に当てはまる場合、「寄宿舎規則」を作成し、次のことについて労働基準監督署に届ける必要があります。
    • 起床、就寝、外出及び外泊に関する事項
    • 行事に関する事項
    • 食事に関する事項
    • 安全及び衛生に関する事項
    • 建設物及び設備の管理に関する事項

    2-2 技能実習生の家賃

    技能実習生は受け入れ企業が提供する6畳程度の部屋に2人で生活するケースが多く、 技能実習生が受け入れ企業に支払う家賃は2万円前後のようです。技能実習法では、技能実習生の生活に支障をきたさぬよう、 家賃は実費を超えた徴収を禁止しています。 技能実習生が住む場所は、社員寮や民間のアパートなどがありますが、家賃は次のように決められています。 ・社宅や寮などの会社が所有する物件の場合 建物の築年数や改修費用、住む人数などを考慮して計算した額を徴収します。 ・アパートや一軒家などの借上物件の場合 家賃を、住む技能実習生の人数で割り、その費用以内の額を徴収します。 借り上げ物件の場合、毎月の家賃に加えて、管理費や共益費を技能実習生に負担してもらうことは可能です。しかし、 敷金や礼金、保証金、仲介手数料などの初期費用は、受け入れ企業が負担することになります。

    技能実習生の宿泊施設は、技能実習計画認定申請書に記載する必要があります。 技能実習計画は実習開始予定日の4か月前までに提出する必要があるため、早めに宿泊施設の確保を行いましょう。

    3.技能実習生の水道光熱費、生活用品について

    日本での生活に必要な物品は受け入れ企業が準備しますが、実習開始後の水道光熱費や生活費は技能実習生が支払います。 ここでは、技能実習生が支払う費用と企業が準備する物について説明します。

    3-1 技能実習生の水道光熱費

    水道光熱費は、技能実習生が支払います。徴収する金額は、水道・電気・ガス会社から請求された費用を、 住んでいる人数で割った金額以下でなければなりません。例えば、1部屋に2人で住んでいて、水道光熱費が2万円だった場合、 技能実習生が負担するのは1万円以下となります。技能実習生が毎月支払う費用については丁寧な説明を行い、企業と技能実習生の間で合意が必要です。 給与から天引きする場合は、賃金控除の協定書が必要となりますので注意しましょう。後のトラブルを避けるため、協定書の内容は、 母国語での書面もあると良いでしょう。

    3-2 技能実習生の生活用品

    Wi-Fi環境の整備

    技能実習生の生活で欠かせないのがインターネット環境です。技能実習生の中には、母国にいる家族と毎日ビデオ通話をする人もいます。 そのため、技能実習生が入居後すぐにWi-Fiを使えよう準備しておきましょう。技能実習生本人がWi-Fiを契約する方法もありますが、料金を滞納したり、 帰国時に違約金が発生するなどのトラブルが生じる可能性があります。受け入れ企業で法人契約を結び、技能実習生から使用料を徴収するのがスムーズでしょう。 水道光熱費と同様、給与から控除する場合は賃金控除の協定書が必要となります。

    自転車の準備と自転車保険の登録

    宿泊場所から勤務地まで距離がある場合は、自転車を準備することをおすすめします。その際、自転車保険にも加入しましょう。 神奈川県や埼玉県などでは、自転車保険の加入が義務づけられています。通勤中の事故の場合は労災が適用されますが、休日の事故の場合、自己負担となります。 そのため、どの地域に住んでいても、自転車保険に加入するのが良いでしょう。

    生活用品の準備

    技能実習生がすぐに生活できる環境を準備しましょう。準備する物は、日本人が1人暮らしをする際に必要な物と同じです。 具体的には、冷蔵庫や洗濯機、掃除機、炊飯器などの家電や寝具、キッチン用品などです。寮に用意する家電・生活用品の準備品の詳細は下記をご確認ください。これらは新品でなくとも良いので、社員の使わない物を譲ってもらったり、 リサイクルショップなどで準備しましょう。また、初回のみ、ティッシュやトイレットペーパー、ゴミ袋などの消耗品を準備しておくと、 技能実習生が日本での生活をスムーズに始めることができます。

    寮に用意する家電・生活用品の準備品まとめ

    • WiFi
    • 自転車
    • テレビ(日本語学習のため)
    • 人数分の容量の冷蔵庫
    • 洗濯機
    • 人数分の容量の炊飯器
    • ガスコンロまたはIH(備え付けがない場合)
    • 電子レンジ
    • 寝具類…夏冬両方のベットまたは布団
    • 照明器具
    • 冷暖房器具…こたつや扇風機等
    • 食卓用のテーブルとイス
    • カーテン
    • 炊飯器具…フライパン、大と中の鍋、ポット、包丁、まな板等
    • 食器…皿、コップ、フォーク、ナイフ、スプーン等
    • 掃除用具…掃除機またはほうきと雑巾等
    • 救急箱
    • 日用品…ティッシュやトイレットペーパー、ゴミ袋、洗剤、シャンプー等(初回のみ)

    4.まとめ

    技能実習生の生活を保障するため、住居に関しては部屋の広さや設備、環境などの基準が定められています。 住む場所は、企業が所有する寮や民間のアパートなどがありますが、この基準を満たす場所を選びましょう。 水道光熱費は技能実習生の負担となりますが、毎月かかる費用がどのくらいになるのかを事前に技能実習生に説明し、同意してもらう必要があります。 日本で生活を始める際に必要な物は受け入れ企業が準備します。初めての場合、大変なこともありますが、居住環境を整えることは技能実習生のモチベーションの向上にもつながります。 わからないことは監理団体に聞きながら、技能実習生の受け入れ準備をすすめましょう。

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  • 2022.02.18外国人介護職|受け入れの現状と課題

    目次

    1. 介護職において外国人労働者を雇用する方法
      1. 在留資格「介護」
      2. EPA(経済連携協定)
      3. 技能実習「介護」
      4. 特定技能「介護」
    2. 外国人労働者受け入れの現状
    3. 外国人労働者受け入れの問題点と課題
    4. 外国人労働者と共に働くために
    5. まとめ

    2025年問題を目前に介護職の重要性が高まる中、日本の介護業界はすでに深刻な人手不足に陥っています。 そのため多くの事業所や施設の介護スタッフが、サービスの質の低下や安全確保不足、労働環境の悪化による離職率の増加など様々な問題に悩まされています。 それだけではなくサービスを受ける側の高齢者が、希望している介護を受けることができない「介護難民」も増加しているのが現状です。 そのような状況の中、対策として進んでいるのが外国人労働者の採用です。本記事では日本での外国人介護士を受け入れている現状と課題について紹介します。

    1.介護職において外国人労働者を雇用する方法

    外国人労働者を介護職にて雇用するために、日本には4つの制度(在留資格)があります。

    • 在留資格『介護』
    • EPA(経済連携協定)
    • 技能実習『介護』
    • 特定技能『介護』

    それぞれ介護という目的は同じですが、目的や働き方が異なるためしっかりと理解しておく必要があります。下記にて4つの制度をメリットやデメリットと合わせて説明していきます。

    1-1在留資格「介護」

    外国人が介護福祉士養成学校に留学して介護について学び、介護福祉士の資格を取得後に在留資格「介護」としてその外国人を雇用するという方法です。 在留資格「介護」のメリットは、介護福祉士の資格を所持しているため採用後すぐに介護スタッフとして配置ができ、本人が希望する限り永続的に働くことができるということです。 また介護福祉士養成学校に通学しているときから週28時間までならばアルバイトとして勤務(いわゆる資格外活動)することも可能となっています。又、介護職員として取り掛かれる業務などに制限がないため、 介護業界の幅広い分野での活躍を期待できます。

    デメリットとしては、日本語能力に関し条件は設定されていますが、養成学校によって基準が異なることから日本語能力が低い外国人も入学しているなど個人差があり、卒業後もコミュニケーションが難しい場合があります。 そして事業所に外国人介護福祉士を受け入れる際は受け入れの調整をする専門機関がないため、事業者が自ら養成学校と連携し採用活動を行う必要があります。

    1-2EPA(経済連携協定)

    EPAは現在日本はフィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国から経済活動の連携強化をはかるために外国人を受け入れており、介護業界では受け入れた外国人が介護福祉資格の取得を目指すことを目的とし「介護福祉候補生」として入国します。 そのため決して就労を目的としているわけではありません。介護や看護について勉強した外国人材が、日本語教育を受けて、技能研修として日本で働きます。 メリットとしては日本に滞在できる期間が4年間と定められており、その間に国家試験に合格することができれば上記で説明した在留資格「介護」を取得することができるため、本人が希望すれば永続的に日本で働くことができます。 さらに介護福祉士の資格を取得できなかった場合には特定技能への切り替えも可能となっています。 デメリットとしては入国するための対象者への条件が厳しい、毎年各国からの受け入れ人数の制限設定がある、事業者は候補生に選ばれないと採用することができない、受け入れる事業者が負担する費用が高いなどといった点が挙げられています。 また日本語能力の低さにより現場でスタッフや利用者とのコミュニケーションがうまくとれず、業務に支障をきたす恐れがあります。

    1-3技能実習「介護」

    技能実習制度とは一定の期間外国人を日本の介護現場に受け入れ、実際に働きながら技能や技術を修得し、その学びを母国の経済発展に役立てるということを目的としている制度です。 技能実習のメリットは、転職がないため一定の年数は人材確保ができることです。また技能実習生として入国するためには介護経験、または介護に関する一定時間の講習を受けていることが条件で定められているため、即戦力としても期待ができます。 デメリットとしては、あくまでも「技能移転」が目的とされている制度であるということから通常3年、最長でも5年と期間が定められており、実習終了後継続して雇用することはできないということ、夜勤などを行う際に必ず指導者がつかなくてはならないということ、 日常会話は問題なく可能ですが専門的な会話をするには不十分さが見受けられるということなどが挙げられます。

    1-4特定技能「介護」

    特定技能制度は2019年4月から開始された、就労目的として外国人を受け入れる日本の介護業界の人手不足解消を目的とした制度となります。
    そのため、業務内容や人数の制限が少ないことが特徴の1つでもあります。 メリットとしては、受け入れる対象の外国人が入国する際にN4レベルの日本語能力、介護に関する専門的な日本語、介護技術の習得が必要とされているため、即戦力として期待できます。また技能実習制度とは異なり、仕事を覚えれば指導員がつかなくてもひとりで業務実施可能となります。 デメリットとしては技能実習とは違い対象者が幅広く職場を選択でき転職が可能となるため、事業者としては離職というリスクに繋がる可能性があります。
    特定技能人材の採用方法としては、主に人材紹介会社から紹介してもらうまたは、求人媒体を活用する方法があります。

    2.外国人労働者受け入れの現状

    外国人労働者は年々増え続け、2020年10月末時点で約172万人もの方が日本で働いています。人手不足が深刻化している介護分野に関しては、全体を占める割合は少ないものの前年からの増加率が2桁を超え、急速に外国人労働者が増えており、雇用方法としては、技能実習生、留学生の資格外活動(アルバイト)・在留資格「介護」が多くなっています。 しかし人材不足と感じている介護事業所が大半を占める中、外国人労働者の受け入れを行っている施設や事業所はまだまだ少ないのが現実です。さらにこの新型コロナの影響で海外から日本にくることも難しくなっており介護現場での職員採用が難しくなっています。

    3.外国人労働者受け入れの問題点と課題

    実際に外国人労働者の受け入れを行っている事業所では、「人材の確保ができる」「コミュニケーションの活性化につながる」「現場に活気がでる」など良い評価が出ていますが、まだ受け入れを行っていない事業所からは日本語力の問題、 コミュニケーション不足や習慣の違い、要介護者やその家族による外国人介護の拒否などさまざまな不安が挙げられています。不安に感じているのはこれから日本で労働する外国人も同様です。現に母国へ帰国するケースもあり、こちら側が日本で定着してもらえるような体制を整える必要があります。

    4.外国人労働者と共に働くために

    私たち日本人と外国人労働者がより良い環境で働くためには、お互いの歩み寄りが必要です。慣れない環境で必死に学び働く外国人労働者に対し、長時間勤務やいじめ、差別、パワハラなど様々な問題が浮き出ているのも現実です。外国人労働者を受け入れることに対し不安に感じる部分は多々ありますが、 人手不足が深刻化している中、外国人労働者は日本にとって今後の強みとなる存在なのです。受け入れを少しでも考えている事業所は、まず外国人労働者を受け入れるための体制や環境を整えることから始めましょう。 「きめ細やかなサービスができない」「コミュニケーションスキルが不足している」という外国人に対する不安があるようですが、それは日本語が不十分ということだけが問題なのでしょうか?正直日本人労働者でもできる方とできない方がいます。 語学や技術に関しては働きながら学ぶことができます。また、習慣の違いなどについては、育った環境が違うのですからあたりまえのことではないでしょうか。文化の違いをお互いに正しく理解し、価値観の押し付けをせずに相手を尊重し合うことが必要です。

    5.まとめ

    いかがだったでしょうか。今回の記事では介護職での外国人労働者受け入れの現状と課題について解説いたしました。介護業界での外国人労働者の雇用はまだまだ少ないですが、徐々に増えており良い評価も得られています。今後人手不足に悩まされる事業所は今以上に増えることが予想されています。 そのような状況を少しでも良くするため、政府が積極的に進めている「外国人材の活用」についてそれぞれの目的をしっかりと理解し、上手に利用しましょう。質の良い介護サービスを提供するためには、人材とスタッフたちが働きやすい環境が必要です。 様々な制度を利用し、日本人外国人すべての労働者がより良い環境で働くことができるための一歩を踏み出しましょう。

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  • 2022.02.17技能実習「宿泊」|外国人技能実習生を宿泊業で雇用するためには

    目次

    1. 宿泊業界の人手不足
    2. 技能実習制度
    3. 技能実習「宿泊」の対象職種
    4. 技能実習「宿泊」の在留資格取得
      1. 技能実習1号の取得要件
      2. 技能実習2号の取得要件
    5. 受入れ方式
    6. 受入れ企業に求められること
      1. 労働条件の明示(労働基準法第15条)
      2. 技能実習計画の認定
      3. 実習実施者の届出
      4. 責任者、指導員の配置
      5. 受入可能人数制限
    7. 技能実習か特定技能か、そのメリット・デメリット
    8. まとめ

    宿泊業界の人手不足

    日本の宿泊業界において、人手不足は深刻化しています。
    観光庁による調査では、2018年の宿泊業界の有効求人倍率の平均値は、6.15倍となっています。
    中でも飲食物給仕係は7.16倍となっており、人手不足が際立って深刻な状況となっています。
    低賃金や長時間労働による若者のサービス業離れが、人手不足の原因と言われています。

    人手不足のもう一つの原因は、外国人旅行者数の増加です。
    日本への外国人旅行者数は年々増加しており、2019年の訪日外国人旅行者数は3,188万人となり、過去最高を更新しました。
    新型コロナウイルスの世界的な流行とそれによる規制のため、現在は観光業全体が低迷していますが、コロナ収束後に規制が緩和されれば、急速に外国人旅行者数は増加していくことが予想されます。
    それに伴い英語での接客など、必要となるスキルが増えていることも日本人の雇用減少につながっています。

    この深刻化する人手不足の中で必要となる制度に、「技能実習制度」があります
    以下では、外国人技能実習生を宿泊業で雇用することについて述べます。

    技能実習制度

    技能実習制度は、国際貢献のために開発途上国などの外国人を一定期間雇用して日本の技能を移転する制度です。
    受け入れ機関(技能実習生を雇用する企業)と技能実習生は雇用関係にあり、日本の労働関連法令が適用されます。
    この制度による外国人技能実習生の雇用が増加することで、日本の人手不足の緩和も期待できます。

    宿泊業における「技能実習制度」では、「技能実習1号」と「技能実習2号」での受け入れが可能です。
    在留期間が1年の「技能実習1号」を経て、修了試験に合格することで、「技能実習2号」への移行が可能です。
    宿泊業における「技能実習2号」制度の追加は2020年2月25日より開始され、1号を含め通算3年間「技能実習生」として、日本の宿泊業界での活動が可能となりました。
    技能実習外国人の転職は不可となっているため、上記の場合3年間同じ企業での実習となります。
    夜勤においても不可となっており、賃金は最低賃金以上となります。

    また、「技能実習2号」を良好に修了した後は、無試験で「特定技能1号」への移行が可能です。
    「特定技能1号」での在留期間は5年です。
    よって、外国人は日本の宿泊業界においては通算8年間働けるということになります。

    技能実習「宿泊」の対象職種

    第1号技能実習ではホテルや旅館の宿泊施設における以下の作業が可能となっています。

    • 利用客の送迎作業
    • 滞在中の接客作業
    • 会場の準備・整備作業
    • 料飲提供作業
    • 利用客の安全確保と衛生管理
    • 安全衛生業務

    第2号技能実習では、1号の作業等を主体的にできることに加えて、
    上司の指示を受けて「チェックイン・チェックアウト」の作業ができます。

    技能実習「宿泊」の在留資格取得

    冒頭で述べた通り、技能実習「宿泊」分野では、「技能実習1号」と「技能実習2号」の外国人技能実習生の受け入れが可能です。
    それぞれの在留資格取得要件は以下となっています。

    技能実習1号の取得要件

    「技能実習1号」では、入国してすぐに、日本語や業務に関しての講習(入国後講習)を通常1ヶ月間受ける必要があります。
    また、特定技能制度と異なり、外国人が「技能実習1号」在留資格の取得のための試験はありません。
    「技能実習1号」の在留資格を取得するには、以下の項目をすべて満たす必要があります。

    • 技能実習生が18歳以上であること
    • 帰国後に本制度で修得した技術を活かした業務に従事することを予定していること
    • 企業単独型技能実習の場合は、派遣先企業の海外事業所、もしくは海外に本拠地を置く提携先企業の職員であること
    • 外国人本人が過去に第1号技能実習を利用したことがないこと

    「団体監理型技能実習」の場合は上記に加えて以下の事項を満たす必要があります。

    • 本国で技術実習を受けたいと考えている業務に従事していた経験がある、もしくは「団体監理型技能実習」を利用しなければならない特別な事情があること
    • 本国、もしくは住所をおく地域の公的機関から推薦を受けていること

    技能実習2号の取得要件

    「宿泊」分野での「技能実習1号」を良好に修了した外国人技能実習生は、「技能実習2号」への移行を選択できます。
    「技能実習2号」取得の条件は、1号の修了と、宿泊業技能試験センターが実施する「技能実習評価試験」に合格することです。
    2021年6月に行われた「第2回技能実習評価試験」の受験者数は442名、合格率は47.96%となっています。
    試験は日本各地で2ヶ月に1回程度開催されています。
    今後はコロナウイルス感染症の流行により急な延期や中止になることも予想されるため、外国人雇用を検討している受け入れ企業はこまめに情報を確認しておくことをおすすめします。

    一般社団法人 宿泊業技能試験センター

    受入れ方式

    外国人技能実習生を企業が受け入れる方式は、「企業単独型」と「団体監理型」があります。
    下記の通り、「団体監理型」で技能実習生の受け入れをすることが一般的となっています。

    「企業単独型」

    日本の受け入れ企業等(実習実施者)が海外の法人や取引先企業の外国人職員を直接受け入れて、実習を実施する方式です。
    自社で技能実習生を受け入れ、監理まで行うため、海外に拠点のある大企業向けのものとなっています。
    企業単独型による受け入れの場合は、「技能実習イ」という在留資格になります。

    「団体管理型」

    事業協同組合や商工会などの営利を目的としない団体(監理団体)が実習生を受け入れ、受け入れ企業等(実習実施者)で実習する方式です。
    技能実習の受け入れを監理団体に任せることができるので、海外に拠点のない受け入れ企業にとっては技能実習生の受け入れがしやすくなっています
    現状では、技能実習生の受け入れ企業の約97.2%はこの「団体監理型」方式で受け入れを行なっています。
    団体管理型による受け入れの場合は、「技能実習ロ」という在留資格になります。

    認可法人外国人技能実習機構「許可監理団体」

    受入れ企業に求められること

    労働条件の明示(労働基準法第15条)

    受け入れ企業は、母国語など技能実習生が理解できる方法で労働条件を明示しなければなりません。

    技能実習計画の認定

    技能実習を行わせようとする者(実習実施者)は、外国人技能実習機構へ「技能実習計画認定申請書」を提出し、その技能実習計画が適したものであるという認定を受ける必要があります。
    この認定は、技能実習計画の適切性担保のためとなります。(法第9条)
    技能実習生ごとに、第1号、第2号のそれぞれの区分で認定を受ける必要があります。
    申請書のフォーマットは「外国人技能実習機構」からダウンロードが可能です。

    技能実習計画認定申請は必要書類も多くかなり複雑ですので、経験豊かな監理団体に依頼して効率よく行うことをおすすめします。

    実習実施者の届出

    実習実施者は、技能実習を開始したときは、遅滞なく、外国人技能実習機構へ「実習実施者届出書」を届け出なければなりません。
    届出先は、認定通知書の交付を受けた機構の地方事務所・支所です。

    責任者、指導員の配置

    実習を行う受入れ企業は、技能実習計画認定申請時に、技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員それぞれ1 名以上配置する必要があります。
    技能実習の効率化と、技能実習生が安心して実習に取り組める環境を整えるためとなります。

    受入可能人数制限

    外国人技能実習制度では、常勤職員数により1年間に受け入れることのできる技能実習生の人数に制限があります。

    技能実習か特定技能か、そのメリット・デメリット

    宿泊業界で外国人を雇用する場合、技能実習を選ぶべきか、特定技能を選ぶべきか、それぞれメリット・デメリットがあります。

    宿泊業の現状

    現時点では、コロナ蔓延防止対策としての水際対策が強化されていますので、外国人観光客の入国は原則としてはできません。また緊急事態宣言の発出などの影響で国内旅行客も低迷し、宿泊業界の需要は激減しています。
    そのような状況下で、宿泊業において技能実習生や特定技能外国人を雇用するニーズは、現時点では完全に消滅しています。

    コロナ収束後の宿泊業界

    しかし、今後コロナワクチンの普及に伴い、先進国を中心として全世界的に人の移動が緩和され始めます。疲弊した国内経済を立て直すためには、おそらく総選挙後の2021年11月頃より様々な経済対策が打ち出されることでしょう。当然観光業の復活も意図され、外国人観光客の入国緩和も始まります。そうすると突然、再び日本にも外国人観光客が溢れ始めます。
    しかしコロナの影響で宿泊客が激減し、宿泊業界は雇用を絞りに絞ってきました。
    そのため外国人観光客が戻って来たときの人的対応力に欠けており、宿泊業界は突然の人手不足に陥る可能性が大です。
    コロナ後の宿泊業界が、技能実習を選ぶべきか、特定技能を選ぶべきかについては、この突然の人手不足にどのように対応するかがポイントになります。

    宿泊業界における技能実習のメリット

    • 技能実習は無試験で日本に来られるため、人材が豊富に集まること(特定技能より人気がある)
    • 突然の人材難に対して、来日まで約半年かかるが、人数的な対応が十分可能であること
    • 一般的に最低賃金レベルで雇用できること(特に地方では雇用しやすい)
    • 転職されないので、3年間安定した雇用ができること

    宿泊業界における技能実習のデメリット

    • 認定を受けた技能実習計画に従った実習を行う必要があり、任せられる仕事の制限が大きいこと
    • 制度上さまざまな義務があり、実習実施者側に手間と費用がかかること
    • 雇用できる人数に制限が大きいこと

    宿泊業界における特定技能のメリット

    • 技能実習に比べて制限が少なく、任せられる仕事の範囲が大きいこと
    • 実習実施者側に手間と費用があまりかからないこと
    • 雇用できる人数枠が大きいこと

    宿泊業界における特定技能のデメリット

    • 日本語試験と技能評価試験の2つの試験に合格する必要があるため、外国人にとっては技能実習よりかなりハードルが高いこと。つまり外国人にとって技能実習のほうに人気が集まり、特定技能候補者が集めにくいこと
    • 日本人と同等以上の賃金を支払う必要があること
    • 地方では人を集めにくいこと(都会を望む外国人が多いこと・地方は都会より給与水準が低く不人気であること)
    • コロナ後の突然の需要増加に対して、十分に人が集められないことが予想されること
    • 厳しい労働環境だと転職される可能性があること

    結論

    以上を比較検討しますと、コロナ後の宿泊業界で外国人を雇用する場合、技能実習をまず選択し、技能実習3年経過後に特定技能に移行することが望ましいと思われます。

    まとめ

    技能実習は国際貢献が目的の制度となります。
    特定技能制度とは雇用の目的が異なりますが、コロナ収束後の宿泊業界にとっては、欠くことのできない制度でもあります。
    技能実習と特定技能のメリット・デメリットを十分把握していただき、技能実習制度を利用する場合は、技能実習から特定技能への移行なども見据えながら、転職せず長く働きたいと外国人に思ってもらえるような職場環境作りがとても大切です。
    この記事が、宿泊業界の皆様のお役に立てること、そして宿泊業界がコロナに打ち勝ってみごと復活を遂げることをお祈り申し上げます。

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  • 2022.02.17技能実習制度は廃止するべきか? 特定技能に統合するべきか?

    技能実習制度に対しては多々問題が指摘されており、他国や人権団体、マスコミなどから奴隷制度だと揶揄されるケースもあります。
    そのような中で、日本政府は今後技能実習制度をどうしていくべきか、新在留資格「特定技能」に統合すべきという意見についてはどのように決着するかを予想するとともに、受け入れ企業の人事部門ができることについてまとめました。

    目次

    1. 技能実習制度の目的
    2. 技能実習制度の現状と問題点
      1. 技能実習生の失踪
      2. 労働基準法違反の例
      3. 業務内容の乖離
    3. 技能実習制度を廃止すべきだという意見の数々
    4. 技能実習制度を残すべきだという意見の数々
    5. 技能実習制度の今後について
      1. 日本の技能実習の実態を正しく技能実習候補生に事前に説明をおこなう送り出し機関の選定と制限
      2. きちんとした技能実習ができる実習実施者のみの認定。および、実際に運用がなされているかの監査と問題がある場合の徹底した行政指導例
    6. 企業人事としてできること
    7. まとめ

    技能実習制度の目的

    技能実習制度は発展途上地域に対し、国際貢献を行うために日本が導入した制度です。日本の技術または知識の移転を「人づくり」を通して行うのが技能実習制度です。
    そのため、技能実習は国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われることがないように、基本理念として技能実習法(2019年11月施行、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)により次が決められています。

    • 技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備されていること
    • 技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われること
    • 労働力の需給の調整の手段とされないこと

    技能実習制度の現状と問題点

    技能実習は労働力の確保のみを目的として実施してはならないにもかかわらず、企業・外国人ともに経済的な利益を得る目的で制度を利用していることが多いところに根本的な問題点があります。

    まず多くの企業(実習実施者)は、安価で3年間安定的な労働力を確保する目的で技能実習を利用しています。
    ※技能実習では、1年間(技能実習1号のみ)、3年間(技能実習1号と2号)、5年間(技能実習1号、2号、3号)在留することが可能ですが、技能実習3号はあまりにハードルが高く、また在留が1年では日本に来るために支払った料金を回収できないことから、技能実習は3年間在留するケースがほとんどです。

    一方外国人は、母国よりも高額な収入を得る目的で日本に技能実習に来る人がほとんどです。
    つまり、技能実習制度は「発展途上地域に対し国際貢献を行う」という崇高な目的とは乖離した意図で運用されている実態となっています。

    また、技能実習においては次のような問題も起こっています。

    技能実習生の失踪

    • 厚生労働省の資料によると、令和元年10月末時点での技能実習で日本に滞在する外国人の数は約38.4万人で、うち2%が失踪しています。

    労働基準法違反の例

    • 実際に労働者に対して時間に対する賃金ではなく、月平均所定労働時間分の賃金を支払っていた。
    • 時間外労働協定の締結なしに時間外労働を行わせており、最長で1ヵ月74時間58分の時間外労働をさせていた。
    • 週40時間を超える労働時間に対して割増賃金を支払っていなかった。など

    業務内容の乖離

    • 建設業務と話を聞いて日本にやってきたが、実際に作業を行ったのは原発の除染作業だった。など

    技能実習制度を廃止すべきだという意見の数々

    [社説]技能実習は速やかに廃止を:日本経済新聞2021年7月26日

    人手不足を補うため海外から人材を受け入れるだけ受け入れ、劣悪な労働環境は放置というのでは無責任のそしりを免れない。外国人技能実習制度のことだ。
    2020年末の外国人技能実習生の数は15年末の約2倍になった(写真は外国人技能実習生)
    いっこうに改善がみられないこの制度はすでに行き詰まっている。速やかに廃止し、外国人材の受け入れ体制を立て直すべきだ。
    会計検査院が、実習生の受け入れ企業に対する外国人技能実習機構の実地検査の状況を公表した。2019年4~9月に起きた実習生の失踪のうち2割にあたる755件で、同機構は20年3月末時点でも企業の労働環境などを調べる実地検査をしていなかった。
    うち557件では、実地検査の基礎資料となる賃金台帳やタイムカードも入手していなかった。
    技能実習制度の監督機関として17年に発足した同機構は、調査の人員不足が指摘されてきた。業務効率化などで実効性のある手を打たず、役割を十分に果たしてこなかった責任は重い。
    実習生は年々増え、20年末はコロナ禍で前年末より減ったものの、15年末の約2倍の37万8千人を数える。
    一方で違法な長時間労働や賃金不払いなども増え続け、19年はこうした労働関係法令違反が6796事業所でみつかっている。
    国際貢献の名のもとに、実習生を安い労働力ととらえる建前と本音の使い分けは、もはや限界だ。世界からも技能実習制度は人権侵害の問題があるとして批判されている。廃止し、19年に新たな外国人材の受け皿として設けられた特定技能制度に一本化すべきだ。
    問題の根源は、海外からの労働力の調達を優先し、外国人の働く環境の整備や生活支援を二の次にしてきた政府の姿勢にある。
    政府は外国人材の生活支援策をまとめ、改訂を重ねている。日本語学習や子どもの就学の支援をはじめ多彩な項目からなるが、問題は実行のスピードの遅さだ。
    支援策が掲げる「共生」への道のりは遠い。外国人を単に労働力とみる意識を除くことが先決だ。

    (社説)技能実習は速やかに廃止を: 日本経済新聞

    [社説]技能実習生 応急措置後を見すえよ:朝日新聞2020年4月30日

    あくまで新型コロナウイルスの感染拡大に伴う応急措置である。多くの矛盾と問題をはらむ制度自体をなし崩しに温存することがあってはならない。
    あらかじめ働く場を決め、原則として転職できない外国人技能実習制度で、政府は職種の変更を認める仕組みを導入した。
    観光・製造業などに就いていた実習生が休業に伴って職を失う一方、入国規制で新たな実習生が来日できなくなった影響で農漁業や介護分野では人手が足りない。そんな実習生と事業者を政府がつなぎ、向こう1年働ける在留資格を認める。
    コロナ禍は世界に広がっており、仕事をなくしながら帰国もままならない実習生は少なくあるまい。放置するわけにはいかない。この手当てで助かる事業者がいるのも確かだろう。
    ただ、技能実習をめぐっては、低賃金労働や長時間の残業、雇用主による暴力など、様々な人権侵害が後を絶たないことを忘れてはならない。
    政府は実習生を受け入れてきた事業者に対し、まずは雇用の継続を指導すべきだ。どうしても難しい場合は、本人の希望に基づき、働き手を求める事業者と結ぶ。これまでの受け入れで違反がないことが前提で、法令を守ることを確約させる。そうした手順をしっかりと踏む必要がある。
    職を変える実習生は、都市部から地方へ移るケースが多いと見られる。コロナ感染は大都市圏で目立つだけに、受け入れ先で不安をもたれる恐れもある。事業者の近隣住民を含めた周知と合意形成が欠かせない。
    最長1年のつなぎ期間を経た後、実習生は政府が昨年4月に新設した「特定技能」制度に移ることとされた。人材育成を通じた国際貢献を掲げる技能実習とは別に、外国人労働者の受け入れ拡大を狙った試みである。
    この特定技能制度も、基本的に最長5年の滞在後は帰国させ、家族の帯同を認めないなど問題が多い。政府・与党が拙速に導入したこともあり、昨年末時点で2千人にも達しない。
    一方で技能実習生は増え続けており、約41万人に及ぶ。事業者が圧倒的に強い立場にあるだけに、制度を残す限り、人権侵害の根絶は困難とみるべきだ。
    コロナ禍は、日本社会が外国人の働きに頼る現状を改めて浮き彫りにした。労働力ではなく、生活者として受け入れる。この基本に立って、官民の関係者には技能実習生の暮らしぶりへの目配りを怠らないでほしい。その上で、今回の応急措置を制度の縮小・廃止への起点としつつ、海外の人材にかかわる仕組み全体の見直しを急がねばならない。

    (社説)技能実習生 応急措置後を見すえよ:朝日新聞デジタル

    技能実習制度を残すべきだという意見の数々

    経済同友会 『多様な人材の活躍に向けた現状認識と課題~兼業・副業の促進と特定技能制度の定着などを中心に~』 2020年7月 抜粋

    (4)特定技能制度の課題
    1 特定技能制度と技能実習制度の接続
    現行の特定技能制度は技能実習制度の移行を前提とした制度である。これに対して、本会は提言で、国際貢献を目的とする技能実習制度と労働力不足への対応策として創設された特定技能制度では目的が異なるとし、両制度の本来の目的を踏まえ、両制度は接続させず、それぞれ独立した制度として運用すべきと主張している。また、本会は技能実習制度については、実習のニーズの状況を踏まえ、廃止も視野に入れた制度の見直しが必要との立場を取る。
    特定技能制度に関係する企業、団体からヒアリングを実施したところ、本会の 意見に対して、特定技能制度の登録支援機関である東洋ワークの須佐社長からは、 賛同する意見を得た。一方で、技能実習制度の監理団体で特定技能制度の登録支援機関でもある国際労務管理財団(IPM)の伊瀬専務理事は「両制度を接続させず」「技能実習制度の廃止も視野に入れる」という本会の意見に対して反対を表明し、両制度を密接に接続させる工夫を加えて、それぞれの改善を図っていくべき、とした。また、会員企業へのアンケート調査によれば、特定技能制度と技能 実習制度の接続・併存に対して、制度を複雑化しているとの意見、また現行の技能実習制度の問題点として、受入れ企業の待遇の低さを指摘する声があった。

    <特定技能制度登録支援機関の意見(東洋ワーク 須佐社長)>
    〇特定技能制度と技能実習制度は独立した制度として運用すべきという同友会の提言は、まさにその通りである。技能実習制度で3年実習した後、そのまま特定技能制度に移行し、5年間日本で働くというのはおかしい。
    〇日本の技能実習制度は、労働と技能を学ばせることが混在してしまっている。単純労働者と技能実習生とは区別すべきである。特定技能制度についても、1号と2号を分けるのはいかがなものか。労働は単純労働として、特定の国から受入れ人数の上限を決めて受け入れるべきである。特定技能制度については、1号と2号の区分を撤廃すべきである。2号のみ家族帯同となっているのは制度に偏りがある。特定技能制度については滞在期間を10年としたうえで、家族帯同可能とし、留学生の在留資格と同様、家族は18歳以上であれば週 28時間まで働いてよいとすべきである。

    <技能実習制度監理団体・特定技能制度登録支援機関の意見(IPM 伊瀬専務理事)>
    〇特定技能制度を技能実習制度と独立した制度として運用するという提言には、反対。二つの制度は「技術移転・国際貢献」と「人材不足を補う」という共通の目的に統合する方向で、当面、両制度の適正な運用を図りながら、両制度を密接に接続させる工夫を加えて、それぞれの改善を図っていくべき。
    〇技能実習制度は「政策転換」を反映した制度の発展方向で見直すべき。まず技能実習に「人材不足を補う」という目的を加え、人手不足を補う必要が客観的に認められる業種に門戸を広げ、海外諸国の人づくりに貢献しながら、人手不足を解消し、産業を発展させる方向に制度改正することを期待したい。
    〇技能実習は技能を学び、日本の仕事の進め方や社会生活を経験するいわば「義務教育」として、さらに、より高度な技能を有する人材について、家族の帯同も認める「特定技能」として位置づけていくのがよい。

    多様な人材の活躍に向けた現状認識と課題
    ~兼業・副業の促進と特定技能制度の定着などを中心に~

    日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑応答

    意見交換会でのご意見・ご要望
    日本政府としては、将来的に技能実習から特定技能にシフトチェンジしていく方針ですか?あるいは今後も並行していくのですか?

    木村義雄先生の回答
    技能実習は様々な問題点がありました。
    特に海外の人権論者の方から、技能実習は技能習得ではなく労働ではないか。しかも奴隷労働だという大変厳しいご意見がありました。
    そのことを受けて、2年前から特定技能という新しい制度をスタートしました。
    技能実習の目的は、国際貢献であり、日本で勉強をしてしっかりと仕事を学び、今後母国で活躍していただくというのが大前提です。
    それに対して、特定技能というのは正面から労働として入国していただこうという制度です。
    将来的には、技能実習は国際貢献の1つとして純化されていくと考えます。もちろん直ちになくなるわけではなく、徐々に純化されていくでしょう。
    そして特定技能は、正規の労働として行っていただくということです。
    特定技能に関しては2年後の見直しを本年度から(2021年4月から)スタートする予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で1年延びました。
    ですので、来年の4月から(2022年4月から)特定技能においては様々な見直しが行われます。
    技能実習に関しては、(2019年の)5年後の見直しが予定されています。すでに2年経っていますが、コロナで1年伸びましたので、今から4年後(2025年)の見直しの中で技能実習をどのように純化していくかを決めていきます。
    直ちに、様々なことが変化するのではなく見直しの中で今後の方針を決めていくということであります。

    日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑応答より

    技能実習制度の今後について

    目的は崇高な技能実習制度ですが、本来の目的が達成されないのであれば、やり方が間違っているか、そもそもできないかのどちらかになります。上記の課題の解決には少なくとも次の打ち手が必要になると思われます。

    日本の技能実習の実態を正しく技能実習候補生に事前に説明をおこなう送り出し機関の選定と制限

    日本へ技能実習生を送り出すことで技能実習生から手数料を得ているビジネス目的の送り出し機関が一大ビジネスとして現地で成り立っているケースが多々あり、そのような送り出し機関では、ブローカーなどに多額の手数料を支払い、技能実習生希望者を募集しています。ブローカーは日本の技能実習生の知識があるわけでもなく、正しくない情報も含めて希望者を口説いているケースが多いと思われます。結果、実態とはかけはなられた収入が得られると夢をもち、どのような技術が得られるかもわからないまま多額の借金を抱えて来日することになります。

    きちんとした技能実習ができる実習実施者のみの認定。および、実際に運用がなされているかの監査と問題がある場合の徹底した行政指導

    計画認定された技能実習が行われているか、実際に技術は身についたかの評価に加えて、労働力補完の目的と言えないかを評価する仕組みが必要だと思われます。すでに、他国や人権団体、いくつかのメディアからは上記のような実態から奴隷制度と揶揄されており、もぐら叩き的な対応ではなく、制度および運用の見直しが必要だと思われます。

    前者は日本だけでは対応が難しく、ブローカーの排除についても含めると日本のみで対応できません。前述したとおり、悪質な送り出し機関やブローカーは巧妙で、送り出し国政府が罰したとしても、その関連会社が現れ、同じことの繰り返しになっているようです。

    一方で後者については、日本政府が本腰を入れ、制度を改善し外国人技能実習機構による運用を厳格化すれば、自国でなんとか解決できます。
    技能実習制度の問題点は、すべての技能実習現場で発生しているわけではありません。
    一部の悪質な実習実施者や、それを野放しにする悪質な監理団体がその問題のほとんどを発生させています。

    2021年7月2日に私達が主催して開催した「日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会」でも、多くの監理団体や人材会社から技能実習制度の存続について質問がありました。
    前自由民主党外国人労働者等特別委員会委員長の木村義雄先生も「技能実習制度の純化」が必要だと回答されておられます。
    つまり、技能実習制度の原点に立ち返り、国際貢献と技能移転の制度に立ち戻ること、一切の法令違反を認めないように外国人技能実習機構の運用を厳格化することで、本来の技能実習の姿に戻し、特定技能制度との共存を図ることが不可欠と思われます。

    企業人事としてできること

    外国人を受け入れる企業の人事部門としては、節度ある「技能実習」の利用が必要です。「技能実習」について制度通りの遵法な運用を行わなければ、奴隷契約と言われてしまうレピュテーションリスクがあります。制度をきちんと設計し、万一の時にも世の中に対して胸をはって、「うちの企業は大丈夫」と言える状態にしておきましょう
    すでに技能実習制度を利用しているのであれば、特に問題となっている実習の超過時間はどれほどなのか、超過時間分についての法定労働時間超過分に該当する部分については1分単位で全額残業代が支給されているか、割増残業代は支払われているかを再度確認しましょう。
    最近では技能実習生の現状を知った様々な相談を受ける機関ができており、支払われていない賃金については実習終了が近づいてきたらまとめて請求を行うような取り組みも行っている機関もあります。
    技能実習の残業代不払いから労働基準監督署の査察が入り、結果、全従業員への未払いが発覚し、全員分の支払いが必要となったケースもありますので、今一度見直すべきだと思います。

    また、技能実習生が本当に満足して実習をしているかどうかを再確認する必要もあると思います。
    ある監理団体の調査では、実習先の技能実習生の半数以上が現状に不満足で、「できることなら転職したい」と回答したとのことです。
    これは由々しき問題であり、今一度監理団体と実習実施者は、技能実習生一人ひとりに対して、母国語の通訳を介して「現状の問題点はあるか」「不満はあるか」「どうしてほしいか」を綿密に聞き取り調査し、技能実習生の満足度向上について早急な対策、改善を講じるべきと思います。

    まとめ

    技能実習制度は日本だけで解決できる問題と、日本だけでは解決できない問題があり、正しく運用されるには多くの課題を解決しなければいけない現状にあります。
    日本政府も特定技能についてはこれからも対応できる業務分野を広げていく考えを出しており、これからはその流れのなかで、特定技能・技能実習を正しく活用していくことが重要になってくるでしょう。
    最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。制度を利用する際の参考になれば幸いです。

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  • 2022.02.17技能実習生の失踪問題|防止策は?起きてしまったときの対応について

    日本で働く技能実習生は年々増えていますが、それに伴い、失踪する人も増えています。失踪すれば、「技能実習」の在留資格は取り消しとなり、不法滞在となってしまいます。日本にいられなくなる危険を冒してまで、技能実習生が失踪するのはなぜでしょうか。
    この記事では、技能実習生の失踪理由や防止方法、失踪してしまった時の対応について解説します。

    目次

    1. 技能実習生が失踪する理由とは?
      1. 企業側の待遇の問題
      2. 実習生側の経済的な問題
    2. 技能実習生の失踪を防止するには?
      1. 適正な送り出し機関を利用する
      2. 良い監理団体を選ぶ
      3. 技能実習生に、待遇の説明をしっかり行う
      4. 面接時、実習生に借金の額や返済計画を確認する
      5. 実習生の待遇や生活環境を整え、相談しやすい体制を整える
    3. 技能実習生が失踪した時の対応法
    4. 技能実習生が失踪した場合、企業へのペナルティは?
    5. まとめ

    技能実習生が失踪する理由とは?

    技能実習生の失踪率は、全体の約2%です。受け入れ数が年々増えているのに伴い、失踪数も増えており、2016年に5,058人、2017年に7,089人、2018年に9,052人、2019年8,796人となっています。
    技能実習生が失踪してしまう理由は大きく分けて2つあり、企業側の待遇の問題と、実習生側の経済的な問題があります。
    参考:法務省 報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」

    企業側の待遇の問題

    賃金の未払いや人権侵害、劣悪な労働環境が原因で、技能実習生が失踪してしまうことがあります。技能実習法では不当な待遇を禁止していますが、それに違反する企業もあります。
    賃金の未払いや労働基準法、安全衛生法の違反、出入国管理法の違反などにより、実習の認定を取り消された企業は、2019年に約20社、2020年に約90社ありました。
    賃金の未払いにもさまざまなケースがあります。
    もともと約束していた給料を払わないという悪質極まりないものから、月給制なのに天候などの理由で勤務がなかったときに減額する場合、勤務したのに勤務しなかったことにする場合、拘束時間なのに理由をつけて勤務外にする場合、残業代を払わない場合、残業代を減額する場合などさまざまです。
    人権侵害もさまざまあります。
    国籍や宗教、肌の色や性別による差別。妊娠時の解雇。暴言などのパワーハラスメントなど、常識を持たない中小零細企業経営者やその従業員により不当な扱いを受けるケースがそれにあたります。
    また人権というワクを超えるケースもあります。不当な解雇、暴力などです。
    劣悪な労働環境の例は、長時間労働の強要、休暇を与えない、同僚によるいじめや暴言、寮が狭い・汚いなどがあります。

    実習生側の経済的な問題

    技能実習生は自国の送り出し機関に、日本語講習や寮の費用を支払っています。中には100万円以上を支払い、日本に来る人もいます。技能実習生が最も多いベトナムでは、平均月収が約3万円と言われおり、送り出し機関に支払う費用は、借金をしているケースも多いです。日本での技能実習生の給与が思っていたより低い場合、借金を返せない場合もあります。そのため、もっと稼ぐために悪徳ブローカーの誘いに乗って失踪する場合があります。技能実習生が実習以外の職につくのは違法ですが、それをわかっていても、借金の返済や母国への仕送りのため、失踪して不法就労を行うケースが増えています。

    技能実習生の失踪を防止するには?

    技能実習生の失踪を防ぐためには、採用前に技能実習について理解してもらうとともに、実習先のの労働環境や住環境、相談体制の整備が大切です。ここでは、失踪を防ぐポイントについて説明します。

    適正な送り出し機関を利用する

    悪質な送り出し機関の中には、実習生から渡航費や失踪した場合の保証金を徴収しているところもあります。技能実習法ではこれらの徴収は違法のため、法律を守り、適正な額を徴収する送り出し機関を選びましょう。外国政府によって認定されている送り出し機関は、外国人技能実習機構のホームページに掲載されています。
    しかし「適正な送り出し機関を選ぶ」ことこそが、なによりも難易度が高いのも事実です。なぜかというと、技能実習生受け入れ企業(実習実施者)は選んだ監理団体が指定する送り出し機関を選ばざるを得ないからです。
    また監理団体にとっても「適正な送り出し機関を選ぶ」ことはとても難しいです。なぜなら送り出し機関はどこもいいことばかり言って、実態を隠しているところが多いからです。視察や面接に行ったときだけ、立派な送り出し機関であるように見せかけるところも多いです。そして送り出し機関による過剰な接待やバックリベート攻撃で、正常な判断を失ってしまう監理団体も多いのです。

    良い監理団体を選ぶ

    採用で良い人材を見分ける工夫を行い、日本に来た後のサポートもしっかりしている監理団体を選びましょう。長年の実績がある監理団体では、トラブル対応に慣れています。技能実習生と企業との間に入って問題を解決してくれるところや、常駐の通訳を置いていて、技能実習生が相談しやすい環境を整えている監理団体を選びましょう。
    また監理団体には「優良」と「普通」の監理団体があります。できれば優良な監理団体を選びましょう。優良な監理団体は「一般監理事業」と呼ばれ、普通の監理団体は「特定監理事業」と呼ばれます。優良な監理団体は、国の機関である外国人技能実習機構の厳しい審査基準をクリアしています。審査基準はポイント制で、優良認定を受けるためには一定の点数を超えなければなりません。また基準点数を満たさなくなると優良認定が取り消しになるというとても厳しい審査基準をクリアしていますので、かなり信頼できると言えます。

    技能実習生に、待遇の説明をしっかり行う

    企業が正当な給与を支払っていても、「思っていたより少ない」と感じる技能実習生もいるようです。これは、実習生が額面の給与と手取りの金額の違いを理解していないからです。実習生に待遇を説明する際には、日本の法律に従い、給与から雇用保険や健康保険、国民年金などが控除されることを説明しましょう。また、家賃や水道光熱費、インターネット使用料を給与から差し引く場合には、丁寧な説明を行った上で賃金控除の協定書を結びましょう。後のトラブルを避けるため、控除される費用は適正であることや、控除後の手取りがどのくらいになるのかを、あらかじめ説明しておくことが大切です。

    面接時、実習生に借金の額や返済計画を確認する

    技能実習生は自国の送り出し機関に多額の費用を払っています。支払う費用を借金している場合、その額と返済計画を確認しましょう。例えば、実習生として働き始めてから月に15万円返済する計画の場合、給与の控除額と生活費を考えれば、とても現実的ではありません。借金を早く返済したい気持ちから、失踪して不法就労するケースもあるため、面接時に確認しましょう。

    実習生の待遇や生活環境を整え、相談しやすい体制を整える

    技能実習生の失踪は、賃金や残業代の不払い、パワハラなどが原因のこともあります。当たり前のことですが、給与は規定の額を給料日に振り込み、住環境を整えてください。また、技能実習生が相談しやすい体制を整えることも必要です。給与や待遇に問題がなくても、「帰国したくない」という理由で失踪する実習生もいます。普段から技能実習生を気にかけ、些細な変化に気づくことが大切です。

    技能実習生が失踪した時の対応法

    技能実習生が職場に現れず、連絡がつかない場合は失踪した可能性があります。その場合、次の手順で対応しましょう。

    ①監理団体へ連絡する

    技能実習生が失踪したら、監理団体へ連絡してください。受け入れ企業と監理団体で技能実習生を探します。

    ②技能実習生の状況を確認する

    会社の同僚や、近くに住む実習生がいたら、失踪した技能実習生について聞き取りを行いましょう。最後に顔を合わせたのはいつか、普段と変わったことはなかったか確認してください。また、技能実習生の部屋に入り、荷物を確認してください。貴重品や携帯電話、パスポートが置いてあった場合は事件に巻き込まれた可能性もあります。警察に捜索願を出しましょう。荷物や貴重品、パスポートが見つからない場合は失踪した可能性が高いです。送り出し機関や母国の家族にも連絡し、居場所を知っているか、失踪の気配があったかなどを確認しましょう。

    ③外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出」を提出する

    監理団体から外国人技能実習機構へ「技能実習実施困難時届出」を提出します。失踪先が判明している場合でも届け出の必要があります。
    技能実習実施困難時届出には、受け入れを行っている企業の情報や実習が困難になった理由、実習生の状況を記入し、提出します。
    届出の提出後は、外国人技能実習機構や出入国在留管理機関からの指示を受け、行動してください。

    ④退職に関する手続きを行う

    失踪する前日までの給与を計算し、支払い手続きを行います。また、社内の規定に基づき退職手続きを行いましょう。雇用保険、社会保険、厚生年金の資格喪失手続きなどが必要になります。

    技能実習生が失踪した場合、企業へのペナルティは?

    技能実習生の失踪が多い企業は、技能実習における「優良な実習実施者」の基準を満たせなくなる可能性があります。優良な実習実施者の対象から外れると、技能実習3号の受け入れができなくなり、受け入れ人数枠も規定の人数となってしまいます。

    「優良な実習実施者」の基準は、ポイント制です。150点満点中、6割以上の点数をとれば、優良な実習実施者となります。

    技能実習生の失踪に関する基準は次のとおりです。

    ・直近過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと。

    失踪者が0人 : 5点
    失踪者が10%未満又は1人以下: 0 点
    失踪者が20%未満又は2人以下:-5点
    失踪者が20%以上又は3人以上:-10 点

    ・直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること

    該当する場合:-50 点

    失踪者の基準に、割合のほか人数があるのは、受け入れ数が少ない企業に配慮しているからです。例えば、3年間で3人の実習生を受け入れている場合、1人が失踪すると、「失踪の割合が20%以上」となり、10点減点されてしまいます。この場合、「失踪者が1人以下」の人数での基準を適用すれば、減点はありません。
    ただし、受け入れ企業の「責めによるべき失踪」があった場合には、人数に関わらず50点の減点となります。現在、「優良」となるには150点満点中、6割以上の90点以上をとる必要があります。実習実施者の責任による失踪が起きた場合は、50点引かれるため、「優良な実施実習者」になるのは難しくなります。
    「責めによるべき失踪」は個別判断となりますが、給与を適切に払わない、劣悪な環境で働かせたなどの理由で技能実習生が失踪した場合が該当します。
    また、受け入れ企業が労働基準法や技能実習法に違反していた場合は、懲役や罰金などの罰則を受けることがあります。法令違反等がある場合、技能実習生の新規受入れが停止となることもあります。

    ★まとめ

    実習生が失踪する理由は大きく分けて2つあります。1つ目は実習生の待遇に関する企業側の問題、2つ目は多額の借金を抱えている実習生側の問題です。技能実習生の失踪を防止するためには、採用時に手取り額を含めた給与の説明を行うこと、実習生の借金の返済計画を聞くこと、実習開始後の給与・労働環境・住居環境を整えること、気軽に悩みを相談できる窓口を設けることなどです。万が一、技能実習生が失踪した場合はすぐに監理団体への報告が必要となります。技能実習生の失踪が多い場合、企業は「優良な実習実施者」の基準を満たせなくなる可能性があります。また、技能実習生の失踪原因が企業の受け入れ体制の問題だった場合、技能実習法や労働基準法に違反している可能性があり、法に基づく罰則や新規受け入れ停止の措置を受けることがあります。

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  • 2022.02.16ポストベトナムの最有力国、ミャンマーはなぜ注目されているのか?セミナー大公開

    目次

    1. なぜミャンマーなのか?
      1. 日本に行きたい強い理由がある
      2. 日本人に近い国民性
    2. ミャンマー・ユニティが選ばれる理由
      1. ミャンマーNo.1の実績
      2. 面接候補者がとても多い
      3. 高度な日本語教育
      4. 法令遵守
      5. 人材募集力
      6. オンライン面接の質
      7. 即戦力人材を養成する介護教育
      8. アフターフォローが充実
    3. ミャンマーの仏教思想ついて
    4. ミャンマーの国民性
    5. なぜミャンマー人材の評価が高いのか
    6. これから面接をすると、いつ入国できるのか?
    7. ミャンマー人は普通に入国できるのか
    8. 今ミャンマー人を選ぶべき理由
      1. 候補者が圧倒的に集まります
      2. 大勢の候補者がいるため、満足のいく人選ができます
      3. 内定者のキャンセルがかなり少ない
    9. 質疑応答
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    北中 彰 ミャンマー政府認定圧倒的No.1人材送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」グループCEO・株式会社スリーイーホールディングス 代表取締役社長・スリーイーグループCEO

    1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学卒業後、コンピューターサービス株式会社(現SCSK株式会社)に入社。のち1990年12月に株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業し、代表取締役就任。トナーカートリッジ、インクカートリッジにおける環境問題に着目し、カートリッジリサイクル事業のパイオニアとなる。
    2012年よりミャンマーに進出。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、グループCEOに就任。2019年12月にミャンマー国内での総送り出し人数No.1となり労働大臣より表彰を受ける。MOEAF(ミャンマー送出機関協会)の2023年9月発表では2位との差が約2.4倍の圧倒的No.1人材送り出し機関となる。現在では、ミャンマー有数の日本企業経営者として、日本の少子高齢化による人材不足問題に着目し、全国で技能実習や特定技能など外国人雇用に関する講演会および情報発信を精力的に行っている。
    そのほか、3E Global Co.,Ltd Chairman、3E Yangon Co.,Ltd Chairman、株式会社サップ代表取締役、オフィネット・ドットコム株式会社代表取締役。
    日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、 日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えることを目的として設立された⼀般社団法人外国人雇用協議会理事
    日本で働きたい人が世界一多い国ミャンマーの若者に、日本で働くという夢と希望を与えるため、「なぜ今、ミャンマーなのか?」~人材不足解消の最後の切り札~を2024年11月に出版。
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    大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者

    大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
    2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。

    なぜミャンマーなのか?

    なぜミャンマーなのか。それは日本人に近い国民性を持ち、日本に行きたい強い理由があるからです。

    日本に行きたい強い理由がある

    日本に行きたい理由は、

    ①優秀な若者が多いが、いい仕事につけるチャンスがなく給料が安いこと

    ②就職したとしても地方での簡単な仕事では月給が7,000円程度しかもらえないこと

    地方での簡単な仕事(レストランのウェイトレスや店員など)では月給が7,000円程度しかもらえません。
    2021年2月からクーデターが発生し、ミャンマー国内状況が悪化したため、様々な欧米企業がミャンマーから撤退し、さらに仕事がなくなり、現在ミャンマー国内は失業者が160万人以上増えたと報道されています。
    またミャンマーの通貨が暴落し、貨幣価値が以前の3分の2位となりました。そのため、輸入品に頼っているミャンマー経済は、物価が1.5倍に上昇しました。
    ミャンマーでは今、仕事がなく、生活は苦しく、家族が食べていけない状況になっており、家族を養うために家族の中で1人か2人は海外へ働きに行かなければならない切実な状況になっています。

    ③海外で働く国として日本が一番人気である

    世界中の発展途上国から見ると、日本は出稼ぎ対象国としてどんどん人気がなくなってきています。
    日本は30年間給料が上がっていません。そんなデフレ経済の日本は外国との比較において、相対的な地位がどんどん低下しており、働く先としての日本は魅力のある国ではなくなってきています。
    今、日本が選ばれない国となってきているのは、非常に切実な問題です。
    なおかつ、岸田政権は外国人の入国をほぼ完全にストップしています。(2022年2月16日現在)留学生、技能実習生、労働力も全部受け付けないということをやっている日本はさらに嫌われていくという状況です。
    そのような中でもミャンマーだけは、海外で働く国として日本が一番人気です。その理由は、歴史的な理由、宗教の理由、国民性等、様々あります。
    今ミャンマーでは、クーデターの影響で、海外で働きたい人がすごい勢いで増えており、出稼ぎ先の一番人気は日本。そして、日本で働きに行くとしたらどこを頼るかというと、ミャンマーNo.1の送り出し機関で、信用度の高いミャンマー・ユニティを頼るという状況で、今ミャンマー・ユニティには応募者が殺到しております。

    日本人に近い国民性

    ④国民の9割が敬虔な仏教徒で、仏教文化が根付いている

    ⑤心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目、犯罪が少ない

    ミャンマーは国民の9割が敬虔な仏教徒です。ミャンマーの仏教は上座部仏教(小乗仏教)という仏教で、とても信心深く、心がとても純粋で、勤勉で真面目です。またミャンマー仏教は「現世で徳を積むことにより、来世で報われる」という思想であるため、アジアで最も貧しい国であるにも関わらず、日本並みに犯罪が少ないことも特徴です。

    ⑥日本人と価値観が合う(控え目・身勝手な自己主張を避ける)

    ミャンマーの方々は、とても控えめで、身勝手なことを言わない国民性で、とても日本人に近いです。
    ミャンマー・ユニティも、ミャンマーで135人のミャンマー人の方を雇っておりますが、協調性の高い方々でとても仕事がやりやすいです。

    ⑦日本語とビルマ語の文法が似ており日本語の上達が早い

    日本語とミャンマー語は文法が似ているため、ミャンマーの方は日本語の上達がとても早いです。
    例えば「私はお茶を飲む」。これが基本的な日本語の並びです。世界中の外国の言語は、「私は飲む、お茶を」という並びが多いと思います。
    ところがミャンマー語(ビルマ語)は日本語と並びが同じです。また私【は】や、お茶【を】などの助詞を使います。ですから単語を覚えれば文章になるので、ミャンマーの方々がとても記憶力が高いこともあって、日本語の上達はとても早いです。
    また、ミャンマー語は280音で構成されており、その中には日本語の50音と似ている発音も多数あります。そのため、ミャンマー人の方は日本語の発音も難なく習得ができる傾向があり、ミャンマー人の方が話す日本語は他国の人材と比較して、とても聞き取りやすいと言われています。

    ⑧ベトナムの次に人口の多い仏教徒はミャンマーである

    外国人技能実習生やその他の在留資格もですが、日本は外国人労働力を主にベトナムに頼ってきました。
    しかしそのベトナムも著しい経済発展により、日本に行って働くことの魅力がどんどんなくなってきており、日本に行こうとする人がどんどん減ってきており、また人材の質の低下に悩んでおられる方が増えてきました。
    特に不人気な職種、例えば介護・建設・農業や外で働く仕事などは、労働環境が厳しくきつい仕事です。こうした3K業種は特にベトナム人が希望しなくなってきました。 ベトナムでは人が集まらないのでいい候補者が集まりません。そうなると少ない候補者の中から無理矢理選考をすることになり、後々いろいろと問題が起こる可能性があります。
    もうベトナム人の受入れは難しい、という声が非常に強くなってきているので、その次の国を探す動きがでてきています。

    外国人技能実習生在留状況【2019年6月時点】
    図1

    今回のセミナーは「ポストベトナムの代わりになる人材送り出し国はどこだ」がテーマです。

    ベトナムは経済発展著しく、ベトナム国内で十分に仕事があり、十分に良い給料の高い仕事があるので、いい人はもう日本にはやってこなくなりました。
    さらに、外国と比べて日本の相対的地位が低下していることにより、日本に来る人はさらに少なくなっています。ベトナムは今後、人材送り出しの数はどんどん減っていくと想像できます。
    中国も一緒です。世界第2の経済大国中国も、日本と相対的地位がだいぶ接近してきており、これからは人材送り出し国として期待ができません。
    フィリピンは本来であれば期待できるのですが、フィリピン政府の規制が非常に厳しく、フィリピンからの人材受け入れが難しいと感じていらっしゃる方は非常に多いと思います。
    インドネシアは人口が多く本来期待できるのですが、仏教国がいいという声が多いです。
    タイは経済発展著しく期待できません。
    カンボジアも本来期待できるのですが人口が少なく、ミャンマーの約3分の1位の人口です。また教育水準が低く、文字が書けない読めない方が国民の4割位います。文字が読めない人は日本語の教科書も読めないので、日本語教育がとても難しいです。

    10年後の送り出し国順位予想
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    そうなると「やはりミャンマーだね」となります。
    これは私の個人的な予想ですが、10年経ったら色々な国が経済発展をしていき、GDPは10年で倍くらいになります。そうするとさらに日本に行く意味がなくなってきます。
    一方でミャンマーは2021年2月の軍事クーデターにより、経済が悪化し日本との格差がさらに開きました。
    ですから10年後にはミャンマーが日本への一番の人材送り出し国になっていくと予想しております。また、今後しばらく経済格差が続きますので、今後30年間はミャンマーから日本への人材送り出しが期待できると思います。

    ミャンマー・ユニティが選ばれる理由

    ミャンマーNo.1の実績

    我々の累計送り出し人数は1,381名です。
    ベトナムなどに比べると全然大した人数ではないのですが、これでもミャンマーでトップの送り出し人数です。介護職(185名)が多いことが特徴です。
    現在、コロナ規制が続いており、入国待ちの内定者数が1,166名おります。そのうち介護職が258名おります。(2022年2月16日現在)

    面接候補者がとても多い

    また、面接を待っている候補者がとてもたくさんおります。
    面接の候補者も誰でも登録すればいいということではなく、ミャンマー・ユニティで一次選考して合格した方々を面接待機者と呼んでおります。
    ミャンマー・ユニティで教育をし、授業態度が良いかどうか、またテストを受けてもらい良い成績を収めるかどうか、また人物的に素晴らしい人材かを判断しています。
    そして日本に行ってやっていける人材、我々が大丈夫だと自信を持っていえる人材が、介護以外の職種で1,488名、介護職種で701名、いつでも面接を待っている状態です。(2022年2月16日現在)

    中でも、介護職の面接待機者が多いことが特徴です。介護職は世界的にで人気がない職種です。日本でも日本以外の国においても、介護をやりたいという人はなかなか集まらない傾向にありますが、ミャンマーだけは特別で、介護職に人気があります。
    理由としては、年長者を敬う文化があること、大家族でおじいちゃん、おばあちゃんの面倒を家族がみることが当然であること、そして高齢者が大好きな方が多いことです。
    また、ミャンマーの上座部仏教には「功徳を積む」という考え方があり、「体の不自由な高齢者を助けることが徳を積むことにつながる」と考えるミャンマー人には、介護職が人気なのです。
    日本でもその他の国でも介護職の候補者集めはとても苦労するのですが、ミャンマーだけは介護職の希望者がたくさんいるのです。
    また、ミャンマーの政変により経済が打撃を受け、日本で働きたい人がすごく増えました。そしてミャンマー・ユニティがNo.1で信用度が高いので、日本に行くならミャンマー・ユニティということで候補者が殺到してきている状態です。
    ぜひ彼女彼らに、お仕事の機会を与えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

    高度な日本語教育

    ミャンマー人は日本語の上達が早いと申し上げましたが、出国時にN4の社内模擬試験に93%も合格しています。なぜJLPTではなく社内模擬試験なのかというと、JLPTは年に2回しか試験がないので、全員が受けられないためです。そのためJLPTと同レベルの社内模擬試験を行っているのです。
    介護職種においては、NATテスト3級に82%が合格して日本へ出国します。これほどまでに日本語教育水準が高い送り出し機関は世界中でもミャンマー・ユニティだけだと思います。

    高い日本語教育の根拠としましては、介護以外の職種で5ヶ月700時間の日本語教育、介護職種で10ヶ月1,400時間の日本語教育を行っていることが挙げられます。
    しかし日本語教育は、ただ試験に受かればよい、ただ単に読み書きができればいいということではありません。
    日本に来ての最重要課題は日本語力だと思います。日本語がしっかりできていないと、聞いて話すコミュニケーション力がないと様々な問題が起こる原因となります。
    よくある話で、「これをやっておいてください」と外国の方にお願いしますと、皆さんわかっていなくても「わかりました」と言いますが、実際に仕事をしてもらうと全然言う通りにやってくれないということがよくあります。
    「なぜやらないのだ」というようなことを日本人が言うと、外国の方は怒られたと思いショックを受け、だんだんと日本人職員と心が離れ、亀裂が生じることになります。
    また、日本語を理解していない外国人が「わかりました」と言ったことにより、業務上の重大な事故が起こる可能性もあります。特に建設現場では大きな事故が発生したり、介護現場ではご高齢者の命に関わるような事故が起こる可能性もあります。
    心が離れていく、あるいは事故が起こるかなりの原因が、日本語力が不足しており、日本語のコミュニケーション力が足りていないことが原因なので、我々は日本語のコミュニケーション力が非常に重要だと考えております。
    ですから、ミャンマー・ユニティでは、ただ単に試験に受かるための教育をするだけではなく、会話力を上げるために、日本人の日本語の先生が毎日最低1時間は会話授業を組み込んでおります。
    現地人の日本語教師を雇うのに比べて、日本人の日本語教師を雇うとコストが10倍くらい多くかかりますので、当社以外の送り出し機関ではほとんど日本人の日本語教師を雇っていないと思います。
    さらに昨今の新型コロナウイルスの蔓延による日本の外国人入国規制により、ほとんどの送り出し機関は経営が悪化し、日本人教師を軒並み解雇しているところも多いようです。
    ですから、この日本人日本語教師による綿密な日本語コミュニケーション教育は、ミャンマー・ユニティの最大の特徴となっております。

    逆に入国後講習において、「他の送り出し機関から来た技能実習生と、ミャンマー・ユニティの技能実習生をいっしょに混ぜて日本語授業を行うと、ミャンマー・ユニティの実習生の日本語力があまりに高いため授業がうまくいかない。日本語レベルが違いすぎるので、授業のクラスを分けている」という声も聞かれるくらいです。

    法令遵守

    技能実習制度は奴隷制度だとか、技能実習生が日本でひどい目に遭っているというような批判が内外で起こっています。

    本来ベトナムでは3,600ドル、ミャンマーは2,800ドルしか本人からは徴収してはいけないというルールですが、ほとんどの送り出し機関はそのルールを守っていません。
    ほとんどの送り出し機関はあれやこれやと理由をつけて、それ以上の金額を徴収しています。教育費だとか、手続き費用だとかいろいろ理由をつけ、ひどいところでは総額100万円とか150万円を徴収しています。
    それを高利貸しから無理やり借りさせてとんでもない状態で日本に連れてくるということが起こり、失踪したり実習先から逃げ出し、悪い集団に入って悪いことをする。こういったことが問題発生の原因だと言われています。
    ミャンマー・ユニティでは、この問題を防ぐためにミャンマーで決められた2,800ドルしか絶対に本人から徴収しません。
    色々な教育費・手続き費用などの名目で別途徴収することも絶対にいたしません。

    技能実習生の本人負担を減らすには「3大悪」を排除しなければなりません。

    ①過剰な接待をしない

    本人負担が増える原因の1つ目は「送り出し機関による過剰な接待」です。
    以前は我々もミャンマーへ来た方々から、当然のごとく接待を要求されるということがよくありました。しかし私たちは接待こそが本人負担が増えてしまう原因だと考え、そういった要求を一切断ってきました。

    ②一切のバックリベートを払わない

    本人負担が増える原因の2つ目は「バックリベート」です。
    以前は監理団体の方が「ミャンマー・ユニティから技能実習生を受入れしたらいくらくれるのだ」と我々にバックリベートを要求することもよくありました。こういった要求も我々は一切断ってきました。
    以前は接待すること、リベートを払うことはごく当然のこととして横行していたので、これらの要求を断るミャンマー・ユニティは、当然のように要求する監理団体の人たちからはかなり嫌われました。接待をする、あるいはリベートを払うという悪い習慣がさも当たり前という世界が存在していました。
    「接待は一切やりません」「リベートは払いません」と言うと、「なんでミャンマー・ユニティはやらないのだ、であれば取引しない」というようなことをたくさん言われました。
    現在は外国人技能実習機構がそのような悪い習慣を徹底して取り締まるようになりましたが、今でもたちの悪い監理団体の方がこういったことを要求してくる場合があります。
    しかし我々は一切断ります。なぜ断るかというと、この接待したお金やリベートがそのまま技能実習生本人の負担に跳ね返るからです。
    本人負担が増えて、技能実習生の借金が増え、それが問題発生の原因になるため、こういった要求は一切お断わりしております。

    ③ブローカーを介さない

    本人負担が増える原因の3つ目は「ブローカー」です。
    ミャンマー・ユニティは、ブローカーを一切使いません。
    ブローカーにも色々ありますが、一般的に送り出し機関は人材を集めるのが難しいので、地方の有力者などに人集めを頼みます。もちろん無料ではやってくれないので、1人当たりいくらとか、何十万とかをそのブローカーに払うことになります。そしてそのお金が本人負担に跳ね返ることになります。
    またブローカーにはもう一つあります。
    「日本に行きたいのであれば、俺に金を払え、俺に金を払ったらいい送り出し機関紹介してやる」と現地の方に口利きをするブローカーもいます。つまり、日本に行く候補者を集める際にもブローカーが暗躍するのです。
    ミャンマー・ユニティは、こういった人材集めのブローカーも一切使いません。

    ミャンマー・ユニティは技能実習生本人から2,800ドルしか一切徴収しないということで問題発生を防いでおります。2,800ドルしか絶対徴収しないということも、我々がミャンマーでナンバーワンの評判になる大きな理由です。
    ミャンマー・ユニティは一番少ない費用で日本に行け、ミャンマーでNo,1の送り出し機関ということでミャンマー人の間では「日本で働くのであればミャンマー・ユニティ」ということがほぼ常識となっており、我々の所に人材が集まってくるのです。

    人材募集力

    すべての外国人が日本で働くことを望むわけではありません。特に昨今は日本の相対的地位が低下していることから、日本が働く国として「選ばれない国」になりつつあります。
    また、特に不人気な職種においては、人材を集めること自体がとても難しくなってきております。
    介護業界、建設業界、農業などは、日本でも不人気であるとともに、もうアジアの国々においても希望者を集めることは困難になってきております。

    そのような中で、ミャンマー・ユニティは抜群の人材募集力により、豊富な人材を集めることができます。

    ①ミャンマーNo.1の評判により人材が集まる

    ミャンマー・ユニティは、ミャンマーNo.1の日本への送り出し実績があるミャンマー最大の人材送り出し機関です。 また技能実習生本人の負担金額が2,800ドルだけなので、他の送り出し機関より費用負担が少なく、その評判がミャンマー国内で駆け巡っており、ミャンマー人に絶大な信用があります。
    ですから、「日本で働くならミャンマー・ユニティだね」と、日本で働きたいミャンマー人が、ミャンマー・ユニティに殺到しております。
    2021年のクーデター発生により、経済が壊滅的な打撃を受け、生活困窮者が増大しており、さらに海外での出稼ぎ需要が増えていることから、「出稼ぎに行くなら日本」「日本で働くならミャンマー・ユニティ」と当社に応募が殺到しております。

    ②ミャンマー全土の日本語学校と提携している

    ミャンマー・ユニティは、ミャンマー全土の日本語学校と提携しております。
    ミャンマーでは、日本語学校で日本語を学んでいる人は意外にたくさんいます。日本語を学ぶ目的はさまざまです。ミャンマーに進出している日本企業に就職したい人、日本語の先生になりたい人、日本語の旅行ガイドを目指している人、そして日本で働きたい人などです。
    明確な目的がないまま日本語を学んでいる人もおり、そんな方々で真面目で優秀な方がいた場合、日本語学校の校長先生が「日本に行くならミャンマー・ユニティがいいよ」と我々に推薦してもらえる提携関係があり、優秀な生徒が紹介してもらえるのです。

    ③MJ Space(無料日本語オンライン学習)による募集

    ミャンマー・ユニティは、MJ Spaceという無料日本語オンライン教育サイトを運営しております。
    お金があり暇があって日本語学校に通える人はいいのですが、そうでない方もミャンマーにはたくさんおります。例えば、日本語学校に通うお金がない方や、田舎すぎて近くに日本語学校がない方や、家の農業をやるために自宅を離れられない方や、家族の面倒を見るために自宅から離れられないというような方も大勢いらっしゃいます。
    そういう方々も日本に行くことができれば人生が開けます。
    生活苦を打開するために日本に行きたい。しかし、日本に行くためには日本語の勉強しなければならない。でもお金がない。ではどうしたらいいのか・・・
    そのような日本語の勉強をする機会がない方々にも、等しく日本語を学ぶ機会を与えようという取り組みが「MJ Space」です。
    テレビもラジオも新聞もない貧しいミャンマーでも、携帯電話だけは普及しており、携帯電話の普及率は100%以上です。そんなミャンマーで、いつでもどこでも誰でもスマートフォンさえ持っていれば、無料で日本語を学習できるようなチャンスを与えよう。携帯電話さえあれば、貧しい方でも、環境的に日本語の学習が難しい方でも、MJ Spaceを利用してもらい日本語学習の機会を与えよう。それが「MJ Space」です。
    MJ Space は、FacebookとYouTubeで日本語無料オンライン教育を提供し、ミャンマー人に等しく日本語を学ぶ機会を与える取り組みをミャンマー・ユニティではすでに約2年やっております。
    利用者数は20万人を突破しています。
    そもそも外国語学習というのは、学ぶ強い意志と学習時間の長さがとても重要です。
    全ての人が日本語学習を強い意志で続けられるとは限りませんが、強い意志を持ち続けて学習を続ける方の中から日本語能力の高い人がどんどん生まれ、そういう方々がミャンマー・ユニティの面接候補者になるというしくみです。

    オンライン面接の質

    現在はコロナ禍により現地面接ができません。そのため、ミャンマー・ユニティでオンライン面接を実施しておりますが、その質は今や現地での面接を超えるものとなっております。

    ①事前に十分な資料をご提供

    事前に送付させていただく資料は以下になります。

    1. 候補者の履歴書
    2. Zoom面接のご案内
    3. 事前試験についての説明
    4. ミャンマーの学歴に関する説明
    5. IQテストサンプル
    6. 計算テストのサンプル
    7. 性格診断テストの加点項目チェック用

    ②Zoomにて面接

    オンライン面接は、Zoomを使って実施させていただきます。
    候補者全員、通訳、ホスト、サポートが出席いたします。

    ③オンライン面接の流れ

    オンライン面接は、候補者全員を参加させ以下の流れで進めます。

    1. 企業様からのご挨拶と会社説明(できれば動画、画像を使っていただき具体的にご説明いただきます)
    2. 一次面接(待機者は待機室へ移動)
    3. 二次面接(必要な場合)
    4. 体力テストと実技テスト(必要な場合)
    5. 再度個人面接(必要な場合)
    6. 合格発表

    ④YouTubeで事前に自己紹介動画等をご提供

    ミャンマー・ユニティのオンライン面接は、事前にYouTubeで動画を作成し、受入企業様にお見せしています。
    事前に、面接候補者本人に自己アピールや、家族のこと、住んでいる家、住んでいる地域の紹介をスマートフォンで動画を撮影していただき、弊社の動画編集チームが動画を編集、YouTubeにアップをし、そのリンクを皆様に事前にお伝えいたします。
    その他必要に応じて、実技テスト、体力テストも事前に録画して、 YouTubeのリンクを送付させていただくことが可能です。
    体力テストについては、カメラを置く場所を決めて家族に協力いただき、動画撮影を進めます。

    ⑤オンライン面接に対するお客様の高い評価

    これらの取り組みにより、ミャンマー・ユニティのオンライン面接はお客様から高い評価をいただいております。 オンライン面接に関するお客様の声をご紹介させていただきます。

    • 事前資料や画像が充実している。
    • 事前にもらうYouTubeのリンクについては、候補生の番号などのテロップ入りで、きちんと編集されており、面接後にも確認できるのでとても便利である。
    • 翌年の面接時にもかなり参考にできる。
    • 事前資料をいただくことで、面接当日は、候補生の雰囲気など確認するだけで選抜ができる。
    • 二日間の面接に及びましたが、一日目のZOOM面接の画像を、編集して、当日夜に送付いただき、翌日の面接の参考にできた。
    • 事前にいただく資料がかなり豊富であり、それらの資料とYouTubeのリンクの内容で、社内では一次選考が終わっている。
    • 面接の準備が企業側としてもしっかり行えて、当日も大変効率よく終えることができ、今後もミャンマーに行って面接する必要はないと感じた。

    コロナ前までは、面接となると1週間ぐらい時間をかけ、高額なお金を払いミャンマーへ行かれていたと思います。そして例えば10人採用するとなると、30人程度、2日がかりで面接をしていたと思います。30人も面接をすると、最後には誰が誰だかわからなくなってしまうということはよくあったと思います。
    しかし、YouTube動画があればいつでも見直すことができます。
    今までお金と手間暇をかけミャンマーに行き面接をしていたが、オンライン面接の方が時間もかからず、効率もいい。もうミャンマーに行って面接する必要は全くない、という声をいただいております。ミャンマー・ユニティでは非常に充実したオンライン面接を実施しております。

    即戦力人材を養成する介護教育

    ミャンマー・ユニティの介護教育は、即戦力人材の養成を目指し、日本の初任者研修の内容を教育しています。
    ポイントは以下です。

    1. 日本の初任者研修の内容をミャンマーの文化習慣に合わせてアレンジ
    2. 初任者研修終了レベルを目指す
    3. 出来るだけ座学に力を入れる(ミャンマーにいる間に基礎的内容を理解しておく)
    4. ミャンマー人介護教師を養成(介護授業の通訳・基礎部分指導)
    5. 最初にミャンマー人教師がミャンマー語で指導し、その後日本人教師が日本語で復習と補足を行う
    6. 実技はボディメカニクスを中心に行う
      施設によって様々な方法があること、ご利用者様一人ひとり違うことを説明する。なぜそのようなやり方なのか、 根拠を知ることが大事。基礎を理解していれば現場で応用できる。
    7. 専門用語や介護に関する単語を覚え、少しでも現場で役立つように指導

    介護とは、利用者様の命を預かる仕事です。
    日本語力がままならないN4レベルの人が日本に来て、日本語がよくわからない人に対して、日本で介護教育を行うのは無理があります。
    介護を理解していない外国人をそのまま現場に配属させると、命にかかわる事故が起きる可能性があります。 そのためミャンマー・ユニティは、ミャンマーにいる間に日本語力N3レベルにし、ミャンマーで初任者研修の内容の教育をし、なおかつ実技教育も行い、即戦力にして日本に送り出しております。
    カリキュラムは、座学と実技を合計168時間行っております。

    介護授業カリキュラム(全行程168時間)

    (1)はじめに 心構え、日本の高齢者施設について、高齢者体験、サービスの種類
    8h(座学・体験学習)
    (2)尊厳の保持、自立支援、介護保険、QOL、ADL、介護予防、廃用症候群、褥瘡
    8h(座学)
    (3)老化の理解、疾病の理解、身体のしくみ
    8h(座学)
    (4)虐待、感染症、バイタルチェック、医行為、終末期ケア
    8h(座学)
    (5)認知症、障害、ノーマライゼーション、障害受容
    10h(座学)
    (6)コミュニケーション、受容・共感・傾聴、事故報告書、ヒヤリハット、事故予防
    8h(座学)
    (7)ボディメカニクス、ベッドメイキング、体位交換
    17h(座学3h、実技14h)
    シーツ交換 仰臥位→側臥位→端座位 上方移動、水平移動 立ち上がり、座り
    (8)移乗
    17h(座学3h、実技14h)
    ベッド→車いす、車いす→ベッド、ポータブルトイレ
    (9)移動
    14h(座学3h、実技11h)
    車いす、杖歩行、白杖歩行
    (10)排泄
    17h(座学3h、実技14h)
    おむつ交換(紙、リハパン)、差し込み便器、尿器 
    (11)整容
    12h(座学3h、実技9h)
    パジャマ上下、かぶり上下→座位、仰臥位 ゆかた→仰臥位
    (12)食事
    10h(座学3h、実技7h)
    (13)入浴
    13h(座学3h、実技10h)
    洗髪、手浴、足浴、清拭 
    (14)修了テスト
    6h
    実際の介護現場を想定してのテスト
    (15)苦手分野の復習、補習、レクリエーション等
    12h

    ※但し、現在はコロナ禍における対応として、座学はオンラインによる講習を実施しております。実技講習については、ミャンマーの新型コロナ感染収束により少人数での講習開催許可が出たため、日本入国前に実施いたします。(2022年2月16日現在)

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育座学風景
    図3 図4

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育ベッドメイキング
    図5

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育シーツ交換時の注意
    図6

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育自己選択・自己決定
    図7

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育車椅子の操作
    図8

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育ベッド⇔車椅子への移乗
    図9

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育清潔不潔について(使い捨て手袋の扱い方)
    図10

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育オムツ交換
    図11

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育右麻痺がある方のトイレ誘導
    図12

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育ベッド上での洗髪
    図13

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育足浴
    図14

    ミャンマー・ユニティ
    技能実習生に対する介護教育手浴
    図15

    アフターフォローが充実

    ミャンマー・ユニティは、日本でのアフターフローも充実させております。
    本来であれば、来日後の技能実習生は監理団体様がフォローをするのですが、ミャンマー・ユニティは、日本にミャンマー人が駐在しております。(東京・群馬・岐阜・岡山)
    監理団体様の依頼により、送り出し機関として日本在住技能実習生のフォローのお手伝いもさせていただいております。

    ミャンマーの仏教思想ついて

    • 敬虔な仏教徒である
    • 上座部仏教である
    • 人生で二回は出家をする
    • 僧院学校が1500ほど存在する
    • 人口の1%が僧侶と言われている
    • 寄付の文化(世界で一番寄付をする)がある

    我々日本人も仏教徒が多いですが、ミャンマーの仏教徒の方たちはとても敬虔な仏教徒です。
    ミャンマー仏教は上座部仏教であり、修行を重ねていきます。
    人生で2回は出家し、お坊さんになります。
    一生涯お坊さんの方もいますし、1週間の出家を2回でも構いません。
    出家をしていない時は僧侶や僧院にお金や食べ物を毎週寄付します。
    ミャンマーには昔から僧院学校はありますが、現在は1,500ほどの僧院学校があります。
    どのような人が僧院学校に行くかというと、僧侶になるためはもちろん、普通の学校に通えない、地理的要因で通えない、家族がいない孤児の方などが僧院学校で暮らしながら、勉強をしております。
    ミャンマーは全体の人口の1%が僧侶と言われています。
    100人に1人なのでかなりの割合で僧侶が多いということがわかると思います。
    自分が出家してないときは僧院・僧侶にお金等の寄付をするので、ミャンマーには寄付の文化が根付いています。

    ミャンマーは世界の中でも最貧国の一つです。
    経済フォーラムのデータで2018年か2019年に91%の人が寄付をしたことがあるというデータが掲載されていました。
    ミャンマー人曰く、91%より多いのではないかとのことです。
    エピソードになりますが、ミャンマー・ユニティでは135名程のミャンマー人従業員がおりますが、従業員の家族がコロナ感染した際に、隔離費用の一部になればということで会社として少額のサポートをしました。
    本人からお礼の連絡をもらった際に、「私はこの中でも少し裕福な方なのでコロナ感染で困っている方に頂いたお金を寄付させてください」と申し出がありました。
    より困っている人に寄付をするという文化が根付いているので、こういったことが日常茶飯事に起きております。

    仏教思想の一部をご紹介します

    • 生き物を殺してはならない
    • 他人のものを盗んではならない
    • 不道徳な行為をしてはいけない
    • 嘘をついてはいけない
    • 酒を飲んではいけない

    お坊さんの教えの一部をご紹介します

    • 徳を積むことにより、よい来世が訪れます
    • 悪い行いを避けると、自然に良いことが巡ってくる
    • 修行するのは誰のためでもなく自分自身のためです
    • 他人のためにいいことをすると、自分にも満たされた人生が訪れる
    • 人の欠点を探すのではなくて、人の良い所をさがして、人を判断してください

    お坊さんの教えを国民が学び、実践しているというよりも、生活の一部となっています。
    特に【徳を積むことにより、よい来世が訪れます】という教えは、ほぼすべてのミャンマー人の方がこのように考えています。
    そのため、介護の仕事はお年寄りのためになること、得を積むことである。そのため来世が良くなるといったこともあり、人のためになる仕事、特に介護はより人のためになると考えているので介護職は人気です。
    介護職に向いており、心から介護を仕事にしたいと思っているミャンマー人が多いです。
    こういった思想が生活の一部に根付います。

    ミャンマーの国民性

    • 真の親切さを持っている
    • 自分よりも周りを考えらえる
    • 優しい心を持っている
    • 幸せの尺度はお金ではない
    • 家族と一緒に生活することが一番の幸せと思っている
    • 文句をいわずに、現実を受け入れる
    • 笑顔をみせれば、笑顔で帰ってくる
    • 気が利く
    • 勤勉で真面目である

    ミャンマー人は皆とても親切な心を持っています。
    初めてミャンマーを訪れ、道がわからず困っているとすぐに声をかけてくれます。
    本当に心の底から親切な人が多いと思います。
    私が私がというのではなく、誰々のためにという考えで、家族のため、友人のため、同僚のためというように、自分よりも周りを考えます。
    弊社の従業員のお母さんが手術をすることになったのですが、同僚が献血をし、その血液を提供し、自分よりも人、家族だけではなく困っている人がいれば誰でも助けるというとても親切な心をもっています。

    気性が激しい人はあまりいません。
    穏やかで人のために何かをして幸せなりたいという優しい心を持っている人が多いです。
    幸せの尺度はお金ではないという思想ですが、日本や他国では収入を多く稼ぐことが自分の幸せと考えている方もいると思います。
    ミャンマー人にそういう方がいないわけではないですが、ミャンマー人に一番の幸せを聞くと、家族と一緒に生活できることが一番幸せです、という考えの方が多いです。
    お金が幸せの尺度だけではなく、お金ではないところに幸せの尺度があるという考えが他国と少し違う国民性かと思います。
    家族と一緒に生活をすることが一番の幸せと思っているので、実習生などは日本で3年、5年、長い方は10年行きますが、ほとんどの方がいずれはミャンマーに戻り家族と一緒に生活をしたいと考えている方が多いです。

    文句を言わずに現実を受け入れる所が素晴らしと思います。
    仏教の教えにあるように、自分の主張を繰り返すのではなくて、与えられた環境を自分で受け入れ、自分で心をコントロールするところがあるので、何かあっても文句を言ったり、人のせいにすることはなく、現状を受け入れ、何ができるかという対策を考える姿勢の方が仕事場でも多いです。

    笑顔見せれば笑顔が返ってきます。
    ミャンマー人の自然の笑顔がとても素晴らしく、人の心を癒してくれます。
    作り笑いでもなく、本当にごく自然な笑顔が素晴らしいと我々の学校の先生も言っております。

    ミャンマー人はすごく気が利きます。
    こんなことを先生に言ったら迷惑かな、とか先生が授業の準備をしていると(例えばスピーカーを準備する、テレビを準備するなど)それを見た瞬間に何人かの生徒が「先生手伝います」と走ってきて手伝ってくれます。
    何かあったときにはすぐに手伝うという、気が利く方がとても多いです。

    なぜミャンマー人材の評価が高いのか

    • 真面目である
    • 勤勉である
    • コツコツと積み重ねるタイプが多い
    • 心がしっかりしている
    • 日本語の能力が高い
    • 根は明るい
    • 文句を言わない
    • 自分勝手な主張はしない
    • 家族を大切にする

    ミャンマー人実習生を受け入れて頂いた企業様、組合様等からのご意見も含めて紹介します。
    真面目であり、勤勉であり、コツコツ積み重ねるタイプが多いです。
    一攫千金を狙う感じではなく、コツコツと毎日積み重ねて仕事をしてくれます。

    ある企業様が、中国人とベトナム人とミャンマー人を雇った際、日本に来たときの仕事のレベルはミャンマー人が一番低かったそうです。
    中国人とベトナム人は、元々手先が器用なこと、他にも理由があるそうですが、仕事のレベルはミャンマー人が一番低かったそうです。
    半年後、ミャンマー人の方が、1時間に完成する量が増えたそうです。
    ベトナム人と中国人の人が悪いわけではなく、彼ら彼女らは1時間で100個やればそれ以上は努力をしないが、ミャンマー人は初め80個しかできなかったが、半年で追いつきその後は100個以上をやってくれた。というようなお話を聞きました。
    コツコツ積み重ねて努力をしていくタイプということで企業様よりお褒めの言葉をいただきました。

    ミャンマー人は仏教の教えに基づいているので心がしっかりとしています。
    しっかりした心を持っているので、とても穏やかで会社の方々が見ても安心するいうことです。

    ミャンマー人の日本語能力が高いことについてご説明します。
    ミャンマー語の文法は日本語の文法と同じで、助詞があります。
    発音はミャンマー語の発音と日本語の発音の違いはありますが、大きな違いがないので、綺麗に発音するということで、日本語能力はミャンマー人が一番高いとおっしゃっていただく企業様や組合様が多いです。
    中国人、ベトナム人、カンボジア人、ミャンマー人を受け入れている企業様がミャンマー人の日本語はすごいとおっしゃっていただいたことがありました。
    理由は助詞を普通に使えるということです。
    ミャンマー語にも助詞があるのでミャンマー人が助詞を使えるのはさほど難しいことではないのです。
    ベトナム人の方は単語を並べて話すが、助詞が抜けてしまうようです。
    理解はできるので支障はないのですが、単語で話すので少し外国人の日本語といった感じです。
    ミャンマー人は文章をしっかりと話せることに驚いた、とおっしゃる企業様もいます。

    ミャンマー人は控えめで身勝手な主張はせず、あまり文句も言わないため、暗いイメージされるかもしれませんが、根はとても明るいです。
    積極性をもたせるために発言しやすい授業を工夫して行っています。
    自分の民族について教えてください、と尋ねると、自分の民族や家族のことをとても楽しそうに話します。ほとんどの女性は民族舞踊を踊ることができます。
    面接の際に、事前に自己紹介や自己アピールを録画したものをYouTubeのリンクにし、お渡しすることが可能ですが、アピール動画でもとても明るく、日本の歌を歌いながらアピールする実習生もいます。
    自己紹介しているときはとても真面目ですが、アピールの場になると踊ったりと、とても明るい方たちです。

    またミャンマー人は家族を大切します。家族を大切にすることで受け入れ企業様も安心するようです。

    これから面接をすると、いつ入国できるのか?

    ここれから面接しますと、入国する頃には日本の外国人入国制限も緩和されていますのでおおよそ次のような入国スケジュールになります。

    一般職種
    (介護以外の職種)
    面接後6ヶ月から7ヶ月後に入国
    介護職 面接後12ヶ月から13ヶ月後に入国

    ミャンマーはコロナとクーデターの影響がありますが、クーデターの影響が皆様の懸念材料かと思います。しかし、現在ミャンマー側の事情で申請プロセス等が遅れていたり、止まっていたりということは一切ありません。
    ミャンマーはミャンマー国内において海外へ働きに出る人にスマートカードが必要になります。以前はスマートカードを申請し許可を得るまでに時間がかかっていましたが、発行までのプロセスが少し短縮されてきております。
    今後外国人入国緩和の状況によって入国の時期がずれていく可能性はあると思います。ただし、ミャンマー側の事情で遅れることは今のところありません。

    ミャンマー人は普通に入国できるのか

    ミャンマーの都合で止まっているプロセスはございません。
    スマートカード申請から許可等もしっかり進んでいます。

    2021年11月8日に日本政府が外国人入国制限緩和を発表した際も、ミャンマー側はそれに伴い動き出しました。
    2021年11月8日以降ミャンマー側が何も進まなかったということであれば問題あると思いますが、2021年11月8日の外国人入国制限緩和の際はビザ申請も進み、スマートカードの発行のための依頼も進んだので、ミャンマー人だから日本に入国できないということはありません。

    今ミャンマー人を選ぶべき理由

    1.候補者が圧倒的に集まります

    他国と比較しても今後のミャンマー人材の募集は大変有望であるのではないかと思います。
    ミャンマーは日本との賃金格差がとても大きいです。
    今回のクーデターでミャンマーの現地通貨であるミャンマーチャットが暴落したため、より日本との賃金格差が大きくなりました。
    そのため失業率も増え、国内の物価が上昇し、人々の生活は苦しくなる一方です。
    このような理由から海外で働く希望者が殺到をしています。
    ただ、誰でもいいから日本に送り出しをすればいいということではありません。
    人材のスクリーニングを強化し、問題のない人材を候補者に登録し、誰を選んでいただいても問題ない人材を育成することが我々の任務になると思います。

    2.大勢の候補者がいるため、満足のいく人選ができます

    厳しいスクリーニングに合格した人のみを登録し、その登録者の中でお客様からいただく求人票をもとに募集を募ります。
    候補者がたくさんいるので選択肢が増え、満足のいく人選をしていただけます。

    3.内定者のキャンセルがかなり少ない

    ベトナムやインドネシアや他の国の実習生は、「こんなに長く入国を待たされるのであればもう日本には行きません」といったキャンセルが多いと聞きます。
    一方で、ミャンマー人は合格した企業様への感謝の気持ちがとても強いため、多少入国が遅れることにも理解があります。新たに別企業で面接するよりも、そのまま待ちたいという方がほとんどです。
    ミャンマー・ユニティでは、面接に合格し、教育を開始する際に開校式を行っています。
    開講式では、自分を選んでいただいた企業様への感謝の気持ちを絶対に忘れないこと、企業様に選んでいただかなければ日本には行けない、といった指導もしています。
    実習生の両親にも、日本で働くということはどういうことかを説明しています。
    お金だけのために日本へ行くのではなく、技術や働き方を学びにいく。
    生活態度が悪い時は指導をして下さい。困難にあった際はサポートをして下さい。
    といったことを繰り返し説明しています。

    実際にここ3,4ヶ月、他国からもミャンマーに切り替たいという企業様がかなり増えています。 ぜひこの機会にミャンマーをご検討いただければ幸いです。

    質疑応答

    1. 実習生負担額2,800ドル以外にいくらかかりますか?
      生活費・査証・パスポート等の申請料も込みですか?
    2. ミャンマーでは実習生からいただくサービス料が2,800ドル上限と決まっております。我々も2,800ドルをいただいておりまして、それ以外にそれ以上のものは規定に反しますので、技能実習生から徴収しておりません。
      我々が技能実習生からいただく2,800ドルにはビザ申請費用、パスポート費用費用、スマートカード申請費用、健康診断費用などは全て含まれています。
      但し本人の生活費は含まれていません。
      弊社の授業は通常は全寮制です。現在はコロナの影響で寮生活はしていません。
      現在は寮の費用はかかりませんが、自分の娯楽費用、携帯代、寮生活中の食事代といった生活費は本人負担となります。これらの生活費を我々がいただくことはありません。あくまでも本人負担です。
      現在はコロナ禍のためオンライン授業を行っております。
      ほぼ実家でオンライン授業を受講するため、寮生活での生活費はかかりません。ただし、Wi-Fiや、SIMカードの購入等の通信費は技能実習生本人の負担となります。
      またPCR検査代は企業様負担となります。
      ワクチン接種は強制ではありませんが接種する際は技能実習生本人の負担になります。

    3. オンライン面接前に提供してもらえる資料について教えてください。
    4. 事前に送付させていただく資料は以下になります。
      ①候補者の履歴書
      ②Zoom面接のご案内
      ③事前試験についての説明
      ④ミャンマーの学歴に関する説明
      ⑤IQテストサンプル
      ⑥計算テストのサンプル
      ⑦性格診断テストの加点項目チェック用

      Zoomにて面接をさせていただきます。
      候補者全員、通訳、ホスト、サポートが出席致します。

      候補者全員を参加させ、以下の流れで進めます。
      ①企業様からのご挨拶と会社説明
      ②一次面接(待機者は待機室へ移動)
      ③二次面接(必要な場合)
      ④体力テストと実技テスト(必要な場合)
      ⑤再度個人面接(必要な場合)
      ⑥合格発表

    5. 特定技能の試験が、ミャンマーではなかなか実施されませんが理由は?
      国内事情と関連があるのですか?
    6. 現在はコロナ禍によりおそらく他の国でも現在はあまり実施されてないと思います。
      ミャンマーも他の国と同様にコロナが収まれば、通常に実施されると思っております。

    7. 現在ベトナム実習生(女性)を50名程受入れています。
      コロナ禍で新規受入がとまっています。ミャンマーはいかがでしょうか?
    8. ベトナムに限らずどこの国も日本の入国制限があるので、新規の受け入れが止まっていると思います。
      ミャンマー側の理由で止まっているのではありませんので、入国制限が解除され次第ミャンマーも他の国も入国できると思います。

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  • 2022.02.04【介護】介護技能実習生が介護福祉士を目指すには

    目次

    1. 介護現場と技能実習生
    2. 技能実習生が介護福祉士になるには?
      1. 技能実習生の介護福祉士の受験資格
    3. 実務者研修とは
      1. 学習内容・時間・テストについて
      2. 申込み方法と費用
    4. 事業所側の必要な支援
    5. 在留資格「介護」
    6. 介護技能実習生N2合格者インタビュー
    7. N2合格者のインタビュー動画を公開!
    8. まとめ

    介護現場と技能実習生

    現在多くの介護事業所が、人出不足の問題に直面しています。外国人介護職員を雇用したいと考えている事業所は、多いはずです。
    雇用するには4つの制度がありますが、中でも技能実習生は、事業所の要件がEPA介護福祉士候補者ほど厳しくなく、就労条件に関わらす、人材が確保できるので人気があります。
    また、外国人技能実習制度は1993年から始まっています。介護分野が対象になったのは、2017年11月からですが、受け入れ調整機関である監理団体は人材の紹介から、入国前の訓練、入国後の研修やフォローに関しても、長い経験を有していて、初めて外国人を雇用する事業所にとっては、非常に心強いと思います。
    外国人技能実習制度の真の目的は、日本で技能を学び、それを自国に持ち帰り発展に寄与するというものです。ですが実際には、受け入れ側にとっては、労働力需給が、実習生には日本円による高い賃金が目的になっているということは否めないでしょう。事業所側も多くの実習生も長期的な就労を希望していると思われます。
    そのためには、技能実習3年修了後、特定技能介護に切り替え、その上で介護福祉士を取得するという方法が、最善ではないでしょうか。

    技能実習生が介護福祉士になるには?

    技能実習生の介護福祉士の受験資格

    技能実習生の介護福祉士の受験資格は日本人と同じ条件となります。

    従業期間 3年(1095日)以上実務者研修

    (注)従業期間3年のうち540日以上は従事する必要があります。
    (注)受験資格は、国籍、性別、年齢、学歴等の制約はありません。

    介護技能実習生は介護技術を学びながら働くため、必ず実務経験ルートとなり、実務経験が3年以上かつ実務者研修の受講で、介護福祉士試験の受験資格が得られます。
    しかし、日本語での受験となりますので、最低でも日本語レベルN2を取得している実習生でないと、現実的に試験に受かることは難しいとされています。

    ミャンマー・ユニティから送り出した実習生の中にも介護福祉士を目指している実習生がいます。そのような実習生には、まずはN2に合格することを目標としています。

    介護福祉士になるまでの過程

    技能実習生は、介護福祉士試験をいつまでに合格しなければならないのでしょうか?

    介護福祉士の試験は日本語で行われます。
    試験内容の理解には、日本語能力は最低でもN2レベルが必要なため、技能実習1号・2号の間に最低でもN2に合格することが介護福祉士になるための第1歩となります。

    ※ミャンマー・ユニティの介護技能実習生は出国時、N3レベルでの日本語能力で送り出しをしております。

    3年間技能実習1号・2号として実習を行った後、1か月一時帰国します。

    その後、技能実習3号または特定技能1号に在留資格が移行できます。技能実習3号への移行はあまりにもハードルが高いので、特定技能1号への移行が現実的です。
    技能実習3号は2年間、技能実習生としてさらに働くことが可能です。
    特定技能1号は5年間、介護職で働くことが可能です。
    技能実習「介護」を3年修了した技能実習生は、特定技能1号「介護」の技能試験や日本語試験が免除されるため非常におすすめの在留資格です。
    その間に、実務者研修を受講し、国家資格である介護福祉士の試験を受験します。

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    ※特定技能の介護職では、特定技能1号までしか認められておらず、在留期間は最長5年と定められています。基本的には5年で帰国するという前提であるため、技能実習と同様、母国から家族を連れてくることはできません。

    実務者研修とは

    介護福祉士の資格を取得するには実務経験3年だけでなく、実務者研修を受講し、修了しなければなりません。
    申込み時ではなく、試験実施年度の3月31日までに修了が条件となっています。
    実務者研修は、20科目450時間で平均6か月以上かかります。働きながら受講可能ですが、事業所の理解や協力がなければ難しいです。

    学習内容・時間・テストについて

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    実務者研修内容は、20科目450時間です。
    そのうち通学は、介護課程Ⅲが45時間+医療的ケア(演習)が16時間で、合計61時間、約7日となります。通学は、働いている人達に配慮して、毎週日曜、連続7回というところが多いです。 学習内容は「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」、「医療的ケア」の4つに大きく分けられ、「医療的ケア」は喀痰吸引や経管栄養などについて実技を通して学んでいきます。
    通信教育の間に、平均4~5回問題やレポートの提出があります。また、通学での講義や演習終了後、修了試験があります。学校によって課題や試験の難易度と合格点がそれぞれ異なります。とても難しいというわけではありませんし、たとえ提出した課題や試験が基準点を下回ったとしても、再試験を行うなどして対応してくれます。

    申込み方法と費用

    実務者研修の実施機関は、介護福祉士の養成校などです。入学要件は特になく、インターネットでも申し込めます。通学の際の会場が、住居にできるだけ近くの学校を選ぶといいでしょう。 費用は、10~15万円程度が多いです。特定技能で就労している介護士は、雇用保険に加入しているはずですので、近隣のハローワークで専門実践教育訓練給付金を申請し、対象と認定されれば受講費の5割が後ほど戻ってきます。

    事業所側の必要な支援

    介護福祉士の取得は、介護士個人の問題にとどまらず、事業所にとっても 永続的に働いてもらえる可能性が高くなるとともに、サービスの質の向上という観点からも非常に大切なことです。また、介護福祉士の数が増加すれば、介護報酬も加算されます。
    具体的には、実務者研修受講のための支援と試験の申込み、及び対策の支援が大切です。
    まず、実務経験3年以上の受験資格がある外国人を対象にオリエンテーションを開催しましょう。取得のメリットと受験までの流れを説明します。
    その上で受験希望者には、実務者研修の実施機関の選択や申込みを援助したり、短時間で構いませんので、通信教育のテキストや課題の提出を指導してあげたりするといいと思います。また、通学日をシフトから外すことや、会場までの行き方を教えてあげることも大切です。
    試験対策に関しては、教材の選定等、道筋を示してあげることや、勉強を見守ってつまずいていたら、手を差し伸べるといった自分の業務や生活に支障をきたさない範囲で、支援協力する形が望ましいのではないでしょうか。申込みや試験会場までの交通手段に関しては、要所ですので確認してあげてほしいと思います。

    在留資格「介護」

    介護福祉士試験に合格すると、在留資格「介護」に変更可能になります。

    在留資格「介護」に変更ができれば、その後在留状況に問題がなければ、1年更新(更新回数に制限なし)でずっと日本で働けるようになります。

    在留資格「介護」では、配偶者及び子が「家族滞在」の在留資格で在留することも可能です。

    介護福祉士の取得は、介護士個人の問題にとどまらず、事業所にとっても 永続的に働いてもらえる可能性が高くなるとともに、サービスの質の向上という観点からも非常に大切なことです。また、介護福祉士の数が増加すれば、介護報酬も加算されます。
    具体的には、実務者研修受講のための支援と試験の申込み、及び対策の支援が大切です。
    まず、実務経験3年以上の受験資格がある外国人を対象にオリエンテーションを行い取得のメリットと受験までの流れを説明しましょう。

    下記、関連リンクから介護職で取得可能な在留資格「技能実習」「特定技能」「介護」「EPA」についてそれぞれの違いをまとめています。

    介護技能実習生N2合格者インタビュー

    ミャンマー・ユニティから送り出した介護技能実習生が介護福祉士になるための1歩である日本語能力試験JLPTのN2に合格しました。
    インタビューに答えていただいた中の1名のインタビュー内容を抜粋いたします。

    lift_iv10

    今、日本では何の仕事で働いていますか?

    jisshuusei

    介護の仕事をしています。

    lift_iv10

    なぜその職種を選んだのですか?

    jisshuusei

    高校生の頃、介護に興味を持ち、おじいさんから介護のことを聞き、人と関わる仕事で、将来おじいさんの介助をしてあげることができると思いました。また、自分にもプラスになると思ったからです。

    lift_iv10

    日本で働いてみてどうですか?

    jisshuusei

    色々な介助方法を学んで、役に立ったと思います。
    辛かったことは、入居者様の具合が悪くなって忙しかったときです。
    嬉しかったことは、入居者様から「ありがとう」と言われたときです。また、名前を覚えてくれたことです。

    lift_iv10

    これからのビジョンを教えて下さい。

    jisshuusei

    介護福祉士の免許を取って、2人の妹と一緒に日本で暮らしたいです。

    lift_iv10

    どうして日本で働き続けようと思うのですか?

    jisshuusei

    日本で生活するのが楽しい、行ってみたいところがたくさんあります。
    京都の金閣寺や、奈良の大仏、日本の歴史をたくさん勉強したいです。

    N2合格者のインタビュー動画を公開!

    ミャンマー・ユニティから送り出した介護技能実習生の多くが、仕事をしながらJLPT合格に向けて勉強を頑張っています。
    今回はその中の数名にインタビューをしております。
    日本語でのインタビュー動画ですので、ぜひ日本語力をご覧ください!

    下記ではこれまでミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生のうち、N2,N3合格者の累計数を公開しています。(介護職以外も含む)
    介護職3名のインタビュー動画も公開しております。

    では、技能実習生から介護福祉士になるにはどうしたらいいのか次に解説いたします。

    ★まとめ

    技能実習「介護」の制度は、2017年11月より始まりました。特定技能1号「介護」の制度は2019年4月から始まったばかりです。ともに、新型コロナウイルスの影響を受け、認定はおりていても、入国できないといった状態が続いています。
    介護技能実習生で来日した外国人介護士が、特定技能に切り替え、さらに介護福祉士を取得し、在留資格「介護」になり永続的に働いてくれるといったケースは、これからです。
    今後、このようなケースが多くなれば介護業界のみならず、老後の不安を抱える日本社会において、非常に喜ばしいことです。より円滑に外国人介護士が介護福祉士を取得できるようになってほしいと思います。現状では、試験問題の漢字すべてにふりがながある問題用紙を選択できる以外、日本人と全く差異はありません。
    EPA介護福祉士候補者の場合は、筆記試験の解答時間が通常の220分から1.5倍の330分です。これは、特定技能介護の外国人介護士にも適用されてもいいのではないでしょうか。
    また、EPAの場合 実務者研修を受けなくても、実技試験に合格すれば介護福祉士が取得できます。働きながら、450時間分学ぶというのは、外国人介護士にとってかなりの負担です。在留資格介護になると、訪問介護事業所でも働けますから、そこで行うアセスメントや訪問介護計画書の作成のしかた、また、最近追加された医療分野の実習は確かに必要です。しかし、通常の無資格者と同じ450時間の研修を課す必要が果たしてあるのでしょうか。外国人が介護福祉士を取得するには現在の制度はあまりにも厳しすぎます。日本政府が介護業界の将来の人手不足対策を真剣に考えるのであれば、早急に基準を緩和するべきと考えます。
    外国人介護士が、介護福祉士を目指す時代がすぐにやってきます。それは、日本社会の光になります。ぜひ、より多くの外国人介護福祉士の誕生が望めるような形になってほしいと願います。

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  • 2022.01.27令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)に登壇いたしました!

    目次

    1. 令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)に登壇
      1. 特別報告の内容
      2. 登壇者
    2. 分科会実践研究発表の審査員を務めました
    3. 令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)とは?
      1. 趣旨

    令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)に登壇

    ここの度、2022年1月13日(木)~3月31日(木)で行われている「令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)」に弊社最高顧問の北中と介護講師の奥野が登壇いたしました。(ビデオ配信は開催期間中、全国老人福祉施設協議会の会員限定で行われております)
    会議では「介護新時代への船出~現場革新と科学的介護の実現~」というテーマを掲げております。
    現在、日本では少子高齢化が非常に深刻な状況で、介護現場に限らず、地方の過疎化や衰退、年金や医療にも影響がでています。
    そのような中、2020年から世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの流行により、高齢者への感染対策・人手不足・職員のワクチン接種問題など介護現場にも大きな影響を与えることになりました。介護サービスの需要が増える一方で、現在進行形で多くの問題が山積みとなっているのも事実です。

    必要不可欠な介護職が人手不足により需要に追い付いていない現状を解決するために、外国人材の受け入れ・ICTシステムの活用・介護ロボットの開発・過疎地域の支援などなど、多角的な視点から問題に向き合うことで日本の介護制度の発展に繋がり、次世代の人々へ新しい知識を共有する素晴らしい機会となっております。

    特別報告の内容

    特別報告では、世界最高レベルと言われるミャンマー・ユニティの介護教育の内容と、離職率の高い日本の介護現場でどのように人材の定着を目指していくのかについて詳細にお話しいたしました。

    以下が特別報告の内容です。

    1. 1.講師ご紹介
    2. 2.ミャンマー・ユニティのご紹介<北中>
    3. 3.なぜミャンマーなのか?<北中>
    4. 4.ミャンマー・ユニティが選ばれる理由<北中>
    5. 5.ミャンマー人介護士が日本で定着するために<北中>
    6. 6.ミャンマー・ユニティの介護教育カリキュラム<奥野>
    7. 7.ミャンマー・ユニティの介護教育の方法<奥野>

    登壇者

    北中画像リフト正方形

    北中 彰 ミャンマー政府認定圧倒的No.1人材送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」グループCEO・株式会社スリーイーホールディングス 代表取締役社長・スリーイーグループCEO

    1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学卒業後、コンピューターサービス株式会社(現SCSK株式会社)に入社。のち1990年12月に株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業し、代表取締役就任。トナーカートリッジ、インクカートリッジにおける環境問題に着目し、カートリッジリサイクル事業のパイオニアとなる。
    2012年よりミャンマーに進出。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、グループCEOに就任。2019年12月にミャンマー国内での総送り出し人数No.1となり労働大臣より表彰を受ける。MOEAF(ミャンマー送出機関協会)の2023年9月発表では2位との差が約2.4倍の圧倒的No.1人材送り出し機関となる。現在では、ミャンマー有数の日本企業経営者として、日本の少子高齢化による人材不足問題に着目し、全国で技能実習や特定技能など外国人雇用に関する講演会および情報発信を精力的に行っている。
    そのほか、3E Global Co.,Ltd Chairman、3E Yangon Co.,Ltd Chairman、株式会社サップ代表取締役、オフィネット・ドットコム株式会社代表取締役。
    日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、 日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えることを目的として設立された⼀般社団法人外国人雇用協議会理事
    日本で働きたい人が世界一多い国ミャンマーの若者に、日本で働くという夢と希望を与えるため、「なぜ今、ミャンマーなのか?」~人材不足解消の最後の切り札~を2024年11月に出版。
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    奥野 麻有子 ミャンマー・ユニティ「UKWTC介護学校」講師

    1997年に東北福祉大学卒業後、2011年に介護福祉士を取得。訪問介護・特別養護老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅、障害者支援施設などを経て、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修養成学校にて講師として勤務。
    その後、ミャンマー・ユニティ設立当初から介護教育講師としてミャンマーに赴任。日本の介護現場を意識した座学・実技教育を行っており、現在までに累計795名の介護技能実習生を日本へ送り出している。

    分科会実践研究発表の審査員を務めました

    弊社最高顧問の北中が、令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)の分科会実践研究発表の審査員を務めました。
    今回は数多くの素晴らしい研究成果の発表があり、日本の発展のため、質の高い介護サービスを行うための有意義な研究発表となりました。

    令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)とは?

    テーマ:介護新時代への船出~現場革新と科学的介護の実現~

    主催:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
       一般社団法人 鹿児島県老人福祉施設協議会

    後援:厚生労働省、鹿児島県、鹿児島市
       社会福祉法人 全国社会福祉協議会
       社会福祉法人 鹿児島県社会福祉協議会

    趣旨

    現在、日本における少子・高齢化の進展や人口減少は、過疎化による地方の衰退をもたらすほか、現行の年金制度や医療・介護制度の方向をも左右する大きな社会問題となっています。
    さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全世界にパンデミックを起こしています。日本でも感染者数の増加と減少を繰り返し、未だに収束の兆しが見えていないのが現状です。
    そのような中、2021年の介護報酬改定は、新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で、「感染症や災害への対応力強化」「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「介護人材の確保・介護現場の革新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を5 つの柱としそれぞれの方向性を示し、前回の改定率を上回る0.7%のプラス改定となりました。 また、サービスを出来るだけ科学的に評価するための情報システムの活用として「LIFE(科学的介護情報システム)」の運用も開始されました。これは、より質の高いサービス提供を推進するために、介護そのもの の概念を「ICTを活用した人と人との関わり」に客体化させていく、言わばいかに私たちが「科学的介護」への取組みを進めるかが問われています。
    さらに、私たちは介護•福祉分野の人材不足等の現状を踏まえながら、今後の介護サービス需要の伸びに対応しつつ、科学的介護を基に効果的、効率的で持続可能性の高い、よりドラスティックな介護提供体制の構築を目指し、邁進しなければなりません。
    こうした多種多様な課題への解決策を見出すべく、実践事例や研究成果を全国の仲間と共有し、共に学ぶことが、これから迎える新時代をより良いものに変えていく重要なきっかけとなります。
    先人の成功者の言葉に学ぶとすれば、「新しい発想を得ようと思うなら、まず誰かに話を聞け」と本田宗一郎氏。また、イチロー氏は、「メジャーリーガーの凄いところは、一度『あ、すごい選手だ』と認めたら、2500 本もヒットを打っている選手でも聞きに来ます。それが偉大な点ですね」と言っています。これらの教えを見習い、私たちは互いの努力や成果を持ち寄って、次の時代へと繋がる新しい知識を共有していくことが大切です。
    令和3年度全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)は、私たち一人ひとりが高齢者福祉の担い手として志を一つとし「共に学び、共に新時代を切り拓くべく」開催するものです。

    【参考】公益社団法人 全国老人福祉施設協議会:令和3年度全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)開催要項

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  • 2022.01.26日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑

    新型コロナウイルス水際対策とオリンピック開催の影響で、日本政府の外国人入国政策が迷走する中、日本政府は先般「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」を発表しました。 しかしその内容は、昨年版の焼き直しに過ぎない内容との声が上がっています。 また、表現にあいまいな部分が多く、日本政府の今後の方針を具体的に知りたいという声も聞かれます。
    この度はこうした皆様の声にお応えして、前自由民主党外国人労働者等特別委員会 委員長の木村義雄先生に「外国人材政策の今後の展望について」大いに語っていただく機会を設けました。
    当日は監理団体、人材会社、登録支援機関、教育機関、行政書士、社労士、コンサルタントの方々、また外国人の受入れを考えている企業・団体の方々総勢186名もの皆様にご参加いただき、とても活発な意見交換をさせていただきました。

    全般的なご意見・ご要望

    • 外国人労働者の入国が再開するのはいつ頃ですか?
    • 日本政府としては、将来的に技能実習から特定技能にシフトチェンジしていく方針ですか?あるいは今後も並行していくのですか?
    • 「外国人技能実習制度」に関して様々な問題があります。日本政府は「外国人技能実習制度」から「外国人労働者制度」への見直しを考えたことがありますか?
    • コロナ収束後、外国人から見て日本で働くことへの思い(魅力・意欲など)はどの様に推移すると考えますか?
    • 「技能実習は2省1庁、特定技能は1庁、技能実習の事務は外国人技能実習機構」これらを統合一本化できれば、外国人と日本人双方にメリットがあると考えます。 各省庁、機構を統合一本化できれば外国人と日本人双方にメリットがあると考えます。
    • 外国人労働者の入国が11月頃より早くなることはないのでしょうか?
    • 在留資格認定書の有効期間⇒7月31日まで有効であるとの措置の再延長の有無について。
    • 特定技能ではJFT-Basicも日本語要件になっていますが、それ以外のビザでは要件として扱われていないので、扱えるようにしていただきたいです。
    • 今後、日本の派遣許認可会社へ外国人取扱の門戸は開いていくのでしょうか? 現状の監理団体や登録支援機関のみの展開になるのでしょうか。
    • 在留資格申請において、個人の所属機関以外のグループ会社が関与できるのは、入管法施行規則第六条の二(別表第四)にて、在留資格認定証明書の申請のみとなっている。そのため、定期や変更時に提出する書類についてグループ会社は関われないことになっているが、当該書類提出にもグループ会社が携われる等、範囲を拡大してほしい(例えば、同業種でA社、B社、C社がそれぞれグループ会社としてあり、それぞれのコーポレート機能をZ社が担っている場合を想定)。 在留資格申請の際、グループ会社が携われるように範囲を拡大していただきたい。

    特定技能に関するご意見・ご要望

    • 特定技能2号職種は今後拡充されていく見込みはありますか?
    • 特定技能のコンビニ業種の追加について見直しはありますか?
    • 特定技能で販売業種が追加される可能性はありますか?
    • 特定技能のトラック業界の追加はいつ頃でしょうか?
    • 特定技能の産業廃棄物業界の追加はいつ頃でしょうか?
    • 外国人の流入を好ましく思わない日本人も多いです。永住権に繋がる特定技能2号が14業種全てにすぐに適用されるのでしょうか?
    • 介護業界は人手不足のため特定技能2号にすべきだと考えますが、介護業界の方々があまり望んでいないという矛盾があります。
    • 一部の国では、特定技能外国人の技能試験が実施されていない状況のため、早く現地で試験実施がされるとよいです。
    • 「特定技能」の資格で入国する場合、母国において入国の試験すら出来ない国が多いです。
      今「特定技能」で入国している人はほとんどが「技能実習3年」を満了帰国した人です。「介護」においてN4を母国で合格した人が一部入国していますが、N4受験費用を当方は支払っています。
      厚労省は制度発表はするが内容は実行できないことばかりで何もしていないです。入国に対して資格要件が厳しすぎることも各国では日本に行くよりEU等ほかの国に行ったほうが、賃金も資格要件も日本に行くよりはるかに良い評価されています。日本国の将来にわたる最重要と言ってよい労働人口をどうするか根本的に制度を作ることが必要と思います。各国の実態を把握して制度を作らないと日本には良い人材はきません。実習生制度が出来た時代と現状は日本国にそれほどの魅力は無くなっています。
    • 技能実習随時3級を受けいていない外国人の特定技能申請において、JITCOの技能実習修了証書を正式な資格証明書類として認めていただきたいです。
    • 技能実習1・2・3号の中断(自己都合退職)の場合、特定技能への変更申請は認めないような対策を講じていただきたいです。
    • 特定技能外国人について、登録支援機関が特定技能外国人に支援計画書の説明も交付もしていないが、違法ではないでしょうか?
    • 特定技能の製造3分野に自動車関係の製造業は入っていないのはなぜでしょうか?
    • 特定技能の製造3分野の協議連絡会の受け入れ口の狭さは今後広がっていくのでしょうか?
    • 介護福祉士国家試験の受験資格の緩和、または受験回数の増回などの措置を希望いたします。
    • 特定技能において、フィリピン人材の受け入れをスムーズにするためにPOLOなどに働きがけをしていただきたいです。
    • 特定技能協議会の中でも建設分野でJACのみ会費がかかるのですが、なぜでしょうか?

    技能実習に関するご意見・ご要望

    • 技能検定に関して、基礎級・専門級(随時3級)・3号2年目での上級(随時2級)が必須になっていますが、上級の受験は選択にしていただきたいです。
    • 技能実習において、制度上、過去に技能実習生での渡航歴がある場合は、2回目の受け入れは不可とのことだが、介護などの新しい業種など、1回目の渡航歴の時になかった業種においては2回目の渡航も認めるなどしていただきたいです。
    • 軽微変更届の改善要望 例:時間外労働について36 協定の上限時間までの時間外労働が許容されておらず、時間 外労働が月45 時間を超えた場合 (※1年単位の変形労働制を採用している企業は、42 時間を超えた場合)は、 軽微変更届出書が必要 。煩雑でわかりにくい。
    • 外国人技能実習機構への申請等の電子化希望
    • 実習実施者の優良要件改善 前回の改定により、初めて制度活用した企業が、優良要件を満たすのが非常に困難になった。真面目に技能実習に取り組んだ企業が3号の受け入れができるように、改善していただきたいです。
    • 介護技能実習評価試験について、障がい者支援施設・救護施設などの高齢者介護以外での習得が可能な技能実習評価試験も策定していただきたいです。
    • 介護技能実習評価試験について、利用者を試験の被対象者とするのは体調等の点から無理があります。
    • 外国人技能実習機構の実地調査は、コロナ禍において、延期すべきではないでしょうか?
    • 現在の監理団体と受入企業の関係において、受入企業が直接、監理団体へ「監理費」として支払う関係性が、適切な監理を阻害する要因にもなっているが、監理費を国が徴収し分配するような発想は検討されないのか。
      また雇用状況が悪化した企業が、技能実習制度を活用するのではなく、ハローワークが関与し、待遇を改善して一定の期間、日本人、在日の外国人材を募集し、採用実績が不調に終わった企業のみが待遇条件を変更せず、技能実習生の採用を許可するなどの発想は検討されないのか?
    • 技能実習制度で、外国人技能実習機構の目に触れず悪質な違反を犯している会社が多数あるため徹底的に摘発する必要があると考えます。
      しかし、外国人技能実習機構に相談しても対応できる人員がいないという返事がありますが、どう思うわれますか?
    • 技能実習生の不当な扱いについて、労働基準局に相談しても対応してもらえない場合どうしたらよいでしょうか?
    • 6月17日に厚生労働省から発表された、コロナ禍において失業した外国人労働者への再就職支援の強化について具体的な内容がわかりません。
      支援団体、ハローワーク、出入国在留管理庁などを結ぶシステムを強化していくということですが、いつ頃から稼働していくのか教えてください。
    閉じる
  • 2021.12.27外国人への防災情報周知のお願い

    防災、災害対策ポスター周知のお願い

    日本にいる外国人、日本に来る外国人の不安要素の1つとして災害が挙げられます。
    日本に住んでいる限り、災害から目を背けることはできません。
    外国人も、防災対策、災害から身を守ることが大切です。
    この度、内閣府より外国人のための減災ポイントのポスターが作成されました。
    いざというときに外国人自身が自分の身を自分で守れるように、こちらのポスターの周知をお願いします。

    ポスターの対応言語

    こちらの防災、災害対策ポスターはQRコードを読み取ると以下の言語で読むことができます。

  • 英語
  • 中国語(簡体字)
  • 中国語(繫体字)
  • 韓国語
  • スペイン語
  • ポルトガル語
  • ベトナム語
  • タイ語
  • インドネシア語
  • タガログ語
  • ネパール語
  • クメール語
  • ビルマ語
  • モンゴル語
  • 参考:内閣府外国人のための減災のポイント(やさしい日本語と他言語QRコード対応)

    防災、災害対策ポスターとQRコード

    他言語でポスターを見たい方はこちらのQRコードを読み取ってください。

    防災QR 閉じる
  • 2021.08.06技能実習生の過度な借金・失踪防止対策:送り出し機関の選び方セミナー大公開

    目次

    1. 技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
      1. 送り出し国ごとに規定がある
      2. 送り出し機関は利益至上主義ではいけない
      3. 過大な借金は技能実習生の人生を破滅させる
      4. 送り出し機関の手数料は無料にすべきなのか
      5. 技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
      6. 技能実習生が負担する多額の借金の原因
    2. 送り出し機関は監理団体の接待要求・キックバック要求に応じるべきか?
      1. 過度な接待、一切のキックバックは法令違反
      2. コンプライアンス遵守(法令遵守)の流れ
      3. 送り出し機関の真の価値は何か?
    3. 技能実習生はなぜ高い手数料を支払わされてきたのか?
      1. 技能実習生の法外な費用負担の本当の原因
      2. 過度な技能実習生の借金は失踪増大の原因
      3. 技能実習生の失踪が社会問題に。防止する方法はないのか?
      4. 技能実習生に過度な負担をさせない仕組みを作れないか?
    4. 送り出し機関の日本語教育はどうあるべきか
      1. モチベーションが上がる日本語教育
      2. 日本語以外の教育の重要性
      3. 手取り給与計算の教育の重要性
      4. 劣等生にもフォーカスした教育の重要性
      5. 介護技能実習生への日本語教育
    5. 送り出し機関の情報開示はどこまでガラス張りであるべきか?
      1. ガラス張り経営の必要性
      2. タイムリーかつスピードのある対応の必要性
    6. 技能実習候補者には、受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきか?
      1. 技能実習生には受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべき
      2. 受け入れ企業と技能実習生の信頼関係の構築
      3. 人材獲得競争が激化し、技能実習生が仕事を選ぶ時代に
    7. 送り出し機関の組織作りとチームワークの大切さ
      1. 理念浸透の重要性
      2. 何のために働くか
      3. チームづくりの重要性
    8. 今後の送り出し機関はどうあるべきか?
      1. まず法令遵守が必要
      2. コロナ禍におけるオンライン面接の質向上
      3. 送り出し機関としてDX化の推進
      4. 面接候補者の日本語力のレベルアップ
      5. 要望に対する柔軟な対応
      6. 送り出し機関は大小ではない
      7. 失踪問題の解決
    9. まとめ ~送り出し機関を見分ける方法~
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    大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者

    大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
    2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。

    本日は「送り出し機関の選び方」というテーマでお話しさせていただきます。

    今回、送り出し機関の選び方としてお話をさせていただく内容は、私の主観もかなり入っております
    また、決してミャンマー・ユニティが良くて他の送り出し機関が悪いということではありませんので、ひとつの意見として聞いていただければと思います。
    それでは早速始めさせていただきます。

    技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?

    送り出し国ごとに規定がある

    まず、技能実習生の本人負担額については、それぞれの国においてその国独自の規定がございます。

    ミャンマー上限2800ドル
    ベトナム上限3600ドル

    ミャンマーの場合は本人負担額の上限は2800ドル、ベトナムの場合は3600ドルなど、技能実習生本人が我々のような送り出し機関に払う金額の上限規定が送り出し国ごとにございます。当然ですが、どこの送り出し機関もその国ごとの規定に従っていくべきだと思います。付け加えますと、ミャンマーの場合はその2800ドルの中に含めなくてはいけないもの、含めなくてもよいものがございます。(つまり、教育費用とか手続き費用などと言う別の名目をつけて、上限金額以上の額を徴収している送り出し機関があります)
    そういったところも踏まえて、やはり国ごとの規定を従うべきだと思いますし、各国の労働省などが規定をなるべく詳細に示して、技能実習生の負担が妥当なのか、その国が決めるガイドラインを送り出し機関がしっかり守っていくべきだと考えております。

    送り出し機関は利益至上主義ではいけない

    ただ、どこの送り出し機関さんもそうですが、ボランティアではありませんので会社として利益を出していくことももちろん必要です。
    しかし、利益を出すことを一番にしてはいけないと思います。技能実習生が負担する金額がどのように来日後の技能実習生の生活や人生に影響していくのかを真剣に考えて、どこの送り出し機関さんも運営をしていくべきではないかと思っております。

    過大な借金は技能実習生の人生を破滅させる

    例えば「技能実習生が失踪してしまう」「技能実習生が借金の返済ができなくなってしまった」などの不幸な出来事がありますと、技能実習生本人の人生そのものが崩壊してしまいます。
    技能実習生は何か目的を持って日本に来るわけで、おそらく大体の人がしっかりお金を稼げること、それなりに日本で日本語や技術を身につけられるという理由で日本に来ると思います。
    技能実習生本人が何のために日本に来るのか、その人生計画はしっかりできているか、そういったところも送り出し機関としてサポートしていくべきではないかと思います。
    送り出し機関が利益を求め過ぎるあまり、技能実習生の負担の部分が本人の人生にどのように影響するかをあまり考えないで進めてしまうと、本来の技能実習制度のあり方とかけ離れてきてしまうと思います。

    送り出し機関の手数料は無料にすべきなのか

    送り出し機関はその国から決められた規定よりも手数料を安くするべきではないか、という声や、無料にすれば良いのではないかなど、そういった声もたまにありますが、逆に無料や安くすれば良いというわけでもないと思っています。

    例えば、技能実習生に負担をかけるのは可哀想なので、受け入れ企業様(実習実施者様)から「この技能実習生の支払う手数料を負担したい、支援したい」というお話もあります。

    そのような非常にありがたいお話でも、私達の場合は一つ一つ個別に対応させていただいております。

    もし企業様がミャンマーの規定の2800ドル全額を払っていただくと、デメリットも発生します。それは「技能実習生が頑張らなくなってしまう」という部分です。
    受け入れ企業様が技能実習生の負担分を肩代わりしていただくことに対してはありがたい気持ちはあるのですが、手数料が技能実習生自身の負担ではないために、「必ず日本に行けるのだから勉強しなくていいや」「何か困ったときは受け入れ企業が助けてくれるから大丈夫」などという甘えた考えが出てくることもあります。ですから、送り出し機関の手数料を安くすれば良いというわけでもないと思います。

    その国の規定に従うべきですけれども、その中でも各送り出し機関さんが何らかのガイドラインを設けて運営をしていき、人のご厚意を無駄にするようなことがないようにしていくのも重要と思います。

    技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?

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    各国で技能実習生の本人負担額の上限金額は違いますし、各国の経済状況、それぞれの技能実習生の家族の状況にもよります。

    ミャンマーの場合はほとんどの人が、本人負担額の半額ぐらいの金額は何とか家族で集めて、残りは誰かから借りる形が多いと思います。(ミャンマーは金融制度が発達しておらず、高利貸しから多額の借金をすることがほぼできないので、幸いなことに個人間の貸し借りが主流です)

    技能実習生の本人負担額(背負う借金)はいくらまでであるべきかですが、私の考えとしては、やはり日本に行ってから3~4か月、長くても6か月ぐらいで(6ヶ月分の手取り給料から生活費などを引いて)返済できるような金額でないと、3年間日本に来て苦労して働く意味がないと思います。

    100~150万円以上の借金をして来日する技能実習生がいるという報道もありますが、その場合は恐らく1年間以上、ひどい場合では2年以上借金返済のために働かなくてはいけなくなります。

    借金の返済のために働く期間が1年以上になってしまう場合、本当に3年間日本に来て働く意味はあるのでしょうか。それでも残りの期間で貯金ができればそれでいいのでしょうか。疑問に思うところです。

    もちろん借金しないで日本に来られる人はそれが一番いいと思いますが、だいたい3~4か月、長くても6ヶ月ぐらいで返済できないと日本にわざわざ来る意味がないのではないと思います。

    技能実習生が負担する多額の借金の原因

    技能実習生の法外な借金の金額、送り出し機関に払う膨大な金額に関して、ニュースではベトナムの例がよく報道されていると思いますが、ベトナムの送り出し機関がすべて悪いわけではなく、やはりその需要と供給のバランスに原因があると思います。

    一時期中国の送り出し機関さんからの技能実習生がなかなか集まらないということで、一気に技能実習送り出し国の波がベトナムに向かった時期があります。このときに需要と供給のバランスが崩れてしまったのだと思います。

    ベトナムの送り出し機関としては、てんてこ舞いになるほど技能実習生の依頼が日本から舞い込み、きっとどんな状態でもどんどん人を送ることができるし、日本側も必要なのだからと、正常な判断ができなくなってしまったことが原因と思われます。

    需要があまりにも供給を上回ったために、バランスが崩れてしまい、悪いことをしてもよい、儲けるなら何でも有りになってしまったのではないかなと個人的には思っております。

    送り出し機関は監理団体の接待要求・キックバック要求に応じるべきか?

    では次のテーマは、送り出し機関が接待やキックバックの要求に応じるべきかについてです。

    過度な接待、一切のキックバックは法令違反

    送り出し機関が監理団体や受け入れ企業に対して過度な接待をすること、またキックバック(現金で賄賂的なものを提供すること)は、日本においては技能実習の法令で明確に禁止されています。

    以前はこのルールが明確ではなく、過度な接待やキックバックが横行していましたし、我々も当然の如く監理団体などから接待やキックバックを要求されました。我々はすべて断っていましたが、「だったら他の送り出しにするよ」と言われてしまい、とても悲しい思いをしました。
    しかし、外国人技能実習機構はある時点から監理団体の取締りを厳格化し、現在は明確に法令違反となっています。 送り出し国によっては接待とキックバックについて明確なルールがない国もあり、また罰則が甘いため未だに接待やキックバックが撲滅されていません。

    では「接待」と「お客様への歓迎(食事など)」はどう違うのでしょうか? 例えば、受け入れ企業様や監理団体様がはるばる日本からミャンマーに面接や視察、技能実習生への激励などで来ていただいたときに、到着された日に歓迎・懇親という意味でいっしょに夕食をさせていただくのは過度な接待でしょうか?また面接日や視察の日にランチや夕食を普通のレストランでご一緒させていただくのは過度な接待でしょうか?

    我々は、お客様を歓迎するおもてなしの気持ちで食事をいっしょにさせていただくことは問題ないと考えています。問題なのはそれ以上の過度な接待です。夜の女性が接客するお店や、食事を超えた宴会は過度な接待に該当すると思います。

    過度な接待と普通の歓迎・おもてなしの違いを、送り出し機関さんは節度をもって使い分ける必要があると思います。

    コンプライアンス遵守(法令遵守)の流れ

    最近は、技能実習機構の取締りもあり、監理団体様や受け入れ企業様が過度な接待をあからさまに要求したり、キックバックを要求するということはほとんどなくなりました。

    前述の通り、以前はこの点がかなり乱れていましたが、最近は逆に、例えばミャンマーに到着したときの夕食等においても「全部折半にさせてください」とのお話があったり、受け入れ企業様がミャンマーに何かの用事で来ていただいたときも「お構いなく、私は自分で食事しますので」といった形で、すごく気を遣っていただくようになりました。
    昨今はコンプライアンスの遵守が叫ばれていますので、会社の方針で接待を受けることを一切禁止している会社様も多くなり、正常化が進んできたと思います。

    送り出し機関の真の価値は何か?

    昨今は送り出し機関だけではなく、監理団体様・受け入れ企業様も「あるべき姿」を考えて行動されています。私達としてはできる限り監理団体様や受け入れ企業様と同じ方向を向いて、送り出し機関として正しい姿を追求していきたいと思っております。

    本来、監理団体様が送り出し機関を評価するポイントは、キックバックや接待をするかどうかではないと思います。

    評価いただくべきポイントは、技能実習生にどういう教育をしているか、技能実習生が日本に行ってからどういう指導ができるかなどだと思います。ミャンマーに限らず、送り出し機関に対して、監理団体様や受け入れ企業様がメールや電話で問い合わせをしたときに、どれだけ早く送り出し機関がレスポンスするか、どれだけ法令遵守して正しい送り出しをするかなどが本来の評価のポイントだと思います。最近は監理団体様の評価ポイントも大多数がそのようになってきたと思っておりますし、それが正しい姿ではないかと思います。

    技能実習生はなぜ高い手数料を支払わされてきたのか

    技能実習生がなぜ高い手数料を支払わされてきたのかという話題に戻りますが、例えば手数料の上限はミャンマーで2800ドル、ベトナムは3600ドルですが、送り出し国ごとに別名目で上乗せしてよい費用があるようです。

    ミャンマーの場合、送り出し機関が得る上限の2800ドルには下記費用を含めなければいけないというルールです。ミャンマー・ユニティは厳格に法令を遵守しますので2800ドル以外は一切徴収しません。

    1. 日本に渡航する前に行う健康診断費(1回当たり女性約60米ドル/男性約55米ドル、健康診断は2回受診)
    2. パスポート申請費(1名当たり約20米ドル。パスポートを保有していない生徒のみ)
    3. 日本大使館でのビザ申請費(1名当たり約25米ドル
    4. スマートカード申請費(1名当たり約6米ドル)
    5. PCR検査(1名当たり約120米ドル。場合により半額本人負担)
    6. 授業料及びテキスト代金(1名当たり約35米ドル)

    ミャンマー以外の国においても、それぞれの国で色々な規定があと思いますし、規定があいまいな場合も多いと思われます。例えば授業料とか何々料とかそういったものをどんどん加算していって、結局送り出し機関の意のままに膨大な金額を技能実習生に負担させることがまかり通ってしまっているのだと思います。

    技能実習生の法外な費用負担の本当の原因

    ではなぜ技能実習生は法外な高い手数料を支払わされてきたのでしょうか?その本当の原因は何でしょうか?

    それは、送り出し機関が監理団体などからのキックバックや過度な接待の要求があること、また過度な要求がなくても、送り出し機関自らがもっとオーダーを取るために、監理団体や受け入れ企業に対して接待やキックバックを提案する場合もあります。

    そのような費用が発生することで、技能実習生からさらに徴収をしないと送り出し事業の利益が出なくなってしまう、または赤字になってしまう。だから技能実習生に過大な負担を背負わさなければならないというところがあります。

    つまり、送り出し機関自身から過度な接待やキックバックの提案をすること自体が、結局は送り出し機関を苦しめることになるのです。そして結果、結局は技能実習生の負担が増えてしまうということに繋がって悪循環に陥ってしまっています。

    過度な技能実習生の借金は失踪増大の原因は?

    技能実習生に過度な借金を背負わせる送り出し機関は、技能実習生がその借金をどれぐらいの期間で返済できると考えているのでしょうか?技能実習生の法外な費用負担という歪んだ構造に対する自制心はないのでしょうか?技能実習生という一人の人生に対して、どこまで真剣に考えているのでしょうか?

    高い手数料を払い、過度な借金を背負って日本に行く技能実習生に対して、実際とは程遠い収入が日本で得られると虚偽の説明をし、1ヶ月で10万円も借金返済できると信じて来日した技能実習生もいます。
    しかし現実に手取り給与から生活費を差し引いて1ヶ月10万円残すというのはかなり難しいことです。1ヶ月で10万円返せると信じて来日したが、実際は6万円しか返せない。
    仮に虚偽の説明ではなかったとしても、天候や景気などの理由で、実際は想定していた収入と違うということもありますし、会社での仕事が思っていたよりも大変で休みを取るなど技能実習生にもいろいろな事情が発生します。

    そういう時に限って、同国人の悪いブローカーからの甘い誘いが来るのです。悪徳ブローカーでないとしても、自分の知っている友達や知り合いがもっと良い生活をしている、その子が羨ましいと思ったりすると、途端に仕事場から逃げ出したくなるのです。今の自分の状況と、ブローカーや知り合いの情報を比較して、他人の芝生が青く見えてしまうわけです。
    もちろん、技能実習生が高い手数料を払いすぎているから失踪するといったケースもありますが、それ以外の原因で失踪するケースもあるのです。

    技能実習生の失踪が社会問題に。防止する方法はないのか?

    昨今技能実習生の失踪が社会問題化しています。技能実習生失踪の一番の原因は背負わされた膨大な借金です。失踪率が高くなると、送り出し機関のみならず、監理団体も受け入れ企業も様々な罰を受けます。やはり、送り出し機関が受け取る手数料は妥当な金額でなければなりません。

    我々含めて送り出し機関は、今一度正しい送り出し事業をやっていくこと、初心に帰って何が技能実習生のためになるかを考える必要があると考えます。

    技能実習生に過度な負担をさせない仕組みを作れないか?

    技能実習生に過度な負担をさせないための仕組みを作れないかというご質問もいただいておりますが、先ほど申し上げましたように技能実習生の負担がゼロであれば、またそれはそれで問題も起きてしまいますので、その国の人々の生活や収入、手数料の規定などを踏まえて、各国の送り出し機関さんがどういうところが妥当なのか判断されて、運営をしていくべきと思います。

    送り出し機関の日本語教育はどうあるべきか

    日本人講師による、ネイティブな日本語の発音・表現方法を学ぶ生きた日本語の習得
    日本の文化・風習を学び、日本での生活に必要なマナーを習得日本での生活に対応する準備

    モチベーションが上がる日本語教育

    日本に行く技能実習生は、日本に日本語を勉強しに行くのが目的ではありません。日本に実習に(働きに)行くわけですので、やはり大事なのはコミュニケーション能力・会話能力だと我々は考えております。

    もちろん読み書きすること、漢字を勉強すること、漢字を理解することも重要ですけれども、それよりもコミュニケーションがとれることが一番重要だと思います。

    特に日本の現場の方とか工場や会社、地域によってその話し方や方言がいろいろです。そういった人たちと、うまく会話のキャッチボールができるように会話教育に力を入れてやっていくべきではないかと思います。

    我々送り出し機関が技能実習生に教える場合ですが、本人の日本語力がどれだけ伸びていくか、これは本人たちの頑張り次第ではありますが、モチベーション・やる気の出る授業を行うことが一番技能実習生の日本語力が伸びると思っております。

    つまり少しでも本人たちのやる気が出る授業、興味が沸く授業、そしてワクワクするような授業をどういうふうに工夫してやっていくかが大切だと思います。つまらない授業だと出席しているだけで、興味がわかず吸収できないと思いますので、我々も含め、送り出し機関さんはモチベーションアップする、やる気が出る授業をどうやって工夫していくかっていうところが今後の課題だと思います。

    日本語以外の教育の重要性

    日本語以外の教育も大変重要だと思います。
    例えば掃除の仕方、ゴミの出し方、働くために何が必要か、時間を守ることや報・連・相など色々あると思います。国によっても事情が異なるとは思いますが、ミャンマーの場合は学校で性教育等を受けておりませんので、性教育についても重要と考え、我々も授業に取り入れております。
    日本語力はとても重要です。しかし我々が日本語だけできればいいとは考えておりません。日本語以外にもとても大切なものがたくさんありますので、各送り出し機関様が工夫をしてもっともっと技能実習生のことを考えて、教えていくべきかと思います。

    手取り給与計算の教育の重要性

    給料の計算は重要です。
    ミャンマーでは一般的に給与控除という習慣がありません。給与支給額を全額本人が受け取り、税金などは本人が納付するというシステムが未だに多数派です。一方、日本では税金を含めて、色々と給与支給額から控除されるものがあり、ミャンマーの事情とかなり異なりますので、できる限りの情報を与えて理解させています。日本に行ってから「給与が減らされた」とか「話が違う」、「騙された」などと思われないよう、問題発生を未然に防ぐことが重要だと思います。

    劣等生にもフォーカスした教育の重要性

    技能実習生も人間ですので優等生もいるし、劣等生もいます。できない子も決してサボっているわけではありません。頑張っていないわけでもありせん。そのような個人個人の能力、多様性に対してフォーカスできる環境、学校作りっていうのも大切だと思います。
    できる子に関してはもっともっとできるようにするべきだと思います。我々の場合は各クラスに担任の先生がおりまして、そのクラスに15~18名ほどの生徒がいるのですが、やはり中にできる子もできない子もいます。その中で、できない子については個別に宿題を出すなどしております。

    できる子に関してはもっと伸びるように、何か新たな課題を出すなど工夫して、褒めつつ、でも「頑張って欲しい」という気持ちも伝えつつ、「やらなきゃいけないよ」っていう危機感も伝えながら、個人にフォーカスしていく環境があるといいと思います。

    介護技能実習生への日本語教育

    介護技能実習生は日本の技能実習法の規定で日本語能力試験(JLPT)N4の取得が必須ですので、どうしてもN4を取得するまでは「試験に合格するための授業」になってしまいます。こちらは避けられないと思っております。
    しかし、介護職の日本語教育はコミュニケーション力を高めるがとても大切です。ですから、N4を合格した後は利用者様・介護施設の同僚との会話能力をどれだけ高められるか、そういった授業をどうやって展開できるか、そこが重要になってくると考えております。

    将来日本に行ってからN2を取得し、介護福祉士を目指したい技能実習生はたくさんいます。また介護福祉士が目指せる能力とモチベーションがある技能実習生もたくさんいます。彼女たちに対して、ミャンマーにいる間に自分の素晴らしい可能性に気づいていただけるような教育をしていくことが今後重要になってくると考えております。

    送り出し機関の情報開示はどこまでガラス張りであるべきか?

    ガラス張り経営の必要性

    私の意見ですけれども、やはり透明性がある運営と管理方法をお客様に示すべきだと思います。情報もできる限り開示すべきだと思います。

    送り出し機関が必要以上に内情を隠したり、透明性がない運営をしておりますと、いつかそれが大きな問題となって返ってくると思います。
    送り出し機関としての理念を持ち、しっかり透明性ある運営をすることで、問題も早期に解決できると思いますし、送り出し機関の原因で受け入れ企業様や監理団体様に迷惑をかけることも避けられると思います。
    ましては技能実習生が後からとんでもない問題を起こすようなことがないようにするためにも、やはり透明性のある運営と管理を徹底し、できる限りの情報を開示していくべきだと考えております。
    私達は特に技能実習生の生活態度や教育に問題があった等のよくない情報こそ、早く開示し、偽りの報告をせずに、悪い出来事も真実のまま報告しています。そして発生した問題に対する対処を重要視し、誠意をもって対応することが大切だと考えています。

    タイムリーかつスピードのある対応の必要性

    よくお客様から言われるのは、スピードを持ってタイムリーに対応してほしいという要望です。どこの送り出し機関さんも日本語ができる窓口の方がいて、その方たちがボスに聞いて対応したりと、色々とやっていると思います。
    それぞれの送り出し機関が、顧客対応に関するルールや仕組みを作って、どのようにスピードを持ってタイムリーに回答していくか。こちらも情報開示とともに必要なところだと考えます。

    技能実習候補者には、受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきか?

    技能実習生には受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべき

    技能実習候補者には受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきかをお話します。送り出し機関の立場からの私の意見ですが、できるだけ受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべきだと思います。

    これにはいくつか理由がありますが、まずミスマッチ防止し、それによる失踪を防止するためです。求人をいただいたときはすごくいい会社に見え、写真では寮もすごく綺麗だった。でも実際に行ってみたら、寮はすごくボロボロだったなどということが現実にがよく起こります。

    人間の心理として「こんなはずじゃなかった」と一度でも思ってしまうと、信頼関係は崩れてしまい、そこから失踪に繋がることがあります。失踪という事実自体も問題ですが、その失踪したことによって技能実習生の人生が破滅してまったり、人生計画が崩れてしまうことが最も良くないことです。こうしたミスマッチを防ぐためにも、技能実習生にはできるだけ受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべきだと思います。

    受け入れ企業と技能実習生の信頼関係の構築

    また、受け入れ企業様と技能実習生の間の信頼関係を築いていただきたいと思っております。信頼関係は1日で築けるものではございません。一番初めに企業様にしっかりと企業と仕事に関する情報をいただき、技能実習生に丁寧に説明し理解してもらうことが肝心だと思います。

    そしてその後「この企業で働きたい」「この企業の面接で選んでいただいた。だから僕は頑張って勉強して絶対日本に行って頑張るんだ」と技能実習生に思ってもらうのです。このような信頼関係を築くためにも、企業様は自社の良いところも悪いところも技能実習生に全部説明してほしいと思います。例えば寮から会社までなり遠いとか、そのような良くない情報こそ、正直に伝えていただきたいです。

    もちろん職場が近い方が実際には便利ですが、「寮が遠くてもうちの会社はこんないいところがありますよ」というよい部分のアピールも重要です。しかし包み隠すことなく寮や現場などについて現状のありのままを説明いただくのが一番だと考えております。

    技能実習生に対して、企業様にその企業様のアピールポイントも含めて、プレゼンのような形で企業様情報を詳しく紹介いただき、技能実習生の心を掴んでいただいて、技能実習生がよりモチベーション高く勉強して頑張れるような良い関係が築けるとベストだと思っております。

    人材獲得競争が激化し、技能実習生が仕事を選ぶ時代に

    あとは、以前と比べて技能実習生が仕事を選ぶ時代になってきていると感じております。技能実習生が日本を選ばずに、韓国とか台湾とか他の国に行くという選択肢もあります。
    まず日本に行きたいと思ってもらうことが必要ですが、幸いミャンマー人技能実習生は自分がやりたい職種に過度にこだわったり、地方は絶対いやだと考える人は多くありません。他国では「都会じゃないといやだ」と考える人が多いようですが、そのような方はミャンマーにあまりいないとは思います。

    しかし、ミャンマー人技能実習生においても、自分がやりたい職種・やりたくない職種を強く持っている人もいます。アジア最貧国のミャンマーであってもそうですから、他のアジアの国々においては、すでに技能実習生が仕事を選ぶ時代に入ってきていると認識をしております。

    最終的には技能実習生がやる気を持って勉強し、モチベーションを高く保ち、どれだけ頑張れるかということころが鍵になってくると思います。ありのままの企業様の情報を詳細にいただいて、アピールポイント等も技能実習生にプレゼンしていただければうまくいくのではないかと考えております。

    送り出し機関の組織作りとチームワークの大切さ

    理念浸透の重要性

    送り出し機関さんもいろいろあると思いますが、スタッフ全員が同じ理念や気持ちで仕事をしているかという点はすごく重要ではないかと思います。

    以前は私もそこまで深く考えておりませんでした。とりあえず各スタッフが仕事の中で自分たちの役割責任を果たしていただくことが重要だと思っておりました。しかし最近になって、やはりスタッフの皆さんが同じ理念、同じ気持ちで誇りを持って仕事をしているかどうか、ここがその送り出し機関各社のカラーに繋がると思います。

    何のために働くか

    人間は「お金を儲けたい」「何かを成し遂げたい」など、様々な目標ややりたいことがあると思います。しかし、どんなときに一番心が満たされるかと考えると、誰かのために役に立つことをしたとか、誰かのために何かをして感謝されたとか、そういったときに一番心が満たされるのではないかなと思います。

    我々ミャンマー・ユニティの組織のことになりますが、やはり理念の軸はいつも「技能実習生のため」でありたいと思っております。実際に我々の理念は技能実習生のため、企業様のため、そしてスタッフ自身のためといったことを掲げておりますが、日々仕事をしていく中で「果たしてこれは技能実習生のためになるのか、ならないのか」この判断の軸がずれてはいけないと思います。

    チームづくりの重要性

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    個人個人においてもそうですが、各チームに対しても同様です。各チームも自分のためではなくて、技能実習生のため、チームのため、チームで自分たちが与えられた仕事をきちんと成し遂げるため、そういった考えも重要と思います。

    チーム作りはマネージャーの努力によるところも多いと思いますが、やはり会社としてしっかりした土台・理念があってこそ、それを浸透できるマネージャーが現れ、それについていく部下がいて、初めて良い組織ができてくると思います。

    なぜ私がこのような話をさせていただいたかというと、弊社ミャンマー・ユニティのことになりますけれども、2013年から送り出しを始めているので、後発企業です。
    しかし2019年と2020年に日本への送り出し実績がミャンマーで一番多い送り出し機関になることができました。これはもちろん日本の監理団体様や受け入れ企業様等のご支援等があってのことです。

    2019年に初めてミャンマーで一番日本に送り出す実績が多い送り出し機関になった時に、ある人から「ミャンマー・ユニティさんはNo.1になって何が変わりましたか」という質問を受けました。

    何が変わったか考えてみました。答えは「我々のスタッフが一番変わった」ことです。スタッフがより誇りを持ってこの仕事を行い、技能実習生のため、企業様のために少しでもお役に立とうという認識を持って、より誇りを持って仕事をしてくれるようになりました。そこが一番変わったと感じております。

    ですから我々も含め、送り出し機関として確固たる理念を持って経営し、スタッフが同じ気持ちで向かって仕事をしていくこと、それが送り出し機関の一つの重要なポイントではないかと思いまして、このようなお話をさせていただきました。

    今後の送り出し機関はどうあるべきか?

    まず法令遵守が必要

    悪質な送り出し機関があるとか、手数料を取り過ぎだとか、技能実習制度に対する批判が世間では渦巻いています。ベトナムや他の国にも言えることですが、やはり送り出し機関が透明性を持った運営をして、規定に沿って運営していくことが必須だと思います。
    守るべきルールに反していると必ずそれは送り出し機関自身に返ってきます。ですから規定に従うことは絶対に必要だと思います。

    コロナ禍におけるオンライン面接の質向上

    現在、コロナ禍で監理団体様や受け入れ企業様が現地に面接に来ていただくことがなかなか難しい中、リアル面接に匹敵するオンライン面接をどこまでできるかなど、送り出し機関さんも色々模索されていると思います。

    これは本当に重要な課題です。我々もそうですが、面接の前になるべくその技能実習生の自己紹介動画や家族の紹介動画など、技能実習生がアピールしたい部分を録画し、それをテロップをつけたり字幕をつけたりして編集し、事前にYouTubeのリンクとしてお客様にお渡しして、それをお客様に見ていただいた上で面接をしていただくこともしております。

    動画による家族紹介などをもっと取り入れて、現地面接に来ていただくよりも優れたオンライン面接を実現すること。企業様がしっかり技能実習生を個人として見て選んでいただけるような環境を作っていく必要と思います。

    送り出し機関としてDX化の推進

    送り出し機関としてDX化(デジタルトランスフォーメーション)の推進も重要です。
    技能実習生の情報をIT化・システム化して、いつでも誰でもどこでも、その情報がすぐに必要なときに必要な方にお渡しできるような仕組み作りも重要だと思います。

    また教育をさらにDX化・システム化するのも重要だと思います。ただ、教育についてはシステム化すればそれで終わりではありません。学ぶ本人たちのモチベーションを維持し高めることもとても重要です。これは簡単なことではありませんが、VR教育(バーチャルリアリティ教育)を取り入れることなど、様々な工夫をしていく必要があると思います。

    mu_image3 日本経済新聞の記事でミャンマー・ユニティの介護VR教育プロジェクトが取り上げられました

    面接候補者の日本語力のレベルアップ

    面接時に日本語がまともに話せないのは、一般的な技能実習生の面接においては当たり前かもしれません
    しかし監理団体様や受け入れ企業様、特に介護事業者様の要求レベルは「もっと日本語が話せる人が欲しい」というご意見です。

    我々は甘えてはならないと考えております。面接時にすでにN5を持っていること。できればN4を持っていること。日本入国までに日本語レベルをさらにアップさせ、出国時にはすでにN3を取得している・・・そのような質の高い日本語教育を送り出し機関がどれだけできるかも求められていると思います。

    要望に対する柔軟な対応

    監理団体様や受け入れ企業様からは様々な要望をいただきます。
    本当に技能実習生のためを思って要望いただくことですので、ご要望にどれだけ柔軟に対応できる送り出し機関かもポイントだと思います。

    当然監理団体様が間に入りますけども、我々送り出し機関は「技能実習生と受け入れ企業様の信頼関係をどのように構築できか」をお手伝いする役割があります。一方的に受け入れ企業様からの要望に応えるだけではなく、技能実習生から受け入れ企業様に対する様々な質問や、お手紙や「頑張っている姿を見てほしい」などの意見も踏まえて、信頼関係を構築できる架け橋を送り出し機関としてはやっていくべきではないかと思います。

    送り出し機関は大小ではない

    先ほど申し上げましたように、ミャンマー・ユニティは2019年と2020年においてミャンマーから日本に送り出す一番大きい送り出し機関になりましたが、送り出し機関は大きい小さいは関係ないと思っております。

    どれだけ人数を送ったから偉いとか、そういうことではなくて、小さな送り出し機関さんでも、それぞれいろんなことを工夫してやられている送り出し機関さんもあると思います。

    法令を遵守し、透明性を持った運営をする中で、それぞれの送り出し機関さんにいいところ、とても素晴らしいところ、工夫されているところがあると思います。一方で改善すべきところもあると思います。規模の大小ではないのです。

    我々もミャンマーで一番人数を送り出したからといって、自分たちが一番すごいとは思っておらず、それそれぞれのチームも含めてまだまだ改善すべきところはたくさんあります。引き続き、日々創意工夫をしながら頑張っていかなければならないと思っております。

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    失踪問題の解決

    あとは、送り出し機関側に失踪の解決方法があるかについてです。
    もちろん失踪の原因はいくつかあります。

    まずはすでにお話したように、送り出し機関の失踪対策の最大のポイントは過大な金額を技能実習生から徴収しないことです。
    さらに、日本でのサポートを充実させることです。送り出し機関自身が技能実習生の心のケアを綿密に行い、心の隙間が生じて悪徳ブローカーに技能実習生がそそのかされることを防ぐことも重要です。何か仕事や会社や職場環境に不満があると、つい心にスキができ、甘い話に乗って、失踪の原因となってしまいます。

    もちろん、ブローカーによる計画的かつ悪質な失踪勧誘については、企業様が被害者ということもあります。
    やはりブローカーの存在や、羨ましく見える「他の職業」の情報がSNSなどで錯綜する中で、技能実習生たちへのさらなるサポートも必要ですし、手厚い指導も必要だと思います。

    技能実習生が失踪しないよう、また失踪して人生を台無しにしてしまわないように、また受け入れ企業様にもご迷惑をかけないように、送り出し機関としてできることを一つずつやっていく必要があると改めて思っております。

    まとめ ~送り出し機関を見分ける方法~

    送り出し機関の選び方、見分ける方法について、いろいろとお話ししてまいりました。
    送り出し機関にもそれぞれ特徴がございます。送り出し国の特徴もございます。今後、特定技能制度が普及し、送り出し機関の使命はさらに多様化していくことと思います。技術・人文知識・国際業務や特定活動など、他の在留資格も増えてまいります。移民制度もいつかスタートすることでしょう。そのような状況の中で、受け入れ企業様・監理団体様、そして人材紹介会社様にとっての選択肢はさらに広がっていくと思われます。

    我々も含めて、各送り出し機関さんが自社の強みを生かして、もっと差別化をしていくこと、「誰にも負けないことがあるんです」みたいな抜け出し方もありますし、万全に全てにこなしていく送り出し機関さんもあると思います。またそれぞれ国で、国民性や文化が反映された素晴らしい運営をされているところもあると思います。

    そんな中で、我々も含めて各送り出し機関さんがより一層自社の強みをもっと出し、切磋琢磨してより良い人材をいろんな国から日本に送って、日本の受け入れ企業様等の助けになるようにすること。日本の受け入れ企業様が、技能実習生を受け入れてよかった、もうこの人たちがいないと自分たちの企業が成り立たないと感じていただいて、技能実習制度がこれからも長く続く制度になっていければ考えております。

    少し長くなりましたけど、私からのお話は以上とさせていただきます。
    ご清聴ありがとうございました。

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  • 2021.01.08技能実習生はどの職種で受け入れ可能か|受け入れ職種一覧【2022年最新】

    目次

    1. 外国人技能実習生受け入れが可能な職種とは
      1. 農業関係(2職種6作業)
      2. 漁業関係(2職種10作業)
      3. 建設関係(22職種33作業)
      4. 食品製造関係(11職種18作業)
      5. 繊維・衣服関係(13職種22作業)
      6. 機械・金属関係(15職種29作業)
      7. その他(17職種30作業)
      8. 社内検定型の職種・作業(1職種3作業)
    2. 技能実習生の号移行対象職種について
    3. 職種によって指導作業の必須項目がある
    4. 職種以外の受け入れ可否を決めるポイント

    外国人技能実習生受け入れが可能な職種とは

    近年、外国人技能実習制度は建設業やホテル、介護等幅広い職種で受け入れが増えています。外国人技能実習生の受け入れにより社内の活性化や作業工程改善の機会などさまざまなメリットがあります。しかし、すべての職種で外国人技能実習生の受け入れができるというものではありません。 外国人技能実習生の受け入れを検討する際、受け入れ可能な職種か事前に把握しておく必要があります。2022年1月24日現在85職種156作業が技能実習2号移行可能職種となっており、外国人技能実習生の受け入れが可能です。

    主な職種としては、介護・食品加工・宿泊・金属加工・溶接・塗装などがあります。

    また、2022年1月24日現在77職種135作業が技能実習3号移行可能職種となっています。

    農業関係(2職種6作業)

    職種 作業名
    耕種農業 施設園芸
    畑作・野菜
    果樹
    畜産農業 養豚
    養鶏
    酪農

    漁業関係(2職種10作業)

    ※漁業関係の送り出しについては事前にお問い合わせください。
    職種 作業名
    漁船漁業 かつお一本吊釣り漁業
    延縄漁業
    いか釣り漁業
    まき網漁業
    ひき網漁業
    刺し網漁業
    定置網漁業
    かに・えびかご漁業
    棒受網漁業技能実習3号移行対象職種ではありません
    養殖業 ほたてがい・まがき養殖

    建設関係(22職種33作業)

    職種 作業名
    さく井 パーカッション式さく井工事
    ロータリー式さく井工事
    建築板金 ダクト板金
    内外装板金
    冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工
    建具製作 木製建具手加工
    建築大工 大工工事
    型枠施工 型枠工事
    鉄筋施工 鉄筋組立て
    とび とび
    石材施工 石材加工
    石張り
    タイル張り タイル張り
    かわらぶき かわらぶき
    左官 左官
    配管 建設配管
    プラント配管
    熱絶緑施工 保温保冷工事
    内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事
    カーペット系床上げ工事
    銅製下地工事
    ボード仕上げ工事
    カーテン工事
    サッシ施工 ビル用サッシ施工
    防水施工 シーリング防水工事
    コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事
    ウエルポイント施工 ウエルポイント工事
    表装 壁装
    建設機械施工 押土・整地
    積込み
    掘削
    締固め
    築炉 築炉

    食品製造関係(11職種18作業)

    職種 作業名
    缶詰巻締 缶詰巻締
    食鳥処理加工業 食鳥処理加工業
    加熱性水産加工食品製造業 節類製造
    加熱乾製品製造
    調味加工品製造
    くん製品製造
    非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵製品製造
    乾製品製造
    発酵食品製造
    調理加工品製造発酵食品製造
    生食用加工品製造
    水産練り製品製造 かまぼこ製品製造
    牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造作業
    ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造
    パン製造 パン製造
    そう菜(惣菜)製造業 そう菜(惣菜)加工
    農産物漬物製造業技能実習3号移行対象職種ではありません 農産物漬物製造
    医療・福祉施設給食製造技能実習3号移行対象職種ではありません 医療・福祉施設給食製造

    繊維・衣服関係(13職種22作業)

    職種 作業名
    紡績運転技能実習3号移行対象職種ではありません 前紡工程
    精紡工程
    巻糸工程
    合ねん糸工程
    織布運転技能実習3号移行対象職種ではありません 準備工程
    製織工程
    仕上工程
    染色 糸浸染
    織物・ニット浸染
    ニット製品製造 靴下製造
    丸編みニット製造
    たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造
    婦人子供服製造 婦人子供服既製服縫製
    紳士服製造 紳士服既製服製造
    下着類製造 下着類製造
    寝具製作 寝具製作
    カーペット製造技能実習3号移行対象職種ではありません 織じゅうたん製造
    タフテッドカーペット製造
    ニードルパンチカーペット製造
    帆布製品製造 帆布製品製造
    布はく縫製 ワイシャツ製造
    座席シート縫製 自動車シート縫製

    機械・金属関係(15職種29作業)

    職種 作業名
    鋳造 鋳鉄鋳物鋳造
    非鉄金属鋳物鋳造
    鍛造 ハンマ型鋳造
    プレス型鋳造
    ダイカスト ホットチャンバダイカスト
    コールドチャンバダイカスト
    機械加工 普通旋盤
    フライス盤
    数値制御旋盤
    マシニングセンタ
    金属プレス加工 金属プレス
    鉄工 構造物鉄工
    工場板金 機械板金
    めっき 電気めっき
    溶融亜鉛めっき
    アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理
    仕上げ 治工具仕上げ
    金型仕上げ
    機械組立て仕上げ
    機械検査 機械検査
    機械保全 機械系保全
    電子機器組立て 電子機器組立て
    電気機器組立て 回転電機組立て
    変圧器組立て
    配電盤・制御盤組立て
    開閉制御器具組立て
    回転電機巻線製作
    プリント配線板製造 プリント配線板設計
    プリント配線板製造

    その他(17職種30作業)

     
    職種 作業名
    家具製作 家具手加工
    印刷 オフセット印刷
    グラビア印刷技能実習3号移行対象職種ではありません
    製本 製本
    プラスチック成形
    圧縮成形
    射出成形
    インフレーション成形
    ブロー成形
    強化プラスチック成形 手積み積層成形
    塗装 建築塗装
    金属塗装
    鋼橋塗装
    噴霧塗装
    溶接 手溶接
    半自動溶接
    工業梱包 工業梱包
    紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き
    印刷箱製箱
    貼箱製造
    段ボール箱製造
    陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形
    圧力鋳込み成形
    パッド印刷
    自動車整備 自動車整備
    ビルクリーニング ビルクリーニング
    介護 介護
    リネンサプライ技能実習3号移行対象職種ではありません リネンサプライ仕上げ
    コンクリート製品製造 コンクリート製品製造
    宿泊技能実習3号移行対象職種ではありません 接客・衛生管理
    RPF製造 RPF製造

    社内検定型の職種・作業(1職種3作業)

    職種 作業名
    空港グランドハンドリング 航空機地上支援
    航空貨物取扱
    客室清掃技能実習3号移行対象職種ではありません

    技能実習生の号移行対象職種について

    技能実習の区分は、入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2.3年目の技術等に習熟するための活動(第2号技能実習)、4.5年目の技術等に熟達する活動(第3号技能実習)の3つに分けられます。その際、外国人技能実習生が号移行できる職種は主務省令で定められています。

    技能実習2号移行対象職種は85職種156作業、技能実習3号移行対象職種は77職種135作業あります。以下のリンクから対象職種一覧、移行手続きの流れ等ご確認いただけます。

      

    外国人技能実習生が第3号に移行できない職種・作業があります。
    以下の通りです。

    職種 作業名
    漁船漁業 棒受網漁業
    農産物漬物製造業 農産物漬物製造
    医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造
    紡績運転 前紡工程
    精紡工程
    巻糸工程
    合ねん糸工程
    織布運転 準備工程
    製織工程
    仕上工程
    カーペット製造 織じゅうたん製造
    タフテッドカーペット製造
    ニードルパンチカーペット製造
    印刷 グラビア印刷
    リネンサプライ リネンサプライ仕上げ
    宿泊 接客・衛生管理
    空港グランドハンドリング 客室清掃

    上記職種・作業において、外国人技能実習生は原則最高で3年間しか国内に在留できません。(宿泊職種で技能実習2号を修了した外国人技能実習生は、無試験で特定技能1号に移行することが可能です。)不法滞在などのトラブルを避けるためにも、外国人技能実習生の職種・作業が号移行対象であるのか事前に確認しましょう。

    職種によって指導作業の必須項目がある

    対象職種の中に受け入れをしたい職種が入っていれば外国人技能実習生の受け入れが可能なのか。実はそういうわけでもありません。各職種にはそれぞれ必須作業、関連作業、周辺作業といって外国人技能実習生に指導する作業の項目が定められており、その定められた必須作業を50%以上行わないと受け入れが出来ません。 例えば惣菜製造作業(1号時)の必須作業は下記のものになります。

    そう菜(惣菜)加工作業

    1. 下処理作業
      1. 食材の選別及び洗浄作業
      2. 食材の皮剥き及びカット作業
    2. 調理作業ⅰ)、ⅱ)の双方、又はいずれかを標準作業書通りに行う
      1. 加熱調理(炊く、茹でる、揚げるの全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
        1. 食材(下処理済)の準備作業
        2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
        3. 調理及び加熱温度測定作業
      2. 非加熱調理(合える(和える))
        1. 食材の計量作業
        2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
        3. 調理状態確認作業
    3. 衛生管理作業
      1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
      2. 洗浄・消毒及び殺菌作業

    このように職種ごとに必須作業等の諸条件が設置してあり、それをクリアすることで初めて外国人技能実習生の受け入れが可能になります。

    外国人技能実習生における職種の受け入れ諸条件を確認したい方は厚生労働省ホームページ「審査基準」にてご確認下さい。

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    職種以外の受け入れ可否を決めるポイント

    また、職種の問題だけではなく、従業員の人数で受け入れ可能人数は変わってきますし、36協定が順守されているか、安定した経営がなされているか等も外国人技能実習生受け入れ可否を決めるポイントとなってきます。

    外国人技能実習制度はただの労働力確保のための制度ではありません。日本の高度な技術を海外へ転移させることが制度の目的です。

    外国人技能実習生の受け入れを検討しているが職種が該当するかわからない、という方はミャンマー人材送出し機関ミャンマー・ユニティにお問合せ下さい。

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  • 2020.09.28介護技能実習生も慰労金の対象になる?

    目次

    1. 慰労金対象者の条件
      1. 対象サービス
      2. 勤務日数と時間
      3. 該当する雇用形態
      4. 介護技能実習生も対象
      5. 対象外になる人
      6. 対象となる期間
      7. 慰労金給付回数
      8. 慰労金は非課税
    2. 20万・5万の条件
    3. 慰労金申請方法
      1. 職員:勤務先に代理受領委任状を提出
      2. 施設:都道府県へ給付申請
      3. 申請書の提出方法
    4. 慰労金 支給・支払いされた後の対応
      1. 職員への慰労金の支給
      2. 精算手続き(概算額で申請の場合)・証拠書類の保管

    新型コロナウイルス感染症対策で医療従事者や介護施設で働く方に対して国から慰労金が給付されます。介護現場で働く介護技能実習生も条件を満たしていれば支給対象です。

    慰労金対象者の条件

    慰労金の支給対象者は幅広いです。資格や職種、雇用形態などの限定はなく、委託職員も一定の要件を満たせば交付対象になります。

    対象サービス

    下記サービスの事業所・施設で「患者さん・利用者さんに接する業務」に就いている方全員が対象です

    • 訪問系サービス事業所
    • 訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援、福祉用具貸与、居宅療養管理指導

    • 通所系サービス事業所
    • 通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション

    • 短期入所系サービス事業所
    • 短期入所生活介護、短期入所療養介護

    • 多機能型サービス事業所
    • 小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護

    • 介護施設等
    • 介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、認知症対応型共同生活介護事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

    勤務日数と時間

    • 対象期間に介護サービスの施設や事業所で通算10日以上勤務して利用者と接していた
    • 1日当たりの勤務時間が問われない
    • 複数の事業所等で勤務された方は合算して計算される

    該当する雇用形態

    雇用形態は不問です。
    介護施設等の事務職員の方であっても、現場で働いている場合は、利用者と接する機会があるということで、給付対象となっています。
    派遣労働者や業務受託者も上記の対象期間中の勤務日数の条件を満たせば対象に含まれます。

    介護技能実習生も対象

    上記の条件に当てはまれば、介護技能実習生も給付対象となります。
    なぜこの慰労金が給付されるのかを介護技能実習生に伝えることが重要です。受け入れ事業者様には介護技能実習生への説明等のサポートをお願いします。

    対象外になる人

    法人の本部などで、利用者と直接接しないオフィスワークの人は、給付対象外となっています。

    対象となる期間

    当該都道府県における新型コロナウイルス感染症患者1例目発生日又は受入日のいずれか早い日(岩手県は、緊急事態宣言の対象地域とされた4/16から6/30までの間)

    慰労金給付回数

    複数の介護施設や事業所で働いていても、重複して受け取ることはできません。

    慰労金は非課税

    給付される慰労金は非課税です。そのため、税金や社会保険料が控除されませんので20万円であれば20万円がそのまま振り込まれます。

    Q&A

    「利用者と接する」とはどこまで含まれるの?

    利用者との接触とは、身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する場合も含まれます。利用者がいる建物から離れた別の建物に勤務し、物理的に利用者に会う可能性が全く無いような場合は対象となりません。なお、最終的な判断は都道府県が行うこととなりますが、一義的には各事業者で判断いただくことになります。
    (厚労省パンフレットより引用https://www.mhlw.go.jp/content/000652458.pdf

    20万・5万の条件

    都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し、患者と接する医療従事者や職員
    →「実際に、新型コロナウイルス感染症患者に診療等を行った医療機関等」である場合:20万円
    →上記以外の場合:5万円

    その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員:5万円

    ikoukin1

    患者については症状が出た日、濃厚接触者については感染者と接触した日

    慰労金申請方法

    原則、医療機関・介護施設が対象となるスタッフを特定して委任状を集め、まとめて都道府県に代理申請するという仕組みです。実際の申請方法は都道府県ごとに異なる場合がありますので、該当の都道府県の手続きを照会してご確認ください。

    職員:勤務先に代理受領委任状を提出

    現在、慰労金給付対象の介護施設等に従事している人は、原則として、給付を受ける職員本人が勤務先の介護サービス事業所・施設等に「代理受領委任状(様式4)」を提出します。

    この委任状は、都道府県への提出は不要です。ただし、介護施設等が慰労金の代理受領を証するものとして、都道府県からの求めがあった場合に速やかに提出できるよう、法人本部又は介護サービス事業所・施設等において、適切に保管しなければなりません。

    施設:都道府県へ給付申請

    委任を受けた介護事業所・施設等は、代理受領の委任を行った職員について、「慰労金受給職員表(様式3)」を取りまとめ、「申請書」「事業所・施設別申請額一覧(様式1)」「事業実施計画書(様式2)」とともに各都道府県の国民健康保険団体連合会(以下、国保連)に給付申請を行います。

    なお、介護サービス事業所・施設等のうち、介護報酬を請求可能な事業所・施設等においては、申請書等に必要事項を記載の上、原則として、各都道府県の国保連への申請となります。複数の都道府県に事業所を有する法人の場合は、都道府県単位でとりまとめを行い、重複がないよう申請が必要です。

    申請書の提出方法

    主な申請方法は以下になります。申請にあたっては、介護サービス事業所等の申請マニュアルをよくご確認ください。厚生労働省のホームページに、標準的な申請書等のモデル例が掲載されていますが、都道府県ごとに異なりますのでご注意ください。

    ①電子請求受付システムでの請求

    「電子請求受付システム」に、介護報酬請求で使用している ID・パスワードによりログインし、本事業の申請画面にアクセスしていただき、提出用のファイルをアップロードします。 なお、電子媒体・紙による介護報酬請求を行っている事業所・施設等や、ユーザID、パスワードを失念した事業所・施設についても、「ID、仮パスワード」を発行することによりインターネット申請が可能となります。
    詳細は国保連までお問い合わせください。

    ②電子媒体(CD-R等)での申請

    各都道府県の申請方法をご確認ください。

    ③紙媒体での申請

    各都道府県の申請方法をご確認ください。

    慰労金 支給・支払いされた後の対応

    慰労金は都道府県が申請を受理した後、1~2か月を目途に介護施設等に交付される見込みです。

    職員への慰労金の支給

    慰労金が支給されたら、施設や事業所が職員へ給付します。なお、介護サービス事業所・施設等が介護従事者等に支給する際の振込手数料は、別途国庫補助の対象となります。

    精算手続き(概算額で申請の場合)・証拠書類の保管

    事業所・施設等は、助成金の執行や慰労金の職員への給付が終わったのち、都道府県に対し実績報告書を提出します。
    なお、支出内容を証明する書類(領収書、振込記録等)は、都道府県から求めがあった場合には速やかに提出することを前提として、法人本部や各事業所において適切に保管することとし、都道府県への提出を要しません。
    また、 助成金等に係る収入及び支出内容に関する証拠書類は、交付決定日の属する年度の終了後5年間は保管が必要です。会計検査等の際、証拠書類の原本が確認できない場合は、助成金等の返還を求められる場合がありますので、不備のないよう証拠書類を保管する必要があります。

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  • 2020.08.18技能実習生の就労までの手続きと流れ

    目次

    1. 送り出し機関による適正テストのクリア(技能実習生)
    2. 在留資格認定証明書の発行(実習実施者)
    3. スマートカードの発給(ミャンマー独自の申請)
      1. スマートカード申請の流れ
      2. スマートカード申請の際に必要な書類
    4. 監理団体の下で1か月の講習後、配属

    送り出し機関による適正テストのクリア

    技能実習生として日本へ行きたい人は、まず送り出し機関に応募をします。送出し機関はその応募者に対し実習生制度の説明や実習生として適正かどうかのテストを行います。テストをクリアした人材は面接を受ける資格を手にします。

    適正かどうかのテストを行います。
    適正かどうかのテストを行います。

    在留資格認定証明書の発行

    実習実施者は、面接を希望する約1ヶ月前までに受け入れ条件が記載された要望書と雇用条件書を監理団体経由で提出します。

    これで面接の準備が整いました。面接は実際に実習実施者が現地を訪問し実習生候補を直接面接します。(場合によってはスカイプ等で行う場合もあります。) 面接終了後、実習生へ向けて雇用条件書の説明をし、雇用条件と契約書の締結をします。

    ここから実習生は5ヶ月間(※介護の場合は10か月)N4程度の日本語の修得(介護の場合はN3程度)と日本のマナーや習慣の講習を受けます。

    また、日本では外国人技能実習機構にて実習計画の認定を受けます。
    計画認定を受けるためには監理団体の情報、実習実施者の書類、送り出し機関作成の書類など様々な書類を提出します。認定が出るまでに3週間~2ヶ月ほどかかります。(地域と職種により審査時間は異なる)日本で外国人技能実習機構より計画認定がでた後は入国管理局へ在留資格の交付申請を行います。この手続きには約1ヶ月かかります。在留資格認定証明書が発行されれば日本側での入国手続きは終了です。

    スマートカードの発給

    ミャンマーにはミャンマー国外へ就労するためのミャンマー独自の申請があります。 それがスマートカード(海外労働許可証)発給という作業です。出国の際には、通常の出国審査とは別にスマートカードの所持確認が行われています。

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    また、スマートカード取得の際に、ミャンマー労働省による事前講習(ミャウダゴン講習)を1日間受講することも必要とされています。講習ではルール規則や罰則規定などの説明を受けます。

    このように各国で独自の手続きがある場合がございますので事前にご確認下さい。

    スマートカード申請の流れ

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    1.   送り出し機関がミャンマー政府労働省にデマンドレター※1(監理団体作成)、監理団体と送り出し機関の協定書の写し、企業捺印済の雇用契約書、雇用条件の写しを申請します。
    2.   上記書類がミャンマー政府外務省を経由して在日ミャンマー大使館まで届きます。
    3.   大使館から監理団体に対して、監理団体と受け入れ先企業についての書類を求めるので、監理団体がそれらの書類を提出し、大使館の審査を待ちます。
    4.   審査が終わると、大使館のフェイスブックページにデマンドレター申請の審査済の企業リストが掲載されます。
      送り出し機関から掲載されたリストのスクリーンショットで「送り出すプロセスの勧め許可書」を労働省に申請し、申請からおよそ1週間後に労働省から送り出し機関にメールにて許可書を送ります。
    5.   許可書をメールでいただいた後に、送り出し機関が所在する地域の市役所に行って下記の書類2種類に市役所役員の署名をいただく必要があります。
      1. 企業様の押印、送り出し機関の代表者の押印、実習生の署名がある雇用契約書・条件書
      2. 労働省が定めた送り出し機関と内定者の間の同意書
    6.   海外での就労予定のミャンマー人に対してミャンマー政府の労働省が1日間の講習(ミャウダゴン講習)を実施し、修了すれば講習修了証明書を発行します。
      (※本講習の予約のためにCOE,査証、市役所で締結済の書類等が必要)
      (※上記記載の「監理団体」は特定技能の場合、監理団体の他「登録支援機関」、「有料職業紹介会社」、「行政書士」、「受入企業」が想定されます)
    7. すべての過程が終了した後、スマートカードの申請を行います。スマートカード申請には以下の書類が必要です。

    ※1 デマンドレター申請時の必要書類

    • 仕事現場の写真
    • 実習生が住む予定の寮の写真
      寮の写真に関しては現時点で実習生が入っている企業に関しては、現在在籍の実習生の部屋の外見と部屋の中の写真(どんな家具や家電があるか分かる写真)
      実習生がいない新規での受入の場合は予定している部屋などの間取り図

    スマートカード申請の際に必要な書類

    • Cabinet(デマンドレター申請許可証)
    • ミャンマー労働省の講習修了証明書
    • 在留資格認定証明書

    ミャンマー側で在留資格認定証明書原本を受け取り、ビザ(査証)の申請を行います。 この手続きには10日間から2週間ほどかかります。

    日本側で計画認定が下り、在留資格認定証明書が発行され、ミャンマー側でスマートカード発行とビザの発行が終わるとすべての手続きが終わり日本へ入国できる状態になります。

    入国した実習生
    入国した実習生

    監理団体の下で1か月の講習後、配属

    技能実習生は入国後すぐ実習実施者のもとで働けるわけではありません。 入国後監理団体の下で1ヶ月の研修を行い日本語の学習と生活に慣れるための研修を受けます。

    入国後講習施設で講習を受ける実習生
    入国後講習施設で講習を受ける実習生

    日本での1ヶ月の入国後講習を終え、実習実施者への配属となります。 実習生の面接を行ってから、実際に入国するまで約6ヶ月~7ヶ月かかります。その間に日本側、ミャンマー側で様々な審査があり、実習生はその間に日本語の学習や日本のマナーについてしっかり勉強をします。この間実習実施者には実習生が配属したら心地よく働くことが出来るよう日本人従業員への制度の説明、日本人従業員が実習生制度について理解してもらうこと、実習生の居住場所の整備をしていただく必要があります。

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  • 2020.05.29就労ビザと在留資格の違い

    目次

    1. 就労ビザと在留資格の違い
    2. 在留資格によって活動に制限がある
    3. 介護職など、同じ職種で複数の在留資格がある場合も
      1. 介護 各在留資格の比較
      2. 介護以外 各在留資格の比較

    就労ビザと在留資格の違い

    結論から言うと、「就労ビザ」という言葉は厳密にはありません。「ビザ」とは日本語では「査証」と呼び、外国人が自国に滞在しても差し支えないことを証明する許可証のようなものです。これは、身元が確かな人物であるかどうかなど、入国に相応しい人物に対して与えられます。

    一方で在留資格は、どのような目的で日本に在留しているのかを示す資格のことです。
    その中で、就労が目的になる在留資格がいくつかありますが、それらを慣例的に「就労ビザ」と呼んでいるのです。

    したがって、まず日本に入国するために「ビザ」が必要で、目的の活動を日本で行うために「在留資格」が必要、ということになります。

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    在留資格によって活動に制限がある

    日本に入国する外国人にはさまざまな目的があり、その目的によって、認められる在留資格が異なります。例えば留学に来ている学生は「留学」という在留資格ですし、日本人と結婚して日本に住んでいる方には「日本人の配偶者等」が与えられます。

    そんな中、日本に働きに来る方に与えられる在留資格には、その活動によってそれぞれの名前の在留資格があります。大学の教授なら「教授」、通訳なら「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)などです。ミャンマー・ユニティで送り出しをしている特定技能た技能実習生もそれぞれ「特定技能1号」や「技能実習」という名前の在留資格を持っています。

    どのような在留資格を持っているかによって、働ける職種は異なります。

    例えばコンビニへ行くと外国人が働いている姿を良く見かけますが、技能実習や特定技能1号の在留資格で日本へ入国している方は、コンビニで働くことはできません。なぜなら「コンビニで働くための在留資格」は存在しないからです。

    では実際に働いている人はどのような在留資格を持っているかというと、「永住者」や「日本人の配偶者等」といった、活動制限のない在留資格か、就労が原則的に認められない在留資格の内、「資格外活動許可」という資格を得ている外国人ということになります。

    介護職など、同じ職種で複数の在留資格がある場合も

    逆に、同じ職種でも複数の在留資格が存在する資格があります。
    例えば「介護職」です。
    同じ介護職でも、「技能実習」の在留資格で働いているケースもありますし、「特定技能1号」でも介護職に就けます。また「介護」という名の在留資格もあります。

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    このようなことから、外国人の雇用をお考えの企業様などから「どの在留資格を持った外国人を採用するべきなのか」と迷われるケースがしばしば起こります。これは在留資格や職種、あるいは企業様の環境や条件、雇用したい期間によって異なります。ミャンマー・ユニティでは、目安として在留資格ごとの比較表を作成しています。参考にしてみてください。

    介護 各在留資格の比較

    在留資格名 技能実習 特定技能 在留資格
    「介護」
    EPA
    おすすめ度
    おすすめ理由(メリット)
    • 技能実習期間は転職ができないので雇用が安定する
    • 現地求職者が集まりやすい(内定先が決まってから事前学習ができるため)
    • 短期間で配属できる
      (約7~8ヶ月)
    • 最長10年日本で働ける(技能実習最長5年+特定技能1号5年)
    デメリット
    • 6ヶ月間人員基準に含められない
    • 施設開設から3年間は受け入れできない
    • 雇用できる人数枠が小さい
    • 受け入れ後の制約が大きい
    • 転職の可能性がある
    • 現地求職者が集まりにくい(各種試験に合格してからでないと求人応募ができないため)
    • 現時点では入国、配属に時間がかかる。(面接前の準備期間が長い)
    • 5年しか働けない
    ハードルが高いのであまりおすすめできません。 ハードルが高くまた激しい人材獲得競争があり、おすすめできません。
    在留期間 技能実習3~5年+特定技能1号5年 5年 介護福祉士資格取得後、無制限 介護福祉士資格取得後、無制限
    受け入れ可能国
    15ヶ国
    インド
    インドネシア
    ウズベキスタン
    カンボジア
    スリランカ
    タイ
    中国
    ネパール
    バングラデシュ
    フィリピン
    ベトナム
    ペルー
    ミャンマー
    モンゴル
    ラオス
    9ヶ国
    インドネシア
    カンボジア
    タイ
    中国
    ネパール
    フィリピン
    ベトナム
    ミャンマー
    モンゴル
    一応、制限なし インドネシア・フィリピン・ベトナム
    受け入れのための申請方法 監理団体を通じて、外国人技能実習機構に実習計画認定を申請、その後出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請、その後業種別協議会に加入 出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請
    転職の可否 原則不可 可能(同業種内) 可能 可能
    管轄の機関 外国人技能実習機構 出入国管理庁 出入国管理庁 出入国管理庁
    外国人の就労条件 18歳以上 18歳以上 大学卒業 大学卒業
    必要とする日本語能力 4級 4級 2級以上 2級以上
    面接までに要する期間 申込後1ヶ月 2021年より面接開始予定
    面接→配属までの期間概算 13~15ヶ月 6~7ヶ月 留学生としての特定活動には約8ヶ月、就労までは5年程度 留学生としての特定活動には約8ヶ月、就労までは5年程度
    受け入れの流れ 技能実習・介護の入国までの流れ」をご覧ください 特定技能・介護の入国までの流れ」をご覧ください 外国人介護人材受け⼊れの仕組み(EPA・在留資格「介護」)」をご覧ください 外国人介護人材受け⼊れの仕組み(EPA・在留資格「介護」)」をご覧ください
    制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受け⼊れ 専門的・技術的分野の外国人の受け入れ 二国間の経済連携の強化

    介護以外 各在留資格の比較

    在留資格名 技能実習 特定技能1号
    おすすめ度
    おすすめ理由(メリット)
    • 技能実習期間は転職ができないので雇用が安定する
    • 現地求職者が集まりやすい(内定先が決まってから事前学習ができるため)
    • 短期間で配属できる(約7~8ヶ月)
    • 最長10年日本で働ける(技能実習最長5年+特定技能1号5年。ただし職種により最長8年)
    • 雇用できる人数枠が大きい(建設以外は無制限)
    • 受け入れ後の制約が少ない
    デメリット
    • 受け入れ後の制約が大きい
    • 雇用できる人数枠が小さい
    • 転職されてしまう可能性がある
    • 現地求職者が集まりにくい(各種試験に合格してからでないと求人応募ができないため)
    • 現時点では入国、配属に時間がかかる(面接前の準備期間が長い)
    • 5年しか働けない
    在留期間 技能実習3~5年+特定技能1号5年 5年
    受け入れ可能国
    15ヶ国
    インド
    インドネシア
    ウズベキスタン
    カンボジア
    スリランカ
    タイ
    中国
    ネパール
    バングラデシュ
    フィリピン
    ベトナム
    ペルー
    ミャンマー
    モンゴル
    ラオス
    9ヶ国
    インドネシア
    カンボジア
    タイ
    中国
    ネパール
    フィリピン
    ベトナム
    ミャンマー
    モンゴル
    受け入れのための申請方法 監理団体を通じて、外国人技能実習機構に実習計画認定を申請、その後出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請、その後業種別協議会に加入
    転職の可否 原則不可 可能(同業種内)
    管轄の機関 外国人技能実習機構 出入国管理庁
    外国人の就労条件 18歳以上 18歳以上
    必要とする日本語能力 なし 4級
    日本語レベル
    (ミャンマー・ユニティ卒業生)
    ほぼ4級ベレル 4級取得、ほぼ3級レベル
    面接までに要する期間 申込後1ヶ月 2021年より面接開始予定
    面接→配属までの期間概算 7~8ヶ月 6~7ヶ月
    職種 85職種156作業 14業種(建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素形材産業、産業機械製造業、電気電子情報関連産業)
    制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受⼊れ
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  • 2020.05.21日本で働く技能実習生にインタビュー!

    目次

    1. そう菜製造業:技能実習生Eさん
      1. ミャンマーについて
      2. 日本での生活について
      3. 日本での仕事について
    2. プラスチック成形:技能実習生Aさん
      1. ミャンマーについて
      2. 日本での生活について
      3. 日本での仕事について
    3. 機械金属加工:技能実習生Tさん
      1. ミャンマーについて
      2. 日本での生活について
      3. 日本での仕事について

    そう菜製造業:技能実習生Eさん

    ミャンマーについて

    ---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?

    Eさんミャンマーは平和で文化発展している国です。ミャンマー人は真面目で人に助けたいと思うような気持ちがいっぱいあります。性格は落ち着いています。

    ---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?

    Eさんお年寄りを大切にすることと思いやりがあることが似ています。

    ---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?

    Eさん家族とは一生大事にするものです。いつも一緒に住みたいです。

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    日本での生活について

    ---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Eさんが日本に来たきっかけは何でしたか?

    Eさんミャンマーより発展している日本からの技術を学ぶためと自分人生に次のステップに上げるためとお金稼ぐため来ました。

    ---日本に来たときに驚いたことはありますか?

    Eさんはい、あります。日本はどこでもきれいです。忘れ物しても見つかります。上司の話をちゃんと聞く、我慢強いところに驚きました。

    ---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?

    Eさん日本人は困る人に助ける。ルールを守る。時間を大切にするイメージがあります。

    日本での仕事について

    ---最後に日本でのEさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Eさんの今の仕事内容を教えてください。

    Eさん仕事は惣菜でお弁当を作ることです。仕事で厳しいチーフと一緒に働いているので色々勉強になっております。一つの弁当出来るための手順がそんなにある事に驚き、細かい手順まで習いました。仕事に対して様々な目線から見て以前気付かなかった事も見えるようになりました。お客様が健康で幸せに食べるためにという気持ちで作る事の大切さを知り、毎日きれいに作るのは楽しくて仕事も楽しくなりました。

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    ---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?

    Eさんお金稼ぐのが一部ですが日本の発展している技術を身につけて帰国するとき習った技術を生かすためです。

    ---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?

    Eさんありません。

    ---日本で働くメリットは何でしょうか?

    Eさん仕事を大切にするようになりました。

    ---日本で働けて良かったですか?

    Eさんはい、良かったです。

    ---今後の目標を教えてください。

    Eさん実習している間できるだけ色々な事を習い、お金も貯めて帰国したら日系企業で働きたいです。ティーラワー工業団地に日本の弁当工場が出来てます。ですので、自分にチャンスがあります。そのチャンスを掴むため今は頑張っています。

    ---将来、その大きなチャンスを掴むことを期待しています!頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。

    プラスチック成形:技能実習生Aさん

    ミャンマーについて

    ---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?

    Aさんミャンマーの方の人柄とは一般的に,親切でお互い助け合います。また、ミャンマー人は遠慮しがちです。

    ---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?

    Aさん日本とミャンマーの似ている文化は、人に親切で思いやりがあること、ミャンマーも日本も仏教であることです。

    ---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?

    Aさんミャンマー人にとって家族とは、大切で、かけがえのない存在であり、お互い成功する為に全力でサポートしてくれます。

    日本での生活について

    ---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Aさんが日本に来たきっかけは何でしたか?

    Aさん家族のために海外へ働きに行くと考えたとき、技術が進んでいるたくさんの国の中で、外国人の労働者に日本が安心できると思ったのがきっかけで、日本を選びました。 それと知人はミャンマーユニティの在校生であり、自分も日本に行きたい為紹介して貰いました。ミャンマー・ユニティの学校で様々な事を学び、自信も付いてきました。今は胸を張って仕事をすることができます。

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    ---日本に来たときに驚いたことはありますか?

    Aさん日本は台風や地震が頻繁に起きることに驚きました。

    ---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?

    Aさん日本人は妥協せず仕事を一生懸命やるところ、決められたルールをちゃんと守るイメージが強いです。それともうひとつは日本人は、賛否に関わらず周りに同調する人が多いです。自身の考えとは異なっていても、周りの意見や行動に合わせます。

    日本での仕事について

    ---最後に日本でのAさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Aさんの今の仕事内容を教えてください。

    Aさん今は技能実習生として日本に来て「プラスチック成形の検査を行う工場」で働いています。

    ---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?

    Aさん「日本の技術を学ぶことができる」「いつか、ミャンマーでもこの技術を活かせるチャンスが出てくる」と思ったのが、今の仕事に就いた理由・きっかけであります。

    ---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?

    Aさんありませんでした。

    ---日本で働くメリットは何でしょうか?

    Aさん日本で働くメリットは、今までない経験や知識を身に着けて新しい事に挑戦したりして、今は仕事も生活も充実しています。自分が頑張れば頑張るほど会社に認めてもらい、家族にも仕送りして親孝行することが、できるようになりました。

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    ---日本で働けて良かったですか?

    Aさん良かったです。日本語も上達し、時間やルールも守るようになりました。どんなことでも一生懸命仕事を頑張るようになりました。

    ---今後の目標を教えてください。

    Aさん今後の目標は研修期間3年間終わった後、3号または特定技能に更新し、続いて働ければいいと思っております。その後ミャンマーに帰国し、日本とミャンマーの為に架け橋になるような仕事に携わりたいと思っております。

    ---日本とミャンマーの大きな架け橋となる第一歩ですね!これからも頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。

    機械金属加工:技能実習生Tさん

    ミャンマーについて

    ---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?

    Tさん一般的にミャンマー人は親切、寄付する人が多く、親や目上の人に対して敬意を持っています。

    ---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?

    Tさん似ているところは、ミャンマーも日本も仏教の国であることと、自分の恩人を大切にすることです。

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    ---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?

    Tさんミャンマー人にとって「家族」とは、友好的な関係で、お互いに優しく接して家族の絆が強いです。

    日本での生活について

    ---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Tさんが日本に来たきっかけは何でしたか?

    Tさん家族のために海外へ働きに行くと考えたとき、技術が進んでいるたくさんの国の中で、外国人の労働者に対して日本が安心できると思ったのがきっかけで、日本を選びました。

    ---日本に来たときに驚いたことはありますか?

    Tさん日本人は「時間に厳しい、ルールを守る」と聞いたことがありますが、実際に日本に来てそれがただの噂だけでないことや、日本人の「ルールを守って仕事を頑張る」ことに驚きました。

    ---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?

    Tさん自分にとって日本人は「勤勉な人」と思います。

    ---日本でどこへ行きましたか?また、どこへ行ってみたいですか?

    Tさん日本の「富士山、東京ディズニーランド、浅草」へ行ったことがあります。北海道の「ラベンダーの花畑と雪祭り」へ行きたいです。

    ---日本に来て変わったことはありますか?(自分、家族、経済的面から)

    Tさん自分に変わったことは日本人と一緒に働いて「仕事を頑張る、時間を守る」ようになりました。日本へ来る前は家族の面倒を一部だけ見ることができましたが、今は全てを見ることができるように なりました。経済的には親に働かせなくて楽にさせることができました。

    日本での仕事について

    ---最後に日本でのTさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Tさんの今の仕事内容を教えてください。

    Tさん今は技能実習生として日本へ来て車の部品を製造する工場で働いています。

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    ---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?

    Tさん今の仕事に就いた理由・きっかけは「日本の技術を学ぶことができる」「いつか、ミャンマーでもこの技術を活かせるチャンスが出てくる」と思ったからです。

    ---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?

    Tさん仕事は真摯で教えてくれますが「ちょっとクールであまり気さくな人柄ではない」のところが気になります。

    ---日本で働くメリットは何でしょうか?

    Tさんメリットとしては自分に自信を持つようになり、お金の価値や時間の大切さをわかるようになりました。

    ---日本で働けて良かったですか?

    Tさん自分も成長したし、親にも楽にさせることができました。日本を選んでこの会社で働いて良かったです。

    ---今後の目標を教えてください。

    Tさん今は技能実習生として3年間実習をしています。それからは続けて3号移動または特定技能で日本語や日本の技術をもっと学びながら稼いで、その後は母国で自分の会社を経営したいです。

    ---ミャンマーのさらなる発展のため、日本でこれからも頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。

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  • 2020.04.09【日本とはここが違う!】ミャンマーの文化

    目次

    1. 日本とは違うミャンマーの文化・習慣
      1. 9割は敬虔な仏教徒
      2. 民族衣装「ロンジー」
      3. 挨拶の習慣がない
      4. 名前には姓がない
      5. 揚げ物中心の食文化
      6. 誕生日はお礼する日
      7. ミャンマーにはない教育制度とは?
      8. 主要交通機関は「バス」「タクシー」
      9. 安全性に対する取り組みがあまり行われていない
      10. 日本より長い「雨季」
    2. ミャンマーで注意すべきこと
      1. 子どもの頭を撫でるのはNG
      2. 人前で怒られ慣れていない

    日本とは違うミャンマーの文化・習慣

    ミャンマー人の9割は敬虔な仏教徒

    ミャンマーは仏教深い教えが根付いた文化のもと生活している人がほとんどです。“悪いことをしたら自分の来世が悪くなる。人に親切にすること、人のために何かをすることは当たり前”という考え方のため、ミャンマーでは犯罪が少なく治安が安定しています。ボランティアや寄付などに積極的に参加することも多いです。

    また、ミャンマーでは朝晩お祈りをする習慣があります。実際に日本で働いている技能実習生も、写真を持参してお祈りしています。

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    ミャンマーの民族衣装「ロンジー」

    民族衣装ロンジーは様々な種類の布を筒状に縫い、巻きスカートのように着用します。男性用は「パソー」、女性用は「タメイン」と呼んでいます。正装としてはもちろん日常的にも身に付けられており、薄手で通気性が良く、ミャンマーの気候に適した機能性を持ち合わせています。

    ロンジーは各民族特有の柄や生地があり、たくさんのバリエーションがあります。

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    ミャンマーには挨拶の習慣がない

    ミャンマー人には「こんにちは」「おはようございます」などの決まった挨拶が日常生活にはありません。「ミンガラ―バ」という挨拶がありますが、講習会などの公的な場所で用いる程度です。

    日本では職場で「おはようございます」と挨拶しますが、ミャンマー人は無言で出勤するのが当たり前のこととされています。

    友達同士で会った時は、挨拶代わりに「ご飯食べた?」と訊きあってから会話が始まります。目上の人に会った時は「お元気ですか?」など、目下の人から話題を振るのがミャンマーでは良いとされています。

    挨拶を大切にする日本の文化とは大きく違うため、ミャンマー・ユニティでは技能実習生に挨拶の指導も行います。

    ミャンマー人の名前には姓がない

    日本人の名前と違う点として、ミャンマー人の名前には姓がなく、名前しかないことが挙げられます。例えば、アウン・サン・スー・チー氏のことを日本ではスーチーさんと書いていますが、ミャンマーでは失礼にあたります。全部で一つの名前なので、略すことはできません。

    名前を呼ぶときはフルネームが基本ですが、仲の良い友達同士だと名前の一部で呼んだりします。

    ミャンマーは揚げ物中心の食文化

    食文化の面で日本と違う点は、ミャンマーはインドや中国などの隣国の影響を受けた料理が多く、味が濃い・脂っこいといった特徴があることです。ナンプラー、ニンニク、油、玉ねぎ、ナマズからの出汁などを使用して料理をするので、独特なにおいがします。

    • モヒンガー
    • モヒンガー
      ミャンマーの代表的な料理で、まさにソウルフードです。米で出来た麺にナマズからとった出汁を使います。臭みはほとんどなく、さっぱりとした味わいです。基本的に朝ごはんとして食べられています。
    • シャン・カオスエ
    • シャン・カオスエ
      ミャンマー東部にある州「シャン」とミャンマー語で“麺”という意味がある「カオスエ」から名前が来ています。麺は米粉で出来ており、ベースはチキンスープとなっています。
    • ヒン
    • ヒン
      ヒンはミャンマーのカレーで、実はミャンマーの家庭でよく食べられている、ポピュラーな料理です。インドカレーのようなスパイシーさはなく、油戻しという調理法で、玉ねぎとスパイスを炒めたものにお肉を入れ、油でコーティングされるまでじっくり煮ています。

    また、家電製品を使用する習慣がないため、日本と生活パターンが大きく違う部分があります。例えば、冷蔵庫はミャンマーでの普及率が高くないため、食材の保存は外に置いておくことがほとんどです。衛生管理に対する教育も不十分なため、手洗いうがいや食材をフタやラップをして保存する習慣がありません。 しかし、スマートフォンの普及率は高く、ミャンマー人ほぼ全員が所有しています。

    ミャンマー人にとって誕生日はお礼する日

    誕生日の意味合いも日本とは違う点があります。日本では誕生日の人がお祝いしてもらうのが一般的ですが、ミャンマーではお礼をする習慣があります。もちろん、お祝いもしてもらいますが、誕生日の日に本人が寄付や献血などお世話になっている人にお礼をする日とされています。

    ミャンマーにはない教育制度とは?

    ミャンマーでは日本の「体育」や「部活」のような活動がありません。そのため、体の動かし方がイメージできない人が一部います。しかし、サッカーは国民からも人気があり、「セパタクロー」が世界的に見ても強いです。

    また、「美術」や「音楽」の教育もカリキュラムに組み込んでいる学校は多くはないことが、教育制度の面で日本とは違う点です。

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    ミャンマーの主要交通機関は「バス」「タクシー」

    ヤンゴン主要交通機関は「バス」「タクシー」です。郊外や地方都市は「原付バイク」で移動するのが主要となっています。
    ※ヤンゴンでは原則、原付バイクと自転車の運転が禁止されています。

    ヤンゴンにおいても横断歩道や信号機が少なく、車の交通量が多いため、横断歩道や信号のない箇所で道の横断をすることがほとんどです。

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    ミャンマーでは安全性に対する取り組みがあまり行われていない

    日本と違う点として安全性に対する意識の違いがあります。ミャンマーは日本のようにきっちりとした規則やルールがなく、安全性に対する意識もあまり高くありません。ヘルメットなしで竹の足場で仕事をするなどの光景がよく見られます。バイクに乗る時も、ヘルメットを着用している人はわずか半数ほどです。

    日本より長い、ミャンマーの「雨季」

    日本とは気候帯が違うミャンマーは、例年、5月中旬から11月中旬まで雨季となります。雨の降る時間帯は決まりがなく、一日に「ゲリラ豪雨」が数回あることもしばしば…。

    日本の梅雨は1~2か月ほどなので、かなり長く感じます。

    ミャンマーで注意すべきこと

    ミャンマーでは子どもの頭を撫でるのはNG

    日本では子どもを可愛がる時や褒める時に頭を撫でる習慣がありますが、ミャンマーではそういった習慣が一切ありません。日本と違う点として、ミャンマーでは体の一番高い位置にある頭を精霊が宿る場所とされているため、頭を触るのはタブーとされています。可愛がったり褒めたりするときは、言葉で伝えましょう。

    ミャンマー人は人前で怒られ慣れていない

    ミャンマーでは小さい頃から、怒られたり怒鳴られたりすることがなく育った人が多いため、大声を出されることに慣れていません。大声を出すことや自分の意見を主張しすぎることは良いこととされていないためです。

    なので、注意する時などは大声を出すと驚いてしまうので、丁寧にどこがいけなかったのか説明してあげると素直に受け止めてくれます。また、でしゃばりすぎる、自慢する、放漫な態度も敬遠されるので注意が必要です。

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  • 2020.02.03技能実習でのポスト・ベトナムはミャンマーしかありえない理由は?

    目次

    1. なぜ、ミャンマー人なのか?
      1. 日本で働くことへの強いモチベーション
      2. ミャンマー人の国民性
      3. 日本語習得のスピード
      4. ベトナムの発展
    2. ミャンマー人技能実習生の失踪などのトラブルを防ぐ仕組みは?
    3. ミャンマーで技能実習生の送り出しが進んでいなかった理由とは?
    4. ミャンマー人材の今後の動向とは?
    5. ミャンマー進出を後押しした、ノスタルジーと悔恨

    2020年1月「リフト株式会社」より、ミャンマーの送り出し機関代表として、弊社最高顧問 北中 彰 が取材を受けました。

    今回の取材記者の方は、技能実習生送り出し国トップのベトナムに対する問題や不満の声をよく耳にするそう。

    そのような折、ミャンマー・ユニティのミャンマー人材送り出し事業に注目をしてくださり、この度の取材依頼をいただきました。
    こちらのページではその取材内容をご紹介いたします。

    取材内容を動画でご覧になりたい方は、以下の関連リンクよりご覧ください。

    なぜ、ミャンマー人なのか?

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    まず、なぜ日本で働く人材としてミャンマー人が適しているのでしょうか?

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    大きく4つの理由があります。

    ① 日本で働くことへの強いモチベーション

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    まず1つ目の理由は、ミャンマー人には日本に行きたいという、ものすごく強い動機があるということです。

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    なぜ、ミャンマー人は日本に行きたいと思うのでしょうか?

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    大きく2つの理由があります。

    1つ目の理由はミャンマーには仕事が無いことです。
    ミャンマーは、2011年まで軍事政権の支配により鎖国状態でした。そのため、経済発展が遅れ、ミャンマーは依然として農業国です。

    ですから、どんなに優秀な方でも就職先がないという状況です。

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    日本に行けば仕事があるということが、一つ目の理由ですね。

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    もう一つの理由は、日本で稼げる年収がミャンマーの20〜30倍であることです。

    最大都市のヤンゴンは都会化し、給料も上がってきていますが、そこに住んでいる人は大きく見積もっても全人口の10%ほどです。ミャンマーの全人口は約6000万人弱ですので、残りの90%、約5400万人弱の人々が地方に住んでいます。地方はとても田舎で、例えるなら無人島のような状況です。インフラの整備もまだまだ進んでいません。

    この田舎で働く約5400万人の人々は、月給が非常に安く、働いても月給7000~8000円しかもらえない状況なのです。

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    月給が7000~8000円ですか?!

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    驚くのはそれだけではありません。

    標準的な家族構成が、両親と子供6人の計8人家族で、その家庭の中で働いている人が平均して約2人という状況なんです。

    つまり、月給7000円×2名で合計月給14000円を、8人家族で分け合って暮らしています。

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    その月給は、ミャンマーの物価でも生活は苦しいものなのでしょうか?

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    苦しいです。

    多くの若者が、ギリギリの生活を強いられ、夢も希望も持てずに、暗澹と生活されています。

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    ミャンマーはそんな状況だったんですね。

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    そんな中で、7000円の給料だった一家の働き手が日本に行くとどうなるかというと、給与額が20倍〜30倍になるんです。

    もし日本で10年働いたら、ミャンマーの200年分から300年分の収入が得られるという状況です。

    日本行きを決意するだけで、宝くじが当たるみたいなものなんですよ。

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    日本に行くだけで宝くじが当たるのと同じというのは、衝撃的です。

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    現在ミャンマーには、日本に働きに行ける適齢期の方が約2000万人います。

    この状況下で、ミャンマー・ユニティのような政府認定の信頼ある送り出し機関が、日本で働くことを丁寧に説明をすれば、半分の約1000万人は日本行きを希望すると踏んでいます。

    そのくらい、今のミャンマー人にとっては日本へ行くことに対してメリットがあります。

    ② ミャンマー人の国民性

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    日本で働く人材としてミャンマー人が適している1つ目の理由として、まずミャンマー人にとって日本で働くメリットがあるということについては理解いたしました。

    次に、2つ目の理由を教えてください。

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    日本で働く人材としてミャンマー人が適している2つ目の理由は、ミャンマー人の国民性が日本にとても合っているということです。

    ミャンマーは国民の9割が上座部仏教の敬虔な信者です。日本の念仏を唱えるだけで救われるという大乗仏教とは異なり、ミャンマー人はみんなお寺に修行に行きます。

    そんな彼らが信じているのが、「現世で徳を積み上げれば来世で報われる。」という考え方です。

    ですから彼らは、少ない給料からお寺に寄付をします。現世でたくさん徳を積まなくてはならないのに、ましてや悪いことをしている場合ではないので、犯罪が少なく日本並みに治安が安定しています。ミャンマーでは、夜に女性が一人歩きしていても全く問題がありません。

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    発展途上国で治安が安定している国は中々ないですよね。

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    そうなんです。私が体験した象徴的な出来事をご紹介します。

    昔、ベトナムのホーチミンで、当時買えば10万円するiPhone6+を持って、私は歩きスマホをしていました。しばらくすると、背後から「ブーン」と音が聞こえて、バイクに乗った青年から一瞬のうちにスマホを引ったくられてしまったんです。

    ベトナムだけでなくアジアの発展途上国では、iPhoneは憧れの的なのでみんな狙っているみたいです。途上国ではどこに行っても、iPhoneを置いて3秒目を離すと無くなるとさえ言われているほどです。

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    ベトナムでは、実際に10万円分を一瞬のうちに取られてしまったのですね。

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    それが、ミャンマーでは全く状況が違いました。

    ミャンマーで新たに買い替えたiPhone7+を、ホテルのレストランで2回忘れたことがあったのですが、2回ともホテルのスタッフが部屋まで届けに来てくれました。

    ミャンマー人のホテル従業員にとって、iPhone7+は年収以上の価値があるものです。

    見知らぬ日本人が忘れたものをそのまま持ち去ってしまえば、それだけで年収以上の額を稼ぐことができるにもかかわらず、徳を積むために、盗まないどころか部屋まで届けてくれたんですね。

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    確かに、他の新興国と比較して全く状況が異なりますね。

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    全く異なります。

    一緒に働いている技能実習生などの外国人に対して、この人何か悪いことをするんじゃないかと思いながら働くのと、信頼感を持って働くのではだいぶ結果が違いますよね。

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    実際、北中様は100名以上のミャンマー人スタッフと働いてらっしゃいますが、働きやすさは実感としていかがですか?

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    とても働きやすいですよ。みんなニコニコしててね。

    人前で勝手な主張をすることは、徳が低いと言う考えもあるため、非常に控えめで、自己主張も少ない方が多いです。

    外国人を雇ってみたら自己主張があまりにも強くて、雇い主の方が困ってしまうことがよくあるのですが、ミャンマーの方は日本人よりもおとなしいくらいです。

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    日本人と国民性が合うということですね。

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    一緒に働きやすいだけではなくて、1番驚いたのが、介護職種を志望される方の多さです。

    ご存知の通り、介護職種は日本でも不人気な仕事ですが、実は、アジア各国でも人気がありません。

    不人気な理由は、ただ仕事がきついだけではなくて、技能実習生として日本に来日するために、介護職種のみN4レベルの日本語力が必要になるという難点があるからです。

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    特定技能も介護職種のみ、3つの試験に合格する必要がありますしね。

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    そうです。要するに、技能実習などでの介護職種は「試験があって、来日するための勉強期間が長い」ということが、不人気の理由です。

    日本は2055年まで人口が減り続け、将来80万人の介護職員が不足すると言われています。現在でさえ、約20万人の介護職員が不足しており、業界では技能実習や特定技能などの外国人材の受け入れを促進しようという機運が高まっています。

    しかし、アジア各国でも介護職種は人気がなく、頭を抱えている状況でした。

    それがミャンマーは違うんです。「大変な仕事、人の役に立つ仕事をすれば、徳を積むことができる」という感覚のため、自ら介護職種を望む方が多いんです。

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    それは初めて知りました!その国民性は日本人も見習わなければいけませんね。

    ③ 日本語習得のスピード

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    次に、日本で働く人材としてミャンマー人が適している3つ目の理由を教えてください。

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    日本で働く人材としてミャンマー人が適している3つ目の理由は、ミャンマー人の日本語習得スピードです。

    日本語とミャンマー語(ビルマ語)は、語順がほぼ同じなため文法が似ています。例えば、日本語の文法(語順)は英語や中国語とは異なりますよね。しかし、ミャンマー語は日本語とほぼ同じ語順なので、勉強をするときに単語を覚えるだけで良いため、日本人が英語を習得するよりも断然難易度が低いです。

    また、ミャンマー人は発音が得意という強みがあります。日本語は50音で比較的発音が簡単な言葉です。一方、ミャンマー語は280音あり、日本語と発音が似ている音が結構あります。これが他国の人材と違い日本語力の習得が早い理由です。

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    確かに、先日ミャンマーとベトナム出身の技能実習生と一緒に働いている方のお話を伺いましたが、ミャンマーの技能実習生の日本語上達の速さに驚かれてました。

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    それだけ、言語が近いということです。

    ④ ベトナムの発展

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    では、日本で働く人材としてミャンマー人が適している4つ目の理由はなんでしょうか。

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    日本で働く人材としてミャンマー人が適している4つ目の理由は、ベトナムの経済発展です。

    現在、技能実習では41万人の外国人が日本で実習に臨んでいますが、その半数がベトナム人です。

    ところが、最大の送り出し国ベトナムで著しい経済発展があり、現在では月給3〜4万円もらえるようになってきました。経済的負担をしてまで親元から離れて日本に働きに行く必要性がなくなって来ているのです。

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    やはり、技能実習生が日本に働きに来る理由は経済的なところが大きいのですか?

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    技能実習の目的は表面上は技術移転となっていますが、実際、来日する外国人としては、給与が増えるから来ています。

    母国で月給4万円も稼げるようになれば、急速に日本に来る人は減っていきます。かつての中国がそうであったように、ベトナムも限界が近づいてくるでしょう。

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    ベトナムにはその兆候は出ているのですか?

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    不人気な仕事ほど、求人に対する応募が集まらなくなっていきます。

    弊社のお客様の中で、かつてベトナム人を受け入れていた企業の方が揃っておっしゃるのが、「だんだん人材の質が落ちてきた。」ということです。

    優れた人はベトナムで良い仕事に就職できるため、わざわざ日本に行く必要がないんです。だから現在ベトナムにおいては、ベトナムで就職できなかった人やどこか問題のある人が日本に行くという流れになっているケースが多いようです。

    そんな状況下で、次のベトナムはどこだとなったとき、仏教国の中で最も人口の多い国であり、日本と親和性の高いミャンマーが今注目されているということです。

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    ミャンマー人技能実習生の失踪などのトラブルを防ぐ仕組みは?

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    なぜ、ミャンマー人なのか、その理由は納得いたしました。

    しかし、技能実習でよくニュースになる技能実習生の失踪などの問題はどのように対策されるのでしょうか?

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    失踪の原因は大きく二つに帰結します。

    1つ目は送り出し機関が金儲け主義に陥り、技能実習生が多額の借金を背負うことです。技能実習生からたくさんお金をとって、騙すように送り出している企業が多く存在します。

    例えばベトナムでは、送り出し機関が技能実習生から徴収しても良い手数料の上限が3600USドル(約40万円)と定められています。しかし実際には、技能実習生から70〜100万円取るのが普通です。

    前述のように、技能実習生として日本行きを考える人は月給が低いため、そのような大金を持っていません。それだけの大金を技能実習生たちがどのように調達するかというと、みんな高利貸しからお金を借りるわけです。

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    日本に行く前に、そんなに借金をしてしまうのですね。

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    「日本に行ったら儲かるから」と言われて借金をするんです。ですが実際は、100万円の借金をしてまで日本に来たのに、想像していたよりお金が残らない。そうなると、悪魔のささやきにフラフラーっとついて行ってしまうんです。

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    悪魔のささやきとは?

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    悪い集団が、SNSで高給を宣伝して、技能実習生を失踪に導いているんです。

    ベトナム語など母国語で書いてあるので、日本人には中々わからないんですが、借金で苦しんでいる技能実習生が高給になびいてしまい失踪に繋がっています。

    問題はこの後です。

    一度失踪すると違法滞在状態になるため、本人が表に出ることができない状態になります。そうすると生きていくために悪の手先となってしまうのです。窃盗団に入ったり、自分がされたのと同様に他の技能実習生の失踪を手引きしたりする集団になります。

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    日本へ来るために多額の借金をしたことで、不幸の連鎖が生じてしまっているのですね。。。

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    結局、我々は、実習生自体から多額のお金を取ること自体が諸悪の根源だと考えています。

    2019年の技能実習生失踪者が9000人ですが、そのうち5800人がベトナム人です。それが物語っていますよね。ベトナムは技能実習生からお金を取りすぎているんです。

    昨今、ベトナム政府が悪い送り出し機関の取り締まりを始めましたが、依然として改善の進みは鈍い状態です。

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    そもそも送り出し機関がそれほど技能実習生からお金を徴収してしまう理由は何なんですか?金儲けのため以外に何か理由があるのですか?

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    自社の金儲け以外に多額の金額をとる理由は大きく2つです。

    1つ目は、現地のブローカーに支払うため。

    2つ目は、送り出し機関から日本の監理団体への接待費用、バックリベート費用のためです。

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    悪質なブローカーと監理団体が存在しているのですね。

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    そうです。

    人材の募集に苦労している送り出し機関は、そういった悪質なブローカーを使います。候補者を1人見つけるたびに、ブローカーに数十万円を支払っています。

    また、監理団体と送り出しの関係についてですが、要はズブズブの関係になっているところがあるということです。実際、弊社が監理団体へ営業活動をしていても、送り出し機関から接待を受けているために、なかなかベトナムからミャンマーに変えられないという監理団体があります。

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    ブローカーや監理団体に対する費用を捻出するために、技能実習生からお金を取っているとはひどい構造ですね。

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    ミャンマー・ユニティでは絶対にしません。

    悪質ブローカーも使いませんし、契約が取れないのなら、それでいいと割り切って、誠実な監理団体さんだけとビジネスをするようにしています。

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    他の多くの人材送り出し機関が人材の獲得に苦しむ中、ミャンマー・ユニティさんがブローカーを使う必要がないのはなぜですか?

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    それは「評判」です。

    ミャンマーの労働大臣から表彰を受けているように、我々は正しいことを当たり前に、誠実にやってきましたので、ミャンマー人の間で良い評判が出回っています。

    きちっとしているし、ちゃんと日本に行けるという口コミで結構な人材が集まります。

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    ミャンマー・ユニティさんは誠実にやってきた結果、ブローカーを使わなくとも自然と人材が集まるようになったのですね。

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    それが大きな要因です。

    もう1つは日本語ブームがあげられます。現在ミャンマー全土に日本語学習のブームがあって、なんとなく日本語を勉強している方がいます。

    仕事もないし、友達も日本語を勉強しているから、私も勉強しようという雰囲気ですね。そういった人たちに対し、日本語学校の校長先生から、日本語を目的なしに学ぶのではなく最終的に日本で働くことを目標にすると良いと、オススメしてもらうような働きかけを行っています。

    ですから、我々は悪質ブローカーを一切使わずに人材の募集ができているのです。

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    では、失踪原因の2つ目は何でしょうか?

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    2つ目の失踪原因は企業側の技能実習生への対応です。

    企業が実習生に対して、暴力や暴言を振るったり、きちんと給与を支払わなかったりと、同じ人間として扱わないことが原因です。

    技能実習生は転職ができないので、このような酷い企業に入ってしまった実習生は、失踪したいと思ってしまうでしょう。

    ただ、このような悪質なケースでなくても、良かれと思って熱心に指導した結果、実習生にとっては厳しすぎる指導で失踪に繋がることもあるので、企業側の配慮が大切です。

    ミャンマー・ユニティでは、実習中の方のサポートとして、通訳を日本に駐在させ、実習生が母国語ミャンマー語で相談できる体制を整えました。加えて、ミャンマーでの日本語担任教師ともグループメッセンジャーで連絡が取れるようにしているので、企業に言えない相談などを実習生が一人で抱え込まないように実習期間中もサポートを行うことで、失踪を未然に防ぐ取り組みをしています。

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    そういった誠実な取り組みが功を奏し、昨年2019年は送り出し人数No.1としてミャンマー政府から表彰を受けられてらっしゃいましたね。

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    昨年、ミャンマーの労働大臣から呼ばれ、日本に対する送り出しでトップだということで表彰状をいただきました。

    我々は正式な送り出し機関として、きちんとルールを守り、ミャンマー人のためになる送り出しをと、正しく誠実に事業運営してきました。これは我々のポリシーです。

    世界中に送り出し機関はたくさんありますが、正しくやっていないところがほとんどです。正しくやっている我々が一位となるのは当然だと思っています。

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    ミャンマーで技能実習生の送り出しが進んでいなかった理由とは?

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    ここまでお話をお聞きした限り、技能実習生の内訳でベトナムが半数を締め、ミャンマーが20分の1だということが信じられないのですが、なぜミャンマーでは送り出し人数が伸び悩んでいたのでしょうか?

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    我々は、日本に働きに来る外国人としてミャンマー人が最高の国民だと信じてやってきましたが、実は、昨年の2019年4月まではミャンマー人が日本にくることの障害が2つありました。

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    ミャンマー人の人材送り出しを阻んでいた障壁とはなんでしょうか?

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    一つは「難民申請」です。

    民主党政権の時に、どんな形で来日しても、難民申請をすればその6ヶ月後に日本で働けるという制度が始まってしまいました。

    これを悪用する人が多発したのです。日本に難民申請を請け負うプロも存在していて、50万くらいの費用で難民申請の書類を書く人が出てきました。

    「私はミャンマーで政治的に迫害されていました。」と主張し、証拠としてデモに参加しているような構図の写真を自作自演します。これは私の知人の話ですが、約30人くらいを受け入れて、来日まもなく、全員が同時に失踪してしまう事態が起きたそうです。明らかにおかしいですよね。

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    そんなことが起きていたのですね!

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    日本政府も難民申請が悪用されていることを問題視していました。

    結果、約1年前に偽装難民申請を防止するため、技能実習生は難民申請しても認めないし、失踪したら就労できないという制度になりました。

    そもそも、技能実習生はミャンマー国が認めて日本に来ているので、難民のはずがありませんから当然の措置です。

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    そんな裏スキームがあったんですね。

    では、ミャンマー人の人材送り出しを阻んでいたもう一つの要因は何ですか?

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    もう一つ大きな障壁だったのは、ミャンマー人を受け入れるために、監理団体が日本ミャンマー協会に10万円支払わなければならなかったということです。

    監理団体としても、なぜミャンマー人を受け入れるために、謎の10万円を支払う必要があるんだという話で、ミャンマー人の紹介・監理には非常に消極的だったのです。

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    それはそうですよね。

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    ただ、世の中から大きな批判があって、2019年4月からは、日本ミャンマー協会が技能実習の審査業務から撤退し、在日ミャンマー大使館が窓口に変わったため、10万円という障壁が無くなりました。

    その二つの障壁がなくなったので、「これからはミャンマーだね」と一気に風向きが変わったという経緯があります。

    ミャンマー人材の今後の動向とは?

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    障壁がなくなり、いよいよ本格始動されるということですが、人材送り出し事業は特定技能制度しかり、外部環境が大きく影響されるビジネスだと思います。

    北中様は、今後ミャンマー人材の送り出しはどのように進んでいくとお考えですか?

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    まず、既存の技能実習制度を活用した人材の送り出しについては、日本側の運用ルールが段々と厳格化されてきているという障壁はありますが、ほぼ無試験だということと、転職ができないという理由で、これからも受け入れは拡大していきます。

    一方で特定技能は、日本政府とすると正式な労働者と定め、今後推進していきたいようですが、報道されている通り、様々な障害がり、未だ在留されている方が4000人程度と進んでおりません。

    特定技能推移
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    特定技能の障壁には具体的にどのようなことがあるのでしょうか?

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    大きく日本側の問題と、ミャンマー側の問題に分けて説明します。

    まず日本側の問題ですが、それは試験の回数が少なすぎるということです。

    ミャンマーでは、宿泊の試験が募集して2分でいっぱいになってしまい、試験を受けたくても受けられない人がいます。

    冗談のような話に思われるかもしれませんが、試験の頻度、定員を今の100倍にしないと普及しないです。

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    なぜ特定技能の試験は少ないのでしょうか?

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    特定技能を作った国の趣旨と、現場の感情が乖離しているからです。

    現状、試験の運営は各業界の試験を監督する協会が行っています。その団体からは、「人手不足」や「試験問題を考えるのが大変」といった声が上がっているのです。

    海外での試験は、言葉の通じない外国で試験をしなくてはならないんですから、本当に大変だと思います。

    国の趣旨としては人口減の危機感があり、一刻も早く推進しなくてはなりませんが、その実行を現場に丸投げしてしまったがために、適切なモチベートができていない状況だと推察します。

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    特定技能について日本側の問題には他に何かありますか?

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    想定していたより、蓋を開けてみたらルールが厳格なものだったことです。

    例えば、社会保険料未払いの人は特定技能に変更できないということがあげられます。

    日本に在留している留学生はみんな社会保険料を払っていないので、いざ特定技能に変更しようとすると、約40万支払わなくてはいけません。到底、支払うことはできないということになります。

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    社会保険料の未納で、特定技能が不許可になった事例は私も耳にしました。

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    他には、留学生の資格外活動28時間の問題があります。

    留学生は資格外活動でアルバイトをしている人がほとんどで、その資格外活動は週で28時間までと定められています。しかし、過去にはその28時間を厳しく取り締まっていなかったため、ほとんどの人が週に28時間をオーバーして働いてきたのです。

    そんな留学生がいざ特定技能に在留資格を変更しようとすると、申請の時に過去の収入の提出があり、超過労働がバレてしまう。以前は許されていたことが、特定技能の申請になると通らないということになっています。

    厳格に在留資格を審査をするのは当然なことですが、蓋を開けてみたら、予想もしないほど壁が大きかったということですね。

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    なるほど。では、特定技能について外国側の問題には何がありますか?

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    特に期待の大きかったベトナムの動きが遅いことがあげられます。

    その理由は、技能実習と特定技能の公にされている目的が異なることにあります。

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    どういうことでしょうか?

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    技能実習に関しては「技能を身につけて、帰国し、母国に貢献する」という目的ですから、母国側も「どうぞ!」と大手を広げて日本へ人材を送り出すことができます。

    一方、特定技能に関しては単なる「労働者」なので、日本に人材を送り出して母国にメリットはあるの?という話になります。

    母国のために教育を受けてくるならどうぞと言えるけど、ただ働きに行くならちょっと厳しくしなければいけないということです。その他様々なステイクホルダーの思惑が交差して、進捗を妨げているようです。

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    ミャンマー個別の話ではどうでしょうか?

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    ミャンマーに関してはもう間も無く始まります。
    我々ミャンマー・ユニティも昨年2019年11月、真っ先に特定技能の送り出し許可をとりました。

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    ミャンマーは特定技能での送り出しに関するルールも定まったのですか?

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    ミャンマーの送り出しに関する独自ルールはほとんど決まっています。あとは詰めるだけという状況です。

    ただ、この独自ルールに難点が2つあります。

    1つ目が本人から送り出し機関が徴収できる金額の上限が1500ドルになるということです。

    これはもちろん本人にとってはいいんですが、送り出し機関としては収入源が減り、教育の質など、事業の存続が難しくなるため、その分受け入れ企業に負担してもらうことになります。フィリピンは本人負担額が0円なので、それと比較するとミャンマーはまだ良いのですが。どうしても受け入れ企業の負担額が大きくなってしまうのが難点です。

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    ミャンマーの特定技能送り出しの独自ルールについて、もう1つの難点はなんでしょうか?

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    2つ目は、試験に受かる前に面接をすることが禁止されたことです。

    特定技能は介護が3つ、介護以外は2つ試験に受からないといけませんが、ミャンマーではこれらに受かった方しか企業面接を受けることができません。そうすると面接がなかなか実施できないんです。現在、ミャンマー・ユニティには2つの試験に受かった人材は一人もいません。

    なぜなら、特定技能の試験に受からせるためにはかなり長い期間の教育が必要です。技能実習生の場合には、まず企業と面接をして、行き先が決まってから本格的な教育を受けるので、勉強するモチベーションを高く保てるのですが、特定技能の場合には行き先が分からない状態で、試験に合格するために日本語と業種別評価試験の勉強をしないといけないため、モチベーションを維持するハードルが大きすぎると思います。

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    報われるか分からない勉強を続けるのには、かなりの精神力が必要ですよね。

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    ミャンマー政府はなんと特定技能人材を減らす政策をとってしまったのかと、非常に私は嘆いております。

    かといって、それに対応しないわけにはいけません。

    先ほども言いましたが、ミャンマーは非常に人材が豊富で、日本で働くには最適な国民性で、日本企業から求める声が日に日に高まっているので、リーディング企業の我々が特定技能を諦めたというわけにはいきません。

    そこで現在、特定技能として日本にいける人材を数十万人作っていこうということにチャレンジしています。

    ただ、すぐにはできません。日本語試験に合格して、技能試験にも合格しなければなりませんので、今年は申し訳ないんですが、試験に受かる人を養成する期間として世間の方にはお待ちいただいて、2021年からは特定技能で2万人を送り出す予定です。

    ミャンマーは非常に期待されていますし、我々もミャンマーの人材送り出しを引っ張っていく存在として、期待に応えていきたいと思っています。

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    特定技能に関する現状を教えていただき、ありがとうございます。

    --- 特定技能として日本にいける人材を育成していくチャレンジとは!?詳細は以下の関連リンクよりご覧ください。

    MU会社案内(既存&介護)ver27_ページ…
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    では実際に、外国人を雇用するための心構えについてご教示ください。

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    外国人全般的な話とミャンマー人特有の話をします。

    まず、外国人全般を雇用する際に言える話についてですが、残念ながら日本人には、単一民族日本人だということで、差別的な考え方を持っている人がたくさんいます。日本人以外のアジアの方々を、上から目線で「雇ってやっている。」と考える人たちがまだまだ存在するのです。これが、日本における外国人雇用の最大の障害です。

    やはり、外国人を雇う時には、日本人と同じ人間として、いやそれ以上に、一緒に働く仲間・家族のように大事に扱っていただきたいと思います。これが絶対的に必要です。

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    まず外国人に対する認識を変革する必要があるのですね。

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    日本はこれから激しい人口減時代になっていきます。

    政府の試算では、80年後の2100年に人口が5000万人を割るという話です。いかに外国の方と共生していくかが課題になっていくのに、「差別している場合か!」という話です。

    今後はますますダイバーシティ、つまりは人間の多様性を認めていく時代になっていきます。女性の雇用、高齢者の雇用、障害者の雇用だけではなく、外国人の雇用についても日本企業が必ず乗り越えなくてはならない壁だと考えます。

    ですから、まずは自社で雇用した外国の方を本当に大事にしていただきたいと思います。

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    日本企業は人口減に対して、もっと危機感を持って対応していかなければなりませんね。

    では、ミャンマー人を雇用する上での留意点はありますか?

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    東南アジアの方々は皆そうですが、ミャンマーは特に、叱られた経験がある人があまりいません。

    日本人は日本人のことしかわからないので、日本が常識的だと感じていると思いますが、逆に日本はアジアの中でもちょっと変わった国だと思った方がいいですね。

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    日本はアジアの中でちょっと変わった国なんですか!?

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    そうです。

    今はだいぶなくなりましたが、昔は体罰が当然のようにありましたよね。スパルタ教育が当たり前で、人に厳しいことを言うのが当たり前でした。「厳しく育てるのは本人のため」という文化だから、叱るのも当然だという考え方です。

    それがアジア人の大多数は、叱ったり厳しく叱責したりする文化は、全くといっていいほどありませんし、人の体に触れるということも皆さん避けてます。

    もちろん実習生が日本に行くにあたって、「日本では叱られますよ、厳しく指導されますよ。」ということは伝えますが、体を触るのは厳禁、ましては暴力・暴言も厳禁ということで接していただければと思います。

    ミャンマー進出を後押しした、ノスタルジーと悔恨

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    ここまでのお話をお聞きし、凄まじい熱量で事業に取り組んでおられることが、ひしひしと伝わって参りました。

    最後に、なぜそこまでミャンマーに対する愛情を持って、事業に取り組むことができているのか、その理由を教えてください!

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    ミャンマーという地との出会いは、2011年にミャンマーが民主化された直後のことでした。

    もともと、これからの日本の発展を考えて行く上で、海外進出は不可欠だと考えていました。どの国に進出するか検討を重ねていましたが、初めてミャンマーを視察した際に、「あっこれはいい国だ。」と心から感じました。

    仏教国で皆さん優しくて犯罪が全然ない、そんなミャンマーが醸し出す雰囲気が1970年代の日本のようで、一種のノスタルジーを感じたのです。

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    北中様の幼少期の原風景に似たものがミャンマーにはあったんですね。

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    私は三重県出身で現在59歳です。

    子供の頃、私の祖父や祖母は、毎日仏壇にお祈りして念仏を唱える非常に信心深い人たちでした。

    当時視察で見たミャンマー人はみんなお寺でお祈りをしていて、心優しくて素朴で、私が暮らしていた昔の日本の田舎みたいな感じがしたのです。

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    最初からミャンマーに親しみを感じられていたのですね。

    では、ミャンマーで人材ビジネスを始められて心境に変化はありましたか?

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    私は三男坊で一人で生計を立てていかなくてはならなかったため、大学から上京し、強い独立心を持ってこれまで生きてきました。

    今、ミャンマーの人々は自分の手で自分の人生を切り拓いていくために、日本に働きに行きます。その姿が、大都会で一旗揚げようと上京した昔の自分を見ているようで、非常に胸が熱くなります。

    そんな彼らの強い思いを後押しするようなことがしたい、というのが現在の私の原動力になっています。

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    北中様の行動力は、そのような熱い思いに支えられていたんですね。

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    もう一つ、私の心に刻まれている非常に悔しい体験も原動力になっています。

    それは、30年前に視察で訪れた上海の発展を見抜くことができなかったことです。

    当時の上海は人口こそ多いものの、非常に汚い街で、人々の顔も暗く、私は、可能性を何も感じずに帰ってきました。しかし今や世界最大の都市になっています。なぜ、あの時私は上海の発展を見抜けなかったのかと、強い後悔をずっと持っていました。

    ミャンマーという土地と巡り合い、発展が約束されているときに、30年前と同じ轍を踏まず、その成長をもっとも近いところで見届けたいと思っています。

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  • 2020.01.24【ミャンマービジネス】東南アジアのラストフロンティア

    目次

    1. ミャンマー連邦共和国とは
      1. ミャンマー連邦共和国基本情報
      2. ミャンマー国内状況
    2. ミャンマーが注目される理由と人の魅力
      1. 人材が魅力
      2. 国の位置が良い
      3. 競争相手がいない
      4. 対日輸出で特恵関税の適用
    3. ミャンマー国内のビジネス
      1. ミャンマーに進出している業界
      2. ミャンマーの経済特区「ティラワ経済特区」
    4. 海外進出の足掛けになる技能実習制度
    5. 日本国内ビジネスにも

    ミャンマー連邦共和国とは

    ミャンマー連邦共和国基本情報

    公式名称 ミャンマー連邦共和国
    首都 ネーピードー
    国家元首 ウィン・ミン大統領
    国土面積 約68万 km2 (日本の約1.8倍)
    人口 5,447万人(2020年)
    人口増加率 0.9%前後(2017年時点)
    言語 公用語はビルマ語
    1人当たりのGDP 1,300(米ドル、購買力平価)(2019年)
    識字率 93.1%
    宗教 仏教 87.9%、キリスト教 6.2%、イスラム教4.3%
    通貨 ミャンマーチャット(Kyat)
    気候 熱帯気候、乾季(3-5月)、雨季(6-10月)、寒気(11-2月)
    時差 2時間半
    天然資源 木材や木材製品、銅、スズ、タングステン、鉄、石油、天然ガス、翡翠や宝石
    主要作物 米、豆類、ゴマ、ゴム、果物、野菜 等

    ミャンマーは東南アジアに属している国で、ANAの直行便も出ております。国の位置が大国の中国・インドに挟まれており、タイとも隣接しています。首都はネーピードーですが、日系企業なども多く集まる経済の中心地はヤンゴンです。国土面積は日本の1.8倍と非常に大きく、多様な気候や地形を有していることから、農業が非常に盛んです。国民の約6割が農業に従事している農業大国です。かつて(1920年~1960年)は世界で1位2位を争うコメの輸出大国でした。

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    ミャンマー国内状況

    中心部ヤンゴンは数年前より格段に綺麗になり住みやすい街になっています。しかし、インフラがまだきちんと整備ができておらず、停電もよく起こります。(オフィスビルや工場には自家電機が設置されているケースが多い)

    ネット環境は近年大幅に改善され、携帯キャリアのSIMを使えば、ミャンマーの都市部では快適なスピードで使えるようになりました。しかし公共のWi-Fiは、ミャンマー中心部であっても高級ホテルや限られたカフェ以外では繋がりません。

    また、バスや鉄道は日本のように決まった時間には来ないので、その時来たバスや鉄道に乗車するといった感覚で暮らしています。

    宗教は、仏教徒が国民の約9割を占めており、敬虔な仏教徒が多く伝統的な仏教国です。宗教理論から、国民性は他者に対する施しを惜しまない、誠実な人々です。そのため、ミャンマーでは貧しくともストリートチルドレンがいません。孤児や恵まれない子供たちは村のお坊さんが面倒をみています。

    また、貧しい人たちにもお寺が無料で勉強を教えているため、ASEAN最貧国のミャンマーですがASEANで一番識字率が高いと言われています。決してお金持ちではない人々も恵まれない人たちに寄付するといったミャンマー人の、人のために行動できる人柄はとても魅力的です。女性が昼間一人で歩けるくらい治安がいいこともミャンマー人の“人の良さ”があってのことです。

    ミャンマー人は大学に行っても高給が約束されているわけではありませんが、大学へ行く人もいます。大学の教育費は1~5万円程度です。別途、塾の費用が10万~20万かかります。

    スマホ

    ミャンマーのスマホ普及率は伸び続け、今ではほぼ100%の普及率となっています。これは、東南アジアNo.1となっています。そのおかげもあり、オンライン、インターネット関連の企業が伸びており、注目されています。

    税制面について、商業税は建ったり売り上げに対して5%、法人税は経常利益の25%となっています。
    所得税は累進課税方式で、最大25%。163日以上滞在している人は全世界所得となります。

    外資系の法人は申告を必ずしていますが、ローカルは申告してない人が多いようです。道端の屋台はそもそも会社登録もしておらず、ライセンスも持っていません。

    ミャンマーが注目される理由と人の魅力

    人材が魅力

    優秀な人材がいても、いい仕事に就けるチャンスがない現状です。最難関大学を卒業したとしてもミャンマーでは就職できない場合があります。ましてや一流大学でない学生は、就職先にかなり困っています。ですから、ミャンマーでは日本の中小企業でも優秀な人材を採用できるチャンスがあります。ミャンマー現地で、ミャンマー人が英語を話せると、新卒で月給2万円、日本語を話せると月給4万円くらいになります。また、ITエンジニアの給料は技術レベル、経験によって差があります。最大で月給15万円という人も稀にいます。ミャンマー現地で月給15万円は相当高額な月給になります。このこともあり、ミャンマーで人気の職業はIT企業と日系企業です。

    国の位置が良い

    地政学的なメリットもミャンマー発展に作用します。ミャンマーは、中国とインドに挟まれた場所にあります。このため、将来性がある国内市場のみならず、中国やインドの巨大な消費市場へのアプローチも可能です。

    競争相手がいない

    発展途中のミャンマーは、日本で飽和した事業でもミャンマー国内にまだないサービスや事業は参入すると伸びるビジネスの可能性を秘めています。実際に新車のミャンマー国内のナンバーワンシェアを誇る自動車メーカースズキは他社に比べていち早くミャンマーに参入し、自動車メーカーミャンマー国内ナンバーワンシェアになりました 。

    対日輸出で特恵関税の適用

    特恵関税制度とは、開発途上国の輸出所得の増大,工業化と経済発展の促進を図るため,開発途上国から輸入される一定の農水産品,鉱工業産品に対し,一般の関税率よりも低い税率(特恵税率)を適用する制度です。(外務省HPより)日本に輸出する際の関税が低くなり日本へ輸出しやすくなります。

    ミャンマー国内のビジネス

    日本企業のミャンマー進出は数字でも見てとれます。ミャンマー日本商工会議所の会員数は2019年9月末で400社を超えました。製造業の拠点設立に伴う日系建設業の進出が目立ちます。ベトナムに進出している企業がミャンマーに進出しているケースも多くなっています。

    ミャンマーに進出している業界

    建設業界のビジネスチャンス

    ミャンマー日本商工会議所の内訳で、建設部会は126社で最多となっています。次に工業系が続きます。中心部ヤンゴンには外国人旅行者が宿泊できる綺麗なホテルも増えました。各地でスマートシティや高層ビル、複合商業施設などのビジネスプロジェクトが進行しています。しかし、ミャンマー国内の建設会社単体の建築作業現場は、安全性は十分とはいえません。また、建築技術も乏しいため、ミャンマー建設事業者連盟(ミャンマー全土の建設会社や資材メーカーなど約3000社で構成される業界団体)も技能実習生を積極的に日本に輩出して、ミャンマー国内の技術力アップを目指すとし、日系企業との交流を深める方向です。

    農業業界のビジネスチャンス

    農業大国であるミャンマーの農家の現状が変わってきています。農業も機械化が少しずつ始まりました。その機械化に日系企業の機械が使用されており、ビジネスチャンスだと感じた日系企業がミャンマーに進出しています。

    農業機械や肥料などの生産性を向上させる農業製品の販売にビジネスチャンスがあると考えられます。また、農業に関する知識が不つ十分な農業従事者への指導をしつ行う、農産物の生産販売事業にもビジネスチャンスがあります。このような事業を行う上でプラスの要因の1つが多様な気候帯と地形です。ミャンマーには北部の山岳地域、東部の涼しい高原地域、中央の乾燥地域、南部のデルタ地域と多様な気候帯と地形があります。それにより地域ごとに特徴的な産品の生産が可能です。

    日本政府からの資金援助もあります。資金援助の中の一つに農家へのツーステップローン事業への支援というものが含まれます。これはJICA(独立行政法人 国際協力機構)から地場銀行へ資金が送られ、この資金がミャンマーの農家へ融資されるといったものです。この農家への融資は主に農家が農機具の購入等を希望した際に融資されます。このような資金を農家が使うことで農業製品の普及は加速すると考えられます。

    ミャンマー人が行う農業は個人で行っている人と法人でやっている人に分かれます。

    自動車業界のビジネスチャンス

    ミャンマーの自動車台数は2011年以降急速な伸びをみせており、2011年から2016年までの5年間で、台数は2倍までなっています。2016年までは、中古車が9割以上を占め、新車台数は多くありませんでした。しかし、2017年に中古車の輸入が実質的に禁止された*ことによって、新車販売が急増しました。*右ハンドルの車が輸入禁止となりました。

    また、自動車ローンが普及し始めています。業界最大手の自動車メーカーは地上銀行のAYA銀行と提携し、ローンを提供しています。これらにより、自動車業界は新車の波が押し寄せています。大手日系自動車メーカーがこぞって進出しているミャンマーは、部品を製造する下請け企業も進出しています。

    ミャンマーに進出している企業で目立っている業界を紹介しましたが、これからミャンマー国内が発展していく過程でどの業界でもチャンスがあると考えられます。

    不動産業界のビジネスチャンス

    ミャンマーで外資系が不動産業を行うことは難しいです。ミャンマーでは不動産譲渡規制法により、外国政府等に対する場合や別途認められた場合を除き、外国人や外国企業に対する不動産の譲渡は禁止されています。また、外国人または外国企業は土地または建物の賃借は原則として最大1年までしか認められません。ただ、工場などの場合はエンドーズメントといって政府に直接申請し、50年の長期契約なども可能です。

    ミャンマーでビジネスを行うには、業種によってライセンスが必要になってきます。例えば飲食だと、消防・衛星・リカ―などのライセンスが必要です。

    ミャンマーの経済特区「ティラワ経済特区」

    ティラワ経済特区は、日本とミャンマーが共同で開発している工業団地として有名です。2014年に日本・ミャンマー両政府と日本の総合商社3社などが合弁で事業会社を設立しました。経済特区内に進出している企業では日系企業が多いです。

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    企業進出状況(2019年11月1日時点)

    進捗 予約契約締結済み: 109 社(レンタル工場 5 社含む)
    本契約締結・投資認可取得済み: 107 社
    建設中: 024 社(レンタル工場 1 社含む)
    操業中: 075 社(レンタル工場 4 社含む)
    輸出/国内 輸出志向型:43 社 国内市場型:65 社 その他:1 社(開発)
    業種 建設資材:17 包装・容器:11 社 縫製:9 社
    食品・飲料:9 社 農業:8 社 電力・電気:8 社
    自動車:7 社 医療:6 社 樹脂成型:2 社
    塗料、産業用ガス、飼料、タンク、搬送機器、潤滑油、通信施設、靴、化学品、物流倉庫(冷凍冷蔵含む)、産業廃棄物処理、職業訓練、レンタル等
    国籍 日本:55 社、タイ:16 社、韓国:8 社、台湾:6 社、マレーシア:4 社、香港:3 社、 ミャンマー:3 社、シンガポール:3 社、スイス: 2 社、アメリカ、ドイツ、オランダ、 フランス、オーストラリア、中国、ベトナム、インド、インドネシア:各 1 社 海外独資:92 社 合弁:14 社 緬国独資:3 社
    出資形態 海外独資:92 社 合弁:14 社 緬国独資:3 社

    出典:一般社団法人 日本ミャンマー協会

    電力、道路、港湾など、ビジネス関連のインフラが脆弱(ぜいじゃく)なミャンマーにおいては、日本のODAで各種インフラの整備支援を行っているティラワSEZを上回る操業環境はない。ティラワSEZ内では、国内市場向けにスズキがノックダウン生産で自動車製造を、エースコックが袋麺製造をそれぞれ開始している。輸出向けでは、車載用スピーカーを製造するフォスター電機が工場を拡張した。このほか、大陽日酸が産業用のガス供給事業を開始、JFEスチールがシンガポール企業などとの合弁で溶融亜鉛メッキ鋼板およびカラー鋼板の製造工場を建設している。さらに直近では、樹脂成型部品製造を行う日系企業の進出が決定するなど、製造業の要となる素材・部品産業分野の企業進出も始まりつつある。

    JETRO

    2019年には、初めて敷地内にビジネスホテルが開業したり、また大手自動車メーカーが進出したりと、さらに注目を集めました 。大手メーカーの進出によって、部品を納める一次下請けや2次下請けの企業がティラワ経済特区への入居に関心を強め、追い風となっています。

    海外進出の足掛けになる技能実習制度

    発展し始めているといっても、熟練した技術者が足りないといった課題があります。ミャンマーに進出しても現地で日系企業が求めるレベルの専門的な知識を持った技術者が見つかるとは限りません。技能実習制度を利用して、ミャンマー国内に専門的な技術を移転する方法があります。技能実習制度を利用し日本で数年間技術を教え込み、実習生が帰国した後、現地の会社で働いてもらうという方法です。実際に、ミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生が帰国後、そのまま日系企業に勤めることがあります。

    高知県の建設会社がミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生を帰国後、現地で再雇用し、ミャンマー進出をした例になります。JETRO(日本貿易振興機構)にも取材を受けました。

    詳しくはこちら

    人材育成としての期間はかかりますが、日本で培われた技術を教えることで、ミャンマーでは即戦力として働いてもらえます 。

    日本国内ビジネスにも

    介護業界

    日本で人材不足が深刻化している介護業界。日本にとってミャンマーの若い優秀な人材は日本の未来の一助となってくれます。ミャンマー人は介護業務で活躍できます。 人のために尽くしたい、人のためになりたい、そんな習慣のあるミャンマー人は介護で人のために働くことに向いています。また、介護職種はミャンマー人候補生の中でも人気の職種です。ほとんどのミャンマー人は親日で日本人に対して嫌悪感を抱いていません。特定技能では、日本人同等に正社員として働いてもらうことができます。需要が高まり、さらに人材不足が加速する介護業界をミャンマー人の若いパワーで活気づけてもらえます。

    ミャンマー・ユニティの介護教育はこちら
    宿泊業界・外食業界

    ミャンマーでは発展するにつれ、外国人旅行者向けのホテルが建ち始め、外食文化があまりないミャンマーでレストランなどが増えております。その分、ホテルマンや、清掃員、飲食店でのスキルを持った人材が必要になってきます。日本でのおもてなしの心を学びたいと思っている、ミャンマー人もこれからもっと出てきます。特定技能を利用して、ミャンマー人を採用し、共に働くことも珍しくない未来がやってきます。

    私たち、ミャンマー・ユニティは日本で学びたい、働きたいミャンマー人の手助けができるよう、邁進しております。

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  • 2019.12.26【特定技能】宿泊業の外国人雇用要件とは

    目次

    1. 宿泊業における人材不足の現状
      1. 外国人旅行客増加による需要増
      2. ホテル業界自体の離職率の高さ
    2. 特定技能「宿泊」受け入れについて
      1. 「宿泊分野」受け入れ上限枠
      2. 特定技能1号で就労できる外国人の基準
      3. 特定技能1号で就労する外国人の雇用形態
      4. 特定技能1号受け入れの流れ
      5. 特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料
    3. 「宿泊」の対象分野と業務内容
      1. 特定技能「宿泊」の対象分野
      2. 特定技能「宿泊」で従事できる業務
    4. 宿泊業技能測定試験について
    5. 技能実習から特定技能1号への移行
      1. 外国人技能実習生 宿泊職種の検定試験

    特定技能制度とは、一定水準の技術と日本語能力を持った外国人材を受け入れる制度です。
    2019年、国が労働力不足解消のために打ち出し、特に人材が不足する14分野において、受入れが認められることとなりました。
    今回は特定技能の一つである「宿泊」について解説したいと思います。

    宿泊業における人材不足の現状

    ホテル業界が人材不足といわれる理由は以下になります。

    外国人旅行客増加による需要増

    総務省 労働力調査によると宿泊業、飲食サービス業2018年平均は416万人と前年比25万人の増加になりました。オリンピック前にホテルなどの宿泊施設が増加したことも一因であると考えられます。
    コロナ禍となり、外国人旅行客が激減しましたが、入国規制が緩和されている国では多くの旅行客が入国し宿泊施設も賑わいを取り戻しています。日本ではまだ外国人旅行客が自由に出入りできる状況ではありませんが、数年以内に以前と同じような人手不足が続くことが想像されます。 さらに、宿泊業界は離職率が高いため集まった人材が続くとは限りません。

    総務省 労働力調査

    コロナ以前の調査ですが、ホテルの利用者数は2012年と比較すると2018年まで7000万人も増加しています。中でも2018年の外国人利用者は8,859万人と調査以来、最高値となっています。外国人が自由に日本へ入国できる日が戻った際は、大量の外国人旅行客が日本に来ることになるでしょう。外国人が増加している現状で外国人を雇用することは言語の面からみてもメリットになります。

    参考グラフ

    以下の資料より作成

    国土交通省 観光庁「宿泊旅行統計調査」(H26年―H30年推移) 国土交通省 観光庁「宿泊旅行統計調査」(H24年―H28年推移)

    ホテル業界自体の離職率の高さ

    ホテル業界はシフト制により、労働時間が長時間に及び、体力的にきつい面があります。日本人がすぐ辞めてしまう一因が労働環境であるといえるでしょう。
    大学卒業後の新入社員で入社して3年以内に辞めてしまう割合が5割になっています。これは他業種に比べて非常に高い割合です。
    離職率の高い業界こそ、外国人材を受け入れるメリットが大きいと考えられます。外国人は日本にきてまで働きたいと向上心があり、根気強い性格の方が多いです。特定技能で人材確保をすることは日本人の離職が多い業界ではメリットになるでしょう。

    特定技能「宿泊」受け入れについて

    「宿泊分野」受け入れ上限枠

    観光庁は、受入れ人数が5年間で22,000人を上限としています。

    特定技能1号で就労できる外国人の基準

    「相当程度の知識または経験を要する技能」と一定の日本語能力を持っている外国人が対象になります。これはそれぞれ「宿泊業技能測定試験」「日本語能力試験」「国際交流基金日本語基礎テスト」)を受験し、合否で能力を図ります。

    特定技能1号で就労する外国人の雇用形態

    直接雇用の正社員に限られており、派遣会社からの雇用は行うことができません。 日本人同等以上の待遇が必須になっています。

    Point

    特定技能1号は、在留期間の上限は通算5年で、家族の帯同を原則認めておりません。

    特定技能1号受け入れの流れ

    ミャンマーから特定技能として外国人を就労させる場合、受け入れの流れが一部変更となりました。面接は、宿泊業技能測定試験と日本語能力試験等に合格してからの実施となりました。

    特定技能1号 入国までの流れ(介護以外)

    特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。

    特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料

    特定技能1号の在留資格申請にあたって必要な添付資料は以下の通りです。

    • 特定技能所属機関の概要を明らかにする資料
    • 活動の内容・期間・地位及び報酬を証する文書
    • 日本語を証する資料
    • 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」合格証または「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」(N4以上)

    • 従事する業務に関して有する技能を証する資料
    • 「技能測定試験」合格証

    • 特定技能雇用契約の締結に関し仲介した者(登録支援機関等)がある場合は、当該仲介の概要

    「宿泊」の対象分野と業務内容

    特定技能「宿泊」の対象分野

    特定技能1号が適用となる「宿泊業」とは、いわゆるホテルや旅館などの宿泊施設が対象となります。
    詳しく言えば、旅館業法に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた宿泊施設が対象となります。

    禁止分野

    ただし、風俗営業法(風営法)に定められた風俗営業(風俗営業許可を必要とする施設)においては特定技能による外国人就労は認められません。
    また、特定技能外国人には風営法に定められた「接待」を行わせてはなりません。

    特定技能「宿泊」で従事できる業務

    フロント業務
    チェックイン・チェックアウト、コンシェルジュ業務(周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配等)
    企画・広報業務
    ホームページでの情報発信、ソーシャルネットワーク(SNS)での情報発信とインタラクティブ対応、キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成など
    接客業務
    館内案内、仲居さん、宿泊客からの問い合わせ対応など
    レストランサービス業務
    ホール業務(接客、注文への応対)、サービス(配膳や片付け)、料理の下ごしらえ、盛り付け、皿洗い等の業務

    宿泊業の特定技能1号外国人が従事できる業務は、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等、宿泊サービスの提供に関する業務です。 併せて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(ベッドメイキング、清掃作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。

    外国人ホテルマン

    つまり、ベッドメイキング、清掃作業等の関連業務だけを専門的に行う場合や、ほとんどの業務がベッドメイキング、清掃作業等の関連業務で占められる場合は、「宿泊」分野の特定技能外国人が従事することは認められません。
    しかし、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等を主業務として、付随的にベッドメイキング、清掃作業等の関連業務を行うことについては、「宿泊」分野の特定技能外国人も許されます。

    もし、ベッドメイキング、清掃作業等を専門的に行う場合や、ほとんどの業務がベッドメイキング、清掃作業等で占められる場合は、特定技能「ビルクリーニング」で在留資格を取得することをおすすめいたします。

    宿泊業技能測定試験について

    宿泊業技能測定試験とは、宿泊業における「技能測定試験」になります。

    科目 出題形式 問題数 時間 出題範囲
    筆記試験 選択式真偽法 (マークシート方式) 30問 60分 宿泊施設におけるフロント業務、企画・広報業務、接客業務およびレストランサービス業務ならびに安全衛生および宿泊業の基本事項
    実技試験 口答による判断等試験 4問 5分程度

    試験は宿泊業で必要とされる技能や知識について5つのカテゴリーから出題されます。

    • フロント業務
    • 広報・企画業務
    • 接客業務
    • レストランサービス業務
    • 安全衛生その他基礎知識

    日本の旅館・ホテルでの業務に従事するための技能レベルで設定されており、筆記試験と実技試験から構成されています。

    筆記試験は真偽法による30問が出題され、実技試験は上のカテゴリーより、現場を想定した実際の対応能力が判定されます。

    技能実習から特定技能1号への移行

    2020年2月25日より、宿泊職種が技能実習2号の移行対象となりました。
    宿泊職種で技能実習2号を修了した技能実習生は、無試験で特定技能1号に移行することができます。

    つまり、3年間の技能実習期間を経て、特定技能1号に移行をすれば、特定技能1号の5年間と合わせて通算8年間、宿泊職種として働くことが可能になりました。

    外国人技能実習生 宿泊職種の検定試験

    技能実習2号修了者は特定技能1号に無試験で移行できますが、他の職種の技能実習1号2号と同様に、技能実習各号修了予定者は検定を受験しなければなりません。宿泊職種の試験についての説明は以下になります。

    試験方法と合格基準

    学科試験
    等級 設問 日本語表記 試験時間
    1号(初級) 真偽法 20問 ひらがな分かち書き+ヘボン式ローマ字 60分
    2号(専門級) 真偽法 30問 漢字かな混じり+漢字にルビ振 60分
    実技試験
    等級 作業試験 試験時間
    1号(初級) 利用客の送迎作業 問 10分
    滞在中の接客作業 5分
    料飲提供作業 10分
    衛生管理 5分
    2号(専門級) 利用客の送迎作業 問 5分
    チェックイン、チェックアウト作業 9分
    滞在中の接客作業 5分
    料飲提供作業 9分
    衛生管理 7分
    合格基準

    1号(初級)合格基準

    • 学科試験:65%以上
    • 実技試験:作業試験、判断等試験の合計60%以上かつ作業試験、判断等試験いずれかも40%以上
    検定試験の詳細はこちらから

    宿泊業について詳しく知りたい方はお問い合わせください!

    閉じる
  • 2019.12.25特定技能「外食業」の雇用要件とは

    2019年4月より新しい在留資格「特定技能」が認められました。その「特定技能1号」に認められた14業種のうち、今回は「外食」について解説したいと思います。

    目次

    1. 外食業における特定技能受け入れの必要性
      1. 外食業の有効求人倍率と欠員率
      2. 増加する外食需要対応のための人材確保
    2. 特定技能「外食業」受け入れについて
      1. 外食業特定技能1号の要件
      2. 特定技能1号で就労する外国人の雇用形態
      3. 特定技能1号受け入れの流れ
      4. 特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料
    3. 特定技能「外食業」の対象分野と業務内容
      1. 特定技能「外食業」の対象分野
      2. 特定技能「外食業」で従事できる業務
      3. 特定技能「外食業」の禁止業務

    外食業における特定技能受け入れの必要性

    外食業の有効求人倍率と欠員率

    外食業では人手不足が大きな課題となっています。農林水産省の調べによると、外食業の有効求人倍率は全産業の平均と比べて極めて高く、年々人材確保が困難になっています。

    また、外食業を含む「宿泊業、飲食サービス業」の欠員率は、6.1%と高水準にあり、全産業の合計(2.7%)を大きく上回る2倍以上の水準となっています。

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    増加する外食需要対応のための人材確保

    外食業の分野では、増加するインバウンド等への対応が求められる中、機械では実現できない手作り感やホスピタリティといった、外食業ならではの価値が求められます。それらの業務は、機械化による人員削減にも限りがあるため、人材確保が急務となっています。

    特定技能「外食業」受け入れについて

    外食業特定技能1号の要件

    外食業で特定技能1号の在留資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

    • 必要な技能及び日本語能力を有していること

      技能水準
      外食業技能測定試験に合格すること

      日本語能力
      日本語能力試験(N4以上)に合格すること

    • 技能実習生2号を修了していること

    特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。

    特定技能1号で就労する外国人の雇用形態

    直接雇用の正社員に限られており、派遣会社からの雇用は行うことができません。 日本人同等以上の待遇が必須になっています。

    Point

    特定技能1号は、在留期間の上限は通算5年で、家族の帯同を原則認めておりません。

    特定技能1号受け入れの流れ

    ミャンマーから特定技能として外国人を就労させる場合、受け入れの流れが一部変更となりました。面接は、外食業技能測定試験と日本語能力試験等に合格してからの実施となりました。

    特定技能1号 入国までの流れ(介護以外)

    特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。

    特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料

    特定技能1号の在留資格申請にあたって必要な添付資料は以下の通りです。

    • 特定技能所属機関の概要を明らかにする資料
    • 活動の内容・期間・地位及び報酬を証する文書
    • 日本語を証する資料
    • 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」合格証または「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」(N4以上)

    • 従事する業務に関して有する技能を証する資料
    • 「技能測定試験」合格証

    • 特定技能雇用契約の締結に関し仲介した者(登録支援機関等)がある場合は、当該仲介の概要

    特定技能「外食業」の対象分野と業務内容

    特定技能「外食業」の対象分野

    特定技能1号が適用となる「外食業」(飲食業)とは、日本標準産業分類の「飲食店」「持ち帰り・配達飲食サービス業」に該当するする事業者が行う業態が対象となります。

    (例)レストラン、食堂、料理店、喫茶店、ファーストフード店、テイクアウト専門店、宅配専門店、仕出し料理店など 特定技能ビザで許可される業務内容
    飲食物調理
    接客
    店舗管理
    仕入れ
    配達

    特定技能「外食業」で従事できる業務

    特定技能1号外国人が従事できる業務は、外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)です。
    併せて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(原料の調達・受け入れ、配達、清掃作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。

    つまり、関連業務だけを専門的に行う場合や、ほとんどの業務が関連業務で占められる場合は特定技能に従事することは認められません。しかし、飲食物調理、接客、店舗管理を主業務として、付随的に関連業務を行うことは許されます。

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    特定技能「外食業」の禁止業務

    風俗営業(風俗営業許可を必要とする業態)においては特定技能による外国人就労は認められません。

    キャバレーやクラブなどの接待はもちろん、例えば、深夜営業するカラオケボックスは風俗営業に当たりますので許可されません。通常の外食産業であっても接待は禁止されており、例えば、カフェや喫茶店でもバーがある場合、お客のグラスのお酒を注いであげるなどの行為も接待行為とされるので禁止です。

    また、物販業(物品販売をする小売店)は、外食業(飲食業)ではありませんので、特定技能による外国人就労は認められません。

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  • 2019.12.23外国人技能実習生受け入れの問題とトラブル防止策3選

    目次

    1. 技能実習制度の本来の目的
      1. 技能実習制度の目的
      2. 単純労働が目的ではない
    2. 外国人技能実習生の問題・トラブル
      1. 技能実習生失踪
      2. 生活の中で近隣住民とのトラブル
      3. 技能実習生が事故に遭ってしまった
    3. 技能実習生のトラブル・問題の防止策
      1. 送り出し機関ミャンマー・ユニティの防止策
      2. トラブルを防ぐための受け入れ企業の防止策
    4. 改正を続けている技能実習制度

    技能実習制度の本来の目的

    技能実習制度の目的

    日本は少子高齢化が進む中で、業界によっては人手不足に悩まされています。この人手不足の現状からも技能実習制度は、今や日本にはなくてはならない制度となっています。
    日本の人手不足の一助となっていることに違いありませんが、技能実習制度の本来の目的は人手不足解消とは別のところにあります。

    そもそも技能実習制度は期限が決まっています。外国人技能実習生はその期間に日本で培われた技能、技術又は知識を学び、母国(開発途上地域)に移転すること、帰国後に習得した技能で国の発展に寄与するという国際貢献が目的となっています。

    技能実習制度は単純労働が目的ではない

    技能実習生を受け入れる際の大事なポイントがあります。それは、技能実習生に低賃金で単純労働をしてもらえるという誤解がある点です。

    先にも述べましたが、本来の目的は技能実習生の母国への技術移転を目的としています。

    そのため、受け入れ企業は受け入れの際、技能実習生が実習を行うための技能実習計画を提出しなければなりません。職種によって実習内容は異なりますが、提出した技能実習計画に沿って行わなければなりません。

    安い労働力であるとだけ認識していると技能実習生を受け入れる際のトラブルのもとにもなりかねません。

    次に、技能実習生受け入れの際の問題・トラブル事案とその防止策を送り出し機関として解説いたします。

    外国人技能実習生の問題・トラブル

    技能実習制度では実際にいくつかの問題も起こっています。ここでは実際の事例を紹介いたします。

    外国人技能実習生の失踪

    大きな問題はやはり「失踪」です。悪質なブローカーによって失踪が斡旋されることもあります。もっと稼げる、もっといい環境で働ける、甘い言葉に技能実習生はついていき、失踪という結末を迎えます。技能実習生は原則3年間同じ受け入れ企業に勤めるため転職という選択肢がありません。そのため、辛い現実に当たると母国に帰るか失踪する選択肢を思い浮かべてしまいます。そうならないための防止策を後にご紹介いたします。

    技能実習生の失踪理由 escape_reason

    出典:法務省 技能実習生の失踪動機調査「聴取表」集計 訂正版より作成

    「低賃金」

    失踪者の理由第1位が「低賃金」です。「思った金額と違った」「労働の対価としての金額に不満がある」等の不満が積もると失踪を選ぶ技能実習生が出てきます。ミャンマー・ユニティでは送り出し機関として、受け入れ企業様には適切な賃金での受け入れを行っていただくことをお願いしております。

    日本に来るために借金を背負った技能実習生も中にはいます。そして、家族思いの習慣から家族への送金を大事にしている実習生もいます。実習生の抱えているものは大きく、少しでも給与を多く支払うなどという甘い誘いを持ちかけられると、気持ちが揺れ動くのも理解できます。甘い誘惑に乗らないよう、指導することが大切です。

    「長時間労働」「暴力」「暴言」

    失踪理由の中にも4・5番目にあがってくるのが長時間労働と暴力です。これは実習実施者と技能実習生間における大きな問題にもなります。技能実習生も日本人と同じく、労働環境が過酷だと嫌になります。監理団体が、適切に実習がおこなわれているか、また企業の経営者や従業員が技能実習生に対して暴力や暴言を振るっていないかを厳格に管理監督する必要があります。

    生活の中で技能実習生が近隣住民とのトラブル

    技能実習生は外国人であり、日本の生活習慣に慣れていません。ゴミ出しのルールがわからず近隣住民とのトラブルになってしまったなんてこともあります。また仲間を集めて騒いだり、ゴミを投げ捨てるなどのトラブルも起こり得ます。実習実施者は技能実習生が生活に慣れるまで、また日本で生活するにあたってのルールを把握できるまで、気を配ってあげることが大切です。

    技能実習生が事故に遭ってしまった

    技能実習生が労働時間外に交通事故に遭ってしまい、実習を中断せざる負えないケースもあります。実習生が道路環境や交通ルールをしっかり理解していないことが挙げられます。この事例からも、日本で生活していく上での基本的なルールを教える必要があります。

    技能実習生のトラブル・問題の防止策

    送り出し機関ミャンマー・ユニティの防止策

    「失踪」に対する防止策

    ミャンマー・ユニティでは失踪問題を重く受け止め、防止するために日本へ送り出す前にいくつかの対策を行っています。

    対策内容について詳しくはこちらをご覧ください

    「近隣住民とのトラブル」「交通事故に遭ってしまった」に対する防止策

    生活の仕方や交通ルールを技能実習生があらかじめ知っておくことが重要です。ミャンマー・ユニティは実習面だけでなく、生活面までサポートする送り出し機関を目指しております。そのため、ミャンマー・ユニティでは面接候補者に対して、生活面に関する事前講義を実施しています。

    事前講義の内容は日本での生活や日本事情に関しての講義などがあります。面接を受ける前に日本の環境を知ることで、面接候補者に日本で働くことを理解してもらい、面接に挑んでもらっています。育ってきたミャンマーと違う日本の環境を講義で学んでいたとしても、やはり初めて見る風景には外国人技能実習生は驚きます。受け入れ企業様には、次に記載している技能実習生への配慮をお願いします。

    事前講義についてはこちらをご覧ください

    技能実習生のトラブルを防ぐための受け入れ企業の防止策

    労働環境を整える

    規定以上の長時間労働などは日本人と同等に違法になります。外国人技能実習生だからといって、例外になるわけではありません。労働環境を整えることで、失踪などのトラブルを未然に防ぐことができます。

    信頼関係を築く

    ミャンマー人は大家族で家に住み、家族を大事にする習慣が根強いです。日本においても、技能実習生を家族のように接することで信頼関係が築け、悩んだときに一人で抱え込まず相談してくれるようになります。技能実習生の不安や悩みを察知し、トラブルを未然に防ぎましょう。

    改正を続けている技能実習制度

    技能実習制度には先述したような問題はありますが、制度継続のために改正がされています。制度改正によって悪質な監理団体は監理団体資格の取り消しなど雇用側の規制強化も行われております。また、厚生労働省は外国人技能実習生を日本人と同等に雇用するよう、受け入れ企業や監理団体に呼び掛けています。

    ミャンマー・ユニティは送り出し機関として、送り出し段階から外国人技能実習生をしっかりと教育し受け入れ企業様へ配属しております。

    ミャンマー・ユニティの強み
    閉じる
  • 2019.12.18【初心者向け】特定技能とは?外国人雇用を詳しく解説

    目次

    1. 在留資格「特定技能」とは
    2. 特定技能が創設された背景は「人手不足」
    3. 特定技能人材受け入れが可能な職種(特定産業分野)
    4. 技能実習制度と特定技能の違い
    5. 特定技能1号と2号の違い
    6. 特定技能1号を取得できる外国人の条件
    7. 特定技能外国人・受入れ機関・登録支援機関の関係
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    在留資格「特定技能」とは

    特定技能とは、日本の深刻な人手不足を解消するために、2019年4月から新たに導入された在留資格で、就労ビザの一つです。経済産業省や厚生労働省などの省庁が、人手不足であると定めた14の職種(これを特定産業分野と呼びます)に対して、外国人の就労が認められます。

    特定技能とは

    特定技能が創設された背景は「人手不足」

    特定技能は技能実習制度と異なり、純粋に「人手不足の解消」を目的としています。法務省によると、有効求人倍率は、1970年代以来44年ぶりの高さで、全ての都道府県で1を超える状態が続いています。2018年9月の有効求人倍率は1.64倍です。これは10人の求人をしても6人しか応募が来ないこととほぼ同じですので、事態の深刻性が分かります。

    求人企業
    求職者        

    2018年9月の有効求人倍率が1.64=10人の求人に6人しか応募が来ない状態とほぼ同じ

    さらに、日本人の労働力人口はどんどん少なくなっていくことが見込まれています。理由は、「少子高齢化」です。高齢によって退職する人口は、新社会人として新しく働き始める人口を大きく上回ります。具体的には、年間で約60万人ずつ少なくなるとされています。このように、いわゆる「働き盛り」の年代に当たる人口の割合が小さく、その結果経済の発展に悪い影響をもたらす状態のことを「人口オーナス」と呼びます。人口オーナスの状況下では、たくさん働ける若い世代の男性だけでなく、女性や高齢の方、あるいは障がい者の方など、多様な人材を活用する、またはそのような環境を整えることが必要です。これが、働き方改革の一つ「ダイバーシティ」という考え方ですが、その中には「外国人人材」の活用も含まれます。外国人労働者の受け入れは、働き方改革を行う上での選択肢の一つと言えるでしょう。

    2045年 人口ピラミッド
    2045年 人口ピラミッド

    一方で、日本で暮らす在留外国人数は、年々増えています。1985年の12月末時点で約85万人だった在留外国人の数は、2018年の12月末には約273万人になっています。

    在留外国人数の推移
    在留外国人数の推移
    • 2018年の時点で有効求人倍率が1を超えている
    • 今後、労働人口は年を追うごとに減少していく
    • 在留外国人は年々増えている傾向がある

    以上の3点から、日本政府は外国人による単純労働(技能実習と特定技能1号)を受け入れる決断を下したのです。

    特定技能人材受け入れが可能な職種(特定産業分野)

    在留資格「特定技能」として外国人労働者の受け入れが可能な職種は、「特定産業分野」という名称で定められた、以下の14分野です。

    ①介護厚生労働省
    ②ビルクリーニング厚生労働省
    ③素形材産業経済産業省
    ④産業機械製造業経済産業省
    ⑤電気・電子情報関連産業経済産業省
    ⑥建設国土交通省
    ⑦造船・舶用工業国土交通省
    ⑧自動車整備国土交通省
    ⑨航空国土交通省
    ⑩宿泊国土交通省
    ⑪農業農林水産省
    ⑫漁業※農林水産省
    ⑬飲食料品製造業農林水産省
    ⑭外食業農林水産省

    ※漁業関係の送り出しについては事前にお問い合わせください。

    人手不足が深刻な「介護」は特定技能の受け入れが特に必要

    人手不足が深刻になる大きな原因は「少子高齢化」ですが、その影響を最も大きく受けるのが介護分野と言って良いでしょう。労働人口がどんどん少なっていくばかりでなく、介護される側の高齢者が反比例的にどんどん増えていくためです。また介護の分野は高齢者とのコミュニケーションが必須であることから、より高度な日本語能力が求められたり、機械化やAI化が進みづらい職種であったりもします。これらのことから、介護は特定技能制度の中でも最も受け入れ数が多く求められる分野です。

    技能実習では受け入れができない特定技能「外食」など

    特定技能の中には、技能実習の資格では従事できない分野もあります。「外食」は「医療・福祉施設給食製造」という職種(作業)を除いて特定技能1号でなければ外国人を雇用することはできません。

    また、食品製造業の一部、例えばアイスクリームなどの一部の菓子、みそやしょうゆなどの一部の調味料、納豆や豆腐などの製造や建設分野の吹付ウレタン断熱、海洋土木工は、技能実習が認められていない作業です。これらの作業も、特定技能1号でなければなりません。

    技能実習制度と特定技能の違い

    労働を外国人に委ねる在留資格に「技能実習」と「特定技能」があります。その2つの違いは、以下のとおりです。

    技能実習制度と特定技能の違い
    在留資格名 技能実習 特定技能
    在留期間 技能実習1号:1年以内
    技能実習2号:2年以内
    技能実習3号:2年以内
    合計で最長5年
    通算5年
    対象業種 85職種156作業 14分野
    外国人の技能水準 なし 相当程度の知識又は経験が必要
    外国人の日本語水準 なし
    (介護職種のみ入国時N4相当必須)
    日本語能力試験4級
    国際交流基金日本語基礎テスト
    入国時の試験 なし
    (介護職のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり)
    技能水準、日本語能力水準(4級など)を試験などで確認
    (技能実習2号を良好に終了した者は試験免除)
    転職の可否 原則不可 可能(同一の業務区分内)
    受け入れ可能国 15か国※1 9か国※2
    受け入れ人数枠 あり なし
    ※介護と建設は制限有り
    制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受け⼊れ
    ※1
    中国
    ベトナム
    フィリピン
    インドネシア
    カンボジア
    タイ
    ミャンマー
    モンゴル
    スリランカ
    バングラデシュ
    ラオス
    インド
    ブータン
    ウズベキスタン
    パキスタン
    ※2
    ベトナム
    フィリピン
    インドネシア
    カンボジア
    タイ
    ミャンマー
    モンゴル
    ネパール
    中国

    このように、2つの在留資格に違いが出る大きな理由は何でしょうか?それは、技能実習と特定技能は制度の目的の違いです。

    人手不足の解消が目的の特定技能

    特定技能は、人手不足の解消が第一の目的です。労働力そのものが目的であるため、即戦力であることが求められます。したがって、技能実習2号の修了や特定技能試験の合格といった、一定の水準を満たす経験や知識が必須になります。しかし、労働力を目的にしているので人数枠に制限が無い場合がほとんどです。※介護と建設分野は異なります。

    技能移転が目的の技能実習制度

    一方、技能実習制度の目的は「技能移転」にあります。技能実習生たちは日本の先進的な技術を習得し、本国に持ち帰ってその発展に寄与してもらう「国際貢献」を目的としています。つまり技能実習生にとっての労働は、文字通り「実習」になりますので、技能水準や日本語水準は求められていません(介護職種のみ入国時N4相当必須)。その代わり、その技術を習得することが目的ですので、転職は原則的に許されておりません。

    その他にも、技能実習生には単純労働のみの業務を禁止していたり、通算で働ける年数の上限に違いがあったりしますが、特定技能1号と技能実習生の違いには、制度趣旨の違いから生じたものがほとんどです。それぞれの在留資格の違いと、受け入れ企業の環境や状況を踏まえながら、技能実習生と特定技能1号、どちらの在留資格を持った外国人を雇用すれば良いのかを判断すると良いでしょう。

    特定技能1号と2号の違い

    特定技能にはさらに「1号」と「2号」があります。この2つの違いはなんでしょうか?

    まず前提として、特定技能2号は、特定技能1号の5年間の修了者しか移行することはできません。したがって、特定技能の在留資格を持つ外国人労働者は、始めはすべて特定技能1号ということになります。

    特定技能1号は、通算で5年間労働することで在留資格としての期限を満了します。このまま特定技能2号に移行にするにしろ、一度は帰国する義務がありますので、例えば家族を帯同させる、といったことは認められていません。

    特定技能2号は1号からの移行、つまり通算で5年間その業種でのキャリアを積んだ、熟練した能力を持つ人材です。そこからさらに日本で働くことを希望し、一定期間で更新する限り、在留期間に上限はありません。そのまま10年が経過した場合、日本に永住できる「永住者」の在留資格を視野に捉えることも可能になるので、要件を満たせば家族の帯同も認められる場合があります。

    特定技能1号と2号の違い
    在留資格名 特定技能1号 特定技能2号
    在留期間 1年、6ヶ月、又は4ヶ月ごとの更新、通算で上限5年 3年、1年、又は6カ月ごとの更新で、上限なし
    技能水準 試験等で確認※3 試験等で確認
    日本語能力 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認※3 試験等での確認なし
    家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可能(配偶者、子)
    ※3
    技能実習2号修了者は試験等免除

    しかし、特定産業分野の14の職種のうち、特定技能2号への移行が認められているのは、2019年12月現在では「建設業」および「造船・舶用工事」の2業種のみです。ただし、将来的にはその他の12の業種でも移行が認められるであろうと予想されています。

    特定技能1号を取得できる外国人の条件

    特定技能1号の在留資格は、外国人ならだれでも取得できるわけではありません。まず前提として、外国人の国籍が、日本と二国間協定を締結した国の国籍でなければなりません。その上で、法務省の出入国在留管理庁が定める「特定技能外国人に関する基準」を満たしていることが条件です。

    日本と二国間協定を結んだ送り出し国は9か国が前提

    外国人が特定技能の在留資格を得るためには、彼らの本国と日本との政府間で二国間協定(協力覚書)を締結する必要があります。理由は「特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保、及び特定技能外国人の日本国での就労における問題の解決等のため」とされています。2019年12月の時点では、インドネシア・カンボジア・タイ・中国・ネパール・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・モンゴルの9か国ですので、これらの国の国籍を持った外国人でなければなりません。ただし、受け入れ可能な国は今後増えていくことが予想されています。

    特定技能外国人に関する基準を満たすことが必須

    上記9か国出身の外国人であっても、さらに一定の基準を満たした外国人でなければなりません。極端に言えば、子供だったり、重い病気を抱えていたり、過去に強制退去を命じられていたりする外国人には特定技能は与えられません。基準は特定技能1号と2号それぞれのものと、その両方に共通するものが定められています。次のとおりです。

    特定技能1号、特定技能2号に共通の基準

    1. 18歳以上であること
    2. 健康状態が良好であること
    3. 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
    4. 保証金の徴収等をされていないこと
    5. 外国の機関に費用を支払っている場合は、額・内容を十分に理解して機関との間で合意していること
    6. 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続きを経ていること
    7. 食費、居住費等外国人が定期的に負担する費用について、その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されること

    特定技能1号のみの基準

    1. 必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他評価方法により証明されていること。(ただし技能実習2号を良好に修了しているものであり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性があると認められる場合はこれに該当する必要がない)
    2. 特定技能1号での在留期間が通年して5年に達していないこと

    特定技能2号のみの基準

    1. 必要な技能を有していることが、試験その他の評価方法により証明されていること
    2. 技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められていること

    本国での特定技能試験

    ここで重要なのは特定技能1号の基準の中にある、

    必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他評価方法により証明されていること。(ただし技能実習2号を良好に修了しているものであり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性があると認められる場合はこれに該当する必要がない)出入国在留管理庁『在留資格「特定技能」について』

    という項目です。これは、端的に言うと

    • 技能実習生2号を修了している
    • 本国で行われる特定技能試験に合格する

    のいずれかであると言えます。

    技能実習2号の修了とはつまり、日本で3年間技能実習を行っていることになりますので、「必要な技能及び日本語能力を有している」とみなされ、試験なしで特定技能1号に在留資格を移行させることが可能です。

    それ以外に、送り出し国の本国で行われる、各分野の技能試験に合格することでも特定技能1号の在留資格を得ることができます。どの国でどの分野の試験が受験できるかは各国によってまちまちです。ミャンマーの場合は2019年12月の時点で「介護」「宿泊」「ビルクリーニング」の3分野で受験が可能です。

    特定技能外国人・受入れ機関・登録支援機関の関係

    在留資格「特定技能」で外国人を雇用するにあたっては、「外国人労働者」と「雇用する企業や個人事業主」の間に「登録支援機関」があり、外国人と企業双方のサポートをします。

    関連する機関

    受入れ機関とは、雇用する企業や個人事業主のこと

    外国人技能実習生の受け入れ企業を指す「実習実施者」に対して、特定技能外国人の受け入れ企業や個人事業主のことを、「受入れ機関(特定技能所属機関)」と呼びます。受入れ機関は外国人材と、「特定技能雇用契約」という雇用契約を結びます。特定技能雇用契約には、「特定技能外国人に関する基準」を満たしていることが盛り込まれています。

    外国人と企業のサポートをする登録支援機関

    登録支援機関は、政府に登録された、特定技能制度の支援機関のことです。受入れ機関から依頼を受けて支援委託契約を結び、特定技能1号の支援計画を適正に実施するための機関です。支援の内容は次のとおりです。

    支援計画の主な記載事項

    • 職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援として必要であるとして省令で定められた10項目(下記参照)の実施内容・方法等
    • 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職名
    • 支援の実施を契約により他の者に委託する場合の氏名及び住所等
    • 登録支援機関情報(登録支援機関に委託する場合)

    支援計画実施の登録支援機関への委託

    • 受入機関は支援計画の一部または全部の実施を他の者に委託できる(支援委託契約を締結)
    • 受入機関は支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には外国人を支援する体制があるものとされる。

    省令で定められた支援計画10項目

    ① 事前ガイダンス
    雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明
    ② 出入国する際の送迎
    入国時に空港等と事業所または住居への送迎
    帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行
    ③ 住居確保・生活に必要な契約支援
    連帯保証人になる・社宅を提供する等
    銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等を案内・各手続の補助
    ④ 生活オリエンテーション
    円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明
    ⑤ 公的手続等への同行
    必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助
    ⑥ 日本語学習の機会の提供
    日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等
    ⑦ 相談・苦情への対応
    職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応、内容に応じた必要な助言、指導等
    ⑧ 日本人との交流促進
    自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や、参加の補助等
    ⑨ 転職支援(人員整理等の場合)
    受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供
    ⑩ 定期的な面談・行政機関への通報
    支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し,労働基準法違反等があれば通報

    実際に受け入れをするには?

    特定技能外国人を雇用しようという運びになった場合、企業は具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか?外国人を募集する、特定技能雇用契約の締結、登録支援機関との支援委託契約の締結、1号特定技能支援計画の策定、などなど、ちょっと聞いただけでもハードルの高い作業がたくさん待ち受けています。このような場合は、まずはプロにご相談されることをおすすめします。当送り出し機関から登録支援機関のご紹介も可能ですので、お気軽にお問合せください。

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  • 2019.12.17製造業での外国人雇用について

    目次

    1. 人手不足の製造業
    2. 製造業での外国人雇用の分類
    3. 技術部門・事務部門の雇用に必要な在留資格
      1. 技術部門
      2. 事務部門
    4. 現場(製造ライン)部門の雇用に必要な在留資格
      1. 「技能実習1・2・3号」
      2. 「特定技能1・2号」
      3. 「定住者」など
    5. 製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会
      1. 産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業
      2. 飲食料品製造業
    6. 外国人雇用のメリット

    人手不足の製造業

    現在、日本は少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が問題視されています。実際に、あらゆる業界において有効求人倍率が高くなっており、製造業においても求人を出しても以前より応募者が減少しているのを感じている企業は多いのではないかと思います。

    こうした状況のなか、人手不足の打開策として注目していただきたいのが外国人の採用です。政府の取り組みが功を奏し、日本で働く外国人が年々増加しており、すでにあらゆる業種で外国人労働者を積極的に採用している企業も目立ち始めています。

    特に製造業界は、近年若者離れが叫ばれている業界の一つです。若者がいないということは職場も高齢化が進んでいます。こうした不安を解消するためにも、若い外国人を積極的に採用することは、企業にとって大きなメリットになるはずです。

    製造業での外国人雇用の分類

    新たに外国人材を受け入れる際、最適な在留資格の選定に悩まれる方は多くいらっしゃいます。
    製造業においては、受け入れられる在留資格がいくつかあり、担当する業務分類によって決まっています。

    製造業での外国人雇用に関しては、大きく分けると以下の3つに分類できると思います。

    • ・技術部門
    • ・事務部門
    • ・現場(製造ライン)部門

    上記の中でも、担当する業務によって必要な在留資格が異なるため、製造業で外国人雇用の際は留意が必要です。

    技術部門・事務部門の雇用に必要な在留資格

    技術および事務部門で外国人を雇用できる在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」です。
    この資格は、特に専門知識や技術を必要とされる業務に携わる外国人労働者に与えられます。
    技能実習や特定活動に比べて採用にかかるコストや労力が少ないので、企業にとってはできればこの在留資格で採用したいというニーズが高いです。
    働く要件としては、大学(短期大学含む)を卒業または日本の専門学校を卒業し、専門士の学位を取得していることです。

    具体的な仕事としては、主に下記です。管理業務に携わることができるのが特徴です。

    技術部門

    • ・CADオペレーター・NCオペレーター
    • ・製品の開発
    • ・生産・品質管理
    • ・技術教育

    事務部門

    • ・海外拠点との通訳・翻訳
    • ・人事総務
    • ・会計
    • ・経理
    • ・マーケティング
    • ・企画
    • ・営業

    現場(製造ライン)部門の雇用に必要な在留資格

    工場等での現場ラインの業務は、単純作業とみなされるため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では就労させることができません。
    これらの業務に従事させるには、下記の在留資格の外国人であれば雇用可能です。

    「技能実習1・2・3号」

    技能実習は海外から一定の期間「実務研修」という形で雇用されるもので、多くの場合は監理団体たる事業協同組合を通して受け入れる形が一般的です。
    技能実習は、産業分野だけではなく職種と作業内容まで細かく法律で定められているため、当該製造業務が技能実習の対象にあてはまるかどうか事前の確認が必要です。


    「特定技能1・2号」

    製造業において、2019年4月に施行された特定技能1号に産業分野があてはまる場合(現在12分野14業種)、最大5年間単純労働にて雇用が可能です。
    特定技能の在留資格を取得するには、要件として、当該業務の「技能実習生2号」を修了している、もしくは日本語評価試験および製造業の技能測定試験に合格している必要があります。

    「定住者」など

    定住者の在留資格を持つ外国人も製造業における単純業務が可能です。定住者は主に日系人やその配偶者などで、就労制限がありません。
    就労制限がないため、製造業の工場内作業など単純作業とみなされる仕事でも雇用が可能です。

    定住者の他にも、日本人の配偶者等・永住者・永住者の配偶者等・企画した外国人も就労制限がないため、工場内作業で雇用が可能です。

    「定住者」など身分に基づく就労制限のない在留資格をもつ外国人の雇用の場合、パスポートなどをしっかりと確認したうえで雇用手続きを行う必要があります。
    業務内容に応じて、ハローワークなどと並行して民間の人材紹介会社など幅広い募集活動をご検討することをおすすめします。

    製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会

    産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業

    産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、 「製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会」に必ず加入する必要があります。 これは経済産業省やその他の関係省庁、業界団体などが構成員として密に連携を図り、制度や情報の周知、 各地域の事業者が必要な特定技能外国人を受け入れる体制を整えることを目的としています。 注意点として、これまでは、初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、受け入れた日から4月以内に協議・連絡会への入会が必要でしたが、 2021年3月1日から、入館庁における手続きの前に協議・連絡会への入会が必要となりました。

    飲食料品製造業

    飲食料品製造業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、特定技能の受入れから4ヶ月以内に、 「食品産業特定技能協議会」の構成員にならなければなりません。 これは、企業同士の情報共有や、不正予防、また、特定技能の受入れ状況を把握するといった目的で、農林水産省が運営する組織です。

    外国人雇用のメリット

    日本人スタッフの意欲向上を目指したいという企業にも、外国人の採用はメリットになると言われています。

    例えば、ルーティーン化してしまうような業務においては、モチベーションが落ちてしまうことは誰にでもあるはずです。外国人を採用することは、そうした雰囲気に刺激となります。

    日本人の多くは外国人に慣れておらず、コミュニケーションを取ることだけでも大きな刺激となります。また外国人の労働者は「国に置いてきた家族に仕送りをしたい」「日本の技術を学び自国に還元したい」など、労働意欲が高い人が多い傾向にあります。

    そうした意欲的な外国人労働者を職場に迎えることで、日本人スタッフにも良い刺激となり、職場に活気が生まれます。また、スタッフの労働意欲が底上げされれば、自然と生産性があがるため、最終的に企業の業績にもメリットをもたらします。

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  • 2019.12.17外国人エンジニア採用|即戦力エンジニア採用のメリット

    目次

    1. 国内の人材不足は年々深刻になっている
    2. 外国人エンジニアの雇用増加
    3. 外国人エンジニアを採用するメリット
      1. グローバル化の促進
      2. 最新情報を素早く取り入れる
      3. これから必要とされる「T型人材」となる可能性が高い
    4. 外国人エンジニア採用のための注意点
      1. 成果主義のキャリア形成
      2. 残業時間
      3. フレックスタイム制
    5. まとめ

    国内の人材不足は年々深刻になっている

    少子高齢化による労働人口の減少と、産業のIT化により、日本のエンジニア人材不足は年々深刻化しています。
    すでに2015年の時点で、約17万人のエンジニア不足が結果としてある一方、エンジニアの需要も高まっています。
    新型コロナウイルスのワクチン接種によって世界経済の回復兆候が見え始めたら、エンジニアの採用促進を始める企業がさらに増加し、 コロナ終息後には、日本のエンジニアの有効求人倍率は、上昇する可能性が極めて高いと予測されています。
    経済産業省の調査によると、2030年には約80万人のエンジニア不足が懸念されます。 そこで今のうちに視野に入れたいのは、即戦力となる外国人エンジニアの雇用です。

    外国人エンジニアの雇用増加


    second

    国内のエンジニア不足が懸念となり、日本のIT業界では、エンジニア雇用においての外国人労働者の雇用人口が急激に増えています。
    2017年には5万2千人を超え、10年間で約3倍に増加しています。
    技術部門の国際化を推進しているメルカリ社の例では、2018年度の新卒 の9割がインド人エンジニアだったことも話題となりました。 インド政府はIT産業の強化を国家戦略としているため、英才教育を施された 優秀なエンジニアとなる人材が生まれる環境が整っていることが理由です。

    教育に関しても、アメリカやイギリスでは、義務教育が始まる前からプログラミング指導が始められるほど、エンジニア教育が重要だという意識があります。
    国によっても重視している分野の違いがあり、ロシアであれば「アルゴリズム」、イスラエルであれば「サイバーセキュリティ」に特化したエンジニア教育が発展しています。

    隣国の中国では2011年から「卓越エンジニア教育育成計画」によって、 社会のニーズにあったエンジニアの育成をスタートしました。 様々な分野での「現場エンジニア」、「設計開発エンジニア」、「研究型エンジニア」を育成する計画です。 2020年までに行われたその計画は成功し、様々な中国製品の質が向上し、ドローンや無人コンビニ、 360度カメラなどの新しいアイデアが形になり、イノベーション大国として走り続けています。

    このように海外では、優秀なエンジニア教育が国の発展につながっており、日本にとっても外国人エンジニアの雇用はイノベーションへの近道となると言えます。

    そこで今回は、即戦力となる優秀な外国籍エンジニアを実際に雇用する際のメリットと注意点について紹介します。

    外国人エンジニアを採用するメリット

    1. ・グローバル化の促進
    2. ・最新情報を素早く取り入れる
    3. ・これから必要とされる「T型人材」となる可能性が高い

    グローバル化の促進

    グローバル化を重視した企業にとっては、外国籍エンジニアの存在が必要不可欠になります。
    英語を使うこともそうですが、冒頭で述べた通り、外国のエンジニア教育レベルは高く、即戦力となる人材が多いのです。
    スイスの国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングのデジタル技術では、2020年の日本の順位は62位です。
    対象は63の国・地域ですから、最後から2番目ということになります。
    このような結果を見ても、ハイクラスな外国人エンジニアの雇用は、日本の企業にとって世界に通用するための近道になります。

    最新情報を素早く取り入れる

    世界に通用する外国人エンジニアは、常に最新トレンドに追いついています。
    最新トレンドに追いつくためには、情報収集の速さはかなり重要となります。
    IoT化やAI技術が進む中で、様々なコンテンツを通じて情報収集ができ、トレンドも急速に移り変わるようになりました。
    日本人の英語力は伸びていますが、やはり英語圏の論文やコンテンツでの情報収集はハンデが多いこともあります。
    その点、ネイティブの外国籍エンジニアは、使えるコンテンツや、取り入れることが可能な英語圏の情報の幅が広く、情報収集のスピードも格段に早いことが強みです。
    外国人エンジニアがいることで、情報収集の幅が広がり、トレンドに沿ったイノベーションが生まれる可能性が高まります。

    「T型人材」となる可能性が高い


    third

    イノベーションを重視した企業にとって、「T型人材」が近年注目されています。
    技術革新が急速に進む中で、今一番必要な柔軟性を持った人材といえます。
    柔軟性のある外国人エンジニアを採用し、「T型人材」を増加させることが企業にとっての強みになります。

    「T型人材」とは

    T型人材とは、「一つの専門的に高い技術を持ち、幅広い分野を学び、広範囲に知識を生かせる人材」のことです。
    専門性の高い人材(スペシャリスト:I型人材)と、広範囲で知識をもつ人材(ゼネラリスト:一型人材)の分業が従来の雇用ですが、 T型人材はその両方を兼ね備えた、ハイブリッドな人材として雇用できます。
    IT企業を例で言うと、T型人材が工数管理をしながらプログラミングを担うといったことも可能となります。
    また、スペシャリストとゼネラリストが一人ずついるより、T型人材が2人いた方がより多方面での意見交換が可能になり、革新的な意見も出やすい環境になります。

    新規事業を始める際、答えのない状況でも自分なりの答えを提案できるのは、T型人材の強みです。
    そのため、スタートアップ企業では必要不可欠な人材となります。
    社会の流れを読みながら、企業にとってより良い軌道を見出す力を持っていることも特徴です。

    そして、あくまでT型人材と定義できるのは「一つの専門性を持っていること」が条件となります。
    外国籍エンジニアは高い専門性を確実にもって選ばれた人材です。
    そのため、雇用の時点ではスペシャリストであっても、今後T型人材となる可能性が高いといえます。

    外国人エンジニア採用のための注意点

    1. ・成果主義のキャリア形成
    2. ・残業時間
    3. ・フレックスタイム制

    成果主義のキャリア形成

    優秀な外国人エンジニアほど、成果主義のキャリア形成を望む傾向があります。
    海外で優秀なエンジニアとして育成されてきた人材であるため、技術向上の意欲が高いことは外国人エンジニアの強みです。
    総じてキャリアアップの思考が高く、日本のように年功序列ではない成果主義のキャリア形成を望んでいます。
    成果が上がるたび、エンジニアのスキルアップやモチベーションにも影響し、企業の成長との相乗効果が期待できます。

    残業時間

    外国人エンジニアが日本で働く上で一番配慮が必要なのは、残業時間です。
    日本では残業が日常化している企業も多く、社員もそれを受け入れざるを得ないという状況があります。
    IT企業は特に労働時間が長いと言われていますが、日本ではそれが当たり前になっていても、外国籍エンジニアにとっては普通ではありません。
    海外では仕事から帰ったら、家族とゆっくり過ごす文化があります。
    そのため、残業時間が続くと不満の種となり、離職に繋がるということも多くあります。

    フレックスタイム制

    優秀は外国人エンジニアほど合理性を重視する傾向があります。
    合理性を無視したルールが多いほど、意欲的に働ける環境ではないと判断されてしまいます。
    同じ理由で、海外の労働環境ではフレックスタイム制への理解が重視されています。
    日本では、毎日定時に出社することを会社の決まりだとしても、海外の労働環境に慣れている外国籍エンジニアにとっては、 それが合理的な理由でなければ伝わらないこともあります。
    優秀な外国籍エンジニアの力を十分に発揮できる環境づくりとして、フレックスタイム制の導入も視野に入れておきたいものです。

    まとめ

    2020年は新型コロナウイルスの影響で入国制限はありましたが、国内の外国人労働者数は過去最高を更新し、外国人を雇用する企業は増えています。
    前述したように、外国人エンジニアの雇用には評価基準や勤務時間制の革新がある程度は必要になりますが、 生活環境の安全性や医療保険制度の充実など、外国籍エンジニアにとっても日本は魅力の多い国であることは確かです。

    トレンドをいち早く取り入れ、柔軟な発想ができる優秀なエンジニアチームを作ることは、企業のグローバル化を促進し、成長するための資産となります。
    これからさらにIoT化やAI技術が急速に進んでいく中で、外国籍エンジニアの雇用は最大のメリットになるでしょう。

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  • 2019.12.13高度人材の在留資格 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」について

    目次

    1. 就労ビザとは?
    2. 高度人材とは?
    3. 在留資格「技術・人文知識・国際」について
      1. 技術に該当する業務
      2. 人文知識に該当する業務
      3. 国際業務に該当する業務
    4. 大学の学科とビザ取得可能性について
    5. 「技術・人文知識・国際」の在留期間

    就労ビザとは?

    「就労ビザ」という名前のビザはありません。「ビザ」とは日本語では「査証」と呼び、外国人が自国に滞在しても差し支えないことを証明する許可証のようなものです。これは、身元が確かな人物であるかどうかなど、入国に相応しい人物に対して与えられます。

    一方で在留資格は、どのような目的で日本に在留しているのかを示す資格のことです。
    その中で、就労が目的になる在留資格がいくつかありますが、それらを慣例的に「就労ビザ」と呼んでいるのです。

    したがって、まず日本に入国するために「ビザ」が必要で、目的の活動を日本で行うために「在留資格」が必要、ということになります。

    高度人材とは?

    「高度人材」とは、専門的知識や技術力を持つ外国人材一般を広く指す言葉です。高度人材の中でも特に学歴や年収、日本語能力などで高い能力を保有する外国人に優遇措置を与える在留資格が「高度専門職」で、これを取得するために使われるのが「高度人材ポイント制」です。

    在留資格「高度専門職」が創設されるまでは「高度人材」と呼んでいた時期があるため、今でも「高度人材」というと在留資格「高度専門職」の保有者を指すことがあります。

    しかし、広い意味での「高度人材」には、在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の保有者や、その他の専門的・技術的分野で活動を許可されている在留資格保有者も含まれます。

    専門的・技術的分野に該当するおもな在留資格の一覧表

    在留資格 具体例
    教授 大学教授など
    高度専門職 ポイント制による高度人材
    経営・管理 企業などの経営者や管理者
    法律・会計業務 弁護士、公認会計士など
    医療 医師、歯科医師、看護師
    研究 政府関係機関や私企業などの研究者
    教育 中学校・高等学校などの語学教師など
    技術・人文知識・国際業務 機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者など
    企業内転勤 外国の事業所からの転勤者
    介護 介護福祉士
    技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属などの加工職人など

    在留資格「技術・人文知識・国際」について

    ITや製造業での技術者や通訳、海外営業などのオフィスワーカーとして日本で働くために必要な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。

    「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動
    当該在留資格に該当する活動は,入管法別表第一の二の表の技術の項の下欄において,「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 (平成27年3月改定 法務省資料より)

    現在は「技術・人文知識・国際業務」とひとくくりになっていますがひとつづ見ていきましょう

    技術に該当する業務

    機械工学等の技術者、システムエンジニア等のエンジニア

    Example
    • 機械加工業において、設計補助業務(CAD)やプログラミングを伴う(NCなど)業務
    • システム開発会社におけるプログラミング業務など

    人文知識に該当する業務

    法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野における属する知識を要する業務

    Example
    • コンプライアンス部門における、海外法律に関する業務
    • 建築設計会社などにおける積算業務

    国際業務に該当する業務

    外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務

    Example
    • 海外営業部門における企画営業に関する業務
    • 語学学校における、英会話教師

    などが事例として挙げられます。

    特に注意したいポイント
    • 大学や専門学校で先行した科目と従事する業務内容の関連性
    • 「技術や知識などの専門性が必要な業務」をおこなうためには、 大学や専門学校において専門的な技術や知識を習得しているかが必要です

    • 職務内容の専門性
    • 製造業において単純な梱包業務を主たる業務として行うなど、単純作業と 判断される業務は認められません。

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    大学の学科とビザ取得可能性について

    機械、電子、機械電子、電力工学、土木、建築、物理、微生物など理系の学科を卒業し学士を取得していれば、関連のある業務内容を行う職種については「技術・人文知識・国際業務」の技術で在留資格を取得することが可能です。

    また、理系大卒であれば、例えば機械系の学科を卒業していても、建築系の業務で在留資格を取得するなど分野を超えた就職も可能性があります。(多少力技になりますが)

    理系学科の内、数学系は弊社取り扱い実績がないのですが、基本的には理系の他学科と同じ考え方ができるはずです。履修内容に関係する業務であることが説明できれば在留資格を取得することができると思われます。

    看護系学科を卒業した場合でも、日本の看護系業務に就くには別途資格が必要になります。

    文系学科(経営、語学、地理、歴史)の卒業であれば、「技術・人文知識・国際業務」の人文知識=企業の総合職であれば在留資格の取得が可能です。

    日本語学科の卒業であれば、上記人文知識に加えて国際業務=通訳・翻訳業務での在留資格取得が可能です。ただし、ミャンマー語と日本語間の通訳・翻訳の需要があることを明確に示す必要があります。

    ミャンマー語や英語に関する学科の場合、通訳・翻訳業務での在留資格取得は難しく人文知識=総合職としての可能性はあります。

    外国人材を雇用するにあたっては、業務内容の棚卸の上、事前に必ず確認しましょう。

    「技術・人文知識・国際」の在留期間

    保有している専門性を活かせる会社と雇用契約を結んでいる限り日本に在住することが可能です。
    この時家族は「家族滞在」のビザで滞在することができます。

    いづれにせよ10年以上日本に在留していて、かつ、日本で今後も生活していくのに十分な経済的基盤がある場合には、「永住権」を獲得することも可能です。万が一勤めている会社を退職した場合は、「特定活動」ビザを取得して就職活動をすることが可能です。

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  • 2019.11.27技能実習生は期間終了後も延長して日本で働きたいのか?

    目次

    1. 外国人技能実習生就労期間最大3年→5年に
    2. ミャンマー人は将来をどのくらい考えているのか
      1. 貧しい東南アジアの現状
      2. 出稼ぎではなく自分の将来設計を
    3. ミャンマー・ユニティの技能実習生に対する将来設計教育
      1. ミャンマーでの職業紹介
      2. 技能実習3号、特定技能への移行のすすめ
      3. (介護職種では)介護福祉士資格取得のすすめ
      4. 特定技能2号の可能性の説明

    日本では、ほとんどの人が自分の数年後の人生設計を考えると思います。対して、途上国ではあまり先の人生設計を明確に考える文化はありません。しかし、実習生を受け入れる企業は技術を教えこんだ実習生にできるだけ長く働いてもらいたいと思うはずです。では、技能実習生は技能実習期間終了後の3年後どうなりたいのか、技能実習で最大5年働けることに興味はないのか、特定技能への移行はどうか? そんな疑問を解消できたらと思います。

    外国人技能実習生就労期間最大3年→5年に

    とかく技能実習生の雇用期間は3年のみと国内外で認識されていることが多いようですが、2017年11月の技能実習法制定により、一部の職種を除いて、条件をクリアすればその後あと2年技能実習期間が延長できることになりました。

    つまり、技能実習生受け入れ企業(実習実施者)が優良要件をクリアして優良認定を受け、かつ技能実習生が随時3級の技能試験に合格すれば、その技能実習生はその実習実施者において、技能実習2号を終了したその後、技能実習3号に移行し日本での就労期間を延長することができます。

    技能実習2号が3年、技能実習3号は2年ですので、合計技能実習期間が5年となります。

    技能実習3号への移行要件、申請方法についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

    ミャンマー人は将来をどのくらい考えているのか

    貧しい東南アジアの現状

    東南アジアの貧しい国においては、その日その日を生き抜くことに必死で、将来のことなど考えたこともない人が多くいるようです。

    ミャンマーは、2011年まで軍事政権に支配され、世界中から経済制裁を浴びていたため、国の発展が著しく遅れ、今でもアジア最貧国のひとつに数えられています。

    ミャンマーという国家は深刻な財政難で、国民に対する社会福祉は何もありません。社会保険制度もなく、健康保険制度もなく、貧しい人々は生きていくのが精一杯で、ひとたび病気にでもなれば医者に行くお金もなく、早死してしまうことが多いのが現状です。

    したがって、ミャンマーにおいては、自分の将来を真剣に考えている人はとても少ないです。技能実習生になって日本に行こうとするミャンマー人も、ほとんどの方にはその後の将来設計がなく、「日本に出稼ぎに行こう」くらいに考えている人が多いようです。

    出稼ぎではなく自分の将来設計を

    「単なる出稼ぎで日本に行こうとする」これが最もよくないことだと我々ミャンマー・ユニティは考えています。 「出稼ぎ=お金がもらえればいいや」という考えでは、3年間だけ働いて、その後の自分の将来は何も考えていない、ということになってしまいます。

    特にミャンマーにおいては、最大都市ヤンゴンを除いては、ほとんどまともな仕事もなく、仕事があったとしても簡単な仕事では月給8,000円ほどしかもらえません。

    そうなると、技能実習期間3年経過してその後ミャンマーに帰っても、いいことはなにもない。また悲惨な生活に戻ってしまう。そう考えると、在留資格がなくなっても日本にとどまることを考えて、失踪につながってしまいます。

    ですからミャンマー・ユニティでは、技能実習生の将来設計に関して次の4点の説明を行い、技能実習2号を修了したその後の人生における選択肢を広げる教育にとても力を入れております。

    ミャンマー・ユニティの技能実習生に対する将来設計教育

    ミャンマーでの職業紹介

    ミャンマー・ユニティは関連会社で日本企業のミャンマー進出コンサルティングを行っており、多数のミャンマー進出日本企業とつながりがあります。 せっかく日本で技能実習を3年経験し、日本語力も身につき、技術も身についたのだから、その後その能力をミャンマーに帰国してからも活かす。これがベストです。

    ですから、ミャンマー・ユニティは帰国後の技能実習経験者に、ミャンマー国内で日本企業に就職できるように職業紹介を実施しております。

    特にミャンマー・ヤンゴン近郊のティラワ経済特区は日本企業の進出が盛んで、目覚ましい発展を遂げております。

    中でも注目されるのは自動車産業の進出です。

    すでにミャンマーには日産自動車、スズキがノックダウン式工場(部品を輸入し、組み立てる工場)を開設しており、ミャンマー国内のモータリゼーションの発展に先手を打っています。

    そしてこの度トヨタがミャンマー進出を決定しました。最初はセミノックダウン式工場としてのスタートですが、今後は周辺産業(トヨタに部品を納める協力会社)がこぞってミャンマーに工場を建設することが期待されます。

    これから目覚ましい発展が期待できるミャンマーにおいて、特にミャンマー進出日本企業においては、日本語力があり、技術がある帰国技能実習生は喉から手が出るほどほしい人材になってきます。

    ミャンマー・ユニティでは、技能実習生がミャンマーで研修しているうちから、「日本からミャンマーに帰国したら、ぜひ日本企業に就職してほしい。そのためには日本に行ってからも継続して日本語を学び続けてほしい。高い技術力も身につけてほしい。そうすればきっとその日本語力と技術力が買われて、通常のミャンマー企業に就職するより数倍の収入が得られます。」と力説しています。

    また、ミャンマー・ユニティでは、日本に来る前の事前体験の中で技能実習が修了したその後の将来を明確に想像してもらうために、ミャンマーのティラワ経済特区の見学、及び日本企業での職業訓練も実施しております。実習生たちは、その日本企業の現場を自分の目で見ることで、自分が日本での技能実習を終え、その後の将来どのようになりたいのかを現実的かつ明確に考えます。

    現地スタッフは、ティラワ経済特区から帰ってくる実習生の目はみんな輝いているといいます。このように、日本に来る前から明確にその後の将来を考える機会を与えることで、日本での失踪を防ぐことにも活かされています。

    このように、ミャンマー・ユニティでは帰国技能実習生に対してミャンマー進出日本企業への職業紹介を行い、技能実習生の将来設計をサポートしています。

    技能実習生との座談会

    技能実習3号、特定技能への移行のすすめ

    前述したように、まだミャンマーでは技能実習期間=3年のみと考えている人が多いようです。しかし時代は変わりました。2017年11月の技能実習法制定により、一部の職種を除き、条件をクリアすれば2年延長して5年間の技能実習が認められるようになりました。

    また2019年4月から施行された新しい在留資格「特定技能」の制度により、一部の職種を除き、技能実習を3年経験した技能実習生には、無試験で特定技能の資格が与えられることになりました。

    従来は、技能実習を3年経験し帰国したあとどうするかを指導するしか方法がありませんでしたが、今は違います。

    技能実習を3年経た後に技能実習3号をさらに2年期間を延長して続けることができますし、特定技能に切り替えてさらに5年間働くこともできます。(一部職種を除く)

    また技能実習期間を5年経た後に特定技能に切り替えてさらに5年間延長して働くこともできます。(一部職種を除く)

    今や、3年間だけ出稼ぎに行く、という制度ではなくなっていますので、ミャンマー・ユニティでは一部職種を除き、「日本で10年働く」ことを視野に入れるよう、技能実習生に指導を行っております。

    (介護職種では)介護福祉士資格取得のすすめ

    介護業界では未曾有の人材不足にほとほと困り果てています。

    さらに日本では2055年まで高齢者の人口が増え続けます。つまり2055年まで介護職のニーズが増え続けるわけです。

    したがって、介護職種においては将来に渡って就職先の心配はありません。もちろん、最初に就職した技能実習先で長く働くこともできます。

    そして介護職においては、介護福祉士の資格を取得すれば永住権が得られ、ずっと働くことができます。もちろん家族を日本に呼ぶこともできます。

    もし、ミャンマー人が日本で働くことによりミャンマーでの収入の20倍、30倍がもらえるならば、40年働けば800年~1200年分の収入が得られます。日本人では宝くじに当たったとしてもこうした収入を得るのは無理でしょう。

    ですから、我々ミャンマー・ユニティでは介護職を希望するミャンマーの方々に、できる限り長く日本で働くことをおすすめしています。

    ミャンマーにいるうちに日本語3級を取得し、その後日本に行ったら日本語2級を目指して日本語の勉強をし続けること。そして目標を高く持って介護の勉強を続け、実務者講習を経験して、介護福祉士資格を目指してほしい。

    そうすることが、介護職を目指すミャンマー人技能実習生たちの将来を素晴らしいものにすると信じて指導をしております。

    特定技能2号の可能性の説明

    介護職種でなくとも、日本に永住できる可能性が出てきました。

    日本政府は2019年4月より新在留資格「特定技能」制度を施行し、まず特定技能1号による5年の就労を外国人に開放しました。

    特定技能の法令は、2年後に見直しされます。そのときには特定技能1号だけが今認められている12業種に関して、特定技能2号が開放されることが見込まれます。 特定技能1号期間中に技術力と日本語力を身につければ、その分野で特定技能2号に移行できる可能性が十分にあります。

    そのためには、まずは日本語力の向上が必要です。

    ミャンマー・ユニティでは特定技能送り出しにおいては、3級レベルの日本語力になるまで教育をいたしますので、日本で働いている間にぜひ2級を取得していただきたい。

    そして技術力も向上させ、将来開放されるであろう特定技能2号の在留資格を取得し、永住権を取得していただきたい。そして家族を日本に呼び寄せていただきたい。

    まだ法令が定まっていないので憶測ではありますが、すべての特定技能の職種に特定技能2号が開放されることを予想して、このような指導を行っております。

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  • 2019.11.18外国人技能実習生受け入れは働き方改革に繋がるのか?

    目次

    1. 外国人労働者受け入れを拡大の背景
    2. 外国人労働者・技能実習生受け入れのメリット
      1. 技能実習生に日本人従業員が刺激される
      2. グローバル・ダイバーシティの考えを社内にもたらす

    人材不足が加速する日本は外国人労働者受け入れを拡大しています。外国人と共に働く未来はすぐそこです。
    外国籍の人材を社内に雇用すると、日本人のやる気の向上に繋がったり、考え方が多様になったりと、社内の雰囲気がガラっと変化します。1000人以上の技能実習生を送り出しているミャンマー・ユニティに寄せられる企業様の声をご紹介します。外国人を受け入れることが企業のマネジメントや働き方改革にも繋がります。

    外国人労働者受け入れを拡大の背景

    日本は少子高齢化社会が進み、労働人口が減少しています。介護職種や建設業等、専門的な技術が必要な現場の従業員の高齢化も企業が抱える問題の1つといえます。日本政府もこの事態に対応しようと、外国人材の受け入れに前向きに取り組んでいます。

    2017年11月に技能実習生法改正があり、外国人技能実習制度専門の機関、外国人技能実習機構が設立され制度の強化が図られました。また2019年4月には技能実習の上位資格である特定技能という在留資格が誕生し、より外国人材受け入れの幅が広がりました。

    人手不足の企業においては、働き手を増やすことで従業員の長時間労働を減らし、労働生産性の向上を図るためにも、外国人労働者の受け入れによる働き方改革が必要となります。

    外国人労働者・技能実習生受け入れのメリット

    技能実習生に日本人従業員が刺激される

    外国人労働者受け入れが拡大していく中で、日本に来る技能実習生もこれからもっと増えていきます。実際に外国人技能実習生を迎えて実習実施者にどのような影響があったのか、実際に受け入れをしている企業の声を紹介します。

    訪れたこともない国に技術を学びに来る技能実習生は不安と期待の中、日本にやってきます。技能実習生は外国の日本で働くということもあり、生半可な気持ちでやってくる人はいません。皆根気強く、やる気があります。そんな実習生に日本人従業員も負けてられないと感化され、やる気になるそうです。

    また、外国人従業員が入ることで、出身国の話や、どう実習生を教育していくか等、日本人同士の会話が活発になり、実習生に対して仕事を一生懸命教えることでオフィスも活気づくといいます。

    日本人従業員の中には毎日の仕事の中での慣れからか、自分のオリジナルのやり方でやっている人や、マニュアルから逸れたやり方をしている人もいます。しかし、実習生の一生懸命に働く姿を見て自分たちも負けてはいられないと、日本人も初心に戻ろうと思わせてくれ、業務を忠実にこなす実習生を見習う部分もでてくるといいます。

    また、外国人従業員を採用する準備として、作業工程の確認やマニュアル化や働くために必要な基本ルールをつくる場合があります。改めて作業工程やマニュアル、ルールの見直しを行ったり制定したりすることが作業効率改善となり、社員のモチベーションを向上させると同時に働き方改革にもつながると考えられます。

    グローバル・ダイバーシティの考えを社内にもたらす

    働き方改革でよく耳にする、「ダイバーシティ」。多様な人材を積極的に活用しようという考え方はビジネス上の経営戦略としても使われています。

    ダイバーシティの概念(多様性)には、女性活躍やセクシャル・マイノリティの他にグローバル化も含まれています。国際化が進む中で、多彩な異文化が共存共栄するグローバル・ダイバーシティを取り入れることは、企業イメージにも繋がります。

    文化に配慮し、互いに尊重することが重要となります。技能実習生を受け入れると、企業イメージという側面にもメリットがあり、技能実習生を受け入れている企業は、外国人雇用で一歩リードしていると言えるでしょう。

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  • 2019.11.18外国人材採用の基本的なルールと採用までの流れ

    目次

    1. 外国人は就労可能な在留資格がないと日本で働けない
      1. 職種、業種を問わず就労可能な在留資格
      2. 一定範囲内の職種、業種、勤務内容に限って就労可能な在留資格
    2. 外国人の募集から採用まで
    3. 専門機関が採用をフォロー「技能実習・特定技能」
    kaigo_semi tokutei_solition

    “外国人を採用”と聞くと、「ハードルが高そう」、「採用したいけど手続きがよくわからない」、といった声があがります。そこで、外国人を採用する際の基本的なルールと採用までの流れをご紹介し、外国人雇用について理解を深めていただけたらと思います。

    外国人は就労可能な在留資格がないと日本で働けない

    外国人が日本で就労するには、就労可能な在留資格を持っていないといけません。これを持っていないと、不法就労になってしまいます。
    就労ビザという言葉を耳にすることがありますが、厳密には就労ビザという言葉はなく、就労が目的になる在留資格を慣例的に「就労ビザ」と呼ばれています。 就労可能な在留資格は以下の通りです。

    職種、業種を問わず就労可能な在留資格

    「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」
    これらの在留資格は、職種・業種問わず就労でき、自由に転職が可能となっています。

    一定範囲内の職種、業種、勤務内容に限って就労可能な在留資格

    在留資格 該当例
    (1) 外交 外国政府の大使,公使等及びその家族
    (2) 公用 外国政府等の公務に従事する者及びその家族
    (3) 教授 大学教授等
    (4) 芸術 作曲家,画家,作家等
    (5) 宗教 外国の宗教団体から派遣される宣教師等
    (6) 報道 外国の報道機関の記者,カメラマン等
    (7) 高度専門職 ポイント制による高度人材
    (8) 経営・管理 企業等の経営者,管理者等
    (9) 法律・会計業務 弁護士,公認会計士等
    (10) 医療 医師,歯科医師,看護師等
    (11) 研究 政府関係機関や企業等の研究者等
    (12) 教育 高等学校,中学校等の語学教師等
    (13) 技術・人文知識・国際業務 機械工学等の技術者等,通訳,デザイナー,語学講師等
    (14) 企業内転勤 外国の事務所からの転勤者
    (15) 介護(※1) 介護福祉士
    (16) 興行 俳優,歌手,プロスポーツ選手等
    (17) 技能 外国料理の調理師,スポーツ指導者等
    (18) 技能実習
    (1号、2号、3号)
    技能実習生。対象職種にて就労可能
    (19) 特定技能(1号、2号) 技能実習の上位資格。対象職種にて就労可能

    (平成30年8月現在の一覧が掲載されています。特定技能での受入は平成31年4月より可能になりました。)

    外国人の募集から採用まで

    外国人が就労できる基準を理解したところで次に、実際に外国人を雇用する手順を説明します。

    1. 外国人を募集する

      外国人派遣会社・紹介会社や、ハローワークなどの公的機関を使い、募集をかけます

    2. 面接を行う
    3. 雇用契約書を作る
    4. 入国管理局に申請を出し、在留資格(就労ビザ)を取得する
    5. 外国人就労スタート

    以上のステップを経て外国人を採用していきます。

    採用までの流れに慣れれば簡単に採用ができるようになりますが、⑴~⑿の在留資格に関しては専門的な資格を持っている人という限られた条件があり、⒀は大学を卒業していることや日本語能力等の条件があります。募集時に、求めている人材と在留資格が見合わない、人が集まらないといった壁が立ちふさがります。

    そんなときは、技能実習生・特定技能採用をオススメします。

    専門機関が採用をフォロー「技能実習・特定技能」

    技能実習生や特定技能の在留資格を持った外国人を雇用するには、海外の送り出し機関から募集した人材を、日本の監理団体を通して採用することになります。

    送り出し機関や、監理団体(外国人採用のスペシャリスト)が現地視察や面接、配属から配属された後のケアをしてくれます。

    外国人採用の大きな壁はコミュニケーションがとれるかどうか。日本語を話せる外国人を採用したい企業が多い中、技能実習生や特定技能の在留資格を持った外国人は日本語教育を受けた人材であるため、日本語でコミュニケーションをとりながら働いてもらうことが可能になります。

    ミャンマー・ユニティが送出しているミャンマー人技能実習生は募集してから企業に配属するまで約6~7ヶ月です。人材を採用したい時期から逆算して面接に行くことで確実な人材確保が出来ます。

    例えば日本人の新卒採用ですと、何社も面接を受ける方が多い為、採用通知を出した後に辞退をされ再度募集を出さなくてはいけない、ということが起きることがありますが、技能実習生はこの会社でこの技術を学びたい、という意思の下面接に参加します。

    また、在留資格取得のために「この会社で働きます」という会社の情報や雇用条件書等を提出して在留資格を取得します。そのため、よっぽどのことがない限り、就業場所の変更をすることが出来ません。

    また、1期生の配属後、1期生の面接に行った時と同じタイミングで2期生、3期生の受入を行うことで1期生が2期生に仕事を教えるという先輩後輩の流れもでき、人材の成長にも繋がるのです。

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  • 2019.10.07特定技能と技能実習。外国人をどちらで雇用すべきなのかを徹底解説

    目次

    1. 特定技能と技能実習の違い、メリット・デメリット
    2. なぜ技能実習より特定技能をおすすめする職種があるのか
    3. 技能実習は法令遵守が厳格に求められる
      1. 技能実習計画を厳正に実施しているか
      2. 労働基準法を遵守しているか
      3. 技能実習生の人権を尊重しているか
        
    4. 特定技能と技能実習どちらで外国人を雇うべきか職種別解説
      1. 特定技能でしか外国人を採用できない職種
      2. 特定技能で外国人を採用したほうがよいと思われる職種
      3. 技能実習でしか外国人を採用できない職種
      4. 在留資格「技術・人文・国際」で外国人を採用すべき職種
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    特定技能と技能実習の違い、メリット・デメリット

    2019年4月より新しい在留資格「特定技能」が施行され、外国人の雇用方法がさらに広がりました。

    特に単純労働と呼ばれる分野においては、今までの技能実習に加えて新しく特定技能が始まったわけですが、その2つの違い、メリット・デメリットはとてもわかりにくいですね。

    ミャンマー・ユニティでは、今まで特定技能と技能実習の違い、メリット・デメリットについて解説してまいりましたが、今回は職種ごとに、どちらを選ぶべきかを細かく解説してまいりたいと思います。

    なぜ技能実習より特定技能をおすすめする職種があるのか

    技能実習よりも、特定技能で採用したほうがよいと思われる職種について解説します。

    日本政府は、2017年11月より外国人技能実習機構を設立し、その運用を開始しました。 外国人技能実習機構設立の目的は、2017年11月より施行された新しい技能実習法(正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の厳格な運用です。

    当初は、外国人技能実習機構は、入管や厚労省労働局から人材をかき集めて結成されましたので、監理団体許可が遅れたり、実習計画認定作業が遅れたりとバタバタの状態でしたが、やがて体制が整うにしたがい、当初の目的であった技能実習制度運用の厳格化への着手が始まりました。

    これにより、「技能実習法を厳格に守れない企業は、技能実習を実施するべきではない」という、本来当たり前のようなお話が、とても重要になってきました。

    つまり、特定技能も技能実習も両方選べる職種において、技能実習法が守れそうにない場合は、特定技能を選ぶべきである、ということになるわけです。

    技能実習は法令遵守が厳格に求められる

    外国人技能実習機構が求める技能実習法の厳格運用とは主に以下の三点です

    1. 技能実習計画を厳正に実施しているか
    2. 労働基準法を遵守しているか
    3. 技能実習生の人権を尊重しているか

    技能実習計画を厳正に実施しているか

    技能実習法においては、実習実施者(実習生を雇う企業や団体・個人)が外国人技能実習機構に技能実習計画を認可してもらい、実習生に対して技能の習得を図らなければなりません。

    技能実習計画には、必須業務、関連業務、周辺業務があり、職種・作業ごとにそれぞれが日本政府からどのような技能実習を実施すべきかその内容を制限されており、実習実施者は、実習生に対して、必須業務を業務の半分以上行わせなければなりません。

    実はこれが想像以上に難しいのです。

    元来、日本の製造現場においては「多能工」が望まれています。つまり、さまざまな作業をこなせる作業員が多いほど、現場は無駄な待ち時間や、上流工程・下流工程の無理解からくる品質低下や生産性低下が防げます。

    対して、技能実習法は、必須業務を50%以上行うことを義務付けています。関連業務、周辺業務についても制限されており、実習生になんでも頼むことは許されません。 つまり、多能工は認められないわけです。

    言い換えれば、実習生が多能工化すると法律違反となるのです。

    そもそも技能実習とは、祖国で従事していた仕事に対して、日本でその同じ仕事の技術を磨き、帰国後また同じ仕事に就くことを想定してできた法律です。(前職要件については若干の例外規程はあります)ですから技能実習法では、技術を磨く範囲を限定しており、特定の作業しか従事できないという制限があるのです。

    しかし、製造現場・建設現場などでは多能工が求められるのが現状です。つまり、技能実習法では必須作業を半分以上行うことが求められているが、現場のニーズが違うのです。

    しかし現場は、本来できる仕事が限られている技能実習生に対して、様々な仕事をさせてしまいがちです。でもこれは違法になるわけです。

    2019年初頭頃から、外国人技能実習機構は、この技能実習計画と違う作業をさせている企業を厳格に取り締まりはじめました。

    この新聞記事にあるように、日本を代表する企業である三菱自動車やパナソニックなどが、突然技能実習法違反で摘発され、新聞沙汰になり、大きな社会的制裁を受けたのです。

    これはもう他人事ではありません。

    技能実習生を雇っている企業には、外国人技能実習機構が抜き打ちで検査に来ます。そして、企業と実習生に聞き取り調査をするのです。企業の職員への聞き取りのみならず、外国人技能実習機構は通訳を連れてきて、実習生に対しても直接聞き取りをします。これが抜き打ちで来ますので、実習生は本心を話してしまいます。

    「あなたはどこで、どんな仕事をしていますか?」
    「一日何時間働いていますか?」
    「残業代は正しくもらっていますか?」

    つまり、外国人技能実習機構の抜き打ち検査があると、技能実習法違反はすぐにバレてしまいまうのです。

    普段から万全な体制を敷いていないと、この抜き打ち検査には対処できません。つまり、厳正な技能実習法の運用が求められるのです。その第一のポイントが、実習実施者は、実習生に対して、必須業務を業務の半分以上行わせなければならない、という点なのです。

    実際に新聞沙汰になった三菱自動車のケースはこの「技能実習計画通りに作業をさせていなかった」ことによるものでした。

    労働基準法を遵守しているか

    技能実習においては、労働基準法の遵守が厳正に求められます。ポイントは以下の3点です。

    賃金を正しく支払っているか

    雇用契約書通りの賃金が支払われていること、またその時給計算が正しいことが厳正に求められます。

    残業代を正しく支払っているか

    サービス残業はないこと、時間外手当が正しく支払われていること、時間外の割増手当が正しく支払われていることが厳正に求められます。

    36協定違反はないか

    36協定(サブロク協定)とは、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた労働(残業)や法定休日の出勤を可能にするために、会社と従業員の間で締結される協定のことです。36協定は、労働基準法で定められたルールに基づいて締結、運用されなければなりませんが、中小零細企業においては、その多くにおいて36協定自体がない場合があります。36協定に関して労働基準法違反になるケースは、下記のケースです。

    • そもそも36協定を締結せずに残業・法定休日出勤をさせられている
    • 36協定を会社が勝手に作っている
    • 週15時間・月45時間を超えて残業させられている
    • 特別な事情なく月45時間を超えた残業をさせられている

    実際にはかなりの割合で36協定違反が横行しているといえるでしょう。新聞沙汰になったパナソニックのケースは残業のさせすぎ、つまり、36協定違反によるものでした。

    技能実習生の人権を尊重しているか

    技能実習生も人間です。日本国憲法で基本的人権が保証されていますので、技能実習生の雇用においても、人権を守る必要があります。

    人権違反の主なケースは

    • 暴力、暴言
    • パスポートを預かる
    • 貯金通帳、キャッシュカードを預かる
    • 在留カードを預かる
    • 強制的に預金をさせる
    • その他技能実習生の自由を奪う行為
      が挙げられます。

    これらは、いかなる理由があっても、人権違反とされますので注意が必要です。

    特定技能と技能実習どちらで外国人を雇うべきか職種別解説

    特定技能でしか外国人を採用できない職種

    ここでは、法令上、技能実習や高度人材(在留資格:技術人文国際)では外国人を雇用できない職種が対象となります。つまり、技能実習の職種にないもの、またはデスクワークを主体とする職種がこれにあたります。
    特定技能でしか外国人を採用できない職種としては、次のものが挙げられます。

    (1)外食
    外食業(飲食業)とは、一般的に言うレストラン・ファーストフード・居酒屋などのことで、飲食店営業許可を得ている業態を言います。日本標準産業分類上,「飲食店」又は「持ち帰り・配達飲食サービス業」に分類される事業者である必要があります。

    但し、風俗営業(風俗営業許可を必要とする業態)においては特定技能による外国人就労は認められませんので、注意が必要です。 例えば深夜営業するカラオケボックスは風俗営業に当たりますので許可されません。 また、物販業(物品販売をする小売店)は、外食業(飲食業)ではありませんので、特定技能による外国人就労は認められません。

    外食業における特定技能外国人が従事する主たる業務は、飲食物調理,接客,店舗管理で、それに付帯する各種業務も実施可能です。 付帯業務とは、入出庫作業、配達、清掃作業等が挙げられます。 しかし、付帯する業務が業務のほとんどを占める場合は、違法性が高くなりますので注意が必要です。

    (2)建設の一部
    建設の中でも、吹付ウレタン断熱工事等作業及び関連工事作業に従事する吹付ウレタン断熱と水際線域、水上で行うしゅんせつ及び構造物の製作・築造等の作業に従事する海洋土木工は特定技能でしか認められていません。

    (3)食品製造の一部
    下記の職種は、食品製造業でありながら、技能実習が認められておりませんが、特定技能は認められています。

    製麺製造業、菓子製造業、豆腐製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、食肉製品製造業、魚肉ねり製品製造業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、みそ製造業、醤油製造業、氷雪製造業、納豆製造業、ソース類製造業、食用油脂製造業、マーガリン又はショートニング製造業、添加物製造業、製菓材料等製造業、粉末製造業、調味料等製造業、液卵製造業

    特定技能で外国を採用を勧める職種

    ここでは、法令上、技能実習や在留資格「技術・人文・国際」(高度人材)で雇用すると法令違反になるおそれがある職種が対象になります。具体的には下記のケースが対象になります。

    現場作業で、かつ、多能工を必要とする場合または技能実習で定められた必須作業が50%未満の場合(様々な業務に関わらせたい場合)

    前述の通り、製造現場や建設現場においては、生産性を上げるために、作業員にさまざまな業務に携わってもらいたい場合が多いです。 しかし、技能実習法では必須作業を半分以上行うことが求められています。また職種ごとにさせてはいけない仕事も決められています。 実習生に対しては、実習実施計画に基づいた仕事をしてもらう必要があり、様々な仕事を任せることはできません。
    また、技能実習で職種ごとに定められた必須作業が現場の実情と合っていない場合もあります。 つまり、技能実習制度が現場のニーズと異なっている場合が少なくありません。 こうした場合は、特定技能で外国人を雇うほうが安全です。法令違反の恐れがある技能実習は避けたほうがいいでしょう。

    現場作業で、かつ、技能実習で定められた設備や要件が備わっていない場合

    一例として「技能実習 “惣菜”」の場合は下記の要件や設備が必要とされており、これをクリアしていない場合は、技能実習が認められません。
    他の職種でも同様です。定められた設備や要件が備わっていない場合、技能実習は認められませんので、特定技能での外国人受け入れをおすすめします。

    【技能実習「惣菜」の定義】
    技能実習「惣菜」を実施するには、下記条件をすべて満たしている食品(つまり惣菜)を製造している必要があります。

    • そのまま食事として食べられる状態に調理されて販売されるものを製造すること
    • 蓋付きの容器などに包装し、持ち運び可能な形態で出荷されること
    • 中食(なかしょく)の環境で調理することなく食べられるようになっていること。つまり、家庭・職場・屋外などの任意の場所で調理することなく食べられるようになっていること。
    • 食材を炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す等の加熱調理及び洗浄・殺菌処理や和(あ)える等の非加熱調理により、衛生的に製造された、即食可能な加工食品を製造すること

    【技能実習「惣菜」の実習実施者の要件】
    また、技能実習「惣菜」を実施するには、製造業者が下記条件をすべて満たす必要があります。

    1. 食品衛生法に基づく営業許可(惣菜製造業<煮物、揚物、焼物、サラダ等の製造>または飲食店営業<調理パン、弁当等の製造>)を有しており、これに基づいて「惣菜」を製造していること
    2. 大量調理マニュアルを適用していること(A及びB、又はA及びC)
      A)同一メニューを「同一メニューを1回300食以上」又は「1日750食以上」調理施設
      B)加熱調理食品の加熱温度管理(標準作業書(手洗いマニュアル、器具等の洗浄・殺菌マニュアル、原材料等の保管管理マニュアル、加熱調理食品の中心温度及び加熱時間の記録マニュアル))に従い、温度と時間の記録を行うこと。
      C)非加熱で調理する食材の洗浄または殺菌の実施記録を行うこと。
    3. 即食性(そのまま食すること、若しくは適温に温める程度で食することができることをいう)のある惣菜を製造していること
    4. それぞれの調理方法ごとに大量調理ができる設備※を有し、当該設備を使用して惣菜を製造していること
      ※例えば、「炒める」の場合は、20L容量以上の固定式ロースター(平釜・回転釜)を1台以上(ただし、連続式の場合は1種類以上、固定式の場合は2種類以上の所有が要件)

    【技能実習「惣菜」における必要な設備】
    連続式の場合は1種類以上、または 固定式の場合は2種類以上所有している必要があります。

    炊く:連続式若しくは固定式3升(約4.5kg)を6釜以上
    茹でる:連続式若しくは固定式茹漕(50L水容量以上)を2台以上
    揚げる:連続式若しくは固定式フライヤー(18L容量以上の油槽)を1台以上
    炒める:20L容量以上の固定式ロースター(平釜・回転釜)を1台以上
    焼く:連続式若しくは(コンベクション)オーブン6段以上を2台以上
    蒸す:連続式若しくは固定式蒸し器(9kg1回処理以上)を1台以上
    煮る:満タン50L水容量以上の固定式釜を1台以上
    合(和)える:10kg以上の食材を混合する固定式ミキサーを1台以上
    連続式野菜洗浄機(500L水容量以上)

    技能実習でしか外国人を採用できない職種

    ここでは、法令上、特定技能や在留資格「技術・人文・国際」(高度人材)では外国人を雇用できない職種が対象になります。具体的には、下記のケースが対象になります。

    業種 職種 作業名
    建築関係 さく井
    • パーカッション式さく井工事
    • ロータリー式さく井工事
    冷凍空気調和機器施工
    • 冷凍空気調和機器施工
    建具製作
    • 木製建具手加工
    石材施工
    • 石材加工
    • 石張り
    タイル張り
    • タイル張り
    サッシ施工
    • ビル用サッシ施工
    防水施工
    • シーリング防水工事
    ウエルポイント施工
    • ウエルポイント工事
    築炉
    • 築炉
    繊維・衣服関係 紡績運転
    • 前紡工程
    • 静紡工程
    • 巻糸工程
    • 合ねん糸工程
    織布運転
    • 準備工程
    • 製織工程
    • 仕上工程
    染色
    • 織物・ニット浸染
    ニット製品製造
    • 靴下製造
    • 丸編みニット製造
    たて編ニット生地製造
    • たて編ニット生地製造
    婦人子供服製造
    • 婦人子供既製服縫製
    紳士服製造
    • 紳士既製服製造
    下着類製造
    • 下着類製造
    寝具製作
    • 寝具制作
    カーペット製造
    • 織じゅうたん製造
    • タフテッドカーペット製造
    • ニードルパンチカーペット製造
    帆布製品製造
    • 帆布製品製造
    布はく縫製
    • ワイシャツ製造
    座席シート縫製
    • 自動車シート縫製
    その他職種 家具製作
    • 家具手加工
    印刷
    • オフセット印刷
    • グラビア印刷
    製本
    • 製本
    強化プラスチック成形
    • 手積み積層成形
    紙器・段ボール箱製造
    • 印刷箱打抜き
    • 印刷箱製箱
    • 貼箱製造
    • 段ボール箱製造
    陶磁器工業製品製造
    • 機械ろくろ成形
    • 圧力鋳込み成形
    • パッド印刷
    リネンサプライ
    • リネンサプライ仕上げ
    空港グランドハンドリング
    • 航空貨物取扱
    • 客室清掃

    技術・人文・国際で外国人を採用すべき職種

    (1)大卒以上の専門知識が必要な場合
       (例)設計、測量、生産管理、IT技術者

    (2)机上作業が主な任務で、かつ多能工を必要とする場合(様々な業務に関わらせたい場合)
      (例)中小企業の製造現場で設計を主体とするが、製造も監督する場合

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  • 2019.07.29【最新比較】技能実習と特定技能1号の違い|メリット・デメリット

    目次

    1. 介護以外の職種とは
    2. 技能実習と特定技能1号はどちらがよいか
    3. 技能実習のメリット
      1. 転職ができないので雇用が安定する
      2. 面接候補者が集まりやすい
      3. 在留期間が長く、最大で合計10年働ける
    4. 特定技能のメリット
      1. 初年度から採用できる人数枠が大きい
      2. 受け入れ後の制約事項が少ない
    5. 技能実習と特定技能1号を選ぶ際のポイント

    介護以外の職種とは

    こちらの記事では、技能実習も特定技能1号も受け入れを許可されている介護以外の職種について、比較をしていきます。
    内容に入る前に、まずはどのような職種が本記事の対象となるのか簡単にご紹介いたします。

    • 農業
    • 食品製造
    • 機械・金属
    • プラスチック成型
    • 塗装
    • 溶接
    • 工業包装
    • 自動車整備
    • ビルクリーニング

    もっと詳しく対象職種をご覧になりたい方は関連リンクからご確認ください。

    介護職の比較についてはこちらの記事をご覧ください。

    技能実習と特定技能1号はどちらがよいか

    技能実習と特定技能1号はどちらがよいかとよく聞かれます。

    もちろん、特定技能が許可されていない職種や、外食産業などの技能実習が許可されていない職種においては、比較しても意味がありません。
    しかし、両方が許可されている職種においては、どちらを選ぶべきかとても迷ってしまいますね。
    政府の資料を見ても、用語が難しすぎたり、資料が多すぎたりしてよくわからない方も多いと思います。

    そんなお悩みの方々に、ミャンマー・ユニティがお答えしましょう。

    総合的に見ると、技能実習の方が導入メリットが高いと考えられますが、ケースバイケースでその判断は分かれます。なぜなら、企業ごとの事情などにより、メリット・デメリットの感じ方が異なるためです。

    ここでは技能実習と特定技能1号の違い(どちらがよいか?、メリット・デメリット)について解説します。

    技能実習のメリット(特定技能1号ではデメリットになる)

    技能実習は転職ができないので雇用が安定する

    まず、1つ目の技能実習のメリットは「転職がない」ということです。

    技能実習は、日本政府(外国人技能実習機構)が、特定の事業者(事業所)に対して、特定の技術を習得するために外国人に日本在留を許可するというスタイルです。

    ですから、自由に就業場所を変えることはできません。
    仕事の種類(作業)も変えることができません。

    つまり、転職という概念がないのです。

    日本は未曾有の人材不足に直面しています。

    有効求人倍率は歴史的水準に上昇してまいります。

    求人、求職及び求人倍率の推移(厚労省データよ…
    求人、求職及び求人倍率の推移(厚労省データより)

    人材不足の企業様における一番の悩みは、離職率が高いことだと思います。
    採用しても、採用しても、辞められてしまう。
    その繰り返しに困り果てている企業は少なくありません。

    ですから「転職がない」という部分に大きなメリットを感じる企業様も多いようです。

    対して特定技能においては、原則として転職が許されます。(特定技能を受け入れることを許可されている事業者には転職か可能です)

    多大な費用と手間と時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは企業にとっては「絶対に避けたいこと(デメリット)」と映ることが多いようです。

    つまり、転職があるかないか、という観点で言えば、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

    技能実習は面接候補者が集まりやすい

    2つ目のメリットは「面接を受けたい候補者が多い」ということです。

    特定技能は「日本語評価試験」「技能評価試験」2つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来きません。これが日本で働きたいと思っている外国人の前に立ちはだかるハードルとなるため、面接候補者が集まりにくいというデメリットがあります。

    対して、技能実習は資格がなくても日本に行けますので、ミャンマー人にとっては日本に行くためのハードルが低く、魅力が高いと言えます。

    技能実習は在留期間が長く、最大で合計10年働ける

    3つ目の能実習のメリットは「合計10年日本で働ける」ということが挙げられます。(一部の職種は8年だけ働けます)

    技能実習は最長5年です。
    特定技能が許可されている職種においては、技能実習を3年経れば、無試験で特定技能1号に移行できますので、特定技能1号で5年働けて、合計8年働けます。

    また、技能実習3号が許可されている職種においては、技能実習を5年やれば、特定技能1号が5年できますので、合計10年働けます。

    一方、特定技能1号で日本に入国しますと、最長5年しか働けません。
    これが、5年以上の長期雇用を希望している企業にとっては、デメリットと感じる部分となります。

    つまり、働ける年数で考えますと、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

    技能実習最大10年雇用の例

    特定技能1号のメリット(技能実習ではデメリットになる)

    特定技能は初年度から採用できる人数枠が大きい

    次に、特定技能1号のメリットを解説していきます。

    1つ目のメリットは、「初年度から採用できる人数枠が大きい(雇用できる人数が多い)」ということです。

    技能実習は、採用できる人数枠が決まっているため、すぐにでもたくさんの人材が必要な企業にとってはデメリットとなります。

    介護以外の職種においては、初年度は例えば常勤職員数が30名以下の場合は、1社で実習生を3名しか採用できません。

    この場合、次年度になれば最初の3名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、また3名採用できます。
    3年目も同様で、二期生の3名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、また3名採用できます。
    つまり、常勤職員数が30名以下の介護以外の職種の企業においては、3年間で9名の実習生を雇用できます。

    建設分野においては、上記の枠に加えて、令和4年4月1日以降は、実習生の数が常勤職員の総数を超えてはならなくなります。(優良な実習実施者・監理団体は免除)
    ※優良な実習実施者以外の団体監理型技能実習で常勤職員数が9人未満(1~8人)の場合、現行は最大9名の実習生を受け入れることが可能ですが、令和4年4月1日の新制度告示施行後は、常勤職員数までしか受け入れられないこととなります。

    対して、特定技能(建設と介護以外の職種)は初年度から、人数枠の制限なく雇用ができます。
    ※特定技能の建設分野では常勤職員数までしか雇用できません。

    深刻な人材不足に悩んでおられる企業は、

    いくら待っても人材が来ない。
    いくら費用をかけても人材が採用できない。
    よい人材が採用できない。
    入社してもすぐに辞めてしまう・・・

    人材獲得に関する悩みは尽きないと思います。

    そうなれば、俄然、特定技能の出番です。
    介護と建設以外の職種においては、特定技能では制限なく一気に外国人を雇用できるわけですから、人材に困っておられる企業は、特定技能を選ぶことになります。

    つまり、採用できる人数枠においては、特定技能に軍配が上がる(人数枠が大きい)ということになると思われます。

    特定技能は受け入れ後の制約事項が少ない

    2つ目のメリットは、「雇用上の制限が少ない」ことが挙げられます。

    2019年の初め頃から、突然日本政府(外国人技能実習機構)の技能実習に対する締付けが大変厳しくなりました。
    それまでは、事実上許されていたことも、次々に摘発され、新聞沙汰になるほどになったのです。

    技能実習認定取り消し(朝日新聞)
    技能実習認定取り消し(朝日新聞)

    具体的には、技能実習計画に基づいた作業を忠実に実施していないと法律違反として、実習取消処分になるようになりました。
    また、36協定など、労働基準法に違反すると、これも実習取消処分になるようになりました。

    実習取消処分が下されると、これはもう悲劇です。
    まず、企業は実習生をすべて雇えなくなります。
    つまり人材が足りなくなります。
    そして最も悲劇的なのは、実習生の行き場がなくなることです。
    実習生が日本に来るためにかけた時間、費用が無駄になってしまうのです。
    中には日本に来るために借金を背負った実習生は、その借金が返せなくなってしまいます。

    ですから、このような悲劇が起こってはいけませんので、監理団体は、企業に対して厳しく監査・巡回をして法令違反を防止しなければなりません。

    具体的には、監理団体は毎月、実習先の企業を回り、事業者と実習生にヒヤリングを行います。
    そして賃金台帳や出勤簿をチェックして労働基準法違反がないかどうかチェックします。
    それらは監理団体に義務付けられており、監理団体自体も遵守しないと悪質なケースは監理団体許可が取り消されてしまいます。

    一方、特定技能においては、上記ような厳しい規制はありません。
    仕事内容についても、一度出入国在留管理庁(入管)の審査が通れば、事業所内のどのような作業をしてもほぼ許されます。
    毎月の巡回・監査は不要ですし、3ヶ月に1回の国への報告が必要なだけで、制限はとても少ないのです。

    つまり、雇用上の制限が少ないという観点においては、特定技能に軍配が上がるということになります。

    技能実習と特定技能1号を選ぶ際のポイント

    以上をまとめると、介護以外の職種において『技能実習』と『特定技能1号』を選ぶ際のポイントは下記のようになります。

    ★技能実習がおすすめ

    • 転職の心配を最小限にとどめ安定的な雇用をしたい場合
    • 確実に外国人人材を受け入れたい場合
      (面接候補者が集まりやすいため)
    • 1人の外国人を長期雇用したい場合(最大10年)

    ★特定技能1号がおすすめ

    • 雇用初年度からたくさんの外国人を雇用したい場合
    • 法的な制限を最小限にとどめたい場合

    どちらで外国人を雇用するのがよいかは、企業の状況によってこれだけ変わってきます。
    それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、何を重要視するかで判断することが求められます。

    ご自身の企業において、どちらの外国人人材を雇用するのがよいか等、ご不明な点がありましたら、ミャンマー・ユニティまでお気軽にお問い合わせください。

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  • 2019.07.26【介護】技能実習と特定技能1号の違いーメリット・デメリット

    目次

    1. 介護職種において技能実習と特定技能1号はどちらがよいか
    2. 技能実習のメリット(特定技能のデメリット)
      1. 転職ができないので雇用が安定する
      2. 面接候補者が集まりやすい
      3. 在留期間が長く、最大で合計10年働ける
    3. 特定技能のメリット(技能実習のデメリット)
      1. 人員配置基準に配属後すぐに算入できる
      2. 新設から3年間未満でも導入できる
      3. 初年度から常勤介護職員数まで採用できる
      4. 受け入れ後の制約事項が少ない
      5. 前職要件がない
    4. 介護職種での技能実習と特定技能1号の選び方

    介護職種において技能実習と特定技能1号とはどちらがよいか

    技能実習と特定技能1号はどちらがよいかとよく聞かれます。

    結論から申し上げますと、技能実習の方が導入メリットが高いと考えられますが、ケースバイケースでその判断は分かれるようです。
    なぜなら、介護事業者様の個別の事情により、『技能実習』と『特定技能1号』のメリット・デメリットの感じ方が異なるためです。

    ここではその介護職種における、それぞれの在留資格の違い(どちらがよいか?、メリット・デメリット)について、下記の関連ページをもとに解説します。

    技能実習のメリット(特定技能のデメリット)

    転職ができないので雇用が安定する

    まず、技能実習のメリット1つ目は「転職がない」ということです。

    技能実習は、日本政府(外国人技能実習機構)が、特定の事業者(事業所)において、特定の技術を習得する目的で外国人に日本在留を許可するというスタイルです。

    ですから、仕事の種類(作業)も就業場所も自由に変えることができません。

    つまり、転職という概念がないのです。

    事業者様の一番の悩みは、離職率が高いことです。

    採用しても、採用しても、辞められてしまう。その繰り返しに困り果てている事業者は少なくありません。

    事業者様の声を聞くと、離職率が30%、35%というお話もよく聞きます。
    そうなると、事業者様の人事部は、年中採用活動に忙殺されます。

    そのような状況の中、「転職」という概念がない技能実習は、事業者様にとっては大きなメリットを感じるようです。

    対して特定技能においては、原則として転職は許されています。(特定技能を受け入れることを許可されている事業所に転職可能です)

    多大な費用・手間・時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは事業者様にとっては「絶対に避けたいこと(デメリット)」と映ることが多いようです。

    つまり、転職があるかないか、という観点で言えば、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

    面接候補者が集まりやすい

    2つ目のメリットは「面接を受けたい候補者が多い」ということです。

    介護職種の特定技能は「日本語評価試験(JLPT N4以上もしくはJFT-Basic合格)」「介護日本語評価試験」「技能評価試験」3つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来ません。これが日本で働きたいと思っている外国人の前に立ちはだかるハードルとなるため、面接候補者が集まりにくいというデメリットがあります。

    対して、介護技能実習生は日本語能力試験(NAT-Test)4級に合格すれば日本に行けます。3つの試験に合格しなければならない特定技能よりも、ミャンマー人にとっては日本に行くためのハードルが低く魅力が高いと言えます。

    在留期間が長く、最大で合計10年働ける

    3つ目のメリットは「合計10年日本で働ける」ということです。

    技能実習は最長5年です。
    しかし、技能実習2号まで(実習期間3年)実施していれば、無試験で特定技能1号に移行することができます。

    特定技能1号では5年働くことができるため、技能実習を3年実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、技能実習期間と合わせて合計8年働くことができます。
    また、技能実習3号まで(実習期間5年)実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、最大で合計10年働くことができます。

    一方、特定技能については、現状介護職種は特定技能2号への移行対象ではないため、1号期間のみの雇用となり、最長でも5年の雇用期間となります。
    これが、5年以上の長期雇用を希望している事業者にとっては、デメリットと感じる部分となります。

    1人の外国人介護士をできるだけ長い期間雇用したい事業者様は、まず技能実習での受け入れを行い、特定技能1号へ在留資格を変更することで長期雇用が可能となります。

    つまり、働ける年数で考えますと、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。

    技能実習最大10年雇用の例

    特定技能1号のメリット(技能実習のデメリット)

    人員配置基準に配属後すぐに算入できる

      

    次に、特定技能1号のメリットを解説していきます。

    1つ目のメリットは、「事業所に配属後すぐに人員配置基準に加えることができる」ということです。

    一方で、技能実習で外国人を雇用した場合は、実習生を事業所に配属してから、6ヶ月間は人員配置基準に算入できないことがデメリットとなります。

    度重なる介護報酬の削減や人材不足などにより、経営状態が悪化している事業者様もあるようです。
    そのような中で、外国人を雇っても、国から介護士として認めてもらえない(人員配置基準にカウントできない)ということは、つまり、もうひとり介護士を雇わなければならなくなるということです。

    日本政府が技能実習において、6ヶ月間人員配置基準に含めないという判断をした理由は、EPA(経済連携協定)と同様な人員配置基準にしないと、EPA制度を利用する人たちから苦情が来るからと言われています。
    この日本政府の判断は事業者にとってはとてもつらいものですが、すぐには覆すことはできません。

    ですから、外国人介護士を配属後すぐに人員配置基準に入れたい、とおっしゃる事業者様は、特定技能を選ぶことになります。

    つまり、人員配置基準の観点からは、特定技能に軍配が上がるということになります。

    新設から3年間未満でも導入できる

    2つ目のメリットは、「新設の事業所でも外国人の雇用が可能」ということが挙げられます。

    一方で、技能実習においては、施設開所後3年間は実習生の受け入れができないデメリットがあります。

    特に事業展開を積極的に実施している事業者様においては、新設事業所で外国人介護士を受け入れることができないのは、とても困ることのようです。
    なぜなら、新設事業所こそが一番人手を集めるのに苦労するからです。

    ですから、新設事業所をお持ちの事業者様において、外国人の雇用をする場合は、特定技能を選ぶケースが多くなると思われます。

    つまり、新設事業所で外国人介護士を導入できるかどうかにおいては、特定技能に軍配が上がるということになります。

    初年度から常勤介護職員数まで採用できる

    3つ目のメリットは、「外国人介護士の雇用における受け入れ人数枠が大きい(雇用できる人数が多い)」というところです。

    技能実習においては、初年度は例えば1事業所の常勤介護職員数が60名の場合は、実習生を6名しか採用することができません。
    次年度になれば、最初の6名が技能実習2号に移行するため、技能実習1号の枠が空き、また追加で6名採用できます。
    3年目も同様で、二期生の6名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、さらに追加で6名採用できます。
    つまり、常勤介護職員数が60名の事業所においては、3年間で18名まで実習生が雇用できます。

    対して、特定技能は初年度から、常勤介護職員の数まで一気に雇用ができます。

    1号特定技能外国人の受け入れ人数枠は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を超えないこととされます。

    「日本人等」については、次に掲げる外国人材はそれに含まれます。

    • 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
    • 在留資格「介護」により在留する者
    • 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する者

    つまり「日本人等」の中には、技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生は含まれません。

    介護業界では、深刻な人材不足に悩んでおられる事業者様がとても多い状態です。
    いくら待っても人材が来ない。
    いくら費用をかけても人材が採用できない。
    よい人材が採用できない。
    入社してもすぐに辞めてしまう・・・

    人材獲得に関する悩みは尽きないようです。

    技能実習においては、受け入れ人数枠の制限が大きいので、外国人を採用したとしても、それでも職員が足りないという状況はすぐには解決できない場合があります。

    したがって、人材不足に困っている事業者様は、常勤介護職員数まで一気に外国人を雇用できる特定技能を選ぶことになります。

    つまり、採用できる人数枠(受け入れ人数枠が大きいかどうか)においては、特定技能に軍配が上がるということになります。

    受け入れ後の制約事項が少ない

     

    4つ目のメリットは、「雇用上の制限が少ない」ということです。

    2019年の初め頃から、日本政府(外国人技能実習機構)の技能実習に対する締付けが厳しくなりました。

    技能実習認定取り消し(朝日新聞)
    技能実習認定取り消し(朝日新聞)

    それまでは事実上許されていたことが、取り締まりが突然強化され、次々に新聞沙汰になるほどになったのです。

    具体的には、技能実習計画に基づいた作業を忠実に実施していないと法律違反として、実習取消処分になるようになりました。
    また、36協定など、労働基準法に違反すると、これも実習取消処分になるようになりました。

    実習取消になると、これはもう悲劇です。

    まず、企業は実習生を全員雇えなくなります。つまり人材不足に陥ります。
    そして最も悲劇的なのは、実習生の行き場がなくなることです。
    実習生が日本に来るためにかけた時間、費用が無駄になってしまうのです。
    中には日本に来るために借金を背負った実習生は、その借金が返せなくなってしまいます。

    ですから、このような悲劇が起こらないように、監理団体は企業に対して法令遵守をチェックするため、厳しく監査・巡回をしなければなりません。

    具体的には、監理団体は毎月、技能実習先の企業を回り、事業者と実習生にヒヤリングを行います。
    そして賃金台帳や出勤簿をチェックして労働基準法違反がないかどうかチェックします。
    そして国に報告できるよう、記録を残すのです。

    対して、特定技能においては、そのような厳しい規制はありません。
    仕事内容についても、一度出入国在留管理庁(入管)の審査が通れば、事業所内のどのような作業をしてもほぼ許されます。
    毎月の巡回・監査は不要ですし、3ヶ月に1回の国への報告が必要なだけで、技能実習と比べると、制限はとても少ないのです。

    つまり、雇用上の制限が少ないという観点においては、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。

    前職要件がない

    4つ目のメリットは、技能実習生には必要な「前職要件がない」ということです。

    前職要件とは、団体監理型技能実習の場合は、日本で従事する業務と同種の業務を母国で経験する必要があるということです。
    しかし、海外では日本の「介護」のような職種がない国も多く同種の業務を経験するというのはハードルが高いです。
    そのため、前職要件を満たすには下記の教育課程を修了する必要があります。

    • 2ヶ月以上320時間以上の訓練
    • そのうち1か月以上160時間以上の介護職種に関する課程を満たしている

    参考<厚生労働省:技能実習「介護」における固有要件について

    ほとんどの技能実習生は上記の教育課程を修了する必要があるため、受け入れをしたいと考えてから入国までに時間がかかってしまいます。
    一方で、前述にもありますが介護職種の「特定技能」では、「日本語評価試験」「介護日本語評価試験」「技能評価試験」3つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来ません。取得しなければならないというハードルがありますが、すでに3つの資格を取得している外国人であれば、圧倒的にスムーズに受け入れることができます。

    技能実習と特定技能それぞれにメリット・デメリットがあります。次の項目では各在留資格のおすすめポイントをまとめていますので参考にしてみてください。

    介護職種での技能実習と特定技能1号の選び方

    以上をまとめると、『技能実習』と『特定技能1号』を選ぶ際におさえておくべきポイントは下記のようになります。

    ★技能実習がおすすめ

    • 転職の心配を最小限にとどめ安定的な雇用をしたい場合
    • 確実に外国人介護士を受け入れたい場合
      (面接候補者が集まりやすいため)
    • 1人の外国人を長期雇用したい場合(最大10年)

    ★特定技能1号がおすすめ

    • 雇用後すぐに人員配置基準に参入したい場合
    • 新設の事業所で外国人を雇用したい場合
    • 雇用初年度から最大人数を雇用したい場合
    • 法的な制限を最小限にとどめたい場合
    • 前職要件がない

    介護職種に限定しても、特定技能1号と技能実習のどちらで外国人を雇用するのがよいかは、事業者様の状況によってこれだけ変わってきます。
    それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、何を重要視するかで判断することが求められます。

    ご自身の事業所において、どちらの外国人材を雇用するのがよいか等、ご不明な点がありましたら、ミャンマー・ユニティまでお気軽にお問い合わせください。

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  • 2019.07.25コンビニで働く外国人の在留資格とは?

    平成30年10月末までの外国人雇用状況届出書によると日本で就労している外国人は146万人いるといわれています。近年、コンビニや居酒屋等身近なところで働く外国人を目にする機会が多くなってきました。例えばコンビニでレジでの会計作業や商品陳列のような単純作業(アルバイト)に従事している外国人はどのような在留資格で働いているのでしょうか。

    出典:平成30年外国人雇用状況の届出状況のま…
    出典:平成30年外国人雇用状況の届出状況のまとめ(厚生労働省)

    コンビニで働くことが許可される在留資格の種類

    外国人が日本で生活するためには在留資格が必要になります。在留資格は下記の種類があり、それぞれ就労の決まりがあります。

    ○:身分に基づく在留資格を持っている外国人
    「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「永住者」「定住者」などの身分系在留資格の場合、就労の制限はありません。上記の在留資格を持っている人はコンビニで働くことが出来ます。
    △:非就労系の在留資格の場合
    「留学」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」「研修」の場合には、基本的に日本国内では働くことができません。しかし、在留カードの裏面下部にある「資格外活動許可欄」の部分に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」を書かれていればコンビニ等でのアルバイトは可能です。資格外活動(留学生のアルバイト等)で働いている外国人は約34万人いると言われています。
    ×:就労目的で在留が認められる在留資格ではコンビニで働けない
    「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「介護」「特定技能」の場合には、コンビニ等で単純作業に従事する目的で働くことができません。 例えば「技能実習」は技能実習生として日本に入国してきているため、外国人技能実習機構へ申請した就業場所と別の会社で働いていると不法就労になってしまいます。

    現在コンビニで働くことが出来る外国人には上記のような在留資格の制限があります。しかし最近特定技能で外食業が認められる等今後外国人就労が拡大していくことが期待されています。

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  • 2019.07.24介護人材の人手不足がやばい|介護の業界の人手不足の理由と対策を徹底解説

    目次

    1. 労働人口減少による有効求人倍率の上昇
      1. 歴史的水準まで上がる有効求人倍率
      2. その理由は労働人口の減少
    2. 介護業界に対するニーズの増加
      1. 高齢化により要介護者が増える
      2. 少子化により高齢者を支える人手が足りない
      3. 子が親を介護するスタイルからの変化
    3. 今後も加速する介護の人手不足
      1. 労働者減少とニーズ急増で介護職不足が加速
      2. 人手不足に直面する介護事業所の現状
      3. 介護職に対するネガティブイメージ
      4. 2025年問題で前例のない人材不足に
    4. 広がりを見せる外国人雇用で人材不足対策
      1. 政府が外国人を受け入れる環境を整備
      2. 外国人労働者の受け入れ状況
      3. 外国人労働者に対する印象の違い
    5. 各介護事業所での人材不足に対する対策
    6. 深刻化する介護業界の人手不足についてまとめ

    労働人口減少による有効求人倍率の上昇

    歴史的水準まで上がる有効求人倍率

    いつの間にか人手不足を感じたり、採用がしにくくなったと感じたりしていませんか?

    日本では介護業界だけでなく、すべての業界・職種において人材採用が困難になってきており、人手不足に陥っています。
    人事担当者の共通の悩みは、「離職が多い」「採用が難しい」「採用に経費がかかりすぎる」です。

    採用の難しさを測る「有効求人倍率」はすでに歴史的水準まで上昇しています。

    求人、求職及び求人倍率の推移(厚労省データよ…
    求人、求職及び求人倍率の推移(厚労省データより)

    その理由は労働人口の減少

    なぜこんなにも有効求人倍率が上昇するのでしょうか?
    一番の原因は、労働人口(生産年齢人口)が年々減少しているからです。

    平成30年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍となり、新規求人倍率(季節調整値)は2.41倍です。

    これは全ての業界が人手不足になることを意味しています。

    職業別の有効求人倍率(原数値)(パート除く)
    職業別の有効求人倍率(原数値)(パート除く)

    そして、この人手不足は今後さらに深刻化していきます。

    なぜなら、今後ずっと、毎年労働人口(生産年齢人口)は減少していくからです。

    介護業界に対するニーズの増加

    高齢化により要介護者が増える

    そして介護業界はさらに深刻な影響を受け、人手不足が加速します。
    なぜなら、ニーズがどんどん増加するからです。

    人口ピラミッドの変化
    人口ピラミッドの変化

    このように今後老齢人口は増加の一途をたどります。
    そうすると要介護者が増えます。

    75歳以上の人口は、2005年には1,160万人でしたが、2030年には2,260万人とほぼ倍増します。
    そして2055年には2,387万人になります。

    高齢化の原因としては医療技術等の進歩のほか、生活環境や食生活の改善などによる平均寿命の延伸や、少子化の進行による若年人口の減少が挙げられます。
    このように日本では少子高齢化が進むことで総人口が減少し、生産性の低下と労働力人口も減少します。

    つまり、高齢化により介護業界はニーズがどんどん増加する一方、増加するニーズに対して人材の確保が追い付かず、人手不足へと繋がっていくのです。

    少子化により高齢者を支える人手が足りない

    少子化とは、出生率が低下し子供の数が減少することを表しています。
    日本では1942年出生数269万人、合計特殊出生率4.32が過去最高ですが 、2020年には出生数84万832人、合計特殊出生率1.34と過去最低を記録しています。
    このような少子化が起こる原因として、未婚化・晩婚化・晩産化、女性のライフスタイルの変化、経済的負担などが挙げられます。時代が進むにつれ結婚出産に対する意識の変化がみられ、必ずしもしなくてはならないという考えではなく、選択の一つとして捉える方が増え、また結婚していても子どもを持たず、夫婦二人で楽しむという選択をする方もたくさんいらっしゃいます。
    そして女性のライフスタイルの変化により、働く女性が増えたことで初婚年齢や出産年齢が高くなる現象(晩婚化・晩産化)が生じています。
    このように女性の社会進出が進む一方、子育て支援の体制が不十分であり、仕事と育児の両立への不安感が深まり、出産育児という選択肢が制限されているということも晩婚化晩産化が進む原因となっています。
    また全体的な所得減少や出産育児により仕事から離れ失う所得が大きいことなどによる経済的不安も原因のひとつとして挙げられます。

    これらの理由から少子化は進み、高齢者を介護する人手も確実に減少してしまいます。

    子が親を介護するスタイルからの変化

    以前は、自分の子供や専業主婦である嫁が、高齢になった親を家庭内で介護するというのが一般的なスタイルでした。
    しかし、少子化や女性の社会進出などによるライフスタイルの変化により、子が親と同じ空間で共にできる時間が減り、子が親を介護するスタイルに無理が生じるようになりました。

    そのような背景から介護保険制度が始まり、介護が必要な人に対して国から費用が給付されるようになりました。

    その結果、施設利用者は状況に応じて様々な民間サービスを選べるようになったことで、介護業界に対してニーズがより高いものとなり、労働者の人手不足が加速しています。

    今後も加速する介護の人手不足

    労働者減少とニーズ急増で介護職不足が加速

    人口減少、国内空洞化などの理由により、国内のほとんどの産業においてマーケットが縮小し、深刻な人材難は大きな問題となってまいりました。

    労働人口(生産年齢人口)の減少による有効求人倍率の上昇は全産業に人手不足をもたらしていますが、介護業界にはもう一つ「ニーズの急増」という大きな問題があり、この2つの強烈なダブルパンチを受けて、今後劇的なスピードで人手不足がさらに深刻化していきます。

    人手不足に直面する介護事業所の現状

    ①介護労働者の21.6%が60歳以上

    平成30年度の調査では、全介護労働者のうち60歳以上が占める割合が21.6%となりました。

    65歳以上の割合も12.2%と1割を超え、平成26年度の調査から4年間で、60歳以上の介護労働者の割合は年々増加の一途をたどっている現状です。

    介護労働者の年齢割合
    介護労働者の年齢割合
    60歳以上の介護労働者の割合推移
    60歳以上の介護労働者の割合推移

    ②介護労働者の悩みの上位は「人手が足りない」

    労働条件・仕事の負担に関する悩みについての調査によると、54.2%と半数以上の介護労働者が「人手が足りない」ということを悩みにもっています。

    また、人手が足りないことが影響していると考えられる悩みとして、「有給休暇が取りにくい」「休憩が取りにくい」なども多くを占めています。

    介護労働者の仕事に関する悩み
    介護労働者の仕事に関する悩み

    ③介護施設の67.2%が人材不足を感じている

    平成30年度に介護施設の従業員の過不足を調査した結果、67.2%の事業所が人材不足を感じていることが分かりました。これは平成25年度の調査から、10%以上増加しており、5年連続で不足感が増加しています。

    また、不足している理由としては「採用が困難である」が89.1%で、同業他社との人材獲得が激しいということが採用困難の原因の半数以上を占めています。

    人材の不足感に関する調査
    人材の不足感に関する調査

    介護職に対するネガティブイメージ

    (株)リクルートキャリアが行う、介護サービス業の就業人口を増やすためのプロジェクト「HELPMAN JAPAN」において、介護業界で働いていない500人を対象とした意識調査が実施されました。

    その調査結果によると、介護業界での就労をためらう理由として「体力的・精神的にきつい仕事が多い」や「離職率が高い業界」などを挙げる人が多く、介護職に対してネガティブなイメージを抱いていることがわかりました。

    介護業界への就業をためらう理由
    介護業界への就業をためらう理由

    一方、介護業界の実状についての認知調査では、「業界全体の離職率は産業全体と大きく変わらないこと」「約4割の事業所は1年以内の離職率が10%未満であること」などの実態への認知が極めて低く、また「技術の進化によって腰などを痛めず、身体負荷をかけずに生涯働ける環境になっていること」についてもほとんど認知されていないことがわかります。

    このことから、全体的に介護業界の実状についての認知が低く、実態とは異なるイメージを抱いている人が多くいるということになります。つまり、介護業界での就業をためらう理由にあるネガティブなイメージに繋がってしまうのです。

    介護職種の実状認知状況
    介護職種の実状認知状況

    2025年問題で前例のない人材不足に

    介護保険制度施行後の介護職員数の増加
    介護保険制度施行後の介護職員数の増加

    介護保険制度がスタートした2000年、介護職の数は55万人でした。
    それが5年後には倍増、10年後には3倍となりました。

    介護業界を襲う2025年問題
    介護業界を襲う2025年問題

    2021年に厚生労働省が発表した介護職員の必要数では、2023年は約233万人(約22万人不足)、2025年は約243万人(約32万人不足)、2040年は約280万人(約69万人不足)必要とされています。
    介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

    介護業界への就業をためらう理由
    介護業界への就業をためらう理由

    広がりを見せる外国人雇用で人材不足対策

    政府が外国人を受け入れる環境を整備

    政府は介護業界の人材不足対策として、特別に外国人労働者を優先的に許可する規制緩和を続けてきました。

    EPA、在留資格「介護」の創設、そして技能実習への介護職種追加・・・

    そして、ついに2019年4月からは新しい在留資格「特定技能」を介護業界に許可しました。

    外国人労働者の受け入れ状況

    平成30年度の調査によると、調査に回答した約9000の事業所において、外国人労働者を受け入れている事業所は全体の2.6%とまだ少数であることがわかりました。

    介護事業所における外国人労働者の受け入れ状況
    介護事業所における外国人労働者の受け入れ状況

    一方で、今後外国人労働者を活用する予定がある事業所は、全体の13.3%ですので外国人労働者に対する関心は高まっています。

    中でも、外国人労働者を活用する予定があると回答した事業所の半数以上は、「技能実習生」での受け入れを予定していると回答しています。(※調査対象期間は平成30年10月であり「特定技能」は創設前のため含まない)

    介護事業所において外国人労働者を活用する予定
    介護事業所において外国人労働者を活用する予定

    外国人労働者に対する印象の違い

    外国人労働者を受け入れている事業所は全体の2.6%と少数ですが、外国人労働者を活用する上での課題については、受け入れていない事業所よりも受け入れている事業所のほうが、支障が少ないと感じている傾向にあります。

    外国人労働者を介護事業所で活用する上での課題
    外国人労働者を介護事業所で活用する上での課題

    また、介護労働者においても、外国人労働者と一緒に働いていない人より、一緒に働いている人の方が、不安感が少なく外国人労働者に対してポジティブな印象を持っています。

    特に、外国人労働者と一緒に働いている人は「職場に活気が出る」「利用者が喜んでいる」といった面で、一緒に働いていない人と比べて約2倍の割合の人がよい印象を感じているようです。

    外国人労働者と一緒に働くことについて
    外国人労働者と一緒に働くことについて

    各介護事業所での人材不足に対する対策

    人手不足なのにどうしたらいいのかわからない介護施設様も多いのではないでしょうか。すでに大きな影響を及ぼしている人材不足に対していったい何ができるのでしょうか。 今現在働いているスタッフの離職率を下げるため、そしてこれから介護士とし働きたいと思う方がひとりでも多く増えるように、 まずは労働環境の改善を行う必要があります。上記で説明した通り労働環境の悪化は離職率の上昇を促している大きな要因であります。 労働環境の改善方法

    1. ・全体のミーティングを増やすことでひとりひとりが発言でき、スタッフ同士がコミュニケーションをとりながら情報交換ができる場を作る

    2. ・スキルアップをはかるため勉強会や研修を開催しモチベーションをあげる

    3. ・ICTによる業務代替も有効な方法となります。これは業務を効率化するだけではなくサービスの質の向上や利用者の満足度にもつながるため有効な方法のひとつとなります。

    4. ・国が積極的に進めている外国人労働者雇用の制度もあります。

    さらに現在政府は介護士の人材確保を目的とし、介護職員処遇改善加算制度を導入しています。 給与が安いといったイメージを持つ方は多いですが、実際は年々介護士の平均給与が少しずつ上がっています。 ネガティブなイメージを払拭するために応募の際に積極的にアピールしていくことも重要です。

    深刻化する介護業界の人手不足についてまとめ

    未曾有の人材難が日本全体を襲います。
    そして介護業界はさらに巨大な人手不足の波が遅い、さらにその波は2055年まで年々大きくなっていきます。
    少子高齢化は進み続け、2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となるため約55万人の介護人材の確保が必要といわれています。
    介護職員が良い環境で労働できる、また要介護者が適切な介護サービスを受けることができるようにそれぞれの介護事業所が目的に合わせた方法で人材確保をできるように検討していきましょう。

    介護事業者においては、今後外国人雇用が必須となっていくと予想されます。

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  • 2019.07.24日本は未曽有の人材不足

    目次

    1. 日本の人口は減り続ける
    2. 日本は49年前から高齢化社会だった
    3. 日本の高齢化率はダントツの世界一
    4. 日本の人口ピラミッドの推移
    5. 労働人口(生産年齢人口)は年間約60万人ずつ減っている
    6. もう外国人労働者に頼らなければ日本はやっていけない
    7. 日本に住む外国人の数
    8. これから外国人労働者は増え続ける

    日本の人口は減り続ける

    とても悲しいお知らせがあります。

    日本では少子高齢化が叫ばれで久しいですが、我々が生きている間にはもう日本人の人口が増えることはありません。

    出生率を上げれば人口が維持できるという意見がありますが、実際は、日本人女性の人口が減り続けていますので、少しばかり出生率を上げたところで日本の人口は増えることはありません。

    合計特殊出生率(日本経済新聞より)
    合計特殊出生率(日本経済新聞より)

    今の日本は出生率が1.42ですから、一世代あとになると新生児は3割以上減ります。
    その先の世代ではさらに3割以上減り、2世代前の5割以下になります。
    その次の世代はさらに3割以上減ります。
    一世代を仮に30年とすると、90年で新生児は元の35%以下になります。

    人口動態の予測は様々ありますが、一説によると100年後の日本の人口は約3分の1になってしまうという説もあります。

    実のところ、今の日本の人口が激減せずに済んでいるのは、実は日本人の人口減少を外国人の入国で補っているからです。

    日本は49年前から高齢化社会だった

    高齢化社会の定義は国連が決めています。
    65歳以上の高齢者の比率が人口の7%を超えると高齢化社会といいます。

    実は日本は49年前に高齢化社会に突入しました。
    この日本はもう半世紀も前から高齢化社会なのです。

    今や高齢化率は27.7%。
    そして出生率は1.42です。

    高齢化の推移と将来推計(内閣府データより)
    高齢化の推移と将来推計(内閣府データより)

    日本の高齢化率はダントツの世界一

    日本の高齢化率はダントツの世界一です。
    そして今後も世界一をキープしつづけます。
    そして日本の高齢化率は40%に近づきます。

    世界各国の高齢化率(内閣府データより)
    世界各国の高齢化率(内閣府データより)

    2019年現在、日本の高齢化率は、欧米の先進国と比べても圧倒的に高いです。
    上記グラフでは、現時点の順位は日本、ドイツ、スウェーデン、フランス、イギリス、アメリカの順で、さらに今後も日本の高齢化率はこれら欧米先進国を引き離していきます。
    欧米の先進国は、2035年ごろから高齢化率に歯止めがかかる時代が来るのですが、日本は依然高齢化率が上昇し続け、やがて40%近くに達していきます。

    日本の高齢化率はアジア各国にくらべてもダントツに高いです。
    上記グラフでは、現時点の順位は日本、韓国、シンガポール、タイ、中国、インド、インドネシア、フィリピンの順ですが、今後これらアジア各国も日本の高齢化率を追っていきます。
    中国や韓国は、日本の後を追って高齢化率がぐんぐん上昇しますが、それでも日本は首位をキープし続けます。

    日本の人口ピラミッドの推移

    日本の人口ピラミッド
    日本の人口ピラミッド

    図をご覧ください。

    1920年の日本の人口ピラミッドは、まさしくきれいなピラミッド型でした。
    それが2015年になりますと、かなりいびつな形になります。

    2015年の人口ピラミッドにおいて特筆すべきことは、70歳近辺に戦後のベビーブーム世代、つまり団塊の世代がいることです。
    このときは一年に250万人が生まれました。

    対して今、新生児が生まれる数は年間100万を割り込みました。

    そうなると、単純に引き算をすると150万人が減ることになります。

    団塊の世代が退職・・・年間250万人
    新生児     ・・・年間100万人
    ---------------------------------------------------------
               150万人の減少!

    この150万人の差が、じわじわと日本を苦しめるのです。

    労働人口(生産年齢人口)は年間約60万人ずつ減っている

    労働人口(生産年齢人口)は今後劇的に減少していきます。

    2015-2020 341万人減少
    2020-2025 256万人減少
    2025-2030 312万人減少
       ※15年で909万人減少
    2035-2040 556万人減少

    ここ4、5年前から急に人材採用がしにくくなったという声を聞きます。
    それはなぜか。
    理由は、労働人口(生産年齢人口)が年間約60万人ずつ、どんどん減っているからなのです。

    そしてこれはこれからも続きます。

    ですから、人材採用の状況は「今がまだマシ」と言えます。

    去年よりも今年のほうが人材不足になり、
    来年は今年よりもさらに人材不足になります。
    再来年は来年よりもさらに人材不足。
    3年後は再来年よりもさらに人材不足。

    今後年を追うごとに人材不足はどんどん深刻化していきます。

    2045年 人口ピラミッド
    2045年 人口ピラミッド

    2045年の人口ピラミッドはこのような形になります。
    これは棺桶型と言われています。

    この日本は、棺桶に向かって歩んでいるのです。

    もう外国人労働者に頼らなければ日本はやっていけない

    年間約60万人ずつ、この日本から労働者が減り続けるわけですから、日本はこの労働者の減少によってやがて持ちこたえられなくなります。

    いくらロボットだ、人工知能・AIだと言っても、すべての業界でそれが使えるわけではありません。

    5年間で341万人労働力が失われるわけですから、それはもう深刻です。

    ですからこの日本は、もう外国人労働者に頼らなければやっていけないのです。

    日本に住む外国人の数

    在留外国人数の推移
    在留外国人数の推移

    日本にはすでにたくさんの外国人が暮らしています。

    その中で働いている方もたくさんおられます。

    移民というと語弊がありますが、これらの方々をもし移民と呼ぶと、日本はすでに移民大国になっています。
    OECDに加盟する35ヵ国の最新データによると、移民数は上から順にドイツ、アメリカ、イギリス、日本の順で、日本は韓国を抜いて移民数第4位です。

    在留外国人の在留資格・国籍別内訳
    在留外国人の在留資格・国籍別内訳

    これから外国人労働者は増え続ける

    特にこれからは単純労働分野の外国人が増えると考えられます。

    技能実習と特定技能1号を単純労働と仮定すると、現在その数は約32万人。

    しかし3年後にはその合計数は60万人に達すると予想されます。
    理由は、特定技能による入国が始まること、また許可される職種が増えることです。

    今回特定技能の許可業種に外食業と宿泊業が追加されました。

    外食業とはレストラン、ファーストフード、居酒屋、ラーメン屋などを含みます。
    日本全国に90万店あると言われる外食産業に特定技能が許可されたわけです。

    また、3100万人を超えた外国人観光客の受け入れにより、ホテルや旅館などの宿泊施設が不足しています。
    当然働く人もたくさん必要になってきています。
    観光立国を目指す日本政府としては、ホテル・旅館の人手不足は観光立国の障害になるとして、真っ先に特定技能を許可しました。
    今後さらにホテル・旅館などの宿泊業には技能実習も許可されようとしています。

    ですから5年後には外国人の単純労働者は100万人に達すると予想されます。

    5年間で341万人の労働力が日本から消失するわけですから、外国人100万人くらいは日本に来てもらって働いてもらわないと、日本はやっていけないのです。
    もしかするともっと必要かもしれません。

    そして、10年後の日本は単純労働(技能実習と特定技能1号)の外国人が200万人を超えることが予想されます。
    日本の至るところで外国人といっしょに働くことが当たり前になる時代がやってくると思います。

    東京の銀座でも、大阪の難波でも、京都でも、鎌倉でも、福岡の博多でも、もう外国人観光客だらけです。
    5年ほど前までは外国人はほとんど見かけませんでした。
    しかし、今では気がつくと外国人観光客が街を歩くことは当たり前になっていました。

    これと同じことが職場でも起こり始めます。
    今は外国人と働くことは抵抗がある人が多いかもしれません。

    しかし、やがて、気がつくと、外国人といっしょ働くことが当たり前になっていることでしょう。

    リンク「介護業界は今後さらに人材不足が深刻化する。その理由は?」

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  • 2019.07.22在留資格「技能実習2号・3号」移行の流れと手続き

    目次

    1. 技能実習生が就労した後の手続きについて
    2. 技能実習1号~2号移行時の手続き
      1. 技能実習2号への移行要件
      2. 技能実習2号移行への流れ
    3. 技能実習2号1年目~2号2年目の手続き
    4. 技能実習2号2年目~3号移行の手続き
      1. 技能実習3号への移行要件
      2. 技能実習3号移行への流れ

    技能実習生が就労した後の手続きについて

    実習生は外国人技能実習機構(OTIT)へ計画認定を申請し、出入国管理局に在留資格の申請をして許可が下りてから日本に入国してきます。

    では、実習生は入国した後は何もしなくても1号から2号および3号へ移行し、実習期間満了(2号なら3年、3号なら5年)まで働けるのでしょうか?

    答えはNOです。
    実は、実習生が予定している実習期間満了まで日本で働くには、毎年在留期間の更新をする必要があります。

    実習生就労後の各手続きの流れは下記表の通りです。

    技能実習生就労後の流れ
    技能実習生就労後の流れ

    技能実習1号~2号移行時の手続き

    技能実習2号への移行要件

    以下、技能実習1号から2号へ移行する際の要件です。

    • 技能実習1号と同一の実習実施機関で、同一の技術等について実習が行われること※同一の実習実施機関で実習ができない場合は除く
    • 技能実習計画に基づき、さらに実践的な技能等を修得しようとするものであること
    • 所定の技能評価試験(技能検定基礎級相当)の学科試験及び実技試験に合格した者であること
    • 移行対象職種は省令で定められた職種、作業であること(令和3年1月8日時点で85職種156作業

    技能実習2号移行への流れ

    技能検定2級の受験/結果の通知

    1号から2号1年目へ移行する際、実習生は「2号移行試験」を受検します。2号移行試験は職種により内容が異なりますが、技能検定基礎級もしくは技能評価試験初級を指します。

    試験には、学科試験と実技試験があり、どちらも合格しなくてはいけません。

    試験は入国後8か月目を目安に受検をします。そのため、試験の申込みは入国してから6ヶ月目くらいから始めます。
    入ってきてやっと職場に慣れたと思ったら、もう試験の準備をしなくてはならないのです。

    2号技能実習計画認定の申請/認定通知書の交付

    入国時に外国人技能実習機構(OTIT)にする申請は「1号」時の計画認定の申請なので、2号の2年間分の計画認定を行います。

    この書類も実習生の入国後6ヶ月~7ヶ月目を目安に準備を始めます。OTITに提出してから認定が下りるまでの認定機関は3週間~2ヶ月と言われており、各OTIT事務所によって審査の時間は異なりますので、前もって手続きすることが大切になります。

    在留資格変更の申請

    2号の計画認定が下りたら、技能実習1号から2号1年目への在留資格変更の申請を行います。実習生が働いている地域の管轄の入国管理局へ申請を行います。

    入国管理局での審査は約1ヶ月なので実習生の在留期限が切れる1ヶ月前までには申請をする必要があります。

    技能実習2号1年目~2号2年目の手続き

    2号1年目から2年目の移行に関しては、1号から2号に移行するときのように試験を受けたり、認定をとる必要はありません。(2号移行時に取得する認定は2年分の認定になります。)

    しかし、2号1年目の在留期限は1年間で発行されますので、2年目分の在留期間の更新をする必要があります。
    在留期間の更新は入国管理局へ申請します。在留資格変更申請と同じでこちらの審査も約1ヶ月かかりますので在留期限の1ヶ月前までに申請する必要があります。

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    技能実習2号2年目~3号移行の手続き

    技能実習3号への移行要件

    以下、技能実習2号から3号へ移行する際の要件です。

    • 移行対象職種は省令で定められた3号移行可能な職種、作業であること(令和3年1月8日時点で77職種135作業
    • 3年間の実習終了後(2号修了後)、1ヶ月以上1年未満の一時帰国を行うこと
    • 所定の技能評価試験(技能検定3級)の実技試験に合格した者であること
    • 過去に技能実習3号を利用したことがないこと
    • 主務省令で定められた優良基準に適合していると認められた監理団体および実習実施者であること

    技能実習3号移行要件である優良実習実施者とは

    技能実習3号を受け入れるためには、監理団体と実習実施者がそれぞれ優良な管理団体、優良な実施者の認定を受ける必要があります。

    優良実習実施者のメリット

    • 技能実習3号の受け入れ可能(実習期間最長5年)
    • 技能実習生の受け入れ人数枠拡大

    優良な実習実施者になる要件

    120点満点の6割以上で優良な実習実施者となります。

               
    技能等の修得等に係る実績 配点 最大70点
    Ⅰ 過去3技能実習事業年度の基礎級(初級)程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む) 95%以上:20点
    80%以上95%未満:10点
    75%以上80%未満:0点
    75%未満:-20点
    Ⅱ 過去3技能実習事業年度の2・3級(上級又は専門級)程度の技能検定等
    の実技試験の合格率 【計算方法】

    分母:新制度の技能実習生の2号・3号修了者数-うちやむを得ない不受検者数   +旧技能実習生の受検者数

    分子:(3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2

    80%以上:40点
    70%以上80%未満:30点
    60%以上70%未満:20点
    50%以上60%未満:0点
    50%未満:-40点
    * 上記の計算式の分母の算入対象となる技能実習生がいない場合は
    過去3技能実習事業年度には2号未修了であった者の申請日時点の3級程度の
    技能検定等の実技試験の合格実績に応じて、右欄のとおり加点する。
    合格者3人以上:20点
    合格者2人:10点
    合格者1人:5点
    Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績
      *2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価
    合格者2人以上:5点
    合格者1人以上:3点
    Ⅳ 技能検定等の実施への協力
    *技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技試験の問題の作成、採点、実施要領の作成や検定試験会場での指導監督などを職務として行う者)又は技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の賃与等を行っている場合を想定
    協力有:5点
    技能実習を行わせる体制 配点 最大10点(介護15点)
    Ⅰ 直近過去3年以内の技能実習指導員の講習受講歴 全員有:5点
    Ⅱ 直近過去3年以内の生活指導員の講習受講歴 全員有:5点
    Ⅲ 直近過去3年以内の介護職種の技能実習指導員講習の受講歴 全員有:5点
    技能実習生の待遇 配点 最大10点
    Ⅰ 第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低のものと最低賃金の比較 115%以上:5点
    105%以上115%未満:3点
    Ⅱ 技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給率 5%以上:5点
    3%以上5%未満:3点
    Ⅲ 技能実習生の住環境の向上に向けた取組 有:5点
    法令違反・問題の発生状況 配点 最大5点
    Ⅰ 過去3年以内に改善命令を受けたことがあること 改善未実施:-50点
    改善実施:-30点
    Ⅱ 過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと ゼロ:5点
    10%未満又は1人以下:0点
    20%未満又は2人以下:-5点
    20%以上又は3人以上:-10点
    Ⅲ 過去3年以内に責めによるべき失踪があること 該当:-50点
    相談・支援体制 配点 最大45点
    Ⅰ 母国語相談・支援の実施方法・手順を定めるマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること 有:5点
    Ⅱ 受け入れた技能実習生について、全ての母国語で相談できる相談員を確保していること 有:5点
    Ⅲ 過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために当該技能実習生の受入れを行ったこと 基本人数枠以上の受入:25点
    基本人数枠未満の受入:15点
    Ⅳ 技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるため、実習先変更支援サイトに監理団体を通じて受入れ可能人数の登録を行っていること 有:10点
    地域社会との共生 配点 最大10点
    Ⅰ 受け入れた実習生に対し、日本語の教育の支援を行っていること 有:4点
    Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること 有:3点
    Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること 有:3点

    参考:技能実習制度運用要項

    技能実習3号移行への流れ

    技能検定3級の受験/結果の通知

    実習3年目の最終目標は、技能検定の場合は随時3級、技能評価試験の場合は専門級の受検し合格することです。
    3号移行を希望している実習生も希望していない実習生も、帰国前に必ず随時3級相当の試験を受検する必要があります。

    受検のタイミングは在留期限の2~3ヶ月前になります。2号移行試験は実技と学科どちらも受検する必要がありますが、随時3級相当の試験は実技のみで問題ないとされております。(もちろん学科も受けても構いません。)
    再受験は1回に限り認められています。3号に移行したい実習生の場合、合格は必須となります。

    3号技能実習計画認定の申請/認定通知書の交付

    3号2年分の計画認定の申請をします。申請する書類の中には実習生のサインが必要なものもあるため、実習生が一時帰国する前に3号時の雇用条件の説明や締結が必要になります。

    申請は2号移行時と同じく3週間から2ヶ月かかりますので、前もって手続きの準備が必要になります。

    ※3号技能実習は実習生の転籍が可能です。転籍する場合、認定申請は3号技能実習を行う実習実施者が行います。

    一時帰国

    3号移行を希望する実習生は、3年間の実習終了後、1か月以上1年未満の一時帰国を行う必要があります。一時帰国に係る旅費については、旧制度と同じく監理団体(企業単独であれば実習実施者)が負担する必要があります。

    また、再入国の前に年金の脱退一時金の申請をすると、3年間払ってきた年金の1部が還付されます。(遡れるのは36ヶ月分)
    一時帰国の期間が3ヶ月を超える場合は、地方出入国在留管理局において第3号技能実習開始時に一時帰国するまでの在留期間が決定されます。その場合、一時帰国の本邦入国は、在留資格認定書交付申請を行い、査証を取得して新規入国する必要があります。

    在留資格変更/在留資格交付の申請

    3号に移行したい実習生の中には一時帰国はするがすぐにでも日本に戻ってきて働きたいという人もいれば、ゆっくり母国で休んでから日本に戻ってきたい、という人もいます。

    前者の場合、2号の在留期限から2ヶ月以内に戻ってくる実習生であれば、出入国管理局にする申請は「在留資格変更申請」になります。
    この場合、在留資格変更の許可が下りれば日本に戻ってくることが出来ます。

    後者の場合、2号の在留期限から日本への入国が3ヶ月を超える場合は「在留資格交付申請」になります。
    この場合は在留資格が交付された後、母国の日本大使館にてビザの発行が必要になります。ビザ発行後、日本に入国することが出来ます。

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  • 2019.07.13外国人採用は、ミャンマーが最高です

    目次

    1. ミャンマーの歴史   
    2. ミャンマーの若者が日本に行きたい理由
      1. 優秀な若者が多いが、いい仕事につけるチャンスがない
      2. 就職しても地方の簡単な仕事では月給が8,000円 程度
    3. ミャンマー人の特徴
      1. 国民の9割が敬虔な仏教徒で、仏教文化が根付いている
      2. 心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目、犯罪が少ない
      3. 強い自己主張をしないため、日本人と価値観が合う
      4. 農業人口が多く、忍耐力のある若者が多い
    4. 次に注目する国はミャンマーである
      1. ベトナムに代わる、人口の多い仏教国はミャンマーである
      2. 親日国である(日本からの支援が1兆円以上!)
      3. ビルマ語と文法が似てるため、日本語の上達が早い

    ミャンマーの歴史

    ミャンマーは2011年に民主化されました。
    それまでのミャンマーは約50年に渡って軍事政権が支配していて、先進各国から経済制裁を受けて世界から孤立していました。 経済制裁を受けていた理由は、人権侵害、麻薬取引などです。例えば今のミャンマー国家最高顧問であるアウン・サン・スー・チー氏を当時のミャンマー政府が自宅軟禁していたことはご存知だと思います。当時のミャンマーは、軍事政権に背く人物をことごとく弾圧し、自由を奪っていました。また、国を挙げて麻薬栽培・麻薬取引をしていたことも経済制裁の理由でした。

    長く世界から孤立していたミャンマーは、世界経済の発展から取り残されていました。周辺の東南アジア各国が著しい経済発展を遂げる中、唯一ミャンマーだけがその発展から取り残されていました。先進国がミャンマーに対して経済制裁を行い、ミャンマーは対外貿易がほとんどできず、また外資の流入もほとんどなく、周囲の東南アジア諸国が経済発展する中でひとり取り残されていました。

    元々ミャンマー(ビルマ)は、東南アジアでも一番発展していた国でした。しかし50年に及ぶ軍事政権の支配により、いつの間にか東南アジアでも最も貧しい、遅れた国になってしまっていました。

    そんなミャンマーにもついに2011年民主化の波が押し寄せました。世界各国で民衆が蜂起し、次々に民主化されていく中で、ミャンマーの民主化も必然だったのではないでしょうか?

    というわけで2011年にミャンマーは民主化されました。テイン・セイン政権が誕生し、民主化が進行していきました。やがて先進国による経済制裁も解け、ついにミャンマーが長い鎖国状態から「開国」したのです。

    ミャンマーの若者が日本に行きたい理由

    優秀な若者が多いが、いい仕事につけるチャンスがない

    多数の若者が日本に行きたいと思う強い理由があります。

    長い鎖国状態により、ミャンマーの工業化は遅れに遅れました。今も国民の9割が農業に従事しており、工業化されていないため、たとえ優秀な大学を卒業した優秀な若者であっても、就職先がない学生がたくさんいます。

    日本でいう東京大学、京都大学、東京工業大学などの超一流大学に相当する難関大学であっても、採用されやすいわけではありません。

    ですから、ある意味、優秀なミャンマー人を採用したい日本企業にとっては、宝の山なのです。超優秀な金の卵が中小企業でも採用できるチャンスがあるのです。

    そうなると上位の大学ではない学生はもっと採用されるチャンスがありません。特にミャンマーでは、高校のときに受ける共通センター試験のような試験の点数により大学が割り振られるしくみになっており、特に文系学生や中級大学の工科系学生は就職先がなかなか見つからないのが現状です。

    ですから、経済的事情により大学を中退したり、高卒、高校中退のミャンマー人は特に就職先がありません。

    就職しても地方の簡単な仕事では月給が8,000円 程度

    そのようなわけで、ミャンマーは失業率が高く、なかなか就職先がみつかりません。もし就職できたとしても、地方で、小売店店員やレストランのウェイター・ウェイトレスなどの簡単な仕事でしか採用されず、月給が10万チャット(8,000円)程度しかもらえません。

    ミャンマーの平均的な家族構成を、両親と子供6人の8人家族と考えると、8人家族の中で仕事があるのが1人か2人という場合も多いようです。いくら生活費が安いといっても、8人家族が16,000円で暮らすのは楽ではありません。

    医療保険制度や社会保障制度がないミャンマーでは、もし家族の中で一人でも病人が出たら大変です。病院では高額な医療費がかかり、途端に生活ができなくなります。生活するためには、病気になっても医者に行けず、結果的に早死してしまうケースも多くあるようです。ミャンマーの平均寿命が若いのはここにも原因があります。

    というわけで、働いたとしても8,000円程度の月給では楽に暮らしていけるわけではないのです。

    そんな状況の中で、もし彼ら、彼女たちが日本企業に採用され、働けるとしたらどうでしょうか?少なくとも、月給14万円はもらえるはずです。中には20万円以上もらえる場合もあります。そうすると、ミャンマーでの収入の20倍から30倍の収入になるのです。

    3年働くと60年分~90年分の収入が得られるのです。
    5年働くと100年分~150年分の収入が得られるのです。
    10年働くと200年分~300年分の収入が得られるのです。

    もし、日本人の方々に「月給600万円で転職しませんか?」という話がきたらどう考えますか?
    ほとんどの方が迷わず転職を考えるのではないか思います。(日本ではありえない話ではありますが)

    しかし、ミャンマーでは怪しげな人材会社も多く、ミャンマーの方々は騙されるのではないかと疑っています。怪しげな儲け話だと映るわけです。

    しかし、もし信用できる人材会社から「日本に行って働きませんか?」と声がかかったらどうでしょうか?ほとんどの人が「日本に働きに行きたい!」と言うはずです。

    私たちミャンマー・ユニティは、長い時間をかけてミャンマーで信用を積み重ねてきました。

    ミャンマー・ユニティなら信用できる。
    ミャンマー・ユニティで教育を受けて日本企業に採用された人たちがたくさん幸せに働いている。
    私たちミャンマー・ユニティには、そんなよい評判がミャンマーの社会で駆け巡っています。

    私たちが正しくミャンマーの方々にお声がけをすれば、ほとんどの若者が「日本に働きに行きたい!」と言ってくれて、ミャンマー・ユニティの門をたたいてくれるようになりました。

    ミャンマー・ユニティでは日本に行きたいという若者が、無限に集まるのです。

    ミャンマー人の特徴

    国民の9割が敬虔な仏教徒で、仏教文化が根付いている

    ミャンマーは国民の9割が仏教徒です。その仏教も上座部仏教(小乗仏教)といって、日本の大乗仏教とはかなり違います。日本の大乗仏教は、庶民への浸透を図るために大衆化したものです。

    対してミャンマーの上座部仏教は、言わば本物の仏教です。

    ミャンマーのほとんどの仏教徒は、一度は仏門に入ります。一週間や二週間程度の修行である場合も多いですが、皆が頭を丸めて修行を行います。女性も仏門に入るときは頭を丸めます。

    そして「現世で徳を積み、よい来世を迎える」という輪廻転生が重視されています。生きている間にできる限り徳を積む努力をします。

    徳を積む方法としては「お寺に寄付をする」ことが広く行われています。収入の半分くらいをお寺に寄付をする人がかなりいます。

    例えば月収が5,000円しかなく、とても貧しいのに2,500円を寄付してしまうようなことが当たり前のように行われています。

    自分の生活よりも、徳を積むことのほうが重要なのです。

    他に徳を積む方法として「人の役に立つことをできる限り行う」ことも広く行われています。ボランティア活動をすることはミャンマーの仏教徒にとっては当たり前のことのようです。

    ですから、体の不自由なご老人のお世話をする「介護」は、働きながら現世で徳を積むことができるので、ミャンマーでは人気がある職種なのです。

    介護をやりたいという人は、ミャンマー以外の国ではなかなか見つかりません。
    介護をやりたいという人がたくさんいる国はミャンマーしかないと思います。

    心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目、犯罪が少ない

    現世で徳を積まなければならないわけですから、犯罪を犯すと元も子もありません。徳がなくなってしまいますので、ミャンマーではこの宗教心から犯罪がとても少ないです。

    日本は道徳教育が徹底していますので、犯罪が少ないのですが、ミャンマーは宗教心から犯罪が少なく、とても安心して生活できます。

    他の東南アジアの国はどこも日本人が犯罪に合うことが多く、筆者も多くの国で危険な目にかなり遭いましたが、ミャンマーでは全く危険な目に合ったことがありません。

    ミャンマーは心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目な方がとても多いです。

    強い自己主張をしないため、日本人と価値観が合う

    そして、ミャンマー人の特徴としては、やはり日本人と価値観が合うことだと思います。国民性として、控えめでおとなしいこと、また身勝手な自己主張をしないことが、日本人ととても似ています。

    他の東南アジアでは、国により程度の差はありますが、強く自己主張をしてくる外国人の方々が多く見られ、日本人には強い違和感を覚える方も多いと思います。

    私たちミャンマー・ユニティでは、ミャンマー人が100人以上日本人と一緒に働いていますが、みんなとても温和で、争いごともなく、素晴らしい環境で働けてとても毎日が幸せです。

    農業人口が多く、忍耐力のある若者が多い

    ミャンマーは経済発展が遅れており、工業化が進んでいません。 国民の9割が農業に従事しています。

    ミャンマーは暑いです。炎天下の中で黙々と農業に従事しています。かなりの重労働ですが、毎日それをこなしています。

    ですからミャンマーにはとても忍耐力のある、屈強な若者が多いです。見た目は痩せていても、見かけ以上に皆体力があります。

    次に注目する国はミャンマーである

    ベトナムに代わる、人口の多い仏教国はミャンマーである

    以前、外国人技能実習生といえば中国でした。

    中国も30年くらい前までは収入が低く、今のミャンマー並の5000円から7000円くらいの月収しかえられませんでした。ですので以前、外国人技能実習生といえば中国だったのです。

    しかしその中国も著しい経済発展とともに収入が上がり、やがて日本に働きに来る価値が相対的に下がってきました。

    中国国内でもよい給料で仕事が見つかるならば、もう日本に行く価値はほとんどなくなっていきます。なぜなら、日本に行くためにはお金も、時間もかかりますし、家族と離れ離れの生活になるからです。

    そのような理由で、今は日本の外国人技能実習生はベトナム人が一番多くなっています。

    在留外国人統計
    在留外国人統計

    しかし、そのベトナムにも著しい経済発展の波が押し寄せています。今ベトナムでは月給が25000円くらいもらえるようになってきました。優秀な人、技術がある人、都市部ではもっと稼げます。

    そうなると、今技能実習全盛期のベトナムもやがて日本で働く価値が相対的に低くなり、日本に行ってくれる人が少なくなってきます。

    すでに建設や介護など、ベトナム人にも不人気の職種では、十分な候補者が集められなくなってきました。

    私たちミャンマー・ユニティは日を追うごとに日本企業からの問い合わせが増えておりますが、ほとんどの企業や監理団体様は「ベトナムは限界が来た」「ベトナムでは候補者が集まらない」とおっしゃいます。日本企業はベトナムに代わる採用したい次の国を探しておられます。

    しかし、ベトナムのような国はあまり見つかりません。 宗教が違ったり、あまりにも国が小さすぎたり、訪れるには危険すぎたり・・・

    そして皆さんが次に注目する国がミャンマーなのです。

    ベトナムに代わる、人口の多い仏教国はもうミャンマーしか残っていません。 ベトナムの次の国、それがミャンマーなのです。

    親日国である(日本からの支援が1兆円以上!)

    日本とミャンマーはとても親密です。 日本とミャンマーの親密な関係はミャンマー建国の歴史にさかのぼります。

    ミャンマー国家顧問のアウン・サン・スー・チー氏の父親であるアウンサン将軍は、ミャンマー建国の父としてミャンマー人全体から敬愛されています。

    アウンサン将軍
    アウンサン将軍

    アウンサン将軍は、当時イギリスに支配されていたビルマ(今のミャンマー)を独立させるために、日本軍の支援を仰ぎました。アウンサン将軍はイギリスから独立するために軍事戦略を日本から学び、日本軍とともにイギリスからの独立を勝ち取りました。

    ミャンマーの人たちは、アウンサン将軍が日本の支援を受けたことを皆知っており、日本のおかげで独立できたことを知っています。ですから、ミャンマーの方々は日本に対して特別に親密感を覚えておられます。

    また、日本からミャンマーへの支援もすでに1兆円以上に達しています。

    今も、インフラ建設、医療から軍事に渡るまで、日本からミャンマーへの支援は続いています。

    そして、ミャンマーの人たちは日本のことを尊敬し、憧れています。アジアで最も発展し、尊敬できる国民として、とても親密に感じておられます。

    ビルマ語と文法が似てるため、日本語の上達が早い

    ミャンマーはビルマ語(ミャンマー語)が公用語です。

    そのビルマ語は、世界の中でもとても珍しく、日本語と文法が似ています。
    ある意味日本語の単語を覚えれば、なんとか文章になるのです。

    ですからミャンマー人は日本語の上達が早いです。

    またミャンマー人は日本語の発音が上手です。

    ビルマ語は280音あり、日本の50音に比べてとても発音が複雑です。
    しかしその280音の中に、日本の50音に似た発音があり、偶然ではありますが、日本語の発音がとても上手です。

    また他の経済発展が遅れた発展途上国に比べて、識字率が高いのもミャンマー人が日本語習得が早い理由でもあります。

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  • 2019.07.12技能実習生の注意点【受け入れ後】

    目次

    1. 技能実習生受け入れ期間中の注意点
      1. 実習、勤怠、賃金関係
      2. 寮・社宅関係
      3. 外出・外泊関係
      4. 生活全般
      5. 公平な扱い
      6. レクリエーション
    2. 技能実習生帰国時の注意点
      1. 帰国日のスケジュール調整
      2. 退職時の社内手続および注意点
      3. 帰国時のその他手続および注意点
    3. その他の注意点
      1. 「不法行為」に対する規制・監視の強化

    技能実習生受け入れ期間中の注意点

    一般的な技能実習生受け入れ期間中の注意点については、以下の通りです。

    実習、勤怠、賃金関係

    技能実習日誌はきちんと作成されているか 技能実習指導員の方が記録し確認印を押します。また記録内容は実質的業務の他、週に2回(各1時間程度)は安全衛生講習を実施し、記録して下さい。
    労基法を遵守しているか 実習実施者(受け入れ企業)との雇用関係のもと、日本人労働者と同じ労働関係法令等が適用されます。
    賃金支給はきちんと行っているか 雇用契約通りの賃金支給(および各種控除)を行っているか確認してください。
    36 協定は遵守されているか 労働基準法大36条により、会社は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働および休日勤務などを命じる場合、労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。
    労働時間・賃金に格差はないか 技能実習生間で労働時間・賃金等に格差があると、技能実習生から不満が出る恐れがあります。
    最低賃金を下回っていないか 賃金は、最低賃金額以上の額を支払わないといけません。たとえ、実習実施者(受け入れ企業)と技能実習生が最低賃金額を下回る賃金で合意し、労働契約を締結しても、その賃金額は無効となり、最低賃金額で締結したものとみなされます。また、最低賃金の改定時には要注意です。
    一般のパート従業員との賃金比較 一般のパート従業員と技能実習生が同じ業務を行っていた場合、同一作業同一賃金の原則から、同じ賃金を支払う必要があります。
    関連・周辺作業に偏っていないか 必須業務(実習時間全体の2分の1以上)・関連業務(実習時間全体の2分の1以下)・周辺業務(実習時間全体の3分の1以下)と、それぞれの実習時間の割合は決まっています。
    申請と別の現場で実習していないか 技能実習計画の時に申請した現場で実習を行う必要があります。
    就業規則を守っているか 技能実習生を含め労働者を常時10 人以上使用している場合は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。また、就業規則を変更した場合にも、同様に届け出が必要です。
    実習生の声を聞いているか 実習生の労働環境が法令違反していたり、体調が悪いにも関わらず無理に働かせようとすると実習生は非常に辛い思いをします。そして実習生の途中帰国にも繋がる可能性があります。
    途中帰国は、実習実施者(受け入れ企業)としても困ることだと思いますので、実習生の声にも耳を傾けるようにしてください。

    寮・社宅関係

    室内は整理整頓され、清潔に保たれているか 室内の整理整頓は都度確認してください。特に飲食類の保存については注意が必要です。
    同居人とのトラブルがないか 一緒に暮らしている技能実習生同士などでトラブルがないか注意してください。
    無断外泊ないし部外者を泊めることがないか 技能実習生が無断で外泊していないか、また部外者や母国の家族などを呼んで泊めていないか確認してください。
    ごみ捨てや生活はルール通りなされているか 技能実習生とは生活習慣が異なります。多少の誤解や失敗は考慮しつつ、技能実習生のためにしっかりとした指導を心がけてください。

    外出・外泊関係

    外出の際は、必ず在留カードを携帯しているか 在留カードは常時携帯してることが必要です。入国審査官、入国警備官、警察官から提示を求められた場合には提示しなければなりません。在留カードを携帯していなかった場合、20万円以下の罰金、提示に応じなかった場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されることがあります。
    外泊禁止にしてはいけない 技能実習生を外泊禁止とすることは、私生活を制限しているとみなされ、違反行為となりますので注意してください。
    自転車を拾って(盗んで)乗っていないか 道などで自転車を勝手に拾って(盗んで)きて乗っていないか確認してください。
    他人のものを勝手に使用していないか 許可なく他人の物を使用していないか、また実習生間での物の貸し借りなどトラブルにつながる恐れがありますので注意が必要です。
    ゴミ捨て場等から物を拾ってきていないか ゴミ捨て場に捨てられているものを勝手に拾ってきて使用していないか確認してください。
    ギャンブル(パチンコ等)を行っていないか 実務研修に支障が出ないように生活指導を行ってください。
    他でアルバイトをしていないか 技能実習生は本来の技能実習に専念してもらうため、資格外活動(アルバイト)は許可されていません。

    生活全般

    お金の無駄使いはないか 技能実習生がお金を無駄に支出していないか、都度確認してください。
    同僚からの借金はないか 技能実習生同士や職場内でのお金の貸し借りがないか確認してください。
    日本語を継続的に勉強しているか 入国前・入国後の講習が終われば実習しながら日本語を身に着けていくことになります。技能実習生が仕事をしながら、日本語を勉強できる環境を作ってあげてください。
    病気や怪我を我慢していないか 慣れない地(日本)での病気やケガは技能実習生にとって大きな不安となります。なかなか言い出せないこともありますので、実習実施者様には気にかけていただきたいです。また、技能実習生は病院の場所や適切な受診科がわからない状態です。全てを代行してあげる気持ちで同行してあげてください。

    公平な扱い

    • 技能実習生を受け入れている工場間で、処遇が異なると、技能実習生同士で情報交換を行っている場合が多いため、不平不満が出る可能性があり注意が必要です。
    • 会社方針として処遇に差が出る場合は、その理由等を技能実習生にきちんと説明し、納得を得てください。

    レクリエーション

    相互理解や意欲向上の為には、業務外に以下のレクリエーションを社内で実施したり地域交流としてイベントに参加することは効果的です。

    • 日帰り旅行(東京ディズニーリゾート、富士山観光)
    • カラオケ、ボーリング
    • 食事会、食材差し入れ(春節の時期等に)
    • 地域の季節イベント(お花見、夏祭り、ハイキング、クリスマス、お正月など)

    技能実習生帰国時の注意点

    帰国日のスケジュール調整

    技能実習生の帰国日が近づいてきたら、在留期間内で三者にて協議の上、退職日および帰国日を決定致します。決定後、監理団体にて航空券を手配致します。 退職後、帰国までの間に以下の諸手続きがある為、余裕を持って帰国日を迎えることが望ましいです。

    退職時の社内手続および注意点

    給与 技能実習生に支払う最終給与は、帰国日の都合上、予め、スケジュール立てて給与計算を行う必要があります。支払方法は、現金支給して下さい。
    有給休暇 実習期間中に消化するよう付与を推奨して下さい。帰国までに有給を消化出来ない場合、技能実習生から不満が出る可能性がありますのでご注意下さい。
    年末調整 技能実習生が帰国する際には、12月を待たずに、最後の賃金で年末調整を行い、所得税の清算を行う必要があります。
    社会保険喪失手続き 技能実習生は、厚生年金脱退一時金(※)の受給対象であることから、社会保険の喪失手続は勿論、年金手帳(脱退一時金の申請で使用)の返却漏れ等がないようご注意下さい。
    本邦内の会社で6カ月以上働いたことのある外国人を対象に、厚生年金保険から支払われる一時金。日本に短期滞在する外国人の保険料の掛け捨てを防ぐために、外国人が日本を出国後(2 年以内)に請求すれば、厚生年金保険に加入していた期間に応じた、一時金が支払われます。(詳細は、日本年金機構 HP 参照)本件は、監理団体より送出し機関に申し送ります。
    健康保険証等の回収 健康保険証、社員証等退職時回収すべきものの回収を忘れないようご注意下さい。
    住民税の清算 住民税は前年の所得金額に応じて後納で分割払いをする性質のため、実習生の帰国月によっては納税が残っている可能性があります。事前に管轄の市役所に問い合わせて帰国前清算をお願い致します。精算方法については、別途ご相談させて頂きますので、宜しくお願い致します。

    帰国時のその他手続および注意点

    市町村への転出届 住民登録をした市町村へは帰国前に必ず、転出届を行って下さい。厚生年金脱退一時金の受給要件に「日本国内に住所を有していない方」があり、転出届を出さないと、脱退一時金の還付が通常(凡そ帰国後半年後)より遅くなる可能性がありますのでご注意下さい。
    外国人労働者(技能実習生を含む)の離職届け 外国人労働者(技能実習生を含む)の雇入れ又は離職の際に、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し管轄の公共職業安定所(ハローワーク)へ届け出る必要があります(離職した日の翌日から起算して十日以内に雇用保険被保険者資格喪失届と併せて必要事項を届け出ます)。
    銀行口座の解約 最終給与支給し技能実習生が全金額を引き下ろした後、銀行口座は必ず解約させて下さい。銀行口座を残したままだと、銀行口座の売却等、悪用される恐れがありますのでご注意下さい。
    携帯電話およびインターネット等の契約解除 技能実習生が契約を解除せずに帰国してしまった場合、帰国後も料金が発生し、受け入れ企業が負担するケースもある為、必ず解約させるのを忘れないようご注意下さい。

    その他の注意点

    「不法行為」に対する規制・監視の強化

    • 随時、技能実習機構による実習実施機関への実地検査が行われ、不正行為の発覚があれば<改善命令>、<業務停止命令>、<認定の取消し>が適応されます。また、同時に不正行為を行った事業社名は各機関のHPに公表されます。
    • 「実習生保護法」では技能実習生への暴言・違約金の徴収などに加え、パスポートを取り上げたり、私生活の自由を不当に制限したりする人権侵害行為に対し「6ヶ月以下の懲役、又は30万円以下の罰金」が課せられます。さらに暴行・脅迫・監禁その他の精神、又は身体の自由を不当に拘束する手段によって技能実習を強制する行為には「1年以上10年以下の懲役、又は20万円以上300万円以下の罰金」の重い刑罰が課せられます。

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  • 2019.07.12【介護以外の職種】技能実習生の面接から配属までの流れについて
    1. 受け入れ申込~面接
      1. 直近2事業年度分の財務諸表、企業情報のご提出
      2. 受け入れ要望書の記入及び押印
      3. 雇用条件書、雇用契約書、覚書の記入及び押印1.3.に関しては監理団体により確認する書類が異なる場合があります。
      4. 会社の概要や仕事の様子がわかるような会社案内・職場の写真・寮の写真等の提出
      5. 1~4の情報をもとに監理団体から送出し機関に募集・面接準備の依頼 面接日程の候補時期の確定(募集には約1ヶ月程度かかります。)

        受け入れ申込時 必要書類

        • 雇用条件書
        • 技能実習のための雇用契約書
        • 雇用条件書に関する覚書
        • 登記簿謄本
        • 直近2事業年度分の財務諸表
        • 実習実施機関情報(事務所・現場・宿舎の写真含む)
        • 企業カレンダー(変形労働制の場合)
        • 変形労働に関する協定書の写し(変形労働制の場合)
      6. 下記の書類の原本を、面接時に現地にご持参いただきます

        面接時書類 必要書類

        • 雇用条件書(様式1~4)×2部/人
        • 技能実習のための雇用契約書×2部/人
        • 雇用条件書に関する覚書×1部
        • 技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書×人数分
        • デマンドレター(監理団体作成)×2部
      7. その他、面接時の会社説明会にて、会社・職場の様子がわかるように、可能であれば ビデオ等をご用意
    2. 現地(面接時)での手続き(送出し機関により多少異なります。)
      1. 面接前に会社の説明をして頂きます。
      2. 採用者への会社・仕事内容・雇用条件等の説明をして頂きます。
      3. 雇用契約書、雇用条件書、その他覚書等の締結をして頂きます。
        • 雇用契約書、雇用条件書は、原本は実習生と企業様にてそれぞれ保管。写しを送出し機関、監理団体にて保管。
        • 雇用条件書に関する覚書は、原本は企業様にて保管。写しを各実習生及び送出し機関、監理団体にて保管。
    3. 面接後の手続き
      面接後、入国ビザや在留資格等を得るための手続きを開始致します。各種書類作成のため各書類の内容確認や内容修正、押印等をお願い致します。
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  • 2019.07.11【介護職種】技能実習生の面接から配属までの流れについて

    目次

    1. 技能実習生の日本語能力について
    2. 外国人技能実習機構への計画認定申請
    3. 入国前の事前講習
    4. 受け入れ態勢
      1. 技能実習責任者
      2. 生活指導員
      3. 技能実習指導員
    5. 技能実習生の報酬に関して

    技能実習生の日本語能力について

    NAT-TEST4級取得までの手続き

    面接時の学習進捗ならびに送り出し機関より毎月ご報告する学習状況レポートから、実習実施事業所ごとに内定者の4級合格日を予想していただき、4級合格後に送り出し国政府と外国人技能実習機構に対して書類申請する日を個別に仮設定いたします。仮設定した書類申請日に合わせ、下記【一般申請書類(必須)】及び【介護職種 追加申請書類(必須)】の作成を行います。その際、各種書類作成のため各書類の内容確認や内容修正、押印等をお願いいたします。

    なお、受け入れ事業所内において複数の内定者の4級合格予想日が異なる場合は、合格した実習生から、随時書類申請を行うことを推奨いたします。技能実習生の感情としては一刻も早く日本で実習を開始したいと考えることが多いので4級取得者が現れ次第、次々に日本入国手続きを開始(つまり外国人技能実習機構に「技能実習計画認定」の申請手続きを開始)することが望ましいです。もし実習実施者が内定者全員同時入国を望まれる場合は、先に4級を取得した技能実習生が日本行きを待ちきれなくなって離脱する可能性がありますので、何卒ご配慮の程よろしくお願い申し上げます。

    外国人技能実習機構への計画認定申請

    基本的には一般職種の技能実習生の受け入れ時と同じ書類を提出します。

    介護職種 追加申請書類(必須)

    • 技術指導員の資格を証明する書類(下記のいずれかの書類)
      1. 介護福祉士登録証の写し
      2. 看護師または准看護師の免許証の写し
      3. 実務者研修修了証明書
    • 技能実習を行わせる事業所の概要書
    • 指定通知書の写し
    • 申請者の誓約書

    入国前の事前講習

    面接後、内定者は入国に向け、現地にて引き続き事前講習を受講します。事前講習では、合計11ヶ月間の、日本語講習(10ヶ月間)及び介護講習(1ヶ月間)を行っています。内定者は面接後約6ヶ月間の日本語講習を経てNAT-TEST4級を取得後、3級取得を目指してさらに約4ヶ月間の日本語講習と1ヶ月間の介護講習を継続して受講します。内定者の学習状況は毎月ご報告致します。

    受け入れ態勢

    受け入れ事業者において選任が必須なスタッフは以下の通りとなります。選任が必須なスタッフに関しては異動した場合、異動届を監理団体経由で外国人技能実習機構へ提出する必要があります。

    1. 技能実習責任者必須
      • 技能実習制度が円滑に且つ適正に実施出来るよう管理監督を担う。資格要件は、管理職以上で、技能実習計画認定申請時に最低 1 名選任。
      • 技能実習責任者は3年ごとに主務大臣が告示した養成講習機関で養成講習を受講する必要があります。
      • 現場または本社で選任。(施設であれば、施設長。本社であれば人事部長等)
      • 関係官庁との連携も必要であることから、本制度のみならず、労働関係法令全般に対する知識が必要となります。
    2. 生活指導員必須
      • 生活指導員は、現場(施設等)において、実技を除く、技能実習生に係る全般(日常生活指導、賃金、労働時間その他)の管理を担う。技能実習計画認定申請時に1 名選任。
      • 生活指導員は、技能実習責任者あるいは技能実習指導員と兼任ができません。
    3. 技能実習指導員必須
      • 技能実習指導員の資格要件は、技能実習生が修得する技能等について、介護福祉士またはこれと同等の資格や専門知識を有する者で5 年以上の経験を有する者と定められています。(但し実務者研修修了者に限り8年以上の経験を有する必要があります。)技能実習生5名に対し1 名選任が必要です。(実習生を10名受け入れる場合は指導員を2名選出します。)
        コンプライアンス遵守の観点から、技能実習生に関する基本的な知識(技能実習制度や技能実習生特有の取扱い等)を有していることが望ましいです。
      • 実習実施場所(施設等)を分けて技能実習を実施する場合は、実習実施場所ごとに技能実習指導員が必要となります(複数の現場に配属する場合は、現場毎の選任要)。
      • 技能実習生が勤務している夜勤を含む全ての時間帯は、技能を指導出来る社員が勤務している必要があることから、本来は、それぞれの時間帯で技能実習指導員を選任しておくことが必要となります(技能実習指導員の上限人数に制限無し)。
      • 技能実習指導員と技能実習責任者は兼任することができます。

    技能実習生の報酬に関して

    技能実習生の月給の手取り額が13万円以上になるようにご調整ください。また、面接応募者を十分に集めるために、技能実習生の希望が多い「寮のWifi無料提供」「通勤に自転車が必要な場合の自転車無償提供」をご検討ください。Wifi契約は技能実習生の不満発生を防止するために、上限なしの契約にしていただきますようお願いいたします。手取り額=月額固定給-税金-社会保険料-家賃-互助会費用などのその他控除額(水道光熱費、通信費、食費などは控除せずに計算します)

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