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2024.12.19コラム すべての困難を乗り越えてミャンマーと日本のために。
すべての困難を乗り越えてミャンマーと日本のために。
我々は人材豊富な国ミャンマーで、政府認定の人材送り出し機関として圧倒的最大手となりました。
それは、ミャンマーというあまりにも過酷で困難な国における、我々の忍耐と挑戦、そして地道な努力の結果だと思います。
我々が人材送り出し事業をスタートしたミャンマーは、2021年の政変により誰もが尻込みする国となってしまいました。ほとんどの日系企業がミャンマーから撤退し、ミャンマーのビジネス環境は悪化の一途をたどっています。
我々はそんな劣悪な環境で、誰もが「できるわけがない」と考えることに挑戦し、やり抜き、成功させることをモットーとしています。
もちろん、成功には責任をどこまで引き受けるのかを問われます。
ひとつは、日本の労働力不足を解消し、日本の発展に寄与することです。
そしてもうひとつは、政変後苦難に喘ぐミャンマーの方々に日本で働くという夢と希望を与えることです。
いずれも責任重大です。でもこうしたことをやり遂げていくことが我々の目標であり、使命なのです。私の性分でいうと、何か社会的・経済的な問題が起こっているとしたら、何とか手を差し伸べたい。それが困難であればあるほど、解決するのは自分しかいない、自分が生まれてきた意味はそこにある、と考えるのです。
では、なぜ日本企業を守ろう、ミャンマーを助けようという思いに至ったのか。それは私の生い立ちからくる、キャリアの積み上げの途中に遭遇した出来事の中に、回答があります。簡単ではございますが、最後にそれをお伝えしておわりの言葉にしたいと思います。
大学を出て就職した会社はCSK(現SCSK)というコンピューターの会社です。そこで始めたのが、プリンターのカートリッジを扱う事業です。
わかりやすく言うと、一つのプリンターを買うとそのプリンターメーカーが専用のカートリッジを指定してきます。プリンターを動かすためにはその指定カートリッジを使わざるを得ません。そこでプリンターメーカーは、選択肢がないユーザーの弱みにつけ込んでカートリッジの値段をものすごく高い価格にして大儲けするわけです。
それではあまりにもプリンターユーザーが不利です。そこで私は「皆が値段が高すぎて困っているプリンターのカートリッジを安くする」という事業を、22歳のときにCSKで社内ベンチャーとしてスタートしました。
例えばインクジェントプリンターをお使いだとおわかりになると思いますが、カートリッジそのものは小さくその中に入っているインクの価値はわずか10円程度です。それが1000円くらいで売られています。消費者は10円のインクを100倍の1000円で買わされているのです。高いと思ってもカートリッジをはめないとプリンターは動かない。
そんな高価なものを買わされて困っている人たちを助けるためにスタートさせた事業です。
しかし当時私が勤務していたCSKは業績絶好調。日本でソフトウェア業界初の上場企業ということもあり、世間から大きな注目を集めていました。そのCSKのカリスマ創業者である大川功社長から、ことあるごとに「お前らカートリッジなんかやめてまえ、ソフトをやれ」と言われ続けていたのです。あまりにもやめろ、やめろと言われるので、25歳のときに一緒にやっていた部署の仲間4人と共に独立をしました。その後、30歳のときに株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業しました。同社はもちろん最初はプリンターのカートリッジの事業だけでした。
現在もこのプリンターのカートリッジの事業は続けています。しかし私は20年ほど前から「将来印刷需要は激減する」と予想していました。
今後は事業の多角化をしないと経営が立ち行かなくなるという思いから、事業の多角化に取り組んだ中の一つがミャンマー事業でした。
ミャンマーを初めて訪れたのが2012年です。
その年というのはミャンマーが民主化された次の年でした。軍事政権で鎖国状態だったミャンマーが2011年に民主化されて国全体が活気に満ちていました。
まさに日本の明治維新のときの開国のような状況でした。誰の目から見ても、急激に経済発展することは明らかでした。
そして2013年からミャンマーでいろんな事業をやりましたが、ことごとく失敗。そのうちの1個だけ、うまくいった事業がありました。それが、このミャンマー人材の送り出し事業です。
日本に働きに来る外国人は、自国と日本の所得格差、つまり日本に来たら給料が何倍になるかが海を超え、故郷を遠く離れて日本で働く最大のモチベーションです。
かつては中国が送り出し国トップでしたが、それがベトナムに代わり、そしてその次はミャンマーになる。
そうした強い予感のさなか、突如2020年より新型コロナが蔓延し外国人の日本への入国禁止措置がとられ、人材送り出し事業は完全にストップしました。そして2021年にはミャンマーで政変が起き、我々の人材送り出し事業も壊滅的な打撃を被ることになりました。
政変。自分の想像以上に過酷な現実がそこにはありました。通貨の大暴落、物価の急上昇、失業者増大、徴兵制開始などミャンマー人には次々に苦難がふりかかっています。そうした逆境にあえぐミャンマー人たちに、私は日本で働くという夢と希望を与えたいと本気で考えています。そして日本に働きに来るときのミャンマー人の金銭的負担を最小にし、ミャンマー人の夢の実現を後押ししたいと考えています。
同時に、日本の労働力不足を解決し日本の発展に寄与する。そして送り出し機関のリーディングカンパニーとしての使命と責任を果たしていきたいと思います。
ミャンマーの人が日本に来るときというのは、一種、昔の日本の出稼ぎ労働の話に近いようにも感じています。
ミャンマーにいても何ともならない現実があります。まさに日本で夢をつかむという話ですが、日本の出稼ぎ労働と似ています。
これは私の生い立ちからくる気持ちかもしれません。私は三重県出身です。三重県の地方の三男坊で生まれました。兄貴が二人いて、いらない子どもだと言われて育てられました。あなたは間違って生まれてきたとか、女の子が欲しかったとか。そう言われれば言われるほど、ここにいても何ともならないだろうなと思い、高校卒業後は東京の大学に行き、就職先で社内起業からではありますが、事業を始めて今があります。
ミャンマーにいてもどうしようもない、そういう人たちが一念発起して日本に出てくるというのは、私が東京に出てきたときの思いと結構つながるところがあって、一念発起して出てくる人たちをなんとか助けてあげたいという気持ちが私の心の中に強くあります。
私の両親は田舎の貧乏人でした。特に親父は非常に貧しい家の生まれで、子どもの頃は住む場所がなく、親戚の納屋に住んでいたそうです。私のじいさんは病気がちで、親父は小学校のときから働いていたらしいです。頭は良かったのでしょうが、小学校しか行けず、中学にも進学できなかったと聞いています。そんな貧しくてろくに学校にも行けず、苦労を重ねた親父の無念を何とか晴らしてあげたい。私は親父の生まれ変わりのつもりで、親父ができなかったことを成し遂げなければならない思っています。
私が経営の主軸にしているのは京セラ創業者であり、経営の神様とも称される日本の著名な実業家・稲盛和夫氏です。稲盛氏の経営者の会も入っていました。一言では言えないほど大きな影響を受けました。そのおかげをもって、常に社会・経済の動向を見極め、挑戦し、改革を行ってきた結果、たどり着いたのがこのミャンマー人材事業です。
今後においても現状に甘んじることなく、私を必要としていただく日本の企業の皆様、ミャンマーの皆様のために、経営者としての正道を、これからも一歩一歩、実践してまいりたいと思います。ミャンマー・ユニティ
グループCEO 北中 彰ミャンマー・ユニティ
グループCEO 北中 彰-
1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学卒業後、コンピューターサービス株式会社(現SCSK株式会社)に入社。のち1990年12月に株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業し、代表取締役就任。トナーカートリッジにおける環境問題に着目し、リサイクルトナー事業のパイオニアとなる。
2012年よりミャンマーに進出。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、最高顧問に就任。2019年12月にミャンマー国内での総送り出し人数No.1となり労働大臣より表彰を受ける。現在までに累計1381名の技能実習生を日本へ送り出している。現在では、ラスト・フロンティアと呼ばれるミャンマーで有数の日本企業最高顧問として、日本の少子高齢化による人材不足問題に着目し、全国で技能実習や特定技能など外国人雇用に関する講演会および情報発信を精力的に行っている。
そのほか、3E Global Co.,Ltd Chairman、3E Yangon Co.,Ltd Chairman、株式会社サップ代表取締役、オフィネット・ドットコム株式会社代表取締役。
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2024.12.19コラム “大好きなミャンマーで、ミャンマー人のために力の限り、尽くしていきたい”
大好きな国ミャンマーで、ミャンマー人のために力の限り、尽くしていきたい
2011年。初めてミャンマーを訪問した年です。訪問初日、私は人生が変わるほどの強い感覚に襲われました。「ミャンマーで事業を始めたい」という思いです。理由は二つあります。
一つ目は、街の状況が大きく発展すると感じたことです。
二つ目は、ミャンマー人の素晴らしさに触れたことです。彼らはとにかく親切です。幸せの尺度がお金ではなく家族であること、家族の幸せを一番大切にしています。仏教の深い教えがそのまま根付いているので、勤勉で真面目、奉仕の精神が強く、皆さんが助け合って生きています。
ミャンマーは世界でも最貧国の一つですが、気候が良く、食べ物には困りません。貧しくても僧院では無料で勉強ができる国です。
私はミャンマーに来るたびに、心が落ち着き、初心に戻ることができます。心が落ち着いてくると、ミャンマーの素晴らしい文化や国民性を再認識できて、それは明日への活力にもなります。
そんな中、私は2014年にミャンマーで深刻な感染症にかかって、生死の境をさまよいました。
その後、何とか回復でき、リハビリを続けていました。数ヶ月後にやっと歩けるようになりましたが、体は衰弱したままでした。友人からは、「もうミャンマーには行かないほうがよい、死んだら大変だ」と言われました。
しかし、私の家族は、私がどれだけミャンマーとミャンマー人を好きかということをよく理解してくれていて、衰弱した体と精神状態を回復させるためにも「ミャンマーに行って大好きな仲間に会っておいで!」と背中を押してくれました。そして、その後、半年ぶりにミャンマーに行きました。
家族の言う通りでした。ミャンマーに行ったことで、大好きな仲間にも会えて、体も心も一気に回復しました。
私はミャンマーが大好きです。ミャンマーとミャンマー人が私の体と気持ちに力を与えてくれます。ミャンマーで日々頑張ってくれている仲間たちは心から大切に思える存在です。みんなのそばにいて笑顔をみていると、日々の成長を感じられて、とてもうれしいです。
ミャンマーの仲間たちの存在は、自分がさらに頑張っていくための大きな励みであると同時に、心のよりどころです。私は今後もミャンマーで、一人でも多くのミャンマー人に恩返しをしていきたいという強い思いを持ち続け、力の限り、尽くしていきたいと考えています。ミャンマー・ユニティ
事業責任者 大澤夕子-
ミャンマー・ユニティ
事業責任者 大澤夕子 -
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。
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2024.12.19ミャンマー・ユニティが目指す未来
ミャンマー・ユニティが目指す未来
弊社の目標は、2つあります。ひとつは日本の人材不足解消を日本のために貢献していくこと、もうひとつは日本で働きたいと希望しているミヤンマー人に対して、より多くの日本企業での就業機会を与えていくこと。
こうした活動を地道に進め、かつ日本企業とミャンマー人労働者の橋渡しとして労働条件のすり合わせなど、双方が理解して、〝正しく〟労働環境を整えていくことが現在も、そしてこれからも目標としているところです。
また弊社は、世界中に数多くある送り出し機関の中でも、ミャンマー人に限定した送り出しを誠実に、〝正しく〟事業運営をしてきました。ミャンマー国内でも、正式な送り出し機関として、きちんとルールを守ることをポリシーに実践してきた結果、優秀な人材が数多く集まり、ミャンマー国で送り出し機関No1となることができました。
〝正しく〟というのは、法令順守、送り出しの際の手数料、その後のアフターケアなどさまざまな取り組みをひとつひとつ正しく行い、ミャンマー人に誠実に接していくことで、正式な送り出し機関としてミャンマー国内からも認められました。日本とミャンマー両国に貢献していく送り出し機関に
ミャンマーの混乱が落ち着いた後、経済が復活・発展し、国力がついていく段階で必要なのは人材です。
弊社では、母国発展のために日本の先進技術・高度なサービスを学びたいと思う、ミャンマー人の願いを実現させることにも力を注いでいます。技能実習制度は近々育成就労制度に変わり、またより高度な人材育成を目的とする特定技能制度、高度人材(技術・人文知識・国際業務。いわゆる技人国)といったように、日本で働くための選択肢も広がっています。ミャンマー国民がひとつでも多くのことを学べるステージをつくり、学んだ技術を存分に活かすための環境づくりにも協力ができるように、弊社は活動しています。
日本は少子高齢化に直面しており、一番問題とされているのが、生産年齢人口の減少です。すでに年間平均60万人の労働力が減っているのが今日本で起こっている現実です。今後衰退していくであろう日本を何とか救っていきたい、日本に貢献していきたいというのが、ミャンマー・ユニティの根本にあります。
特に、介護や建設、農業、工場など、エッセンシャルワーカーと呼ばれる職種は、日本の社会を支えるのに必要不可欠な職種ではありますが、求人を出しても日本人の応募が少ないのです。こういった職種の業界は、速やかな対策を講じることが求められています。また、この深刻な人手不足を受け、2024年3月に、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野が特定技能に追加されることが決定されるなど、目に見えて減少していく労働力を外国人で補うことが、今後の日本にとっては必要不可欠なのです。
特定技能外国人の数は年々増加しており、現在で251,594人となっています(図12)。 また、政府は特定技能の人数を、今後5年間で82万人に増やすと発表しました。特定技能分野の追加も相成り、どんどん特定技能の普及を促進していくことが、日本の未来を救うことになるでしょう。
そんな中で、救世主となるのがミャンマー人です。ミャンマー・ユニティは、中国の次に日本語学習者が多く、日本で働きたいという人が世界一多いミャンマーでの圧倒的№1の送り出し機関です。日本を救うためにはミャンマー人が必要である。すなわち、ミャンマー・ユニティには日本を救う責任と義務、使命があると考えています。ミャンマーでは現在、日本で働くために日本語を勉強している人が増え、2023年だけでも20万人もの人が日本語能力試験(JLPT)を受験しました。 円安が続く日本で、ベトナムやインドネシアからの外国人労働者が減っていく中、ミャンマー人だけは日本で働きたい人がたくさんいます。そんな状況の中で、試験実施機関、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が発表した海外での試験実施状況報告において、特定技能「外食」の2023年5月~2024年3月の海外の合格者23613人のうち、なんとミャンマーが17369人と海外全体の73・6%を占めています。(図13) また、厚生労働省が発表した海外での試験実施状況報告(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702_00009.html)において、2023年5月~2024年3月の特定技能介護技能評価試験の海外の合格者21294人のうち、ミャンマーが10675人と海外全体の50・1%を占めていることが発表されました。
さらに特定技能介護日本語評価試験については、海外の合格者23117人のうち ミャンマーが11955人と海外全体の51・7%を占めています(図14)。 弊社ミャンマー・ユニティの人材送り出し実績(2024年10月18日現在)でいえば、●技能実習1号/5697人●技能実習3号/19人●特定技能1号/834人●技人国/85人、合計6635人となり、人材送り出し実績が6600人を超えています。
このように人材豊富なミャンマーにおいて、送り出し機関の最大手としての責任が我々にあると思っています。日本の労働力不足を解消するためのサービス
この使命感のもと、弊社は特定技能の送り出しを強化するだけでなく、受け入れ企業様の負担を減らす新たなサービスもスタートしました。それが新サービスの「初期費用ゼロ!の外国人採用~サブスクでリスク軽減」です。
この初期費用ゼロのサブスクを利用いただけますと、初期費用が軽減できるだけでなく、転職時以降は月額費用の支払いが免除になりますので、短期の転職によるリスクも軽減することができます。人材不足だが外国人採用に踏み切れなかった企業が、ミャンマー人材雇用に一歩踏み出すきっかけになれば思います。
ミャンマー・ユニティは日本の受け入れ企業の負担も減らしていくことで、日本の労働力不足に貢献していきます。(詳細は弊社にお問い合わせください) -
2024.12.19ミャンマーは日本の介護業界の救世主となる
ミャンマーは日本の介護業界の救世主となる
ミャンマー・ユニティは介護職の送り出し実績と介護職の候補者数が世界最大級です。
2024年10月18日現在、介護職の送り出し総数は1126名。うち技能実習「介護」の送り出し実績は764名、特定技能「介護」の送り出し実績は362名です。
また技能実習「介護」の入国待ち内定者数は208名、特定技能「介護」の入国待ち定者数は427名となっています。
また、技能実習「介護」で働きたい若者が5202名、特定技能「介護」の有資格者が369名、それぞれ日本企業の面接を待っています。
なぜ、これほどまでにミャンマー人が介護職を希望しているかというと、これもミャンマーの国民性があります。
ミャンマー人には年長者を敬う文化があり、大家族で高齢者の面倒を見るのが当然のように行われ、かつ高齢者が大好きな方が多いのです。また、ミャンマー人は「徳を積む」考えがあると前述したように、高齢者や身体が不自由な方を助けることが徳を積むことにつながると考えており、これらのことから、ミャンマー人には介護職が人気となっています。
そして、2章でも述べたように、日本では現在、介護職員不足が問題となっています。厚生労働省は2025年に団塊世代全員が75歳以上になることから、一気に32万人、さらに2040年には69万人と増えることで、介護職員の数が不足すると予測しています。
この事態に対し、国においては、①介護職員の処遇改善、②多様な人材の確保・育成、③離職防止・定着促進・生産性向上、④介護職の魅力向上、⑤外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策、などに取り組む方向を示しています。
しかし、すべての項目において対策は不十分で、特に外国人材の受け入れについてはすでに簡単ことではなくなりつつあります。
その理由として3つ挙げられます。
まず1つ目は、外国人にとって日本は働く国として魅力がなくなっていること。そして2つ目は、介護職自体が外国人に人気がない職種となっていること。最後の3つ目は、長く働こうと思っても、介護福祉士という外国人にとって取得が著しく困難な資格を取らなければ5年を超えて働くことができないこと。これらのことから、外国人の介護職敬遠傾向が強くなり、介護事業者が外国人を採用すること自体がすでに困難になりつつあります。
あらためて繰り返しますが、そんな中でも期待できる国がミャンマーなのです。 ミャンマー・ユニティが、なぜこんなにも介護職への送り出し実績があるのかといいますと、それは8年前に遡ります。
「日本の介護現場は人手不足でこれから大変な事態になる」
「日本の介護現場を救ってくれるのは、もうミャンマー人しかいない」
と我々は確信を持ちました。
そして、日本の介護を救うためにミャンマーでの介護教育と介護職送り出しに力を入れようと決意し、幾多の苦難を乗り越えて8年に渡り実行に移してまいりました。
結果として、ミャンマー・ユニティは世界最大級の介護職送り出し実績を持つに至ったのです。
少子化の進行による労働力不足。高齢化の進行による要介護者の急増。そして介護職の不人気。これらが複合的に作用して日本の介護現場の人手不足は今後さらに加速します。
将来、日本のありとあらゆる介護現場がミャンマー人の手を借りていかなければならなくなる時代が到来します。 -
2024.12.19ミャンマー・ユニティが予測する日本の未来
ミャンマー人の労働者は今後増えていく
国内の労働を担う人手不足が進む中で、東南アジア諸国の労働力に頼ってきた日本。東南アジア諸国の人々も日本の経済力の高さに期待をし、日本で働くことを希望する人が多くいました。
ところが、日本経済の長期低迷化は海外労働者の日本を見る目に変化を及ぼしました。円安が進み、日本で働くメリットがなくなってきています。諸外国の賃金アップも進み、日本の相対的なポジションダウンは避けられない現実です。また介護や建設、農業などの仕事は労働環境が厳しいということで外国人からの人気が低下しています。
外国人労働者の受け入れを検討している企業の採用担当者、経営者の方からすれば不安をあおるような話ばかりです。
さらに採用までにかかる費用も増額傾向にあります。現在、日本への最大の送り出し国はベトナム(2024年10月現在)ですが、入国までに関わる諸々の手数料(管理費含めて)や企業が本人に支払う給与は以前に比べてアップしています。言うなれば、それなりの費用を払わないと採用が難しくなってきているということです。 国別に見ると中国も同様です。
世界第2位の経済大国である中国も、日本と相対的地位が近くなってきているため、これからは人材送り出し国として期待が持てません。このような背景から、今後はベトナム、中国からの労働力は期待できない可能性もあります。
では、その他の国はどうでしょうか。今後期待が持てると言われていたフィリピンでは、海外労働者への政府の規制が非常に厳しく、フィリピンからの人材受け入れを期待している企業にとって難しいと感じているところも多いかもしれません。
またフィリピン人は英語が話せるため、習得が最も難しいと言われる日本語を学習した上で、円安で給料が安い日本にわざわざ働きに来るフィリピン人は、今後はごく少数派になると見込まれます。インドネシアの場合だと、受け入れ先は仏教国がいいと言う人が多く、飛躍的な増加は見込めないようです。タイもベトナムと同じように、経済発展が著しく、日本で働くメリットがなくなってきています。そしてカンボジアは人口が少なくミャンマーの約1/3程度で、国内の教育水準が低いと言われています。文字が書けない・読めない国民が4割程度いるそうなので、日本語教育がとても難しく、習得するまでに時間がかかります。
そういう中で、今後期待されているのがミャンマーです。ミャンマーは親日国であり、政変による経済悪化、日本で働きたいという国民も多いことから、今後増えていくと予想されています。弊社の独自予想としては、10年後にはミャンマーが日本の一番の人材送り出し国になっていくと予測しています(図11)。日本の将来とミャンマー人に貢献していくことが重要な責務
外国人労働者の上位国が日本に来ることが少なくなると、日本の労働力は当然弱ってきます。そうすると少ない外国人労働者の中から無理やり選考しなければいけなくなり、質の低下は免れません。日本の深刻な人材不足は、国力の衰退にまで波及していきます。地方の人口減少を招き、経済的にも破綻していく地方自治体も増えてしまいます。そうすると、満足な行政サービスも受けられなくなり、日本はどんどん衰退していってしまいます。
そうならないためには、やはり外国の人材を日本に供給し、国力を底上げしていく弊社のような送り出し機関の重要度は必然的に高まるばかりです。弊社としては、日本の人材不足解消に対して果たすべき役割は、日本の未来が左右されるくらい非常に重大だと考えています。 -
2024.12.19「在留資格別」外国人労働者の受け入れから就労までの流れ
外国人労働者の受け入れから就労までの流れ
2024年現在、海外から外国人を呼び寄せて雇うには、主に3つの手段(在留資格)があります。それは技能実習、特定技能、そして技術・人文知識・国際業務( 技人国。いわゆる高度人材) です。
ここで、弊社がノウハウを持つミャンマー人の受け入れについて、それぞれのケースで解説していきます。まず、受け入れには送り出し国であるミャンマー国内の流れと、受け入れ国となる日本側での流れの2軸があることを念頭に置いてください。これは、技能実習生だけではなく、特定技能外国人、技術・人文知識・国際業務(いわゆる高度人材)も同じです。それぞれの国で並行して手続きを進めていきます。
現時点(2024年10月)での弊社の受け入れから就労までの流れは次の通りです。ケース1.技能実習生として受け入れる
技能実習制度で主に関係してくる機関は、送り出し機関(ミャンマー・ユニティ)、監理団体、受け入れ企業の3者です。厳密に言えば、この他に在外公館や外国人技能実習機構、出入国在留管理局があります。
もし技能実習生の雇用をご検討の受け入れ企業の方がおられましたら、まずはミャンマー・ユニティまでご相談ください。信頼できる監理団体をご紹介いたします。
ここからは、企業側の視点で見ていきます。【 】書きのところは、送り出し国でのことなのか、受け入れ国でのことなのかがわかるようにしてあります。- ① 企業から監理団体に求人申し込み【日本国内】
技能実習生を求める企業から事業協同組合などの監理団体に対し、求人の申し込み(求人票の記入・提出)を行います。求人票には、社名、勤務地、仕事内容、採用人数、給与支給額、時間外手当、税金・家賃などの控除額、休日、求める人物像、寮についてなどその他の特記事項を記入します。日本国内で求人募集するときとさほど違いはありません。またミスマッチ防止のために、職場の写真や動画も準備します。
この申し込みを受けて監理団体は、送り出し機関に対して技能実習生の正式な募集依頼をかけます。 - ② 送り出し機関が人材を斡旋・選別する【ミャンマー国内】
ミャンマー・ユニティは技能実習生として日本で働きたい若者を事前にスクリーニング(審査)します。
スクリーニングは、一週間コースとして、技能実習制度教育、日本についての知識教育、給与知識教育を実施した上で、生活態度チェックと各種テストを行い、技能実習生として相応しい方のみを技能実習候補者として選出しております。
そして監理団体から技能実習生採用の依頼を受けたミャンマー・ユニティは、希望する人材の人物像などについてヒアリングを行ってから、ミャンマー人技能実習生候補者に向けて求人情報を提示します。
求人に対して希望者から応募があれば、その人に対して企業の人材募集内容に関する詳細な説明、写真や動画による企業と仕事内容の説明を実施します。
応募者が多い場合は、最終的にミャンマー・ユニティが採用人数の約3倍の面接参加者を厳選します。
そして、その厳選された人材の中から企業が採用したい人材を選びます。 - ③ 面接実施から雇用契約締結【ミャンマー国内・日本国内】
面接は、企業の担当者がオンラインまたは現地(ミャンマー・ユニティ)に赴いて直接対面で行います。面接時はミャンマー・ユニティが優秀な通訳を準備いたします。必要な場合は、「よくある質問」の例をお伝えすることもできますし、採用選考に関するアドバイスもさせていただきます。
実技試験が必要な場合は、面接時にそれも併せて行います。
面接終了後、採用内定者を決定します。このとき、採用内定者によって配属先となる事業所が異なる場合は、どこの事業所に配属させるかも決めておきます。内定者だけでなく補欠合格者も決めておくと、万が一、内定辞退が出ても慌てずに済みます。
採用内定者及び補欠合格者への告知は、ミャンマー・ユニティが行います。その後で、企業は採用内定者と雇用契約を結びます。 - ④ 技能実習計画の作成と認定申請【日本国内】
企業は、ここから実際の受け入れ準備に入っていきます。
まず、技能実習計画を作成し、それを外国人技能実習機構に申請します。介護職については、日本語検定4級(「JLPT日本語検定N4」または「NAT―TEST4級」または「J―TEST4級(D―Eレベル試験350点以上)」)を取得してからの申請になります。
技能実習計画とは、企業が技能実習を適正に行うために、受け入れる技能実習生一人ひとりの実習内容を監理団体の指導に基づいて計画したもののことです。申請後、機構で計画内容が審査され、通過すると技能実習計画認定通知書が交付されます。
これと並行して、監理団体では出入国在留管理局に採用内定者の在留資格認定証明書の交付申請を行います。交付された後は、監理団体から採用内定者に対して在留資格認定証明書が送付されます。 - ⑤ ミャンマー・ユニティでの入国前講習【ミャンマー国内】
採用内定者は、ミャンマー・ユニティで入国前講習を受講します。
法令では義務付けられていませんが、入国後講習の期間を短縮するために、ミャンマー・ユニティでは採用内定者に対して次の入国前講習を実施しています。法令で定められた要件を満たした入国前講習を送り出し機関が実施すれば、採用内定者の入国後講習が1ヶ月に短縮できるのです。
介護以外職種 ミャンマー・ユニティでは、介護職種以外の採用内定者に対して、次の入国前講習を実施します。
ミャンマー・ユニティは独自の教育機関『UJLAC日本語学校』を設けており、採用内定者に対して、日本語を5ヶ月700時間教えています。特にN5レベルに到達した採用内定者に対しては、毎日日本人日本語教師による会話授業を実施し、日本語コミュニケーション能力を高めます。また日本語教育のみならず、礼儀や「5S」、報告・連絡・相談といった、日本の実習現場で適応できる教育も行っております。
介護職種 ミャンマー・ユニティでは、介護職種の採用内定者に対しては、実習実施者が選ぶ次の3種類のうちいずれかの入国前講習を実施します。1.介護N3コース UJLAC日本語学校において採用内定者に対して、日本語を10ヶ月1400時間の日本語教育を設けており、介護の現場を意識した日本語教育を採用内定者に実施し、日本語検定3級(「JLPT日本語検定N3」または「NAT―TEST3級」または「J―TESTのD―Eレベル試験500点以上」)を目指す教育を実施しています。特にN5レベルに到達した採用内定者に対しては、毎日日本人日本語教師による会話授業を実施し、介護現場で必要な日本語コミュニケーション能力を高めます。また、相手の話をよく聞くこと、明るく・表情を豊かにすること、相手の感情を読み取ることなど、高齢者を意識したコミュニケーションを訓練しております。
そして日本語教育のみならず、礼儀や「5S」、報告・連絡・相談といった、日本の実習現場で適応できる教育も行っております。
また、ミャンマー・ユニティは独自の介護に特化した教育機関『UKWTC介護学校』を設けており、採用内定者に対して、介護現場の即戦力人材を養成するため、1ヶ月(24日・168時間)の充実した介護教育を行っております。これにより介護技能実習制度における前職要件を満たします。ミャンマー・ユニティが行っている介護教育(介護技能実習N3コース介護教育カリキュラム)については、121ページに詳細を記載します。2.介護N4コース UJLAC日本語学校において採用内定者に対して、日本語検定4級(「JLPT日本語検定N4」または「NAT―TEST4級」または「J―TEST4級(D―Eレベル試験350点以上)」)を取得する教育を実施しています。N5レベルに到達した採用内定者に対しては、毎日日本人日本語教師による会話授業を実施し、介護現場で必要な日本語コミュニケーション能力を高めます。
そして日本語教育のみならず、礼儀や「5S」、報告・連絡・相談といった、日本の実習現場で適応できる教育も行っております。
また、『UKWTC介護学校』で採用内定者に対して、160時間のオンラインによる介護教育を行っております。これにより介護技能実習制度における前職要件を満たします。3.訪問介護コース まもなく日本政府は、訪問介護・サ高住における技能実習を解禁します。それに先立って、ミャンマー・ユニティでは技能実習生に対する訪問介護教育も開始いたしました。
UJLAC日本語学校において採用内定者に対して、日本語を10ヶ月1400時間の日本語教育を設けており、介護の現場を意識した日本語教育を採用内定者に実施し、さらに日本語検定3級(「JLPT日本語検定N3」または「NAT―TEST3級」または「J―TESTのD―Eレベル試験500点以上」)の取得を保証する日本語教育を実施します。特にN5レベルに到達した採用内定者に対しては、毎日日本人日本語教師による会話授業を実施し、介護現場で必要な日本語コミュニケーション能力を高めます。また、相手の話をよく聞くこと、明るく・表情を豊かにすること、相手の感情を読み取ることなど、高齢者を意識したコミュニケーションを訓練します。
そして日本語教育のみならず、礼儀や「5S」、報告・連絡・相談といった、日本の実習現場で適応できる教育も行います。
また、『UKWTC介護学校』で採用内定者に対して、訪問介護現場の即戦力人材を養成するため、188時間の訪問介護教育を行います。これにより介護技能実習制度における前職要件を満たします。訪問介護教育カリキュラムの詳細は、128ページに記載します。 - ⑥ 査証発給を受けてから日本へ入国【ミャンマーから日本へ】
採用内定者は入国手続をスムーズにするため、パスポートは事前に入手しているのが一般的です。在留資格認定証明書を受け取ったパスポートを持っている採用内定者は、来日するための査証(ビザ)を現地にある日本の在外公館に申請します。審査を経て査証が発給されると来日することができるようになります。
ここで気を付けておきたいのが、ミャンマー独自の制度です。ミャンマーでは、海外で就労するには独自の許可証が必要です。それがスマートカードと呼ばれるものです。出国のときに、通常の出国審査に加えてスマートカードを所持しているかどうかも確認されます。
よって、ミャンマー人材を受け入れる際には、必ずスマートカードの事前申請も必要です。取得には、ミャンマー労働省が主催する講習受講が義務付けられています。査証があればすぐに日本に迎え入れられるというわけではないので、注意してください。
ミャンマー・ユニティではミャンマー側で必要な一連の手続きを採用内定者に代わって代行し、迅速な入国手続をサポートします。 - ⑦ 入国後は監理団体の下で講習受講してから企業へ配属【日本国内】
日本に上陸・入国後、採用内定者は技能実習生として監理団体の施設などで一ヶ月の入国後講習を受講することが義務付けられています。再度日本語教育をはじめ、日本で生活するための一般知識などを学びます。
面接から入国までは、6ヶ月~7ヶ月ほどかかります(介護N3コース・訪問介護コースの場合は1年以上かかります)。その間に、ミャンマーと日本のそれぞれで、さまざまな書類の作成や申請、関係機関での審査などがあります。並行して、ミャンマー人は日本で働くための勉強をし、知識を身につけていきます。そのようにそれぞれが自分の役割を全うする中で、企業はただ人材の入国を待つだけではなく、社内における受け入れ準備を進め、技能実習生が心地よく働けるように環境整備に取り組む必要があります。
そして、一ヶ月の入国後の講習受講後、事前に受け入れ企業が準備した社宅に送り届けます。
受け入れ企業に出勤してからは、会社や仕事に関するオリエンテーションを実施し、これらが一通り終わってから、いよいよ技能実習開始となります
- ●介護技能実習 N3コース介護教育カリキュラム●
-
1. はじめに 心構え、日本の高齢者施設について、高齢者体験、サービスの種類─8h(座学・体験学習)
介護職員の仕事内容や介護職員として大切なことの説明(施設の1日の流れ、勤務体系、信頼関係、時間を守る、報連相、多職種連携、身だしなみ)を行う。
高齢者の体はどのような状態なのか、重りやアイマスク、耳栓などを用いて見えにくい、聞こえにくい、指が曲がりにくい、足が上がらない等の高齢者体験をすることで高齢者について理解を深める。
居宅、通所、短期入所、施設サービスについて内容を知り、さまざまなサービスがあることを知る。 -
2 . 尊厳の保持、自立支援、介護保険、QOL、ADL、介護予防、廃用症候群、褥瘡─8h(座学)
利用者が自分らしく、尊厳ある暮らしができるよう、利用者主体の考え方を身に付け、自立支援、尊厳の保持、介護予防の意味を理解させる。
プライバシーの保護、秘密保持、ICFの考え方の説明を行い理解させる。
介護保険制度の説明、その他日本にあるさまざまな保険制度についても紹介する。 -
3.老化の理解、疾病の理解、身体のしくみ─8h(座学)
人はどのように老化していくのか、老化によって体や心はどのように変化するのか理解する。身体のしくみ(内臓等)を知り、高齢者に多い病気について学ぶ。
また前兆に気づくことで早期発見につなげる。 -
4.虐待、感染症、バイタルチェック、医行為、終末期ケア─8h(座学)
虐待(身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクト、経済的虐待、身体拘束)について説明し、虐待をする人の心理、なぜ虐待が起こるのかを理解する。
虐待の予防や虐待されている人が出すサインについても説明を行い、見つけたら報告することについても伝える。
施設で多い感染症について(インフルエンザ、ノロウィルス)について予防と対策を説明、A型肝炎、B型肝炎、HIV、白癬、疥癬等の感染症についても理解を深める。手洗い、うがい、マスク、使い捨て手袋の説明を行い、使い方やうがい、手洗いの練習も行う。
バイタルチェック、介護職員ができる医行為について映像を見せながら説明する。 -
5.認知症、障害、ノーマライゼーション、障害受容─10h(座学)
認知症とは何か、脳の機能(前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の働き)、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の症状の理解、中核症状・BPSD、BPSDがある人の心理・対応について、事例を出してグループワークを行う、認知症の人のビデオを見ながら認知症の人の気持ちを理解できるように説明を行う。
身体障害(視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・内部障害・重複障害)、精神障害、知的障害について理解し、それぞれのコミュニケーション法を学ぶ。
障害受容の5段階について理解する。 -
6. コミュニケーション、受容・共感・傾聴、事故報告書、ヒヤリハット、事故予防─8h(座学)
バーバルコミュニケーション、ノンバーバルコミュニケーション、SOLERを説明、お互いに良い例、悪い例を試し、相手に与える影響を考えさせる。受容、共感、傾聴について事例を出しながらわかりやすく説明する。
記録や報告書について書き方やどのような場面で必要になるか例を出して説明する。
事故はどのような場所でどのようなときに起こりやすいか、予防と対策を説明し、グループワークを行う。 -
7 .ボディメカニクス、ベッドメイキング、体位交換─17h(座学3h、実技14h)
~シーツ交換 仰臥位→側臥位→端座位 上方移動、水平移動 立ち上がり、座り~
ボディメカニクスの8原則通して人間の体の動きを理解し、自らの体を守る方法も理解する。
シーツ交換、ベッドメイキングを行う際の注意点(コーナー三角と四角の意味、手の平で入れない、膝をつかない、新しいシーツを手の平で触らない)を説明。体位交換、上方移動、水平移動の仕方を学ぶ。
人が立ち上がるときはどのように立つのか、立ちやすい足の位置、姿勢、支え方を学ぶ。 -
8.移乗─17h(座学3h、実技14h)
~ベッド→車いす、車いす→ベッド、ポータブルトイレ~
一部介助、全介助の移乗の仕方の練習を行う。 -
9.移動─14h(座学3h、実技11h)
~車いす、杖歩行、白杖歩行~
車いす移動の注意点(手や腕が中に入っているか、足の位置等を確認する)を説明し、平地、段差、坂道の練習を行う。杖歩行においては、2点歩行、3点歩行、階段の練習を行う。白杖歩行(手引き歩行)は挨拶、基本動作から階段、段差、狭い道、Uターン、溝の越え方の練習を行う。 -
10.排泄─17h(座学3h、実技14h)
~おむつ交換(紙、リハパン)、差し込み便器、尿器~
羞恥心に配慮すること、排泄物のチェックと報告について、用具の説明(尿器、差し込み便器、ポータブルトイレ、テープ止めおむつ、パッド、リハビリパンツ)、陰部洗浄、使い捨て手袋の説明、トイレ・ポータブルトイレ介助とおむつ交換の練習を行う。 -
11.整容─12h(座学3h、実技9h)
~パジャマ上下、かぶり上下→座位、仰臥位 ゆかた→仰臥位~
衣服の着脱(座位、仰臥位で前開き、丸首、ズボン)の練習。
洗顔、ひげそり、つめきり、口腔ケアについて学ぶ。口腔ケアは実際にスポンジやガーゼ、ガーグルベースを使用し、練習する。 -
12.食事─10h(座学3h、実技7h)
食事の意義、飲み込みについて、注意点(姿勢、食事の種類、誤嚥、窒息、準備、福祉用具、配膳)について理解する。
実際に介護食と味噌汁の食事介助を行う。とろみ体験も行う。服薬介助についての説明も行う。 -
13.入浴─13h(座学3h、実技10 h)
~洗髪、手浴、足浴、清拭~
入浴の意義と効果について説明し、羞恥心の配慮、事故の多い入浴介助について注意を促す。湯船に浸かる習慣の無いミャンマー人が理解しやすいよう、温度について(何度が適温なのか湯に手をつけて確認)、シャワーのかけ方、麻痺がある方の入浴介助、体や頭の洗い方、道具の説明、ヒートショック、ドライヤーの当て方、水分補給について指導。
洗髪、手浴、足浴については実際に湯を使って生徒同士で練習を行う。 -
14.修了テスト─6h
実際の介護現場を想定してのテスト
例1 寝ている利用者を起こし、車いすに移乗し、食堂に誘導する
例2 左麻痺のある利用者の食事介助を行い、食後トイレに誘導する
例3 視覚障害のある利用者の歩行介助を行う
以上のような場面別テストを行う。 -
15.苦手分野の復習、補習、レクリエーション等─12h
苦手分野の補習、日本の歌や踊り、習字、折り紙、日本の季節イベントについて知る、日本地図を知る等全行程168時間
- ●訪問介護教育カリキュラム●
-
【座学】
- 1回目 はじめに(介護職の心構え、授業を受ける際の注意、文化の違いの理解)
- 2回目 介護の基本的な考え方
- 3回目 多様なサービスの理解、介護食の仕事内容や働く現場の理解
- 4回目 人権と尊厳を支える介護、自立に向けた介護
- 5回目 介護の役割、専門性と多職種との連携、介護職の職業倫理
- 6回目 介護における安全の確保とリスクマネジメント、介護職の安全
- 7回目 介護保険制度、障害者総合支援制度及びその他制度
- 8回目 医療との連携とリハビリテーション、介護におけるコミュニケーション、介護におけるチームコミュニケーション
- 9回目 介護に関するこころのしくみの基礎的理解
- 10回目 介護に関するからだのしくみの基礎的理解
- 11回目 老化に伴うこころとからだの変化と日常
- 12回目 高齢者と健康、高齢者に多い病気
- 13回目 生活と家事、日本文化の理解
- 14回目 快適な居住環境整備と介護
- 15回目 認知症を取り巻く環境
- 16回目 医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理
- 17回目 認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活、家族への支援
- 18回目 障害の基礎的理解、障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識、家族の心理、かかわり支援の理解
1日4時間×30日=120時間
-
【実技】
- ① ボディメカニクス、ベッドメイキング、体位交換・・・・・14時間
- ② 移乗(一部介助、全介助でのベッドから車いす、車いすからベッドの移乗)・・・・・11時間
- ③ 移動(高齢者体験、車いすの操作、杖歩行)・・・・・7時間
- ④ 整容(座位、仰臥位での前開き、かぶり上下の着脱、仰臥位ゆかた)・・・・・7時間
- ⑤ 食事(食事介助、口腔ケア、義歯)・・・・・7時間
- ⑥ 排泄(トイレ誘導、オムツ交換、リハパン体験)・・・・・11時間
- ⑦ 入浴(片麻痺の方の入浴、手浴、足浴、洗髪、清拭)・・・・・11時間
7時間(1日あたり)×10日間=68時間
合計時間 120時間+68時間=188時間
ケース2.特定技能外国人として受け入れる
続いて、特定技能外国人の受け入れについて解説します。特定技能外国人の受け入れは、技能実習生とは異なり、海外から来日する外国人のケースとすでに日本に在留している外国人のケースで流れが違います。
ここでは、ミャンマーから来日する特定技能外国人のケースでご紹介していきます。
まず、関係機関となるのは、主に企業、有料職業紹介会社、登録支援機関、そして送り出し機関(ミャンマー・ユニティ)の4者です。
もし特定技能外国人の雇用をご検討の受け入れ企業の方がおられましたら、まずはミャンマー・ユニティまでご相談ください。信頼できる有料職業紹介会社、登録支援機関をご紹介いたします。
ミャンマーでは、現地から特定技能外国人を採用するにはミャンマー政府が認める送り出し機関を通じて手続きを進めることが定められています。
本項では、有料職業紹介事業者を通じて特定技能ミャンマー人を採用する場合について説明を進めていきます。- ① 企業は有料職業紹介事業者である登録支援機関と契約し、求人票を記入【日本国内】
企業はまず有料職業紹介事業者である登録支援機関との間で委託契約を結びます。
そして企業は有料職業紹介事業者である登録支援機関へ求人の申し込み(求人票の記入・提出)を行います。求人票には、社名、勤務地、仕事内容、採用人数、給与支給額、時間外手当、税金・家賃などの控除額、休日、求める人物像、寮についてなどその他の特記事項を記入します。日本国内で求人募集するときとさほど違いはありません。
この申し込みを受けて有料職業紹介事業者である登録支援機関は、送り出し機関であるミャンマー・ユニティに対して特定技能外国人の正式な募集依頼をかけます。
◆ミャンマー人特定技能資格保有者リアルタイム検索機能 ミャンマー人特定技能資格保有者リアルタイム検索機能を無料で提供していますので、ぜひご活用ください。特徴は次の通りです。
✓ 利用料無料!
✓ いつでもどこでも特定技能資格保有者を即検索可能
✓ ミャンマー・ユニティの人材データベースと直結!
✓ 毎日変化する候補者情報をリアルタイムに把握
✓ 求人票→一次選考→最終選考を1週間で可能に
✓ 自己紹介動画(1分)の提供
✓ 一次選考をスムーズに
✓ 大量面接による手間を最小限に
✓ 面接ドタキャンによる無駄を最小限に
✓ 1週間で素早く内定
✓ 他社に取られる前に素早くマッチング
✓ 人材獲得競争に打ち勝つにはこれしかない!
この「ミャンマー人特定技能資格保有者リアルタイム検索機能」を利用すると、採用企業様は、優秀な人材を素早く確保できるようになります。有料職業紹介事業者である登録支援機関は、獲得した求人のマッチング率を高め、経営を効率化できるようになります。 - ② 人材を斡旋・選別する【ミャンマー国内】
ミャンマー・ユニティに人選を一任する場合 ミャンマー・ユニティは特定技能有資格者(特定技能の日本語資格を持ち、業種分野別の技能試験にも合格している有資格者)をミャンマー全土から集め、候補者情報をデータベース化し、さらに候補者の自己紹介動画もデータベースに格納しております。
有料職業紹介事業者である登録支援機関からの依頼を受けたミャンマー・ユニティは、希望する人材の人物像などについてヒアリングを行ってから、その職種のミャンマー人特技能資格保有者に向けて求人情報を提示します。
求人に対して希望者から応募があれば、その人に対して企業の人材募集内容に関する詳細な説明、写真や動画による企業と仕事内容の説明を実施します。
応募者が多い場合は、最終的にミャンマー・ユニティが採用人数の約3倍の面接参加者を厳選します。
そして、その厳選された人材の中から企業が採用したい人材を選びます。
「ミャンマー人特定技能資格保有者リアルタイム検索機能」から面接対象者を選ぶ場合 「ミャンマー人特定技能資格保有者リアルタイム検索機能」を使って面接希望者を選ぶ場合は、原則として採用人数の5倍程度を選んでいただきます。欲しいと思う人材が求人企業の面接を希望しない場合も考えられますし、欲しいと思う人材は他の会社も狙っていることも多いので、他社に奪われたり、面接辞退・内定辞退などが少なからず予想されるためです。
面接の依頼を受けたミャンマー・ユニティは、企業が面接を希望するミャンマー人特定技能資格保有者に向けて求人情報を提示します。そして面接希望者が面接を承諾した場合に、その人に対して企業の人材募集内容に関する詳細な説明、写真や動画による企業と仕事内容の説明を実施します。
そして、面接を承諾した人材の中から企業が面接します。 - ③ 面接実施から雇用契約締結【ミャンマー国内・日本国内】
面接は、企業の担当者がオンラインまたは現地(ミャンマー・ユニティ)に赴いて直接対面で行います。面接時はミャンマー・ユニティが優秀な通訳を準備いたします。必要な場合は、「よくある質問」の例をお伝えすることもできますし、採用選考に関するアドバイスもさせていただきます。
実技試験が必要な場合は、面接時にそれも併せて行います。
特定技能の面接においては、ぜひ通訳なしで日本語で質問していただき、候補者の日本語力を確認していただきたいと思います。
面接終了後、採用内定者を決定します。このとき、採用内定者によって配属先となる事業所が異なる場合は、どこの事業所に配属させるかも決めておきます。内定者だけでなく補欠合格者も決めておくと、万が一、内定辞退が出ても慌てずに済みます。
採用内定者及び補欠合格者への告知は、ミャンマー・ユニティが行います。その後、企業は入社を承諾した採用内定者と雇用契約を結びます。 - ④ 事前ガイダンス実施・在留資格認定証明書を交付申請【日本国内】
企業は、ここから実際の受け入れ準備に入っていきます。 企業から登録支援業務を受託した登録支援機関は、採用内定者に対して事前ガイダンスの実施が義務付けられています。
そして受け入れ企業または代理人が出入国在留管理局に対して採用内定者の在留資格認定証明書の交付申請を行います。
このとき重要なのは受け入れ企業が申請に必要な書類を迅速かつ正確に準備することです。申請書類準備が遅れた場合、そのぶん入国が遅れてしまいます。申請書類が迅速かつ正確に準備された場合は、内定後約6ヶ月で入国となります。 - ⑤ 査証発給を受けてから日本へ入国【ミャンマーから日本へ】
採用内定者は入国手続をスムーズにするため、パスポートは事前に入手しているのが一般的です。在留資格認定証明書を受け取ったパスポートを持っている採用内定者は、来日するための査証(ビザ)を現地にある日本の在外公館に申請します。審査を経て査証が発給されると来日することができるようになります。
ここでもスマートカードが必要です。査証があればすぐに日本に迎え入れられるというわけではないので、注意してください。
ミャンマー・ユニティではミャンマー側で必要な一連の手続きを採用内定者に代わって代行し、迅速な入国手続をサポートします。 - ⑥ 入国、そして配属【日本国内】
入国時は登録支援機関が空港まで迎えに行き、事前に受け入れ企業が準備した社宅まで送り届けます。そして登録支援機関がゴミ出しルールなど日本で生活するための最低限のことを教えます。また住居地の管轄となる役所で住民票登録、給与口座の開設なども登録支援機関がサポートします。
そして受け入れ企業に出勤してからは、会社や仕事に関するオリエンテーションを実施し、これらが一通り終わってから、いよいよ就労開始となります。
特定技能外国人を受け入れる場合、技能実習2号を修了した外国人を除き、事前に特定技能の在留資格取得のための試験に合格していなければなりません。試験は、日本語能力に関するものと取得分野の技能に関するものの2種類(介護職種は3種類)です。
ケース3.技術・人文知識・国際業務(いわゆる高度人材)として受け入れる
技術・人文知識・国際業務(いわゆる高度人材・技人国。以下「技人国人材」と呼びます)の受け入れは、技能実習生とは異なり、海外から来日する外国人のケースとすでに日本に在留している外国人のケースで流れが違います。
ここでは、ミャンマーから来日する技人国人材のケースでご紹介していきます。
まず、関係機関となるのは、主に企業、有料職業紹介会社、そして送り出し機関(ミャンマー・ユニティ)の3者です。- ① 企業は有料職業紹介事業者と契約し、求人票を記入【日本国内】
企業はまず有料職業紹介事業者との間で委託契約を結びます。
そして企業は有料職業紹介事業者へ求人の申し込み(求人票の記入・提出)を行います。
求人票には、社名、勤務地、仕事内容、採用人数、給与支給額、時間外手当、税金・家賃などの控除額、休日、求める人物像、寮についてなどその他の特記事項を記入します。日本国内で求人募集するときとさほど違いはありません。
この申し込みを受けて有料職業紹介事業者は、送り出し機関であるミャンマー・ユニティに対してミャンマー人技人国人材の正式な募集依頼をかけます。
もし技人国人材の雇用をご検討の受け入れ企業の方がおられましたら、まずはミャンマー・ユニティまでご相談ください。信頼できる有料職業紹介会社をご紹介いたします。 - ② 送り出し機関が人材を斡旋・選別する【ミャンマー国内】
有料職業紹介事業者の依頼を受けたミャンマー・ユニティは、希望する人材の人物像などについてヒアリングを行ってから、該当するミャンマー人技人国人材に向けて求人情報を提示します。
希望者から応募があれば、その人に対して企業の人材募集内容に関する詳細な説明、日本での就労についての説明を実施します。また応募したミャンマー人が技人国人材として就労するのに相応しいかどうか適正を調べるためのテストを実施します。そのテストにクリアできた人だけが、受け入れ先となる企業の面接を受ける資格を得られます。
そして、ミャンマー・ユニティ側で選別された人材の中から企業が採用したい人材を選びます。 - ③ 面接実施から雇用契約締結【ミャンマー国内・日本国内】
面接は、企業の担当者がオンラインまたは現地(ミャンマー・ユニティ)に赴いて直接対面で行います。面接時はミャンマー・ユニティが優秀な通訳を準備いたします。必要な場合は、「よくある質問」の例をお伝えすることもできますし、採用選考に関するアドバイスもさせていただきます。
実技試験が必要な場合は、面接時にそれも併せて行います。
面接終了後、採用内定者を決定します。このとき、採用内定者によって配属先となる事業所が異なる場合は、どこの事業所に配属させるかも決めておきます。内定者だけでなく補欠合格者も決めておくと、万が一、内定辞退が出ても慌てずに済みます。採用内定者及び補欠合格者への告知は、ミャンマー・ユニティが行います。その後、企業は入社を承諾した採用内定者と雇用契約を結びます。 - ④ 在留資格認定証明書を交付申請【日本国内】
企業は、ここから実際の受け入れ準備に入っていきます。
受け入れ企業または代理人が出入国在留管理局に対して採用内定者の在留資格認定証明書の交付申請を行います。
このとき重要なのは受け入れ企業が申請に必要な書類を迅速かつ正確に準備することです。申請書類準備が遅れた場合、そのぶん入国が遅れてしまいます。申請書類が迅速かつ正確に準備された場合は、内定後約6ヶ月で入国となります。 - ⑤ 査証発給を受けてから日本へ入国【ミャンマーから日本へ】
採用内定者は入国手続をスムーズにするため、パスポートは事前に入手しているのが一般的です。在留資格認定証明書を受け取ったパスポートを持っている採用内定者は、来日するための査証(ビザ)を現地にある日本の在外公館に申請します。審査を経て査証が発給されると来日することができるようになります。
ここでもスマートカードが必要です。査証があればすぐに日本に迎え入れられるというわけではないので、注意してください。
ミャンマー・ユニティではミャンマー側で必要な一連の手続きを採用内定者に代わって代行し、迅速な入国手続をサポートします。 - ⑥ 入国、そして配属【日本国内】
入国後は、企業が実施する生活等に関するオリエンテーションを受講してもらうことの他に、住居地の管轄となる役所で住民票登録、給与口座の開設などをしてもらいます。これらが一通り終わってから、いよいよ就労開始となります。
ミャンマー・ユニティが関与する領域
ここまでざっくりとした流れをご説明しましたが、弊社が関与するのは技能実習生、特定技能外国人、技人国人材のケースで異なります。
技能実習生の受け入れでは ・ミャンマー人材の募集・選別
・受け入れ企業と人材のマッチング
・採用されたミャンマー人材の現地での日本語習得やマナーに関わる講習
・現場で必要な実技研修
・採用人材の健康診断の実施、監理団体への報告
・採用人材のパスポート申請・スマートカード申請・査証(ビザ)手続き
ここまでが、採用されたミャンマー人を送り出すまでに弊社が行っていることです。
ここからは、送り出した後や就労が始まった後に弊社が行っていることです。
・技能実習生からの疑問や要望などの問い合わせ対応
・ 技能実習生が就労先や生活において何らかのトラブルに巻き込まれたときのアドバイス
・技能実習が終わるミャンマー人に対する帰国手続きのサポート
・就労中に日本政府に対して払いすぎている厚生年金等の返金手続きのサポート
・帰国後の母国での再就職支援
ここまでを、弊社ではミャンマー人に対して行っています。特定技能外国人・技人国人材の受け入れでは ・求人票にマッチする候補者の紹介
・採用人材のパスポート申請・スマートカード申請・査証(ビザ)手続き
送り出した後は、フォローアップをしていきます。弊社では責任をもって最後までフォローします
ここまでをお読みいただいて、送り出し機関というと、その名称上、単に送り出すだけと思われている方も多いかもしれません。しかし、外国人を日本に送り出すには、さまざまな手続きや申請をクリアして、やっと実行できるものです。他方では、採用された外国人たちが日本での就労を心待ちにしながら、日々慣れない日本語の習得に励んでいます。
彼ら彼女らの努力を無駄にしないためにも、無事に、そして確実に日本に送り出すことが私たち送り出し機関の責務だと考えています。
ただ、残念ながら、送り出し機関の中には、送り出してしまえばそれで自分たちの仕事は終わりとばかりに、あとは事務的に対応するところもあるようです。送り出すのは、心を持った人間です。荷物のような物品ではありません。中でもミャンマー人は、とても優しい心根の持ち主です。そんな彼ら彼女らを、慣れ親しんだ母国や親元から異国の地である日本に送り出すのですから、相応の責任が私たちにはあると考えています。
だからこそ、弊社では、送り出すまではもちろんのこと、送り出した後もミャンマー人材が高い意欲と志を持ったまま企業にその力を発揮してもらえるよう、さまざまな方面からフォローを行っているのです。
ここでは、弊社の対応領域や取り組みについて簡単にご紹介していますが、詳しい内容は弊社のホームページやダウンロード資料にも掲載していますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。また、ご不明点などがございましたら、直接お問い合わせください。より詳細なご説明やご案内をいたします。 - ① 企業から監理団体に求人申し込み【日本国内】
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2024.12.19「育成就労制度」で技能実習制度はどう変わるのか
在留するにあたっての資格制度について
まず、ミャンマー人労働者を受け入れる前に、理解をしておいてほしいことがふたつあります。ひとつは外国人労働者の在留資格制度について。もうひとつは、受け入れの際に知っておかないといけない一連の流れについてです。
外国人労働者が日本で働く際のさまざまな諸問題については前の章でも触れましたが、ここでお伝えしたいのは、日本に在留するための資格制度についてです。
外国人が日本に在留するには在留資格が必要ですが、ここでは技能実習、特定技能、技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留資格について触れたいと思います。
これらの在留資格は、それぞれ趣旨・目的が異なります。受け入れが認められている人数や就いていい仕事、日本に在留していい期間、転籍・転職の可否などにも違いがあります。
受け入れ企業も自社でどんな業務に就いてもらうかによって、外国人労働者に取得してもらわなければならない在留資格が決まっています。また、その取得の仕方もそれぞれで異なっているため、取得時には注意が必要です。『技能実習制度』は2027年以降に新制度へ
ここでもうひとつ注意点があります。現在の『技能実習制度』が新制度になることが決定しました。新制度の名称は『育成就労制度』といい、2024年6月14日、技能実習に代わる新たな制度「育成就労」を新設するための関連法の改正が、国会で可決・成立しました。育成就労制度は2027年の施行が見込まれます。
もともと技能実習制度が創設された目的は「技術移転による国際貢献」とされていました。ところが、実際は、目的通りに運用されるケースは少なく、企業の人材不足解消のための手段となっていることが多く、目的と実態が乖離していました。こうした状況を変えるために、技能実習制度は表向き廃止という形を取り、新制度『育成就労制度』に生まれ変わるという流れになりました。『育成就労制度』で
技能実習制度はどう変わるのか技能実習制度の趣旨は「技術移転による国際貢献」です。もう少し詳しく言うと、「日本の技能や技術及び知識を、その国や地域に移転して、その地域の経済発展を担う人材を育成すること」です。一方『育成就労制度』は、人材の育成と確保が目的であり、中小零細企業が人材を確保しやすいようにしようという、人材不足問題解消の意図が加えられました。
従来の技能実習制度1号~3号は廃止となり、新しい制度として、育成就労が創設されることになりました(図9)。 制度が変更されることにより、すでに技能実習生として外国人労働者を受け入れている企業はもちろんですが、これから外国人労働者を雇用しようと検討している企業も、受け入れる時期によっては制度変更の影響を受ける可能性があります。
主なポイントとなるのが、転職・転籍の要件、職種・業務範囲、在留資格の条件、関係機関のあり方、産業分野ごとの人数枠などです。それぞれを具体的に見ていきます。◆転職・転籍◆育成就労制度の転職と転籍要件
育成就労制度の各内容のうち、有識者会議で最も議論されていたのが、転職に関する要件です。
技能実習制度では、実態は別にしても技術を習得して母国に持ち帰ってもらうという目的があったため、原則3年間転職が禁止されていました。しかし、育成就労制度では、「やむを得ない場合の転籍」の範囲が拡大され、人権侵害や労働条件の相違といった場合で転籍が認められることになりました。
なぜ、そのように方向転換することになったのかと言えば、国際社会からの非難の声が上がってきたからです。転籍や転職は、職業選択の自由を体現するもので、それは人に与えられた権利のひとつです。ところが、技能実習制度では表向き「技術を習得し、熟達してもらう」ことが趣旨にありますが、転籍や転職はそれに反するとのことで認められずにきた経緯があります。とはいえ、実態は人材を囲い込むための手段になっていて、未払いやパワハラなどの問題も後を絶ちません。そうした実態に対して、識者や国際社会からは「奴隷労働」や「現代の奴隷制度」などと揶揄する声が強く聞かれるようになってきて、いよいよ無視できない事態になってきました。
そこで「本人意向による転籍」についても、同一機関での就労が1年を超えていること(分野によっては2年以内の範囲で延長可)、技能検定基礎級合格、日本語能力A1(JLPTN5合格等)、同一業務区分、受け入れ先企業の適切性などの条件を満たしていれば、認められるようになりました。同一業務区分というのは、例えば、同じ農業という産業分野であったとしても、畜産農業と耕種農業であれば、耕種農業で働いている人は耕種農業の別の企業への転籍ということになります。
育成就労制度に代わることで、転職・転籍がこれまでより柔軟化されるようになりますが、ここでもひとつ問題があります。それが地方の人材です。短期間で転職ができるようになれば、人材の待遇がよく、賃金水準も高い都市部へ流れていってしまい、技能実習に頼っていた地方の人材不足の加速、それによる経済的ダメージが大きくなるのではないかという懸念があるので、今後の動向に注視しなければいけない点ではあります。◆職種・業務範囲◆育成就労制度と特定技能制度適用職種
現在(2024年10月時点)で、技能実習制度が適用される職種・作業はたくさんあります。これが育成就労制度に代わることによって、職種・作業が減ってしまうのではないかと、不安視されていました。
そんな中で決定したのは、基本的には特定技能1号の産業分野・業務区分と同じになるということです。これは、育成就労制度が、特定技能1号の人材の輩出を目的としているからです。
2024年10月現在の特定技能1号の業種は産業分野区分から考えられた12分野となっていますが、日本政府は「自動車運送業」、「鉄道」、「林業」、「木材産業」の4分野を新たに追加し、「工業製品製造業分野(旧名称『素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業』)」、「造船・舶用工業分野」、「飲食料品製造業分野」の3つの既存の分野については新たな業務の追加を決定しました。◆在留資格の条件◆特定技能1号への移行を目的とする
技能実習制度では、対象となる外国人は技能実習計画を定めたうえで、就労を行っていました。技能実習制度がなくなることで、技能実習計画がなくなるのかというとそうではなく、「対象となる外国人ごとに育成就労計画を定めたうえで、計画的に特定技能1号の技能水準の人材に育成をしていくことを目指す」として、計画型の在留資格になることが明記されました。これは、「技能実習制度よりも幅広くして、特定技能制度における業務区分と同一としつつ、当該業務区分の中で習得すべき主たる技能を定めて計画的に育成・評価を行う」とあり、特定技能制度の業務区分の中で主たる技能を定めて育成就労計画に基づいて育成・就労を行うことが想定されています。
また、育成の目標については、特定技能1号へ移行する際の経過措置である「相当講習」の選択肢がなくなりました。これによって、特定技能1号へ移行することを目標とする場合、3年~4年で国際交流基金日本語基礎テストA2相当(日本語能力試験N4等)へ合格することが必須となります。◆関係機関のあり方◆改組して厳格化される
技能実習制度では、技能実習生の募集や受け入れに関する調整や各種手続きを行う機関として監理団体があります。これが育成就労制度に代わることにより、監理支援機関に名称が変更されることになりました。育成就労制度においては監理支援機関の要件が厳格化され、それをクリアしたうえで、監理支援機関としての許可を取得しなければいけません。既存の技能実習監理団体についても、監理支援機関としての許可を再取得する必要があります。
また、特定技能については、「支援業務を他に委託する場合の委託先を登録支援機関に限ることとしたうえ、登録支援機関及び受け入れ機関の要件の厳格化・適正を行う」とされ、支援業務を委託する場合は、登録支援機関の独占業務となることが見込まれます。送り出し機関としては、2国間取り決め(MOC)を新たに作成し、悪質な送り出し機関排除に向けた取り組みを強化すると共に、原則としてMOC作成国からのみ受け入れるという点です。MOCの締結国からしか育成就労を受け入れないということになると、一番影響を受けるのが中国でしょう。中国は基本的にMOCがないので、育成就労制度が始まるまでには、今後の日本と中国間での協議が行われるでしょう。そこで中国がどのような対応していくのか、その進行を注視する必要があります。
そして、外国人技能実習機構は、外国人育成就労機構に改組となり、労働基準監督署、地方出入国在留管理局などとの連携を強化して、育成就労外国人への相談支援業務を行うようになります。産業分野ごとの人数枠の増枠
特定技能制度が始まった当初、受け入れ上限目標として、34万5150人と設定していました。2024年に受け入れ上限の見直しが行われ、2024年度から5年間で82万人に受け入れ枠を拡大しました。
育成就労制度施行までの移行期間
育成就労制度の施行は2027年になる見込みで、「育成就労」制度開始後、3年間の移行期間を設ける方針も挙がっており、新制度への完全移行は2030年頃になると予想されます。 現在の技能実習生については、「技能実習」の在留資格で3年間は在留できると考えられます。
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2024.12.19ダイバーシティ的発想の職場環境へ
ダイバーシティ的発想の職場環境へ
職場環境を整えていく際に参考になるのが、最近よく聞くダイバーシティ的発想です。
ダイバーシティは多様性の意味を持っていて、あらゆる考え方を受け入れていくことです。
日本の雇用形態ひとつをとっても女性・高齢者・障害者などにはすでにドアが開いていて、働く意欲のある人すべてを認める時代に変わっています。
外国人労働者を受け入れている企業も言うなればダイバーシティの一環で仕事をしているわけで、ダイバーシティがもつ考え方に即して職場環境を整えていけば、トラブルと関係のない中で業務に集中できるはずです。
ただし、異なる国の人々の文化、経験、能力などの多様性を認識し、それを価値あるものとして受け入れる考え方は、まだまだ工夫・努力を必要としています。
例えば、日本には「察する文化」があり、外国人には理解しづらい暗黙のルールが存在します。同じところにいるから、言葉に出さずとも理解し合えるだろうと日本人は期待しがちですが、異なる文化や価値観を持つ外国人労働者にとっては、理解しづらいことのひとつです。文化の違いから、考え方やルールが異なることを当たり前と理解したところで、彼らにとっては、そうとは限らないことが多々あります。そのため、彼らとのコミュニケーションは、頭ごなしに注意をするのではなく、彼らがどう思って行動したのかを尋ねる配慮が重要です。そのための方法として、彼らの自尊心を傷つけず、必要に応じて丁寧に説明していくことが大切になっていきます。
多くの価値観のすれ違いは、彼らが日本の職場環境に慣れていないために起こります。価値観の調整や説明を通じて、お互いがきちんと認め合えれば、そういうこともなくなります。
仮に、雇用契約の際に就労に関するルールを伝えたとします。日本人から見れば身勝手に見える行動が見られた場合には、その問題がなぜ問題なのかを、わかりやすい言葉であらためて説明することが必要です。問題が起きる前に、就労前研修やOJTなどの機会を活用して、定められた退勤時間まで帰らない、無断で休まない、就業時間中に席を外すときはまわりに連絡するなど、基本的な働き方について丁寧に教えることです。受け入れ企業は「言わなくてもわかるだろう」と思っているかもしれませんが、日本のビジネス文化を理解してもらうための教育の一環として接することが大切です。そうすることで、お互いにストレスなく認め合えるはずです。
特に、ミャンマーからの外国人労働者は、他人から厳しく叱責される文化に慣れていないため、日本のような厳しい叱責には馴染みがありません。
理解し合うことを怠ると、外国人労働者は日本人と同じように扱われることに大きなストレスを感じてしまいます。その結果、モチベーションが低下し、職務放棄や早期退職、あるいは失踪といった問題が生じる可能性が高まります。
モチベーション低下を引き起さないようにするためには、受け入れ企業が外国人労働者を迎える際に工夫や努力が求められます。異文化を理解するための教育やコミュニケーションイベントなど、お互いを理解し合うための積極的な努力をどこまで実行しているのかが受け入れ企業に問われています。
外国人労働者は、日本経済の未来を支える必要不可欠な存在です。多様性の考え方が浸透する中でお互いを認め合えれば、外国人労働者とのいい関係を築くことができ、それは企業の活性化につながります。
そのためにも外国人労働者を雇う際は、単なる同僚としてではなく、家族のようなつながりを大切にして信頼関係を築いていきたいものです。
もし問題が起こっているとするなら、ダイバーシティ的考えの環境づくりでぶつかる「理解はしていても……」という日本的発想が壁となってそびえているのかもしれません。そんなことを言っていたら経済の停滞を招くだけです。
今まさに日本は、外国人労働者と共存していくために、乗り越えなければいけない課題を突き付けられているように感じます。 -
2024.12.19入社後のコミュニケーションのキーワードは「共有」
入社後のコミュニケーションの
キーワードは『共有』いよいよ外国人労働者が、未知の環境での仕事や生活に挑むことになります。彼らが安心して業務に取り組めるようにするための職場環境について、もうひとつお伝えしておきたいことがあります。それは社内のコミュニケーションの取り方です。日本人同士で通じる暗黙の了解が、外国人労働者には通じないことがあります。文化や言語の違いを超えて伝わることを期待するのは過度な要求です。伝えたいことや理解してほしいことがあれば、明確な言葉で伝え、相手と真摯に向き合い、情報などを共有していくことが肝要です。
共有レベルを高める工夫
外国人労働者の中には、初めて日本での就職を機に海外に出る人もいます。海外旅行とは異なり、就職に伴う移動は誰もが不安を感じるものです。そのような状況を理解し、外国人労働者に無理難題を押し付けないように配慮する姿勢が大切です。
入社後は、直属の上司や教育担当者だけでなく、周囲の人たちも積極的に外国人労働者とコミュニケーションをとり、彼らが抱える不安や疑問を払拭できるよう努めましょう。
初めて日本語を学ぶ外国人もいますが、わかりやすい言葉でコミュニケーションをとれば、相手も一生懸命理解しようと努めてくれます。
また、一方的なコミュニケーションではなく、相手が理解しているかを確認することも大切です。口頭での確認だけでなく、文書での確認も効果的です。配布物や掲示物には、外国人労働者の母国語も併記することで、共有レベルを上げることができます。
こうした共有レベルの向上は、仕事の効率化や生産性の向上にもつながります。ただし、この取り組みを現場だけに委ねるのではなく、会社全体でフォローすることが重要です。
会社が外国人労働者を雇用した以上、全体でサポートすることが、組織の円滑な運営につながります。必要ならば通訳サポートも検討を
外国人労働者の入社後のサポートとして、通訳の活用はスムーズなコミュニケーションをとっていくための有効な手段です。仕事上では専門用語や敬語を使うことが一般的で、これらの言葉を理解することは業務遂行に不可欠です。しかし、これらの言語に慣れるには時間がかかりますし、専門用語や敬語の使用は日本人でさえ難しいのに、ましてや外国人労働者にそれを要求するのは酷な話です。特に、ビジネスシーンでは正確なコミュニケーションが求められるため、通訳の支援が役立ちます。
通訳は両言語を理解し、双方の意思を代弁するだけでなく、相手の意見や感情を正確に伝えてくれます。このように相互理解が深まれば、業務の効率化や生産性の向上、人間関係が円滑に進みます。さらに、通訳の存在により、外国人労働者の仕事上の問題やストレスが解決しやすくなり、心のケアもしやすくなります。
ただし、口頭でのコミュニケーションは誤解を招く可能性があるため、伝える内容は慎重に考えて、言語化していきましょう。言葉や表現の違いがコミュニケーションの質を左右することにもなるため、両者の認識のずれを埋めるためにも通訳の果たす役割は非常に重要です。
スマートフォンの翻訳アプリや手軽な翻訳機がたくさんありますが、人による翻訳とは異なり、その精度には大きな差があります。翻訳機はあらかじめプログラムされた単語やフレーズを元に翻訳を行うため、文脈に応じた適切な翻訳が得られない場合があります。
その結果、意図しない誤解や混乱を招くこともあります。特に、命や安全に関わる状況では、機械翻訳の限界が明らかで、重大な問題を引き起こす可能性があります。
一方、通訳者は状況や相手に応じて柔軟に対応し、理解しやすい言葉でコミュニケーションを円滑にします。彼らは双方の認識レベルに合わせて翻訳を調整し、相互理解を促進します。このような人間の介入による柔軟な対応が、通訳者の存在意義を大きくしています。
そこで弊社としての提案があります。通訳者の存在意義はわかったものの、通訳してくれる専門家とのつながりを持たない企業にとっては、どこでその適任者を探せばいいのか、通訳者探しが新たな課題になってしまうこともあります。そんなときには、まず弊社にご相談ください。弊社には、日本語とミャンマー語の通訳ができるスタッフ12名が在籍しています(2024年10月28日現在)。
首都圏をはじめ東北、関東、東海、関西、中国、九州とほぼ全国各地に常駐して、必要に応じて各エリアの通訳スタッフが、より正確かつ確実に伝えるためのサポートを行っています。そこではお客様のニーズに合わせて柔軟に対応し、通訳サポートの頻度や方法を調整して対応しています。お互いの意見交換のための定期的な面談や、通訳者の同席を希望する場合など、さまざまな要望にお応えすることが可能です。 -
2024.12.19入社に備えての準備(ミャンマー編)
入社に備えての準備
入社が正式に決定したら、受け入れの準備を本格的に進めましょう。この準備には、受け入れ企業向けと外国人労働者向けの2種の準備があります。
社内向けの準備としては、主に外国人労働者との共同作業を円滑にするための職場環境の整備が挙げられます。一方、外国人労働者向けの準備としては、彼らの生活環境を整えることが重要です。具体的には次の3つの項目に取り組んでいきます。円満な職場環境の整備
まずは、全社員を対象にした説明会を開催し、外国人労働者を雇用する目的から、彼ら個人に関する情報まで共有します。特に、外国人労働者とのコミュニケーションに必要な日本語スキルのレベルについては、関係者全員が理解できるように共通の基準を設けることが重要です。この基準が明確でないと、業務や人間関係に支障をきたす可能性があります。
そのためにも外国人労働者の出身国に応じて勉強会を開催し、その国の文化や考え方、国民性などを周知することが大切です。これは、彼らを受け入れる前に行うのが効果的です。入社後に行っても、なかなか浸透しづらい場合があります。
説明会や勉強会の実施は、お互いの理解を深めるだけでなく、外国人労働者に対する共通の認識を醸成するのに役立ちます。これにより、人間関係のミスマッチを緩和し、円滑な職場環境の構築にもつながります。安全安心な生活環境の整備
外国人労働者が日本で就労し、職場で最大限に活躍できるようにするためには、住居の確保が必要不可欠です。企業が社員寮や社宅を提供している場合は、そこに滞在できるため、問題はありません。しかし、そのような施設がない企業に就職する場合は、外国人労働者本人が住居を探し、手続きを行う必要があります。といっても、外国人が未知の土地で日本語に不慣れな状況で住居を探すことは非常に困難です。法務省の報告書によれば、家賃や契約料の高さ、国籍や保証人の問題などが挙げられ、自力での住居探しは困難であることが示されています。問題やトラブルを回避するためにも、受け入れ側のサポートで必要なのは、まずは住居の確保です。
住居確保だけでなく、生活に最低限必要な備品類を準備してあげることも大切です。ミャンマー人にとって日本の物価は想像以上に高く感じますし、給料をもらう前に多額の支出があるのは無理があります。
「ミャンマー人を受け入れるために準備したほうがよい備品」を参考にしていただき、中古品でもよいので従業員の方々に不用品提供の協力を求めながら準備することをお勧めいたします。 また、ゴミ捨てルールを伝えること、油を台所に流してはならないこと、レンジ周りが特に油で汚れやすいので掃除を欠かせないこと、騒がないことなど、ミャンマーとは違う日本の生活ルールも丁寧に伝える必要があります。当初はルールが守られているか訪問してチェックすることも本人のためになると思います。現場ではマニュアルの整備
就業に向けての受け入れ準備が整ったら、次は現場での業務を円滑に進めるためのマニュアルの準備をしてください。外国人労働者は入社前に日本語を学習していても、母国語と異なる言語での業務理解に苦労することがあります。特に細かい指示や手順が必要な業務では、口頭だけでは理解が難しい場合がありますので、マニュアルが役立ちます。それも母国語でわかりやすく説明してあげてください。
マニュアルには、業務の指示書だけでなく、就業に関する情報も含めることが望ましいです。雇用契約時に就業規則などを伝えていても、現場ごとに安全や衛生に関する規則が異なる場合があるためです。これらの注意事項をわかりやすくまとめておけば、外国人労働者も働きやすくなりますし、現場での説明の手間も省けます。また、文章だけでなく、イラストや写真などを多用して視覚的にも理解しやすくしてあげましょう。 -
2024.12.19ミャンマー人労働者の受け入れには「スマートカード」が必須
ミャンマー人労働者の受け入れには『スマートカード』が必須
受け入れる外国人がミャンマー人の場合は、『スマートカード』と呼ばれる海外労働許可証が必要です。
スマートカードは、ミャンマー人が海外で就労する際に発給と所持がミャンマー政府から義務づけられているIDカードでもあります。
このスマートカードがなければ、ミャンマー人は海外で働けません。
スマートカードは、技能実習生用、特定技能用、技術・人文知識・国際業務(技人国。いわゆる高度人材)用に分かれています。
〈技能実習生及び特定技能の場合〉 技能実習生用のスマートカードを持っているミャンマー人が、ミャンマーに帰国せずに日本で特定技能生として資格を変更して働く場合には、スマートカードの有効期限は5年間がありますのでそのまま技能実習生用のスマートカードで継続して働くことができ、5年を過ぎても日本に滞在することが可能です。
そのため、技能実習終了後にミャンマーに一時帰国せず特定技能になる方が多いですが、この場合は一時帰国しなくても実質的には許されています。
ただし、ミャンマーに一時帰国して再入国する際に、スマートカードの期限が切れているとミャンマー出国が不可なので、あらためて特定技能用のスマートカードを取得する必要があります。
日本側では発給できませんので、ミャンマーで発給する必要があります。このスマートカード取得の流れは、次のようになっています。- 1.送り出し機関がミャンマー政府に対して次の7つの書類を申請します。
- ① 監理団体が作成したデマンドレター(求人票)
- ② 監理団体と送り出し機関の間で取り決めた協定書の写し
- ③ 受け入れ先企業の捺印がある雇用契約書
- ④ 雇用条件が書かれた写し
- ⑤ 現場写真
- ⑥ 寮写真又は仮の間取り図
- 2 .これらがミャンマー政府の外務省を通してミャンマー連邦共和国駐日大使館に届けられます。
- 3 .大使館から監理団体に対して、監理団体と受け入れ先企業についての書類を求めるので、監理団体がそれらの書類を提出し、大使館の審査を待ちます。
- 4 .審査が終わると、大使館のフェイスブックページにデマンドレター申請の審査済の企業リストが掲載されます。
送り出し機関から掲載されたリストのスクリーンショットで「送り出すプロセスの勧め許可書」を労働省に申請し、申請からおよそ1週間後に労働省から送り出し機関にメールにて許可書を送ります。 - 5 .許可書をメールでいただいた後に、送り出し機関が所在する地域の市役所に行って、次の書類2種類に市役所役員の署名をいただく必要があります。
- ① 企業様の押印、送り出し機関の代表者の押印、内定者の署名がある雇用契約書・条件書
- ② 労働省が定めた送り出し機関と内定者の間の同意書
- 6.海外での就労予定のミャンマー人に対してミャンマー政府の労働省が1日間の講習(ミャウダゴン講習)を実施し、修了すれば講習修了証明書を発行します。
(※本講習の予約のためにCOE、査証、市役所で締結済の書類等が必要)
(※前述記載の「監理団体」は特定技能の場合、監理団体の他「登録支援機関」、「有料職業紹介会社」、「行政書士」、「受入企業」が想定されます)
なお、在留資格証明書の発行後に査証の申請ができますので、査証と前述のミャウダゴン講習の修了証明書が発行された後にようやくスマートカードが申請できます。
このスマートカードの申請はミャンマー人本人が行いますが、発給されるまでには4ヶ月~6ヶ月ほどかかるため、企業側はそのことを念頭に置いて受け入れの計画をしましょう。
先にご紹介したスマートカードの発給には最短でも約4ヶ月かかるとお伝えしましたが、『在留資格認定証明書』の有効期限がそれよりも短いため、何をいつ申請するかのスケジュール管理が重要になってきます。もしもスマートカードの申請が後になってしまった場合、在留資格認定証明書の有効期限が切れてしまうといったことにもなりかねないからです。
こうしたスケジュール管理は、やるべきことが把握できていないと漏れや遅れが生じるリスクを高めますから、自社だけでどうにかしようとせずに専門家に相談しつつ進めることをお勧めします。
万が一、スケジュールが変わってしまうことになれば、自社だけでなく就労を希望している外国人労働者にも大きな影響が出ます。彼ら彼女らは、日本に来るために多額の費用を工面して訪日するわけですから、訪日のタイミングがずれ込めば、そのぶんだけ収入が途絶える期間が長くなりかねません。十分、注意して計画を進めていきましょう。〈技人国の場合〉技人国のスマートカード発給については、デマンドレター申請、在日本ミャンマー大使館への書類提出などが不要になり、次の流れでスマートカードが発給されます。
- 1.在留資格申請・発行
- 2.査証申請・発行
- 3.ミャウダゴン講習の予約及び受講
- 4.スマートカード申請及び発行
査証申請開始からスマートカード発給までは約1ヶ月半ほどの時間を要します。
- 1.送り出し機関がミャンマー政府に対して次の7つの書類を申請します。
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2024.12.19日本で就労するための「在留資格」とは
日本で就労するための『在留資格』とは
外国人労働者が雇用の段階へ進むには、仕事内容や労働条件に納得するだけでなく、自国内人材とは異なる手続きが必要です。そのためにも受け入れ側は、外国人の就労に関する手続きや流れを把握しておく必要があります。具体的な手続きや流れについては第4章で詳しく説明しますが、その前に『在留資格』について理解することが重要です。
なぜ『在留資格』を強調するかというと、外国人労働者が日本で就労するには絶対必要な手続きだからです。受け入れ企業は、労働者が適切な『在留資格』を持っているかどうかを、必ず就労前に確認する必要があります。『在留資格』とビザは全くの別モノ
外国人の就労に関して『在留資格』が必要であると述べましたが、混同されやすいのが『ビザ』です。これらは全く異なるもので、企業担当者は正確に認識しておく必要があります。
「ビザ」は日本語で「査証」と呼ばれ、外国人が日本に入国する際に取得する必要がある許可証のことです。一般的に「就労ビザ」と呼ばれるものは、実際には「就労するための在留資格」を指し、単なるビザとは異なります。
簡単に違いを説明すると、日本に3ヶ月以上滞在する外国人は原則として『在留資格』を取得する必要があります。一方、「ビザ」は単に日本に入国するために必要なひとつにしかすぎません。そのため、「ビザ」があるだけで就労が認められているわけではなく、外国人が持っている『在留資格』が就労を許可していない場合、その就労は違法行為となります。不法就労を未然に防ぐためには
不法就労は、就労している本人だけでなく、雇用先である事業主も罪に問われます。罪名は不法就労助長罪で、懲役3年以下または罰金300万円の罰則が課されます(入管法第73条の2)。
近年、外国人労働者を雇用する企業が増加して、それに伴い不法就労助長罪に問われる事業主も増えているようです。悪質な事業主を除けば、ほとんどの場合、違法状態に気づくのは指摘されてからが多く、このことからも外国人雇用における不法就労が企業課題のひとつであることが理解できます。
このような違法状態に陥る理由は、受け入れ側と外国人労働者自身の認識不足も関係しています。こうした問題は在留資格の性質や確認方法を理解しておけば回避できる問題です。
不法就労が確認された場合、事業主は処罰を受ける可能性があるため、企業の信頼性を守るためにも真摯な対応が求められます。
企業が罰せられないためにも、事前に在留資格を確認することが非常に重要です。また、確認した在留資格が従事しようとする業務に適合しているかも確認しておくことを忘れないでください。『在留資格』は外国人の日本国内における活動許可証
そもそも在留資格とは、外国人が日本に滞在して一定の活動をするために必要な資格であり、自らの身分を示す公的な資料のひとつです。
在留資格は、滞在目的によって種類が異なるうえ、その種類や就く職種によって滞在できる期間や就労の可否が違います(そのため、受け入れ側は正しい知識で労働者の在留資格を確認する必要があります)。
在留資格を持つ外国人の中でも3ヶ月を超える滞在者には、日本への入国の際、あるいは在留資格手続きの際に出入国在留管理庁から『在留カード』が発給されます。ここには、滞在者について、本人のものであることを示す顔写真の他に、次の事項が記載されています。- ・氏名
- ・生年月日
- ・性別
- ・国籍と地域
- ・住居地
- ・在留資格
- ・在留期間
- ・カードの有効期限
住居地が変更された場合には、裏面に新住所が記載されます。また、カードには、偽変造防止のためのICチップが搭載されており、カードに記載の全部あるいは一部の事項が記録されています。このカードは、滞在者にとっていわゆる身分証そのものですから、常時携帯が必須です。
『在留資格認定証明書』は受け入れ企業または代理人が申請する
ミャンマー人に限ったことではありませんが、受け入れを内定した外国人の在留資格の申請は、受け入れ企業側または外国人本人の代理人という形で行政書士に依頼し、その外国人が居住する予定地もしくは受け入れ企業側の所在地管轄の地方出入国在留管理局で行うのが通常の流れです。
在留資格の申請では、日本政府が定める要件をすべて満たしているかどうかが確認されます。これらの要件は、入管法別表第1の2または1の4に記載されている在留資格と滞在目的が一致しているかどうかが重要です。要件に適合すれば、法務省から在留資格認定証明書が発行されます。
これまでは書面での発行でしたが、2023年3月17日からは電子メールでの受け取りも可能になりました。外国人本人が査証申請や入国申請を行う際には、この電子メールを提示できるようになっています。ただし、代理人がミャンマー共和国駐日大使館で申請する場合は、電子メールを印刷したものを提出する必要がありますので、注意が必要です。雇用には『外国人雇用状況届』の提出も忘れずに
日本国内で企業が外国人労働者を採用する際、受け入れ企業は厚生労働大臣に対して雇用の開始や終了を届け出る義務があります(2007年に施行)。この届出に使用されるのが、「雇用保険被保険者資格取得届」または「外国人雇用状況届出書」です。一般的には「外国人雇用状況届」と呼ばれます。
この届出の目的は、国が外国人の雇用状況を把握し、外国人労働者の雇用の安定や管理を促進することにあります。
届出書の形式は、雇用保険の加入の有無によって異なります。雇用保険に加入する外国人労働者の場合は「雇用保険被保険者資格取得届」(様式第2号)を使用し、加入しない場合は「外国人雇用状況届出書」(様式第3号)を用います。これらの書類は厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできます。
これらの届出書には、氏名、生年月日、国籍、性別の他、取得している在留資格の種類、在留期間、在留カードの番号などの基本情報が記載されます。記入の際は在留カードと照合して、誤りがないようにしてください。
届出には期限があり、雇用が開始された日の翌月10日までに行う必要があります。届出先は管轄のハローワークまたはインターネットでも可能です。インターネットでの提出は、e―Govまたは厚生労働省の外国人雇用状況届出システムから電子申請できます。期限内に届出が行われなかったり、誤った情報を提出した場合、30万円以下の罰金が課されます。雇用が開始されたら、早めに届出を行うことが重要です。トラブルのリスクを回避するには専門家の手を借りるのがベスト
外国人の雇用には、国内で日本人を雇用する場合よりもさまざまなリスクが存在すると感じる人も少なくありません。これらのリスクは、ノウハウのない企業にとっては特に難しいものです。
弊社はミャンマー人雇用に豊富な経験を持ち、外国人労働者と受け入れ企業が雇用契約を交わす際に、双方が適切に認識し理解できるように、日本語とミャンマー語の通訳を提供し、トラブルを未然に防ぐための対策を講じています。
外国人労働者、特にミャンマー人は勤勉で奉仕の精神も高いため、初期段階から信頼関係を築くことができれば、企業にとって大きな利益につながります。これらのメリットを享受するためには、専門家の助けを借りてトラブルの可能性をしっかりと排除する必要があります。 -
2024.12.19ミスマッチによる転職・失踪を防ぐ方法とは
ミスマッチによる転職・失踪を防ぐ方法とは
ミスマッチは外国人労働者の転職や失踪につながる問題です。特に技能実習生の失踪は社会問題となっていて、外国人技能実習機構は外国人実習生失踪対策を強化しています。
では、転職や失踪を防ぐために、どのような策を取れば良いのでしょうか。具体的な問題から、その解決策や対応策の手段や方法をご紹介していきます。実際の作業・住環境、及び先輩からのコメントの動画の撮影
これは、条件でのミスマッチを防ぐ方法のひとつです。現在働いている同じ国出身の先輩からのコメントは、最も信頼できるものです。作業中の動画があれば、職場の雰囲気がよりリアルに伝わり、ミスマッチを防ぐための一助となってくれます。
日本で働き始めた際に、最初に聞いていた内容と異なる場合が多々あるというのは、残念ながら事実です。このような状況は、受け入れ側が外国人労働者を採用したいがために、良い面だけを強調してしまうためです。
次に紹介するエピソードは実際にあったケースで、ある日本の食品工場での募集に関するものです。募集内容では、清潔な工場内で流れ作業などをする仕事として提示されていました。しかし、その流れ作業は豚の解体や抜骨作業で、肉と骨を取り除く作業中に作業服が豚の血液で血まみれになる厳しい環境であることについての十分な説明はなかったようです。
また、社員寮などの住環境も同様です。募集内容では清潔な部屋を示し、そこでの生活と働きについて良い印象を与えていましたが、実際は非常に汚かったというケースもありました。仕事内容や職場環境、住環境が全く異なることは、外国人労働者を欺く行為としか言いようがありません。
こうした事態を防ぐために効果的な手段のひとつが動画です。仕事内容だけでなく、先輩の感想も含めるとわかりやすいと思います。文字だけでは伝わりにくいことも、動画なら細かなニュアンスも伝わりやすく、職場環境を正確に伝えるための適切な手法と言えます。適正な給与の支払い
日本人でも給料が低いと、仕事に満足感を得ることが難しく、長期間その職場で働き続けることは困難です。外国人労働者ならなおさら、安い給料で働かされることに対しては、その怒りを転職や失踪に置き換えていきます。今ではインターネットやSNSを通じて自分の給料水準を簡単に調べることができます。もし自分の給料が低いとわかれば、誰でも転職したくなります。さらに、帰国を望む人も出てくるでしょうし、詐欺的なブローカーの甘い言葉に惑わされて取り返しがつかないことをしてしまうことも考えられます。普通のことですが、いかに適正な給与を支払うことが重要かというのは、転職や失踪のリスクを減らすためでもあるのです。
職場環境の改善
地方の企業において、受け入れ側が外国人に慣れていないため、壁を作って職場環境が悪化することがよくあります。これに対処するには、受け入れ側が慣れる必要があります。職場環境は各企業ごとに、さまざまです。経営者がとても立派な方だったとしても、現場で働く人に質の悪い人がいれば、外国人労働者は、それも職場環境が悪い要因だと感じてしまいます。中には、外国人労働者に対して暴言を吐いたり、差別的な扱いやいじめを行うケースもあります。あろうことか外国人に対して暴力を振う人もいます。これらは到底許されることではありません。
近年、日本人の若い世代に対して、上司がきつく注意すると辞めてしまうので、優しく話すように対策をしている企業もあります。暴力行為は問題外ですが、日本人の若い世代と同じように、外国人労働者に対しても、優しい言葉と口調で話さないと、職場環境が悪いと感じて辞めてしまう原因になってしまうので、注意が必要です。定期的なヒアリングを行う
例えば、月に1回程度の定期的な話し合いの場を設けることも有効です。そこでは、困ったことや職場への要望、仕事の悩みなどを聞く場にすると、意外な情報が得られることがあります。また、日本で働く決意を持って来日した人でも、慣れない環境やコミュニケーションの壁に不安を感じることがあります。そういう人たちに向けてもヒアリングを行うことは、ストレスの解消や心のケアにつながり、生活の安心感を高めることにもつながります。
ヒアリングは母国語で通訳をしながら行う
ヒアリングを行う際は、母国語を話せる人で対応するのが理想的です。例えば、ミャンマー人の場合はミャンマー語を話せる職員がヒアリングするのが理想的です。というのも、日本人に対しては壁を感じて、心を開かずに本当のことを話さない人もいるからです。同じ母国の通訳がいると共感できて安心感が生まれ、言いづらいことも話してくれたりもします。
日本語が上手な外国人ですら、複雑な悩みを正確に表現するのが難しいと言われます。そのため、ヒアリングの途中でも説明が難しいと感じて諦めてしまうこともあります。せっかくのチャンスが活かされないままになってしまうのです。
もしミャンマー人を雇い入れている企業で社内に通訳がいない場合は、弊社に遠慮なくご相談ください。弊社はそういう不具合が起きないように、全国各地にミャンマー人通訳を配置しています。受け入れ側と外国人労働者の架け橋としてご利用ください。対応は迅速に
ヒアリングを行った際に、受け入れ企業の問題点が浮かび上がった場合、離職や失踪を防ぐためには、即座に対策を講じることがとても重要です。残念ながら、問題点を把握していても、それを放置してしまうケースが多いのが実情です。迅速に対策を行うことで、外国人労働者と受け入れ企業との信頼関係も向上します。
中にはすぐ対処できない問題もあります。例えば給与に関する問題、特に残業代についての問題が挙げられます。現在の日本の労働基準法では、残業時間を1分単位で計算します。しかし、実際にはサービス残業が存在する企業も多く、給与が正しく支払われない事例が見受けられます。こうした企業は組織の仕組みを変える必要がありますが、その過程には時間がかかり、担当者が社長に進言しても怒られるといった理由から、対策を怠るケースもあります。
こうした難しい問題に直面しても、またどんなに小さな問題でも、見過ごさず迅速に対策を講じることが重要です。こうすることによって、大きな問題に発展しそうなことを防ぐことができます。幸せを感じられるように
受け入れ企業が外国人労働者をとりまくさまざまな問題に対処しなければ、外国人労働者は苦痛を感じるばかりです。外国人が日本で働く理由の根源には、幸せになりたいという願いがあります。弊社では、日本で働くすべてのミャンマー人が充実感ややりがいを持ち、幸せを感じる職場環境を提供したいと考えています。これは、働く個人だけでなく、母国で待つ家族にも安心感をもたらすことにつながります。この使命を果たすことが私たちの責務です。
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2024.12.19外国人労働者のミスマッチが起こる原因とは
外国人労働者雇用のミスマッチが起こる原因とは
全体を通してお伝えしたいのは、日本の将来において外国人労働者の存在が重要であるということです。しかし、現実には外国人労働者の受け入れには多くの課題や問題が存在していて簡単に進んでいるわけではありません。特に、不法残留や不法就労、技能実習生の失踪などが増加していて、これらは時折ニュースでも取りざたされるほどの社会的な注目を集めています。
これらの問題の背景には、外国人労働者への低賃金や過酷な労働環境、言語や文化の壁などがあって、それとはまた別に、雇用主や受け入れ側の認識不足も一因として挙げられます。
では、このような問題がなぜ起こるのでしょうか。
日本の将来にとって外国人労働者の存在が重要であるとはいえ、現実を見ると、外国人労働者の受け入れに関してはさまざまな課題や問題点があります。まず低賃金に関して言えば、これまで定量的に検証されてきたわけではないものの、独立行政法人 労働政策研究・研修機構発行『外国人労働者と日本人労働者の賃金格差―賃金構造基本統計調査の分析から』に見解が発表されています。 この発表を要約すると、外国人労働者の若年化と勤続年数の短さに加えて、彼らが労働市場において不利な処遇を受けていることが主な要因とされています。不利な処遇とは、技能実習生の雇用が最低賃金を基準としていることが多いこと、受け入れ後に就労先の企業変更が原則できないという制度上の制約によって、企業と対等な労使関係が築きにくいということが挙げられます。さらに、外国人労働者の雇用形態が無期限の正規雇用ではなく、中小企業での就労が多いことから、全体の賃金水準の引き下げにつながっている可能性があります。
さらに、日本型雇用である年功序列型の賃金システムも、低賃金を促進しているとの指摘があります。このシステムでは、勤続年数や職能が賃金の基準となりますが、技能実習生の場合は在留期間が決まっているため、賃金がさほど上がらないまま期間が終わってしまうことも、賃金水準が変わりにくい要因に挙げられています。
過酷な労働環境に関しては、外国人労働者を求める現場が慢性的な人材不足に苦しんでいることも影響しています。
そもそも人材不足の業界は、長時間労働であったり重労働であることが多く、日本人でさえも就労意欲を持つ人は少なく、慢性的な労働者不足で離職率も高い傾向にあります。
このような業界では、外国人の雇用以前に、まず過酷な労働環境の改善が必要です。
一方で、コミュニケーションの壁は、技能実習生に限らず、外国人労働者全般の課題でもあります。日本では、まだまだ日本語でのコミュニケーションを求める企業が主流です。
そのため、日本語力不足により日本人社員との意思疎通に苦労する外国人労働者が少なくありません。外国人労働者を巡るミスマッチ
外国人労働者を雇用することは、日本人労働者を雇用するよりも難しいと言われていますが、将来を考えれば避けられない課題です。そのため、雇用のミスマッチについて、どのように回避や対応ができるかを事前に考えておくことが重要です。雇用のミスマッチの大部分は、双方のニーズの違いから起こっています。
例えば、求人と求職の需要のミスマッチで言うと、受け入れ側が求める職種と外国人労働者が求める業種や職種の需要が一致していないことから起こります。受け入れ側が求めるスキルや経験と求職者が持っているものの不一致などからも起こったりします。また雇い入れ側の採用活動や組織風土と求職者側の性格や意欲の相性なども挙げられます。
そういう中から、ミスマッチの代表的事例をいくつかご紹介していきます。
条件でのミスマッチ 外国人労働者受け入れにおいてよく見られる問題のひとつが、条件でのミスマッチです。
この問題の原因は、受け入れ側の情報提供不足と、外国人労働者自身の情報把握力不足にあります。受け入れ側の情報提供不足とは、外国人労働者に求める能力や経験、年齢などの条件が十分かつ明確に提示されていないことです。日本人でさえ取り違えることがあるわけですから、異なる文化・習慣を持つ外国人労働者に対しては、十分すぎるくらい情報の提供が必要です。そうしないと、入社後に「思っていた内容と違う」といったトラブルが発生するリスクが高まります。
また、受け入れ側からの情報が不足していると、外国人労働者自身も自分の職歴や経験で対応できるか判断がつきにくくなり、誤った応募をすることがあります。その結果、求職者のレベルや経験が受け入れ側の期待と異なることになり、両者の条件ミスマッチが生じてしまいます。
性格・意欲のミスマッチ 受け入れ側が期待する性格や意欲と、外国人労働者が持つ価値観の違いによるミスマッチもあります。
外国人労働者の持つ価値観は、それぞれの国の文化や法律、宗教、商習慣などから育まれたものです。地域ごとに文化や習慣が異なるため、外国人労働者が持つ価値観も多様であることを受け入れ側は認識することが重要です。また、外国人労働者の性格や意欲も、彼らの価値観に基づいています。そうして考えると、出身国や地域によって性格や意欲の傾向が異なることは自然なことです。
こうした中で、受け入れ側が自社の文化や習慣を押し付けることは避けるべきです。自分の出身国や地域を否定されることは、誰にとっても不快なものです。特に、外国人労働者には愛国心の強い人が多いため、そのような対応は組織や人間関係の不満や不信感を招く可能性があります。
収入が安定するまでに起こるミスマッチ 技能実習生や特定技能外国人の場合、日本で働くためには送り出し機関や日本語学校などに支払う費用がかかります。
費用負担が少ないミャンマー・ユニティでは起こりませんが、ベトナムなどの他国から、多額の借金をして日本に働きに来る場合が多く、収入のほとんどが借金返済に消えてしまうケースが見られます。また、滞在には生活費やさまざまな費用がかかるため、収入が安定するまでには時間がかかります。そのような状況でミスマッチが起きると、特に技能実習生の場合は転職が許されていないため、困難に直面することになります。特定技能外国人においても、転職は原則として自由ですが、実際には在留資格の変更に数ヶ月かかるなど、困ったときに自由自在に転職できるわけではありません。 -
2024.12.19日本の職場環境の将来はIT化だけでは救えない!?
日本の職場環境の将来はIT化だけでは救えない!?
多くの業界で進むIT化、ロボット化、AI化は人手不足を解消する一環として推進されていますが、すべての業務がこれらITに置き換え可能とは限りません。介護や保育など、人の手が欠かせない仕事は依然として存在します。そのような業務を機械やプログラムに委ねることに対して、多くの人々が心理的な抵抗感を持つのは自然なことでしょう。
このような現状を考慮すると、人の手が依然として必要不可欠であるという結論に至ります。つまり、IT化が進展しても、人手不足を完全に解消することは難しいということです。
人材不足問題が解消されない場合、その影響は直接利用者に及びます。特に介護の分野では、専門の介護人員が不足しており、その補完を家族や身近な人が行うことが増えていきます。このような状況下で労働力が家庭に取られると、社会全体の労働力が不足し問題が解決されにくくなります。外国人労働者の確保がもたらす未来の日本
外国人労働者を受け入れることによって企業は人材不足の悩みから解放され、事業を円滑に進めることができます。従業員同士が業務負担を分担し、人手不足によって滞っていた業務も適切に処理されるようになって、生産性が向上するでしょう。それは企業、労働者双方にとても有益なことです。人材における業務負担が減ることで、労働者が求めるライフワークバランスに合った労働環境を提供できることにもつながっていきます。
こうした労働環境の改善は、労働者の定着率をアップし、離職率も減少していくはずです。
企業の観点から見れば、人材不足による倒産リスクが軽減され、消費者も人材不足による影響を受けることがなくなります。社会全体を見渡しても、外国人労働者の受け入れは経済の活性化につながっていきます。彼らが日本で働くことは、消費者としての役割も果たすことを意味します。少子化による消費者数の減少や需要と供給のバランスの崩れといった課題に対し、外国人労働者がバランスを取り戻す一助となってくれます。未来を明るくするためには早急な人材確保が必須
日本の未来を明るくするカギは、外国人労働者の受け入れにあると言っても過言ではありません。
都市部はもちろん、地域社会の経済の活性化を生み、経済悪化に歯止めをかけてくれます。
もはや外国人労働者がいないと何も解決しないというのが現状で、外国人労働者は今の日本において極めて必要不可欠な存在と言えるでしょう。 -
2024.12.19日本の危機的状況を救う外国人労働者の確保が難しくなっている!?
危機的状況を救う外国人労働者の確保が難しくなっている
日本に出稼ぎに行く魅力がなくなってきた これまで日本が出稼ぎ国として魅力的な国だったのは確かです。治安の良さや安全面の確保、そしてそれに加えてまともな収入が得られる点が多くの外国人を惹きつけていました。しかし、最近では急激な円安や他国の経済成長という要素が影響して収入面での魅力が減少しています。外国人労働者にとって収入が減少すると、その国への魅力も自然と低下してしまいます。
世界的に優秀な人材確保の競争が激化! さらに世界ではもっと大変なことが起こっています。先進国では高齢化と少子化が進行して、いずれの国も自国の生産労働人口だけでは十分な労働力が得られないため、海外の優秀な人材を確保する必要が出てきています。まさに日本と変わらない状況の中で何が引き起こされているかというと、各国共に、外国人労働者を増やすことが求められていて、世界的な人材争奪戦が起こっています。
かつて日本は高収入を得られる魅力的な国でしたが、2010年に中国が日本のGDPを追い抜き、国の経済力で見ると中国は世界第2位となり日本を抜いています。さらに内閣府が2024年2月15日に発表した内容によると1位アメリカ、2位中国、3位ドイツ、そして4位が日本です。長年にわたって続いたデフレと低成長、そして円安の影響もあり、人口が日本のほぼ3分の2のドイツにも抜かれてしまいました。アジア諸国も経済成長が著しく、ベトナムやフィリピンでは自国での収入水準が向上し、働き口も増えています。
そういった状況の中で、日本で働く必要性が減少しています。また、英語を話せる国の人々は日本語を学ぶコストや労力を考えると、英語圏で高収入を得られる場所での就労を望むのは当たり前のことです。
日本の中では、外国人労働者の受け入れ拡大が議論されてはいても、円安の影響などから外国人労働者がより多くの収入を得ることが難しく、欧米やシンガポールなど給与が高い国に目が向いています。また円安は、日本で得た収入を母国に送金する際に損失が生じることもあって、外国人労働者が日本で働くメリットが減少しています。
日本が外国人労働者を確保しようと思っても、起こっている問題が社会経済の全体に関わるものなので、経済状況の改善や円安対策など、簡単に解決する内容ではありません。外国人労働者を増やしていくには魅力的な労働環境を整備することがとても大切なことになっています。
介護分野など人手不足が深刻化する分野では、欧米との賃金格差が海外人材の選択に影響を与えています。このような状況を踏まえて、日本は外国人労働者をどのように確保していくかを真剣に考える時期が来ていると思います。日本の優秀な人材が他国に流れている
逆の視点から見ていきます。2023年の外務省の『海外在留邦人数調査統計』によれば、2022年に日本から海外へ行き、そこで永住者となった人数は過去最高の57万4000人を超えました。永住先の上位は、米国をトップに中国、オーストラリア、カナダ、イギリスといった英語圏が中心です(図8)。 それだけではなく、雇用の方法もあるようです。欧米は日本のようなメンバーシップ型雇用よりもジョブ型雇用が一般的です。メンバーシップ型雇用では人材に職務を与えるのが基本ですが、人材が持つスキルに焦点を当て職務を充てるのがジョブ型雇用です。
近年は、日本でもジョブ型雇用が増えつつあるものの、賃金に反映されているかといえば微妙なところです。欧米型ジョブ雇用では業務内容や権限などの役割といったグレードで賃金が決まりますが、日本企業ではそうした評価制度よりも、勤務年数や業務内容などの総合評価で賃金が決まる仕組みが残っているため、職務と賃金が連動しないことが多いようです。
国内の優秀な人材が欧米などに流出してしまう背景には、こうした欧米型のジョブ型雇用に魅了されるのはやむを得ないかもしれません。出身国に関係なく活躍でき、さらに日本国内で働くよりも賃金アップも可能だとしたら、誰もが憧れるはずです。2023年10月17日に放送された報道番組「堀潤モーニングFLAG」では、工場勤務をしていた青年がワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアで働き、手取り月収が約25万円から約80万円に増加したという話が紹介されました。このような例からも、高度なスキルを持つ優秀な人材であれば、日本での働き方に疑問を持つ可能性が示唆されています。業務内容は金属の部品加工だそうです。いわゆる高学歴でなくても、これだけの収入アップが見込めるのですから、高度なスキルを持つ優秀な人材なら、なおさら日本で働くことに意味を見出せなくなっているかもしれません。
日本人でさえ海外に魅力を見出しているのですから、もとから英語でのコミュニケーションに問題のないフィリピン人をはじめとした国の人材は日本を選ばずに英語圏に行くのは当然かもしれません。昔からの古い考え方である、「日本だったら選ばれるだろう」という安易な考えは、もはや楽観視以外の何物でもありません。ミャンマー人にとって日本は有益性の高い円高国
さらに、日本の労働環境や生活面において、外国人労働者からの不満の声が高まっています。 労働環境では実力や成果に応じた報酬が少なく、年功序列が基本的な報酬体系として採用されている企業が多いことが問題です。さらに、定められた就労時間を超えて残業が多く、職務範囲を示すジョブディスクリプション(担当する職務内容を詳しく記載した文書のこと)が明確にされていないことも不満の一因です。 生活面では、外国語が通じないことが大きな課題です。日本ではほとんどの場所で英語を含む外国語が使えなくて、日本語が必須です。この言語の壁は、生活だけでなく職場でも同様で、外国人労働者にとって大きな障壁となっています。 これらの要因が重なると、賃金の低い日本での労働や生活をしたいと期待する外国人労働者が果たしてどのくらいいるでしょうか。しかし、このような状況下でも日本に高い関心を示している国があります。それがミャンマーです。 ミャンマー人にとって日本は、馴染みやすい文化や言語を持つ国であることは、第1章で触れた通りですが、その他にも来日するメリットが数多くあります。他国では日本は円安国とされていますが、ミャンマーにとってはまだまだ円高国であるという点が挙げられます。これは、ミャンマーの国内事情に関連しています。 政変が起きたミャンマーでは、貨幣価値が対米ドルで1/3にまで暴落した影響で、超円安の日本であっても、国内の数十倍稼げる状況にあります。しかもその貨幣価値の暴落は、今もまだ続いていて、優秀な若者ほど日本で働き口を探したいという気持ちに変わりはありません。
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2024.12.19日本で起こっている人材不足の問題点と将来への懸念
国内の労働力確保が困難
現在の日本は、人口の減少、高齢化、そして少子化が進行しており、自国内だけで人材を確保するのが困難な状況であることは明らかです。
しかし、少子高齢化は留まるところを知らず、この状況を打開するには、外国人労働者の労働力に頼ることは避けられません。現状ですら、外国人労働者の力を借りずに日本の労働力を維持・強化することは不可能と言えるほど、あらゆる業界で外国人労働者の存在は必要不可欠とされています。
この状況をリアルに語ってくれるデータがいくつかあるので、それを見ながら理解を深めていきたいと思います。そこから見えてくるのは、人口減少と高齢化問題の同時進行が生産年齢人口の減少を招き、日本の経済危機を増幅していることです。人口の減少と高齢化の同時進行で
労働力不足が避けられない予測すら見えにくい人口減少 2023年、厚生労働省が2070年の人口予測を発表しました(図4)。 そのグラフを見ると、人口減少の曲線が増加に転じる希望は全く見えません。2065年頃には、日本の総人口が1億人を割り込む可能性も予測されています。この2065年という時期は、遠い将来に感じられるかもしれませんが、この予測はコロナ禍の影響が考慮されておらず、将来の不確実性もあります。そのため、予測が前倒しになる可能性もあるのです。
この人口減少の規模感をご理解いただくために、将来の減少が予測される約2500万人ほどで考えてみます。これはどのくらいの規模だと思われますか。現在、九州の人口が約1400万人、北海道は約530万人、四国は約370万人であることを考えると、九州、北海道、四国の人々が約30年間で消え去るというイメージです。
経済を支える生産年齢人口の減少 人口が減るということは同時に、経済を支える要ともいえる生産年齢人口も減っていくということです。厚生労働省発表の「日本の人口ピラミッドの変化」(図5)から生産年齢人口を探ってみます。 2020年の生産年齢人口は7509万人で、総人口に占める割合は60%です。しかし、2 0 4 0 年には6 2 1 3 万人、2070年には4535万人と予測されています。つまり、2 0 7 0 年までに2974万人もの労働力が失われることになります。
世界1位の高齢化率 では、世界的に見て日本の高齢化率はどの程度なのかを見ていきます(図6)。 2040年半ばには韓国の高齢化率が高くなると予測されていますが、現時点で日本は世界1位となっています。人口が突出して多い団塊の世代(1947~49年生まれ) の方々がすべて75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%になると推計されています。
待ったなしの介護職員不足 これを受けて厚生労働省は、特に介護分野について2025年には32万人、2040年には69万人の介護職員不足になると推計しています(図7)。 さらに2040年には介護職員の必要な数は約280万人とふくれあがって、69万人の介護職員不足になると推計しています。高齢者の介護ができる人材確保の必要性は待ったなしの状況です。加速化する少子化問題
海外労働者に頼らないと解決しない別の課題が「人口ピラミッドの変化」(図5)から見えてきます。それは少子化問題です。2020年には14歳以下の人口が1503万人でしたが、2070年にはその数が797万人まで減少し、ほぼ半分近くになると予測されています。
こうした少子化による人口減少は、労働力不足を引き起こし、それが経済の停滞につながる可能性を物語っています。これまで国はさまざまな対策を講じてきました。しかし、一時的な効果しか得られず、人口を増やすどころか維持すら難しい状況で、出生率の低下を止めることは難しいままのようです。
女性の社会進出によって、結婚や出産が以前ほど当たり前ではなくなったことも、少子化の原因のひとつに考えられています。個人の幸せのあり方として、結婚や出産を望まない選択を多くの女性が受け入れるようになったことが影響しているのかもしれません。
その変化の背景には、仕事と子育ての両立の難しさ、高学歴化、子育ての負担増、経済的不安定などが挙げられます。さらに、社会経済そのものが、コロナ禍を経て、コロナ禍以前に戻るのではなく、なぜかそのままリストラや雇い止めの増加、物価上昇など、収入の増加の見込みが低い中で支出が増える状況を生み出しています。その結果、若い女性たちは結婚や子どもを持つ意欲を失っているように見受けられます。
もっと他に、少子化による人口減少対策の打つ手はないのでしょうか。国の施策が待たれるところです。労働力不足は社会のあらゆる基盤を揺るがす
少子高齢化による日本の未来を担う生産年齢人口(15歳~64歳)の減少に対し、政府はこれに対処するため、高齢者の雇用促進や女性の活躍の場の提供などさまざまな施策を実施してきました。また、IT化やオートメーション化など人手に頼らない仕組みも取り入れてきましたが、これらも限界があります。生産年齢人口が増えなければ、これらの施策も一時しのぎに過ぎません。しかも人材不足問題が引き起こすものは、単に労働力不足だけではありません。社会のあらゆる基盤を揺るがし、国民の暮らしに大きな損害を与える可能性があります。医療、教育、物流、公共交通機関など、多くのサービスや設備は、提供する人やそれを支える人が不足すれば安定的に受けられなくなります。例えば医療であれば、提供する人は医師であり、それを支える人は看護師や薬剤師、医療メーカー、病院の事務員、病院を清潔に保つ清掃員などたくさんいます。ところが、それらの人が少なくなれば、安定的にサービスを受けることが難しくなります。それどころか、そのサービスや設備、制度が失われてしまう可能性もあります。
一方で、介護施設の需要は高まっています。高齢になるほど介護を必要とする人が増えるため、介護サービスの拡充や施設の増加が求められます。しかし、介護業界は慢性的な人材不足(図7)に悩まされていて、これが少子化の影響でさらに深刻化しています。このような状況下では、サービスの提供に関する問題が解決するとは思えません。社会全体に影響を及ぼすのではないかと危惧しています。もはや外国人労働者がいないという選択肢は日本にはない
人材不足を補うために介護施設でもロボットを導入したらどうかという考え方もありますが、実際には導入費用や運用のための教育が必要であり、すべての施設で即座に導入することは困難を極めます。また、介護には一律のアプローチではなく、個々の状況に応じた配慮が必要です。
被介護者の中には、皮膚が弱くなり、力の込め方や触れる場所といった触り方を間違えただけで皮膚が傷ついたり剥がれたりしてしまうような高齢者も多くいます。それだけでなく、その方の症状や体調などは日々変化するものですから、症状や体調などを都度、コミュニケーションを取るなどして把握し、個別に適切な判断を下してこそ適切な世話ができるものです。それらをロボットが相応に対処できるかといえば、今すぐには到底無理な話で、まだまだ人の手が必要な領域です。たとえロボットに置き換えられたとしても安定したサービスの提供にはほど遠く、完全な介護サービスのロボット化は現実的には難しいと思います。こうした人口減少と少子高齢化が進む中、もはや外国人労働者を雇うことなく運営できる産業は日本にはほとんどないのではないでしょうか。
特に介護などの人手不足が深刻な業界では、労働者が集まらないことにより、違法な斡旋業者に頼ることになるリスクもあります。観光ビザで来日させ、オーバーステイで働かせるといった違法な手段をとるところも出てくるかもしれません。
外国人労働者の問題に直面したら、ただやみくもに実行するのではなく、まず正規の手続きに基づいて対処することが重要です。悩む前に、専門の会社に相談することが必要でしょう。そのためにも、業界の事情を熟知した弊社のような外国人労働者送り出し機関に頼って、解決していくことをお勧めします。 -
2024.12.19ミャンマー人が日本で働きたい理由とミャンマーユニティのサポート体制
ミャンマー人が日本で働きたい理由
ミャンマーでは海外で働きたい人がものすごく増えています。その中でも日本の人気が一番高いと言われています。文化、宗教、国民性が日本人と似ているというのが大きな理由のひとつです。ミャンマーは仏教国で国民の9割が敬虔な仏教徒です。日本人は多宗教国家ですが仏教徒も多く、日本で働きたいと思っているミャンマー人にとっても、日本は異教徒の国ではないという捉え方をしています。 またミャンマー人は、現世で徳を積むという考え方を持っています。このあたりが日本人と似ています。日本で言う「一日一善」という考えです。それはミャンマー人にとって現世で徳を積むという考え(積善(せきぜん))に似ていると言われます。 ミャンマー人は、非常に心が純粋で真面目な性格であり、「現世で徳を積まなければならない」ことから、悪いことをすると徳を積むことに逆行することになるため、日本並みに犯罪が少ない国でもあります。 また、ミャンマー人の国民性については、非常におとなしくて控えめなところが日本人に似ていると言われます。 さらに、ミャンマー人は日本語の上達が早いとも言われます。その理由は日本語とミャンマー語の文法がとても似ているからです。S:主語 → O:目的語 → V:動詞の語順が同じで、かつ助詞も使うことから、単語さえ覚えればある程度日本語の文章ができあがるのです。 つまり、ミャンマー人にとって日本語は最も覚えやすい外国語であり、英語を勉強するよりも日本語の方が取り組みやすいのです。 こうした文化、宗教、国民性、覚えやすい言語など接点が多いこと。それだけでなく、まわりに親日家が多いのもミャンマー人が日本に馴染みやすく、働きたいという思いを持つ理由だと考えています。
ミャンマー・ユニティが企業・団体から必要とされること
外国人労働者を雇い入れるには、企業側にも準備が必要です。雇用計画を立てて求人内容を固めたり、計画に則して受け入れの準備を行ったり、などなど。そして外国人労働者を迎えるにはさまざまな規定や規律があるため、規定を無視した企業や団体にはペナルティが課されるケースもあります。 ペナルティの内容は、不正が行われた事柄によって異なりますが、技能実習生の受け入れが一定期間停止になる、または悪質と判断された場合には不法就労助長罪が適用され、経営者が逮捕されたり、罰金が課されたりすることもあります。 初めて外国人労働者を受け入れる企業や団体には、受け入れのためのノウハウが蓄えられていません。しかし、アドバイスやフォローを受けられるところがあればこのような失敗を最小限に抑えることができます。 送り出し機関では、雇い入れ企業や団体に対して直接的な働きかけをすることはほぼありませんが、企業と人材を仲介する団体と円滑に連携し、フォローアップを行うよう努めております。こうしたノウハウは、送り出した人数に比例して培われていくものです。その点で弊社は前述した通り、これまで6600人を超えるミャンマー人材を送り出し、2位に2・4倍の差を誇る圧倒的なミャンマー人送り出し機関最大手の企業ですから、他の送り出し機関よりも多くの経験とノウハウを元にフォローアップが可能となっています。
送り出し機関としてのサポート体制
弊社を活用いただくメリットは、大きくふたつあります。ひとつは、先ほど伝えたミャンマー人に対する日本語や文化といった教育面のサポート。もうひとつは、受け入れに関して必要となる書類作成や面談についてのサポートです。 教育のサポートでは、業務に支障がないレベルの日本語が話せるようになることの他に、社会生活を送るのに困らないレベルまで日本文化への理解度を上げることも行っています。 書類作成のサポートでは、技能実習生の場合は外国人技能実習機構、特定技能の場合は入国管理局への提出書類がとても難解なため、不備不足がなく書類をそろえられるようにミャンマーと日本の両国でバックアップしています。また、面接に関しても、日本で働こうとしているミャンマー人と雇い入れたい日本の企業の間で、どういった流れでどのような面接を行えばいいのかといった打ち合わせなどもしています。 ミャンマー・ユニティはミャンマーと日本の両国で多くのスタッフを抱えています。それぞれで日本語能力の高いミャンマー人スタッフが多く在籍しているため、日本側が求めることに対して柔軟に対応できること、お問い合わせやご相談に対して早くレスポンスできること、そして必ず納期や約束を守ることによって、日本人のビジネス習慣として違和感が全くない対応ができることなどが弊社の優位点として挙げられます。 多くのスタッフがいれば、リソースに余裕を持って企業や団体、あるいはミャンマー人労働者と向き合えます。何か困り事があったときに、相談しようとメールを送っても返事がなかなか来ないようでは、送った側としては不安になります。しかし、どのような内容であってもすぐにレスポンスがあれば安心です。 さらに言えば、日本に駐在するスタッフが多ければ、そのぶんひとつひとつのトラブルに対しても丁寧に対応できます。やはりこれも安心感につながります。 日本における駐在スタッフについては、日本で働くミャンマー人に対して入国時・緊急時等の通訳や生活指導などを行う日本駐在指導部と、事務その他のサポートを行う日本駐 在サポート部が日本の監理団体様、人材会社様、登録支援機関様、そして受け入れ企業様を手厚くサポートしています。 ミャンマー人は、日本人のように大変勤勉で、指示されたことに素直に応じる協調性の高い国民性を持っており、共に働く日本人や日本企業との相性が良いのは繰り返し伝えている通りです。そうした国民性を活かせれば、雇い入れる企業にとっては非常に心強い仕事仲間になります。
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2024.12.19ミャンマー・ユニティの設立の経緯
ミャンマー・ユニティの設立の経緯
2013年5月27日、私たちの「ミャンマー人に雇用の機会を与えたい」との思いから、ミャンマー・ユニティを設立することになりました。なぜ、私たちが設立に至ったのか、その理由は、ミャンマーを訪れた際に目にした現地で働く人々の実情でした。
当時のミャンマーは、政権交代や民政移管などが行われたこともあり、社会情勢が不安定で、働きたくても働き口がない状況でした。
国内の優秀な若者たちですら働き口の門戸が狭くなっていて、いくら大学や専門学校で高度な知識や技能を学んでいても、それを活かせる職に就きにくくなっていました。そのような背景があり、自らの能力を発揮させたい優秀な若者たちは、国内での就職を断念して家族と離れて海外へ働きに行かなければならない、という辛い現実の中にいました。
当時ミャンマーにはまだ日系企業が多くは進出していなかったことなどもあり、「だったら日本で働く機会を与えてあげる方法はないものか」と考えたことが、ミャンマー・ユニティをスタートさせるきっかけでした。
さらに確信を得たのがミャンマー人と密接に関わるようになって知った国民性です。道に迷っているわけでもないのに「どこに行きたいの? 大丈夫? 助けましょうか?」と気さくに話しかけてくれる真面目な性格。それに加えて、彼らの勤勉さや優秀さ、親しみやすさ。そして、人のために何かしてあげようという国民性は、私たち日本人にも共通する部分が多いと実感することができました。
この頃の日本はすでに人材不足の影響が出始めており、海外から技能実習生という形で中国やベトナムなどから人材を受け入れている企業もありました。ミャンマー人の役に立つのであれば、企業が外国人労働者を受け入れるその仕組みを活用しようと決意したのです。こうしたミャンマー・ユニティの企業としての始動によって、数多くのミャンマー人が日本で働き口を見出すことができるようになりました。
そして設立から2年後の2015年5月11日、最初の技能実習生を日本に送り出すことができました。それから年々送り出し人数は増え続け、累計で6600人を越えています。
また、MOEAF(ミャンマー送り出し機関協会)で公開された2022年3月1日から2023年9月4日までの、送り出し機関別のデマンドレター申請件数情報によると、ミャンマー・ユニティが首位で2506名、第2位の企業は1054名と、約2・4倍の差で圧倒的最大手となっています。
ミャンマーからの送り出し機関としては、ミャンマー政府はもとより、ミャンマー人からも大きな信頼を得られていて、2019年にはミャンマー人を送り出した機関としてミャンマー政府の労働大臣より表彰も受けています。どこも真似できないミャンマー・ユニティの徹底した日本語教育法
なぜ、ここまでミャンマー・ユニティが高い実績を誇れるのか。その背景には、私たちがミャンマー人の気持ちに寄り添い、さまざまな教育を行っていることが挙げられます。
日本語によるコミュニケーションができないと、日本ではいろんな支障が起こります。
特にミャンマー・ユニティが実施する技能実習生に対する教育では、日本人の日本語教師による、生の日本語の会話教育を、N5コース終了後の生徒に対して毎日実施しています。
現地などの日本語教師が教えた場合、若干発音が下手だったり、文法がちょっと間違っていたりということがあるため、偏った日本語を身につけてしまいかねません。ただ単に日本語で読み書きができるということではなく、日本語によるコミュニケーション力、つまり日本人が喋っている日本語を正しく理解し、それに対して日本語で返せる能力をちゃんと身につけてもらう。日本での生活、仕事に支障が出ないよう、日本人教師にこだわり、生の日本語をしっかり教育するということを念入りに行っています。
私たちのように日本人の日本語教師を雇って徹底して日本語の会話教育を行っている会社は、世界中どこを探してもないかもしれません。というのも、これはすごくコストがかかるので、誰もが避けたがる方法だからです。でもあえてミャンマー・ユニティでは日本人による日本語教育を行っています。
ここまで私たちが日本語教育を徹底して行っているのは、ミャンマー人のことだけでなく、受け入れ企業の考えにも寄り添いたいという思いを持っているからです。
就労する職業により状況が異なるため一概に言えないところがありますが、日本企業側が日本人並みの日本語力を求めているという傾向があります。あまり外国人労働者を採用してこなかった日本企業、日本の社員の方が多い企業では、日本語がペラペラでないとコミュニケーションが取りづらくなる、と思われることがあるのです。そういった企業側のニーズを満たすためには十分な日本語教育が必要だと理解し、実行しています。 -
2024.12.19日本の人材不足の現状と原因
日本の人材不足の現状と原因
昨今、日本では多くの業界で人材不足の問題が深刻になりつつあることは、さまざまなメディアを通してご存じの方も多いのではないでしょうか。
日本のこの人材不足は、少子高齢化に端を発していることは誰もが理解をするところです。近年、結婚にこだわらない方が増えている他、結婚しても子どもを作らない夫婦や、作ったとしてもその数は少ないのが現実です。そして、その子どもたちが大人になったときもまた同じ現象が起これば少子化は加速するばかりです。図1をご覧ください。内閣府が出している「令和6年版高齢社会白書」(2024年発表)の中で2070年までの生産年齢人口の減少の予測をしていますが、総人口の中の働き手の減少は目を覆うばかりです。
今後、こうした日本の人材不足は国内だけで解消できるのかと問われれば、「難しい」と言うしかありません。弊社の考えでは「無理」と言ってもいいのではないかと考えています。日本の労働力人口(実際に働いている者、または働きたいという意思を持ち、仕事があればすぐに就くことのできる者)を増やすためには、外国人労働者に頼らざるを得ないことは、もはや明白になってきています。
もちろん人材不足解消のために、製造業をはじめ多くの業界でIT化やロボット化といった導入も進んでいます。他にも、女性登用・高齢者登用なども、多くの企業で積極的に取り組んでいます。 しかし、こうした取り組みですべての産業がカバーできるわけではありません。
特定のスキルセットや専門知識が必要な職種では、人の手が不可欠です。
特に、医療や介護、福祉をはじめ、行政、交通、第一次産業、物流などのエッセンシャルワーカーと呼ばれる職種は人の手が必須で、IT化、ロボット化では解決できないことが多いと言われています。また、女性登用や高齢者登用も職種によっては限界があります。
国内のさまざまな産業界で活きる外国人労働者の力
そこで前述した国内で働く外国人労働者の雇用の現状ですが、厚生労働省発表の「日本で働く外国人労働者数の推移」から確認できます。図2がそれです。令和5年12月末時点で国内に滞在する外国人労働者数は200万人を突破しました。
図3を見るとわかるように、今や外国人労働者は国内のさまざまな業界で活躍をしています。こうした数字からも、国内の人材不足を解消するために外国人労働者を雇いたいという日本企業の需要は留まるところを知りません。
しかし、ひとつの企業が外国人労働者を雇い入れるにはさまざまな関門を通り抜ける必要があります。現地での指導を含めた採用から始まり、日本の受け入れ企業も厚生労働省や法務省、関係各省庁が定めた法令やルールにのっとって外国人労働者が日本で働くための準備が必要です。
例えば、受け入れ企業は、在留資格に合った仕事内容でないといけない、言語も文化も違う国の労働者が持つ仕事に対する価値観を理解しないといけない、そして生活面も含めた支援体制を整える必要もあります。
これらのことを雇い入れる側の企業が独自に行うことは、時間も労力も費用もかかりすぎるため、現実的ではありません。特に自社に見合う人材を他国で見つけ出して採用するだけでも、相当に困難です。
そこで、私たちミャンマー・ユニティのような人材送り出し機関の出番となります。
送り出し機関とは、海外から日本国内に技能実習生や特定技能外国人などを受け入れる際、2国間の関係を取り継ぐ役目をする企業のことです。この役目を行うには、双方の国あるいは地域から認定を受けた団体や企業しか送り出し機関になれないという規定もあります。
私たち『ミャンマー・ユニティ』は、その名前にある通り、ミャンマーで人材を募り、日本へ送り出すことを専門にしている機関です。
弊社では、人材不足に悩む企業にとって最適で優秀な人材をミャンマー国内から送り出し、仲介組織を通じて企業の課題解決に貢献していくことを使命としています。
本書では、ミャンマー・ユニティがどのような思いで送り出し機関として活動を続けているのか、またなぜ数ある国の中で弊社がミャンマーに注目したのか、そしてなぜそこまでミャンマー人雇用の推奨にこだわっているのかを具体的にお伝えしていきます。それを知っていただくことで、外国人労働者の雇用を検討している企業担当者様や企業に外国人労働者を仲介している監理団体様、登録支援機関様、あるいは人材紹介会社様などがミャンマー人登用を検討する際の一助となれば幸いです。 -
2024.12.19外国人労働者は英語が話せる?日本語が苦手な相手とのコミュニケーション術
目次
外国人労働者は英語が話せる?
外国人労働者の中には英語を話せる人が一部いますが、外国人労働者の多くを占めるアジア人材の中には英語を話せる人がそれほど多くはありません。
アジアの中でも、シンガポール、フィリピン、マレーシアなどは公用語や準公用語として英語が日常生活やビジネスで幅広く使われているため、流暢に英語を話せる方が多いといえます。
一方、ほとんどのアジアの国では英語を学校で習ってはいるものの、日常生活で使うことはほとんどなく、多くのアジア人材の英語力は日本人の英語力とほぼ変わらないと思っていただいて良いでしょう。
ただ、ミャンマーに関しては、英語を話せる人が少ないというわけではありません。
なぜなら、ミャンマーでは高等教育で英語の教科書を使用するなど、日常的に英語に触れる機会があります。教科書が英語表記となっているため、必然的に英語を習得する必要があり、特に高学歴の方においては結果的に英語能力が自然と身についているわけです。
ミャンマー人材にとって日本語は英語よりも簡単?
日本語が得意な国はアジア圏ではあまりありませんが、ミャンマー人にとって日本語は最も覚えやすい外国語です。
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日本語とミャンマー語は文法の構造が似ているため、ミャンマー人にとって理解しやすい言語と言えるでしょう。主語→目的語→動詞の語順が同じで、かつ助詞も使うことから、単語さえ覚えればある程度日本語の文章ができあがるのです。つまり、ミャンマー人にとって、英語を勉強するよりもむしろ日本語の方が取り組みやすいのです。
日本で働きたいミャンマー人はあらかじめ一定の語学学習を済ませてから来日する他、事前に日本語能力試験に合格してから来日する人もいるなど、言葉の壁を乗り越えるために努力しています。
ミャンマー政府認定圧倒的No.1の送り出し機関として知られるミャンマーユニティーでは日本語・英語のできるミャンマー人材を輩出しているからこそ、気になる方は一度ご相談ください。
日本語が苦手な相手とのコミュニケーション術
ここからは、日本語が苦手な相手とのコミュニケーション術について見ていきましょう。
相手が理解するまで待つ
日本語が苦手な相手と会話する時は、相手が理解するまで待つのが良いでしょう。
相手が理解していないにもかかわらず矢継ぎ早に話しても理解できない部分だけが重なっていくため、嚙み砕いて会話するように心がけるのが良いです。
わからないところがありそうな様子であれば適宜質問する機会を設けるなど、常に疑問を解消できるとうにしておけば、お互いに円滑なコミュニケーションが可能となります。
学習する機会を積極的に設ける
日本語が話せない相手に対しては、自社で日本語研修を行ったり、日本語学校・日本語教室に通えるようサポートしたり、独学で学んでもらったりと学習する機会を積極的に設けることが重要です。
会社・企業が主体となって語学学習を支援することで、本人の日本語力が向上し、日常会話など積極的なコミュニケーションが可能となります。
日常会話レベルにまで到達するまでは根気よくサポートする必要がありますが、アジア人材の中でも特にミャンマー人材は日本語の習得能力に優れているからこそ、着実に成長に繋がるでしょう。
シンプルな単語・文法を使う
シンプルな単語・文法を使うことも、コミュニケーション術としては効果的です。
仮に日本語を覚えるのが得意なミャンマー人であっても、難解な表現を理解するのは簡単ではありません。むしろ、日本人は遠回しな表現をすることがあり、難しさを感じる人も珍しくありません。
単語・文法によっては伝わらないことがあるからこそ、常にシンプルな単語・文法を使うことが求められます。
翻訳アプリ・サイトを用いる
翻訳アプリ・サイトを用いることも、コミュニケーション術としては有効です。
常に日本語が飛び交う現場ではなかなか翻訳アプリ・サイトを用いる機会がありませんが、言語学習のツールとしては便利な機能が備わっています。
例えば、ミャンマー語で伝えたいことを日本語に変換することで、単語の意味や文法の構成などをある程度まで学習できます。職場の人も変換された日本語から何を伝えたいのかがわかるなど、用い方次第で加速度的に交流しやすくなるはずです。受け入れ会社・企業がぶつかる5つの壁
ここからは、受け入れ会社・企業がぶつかる5つの壁について見ていきましょう。
1.価値観の壁
日本人とミャンマー人は似ている面がいくつかあるのですが、どうしてもお互いに歩み寄りが必要なのが価値観の壁です。
仕事に対する価値観、プライベートに対する価値観は人種というよりも人間そのものによって変わるため、お互いに歩み寄る姿勢がないと価値観の相違が生まれます。
場合によってはトラブルの原因となることもあるので、お互いにギャップが生じないよう価値観を尊重する姿勢が求められるでしょう。
2.言葉の壁
やはり、言葉の壁は双方にとって壁となりやすいです。日本語とミャンマー語は文法の構造が似ているため、他の国と比べると理解し合いやすい言語とされています。
それでも、完璧に日本語を話せるミャンマー人は少なく、ミャンマー語を理解できる日本人も多くありません。言葉の壁は仕事をする中でも度々訪れるので、本人が語学学習できるようサポートしたり、翻訳アプリ・サイトを導入したりするのが良いでしょう。
3.定着率の壁
ミャンマー人に限らず、日本で働く外国人労働者には定着率の壁が待っています。会社・企業が受け入れても、定着してくれるかは別の話です。
将来的にずっと働いてもらいたいと考えている場合、職場環境を改善することはもちろん、人間関係なども改善して定着率アップを目指すことが求められるでしょう。
4.文化の壁
外国人労働者との間には、文化の壁があります。育ってきた環境が異なるため、文化の壁があるのは当然ですが、場合によってはトラブルになることがあるので、お互いの文化について理解を深めることが必須です。
5.歴史の壁
外国人労働者との間には、歴史の壁もあります。日本はミャンマーがイギリスの植民地だった第二次世界大戦中、独立するために協力・支援を行った間柄です。
戦後も日本はミャンマーに対して経済的な協力・支援を行うなど、両国の関係は他国と比べても良好に維持されてきたと言えるでしょう。歴史背景を知っておくことでお互いどのような国なのかを知る機会にもなり、より親睦を深められるのではないでしょうか。日本語・英語が話せる外国人労働者を雇う魅力
最後に、日本語・英語が話せる外国人労働者を雇う魅力について見ていきましょう。
事業のグローバル化に繋がる
外国人労働者が日本語・英語両方を話せると、事業のグローバル化に繋がります。日本人は世界で見ても英語が不得意な国民とされますが、ミャンマー人など英語の読み書きができる人材が加われば、よりチームのグローバル化に繋がるはずです。
社内にとって良い刺激になる
社内にとって良い刺激にもなるのも、英語・日本語が話せる外国人労働者を雇う魅力と言えます。日本語がコミュニケーションの主体だったところに英語が入ることで、ミャンマー人材だけでなく日本人材全体の語学力向上にも繋がる可能性があるわけです。
多言語対応で顧客の幅が広がる
多言語対応で顧客の幅が広がるのも、日本語・英語が話せる外国人労働者を雇う魅力と言えます。ビジネスのターゲットが日本人なのか外国人なのかによって変わりますが、多言語対応できれば、自社の商品・サービスを日本のみならず外国にも発信可能です。
まとめ
アジアからの外国人労働者は、英語ができる人が比較的少ないと言えるでしょう。
ただ、ミャンマー人材はアジア人材の中では英語に触れる機会が多く、読み書きのできる人が一定数存在します。日本語に関しても、ミャンマー人にとっては最も理解しやすい言語とされており、語学学習の機会を増やすことでさらにスムーズなコミュニケーションが可能です。
言葉の壁は外国人労働者を受け入れる会社・企業が直面しやすい壁ですが、ミャンマー人材なら比較的円滑にコミュニケーションできるでしょう。
もし外国人労働者の力が必要であれば、ぜひミャンマー人材を募集してみてはいかがでしょうか。 -
2024.12.192024年版ミャンマー人材採用に関するお役立ち記事一覧
目次
- 日本の人材不足の現状と原因
- ミャンマー・ユニティの設立の経緯
- ミャンマー人が日本で働きたい理由とミャンマーユニティのサポート体制
- 日本で起こっている人材不足の問題点と将来への懸念
- 日本の危機的状況を救う外国人労働者の確保が難しくなっている!?
- 日本の職場環境の将来はIT化だけでは救えない!?
- 外国人労働者のミスマッチが起こる原因とは
- ミスマッチによる転職・失踪を防ぐ方法とは
- 日本で就労するための「在留資格」とは
- ミャンマー人労働者の受け入れには「スマートカード」が必須
- 入社に備えての準備(ミャンマー編)
- 入社後のコミュニケーションのキーワードは「共有」
- ダイバーシティ的発想の職場環境へ
- 「育成就労制度」で技能実習制度はどう変わるのか
- 「在留資格別」外国人労働者の受け入れから就労までの流れ
- ミャンマー・ユニティが予測する日本の未来
- ミャンマーは日本の介護業界の救世主となる
- ミャンマー・ユニティが目指す未来
- コラム "大好きなミャンマーで、ミャンマー人のために力の限り、尽くしていきたい"
- コラム すべての困難を乗り越えてミャンマーと日本のために。
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2024.12.17初心者向け!外国人採用フローについて
目次
外国人採用を検討する際に理解しておくべき事項
外国人採用に注目が集まる理由
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労働力の確保
令和5年のデータによれば、日本の総人口は減少傾向にあり、生産年齢人口(15歳から64歳)の減少が顕著です。このような状況下で、企業は安定した生産体制を維持するために、新たに外国人を含む多様な人材確保に向けてさまざまな採用戦略を模索しています。特に、介護や小売・サービスなどの人手不足が深刻な分野では、国内外からの人材確保が喫緊の課題です。そのため、一定の専門性や技能を持つ外国人労働者の存在は、これらの業界や職種にとって不可欠な要素となるでしょう。
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グローバル化の進展
少子高齢化や人口減少による国内市場の縮小を背景に、海外市場に活路を見出す日本企業が増加しています。
現地の言語や文化に対応できる外国人材の採用は、販路開拓の鍵を握る重要な要素です。また、顧客や取引先との円滑なコミュニケーションを可能にし、信頼関係の構築にも寄与するでしょう。さらに、外国人の専門知識や日本の常識にとらわれない視点は、技術革新やビジネス機会の創出を促し、多様な働き方の導入を通じて、社内の活力向上や相互理解を深める好循環が期待されます。 -
国の政策支援
日本政府は、特定技能制度や技能実習制度をはじめ、外国人材の採用を支援するさまざまな政策を導入しています。例えば、「外国人雇用管理アドバイザー制度」では、採用時の不安や雇用後の注意点について、相談や指導を受けることができます。また、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備コース)」では、外国人特有の事情に配慮した就労環境整備に対して助成金を受けることができ、これにより職場定着が促進されることが期待されます。さらに、外国人労働者が働きやすい環境を整えるために、日本語教育支援や多文化理解に関する研修プログラムが提供され、職場への早期適応が支援されています。これらの支援により、企業は適切な雇用管理や法的対応を行いながら、円滑な受け入れ体制を整えることができるでしょう。
外国人増加中
日本で働く外国人労働者数は、2023年10月末時点で約205万人に達し、全雇用者の約3.4%を占めるまでに拡大しています。この増加は、2011~2012年の東日本大震災や2020~2021年の新型コロナウイルスによる影響で一時停滞が見られましたが、2010年代半ば以降には再び伸びが加速しています。
現在、製造業・非製造業を問わず、多くの企業が深刻な人手不足に直面しており、その対応策の一つとして外国人労働者の採用が進んでいます。特に、就労資格を持つ若年層の外国人労働者が多く、彼らの存在が日本の労働市場に新たな活力をもたらしていることは明らかです。そのため、今後も外国人労働者の役割は一層重要性を増すと予測されています。
外国人採用には就労可能な在留資格が必須であること
外国人労働者は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められた在留資格の範囲内において、日本での就労が認められています。
現在、日本には29種類の在留資格があり、在留外国人が取得している資格もさまざまです。そのため、外国人を採用する際には、就労可能な在留資格かどうか、つまり仕事内容がその在留資格による活動制限に適合しているか、さらに在留期間が有効かどうかを必ず確認しなければなりません。
就労可能な在留資格は以下のとおりです。就労資格 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道 就労資格(上陸許可基準の適用あり) 高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能(1号・2号)、技能実習(1号・2号・3号) その他 特定活動…活動内容による就労が許可される場合もある
資格外活動…副業やアルバイトによる就労が許可される場合もある基本的に、在留外国人からの応募があった場合は、面接前に在留資格を確認します。
在留カードを確認することで、在留資格、在留期間、就労制限の有無、資格外活動などを把握し、就労可能な資格かどうかを確認します。また、偽造された在留カードでないかを確認するために、出入国在留管理庁の専用アプリやWEBサイトを活用することも可能です。
特に注意すべき点は、在留カードを確認せずに就労資格のない外国人を雇用してしまった場合、故意ではなくとも、入管法に違反し「不法就労助長罪」に問われる可能性があることです。最悪の場合、逮捕や強制送還のリスクが生じるため、在留資格の活動制限をしっかり理解し、適法に副業などを行えるよう確認を徹底する必要があります。
なお、身分系の在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)には活動制限がないため、職種や業種を問わず就労が可能です。求人募集方法
外国人労働者を採用する際には、仕事内容や給与だけでなく、福利厚生や就労環境についても具体的かつ詳細な情報を提供することが大切です。例えば、住居や医療保険、ビザサポート、キャリア支援などの支援内容を明確にすることで、外国人求職者が日本での就労環境をより理解しやすくなります。
透明性のある情報提供によって、言語や文化の違いに対する不安を軽減し、安心して働ける職場であることをアピールしましょう。
送り出し機関・登録支援機関・監理団体
送り出し機関や登録支援機関・監理団体に依頼することで、採用プロセスの効率化だけでなく、外国人材の長期的な定着や活躍を支援することが可能です。
1. 技能実習生として受け入れる
技能実習生を求める企業から監理団体に対し、求人の申し込みを行います。求人票以外に、ミスマッチ防止のために、職場の写真や動画も準備します。この申込を受けて監理団体は、送り出し機関に対して技能実習生の正式な募集依頼をかけます。
2.特定技能生として受け入れる
海外から来日する外国人のケースとすでに日本に在留している外国人のケースで流れが違います。ここでは、海外から来日する外国人のケースでご紹介します。
企業はまず有料職業紹介事業者である登録支援機関との間で委託契約を結びます。そして企業は有料職業紹介事業者である登録支援機関へ求人の申込を行います。この申込を受けて有料職業紹介事業者である登録支援機関は、送り出し機関に対して特定技能外国人の正式な募集依頼をかけます。
3.技術・人文知識・国際業務として受け入れる
こちらも、海外から来日する外国人のケースとすでに日本に在留している外国人のケースで流れが違います。ここでは海外から来日する外国人のケースでご紹介します。
企業はまず有料職業紹介事業者との間で委託契約を結びます。そして企業は有料職業紹介事業者へ求人の申込を行います。この申込を受けて有料職業紹介事業者は、送り出し機関に対して技術・人文知識・国際業務外国人の正式な募集依頼をかけます。
送り出し機関を選ぶ際には、政府認定であること、フォロー体制の充実度、対応の迅速さやサポートの質など、十分な情報収集を行い、信頼できる機関と連携することが重要です。
※私たちミャンマー・ユニティは、政府認定の圧倒的No.1の正規人材送り出し機関です。ぜひお気軽にご相談ください。
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外国人向け求人サイト
外国人労働者をターゲットとした求人サイトは、企業が特定のスキルやバックグラウンドを持つ人材を効率的に探すために非常に有効です。例えば、高度専門職の在留資格を保有する外国人外国人求職者や、在留資格、特定技能での就労希望者など、ターゲットを絞った求人を掲載することで、採用精度を向上させることができます。また、多言語対応の求人ページによって、応募のハードルが低くなり、より広範な外国人材を惹きつけることができます。さらに、一部の求人サイトでは一次面接代行や応募者のスクリーニングサービスも提供しており、企業は多くの外国人求職者とのやり取りにかかる負担を省き、選考をより効果的に進めることができます。
日本語学校や留学生サポート団体
多くの留学生や外国人技能実習生は日本語学校やサポート団体に登録しています。
これらの機関と連携し、直接求人情報を提供することで、在留外国人の採用のチャンスを広げることができます。例えば、キャリアセミナーや求人説明会の実施、日本語学習支援プログラムの提供など、ターゲット層に合ったアプローチを組み合わせることで、企業のニーズと外国人労働者のマッチングがよりスムーズに行えるでしょう。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアを活用した求人掲載は、手軽でコストが低いため、非常に有効な手段です。SNSを通じて仕事を探している外国人求職者は多く、特にFacebookやLinkedIn、Instagramなどのプラットフォームは広く利用されています。これらのソーシャルメディアで英語や母国語を用いて求人情報を発信することで、海外からの直接応募を促進することができます。また、企業の文化や職場環境を写真や動画で紹介することで、応募者はより具体的に働くイメージを持つことができます。これにより、外国人求職者が企業に対して親近感を抱き、応募のハードルが下がる効果も期待できるでしょう。
ハローワーク
ハローワークには、外国人労働者の採用を支援する専門窓口が設けられており、地域に密着した公共機関として、多くの外国人求職者に利用されています。また、英語や母国語に精通した職員が常駐するハローワークも増えており、外国人向けの求人に関するアドバイスや手続きサポートを受けやすくなっています。さらに、多言語対応の求人票作成サービスや在留資格に基づく求人検索機能を活用することで、外国人求職者への効果的なアプローチが可能となり、採用プロセスをスムーズに進めることができます。
面接から書類手続き
面接
外国人採用の面接では、日本人応募者と同様の基準を適用しつつ、特有の課題に配慮して確認すべき点も多々あります。双方にとって実りある雇用関係を築くための面接を行いましょう。
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日本語能力とコミュニケーション能力の確認
業務上、日本語能力が求められる職場では、応募者の日本語能力を適切に見極めなければなりません。指示の理解や正確な実行、円滑な業務報告が可能かどうかは、職場の業務運営に直結します。
一方で、日本語能力が必須でない職場においても、最低限の意思疎通ができるかの確認は必要です。ただし、応募者の日本語能力だけでなく、コミュニケーション能力全般を評価することで、現場での適応力や実務への貢献が期待できる人材を採用する手助けとなるでしょう。 -
仕事内容への理解と意欲
外国人求職者の中には、勤務地や給与面に重点を置き、応募を決定するケースも見受けられます。そのため、実際の職場環境や仕事内容に対する期待とのギャップが生じることも少なくありません。このようなミスマッチが生じると、早期退職や業務不適応に繋がる恐れもあるため、面接時には、職場での役割や仕事内容が求職者の期待と合致しているかを話し合うことが大切です。特に、「なぜこの仕事を選んだのか」や「どのような点に興味を持っているか」といった質問を通じて、応募者が仕事内容に対してどれだけ理解し、関心を持っているのかを把握し、応募者のモチベーションや適性を見極めましょう。
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前職の退職理由を確認する
外国人応募者に対しても、前職の退職理由を確認することは非常に重要です。退職理由を通じて、仕事に対する姿勢や価値観、さらに行動特性をうかがい知ることができます。この情報は、長期的に安定して働ける人材かどうかを見極めるための重要な判断材料となります。
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転職状況を確認する
外国人求職者が現職を退職していないまま入社予定日に遅れるケースがしばしば見られます。こうした理由から、入社スケジュールに不確定要素がないかを確認するためにも、面接時に現職に退職意向を伝えているか、退職手続きが完了しているかなど、現職の状況についてしっかり確認しましょう。
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文化的な違いへの理解
外国人労働者と日本企業との間で文化的な違いが発生することは少なくありません。特に、日本の職場で重視される「勤務時間の管理」、「上下関係」、「チームプレイ」などに関して、理解にギャップが生じることがあります。そのため、これらの文化的な違いについて、面接前にしっかりと話し合い、応募者との相互理解を深めることが重要です。そのうえで、共生する意思が感じられる応募者を採用することが、雇用後のミスマッチを防ぐ一助となります。
書類手続き
入社前と入社後で必要な書類は異なり、いずれも適切に手続きを行わなければ法的問題が生じる可能性がある重要なプロセスです。
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入社前に必要な書類手続き
・雇用契約書
入社前に正式な雇用契約を結ぶ必要があります。雇用契約書は単なる法的文書にとどまらず、企業と労働者双方の信頼関係を築くための重要なツールです。トラブルを防止するためにも、口約束は避け、外国人労働者が理解しやすい言語(やさしい日本語や母国語)で、勤務条件、ビザに関連する情報、契約期間、更新条件、退職・解雇に関する規定などを可能な限り明確に記載し、雇用契約内容を外国人労働者が理解し、同意が得られるまで丁寧に説明を行いましょう。・在留資格変更許可申請書
企業は、外国人労働者が保有する在留資格が就労可能な資格かどうかを必ず確認します。仮に、仕事内容がその在留資格による活動制限に適合していない場合は、入社前に在留資格変更許可申請を入国管理局にて完了させる必要があります。
申請手続きでは、企業が雇用契約書のコピー、法人登記事項証明書、決算報告書などを用意し、外国人労働者が自立して生活できる雇用条件を満たしていることを証明します。また、外国人労働者本人が在留資格変更許可申請書、在留カード、パスポートなどを持参して入国管理局で手続きを行います。なお、許可が下りるまでに通常1〜2ヶ月かかるため、入社日までに余裕を持って手続きを進めましょう。・その他
原則として、日本人労働者と同様に、雇用保険・社会保険・住民税・所得税・銀行口座開設などの手続きを行います。 -
入社後に必要な書類手続き
・外国人雇用状況届出書
企業は、入国管理局や雇用対策法に基づき、外国人労働者の雇用・離職の際に、氏名や在留資格などをハローワークに届け出ることが義務付けられています。在留カードやパスポートのコピーの提出は不要ですが、外国人雇用状況届出書の記載内容に誤りがあると、企業に対して罰則が科される可能性があります。さらに、届出には期限が設けられているため、申請を忘れずに行いましょう。・所属機関に関する届出書
外国人労働者が特定の在留資格で働く場合、所属機関(企業)は、入社日から14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る必要があります。この届出は、本人の署名があれば企業が代理で提出することも可能です。また、所属機関(企業)の名称や所在地が変更された場合も同様に提出します。・在留期間更新許可申請書
外国人労働者の雇用を継続する場合、在留資格の有効期限が切れる前に、出入国在留管理庁へ期間の更新申請を行います(在留資格の有効期限は1年、3年、5年など個々の状況によって異なる)。申請手続きでは、企業が在職証明書や前年分の給与所得の源泉徴収票などを用意し、外国人労働者が自立して生活できる雇用条件を満たしていることを証明します。また、必要に応じて、労働契約書や会社の決算報告書なども求められる場合があります。また、外国人労働者本人が在留期間更新許可申請書、現在の在留カード、パスポートなどを持参して出入国在留管理庁で手続きを行います。更新手続きを忘れ、在留資格の有効期限が切れたまま働き続けると、不法滞在と見なされ、罰金が科される場合があります。なお、許可が下りるまでに通常2週間から1ヶ月かかりますが、場合によってはさらに時間がかかることもあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。
入社準備
外国人労働者を迎えるための職場環境の整備や文化的な配慮、住居の確保などの支援には、一時的なコストや労力が伴いますが、これらは企業の円滑な業務運営に直結する「未来への投資」と言えるでしょう。
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言語的配慮
日本語は世界でも習得が難しい言語の一つとされています。その複雑さに加え、日本特有の「空気を読む」コミュニケーション文化に戸惑う外国人労働者も少なくありません。そのため、外国人労働者の日本語レベルに応じた研修制度の導入や、基本的な言語サポートを取り入れた体制づくりが必要です。例えば、従来の日本人向けマニュアルをそのまま使用するのではなく、「やさしい日本語」への改訂、そして業界特有の難解な表現や専門用語を避け、簡潔で明確な言葉を用いることで、業務の理解度が向上し、労働者のミスを減らすだけでなく、生産性の向上にもつながるでしょう。
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文化的配慮
外国人労働者の文化や宗教観を尊重することは、職場の調和を保つために重要です。例えば、イスラム教徒であれば、決まった時間にお祈りをする習慣などの宗教的な制約を理解し、必要な配慮が求められます。他にも、食事面での禁忌や食材の制限についての理解、さらに、多文化共生を促進するための研修やワークショップなどの場を設けるなど、外国人労働者と日本人労働者が互いに多様性を認め合える機会を創出することも企業の重要な役割です。
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生活基盤支援
外国人労働者にとって、住居の確保は大きな課題となり得ます。言語の壁や文化的な違いから、賃貸物件の契約に困難を感じるケースも少なくありません。オーナー側が「意思疎通に不安がある」「保証人がいない」などの理由で貸し渋ることもあります。このような問題を解決するため、企業側が「寮・社宅」を提供するほか、「連帯保証人」や「保証会社」を確保するなど、住居面での支援を行うことが理想的です。住居が確保できることで、外国人労働者は生活面での不安を解消し、仕事に集中できる環境が整います。
注意点
日本人労働者と同等の賃金水準
外国人労働者には、日本人労働者と同様に「最低賃金」や「同一労働同一賃金」などの労働法が適用されます。よって、給与や残業代の支払い、福利厚生を含め、企業には法的基準を満たすだけでなく、公平な評価と差別のない待遇を提供する責任があります。これにより、労働者のモチベーションを高めるとともに、定着率の改善にもつながるでしょう。また、税金や福利厚生に関する事項は、日本人労働者でさえ理解が難しいことが多く、外国人労働者にとってはさらに難解です。そのため、給与について質問を受けた際には、控除額や手取り額の計算方法を分かりやすく説明し、外国人労働者が安心できるよう丁寧な対応を心がけましょう。
入社後の指導・育成
外国人労働者の指導・育成においては、日本人労働者向けの方法が必ずしも適しているとは限りません。日本人が慣れている暗黙の了解や間接的な表現が通じない場合も多いため、明確で具体的な指示を心がける必要があります。また、外国人労働者はキャリア形成に敏感であり、将来の見通しが描けない状況では離職を検討する傾向があります。そのため、定期的な1on1面談を実施し、進捗状況や評価、個々のキャリアプランを共有することは外国人労働者の定着率向上に効果的です。さらに、文化や言語が共通する先輩社員をロールモデルとして配置することで、不安の軽減や成長意欲の向上が期待できるでしょう。
まとめ
外国人労働者の存在は、労働力確保にとどまらず、共生社会の実現に向けた大きな一歩です。しかし、外国人採用フローには、在留資格の確認や法的手続きの遵守に加え、職場環境の整備やコミュニケーションサポートなど、日本人採用とは異なる点が多く存在します。特に初めて採用する企業では戸惑うこともあるでしょうが、政府の支援制度を活用することで、スムーズな採用が可能です。効率的な雇用戦略を立て、尊重し合える社会づくりに取り組みましょう。
弊社ミャンマー・ユニティは、中国の次に日本語学習者が多く、日本で働きたいという人が世界一多いミャンマーでの圧倒的No.1の送り出し機関です。日本を救うためにはミャンマー人が必要である。すなわち、ミャンマー・ユニティには日本を救う責任と義務、使命があると考えております。
外国人を採用する際にはぜひミャンマー・ユニティにお問い合わせください。 -
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2024.12.09外国人労働者の日本語教育方法は?
目次
外国人労働者への日本語教育の重要性
日本で働く外国人労働者数は2023年時点で約200万人を突破しており、最近では全国各地でミャンマー人材を含む外国人労働者が一生懸命に働いています。ただ、日本語を完璧に話せるミャンマー人材はあまりおらず、思うように意思疎通できないのも事実です。
今後、ミャンマー人材が日本で活躍するためにはさらなる日本語教育が欠かせません。
日本語ができないと業務でトラブルが発生しやすい他、言葉の壁により作業の効率化ができなかったり、職場の人間関係に亀裂が入ったりすることがあります。逆に、日本語ができれば業績アップに繋がるからこそ、ミャンマー人材を雇用する会社・企業は日本語教育をより強化することが重要です。
意思疎通ができることで定着率もアップする他、よりコミュニケーションが活発になり、お互いの信頼関係構築に繋がるのではないでしょうか。
日本人も外国人も気持ち良く働くためにはお互いの信用を得る必要があるからこそ、言葉の壁を取り払えるよう日本語教育を行うのが良いでしょう。
最近ではミャンマー人材など比較的日本語を習得しやすいアジア人材が来日していますが、完璧な日本語を話せる人はあまりいないからこそ、丁寧な日本語教育が必須と言えるでしょう。ミャンマー人材の日本語教育方法6選
ここでは、ミャンマー人材の日本語教育方法6選について見ていきましょう。
1.受け入れ先の組織が日本語研修を実施する
ミャンマー人材の日本語教育は、受け入れ先の組織が日本語研修を実施することで行えます。
実施方法に関しては「専用の教材を使用して自社独自に学習指導を行う方法」と「外部から日本語教師を招いて授業を行う方法(オンライン含む)」の2つが主流です。
いずれの方法も勤務時間内に学習時間を確保できるため、外国人労働者は着実に日本語能力を向上させられます。余暇時間に自習するよりも効率的に日本を学べるので、より迅速に日本語能力を取得してもらいたい場合に良いです。
組織としても本人の日本語能力のビフォーアフターを把握できるからこそ、より的確な日本語教育が行えるのではないでしょうか。
特に、ミャンマー人材は言語構造的に日本語を習得しやすいという背景があるため、受け入れ先の組織が日本語教育を実施することで飛躍的に日本語スキルの研鑽になるでしょう。
2.外国人労働者本人が日本語学校に通う
ミャンマー人材本人が日本語学校に通うことでも、日本語能力は向上させられます。
日本語学校は日本語教育機関のうち法務省から指定を受けている学校となるため、専門家による日本語教育を実施可能です。専門家による授業を受けられるので、よりスピーディーに日本語能力を向上させるのに便利な方法と言えるでしょう。
一定の受講料が必要ですが、確かな日本語教育を受けられるのが魅力ではないでしょうか。
日本語習得能力に優れているミャンマー人材本人が日本語学校に通えば、より日本語スキルは上達させられるでしょう。
3.外国人労働者本人が日本語教室に通う
ミャンマー人材本人が日本語教室に通うことでも、日本語能力は向上可能です。
日本語教室は地域のボランティアが中心となっている日本語学習のための教室で、地方の公共団体やNPO団体が運営しています。自分自身のペースで教育を受けられるため、レベルに合わせて無理なく日本語能力を向上させるのに役立つ方法と言えるでしょう。
中には受講料が不要のところもあるので、節約しつつ日本語教育を受けたい人にとって魅力的な選択肢ではないでしょうか。
日本語習得能力に優れているミャンマー人材は日本語教室に通うだけでも、日本語スキルを上達するでしょう。
4.積極的にコミュニケーションを行う
現場では、ミャンマー人材と積極的にコミュニケーションを行ってみてください。
教科書通りの単語や文法を学ぶことも大切ですが、生の日本語から学べることは多いです。少なくとも末永くミャンマーの人たちに職場で働いてもらいたいと考えているなら、臆さずコミュニケーションを積極的に行うことが推奨されます。
「大丈夫?わからないことはない?」と聞くのはもちろん、雑談として「休みの日は何をしているの?」「好きな食べ物・飲み物はある?」などの会話を行うことで、ミャンマー人材との交流を深めましょう。
外国人労働者として線引きするのではなく、日本人労働者と同じように対話することが、日本語力の研鑽に繋がるのではないでしょうか。
5.独学で日本語を勉強する
会社や企業が日本語教育を提供するのはもちろん、独学で日本語を勉強することでさらなる成長に繋がります。最近では時間や場所を問わず学べる環境が整っており、無理なく日本語能力を習得したい人にとってはむしろ独学がおすすめです。
言語構造的に日本語を習得しやすいミャンマー人であれば、独学でも十分にスキルアップに繋がるはずです。より自由に日本語を学びたいと考えているミャンマー人材に対しては、独学で勉強できる環境を整えることをおすすめします。
一方、会社や企業のフォローなしで日本語を学び続けるのはモチベーション維持の観点で苦労するため、適切なバックアップが求められます。独学は途中で嫌になったり、結果に繋がらなかったりすることがあるので、他の方法と組み合わせて行うことがおすすめです。
6. MJ Spaceで学習する
MJ Spaceは、ミャンマー政府認定の人材送り出し機関である弊社ミャンマーユニティが提供する、ミャンマー人向けのオンライン日本語学習サービスです。MJ Spaceは無料で提供されており、スマホやタブレット、パソコンなどから利用できます。
N4・N5などの初心者向け日本語検定試験に対応した動画はもちろん、N2・N3などさらに成長を求める外国人労働者向けの動画も視聴可能で、授業動画の他にテストや模擬試験、練習も行えるなど日本語学習に必要なものが揃っていると言えるでしょう。
日本とミャンマーを繋ぐミャンマーユニティでは、日本で働きたいミャンマー人材の橋渡し役を担っているからこそ、MJ Spaceもうまく活用することでさらなる日本語能力のステップアップに繋がるのではないでしょうか。ミャンマー人材に必要な日本語レベル
外国人労働者に求められる日本語レベルは会社・企業によって変わりますが、全部で5段階ある日本語能力試験(JLPT)でN4・N5レベルの日本語が必要です。
N5はひらがな・カタカナを含む初歩的な漢字の文章を理解できるレベルで、ゆっくりとした会話なら必要な情報を聞き取れるレベル、N4はひらがな・カタカナを含む日常的な漢字の文章を理解できるレベルで、ゆっくりとした会話なら概ね理解できるレベルとなります。
ミャンマー人材ならN4・N5レベルの日本語は教育方法次第で到達可能と言えるでしょう。
N1・N2・N3レベルの日本語ができればより幅広い職場に対応できますが、外国人労働者を受け入れている会社・企業ではN4・N5レベルがあれば十分としているところもあります。どれほどの日本語レベルが求められるかは職種によっても変わるからこそ、本人が目指す仕事とのバランスを考えて日本語教育を行うことが必要です。
ミャンマー人材が活躍できる飲食業界や介護福祉業界でも、一定の日本語レベルが求められるからこそ、必要に応じて日本語教育を実施するのが良いでしょう。ミャンマー人材の日本語教育の課題・現状
外国人労働者の日本語教育の課題・現状には、以下のようなものがあります。
- 日本語教育に関する情報があまりない
- 日本語学校・教室の受講料が支払えない
- 日本語学校・教室が身近なところにない
- 必要なレベルに応じた教育が受けられない
以上の4つが、主な課題・現状です。
まず、ミャンマー人材の日本語教育においては、そもそも関連する情報があまりないことが課題・現状と言えるでしょう。日本で働きたいと思っても、日本語教育が受けられるところを見つけられないミャンマー人材は決して珍しくありません。
他にも、日本語学校・教室の受講料が支払えなかったり、身近なところになかったりする点で泣く泣く諦めている人もいます。他には、必要なレベルに応じた教育が受けられないなど、日本語教育に関する課題・現状はまだまだ解消しきれていないのが現実です。
ミャンマーユニティではそういった問題を解決すべく、日本とミャンマーを繋ぐお手伝いをしています。よりミャンマー人材が働きやすい社会を作ることが当社の信念です。ミャンマー人材の日本語教育のコツ・ポイント
最後に、ミャンマー人材の日本語教育のコツ・ポイントについて見ていきましょう。
価値観の違いや異なる文化・歴史を理解する
ミャンマー人材への日本語教育では、価値観の違いや異なる文化・歴史を理解するところから始めましょう。どれほど語学を勉強しても、お互いの文化・歴史にリスペクトがなければ、円滑なコミュニケーションはできません。
会社・企業は研修などを通して日本語教育を実施するのはもちろん、双方の母国の価値観を理解し合う機会を設けるのが先決と言えるでしょう。
採用後も継続的に日本語教育を支援する
ミャンマー人材は日本で暮らしている間に日本語が上達する人も一定数いますが、必ずしも全員が上達できるわけではないため、採用後も継続的に日本語教育を支援する環境が求められます。
定期的に日本語研修を実施するのはもちろん、日本語学校・教室に通うための費用を負担するなど、外国人労働者が継続して学べる環境を整えることが大切です。
日本語教育ができる環境を整える
現場では経営する人と労働する人との間に、認識の齟齬が発生します。よくあるのが、「日本語教育を強化せねば」と指示する上層部に対して、無理な状況を押し付けられる下層部です。
いくらミャンマー人材の日本語教育を強化しようにも、そこに割けるリソースが限られていればうまく回りません。外国人労働者だけでなく、日本語教育を手配する社員も含め、より日本語教育ができる環境を整えることが重要と言えるでしょう。
必要に応じて助成金・補助金を活用する
必要に応じて、助成金・補助金を活用するのも良いです。自治体によっては外国人労働者への日本語教育に対して、助成金・補助金制度が設けられています。
代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。- 東京都:中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金
- 富山県:外国人材日本語習得サポート事業費補助金
- 福島県:外国人介護人材受入れ施設等環境整備事業補助金
- 山梨県:やまなし外国人活躍企業支援事業費補助金
以上の他にも、助成金・補助金制度を設けている自治体があるため、外国人労働者の受け入れを検討中の場合は、うまく活用することが重要です。
まとめ
「外国人労働者の力を借りたい」と考えている会社・企業はありますが、本人に対して万全な日本語教育を実施できるというところは決して多くないのが現実です。ただ、日本で働くためには一定の日本語レベルを求められることが少なくないため、日本語教育の方法を知っておくことが重要となります。
まずは当記事で解説した日本語教育方法を実施し、外国人労働者の日本語能力向上を図ってみてはいかがでしょうか。 -
2024.12.02日本と海外のビジネスマナーの違いとは
目次
日本と海外のビジネスマナーの違い
まずは、日本と海外のビジネスマナーの違いについて見ていきましょう。
挨拶の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、挨拶が違います。
日本では名刺を渡すのがマナーとされていますが、東アジアを除く海外では必ずしも名刺を渡すのがマナーとは限らず、握手だけで済ませることも珍しくありません。
形式的な挨拶が主流の日本と比べて、海外は人情的な挨拶が主流です。
相槌の違い
日本と海外のビジネスマナーでは、相槌も違います。
日本では「えー!」「はー!」とオーバーリアクションをする傾向にあり、ペコペコと何度もお辞儀するのも日本人ならではのリアクションと言えるでしょう。
対して、アジア諸国を含む海外では目を見ながら耳を傾けて聞く傾向にあり、リアクションも控えめな場合が多いです。
言い回しの違い
言い回しが違うのも日本と海外の違いと言えるでしょう。
日本は曖昧な表現で回りくどい言い回しをする人が多く、上下関係を意識するあまりなかなか意見できない人がいますが、海外はストレートな表現をする人が少なくなく、アジアの国でもあっても、個人主義が大切にされている国も多いです。
人によって言い回しは変わりますが、本音や建て前はあまり通用しないため、飾らないコミュニケーションが求められます。
仕事の価値観の違い
日本ではプライベートを犠牲にして仕事をする人が多い一方、海外では仕事よりプライベートを大事にする人が少なくありません。特にアジア諸国では、家族と楽しい時間を過ごすことを最重視する傾向があります。
例えば、日本では残業する人が称賛される傾向がありますが、海外では定時で帰る人ほど仕事ができると認識される傾向にあります。
人間関係の違い
日本と海外では、人間関係の違いも顕著と言えるでしょう。
日本では職場の人は職場の人と割り切っている人が多いのに対して、海外は職場の人と家族ぐるみの付き合いをする人も少なくありません。
どちらかというと仲間意識があり、ビジネスというよりはファミリーのような関係性が求められることがあります。日本人からすると不思議な感覚かもしれませんが、外国人からすると「一緒に働く人=仲間」なのです。特にアジア諸国出身の方にとっては、日本での職場の人との付き合いは物足りなく思うかもしれません。
飲み会の違い
日本と海外では、飲み会にも違いがあると言えるでしょう。
日本では上司・部下・同僚など、仲の良さに関係なく飲み会に参加する傾向にあります。対して、海外では仲の良い人同士で飲みに行く傾向にあり、強制参加の飲み会はほぼありません。飲み会を強制するとハラスメントと捉えられることがあるからこそ要注意です。特に東南アジアでは宗教上・習慣上お酒の席が一般的でない国もあります。ギャップに対する対処法
次に、ギャップに対する対処法について見ていきましょう。
わかりやすい日本語を使う
日本で働く外国人労働者の中には、日本語を流暢に話せない人が一定数いるため、わかりやすい日本語を使うのが良いです。
最近では瞬時に翻訳してくれるアプリやサイトもあるので、よりコミュニケーションを取りやすい環境を整えておくのも良いと思います。
オノマトペをすぐに用いない
日本人のコミュニケーションでよく見られるオノマトペは、外国人に通用すると思っている人もいますが、実はほとんど通じません。
オノマトペとは「ワンワン」「ニャンニャン」「サラサラ」「ぷにぷに」など、自然の音や動物の声、植物の見た目などを音で表現した言葉です。
一見するとオノマトペは国際的な場でも通用しそうな響きがあるのですが、ワンワンと聞いて犬、ニャンニャンと聞いて猫と思い浮かべられるのは日本人だけとされています。
外国人にいきなり擬音語・擬声語・擬態語を使用しても余計わかりにくくなるだけなので、極力オノマトペは使わないようにしましょう。
コミュニケーションを取る
日本人と外国人との溝を埋めてくれるのは、やはりコミュニケーションです。
「言葉が通じないから」とコミュニケーションを避けていると、両者の溝は一向に埋まらないどころか、壁ができてしまっても仕方ありません。大切なのは言葉ではなく、心と心で通じ合えるかどうかなので、正確な単語や文法を用いようとしなくて良いでしょう。
お互いに笑顔で話しているだけで何を言っているか100%理解できなくてもコミュニケーションは成立するため、ぜひ積極的に話しかけてみることを推奨します。
もちろん、恥ずかしいと思う必要は一切ありません。
ジェスチャーで伝える
オノマトペは通用しませんが、ジェスチャーならある程度は通じます。
例えば、メモして置いてほしい際は「ペンを持った手で紙に書くジェスチャー」をすることである程度通じますし、電話してほしい時は「受話器を耳に当てるジェスチャー」をすることである程度通じるはずです。
喜怒哀楽も表情である程度は読み取れるからこそ、無理に英語や日本語でコミュニケーションをしないようジェスチャーを交えるのも良いでしょう。
ただ、相手の出身国によってはジェスチャーの意味が変わるため、気を付けなければいけません。例えば、日本では人を呼びたい状況で手招きすることがありますが、国によっては「あっちに行け」とやっているように見えるので、注意しなければなりません。
親指を立てるサムズアップや人差し指・中指を立てるVサインも国によっては余計な誤解を耐えることがあるからこそ、ジェスチャーは慎重に行いましょう。ビジネスマナーでの注意点
最後に、ビジネスマナーでの注意点について見ていきましょう。
従来のやり方に固執しない
従来のやり方に固執すると、余計な誤解を生むことがあります。
日本にはまだまだ現代の働き方に順応できていない会社が多く、古くからのやり方に固執している企業も少なくありません。例えば、海外では電子的なやり取りが主流になってきているのに対し、日本では未だに紙の書類でやり取りしているところもあるでしょう。
必ずしも新しいやり方に順応すべきとは言いませんが、外国の人と働く場合は従来のやり方に固執しないことも考えておきたいです。
ハラスメントに敏感になる
海外は日本よりもハラスメントに厳しい国があり、地域によってはちょっとした発言や行動がセクハラ・パワハラとして訴えられることがあります。
ちょっとしたコミュニケーションのつもりで行った行動や放った発言が誤解を招き、信頼関係が崩壊してしまうこともあるでしょう。そのため、ことハラスメントにおいてはセクハラ・パワハラに十分ご注意ください。
気を付けていても相手の捉え方次第でハラスメントになることがあるので、信用を失わないためのコミュニケーションを身につけることが肝心です。
理想を押し付けようとしない
日本の理想的な働き方と海外の理想的な働き方とでは乖離があって当然で、どちらかが理想を押し付けようとすると衝突の原因となります。
実際に外国人労働者に対して日本のやり方を押し付けることでトラブルに発展していることがあるため、理想は理想として一度切り離して考えることが重要です。
仕事の進め方は人によって違うため、理想的なやり方を押し付けたからと言って効率よく仕事ができるとは限りません。むしろ、アドバイスや助言が委縮させてしまうことに繋がることもあるので、理想ではなくお互いに働きやすい環境作りを進めていくことが大切ではないでしょうか。まとめ
日本と海外のビジネスマナーは、挨拶や相槌、言い回しや仕事の価値観、人間関係や飲み会など多種多様な場面で違います。
育ってきた環境が違うだけに、仕事のやり方もそれぞれ違って当然です。
ただ、そのまま放置するとお互いに気持ち良く仕事ができなくなってしまう可能性があるため、お互いにギャップを埋めていくことが求められるでしょう。
例えば、正確な単語や文法を用いようとせずに話したり、オノマトペをすぐに用いないようにしたりするだけでも違います。他にも積極的にコミュニケーションを取ったり、ジェスチャーで伝えたりすることで信頼関係を育むことが可能です。
まずは信用を築くことが求められるので、誤解を生まないよう注意しつつ積極的に会話・交流してみましょう。 -
2024.11.29日本語能力試験(JLPT)はどんな資格なのか?
目次
日本語能力試験(JLPT)とは?試験の概要と特徴
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない学習者の能力を測定するための試験で、N1からN5の5段階で構成されています。
JLPTはどんな試験?基本情報を解説
JLPT(日本語能力試験)は、日本語を母語としない人々を対象に、その日本語能力を測定するための試験です。主に「読む力」と「聞く力」の2つを評価し、N1からN5まで5段階のレベルで構成されています。N1が最も難しく、日常会話やビジネスでの高度な日本語を理解する能力を求められ、N5は基本的な単語や表現の理解を重視しています。
この試験は、日本での就職活動や大学入学に役立つだけでなく、特定技能ビザの取得にも必要とされています。また、JLPTの結果はスコア形式で提供されるため、自分の強みや弱点を具体的に把握することが可能です。試験は年2回、日本国内外のさまざまな地域で実施され、多くの受験者にとって日本語学習の目標となっています。
JLPTと日本語検定の違い
項目 日本語能力試験(JLPT) 日本語検定 主な対象者 日本語能力試験(JLPT) 日本語を母語とする日本人、および日本語学習者 試験の目的 日本語を母語としない外国人 日本語の知識や運用能力の評価(文法、語彙、漢字など) レベル区分 日本語能力の測定と認定(特に読む力と聞く力) 1級(最上級)から7級(初級)までの7段階 試験内容 N1(最上級)からN5(初級)までの5段階 語彙、文法、漢字、敬語、表記、言葉の意味・使い方など 実施頻度 言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解 年3回(6月、10月、2月) 実施地域 日本国内および海外の多くの国と地域 主に日本国内/td> 評価方法 合否判定(各セクションでの基準点をクリアする必要あり) 点数制(各分野ごとの得点で総合評価) 活用例 日本での就職、進学、在留資格申請など 自身の日本語力の確認、企業の社員教育、教育機関での指導など 主催団体 日本国際教育支援協会(JEES)および国際交流基金(JF) 特定非営利活動法人日本語検定委員会 公式ウェブサイト 日本語能力試験公式サイト 日本語検定公式サイト JLPT(日本語能力試験)と日本語検定は、日本語能力を測る試験ですが、目的や評価基準に明確な違いがあります。JLPTは主に日本語を母語としない外国人を対象とし、実用的な日本語能力を測定します。日本語検定は日本人・外国人を含む層を対象とし、日本語の知識や運用力を深く評価する試験です。
また、評価方法も異なります。JLPTは「合否制」で、「できること」を重視します。例えば、N1では複雑な文章の理解力が求められます。
日本語検定は「点数制」で、文法、漢字、語彙などを細かく採点します。このため、日本語能力試験(JLPT)は実務における日本語能力証明に向きで、日本語検定は学術的な日本語の理解力を示すのに適しています。
これらの違いを理解し、自分の目的に合った試験を選ぶことが重要です。
日本語能力試験の受験者数と人気の背景
日本語能力試験(JLPT)は、世界で最も受験者数の多い日本語試験として知られています。2023年時点で、年間の受験者数は約120万人を超えており、その人気は年々高まっています。この試験が多くの人々に選ばれる理由は、日本語学習者にとって具体的なメリットがあるからです。
まず、JLPTは日本の大学入学や企業での採用時に、日本語能力を証明する資格として活用されます。就職活動において高い評価を受けるN1やN2は、受験者の多くがこれらのレベルを目指します。また、特定技能ビザや高度人材ポイント制など、日本での滞在や就労にも影響する試験であるため、外国人労働者や留学生にとって重要な資格となっています。
さらに、試験は80以上の国と地域で実施され、受験しやすい環境が整っています。この国際的な普及率と実用性がJLPTの受験者数を押し上げる要因となっています。日本語能力試験を受験するための条件と試験情報
日本語能力試験(JLPT)は年齢や国籍を問わず受験可能で、N1からN5までのレベルに応じた柔軟な受験が特徴です。
日本語能力試験を受験するための条件
日本語能力試験(JLPT)を受験するための条件は、基本的に年齢や国籍に関わらず、誰でも受験が可能という点が特徴です。特に、日本語を学ぶ目的や能力レベルに応じて、N1からN5までの5段階の試験レベルを選べる柔軟な制度が整っています。これは、日本語を母語としない学習者を広く受け入れるための配慮といえます。
ただし、同一年度内に複数の試験レベルを受けることはできません。受験者は自分の実力に合ったレベルを慎重に選ぶ必要があります。また、試験の申し込みには、各試験会場が指定する期限内に手続きが必要です。特に海外で受験する場合は、地域ごとに申し込み方法が異なるため、公式サイトで詳細を確認することが推奨されます。
これらの条件を理解し、早めに準備を進めることでスムーズに受験が可能になります。
試験申し込み方法と注意点
日本語能力試験(JLPT)の申し込みは、主にオンラインで行われます。日本国内では、日本語能力試験公式サイトにて専用アカウントを作成し、希望する試験レベルや会場を選んで申し込む流れです。支払い方法にはクレジットカードやコンビニ払いなどが利用でき、手続きの簡便さが特徴です。
一方、海外での受験では、地域ごとに指定された窓口やウェブサイトを通じて申し込みます。申し込み期間は国内外で異なるため、早めに確認することが重要です。また、期限を過ぎると受付が一切行われないため、スケジュール管理が求められます。
注意点として、申し込み後の試験会場や試験レベルの変更はできないため、事前に慎重に選ぶ必要があります。また、定員制の会場が多く、人気の高い都市では早期に定員が埋まる可能性があるため、可能な限り早めの申し込みを心掛けましょう。日本語能力試験のレベルと難易度
日本語能力試験(JLPT)はN1からN5までの5段階に分かれ、レベルが上がるほど高度な日本語能力が求められます。
日本語能力試験のレベルと理解目標(N1~N5)
レベル 理解目標 N1 抽象的な文章や専門的な内容を理解し、会話や文章を正確に解釈できる高度な日本語能力を目指す。 N2 日常的な会話やニュース記事などをある程度理解できる能力を求められる。 N3 日常生活で使われる日本語を理解し、簡単な会話や文章を扱えるレベル。 N4 基本的な表現や文型を用いた日本語が理解できる段階。 N5 日本語学習の基礎となる単語や表現を理解し、簡単な文を読む、聞く能力を持つ学習の入口レベル。 日本語能力試験(JLPT)は、N1からN5まで5段階のレベルに分かれています。それぞれのレベルには、具体的な理解目標が設定されており、受験者の日本語能力を総合的に評価します。
最も高度なN1は、抽象的な文章や専門的な内容を理解し、会話や文章を正確に解釈できることを目指します。N2では、日常的な会話やニュース記事などをある程度理解できる能力が求められます。N3は、日常生活で使われる日本語を理解し、簡単な会話や文章を扱えるレベルです。N4は、基本的な表現や文型を用いた日本語が理解できる段階で、N5はその基礎中の基礎を学ぶための入口となります。
このように、各レベルは学習者の進捗に応じた目標を設定しており、自分の能力や学習目的に合わせて挑戦できる仕組みです。
日本語能力試験の難易度と合格率
日本語能力試験(JLPT)の難易度は、N5からN1に向かうほど高くなります。N5は基本的な単語や文型を理解する初級レベルで、比較的短期間の学習で合格を目指せる一方、N1は高度な読解力や聴解力が求められ、専門的な日本語能力が必要です。
合格率は、レベルによって異なります。N5やN4では比較的高い傾向があり、40~50%の受験者が合格しますが、N1になると合格率は約30%前後まで下がります。この差は、試験内容が難易度に応じて大きく異なることが要因です。
2024年の試験結果
レベル 受験者数 合格者数 合格率 N1 117,940人 39,272人 33.3% N2 171,162人 65,575人 38.3% N3 177,151人 71,792人 40.5% N4 157,053人 64,207人 40.9% N5 57,147人 28,586人 50.0% 試験は総得点だけでなく、各セクション(言語知識、読解、聴解)で基準点をクリアする必要があります。そのため、全体的な実力が求められる試験であり、バランスの取れた学習が合格への鍵となります。
日本語能力試験N1がもたらす利点
日本語能力試験(JLPT)のN1取得は、日本語を学ぶ上での最終目標とされ、多くの利点をもたらします。その中でも、特に就職や学術分野での評価が高いことが挙げられます。日本国内外の企業では、N1が高度な日本語能力を証明する資格として認識されており、ビジネスシーンでの信頼性を向上させる大きな武器となります。
さらに、日本の大学や大学院への進学を希望する場合、N1の取得は入学要件の一つとして求められることが多く、学問分野での可能性を広げます。また、N1は高度人材ポイント制の対象となり、在留資格の取得や永住権申請においても有利に働く点が特徴です。
このように、N1取得は学業や仕事、さらには日本での生活全般において多くのメリットをもたらすため、多くの学習者が目指す目標となっています。日本語能力試験を受検する目的とメリット
日本語能力試験(JLPT)は、日本語学習の成果を測るだけでなく、就職や進学、在留資格取得において大きなメリットをもたらします。
日本語能力試験を受検する主な目的
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ多くの人々にとって、学習の成果を確認し、目標を達成するための重要な試験です。受験する主な目的として、まず自分の日本語能力を客観的に測定し、学習の進捗を確認することが挙げられます。
さらに、JLPTの認定資格は、学業や仕事でのステップアップに直結します。特にN1やN2の取得は、日本国内外での就職活動において高く評価され、採用条件として掲げられる企業も多いです。また、進学を目指す学生にとっては、大学や専門学校の入学要件として活用されます。
そのほか、JLPTの合格は日本の在留資格申請や、永住権取得の際にも有利に働きます。このように、JLPTは学業、仕事、生活のあらゆる面で役立つ目的を持つ試験として、多くの人々に利用されています。
就職で有利になる資格としての活用法
日本語能力試験(JLPT)は、日本国内外での就職活動において非常に有用な資格です。特にN1やN2のレベルは、多くの企業で日本語能力の証明として認識されており、履歴書に記載することで応募者の強みをアピールできます。
例えば、国内の企業では、N1を取得している場合、ビジネスレベルの日本語を扱える証拠となり、職場での即戦力として評価されやすくなります。一方、N2でも日常会話や業務でのやり取りができることを示せるため、接客業やサービス業など幅広い分野で役立ちます。
また、海外の企業においても、JLPTの認知度は高く、日本との取引を行う企業では特に重要視されます。この資格を取得することで、日本語スキルの証明だけでなく、異文化理解やコミュニケーション能力の高さを示すことができます。
在留資格「特定技能」に必要なN4の重要性
在留資格「特定技能」を取得するためには、日本語能力試験(JLPT)のN4合格が必須条件となっています。この資格は、日本での就労を希望する外国人労働者が、一定の日本語能力を証明するための基準として活用されています。
N4レベルの日本語能力は、基本的な日常会話が可能で、簡単な文章を理解し、自分の考えを伝えられる力が求められます。このスキルは、実際の職場でのコミュニケーションや生活の中での問題解決に直結します。そのため、N4を取得することで、日本での職場環境や生活にスムーズに適応できる準備が整います。
さらに、「特定技能」は介護や製造業など、日本国内で人材不足が深刻な業種への道を開く資格でもあります。N4の取得は、これらの分野で働きたい外国人にとって、初めの一歩として極めて重要な意味を持ちます。日本語能力試験と実務での活用ポイント
日本語能力試験(JLPT)の資格は就業や採用での評価に活用されますが、実務では試験だけでは測れない実践的な日本語能力が求められます。
日本語能力試験と実務で求められる会話力の差異
日本語能力試験(JLPT)は、日本語の「読む力」と「聞く力」を中心に評価する試験であり、特定のスコアや合格ラインで能力を証明します。しかし、実務ではそれ以上に「話す力」や「適応力」が求められる場面が多く、この点で試験の結果と実際の業務能力に差異が生じる場合があります。
例えば、JLPT N1を取得している人であっても、ビジネスシーンで使われる丁寧語や敬語を自然に使いこなすのが難しい場合があります。一方で、N2やN3の取得者でも、日常業務での実用的な会話をスムーズにこなせる人もいます。このように、試験結果が必ずしも即戦力を意味しないことに注意が必要です。
そのため、企業や職場では、JLPTの結果に加えて、受験者の実務経験や会話練習の頻度を確認することが重要です。試験と実務の違いを理解し、具体的な育成プランを立てることが効果的です。
採用後の日本語教育が必要な場合のポイント
外国人を採用した場合、JLPTの結果だけでは職場で必要とされる日本語能力が十分でないことがあります。そのため、採用後に適切な日本語教育を実施することが重要です。教育のポイントとして、まず業務内容に直結する専門用語やフレーズのトレーニングが挙げられます。業務に必要な表現を優先的に教えることで、早期に実務へ適応させることが可能です。
さらに、会話練習も欠かせません。特に、顧客対応や社内でのコミュニケーションに焦点を当てたロールプレイ形式の練習は、実践力を高める効果があります。また、日本特有のビジネスマナーや文化的な背景を理解するための研修も併せて行うと、職場での摩擦を減らすことができます。
定期的な評価とフィードバックを取り入れることで、教育の進捗を確認し、改善点を柔軟に調整することも大切です。これらの取り組みにより、採用後の日本語能力向上が効率的に進むでしょう。日本語能力試験の勉強方法と試験対策
日本語能力試験(JLPT)で合格を目指すには、レベルに応じた効率的な勉強方法と試験対策を実践することが重要です。
日本語能力試験過去問の効果的な活用法
日本語能力試験(JLPT)で合格を目指すには、過去問を活用することが非常に効果的です。過去問を使うことで、試験の形式や出題傾向を理解し、効率的な学習計画を立てることができます。
まず、試験直前に過去問を解くだけでなく、学習の初期段階から定期的に取り入れることが重要です。例えば、初めて過去問に取り組む際は、全体の時間配分や難易度を把握することに集中しましょう。その後、間違えた箇所や理解が浅い分野をピックアップし、重点的に復習することで弱点克服に繋がります。
さらに、リスニング問題を練習する際は、繰り返し音声を聞いて、内容を聞き取る力を養うことが効果的です。また、過去問を解いた際の得点を記録し、進捗を可視化することで学習モチベーションを維持できます。過去問は試験対策において欠かせないツールと言えるでしょう。
レベル別の試験勉強のポイント
日本語能力試験(JLPT)の学習では、各レベルに応じた勉強法を取り入れることが成功の鍵です。N1からN5までのレベルごとに必要なスキルが異なるため、自分の目指すレベルに適した学習計画を立てましょう。
N1を目指す場合は、専門的な読解力とリスニング力が重要です。新聞記事や学術論文などの難易度の高いテキストを読むことで、内容を深く理解する練習を積むと効果的です。N2では、日常生活や職場で使用される文章に触れ、語彙や文法の幅を広げることに注力します。
一方、N3やN4を受ける人は、基本的な文法や会話表現を確実にマスターすることが必要です。N5では、日本語学習の基礎となるひらがなやカタカナ、簡単な漢字の読み書きに重点を置きましょう。各レベルに適した教材を選び、計画的に学習を進めることが合格への近道です。まとめ
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を学ぶ多くの人々にとって、能力を証明し学習目標を達成するための重要な試験です。N1からN5までのレベルごとに設定された目標に沿って、効率的な勉強法や過去問の活用が合格への鍵となります。また、試験の結果は就職や進学、在留資格取得において大きなメリットをもたらし、日本国内外での認知度も高いです。JLPTは単なる試験を超え、日本語を学ぶ上での道しるべとして、多くの学習者にとって価値ある挑戦と言えるでしょう。
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2024.11.27特定技能2号とは何?取得条件と試験情報を解説します
目次
特定技能2号とは?その概要と目的
特定技能2号とは、人手不足が深刻な分野で、熟練した技術と経験を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。特定技能1号からステップアップした形で、より高度なスキルが求められます。主に長期的な就労やリーダーとしての役割を期待され、更新回数の制限がなく、家族帯同も可能になる点が大きな特徴です。
特定技能2号の定義
特定技能2号は、特定技能1号と同じく、特定の業種において外国人労働者の就労を認める在留資格の一種です。ただし、1号と異なり、特定技能2号では、より高度な専門知識や熟練した技能が求められます。この資格を持つ外国人は、現場での指導者や管理者的な立場を担い、業務の効率化やチームのまとめ役として貢献することが期待されています。
特定技能2号の最大の特徴は、在留期間の更新に制限がないことです。これにより、外国人労働者が長期間日本で働き、生活基盤を築くことが可能になります。また、条件を満たせば家族を日本に呼び寄せることも可能で、永住権取得の道を開く可能性もあるため、外国人にとって非常に魅力的な資格と言えます。
この資格が適用される業種は、建設、農業、自動車整備など幅広く、2023年には対象分野がさらに拡大しました。特定技能2号は、外国人労働者だけでなく、企業にとっても人材不足解消や事業の安定運営に寄与する制度です。
特定技能2号が求められる背景
特定技能2号が導入された背景には、日本の深刻な人手不足があります。特に建設業や農業などの分野では、少子高齢化の影響で若年労働力が減少し、業務を維持するための労働力確保が課題となっています。そのため、これらの分野で専門知識や高度な技能を持つ外国人材を活用する必要性が高まりました。
また、特定技能1号だけでは、短期間の労働や単純作業に限定されるケースが多く、熟練者を育成することが難しいという課題がありました。特定技能2号は、その解決策として設計されており、外国人労働者が長期間にわたって就労できる制度として機能しています。
さらに、日本政府は特定技能2号を通じて、外国人労働者の職業スキル向上と現場のリーダー人材の確保を目指しています。これにより、単なる労働力の補填ではなく、日本の産業全体の競争力強化や持続可能な成長を支援することが期待されています。
特定技能1号との違い
特定技能1号と2号は、求められる技能や資格の面で大きな違いがあります。1号は比較的簡単な試験や実務経験で取得可能ですが、2号は高度な専門性と熟練技能が必要です。また、在留期間や権利にも重要な違いがあります。
1号では在留期間が通算5年までと制限されていますが、2号には更新回数の上限がありません。そのため、2号取得者は長期にわたって日本で働くことが可能です。また、1号では家族の帯同が認められていませんが、2号では条件を満たせば家族を呼び寄せることができます。
さらに、特定技能1号では企業が支援計画を策定し、生活や業務のサポートを行う義務がありますが、2号ではこの義務がなくなります。これにより、外国人労働者が自主的に生活を送ることが前提となります。
これらの違いにより、特定技能2号はより高い責任を伴う仕事や長期的なキャリア形成を目指す人材に適した資格となっています。特定技能2号の取得条件
特定技能2号を取得するには、分野ごとの技能試験に合格し、必要な実務経験を証明することが求められます。分野によっては日本語能力試験を要する場合もあるため、事前の確認が重要です。
各分野における技能試験と要件
特定技能2号を取得するためには、対象となる分野ごとに指定された技能試験に合格する必要があります。この試験は、外国人がその分野で熟練した技能を有していることを証明するためのものです。試験内容は分野ごとに異なり、建設分野では「建設分野特定技能2号評価試験」が行われ、外食業では「外食業特定技能2号技能測定試験」が実施されます。試験は、学科試験と実技試験の両方を含む場合が多く、業務の実務的なスキルが問われます。
また、一部の分野では試験に加えて、技能検定1級やビジネスキャリア検定などの認定資格を取得することで、特定技能2号を申請できる場合もあります。特に製造分野では技能検定1級が求められることが一般的です。
受験資格には、一定の実務経験が必要とされるケースが多いため、試験申し込み前に要件を確認し、十分な準備を行うことが重要です。
実務経験の具体例と証明方法
特定技能2号を取得するには、分野ごとに定められた実務経験を満たす必要があります。この実務経験は、単に働いた年数ではなく、具体的な業務内容や役職が求められることが一般的です。例えば、外食業では店舗管理を補助する副店長やサブマネージャーの役職で、2年以上の経験が必要とされています。また、建設分野では、班長や職長として現場の指導・管理に携わった実績が求められます。
証明方法としては、在職証明書や業務内容を具体的に記載した文書を企業に作成してもらう必要があります。この書類には、勤務期間、役職、担当業務の詳細が記載され、場合によっては管理業務の実績を明記することが求められます。これらの書類は、試験申し込み時や在留資格申請時に必要となるため、事前に企業と相談して準備を進めることが大切です。
日本語能力の必要性と試験の有無
特定技能2号の取得には、分野によって日本語能力が要件となる場合があります。具体的には、外食業や漁業などでは日本語能力試験(JLPT)のN3レベル以上が求められます。これは、業務での日本語使用頻度が高く、コミュニケーション能力が重視されるためです。
一方で、建設や農業といった分野では、日本語能力試験の合格を必須としていない場合もあります。ただし、試験自体はすべて日本語で実施されるため、専門用語や試験問題を理解できる程度の日本語力が必要です。
また、日本語能力試験の代わりに分野特有の専門知識を問う試験が実施されることもあるため、自分が目指す分野で何が求められるかを事前に確認することが重要です。企業からのサポートを活用して、日本語力向上に努めることが成功への鍵となるでしょう。特定技能2号の対象分野と試験情報
特定技能2号の対象分野は11に拡大されており、それぞれの分野で技能試験が実施されています。試験内容や実施状況は分野ごとに異なり、最新情報の確認が重要です。
対象分野一覧とそれぞれの特徴
特定技能2号は、2023年に対象分野が2分野から11分野に拡大されました。これにより、より多くの業界で熟練技能を持つ外国人材の受け入れが可能となりました。対象分野は以下の通りです。
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1. 建設:工事現場での指導や管理が必要とされ、特定技能2号では特に高度な専門知識が求められます。
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2. 農業:耕種農業や畜産において、作業者を指導・監督する役割を担います。
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3. 漁業:漁船での操業管理や養殖場の作業工程の指導が主な役割です。
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4. 外食業:店舗管理や複数の従業員の指導など、飲食店の運営に貢献します。
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5. 飲食料品製造業:食品加工ラインの管理者として活躍する場面が多いです。
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6. 宿泊:フロント業務や接客だけでなく、スタッフの教育やシフト管理を担当します。
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7. 自動車整備:整備業務に加え、若手スタッフへの技術指導が求められます。
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8. ビルクリーニング:清掃業務のリーダーとして、作業者を管理します。
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9. 造船・舶用工業:溶接や造船の現場での高い技術力が必要です。
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10. 製造業:金属加工や電気機器組み立てなど、精密な作業の指導が求められます。
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11. 航空:航空機整備や空港グランドハンドリング業務における指導的な役割が期待されます。
各分野では異なる技能や役割が求められるため、自分の経験や目指すキャリアに合った分野を選ぶことが重要です。
分野別の試験実施状況と試験内容
特定技能2号の試験は分野ごとに異なり、2024年現在、多くの分野で試験が実施されています。ただし、試験の進行状況や実施頻度には分野ごとに違いがあるため、注意が必要です。
例えば、建設分野では「特定技能2号評価試験」が全国的に実施されており、試験内容は学科試験と実技試験で構成されています。農業分野では、耕種農業や畜産業に関する実践的な試験が行われ、実務経験の証明が必須となります。一方、航空分野では2024年時点でまだ試験が開始されておらず、試験実施の予定を確認する必要があります。
試験内容は、基本的な技術や専門知識を問う学科試験と、現場での作業を想定した実技試験が一般的です。また、試験言語は日本語が主流であり、専門用語や技術に関する理解力が問われます。
試験の詳細情報やスケジュールは、各分野の試験運営機関や省庁のウェブサイトで確認可能です。試験実施の頻度や申請締切が分野によって異なるため、事前にスケジュールを把握しておくことが重要です。
最新の試験情報を得る方法
特定技能2号の試験情報を常に最新の状態で把握することは、受験を成功させるために欠かせません。情報収集には、以下の方法が効果的です。
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1. 公式ウェブサイトを確認する
各分野の試験運営機関や関連省庁の公式ウェブサイトが最も信頼性の高い情報源です。例えば、農業分野なら農林水産省、建設分野なら建設技能人材機構のサイトを確認することで、試験のスケジュールや申込方法を把握できます。 -
2. 試験運営団体のメール通知サービスを利用する
多くの試験運営団体では、最新の試験情報をメールで通知するサービスを提供しています。登録しておくことで、新しい試験スケジュールや変更情報を見逃すことがありません。 -
3. 関連するニュースやセミナーに参加する
特定技能関連のニュースや情報セミナーでは、最新の試験情報や対策が共有されることがあります。特に業界団体が主催するセミナーは、試験の実務的なアドバイスも得られるためおすすめです。 -
4. 企業からのサポートを活用する
受験者が所属する企業は、試験に関する詳細情報を入手していることが多く、試験の申し込みや書類準備に協力してくれる場合があります。企業と密に連絡を取り合い、必要な情報を共有してもらいましょう。
これらの方法を活用して、確実に試験情報を入手し、計画的に準備を進めることが大切です。
特定技能2号取得のメリットと注意点
特定技能2号は、外国人労働者にとって長期的な就労や家族帯同が可能な大きな利点があり、企業にとっても熟練した人材を確保できる点で魅力的です。ただし、要件の厳格さや準備の必要性には注意が必要です。
外国人労働者にとっての利点
特定技能2号を取得することで、外国人労働者はより安定した日本での生活とキャリア形成を実現できます。主な利点は以下の通りです。
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1. 在留期間の制限がない
特定技能1号のような5年間の在留制限がなく、更新を続ける限り長期にわたって日本に滞在できます。このため、帰国を考えることなく、安心して生活や仕事に集中できます。 -
2. 家族の帯同が可能
一定の条件を満たせば配偶者や子どもを日本に呼び寄せることができ、家族と共に生活することが可能になります。これにより、単身赴任による精神的負担を軽減できます。 -
3. キャリアアップの道筋が明確
特定技能1号からのステップアップとして、特定技能2号は高いスキルと経験を証明するものです。これにより、企業内での昇進や他業界への転職の選択肢が広がります。 -
4. 永住権取得の可能性
特定技能2号の在留資格は、永住権取得の条件を満たしやすい点も大きな利点です。永住権を得ることで、さらなる安定した生活が可能となります。
このように、特定技能2号は外国人労働者にとって、生活面でもキャリア面でも多くのメリットを提供します。
受け入れ企業にとってのメリット
特定技能2号を取得した外国人労働者を受け入れることで、企業にも多くの利点が得られます。
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1. 熟練した人材の確保
特定技能2号は高い技術や知識を持つ労働者に付与されるため、業務の効率化や品質向上に貢献します。特に、専門性の高い分野では即戦力として期待できます。 -
2. 長期的な雇用が可能
在留期間の上限がないため、特定技能1号よりも長期的な雇用が可能です。これにより、教育やトレーニングにかけたコストを回収しやすくなります。 -
3. マネジメントの負担軽減
特定技能2号を取得した労働者は、経験豊富なため、他のスタッフの指導や現場の管理を任せることができます。これにより、企業の管理負担が軽減されます。 -
4. 国際的な競争力の向上
多様な人材を受け入れることで、企業の国際的な競争力が高まります。特に、グローバル展開を目指す企業にとって、外国人労働者の雇用は重要な要素となります。
これらのメリットにより、特定技能2号の労働者は企業にとって重要な戦力となります。
注意すべきポイントと課題
特定技能2号には多くの利点がありますが、取得や雇用にあたって注意すべき点も存在します。
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1. 取得要件の厳格さ
特定技能2号は高い実務経験や技能試験の合格が必要であり、準備に時間と労力がかかります。受験者のキャリア計画を早めに立てることが重要です。 -
2. 実務経験の証明
申請には企業側が実務経験を証明する書類を用意する必要があります。これに伴い、過去の雇用データや評価を正確に管理しておくことが求められます。 -
3. 試験情報の取得
試験は分野ごとに実施されるため、最新の試験情報を把握し、受験者に適切なサポートを行う必要があります。 -
4. 文化や言語の壁
労働者が高い技能を持っていても、日本語や文化の理解が十分でない場合、コミュニケーションの課題が生じる可能性があります。これに対応するための社内研修が重要です。 -
5. 法律や手続きの理解不足
企業が特定技能2号の制度や手続きに十分な知識を持っていない場合、雇用に関するトラブルが発生する可能性があります。専門家や行政機関のサポートを活用することが推奨されます。
これらの課題をクリアすることで、特定技能2号の利点を最大限に活用できるようになります。
特定技能2号取得を目指すためのステップ
特定技能2号の取得には、試験準備から実務経験の証明、そして企業と労働者の連携が不可欠です。取得後はキャリア形成や永住権取得の道も開けます。
受験準備のポイントと学習方法
特定技能2号取得には、分野ごとに設定された試験への合格が必要です。そのため、効果的な学習と計画的な準備が重要になります。
まず、試験範囲の把握が最初のステップです。各分野には専門的な試験内容が設定されており、公式資料や過去の問題例を確認することで、試験の傾向を理解できます。また、試験言語が日本語である場合が多いため、日常会話レベル以上の日本語能力も求められます。
次に、学習方法の選択です。参考書やオンライン教材を利用して独学するほか、特定技能試験のための専門学校やセミナーに参加する方法もあります。これにより、実技や理論について実践的な学習が可能です。
さらに、時間管理の重要性を忘れないでください。特定技能試験は働きながら受験準備をするケースが多いため、スケジュールを組み、無理なく継続できる計画を立てることが成功の鍵となります。
企業と外国人労働者の協力の重要性
特定技能2号取得の過程では、労働者と企業の協力が欠かせません。企業の支援がなければ、試験準備や必要な書類の提出が難しくなる場合があります。
例えば、実務経験の証明が重要な要素です。特定技能2号の申請には、企業が発行する実務経験証明書が必要であり、適切な書類作成のためには企業の協力が不可欠です。過去の実績や役割を正確に記録し、書類としてまとめることが求められます。
また、労働者が試験に合格するためには、企業によるサポート体制も重要です。試験に必要な知識や技術を現場で学ぶ機会を提供したり、外部セミナーへの参加を推奨したりすることが効果的です。これにより、労働者のモチベーションが向上し、試験準備が円滑に進むでしょう。
さらに、コミュニケーションを密にすることも必要です。労働者が目指しているキャリアパスを共有し、それを支援する企業の姿勢を示すことで、信頼関係が深まります。
取得後のキャリア形成と永住権取得の可能性
特定技能2号を取得した後のキャリア形成には、多くの可能性が広がります。この資格を活用して長期的なキャリアを築くことが可能です。
まず、特定技能2号は在留期間に上限がないため、長期間の就労が可能になります。これにより、安定した雇用環境のもとでスキルを磨き続けることができます。また、現場での経験を重ねることで、リーダーや管理職への昇進も期待できます。
次に、特定技能2号は永住権取得の条件を満たしやすい資格です。永住権を得ることで、在留資格の更新手続きが不要となり、日本での生活がさらに安定します。これにより、家族を呼び寄せるなど、生活の幅を広げることが可能です。
さらに、特定技能2号取得者は、他業種への転職やスキルアップの選択肢も増えます。特定技能2号を持つことで、日本国内外での市場価値が高まり、新たな挑戦が可能になります。
取得後は、これらの利点を活かして計画的にキャリアを構築し、長期的な目標を達成することが重要です。まとめ
特定技能2号は、日本の労働市場において外国人労働者と企業の双方にとって大きな可能性を秘めた在留資格です。更新制限がないため、長期的な雇用が可能で、家族帯同や永住権取得への道も開かれています。また、企業にとっては、高度な技能を持つ即戦力となる人材を確保できるという点で大きなメリットがあります。しかし、取得には厳しい試験や実務経験が必要であり、労働者と企業双方の協力が欠かせません。準備段階からしっかりと計画を立て、最新の試験情報を収集することが成功への鍵です。この資格を通じて、外国人労働者のキャリア形成と、日本の産業の発展がさらに進むことが期待されます。
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2024.10.10特定技能に林業分野が追加決定
目次
特定技能に林業分野が追加決定!
林業従事者の減少が続く中、林業の現場で欠かせない育林や素材生産などの作業を担う即戦力として、外国人労働者の導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手技術者の確保や高齢化問題の解消に繋がり、林業の存続・発展に大きな期待が寄せられています。
これらを踏まえ、本記事では特定技能に林業分野が追加決定された詳細について解説していきます。1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。
さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、林業では1,000人の受け入れを見込んでいます。特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、林業には適用されていません。しかし、現在検討中とのことですので、今後の進展に期待したいところです。
2. 林業の現状
日本の森林の約4割を占める人工林が、資源として利用可能な段階に達しています。これに伴い、国産材原木の安定供給への期待が高まり、木材供給量の増加に向けた取り組みが進められています。また、花粉を飛散させるスギやヒノキ林を花粉の少ない森林へ変えていく花粉症発生源対策にも注力しています。
未来に向けた取り組みと革新
通年雇用化や月給制の導入、社会保険加入の促進、さらには各種施策による賃上げの推進など、処遇改善の取り組みが進められています。また、新規就業者の確保や育成、キャリアアップ対策に関しても、国が支援する「緑の雇用」事業を通じて多角的に取り組んでいます。これにより、若者、女性、高齢者、外国人といった多様な国内外の人材確保にも繋がっていくでしょう。
一方で、林業を取り巻く環境には、ウッドショックや気候変動といった大きな変化が生じています。これらの変化に対応し、持続可能な林業を維持するためには、デジタル化や新技術の導入にとどまらず、業界全体の変革を促すDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要です。具体的には、スマート林業の推進により、森林資源情報の可視化や新たな作業システムの導入が進められています。これにより、生産性の向上や安全性の改善、さらにはサプライチェーンの最適化によって木材の付加価値が向上するなど、様々な面での変革が期待されます。これらの取り組みを通じて、より働きやすい環境が整備され、持続可能な林業の発展が見込まれるでしょう。
労働災害
林業における労働災害は、関係者の不断の努力や災害防止活動の取り組みによって、長期的には減少しています。しかし、依然として発生率は他産業に比べて非常に高く、令和5年の死傷年千人率では、全産業平均の2.4%に対し、林業は22.8%と約10倍にも及びます。 この深刻な状況を受け、令和3年6月に閣議決定された方針では、今後10年間で死傷年千人率を半減させることが目標とされています。この取り組みにより、労働安全対策が一層強化され、林業従事者の育成・確保に資する労働環境の改善が期待されます。
人材不足の現状
林業従事者数
平成22年の51,200人から令和2年には43,710人と、この10 年間で約14%の減少が見られます。
新規就業者数
平成15年度に開始された「緑の雇用」事業によって、新規就業者数は、事業開始前の年間約2,000人から、事業開始後には年間約3,200人に増加しました。なお、令和5年度までに約24,000人がこの事業を活用して新たに就業しています。
有効求人倍率
令和4年度の有効求人倍率は約2.35倍と、全産業平均の1.27倍と比べて約2倍に達しています。
35歳未満の若年者率
全産業で若年者率が減少傾向にある中、林業では平成2年以降、増加傾向が続き、令和2年には17%に達しています。若年層の割合や平均年齢の若返り傾向は維持されていますが、それにもかかわらず、求人に対する求職者数は依然として半数にも満たず、人手不足が続いています。
65歳以上の高齢化率
令和2年の高齢化率は25%と、全産業平均の15%と比べて約1.7倍に達しています。特に山村地域では、全国平均の28.0%に対し、山村地域では40.6%に達しており、非常に高い水準となっています。
人手不足の見通し
令和12年度の木材供給量目標は4,200万㎥ですが、これを令和10年度時点に換算すると4,120万㎥となります。現在の生産性を基に推計すると、同年度には約5万8,000人の就業者が必要とされ、約2万人程度の人手不足が見込まれます。
3. 確定した制度内容
従事する業務
特定技能1号外国人が従事する業務は、「育林、素材生産、林業種苗育成等」となっています。これに加えて、関連する業務区分の付随業務も認められており、以下のような作業も含まれます。 例)林内で行う林産物の製造・加工、冬季の除雪作業 など このように幅広い業務に携わることができるため、現場での柔軟な対応が求められる状況にも、大いに貢献できるでしょう。
雇用形態
直接雇用に限る
4. 企業に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
【要件】- 特定技能所属機関は、農林水産省が設置する協議会(林業特定技能協議会)に加入すること
- 特定技能所属機関は、協議会で決定された措置を実施すること
- 特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、農林水産省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、登録支援機関に委託する際は、農林水産省および協議会に必要な協力を行う機関に委託すること
5. 外国人に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
【要件】
◆技能水準
林業に従事する特定技能外国人は、育林、素材生産、安全衛生等に関する基本的な知識を有し、各種作業において安全確保を図りつつ、一定の時間内に正しい手順で的確に遂行できるレベルであること、日本語で指示された作業内容を聴き取り、理解できること。
◆日本語能力試験- 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
- 日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)
【試験概要】
試験言語 日本語(ひらがなやカタカナ、またはふりがなを付けた漢字) 実施主体 農林水産省が選定した機関 実施方法 コンピューター、ベースド、テスティング(CBT)方式、またはペーパーテスト方式および実技試験 まとめ
日本は世界有数の森林国として、その豊かな資源を未来に引き継ぐため、新技術の導入やデジタル化、DXの推進を通じて、林業はまさに変革の時代を迎えています。しかし、若い世代の参入が進む一方、深刻な人手不足という大きな課題は依然として残されています。
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特定技能に林業分野が追加されたことで、即戦力となる外国人労働者の受け入れが、今後の林業発展における重要な鍵となるでしょう。ただし、この制度にはまだ多くの未確定な部分があり、詳細な検討が求められています。
今後も動向を注視しながら、労働環境の整備や改善、新規就業者の確保・育成、そして定着を進め、持続可能な林業の発展、さらには我が国の経済・社会基盤の維持に貢献することを期待しています。 -
2024.10.08特定技能に鉄道分野が追加決定
目次
特定技能に鉄道分野が追加決定!
鉄道業界が直面する深刻な人手不足に対応するため、輸送の安全確保を前提に、専門性に十分配慮した外国人労働者の導入を進める政策が発表されました。この政策は、少子化による若年層の採用難や高齢化による大量退職といった課題の解決に繋がり、経済社会活動や国民生活を支える基盤である鉄道業界の維持・発展に大きく貢献するでしょう。これらを踏まえ、本記事では特定技能に鉄道分野が追加決定された詳細について解説していきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は深刻な人材不足に直面している特定の産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を有する外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、鉄道分野では3,800人の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、鉄道分野には適用されていません。しかし、省令等の改正が予定されているため、今後の進展に期待したいところです。
2. 鉄道業界の現状
未来に向けた取り組み
鉄道業界では、新技術の導入や研修施設の整備により、鉄道施設や車両の保守・点検業務、運転業務、人材育成の効率化・省力化が図られています。また、人材確保に向けては、賃金の引き上げや手当の充実、出産祝い金や扶養手当の増額、契約社員から正社員への登用を推進し、新規雇用の増加と若年層の離職防止に努めています。さらに、ジョブリターン制度や中途採用、高齢者の活用に加え、女性の職種配置の多様化や宿泊施設の整備、女性職員比率の目標設定などを通じて、女性の就労促進にも力を入れています。
人材不足の現状
鉄道事業者の職員数の推移
平成1年の277,092人から令和3年には191,136人と、この32年間で約31%の減少が見られます。
鉄道事業者の現業部門の職員数
平成27年から令和2年の5年間で、軌道整備は1,090人(-7.8%)、電気設備整備は239人(-2.1%)、車両製造・車両整備は1,019人(-6.1%)、運輸係員は3,918人(-3.9%)の減少が見られます。
有効求人倍率
令和4年度の有効求人倍率は3.59倍と、全産業平均の1.19倍と比べて約3倍に達しています。
人手不足の見通し
新型コロナウイルス感染症の影響で令和2年度に大きく減少した輸送人員(旅客の延べ人数)は、令和5年度には約9割程度まで回復し、月によってはそれ以前の利用者数(実際に利用した人数)を上回ることもあります。今後も鉄道需要やそれに伴う施設の保守作業の継続・拡大が見込まれる中、5年後の令和10年度には15万1,600人の就業者が必要とされ、約1万8,400人の人手不足が生じると推計されています。
3. 追加された職種
鉄道分野には、軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員の5つの職種があります。
軌道整備:
軌道検測作業、レール交換作業、バラスト交換作業、まくらぎ交換作業等電気設備整備:
ケーブル・管路、信号機、転てつ機、軌道回路等の電気設備設置、点検作業等車両整備:
鉄道車両のメンテナンス作業等車両製造:
鉄道車両、車両部品の製造等運輸係員:
運転士、車掌、駅構内のポイント操作を行う駅係員等※日本人が通常行う関連業務に付随的に従事することは問題ありません。
雇用形態
直接雇用(正社員・フルタイム)に限る
企業に求められる要件
特定技能外国人の受け入れには、以下の要件を満たす必要があります。
- 鉄道事業法に基づく鉄道事業者、軌道法に基づく軌道経営者、その他鉄道・軌道事業に関連する施設や車両の整備、車両の製造に係る事業者であること
- 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する協議会(鉄道分野特定技能協議会)に加入すること
- 特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、国土交通省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと
- 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する際は、上記2、3、4に必要な協力を行う機関に委託すること
外国人に求められる要件
日本の鉄道業界で特定技能外国人として働くには、各区分における鉄道分野特定技能1号評価試験に合格、一定レベル以上の日本語能力を持つことが要件です。特に運転士を含む運輸係員は、運輸指令とのコミュニケーションや異常時の避難誘導などの緊急対応が求められるため、他の分野よりも厳しい日本語能力試験N3以上のレベルに加え、日本語による技能評価試験により専門用語や異常時対応についても確認されます。
区分 特定技能試験 日本語能力試験 軌道整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(軌道整備)◾日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
◾日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)電気設備整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(電気設備整備)車両整備 鉄道分野特定技能1号評価試験
(車両整備)車両製造 鉄道分野特定技能1号評価試験
(車両製造)技能検定3級(機械加工・仕上げ・電子機器組立て・電気機器組立て・塗装) 運輸係員 鉄道分野特定技能1号評価試験
(運輸係員)◾日本語能力試験(N3以上)
◾日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)
以下の区分は、技能実習2号からの移行が可能です。
業務区分 職種 作業 軌道整備 鉄道施設保守整備 軌道保守整備 車両整備 鉄道車両整備 走行装置検修・解ぎ装 空気装置検修・解ぎ装 車両製造 機械加工 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ 金属プレス加工 金属プレス 鉄工 構造物鉄工 仕上げ 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立仕上げ 電子機器組立て 電子機器組立て 電気機器組立て 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製 塗装 金属塗装 噴霧塗装 手溶接 半自動溶接
※職種や作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者は、日本語能力試験が免除されます(運輸係員を除く)。まとめ
コロナ禍で減少した輸送人員は徐々に回復傾向にありますが、今後、テレワークの普及や人口減少に伴い、鉄道利用者のさらなる減少が懸念されています。
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また、高齢化が進む一方で、若手社員の離職率も上昇しており、その一因には、夜間勤務を含む長時間のシフト制や労働条件への不満が挙げられます。こうした状況下で、鉄道業界に特定技能制度が導入されたことは、国内での若手人材確保が難しい中、鉄道業界の持続的な発展に向けた大きな希望となっています。
しかし、外国人労働者を雇用する際には、言語や文化の違いに起因するコミュニケーションの課題や労働環境の整備、さらには適切な支援体制の構築が不可欠です。これらの課題に対処するためには、一時的な手間やコストが伴うことは避けられず、容易ではありません。
それでも、多様な人材が安心して働ける環境を整えることこそ、安全で安定的な輸送を確保し、鉄道業界の未来を切り開く鍵となるでしょう。 -
2024.10.04外国人労働者はどんな時に差別を感じるのか?雇用企業ができることは?
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外国人労働者の現状
厚生労働省の最新データ(2023年10月末時点)によると、日本で働く外国人労働者は2,048,675人に達し、前年から12.4%増加しました。外国人労働者を雇用する事業所も318,775所に増加し、いずれも過去最高を更新しています。国籍別ではベトナムが最も多く、次いで中国、フィリピンと続いています。在留資格別では、専門的・技術的分野の在留資格や技能実習の増加が顕著です。
一方、法務省の2016年度外国人住民調査によると、外国人の39.3%が家探しの際に、25.0%が仕事探しの際に「外国人であることを理由」に拒否された経験があり、29.8%が差別的な言葉を受けたことがあると報告されています。差別を受けた相手としては、53.3%が見知らぬ人、38.0%が職場の上司や同僚、19.3%が近隣住民であったとされています。
外国人労働者を雇用するメリット
①人手不足の解消
外国人労働者の雇用は、人手不足の解消に大きく貢献します。特に、特定技能外国人の多くは若い世代であることから、日本の少子高齢化社会において貴重な人材確保の機会となります。また、彼らは一定の専門知識や技能を持ち、日常生活に支障のない日本語能力を備えているため、即戦力として期待されるでしょう。
②訪日外国人への対応力向上
外国人労働者の雇用は、訪日外国人への対応力向上や社内外のグローバル化といったメリットがあります。彼らは母国語に加えて日本語や英語など複数の言語を話せることが多く、外国のお客様との対応や接客、通訳など様々な場面での活躍が期待できます。また、こうした人材が社内にいることで、現地の法律や文化、ビジネス習慣に精通した知識や技術を取り入れることができるため、販路の拡大や新たなビジネスチャンスが生まれるきっかけとなるでしょう。
③革新的なアイデアや技術の創出
外国人労働者を雇用することで、異文化の視点や考え方に触れる機会が得られ、革新的なアイデアや技術の創出が期待されます。異なるバックグラウンドを持つ従業員同士のコミュニケーションを通じて、社内の文化が多様化し、これが従業員の発想力を高め、企業全体の活性化に繋がるでしょう。また、このような環境は業務改善や意識革新を促進する要因ともなります。
④助成金の活用
外国人労働者を雇用する際には、一定の条件を満たせば助成金を活用できます。雇用に伴う採用、定着、育成にはコストや労力がかかりますが、助成金などの支援制度をうまく利用することで、負担を軽減することが可能です。
外国人労働者の目的や状況に応じて適用される助成金は異なりますが、おすすめの助成金は以下の通りです。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
外国人労働者は、日本の労働法制や雇用慣行に対する理解不足や言語の壁などから、労働条件や解雇に関するトラブルが発生しやすい傾向があります。この助成金は、外国人労働者の特有の事情に配慮し、就労環境を整備する事業主を支援するもので、職場への定着を図るための経費の一部を国が助成する制度です。
業務改善助成金
中小企業や小規模事業者、または働き方改革に取り組む企業などを対象に、賃金引き上げや設備投資を通じて業務改善や生産性向上を図る際、その費用の一部を国が助成する制度です。
トライアル雇用助成金
職業経験の不足などにより就職が困難な方々の早期就職や雇用機会の創出を目的とした制度です。この助成金は、一定期間試用的に雇用した事業主を対象に支給され、無期雇用契約への移行を前提としています。特に、日本での就労経験が少ない外国人を雇用する際に、雇用のハードルを下げるために利用できます。これにより、企業は外国人労働者の適性やスキルを見極めながら、定着を促進することができるでしょう。
人材開発支援助成金
事業主が雇用する労働者に対し、専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を計画的に実施した場合に、訓練費用や訓練期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。
キャリアアップ助成金
非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成を行う制度です。ただし、技能実習生や特定技能1号は対象外ですが、定住者や長期雇用を前提に更新を続ける在留資格では、助成の対象となる可能性があります。
どんな時に差別を感じるのか
雇用に関する差別
日本語で十分にコミュニケーションができ、仕事の適性もあるにもかかわらず、外国人であることを理由に採用されないことがあります。これは、外国人を雇用することで犯罪やトラブルが増えるのではないか、文化や習慣の違いから社内に摩擦が生じるのではないかといった誤った認識からくる無意識の差別や偏見が影響している可能性があります。このような偏見は、スキルや経験を正当に評価せず、単に国籍や人種を理由に不利益を与える結果となっているのです。
賃貸契約に関する差別
外国人であることを理由に賃貸契約を断られることがあります。これは、外国人入居者のマナーに対する不安や、外国人に対するネガティブなイメージ、文化や習慣の違いに対する無理解から生じることが多いです。「外国人お断り」と記載された物件もありますが、こうした差別的な扱いは、外国人の数が増えるにつれてトラブルを引き起こし、不動産企業の評判や信頼に悪影響を及ぼすでしょう。
労働環境に関する差別
長時間労働や低賃金、賃金未払い、安全対策の不十分さ、適切な教育の欠如など、劣悪な労働環境に置かれる外国人労働者が多く存在します。これらの問題は、健康や生活の質を低下させ、怪我や事故のリスクを高める要因となります。外国人であることを理由に、これらの問題が許されるべきではありません。しかし、外国人労働者は言語の壁や文化の違いから効果的に抗議することが難しく、その結果として劣悪な労働環境に耐えざるを得ない状況が続いていると考えられます。
身体的な暴力に関する差別
工具でヘルメットを叩くなどの身体的な暴力が報告されています。外国人労働者には日本人労働者と同様に、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令が適用されており、パワハラやいじめといった身体的な暴力はこれらの法律に違反する行為です。このような暴力行為は、被害者の身体的健康のみならず、精神的な安寧にも深刻な影響を与えます。また、企業がこれを見て見ぬふりをすることは、企業の評判や信頼を損なうだけでなく、外国人と日本人の間に深刻な社会的分断を生じさせ、さらには外交関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
言葉の暴力に関する差別
暴力には身体的なものだけでなく、言葉による暴力として現れることがあります。外国人に対する差別的な言葉や侮辱、罵声は決して許されるべきではありません。しかし、特定の国の人々に対する攻撃的な言葉や差別的な発言は、日本でも依然として見られます。2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法により、こうした言動は違法とされていますが、一部の公共の場や匿名性の高いオンラインでは問題が続いているのが現実です。ヘイトスピーチが放置されると、差別的な文化が根付き、共生社会の調和が損なわれ、社会的な結束が崩壊する恐れがあります。
年功序列に関する差別
日本の年功序列による雇用体系は、外国人労働者にとって不公平に感じられることがあります。外国人労働者は即戦力として期待される一方で、年齢や勤続年数が短いため、能力や業績にかかわらず、昇進や給与が制限されることが少なくありません。成果主義が一般的な国から来た外国人労働者にとって、このような状況はモチベーションの低下やキャリアの停滞に繋がることがあります。その結果、優秀な外国人労働者がキャリアを発展させるために、日本企業から他国の企業に移る現象も見られます。
企業による外国人労働者への差別事例
賃金不払い
縫製会社で働く技能実習生から、タイムカードの打刻後も時間外労働を命じられ、その分の割増賃金が支払われていないとの申告がありました。調査の結果、終業時刻後にも作業が行われていたことが確認され、この事例では、過去の未払い分として約142万円の割増賃金が技能実習生に支払われています。
違法な時間外労働
自動車整備工場において、技能実習生に対し、36協定で定められた延長時間(1ヶ月70時間)を大幅に超え、最大で月109時間30分の違法な時間外・休日労働を行わせていたことが明らかになりました。さらに、この違法労働を隠すために、虚偽のタイムカードが提出されていたことも確認されています。
差別を無くす取り組み
雇用・採用における公平性の確保
外国人であることを理由に、応募を拒否または不採用にすることは、公正な採用選考に反します。外国人労働者をカテゴリーで捉えるのではなく、一人ひとりの個性を尊重し、日本人が無意識の偏見を押し付けないよう心がけることが重要です。
採用時には、雇用条件や待遇、仕事内容、残業や休日に関する事項を、国籍や人種にかかわらず適用されるものであることを、理解できる言語で丁寧に説明し、誤解を防ぐために十分な時間をかけて相互理解を深めましょう。また、採用面接を担当する者は、相手の文化を事前に調べ、差別的な発言や態度を避けるよう努める必要があります。各企業が適切な対応を積み重ねることで、日本は外国人労働者から選ばれる国となるでしょう。
生活面のサポートとメンタルヘルスケア
異国での生活は、言語や文化の違い、家族や友人がいない心細さなど、多くのストレス要因があります。その一例として、外国人労働者が賃貸契約に苦労するケースが挙げられます。こうした課題に対処するために、企業はあらかじめ入居可能な物件の情報収集を行い、必要に応じて借り上げ物件を提供するなど、対応力を持つことが重要です。また、入居に際しては、日本の生活習慣やマナー、特有のルール(騒音、匂い、ゴミの出し方など)についても、適切なアドバイスを行うことでトラブルを未然に防ぎ、安心して生活できる環境を整えることができます。さらに、産業医やカウンセラーのサポートを受けられる体制を整え、普段から「困ったことがあれば気軽に相談してね」といったコミュニケーションを取ることも、外国人労働者にとって大きな安心材料となるでしょう。
労働環境の整備
企業は、労働関係法令に基づいて労働環境を整備する必要があります。適正な労働時間の管理や賃金の支払いはもちろんのこと、外国人労働者が安心して働けるように、就業規則やマニュアルを母国語で提供するなどの配慮も欠かせません。また、労働災害防止のために、安全に関する指示や警告を正確に理解できるよう、日本語教育や安全衛生教育の実施、さらに複数言語での標識の使用を徹底することが求められます。こうした人的な環境整備に加え、設備の保全など物的な環境整備にもコストを惜しまず、不安全なリスクを排除するための措置を講じましょう。また、外国人労働者の受け入れに際しては、日本人労働者向けの研修を実施し、外国人労働者の母国文化や宗教などの多様性を考慮した休暇制度をはじめとする社内制度の見直しを行うことも有効です。
暴力・ハラスメントの防止
職場での暴力やハラスメントは、いかなる場合も断じて許されません。
ハラスメントには、パワハラ、セクハラ、モラハラなど、30種類以上の形態が存在し、その定義は国や文化によって異なります。特に、宗教上の理由でボディタッチを避ける国もあり、日本では何気ないボディタッチが、外国人労働者にとってはハラスメントと受け取られることもあります。こうした無意識のハラスメントを防止するためにも、文化の違いを理解し、全ての労働者に対して定期的な研修を行うことが重要です。特に、経営陣や人事担当者が率先して外国人労働者の雇用に関するコンプライアンスを理解し、それを企業全体に浸透させる取り組みが求められます。また、従業員同士のコミュニケーションを促進する交流会の実施や、社内アンケートを活用して労働者の意識やハラスメントの実態を把握するなど、企業の継続的な努力がハラスメント防止の一助となるでしょう。
キャリアプランの提示
日本の年功序列制度は、成果主義が一般的な国から来た外国人労働者にとっては理解しにくい場合があります。そのため、彼らのモチベーションを維持し、長期的な雇用を促進するためには、明確なキャリアプランと評価基準を提示することが必要です。面接時や定期的な1on1面談では、企業のビジョンや育成方針を具体的に伝え、将来のポストや出世コース、昇進や昇給の基準、さらに1〜5年先の成長予想や企業が期待することについても詳しく説明します。このように、外国人労働者の想いやキャリアプランに寄り添った継続的なサポートを行うことで、彼らのモチベーションやエンゲージメントを高めることができます。結果として、企業内でのキャリアイメージが明確になり、企業への定着にも繋がるでしょう。
まとめ
外国人労働者に対する差別や偏見は依然として存在します。しかし、各企業が積極的にこれらの問題に取り組むことで、外国人労働者が安心して働ける環境を整え、多様性を尊重する企業文化を育むことができるでしょう。万が一差別や偏見が見られた際には、見て見ぬふりをせず、全員が当事者意識を持って問題に向き合うことが大切です。また、傷ついた被害者には相談窓口や信頼できる上司への相談を促すなど、できる限りのサポートを提供しましょう。
少子高齢化が進む中で、外国人労働者は共に日本社会を支える重要な“人財”です。国籍の壁を取り払い、風通しの良い共生社会を築くことが、日本が“選ばれる国”としての未来を切り開く鍵となるでしょう。 -
2024.09.24特定技能に木材産業分野が追加決定 !
目次
特定技能に木材産業分野が追加決定 !
深刻な人手不足が続く木材産業に、木材加工などの作業を担う即戦力となる外国人労働者の導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手技術者の確保や高齢化問題の解消に繋がり、木材産業の基盤維持と持続的な発展への大きな希望として注目を集めています。これらを踏まえ、本記事では特定技能に木材産業分野が追加決定された詳細について解説してきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、木材産業では5,000人の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は、木材産業には適用されていません。しかし、現在検討中とのことですので、今後の進展に期待したいところです。
2. 木材産業の現状
木材産業の未来を支える大規模化の現状
近年、木材産業では製材工場や合板工場の大規模化・集約化が進んでいます。これまで大規模工場がなかった地域でも、国の支援を活用し、新たな大規模工場の建設が進むとともに、地元の製材工場との連携が強化されています。この10年間で、年間原木消費量が5万㎥以上の製材工場が全国で21箇所新設され、工場あたりの原木消費量は約1.6倍に増加しました。一方で、木材産業は、社会経済の向上とカーボンニュートラルを実現する「グリーン成長」を目指しています。令和12年には木材供給量の目標を4,200万㎥と設定し、その達成に向け、今後も大規模化を推進しつつ、生産性向上に注力していく方針です。
労働者の安全と働きやすい環境整備の現状
労働者の安全確保や労働負荷の軽減が進められ、女性や高齢者にとって働きやすい環境が整いつつあります。しかし、木材産業では他の業種に比べて労働災害の発生率が依然として高く、安心して働ける安全な職場環境の整備が一層の課題となっています。これを受け、業界団体は外部有識者による安全診断や普及・啓発に努め、国は作業安全規範の策定・普及、ウェビナーの開催、VR映像を用いた研修資材の提供に取り組んでいます。
人材不足の現状
【木製品製造業(家具を除く)の就業者数】
木製品製造業の就業者数は、平成22年の12万3,000人から令和2年には10万3,000人と、この10年間で約16%の減少が見られます。【35歳未満の就業者割合】
令和2年の35歳未満の就業者割合は、全産業で22.8%に対し、木材・木製品製造業(家具を除く)では17.6%にとどまっています。【人手不足の見通し】
令和12年の木材供給目標4,200万㎥に対し、令和10年度の予測供給量は4,120万㎥であるため、同年度には13万6,000人の就業者が必要とされています。その結果、約5万7,000人の人手不足が予測されています。
3. 確定した制度内容
従事する業務
特定技能1号外国人が従事する業務は、「製材業、合板製造業等に係る木材の加工等」となっています。これに加えて、関連する業務区分の付随業務も認められており、以下のような作業も含まれます。
例)原材料の運搬、受け入れ、検査にかかわる作業や清掃 など
このように幅広い業務に携わることができるため、現場での柔軟な対応が求められる状況にも、大いに貢献できるでしょう。雇用形態
直接雇用に限る
4. 企業に求められる要件
特定技能外国人を受け入れるためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件
・特定技能所属機関は、農林水産省が設置する協議会(木材産業特定技能協議会)に加入すること ・特定技能所属機関は、協議会で決定された措置を実施すること ・特定技能所属機関は、協議会に必要な協力を行うこと ・特定技能所属機関は、農林水産省またはその関係者が行う調査などに必要な協力を行うこと・特定技能所属機関は、登録支援機関に委託する際は、農林水産省および協議会に必要な協力を行う機関に委託すること ※協議会の設置や加入方法に関する詳細は現在検討中です。詳細が決まり次第、林野庁のホームページでお知らせがあります。
5. 外国人に求められる要件
特定技能外国人が日本で働くためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件
技能水準 木材産業に従事する特定技能外国人は、木材加工や安全衛生等に関する基本的な知識を有し、各種作業において安全確保を図りつつ、一定の時間内に正しい手順で的確に遂行できるレベルであること。 特定技能試験 木材産業特定技能1号測定試験 日本語能力試験 - 国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
- 日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)
試験の概要
試験言語 日本語(ひらがなやカタカナ、またはふりがなを付けた漢字) 実施主体 農林水産省が選定した機関 実施方法 コンピューター、ベースド、テスティング(CBT)方式、またはペーパーテスト方式 ※技能評価試験の詳細は現在検討中です。詳細が決まり次第、林野庁のホームページでお知らせがあります。
まとめ
木材需要が拡大する一方で、深刻な人手不足が続いており、さらに将来を担う若手の就業者数も他産業に比べて少ない状況です。
現在、木材産業分野における特定技能制度には多くの未確定な部分があり、受け入れ開始に向けた詳細な検討が進められています。今後、省令の改正とともに明確なガイドラインの発表が予想されますが、この発表を受けて、多くの企業が人材獲得に向けて積極的に動き出すでしょう。そのため、労働基準法に基づく雇用の適切な実施はもちろん、安全な労働環境の整備や労働条件の見直し、フォローアップ体制の構築、さらには言語教育や文化的理解を深める研修の充実といった受け入れ体制の早期整備が一層重要です。
引き続き今後の動向に注目しつつ、木材産業の基盤維持と持続的な発展を心から期待しています。 -
2024.07.17特定技能に自動車運送業が追加決定!
目次
特定技能に自動車運送業が追加決定!
長年人材不足に悩まされてきた自動車運送業界に、ついに特定技能外国人ドライバーの導入を図る政策が発表されました。この政策は、若手ドライバーの確保や高齢化問題の解消に繋がる等、物流・人流の持続化を高める大きな希望として注目を集めています。これらを踏まえ、本記事では特定技能に自動車運送業が追加決定された詳細について解説してきます。
1. 特定技能の現状
令和6年3月29日、政府は人材不足が深刻な特定産業分野において、相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ外国人労働者の受け入れを目的とした「特定技能1号」に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野を追加しました。これにより、受け入れ分野は合計16分野となります。さらに、令和6年度からの5年間で最大82万人の外国人労働者を受け入れることを閣議決定し、特に自動車運送業では2万4,500名の受け入れを見込んでいます。
特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、在留期間の上限がない特定技能2号は現在、自動車運送業には適用されていません。しかし、将来的には自動車運送業にも特定技能2号が追加される可能性が高いと期待されています。
2. 物流の2024年問題
自動車運送業界は社会インフラを支えるために必要不可欠な存在ですが、他の業種に比べて残業が多い現状があります。これを受けて、政府は働く人々の健康を守るため、2024年4月から「時間外労働の上限規制」を適用しました。しかし、この規制によりドライバーの労働時間が短縮され、輸送量の減少が懸念されています。これが「物流の2024年問題」と呼ばれる背景です。
さらに、特定技能1号に自動車運送業が追加された背景には、20代の免許取得者数の減少と、60代以上の運転免許保有者数の増加が挙げられます。このような状況を受けて、特定技能外国人の多くが20代半ば~30代前半であることから、若年の外国人ドライバーの確保が人材不足解消の鍵とされています。
3. 追加された職種
自動車運送業には、トラック運送業、タクシー運送業、バス運送業の3つの職種があります。
所定の要件を満たした外国人ドライバーは、直接雇用(正社員・フルタイム)として、自動車運送業分野における事業用自動車の運転、それに付随する業務全般を担当します。トラック:
運行管理者の指導・監督の下、貨物自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、荷崩れを防止する貨物の積付け等
タクシー:
運行管理者の指導・監督の下、一般乗用旅客自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、乗客対応等
バス:
運行管理者の指導・監督の下、一般乗合旅客自動車運送事業、一般貸切旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業における運行の前後点検、安全な運行、乗務記録の作成、乗客対応等
※日本人が通常行う関連業務(例:車両清掃などの専門性が不要な業務)に従事することは問題ありません。
4. 受け入れ企業に求められる要件
受け入れ見込み数の増加に伴い、外国人労働者との共生社会の実現に向けた環境整備をさらに推進する必要があります。 特定技能外国人の受け入れには、基準を満たす事業者であること、協議会に加入すること、新任運転者研修を実施すること(タクシー・バスのみ)などの要件を満たさなければなりません。
【前提条件】・道路運送法の第2条第2項に規定する自動車運送事業に該当すること
・日本標準産業分類「43 道路旅客運送業」、「44 道路貨物運送業」に該当すること【要件】・国土交通省が設ける「自動車運送業分野特定技能協議会」に加入すること(登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関も協議会の構成員であることが必要)
・国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査や指導に対して、必要な協力を行うこと
・タクシー運送業及びバス運送業の企業(特定技能所属機関)は、受け入れ予定の特定技能外国人に対し、新任運転者研修を実施すること
・運転者職場環境良好度認証制度の認証または安全性優良事業所(Gマーク)を保有すること
5. 外国人に求められる要件
日本で特定技能外国人ドライバーとして働くには、自動車運送業分野の特定技能1号評価試験に合格、対象となる運転免許を取得、一定レベル以上の日本語能力を持つことが要件です。特にタクシー・バスの運転手は、多様な乗客と接することから、合理的な配慮やコミュニケーション能力が非常に重要になります。また、事故対応なども含めて円滑に運行することが求められるため、他の分野よりも厳しい日本語能力試験N3以上のレベルが必要です。
区分 運転免許 特定技能試験 日本語能力試験 トラック 第一種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語基礎テストまたは日本語能力試験(N4以上)
・日本語教育の参照枠(A2相当以上のレベルと認められるもの)タクシー 第二種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語能力試験(N3以上)
・日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)バス 第一種運転免許 自動車運送業分野
特定技能1号評価試験・日本語能力試験(N3以上)
・日本語教育の参照枠(B1相当以上のレベルと認められるもの)>> 日本語能力試験において、技能実習2号(職種・作業の種類を問わず)を良好に修了した者は、ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準を有する者と評価され、日本語試験は免除されます。
>> 6月28日、県警運転免許センターでは、運転免許の学科試験に英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語などの20言語を導入しました。これは、タクシー・バスの運転手に必要な第2種運転免許の学科試験や、外国免許を切り替える際に行う知識確認問題にも対応しています。
※運用開始日は試験場により異なりますのでご注意ください。対応言語:
英語、中国語、ベトナム語、ネパール語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ポルトガル語、ロシア語、タイ語、タガログ語、インドネシア語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、ウクライナ語、シンハラ語、ウルドゥー語、アラビア語、ヒンディー語
6. 特定活動
日本で特定技能外国人ドライバーとして働くには、対象となる運転免許を取得(または外国免許切り替え)すること、タクシー・バスにおいては新任運転研修を受講することが要件になります。このため、一定期間は日本に滞在する必要があるのです。したがって、それ以外の要件を満たした外国人は、受け入れ企業との雇用契約の下で在留資格「特定活動」が認められ、日本へ入国・滞在が可能となります。
※在留資格「特定活動」の在留期間は、在留資格「特定技能1号」の通算在留期間にはカウントされません。
在留資格「特定活動」に関する情報は、社会情勢や政策に応じて申請条件が変更されることがあるため、常に最新の情報を確認し、適切な手続きを行うようにしましょう。
7. ミャンマー・ユニティのトラックドライバー採用提案
2024年7月10日現時点では、特定技能「運送業」の技能評価試験は始まっておりません。
そのため、ミャンマー・ユニティでは代わりの現実的な案を以下の図にてご提案いたします。① 運転免許を保有したトラックドライバー希望者をミャンマーで募集
② 企業様に面接を行っていただき、その合格者に対して日本語教育
③ ミャンマーにおいて、特定技能に必要な日本語評価試験合格
④ その後日本に入国(内定を出していただいてから約6~7ヶ月)
⑤ 入国後1ヶ月監理団体で研修を行う
⑥ 技能実習で11ヶ月倉庫作業を行う。
⑦ 技能実習期間内に準中型免許に外免切り替え
⑧ 日本国内で特定技能「トラックドライバー」の技能試験に合格
⑨ 技能実習期間が終わったら特定技能に在留資格を切り替え、4.5トン未満を運転
⑩ 4.5トン以上の運転が必要な場合は、日本での運転免許取得1年後に中型・大型免許を取得このモデルでしたら今すぐに採用が可能です。つまり、技能実習で日本に入国する準備をして、入国して技能実習生として勤務をしている間に特定技能「運送業」の試験が始まるので試験に合格していただくという流れとなります。
まとめ
時間外労働の上限規制の適用により、ドライバーの人材不足が深刻化しています。
特に、物流量が急増する一方で慢性的な人材不足に悩まされているトラック運送業界では、物流の2024年問題が重要な課題となっています。1日に運ぶことができる荷物の量が削減されることにより、トラック事業者の売上・利益の減少、ドライバーの収入の減少、収入減少に伴う担い手不足等、様々な懸念点が浮かび上がっています。
このような状況下で、自動車運送業が特定技能に追加されたことは、新たな人材をもたらす大きな一歩です。さらに、県警運転免許センターが20言語での運転免許学科試験を導入したことは、より良い兆しと言えるでしょう。
自動車運送業における特定技能外国人の受け入れには、企業と外国人双方に厳格な要件が課されており容易ではありません。また、雇用に至った後も、一人で接客するドライバー業務を任せるには難しい側面もあるでしょう。
しかし、日本語教育の強化や接客・接遇研修に加え賃金や待遇の見直し、さらに、日本人と同様に労働基準法に基づいて雇用することで、外国人ドライバーの活躍を促進し、ひいては自動車運送業界の発展に繋がるのではないかと期待しています。 -
2024.07.16特定技能から永住権を取得できるのか?
目次
特定技能から永住権を取得できるのか?
日本で働く特定技能外国人の中には、永住権の取得を目指している方が多く存在します。特定技能外国人が永住権を取得することは、企業側にとっても、雇用している長期的な人材確保や企業成長に繋がる大きなメリットとなります。これらを踏まえて本記事では、特定技能から永住権を取得できるのかについて、要件や注意点を含めた詳しい概要を解説していきます。
1. 永住権とは
永住権とは、国籍を変更せずに日本での長期滞在を認める在留資格です。この在留資格を取得することで、在留期間の制限が無くなり、自由な職業選択が可能になり、離婚等の状況変化による在留資格の変更が不要になります。また、永住権には厳格な要件が設けられているため、永住者であることは日本社会における信用度を高める要因となります。
特定技能外国人の数が年々増加している現状を考慮すると、永住権取得への需要もさらに高まるでしょう。
2. 特定技能外国人は永住権を取得できるのか
特定技能には1号と2号の区分があります。特定技能1号の在留期間は最大5年であり、その間に永住権の取得要件を満たすことはできません。一方、特定技能2号には在留期間の制限がなく、実質的には永住することも可能です。そのため、特定技能2号の外国人は、永住権の取得要件を比較的達成しやすい状態にあります。また、介護分野では特定技能1号の外国人が国家資格 介護福祉士を取得し、介護福祉士資格保有者等在留資格に変更することで、特定技能2号と同様に在留期間の制限がなく、実質的には永住することも可能になります。
3. 永住権の取得要件
① 日本に5年以上連続して在留していること
さらに、在留期間が1年以上残っていること、原則として10年以上継続して日本に在留していることが求められます。ただし、特定技能1号の在留期間はこの要件に含まれないため、特定技能2号として10年以上在留する必要があります。特定技能2号は在留期間に上限がないことから、ビザを更新し続けて10年を超えれば永住権の申請が可能です。
② 素行が善良であること
日本の法令を遵守し、道徳的な生活を送ることが重要です。違法行為や素行不良がないことが要件であり、良好な人格・品行を示すことが求められます。また、自国では問題にならない行為でも、日本では問題視されることがあるため、生活オリエンテーション等で学んだ注意事項を日常生活で怠らないようにしましょう。
③ 独立生計を営むに足りる資産・技能を持つこと
日本で安定した収入や職を得るための技能を持つことが重要な要件です。また、公的な支援(生活保護等)を受けていないことも評価されます。特定技能外国人であれば、人手不足の産業において必要なスキルを有していることから、安定した就労が見込めるでしょう。この要件は世帯ごとに確認されるため、配偶者や子供等の被扶養者が独立している必要はありません。
④ 身元保証人がいること
身元保証人は、外国人労働者が在留中に法律を遵守し、公的義務を果たすためにサポートする役割を持ちます。このため、身元保証人には一定の収入や責任能力が求められ、身分証明書(運転免許証やマイナンバー等)の提出も必要です。通常、雇用主や同僚がこの役割を務めることが多く、日本人と結婚している場合や家族に日本人がいる場合には、それらが保証人になることが一般的です。身元保証人であるからといって、特定技能外国人に何かトラブルが発生した際に金銭的な責任を負うことはありません。
4. 永住権の特例要件
永住権の取得には、原則として10年以上継続して日本に在留していることが求められます。ただし、10年未満の場合でも永住権を取得できる特例があります。
配偶者
・日本で生活している永住者や特別永住者の配偶者の場合、実体のある婚姻生活を3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していること。
・外国人の実子の場合、1年以上継続して日本に在留していること。定住者
・日本で定住者の在留資格を持つ外国人の場合、5年以上継続して日本に在留していること。
難民
・難民認定または補完的保護対象者認定を受けた外国人の場合、認定後5年以上継続して日本に在留していること。
日本への貢献が認められる者
・外交、社会、経済、文化等の分野において日本への貢献が評価され、5年以上継続して日本に在留していること。
・特定研究等活動または特定情報処理活動(特定活動告示36号 、37号)において日本への貢献が評価され、3年以上継続して日本に在留していること。高度専門職に従事する者
・高度専門職または特定活動(高度人材)在留資格を持つ外国人の場合、3年以上継続して日本に在留していること。
・特別高度人材制度の基準に該当する場合、1年以上継続して日本に在留していること。
・1年以上継続して日本に在留し、かつ永住許可申請日の1年前を基準にして特別高度人材制度の基準に該当し、それを維持していること。
5. 永住権の申請
1.永住許可申請書
2.写真(縦4cm×横3cm)
・16歳未満は不要
3.身分関係を立証するいずれかの資料
・申請者が日本人の配偶者である場合:配偶者の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申請者が日本人の子である場合:日本人の親の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申請者が永住者の配偶者である場合:配偶者との婚姻証明書4.申請者を含む家族全員(世帯)の住民票
5.申請者または申請者を扶養する方の職業を立証するいずれかの資料
・会社等に勤務している場合:在職証明書
・自営業等である場合:確定申告書控え(写し)
:営業許可書の写し(ある場合)
・その他の場合:職業に係る説明書及び立証資料6.申請者及び申請者を扶養する方の所得及び納税状況の立証資料(直近3年間分)
・住民税における納付状況の立証資料
・国税における納付状況の確認資料7.申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料
・公的年金の保険料における納付状況の立証資料(直近2年間分)
・公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料(直近2年間分)
・申請者が事業主である場合:公的年金の保険料における納付状況の立証資料
※社会保険適用事業所 :公的医療保険の保険料における納付状況の立証資料
:健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)または社会保険料納入証明書 または社会保険料納入確認書8.パスポート(旅券)または在留資格証明書の提示
9.在留カードの提示
10.身元保証に関する資料示
・身元保証書
・身元保証人の身分事項を立証する書類(運転免許証写し等)11.身分を立証する文書等の提示
12.了解書
〜申請の流れ〜
1. 必要書類の取得 2. 申請書類の作成 3. 申請手続き ※居住地を管轄する入国管理局の申請窓口 4. 審査を受ける 5. 結果通知を受ける 6. 入国管理局での許可手続き 7. 外国人登録の変更手続き
6. 永住権に関する注意点
審査期間
永住権の申請は、在留期間満了日より前に行わなければなりません。したがって、オーバーステイを未然に防ぐためにも、在留期間の満了が近づくと在留期間更新許可申請の手続きを考えておくべきです。また、永住許可申請の審査期間は通常約4ヶ月かかり、他の在留資格と比べて長期に及びます。審査中は日本からの出国制限があることや、申請者の離職や収入の減少により、永住権の取得が困難になる可能性があるため、この期間中は特に注意が必要です。
費用
永住権の申請が許可されると、入国管理局での手続きに8,000円の収入印紙が必要です。ただし、更新の際には費用はかからず、通常は即日交付されます。
更新
永住権であっても、7年ごとに更新が必要です。また、更新手続きは在留期間満了日の2ヶ月前から行うことができます。この更新を忘れると、最悪の場合、永住権が失効する可能性があります。そのため、日程管理を徹底し、確実に更新手続きを行うよう心がけましょう。
理解
永住権を取得しても、日本国籍を取得したわけではありません。したがって、現在の日本では選挙権を持つことはできず、公務員として就職するには特別な手続きが必要です。このように、日本国籍と永住権の違いについて理解しておくことが重要です。
二重国籍と母国の法律
永住権の取得後も母国の国籍や義務は変わりません。そのため、二重国籍の問題や母国の法律(兵役義務等)を考慮しながら生活する必要があります。
まとめ
特定技能から永住権取得への道は、多くの時間や労力を要しますが、晴れて永住権を取得すれば、業務内容や在留期限にとらわれることなく、日本で安定した生活を送ることができます。
特定技能外国人の存在は、日本の経済成長や出生率向上に期待が高まる一方で、円安の影響により日本での就労メリットが低下し、他のアジア諸国に人材が流出している現状も見逃せません。今後、選ばれる国となるためにも、外国人材の確保や労働環境の整備が急務となっています。
双方がより良い共生社会の実現に向けて持続的に取り組むには、外国人労働者自身も素行不良による永住資格取消のリスクを考慮し、また企業側も雇用している外国人労働者の永住意向を早期に把握し、適切な支援を行うことが重要です。 -
2024.07.04特定技能1号で雇用した外国人は5年後どうなる?
目次
1.特定技能1号で雇用した外国人の5年後について
特定技能は、日本の深刻な人手不足を解消するために2019年4月に創設された在留資格です。
特定技能1号は、特に労働力が不足している12の特定産業分野において、即戦力となる専門性や技能を持つ外国人材を受け入れることを目的としています。(入管法が改正され、今後16分野になります) この在留資格では転職も可能なため、複数の企業で働くことができますが、在留期間は最長5年に限定されており、5年を超えての継続雇用は現時点では認められていません。 5年間もあれば、仕事に慣れ、安心して作業を任せられるようになる頃です。もし外国人を無期限で雇用できるようになれば、企業は優秀な人材を長期的に育成でき、外国人にとっても日本で長く働き続けることが可能になります。さらに、要件を満たせば家族と一緒に日本で生活することもできるでしょう。
これらを踏まえ、本記事では特定技能1号で雇用した外国人の5年後について、それぞれのケースごとに解説していきます。
1-1 5年の在留期間満了で帰国するケース
帰国する理由として最も多いのは、「母国にいる家族の意向や自身の結婚」です。また、「日本で習得した就業スキルを母国で新たなキャリアとして活かしたい」、「日本へ出稼ぎ目的で来たものの、円安の影響で日本での就労メリットが感じられなくなったため」といった理由が挙げられます。
1-2 特定技能2号へ移行するケース
2022年12月14日に第1回 特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。この在留資格を取得すると5年の在留期間に上限が無くなり、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になります。また、家族帯同も認められ、配偶者や子どもを本国から呼び寄せ、日本で一緒に生活することもできます。企業側にとっても、長期的な人材確保と育成が見込めるため、戦略的な雇用計画が立てやすくなります。
特定技能2号の取得には、11の特定産業分野(介護分野を除く)ごとに設定された試験に合格し、さらに各分野で定められた実務経験を積む必要があります。しかし、多くの外国人が日本で長く働くことを希望する一方で、特定技能1号と比べると特定技能2号の試験は難易度が高く設定されています。そのため、試験に合格するためには、事前に要件を把握し、5年間の在留期間内に目標を達成するキャリアプランを立てることが重要なのです。
1-3 日本人または永住者の配偶者になるケース
日本では、日本人または永住・定住者の在留資格を持つ外国人と結婚することで、配偶者ビザを取得することができます。
特定技能1号を配偶者ビザへ変更するメリットとしては、5年の在留期間に上限が無くなること、就労制限が無くなること、さらに、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になることが挙げられます。
※特定技能1号は技能試験に合格した特定の職種でしか働けませんが、配偶者ビザでは職種や時間に制限がなく、受入れ機関も任せる業務の分野や区分が広がります。
1-4 介護福祉士の資格を取得するケース
国家資格である介護福祉士を持つ外国人は、特定技能1号では行えない訪問介護なども業務の制限なく行うことができます。また、介護や介護の指導を行う業務に従事するための在留資格、いわゆる介護ビザを取得することも可能です。
特定技能1号を介護ビザへ移行するメリットとしては、5年の在留期間の上限がなくなり、介護福祉士としての活動に従事する限り、日本で永続的な就労が認められることが挙げられます。さらに、一定の要件を満たすことで10年を超えると永住権の申請が可能になり、家族帯同も認められます。しかし、介護福祉士を目指す外国人にとって、介護に関する専門的な日本語が随所に見られる試験は難易度が高く、独学での合格は難しいでしょう。したがって、介護施設では外国人介護士への試験対策サポートが重要であり、それが人材の定着に繋がります。
介護福祉士の受験資格としては、特定技能1号からの移行には3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修修了が必要です。資格取得までの期間や登録手続きを考慮すると、介護ビザへの移行には4~5年を見込むのが適切でしょう。1-5 技術・人文知識・国際業務ビザを取得するケース
就労ビザの一つである技術・人文知識・国際業務ビザは、(略称:技人国ビザ)は、外国人がこれまで学んできた知識や仕事で培ってきた経験、母国の文化や言語に関する知識や技術を日本へ還元することを目的とした在留資格です。
技人国ビザは、自然科学や人文科学などの専門知識、そして外国の文化に関する知識が必要な業務に従事する外国人に与えられます。
特徴として、5年の在留期間の上限がないため、実質無期限滞在が可能と言えるでしょう。家族の帯同も認められるため、非常に人気がある在留資格です。ただし、本国から家族を日本に呼び寄せるには、家族滞在ビザを取得する必要があります。さらに、10年以上日本に居住し、5年以上就労ビザで活動し、安定した収入や資産を証明できる場合において、永住許可の申請も可能です。
技人国ビザを取得するには、就職先の業務内容に関連する学歴(大学卒など)や実務経験が必要です。学歴が満たされない場合、技術・人文知識では10年以上の実務経験、国際業務では3年以上の実務経験が求められます。2.まとめ
特定技能外国人は企業にとって貴重な戦力であり、今や現在の日本にとって欠かせない人材です。特定産業分野の拡大に伴い、今後も特定技能外国人の需要は高まるでしょう。
日本での無期限雇用を目指すことは簡単ではありませんが、特定技能外国人に長く働いてもらうためには、企業の体制作りや意識改革が重要な課題となります。一方、日本の出生率は全国平均で過去最低の数字を記録しており、将来の働き手が確実に少なくなることは否定できません。
このように、日本社会にはまだ多くの課題が残されており、現在は制度を変える過渡期にあると考えられます。外国人と日本人が国籍を超えてより良い関係を築きながら多文化共生を推進していくことを期待しています。
当送り出し機関は、特定技能外国人の採用に関わるすべての方々の悩みを解消するために活動しておりますので、お気軽にお問い合わせください。 -
2024.04.21技能実習法等改正法案(育成就労法法案)完全ガイド
目次
1.技能実習法等改正法案(育成就労法法案)の分析について
1-1 日本ではどのくらいの外国人が働いているのか
現在、在留外国人の数は322万人に達し、1年間では22万人が増加しています。
これは茨城県の人口を上回るほどの外国人が日本で働き、群馬県の太田市や宝塚市、佐賀県の佐賀市と同じくらいの人口が毎年増加しているというイメージです。
このように着実に増加する外国人雇用において重要な役割を果たす制度が、「技能実習」と「特定技能」です。
1-2 制度見直しの進行・最終報告書の位置付け
2022年12月14日に第1回 有識者会議が開催され16回にわたり議論を重ねた後、2023年11月30日に最終報告書が提出されました。2023年12月14日および21日に与党である自民党と公明党からも意見が上がり、政府は最終報告書と与党の提言を考慮したうえで2024年2月9日に政府方針を決定します。さらに2024年3月15日に閣議決定が行われ、同日に法案が提出されました。なお政府は、有識者の方々に技能実習や特定技能の改革に関する意見を求め、これに基づいて改正を進める方針を取っています。
現在、通常国会の会期(2024年1月26日~6月23日まで)であることから、この期間中に法務委員会などで審議が行われる予定です。この法案が成立した場合、施行は3年以内に行われる見込みなため、例えば6月に成立した場合、2027年6月に施行されるでしょう(キリの良いところで考えると2027年4月頃になる可能性が高い)。したがって3年間で法案の施行に向けた準備が進められ、育成就労制度が導入されることになります。また、2024年3月29日に閣議決定と並行して2024年3月31日までの人数枠設定がありました。そこでは新たに5年分の82万人枠が設定され、運用開始は2024年4月1日からです。人数枠設定は産業分野ごとに設定するため、産業分野を追加する場合はこの段階で追加する必要があります。
1-3 追加・拡大された産業分野について
新たに追加された4分野は、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業です。そして3業務区分が10業務区分に拡大されたのは、工業製品製造業、電気電子産業機械、素形材産業です。さらに飲食料品製造業(スーパーのバックヤード等)の産業分野も82万人枠、16産業分野に拡大されています。
今回の改正第1陣で対応できなかった産業分野については、概ね育成就労を始める際に人数枠の見直しが必要なため、並行して産業分野の追加についても議論することになるでしょう。産業分野の追加を他の時期に行うと人数枠とのズレが生じてしまい再び人数枠の見直しが必要になる可能性があります。したがって2027年の育成就労が開始されるタイミングで新たな産業分野の追加が再び行われるのではないでしょうか。さらに実現した場合、産業分野は130~140万人枠、育成就労は50~60万人枠で開始するものと考えます。
1-4 育成就労の運命論について
育成就労制度の運命論とは、育成就労という在留資格が背負う運命や制約に関する理論や考え方を指したものです。この運命論を紐解くには、2019年4月に創設された特定技能1号と特定技能2号の入管法改正が重要な役割を果たしています。
まず2019年4月に創設された特定技能2号という在留資格は、特に目新しいものではありませんでした。なぜならあくまでも高度専門職、技人国、介護、技能、経営管理の横に、同じレベルでもうひとつ在留資格を増やしたに過ぎず、従来の専門的・技術的分野とレベル的には変わらないからです。これらはすでにスキルを持っている人材ということになります。
では、2019年4月に創設されたもので何が目新しかったかというと、特定技能1号が創設されたことです。特定技能1号の特筆すべき点は、スキルの基準を下に広げたことです。従来スキルを持っている人だけが認められていましたが、セミスキルや中級の技能を持つ人々も専門的・技術的分野として認められるようになりました。専門的・技術的分野の幅を下に広げたということです。しかし2019年4月に超えなかったのは、技能自習についてです。非専門的・技術的分野ではない、技能実習には手をつけなかったというのが2019年4月の入管法改正です。
今回の改正で変更されるのは、専門的・技術的分野ではない技能実習を、育成就労に変更する部分です。専門的・技術的分野ではない分野に今回は手を入れるということです。
実は専門的・技術的分野と非専門的・技術的分野には大きな違いがあります。
まず第9次雇用対策基本計画には、専門的・技術的分野の労働者は積極的に受け入れていく方針が示されています(第9次雇用対策基本計画は旧雇用対策法の改正によって解消されましたが、これは最新の基本計画です)。同じく出国在留管理基本計画の中でも、日本の経済社会の活性化に資する専門的・技術的分野の外国人については積極的に受け入れていく方針が示されています。したがって特定技能1号についても積極的に受け入れていくということです。
一方で第9次雇用対策基本計画の中でも、非専門的・技術的分野の労働者の受け入れについては「慎重に対応する必要があり、出入国在留基本計画においても幅広い観点からの検討が必須であり、この検討は国民的コンセンサスを踏まえつつ行われなければならない」と示されています。すなわち、従来日本が行ってきた外国人雇用政策からすれば、育成就労の非専門的・技術的分野の水準で留まる労働者は受け入れることができないということ、そして現在、40万人もの技能実習生を受け入れていることについては、あくまでもインターンや国際貢献の一環であり労働者の受け入れではないという趣旨なのです。しかし、この育成就労は明らかにスキルディベロップワーカー(就労者)ですから、非専門的・技術的分野で就労人材を受け入れるためには、育成就労という制度は、あくまでも専門的・技術的分野である特定技能1号の人材輩出が目的であることから長期間育成就労の中で働き続けるわけではない、すなわち受け入れが可能というロジックを作らなくてはなりません。このロジックに基づいて導き出される育成就労の運命論というのは、特定技能1号の人材育成・輩出する制度ですので、特定技能1号における仕事内容や基本的な制度は特定技能と共通しています。
※第9次雇用対策基本計画や出入国在留管理基本計画に記載されています。1-5 育成就労制度における関係者の相関
【技能実習制度の流れ】
①技能実習生の候補者が日本で働くことを希望した場合、職業能力や言語の訓練を提供してくれる送り出し機関と契約する
②日本側の受入企業(実習実施者)は、実習の実施方法について監理団体と契約を結ぶ
③監理団体が技能実習法27条に基づき実習生と実習実施者の間で技能実習職業紹介事業を行う【育成就労制度の流れ】
①育成就労外国人が日本で働くことを希望した場合、送り出し機関を通じて監理支援機関と契約を結ぶ
②監理支援機関は、育成就労実施者と育成就労外国人について雇用契約の成立の斡旋を行い、育成就労法27条に基づき育成就労職業紹介事業を行う(雇用契約は育成就労計画認定を受けた条件に基づいて成立し、雇用条件は計画に記載された内容に従う)【監理団体の主要な機能】
2017年4月1日以降、無料職業紹介事業の許可申請で行われていましたが、監理団体の許可が認められたことで、技能実習職業紹介事業という特別な職業紹介については監理団体が行えるようになりました。すなわち監理団体は実習生と実習先のマッチングを行えるようになったのです。
- 技能実習生と職業紹介について雇用契約の成立の斡旋やマッチングを行い、それに応じた技能実習計画認定を、機構を通じて受けた後に支援を提供する
- 計画認定を受けて実際に雇用契約が発効し実習が開始されると監理団体は実習監理を行う(初年度は月に1回の定期訪問、2年目以降は3ヶ月に1回の監査)
※監理団体の機能や計画認定に関しては、入管庁と厚生労働省が共同管理している技能実習機構に業務を委託している
※送り出し機関の許可に関しては、各送り出し国政府が政府認定の送り出し機関かどうかの確認や許可を付与している(送り出し国政府と日本政府は、MOC(合意文書)を通じて協力している)2.制度見直しの進行・最終報告書の位置付け
2024年3月15日に育成就労法法案が公表されたことで様々な事項が明らかになりました。
新しい法律を作るのではなく技能実習法を改正して育成就労法に移行することで技能実習法がどのように変化するのか、そして各構造について解説していきます。
2-1 技能実習法の変更
人材紹介会社が募集した登録者の中から、企業からの依頼に沿う登録者を紹介するサービスです。
幅広い職種・業種を取り扱う「総合タイプ」、特定の専門職種・業界に特化した「専門タイプ」があります。
多くの人材紹介会社はこの形態のため、人材紹介会社サービスの種類について詳しく記述がない場合は一般紹介・登録型のケースが多いです。【規定の変更】
- 第1章 総則…1条~7条に加えて、7条の2(分野別に関する方針の策定についての条文)が追加された
- 第2章 技能実習…技能実習が育成就労に変更された
- 第3章 外国人技能実習機構の組織に関する規定…外国人技能実習機構が外国人育成機構に変更された
- 8条~22条 技能実習計画…8条以下の技能実習計画が育成就労計画に変更された。さらに23条以下の監理団体が監理支援機関に変更された
- 46条~49条 技能実習性の保護やパスポート(預かってはいけない等)…46条以下の技能実習生の保護が育成就労外国人の保護に変更された
以上の規定が改正されることで、正式名称が変更されます。
変更前の正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習性の保護に関する法律(技能実習法)
変更後の正式名称:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)
2-2 育成就労法の変更
【規定の変更】
- 第1章 総則…目的規定に育成就労産業分野における人材確保が追加された(技能等の一定による国際協力の推進は削除)
- 32項…基本理念の変更に伴い、技能実習法で設けられていた、「技能実習は労働力の受給の調整の手段として行われてはならない」いわゆる受給調整手段としての利用禁止の条項が削除された
育成就労法が導入されても“基本的な構造は変わりません”
とはいえ転籍のメカニズムや職種の対応などの実務的部分は変更されます。【定義の変更】※重要な部分のみ抜粋
技能実習制度 育成就労制度 技能実習 育成就労 企業単独型技能実習 単独型育成就労
※産業分野外については、おそらく企業内転勤2号(新設)の枠組みで行われる育成就労産業分野(新設) 団体監理型技能実習 監理型育成就労 労働者派遣等育成就労産業分野(新設)
※派遣が可能になった技能実習生 育成就労外国人 企業単独型技能実習生 単独型育成就労外国人 団体監理型 監理型育成就労外国人 技能実習実施者 育成就労実施者 実施者(単独型) 単独型育成就労実施者 団体監理型 監理型育成労実施者 実習監理 監理支援 監理団体 監理支援機関
2-3 育成就労の計画について
今回の改正では、育成就労外国人ごとに育成就労計画を作成し、かつ機構の認定を受ける必要がある部分は変更されていません(計画型の在留資格)。転籍に関する部分については転籍する場合と一度本帰国してから再度来日する場合の2つのパターンが設けられ、新規の育成計画の場合は転籍時の育成計画の認定または再度来日時の育成計画の認定が必要になります。また、育成就労実施者について変更を希望する場合は変更申請が認定される構造になっており、さらに転籍時の要件や移動費用、送り出し機関との費用分担なども計画認定の中に組み込まれています。なお転籍を希望する場合の申請先は、技能実習機構、監理支援機関、または育成就労実施者のいずれでも構いません。ただし受理した側は各関係者に通知しなければならず、これを怠ると罰金の対象になるため注意が必要です。
2-4 監理支援機関の許可基準について
①本邦の営利を目的としない法人であって主務省令で定めるものであること
②監理支援事業を適正に遂行するに足りる能力を有し主務省令で定める基準に適合しているものであること
③監理支援事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものとして主務省令で定める基準に適合しているものであること
④個人情報を適正に監理し、並びに監理型育成就労実施者等及び監理型育成就労外国人等の秘密を守るために必要な措置を講じていること
⑤監事その他法人の業務を監査する物による監査の他、監理型育成就労実施者と主務省令で定める密接な関係を有しない者であって、職務の執行の監査を公正かつ適正に遂行することができる知識又は経験等を有すること、その他主務省令で定める要件に適合するものに、主務省令で定めるところにより、役員の監理支援事業に係る職務の執行の監査を行わせるための措置を講じていること。
⑥外国の送出機関から監理型育成就労の対象となろうとする外国人らの監理型育成就労に係る求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送出機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結していること
⑦前各号に定めるものの他、申請者が、監理支援事業を適正に遂行することができる能力を有するものであること気になるポイント
- 一般特定の区分がなくなった代わりに外部監査の義務が課せられている
- 斡旋に関しては、育成就労法27条に基づき育成就労職業紹介事業として行われるため、監理支援機関がマッチングを行う構造は変化していない
- 監理費の徴収に関しては、育成就労法28条に基づいて行われる等、基本的な部分は変化していないが実務上の関心事は主務省令に委ねられている
- 技能実習評価試験が育成就労評価試験に変更されている
今回の改正では、産業分野ごとに枠が設定されるため、枠を超えた場合の対処も考慮されています。具体的には育成就労計画の認定を停止する扱いになりますが育成就労の本質は変わらないでしょう(条文8条~56条)。
以上のことから、営利目的を持たないことや外部監査人の義務については理解できましたが重要な部分に関しては未定のままです。
2-5 育成就労制度の人材育成の内容
育成就労制度では段階的に日本語能力を習得していくことが必要です。
就労開始前には、N5または相当講習、育成就労1年経過では、基礎級とN5の取得が求められます。
育成就労2年目を終了すると3年目の終了までには技能検定3級の合格または特定技能1号評価試験の合格とN4の取得が求められます。これらの条件を満たすと特定技能1号に移行することができるのです(運命論の目的達成)。
さらに8年経過すると特定技能2号の可能性が見えてくるのですがこの段階では、N3の取得と技能検定1級の合格が求められます。- ポイント1 日本語能力
- ポイント2 職種
一部の業種、例えば外食業や漁業などには日本語能力に対応する部分が存在しないとされますが、他の業種にはこのような対応がないため、段階的な日本語能力の習得が確実に測定されていると言えるでしょう。
気になる点として、1年経過した時点で試験に合格できなかった場合、次の段階へ移行できるかどうかについて明確な決定が出ていないことです。1年経過した時点での浪人について明確に記載されていないことや有識者会議の議論を推測すると3年目時点での浪人が可能になるかもしれません。技能実習制度と特定技能制度ではそれぞれ職種の考え方が存在します。
技能実習制度に関する職種の考え方は、仕事の内容だけを重視し産業分野を考慮するという発想はありません。具体的には「どのような職種なのか」、「明確な職種作業があるのか」という職種と作業の観点で受け入れが可能でした。
特定技能制度に関する職種の考え方は、仕事の内容は業務区分として定められています。さらに産業分野ごとの受け入れ枠や産業分野ごとに不足している人材を確保するという観点も考慮されます。
2-6 産業分野の概念
産業分野と仕事の内容が一致しなければ特定技能の受け入れはできません。このように特定技能と育成就労は同じ考え方を共有しています。
特定技能の産業分野の中に育成就労産業分野が置かれることが法案で明らかになりました。
※特定産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本法において就労を通じて習得させることが相当であるものは主務省令で定める分野となります。
さらにその中に、労働者派遣等育成就労産業分野として派遣ができる育成就労産業分野が設けられることになりました。すなわち労働者派遣が認められる分野が設定されるということです。
※育成就労産業分野のうち、外国人にその分野に属する技能を本法において就労を通じて習得させるにあたり、季節的業務に従事させることを要する分野であって、当該技能を労働者派遣等による就労を通じて習得させることができるものとして主務省令で定める分野となります。
最も外側は特定技能の産業分野であり、その中に育成就労産業分野が含まれ、さらにその中に労働者派遣と育成就労産業分野が位置付けられる構造となります。しかし基本的な構造は理解できたものの、具体的な産業分野については不明です。
2-7 特定技能制度の歩み
現在の産業分野は、2019年3月29日に閣議決定され、追加されることになりました。
一方で特定技能は、2018年12月4日の入間法改正によって導入され2019年4月1日に開始されました。当初は14産業分野34万人枠が設けられていましたが、2022年4月26日に3産業分野に分かれていた製造業の素形材、産業機械、電気・電子は1産業分野に、並行して業務区分も19業務区分に統合されました。この統合により人数枠も3万2450人枠に変更され、2022年8月30日には人数枠の再配分が行われました。これは製造業の素形材、産業機械、電気・電子が人数枠を超えたためです。全体の人枠数は34万人枠のままですが、受け入れが進んでいない分野から進んでいる分野へ枠を移動し、各産業分野の枠の見直しを行いました。その際、農業の枠数だけが変更されていません。また、人数枠の見直しに加えて業務区分も細分化されました。例えば製造業の機械金属加工、電気電子機器組立、金属表面処理が19業務区分から3業務区分に統合され、同じく建設業も19業務区分から3業務区分に統合されています。そして、2023年6月9日に特定技能2号の追加が閣議決定され、建設業において一部対象の造船・舶用工業とこれまで対象外だった業務区分が追加されました。また、介護業を除く部分については特定技能2号が追加され、2024年3月29日に4産業分野の追加と2産業分野の拡大、そして人数枠の見直しが行われました。
素形材、産業機械、電気・電子は工業製品製造業に変更され、3業務区分が10業務区分に拡大されました。造船・舶用工業は6業務区分が3業務区分に統合され、追加について国交省分野として自動車運送業3業務区分2万4500人枠、鉄道業5業務区分3800人枠が追加されました。その際、飲食料品製造も拡大されています。なお、農林水産省分野として林業・木材がそれぞれ1000人枠に拡大され合計82万人枠となっています。
2-8 特定技能1号の産業分野まとめ
【変更箇所】(重要な部分のみ抜粋)
工業製品製造業は10業務区分に変更され、紙器段ボール箱製造、コンクリート製品、RPF(再生可能な木材繊維)、陶磁器、印刷製本、紡織縫製などが追加されました。さらに工業製品製造業、すなわち製造分野と飲食料品製造の産業分野の該当性に関しては日本標準産業分類が使用されています。この日本標準産業分類とは、企業が協議会に加入する際に必要とされる出荷額の基準を示します。したがって、4桁の番号で表示される工場出荷額が一定の基準を満たしているかどうかを確認することが求められ、この基準を満たさない場合、特定の分野に受理されない可能性があるため、この日本標準産業分類も追加されたものと思われます。追加されるという意味では飲食料品製造がまさにその部分です。上乗せ基準告示で定めている事業所に関しては日本標準産業分類に基づいており、スーパーマーケットのバックヤードは飲食料品製造に追加されました。
造船舶用工業は3業務区分に変更され、造船、舶用機械、舶用電気電子機器が追加されました。さらに自動車運送業も追加され、トラック、タクシー、バスの3業務区分が含まれています。それぞれに対して特定技能1号評価試験と第1種運転免許が必要なうえ、バス、タクシーには第2種運転免許も必要です。なお日本語能力に関しては、トラックはN4、バスはN3が必要です。
鉄道分野は5業務区分に変更され、機動整備、電気設備、車両整備が追加されました。車両製造に関しては、中分類31輸送用機械器具製造のうち鉄道製造については解禁され運輸係員となっています。日本語能力に関して運輸係員以外はN4、運輸係員はN3が必要です。それぞれに特定技能1号評価試験と製造部分については技能検定3級が適用されます。
林業木材は、1業務区分の林業と1業務区分の製材が追加されています。
2-9 職種・作業、産業分野・業務区分について
上乗せ基準告示が改正された場合、5611総合スーパーだけでなく5811食料品スーパーが追加されるでしょう。したがって食品系スーパーマーケットのバックヤードで行われている洋菓子や和菓子の製造なども特定技能により5年間の受け入れが可能になります。
飲食料品製造は基本的に何でもできるということでかなり細分化されています。繊維・衣服に関しては、縫製と紡織が追加されたため、工業製品製造業として網羅されました。製造業においても工業製品製造業として4桁の番号が追加されるでしょう。このように日本産業分類さえ該当すれば認められる範囲が拡大されているため、その他の分野にあった、印刷製本、紙器段ボール箱製造、陶磁器、コンクリート製品、RPFの追加にも期待ができます。他には、鉄道の敷設整備や鉄道車両整備、木材加工なども鉄道と木材に追加されるでしょう。
残る職種問題としては、家具、強化プラスチック、リネン、ゴム、ボイラーメンテナンスと1年職種があります。特に工業包装は、技能実習では仕事の内容だけを考慮するため、例えば梱包だけを行っている場合でも工業包装に該当しますが特定技能では製造業に分類されるため、梱包対象の製品を作っていない場合は特定技能の対象外となります。これは自動車も同じです。3.転籍について
3-1 育成就労法案における計画認定の種類と認定基準
育成就労計画の認定基準には、新規の認定、転籍時の認定、再認定の3つのパターンがあります。新規の計画認定申請に対する基本的な認定基準は共通していますが、転籍時には特定の条件が必要です。なお、移籍金や送り出し機関との費用分担に関する話題は、基本的にこの認定基準の中に含まれます。
例えば送り出し機関の費用分担については、「外国の送り出し機関からの取次ぎを受けた外国人にかかるものである場合は、当該外国人に支払った費用の額が、育成就労外国人の保護の観点から適切なものとして主務省令で定める基準に適合していること」が求められます。
転籍の要件は、原則3年以内、かつ同じ仕事であることは共通しています。ただし本人意向の転籍の場合は、①1年以上2年以下であること②産業分野で定められている期間就労したこと③日本語と技能試験に合格していること④育成就労の実施に関する実績、育成就労外国人の育成にかかる費用の負担能力その他育成就労適正に実施するための必要な事項に関して主務省令で定める基準に適合していること(移籍金支払いの資力基準)、これらの基準を満たせば計画認定が行われるという構造です。
再度の認定は、計画の取り消しになった場合、もしくは2年以下で一度帰国する場合に発生します(2年以下で帰国する場合は特定技能3号の適用がありません)。これは2年以下で一度帰国し、別の産業分野に移る場合に計画をやり直すことができる制度設計です。
また、計画認定を受けた後に実施者の影響で一時的に計画が取り消された場合や別の場所で計画認定を受ける場合も再度の計画認定が行われます。なお転籍の要件や移籍金の取り扱いについては、計画認定基準の中に明記されています。ただし、これらの内容は基本的に主務省令によって定められているため、残念ながらこれ以上の詳細は分かっていません。
3-2 転籍のメカニズム(監理型育成就労)
・育成就労外国人が現在の実施者(育成就労を提供する組織)を変更したい場合の手続きについて
申請先は、育成就労機構、監理支援機関、直接雇用主(育成就労実施者)のいずれに対しても行えます。
例えば監理支援機関が申請を受理した場合は、育成就労機構と実施者にも通知しなければなりません。または実施者が申請を受理した場合は、監理支援機関と派遣先にも通知します(共同で実施している場合)。このように各関係者間で通知が行き来し、情報が共有されます。そのうえで監理支援機関が雇用契約の成立の斡旋、育成就労職業紹介事業でマッチングを行い、次の計画認定を受けて転籍が可能となります。ただし、通知や届け忘れは罰則の対象となるため、事前に事務的な対策を講じることが重要です。
3-3 育成就労法法案の概要
・条文の第3章(第57条~第102条)
技能実習機構が再編され新たに育成就労機構となります。権利と義務については育成就労機構が承継し、機構実施職業紹介事業を行うことになります。これはハローワークや地方運輸局と連携し、転籍の支援を行うということでしょう。特定技能者に関しては、相談対応や情報提供、援助業務も行います。罰則については、転籍を受理した後の届出義務違反、通知義務違反には30万円以下の罰金が科されます。
3-4 未定な重要論点
転籍のメカニズムや計画認定の基準は理解できましたが、重要な論点で未定な部分も多く存在します。
育成就労産業分野、労働者派遣と育成就労産業分野、入国後講習の有無や内容、法人ごとの人数枠、移籍金の方法、訪日費用の分担方式、転籍時のやむを得ない事情、本人意向転籍の雇用期間の上乗せの有無、本人意向転籍の日本語・技能の上乗せの有無、監理支援機関の許可の具体的な内容 等
※現状、主務省令で定められている
3-5 技能実習と育成就労の制度比較
項目 技能実習 育成就労 制度目的 国際貢献、人材育成 人材育成、人材確保 在留資格 技能実習 育成就労 在留期間 1号:~1年
2号:~2年
3号:~2年原則通算3年
※更新はおそらく1年毎の6月監督機関 ※1 あり(技能実習計画) あり(外国人育成就労機構) 職種 移行対象職種・作業(または1年職種) 育成就労産業分野、業務区分の範囲 計画 ※2 あり(技能実習計画) あり(育成就労計画) 就労開始時点の
技能なし なし 就労開始時点の
日本語なし(介護はN4) 原則A1(N5等)(分野により上乗せ可能)または相当講習 人材育成の内容 1号の修了時:技能検定基礎級
2号の修了時:技能検定随時3級1年目の終了時:A1(N5等)、技能検定基礎級等
3年目の終了時:A2(N4等)、技能検定随時3級等送出機関 政府認定送出機関 職安法に基づき必要な範囲となり、政府認定送出機関である必要はないと思われる。 監理団体 あり(監理団体) あり(監理支援機関) マッチング 監理団体 監理支援機関 産業分野の人数枠 なし あり 受入機関の人数枠 あり あり 転籍 原則不可(やむを得ない場合または2号から3号への移行時は可能) 以下の2つの方式による転籍が可能
・やむを得ない事情がある場合の転籍
・本人の意向による転籍国内で他の在留資格からの変更 想定されていない 可能と思われる 派遣 不可 農業・漁業は可能であると予想する ※1 技能実習機構は外国人育成就労機構に変更されます。
※2 技能実習計画は就労計画に変更されます。
3-6 経過措置(施行日を2027年4月と仮定した場合)
施行の準備期間中は、技能実習の受け入れが可能です。この期間に入国した場合、原則2号の終了まで滞在が許可されますが3号に移行できるかどうかは主務省令に委ねられているため分かりません。ただし、施行日に技能実習を実施中だった場合は2号まで移行することができます。
問題は仕掛り中のものです。仕掛り中とは、計画認定申請中、計画認定されたが在留資格認定証明書の交付申請前の状態のもの、そして在留資格認定証明書の交付申請中のものをいいます。これらの仕掛り中のものについては、3ヶ月以内に全てが揃った状態で入国すれば問題がないように整理されました。したがって3ヶ月以内に入国した場合、2号まで(3年間)は滞在が許可されます。概ね2030年まで技能実習生がいると考えられ、それらの方々は従来通りの在留資格「技能実習」が継続できることになります。
3-7 まとめ
〇基本的な制度構造が判明した
- 育成就労法法案が提示されたことで、制度の骨子が判明した。
- 育成就労計画や監理支援機関等、技能実習制度で採用された雇用許可制類似の制度に特定技能制度の職種の考え方が取り組まれた制度となっている。
〇重要な論点が主務省令に委任されている
- 入国後講習の有無や内容、移籍金の方式、訪日費用負担の方式、監理支援機関の要件等、重要部分が主務省令に委任されている。
- 引き続き、主務省令の内容を注視する必要がある。
4.技能実習法等改正法案(育成就労法法案)Q&A
①育成就労制度の転職制限の年数と要件について
転職要件に関する年数は、育成労働計画の認定基準で制限されています(1~2年間の就労が必要)。ただし具体的な産業分野や期間については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
②転籍の初期費用負担について
具体的な初期費用については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
③育成就労制度と特定技能制度の適用職種の変化について
特定技能の特定産業分野の中の一部を育成就労産業分野として扱うことになりました。仕事の考え方としては、特定技能に合わせるということが明確になりましたが、特定技能のうち育成就労の産業分野として扱う部分については未定です。育成就労の産業分野として扱わない可能性が高い分野は閣議決定で追加された自動車運送業です。
④監理育成機関許可要件、申請方法等について
外部監査人は置かなくてはならないことは明確になりましたが主要な部分については、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
⑤育成就労の斡旋業務は民間に開放されるのか
株式会社が育成就労の斡旋業務ができないことが確定したため、民間には開放されません。
⑥技能実習の介護固有要件について
主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
⑦育成就労中に試験に合格すればいつでも特定技能1号に移行できるのか
試験に合格し、かつ転籍の要件を満たせば特定技能1号に変更できると考えられます。
⑧パブリックコメントの最短開始時期について
年内には実施される可能性があります。おそらく4ヶ月程度で実施されるでしょう。
⑨自動車部品プラスチック成型などは職種に入るのか
4桁の番号がプラスチック成型のものは該当します。ただし、4桁の番号が31から始まる輸送用機械器具製造の部品に該当したものについては該当しません。したがって4桁の番号次第です。
⑩監理支援機関の許可要件には外部監査人の設置のみと表現されているが、今後新たな許可要件は出るのか(企業数、職員数、通訳数、資産など)
出る可能性があります。特定技能2号での監理支援機関としての組織要件については、主務省令で定められると考えられます。
⑪育成就労制度の施行までに飲食料品製造分野と水産加工業の区別を検討中とのことだが、新たな分野での追加が検討されているのか
水産加工業が新たな産業分野として追加される可能性があることを意味します。飲食料品製造分野と水産加工業を産業分野として区別する議論の背景には、低賃金の水産加工業を飲食料品製造分野にまとめたことで、他の分野に人材が流出する可能性があるという問題があります。実際に区別されるかどうかは未定ですが業務区分としてではなく産業分野として別の扱いになるかもしれません。
⑫従来の監理団体と送り出し機関との間で締結された協定書は無効とされ、新たに協定書を締結することになるのか
通常、技能実習に限定した取次ぎ契約が結ばれていると考えられるため、契約が無効になるわけではありませんが使用されなくなる契約が残ることになります。したがって技能実習の際に協定書が作成されている場合は育成就労に移行する際に再度協定書を締結する必要があります。ただし汎用的な在留資格に関わらず作成されている場合はそのまま使用できる可能性もありますが、育成就労の要件を満たさなければならない場合もあるため、再度契約を結び直すことが望ましいでしょう。
⑬監理支援機関~許可申請~認定までの最適な申請開始日程について(施行日を2027年4月と仮定した場合)
現在、申請から許可までに約6ヶ月かかっているため、最適な申請開始時期は施行日の約1年前程度だと考えられます。
⑭百貨店の食品売場は追加されるのか
総合スーパーと百貨店が同じ日本標準産業分類の番号であれば百貨店の食品売場の裏側での加工も成立する可能性があります。ただし、上乗せ基準告知の改正によって明確化されると考えられます。
⑮自動車メーカーや自動車部品会社は特定技能と育成就労の受け入れはできないのか
31輸送用機械器具製造に分類される事業所での受け入れはできません。ただし汎用性の高い部品である場合や産業機械器具製造に分類されるプラスチックなどの部品については該当します。
⑯グラハン(グランドハンドリング)は社内検定型のまま変更されないのか
グラハンについては評価試験が実施されています。これまでの技能実習は企業単独型のみでしたが特定技能の特定産業分野に指定された場合、育成就労に移行することで通常の試験に加えて育成就労の評価試験も実施されることになるでしょう。したがって企業単独型のみではなくなると考えられます。
⑰育成就労の需要が増加し、特定技能の受け入れペースが鈍化する可能性について(育成就労から特定技能1号までのルートは8年間働けるため、育成就労が特定技能よりも魅力的に映る可能性がある)
労働条件の良い場所では特定技能でも転籍しないことが魅力的に感じるかもしれませんが実際の動向は予測が難しいです。また育成料の事務手続きの増加も懸念されます。したがって特定技能と比較してどちらが促進されやすいかは、主務省令を含めて全ての条件を総合的に考慮しないと判断が難しいです。
⑱産業分野の区分において、住宅建材製造及び飲料・液体用器・ペットボトル製造(プラスチック成型)などは工業製品として含まれるのか
アルミサッシは含まれると示されていたため、日本標準産業分類上では一部の住宅建材が含まれると考えられます。プラスチック成形のペットボトルについては日本標準産業分類を確認しない限り分からないです。住宅建材に関しては、おそらくアルミサッシが含まれます。飲料・液体用器、ペットボトル製造についても日本標準産業分類や上乗せ基準告示が改正されれば、それに基づいて該当するかどうか判断できるでしょう。
⑲外部監査人が行う業務について
現在は3ヶ月に1回の定期監査、年に5回の同行監査が行われていると考えられます。そのため定期監査が行われた後に同行監査が行われる傾向が主流になると思われます。
⑳特定技能制度における支援委託を登録支援機関に限るという内容について、具体的に何が変更されたのか、またこれは企業内製化で一部の支援を委託するということか
従来は入管法で全ての委託を行っていたところが登録支援機関として登録できると示されていました。これにより委託先を登録支援機関に限定する形で改正される見通しです。一部支援を受託するという形で登録支援機関としての登録を受けていれば可能だと考えられます。
㉑転籍の届出期限について
入管法の届出は通常14日で行われることが多いため、おそらくその期間内に行われるでしょう。これも主務省令に委ねられていると思われます。
㉒年金の脱退一時金の要求に対する対応について
それぞれが雇用契約を終了し、困難時届と特定技能雇用契約の終了に関する届を提出します。その後、全ての社会保険を解約し、住民登録を抹消して出国手続きを申請・受理されたら、帰国後に特定技能契約の締結届を提出すれば手続きが完了します。ただし、この手続きに伴い一時帰国の要請が出されると一時帰国のための休暇の取得が必要になります。さらに本気国した際に有給休暇が1回リセットされるかどうか等、様々な考慮が必要です。
㉓育成就労法改正後に在留する技能実習生はどのような法で保護されるのか
従来通りの経過措置として対応されることになるため、育成就労法によって保護されると考えられます。
㉔建設分野におけるJACの受け入れ負担金はどうなるのか
JACでないと分かりません。
㉕育成就労から特定技能に移行する際の1年~2年縛りについては、育成就労法の規定は育成就労から育成就労に移行に関するものであることから、特定技能への変更に関する制限はないのか
従前の法律案では、育成就労の本人意向の転籍要件を満たし、かつ特定技能の試験に合格した場合に変更が可能と示されていることから、この規定は育成就労法の制約ではなく計画型の在留資格に関連するものだと考えられます。計画型の在留資格では、一度計画を立てたらそれを全うしなければならない原則相当性がないのです。入管法第20条の原則相当性がないという部分には、おそらく例外的に相当性を認める場合が転籍の要件、かつ特定技能の合格なのだと思います。まさに法の縛りで条文上明確に縛っている訳ではないものの、おそらくこれは相当性がないという風に処理されるのだと思います。
㉖リネンサプライの特定技能に該当するのか、またどのタイミングで判明するのか
新産業分野の追加がある場合、追加されるかどうかは育成就労の人数枠の設定時に判断されると思います。
㉗転籍時、監理支援機関の変更も可能なのか
おそらく可能です。
㉘今後、建設材料の溶接は該当するのか
具体的な職種作業が不明なため回答できません。
㉙移籍金について
本人意向の転籍時に発生する費用です。転籍先(新しい雇用主)が転籍元に支払う育成等の負担費用であり、初めて雇用した人の育成にかかったコストなどのことです。相場などの詳細は、主務省令に委ねられているため現時点では未定です。
㉚外国人が送り出し機関に支払う金額は誰が決定するのか、また金額に関する規制はあるのか
送り出し国ごとに規制があります。例えばベトナムの場合は日本での労働賃金3ヶ月分等(年数による)。規制の範囲内であれば契約によって金額が定められると考えられます。
㉛産廃、リサイクル業の追加について
特定技能の産業分野に新産業分野を追加する場合、まず業界団体が検討し、人手不足対策が必要と判断されれば、諸官庁に要請を行います。その後、諸官庁が必要性を認めると、制度所管省庁から法務省に対して要請が行われ制度が作成されます。
㉜監理団体として認可されている一般社団法人は、育成就労施行後の監理支援機関としても許可されるのか
おそらく6法人が旧法令下で運営されていた実績がありますが、それが維持されるかは微妙なところです。許可を取り直す必要があるため、具体的な見通しは分かりません。
㉝閣議決定などの情報参照先について
閣議決定の内容は入管庁のウェブサイトに掲載されています。
㉞育成就労制度に移行後、企業側(受け入れ機関)が外国人の雇用を継続したくない場合、監理団体などに転籍先を探してもらうことは可能か
非自発的離職者の要件が育成就労制度に適用されるどうかは不明ですが、少なくとも特定技能に該当する職場では通常非自発的離職が発生しません。そのため育成就労についても同様の適用が考えられます。したがって合意によって退職してもらうしかないかもしれません。有期雇用であることも考慮すれば非常に難しいと思われます。
㉟構内請負製造業で仕入れがなく協議会に参加できない場合、育成就労の受け入れはできないのか
協議会に参加できない場合、おそらく育成就労も不可能です。構内請負製造業であっても仕入型から仕入出荷型に変更し、工場出荷額を発生させないと難しいと思います。
㊱育成就労は協議会への加入義務があるのか
あると思います。今後の動向を迅速に把握するためには主務省令を注視することが重要です。
基本的に省令は、入間庁や厚生労働省のウェブサイトで公表されるでしょう。㊲転籍時、監理支援機関の変更が可能になった場合の送り出し機関との新たな取次契約について
取次契約は、主に国外での職業紹介を基にしており、海外に求職者がいて日本に求人がある場合に成立します。したがって国内での転籍の場合、取り次ぎ契約は不要です。ただし現地との連絡調整として送り出し機関の調整が必要となる場合がありますが取り次ぎ契約は必須ではありません。転籍時に監理団体を変更すると、おそらく送り出し機関も変更され、送り出し監理費の支払いが停止される可能性があります。
㊳引っ越しなどの作業は運送業に分類されるのか
一般的には郵送業者などの緑ナンバーを持つ道路運送法上の輸送事業者であれば対象となります。
引っ越しについては、貨物として運送することが多いのであればトラックドライバーに該当する可能性があります。道路運送法に基づき緑ナンバーを持つ事業者が対象であり白ナンバーの場合は適用されません。㊴認定取消や育成就労の在留資格の在留資格失効の場合、どのようなケースを想定しているのか
帰国している場合です。例えば“農業での適合性が低いことに気付き1年半で農業の育成就労を中断し帰国する”このような場合に育成就労の資格が失われます。2年以内に育成就労を再開しようとする場合は異なる職種を選択し、かつ3号の適用もないため、新たな産業分野での育成就労が可能です。
㊵港湾作業(荷役を運ぶ仕事)は、特定技能に該当するのか
現状は該当していないが、物流業は様々な産業分野での追加が検討されているため、港湾の業界団体で決議し、特定技能の必要性を、国土交通省を通じて法務省に要請を行えば追加される可能性があります。
㊶技能実習経験者も育成就労に参加できるのか
技能実習経験の期間が育成就労期間とみなされるため、通常3年間経験している場合は参加できません。ただし技能実習中に妊娠などの理由で途中帰国し、後日再度参加する場合には参加できる手当てが設けられています。
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2024.04.12「特定技能」ビザ|在留資格特定技能1号・2号の違いを徹底解説<2024年4月12日更新>
2019年4月に入国管理法が改正し、特定技能ビザが在留資格として新しく加わりました。
以前は外国人が日本で働くハードルがとても高かったのですが、 在留資格「特定技能」が作られたことにより、外国人が日本で働けるチャンスが増えました。
いま日本は、少子高齢化の進行と労働人口の減少に伴い、人手不足が深刻化しています。
そこで、グローバル化の流れとともに日本政府が目を付けたのが、外国人の活用です。
日本人と同じように働いて活躍してもらうことで、労働力不足を補おうという考え方です。
そこで、外国の方が日本で働くための新しい資格、特定技能ビザについてお伝えしていきます。
目次
そもそもビザ(在留資格)って何?
ビザ(在留資格)とは、入国を希望する国から発行されるものであり、入国を認められた人がもらえる資格です。
日本人が外国に入国する場合、その国が日本人に対してビザ取得を要求している場合は、 その国の大使館または領事館を訪れてビザを取得しなければなりません。
さらに、ビザは1種類だけではなく、目的に応じて取得する必要があります。特定技能ビザとは?
特定技能ビザとは、日本国内で働き手が特に不足している12分野14業種で外国の方が就労するための資格です。
指定されているのは、農業や介護業などの12分野14業種が対象。
指定された12分野14業種は、日本国内だけで十分な社員やスタッフを確保できない現状があります。
そこで、日本人だけではなく、海外人材を積極的に利用していくことで労働力不足を賄おうとしています。
日本でもグローバル化が進む中で、海外の働き手を積極的に雇用し、活躍してもらうという流れは当たり前になりつつあります。特定技能1号・2号の違い
在留資格「特定技能」は、2種類の資格で構成されています。
1号と2号の特徴や違いについて詳しくお伝えしていきます。特定技能1号とは?
特定技能1号とは、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する 業務に従事する外国人向け在留資格のことです。
いくら人手不足だからとはいえ、誰でも歓迎というわけではなく、一定の基準を設けています。
また、単純労働も付随する業務であれば可能になりました。
しかし、単純労働のみでの就業はできないので注意が必要です。
在留資格「特定技能1号」は、指定されている12業種14作業全部が対象になっています。
さらに、特定技能1号ビザは在留期間の上限が合計で5年と決まっているところも特徴です。特定技能2号って?
特定技能2号とは、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格のことです。
現時点での対象業種は、介護以外の11分野13業種です。介護職種は「在留資格介護」があるために、特定技能2職種は設定されていません
また、2号ビザは在留期間の上限がありません。
更新回数の制限がないため、条件さえ満たせれば何度でも更新できます。
取得条件について
特定技能ビザは、誰でも取得できる在留資格ではありません。
資格取得の条件があり、いずれかを満たす必要があります。
どのような条件なのか詳細をお伝えしていきます。日本語評価試験と技能評価試験に合格する
在留資格「特定技能1号」取得条件の1つ目は、試験に合格することです。
外国人が日本で働く場合、即戦力レベルでなければなりません。
そこで、すぐに日本で働けるのかを見定める基準になっているのが特定技能評価試験です。
日本語能力と技術レベルが問われる試験であり、技能評価試験については業界団体ごとのテストを突破する必要があります。日本語評価試験
日本語能力に関しては、「日本語能力試験」か「国際交流基金日本語基礎テスト」が使用されます。
特定技能ビザを取得するためには、日本語能力試験ではN4以上のレベルが求められます。
国際交流基金日本語基礎テストではA2レベル以上が要求されます。
両方のテストも基本的な言葉や漢字を使って書かれた文章を読んで理解でき、会話もわかるレベルです。
技能評価試験
技能評価試験(技術レベルを見るテスト)は、業界団体ごとで求められる基準が違ってきます。
受ける業界団体ごとに内容をあらかじめ確認しておかなければなりません。技能実習2号を修了する
技能実習生として3年間の技能実習を修了することでも在留資格「特定技能1号」のが得られます。
技能実習は、日本の技術者が来日してきた海外の方に教えて、 身に着けてもらうことで自分の育った国の発展に寄与するための人を育成するためにある制度です。
日本でOJTをすることで、国際貢献していこうという目的があります。
技能実習生として3年間の技能実習を修了(技能実習の2号を修了)することで、日本で働くことができる特定技能ビザの取得が可能となります。雇うことのできる企業とは
どの企業も特定技能ビザを取得した外国人を雇用できるわけではありません。
特定技能ビザを持っている外国人を雇うことができる企業や支援をしてくれる機関について詳しくお伝えしていきます。特定技能所属機関(受け入れ機関)
特定技能所属機関とは、特定技能ビザを取得した海外人材の受け入れ機関のことです。
来日した外国人は、受け入れ機関と直接契約をしてから、仕事を始めていきます。
また特定技能所属機関は、業種別に設けられている協議会に加入する義務があります。
協議会は、外国の方を守る目的に設置されています。
法律や経済情勢の変化などの情報収集や共有をすることや必要不可欠な情報の発信や課題の協議といった役割も担っています。登録支援機関
登録支援機関とは、外国人の支援計画の作成とサポートを受け入れ機関の代わりに行っています。
受け入れ機関は働きに来る外国人のために、住居の確保や日本語の学びの機会等を与えなければなりませんが、 専門的な知識が不足している企業は登録書類作成などを登録支援機関に委託することができます。
中小企業においては、外国人受入れの環境整備やサポートまで手が回らない場合が多いのが現状です。
外国人受入企業は必ず登録支援機関を利用する必要はありませんが、実績やノウハウがない場合は全部または一部委託することができます。受け入れ機関の条件
特定技能所属機関として許可されるにも条件に適しているかが問われます。
協議会に参加する義務の他にも、下記の項目を守る必要があります。
・労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
・1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
・1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
・欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がない等)に該当しないこと
・報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
・中長期在留者の受入れ又は管理を適正に行った実績があり,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること(兼任可)等(*)
・外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること(*)
・支援責任者等が欠格事由に該当しないこと(*) など(注)上記のうち*を付した基準は,登録支援機関に支援を全部委託する場合には不要
引用:法務省「新たな外国人材受入れに関する政省令の骨子」健全に会社の経営を行っているのであれば、問題なく守っている項目ばかりです。
法律やルール等守っていない企業では、日本人はおろか外国人も働かせたくはないですよね。
また受け入れ機関には、外国の方を雇うための基準というのも設けられています。
受入れ機関が外国人を受け入れるための基準
①外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が適切であること(例:報酬額が日本人と同等以上)
②受入れ機関自体が適切であること(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③外国人を支援する体制があること(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④外国人を支援する計画が適切であること(1号特定技能外国人に対する支援について)
在留資格「特定技能」で家族帯同はできるのか
次に、在留資格「特定技能」が家族帯同で来日できるのかについてお伝えしていきます。
在留資格「特定技能1号」では家族帯同での来日はできません。
理由としては、は労働力確保が目的の就労ビザなので、家族帯同は原則認められていないのです。
対して在留資格「特定技能2号」は家族帯同で日本に滞在することが認められています。
但し、家族帯同が認められているのは配偶者と子供だけです。
配偶者と子供には家族滞在の在留資格が付与されて、家族そろって日本で暮らすことができます。特定技能ビザの実情
在留資格「特定技能」での日本在留者数
2023年12月時点での特定技能外国人の数は208,425人となっております。
その半数以上がベトナム人になります。
ベトナムからは大都市出身の大卒者が来日するのではなく、地方部の高卒者が来日するパターンが大半です。
業種ごとでみると、飲食料品製造業と農業で全体の半分以上を占めています。
外国の方を積極的に採用している業種もある一方、進んでいない業種もあるのは事実です。
【完全版】在留資格「特定技能」ミャンマー人材受け入れガイドさいごに
在留資格である特定技能についてと特定技能ビザ1号・2号の違いについてお伝えしてきました。
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外国の方が日本で働きやすくなったとはいえ、まだまだ資格として活かしきれていない面が多くあります。
14種類の業種が特定技能ビザの対象となっていますが、業種によって活用状況に差が出てきています。
日本の少子高齢化、労働力不足は喫緊の課題です。
日本の持続的繁栄のためにも、現在の在留資格「特定技能」の課題が解決され、 日本のため、そして日本で働きたい外国人のための制度に改善されることが望まれます。 -
2023.10.10群馬県の塗装業に配属予定の技能実習生2名がミャンマーから出国いたしました
群馬県の塗装業に配属予定の技能実習生2名がミャンマーから出国し、成田空港へ無事に入国致しました! 建築塗装作業現場でのご活躍に期待しています。頑張ってください! 閉じる
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2022.12.18【技能実習生の寄付で寺院建設】日本で働く介護技能実習生の寄付によりミャンマーで寺院が建設されました!
介護技能実習生の寄付によりミャンマーで寺院が建設
ミャンマー・ユニティから介護技能実習生として日本で働いているMAI KHIN MAR YEE(マイさん)が、 来日から3年、彼女の念願であったミャンマーの地元の村に寺院を建設しました。
マイさんは日本に来る前から地元の村に寺院を建設することを決意していました。
当初は5年で寺院が完成する予定でしたが、コロナや2021年ミャンマーで起きた軍事クーデターの影響もあり建設が順調には進まず、予定よりも遅れての完成となりました。
また、建設中にマイさんの父親の亡くなるなど、多くの苦難があり、日本で不安な思いを抱えながらも、マイさんはさらに寺院を建てる思いを強くしました。
家族や友人がいない外国で働くことは誰にとっても不安で大変なことですが、寺院を建てるという目標が明確にあったからこそめげずに日本で介護のお仕事を続けてこられたのだと思います。寺院の建設は村民全員の夢でした。
そして完成した寺院はマイさんの地元の村で1番大きく、建設費も通常よりもかかっているため村民の自慢であり心安らぐ場所となっているそうです。日本での技能実習が始まった2019年8月から3年間、いただいた給与のほとんどを寺院建設費に費やしついに完成しました。
ミャンマーでの寺院の完成は受け入れ企業や同僚の方々にも一緒に応援していただき、完成を喜んでいただいています。ミャンマー人にとっての寺院
ミャンマーは国民の9割が仏教徒であり、ミャンマー人にとって寺院は生活に欠かせない存在です。
またミャンマーは仏教深い教えが根付いた文化のもと生活している人がほとんどです。
その仏教も上座部仏教(小乗仏教)といって、日本の大乗仏教とはかなり違います。日本の大乗仏教は、庶民への浸透を図るために大衆化したものです。
対してミャンマーの上座部仏教は、言わば本物の仏教です。
ミャンマーのほとんどの仏教徒は、一度は仏門に入ります。一週間や二週間程度の修行である場合も多いですが、皆が頭を丸めて修行を行います。女性も仏門に入るときは頭を丸めます。
ミャンマーでは朝晩お祈りをする習慣があり、実際に日本で働いている技能実習生も、写真を持参してお祈りをしています
「悪いことをしたら自分の来世が悪くなる。人に親切にすること、人のために何かをすることは当たり前」という考え方のため、ボランティアや寄付などに積極的に参加することも多く、収入の半分くらいをお寺に寄付をする人がかなりいます。ミャンマーで介護職が大人気な理由
上記の通り、ミャンマーでは人の役に立つことが生活をする上で非常に重要視されます。
そのため、体の不自由なお年寄りのお世話をする「介護」は、働きながら現世で徳を積むことができるので、ミャンマーでは人気がある職種なのです。ミャンマーでは介護という仕事はメジャーではありませんが、家族全員でお年寄りのお世話をすることが当たり前ですので、普段から祖父母のお世話などをしている人が多くスムーズに介護というお仕事を理解できます。
介護をやりたいという人は、ミャンマー以外の国ではなかなか見つからないのが実情です。
自ら、介護をやりたいという人がたくさんいる国はミャンマーしかないと思います。昨今、「介護を外国人に頼ろうではないか」という意見がありますが、足元では円安が進行し、今後途上国の急速な経済成長・賃金上昇が予想される中、もはや日本で介護の仕事をすることに魅力を感じる外国人は消滅しつつあります。
一方で、 ミャンマーは世界で唯一「介護職が人気がある国」です。またミャンマーは2021年2月の軍事クーデター発生後、欧米各国からの経済制裁により、失業者増大、通貨暴落、物価急上昇に見舞われ、生活困窮者が急増しています。そのため家族の生活を支えるために海外で働きたい若者が急増しています。
出稼ぎ先としは、先進国で唯一ミャンマー人に対して在留資格がおりやすい日本が一番人気です。アジアの先進国、美しい国、あこがれの国日本。仏教文化、国民性など親和性も高く、日本で働くために日本語を学ぶミャンマー人が急増しており、N4保有者も多数出てきております。まさに日本就職ブームが到来しています。
そして今、本人負担額がミャンマーで一番少なく、ミャンマー政府認定のナンバーワンの送り出し機関として信頼度の高いミャンマー・ユニティに日本で働きたい若者が殺到しており、面接候補者数はクーデター前の5倍に達しております。
ミャンマーではもはや大卒者にも就業機会はほとんどなく、ミャンマー・ユニティの面接候補者は大学進学者(卒業、在学、中退者)が全体の56%に達しています。以上、どれだけミャンマー人が介護職に向いていて、人気があるのかが分かると思います。
お問合せ、資料請求等お待ちしおります。 -
2022.06.14【最新情報】特定技能資格者を採用する方法と特定技能の現状
人材不足が深刻な12分野14業種を対象に、2019年4月から鳴り物入りでスタートした特定技能制度。しかしその普及は絶望的なほど進んでいません。
新型コロナウイルス感染防止対策で外国人入国禁止措置がとられた影響があるとはいえ、結果的に、元技能実習生を特定技能資格者として雇用すること=特定技能制度のようになってしまっており、特定技能制度の本来の意味が失われつつあります。
しかしながら、人材不足に悩む業界や企業の方々にとっては、特定技能外国人を雇用することはもはや避けられない喫緊の課題であることも事実です。ここでは、特定技能生を採用する上での現実的な対策として、技能実習3年終了者を特定技能で採用する方法と情報について具体的に解説します。
目次
1.なぜ特定技能は普及しないのか
1-1 悲惨なほど普及しない特定技能制度
安倍晋三前首相が「国難」と表現した労働者不足問題に対する対策として、2019年4月から特定技能制度が鳴り物入りでスタートしましたが、その普及は大きく低迷しております。
当初日本政府は特定技能者受け入れ目標を5年で34万人と定めましたが、2020年12月末現在で15,663人と大きく低迷しております。
新型コロナウイルス感染防止のための水際対策として、外国人の入国が大規模に禁止されていた影響があるとはいえ、特定技能制度スタートの目的と意義は大きく失われてしまっていることは、まことに嘆かわしい状況です。
1-2特定技能制度が普及しない主な原因
特定技能制度普及が低迷している一番の原因は、特定技能制度のハードルがあまりに高く、現実的でないことにあります。
実際に海外の人材送り出し機関は、特定技能に力を入れていません。
なぜならハードルが高くて人材募集が難しい特定技能よりも、人材募集が簡単な技能実習を、海外の送り出し機関は選ぶからです。
人材募集と教育の難易度が高い特定技能よりも、技能実習のほうが利益率が高いことも、海外の人材送り出し機関が特定技能に本気にならない原因となっています。2.特定技能外国人を雇用する6つのルート・方法
特定技能資格者を受け入れるルートは次の6つです。
難易度が低い(簡単に採用できる)順に解説いたします。2-1 [最も簡単] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用 2-2 [容易度2位] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を雇用 2-3 [容易度3位] 日本国内で、試験に合格した特定技能有資格者を雇用 2-3-1 留学生の8割が日本で就職できない現実 2-3-2 日本在住留学生に特定技能の試験に合格してもらい、採用することの重要性 2-4 [容易度4位] 日本国内で、特定技能の試験勉強をしている外国人を特定活動で雇用 2-5 [難易度高] 海外から、技能実習を3年満了し帰国した外国人を同職種で雇用 2-6 [難易度高] 海外から、試験に合格した特定技能有資格者を雇用 2-1 [最も簡単] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用
後述の日本政府の統計資料では、特定技能就労者の中で、技能実習を3年満了した外国人を特定技能で雇用しているケースが13,344人、全体の85%を占めているとあります。
コロナ禍による外国人入国禁止措置により海外からの入国が大きく制限されていますし、特定技能の試験勉強をして必要な特定技能評価試験に合格することは簡単ではありません。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
そのため、試験が全面的に免除されているので簡単に在留資格変更ができる「2-1 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用」するケースが特定技能雇用の全体の大部分を占めています。つまり「日本国内で、技能実習を3年満了した外国人を同じ業種で雇用」することが、最も現実的で、かつ簡単な方法(ルート)なのです。 また、仕事や作業に関する経験や能力があるため、 現場の即戦力となります。
2-2 [容易度2位] 日本国内で、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を雇用
次に現実的かつ簡単な方法(ルート)は、技能実習を3年満了した外国人で、他業種の特定技能試験に合格した人を日本国内で雇用する方法です。
世の中は需要と供給のバランスで成り立っています。
いくら人材の供給量が多くても、需要がなければ採用はできません。コロナ禍により、需要が消滅した業界もあります。
また、技能実習卒業生があまりいない職種もあります。ですから、介護や食料品製造業のように、需要が供給を上回っている業種においては、技能実習を3年満了した外国人に、指定する業種の特定技能評価試験の勉強をしてもらい、合格者(特定技能資格者)を雇用することが現実的です。
2-3 [容易度3位] 日本国内で、試験に合格した特定技能有資格者を雇用
2-3-1 留学生の8割が日本で就職できない現実
日本政府の統計によると、2020年6月現在、日本に在留している外国人は2,885,904人で、うち留学生は280,273人います。
日本政府は2008年に「留学生30万人計画」を発表しました。留学生30万人計画が公表されて以降、雨後の筍のごとく新たな日本語教育機関が設立され、留学生を受け入れる大学・大学院・専門学校などの高等教育機関も増えました。
しかし大きな問題点は、日本で学んだ留学生のうち約2割しか、日本で就職できないことです。
大学・大学院卒業生でも約3割しか就職できないので、日本語学校や専門学校卒業生の日本での就職率はさらに低くなります。日本で働くことを夢見て日本に留学した外国人の8割が、日本で就職できないという現実は大きな問題をはらんでいます。
就職したい外国人が就職できない。
また人材不足で困っている日本企業も採用がうまくいっていない。この大きなミスマッチ、大きな機会損失をなんとかしなければなりません。
2-3-2 日本在住留学生に特定技能の試験に合格してもらい、採用することの重要性
この大きな問題を解決する手段が、特定技能での採用です。
特定技能制度がスタートするまでは、留学生が日本で就職する手段は技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留資格を取得し、その許可業種に就職するしかありませんでした。
しかし、技人国ビザを取得するには、大学・大学院、もしくは専門学校を卒業する必要があり、日本語学校への留学生にはほぼ可能性が絶たれていました。
また技人国の在留資格の要件が厳しく、ITエンジニアや通訳・翻訳者以外は需要が少なく、就職の機会が著しく少なかったのです。そこで対策として、特定技能制度の活用が望まれます。
技人国の狭き門ではなく、留学生に特定技能の試験勉強をしていただき、特定技能の資格を取得してもらうことで、留学生の日本での就職率を上げることができるのです。2-4 [容易度4位] 日本国内で、特定技能の試験勉強をしている外国人を特定活動で雇用
業種や地域、募集条件によっては、特定技能資格者が日本国内で十分に見つからない場合があります。
そのときに使えるのが「特定活動での雇用」です。
但し「新型コロナウイルス感染症の影響により帰国が困難」とされる場合のみの適用となりますので、ご注意ください。2-4-1 コロナで帰国が困難な留学生の特定活動
帰国が困難な留学生で就労を希望する方には,週28時間以内の就労( アルバイト・6か月) が認められています。
この場合、資格外活動の許可を得る必要があります。
特定活動中に、留学生に特定技能の試験に合格していただき、特定技能の資格を得たら、在留資格を特定技能に変更し、再雇用するという方法です。但し、この6ヶ月の間に、特定技能の試験に合格し特定技能資格を得ないと、帰国せざるを得なくなります。
2-4-2 コロナで解雇された外国人の特定活動
新型コロナウイルス感染症の影響により、受入れ機関又は受入れ予定機関の経営状況の悪化(倒産,人員整理,雇止め,採用内定の取消し等)等により、自己の責めに帰すべき事由によらずに当該機関において活動することができなくなり、現在の在留資格で日本に引き続き在留することが困難となった外国人に対して、特定技能の業務に必要な技能を身に付けるために在留の継続を希望する場合、1年間の特定活動が許可され、就労が可能です。
以下の方々で、転職・就職先と雇用契約を結んでいる外国人が対象です。
- 解雇等され、実習の継続が困難となった技能実習生 ・解雇等され、就労の継続が困難となった外国人労働者
- (在留資格「特定技能」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」等) ・採用内定を取り消された留学生
- 技能実習を修了し、帰国が困難となった方 など
2-5 [難易度高] 海外から、技能実習を3年満了し帰国した外国人を同職種で雇用
技能実習を3年経験した職種と同一分野の場合、特定技能の資格が得られます。
しかし、コロナ禍による外国人入国禁止措置により、海外からの入国が大きく制限されていますので、現時点では入国のメドが立たないので、あまりおすすめできません。2-6 [難易度高] 海外から、試験に合格した特定技能有資格者を雇用
技能実習を3年経験した職種と別の業種の場合、特定技能評価試験に合格すれば、特定技能資格が得られます。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
一方、技能実習3年未経験者については、日本語能力試験と特定技能評価試験に合格すれば、特定技能資格が得られます。(介護職種では介護日本語評価試験も合格が必要)
しかし、コロナ禍による外国人入国禁止措置により、海外からの入国が大きく制限されていますし、特定技能の試験勉強をして必要な特定技能評価試験に合格することは簡単ではありませんので、おすすめできません。3.(付属資料)特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在:法務省出入国在留管理庁資料より)
【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
国籍・地域 総数 介護分野 ビルクリーニング分野 素形材産業分野 建設分野 造船・舶用業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 総数 87,471 10,411 1,133 17,865 8,492 2,776 1,220 79 160 11,469 1,050 29,617 3,199 ベトナム 52,748 4,294 649 11,782 5,897 525 606 18 52 4,938 192 21,741 2,054 インドネシア 9,481 1,797 89 596 208 58 0 13 2,243 797 1,536 84 フィリピン 8,681 1,308 147 1,825 897 1,539 454 23 4 1,216 9 1,182 77 中国 6,143 449 17 1.160 524 415 8 1 6 1,078 52 2,186 247 ミャンマー 4,107 1,145 143 300 154 10 57 0 32 211 0 1,828 227 カンボジア 1,872 139 25 48 191 7 7 0 1 1,020 0 422 12 タイ 1.793 896 29 3 48 0 5 19 30 145 0 70 156 ネパール 1,401 896 29 3 48 0 5 19 30 145 0 70 156 その他 1,245 331 29 80 83 1 21 18 21 190 0 154 317 【第1-1図】特定産業分野別割合
【第1-2図】国籍・地域別割合
【第2表】都道府県別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
都道府県 総数 介護分野 ビルクリーニング分野 素形材産業分野 建設分野 造船・舶用工業分野 自動車整備分野 航空分野 宿泊分野 農業分野 漁業分野 飲食料品製造業分野 外食業分野 総数 87,471 10,411 1,133 17,865 8,492 2,776 1,220 79 160 11,469 1,050 29,617 3,199 北海道 3,677 342 30 98 309 6 33 0 11 1,190 225 1,365 68 青森県 433 28 0 15 11 9 0 0 0 226 12 132 0 岩手県 604 37 2 55 47 18 8 0 1 75 8 352 1 宮城県 953 78 0 32 89 21 7 0 2 50 117 536 21 秋田県 119 18 2 15 0 0 2 0 1 14 0 67 0 山形県 243 43 0 64 9 0 2 0 3 18 0 102 2 福島県 630 64 3 190 56 1 28 0 4 78 4 175 27 茨城県 4,939 337 6 1,011 188 0 41 0 6 1,643 31 1,640 36 栃木県 1,653 116 4 418 119 0 32 0 4 303 0 639 18 群馬県 2,902 232 7 708 141 0 25 0 3 492 1 1,271 22 埼玉県 4,991 670 56 516 950 1 98 0 1 150 0 2,345 204 千葉県 5,019 484 196 263 628 7 71 34 3 768 81 2,289 205 東京都 4,204 963 207 131 848 0 58 27 4 17 0 1,023 926 神奈川県 4,335 1,020 86 366 792 87 70 14 3 38 0 1,648 211 新潟県 640 29 3 127 51 0 22 0 4 89 1 309 5 富山県 866 94 6 304 101 0 47 0 3 15 11 266 19 石川県 869 78 6 475 71 1 28 0 3 14 43 124 26 福井県 470 88 5 131 51 0 8 0 3 13 43 86 42 山梨県 690 105 7 109 33 0 10 0 0 49 4 359 14 長野県 2,118 77 28 653 70 0 31 0 10 904 0 329 16 岐阜県 2,249 288 10 1,048 173 1 24 0 19 136 0 510 40 静岡県 2,840 144 25 999 218 35 32 0 7 216 10 1,103 51 愛知県 8,012 850 40 2,873 796 77 107 3 2 568 1 2,338 357 三重県 2,209 178 14 960 142 75 36 0 5 112 30 630 27 滋賀県 1,120 68 1 643 54 0 16 0 2 32 0 296 8 京都府 1,735 233 44 391 124 2 22 0 6 124 0 736 53 大阪府 4,990 1,132 154 1,366 646 9 49 1 6 33 4 1,322 268 兵庫県 3,431 514 30 1,063 212 42 54 0 6 164 7 1,235 104 奈良県 535 143 1 123 72 0 25 0 2 23 0 135 11 和歌山県 288 42 3 88 25 0 7 0 4 28 0 81 10 鳥取県 233 20 0 56 22 0 7 0 5 12 13 94 4 島根県 270 12 2 81 37 5 5 0 0 32 9 85 2 岡山県 1,672 178 3 412 174 107 9 0 0 98 8 659 24 広島県 3,389 232 32 650 258 916 67 0 0 143 179 890 22 山口県 722 106 9 106 109 32 8 0 6 23 9 282 32 徳島県 329 23 2 10 32 3 9 0 1 153 5 91 0 愛媛県 1,273 145 1 102 40 608 10 0 0 57 8 296 6 香川県 1,401 124 4 183 85 192 12 0 0 249 7 536 9 高知県 422 18 5 4 23 18 6 0 1 271 20 46 10 福岡県 3,272 369 37 478 291 13 41 0 4 471 0 1,409 159 佐賀県 556 111 1 37 40 15 6 0 0 52 0 282 12 長崎県 789 34 3 25 31 146 4 0 2 321 58 159 6 熊本県 1,866 126 6 249 105 124 6 0 3 877 0 328 42 大分県 736 40 16 70 58 155 10 0 2 270 9 92 14 宮崎県 561 82 0 9 24 0 3 0 3 211 59 159 11 鹿児島県 1,203 111 1 139 52 13 10 0 0 413 6 447 11 沖縄県 689 135 39 3 76 0 14 0 5 176 2 200 39 未定・不詳 324 50 6 16 9 37 0 0 0 58 25 119 4 注1) 本表の数値は速報値である。
注2) 本表の都道府県は在留外国人の住居地の都道府県である。【第3表】特定産業分野・業務区分別 特定技能1号在留外国人数
(令和4年6月末現在)
介護分野
10,411
ビルクリーニング分野
1,133
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野
17,865
鋳造
鍛造
ダイカスト
機械加工
金属プレス加工
鉄工
工場板金
めっき
アルミニウム陽極酸化処理
仕上げ
850
97
424
2,647
1,844
387
55
213
23
325
機械検査
機械保全
電子機器組立て
電気機器組立て
プリント配線板製造
プラスチック成形
塗装
溶接
工業包装
953
189
2,510
411
249
1,395
859
3,507
427
建設分野
8,492
型枠施工
左官
コンクリート圧送
トンネル推進工
建設機械施工
土工
屋根ふき
電気通信
鉄筋施工
鉄筋継手
1,286
486
155
2
1,394
55
50
20
1,335
28
内装仕上げ
表装
とび
建築大工
配管
建築板金
保温保冷
吹付ウレタン断熱
海洋土木工
533
73
2,027
528
339
117
64
0
0
造船・舶用工業分野
2,776
溶接
塗装
鉄工
仕上げ
機械加工
電気機器組立て
2,288
354
108
12
12
2
航空分野
79
空港グランドハンドリング
航空機整備
76
3
農業分野
11,469
耕種農業全般
畜産農業全般
8,766
2,703
漁業分野
1,050
漁業
養殖業
704
346
自動車整備分野
1,220
宿泊分野
160
飲食料品製造業分野
29,617
外食業分野
3,199
12分野計
87,471
注) 本表の数値は速報値である。
【第7表】(全分野)国籍・地域別 試験ルート・技能実習ルート別 特定技能1号在留外国人数
国籍・地域
総数
試験ルート
技能実習ルート
検定ルート
介護福祉士養成
施設修了ルートEPA介護福祉士
候補者ルート総数
87,471
20,534
66,535
191
1
210
アジア
87,365
20,438
66,525
191
1
210
ミャンマー
4,107
1,561
2,544
2
0
0
ブータン
30
22
8
0
0
0
バングラデシュ
76
57
18
1
0
0
カンボジア
1,872
333
1,539
0
0
0
スリランカ
224
85
135
3
1
0
中国
6,143
838
5,278
27
0
0
台湾
144
144
0
0
0
0
インド
40
20
20
0
0
0
インドネシア
3,227
6,157
4
0
93
韓国
158
157
0
1
0
0
ラオス
76
7
69
0
0
0
マレーシア
14
13
1
0
0
0
モンゴル
375
197
178
0
0
0
ネパール
1,401
1,292
109
0
0
0
パキスタン
1
1
0
0
0
0
フィリピン
8,681
1,577
6,969
23
0
112
タイ
1,793
145
1,648
0
0
0
ベトナム
52,748
10,761
41,852
130
0
0
バーレーン
1
1
0
0
0
0
ヨーロッパ
74
66
8
0
0
0
フィンランド
1
1
0
0
0
0
フランス
6
6
0
0
0
0
ハンガリー
1
1
0
0
0
0
イタリア
13
13
0
0
0
0
キルギス
17
10
7
0
0
0
カザフスタン
1
1
0
0
0
0
ロシア
11
11
0
0
0
0
スペイン
7
7
0
0
0
0
英国
3
3
0
0
0
0
ウズベキスタン
7
6
1
0
0
0
エストニア
1
1
0
0
0
0
オランダ
1
1
0
0
0
0
スウェーデン
1
1
0
0
0
0
スロバキア
1
1
0
0
0
0
ドイツ
1
1
0
0
0
0
ボーランド
1
1
0
0
0
0
リトアニア
1
1
0
0
0
0
アフリカ
2
2
0
0
0
0
ガーナ
1
1
0
0
0
0
マダガスカル
1
1
0
0
0
0
北米
11
11
0
0
0
0
エルサルバドル
1
1
0
0
0
0
メキシコ
4
4
0
0
0
0
アメリカ合衆国
5
5
0
0
0
0
カナダ
1
1
0
0
0
0
南米
16
14
2
0
0
0
アルゼンチン
2
2
0
0
0
0
チリ
6
6
0
0
0
0
ブラジル
4
4
0
0
0
0
ペルー
4
2
2
0
0
0
オセアニア
3
3
0
0
0
0
オーストラリア
3
3
0
0
0
0
注1) 本表の数値は速報値である。
注2) 特定技能1号外国人の受入れのある国籍・地域のみ記載している。
注3) 令和4年6月末時点のデータに基づいて作成したものであり,今後数値が変わることがある。 -
2022.06.14特定技能「登録支援機関」とは|役割・失敗しない選び方
外国人労働者の雇用に関わる皆さんは、「登録支援機関」について、ご存知でしょうか?
登録支援機関は、今注目の在留資格、「特定技能」を活用する上で、重要な役割を果たしています。
今回は、登録支援機関の役割と、その選び方についてご紹介します。
「人手不足解消のために、特定技能を検討している」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
外国人労働者の採用を成功させることは、人手不足解消の糸口となるでしょう。
目次
1.企業と外国人労働者のサポーター「登録支援機関」
1-1.登録支援機関とは
登録支援機関とは、特定技能1号として労働する外国人の、 「入国から帰国までの一連のサポート」を委託することができる機関です。
「受入れ機関」とは、外国人が特定技能労働者として雇用契約を結ぶ企業を指します。
その受入れ機関が行う仕事の中で、彼らの仕事や生活に関わる支援、専門性の高い業務などを、登録支援機関に委託することができるのです。
労働者にとっても、企業にとっても、登録支援機関は心強いサポーターとなります。1-2.受入れ機関の基準・義務
企業が「特定技能1号」として外国人労働者を受け入れるためには、定められた基準を満たし、義務を果たす必要があります。
<基準>
- 適切な雇用契約を結ぶ(例:日本人と同等以上の待遇を準備する)
- 機関自体が適切である(例:出入国に関する法令や労働法令等に違反していない)
- 外国人を支援する体制が整っている(例:生活面やコミュニケーションのサポート)
- 外国人を支援する計画が適切である(例:生活のオリエンテーション)
<義務>
- 雇用契約を確実に履行する
- 支援を実施する
- 出入国在留管理庁への各種届出を行う
- 外国人を支援する計画が適切である(例:生活のオリエンテーション)
以上の項目について体制を整えることで、企業は初めて、特定技能労働者として外国人材を受け入れることが可能なのです。
この中で「支援を実施する義務」の部分については、登録支援機関への委託が可能です。 次の章で、その詳しい内容について確認しましょう。
2.登録支援機関の役割は?支援内容10項目をご紹介
2-1.登録支援機関の要件
支援計画書の作成を行うことができれば、個人でも団体(民間の団体や法人、社労士、行政書士など)でも、登録支援機関になることができます。
出入国管理庁長官の登録を受けることで、登録支援機関としての活動が始められるのです。
この登録のためには、機関自体に法令違反がなかったり、外国人の支援体制が整っていたりといった、基準への適合が必要です。2-2.登録支援機関の役割
登録支援機関は、受入れ機関と支援委託契約を結びます。
これにより、支援計画の全部または一部の実施を、登録支援機関が行うことになります。 具体的な支援内容について、確認しましょう。
2-3.支援内容10項目
事前ガイダンス
受入れ機関と労働者が雇用契約を締結した後、在留資格の申請前に、ガイダンスを行います。
労働条件、活動内容、入国手続き、保証金徴収の有無などについて、対面やテレビ電話で説明をするのです。
これらの説明は、外国人労働者が十分に理解できる言語を使い、お互いの表情が見える状態で行わなければなりません。出入国する際の送迎
入国の際には、空港と仕事先(受入れ機関)もしくは住居間の送迎をする必要があります。
また、帰国の際にも、空港の保安検査場まで送迎・同行しなければなりません。住居確保・生活に必要な契約支援
特定技能外国人の住居として、住居探しの補助や社宅の提供を行います。
賃貸物件を契約する際、特定技能労働者本人の名義で契約するのであれば、受入れ機関に保証人となることをうながしたり、保障業者を探し緊急連絡先となったりすることもあります。
また、銀行口座の開設や、携帯電話の契約、電気・水道などの生活インフラの契約や手続きを補助する必要があります。生活オリエンテーション
円滑に社会生活を送るための、日本のルールやマナーを教えます。
また、公共機関の利用方法や、トラブル発生時・緊急時の連絡先、災害時の対応などについても伝えます。
あいまいな理解や誤った知識のまま生活をスタートすると、深刻な問題に発展することもあります。
母国との文化の違いに触れ、彼らが十分に理解できる言語で、入国したらすぐに実施します。公的手続等への動向
住居や社会保険、税などの手続きの同行や、書類作成の補助を行います。
特定技能労働者自身が、窓口に出向いて行う行政手続きについては、特に手厚く支援をする必要があります。日本語学習の機会の提供
日本語教室への入学案内や、日本語学習教材の提供などを実施します。
特定技能の場合は、一定水準の日本語力を確認する試験を通過しております。
しかし、職務の遂行や日本での暮らしを円滑にするためには、さらなる日本語学習が必要です。相談・苦情への対応
職場や生活する中で出た相談事や苦情などに対して、助言や指導を行います。
この際も、彼らが十分に理解できる言語で行わなければなりません。日本人との交流促進
自治会等の、地域住民との交流の場への参加を促します。
奉仕活動や地域のお祭りなどの情報を提供、案内し、必要に応じて同行します。
交流の際の注意事項や実施方法についても、説明を行わなければなりません。転職支援(人員整理等の場合)
特定技能は、受け入れ側の都合により、雇用契約が解除となる場合があります。
その際に、転職先を探す手伝いや、推薦状の作成をしなければなりません。
また、転職活動のための有給休暇を付与する、転職に必要な行政手続きについてオリエンテーションするといったことも必要です。定期的な面談・行政機関への通報
支援責任者等は、特定技能労働者やその上司に、3か月に1回以上の定期的な面談をする必要があります。
またその際、労働関連法規や入管法の違反が発覚した場合には、通報しなければなりません。
労働者本人への面談は、彼らが十分に理解できる言語で行う必要があります。
上記で説明した事柄は、「義務的支援」と呼ばれ、必ず実施しなければならない項目です。 これに加え、出来る限り実施することが望ましいとされる「任意的支援」もあります。
情報を一覧にした書面で情報提供をしたり、同行を義務付けられていない場面にも一緒に出向いたり、といった内容です。
登録支援機関には、特定技能労働者が安心して働けるように、出来る限りの支援を行うことが求められているのです。3.登録支援機関選びに失敗しない3つのポイント
特定技能労働者の受け入れを成功させるためには、登録支援機関選びがカギとなります。
支援機関としての登録はされているものの、 支援の実態がない機関は多数存在します。
適切な登録支援業務を、実際に行っている機関を選ぶことは大前提です。
加えて、以下の点に注意しましょう。3-1.協議会に加入しているか
特定技能の受入れ機関には「業種別の協議会への加入義務」があります。
この協議会は、特定技能制度を適切に運用するために、管轄の省庁が設置したものです。
特定技能14業種のうち、次の6業種については、登録支援機関についても、その協議会への加入が必須となっております。
・外食業
・飲食料品製造業
・宿泊
・自動車整備業
・航空
・造船・船用工業特定技能労働者の就労分野がこちらに該当する場合には、協議会に既に加入しているか、これから加入する確約のある登録支援機関から選ぶようにしましょう。
3-2.登録支援機関の拠点が近くにあるか
登録支援機関は、自社の近くにあるのが望ましいです。
実際に外国人労働者を受け入れると、就労中や日常生活の中で、予想していなかったトラブルが起こります。
その際に、フットワーク軽く対応してもらえるかどうかは、非常に重要なポイントです。
対応が遅れると、トラブルが大きくなりかねません。
また、支援のための費用として、自社までの交通費を負担するため、近距離の方が費用を抑えられます。3-3.支援費やサポート内容が適切か
登録支援機関を比較し、支援費(監理費、管理費、サポート費、登録支援費とも呼ぶ)やサポート内容、対応言語について、詳しく情報を収集しましょう。
任意支援の内容や支援費は、機関により全く異なります。
支援費が高額だからといって、充実した支援内容であるとも限らいないのです。
特定技能労働者を受け入れる上で、気になる点を事前に確認し、数社の見積もりを比較するようにしましょう。
通訳がその機関に常駐しているか、どのような支援を依頼した場合に別途費用が発生するかなど、トラブルが起こった場合を想定するのがポイントです。4.さいごに
今回は、登録支援機関について解説しました。
登録支援機関は、特定技能での外国人労働者を受け入れる上で、非常に重要な役割を持つ機関です。
優良な登録支援機関の存在は、労働者と企業、双方の心強いサポーターとなるでしょう。
【出典】
法務省 入国管理局「新たな外国人材の受け入れについて」
閉じる
外務省 「登録支援機関について」
法務省 「特定技能における分野別の協議会について」 -
2022.06.14特定技能外国人の住居基準 ルールと最新事例は?
日本企業の約半数が人手不足に陥っている状況にあるという発表もあり、人材不足は社会問題となっています。そんな問題の解決に向け、2019年より「特定技能」という制度が開始され、特に人手不足が深刻な業種において、外国人の就労が認められるようになりました。現在、特定技能の在留資格を取得した外国人を雇う企業が増加しています。
特定技能外国人を雇用するにあたって、外国人採用ならではのいくつかの決まりがあります。今回はそんないくつかある決まりのうち、住居基準と最新事例を解説していきます。目次
まずはじめに、特定技能外国人には「第1号」と「第2号」の2つの在留資格があります。 特定技能第1号とは、特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する 業務に従事する外国人向け在留資格のことで、14業種に認められています。
特定技能第2号とは、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格のことで、現時点での対象業種は、建設業と造船・舶用工業のみです。
第2号は第1号より優遇される点が多いですが、特定の職業しかなることが出来ず、高度試験の合格も必要となり、第1号よりかなりハードルが高くなっています。
今回は特定技能1号外国人の住居基準について説明します。「住居」に関する支援の義務化
住居探し、賃貸契約の援助
住居確保支援の1つ目として、住居探し、賃貸契約の援助があります。
賃貸物件に関する情報提供、不動産仲介事業者を紹介など、住居探し、賃貸契約の援助を行う 必要があります。
また、当該外国人が希望すれば住居探しにつきそい、住居探しの補助を行います。さらに賃貸 契約の際に連帯保証人が必要な場合があります。
もし連帯保証人がいない場合、以下2つのいずれかの支援が求められます。① 連帯保証人を受け入れ機関などが引き受ける
② 利用可能な賃貸料金の債務保証業者を調達し、緊急連絡先を受け入れ機関にする受け入れ機関による住居の確保
支援の2つ目として、住居提供が挙げられます。
採用した時点で、当該外国人の状況が日本在住ではない、日本に住居がない場合、受け入れ機関による住居の準備・確保が必要となってきます。そのため、事前に物件を探し、受け入れ機関側自ら賃貸人として賃貸契約を行い住居として提供します。提供の際にこの住居でいいのか、受け入れ機関と当該外国人の双方で確認が必要です。社宅などを住居として提供
支援の3つ目として挙げられるのは、提供する物件として受け入れ機関が所有する社宅等を利用するというものです。
もし、所有する物件がある場合、それらを住居として提供するのも一つの方法といえます。この場合も2)と同様に、提供の際に受け入れる特定技能外国人へ物件の良し悪しを確認する必要があります。
これら3つのうちのいずれかを行うことが義務化されていますが、どの場合でも特定技能外国人の希望に沿った支援が求められます。上記3つの支援については,受入れ後に当該外国人が転居する場合にも 行うことが求められます。上記の義務以外にも留意しておくべき大事な点があるため、本項では上記の義務以外の重要注意事項や、実際に住居提供となった際に気になるだろう点について述べていきます。
用意する住居における注意点や留意事項
上記の義務以外にも留意しておくべき大事な点があるため、本項では上記の義務以外の重要注意事項や、実際に住居提供となった際に気になるだろう点について述べていきます。
準備する住居において必要な住居面積
法務省より、住居面積は1人あたり7.5m2以上の確保は必ずしないといけないとされています。7.5m2とは、おおよそ4畳半以上に匹敵します。
住居広さ7.5m2以上 = 住居(居室)面積 ÷ 居住人数
複数で住むことも可能ですが、複数人で同居したとしても住居(居室)全体の面積を居住人数で除した面積が7.5m2以上でないといけません。
運用要領にて「居室」とは以下のように示されています。ここにいう「居室」とは、居住、執務、作業、集会、娯楽、その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、ロフト等はこれに含まれない ことに留意が必要です。
(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)
ただし、例外もあります。それは元々働いていた技能実習生から特定技能外国人として再度雇用したときに元々住んでいた社宅や寮を住居として利用する場合です。(4.5m2以上の住居面積が必須)。
別の住居に引っ越しを希望する場合は、先程述べたような支援(1人あたり7.5m2以上の住居面積)が必要となります。敷金・礼金等の支払いは受け入れ機関がするべき!?
敷金・礼金などの支払いにおいては、受け入れ機関が必ずしも行わないといけないという義務はありません。よって、基本的には特定技能外国人に支払ってもらう方向でいいと思います。
受け入れ機関による任意の全額負担、割合負担は問題にはなりません。 ただし注意点があり、以下に示します。なお、家賃債務保証業者を利用した場合は、保証料は受け入れ機関が負担する必要があります。(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)
住居における留意事項
①日本人と同等の扱いを行わなければならない
日本人労働者と外国人労働者の扱いに差が出来ないようにする、というのも留意する点となります。例えば、日本人労働者に提供している物件がある場合、特定技能外国人に対してもそれと同等の居室の広さの提供が必要です。
②又貸しや社宅を利用した賃貸による利益を得てはいけない
受け入れ機関が外国人に対し賃貸契約した住居や社宅を、又貸しや賃貸として利用し経済的利益を上げるような行為をはしてはいけません。
法務省より、特定技能外国人から徴する費用についての注意点が述べられており、以下の通りとなっています。・借上物件の場合
借上げに要する費用(管理費・共益費を含み、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等を含まない)を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額
・自己所有物件の場合
実際に建設・改築等に要した費用、物件の耐用年数、入居する特定技能外国人の人数等を勘案して算出した合理的な額
(引用:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)難しい表現で記載されていますが、簡単に言うと、「特定技能外国人向けの社宅提供で儲けてはならない」ということです。
出入国在留管理庁ホームページには外国人を受け入れる際の注意点やQ&A等の記載があります。目を通してみるのもいいかもしれません。住居確保後に必ず忘れてはいけないこと
それは、住居地に関する届け出の提出を忘れてはいけないことです。住居が確保できたら、必ず所在地の自治体に住所の届け出を出す必要があります!!期間は、住居が決まった90日以内となっています!!
万が一、90日以上を過ぎてそのまま放置してしまうと、在留資格が取り消し扱いの対象となったり、受け入れ機関に対しても不正行為があるとみなされてしまい、特定技能外国人を雇うことができなくなります。
日本人では「注意不足」で済むかもしれませんが、外国人の場合ではそういうわけにはいかないようです。細心の注意を払って、必ず90日以内に自治体に住所の届け出を出すようにしましょう。特定技能外国人の住居【最新事例】
令和元年に「1号特定技能外国人支援に関する運用要領―1号特定技能外国人支援計画の基準についてー」が一部改正されました。住居においても改正点があり、以下のとおりです。
なお、ルームシェアするなど複数人が居住することとなる場合には、居室全体の面積を居住人数で除した場合の面積が7,5m2以上でなければなりません。(引用:法務省ホームページより)
つまり、同居する場合においても居住面積1人あたり7.5m2の確保は必須ということです。2人でルームシェアする場合は15m2以上の居住面積の確保が必要となります。
さいごに
人材不足が深刻な社会問題となっている現代において、外国人雇用は問題の打開策となる改革的な制度と言えます。実際に、外国人を雇用する企業も徐々に増えきており、コロナ化にてやや低迷傾向ではありますが今後も増加することが予想されます。とはいえ、「特定技能」制度自体がまだ新しい制度といえ、聞きなれないことや注意点等を知らない方も多いと思います。
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企業として、雇用する外国人が安心して在住できるようなサポートは必要不可欠です。住居においても必要なサポートの一つとなってきます。ぜひ今回解説したことを活かしていただければと思います。 -
2022.06.14特定技能の受け入れ人数|建設と介護以外は無制限!?
近年、日本企業は深刻な人材不足に陥っています。そんな中、人材不足の解決策として特定技能外国人の受け入れに注目が高まっており、その受け入れ人数は年々上昇しています。
様々な分野で活躍を始めている特定技能外国人。そこで、今回は採用にあたるうえで、受け入れ人数に制限はあるのか、現在の受け入れ状況ともに説明していきます。目次
在留資格の分野と種類
1)
特定産業分野とは、受け入れできる業種のことです。
「特定技能」は2019年4月より開始された制度で、介護や漁業など人手不足が深刻な14業種に限り外国人の就労が認められています。外国人就労の認められた特定産業分野である14業種は以下のとおりです。介護、ビルクリーニング、素材系産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、
、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁行、飲食料品製造業、外食業特定産業分野は、「特定技能第1号」、「特定技能第2号」でそれぞれ異なります。
特定技能第1号は、上記14業種すべてで受入れが認められています。
一方、特定技能第2号は下線を引いた「建設」、「造船・船用工業」の2分野の業種のみ受け入れ可となっています。2)
前述したように、在留資格には「特定技能第1号」、「特定技能第2号」という2種類があります。
特定技能第1号:
不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に属する相当程度の知識又は経験を要する業務に従事する外国人向けの在留資格特定技能第2号:
同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの残留資格それぞれの違いは以下の通りになってきます。
特定技能第1号 特定技能第2号 在留期間 1年、6ヶ月又は4ヶ月ごとの更新 通算で上限5年まで 3年、1年又は6ヶ月ごとの更新 技能水準 試験等で確認 確認不要 日本語能力 水準 生活や業務に必要な日本語能力を 試験等で確認 確認不要 家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可(配偶者、子) 受入れ機関、登録 支援機関による支援 対象 対象外 (引用:法務省ホームページ)
特定技能1号が期間5年で家族帯同が認められていないのに対して、特定技能2号は期間の上限はなく、家族の帯同も認められています。これは特定技能2号が高度人材と呼ばれる在留資格「技術・人文知識・国際業務」と同等の在留資格として制度設計されているためです。 しかし、2号は「建設」、「造船・船用工業」の2つの業種のみとされています。
在留資格の分野と種類
1)特定技能外国人の受け入れ状況
(引用:法務省ホームページ)
上記は、出入国在留管理庁より発表された最新の特定技能外国人の在留者数を示したグラフとなっています。2021年2月時点で、22,567人の特定技能外国人が在留しており、グラフからわかるようにその人数は年々増加傾向にあります。
緑のグラフ線は在留資格変更許可を受け「特定技能」で在留する外国人、青のグラフ線は上陸時に「特定技能」の許可を受けて在留する外国人を示しています。
「特定技能」制度が開始されて数年経ちます。徐々に制度の認知度が高まり、技能実習から在留資格の切り替えが広がっています。コロナウイルスによる入国制限の強化により、入国時に特定技能の資格を得て就業に至っている外国人の数は2割増と増加数は少ない状況です。(引用:出入国在留管理庁ホームページ)
2)特定産業分野ごとの受け入れ人数
上記の表は特定産業分野ごとの特定技能外国人の受け入れ人数を表しています。 在留する特定技能外国人が、全14業種のうち「飲食料品製造業:8,104人」、「農業:3,359人」の2種類の業種で半分を占めていることが分かります。これは、技能実習生が多いことが原因として考えられます。
人手不足が深刻な「介護」は1,705人で2020年9月末より約2,6倍、「建設」は2,118人で2020年9月末より約3,3倍と増加率が高く、本制度が本格的に動き出す兆候が見えてきました。3)
現時点で、「技能実習修了者」から特定技能1号となっている場合が84,6%となっており、 特定技能制度を利用する外国人のほとんどが「技能実習修了者」ということがわかります。 ・技能実習修了者 :19,092人(84.6%)
4)
受け入れ目標としては、2018年に出入国在留管理庁より各分野に向こう5年でどの程度人手不足が見込まれるかを算出し、 必要性を考慮したうえで、向こう5年での最大受け入れ人数の設定が行われています。
分野 向こう5年間での
受け入れ上限介護 60,000人 ビルクリーニング 37,000人 素形材産業 21,500人 産業機械製造業 5,250人 電気・電子情報関連産業 4,700人 建設 40,000人 造船・舶用工業産業 13,000人 自動車整備 7,000人 航空 2,200人 宿泊 22,000人 農業 36,500人 漁業 9,000人 飲食料品製造業 34,000人 飲食料品製造業 34,000人 外食業 53,000人 合計 345,650人 左の表は各分野の業種において、出入国在留管理庁が示している向こう5年間での受け入れ上限です。
2)で示した受け入れ人数に対し、20~30%まで到達した業種がわずかで、その他多くの業種が10%にも満たない状況が現状としてあります。特定技能外国人に制限はある?建設と介護以外は無制限?
1)
現在、特定技能制度において受け入れ人数の制限があるのは、特定産業分野に属する14分野のうち、介護分野、建設分野の2分野です。その他の分野は人数の制限がありません。
2)
1)で述べたように介護分野と建設分野には一定の制限がかかることがあります。制限の詳細は下記の通りです。
- 介護分野:事業所で受け入れることができる特定技能1号は,事業所単位で,日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること
建設分野:特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数と特定 活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が, 受入れ機関の常勤の職員(外国人技能実習生,外国人建設就労者,1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと
つまり、既存の日本人社員を超える人数の採用はできないということですね。 介護分野、建設分野以外は受入れ人数は無制限です。
さいごに
今回は特定技能外国人の受け入れ人数について、現在の受け入れ状況を解説してきました。 「特定技能」制度は、開始されてまだ3年しかっておらず、コロナ等の影響もあり、なかなか進んでいないのが現状です。そんな中でも、人手不足が本当に深刻な分野にもようやく特定技能外国人の増加率が増加傾向をみせ始めており、今後さらに期待できる制度となっています。 人手不足に悩んでいる際には、一つの解決策としてぜひ検討してみてはどうでしょうか。
閉じる- 2022.06.09技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会
目次
大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。村瀬 優子 ミャンマー・ユニティ 実習生指導部マネージャー
ミャンマーで大学卒業後2000年に来日、日本で短期大学と専門学校を卒業。2007年に帰化して日本国籍を取得。
2016年にミャンマーユニティに入社。その後現在までに1,381名の技能実習生に対する日本での生活支援や様々な問題について取り組んでいる。
大澤さん
それでは技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会を開催いたします。
主に失踪をどのように防いでいくかが今回の話題になります。
実習生指導部の人員構成
まず、ミャンマー・ユニティの実習生指導部の人員構成についてお話します。
ミャンマー・ユニティの実習生指導部は、現在6人体制で日本で技能実習生のサポートをしております。 現在実習生指導部のメンバーは、東京1名、千葉1名、群馬1名、愛知1名、岐阜1名、岡山1名駐在しております。
その後は、技能実習生の配属の地域に合わせて7人目、8人目と人材を増やしていく予定です。(2022年12月1日現在)次は、実習生指導部マネージャーの村瀬より、実習生指導部の仕事内容についてお話しいただきます。
村瀬さん
実習生指導部の仕事内容
実習生指導部の仕事は、基本的には通訳と翻訳などを通じて、技能実習生を受け入れてくださっている監理団体様、企業様をサポートしております。
さらに、監理団体様が受け入れ先や技能実習生のところに訪問するときにいっしょに同行させていただいて、技能実習生に問題があるときにいっしょに解決したり、通訳などをしております。
特に企業様と技能実習生の間で何か問題があったときには、通訳とともに、解決に向かうようにアドバイスを行っております。
あとは技能実習生からいろいろ相談を受けたり、我々からも定期的に技能実習生に連絡して、生活がうまくいっているか、仕事がどうかなどの確認をとっております。以上が基本的な実習生指導部の仕事ですが、それ以外でも監理団体様のご要望があれば柔軟に対応させていただいております。
ミャンマー・ユニティがミャンマーで実施している失踪防止対策
大澤さん
ミャンマーで実施している失踪防止対策をお話しします。
ミスマッチの防止
技能実習生が失踪する原因の一つがミスマッチです。つまり、ミャンマーで聞いていたことと、日本に行ってからの現実が違うという場合にミスマッチが起こります。
ミャンマーでは採用企業はこんな企業だ、雇用条件(給料)はこのくらいだと話を聞いていたが、実際日本に行ってみたら聞いていたことと現実が違う。聞いていた給料と違う。こうしたミスマッチが一番失踪原因になります。
ですからミャンマー・ユニティはミャンマー側での対策として、ミャンマーでの話と日本に行ってからのミスマッチがないように、注力しています。次に、ミスマッチ防止策として、具体的にどのように対策しているかをお話しします。
①具体的かつ詳細な求人情報の提供
面接の手順は、まず日本の企業様から監理団体様を通して求人をいただき、その後ミャンマー・ユニティから求職者数百人に対してその求人情報を案内します。そうしますとその求人に対して数百人から応募が来るという手順になります。
その求人案内をするときに、給料がいくらであるか、税金や保険や家賃がいくら給与から控除されるかを細かく記載した雇用条件書を求職者に案内します。さらに仕事現場の写真、寮の写真、また残業がどのくらいあるかを案内します。
この際に、ミャンマーにいるときに想像していた職場の情報、手取り給与の情報が日本に行ったら違う、というのが一番怖いのです。
ですから、できる限り企業様のありのままの情報を求職者に伝えた上で応募してもらいます。
まずこれが一つ目のミスマッチを防ぐ方法です。その後、面接のときに企業様から企業様自身のご案内をしていただき、そのときに技能実習生から質問があればどんどんしていただきます。
②技能実習制度の詳細説明
面接が終了し企業様から内定が出た技能実習生に対しては日本語教育が始まります。介護以外の一般の技能実習生であれば5ヶ月、介護の技能実習生であれば10ヶ月の日本語教育が始まります。
この教育が始まる際の開講式では、技能実習生と技能実習生の両親等に対して、技能実習生がどんな目的で日本に行くのかなど、技能実習生制度について綿密に説明いたします。ちなみに面接前の段階でも、求職者にはスクリーニング(一次選抜)をし、合格者だけが面接候補者になっています。
このスクリーニングにおいても技能実習制度についての説明を行い、理解度を測るテストを行い、テスト結果が良好な人がスクリーニングに合格します。スクリーニングには他にもテストがありますが、その一つとして技能実習生制度の理解度を確認します。
③給与計算授業
また日本語教育期間は、基本的には日本語の教育がメインですが、日本語以外の教育も実施しています。
その中には、性教育や日本での生活の方法もありますが、給与計算の授業もあります。給与計算の授業がなぜ必要かといいますと、ミャンマーでは例えば3万円の給料だったら3万円がそのまま全額もらえるというのが普通です。しかし、日本では給与が額面通りもらえることはなく、いろいろ控除される金額があります。
その点を雇用条件書に基づいて、何が控除されて自分の手取り給与になるのはいくらか、というのをしっかり理解させるために、例を出しながら授業を行い、理解度のテストを行います。
雇用条件書に記載がある通り、いろいろ引かれて自分に手取りが残るっていうところを理解させるようにしております。ミスマッチの防止に関しては以上です。
失踪対策のディスカッション
ミャンマーで行っている失踪防止対策の二つ目は失踪対策のディスカッションです。
現在新型コロナ対策のためオンライン授業がメインですので、ミャンマー出国直前にヤンゴンに来てもらい、対面授業で補講をする際に、失踪対策のディスカッションを行います。
失踪対策のディスカッションは、グループで例えば
- ①同僚が「失踪したい」と告白してきたらどう対処するか。
- ②自分自身が失踪したくなったらどうするか。失踪する前に誰に相談するか
日本に入国してから、技能実習生自身に「仕事がつらい」「人間関係に問題がある」「不満がある」など心の隙があるときに、同国人から甘い誘いがあり、ついついその誘いに騙されてしまうのが失踪の実態ですが、失踪してもロクなことにはなりません。
うまいウソの話に騙されて、結果的に悪の集団に引き込まれたり、一生犯罪者として逃げ回ることになるだけですので、まずは「決して失踪してはいけない」「同国人の甘い誘いに騙されてはいけない」ということを徹底的に教えます。その上で、グループディスカッションでは「失踪はなぜ発生する?」という問いかけから、技能実習生同士でよく考えていただき、各意見に対しディスカッションを行います。
皆で考え、議論することで新たな気付きを与え、実際に自分がそのような状況になった時にどのように行動・判断すべきかを皆で考えます。
そして、友達から失踪の相談があったときは説得して断念させる、また自分自身も失踪の誘いがあったときに決して甘い言葉には乗らないようにするという方向に結論づけさせます。こうしたディスカッションを経験させることで、日本で本当にそういう状況に直面したときに、ディスカッションを思い出し、失踪を思いとどまってもらうというのが、このディスカッションの目的です。
将来ビジョン設計サポート
失踪防止対策の三つ目は、将来の目的「何のために日本に行くか」をしっかり考えさせる取り組みをしております。
将来の夢や目標を書かせたり、外部の講習に1日参加させて日本に行く目的と将来の自分の目標を立てさせます。
こうした三つの失踪防止対策を行うことで、ミャンマーでの仕事のイメージと実際の日本での業務にギャップが生じないようにし、技能実習生自身の心が折れそうになったときに失踪を思いとどまるよう徹底しております。
日本におけるミャンマー・ユニティの失踪対策
では続きまして村瀬さんから、日本における基本的な失踪対策についてお話をいただきます。
村瀬さん
ミャンマー語での相談窓口の設置
日本においての失踪防止対策としては、まず日本に来る前に、技能実習生と実習生指導部の間で、フェイスブックのメッセンジャーのグループまたはラインのグループを作ります。
それにより、日本に入国してからも技能実習生が送り出し機関(ミャンマー・ユニティ)とミャンマー語で相談できる窓口があることを伝えております。日本で技能実習している間に、技能実習生がミャンマー語で相談できますと、技能実習生に何かあったとき、困ったとき、不満があるときに安心して日本でも生活できますし、安心して実習が続けられます。
安心して実習できる環境を提供することにより、何かあったときにもすぐ失踪しないよう、また失踪したいという気持ちにならないよう、失踪を未然に防ぐことができます。
定期連絡と企業同行
二つ目は、実習生指導部が技能実習生に定期的に連絡すること、および、監理団体様が実習実施者の企業様に巡回や監査に行くときに実習生指導部が同行することです。
この定期連絡と同行により、何か失踪につながるような問題があるときは早期に対策し、失踪にならないように対応しています。
日本語学習の指導
三つ目は、日本入国後も日本語を続けて勉強するように指導することです。
日本での日本語能力試験(JLPT)受験に関して、我々送り出し期間が技能実習生の代わりに申し込みます。申し込みの手伝いをすることにより、少しでも技能実習生が日本語の勉強に集中できる環境をつくるサポートをしております。日本語が上達することにより、日本の生活にも役に立ちますし、仕事においても日本語ができると役に立ちます。
それ以外にも、日本語力向上後の将来構想やビジョンを持つことで、悪い友人や悪質ブローカーからの悪い誘いに対しても、迷わず断わることができ、自分の実習に集中して頑張ることができます。
ですから日本語力の向上も不可欠だと思います。日本においての失踪防止対策としては、以上の三点を実施しております。
大澤さん
村瀬さん、ありがとうございました。
技能実習生の失踪原因とは?
それでは、これから少し込み入った話をいたします。
実習生指導部の村瀬さんが今まで1300人以上の実習生を見てきて、「この実習生は失踪するかもしれない」と思ったことがあると思いますが、そう思うときはどんなときでしょうか?村瀬さん
そうですね、私の経験上でのことになりますが、「この技能実習生は失踪するかもしれない」と思う場合は三つあります。
一つは給料に関すること、二つ目は有給休暇がとれないこと、そして三つ目は現場の人間関係や暴力・暴言です。
給料に関するトラブル
失踪原因の一つ目はどういうものかと言いますと、給料に関しては先程申し上げましたようにミャンマーで給料の計算のしかたを教えていますが、残業代の計算で、例えば一時間残業したのに30分しかもらってないとか、一ヶ月20時間残業したのに18時間しか計算してくれていないとか疑問を持ち始めることがあります。
また、時間外割増についても、例えば土日休日に出勤しているのに割増がついてないとか、深夜残業と休日出勤で割増額が違うとか、そういうことに疑問を持ち始めて相談してくる技能実習生がほとんどです。こうした相談に対して企業様が早期に対応していただければ失踪は防げるのですが、実習生がどうしても納得できない場合は失踪の原因になります。
ミャンマーでは給料は支給額をまるごともらっている場合が多いのに対して、日本では社会保険料や、所得税とか住民税とかいろいろ様々な税金がありまして、その控除額についてちょっと多すぎじゃないですかと言い出す方もいます。
また所得によって毎年税金額が変わったりするので、手取り額に疑問を持ち始めると失踪の原因になります。有給休暇取得に関するトラブル
失踪原因の二つ目は有給休暇の問題です。
有給休暇に関しては、ほとんどの企業は有給休暇を取得できるようになっていますが、一部の企業で有給休暇が取りにくいところがあったり、有給休暇を取りたいとき社長から休むことに対して小言を言われるので有給休暇が取りにくいなどという相談があります。このような環境の実習生は、企業から逃げてしまうケースがあります。
給料やお金のことではないですが、有給休暇取得に関するトラブルも失踪の原因になります。職場の人間関係や暴力・暴言
失踪原因の三つ目は現場の人間関係や暴力・暴言です。
現場で日々毎日いっしょに働いているの方との関係がうまくいってないと失踪になりがちです。
また、現場のリーダーや先輩の日本人から毎日怒鳴られたり、足で蹴られたり、頭を叩かれたり、手で叩かれたりとか、そういう暴力・暴言に関する相談もあります。
しかし、私たちに相談しないまま、我慢できなくなり突然失踪する技能実習生もいます。以上が、失踪する原因となる三つのケースです。
大澤さん
村瀬さん、ありがとうございました。
失踪が予想される場合の具体策
次に技能実習生が村瀬さんなど実習生指導部に対して、お給料のことや、残業代のことや、日本人の先輩とうまくいってないとか、怒鳴られて嫌だとか、いろいろな相談があったとします。
そうした場合に、実習生指導部の皆さんは、監理団体様に報告をすることもあれば、自分で実習生にアドバイスをして終わりということもあり、相談の内容によって対応の仕方はいろいろあると思います。
しかし、我々は送り出し機関の人間であって、監理団体様の人間ではありませんので、必要なときには監理団体様にご相談をし、監理団体様と企業様との間に入って通訳しながら解決をしていくことが多いと思います。しかし、その中でもなかなか解決に至らないこともあると思います。企業さんが悪い、組合さんが悪い、実習生が悪いとかではなくて、三者間の折り合いがつかない場合もあると思います。
また、三者のうち誰かが納得しないときや、うまく解決に結びつかないときとかもあると思います。
そういったのが積もり積もっていくと、技能実習生から「もう失踪します」などと我々を脅してきたりすることもあると思います。
そういったときはどういう対応をしていますか?村瀬さん
本人の要望にできる限り応じる
まずは、監理団体さんと企業さんと相談しながら、できるだけ本人の要望に応えられるように対応します。
しかし、できないことはできないです。
実習生から無茶な要望が出ている場合は、本人にちゃんと応じられない理由を説明して、納得してもらえるよう、実習生が理解できるように説明をいたします。親や先生の力を借りる
解決が難しい場合は、ミャンマーにいる実習生の親の力を借りる場合もあります。
また、ミャンマーにいる間に彼らが5ヶ月なり、10ヶ月なり日本語を勉強していたときの担任の先生からも、実習生に対して事情を説明し、理解してもらえるように説明します。ミャンマー人は仏教徒ですので、親や学校の先生の話をよく聞きます。ですから、私で力不足の場合は、ミャンマー側の親と学校の先生の力を借りて、実習生に理解してもらえるように進めております。
大澤さん
ありがとうございました。
たまに実習生指導部の方からミャンマー側にメールが飛んできて、この実習生が今こういう状態で親からこういう話をしてほしいとか、逆にすごく落ち込んでいる実習生に対して親から励ましてほしいとか、いろいろ要望をメールでいただくことがあります。
先ほど村瀬からありましたように、ミャンマーは先生という職業やご両親は本当に尊敬されていますので、我々はミャンマー側と連携し、先生やご両親の力を借りながら、実習生の指導にあたっております。
今後の課題
ミャンマー・ユニティでは、ミャンマーにおいても日本においても、できる限り失踪を出さないよう取り組んでまいりました。
これは、我々送り出し機関のためではなく、技能実習生が失踪してしまうと彼らの人生が狂ってしまうからです。
中には失踪して本当に後悔しているという話も聞いたことがあります。せっかくミャンマーから日本に来て、仕事をしてもらっている実習生に人生を狂わせて欲しくないと思います。
しっかり実習をしていただき、その後も日本に残るなり、ミャンマーに帰って新しい仕事をするなり、どちらにしても日本に来て本当に良かったと思ってほしいです。
また企業様にもこのミャンマー人実習生に来てもらってよかったと思ってもらえるのが一番だと思いますので、今後も今までやっている失踪防止対策以上にいろいろ努力をしてまいりたいと思います。村瀬さん、指導部の皆さんが現場から見て、今後さらに失踪防止対策をするためにどんな課題があるかというところをお話しください。
村瀬さん
課題はたくさんあります。
今取り組もうとしていることは、実習生から疑問や相談を受けたときに、直接受け入れ先の社長などにすぐ相談できればよいのですが、よ我々は送り出し機関なので、監理団体様の手間、なかなかすぐに行動しづらいとことがあります。
ですから通常は監理団体様を通じて話をするのですが、その場合、監理団体様から受け入れ先の企業様に話が行きます。
しかしその間に、時間がかかってしまうことがあります。
また、人から人へ伝えた話においては、伝言ゲームのようになってしまい、少しずつニュアンスが変わってしまって、ストレートな解決の障害になってしまうケースがあります。
そして解決方法が間違っていたり、解決に時間がかかり過ぎてしまい、その間に実習生が失踪してしまうこともあります。解決に時間がかかってしまうことはよくありません。失踪者を出さないために早急な対応は欠かせません。このあたりを課題と思っております。
そのためには、今後監理団体様との関係を緊密にし、早急に対応する姿勢を持つようにしております。大澤さん
そうですね。
我々だけでは問題は解決できない場合が多く、監理団体様の協力も必要ですので、監理団体様といつでも連絡が取れる信頼関係を作りつつ、実習生からのいろんな相談、問題発生に迅速に対応できるような仕組みを作っていきたいということですね。村瀬さん
今も努力しておりますが、監理団体もたくさんあり、緊密な関係性がとれていないところもまだありますので、もう少し力を入れていきたいと思っております。
大澤さん
わかりました。
★まとめ
ミャンマー・ユニティとしては、ミャンマーでの教育をさらに充実させ、日本での課題の早期解決にさらに取り組んでいきたいと思います。
またミャンマー側のご両親や、先生ともしっかり連携をして、実習生のわがままに対応するということではなく、実習生の理解不足のところをきちんと説明したり、実習生本人が疑問に思っているところを解決したり、企業様との間で何か問題があった場合に早期解決するということをこれからもやっていく必要があります。
村瀬さん
私たち実習生指導部も、さらに実習生制度に関する知識と経験を積んで、実習生に対して正しい道に導くことができるよう指導しております。
実習生に日本へ来てよかったと思ってもらえるよう、また実習を無事に終えられるようサポートしていきたいと思います。大澤さん
村瀬さんには、日本に来た実習生にフェイスブック上で日本語の教育もしていただいていますが、入国制限が解除され、今後実習生がたくさん入国してきますので、村瀬さんを始めとした指導部の皆さん、実習生のサポートをぜひどうぞよろしくお願いいたします。
村瀬さん
はい。
企業さんからもミャンマー人技能実習生を受け入れてがよかったと思っていただけるように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。大澤さん
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
それでは技能実習生の失踪など不幸な出来事の発生を防ぐための座談会をこちらで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
閉じる- 2022.06.08特定技能 賃金|給与水準は?日本人と同等はいくら?
外国人の雇用でしばしば問題となっている「外国人の失踪」問題においては、過酷な労働条件や賃金によるトラブルが主な原因とされています。
外国人雇用においては、雇用側の違法行為をなくすこととともに、外国人側の理解不足も対策する必要があります。
外国人雇用の際は、日本人と同等に労働基準法に基づいた賃金を支払わなければなりません。特定技能外国人の場合も同じです。
外国人は安く雇える、日本語が理解できないから誤魔化せるなど、日本人と外国人を差別化するような労働条件は成立しません。
「日本人と同等」の給与を支払うことが、特定技能外国人を雇用するための前提条件となります。
また、理解不足によるトラブルも多く発生しているため外国人との契約時には、わかりやすいサポートが求められています。目次
特定技能外国人にも適用『最低賃金』とは?
『最低賃金』は、【最低賃金法】に基づいて雇用側が労働者に支払わなければならない賃金です。労働者に対しては最低賃金以上の支払いが義務付けられています。
労働者の賃金最低額の保障は、労働条件の改善や業務の生産性向上に繋がっていきます。
『最低賃金』は、外国人労働者に対しても同じように扱われます。法務省の定める特定技能制度に関する規定では、特定技能外国人の給与は日本人と同等以上であることが記されています。最低賃金の種類と金額
最低賃金の種類
『最低賃金』には、2種類があり、いずれかの数値から給与水準を決めることができます。
①各都道府県別による「地域別最低賃金」
②産業別による「特定最低賃金」特定技能外国人の賃金を決める際には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の数値から高い方の最低賃金額以上の給与を支払う必要があります。
この条例に違反した場合は、罰則と特定技能外国人の受け入れ事業の停止が課せられます。罰則に関しては、「地域別最低賃金額」以上の給与を支払わない場合には、50万円以下の罰金。「特定最低賃金額」以上の給与を支払わない場合には、30万円以下の罰金を支払う必要があります。
また、仮に、外国人と雇用側が同意のもとで最低賃金以下の給与で雇用契約した場合でも、これは無効となり支払額との差額を支払わなければなりません。
特定技能外国人の給与査定を行う際は、毎年10月に改定される『最低賃金』のルールにそって給与を決めるようにしましょう。最新の最低賃金額
2021年度「地域別最低賃金」の全国加重平均額では、最低賃金/時給930円。
東京都が最高額で時給1,041円。高知・沖縄では最低の時給で820円となっています。
◇地域別最低賃金の全国一覧
◇特定(産業別)最低賃金全国一覧割り増し賃金の適用
特定技能外国人が、時間外や休日出勤をした場合には、日本人と同様に割り増し賃金を支払う必要があります。
割り増し賃金は、労働基準法に基づいて、1日8時間労働で1週間に40時間の労働時間が定められています。
規定の労働時間以外の割り増しに関しては、時間外労働は25%以上/深夜業務(午後10時~午前5時まで)は25%以上/休日出勤は35%以上となっています。
また大企業においては、さらに1か月60時間以上の時間外労働は50%以上の割増賃金を支払う必要があります。(2023年4月からは中小企業でも月60時間を超える時間外労働について法定割増賃金率が50%以上となります)
これらの時間外の労働時間に特定技能外国人に残業してもらう場合には、労働基準法36条にそった協定のもとに労働基準監督署に届けを出す必要があります。
この協定を結んだことにより、時間外労働も可能となり、上記の内容に合わせて割り増し賃金を支払うことになります。特定技能外国人の給与
在留資格別外国人の給与
厚生労働省が発表している令和2年賃金構造基本統計調査「外国人労働者の在留資格区分別賃金」において、以下のような結果となっています。
外国人労働者 218,100円 専門的・技術的分野
(技術・人文知識・国際業務、経営・管理、高度専門職など)302,200円 特定技能 174,600円 身分に基づくもの
(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)257,000円 技能実習 161,700円 留学(資格外活動) - その他(特定活動/留学以外の資格外活動 205,300円 同調査の結果として、日本人の学歴別賃金では、大卒 226.000円、高卒で177,700となっており、特定技能外国人の賃金174,600円は、日本人の高卒賃金と同等となっています。
特定技能外国人の給与控除
特定技能外国人の給与から控除されるものは、日本人従業員と同等です。
給与から控除されるものは、厚生年金/雇用保険/源泉所得税/住民税(社会人2年目の6月から)/介護保険(40歳から64歳まで)/となります。
給与からの控除については、日本の雇用内容に理解の少ない外国人に対しては、前もって説明が必要です。説明なしで渡された給与明細を見て、思ったより少ないということでトラブルも多く発生しています。お互いに食い違いのないように、特に給与については詳しく母国語を入れて、採用時に十分な説明をしておくべきでしょう。特定技能外国人も適用「同一労働同一賃金のガイドライン」
2020年4月から導入された厚生労働省の「同一労働同一賃金のガイドライン」は不合理な待遇での雇用を防止するために設けられている労働者のための対策です。
「同一労働同一賃金のガイドライン」は、同じ仕事内容には同じ給与が支払われることと、ここに正社員と非正規雇用労働者の差や日本人と外国人の差があってはならないということになります。
例えば、特定技能外国人の従業員2人が、日本語能力や経験の差があって同じ仕事内容だった場合には、日本語能力と経験のある外国人の方に報酬を与えることは問題がありません。ただし、同じスキルの者が同じ仕事内容をした場合には、同じ給与を支払う必要があります。
雇用側は、賃金とスキルに対する待遇が一定のルールに沿って決められるように、外国人との契約時には、基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当、教育訓練や福利厚生等、退職手当、住宅手当、家族手当等など、また職務内容について、また職務経験や日本語能力などをもとに、明確な基準を設けて査定する必要があります。
厚生労働省:同一労働同一賃金のガイドライン特定技能外国人へのサポート
特定技能外国人を雇用する場合は、日本人と同等に扱うことが基本となります。ただし、日本の雇用に関して理解していない外国人が多いため、雇用契約時には、母国語での説明は必要となります。
外国人とのトラブルの中には、意図して行った場合以外は、雇用側と外国人のコミュケーション不足から発生することが多く見られます。
ここには、外国人だから別扱いというイメージから離れて、日本人と同等に一従業員としての関係が求められます。★まとめ
特定技能外国人に支払う賃金について説明いたしました。ここでは、労働基準法に基づいて外国人も日本人と同等の扱いとなることがポイントです。
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外国人にも『最低賃金』による給与の支払いと、規定された労働時間内での勤務が定められています。
外国人雇用の際には、日本人従業員と同じような労働条件のもと、加えて外国人従業員に必要なサポートは大切なポイントとなります。- 2022.06.08特定技能ビザ|転職できる?簡単ではないのか?まとめ
目次
1.特定技能外国人の転職は可能か
「特定技能ビザは本当に転職できるのか」という疑問を持つ人は意外に多いのではないのでしょうか。
結論を先に申し上げると、特定技能外国人の転職は可能です。
しかし、そこにはさまざまな条件や障壁が存在し、日本人が転職する場合よりも遥かにハードルが高いため、簡単にはできるものではありません。今回は、特定技能外国人の転職条件と手続きを中心に、そもそもなぜ転職のハードルが高いのかのご説明をしていきたいと思います。
なお、法令によって下記記載事項は変更になる可能性もあるので、出入国在留庁などのホームページで最新情報を確認しておくようにしましょう。
2.在留資格「特定技能」の転職条件
特定技能での転職が認められる条件は、以下の 1 または 2 をクリアすることです。
この条件をしっかりと理解していなくてはいけません。- 同一の業務区分内
- 技能水準の共通性が確認されている業務区分間
この二点を詳しくご説明していきます。
2-1 同一の業務区分内
特定技能は、「建設」や「外食業」、「介護」など全14分野に分かれており、そのうちの8分野ではさらに業務が分かれます。
例えば、造船・船舶工業分野は6つの業務区分に分かれていますが、前の会社で造船・船舶分野の「機械加工」の仕事をしていた人は、転職先の会社でも「機械加工」をするのであれば転職が認められます。したがって、「機械加工」から「電気機器組み立て」や「塗装」のような転職はできないということです。
ただ、以下の分野は業務区分がないため、同じ分野で転職すれば必然的に同一の業務区分内となるので問題ありません。業務区分がない分野:「介護」「ビルクリーニング」「自動車整備」「宿泊」「飲食料品製造業」「外食業」
2-2 技能水準の共通性が確認されている業務区分間
こちらの条件は、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」が該当します。
例えば、「素形材産業」と「産業機械製造業」には同じ「鋳造」という業務があります。
前の会社で素形材産業分野の鋳造の仕事をしていた人は、転職先の会社が産業機械製造業分野でも仕事内容が鋳造であれば転職は認められるということです。
したがって、電気・電子情報関連産業分野には鋳造がないので転職はできません。3.特定技能外国人の転職の障壁
条件を満たせば転職は可能ですが、そこには数多くの障壁があります。
ここでは3つご説明します。3-1 政府が引き抜きの自粛を要請している
政府は、企業が他地域で雇用されている特定技能外国人を、積極的かつ無秩序に引き抜いて雇用することを自粛するよう各企業に要請しています。
その雇用によって、都市圏に外国人が過度に集中することや大企業への偏在が生じることが強く懸念されているためです。
例としては、食品産業特定技能協議会が平成31年3月に「特定技能所属機関による外国人労働者の引き抜き防止に係る申し合わせ」を発表しました。加えて、他分野においても自粛の申し合わせが行われています。
これらが、特定技能外国人の転職活動の難易度を上げている一因となっています。3-2 自己退職の場合、アルバイトができない
特定技能外国人の場合、会社の自発的な解雇の場合を除いて、アルバイトは在留資格で許可されていない活動にあたります。
したがって日本人のように、転職先で働き始めるまでアルバイトでお金を稼ぐということが出来ません。特定技能の在留資格変更許可の申請は2〜3ヶ月かかるという状況にあります。
多くの特定技能外国人は自国に稼いだお金を送っているので、その期間に仕送りが途絶えてしまうことへの懸念があります。
そもそも、特定技能外国人自身が転職活動中の無収入期間を耐え抜くような経済基盤は持っていません。
唯一かつ理想の転職活動のシナリオとしては、現在の会社に在職中に、自分自身で人材紹介・人材斡旋業者を探し出してコンタクトを取り、次の就職先を見つけて雇用契約を締結するという流れになります。さらに、登録支援団体が支援計画を作成、その後2〜3ヶ月の手間のかかる在留資格変更申請を経て、やっと晴れて転職することができます。
これらの行動を約半年間、会社に隠れて行うというのは大変困難なことです。
そこまでして、多少の条件面の違いしかない会社に転職しようと思う特定技能外国人はそう多くはないでしょう。3-3 在留資格変更申請が許可されなかった場合
特定技能のビザ変更申請は、100%通る保証はありません。
最大のリスクは、万が一在留資格の変更申請が許可されなかった際に、受け入れができないばかりではなく、自国に帰国しなければならなくなることでしょう。
帰国する可能性を含んだ上での転職活動は、特定技能で就労中の外国人にとっては大変壁が高いものであり、そう簡単に決断できることではありません。4.転職の手続き
特定ビザの転職に必要な手続きは二つあり、転職先の会社(外国人本人)がする手続きと、退職した会社がする手続きです。
4-1 本人(または転職先の会社)がすべき手続き
①所属(契約)機関に関する届出
まず、特定技能に限らず、会社を辞める際と新しい会社が決まった際は、それぞれ14日以内に外国人本人が「所属(契約)機関に関する届出」を入国管理局(入管)へ行う必要があります。
※会社を辞めてすぐに新しい会社に就職する場合はまとめて届出を行うことが可能です。②在留資格変更許可申請
それとは別に、特定技能外国人は、転職をする場合に「在留資格変更許可申請」をする必要があります。
この在留資格変更許可申請は、留学生や技能実習生から変更する時の在留資格変更と同じ手続きをしなくてはいけません。したがって、外国人本人や転職先の会社が用意や作成する書類の数も大変多く、手続き内容としてはかなり手間のかかるものになります。4-2 退職した会社がしなくてはいけない手続き
①雇用保険被保険者資格喪失の届出
ハローワークに雇用保険被保険者資格喪失の届出を行うことで、出入国在留管理局への退職の届出が免除されます。日本人が退職する場合も同様の届出を行いますが、外国人は日本人よりも記載事項が多くなります。
②退職証明書の発行
決まった書式はありませんが、在籍した期間や業務内容、役職、労働賃金、退職の事由などを記載します。
③日本人と同様の退職手続き
当然、日本人社員と同様の退職手続きも行わなくてはいけません。
下記は、基本的な各会社共通の手続きです。- 健康保険証の回収
- 社会保険の資格喪失処理の手続き
- 源泉徴収票の交付
- 雇用保険の離職票の交付
5.自社の外国人に長く活躍して働いてもらうために
現状の市場は、雇用主が有利な状態にあります。だからこそ、自社で抱える特定技能外国人への投資を惜しんではいけません。
転職したいと思うことがないような環境づくりをするための取り組みの例を3つご紹介します。5-1 教育係を同じ国出身の先輩にする
採用した特定技能外国人の教育係を同じ国出身の外国人にすることでコミュニケーションが円滑になります。それによって仕事内容の習得スピードは上がり、また同郷の先輩がいる安心感も生まれ精神面でのケアも可能になります。
5-2 日本人と同様の情報共有・伝達を行う
言語が異なる分、情報共有や情報伝達のスピードに差が生まれてしまうことはある程度は仕方のないことです。しかし、その差を外国人自身が感じてしまうと、自信の低下だったり、実力を発揮できなかったりなどの問題が発生してしまいます。伝え方やその頻度を工夫することで日本人との情報格差をなるべく小さくしましょう。
5-3 正当な評価をする
評価はそのままモチベーションに直結します。妥当な評価を受けていないと感じてしまえば、それだけやる気は低下します。逆に正当な評価を受けていると感じたら仕事のやる気がアップするだけでなく、その会社に対する信頼度も高まります。外国人が活躍したら昇給や昇進といった目に見える評価を行い、その外国人がさらに活躍できるようにサポートすることが大切です。
6.まとめ
今回は、特定技能外国人の転職に関してご説明しました。転職は可能です。しかし、引き抜き自粛要請やアルバイトができないことのリスクにより、特定技能外国人にとって大変困難なものとなっているのも現状です。
また、その際に必要になる在留資格変更の申請は、準備しないといけない書類が多く大変手間のかかる手続きとなりますので、しっかり丁寧に行いましょう。
また、その外国人が退職した会社側にも必要な義務があります。それを怠ると罰則があるので、特定技能外国人が自社から転職した際には迅速に対応することが求められます。- 2022.06.08特定技能「介護」|人気の理由は?その他の在留資格との比較
新たな在留資格として新設された「特定技能」。
その中でも特に介護が人気であることをご存じでしょうか?
新在留資格「特定技能」は就労を目的とした在留資格の1つであり、介護分野についても人手不足を解消する方法として2019年に導入されました。
特定技能「介護」に必要な資格やスキル、その他の在留資格との差について、そして介護分野の現状についてご紹介します。目次
特定技能「介護」とは?
特定技能「介護」は、介護分野の人材不足解消のための手段として外国人の就労を目的とした在留資格です。
在留資格とは、外国人が入国してから在留して行うことのできる活動等を認めるための資格です。日本にいる外国人は必ず何らかの「在留資格」を必要とし、「在留資格」のない者は強制退去処分などになってしまいます。
現在、特定技能制度は14業種に適用されており、どれも人材不足が深刻化している業種となります。
日本は少子高齢化が加速し、長期的な見通しとして40年後には現在よりも労働人口が4割減少するという予測がされています。
日本人だけでは日本を動かしていくことが難しくなっていくのです。
特に介護分野においては現時点でも人材不足が深刻化しているので、今後介護を必要とする人が増加していくこともわかっているので、現時点での早急な人材確保も必要ということになります。
特定技能「介護」は介護職分野での就労が可能となるわけですが、介護職における在留資格は全部で4種類あります。
- ● 在留資格「介護」
- ●EPA
- ● 技能実習「介護」
- ●特定技能「介護」
介護分野では「技能実習」が2017年11月から許可されておりますが、国際貢献と途上国への技能移転を目的とした「技能実習」とは異なり、人材不足対策として現場の即戦力となる人材確保が可能なのが特定技能「介護」なのです。
特定技能「介護」は1年・6ヶ月または4ヶ月の更新を行いながら通算で5年まで日本で働くことが可能になります。必要な資格やスキルなどは?
特定技能「介護」で在留資格を取得して就業を行う場合にどのような資格やスキルが必要になるのでしょうか?
外国人が特定技能「介護」の資格をえるためには、介護業務に関する「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」および「日本語試験」の合格が必要になります。
「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」は公益財団法人社会福祉振興試験センターで試験を行っており、郵送での申し込みが必要です。
試験内容については以下の通りです。《介護技能評価試験・介護日本語評価試験について》
介護技能評価試験 介護日本語評価試験 問題数・試験時間・ 試験科目 全45問 60分
(学科試験:40問)
・介護の基本(10問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20問)
(実技試験:5問)
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題
►出題基準全15問 30分
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)
実施方法 コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式 サンプル問題 ►介護技能評価試験 ►介護日本語評価試験 受験手数料 1,000円程度 1,000円程度 試験結果の通知 試験終了後、試験会場のコンピュータ画面上で試験結果を表示。
試験実施後5営業日以内を目途に、専用ウェブサイトにおいて、
受験者が受験者名、試験名、試験日、顔写真、総合スコア、
合否などの情報をスコアレポートとして取得可能。
※合格基準:問題の総得点の60%以上
出典:厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受け入れについて「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」はどちらも筆記試験となり実技試験などはありません。
また、「介護技能評価試験」「介護日本語評価試験」以外に日本語試験は「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格することが必要です。
※介護分野の技能実習3年を良好に終了している場合や、介護福祉士養成施設を修了している場合にはこれら3つの試験が免除されます。特定技能「介護」とその他の在留資格の差について【比較】
特定技能「介護」 在留資格「介護」 EPA 技能実習「介護」 目的 就労 就労 資格取得 実習 管理機関 登録支援機関
特定技能所属機関(受け入れ企業)受け入れ先企業 送り出し企業
受け入れ先企業事業協同組合 商工会議所などの非営利団体 在留期間 最長5年 無制限 介護福祉士候補最高4年 (合格後は無制限) 最長5年 日本語能力 N4以上 N2以上 N5以上 N4以上 受け入れ制限 常勤介護職員の人数を超えないこと 制限なし 原則1か国2名以上5名以下 常勤介護職員の人数に応じて 講習 来日前8時間
来日後3時間来日前原則6ヶ月
来日後原則6ヶ月(実務研修450時間以上)来日前原則6ヶ月
来日後原則6ヶ月(実務研修450時間以上)来日前原則1ヶ月以上
来日後原則1ヶ月以上特定技能「介護」とその他の在留資格の差はどのようなものがあるのでしょうか?
特定技能「介護」
メリット:在留期間が長いこと、および他の在留資格に比べて、就労上の制約が比較的少なく管理がしやすいこと
デメリット:登録支援団体への管理費用が発生してしまう(自社内製化ができない場合)在留資格「介護」
メリット:介護福祉士養成学校を卒業していて、基礎があるために長期的な人材・即戦力として可能・日本語能力が高い・介護に関する知識が豊富
デメリット:母数が少ないため採用がすること自体が著しく難しい
在留資格「介護」は、介護福祉士養成学校を卒業後に「介護福祉士」の国家試験に受かることで得られる在留資格になります。
永続的な在留が可能な人材となりますが、国家試験を受けるための高い日本語能力と費用が必要となるため、取得できる外国人が著しく少ないのがデメリットです。EPA(経済連携協定)
メリット: 日本語力が優れている
デメリット:日本全体での受け入れ数が限られている・研修期間が長い・受入れコストが著しく高い
EPA(経済連携協定)はフィリピン・ベトナム・インドネシアの3か国に限定されている制度で、国家資格「介護福祉士」の取得が目的の制度です。
期間内に介護福祉士の資格を取得できない場合には帰国をしなくてはいけないという条件ですが資格を取得すれば「介護職」として永続的に日本で就労をすることが可能です。技能実習「介護」
メリット:浸透している制度のため採用することが比較的容易である。
デメリット:何も知らない状態から教育するので、ある程度の業務習得までに時間がかかる。技能実習計画に基づき外国人技能実習機構に定期的に書類を提出し、監査を受ける必要があり、月額コストがかかる。
技能実習制度は、日本で開発された技術を発展途上国の経済成長を図るための人材育成に利用し、協力することを目的として制定された在留資格で。日本に最長5年在留することができます。
介護に関する在留資格の中で一番採用しやすいですが、知識や経験のない状態から育成する必要があり、入国までに通常約1年程度時間がかかってしまいます。特定技能「介護」が人気とされる理由とは?
利点の多い特定技能「介護」が人気とされる理由は何でしょうか? 特定技能「介護」のメリットは在留期間が長いこと、および他の在留資格に比べて、就労上の制約が比較的少なく、管理がしやすいことにあります。
EPAや在留資格「介護」に比べて資格取得にかかる工数や時間、コストなどの負担が少なく、従事できる業務も幅広いことが利点となり人気となっています。
但し、特定技能「介護」は前述の通り3つの試験に合格しなければならないため、技能実習「介護」に比べてハードルが高く、特に海外では技能実習のほうが特定技能よりも人気があります。
現時点では、特定技能「介護」の人材を採用する場合は、試験3つに合格した国内在住外国人または、技能実習3年修了者を採用することが一般的です。介護分野においての現状は?
超高齢化社会である日本において、介護問題は重要な問題であり人材不足が課題となっています。
介護サービスの利用者が年々増加しているにも関わらず、介護事業所における人手不足感は強まっており、国としても人材確保が急務となってきています。
介護業界は国内人材の確保を進めるために色々な取り組みをおこなってきましたが、それでも人材を確保することが困難な状況です。
特に、団塊の世代が75歳になる2025年には介護人材が約38万人不足するという試算も出ており、対策は急務です。
そこで、日本政府は人手不足解消のための人材確保の手段の1つとして特定技能「介護」を制定し、外国人労働者の力を借りることで介護分野の人材不足解消に取り組んでいるのです。
しかし、特定技能「介護」は特定技能14分野の中で一番受け入れが進んでいる分野ですが、まだまだ受け入れ人数などは少なく、活用されているとはいえません。
向こう5年間で最大6万人の特定技能外国人の受け入れを想定していますが、まだまだ普及は進んでいません。
特定技能「介護」は、受け入れ側である企業にとっては難しく感じられる制度かもしれません。しかし、制度を十分に理解した上で適切な申請や外国人のサポートをおこない、必要な人材を受け入れられるようにしましょう。まとめ
特定技能「介護」についてのご紹介をしました。 人手不足が深刻な介護分野では、特定技能「介護」に対する期待が高まっています。
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しかし、特定技能「介護」での外国人の雇用においては、受け入れる企業側が守るべき条件等やサポートなどが細かく決められていますので、企業側の受け入れ体制の整備が必要になります。
登録支援機関に依頼するなどして、しっかりと受け入れ体制を整えた上で、計画的に雇用することをおすすめいたします。- 2022.06.08ノウハウ大公開 |特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)
外国人人材を雇用するために、なぜこんなに書類が必要なのか?できれば専門家におまかせしたい一連の手続きですが、 その前に一通りの流れは把握し、ポイントは押さえておいた方が理解も深まるでしょう。
働く外国人にとっては、もっとわからない複雑な日本語の書類については、やっぱり同じように項目ひとつずつを説明してあげることが、 この特定技能で外国人を雇用し働いてもらうために第一歩にも繋がります。
特定技能で外国人を雇用する場合には、膨大な提出書類を用意する必要があります。 これらの一連の書類作成や申請に関しては、専門性のある事業者等に依頼して、正しい手続きを踏むことも可能です。
今回は、特定技能外国人を雇用する場合に必要な提出書類の中のひとつ、「報酬に関する説明書」法務省HPでは参考様式第1-4号について詳しく説明して行きましょう。 この書類は、特定技能外国人の報酬が不法に設定されていないかを明確に提示するために行います。
目次
1「報酬に関する説明書」はどの時点で必要なのか?
●まずはじめに、雇用したい外国人は、特定産業14分野での「技能試験」と「日本語能力試験」に合格していること、 または「技能実習2号」の修了者であることが条件となります。外国人が日本で働く場合の基本スキルである日本語と業務での即戦力となるための技術水準は 採用時の大きなチェックポイントとなりますので確認するようにしましょう。
【特定産業14分野】
介護業/ビルクリーニング業/素形材産業/産業機械製造業/電気・電子情報関連産業/建設業/造船・舶用業/ 自動車整備業/航空業/宿泊業/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業
●受け入れ機関または企業は、特定技能制度の概要を把握し、各分野ごとに定められた基準について確認し手続きを始めます。
法務省:特定技能の受入れ機関に関する基準●採用者が決まったら【特定技能雇用契約】を結びます。ここでは、業務内容や労働時間、そして帰国時の取り決めなど外国人特有の内容も含まれています。
●在留資格申請の手続きを始めます。 「報酬に関する説明書」の提出が必要となるのは、在留資格認定証明書交付申請を行う時です。 この書類の申請によって、不法な労働条件下の雇用は、改善されることとなり、外国人が日本人と同じような職場環境で働くことができるようになります。
2 特定技能外国人を雇用する場合に必要な書類とは?
特定技能の在留資格申請に必要な書類は、各種記載様式一覧が法務省HPから閲覧可能です。「報酬に関する説明書」の様式も含まれています。 ここには、外国人用に翻訳されている言語が、英語とその他9カ国語で、書類様式が公開されていますので、外国人本人が理解できるように話し合いながら進めるとよいでしょう。
【翻訳言語】
出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」に関する参考様式3「報酬に関する説明書」はどうして必要?
特定技能外国人受け入れる際に必要な書類参考様式第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」は、 外国人の報酬が、同じ企業に勤務する日本人従業員の報酬額と比較して適当であるかを証明するために提出する書類となります。 この書類提出によって、特定技能外国人が正しい賃金設定のもとで雇用されていることになり、法によって守られた報酬の決定は、 雇用する側も雇用される側も平等に定められたことになります。 外国人と雇用側が納得した報酬は、業務の効率化や外国人が長く働きたいと思うような職場環境作りに繋がっていきます。
4日本人と外国人の報酬は同じ条件で
「報酬に関する説明書」の冒頭には“日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること”と記されています。 これは、技能実習生の雇用関係でよく問題視されていた劣悪な労働条件下での就労、そして最低賃金より低い報酬での雇用など、 違法な雇用条件対する防止策として、外国人も日本人従業員と同じ条件で報酬が支払われるようにするために行います。
5 申請記入の方法
5-1申請人(特定技能外国人)に対する報酬の項目
以下の項目については、特定技能外国人の情報を正しく記載します。
- 特定技能外国人の氏名
- 役職,職務内容,責任の程度
- 年齢,性別、経験年数
- 報酬・その他
記入時の留意点は、特定技能外国人の氏名は在留カードと同じ氏名を記入すること。外国人の氏名でファーストネームとセカンドネームが逆になっているような場合は受理されないので気をつけましょう。 経験年数はこれから働く業務と同じ業務での経験年数を記入すること。報酬に関しては月給や時給で記入すること、また、報酬以外の手当てがある場合には、その詳細を記入する必要があります
5-2比較対象となる日本人従業員がいる場合
ここでは、勤務している日本人従業員の賃金設定と就労条件等、外国人と比較できる内容を記入して証明することになります。 以下の記載項目に添って、対象となる特定技能外国人と同じ経験や知識、技能、経験を持つ日本人従業員を選んで記入します。また、参考資料として賃金規定の添付も必要となります。
- 役職、職務内容、責任の程度
- 年齢、性別及び経験年数
- 報酬・賃金規程の有無、賃金規程に基づく賃金
- 特定技能外国人の報酬が日本人が従事する場合の報酬額と同等以上であると理由
- その他
5-3比較対象となる日本人従業員がいない場合
企業内に対象になる日本人従業員がいない場合には、”比較対象となる日本人労働者がいない場合“の欄に記入することができます。 例えば、雇用したい特定技能外国人が全員が未経験者の場合や、業務と経験年数が同じような日本人従業員が存在しない場合など、対象者として適する日本人がいない場合には、 企業内で最も近い内容の対象者を選んで記入することができます。 この場合、対象となる日本人従業員を選んだ理由や、その日本人の報酬やスキル、経験なども詳しく記入して、外国人の報酬との整合性などを説明する必要があります。 また、参考資料として賃金規定の添付も必要となります。
6 まとめ
「報酬に関する説明書」の提示は、特定技能外国人が安心て労働できるための準備となる手続きです。 特定技能外国人の在留資格申請の際には、膨大な書類を申請する必要があり、これらの書類作成と申請によって、特定技能外国人が日本で働きやすい労働環境を得ることと、 雇用する側にとっても法的に守られた体制作りにとても重要な手続きとなります。
閉じる- 2022.06.08外国人留学生の就職活動|特定技能か技人国か
外国人留学生も日本人と同様に日本で就職活動をおこない、日本で働くことができますが、必要な在留資格を取得できなければ就業できません。 企業から内定をもらった後であっても、在留資格を得られなければ日本に滞在することができなくなるため、泣く泣く帰国することも多く起こっています。 本記事では、そのようなことにならないように、留学生・企業採用担当者が何に気をつけたいかをまとめています。
目次
1. 外国人留学生は就職後どのような在留資格が必要?
外国人留学生が日本で就職する場合、「技術・人文知識・国際業務」もしくは「特定技能」の在留資格を得て就労するケースがほとんどです。
1-1 「技術」を取得するケース
下記のような業務に従事する場合に取得することが必要になります。
【業務】
エンジニア、プログラマー、アプリケーション開発、建築設計、研究開発、生産技術、品質管理、システム管理などの理学、工学など自然科学技術または知識を必要とする業務
【取得検討基準】
・従事しようとする業務に必要な知識に関する科目を専攻して大学を卒業した。またはこれと同等以上の教育を受けたとき。または従事する業務について10年以上の実務を行い、相当の技術、知識があること。
・情報処理に関する業務に従事する場合は、定められた情報処理技術に関する試験に合格していること。または、情報処理技術に関する資格を保有していること。
・日本人と同等額以上の報酬が支払われること。
【在留期間】
3ヶ月、1年、3年、5年
1-2 「人文知識・国際業務」を取得するケース
【業務】
通訳、翻訳、語学指導、人事、経理、財務、総務、法務、企画、マーケティング、商品開発、広報、宣伝、デザインなど人文科学知識を必要とする業務。
または、外国の文化にもとづく思考や感受性を必要とする業務。
【取得検討基準】
・従事しようとする業務に必要な知識に関する科目を専攻して大学を卒業した。(これと同等以上の教育を受けた場合を含む)または従事する業務について10年以上の実務を行い、相当する知識を有すること。
・外国の文化にもとづく思考や感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、以下のいずれかに該当することが必要。
-広報、宣伝、または海外取引業務、服飾、室内装飾デザイン、商品開発などの業務で3年以上の実務経験があること。
-翻訳、通訳や語学の指導などの業務に従事する場合は、大学卒業の資格があること。
・日本人と同等額以上の報酬が支払われること。
【在留期間】
3ヶ月、1年、3年、5年1-3 「特定技能」を取得するケース
【業務】
2019年4月に日本の深刻な労働力不足に対応するために新設された在留資格です。決められた14の分野で従事する際に在留資格を取得していれば働くことが可能です。
①介護、②ビルクリーニング、③素形材産業、④産業機械製造業、⑤電気・電子情報関連産業、⑥建設、⑦造船・舶用工業⑧自動車整備、⑨航空、⑩宿泊、⑪農業、⑫漁業、⑬飲食料品製造業、⑭外食業
【取得検討基準】
・「JLPT(日本語能力試験)N4以上またはJFT-Basic (国際交流基金日本語基礎テスト)」の合格
・「特定技能試験(分野別)」の合格
【在留期間】
基本、特定技能1号で5年間の在留が可能。⑥⑦は特定技能2号への更新が認められれば無制限にて在留することが可能。2. 在留資格の変更の審査について
来日中の留学生が日本企業の内定が決まると、在留資格「留学」から在留資格の変更手続きを行う必要があります。 必ず変更申請を行えば認められるわけではありません。平成30年では、在留資格の変更手続きをおこなった学生30924人のうち、 承認されたのは25942人でした。4982人の方は内定を取得しても、在留資格変更が承認されず、入社できませんでした。 「特定技能」は基準が試験への合格が主なので分かりやすいですが、特に「技術・人文知識・国際業務」では注意が必要です。
「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更審査ポイント
・学歴・経歴から相応の技術・知識を有しているか
・従事する業務と本人の有している技術、知識は関連があり、活かせるか
・従事する業務が現場作業(単純労働)になっていないか
・給与等は日本人と比較して同等以上であるか
・雇用する会社の規模・実績から事業に安定性や継続性が認められ、外国人の技術、知識が活かせる機会が安定提供されるか
在留資格「技術・人文知識・国際業務」の取得においては、外国人の審査だけではなく、雇用する企業の事業の安定性・継続性や、雇用の必要性が求められるのが特徴です。 外国人留学生が就職活動をする際には、審査で見られるポイントも加味して、どのような企業であれば在留資格変更が認められるか、検討しながら活動する必要があるでしょう。 一方、企業としては外国人留学生の学歴・経歴等が業務としっかりとマッチしているか検討しておく必要があるでしょう。 特に昨今では、外食業、宿泊業などで単純労働とみなされ、在留資格「技術・人文知識・国際業務」が認められないケースが続出していますので注意が必要です。3. ビザ変更に必要な書類・手続き
就職のための在留資格の変更申請は、企業・外国人留学生ともに行うことができますが、原則本人が入国管理局に出向いて行います。 企業担当や大学の担当窓口と相談をし、手続きの準備をしていきましょう。 申請から取得までは2か月かかる場合もありますので、内定が出たら速やかに申請をする必要があります。
在留資格の変更許可申請に必要な書類
・申請書
・写真
・日本での活動内容に応じた資料
・在留カード
・資格外活動許可書を提示(同許可書の交付を受けている者に限ります。)
・旅券又は在留資格証明書を提示
・旅券又は在留資格証明書を提示することができないときは,その理由を記載した理由書
・身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
申請先
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
(参考)出入国在留管理庁(参考)介護業界の外国人採用方法|採用手法から助成金制度まで詳しく解説!
4. 外国人留学生がもっと就職できるようにするためには
令和2年11月24日に文部科学省が発表した調査データによると、日本における就職を希望する外国人留学生は全体の約65%を占めています。 しかし各年度に大学・大学院を卒業・修了した外国人留学生のうち、日本国内で就職した外国人留学生の占める割合は35%に過ぎません。 一方、専門学校卒業生については、日本学生支援機構発表の平成28年度の外国人留学生進路状況調査結果によると、就職率は28.0%とかなり低くなっています。 そして日本語学校留学生については、専門学校や大学に進学しなければほぼ全部の方が日本では就職できていません。(アルバイトを除く)
つまり、日本での就職を希望したが、やむを得ず泣く泣く帰国した留学生は全体の約8割いると思われます。この現状はどのようにして解決できるのでしょうか?4-1 解決策① 日本企業がもっと要求水準を下げること
「日本語がペラペラで、JLPT N1保有で、業務能力が高い人がほしい」 まず、外国人留学生に対して、このような無理な要求をする企業が多すぎるのが問題点です。 外国人留学生にそんな高い水準を求めたら、ほとんど面接に合格できなくなってしまいます。 日本企業が外国人留学生に求める水準をもっと現実的レベルまで下げるべきです。
4-2 解決策② 在留資格「特定技能」を狙うこと
外国人留学生が在留資格「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる技人国ビザにこだわり過ぎていることが、日本で就職できない原因になっていると思われます。 また留学生だけでなく、学校の経営者も先生も、就職=技人国だという固定観念を持ちすぎていることも問題点だと思われます。 2019年4月より在留資格「特定技能」が創設され、外国人留学生に対して日本での就職のチャンスが大きく広がりました。しかしながら、2年以上経過した現在においても、未だに就職=技人国という固定観念から、留学生も学校側も抜け出せていないのが現状です。 技人国ではなく特定技能を狙えば、外国人留学生の日本での就職率は飛躍的に上昇します。もっと在留資格「特定技能」に対する認識を深めるべきだと思います。
(資料)令和2年11月24日文部科学省調査より5. 企業人事担当者が確認しておきたいこと
在留資格変更許可申請の場合、審査の際に外国人がこれまで在留資格「留学」で在留した期間に問題がなかったかも評価されます。 特によくあるケースとしては、アルバイトのやりすぎです。「留学」では1週間にアルバイトとして働けるのは28時間以内と決められておりますが、 どの曜日から起算しても28時間以内である必要があるので注意が必要です。
残念なことではありますが、かなりの留学生が実質的には就労目的で日本に来ており、留学費用を賄うために週28時間を超えてアルバイトをしています。 このオーバーワークは一見して隠し通せるように見えますが、特に特定技能への在留資格変更許可申請の場合は、 納税義務の履行義務を果たしていたかどうかを確かめるため課税証明書と源泉徴収票の提出が求められますので、過去の悪事がほとんどバレてしまいます。在留資格変更が不許可になってしまうことがとても多く発生しています。
また、留学生時代に社会保険料を納付していなかった、または滞納していた場合についても不許可の事例が多く出ています。
この「オーバーワーク」と「社会保険料滞納」については、まずは面接で本人に必ず確認してください。もし疑わしい場合、 また事実が発覚し不許可になりそうな場合は、解決能力のある行政書士に依頼することをおすすめします。
※留学生が在籍する教育期間の校則で定められた長期休業期間に限り、1日8時間以内までのアルバイトが認められます。 その際は、日本人と同じく労働基準法が適用され、就労時間の上限は週40時間となります。 ※職業安定法で職務遂行能力・適正については必要性があれば、企業は求職者の情報を入手することはできますが、 職務遂行能力・適正と関係のない情報は入手できません。アルバイトなどのお話を聞くよりも、在留資格の更新手続きに際して、 懸念となることはないか、実際に認められなかったケースをもとに確認する方がよいでしょう。6. まとめ
労働契約は、内定を出した・内定を出された時をもって成立しますが、実際は労働契約よりも出入国管理及び難民認定法が優先されます。 このため、採用内定外国人の在留資格が各企業の業務に応じた資格に変更できなければ、その外国人内定者は日本で働くことはできなくなりますし、 日本に滞在することさえも難しくなります。このため、外国人留学生・企業採用担当は、「在留資格の変更ができるのかできないのか」を念頭に入れながら就職活動・採用活動を進めていくことが必要になります。お互いに面接の際に不安な点があれば確認をしながら進めていくとよいでしょう。最後までお読みいただき、まことにありがとうございました。外国人のよい就労・採用につながれば幸いです。
閉じる- 2022.06.08特定技能外国人受入れに関する特定技能運用要領・各種様式等
日本企業における深刻な人材不足の解決策として打ち出された在留資格「特定技能」。
特定の分野により受け入れ状況に差はありますが、徐々に利用状況は増えてきています。
2019年4月より開始されており、開始に伴い運用要領として決まりが定められています。
今回は特定技能運用要領と最新の変更点について解説していきます。目次
1. 特定技能外国人受け入れに関する運用要領
特に深刻な人材不足が生じている14分野に対し、2019年4月より「特定技能外国人」制度が開始されました。 これに伴い、在留資格「特定技能」の適正な運用を確保するため、制度を正しく理解することを目的とし、法令の解釈や運用上の留意点を明らかにするため、「特定技能外国人受け入れに関する運用要領」が策定されています。 運用要領は、「要領本体」、「支援に係る要領別冊」、「特定の分野に係る要領別冊」の三つからなっています。別紙もございますので、ご覧になってください。
2. 要領本体
第1章 在留資格「特定技能」創設の目的
第2章 制度の概要
第3章 在留資格「特定技能」
第4章 特定技能外国人に関する基準
第5章 特定技能所属機関に関する基準等
第6章 1号特定技能外国人支援計画に関する基準等
第7章 特定技能所属機関に関する届け出
第8章 報告徴収・改善命令等
第9章 登録支援機関
第10章 罰則等
第1~10章の詳細と改正点(2021年2月19日)の新旧対照表の詳細は下記をご参照ください
詳細:出入国管理庁 特定技能外国人受け入れに関する運用3. 支援に係る要領別冊
支援に係る要領別冊に記載されている1号特定技能外国人支援に関する運用要領は下記をご参照ください。
詳細:1号特定技能外国人支援に関する運用要領 最新の改正点は以下に記載しております。最新改正点(2021年2月19日)
※赤字が修正部分
事前ガイダンスは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 事前ガイダンスで情報提供する事項 を十分に理解するためには,3時間程度行うことが必要と考えられます。 なお,技能実習生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても, 1号特定技能外国人に従事させる業務の内容,報酬の額その他の労働条件など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,1時間に満たないような場合は,事前ガイダンスを適切に行ったとは評価されない可能性があることに留意してください。
↓改正後
事前ガイダンスは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 事前ガイダンスで情報提供する事項を十分に理解するためには,3時間程度行うことが必要と考えられます。 また,技能実習生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても,1号特定技能外国人に従事させる業務の内容, 報酬の額その他の労働条件など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,1時間に満たないような場合は,事前ガイダンスを適切に行ったとはいえません。
生活オリエンテーションは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情により異なりますが, 少なくとも8時間以上行うことが求められます。
↓改正後
上記内容は削除となりました
新規として追加
↓改正後
生活オリエンテーションは,1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要があり,個別の事情によりますが, 生活オリエンテーションで情報提供する事項を十分に理解するためには,少なくとも8時間以上行うことが必要と考えられます。 また,技能実習2号良好修了者,留学生等を同一機関で引き続き特定技能外国人として雇用するような場合であっても, 相談又は苦情の対応者の連絡先,緊急時の対応に関する事項,外国人の法的保護に関する事項など必要な情報について十分に理解させる必要があります。 なお,このような者であって生活環境に変化がない場合であっても,4時間に満たないようなときは,生活オリエンテーションを適切に行ったとはいえません。
情報提供しなければならない事項は,次のとおりです。 ①~④ (略)
⑤生活ルール・マナー
・就労・生活する地域におけるゴミの廃棄方法等(分別・出し方,収集日,粗大ゴミの捨て方 等)
・夜中に大声で騒いだり騒音を出したりするなど,近隣住民の迷惑になる行為は控えること
・喫煙には一定の制限があること(喫煙,禁煙場所等)
↓改正後
情報提供しなければならない事項は,次のとおりです。 ①~④ (略)
⑤ 生活ルール・マナー ・就労・生活する地域におけるゴミの廃棄方法等(分別・出し方,収集日,粗大ゴミの捨て方 等)
・夜中に大声で騒いだり騒音を出したりするなど,近隣住民の迷惑になる行為は控えること
・ 空き地や畑に無断で入ることは避けること
・喫煙には一定の制限があること(喫煙,禁煙 場所等)
⑧ 我が国で違法となる行為の例
・原則として,銃砲刀剣類の所持が禁止されていること
・大麻,覚せい剤等違法薬物の所持等は犯罪であること
・在留カードの不携帯は犯罪であること
・在留カード,健康保険証等を貸し借りすることは禁止されていること
・自己名義の銀行口座・預貯金通帳・キャッシュカード・携帯電話を他人に譲渡することは犯罪であること
・ATMで他人名義の口座から無断で現金を引き出すことは犯罪であること
・他人になりすまして,配達伝票に署名 ,他人の宅配便を受領することは犯罪であること
・放置されている他人の自転車等を使用することは犯罪であること等
↓改正後
⑧ 我が国で違法となる行為の例
・原則として,銃砲刀剣類の所持が禁止されていること
・大麻,覚醒剤等違法薬物の所持等は犯罪であること
・在留カードの不携帯は犯罪であること
・在留カード,健康保険証等を貸し借りすることは禁止されていること
・自己名義の銀行口座・預貯金通帳・キャッシュカード・携帯電話を他人に譲渡することは犯罪であること
・ATMで他人名義の口座から無断で現金を引き出すことは犯罪であること
・他人になりすまして,配達伝票に署名したり,他人の宅配便を受領することは犯罪であること
・放置されている他人の自転車等を使用することは犯罪であること等
4. 特定の分野に係る要領別冊
本要領では、告示の基準等の詳細についての留意事項を定めることにより, 14分野それぞれにおける特定技能の在留資格に係る制度の適正な運用を図ることを目的としています。 14分野各々の詳細と改正点(2021年2月19日)の新旧対照表の詳細は下記をご参照ください
詳細:出入国管理庁 特定技能外国人受け入れに関する運用5. 別紙
・別紙1 新たな外国人材受入れ制度(受入れ機関用)
・別紙2 「特定技能」に係る在留諸申請に関する提出書類一覧表
・別紙3 登録支援機関の登録申請に関する提出書類一覧表
・別紙4 届出一覧表(特定技能所属機関)
・別紙5 届出一覧表(登録支援機関)
・別紙6 特定技能分野
6. まとめ
今回、特定技能外国人受け入れに関する運用要領と最新改正点について紹介しました。
閉じる
2021年2月19日の運用要領改正で、内容が削除された箇所や追加された箇所があります。
そのような点に留意しながら、特定技能外国人の受け入れを適正に運用していく必要があります。
そうして特定技能外国人が増加し、本国の人手不足が少しでも早く解消していくことを望んでいます。- 2022.06.07特定技能の業種追加|コンビニ・トラック・廃棄物処理業界
目次
1.特定技能制度に追加が検討されている業種
外国人材を受け入れる「特定技能制度」には現在12分野14業種が設定されており、人材不足の緩和に向けて外国人の雇用を進めています。
その中で、今後の深刻な人材不足になると予想され、新たに追加を検討している職種があります。
それは、「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」、「産業廃棄物処理」の3業種です。
以下では、この3業種の特定技能制度への業種追加検討に関して述べます。2.特定技能へ「コンビニ」の業種追加の検討
コンビニの特定技能制度への追加検討は、2013年から続いています。
日本全国のコンビニでは、慢性的な人手不足により、留学生など外国人の雇用がなければ厳しい状況が続いています。
実際に従業員不足により、深夜営業を無くすなど、営業時間の変更を余儀なくされている店舗もありますが、コンビニの店舗数は毎年増加傾向にあり、人手不足は年々深刻化しています。
日本人の従業員不足を解消するためにも、コンビニの特定技能への追加による外国人雇用の実現が望まれます。
以下はこれから「コンビニ」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。2-1 業種追加のメリット
- 雇用時間
- 徹底されたマニュアル化
- セルフレジなど無人システムの導入
雇用時間
現在でもコンビニでは多くの外国人が雇用されていますが、その外国人の多くは留学生のアルバイトです。
留学生は「資格外活動」としてアルバイトが可能となっていますが、週に28時間以内の就労時間制限があります。
経済的な負担を感じている留学生であっても、この規制によって長時間働くことができないのが現状です。
また、学生であるためシフトの調整が難しいのが雇用の難点として挙げられます。
特定技能制度への業種追加認められれば、就労時間制限もなくなるため、より効率的に外国人の雇用が可能になります。徹底されたマニュアル化
コンビニなど大手チェーンでは徹底した業務マニュアルがあることがほとんどです。
ローソンは、来日予定の外国人留学生を対象とした海外研修施設を、ベトナムと韓国に設けています。
そこで店内での業務を学んだ留学生は、来日後に即戦力として働くことができます。
また、指導時に使うルールブックやマニュアルも、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語で作成されています。
コンビニでこなす必要のある業務は1200種類以上と言われていますが、徹底されたマニュアル化によってこれらは解消されています。セルフレジなど無人システムの導入
都内を中心に、商品を購入する際に客が自らバーコードをかざして決済が可能な「セルフレジ」の導入が進んでいます。
現在は全店舗で導入されているわけではないですが、コロナウイルス感染症の流行により、現金での支払いによる接触が懸念され、キャッシュレス決済が急速に普及したことも大きな理由です。
セルフレジの導入によってレジでの接客頻度が格段に減少するため、 高度な日本語レベルのない外国人でも、より安心して働ける環境になっていくことが予想されます。2-2 業種追加が保留された理由
- 運用の難易度が高く、雇用コストがかかる
- 雇用条件が外国人の希望に合致するか
- 自民党の事情
運用の難易度が高く、雇用コストがかかる
特定技能外国人を雇用するには、支援計画、各国大使館への申請、在留資格変更許可などの申請が必要となります。
しかし、コンビニエンスストアチェーンにおいては、フランチャイズ加盟店(フランチャイジー)の中小・零細企業または個人事業主が店舗の経営をしていることが多く、特定技能制度の理解と法令遵守、申請等が困難であることが予想され、一般的に特定技能外国人の登録支援機関に委託する必要があると考えられます。
また、特定技能に関して頻繁に事務処理が必要になる場合、専門で事務を行う人材の雇用や、事務作業の委託を考えなければなりません。
そのため、時給の支払い以外で発生する雇用コストが増加する可能性が高くなり、超えるべき課題が多くあると考えられています。雇用条件が外国人の希望に合致するか
日本では長期化する景気低迷により、時給が上がりにくい状況にあります。
また、言語や業務の研修制度が充実していても、日本語は言語として覚えることが高度であるけれども、日本以外では使うことがないので、他国での雇用の条件が良ければ、日本が選ばれないという現状もあります。
今まで外国人留学生のアルバイト(資格外活動)に頼ってきたコンビニエンスストアが、一定の資格取得難易度がある特定技能外国人を雇用するとなると、正社員雇用になります。果たして特定技能の資格を苦労して取得した外国人にとって、魅力的な雇用条件を提供できるか、疑問が残ります。
特に、首都圏、大阪圏、名古屋圏以外の地域においては、待遇が都会に比べて著しく悪いので、実際に地方のコンビニエンスストアが特定技能外国人を雇えるかどうかは疑問が残ります。自民党の事情
本来は特定技能制度開始の2年後、2021年4月から特定技能制度の見直しに取りかかる予定でした。
しかし、新型コロナウイルスの影響で1年先延ばしにされてしまいました。
理由は、菅政権の支持率の低下です。
菅政権のコロナ対策に国民の批判が集まり、菅政権は支持率が低迷。特に外国人の入国に関する水際対策の失敗について国民の批判が多いことから、政府自民党は外国人の入国に関する新しいコメントがとても出しづらい状況に陥っています。
今、特定技能制度の改革や業種追加について話題にすると、また国民の批判を浴びる可能性があるので、今は静観を決め込んでいる状態と言えます。
一方、1年先送りされた特定技能制度の今後の見直しの中で、1番可能性が高いのはコンビニの業種追加です。
新型コロナウイルスの影響で見直しが1年延ばされてしまいましたが、2022年からの見直しの中でコンビニは相当早い段階で業種追加になっていくと思われます。おすすめ記事日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑
新型コロナウイルス水際対策とオリンピック開催の影響で、日本政府の外国人入国政策が迷走する中、日本政府は先般「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」を発表しました。 しかしその内容は、昨年版の焼き直 […]
3.特定技能へ「トラック運転や配達荷物の仕分け」の業種追加の検討
全日本トラック協会は2020年6月11日、トラック運転や配達荷物の仕分け業務について「技能実習2号移行対象職種」に追加するよう、自由民主党の外国人労働者等特別委員会へ要望しました。
2019年からのコロナウイルス感染症によるステイホームやリモートワークによってEコマースサイトの利用が日常化し、今後もさらに運送業の雇用需要は高まると予想されます。
「トラック運転や配達荷物の仕分け」業務の特定技能への追加によって、運送業の人手不足は解消されますが、「コンビニ」「廃棄物処理業界」と同じく、現在も協議中となっています。
以下はこれから「トラック運転や配達荷物の仕分け」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。3-1 業種追加のメリット
- 長距離ドライバーとしての雇用
- 長時間運転の解消
長距離ドライバーとしての雇用
トラックの運転は特にドライバーの高齢化による雇用の難しさが問題としてあります。
ドライバーが高齢になると、長距離運転が体力的に厳しくなるからです。
特定技能外国人を長距離ドライバーとして雇用することで人材不足の解消に繋がります。長時間運転の解消
現状、長距離ドライバーの雇用が不足しているため、一人当たりの走行距離が長くなってしまうということも問題です。
適度な休憩が義務付けたれていたとしても、長時間運転になると注意不十分による交通事故の危険性が高まります。
雇用の増加によって、長距離運転の解消にも繋がります。3-2 業種追加が保留された理由
- 運送サービスのレベル
- 交通ルールの難しさと危険性
- 業界の団結力不足
運送サービスのレベル
日本に暮らしていると感じにくいことですが、日本の運送サービスのレベルは世界でも高い水準にあります。
海外では運輸中に商品の箱が破損したり、違うものを届けてしまったり、指定時間内に届けられないということが日常的に起きます。
日本で同じことが起きると、顧客の不満に繋がり、運送業者全体の信頼度が低下してしまうことになりかねません。
そのため、特定技能外国人にとっては日本の厳しい水準に適応しづらいのではないかということも保留された理由の一つになります。交通ルールの難しさと危険性
日本の交通ルールは諸外国に比べてとても複雑で厳しくなっています。
特にトラックの運転に関しては、ひとたび交通事故が発生すると、重大事故になりやすく、日本政府もかなり厳しい交通ルールを敷いています。
また、自動車普通免許の取得でさえ外国人には難しいのに、さらに高度な大型免許が外国人に取得できるか、という問題もあります。
外国人にとって日本の複雑な交通ルールを理解し、かつ免許を取得するのは難しいと思われること、また重大事故を防ぐ必要もあり、トラック運転に関する特定技能制度の導入には、かなり時間がかかると思われます。業界の団結力不足
元来、技能実習制度も特定技能制度も、制度を導入したいと考える業界が一致団結し、試験制度を創設したり制度設計をして、長い期間労力をかけて政府と交渉し、制度導入を勝ち取る手順を踏む必要があります。
しかし、トラック業界は複数の団体が乱立し、業界の足並みが揃わない傾向にあります。
また、昨今運賃相場の値上げにやっと成功した運輸業界では、外国人の就労許可を得ると荷主からの値下げ要求の題材になってしまうという懸念の声があり、業界の意見が必ずしも一致していないことも、特定技能制度導入の壁となっています。
特にコロナ不況による運賃相場の値下げ要求が出ている中、運輸業界としても特定技能制度導入に二の足を踏んでいるという事情もあります。4.特定技能へ「廃棄物処理業界」の業種追加の検討
最後に、「廃棄物処理業界」の特定技能制度への業種追加について述べます。
「廃棄物処理業界」の業種追加の理由は、「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」と同じく深刻な人手不足の解消です。
しかし、「廃棄物処理業界」は他の2業種よりも問題点が多く、なかなか実現までには辿り着けずにいます。
以下はこれから「廃棄物処理業界」が特定技能へ追加されるメリットと、保留された理由となります。4-1 業種追加のメリット
深刻な人材不足の解消
「廃棄物処理業界」は以前より人手不足が慢性化しています。
日本人にとっても危険であるというイメージの強い業種のため、給料面が良くても選ばれにくいということも人手不足の原因となります。
しかし、日本の経済や生活にとって産業廃棄物処理はなくてはならない業種です。
そのため、特定技能外国人の雇用で、人手不足が解消されることは業界にとってかなりの利点となります。4-2 業種追加が保留された理由
- 安全性
- 言語の問題
安全性
廃棄物処理業務は、爆発性、毒性、感染性、その他にも健康被害を生ずる可能性のある業種であるため、危険の伴う業種です。
原発事故などの労働災害から、外国人にとってもマイナスのイメージがあるということも現状です。言語の問題
上記で述べたように危険性の高い業種であるため、安全に作業するための確実なコミュニケーションスキルが必要となります。
日本語スキルが高い特定技能外国人だとしても、マニュアルにないその場の指示で、微妙な受け取り方の齟齬が生じてしまうだけでも事故の危険性が高まります。
そのため、即戦力として雇用できる外国人が少ないということも問題です。5.まとめ
「コンビニ」、「トラック運転や配達荷物の仕分け」、「産業廃棄物処理」の特定技能への業種追加には、現状では様々な問題があり、個別に詳しく解説いたしました。
今後、各業界の問題改善が進み、特定技能追加への動きが前向きに進められることを期待したいと思います。- 2022.06.06【2022年】特定技能12分野14業種まとめ
2019年に新設された在留資格「特定技能」をご存知でしょうか。
「技能実習生は知っているけれど、何か違うの?」と思われる方もいるかも知れませんね。
「技能実習」と「特定技能」は似ているところがありますが、仕組みや対象が大きく異なるのです。
日本の労働力確保のための在留資格、「特定技能」は今、外国人材市場でも注目を集めています。また特定技能の業種は14分野と認識している方もいると思いますが、2022年4月の閣議により特定技能は12分野となりました。
この記事では最新の特定技能の分野、業種について1つずつ解説します。目次
注目の在留資格「特定技能」とは?
労働力確保のための「特定技能」
現在、日本は深刻な労働力不足に陥っています。
国全体の高齢化が進み、国内における若年層の労働力獲得競争は、激化しているのです。
採用をご担当されている方は、いかにして人材を取り込むか、日々苦慮されているかも知れませんね。
政府としても、特に中小企業に おける深刻な人手不足から、日本の経済や社会基盤の維持が難しくなる可能性があると感じているのです。
そこで2019年に新しく新設された在留資格が「特定技能」です。
この制度は、一定の専門性や技術を持った即戦力を、労働力として採用することができるのです。技能実習制度とは目的が異なる
よく似た名前で、「外国人技能実習制度」がありますが、こちらは、実習生が祖国に技術を持ち帰ることで、その国の経済成長を促す、国際貢献を目的とした制度です。
人手不足を補う目的の特定技能とは、根本的な性質が異なる点に、注意しましょう。
種類別で見る特定技能
特定技能には、2種類の在留資格があります。
①特定技能1号
②特定技能2号それぞれの在留資格のポイントを確認しましょう。
特定技能1号
特定技能1号とは、特定の業種・分野において「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」に従事するための、外国人向けの在留資格です。
在留期間は1年(6か月もしくは4ヶ月ごとの更新)とされており、通算で上限5年までの在留が認められています。
専門技術や日本語能力については試験等で確認されるため、一定水準以上の外国人を受け入れることができるのです。
また、技能実習2号を良好に修了した技能実習生については、実習分野と特定技能の分野に関連がある場合、試験が免除されます。
関連が認められる分野については、法務省出入国管理庁作成の 「特定技能ガイドブック」に記載されています。 家族の帯同などは認められていないため、労働者単身で来日することとなります。
また、1号については登録支援機関の支援対象となります。
特定技能2号
特定技能2号とは、特定の業種・分野において「熟練した技術を要する業務」に従事する外国人向けの在留資格です。
広い分野で受入れが可能とされる1号に対し、2号は2分野のみとなっております。
・建設
・造船・舶用工業在留期間の定めはありませんが、1年もしくは6か月ごとの更新が必要です。
また特定技能1号、2号等で10年間日本に在留することにより、日本での永住権が得られる可能性が高くなります。
特定技能2号になるには技術水準を確認する試験のみで、日本語力の水準確認は不要とされています。
一定要件を満たせば、配偶者や子供などの家族を帯同することができます。
また、1号と異なり、登録支援機関による支援は対象外とされています。
特定技能1号|12分野14業種
特定技能1号|12分野14業種一覧
特定技能1号は14分野でしたが、2022年4月の閣議により12分野へ変更することが決まりました。
日本は人手不足で特定技能分野に参入してほしいという業種が多い中、なぜ12分野へと受け入れ業種が減ったのかと考える方もいると思いますが、分野は減っていても実際の受け入れられる業種は変わりありません。
変更点としては、「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されたというわけです。
なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。
新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
今後は「製造3分野」という呼び方をされることが増えると思います。
そのため実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
おすすめ記事【技能実習・特定技能】受け入れ可能な職種一覧
「技能実習で受け入れ可能」「特定技能1号による受け入れが可能/不可能」「技能実習3号に移行できない」職種・作業をまとめてご覧いただけます。また、技能実習と特定技能の面接から配属までの期間や雇用人数などを一度に比較できる表が詳細欄からご確認いただけます。受け入れ検討の際にぜひご活用ください。
各業種・職種を紹介
特定技能1号で受け入れることができるのは、次に挙げる12分野14業種と規定されています。
順番に確認しましょう。◆介護業
管轄:厚生労働省
最大受入れ人数:60,000人(全業種の中で最多)
介護分野では、入浴や食事、排せつの介助から、レクレーションの実施や機能訓練の補助などの業務に従事します。
介護は、少子高齢化の影響により、深刻な人手不足に陥っている分野の一つなのです。
特定技能として受け入れるためには、利用者の状況に応じた介護の能力や知識について、一定レベル求められます。
また、日本語についても、ある程度の日常会話力を必要とされます。
今後も、介護分野の人材需要が高まることは間違いありません。
特定技能で外国人材を受け入れる基盤を作ることは、日本の将来の介護福祉を支える、一つの柱となるでしょう。◆ビルクリーニング業
管轄:厚生労働省
最大受入れ人数:37,000人
ビルクリーニング業界は、9万人の人手不足が懸念されています。
この背景には、業界全体の賃金水準が低いことや、仕事の多様化による、他業種への人材流出が考えられます。
厚生労働省が、ビルクリーニング受入機関36社に調査をした結果、25社が既に外国人材を採用していました。
受入れ企業によると、5年間の労働で長期的なキャリアプランを立てやすい、コミュニケーションが図れる、といった点をメリットに感じています。◆素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)
管轄:経済産業省
最大受入れ人数:検討中
【素形材】
鋳造、鍛造、金属プレスなどに関わる職種です。
日本の主力産業である、自動車のパーツや部品に関わる仕事であり、日本経済の柱の一つとなる産業です。
【産業機械】
建設・農業・工業・木工など、各産業に関わる機械を製造する職種です。
製造全体に関わることはもちろん、社会インフラを整備するためにも、必要不可欠な存在です。
【電気電子情報関連製造業】
電子部品を製造する職種です。
テクノロジーの進歩に伴い、ITやAIなどの産業で、需要が急速に高まっています。
上記の製造3業種は、共通して製造分野特定技能1号評価試験が課されます。
日本のものづくりは、女性の社会進出、高齢人材の受け入れ、IT化など、時代に合わせた新たな取り組みをすることで、生産性を拡大してきました。
しかし、大企業・中小企業を問わず、人材は不足しているのです。
日本が受け入れる外国人労働者の数は、業種別に見ると製造業が最多となっています。
今後も更なる、外国人材のニーズが見込まれるでしょう。◆建設業(特定技能2号での受入れも可能)
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:40,000人
いわゆる“大工さん”だけにとどまらず、型枠、左官、とび、鉄筋、配管など、建設に関わる全ての職種において、職人の高齢化、人手不足が顕在化しています。
かつて急成長を遂げた日本においては、今後予想されるインフラの老朽化にいかに対応するかが、今後の課題と言えます。
国を挙げて人材を確保する必要があり、外国人材の需要も高まりを見せています。
◆造船・舶用工業(特定技能2号での受入れも可能)
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:13,000人
造船分野の人手不足は、その業界の特性上、産業の中心地が地方に多いことに起因します。
都市部への人口流出により、高齢化が危惧されているのです。
船舶溶接の職種においては、すでに外国人材の活用がなされています。◆自動車整備業
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:7,000人
自動車整備工場での、点検や分解などの業務に従事します。
整備士は自動車産業における重要な存在ですが、自動車整備士の平均年齢が45歳と高齢化しており、業界全体は売り手市場の傾向が続いているのです。
その背景には、若者の車離れや、整備士の待遇に課題がある点がネックとなっています。
国内人材を集めにくい状況にあるため、外国人材は年々増加しています。◆航空業
管轄:国土交通省
最大受入れ人数:2,200人
空港において、グランドハンドリング業務(航空機の誘導・手荷物の取り扱い・客室清掃など)、航空機整備業務を行います。
訪日外国人旅行者の増加に伴い、航空業界全体の人材ニーズが高まったことから、人手不足の傾向にありました。
政府としても、今後さらなる観光の活性化を目標に掲げており、外国人旅行者は増える見込みです。
それに伴い、外国人材の需要もさらに高まるでしょう。◆宿泊業
管轄:国道交通省
最大受入れ人数:22,000人
宿泊施設において、フロントやレストランでの接客など、宿泊サービスの提供全般に関わります。
コロナ前においては、訪日外国人旅行者が増加したことにより、宿泊施設の人手不足が常態化しました。
現状ではコロナウィルス蔓延対策として、外国人の入国を制限する水際対策が講じられており、外国人観光客がほぼ入国できませんので、宿泊業界の人材不足はほぼ消滅していますが、今後のワクチン普及による蔓延の沈静化後には、再度外国人観光客の大量入国が予想されますので、外国人材の活用の準備が求められます。◆農業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:36,500人
農業において、労働人口の減少、高齢化は、深刻な問題となっています。
農業は、農機具の購入や修繕などでコストがかかる上、天候や天災による収入のバラつきがあります。
このようなリスクに加え、重労働のイメージがあり、安定志向の若者から敬遠されてしまうのです。
農業分野における特定技能は、直接雇用の他に、派遣事業者から派遣してもらうことも可能です。
また、繁忙期に就労し、閑散期に母国に帰国するなど、入国後10年目までの間で、通算5年間となるような働き方も認められています。◆漁業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:9,000人
漁業は農業と同様に、労働者の高齢化が深刻な問題となり、人手不足に歯止めがかからない状況です。
業界全体が低所得であり、漁船の維持や消耗品にコストがかかる点、また漁獲量で収入が左右される点など、構造的な問題を抱えています。
漁業の分野では、すでに外国人材の受入れに積極的に取り組んでいます。
農業と同様、派遣としての雇用形態も認められており、多様なニーズに柔軟に対応できる人材として、期待が寄せられているのです。◆飲食料品製造業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:34,000人
酒類を除く、飲食料品製造全般の製造・加工、安全衛生に従事します。
お菓子やパンについては、製品を小売りすることも認められています。
業界としてIT化が進んでいるものの、手作業や目視確認など、機械化できない部分があるため、外国人材が必要とされています。
現時点で、特定技能外国人受入れの最大の業種となっております。◆外食業
管轄:農林水産省
最大受入れ人数:53,000人
テイクアウト専門を含む、飲食店や料理店での仕事が対象です(コンビニを除く)。
コロナ前においては、訪日外国人旅行者が増加したことにより、宿泊施設の人手不足が常態化していました。
また訪日外国人が増えたことで、外国人従業員による接客対応のニーズが高まりました。 外国人旅行者が訪れる観光地の中でも、地方では働き手が少なく、外国人材に大きな期待が寄せられていました。
しかし現状では、新型コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発令により、外食産業に対する強烈な規制がかかっていること、およびコロナ蔓延防止制作対策としての外国人入国制限対策(水際対策)により、宿泊業界の人材不足は全く無くなっています。
しかし、今後世界的なワクチン普及によってコロナ感染が沈静化し、移動制限や会食に対する制限が解かれた後には、外食産業も再び活気を取り戻し、深刻な人手不足が戻ってきますので、外国人材の活用は避けては通れないと思われます。【まとめ】
新しい在留資格「特定技能」の新設により、外国人材の活躍の幅が大きく広がりました。
今後、各業種・分野での需要がさらに高まり、優秀な人材の獲得競争が予想されます。
これまで外国人の採用を検討していなかった企業も、彼らを受け入れることで、企業が抱える問題を解消するきっかけとなるかもしれません。
これから迎える新しい時代に向けて、外国人材の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
【出典】
法務省 出入国在留管理庁|特定技能制度
法務省 出入国在留管理庁|「特定技能ガイドブック」
ITCO 公益財団法人 国際人材協力機構|在留資格「特定技能」とは
法務省 入国管理局「新たな外国人材の受け入れについて」
厚生労働省「新たな在留資格「特定技能」について」
厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能制度に係る啓発資料」
経済産業省「製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について」
国道交通省「航空分野における新たな外国人材の受け入れについて」
農林水産省「特定技能外国人の受入れが始まりました!」
農林水産省 食料産業局「飲食料品製造分野・外食業分野における特定技能外国人受入れの制度について」 閉じる- 2022.06.02高度人材とは?ポイント制度や優遇措置など解説!
目次
高度人材とは何か
「高度人材」とは、専門的な技術や知識をもつ人材を海外から受け入れて、日本が発展するために必要な外国人材のことをいいます。
通称「高度人材」とは?
一般的に「高度人材」とは、単純労働系の外国人材に対して、一定の学歴や経歴を有する人材のことをいいます。
次の項目で解説する「入管が定める高度人材」とは別の意味で用いられていますのでご注意ください。
一般的に「高度人材」と呼ばれる在留資格は「専門的・技術的分野の在留資格」です。
「専門的・技術的分野の在留資格」は次のように分けることが可能です。在留資格 活動例 教授 日本の大学などでの研究・教育者 芸術 作曲家・画家・著述家など 宗教 外国の宗教団体から派遣される宣教師など 報道 外国の報道機関の記者・カメラマンなど 高度専門職(1-2) ポイントによる高度人材 経営・管理 企業の経営者・管理者 法律・会計業務 弁護士・公認会計士など 医療 医師・歯科医師・看護師 研究 政府関係機関や私企業などの研究者 教育 中学校・高等学校などの語学教師など 技術・人文・国際業務 機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、マーケティング業務従事者など 企業内転勤 外国の事業所からの転勤者 介護 介護福祉士 興行 俳優・歌手・ダンサー、プロスポーツ選手など 技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者など 特定技能1号・2号 介護・ビルクリーニングなどの特定産業分野に関する知識・経験・技能を要する業務 この中では、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(いわゆる「技人国」)の人数が最も多く、一般的には「高度人材」とは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人材のことを指すことが多いのが現状です。
その「技術・人文知識・国際業務」人材(いわゆる技人国人材)は日本または海外の大学や大学院を卒業している、またはそれと同等の実績を有し、理学・工学などの自然科学の分野、または法律・経済・社会学などの人文科学の分野に関する技術や知識を必要とする業務、または外国の文化に基盤を置く思考や感受性を必要とする業務に従事することが認められています。
具体的な職種の例は以下の通りです。
IT系- 社内SE
- アプリケーション開発
- 通信インフラ設計・構築
事務系- 営業職
- マーケティング
- 商品開発
- 貿易事務
- 通訳、翻訳
- 日本在住外国人のサポート業務
機械・電気・電子系技術者- Auto CAD
- 回路設計
- 半導体設計・生産技術
入管が定める「高度人材」とは?
一方、出入国管理局は「高度人材」について以下のように定義しています。
- 入管による定義
出入国在留管理庁が定める「高度外国人材ポイント制度」で、「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「その他のボーナス」を点数化した結果合計が70点以上、かつ在留資格「高度専門職1号」「高度専門職2号」を取得した外国人労働者
以前の特定活動の「高度人材」というカテゴリは、 法改正によって「高度専門職1号」と「高度専門職2号」ビザが分離・独立しました。 上記の外国人は、「高度専門職1号」を所有しているとみなされます。 「特定活動・高度人材」と「高度専門職1号」は併用されるということではないです。 高度専門職とは「高度専門職1号」と「高度専門職2号」のことです。- 高度専門職1号の種類
-
- 高度専門職1号イ:高度学術分野に相当(研究者や教師)
- 高度専門職1号ロ:高度専門分野に相当(専門家、エキスパート等のクリエイティブ・クラス)
- 高度専門職1号ハ:高度経営分野に相当(経営者、起業家)
- 高度専門職2号とは
- 高度専門職1号イロハのビザを持って、日本に在留し、その活動を行った後、3年以上経過した場合、高度専門職2号に移行(ビザ変更)することができます。ポイント制度の70点以上及び年収要件を引き続き維持しており、納税義務、社会保険加入義務を履行し、素行が善良であることも条件です。高度専門職2号には「指定書」がなくなります。
高度人材ポイント制度
「高度専門職」ビザは、優秀な外国人を日本に呼び込み、日本の活性化を目指すべく創設された在留資格です。
外国人の学歴や職歴、年収などを点数化し、高度人材の受け入れの判断基準となる「高度人材ポイント制」を導入しています。高度外国人材の活動内容は「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つです。
それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設けて合計ポイントが70点に達した場合に出入国在留管理上の優遇措置を与えることにより高度外国人材の受入れを進めることを目的としています。
引用: ポイント評価の仕組みは? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
合計ポイントが70点未満の場合は、高度専門職の在留資格を取得することができない計算表は下記です。高度人材ポイント計算表は、上記3タイプ(イロハ)に分かれます。
また、日本の大学を卒業した場合や日本語専攻で外国の大学を卒業した場合、日本語能力試験N1合格の場合などボーナスポイントが加算されますので、70点に届きやすいです。年収の要件は、高度専門職1号ロ、1号ハ(そしてそれぞれの2号も)は、ポイントに関係なく、年収300万円必要です。高度専門職1号イには、年収要件はありません。
高度専門職ビザの優遇措置
高度外国人材に認定された人材には,次の優遇措置が受けられます。
高度専門職1号の優遇措置
1)複合的な在留活動の許容
高度専門職では複数のビザにまたがるような活動を同時に行うことができます。
たとえば、会社に雇用されて就労している外国人が、その知識や技術を活かしてベンチャー企業を経営することもできるようになります。2)最長の在留期間「5年」
入管法上の最長の期間である5年が一律に与えられます。もちろん、ビザ延長は可能です。3)永住許可要件が緩和されます。
高度専門職としての活動を継続して3年、または、1年行っている場合には、永住申請を受理し、留学生の場合、高学歴であればあるほど、学生だった期間が長いため、就職する期間が遅れますので、高学歴の留学生にはメリットが大きいです。4)入管での審査が優先処理されます。
入管での審査が優先的に処理されますので、在留資格認定証明書交付申請では約10日以内に、在留資格変更等の申請では約5日以内に審査結果が下ります。これは、通常の審査時間の2週間から3カ月に比べ大きな違いです。5)配偶者の就労が認められます。
配偶者が、「技術・人文知識・国際業務」等の就労系ビザに該当する活動を行おうとする場合、学歴・職歴などの要件を満たさない場合であっても、就労することができます。6)本国からの親の帯同ができます。
高度専門職の親であれば、一定の条件を満たすことで、高度専門職外国人本人又は配偶者の親のビザが認められます。主な要件は以下になっています。
- 高度外国人材の世帯年収が800万円以上
- 高度外国人材と同居すること
- 高度外国人材又はその配偶者のどちらかの親に限ること
7)家事使用人の帯同が認められます。
一定の条件を満たすことで、高度専門職外国人が雇用する家事使用人のビザが認められます。例えば、世帯年収が1000万円以上あり、家事使用人の月給が20万円以上であること等の条件を満たす場合に限定されます。高度専門職2号の優遇制度
幅広い活動を許可
「高度専門職1号」の活動とあわせて、就労可能な在留資格で認められる、ほぼ全ての活動をおこなうことができます。在留期間
「高度専門職2号」は、在留が無期限となります。また高度専門職1号の優遇制度3~7の「在留歴に係る永住許可要件の緩和」「配偶者の就労」「一定条件の下での親の帯同」「一定条件の下での家事使用人の帯同」「入管での審査が優先処理」の5つの優遇措置を受けることができます。
引用:どのような優遇措置が受けられる? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)高度専門職ビザの注意点
高度専門職の注意点
高度専門職1号が認定されると、会社名と会社所在地が記載された「指定書」がパスポートに貼られます。
その所属機関(企業)で就労することとして高度専門職ビザを許可しているので、その所属機関を辞めて転職する場合、在留資格を再度変更する必要があります。高度専門職としての活動を継続している限りは、資格外活動許可を受けることなく、主な就労系ビザの活動が可能となりますが、単純労働は認められないとしています。
高度専門職1号イロハの場合、転職して契約機関(または所属機関)が変わったときには、その都度、在留資格の変更の許可を受けなければなりませんが、高度専門職2号取得後は、転職しても、変更の許可は必要ありません。
高度専門職2号には、「指定書」が交付されません。
しかし、「永住」との違いとして、高度専門職の活動(本来の活動)を6ヶ月以上行わないでいる場合、ビザ取消しの対象となります。
失業した場合は注意する必要があります。
また、会社を辞めた場合、届出義務は発生しますので、ご注意ください。高度専門職ビザの更新後
高度専門職1号
→ (ビザ期限到来時)高度専門職1号の単純更新(延長)
→ (1年経過)永住申請(ポイント計算表で80点以上の場合)
→ (3年経過)高度専門職2号へ変更。親帯同等の優遇を享受。または、永住申請(ポイント計算表で80点未満の場合)。このうち、どの道を選ぶかは、ご本人の選択にゆだねられています。
来日(または高度人材認定後)3年でまずは高度専門職2号へ変更するのは、在留期限が無期限になるメリットがあります。もっとも「永住」の選択もできますので、どちらを選択するかどうかは、例えば、親を帯同できるメリットを享受するかどうかで変わってくるでしょう。申請の流れ
申請者が
- これから日本に入国される外国人の場合は
- すでに日本に在留している外国人の方
- 高度外国人材として在留中で,在留期間の更新を行う外国人の方
次に2つの流れを解説します。
在留資格認定証明書交付申請の流れ
STEP1:地方出入国在留管理局の窓口での申請
「高度専門職1号」(イ・ロ・ハのいずれか)に係る在留資格認定証明書交付申請※を行っていただきます。
※ 入国予定の外国人の受入れ機関の方等が申請を行うことができます。
行おうとする活動に係るポイント計算表と,ポイントを立証する資料を提出し,高度外国人材の認定を申し出ます。
↓
STEP2:出入国在留管理庁における審査
当該申請に係る入管法第7条第1項第2号に掲げる「上陸条件への適合性」の審査を行います。
(この時にポイント計算を行います。)
在留資格該当・上陸条件適合
在留資格非該当・上陸条件不適合
在留資格認定証明書交付
在留資格認定証明書不交付※就労を目的とするその他の在留資格の上陸条件に適合している場合,申請人が希望すれば当該在留資格に係る在留資格認定証明書が交付されます。
手続きの流れは? 必要な申請書類は? | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
↓
STEP3:在留資格認定証明書交付
今回の申請により,あらかじめ上陸条件の適合性の審査は終了しているため,在外公館における査証申請の際に在留資格認定証明書を提示し,また,日本の空海港における上陸審査時に本証明書及び査証を所持することにより,スムーズな査証発給,上陸審査手続が行われます。
↓
入国・在留在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の流れ
STEP1:地方出入国在留管理局の窓口での申請
在留資格変更許可申請,在留期間更新許可申請のどちらの場合においても,行おうとする活動に係るポイント計算表と,ポイントを立証する資料等を提出してください。
↓
STEP2:出入国在留管理庁における審査
高度人材該当性等の審査を行います。【ポイント】行おうとする活動が高度外国人材としての活動であること ポイント計算の結果が70点以上であること 在留状況が良好であること 70点以上であるなど必要な要件を満たす場合 70点未満であるなど必要な要件を満たさない場合 不許可 (在留資格変更許可申請の場合,現在の在留資格による在留期間があれば,当該在留資格による在留を継続可能) ↓ 在留資格変更許可・在留期間更新許可まとめ
少子高齢化で人手不足が進む現在、若くて優秀な人材の確保が難しくなってきています。そこで、外国人の採用を視野に入れればこれまでどおり会社の専門性を維持し、会社が発展する可能性も高いです。
高度外国人は雇用する人数に制限がなく、長期雇用も可能です。
専門的な知識を有していて、就労意欲も高い等複数のメリットがります。日本の高度外国人雇用の現状は「専門的・技術的分野の在留資格」の人数は約27.7万です。
高度専門職ポイント制度の数は出入国在留管理庁(入管)公表の資料から、2020年12月時点の高度人材認定者数は、26406人です。
閉じる
政府は、「成長戦略フォローアップ」(令和2年7月17日閣議決定) によると2022年末までに、40000人の高度人材外国人の認定を目指す方針です。
高度外国人材の受入れ状況等について | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp) 高度専門職の在留資格で高度人材の活用を考えてみてください。- 2022.05.31【試験情報】外食業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、外食業もその中の1つです。
「外食業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」A2以上の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「外食業特定技能1号技能測定試験」の合格が必要です。2.試験情報
下記は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「外食業特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計80分 試験方式 マークシート方式 受験料 8,000円(税込み) 2-1 学科試験
衛生管理、飲食物調理と接客全般の知識と仕事で必要な日本語能力を問う試験です。
問題数 30問 満点 100点 合格点 65%以上 2-2 実技試験
実技試験は判断試験と計画立案の2つから構成されています。
判断試験は図やイラストなどから、ふさわしい行動はどれかを選択する問題です。
計画立案は計算して作業の計画をたてることができるかを問う問題です。
問題数 判断試験9問/計画立案6問 満点 100点 合格点 65%以上 3.学習用教材
言語 外食業技能測定試験学習用テキスト 外食業技能測定試験学習用テキスト 外食業技能測定試験学習用テキスト 日本語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controls英語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsベトナム語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsクメール語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controlsミャンマー語 接客全般
Customer Service飲食物調理
Food and Drink衛生管理
Hygiene Controls- 2022.05.31【試験情報】製造業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業もその中の1つです。「素形材産業の特定技能1号」「産業機械製造業の特定技能1号」「電気・電子情報関連産業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
また、特定技能1号は2022年4月の閣議により14分野から12分野へ変更することが決まりました。
変更点は「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されます。なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。 新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
今後は「製造3分野」という呼び方をされることが増えると思いますが、実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は株式会社サーティファイが実施する「製造分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。2.試験情報
下記は株式会社サーティファイが実施する「製造分野特定技能1号評価試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 学科試験:60分/実技試験60~90分(業種によって異なる) 試験方式 CBT方式、ペーパーテスト方式または製作等作業試験方式 受験料 2,000円 2-1 学科試験
合格点 65%以上 2-2 実技試験
合格点は以下の通りです。
製作等作業試験方式を採用する試験区分 判定方法は各試験区分により設定 溶接 手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接はJIS Z 3841に基づいて判定 上記以外の試験区分 60%以上 3.学習用教材
鋳造 学科・実技サンプル 鍛造 学科・実技サンプル ダイカスト 学科・実技サンプル 機械加工 学科・実技サンプル 金属プレス加工 学科・実技サンプル 鉄工 学科・実技サンプル 工場板金 学科・実技サンプル めっき 学科・実技サンプル アルミニウム陽極酸化処理 学科・実技サンプル 仕上げ 学科・実技サンプル 機械検査 学科・実技サンプル 機械保全 学科・実技サンプル 電子機器組立て 学科・実技サンプル 電気機器組立て 学科・実技サンプル プリント配線板製造 学科・実技サンプル プラスチック成形 学科・実技サンプル 塗装 学科・実技サンプル 溶接 学科サンプル(半自動溶接)
学科サンプル(手溶接)工業包装 学科・実技サンプル - 2022.05.31【試験情報】飲食料品製造業特定技能1号試験
目次
特定技能と試験について
特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、飲食料品製造業もその中の1つです。
「飲食料品製造業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の合格が必要です。
試験情報
下記は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構が実施する「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計80分 試験方式 マークシート方式 受験料 8,000円(税込み) 学科試験
HACCPなどによる衛生管理や労働安全衛生の知識を問う試験です。
問題数 30問 満点 100点 合格点 65%以上 実技試験
実技試験内容は判断問題と計画立案の2つから構成されています。
判断問題は図やイラスト等から、ふさわしい行動はどれかを選択する問題です。
計画立案は計算して作業の計画をたてることができるかを問う問題です。問題数 判断試験8問/計画立案2問 満点 50点 合格点 65%以上 学習用教材
以下は特定技能1号技能測定試験飲食料品製造業試験に合格のための学習用テキストの情報です。
特定技能受け入れに関する相談窓口
農林水産省:飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について- 2022.05.31【試験情報】農業 特定技能評価試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、農業もその中の1つです。
「農業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験(耕種農業、畜産農業)」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
農業は耕種農業と畜産農業に分かれているため、技能試験はそれぞれ該当する方の試験を受けます。1-2 日本語試験と技能試験(耕種農業、畜産農業)
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人 全国農業会議所が実施する「農業技能測定試験」の合格が必要です。2.農業 試験情報
下記は一般社団法人 全国農業会議所が実施する「農業技能測定試験(耕種農業、畜産農業)」の情報です。
※耕種農業、畜産農業の試験問題は異なりますが、試験情報については共通です。試験科目 学科試験、実技試験、日本語能力の確認(業務上に必要な日本語) 試験時間 学科試験+実技試験+日本語能力の確認:60分 試験方式 CBT方式 受験料 8,000円
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)2-1 学科試験、実技試験 、日本語能力の確認
※耕種農業、畜産農業の試験問題は異なりますが、試験情報については共通です。
問題数 全70問 試験言語 日本語、英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ミャンマー(ビルマ)語、モンゴル語、ネパール語、カンボジア(クメール)語、中国語、ウズベク語、シンハラ語、タミル語、ヒンディー語 合格点 非公開 出題形式 学科試験、実技試験:2肢一択と四肢一択
日本語能力の確認:四肢一択、記述式出題基準 耕種農業
畜産農業
日本語能力の確認3.学習用教材
以下は建設分野特定技能1号評価試験に合格するための学習用テキストの情報です。
- 2022.05.31【試験情報】建設業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、建設業もその中の1つです。
「建設業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
建設業では、現在以下の18職種が特定技能の対象になっています。そのため、技能試験の内容は職種によって異なります。- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- トンネル推進工
- 建設機械施工
- 土工
- 屋根ふき
- 電気通信
- 鉄筋施工
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ/表装
- とび
- 建築大工
- 配管
- 建築板金
- 保温保冷
- 吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工
1-2 日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)が実施する「建設分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。
2.試験情報
下記は一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)が実施する「建設分野特定技能1号評価試験」の情報です。
※建設業では、現在18職種が特定技能の対象になっています。そのため、技能試験の内容は職種によって異なります。試験科目 学科試験、実技試験 試験時間 学科試験:60分/実技試験:職種ごとに異なる 試験方式 学科試験:CBT方式/実技試験:職種ごとに異なる 受験料 4,000円
受験会場にて現金で集めます。2-1 学科試験
問題数 30問 試験言語 日本語(必要に応じてフリガナあり)
専門用語等については他言語で併記される合格点 合計点の65%以上 出題形式 真偽法(〇✕)および2~4択式 2-2 実技試験
問題数 職種ごとに異なる 合格点 職種ごとに異なる 出題形式 職種ごとに異なる 3.学習用教材
以下は建設分野特定技能1号評価試験に合格するための学習用テキストの情報です。
職種 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 型枠施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 左官 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 コンクリート圧送 テキスト1
テキスト2
テキスト3
テキスト4
テキスト5学科サンプル問題 実技試験問題 トンネル推進工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 建設機械施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 土工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 屋根ふき テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 電気通信 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 鉄筋施工 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 鉄筋継手 テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3学科サンプル問題 実技試験問題 内装仕上げ/表装 テキスト(壁装)
テキスト(ボード仕上げ)学科サンプル問題(壁装)
学科サンプル問題(ボード仕上げ)実技試験問題(壁装)
実技試験問題(ボード仕上げ)とび テキスト 学科サンプル問題 準備中 建築大工 準備中 準備中 準備中 配管 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 建築板金 準備中 準備中 準備中 保温保冷 テキスト1
テキスト2
テキスト3
テキスト4学科サンプル問題 実技試験問題 吹付ウレタン断熱 テキスト 学科サンプル問題 実技試験問題 海洋土木工 テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3学科サンプル問題 実技試験問題 - 2022.05.31【試験情報】宿泊業 特定技能評価試験
目次
特定技能と試験について
特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、宿泊業もその中の1つです。
「宿泊業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人宿泊業技能試験センターが実施する「宿泊技能測定試験」の合格が必要です。
宿泊業試験情報
下記は一般社団法人宿泊業技能試験センターが実施する「宿泊技能測定試験」の情報です。
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 学科試験:45分/実技試験10分 試験方式 CBT方式 受験料 7,000円 宿泊施設のフロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生、宿泊業の基本事項に関する問題が出題されます。
学科試験
問題数 30問 合格点 65%以上 出題形式 選択真偽法 実技試験
問題数 4問 合格点 65%以上 出題形式 口頭による判断問題 学習用教材
以下は宿泊技能測定試験に合格するための学習用テキストの情報です。
【過去問題】2019/04/14 第1回(国内)学科試験並びに実技試験
【資料】宿泊業における生活・業務マニュアル学習用テキストは今後宿泊団体から発行される予定です。
- 2022.05.31【試験情報】ビルクリーニング業 特定技能1号試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。 「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として14業種が認められており、ビルクリーニング業もその中の1つです。 「ビルクリーニング業の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と技能試験について
ビルクリーニング分野の特定技能1号の在留資格を得るためには、「技能水準」と「日本語能力水準」の両方を満たしている必要があります。
「日本語能力水準」は、独立行政法人国際交流基金が実施する「日本語能力判定テスト」 又は独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施する「日本語能力試験」において判定されます。
ビルクリーニング分野の「技能水準」は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施いたします「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」において判定します。
日本語試験は「日本語交流基金基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の合格が必要です。
※ビルクリーニング職種の技能実習2号修了者は、「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」と日本語試験を受験する必要はありません。2.試験情報
下記は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する「ビルクリーニング分野特定技能1号技能測定試験」の情報です。
試験科目 判断試験と作業試験 試験時間 計32分 試験方式 択一方式・実技試験 受験料 1,100円(税込み) 2-1 学科試験
写真・イラスト等により判断する試験です。
問題数 17問 満点 40点 合格点 60%以上 2-2 実技試験
作業試験は 床面の定期清掃作業、ガラス面の定期洗浄作業、洋式大便器の日常清掃作業の中から作業を行います
問題数 床面の定期清掃作業、ガラス面の定期洗浄作業、洋式大便器の日常清掃作業 満点 60点 合格点 60%以上 ・判断試験の点数が満点の60%以上(24点以上)、かつ作業試験の点数が満点の60%以上(36点以上)で合格になります。
3.学習用教材
以下は特定技能1号技能測定試験飲食料品製造業試験に合格のための学習用テキストの情報です。
- 2022.05.31【試験情報】介護 特定技能評価試験
目次
1.特定技能と試験について
1-1 特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。 「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、介護もその中の1つです。 「介護の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。
1-2 日本語試験と介護技能評価試験と介護日本語評価試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
介護技能評価試験は厚生労働省が実施する「介護技能評価試験」の合格が必要です。
介護日本語評価試験は厚生労働省が実施する「介護日本語評価試験」の合格が必要です。
※介護技能評価試験、介護日本語評価試験の作成は厚生労働省ですが、試験実施及び運営はプロメトリック株式会社が行っています。2.介護 試験情報
下記は厚生労働省が実施する「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験 」の情報です。
2-1 介護技能評価試験
試験科目 学科試験と実技試験 試験時間 計60分 問題数 全45問
学科試験:40問
・介護の基本(10問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20問)
実技試験:5問
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題試験言語 日本語、英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ビルマ語、モンゴル語、ネパール語、クメール語、中国語、ウズベク語から選べる 合格点 60%以上 試験方式 CBT方式 出題形式 4肢択一 受験料 1,000円(税込み)
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)出題基準 https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000503362.pdf 2-2 介護日本語評価試験
日本語試験とは異なり、介護で使用する日本語を問う問題が出題されます。
試験時間 30分 問題数 全15問
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)試験言語 質問のみ2つの言語で表記
日本語+英語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語、ビルマ語、モンゴル語、ネパール語、クメール語、中国語、ウズベク語合格点 60%以上 試験方式 CBT方式 出題形式 4肢択一 受験料 1,000円(税込み)
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)3.学習用教材
以下は介護技能評価試験、介護日本語評価試験合格のための学習用テキストの情報です。
【参考】厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html
- 2022.05.25在留資格一覧表|いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?
目次
1.外国人雇用が成功するかが企業の命運を分ける
世界はグローバル化を続けています。
かつて閉鎖された「島国」を謳歌していた日本も、世界のグローバリズムの波には逆らえず、今や在留外国人は288万人に達しています。
一方で、日本は少子高齢化が進行し、生産年齢人口(労働人口)は減少の一途をたどっており、もはや「外国人に頼らなければこの日本はやっていけない」ところまで来ています。しかし、未だ日本人のほとんどは外国人と共存することに慣れていません。
それは、言語の壁もあるでしょう。
単に、外国人に不慣れだということもあるでしょう。
しかし、明らかに差別的に外国人を見ている人たちがいることも否定できません。今後、日本が、そして日本企業が、特に中小企業が生き残って行くためには、外国人雇用にチャレンジできるかどうかがその命運を握っています。
「事業を永続的に伸ばしていきたい」
「グローバル展開をしていきたい」企業がそのように思うなら、外国人の採用は避けては通れません。
しかも、外国人雇用には大きなメリットがあります。外国人雇用への挑戦は、企業に飛躍のチャンスを与えてくれます。
ここでは、外国人雇用への基本知識としての、在留資格について徹底解説します。2.滞在目的別在留資格
在留資格は全部で以下の29種類があります。
在留資格を滞在目的で分類すると次のとおりです。①就労が滞在目的の在留資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習
②就労ができない在留資格
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
③身分により付与される在留資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
④法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格
特定活動
3.在留資格一覧表
滞在目的 在留資格
本邦において行うことができる活動 該当例
在留期間
就労が目的の在留資格 外交 日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 外交活動の期間 公用 日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項に掲げる活動を除く。) 外国政府の大使 館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 5年,3年,1 年,3月,30日又は15日 教授 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動 大学教授等 5年,3年,1年又は3月 芸術 収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く。) 作曲家,画家,著述家等 5年,3年,1年又は3月 宗教 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 5年,3年,1年又は3月 報道 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 外国の報道機関の記者,カメラマン 5年,3年,1年又は3月 高度専門職 1号
高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるものイ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 ポイント制による高度人材 5年 ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 2号
1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動
イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動
ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動
ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,介護,興行,技能,特定技能2号の項に掲げる活動(2号イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)無期限 経営・管理 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・ 会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) 企業等の経営者・管理者 5年,3年,1
年,6月,4月又は3月法律・会計業務 外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 弁護士,公認会計士等 5年,3年,1年又は3月 医療 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 医師,歯科医師,看護師 5年,3年,1年又は3月 研究 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く。) 政府関係機関や私企業等の研究者 5年,3年,1年又は3月 教育 本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動 中学校・高等学校等の語学教師等 5年,3年,1年又は3月 技術・人文知識・国際業務 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。) 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 5年,3年,1年又は3月 企業内転勤 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 海外の事業所からの転勤者 5年,3年,1年又は3月 介護 本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動 介護福祉士 5年,3年,1年又は3月 興行 演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。) 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 3年,1年,6
月,3月又は15日技能 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 外国料理の調理 師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 5年,3年,1年又は3月 特定技能 1号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約(入管法第2条の5第1項から第4項までの規定に適合するものに限る。次号において同じ。)に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。同号において同じ。)であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動 特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人 1年,6月又は4月 2号 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う特定産業分野であって法務大臣が指定するものに属する法務省令で定める熟練した技能を要する業務に従事する活動 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人 3年,1年又は6月 技能実習 1号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 技能実習生 法務大臣が
個々に指定する期間(1年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第一号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動 2号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 法務大臣が
個々に指定する期間(2年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第二号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 3号 イ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号企業単独型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 法務大臣が
個々に指定する期間(2年を超えない範囲)ロ 技能実習法上の認定を受けた技能実習計画(第三号団体監理型技能実習に係るものに限る。)に基づいて技能等を要する業務に従事する活動 就労ができない在留資格 文化活動 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(この表の留学,研修の項に掲げる活動を除く。) 日本文化の研究者等 3年,1年,6月又は3月
短期滞在 本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 観光客,会議参加者等 90日若しくは3 0日又は15日以内の日を単位
とする期間留学 本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動 大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,中学校及び小学校等の学生・生徒 4年3月,4年, 3年3月,3年, 2年3月,2年, 1年3月,1年, 6月又は3月 研修 本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除く。) 研修生 1年,6月又は3月 家族滞在 この表の教授,芸術,宗教,報道,高度専門職,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,技術・人文知識・国際業務,企業内転勤,介護,興行,技能,特定技能2号,文化活動,留学の在留資格を
もって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動在留外国人が扶養する配偶者・子 5年,4年3月, 4年,3年3月, 3年,2年3月, 2年,1年3月, 1年,6月又は3月 法務大臣が個々の外国人に与える許可により滞在できる在留資格 特定活動 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデー,経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 5年,3年,1
年,6月,3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)滞在目的 在留資格 本邦において有する身分又は地位 該当例 在留期間 身分により付与される在留資格 永住者 法務大臣が永住を認める者 法務大臣から永住の許可を受けた者
(入管特例法の「特別永住者」を除く。)無期限 日本人の配偶者等 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 日本人の配偶者・子・特別養子 5年,3年,1年又は6月 永住者の配偶者等 永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 5年,3年,1年又は6月 定住者 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者 第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 5年,3年,1 年,6月又は法
務大臣が個々に指定する期間
(5年を超えない範囲)4.いまさら聞けない、一般的に使われる「外国人が働ける在留資格」とは?
前述のように、就労が滞在目的の在留資格は、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務(技人国)、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習とたくさんあります。
また、身分により付与される在留資格も、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者があり、それぞれ就労ができます。
外国人を雇用する際は、必ず在留資格を在留カードで確認しましょう。しかし、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は限られています。
まずは、在留者が多い在留資格順に見ていきましょう。- 永住者 800,872人(27.8%)
- 技能実習 402,422人(13.9%)
- 特別永住者 309,282人(10.7%)
- 技術・人文知識・国際業務 288,998人(10.0%)
- 留学 280,274人(9.7%)
- 定住者 203,847人(7.1%)
- 家族滞在 200,299人(6.9%)
- 日本人の配偶者等 143,759人(5.0%)
この中で、一般企業が外国人を雇用する場合に使う一般的な在留資格は、永住者、技能実習、特別永住者、技術・人文知識・国際業務(技人国)、留学、定住者、日本人の配偶者、そしてランキング外ですが特定技能です。
(注意:留学は資格外活動の許可を得ればアルバイトとして週28時間働けます)中でも注目されているのが、特定技能制度です。
特定技能は、人材不足が激しい14業種に認められた新しい在留資格で、日本の労働力不足を補う制度として、今後の拡大が期待されています。5.在留資格別構成比
在留資格別の構成比は以下のとおりです。
おすすめ記事閉じる就労ビザと在留資格の違い
外国へ入国する時に必要な証明書であるビザは、特に就労目的で入国する場合に「就労ビザ」と呼びます。一方で、技能実習生や特定技能1号は日本で働くための「在留資格」として必要な資格です。この2つの言葉の違いについて、分かりやすく解説しています。
- 2022.05.24特定技能「製造業(製造3分野)」|外国人を製造業で雇用するには?
1.特定技能制度とは
特定技能制度とは、2019年より始まった、労働人口が不足している職種において、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。
これまでは専門的に知識のある外国籍労働者の受け入れを積極的に行なっていましたが、国内の人口減少が進む中で、人手不足が悪化し、専門知識を必要としない製造分野においても技能試験に合格した外国人の受け入れが可能となりました。
特定技能制度によって、これから約34万人の外国人の受け入れが見込まれ、労働人口不足の緩和を目指しています。関連リンク2.製造業について
特定技能制度を利用した外国人技能者の雇用は、製造業では以下の3つの分野が認められています。
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
参考:経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて」
原材料・部品の調達・搬送作業、各職種の前後工程作業、クレーン・フォークリフト等の運転作業などの、付随業務をすることも可能です。
ただし、「機械加工」以外の業務区分で受け入れた人材に対して、「機械加工」を付随業務として行うことは禁止されています。2-1 製造3分野とは
製造業は製造3分野とも呼ばれています。
上記で説明した素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業をまとめた呼び方が製造3分野です。また2022年4月の閣議で製造3分野に関して変更点がありました。
特定技能1号は14分野でしたが、2022年4月の閣議により12分野へ変更することが決まりました。
日本は人手不足で特定技能分野に参入してほしいという業種が多い中、なぜ12分野へと受け入れ業種が減ったのかと考える方もいると思いますが、分野は減っていても実際の受け入れられる業種は変わりありません。変更点としては、「素形材産業分野」、「産業機械製造業分野」、「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業(製造3分野)」として統合されたというわけです。
なぜ製造3分野に統合されたかというと、「産業機械製造業」での受け入れ人数が上限を超え4月から新規入国が止まってしまったためです。
新型コロナウイルス禍で半導体製造装置や産業用ロボットの需要が高まり、産業機械製造業の受け入れ人数は上限を超過してしまいました。素材や電気機器を対象とする業種には受け入れ人数に余裕があるため、製造3分野として受け入れ人数に余裕を持たせたというわけです。
実際に受け入れられる業種や職種には変わりがないので安心してください。3.在留資格「特定技能1号」とは
「特定技能制度」を利用し取得できる在留資格には、「特定技能1号」と「特定技能2号」があります。
製造業の3つの分野での外国人雇用においては、「特定技能1号」の在留資格が必要となります。
「特定技能1号」での在留は、5年間有効です。4.「特定技能1号」の在留資格を取得するためには
外国人が「特定技能1号」の在留資格を取るためには、以下の2つの方法があります。
4-1特定技能評価試験に合格
「特定技能評価試験」に合格することで、「特定技能1号」の在留資格を取ることができます。
「特定技能評価試験」には両方の合格が必要となります。- 日本語試験
- 技能試験
日本語試験の合格基準は、「日本語能力試験」でN4以上であること、または、「国際交流基金日本語基礎テスト」でA2以上であることです。
どちらか片方の合格で問題ありませんが、両方を受験することも可能です。技能試験については、作業区分の「技能測定試験」に合格する必要があります。
<製造3分野(素形材産業 産業機械製造業 電気電子情報産業)の技能試験>
製造分野の技術試験は、日本のみで実施されています。(2020年1月にインドネシアで実施されましたが、その後は日本のみ。)
厳しい合格基準のため、これまでの合格率は15%を下回っています。
特定技能外国人の受け入れ人口の増員に伴って、これからさらに試験会場国の多様化と試験実施回数の増加が期待されます。また、特定技能試験の受験は、短期滞在のビザでも受験可能なため、観光ビザで来日した際でも特定技能在留資格を取得できます。
新型コロナウイルスの影響で入国の制限がありますが、コロナが収束した際にはこの選択肢も有効になるでしょう。4-2「技能実習」から「特定技能1号」への移行
国際貢献を目的とした「技能実習」を3年間修了した外国人は、同じ職種であれば「特定技能1号」へ在留資格を移行することができます。
5.「特定技能1号」外国人の採用ルート
「特定技能1号」の外国人を採用するルートとしては、以下の方法があります。
5-1留学生からの採用
留学生の在留資格から「特定技能1号」の在留資格に切り替えた外国人を雇用することが可能です。
留学生は国際貢献のための文化的な分野での雇用を望んでいる傾向がありますが、「特定技能1号」では日本に「5年」という在留期間の制限があるため、留学生は「特定技能1号」よりも永住権が取得できる「技術・人文知識・国際業務」での就労を望む人が多いため、「特定技能1号」の在留資格を取得する留学生は現状ではまだ少ない状況です。また、留学生を擁する大学、専門学校、日本語学校が、留学生に対して未だに「技術・人文知識・国際業務」での就労のみを勧めていることも多く、これら教育機関の経営層や就職部、さらに教師が在留資格「特定技能1号」に関する知識と理解が不足しているのも、留学生の「特定技能1号」在留資格取得が低迷している原因となっています。
しかし現在は新型コロナウイルスの影響で国内の就職難が問題としてあるため、留学生の「特定技能1号」在留資格を取得も増える可能性があります。
留学生の受け入れをしている学校と連絡をとり求人票を送付したり、学校や留学生と直接契約している人材サービス会社に依頼したりすることで採用につながります。5-2技能実習からの採用
前項でも記載したように、「技能実習」を3年間修了した外国人は、同職種であれば「特定技能1号」へ在留資格の移行ができます。
現在、製造業で雇用されている特定技能外国人はこのパターンがほとんどです。
2020年6月末に、1366人の外国人が製造業の「特定技能1号」を取得していますが、その全員が「技能実習2号」を修了した実習生です。
技能実習生時に働いていた企業の中で在留資格を移行することが多いですが、帰国した技能実習生を雇用することも可能です。
以前日本で技能実習2号を修了し帰国した外国人を採用する場合は、監理団体やその国ごとの送り出し機関と連絡をとり「特定技能1号」への移行の提案ができます。また、国内の人材サービス会社を通じて、製造業で雇用されていた技能実習2号修了者を探す方法があります。5-3海外からの採用
最後に、海外にいる「特定技能評価試験」に合格した外国人の採用です。
これから海外での技能試験の開催が増えれば、採用もコンスタントに行えることが期待できます。
採用方法としては、海外との結びつきが強い人材サービス会社を利用することで採用がスムーズ進みます。6.雇用する企業が押さえておくこと
6-1協議会への加盟
特定技能外国人を受け入れる企業は、産業分野ごとに設置された「協議・連絡会」への加盟が必須となります。
<製造3分野(素形材産業 産業機械製造業 電気電子情報産業)の協議・連絡会>
経済産業省が、特定技能外国人制度を適切に運用していくために必要となるもので、
製造業の3分野では、「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」が設置されています。6-2雇用形態と報酬
特定技能の外国人を製造業で雇用する際は、派遣会社を通さずに、直接外国人を雇用することが原則とされています。
フルタイム勤務が義務付けられており、報酬は日本人と同等か、それ以上であることが定められています。6-3早期転職のリスク
製造業の分野に関わらず、特定技能外国人は常にいい条件の企業を探しているため、早期転職のリスクがあります。
そのため、企業の重要な情報や技術に関して、その他の情報の開示に関しては気をつけおく必要があります。
早期転職のリスクに関しては、特定技能外国人の雇用支援をしている人材サービス会社に相談することをおすすめします。
人材サービス会社は長年外国人と接してきたノウハウがあるため、適切に対応してくれることが期待できます。
また、各言語でのわかりやすいマニュアル制作など、雇用してすぐに働きやすい環境を整えることも早期退職のリスク回避に役立ちます。7.さいごに
これまでは、永住者・定住者・日本人の配偶者などしか単純労働に従事することはできませんでしたが、「特定技能1号」での雇用制度により、製造業においても単純労働を含むさまざまな付随業務に従事する外国人の雇用が可能になりました。
製造業においては、現状では技能実習生が技術を活かして特定技能外国人として就職することがほとんどですが、留学生や海外からの受け入れが増えていくことが考えられます。リスクをうまく回避しながら制度を利用することで、深刻な人手不足も解消に向かうでしょう。- 2022.05.24特定技能「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?
特定技能とは、特定産業14分野で働く外国人に雇用が認められる在留資格です。特定技能では人手不足の企業で即戦力となる人材を受け入れています。
「ビルクリーニング」の分野では特定技能1号での雇用と在留資格5年間での就労が可能となります。
「ビルクリーニング」業界では、他の業界と同様に人手不足の深刻化が進む中、外国人労働者に焦点を合わせて、業界への受け入れ体制が始まっています。
目次
「ビルクリーニング」業界の人手不足
「ビルクリーニング」業界も人手不足の問題を抱えている産業です。
日本政府の方針では、特定技能「ビルクリーニング」分野での受け入れ人数は37,000人を見込み、特定技能外国人の募集を積極的に始めています。ビルクリーニング業界では、今、若い労働力の確保に苦戦し、65才以上の高齢の労働者に頼らざるを得ない状況であり、労働者の高齢化が進んでいます。ビルクリーニング業界では女性や高齢者の雇用を積極的に進めていますが、他の業界でも同様になかなか人材確保までに及んでいない状況です。
近年、ビルクリーニング業界では、産業ロボットや清掃機械などの導入などを進めていますが、同業界での人手不足はまだ解消されていません。2017年には建物清掃員の有効求人倍率は、2.95倍に達し、ビルクリーニング業界での人材確保が追い付かない状況では、清掃の行き届かない建物の衛生面の問題も生じています。
ビルクリーニング業界では、技能実習生の受け入れも行っていますが、現状は人手不足の問題は残ったままです。今回、在留資格特定技能外国人の受け入れが始まったことで、特定技能で認められる在留期間5年の間に人手不足が改善されることが期待されています。
「ビルクリーニング」分野での雇用条件
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用したい場合には、一定の雇用条件にそって行う必要があります。
-
受け入れ機関は、特定技能外国人を受け入れ日から4か月以内に、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
厚生労働省のホームページから申請手続きが可能です。
ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入申請について - ビルクリーニング分野特定技能協議会の行う調査と指導に対しての協力する必要があります。
- 建築物清掃業、または 建築物環境衛生総合管理業の登録がされていることが必要です。
- 厚生労働省の行う調査と指導に対しての協力することが求められます。
「ビルクリーニング」技術水準と日本語能力水準について
厚生労働省が定義する「ビルクリーニング」を運用要領については以下の通りとなっています。
特定技能「ビルクリーニング」で外国人を雇用する場合には、以下の基準をもとに受検合格者を採用することとなります。
- 技術水準について:多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、 方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベル
- 日本語能力水準:ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有する
「ビルクリーニング」分野の特定技能外国人のために
特定技能「ビルクリーニング」では、外国人対象にベトナム語、ミャンマー語、タガログ語(フィリピン)クメール語(カンボジア)で、特定技能制度の説明と「ビルクリーニング」の業務内容が紹介されています。
この内容は、受入機関向け、外国人向け、送り出し機関向けに紹介されています。
厚生労働省:各国翻訳のリーフレット特定技能1号での「ビルクリーニング」業務について
清掃管理業務のうち、建築物内部清掃業務(床、天井、内壁、トイレ、洗面所など)と客室以外のベッドメイク作業が対象となります。
YouTube動画でビルクリーニング業の紹介をしています。特定技能「ビルクリーニング」に必要な試験について
特定技能外国人を「ビルクリーニング」で雇用するためには、試験と日本語能力試験が必須条件となります。
ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
試験は全国ビルメンテナンス協会主催の「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」で判定します。
試験内容
- 判断試験
- 写真やイラストなどで判断する試験17問で40点
- 実技試験
- 12分の試験時間に3つの課題を解く問題で60点
床面の定期清掃作業について/ガラス面の定期洗浄作業について/洋式大便器の日常清掃作業について/
合格水準
判断試験が40点。作業試験が60点。それぞれ60%以上が合格の基準です。
教材
ビルクリーニング外国人材受入支援センターが発行のテキストとDVDが活用できます。
ビルクリーニング外国人材受入支援センター:特定技能評価試験対策教材手数料
2.200円(消費税 10%込)銀行振り込み。
試験の合格者に対しては合格証明書が発行されます。
合格した場合、合格証明書発行手数料14,300円となります。受験資格
17才以上。在留資格取得者。短期滞在者でも可能です。
申し込みの方法
「ビルクリーニング」分野で技能実習2号修了者は、「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」の受験は免除されます。
技能実習生で「ビルクリーニング」分野での経験者は、技術的にも、また在留日数から日本語能力のレベルが高いことが想定できます。
雇用の際には、特定技能外国人と技能実習生からの移行からも雇用できるので、検討されると良いでしょう。
日本語能力試験
日本語能力試験は、独立行政法人国際交流基金(JFT-Basic)の「日本語能力判定テスト」
または、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会(JPLT)の「日本語能力試験」N4以上において判定します。JPLTは、国内・国外で受験可能。JFT-Basicは海外のみの試験実施となっています。
「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」実施予定
2021年11月に実施された受検結果では、受験者数 332名/合格者数 279名/合格率 84.0%となっています。
最新の情報は、以下の公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HPより確認できます。
公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会HP:試験実施予定「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」海外でも可能
2019年にミャンマーで、2020年にフィリピンで「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」が実施されています。
さいごに
在留資格、特定技能の「ビルクリーニング」分野での雇用について説明いたしました。
各業界に共通する人手不足には、特定技能外国人が即戦力として活躍できることで解消されることが期待されています。
日本人従業員に代わって外国人を雇用する際には、制度上の規定にそって行うことと、外国人が長く働ける労働環境と体制づくりが必要となるでしょう。
- 2022.05.24特定技能「漁業」|外国人を漁業で雇用するためには?
目次
特定技能とは
特定技能とは日本の企業の人手不足を解消するための在留資格の一つです。各省庁が選出した人手不足である業界ごとに一定の基準がありますが、在留資格特定技能の創設により、特定技能外国人の受け入れがはじまりました。
特定技能1号、2号とは
特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」が存在します。
1号の在留期間は計5年になっています。同じ分野での在留資格では5年を超えての日本在留は不可能になっています。
2号では要件を満たしていれば更新することが可能です。さらに更新の回数も制限がありません。特定技能2号の就労者であれば日本で特定の産業の担い手になる可能性もあります。
しかし現在漁業は1号の対象ではありますが、2号には該当しません。したがって漁業で外国人の受け入れを行う場合は通算5年間の期間限定になります。
計5年というのは、繁忙期限定での受け入れをすることで長期間の受け入れをすることも可能です。例えば、半年受け入れを行い、半年帰国してもらうという形式をとると計5年の受け入れの場合、10年間業務に就いてもらうことが可能です。仕組みを理解して特定技能の制度を活用していきましょう。漁業 特定技能人材の基準
漁業分野で特定技能1号として受け入れするには二つの基準を満たした外国人を雇用する必要があります。
一つ目は漁業技能測定試験に合格する必要があります。この試験には「漁業」と「養殖」の2種類があり、この試験ではそれぞれに関する知識や技能を有しているかを確認します。受け入れを検討する人材が職場の業務に適した試験に合格しているかよく確認しておきましょう。
二つ目は日本語の試験である「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験でN4以上」に合格する必要があります。日常会話や生活に支障をきたさないかを判断します。
この二つの基準を満たした人材(二つの試験に合格した人材)が特定技能「漁業」を取得することが可能です。
さらに特定技能1号の受け入れにおいてもう一つ方法があり、漁業分野の技能実習2号を特に問題なく修了した者であれば上記の二つの試験をパスすることができます。現在はこの技能実習2号から移行する方法が主流です。
現時点では前述の二つの基準を満たしている人材(二つの試験に合格した人材)が少なく、技能実習で知識と経験を有し、日本の風土にも慣れている実習生がそのまま特定技能を取得するという流れが一般的です。
ここで一つ注意が必要なります。技能実習で「漁業」の分野を修了した者は特定技能でも「漁業」しか従事することはできず、「養殖」は従事することはできません。逆の場合も同じです。「養殖」の修了者は「養殖」しか従事することができません。
しかし同じ漁業分野であればほかの作業を行えます。
例えば、定置網漁業で技能実習を修了した者であっても、特定技能1号でひき網漁業の作業に従事することが可能になります。
以上のことに注意して人材の受け入れを検討しましょう。従事可能業務
受け入れ後にどんな業務も任せてよいというわけではありません。携わってもらう業務にも決まりがあります。
水産庁ホームページ内の「特定技能外国人の受け入れ制度について」の9ページに分野ごとの担当可能業務が記載されています。
従事可能業務の中にも注意が必要な点がいくつかあります。
記載にある「主として従事させる業務」であっても外国人を船長に配置するなど業務の中で外国人がメインとして業務を行うことは禁止されています。あくまで特定技能人材は事業者側の責任者からの指示に従い働くことになります。
他にも関連業務を従事させることができますが、関連業務ばかり従事させることも禁止されています。基本的に「主として従事させる業務」に記載のある業務に従事してもらい、付随する形で関連業務を担当してもらうようにしましょう。違反してしまうと在留資格の取り消しになる場合や、事業者側にも罰則が科される可能性がありますので注意して業務の指示をする必要があります。受け入れまでの流れ
受け入れのために満たすべき条件
受け入れを行う際に誰でも受け入れが可能なわけではありません。人材側にも基準が存在するように雇用側にも満たたすべき基準が存在します。基準を満たしていない事業者は雇用の意思があっても受け入れはできません。
こちらも「特定技能外国人の受け入れ制度について」の5ページに事業者側に設けられた基準が記載されています。受け入れの検討をする場合にはまず自身が基準に適しているか確認してからにしましょう。人材の探し方
基準に適していることを確認したら次に職場に適した人材を探してきます。
人材を探す場合は漁業協同組合や公共職業安定所、民間の職業紹介所に相談することでスムーズに受け入れを検討することができます。他には海外にネットワークがある民間団体や現地コーディネーターを利用するとよいでしょう。
紹介された人材が自身の事業の業務に適しているか確認しましょう。自身の事業が漁業にもかかわらず、養殖の特定技能を取得している人材を雇用してしまうなどのミスマッチが起こらないようにしましょう。雇用契約を結ぶ
次に雇用契約を結んでいきます。
漁業の分野では事業者と直接雇用契約が可能なだけでなく、派遣としての雇用が可能になっています。
これには漁業には繁忙期、閑散期が存在しているため派遣契約で柔軟な対応を可能にするという背景があります。
特定技能は日本の人員不足解消のための制度です。外国人を低賃金で労働させるものではありません。契約する際には所定労働時間や賃金が、同じ技術を有している日本人と差がないように心がけましょう。支援計画の作成
雇用契約が結ぶことができたら次は雇用側が特定技能外国人材に向けた支援計画を前もって作成し、計画に沿って支援を行わなければなりません。支援の内容にも規定があります。
「特定技能外国人の受け入れ制度について」の12ページに記載のある10項目を含めた支援計画が必要になります。
支援計画は異国の地で働く人材に必要な支援です。その中には日本での日常生活にかかわるものから、帰国時の送迎など幅広い内容になっています。
支援は事業者側が行う場合と、登録支援機関に依頼する場合の2パターンあります。
登録支援機関を利用すれば、事業者が作成した支援計画のすべてを行ってもらえます。漁業協同組合などが登録支援機関になる場合には、相談窓口を設置してもらえたり、生活ガイダンスを開催してもらえたり援助を受けることができます。
自ら支援計画を行うか機関に委託するかは事業者の自由になりますが、支援の項目も多岐にわたるので受け入れ側の負担を減らす意味でも機関を使用する方が良いのではないでしょうか。漁業特定技能協議会への加入
漁業特定技能協議会とは水産庁が漁業分野での特定技能制度を適正な運用を図るため組織された機関です。
受け入れを行った事業者は受け入れた日から4ヶ月以内に協議会に加入が義務付けられています。他にも事業者は「協議会に置いて協議が調った措置を講じる」「協議会及びその構成員に対し、必要な協力を行うこと」などの要件が科せられます。さいごに
漁業に携わる人数は毎年のように減っています。東京や大阪などの大都市に就労していく若者が増え地方の担い手が減少しており、働き手の需要を日本人だけでまかなうことが難しくなっています。
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そこで特定技能を利用し、外国人を採用することで生産力向上を期待ができます。現在、漁業は特定技能1号しか認められておらず、期間の制限がありますがいずれ特定技能2号が認められた際には更新が可能になり永住することもできます。ゆくゆくは一時的な労働力としてだけでなく長期的に担い手として受け入れを行うことになるかもしれません。 十分に制度を理解した上で検討してみてください。- 2022.05.24特定技能「電気・電子情報関連産業」|外国人を雇用するためには?
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について解説をしていきたいと思います。
他の業種の場合も同様ですが、
「実際にどうすれば電気・電子情報関連産業分野で特定技能人材を雇用できるのだろうか?」
「雇用した後、どのように特定技能外国人を活用していけばいいのか?」
こう言った疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
こうした疑問にお答えすべく、この記事では実際に電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れるために、知っておくべき知識や実務上の注意点を紹介していきます。
特定技能外国人の雇用を検討されている方は、ぜひこの記事を読んでいただければと思います。目次
特定技能1号の誕生背景とは?
電気・電子情報関連産業分野が特定技能制度の対象になった一番のきっかけは、人材不足が叫ばれていたためです。
採用自体は年々難しくなっており、電気・電子情報関連産業の有効求人倍率は2017年度において2.75倍という数値で、全産業平均は1.50倍になっているのを見ると、採用難度が高くなっていることがわかるかと思います。
電子部品に対する需要は増え続けています。年2%の増加率となっており、このペースで需要が拡大し続けていくと人材不足はかなり深刻なものとなってくるでしょう。
こうした事態を受けて、政府は特定技能1号の対象として電気・電子情報関連産業を指定しました。特定技能1号外国人が従事できる業務
特定技能1号に認定された外国人は、以下記載の業務を行うことができます。
・機械加工
・金属プレス加工
・工場板金
・めっき
・仕上げ
・機械保全
・電子機器組立
・電気機器組立
・プリント配線版製造
・プラスチック成形
・塗装
・溶接
・工業包装ちなみに同様の業務を行う日本人が普段従事している関連した業務に、特定技能1号外国人が付随して従事することも可能となっています。
関連業務として考えられるのは、クレーン・フォークリフト等の運転作業、原材料・部品の調達・搬送作業、清掃・保守管理作業、各職種の前後工程作業となります。特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格取得方法
では、実際にどうすればこの特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得することができるのでしょうか?
・技能試験及び日本語能力試験への合格
条件として、現場で作業を行うに支障のない技能及び日本語力あると認定された場合にこの「電気・電子情報関連産業」が認可されます。
具体的には以下2つのいずれかをクリアする必要があります。
・電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していること以下詳細を解説していきます。
技能試験及び日本語能力試験への合格
特定技能「電気・電子情報関連産業分野」を取得するためには、必要とされている技能レベル及び日本語レベルをクリアしていることを証明する必要があります。
そのためには、以下の2つの試験を受験し、合格する必要があります。①製造分野特定1号評価試験
こちらの試験でみられるのは、必要とされている技能レベルをクリアしているかどうかになります。
具体的には、以下記載のように定められています。
「監督者の指示を理解し的確に業務を遂行または自らの判断により業務を遂行できるものであること」
「一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものであること」出典:経済産業省「製造業における特定技能外国人の受け入れについて」
試験の実施内容ですが、行う業務ごとに分かれており、実技試験と学科試験の2つを受験する必要があります。
なお、実施場所は日本国内およびインドネシアとなっています。
詳細が示されているホームページがありますので、こちらから参照お願いします。②国際交流基金日本語テスト、もしくは、日本語能力試験(N4以上)
こちらの試験で見られているのは、必要とされている日本語のレベルをクリアしているかどうかと言う点です。
具体的な基準としては、日本語能力試験のN4以上の定義として「ある程度日常会話をすることができ、日常生活を問題なく過ごすことのできる日本語能力」とされています。
この「日本語能力試験」は試験方式としては、マークシートが採用されています。1年に2回実施されており、実施場所は日本各地と海外の指定機関です。
「国際交流基金日本語基礎テスト」に関しては、日本語能力試験と同じ目的で実施されますが、実施場所によってスケジュールに違いがあります。
スケジュールに関して詳細を記載したホームページがあるので、詳しくはこちらからご確認ください。技能実習2号の修了
電気・電子情報関連産業分野で指定されている職種において、技能実習2号を修了していると、これまで説明してきた試験を受験せずに特定技能第1号に移行が可能となります。
理由としては、技能実習2号を修了していることは日常生活に支障ない程度の日本語力があり、技能水準も問題ないと判断されるので、求められている技能・日本語のレベルに達しているとみなされます。特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用するには?
特定技能「電気・電子情報関連産業」の資格を取得している外国人を採用したい企業は、以下の3つを満たし、なおかつ、該当する外国人を直接雇用しなければなりません。派遣社員での雇用は不可となっていますので、注意が必要です。
①雇用企業が「日本標準産業分類」で、対象となる産業を行なっているか
雇用企業は以下に記載の産業に関して、いずれかひとつを行っていることが必須となります。
・中分類28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
・中分類29 電気機械器具製造業
・中分類30 情報通信機械器具製造業「産業を行なっている」状態の定義ですが、特定技能外国人が従事する職場で、製造品出荷額が直近の1年間で生み出されていることと定義されます。
②「製造業特定技能外国人材受け入れ協議会・連絡会」への入会
今まで特定技能外国人を受け入れたことがない企業は、雇用する前に「製造業特定技能外国人受け入れ協議会・連絡会」への入会が行われている必要があります。
③特定技能外国人に十分な支援がなされているか
特定技能外国人を雇用する場合には、法律で規定されている支援が実施できる体制を整えていることが条件となります。
ただし、登録支援機関に支援を委託している場合には、支援する体制が十分に整っているとみなされます。特定技能「電気・電子情報関連産業」外国人労働者の雇用形態や給与体系について
雇用形態
特定技能「電気・電子情報関連産業」をもつ外国人を雇用する場合には、直接雇用のみが許されています。派遣社員やアルバイトでの雇用は認められていませんので、雇用の際は注意が必要です。
給与体系
給与体系に関しては、同様の作業に従事している日本人と同等の水準、または同等以上の報酬を支払うことが規定されています。
さらに、当該外国人の技能レベルに合わせて、昇給するということもきちんと雇用条件に明記することが求められます。さいごに
今回は特定技能「電気・電子情報関連産業」について、取得要件や実際に雇用する場合について解説をしてきました。
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電気・電子情報業界は冒頭に述べたように、人材不足が叫ばれている業界です。こうした外国人労働者を電気・電子情報関連産業にて雇用できれば、人材不足の問題を解決できる可能性があります。
特定技能外国人の雇用を考えられる場合には、手続きも複雑になるため、ぜひ登録支援機関や人材紹介会社などの専門家に相談することをおすすめします。- 2022.05.24特定技能「造船・舶用工業」|外国人を採用するには?
目次
1.造船・舶用工業界の人手不足
日本では多くの業種で人手不足が深刻化していますが、その中でも造船・舶用工業分野は人手不足がかなり深刻な状況にあります。
国内の造船・舶用工業の生産拠点のほとんどが、瀬戸内海や九州などの地方圏に存在しています。 しかし、地方人口の減少に伴って、造船・舶用工業分野の雇用人口も減少し、現状で6,400人程度の人手不足が生じていると言われています。 地方人口の減少の原因は、若者の都市部への労働力の流出や、少子高齢化の問題です。
有効求人倍率を見ても、他の業界と比べ、圧倒的に人手不足であるということがわかります。 2017年度の「造船・舶用工業」分野における有効求人倍率は、溶接が2.50倍、塗装が4.30倍、鉄工が4.21倍、仕上げが4.41倍、機械加工が3.45倍、電気機器組立てが2.89倍となっています。 現状のままであれば、2023年には22,000人以上の人手不足となると予想されています。
現在、造船・舶用工業の担い手を拡大するために、従来以上に、採用の幅を拡大するための国策として様々な取り組みがされています。 国内では特に、女性の受け入れやシニア戦力の活用も視野に入れた人材確保を、産学官や地域が連携して取り組んでいます。
また、外国人の新しい採用制度として、2019年4月に外国人技術者の在留資格「特定技能」を施行し、外国人技術者の受け入れ拡大を図っています。 この「特定技能」で即戦力となる外国人技術者の雇用が進めば、急速に人手不足の緩和が期待できます。
以下では、特定技能外国人を、造船・舶用工業分野で雇用することについて述べます。
2.特定技能「造船・舶用工業」とは?
「特定技能」とは、人手不足が深刻な業種に対して、一定の専門性と技術を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
2019年4月に在留資格「特定技能」が創設され、造船・舶用工業の「特定技能1号」「特定技能2号」の在留資格を持つ外国人の雇用が可能となりました。
「特定技能1号」の在留資格は5年間有効となっており、「特定技能2号」は在留資格の更新が何度でも可能で、家族を呼び寄せることもできます。
造船・舶用業分野は、2019年4月からの5年間で最大13,000人の「特定技能1号」外国人を受け入れる計画となっています。2015年から、造船・舶用工業分野では、中国、フィリピン、ベトナムからの技能実習生の採用が始まっています。
それに対して、特定技能はほぼ全ての国から外国人の受け入れが可能であることから、技能実習の外国人より採用の幅が広い ことが特徴です。
今後も海外での特定技能試験の実施が増加していけば、さらに技術者が増え、即戦力としての外国人雇用がスムーズにできることが期待できます。3.「造船・舶用工業」の特定技能試験
特定技能には、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類の在留資格があります。
現在12分野14業種ある特定技能の中で、「特定技能2号」の受け入れが認められているのは、「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみとなっています。3-1「特定技能1号」の試験について
外国人技術者が特定技能1号として建設業で働く場合、特定技能試験に合格する必要があります。
特定技能試験には、日本語試験と、職種ごとの技能試験があります。
日本国際教育支援協会の日本語能力試験「N4」レベル、または、国際交流基金の運営する日本語基礎テストに合格し、 一般財団法人日本海事協会の運営する「造船・舶用工業技能測定試験」に合格することで、特定技能1号の在留資格が得られます。
また、実務経験を積んだ特定技能2号の場合は、上記に追加して、「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)」の合格資格が必要になります。「造船・舶用工業技能測定試験」は海外でも行われ、現時点では、フィリピン、インドネシアにおいて受験が可能となっています。
造船・舶用工業分野の特定技能1号技能評価試験結果は、2019年11月にフィリピン (バコール)で行われた溶接の技能試験の合格率は50%、 2020年5月〜12月の間に東京で行われた技能試験の合格率は100%となっています。
「造船・舶用工業分野特定技能協議会」また、技能実習2号以上の3年修了者は、無試験で特定技能1号に在留資格を移行できます。
3-2「特定技能2号」の試験について
特定技能2号は、1号からの昇格が前提となっているため、日本語試験を受ける必要はありません。
そのため、試験は技能試験のみとなります。4.特定技能「造船・舶用工業」の対象職種
2019年に、特定技能1号で従事できる業務は以下の6種と制定されました。
- 溶接(手溶接、半自動溶接)
- 塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)
- 鉄工(構造物鉄工作業)
- 仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)
- 機械加工(普通旋盤作業、数値制御旋盤作業、フライス盤作業、マシニングセンタ作業)
- 電気機器組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、開閉制御器具組立て作業、回転電機巻線製作作業)
技術と関係のない準備や点検などの付属業務においても、特定技能外国人でも行うことができます。 特定技能2号で従事できる業務は、「溶接」のみになります。作業員の指揮、命令、管理する「監督者」としての業務が可能となります。
5.雇用について
5-1 雇用形態
造船・舶用工業分野では、雇用は直接雇用のみと定められています。
派遣での雇用はできません。5-2 給与
特定技能では、給与は日本人と同等か、それ以上にするよう定められています。
また、安定的に報酬の支払いをする必要があるため、基本的には月給制で、日給や日払いでの雇用は認められていません。
給与においては、3年以上の経験を積んだ人材と同等とすることが無難です。
特定技能外国人の技能によって昇級を行うということも記載しておく必要があります。5-3 人員の上限
介護分野や建設分野と違い、造船・舶用工業分野の企業が特定技能外国人を雇用するときの人員の上限はありません。
そのため、特定技能外国人の人数が、常勤職員の人数を上回っても問題ありません。5-4 転職について
「技能実習」では認められていない、同業種間での転職は、特定技能では認められています。
他業種への転職、アルバイトは不可能です。6.受け入れ企業(特定技能所属機関)に求められる条件
特定技能外国人材を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内の間に、 国土交通省が設置する「造船・舶用工業分野特定技能協議会」の構成員になる必要があります。
特定技能外国人の適正な受入れと、外国人の保護に有用な情報を共有し、企業と協議会の連帯を図るためのものです。
そのため、受け入れ企業は、「造船・舶用工業分野特定技能協議会」に対して必要な協力を行わなければなりません。
また、受け入れ企業は、国土交通省、またはその委託を受けた者が行う調査・指導に対し、必要な協力を行う必要もあります。外部の登録支援機関に特定技能外国人の支援計画の実施を委託する際は、上記の条件を全て満たす登録支援機関に委託する必要があります。
「造船・舶用工業分野特定技能協議会」7.おわりに
造船・舶用業分野では、今後もさらに、人手不足が深刻化することが予想されます。
技能実習生として主に中国、フィリピン、ベトナムからの外国人を受け入れていましたが、そのほとんどが溶接での雇用だったため、この特定技能では作業内容の汎用性が高くなり、より雇用の幅が広がるというメリットがあります。島国である日本にとって、「造船・舶用業」は海上輸送のための船舶をつくるための非常に重要な産業です。
また、船という特殊な労働環境であるがゆえに、作業が機械化されにくく、人間の労働力が必要な割合が多い分野でもあります。
コロナ収束後、特定技能試験の実施回数が増え、即戦力となる外国人技術者の雇用が進めば、この深刻な人手不足の状況が改善していくことが期待できます。- 2022.05.24技能実習「介護」|外国人を介護で雇用するためには
目次
「介護士の不足を解決するために、技能実習生を採用したい」など、介護業界で人手を補う為に外国人技能実習生の雇用方法について知りたいというかたも多いのではないでしょうか。
実際、現在介護人材不足対策として政府が特に力を入れて行っているのは「外国人人材の活用」であり、現場でも介護士として活躍されている外国人の方をよく目にするようになってきました。
この記事では、介護業界における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。介護業界の人手不足は深刻化している
現在介護業界では深刻な人手不足に直面しています。
2021年7月に厚生労働省が公表した介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人を追加で確保する必要があるとされました。
介護業界の採用率は他産業と比較しても高く、年々介護職員の数は増加しています。しかし、介護業界の約65%が「人手が不足している」と感じており、人手不足によるサービスの低下や労働環境の悪化による離職率の上昇、経営状態の悪化など深刻な問題が起こっているのです。
なぜ介護業界で人手不足が起こるのか
介護業界はなぜ人手不足に陥っているのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。
少子高齢化
まず日本の社会背景として挙げられるのが「少子高齢化」です。令和2年版「高齢社会白書(内閣府)」によると、現在日本の全人口のうち約28.4%を65歳以上の高齢者が占めており、年々高齢者の増加がみられています。
その反面、出生率の低下による少子化の進行も起こっており、その結果、介護を必要とする人口の増加に対し介護者が減少しているため需要と供給のバランスがとれなくなっているというのが現状です。(資料:高齢化の推移と将来推計 内閣府令和2年版高齢社会白書より)
採用困難
介護業界での人手不足の原因としてまず挙げられるのが「採用困難」です。
令和元年度介護労働実態調査によると90.0%の事業所が人材不足の理由として「採用が困難であること」を挙げています。
同調査から採用難の主な理由として、同業他社との人材獲得競争が激しい56.9%、他産業に比べて労働条件が良くない55.9%、景気がいいため、介護業界へ人材が集まらない44.5%ということがわかりました。給与の低さ
介護職というのは専門的な知識・技術などが要求される上で責任も大きく、肉体的にも精神的にも過酷であるのにも関わらず平均月給が20万を下回ります。
厚生労働省の「平成29年 賃金構造基本統計調査」によると、2017年度全産業平均月給30万4300円となっており、平均からみても介護職は非常に低い給与水準ということがわかります。離職率が高い
現場のスタッフの多くが悩んでいるのが人間関係です。
また女性のスタッフの割合が高いことによる結婚や出産といった介護職員のライフステージの変化、不規則な勤務形態、肉体的精神的にきつい、一人ひとりの介護職員にかかる負担が大きいなどが主な理由として挙がっています。介護業界で外国人技能実習生を雇用する方法
2017年11月、日本の国際貢献を目的とした技術移転のために介護職種での技能実習生の受け入れがスタートしました。
一方で2019年4月には人材確保が特に困難である特定分野について、従来よりもかなり緩やかな条件のもとに外国の人材を受け入れることができる「特定技能」という制度もスタートしました。
これにより、指定された3つの試験に合格した外国人が特定技能「介護」の在留資格を得て就労できるようになったとともに、技能実習「介護」を3年修了した外国人が、さらに最長で5年間介護職として就労できるようになりました。
人材不足が深刻化する中、外国人技能実習生を受け入れる施設も年々増加しています。しかし、介護職種の技能実習生を受け入れる場合、技能実習制度本体の要件に加え介護職種固有の要件を満たす必要があります。
技能実習生に関する要件
日本語能力要件
指導者や利用者とのコミュニケーションを図るため一定水準以上の日本語能力が必要です。そのため技能実習生は日本入国する際に日本語能力試験N4レベルに合格する必要があり、技能実習計画認定申請を行う際には成績証明書を提出しなければなりません。
職歴要件
「日本において従事しようとする業務と同種の業務に外国において従事した経験があること」もしくは「団体監理型技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること」と介護経験などがあることが条件として挙げられています。
実習実施者に関する要件
技能実習指導員
技能実習制度本体の要件には、技能実習指導員の配置人数について技能実習生に応じた基準はありません。しかし介護職種の場合、看護師あるいは職務歴5年以上の介護福祉士を技能実習生5名につき1名以上配置することが必要です。
介護事業所の体制
技能実習「介護」を実施する事務所は、介護を提供する場であり、開設から3年以上経過していること、訪問系サービスは対象外です。技能実習生が夜勤業務や緊急対応を行う場合は利用者の安全を確保するため必要な措置を講ずること、又、技能実習生が業務を行う際は、技能実習生以外の介護職員を指導に必要な人数配置するなどといった受け入れ体制を整えなければなりません。
受け入れ人数の制限
事業所の常勤介護職員に応じて、受け入れできる技能実習生の人数枠の条件が決められています。
詳しくは下記の表でご確認ください。<団体監理型の場合>
事業所の常勤介護職員
の総数一般の実習実施者 優良な実習実施者 1号 全体
(1・2号)1号 全体
(1・2・3号)1 1 1 1 1 2 1 2 2 2 3~10 1 3 2 3~10 11~20 2 6 4 11~20 21~30 3 9 6 21~30 31~40 4 12 8 31~40 41~50 5 15 10 41~50 51~71 6 18 12 51~71 72~100 6 18 12 72 101~119 10 30 20 101~119 120~200 10 30 20 120 201~300 15 30 20 180 301~ 常勤介護職員
の20分の1常勤介護職員
の20分の3常勤介護職員
の10分の1常勤介護職員
の5分の3<企業単独型の場合>
一般の実習実施者 優良な実習実施者 1号 全体
(1・2号)1号 全体
(1・2・3号)常勤介護職員
の20分の1常勤介護職員
の20分の3常勤介護職員
の10分の1常勤介護職員
の5分の3(資料:技能実習「介護」における固有要件について 厚生労働省より)
介護技能実習生を雇用するメリットとデメリット
メリット
介護の現場に外国人技能実習生を雇用するメリットとして以下の2点が考えられます。
1つ目に挙げられることは「転職がない」という点です。
特定の技術を習得することを目的としている技能実習生は仕事の種類や就業場所を変更することができないため転職という選択肢はありません。そのため離職率が高いと悩んでいる事業所としては一定の年数は人材の確保が見込めることから人手不足の解消となります。2つ目に挙げられることは、介護業界での外国人の受け入れはサービス利用者の生命や安全に大きく関わるということから基準が厳しく定められているため、高レベルの人材を雇用できるという点です。
外国人技能実習制度を利用する外国人は、介護の経験がある、または一定の介護技術や知識をもっているということが条件となっている為、現場での即戦力としても期待できます。デメリット
一方で外国人技能実習生を雇用するデメリットとして以下の3点が考えられます。
1つ目は、外国人技能実習生の日本語能力の不足です。
日常会話は問題なくできますが、施設利用者様の身体状態の把握や専門的な会話をする際には、日本語能力検定N4レベルでは不足することがあります。N3レベルの人材であれば、日本語のコミュニケーションも問題なく取れるといえます。2つ目は、通常3年、最長5年と期間が定められている技能実習制度では受け入れ期間を超えての雇用が不可能ということです。
3つ目は、書類の手続きが複雑な上、実際に配属されるまで1年以上の時間がかかる点もデメリットといえます。
4つ目は、日本人を採用するよりコストがかかるということです。
移住環境の整備や、日本語研修の費用など、日本人を採用するよりもコスト面の負担が大きいといえます。
度重なる介護報酬の改訂により、特に収益環境が厳しい民間介護事業者の中には、コスト面から外国人技能実習制度の活用ができないと答える介護事業者もいます。まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は介護業界で技能実習生を雇用する方法について解説しました。2025年に団塊の世代が75歳以上となり日本は超高齢社会となる「2025年問題」が目前に迫っています。医療や介護の需要と供給が成り立たなくなり、今以上に介護業界では人手不足により多くの事業所が悩まされることになるでしょう。
日本での労働を希望する外国人を雇用できる外国人技能実習制度を利用することで、人材不足により低下したサービスの質の向上や、スタッフの負担軽減などが期待できます。今後もより良い介護を提供することができるようにぜひこの技能実習生雇用制度を検討していきましょう。
- 2022.05.24技能実習生の面接・配属までの手続きと流れ(ミャンマー編)
今回は技能実習生としてミャンマーの方を受け入れるまでの流れについてまとめました。
本記事を読むことで、ミャンマー人技能実習生受け入れに際してどのような手続きが必要で、自社でどのような準備をしておく必要があるかがわかります。
またミャンマー独自の「スマートカード」の発行の流れも記載しておりますので参考にしてください。目次
面接実施までの流れ(監理団体を利用する場合)
技能実習希望者が行うこと
日本の技能実習制度を利用して日本で実習を受けたい方(ミャンマー人)は、まず送り出し機関に希望を伝えることからスタートします。
送り出し機関は技能実習希望者に対して技能実習の詳しい説明を行い、意思確認を行うとともに技能実習生としての適性をテストで評価します。無事テストを通過すれば受け入れ機関の面接を受けることができるようになります。企業など技能実習生受け入れ機関が行うこと
企業など技能実習生受け入れ機関(正式には「実習実施者」といいます)は、面接を希望する約1か月までに要望書(受け入れ条件が記載されたもの)、雇用条件を監理団体経由で送り出し機関に送付する必要があります。
面接の実施から入国手続きまで
送り出し機関は、面接希望者に対して実習実施者の実習内容・雇用条件をできる限り詳しく事前に伝えます。これは、誤解やミスマッチを防ぐためにとても重要なことです。
昨今、技能実習制度に関しての批判が内外から湧き上がっていますが、一部の悪質な送り出し機関が「事前の十分な説明もないまま、無理に多額の借金を背負わせて、騙すように日本に送り出す」ことが大きな原因となっており、面接前に実習実施者の実習内容・雇用条件をできる限り詳しく説明しておくことにより問題発生を未然に防ぐことができます。面接は受け入れ機関の担当者が現地を訪問し、技能実習生候補を対面で面接します。(Web面接での実施も可能で、現在コロナの影響もありWeb面接を実施するケースがほとんどになっています。)
面接を通過すれば、技能実習生と契約を結ぶため、雇用条件について再度実習実施者から通訳を交えて面接内定者に説明を行います。
面接内定者が雇用条件に同意すれば雇用契約を締結し、晴れて入国前研修がスタートします。その後は、実習実施者が監理団体を通じて外国人技能実習機構への手続きを行い、在留資格認定証明書を取り付けられれば日本側での入国前手続きは完了です。
その際は、技能実習計画、監理団体の情報書類、送り出し機関作成書類などの提出が必要です。ミャンマー独自のスマートカード制度について
ミャンマーの場合、国外でミャンマー人が就労する場合にミャンマー国内で「スマートカード」の申請が必要です。
スマートカードの申請に必要なデマンドレター申請許可証の取得までの流れ
1. 企業は監理団体に実習を行う内容を伝え、企業と監理団体は次の書類を準備する- デマンドレター(※1)
- 監理団体と送り出し機関の協定書の写し
- 企業捺印済みの雇用契約書(※2)
- 雇用条件の写し
※2 技能実習は労働ではなく実習で在留しますが、労働基準法に定める雇用契約を結ぶ必要があります。2. 監理団体から送り出し機関に書類を提出する3. 送り出し機関からミャンマー政府労働省に書類を提出する4. ミャンマー政府外務省から在日ミャンマー大使館に書類が届く5. 在日ミャンマー大使館から監理団体に書類提出の要求が届く6. 監理団体から在日ミャンマー大使館に書類を提出し、審査を受ける7. 在日ミャンマー大使館で審査を行う8. 承認されれば、ミャンマー外務省・労働省を経由して、デマンドレター申請許可証が発行され送り出し機関に届くスマートカードを技能実習生が取得するまでの流れ
1. デマンドレター申請許可証をミャンマー労働省に提出し、ミャウダゴン講習(ミャンマー労働省が行う海外で働く予定の方に行う2日間の講習)を技能実習生が受講する2. 送り出し機関から次の書類をミャンマー政府労働省に提出し、スマートカードが作成される- デマンドレター申請許可証
- ミャウダゴン講習の受講終了証明書
- 在留資格認定証明書
3. 送り出し機関を通じて技能実習生にスマートカードが渡される入国後の流れ
入国後は監理団体で原則1カ月間の入国後研修を行い、受け入れ機関で実習を受けるまでのインプットを行います。(日本語の学習・日本の生活に慣れるための研修が義務化されています)
その後は、いよいよ受け入れ機関での実習がスタートします。通常実習開始(配属)は面接から9カ月程度かかりますので、逆算して準備しておくとよいでしょう。企業が面接・配属までに特に対応しておきたいこと
技能実習生に多くを求めている企業(実習実施者)は少ないと思います。
能力・スキルよりもむしろ安定的に3年間実習を受けてくれるかどうかを最大の焦点にされている企業担当者は多いのではないでしょうか。失踪防止対策1 ~送り出し機関の選び方~
技能実習生の約2%が受け入れ機関から逃げ出しており、いかにして失踪を防止するかを重要視している担当者も多いと思います。
失踪が発生する理由としては、まず送り出し側に起因するものとして、悪質な送り出し機関またはブローカーに高い手数料を支払わされ、高額な借金を背負い来日し、返済難に陥ることが原因です。悪質な送り出し機関やブローカーは事実を隠すことが巧妙ですので、これを実習実施者が見破ることは至難の技です。そもそも実習実施者が送り出し機関を選ぶことは難しく、監理団体の推薦する送り出し機関を信用して利用するしかありません。ですから信頼できる監理団体を選ぶことが最も大切です。
失踪防止対策2 ~雇用条件、残業、手取り額などの確認~
技能実習生にとって、最も大切なのは得られる給与の額です。
実習先から支払われる具体的な給与額と残業の量についてしっかりと技能実習生に伝える必要があります。前述したとおり、面接前と面接後に通訳をつけて詳細に伝えて、寸分の狂いもなく技能実習生に納得してもらっておくことが大切です。
悪質な送り出し機関やブローカーなどにより、実習後にバイトをすれば、月収30万は稼げるなどと説明を受けている可能性もあるので、実習実施者から事実を正しく伝えてください。また、特にミャンマーでは給与支給額を全額労働者が受け取り、自分で税金などを申告している場合が多いので、給与控除額についても、十分な理解を求める必要があります。手取り額が「話が違う」となったら、失踪などの問題が避けられなくなりますので、とても重要です。
失踪防止対策3 ~職場の理解と配慮~
また、次いで職場でストレスを抱えて失踪することもあります。日本語の能力の問題もありますが、一緒に働く仲間がミャンマーの文化・風習を理解・配慮してあげられていないことによるストレスも当然にあります。
そうならないように、技能実習生の配属が決定しましたら、ミャンマーの文化・風習の理解、日本語が不自由であることを前提においた上で、どのようにコミュニケーションをとっていくか配属先の組織長とすり合わせを行っておいてください。例えば、技能実習生が「わかりました」と答えたとき、その多くは言われた日本語が理解できていないのに「わかりました」と答えている場合が多いです。技能実習生の「わかりました」を鵜呑みにすると重大な職場事故などに繋がりますので、本当に理解しているか再度質問するなど、細心の注意が必要です。
ミャンマーの基本情報(参考)
ミャンマーは多民族国家です。ビルマ族が約6割を占め、その他は小さな部族が約100あり、事前に文化・風習を詳細まで把握することは難しいです。
しかし、宗教は9割以上を仏教が占めており(次いでキリスト教、イスラム教)、年上に敬意を表する点は、日本とよく似ています。
ただ、大家族を形成している家が多く、家長の意向をとても大切にする点は昔の日本によく似ており、今の日本と比べると大きな差があります。技能実習生が重要な判断を行う際に家長の意向が反映されている可能性があることを知っておいてください。なお、ミャンマー語は日本語と文法構成が似ており、日本語習得が早い特徴もあります。日本語でうまく会話できないストレスから失踪するケースもあるので、その点はある程度安心できる国かもしれません。
まとめ
ミャンマーから人を受け入れる場合は、「スマートカード」と呼ばれる独自のカードを技能実習生が入手する必要があります。そこのみ他国と違う特徴で、他は他国と同様な流れとなっています。
また事前準備の最大のポイントは、いかに収入・支出について具体的なイメージを技能実習生に事前にすりあわせることができるかになります。
失踪リスクの主な原因は、返済計画の破綻、家族への仕送り計画の破綻となっており、技能実習生に対する収入・支出の説明ができていないと失踪するリスクにつながります。
このため、ミャンマー人技能実習生を受け入れる場合は、信頼できる監理団体を通じて優良な送り出し機関を利用し、面接の際は具体的な収入のイメージ・支出のイメージを必ず伝えて、問題発生を未然に防止しましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。スムーズなミャンマー人技能実習生の受け入れのお役に立てれば幸いです。
- 2022.05.18「建設業」特定技能|外国人を建設分野で採用・雇用するには?
目次
1.建設業界の人手不足
建設業界は慢性的な人手不足に陥っています。
令和4年3月に行われた、国土交通省「建設労働需給調査」によって、建設業の多くの分野において人手不足であることが改めて示されました。
国土交通省「建設労働需給調査」
その調査によって、特に土木分野の型枠工の人手不足は顕著にあらわれています。
背景には若い労働人口の不足と、技術者の高齢化が進んでいることが考えられます。建設業の技能者は45~49歳で賃金水準はピークになり、そこから急激に下がります。 これは体力のピークとも比例していることもあり、マネジメント力が評価されにくいことは顕著に現れています。 そのため、そもそも建設業を選ぶ若い労働人口も減少しているということも、人手不足の原因といえます。
この人手不足は、再開発事業の盛んな首都圏だけでなく、全国的に高まっています。 今後はインフラの老朽化が進み、さらに建設業界は人手が必要となってきます。 その慢性的な人手不足の打開策として制定された、特定技能外国人の受け入れ制度です。 以下では、特定技能外国人を建設業で雇用することについて述べます。
2.特定技能「建設業」
「特定技能」とは、人手不足が深刻な業種に対して、一定の専門性と技術を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
2019年4月に在留資格「特定技能」が創設され、建設業の特定技能1号として、外国人の雇用は可能となりました。
「特定技能1号」の在留資格は5年間有効となっており、「特定技能2号」は在留資格の更新が何度でも可能で、家族を呼び寄せることもできます。
また、建設分野の特定技能1号ビザの発行上限は合計で最大4万人という制限が課せられています。特定技能は、ほぼ全ての国から外国人の受け入れが可能であることから、 技能実習の外国人より採用の幅が広いことが特徴です。
今後も海外での特定技能試験の実施が増加していけば、さらに技術者が増え、即戦力としての外国人雇用がスムーズにできることが期待できます。3.建設業の特定技能試験について
特定技能には、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類の在留資格があります。
現在12分野14業種ある特定技能の中で、「特定技能2号」の受け入れが認められているのは、「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみとなっています。3-1 特定技能1号の試験について
外国人技術者が特定技能1号として建設業で働く場合、特定技能試験に合格する必要があります。
特定技能試験には、日本語試験と、職種ごとの技能試験があります。
日本国際教育支援協会の日本語能力試験「N4」レベル、または、国際交流基金の運営する日本語基礎テストに合格し、建設技能人材機構の運営する「建設分野特定技能評価試験」に合格することで、特定技能1号の在留資格が得られます。「建設分野特定技能評価試験」は海外でも行われています。
建設分野の特定技能1号技能評価試験結果は、令和3年3月のフィリピン (マニラ) で行われた電気通信の技能試験の合格率は100%、 ベトナム (ハノイ) で行われた鉄筋施工の技能試験の合格率は79% 、令和3年6月の東京で行われた、コンクリー ト圧送の技能試験の合格率は50%となっています。
「一般社団法人 建設技能人材機構 」また、技能実習2号以上の3年修了者は、無試験で特定技能1号に在留資格を移行できます。
3-2 特定技能2号の試験について
作業員の指揮・命令・管理をする監督者としての実務経験を有する「特定技能1号(溶接)」の外国人は、「造船・舶用工業分野特定技能2号評価試験(溶接)」を受けることができます。
建設分野では業務の制限ありませんが、造船・舶用工業分野では「溶接」のみ、特定技能2号の移行が可能となっています。
特定技能2号は、1号からの昇格が前提となっているため、日本語試験を受ける必要はありません。 そのため、試験は技能試験のみとなります。
4.特定技能「建設」の対象職種
2019年に、特定技能1号で従事できる業務は以下の11種と制定されました。
- 型枠施工
- 左官
- コンクリート圧送
- トンネル推進工
- 建設機械施工
- 土木
- 屋根ふき
- 電気通信
- 鉄筋施工
- 鉄筋継手
- 内装仕上げ/表装
また、2020年2月28日に従来の11種に加え、新たに下記の7種が追加され、全18種の業務で受け入れが可能となっています。
- とび
- 建設大工
- 配管
- 建設板金
- 保温保冷
- 吹付ウレタン断熱
- 海洋土木工
技術と関係のない準備や点検などの付属業務においても、特定技能外国人でも行うことができます。
5.雇用について
5-1「建設技能人材機構(JAC)」への加入、採用
特定技能外国人の建設業での採用については、直接雇用のみ認められています。
人材紹介を利用したい場合においても、全て「建設技能人材機構(JAC)」を通して行うことになっています。そのため、外国人技術者の採用を行うにあたり、まず、JACに加入することが必要です。
年会費は、議決権を持つ正会員の場合は36万、賛助会員の場合24万円となっています。
「建設特定技能外国人制度」の無料説明会は全国で行われています。
現在は、コロナウイルス感染症対策のため、リモートでの参加も可能です。5-2 給与
特定技能では、給与は日本人と同等か、それ以上にするよう定められています。
また、安定的に報酬の支払いをする必要があるため、基本的には月給制で、日給や日払いでの雇用は認められていません。
給与においては、3年以上の経験を積んだ人材と同等とすることが無難です。
特定技能外国人の技能によって昇級を行うということも記載しておく必要があります。5-3 人員の上限
企業に在籍する常勤の職員よりも多く特定技能外国人を受け入れることは禁止されています。
社員が20名であれば、特定技能外国人も20人が上限となります。5-4 転職について
同業種間での転職は、特定技能では認められています。
6.受け入れ企業(特定技能所属機関)に求められる条件
6-1 建設業許可「建設業法第3条」を取得する
特定技能外国人の受け入れ企業は、建設業許可「建設業法第3条」を取得している必要があります。
「建設業法第3条」には以下の条文が記されています。
「建設業を営もうとする者は ”軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き” 建設業法第3条の規定に基づき、建設業の許可を受けなければなりません。」特定技能外国人を受け入れる企業の場合、「軽微な建築工事を請け負う企業」であっても、建設業許可が必要になるため注意しましょう。
6-2 国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定
建設業において特定技能外国人を受け入れる場合、その企業は国土交通省の大臣による建設特定技能受入計画の認定を受けなければなりません。
特定技能を既に持つ外国人を新たに転職者として雇用する場合でも、建設特定技能受入計画の認定が必要です。
建設特定技能受入計画はオンラインからの申請となっています。
「建設特定技能受入計画」オンライン申請6-3 建設キャリアアップシステムへの登録
特定技能外国人を受け入れる事業者は、建設業振興基金が運営する建設キャリアアップシステムへの事業者登録を行う必要があります。
外国人の在留資格・安全資格・社会保険加入状況の確認が可能となり、不法就労防止に繋がります。
万が一、雇っている外国人技術者が不法就労とみなされた場合、入管法違反により3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑になる可能性があるため、キャリアアップシステムにおいて欠かさず確認しましょう。
「建設業振興基金」建設キャリアアップシステム6-4 一般財団法人国際建設技能振興機構「FITS」
一般財団法人国際建設技能振興機構「FITS」は、建設分野の特定技能外国人の受入れが適切に行われることを目的とした「適正就労監理機関」です。
登録支援機関や、特定技能外国人の受入れ企業に対して巡回指導をしています。
また、特定技能外国人との母国語(中国語、ベトナム語、インドネシア語、フィリピン語及び英語)による電話相談などを行っています。
特定技能外国人を受け入れる際にはこの制度があることをあらかじめ伝えておくことで、安心にも繋がります。
一般財団法人国際建設技能振興機構「FITS」7.まとめ
特定技能は、日本語力の高い外国人技術者を、日本人と同等の作業内容で即戦力として雇用できる制度です。
また、建設業では18業務で雇用が可能であり、作業内容の汎用性が高いということもメリットです。
人材不足を緩和するためにも、建設業において特定技能外国人の雇用制度はこれからますます活用されていくことになりそうです。- 2022.05.18特定技能「飲食料品製造業」で外国人を雇用するための要件
飲食料品製造とは、工場や調理場などで、原材料から食品を加工、生産、販売する仕事です。
お惣菜やお菓子はもちろん、調味料や缶詰など、私たちの「食べる」ことに関わるあらゆるモノが作られているのです。
国民の健康にも大きな影響を及ぼす食品製造業ですが、実は、深刻な人手不足に陥っています。
そこで注目されているのが、「特定技能」による外国人労働力の活用です。
今回は、飲食料品製造分野における特定技能と、その雇用方法についてご紹介します。目次
食品製造業界で存在感を増す「特定技能」
特定技能制度とは、一定水準の技術と日本語能力を持った外国人材を受け入れる制度です。
2019年、国が労働力不足解消のために打ち出し、特に人材が不足する12分野14職種において、受入れが認められることとなりました。
飲食料品製造業もその一つで、積極的な制度の活用に取り組んでいます。特定技能が対象になった背景
飲食料品製造業が特定技能の対象となった背景には、二つのポイントがあります。
一つは「人材不足」、もう一つは「自動化の難しさ」です。◆人材不足
日本はご存知の通り、少子高齢化社会を迎えています。
このような局面の中、製造業の94%の企業が人手不足を感じ、その中でも32%は、「ビジネスに影響が出ている」と認識しているのです。
飲食料品製造業界においても、働き手が少ないため、一人ひとりの仕事の負担が増え、かつ給与の水準が低いという課題もあります。
「大変な仕事だ」というマイナスのイメージが先行してしまい、他業種へ人材が流出し、更に雇用が難しくなるという状況に陥っているのです。◆自動化の難しさ
食品製造業界はこれまで、女性人材の活用やシルバー世代の雇用など、時代の流れに乗り、人手不足を乗り越えてきました。
テクノロジーが日々進化する現代において、機械による自動化の波にも乗っています。
しかし、食品の特性上、完全に自動化することは難しいとされています。
高い衛生観念や安全性が求められる点、ロボットには柔らかい食材が扱いづらい点、目視で確認しなければいけない工程がある点など、抱える課題は少なくないのです。対象となる仕事は「飲食料品製造全般」
特定技能の対象となる仕事は、次の業務を行う事業所での、飲食料品の製造や加工、安全衛生です。
- 食料品製造業
- 清涼飲料製造業
- 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
- 製氷業
- 菓子小売業(製造小売
- パン小売業(製造小売
- 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業
製造と小売を一体的に行っている菓子・パン製造小売、豆腐・かまぼこ等加工品食品小売業も対象となります。
街中にあるパン屋さんなども、特定技能制度を活用できるのです。
また、飲食料品製造の関連業務として、調達や受入れ、納品、清掃などにも従事させることができます。ポイントはメインの事業が「食品製造」であるか
この分野の対象となるかは、「製造」を主とする事業であるかがポイントとなります。
例えばお弁当屋さんの場合、お弁当やお惣菜を製造し、小売業者に卸売りするのであれば、「飲食料品製造分野」の特定技能の対象となります。
これが、持ち帰りの惣菜やテイクアウト弁当として、個人顧客の注文に応じて調理、販売するのであれば、「外食分野」の対象となるのです。
また、別会社で作られたお弁当を仕入れて、店舗で販売する場合は、小売業に該当するため、特定技能制度の対象とはなりません。「酒類」や「塩」などの製造は対象外
幅広い分野で特定技能の受入れが認められる飲食料品製造ですが、酒類製造業、飲食料品小売業、飲食料品卸売業、塩製造業、医療品製造業、香料製造業、ペットフードの製造は、制度の対象外となります。
飲食料品製造分野における特定技能ビザの取得要件
特定技能は、1号と2号に分類されますが、飲食料品製造分野で受け入れることができるのは特定技能1号のみです。
また、特定技能として就労するためには、18歳以上であり、技能試験と日本語の試験、両方に合格する必要があります。技能試験の合格
こちらは、飲食料品製造に関する技術水準と、業務に必要な日本語の水準を確認するための試験です。
「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」(主催:一般社団法人外食産業技能評価機構)を受験します。
試験は国内外で実施され、食品製造の衛生管理に関する知識が問われます。
具体的には、食中毒や異物混入、材料の選別や保管、施設内外の衛生管理についての、基本的な知識や技能などについて。
併せて、外食業で必要とされる基本的な日本語力についても確認されます。日本語試験の合格
日本語能力の水準は、日常会話ができ、支障なく日本での生活が送れるレベルが求められます。
日本語試験も国内外で実施され、「日本語能力試験(JLPT)」(主催:独立行政法人国際交流基金/日本国際教育支援協会)、もしくは「国際交流基金日本語基礎テスト(JTF-Basic)」(主催:独立行政法人国際交流基金)を受験します。
また、これらの試験とは別に、食品製造関係の技能実習3年間を良好に修了することで、飲食料品製造分野で特定技能活動が可能です。
仮に他職種の技能実習であっても、技能実習2号を修了していれば、特定技能における日本語試験は免除されます。
このように特定技能は、試験をクリアする、もしくは技能実習3年を修了することで、知識と日本語力が一定水準以上であることを確認できます。
外国人労働者の受け入れ経験がない企業にとっては、彼らのスキルやコミュニケーション力に対する不安を、和らげることができますね。受入れ機関に求められる条件
受入れ企業(所属期間)は、自社で海外の送り出し機関と直接連絡を取るか、国内にある人材紹介会社から紹介を受ける形で、特定技能労働者を採用します。
特定技能を受け入れる企業には、次のような条件が求められます。適切な雇用契約
採用決定後は、特定技能労働者との間で、適切な雇用契約を結ぶことが大前提です。 その中でも特に注意したいのが、次の二点です。
◆直接契約
外食分野での特定技能受け入れは、直接契約のみ可能です。
派遣契約や請負契約など、間接的な方法で雇用することはできません。◆日本人と同等以上の待遇
報酬を含めた、福利厚生や待遇面では、同じ仕事をする日本人と同等以上にしなければなりません。
外国人であることを理由とした、差別的取り扱いは禁止されています。
参考:「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」の第1条
過去に日本では、外国人を低賃金で雇用することが社会問題となりました。
特定技能の受入れを検討する企業は、「安く雇える労働力」という認識でいると、トラブルにつながる恐れがあります。
「グローバル人材」として、日本人労働者と同じだという認識を持つ必要があるのです。適切な支援
特定技能で労働者を受け入れるためには、彼らへの支援が法律で義務付けられています。 入国前に契約や活動の内容をガイダンスすることから始まり、出入国時の送迎、生活支援、知識や情報の提供など、その内容は多岐にわたります。
このような支援を、彼らが十分に理解できる言語で行う必要があるのです。
企業自身がこの支援体制を整えるか、もしくは「登録支援機関」に委託する必要があります。協議会への加入
受入れ企業は、特定技能の受入れから4ヶ月以内に、「食品産業特定技能協議会」の構成員にならなければなりません。
これは、企業同士の情報共有や、不正予防、また、特定技能の受入れ状況を把握するといった目的で、農林水産省が運営する組織です。
特定技能制度の懸念点として、特定技能労働者が大都市圏に過度に集中することが挙げられます。
協議会は、全国的な人材状況を把握し、制度関係機関や外食業界団体などと連携することで、地方の人手不足に対応するといった役割もあります。まとめ
飲食料品製造業界は、人材なくしては成り立たない分野です。
日本は、今後も更なる少子高齢化が進むと予想され、多くの企業で雇用が大きな課題となるでしょう。
優秀なグローバル人材の獲得競争は、すでに始まっています。
特定技能を含めた外国人労働者の活用は、企業の成長戦略の一つとなるかも知れません。【参考】
農林水産省「食品製造における労働力克服ビジョン」
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農林水産省「特定技能・飲食料品製造業分野に関するQ&Aについて」
農林水産省「飲食料品製造業分野 特定技能1号技能測定試験について」
法務省「飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領- 2022.05.18特定技能「素形材産業」|外国人を雇用するためには?
今回は特定技能における「素形材産業」について解説をしていきたいと思います。
素形材産業は日本国において人材不足が叫ばれている産業の代表格であり、2023年時点では6.2万人の人材不足が予測されています。
特定技能「素形材産業」のスタートは、今後の日本でのこの分野における労働力不足に歯止めをかけると期待されていますので、外国人の雇用を考えられている方はこれを機会に詳細な内容について熟知していきましょう。
目次
素形材産業の現状
人材不足
他の業種と同様に非常に深刻な人材不足の問題を抱えているのがこの「素形材産業」です。
2017年12月度の統計によると、94%以上の製造業を営む企業において、人材不足が顕著にあらわれており、そのうち32%は「ビジネスに支障をきたしている」と回答しているようです。
特に人材が不足している分野としては、「技能人材」が挙げられます。有効求人倍率の推移
素形材産業に関わる職種における有効求人倍率は2.83倍ほど(鋳造、金属プレスなど)になっています。
素形材産業においてもIT化、高齢者や女性の採用を拡充させ、生産性を伸ばす努力をしてきましたが、2017年時点ではおおよそ3万人の人手不足。2025年時点では6.2万人の人材不足が予想されています。
このように素形材産業は深刻な人材不足に陥っており、素形材産業の経営者は常にこの問題に頭を悩まされています。
特定技能「素形材産業」の職種
特定技能「素形材産業」の対象となるとは?
特定技能「素形材産業」には以下の13の職種が、当てはまります。
- 鋳造
- 鍛造
- 機械加工
- ダイカスト
- 金属プレス加工
- めっき
- 仕上げ
- アルミニウム陽極酸化処理
- 工場板金
- 機械保全
- 機械検査
- 塗装
- 溶接
上記の業務内容を以下にて解説します。
鋳造
溶解した金属を型に流し込むことで、製品を製造していく業務
鍛造
金属を打つもしくは圧を加えることにより、形状を目的のものに変えたり、高強度に鍛えていく業務
機械加工
旋盤、ボール盤のような工作機械・切削工具を使い、金属材料などを加工していく業務
ダイカスト
溶接した金属を型に圧を加えて流し込むことで、短い時間で高精度の鋳物を多量に制作していく業務
金属プレス加工
プレス機械で金属に圧を加えて、成形を行う業務
めっき
金属などの材料を薄い金属で覆うことで、腐食を防いでいく業務
仕上げ
部品加工を工具や工作機で行い、高精度にしていき、仕上げ・組み立てをする業務
アルミニウム陽極酸化処理
アルミニウムを酸化させることにより、酸化アルミニウムの皮膜作成を行う業務。
工場板金
金属の薄板を加工し、組み立てを行う業務
機械保全
正常に機械が動作するように、工場内の設備機械に対して、故障・劣化を防ぐ対策を講じる業務。
機械検査
測定機器などにより、機械部品を点検する業務。
塗装
塗料を使い、被塗装物を塗膜で覆う作業を行います。
溶接
熱もしくは圧力または両方を加えることにより、部材を接合していく作業を行います。
素形材産業の日本人従業員が従事するような関連業務に、特定技能外国人労働者が従事することも許されています。
例を挙げると、以下記載のものが該当すると思われます。- 部品、原材料の搬送や調達
- クレーン・フォークリフトの操縦
- 工場内の清掃・点検作業
- 加工品切削、ばり取り、検査業務、型の保守管理など
特定技能「素形材産業」での受入見込み数
特定技能「素形材産業」分野では、2023年度までの受け入れ見込み数はおおよそ2万1500人と言われています。
素形材産業においては、特定技能「素形材産業」資格を持っている外国人を受け入れると同時に、毎年おおよそ1%近い生産性向上が必要とされています。
同時に国内における人材確保をしての労働効率化も必要とされており、国内の人材を2023年までに1万人〜1万5000人雇用したとしても、素形材産業においては人材不足は避けられないとされています。特定技能「素形材産業」資格の取得方法
実際にどうすれば、外国人は特定技能第1号「素形材産業」資格を取得できるのでしょうか?
在留資格である「特定技能」には2つの取得方法が存在しています。
まず1つ目は、技能試験と日本語能力試験に合格することです。
技能試験は「特定技能評価試験」と呼ばれます。日本語試験は「日本語能力試験(N4以上)」あるいは「国際交流基金日本語基礎テスト(A2レベル以上)」のどちらかの合格が必要です。そして2つ目は、技能実習2号を修了し、資格を取得する方法があります。
それぞれについて詳しく説明をしていきます。
資格取得方法1
「特定技能評価試験」及び日本語試験への合格
特定技能評価試験とは?特定技能評価試験とは、それぞれ14種類ある特定技能の試験です。
特定技能「素形材産業」において、経済産業省が規定している「製造分野特定技能1号評価試験」を受験する必要があります。「製造分野特定技能1号評価試験」とは?特定技能評価試験とは、それぞれ14種類ある特定技能の試験です。
製造分野特定技能1号評価試験に関して説明します。
この試験は、素形材分野・電気電子情報関連産業・産業機械製造産業という3分野の知識や技能が備わっているかどうか確かめるための試験となっています。2019年4月より在留資格「特定技能」が実施されていますが、製造分野特定技能1号評価試験は、経済産業省によって採択された機関が行なっています。
この製造分野特定技能1号評価試験には全部で19の業務区分があり、それぞれに試験が実施されます。
以下が19の業務区分です。- 鋳造
- 鍛造
- ダイカスト
- 機械加工
- 金属プレス加工
- 鉄工
- 工場板金
- めっき
- アルミニウム陽極酸化処理
- 仕上げ
- 機械検査
- 機械保全
- 電子機器組み立て
- 電気機器組み立て
- プリント配線板製造
- プラスチック成形
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
これらの試験では、学科試験及び実技試験を受験する必要があります。
それぞれの合格基準は、学科試験で100点満点中65点以上、実技試験で100点満点中60点以上となっています。
また、特定技能「素形材産業」の資格取得にあたり、国内受験と国外受験の2種類の方法から受験方法を選ぶことが可能です。
日本国内で受験する場合には、以下条件が求められます。
- 試験日に満17歳以上であるとともに、日本における在留資格を所持していること
- 法務大臣が告示で規定している外国政府もしくは地域の権限ある機関が発行元である旅券(いわゆるパスポート)を所持していること
日本国外での受験希望者は、以下条件が求められます。
- 試験日に満17歳以上である
日本語試験の受験2つ目の試験として日本語試験の受験が必要です。
試験としては「国際交流基金日本語基礎テスト」もしくは「日本語能力試験のN4以上」に合格することが条件となっています。日本国で働くことになりますので、日常会話が普段の生活を送る上で十分なものか、日本語の基本能力を測る試験となっています。
資格取得方法2
技能実習2号を修了し、特定技能「素形材産業」へと移行する
2つ目の特定技能「素形材産業」の取得方法は、技能実習2号修了後、試験を受けずに在留資格「特定技能」に移行することで取得可能です。
この技能実習2号修了者は、無試験で在留資格「特定技能」が取得できます。
今までに日本滞在中であった技能実習生に関してはさらに最長5年まで日本滞在が可能になるため、在留資格を特定技能に変更することにより、在留期間の延長を行うことができます。特定技能「素形材産業」資格取得している外国人の受入方法
これまで特定技能「素形材産業」資格をどうすれば取得できるかについて解説をしてきました。
ここからは、こうした特定技能「素形材産業」の資格を有している外国人を雇用するにはどうすればいいのかという点について解説をしていきます。
これらの外国人を雇用するためには、協議会への加盟する必要があります。
以下詳しく解説します。協議会への加盟について
特定技能の資格を持つ外国人を受け入れる際、製造業特定技能外国人受け入れ協議・連絡会への加入が必須となっています。
これは、経済産業省、地方自治体、そして法務省と、素形材産業分野、電気電子情報関連産業分野、産業機械製造業分野の3分野で構成された組織であり、特定技能の資格をもつ人材をスムーズに受けられるよう取り計らう機関となります。
協議会に参加する企業は、この協議会の要求事項に関する報告であったり、現地調査への協力に応じる必要も出てきます。
さいごに
外国人の雇用、特に特定技能外国人の雇用には様々な手続きが必要になってくるので注意が必要です。
これから初めて特定技能資格を取得している外国人の雇用を考えている場合には、ぜひ登録支援機関や人材紹介会社にご相談されることをおすすめします。- 2022.05.18特定技能「航空業」|外国人を航空業で雇用するには?
目次
1. 特定技能とは
そもそも「特定技能」という言葉が聞き慣れない言葉なのかもしれませんが、特定技能とは、 入管法が2019年4月1日に改正・施行されて誕生した新しいタイプの在留資格です。
このような資格が認められるようになり、人手不足で猫の手も借りたいと思っていた航空業においても外国人を雇用することができるようになったのです。
航空業以外、建設業や、造船業、自動車整備、宿泊業、介護分野、ビルクリーニング、農業、漁業、飲食製造業、外食業などに対して外国人が就労することが出来るようになりました。1-1 特定技能が誕生した背景
今まで航空業などに対して外国人労働者が仕事に就くことはできませんでした。 多くの業種においてどんどん少子高齢化の波が押し寄せて、人材が確保出来ないという深刻な問題が生じ、改善策が見当たらない中で、日本政府は人材不足の14業種に対して新しい在留資格「特定技能」での雇用を許可しました。
1-2 特定技能と技能実習の違い
特定技能の在留資格は「1号」、「2号」と分類されてあるため、技能実習と同じようなものとして受けとめてしまっている人たちもいるようですが、実際にはそうではありません。
そもそも技能実習は、日本の誇るべきテクノロジーを発展途上国に技術移転し、経済発展してもらおうという意図があります。よって技能実習は人手不足を解消する手段としては使ってはならず、外国人技能実習機構が認めた技能実習計画に厳格に基づき、実習をしなければならないということになっています。
一方、特定技能は人材不足が甚だしいので、そのピンチを外国人労働者の手によって補ってもらおうという意図で制度設計されており、就労ビザの一種となっています。1-3 特定技能1号と2号
特定技能には、特定技能1号と特定技能2号があります。 特定技能1号に該当する外国人労働者は、それ相応の経験&ノウハウを取得していることが必要です。訓練を受けないでもすぐに一定レベルの仕事を遂行することができる即戦力レベルの労働者です。
特定技能1号に対しては、それぞれの業種に対して「技能試験」&「日本語試験」が実施され、それに合格した外国人が労働に就くことができます。
しかし、特定技能2号は航空業には許可されていません。特定技能2号が許可されている業種は、建設業と造船・船舶工業だけです。
特定技能2号は、特定技能1号を取得後、技能試験を受けることで特定技能2号に移行することができます。
特定技能1号と2号には以下のような違いがあります。
在留が許される期間は、特定技能1号の場合は5年までという期間限度の中で、1年・6か月・4か月ごとに更新をしなければならないですが、特定技能2号は更新の制限なしで、3年・1年・6か月ごとの更新となります。
特定技能1号は、相当程度の知識が必要とされていますが、特定技能2号は、さらに熟練したノウハウが伴っている必要があります。
また特定技能1号では、外国人労働者を支援するための支援計画を策定しなければならないのですが、特定技能2号の場合にはそれが必要ではありません。
特定技能1号の場合は家族が帯同することは不可ですが、特定技能2号においては、家族帯同が許されます。2. 特定技能1号の資格取得方法
外国人が特定技能1号の資格を取得する方法は、2つあります。 一つは日本語試験と技能評価試験にパスする方法です。 もう一つは技能実習からシフトする方法があります。
日本語試験は、国際交流基金が実施している日本語基礎テスト、もしくは、日本国際教育支援協会(JLPT)が実施している日本語能力試験「N4」相当に合格する必要があります。 技能評価試験は、「航空分野技能評価試験(空港グランドハンドリング)」と「航空分野技能評価試験(航空機整備)」に分かれており、公益社団法人日本航空技術協会が技能測定試験の運営をしています。 受験資格は年齢17歳以上の外国人で、日本国内で受験する場合は在留資格が必要です。
なお、技能実習の「空港グランドハンドリング」第2号を修了した特定技能人材は、日本語試験と技能評価試験が免除されます。3. 特定技能外国人労働者が出来る仕事
特定技能外国人を航空業が採用して出来る仕事は以下の通りです。
3-1 空港グランドハンドリング
特定技能外国人は、航空機を駐機場へ誘導、移動させることが可能です。 また、手荷物や貨物の仕分け、またULD(航空機に搭載される貨物輸送用コンテナ)への積付や積み下ろし、解体と言った仕事が可能です。
さらに、手荷物や貨物の航空機への移送や、搭降載、客室内清掃、遺失物などの検索、機用品補充、航空機洗浄の仕事をすることができます。3-2 航空機整備
更に特定技能外国人は、航空機整備の仕事に就くことができます。運行の整備の仕事、航空機整備の仕事、装備品、原動機整備の仕事です。
また、日本人労働者の方々がしているような、事務作業や、作業所の清掃などの仕事にも就くことができます。4. 特定技能外国人を雇用する費用はどの程度?
特定技能外国人を雇用する場合、外国人だから給料は少なめでいいという発想は間違いです。特定技能外国人でも、雇用すれば立場はほとんど同じ仕事をしている日本人と変わらないと考えてください。
また、特定技能外国人を採用する場合には、プラスして在留資格申請にかかる費用もかかるでしょうし、登録支援機関への支援委託料がかかることもあります。そのような手続きを踏めば、30~50万円程度のコストがかかるでしょう。
更に、海外から送り出し機関を通して外国人労働者を呼び寄せた場合にはそこにも手数料が発生する可能性があります。5. 特定技能外国人を航空業で採用する流れ
特定技能外国人を採用することは難しいと考えている方々もいらっしゃるようですが、実際にはそうではありません。
ただし、特定技能のひとつである「航空業」に外国人を採用する場合、以下の条件を守る必要があります。かつ必要なのは、派遣社員としての扱いではなく特定技能外国人を直接雇用しなければならないということです。(派遣での雇用は農業分野と漁業分野でのみ可能)
特定技能外国人を採用し実際に仕事をスタートするまでの期間は、日本在住外国人の採用でも3ヶ月程度、海外から呼ぶ場合は半年以上時間がかかりますので、できるだけ早く動くという意識をもつといいでしょう。5-1 特定技能外国人を採用する条件
航空業の方々が特定技能外国人を雇用したいと思えば、受け入れして4か月内には、「航空分野特定技能協議会」に入会をしなければなりません。
また、国土交通省が行う調査や指導に対し、必要な協力を行うことが必要です。
更に、特定技能外国人の支援は妥当に行われる必要があります。(支援はすべて登録支援機関に委託した場合、支援体制が整っているという見方がされます)5-2 人材募集・面接
次のステップでは人材紹介業者などが提供してくれる候補者のインフォメーションを参考にして、対面面接か、オンライン面接を実施します。
5-3 雇用契約をかわす
次にしなければならないのは、契約をかわすことです。雇用したい職務が特定技能外国人の従事可能な業務かどうか、もう一度しっかりチェックしましょう。
また、報酬や労働時間が同様な職務の日本人と同等である必要があります。外国人労働者だからと言って差別的に扱うことは決して許されることではありません。
外国人労働者は一時帰国を希望することもあるかもしれませんが、そのようなときには休暇を取得させて対応してください。
そして、特定技能外国人の方々が現在どのような健康状態なのかも把握する必要があります。5-4 支援計画を策定
特定技能所属機関(受入れ企業)は支援計画を策定し、出入国在留管理庁に提出する必要があります。 支援計画は、1号特定技能外国人の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請時に他書類と一緒に提出する必要があります。
5-5 在留資格申請をする
次のステップは、在留資格を申請することです。外国人本人に関する書類には、海外から来日する外国人を採用する場合には、
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(縦4cm×横3cm)
- 特定技能外国人の報酬に関しての説明書
- 特定技能雇用契約書の写し
が必要です。 日本にいる外国人を採用する場合、
・在留資格変更許可申請書が必要となります。(あとは同じです)
書類が全てそろったら、近くの出入国在留管理庁(いわゆる入管)に提出します。6. まとめ
いかがでしょうか。今回、航空業で特定技能外国人を採用する方法について解説をしました。
特定技能外国人を採用することで、航空業の人材不足も大きく改善できることでしょう。ただし、外国人労働者も日本人労働者も同じ労働者です。外国人労働者だからといって差別的な扱いをしたり、重労働や低賃金で働かせることは許されることではありませんので十分ご注意ください。- 2022.05.18特定技能「自動車整備業」|外国人を雇用するには?条件や注意点について
近年、日本企業は深刻な人材不足に陥っています。そんな中、人材不足の解決策として特定技能外国人の受け入れに注目が高まっており、その受け入れ人数は年々上昇しています。
様々な分野で活躍を始めている特定技能外国人。そこで、今回はいくつかある分野の中でも「自動車整備業」における特定技能外国人の雇用について解説していきます。目次
特定技能外国人が活躍できる分野と種類
特定技能外国人の就労が認められている業種とは?
介護や漁業など人手不足が深刻な12分野14業種に限り、在留資格「特定技能」による外国人の就労が認められており、それらの業種を「特定産業分野」といいます。
介護、ビルクリーニング、製造3分野(素材系産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)、建設、 造船・船用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁行、飲食料品製造業、外食業
以上12分野14業種が特定技能が認められている特定産業分野です。
特定産業分野における在留資格は、「特定技能1号」「特定技能2号」が創設されています。現在、特定技能2号は「建設」、「造船・船用工業」の2分野のみ受け入れ可となっています。在留資格の種類と違い
在留資格には「特定技能第1号」、「特定技能第2号」の2種類があり、以下のような違いがあります。
特定技能第1号:不足する人材の確保を図るべき産業上の分野に属する相当程度の知識又は 経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
特定技能第2号:同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの残留資格 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事(引用:法務省ホームページ)
要するに、1号に比べ2号の方がより熟練した技能が必要ということです。技能を考慮し、在留期間や家族の帯同等、条件としては優遇されたものとなっています。
しかし、特定技能第2号は「建設」、「造船・船用工業」の2つの業種のみとされています。また、現在日本には特定技能2号外国人の在留はありません。自動車整備業における人手不足状況
自動車整備業における従業員数は、ここ数年横ばいで推移しています。しかし、自動車整備要員の有効求人倍率は上昇しており、人手不足は顕在化しています。
整備工場に対するアンケートでは、約半数の整備工場が人手不足を感じている現状です。
以前は若者の興味と言えば自動車でした。特にほとんどの男性が自動車の所有にあこがれ、収入を得たらまず自動車を購入することが当たり前の時代がありましたが、現代は様変わりしてしまいました。趣味の多様化により自動車が若者の興味の対象から外れてしまい、同時に自動車整備業についても興味を持たない若者が増えてしまいました。
自動車の人気が陰り、少子化や職業選択の多様化も相まって、自動車整備士を目指す若者が減少しており、自動車整備要員の平均年齢は上昇傾向にあります。平成30年度には45,3歳となっています。
次項では、上記のような深刻な人手不足の状況の改善に向け開始された特定技能制度において、 外国人、企業それぞれにおける採用のために求められるものを説明していきます。採用において特定技能外国人に求められるもの
求められる人材基準
特定技能制度は、深刻化する人手不足に対応するために開始された制度であるため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となることが必要とされます。
自動車整備業においては以下の人材基準が設けられています。Ⅰ:技能水準(試験区分)
「自動車整備分野特定技能評価試験」又は「自動車整備士技能検定試験3級」
Ⅱ:日本語能力水準
「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」Ⅰ:技能水準
「自動車整備分野特定技能評価試験」と「自動車整備士技能検定試験3級」は道路運送車両法に基づく同水準程度の試験です。「日常点検整備」、「定期点検整備」及び「分解整備」の実施に必要な能力の測るものとなっています。
合格により、タイヤの空気圧、灯火装置の点灯・点滅、ハンドルの操作具合及びホイールナットの緩み等の点検整備に加え、エンジン、ブレーキ等の重要部品を取り外して行う点検整備・改造を適切に行うことができることが確認できるとされています。
よって、試験合格により自動車整備業において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有する者ということが証明されます。
ちなみに、「自動車整備職種、自動車整備作業」の技能実習2号以上を良好に修了した場合、業務を行う上で必要とされる専門性・技能を有し即戦力となれる程度の知識、経験を有するとされ、技能試験は免除されます。Ⅱ:日本語能力水準
「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」は基本的な日本語能力水準を判定するために実施される試験です。
合格により、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有すると認められることから、特定技能制度での受け入れに必要となる程度の日本語能力水準であると評価されます。 職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した場合は、 技能実習生としての3年間の日本での生活により、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準を有する者であると考えられ、試験が免除されます。
以上より、受け入れパターンとしては技能試験、日本語能力試験を両方合格する場合と、第2号技能実習を修了する場合の2パターンあると言えます。業務内容
1号特定技能外国人が従事する業務は、自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備です。
【自動車の分解整備】
エンジン、ブレーキ、ギアボックスなど以下の重要部品を取り外して行う整備又は改造
(上図:国土交通省ホームページより引用)
あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務においても問題ないこととなっています。関連業務の例として、整備内容の説明や関連部品の販売、清掃等が挙げられます。
受け入れ機関(自動車整備工場)に求められるもの
受け入れ機関の義務
受け入れ機関(受け入れ企業。所属機関ともいう)の義務としていくつか定められていることがあります。
ア 特定技能所属機関は、国土交通省が設置する「自動車整備分野特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になること。
→受け入れ機関は協議会の構成員であることが必須です。自身の事業場を管轄する地方運輸局等まで届け出を行う必要があります。
イ 特定技能所属機関は、協議会に対し必要な協力を行うこと。
→協議会と相互の連絡を図り、連携の緊密化を図る必要があります。また、 特定技能所所属機関は、以下の事項等について必要な協力を行わなければなりません。
① 1号特定技能外国人の受入れに係る状況の全体的な把握
② 問題発生時の対応
③ 法令遵守の啓発
④ 特定技能所属機関の倒産等の際の1号特定技能外国人に対する転職支援、 帰国担保
⑤ 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析ウ 特定技能所属機関は、国土交通省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
→質問への回答、報告書の提出、聴取への出頭、実地調査の受け入れその他必要な協力を行う必要があります。
エ 特定技能所属機関は、道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185 号)第 78 条第1項に基づく、地方運輸局長の認証を受けた事業場であること。
→自動車の点検整備の不備は最悪の場合、事故等に至る恐れがあり、適切な整備を行うには一定の設備及び従業員が必要であること、自動車整備事業者は従業員が10人未満の中小零細事業者が大半を占め、それらが全国に広く分布していること等の特性を踏まえ、自動車整備工場による適正な外国人の受け入れを維持するにも、認証の取得が必要とされます。
オ 特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託するに当たっては、以下の全ての条件を満たす登録支援機関に委託すること。① 上記ア、イ及びウの条件を満たすこと。
② 自動車整備士1級若しくは2級の資格を有する者又は自動車整備士の養成
施設において5年以上の指導に係る実務の経験を有する者を置くこと。受け入れ時の留意点
Ⅰ:受入れ見込数と在留期間
自動車整備業における制度開始時(2019年4月)より向こう5年間の受入れ見込数は、最大 7,000 人です。
在留期間は5年となっています。
しかし、2019年度から2021年度での自動車整備分野特定技能評価試験の合格者数は合計469人となっています。
試験実施国も日本、フィリピンの2か国のみとなっているため、開催国の少なさも影響しているのかもしれません。Ⅱ:正社員として雇用
特定外国人を雇用する場合は、正社員として雇用しなければなりません。パートやアルバイト、派遣などで雇用することはできない点に注意が必要です。また、給料や福利厚生、待遇なども同じ機関で働いている日本人と同等の扱いをしなければなりません。
さいごに
人材不足の打開策として打ち出された制度、「特定技能制度」。特に深刻な人手不足として特定技能外国人の採用が認められている12分野14業種のうち、自動車整備業について解説していきました。
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自動車整備業における特定技能外国人の受け入れはまだ発展途上と言えます。特定技能制度の利用にはいくつかの義務や決まりがありますが、それらを実行できれば人手不足問題解決の一打となる画期的な制度であると思います。人手がおらず悩んでいる事業主の方はぜひ検討してみてはどうでしょうか。- 2022.05.18外国人人材の雇用契約の注意点
目次
この記事では、外国人の採用を決めたとき、雇用契約を結ぶ際の注意すべき点、ポイントについて解説します。
1.雇用契約とは
雇用契約とは「企業が労働者の労働を従事し、雇用者がこれに対してその報酬を与える契約」のことです。
「雇用契約書」は企業と労働者の間で雇用契約の内容が合意されたことを証明するものです。こちらは作成の法律的に義務はありません。しかし、トラブル回避のために作成することをお勧めします。特に外国人を雇用する際は、日本人と違って「阿吽の呼吸」や「わかっているはずだ」とか、「常識的に考えて」などということは通用しないので、配属後に 問題が発生しないように、契約書上で明確に定めたほうが良いと思います。
また、「雇用契約書」には企業と外国人労働者の署名と押印が必要です。「労働条件通知書」とは雇用契約の際に、企業が労働者に賃金や労働時間、休日などの労働条件を明示するものです。これは労働基準法で、書面で明示することが義務付けられています。
外国人と雇用契約を行う上で、「雇用契約書」と「労働条件通知書」を用意して、外国人本人が理解できるように説明し、契約を交わす必要があります。
2.雇用契約書、労働条件通知書の内容
書面で明示する必要がある項目
- 労働契約の期間
- 就業場所と従事するべき業務
- 始業及び就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日について
- 賃金(計算方法や、支払い方法、締切り、支払い時期、昇給について)
- 退職に関する事項
2-1労働契約の期間
期間の定めの有無と期間を定める場合は、期間を明記します。
外国人についても、労働契約の期間の上限は3年です。
契約更新に関しても、有無と契約更新する場合の基準を明示する必要があります。2-2就業場所と従事するべき業務内容
外国人を雇用する場合、契約時に説明されていない業務はやらないというトラブルもあります。そのようなトラブルを回避するためにも、想定できる就業場所と業務内容を詳しく明示しておく必要があります。
業務内容については、ここに記載した内容と外国人が取得する在留資格によっては学歴や履修科目との関連性がある必要があります。添付する理由書や申請書類と矛盾がないように記載します。また、入管の審査官に通じるように具体的に表記することも大事です。2-3就業・休憩時間、所定労働時間外の労働の有無、休日
生まれ育った環境も文化も違う外国人の中には自分の権利をしっかりと主張してくる方もいます。そのために、就業時間を明確にしておく必要があります。
始業時間、終業時間は何時なのか、休憩は何分あるのか、休日はいつなのかをはっきりと明示しましょう。
シフト制の場合でも、早番用、中番用、夜勤用などそれぞれの始業時間、就業時間、休憩時間を記載します。
休日は、定例日(毎週〇曜日、国民の休日)、非定例日(週〇日)、または年単位の変形労働時間制の場合は年間〇日と分かりやすく明示します。休暇についてもトラブルになることがあるので、有給休暇やその他の休暇に関する制度を、以下のように細かく決めて、明示しておくことをお勧めします。- 年次有給休暇
6ヶ月継続勤務した場合〇日
継続勤務6ヶ月以内の年次休暇(有、無)→〇ヶ月経過で〇日
時間単位年休(有・無)
- 代替休暇(有・無)
- その他の休暇
有給( )
無給( )
〇詳細は、就業規則第( )条~第( )条、第( )条~第( )条
2-4賃金
給与に関しては、同じ業務をする日本人と同等以上にする必要があります。同じ業務をする日本人がいない場合は、同じ地域で同じ業務をしている日本人と賃金を同等程度にする必要があります。
また、正社員で雇用する際、時給換算した時に最低賃金を下回っていると就労ビザの申請が受理されませんので、注意が必要です。 また、最低賃金には割増料金、通勤手当、扶養手当、住宅手当、残業手当(変動制で確定的でないもの)は含まれません。賃金に対しても外国人とのトラブルになる要素の1つなので、以下の項目を細かく記入し、合意をとることをお勧めします。
- 基本賃金(月給、日給、、時間給、出来高給、保証給)
- 諸手当の額と計算方法 ・所定時間外、休日または深夜労働に対してしたら支払われる割増賃金率
- 賃金締切日
- 賃金支払い日
- 賃金支払方法 ・老子協定に基づく賃金氏は胎児の控除(有無)
- 昇給(時期等)
- 賞与(有無、時期、金額等)
- 退職金(有無、時期、金額等)
2-5退職に関する事項
定年制の有無、継続雇用制度の有無、自己都合退職による手続き、解雇の事由及び手続について明記します。
特に、契約途中でも解雇できるのか、外国人から退職を申し出る場合には何日前に手続きを行う必要があるのかを明確にしておきましょう。2-6契約時に就労の在留資格を持っていない場合
雇用契約時に、就労の在留資格を持たない外国人と雇用契約を結ぶ場合、停止条件付雇用契約を結ぶことができます。
これは就労の在留資格を取得できなかった場合、雇用契約の効果は発生しないと意味するものです。
特約事項に「本契約は日本政府により入国(在留)を許可されない場合は発行しないものとする」という趣旨の文言を入れます。3.外国人に雇用契約の内容を理解して同意してもらう方法
雇用契約は外国人に契約の内容をしっかりと理解してもらい同意してもらうことがトラブル回避のポイントです。そのための方法を2つ紹介します。
3-1雇用契約書を口頭で説明しながら、理解度を確認する
翻訳サイトを利用して、外国人の母国語に翻訳した雇用契約書を用いて雇用契約を交わすのはお勧めしません。伝えたい内容がそのまま翻訳できず誤解を生む可能性があるからです。
外国人と一緒に分かりやすい日本語を使って雇用契約書の内容を1つ1つ口頭で説明していく方法をお勧めします。3-2労働条件通知書のフォーマットを使用する
厚生労働省のサイトに掲載されている労働条件通知書のフォーマットを使用して、日本語と外国人の母国語で労働条件通知書が作成できます。会社に規定などに合わせて変更することができるので使ってみてください。
- 2022.05.18【試験情報】 自動車整備 特定技能評価試験
目次
特定技能と試験について
特定技能とは
「特定技能」は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
「特定技能」の在留資格を持つ外国人を受け入れることができる特定産業分野として12分野14業種が認められており、自動車整備分野もその中の1つです。
「自動車整備分野の特定技能1号」の在留資格を得る条件として、「日本語試験」と「技能試験」で一定の合格基準に受かることが必須となっています。日本語試験と技能試験について
日本語試験は「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格または「日本語能力試験(JLPT)」4級以上の合格が必要です。
技能試験は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が実施する「自動車整備分野特定技能評価試験」の合格が必要です。
試験情報
下記は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が実施する「自動車整備分野特定技能評価試験」の情報です。
試験科目 学科試験、実技試験 試験時間 学科試験:60分/実技試験:20分 試験方式 学科試験、実技試験:CBT方式 受験料 4,300円(税込)
国外受験の場合は異なる(4.国外試験情報をご確認ください)合格証明書交付料 16,000円(税込)
受入れ機関の負担となる学科試験
問題数 30問 試験言語 日本語(漢字にはフリガナあり)
カタカナで表記される専門用語については英単語の併記あり合格点 65%以上 出題形式 真偽法(〇✕) 試験内容 - 構造、機能及び取扱法に関する初等知識
- 点検、修理及び調整に関する初等知識
- 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識
- 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
実技試験
問題数 3課題(合計9問) 合格点 60%以上 出題形式 いくつかの課題について作業試験または図やイラスト等を用いた状況設定において正しい判別、判断を行わせる判断等試験により行います。 試験内容 - 簡単な基本工作
- 分解、組立て、簡単な点検及び調整
- 簡単な修理
- 簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
試験合格証明書について
合格者と受入れ機関で雇用契約が結ばれることが決定した場合は、受入れ機関を通じて受験者に試験合格証明書を交付します。
合格証明書の交付申請は、受入れ機関が行ってください。
申請にあたっては、特定技能評価試験合格証明書交付申請書に必要事項を記入し、次の書類を添え、メールにより申請します。- 特定技能評価試験合格証明書交付連絡票
- 合格者が受入れ機関と雇用契約を締結したことがわかる書類のコピー
また、合格証明書の交付があった場合は、後から送付される請求書に記載されている口座に交付手数料を振り込んでください。
詳細は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会のHPをご覧ください。
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会学習用教材
以下は自動車整備分野特定技能評価試験の問題例です。
試験内容 テキスト 学科試験 学科試験問題の例 実技試験 実技試験問題の例 - 2022.05.18【2021年】外国人にも最低賃金は適用されるのか?
この記事では、外国人にも日本の最低賃金が適用されるのかについて解説します。
結論から言うと、 外国人労働者にも日本の最低賃金は適用されます。
外国人労働者の雇用を考えている企業の方は、絶対に把握しておかなければならないことです。 技能実習生や特定技能として働いている外国人の給与が最低賃金以下であった、残業代が1円も支払われていなかった、などの理由で摘発されている企業もあります。
このようなニュースを見たことのある方もいると思いますが、外国人だからといって不当な扱いをするのは犯罪行為です。
近年、外国人労働者が増えたこともあり非常に厳しくチェックされていますので法律をしっかり確認しておきましょう。目次
1. 最低賃金とは
『最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。』
引用:最低賃金制度の概要
これは日本で就労する人であれば国籍は関係なく当てはまります。
もちろん雇用形態が正社員でも契約社員でもアルバイトでも最低賃金以上を支払う必要があります。
また、技能実習生、特定技能、技術・人文知識・国際業務ビザなどの在留資格の違いも関係なく最低賃金制度が適用されます。技能実習生として働く外国人からすると、日本の最低賃金でも母国の給与の数倍になることが多いです。 そのため、最低賃金でも高給と感じる人もいるので最低賃金以下だとしても十分だと勘違いしてしまいます。
そのような外国人の考えにつけこみ労働搾取する企業もいますが、発覚すれば大問題になるので絶対にやめてください。また、外国人も最低賃金以下の給与で生活することが大変になり、失踪の原因になることもあります。
最低賃金を知らない外国人の方には指導をして、自分の企業は最低賃金以上の給与を支払っていることを教えてあげてください。2.最低賃金の種類
外国人労働者にも絶対に最低賃金以上の給与を支払う必要があることは理解いただけたと思います。
ここでは最低賃金の種類をご紹介します。 最低賃金には「地域別最低賃金」「特定最低賃金」の2種類があります。
よく目にするのは地域別最低賃金かと思いますが、 両方が適用される企業は高い方の最低賃金を支払う必要があります地域別最低賃金
職種や産業に関係なく、各都道府県で働く全ての人に適用される最低賃金です。
各都道府県、全47件の最低賃金が定められています。特定最低賃金
特定の産業に定められている最低賃金です。
地域別最低賃金よりも高い金額を設定する必要があると認められた産業に対して定められています。3. 最低賃金の金額
地域別最低賃金は定期的に改訂されるので、常に最新情報をチェックしておく必要があります。
こちらの記事も随時情報を更新しています。 特定最低賃金は、令和3年3月末時点で227件が定められています。引用:特定最低賃金の全国一覧
地域別最低賃金(令和3年度)
都道府県 最低賃金時間額【円】 発効年月 北海道
889
(861)
令和3年10月1日
青森
822
(793)
令和3年10月6日
岩手
821
(793)
令和3年10月2日
宮城
853
(825)
令和3年10月1日
秋田
822
(792)
令和3年10月1日
山形
822
(793)
令和3年10月2日
福島
828
(800)
令和3年10月1日
茨城
879
(851)
令和3年10月1日
栃木
882
(854)
令和3年10月1日
群馬
865
(837)
令和3年10月2日
埼玉
956
(928)
令和3年10月1日
千葉
953
(925)
令和3年10月1日
東京
1,041
(1,013)
令和3年10月1日
神奈川
1,040
(1,012)
令和3年10月1日
新潟
859
(831)
令和3年10月1日
富山
877
(849)
令和3年10月1日
石川
861
(833)
令和3年10月7日
福井
858
(830)
令和3年10月1日
山梨
866
(838)
令和3年10月1日
長野
877
(849)
令和3年10月1日
岐阜
880
(852)
令和3年10月1日
静岡
913
(885)
令和3年10月2日
愛知
955
(927)
令和3年10月1日
三重
902
(874)
令和3年10月1日
滋賀
896
(868)
令和3年10月1日
京都
937
(909)
令和3年10月1日
大阪
992
(964)
令和3年10月1日
兵庫
928
(900)
令和3年10月1日
奈良
866
(838)
令和3年10月1日
和歌山
859
(831)
令和3年10月1日
鳥取
821
(792)
令和3年10月6日
島根
824
(792)
令和3年10月2日
岡山
862
(834)
令和3年10月2日
広島
899
(871)
令和3年10月1日
山口
857
(829)
令和3年10月1日
徳島
824
(796)
令和3年10月1日
香川
848
(820)
令和3年10月1日
愛媛
821
(793)
令和3年10月1日
高知
820
(792)
令和3年10月2日
福岡
870
(842)
令和3年10月1日
佐賀
821
(792)
令和3年10月6日
長崎
821
(793)
令和3年10月2日
熊本
821
(793)
令和3年10月1日
大分
822
(792)
令和3年10月6日
宮崎
821
(793)
令和3年10月6日
鹿児島
821
(793)
令和3年10月2日
沖縄
820
(792)
令和3年10月8日
全国加重平均額
930
(902)
―
※括弧書きは、令和2年度地域別最低賃金
引用:地域別最低賃金の全国一覧
4.最低賃金の算出方法
給与が最低賃金以上であるかは時給であれば分かりやすいかと思いますが、日給や時給などはどのように計算すれば良いのかを説明します。
- 時間給制
- 日給制
- 地域別最低賃金の場合
- 特定最低賃金の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額
日給≧最低賃金額
- 月給制
「1時間の給与≧最低賃金額」
月給÷1ヵ月平均所定労働時間≧最低賃金額
企業の給与が地域別最低賃金、特定最低賃金以上になっているか改めて確認しましょう。
以上が外国人の最低賃金に関する情報でした。
外国人労働者が不当な扱いをされないために、最低賃金について考えなかったことで企業が摘発などされることのないようぜひ参考にしてください。- 2022.05.17外国人ITエンジニアを最速・確実に採用する最も新しい方法とは?
目次
1.ますます深刻化するIT人材不足
経済産業省とみずほ情報総研の調査によると、日本国内のIT人材の不足数が2020年には40万人に上り、2023年には約51万人、2030年には約79万人に達するとのことです。
IT業界の中でも特に急成長している分野ではエンジニア不足は深刻度を増しております。
例えば、AI(人工知能)関連や、ブロックチェーン関連、スマートフォン(iOSエンジニア、Androidエンジニア)関連、ネットワークエンジニアやクラウドエンジニアといったインフラ関連、セキュリティ関連などでITエンジニア不足が加速しています。
1-1なぜ国内のエンジニアが不足しているのか3つの理由
そもそも日本国内でエンジニア不足となった理由は3つあると考えられます。
少子化の影響
生産人口が年々減少し、IT業界のみならずすべての産業の人材不足に関わる少子高齢化の影響がエンジニア不足にも関係しています。
またIT業界は市場規模が右肩上がりであるため、需要に追い付かず、年々不足人数が増えていきます。日本でのITエンジニアの年収が低い
アメリカや中国のITエンジニアの年収相場は1,000~2,000万円ですが、日本のITエンジニアの年収相場は400~800万円です。
求められる時間と労力に対し、給料が低いことが原因であることも考えられます。若者のIT業界へのイメージ
IT業界は給料が安い、きつい、徹夜が当たり前などネガティブなイメージを抱く若者が増えています。
現在は働き方改革で働き方が見直され、上記のようなイメージに挙げられる状況ではない会社も増えていると思います。
しかし、イメージが払拭できず、IT業界への人気が低迷しているのもエンジニア不足の理由の1つでしょう。2.外国人ITエンジニアを雇用するメリット
2-1人材不足の解消
日本人では求人を出しても、人材が集まらないとお悩みの企業様は、海外に目を向けることで人材不足の解消につながるケースがあります。
即戦力となる人材を確保できる可能性もあります。2-2社内のグローバル化が進む
IT業界の最新技術やトレンドの移り変わりはとても激しいです。
日本人だけの場合、日本語でしか情報収集ができませんが、外国人を雇用することで、外国人ITエンジニアの母国語でも情報収集ができます。
車内をグローバル化させ、他社との差別化ができたり、海外へのサービス展開や、市場の拡大も進めやすくなります。2-3社内が活性化する
外国人ITエンジニアを採用することで、海外で働く外国人は覚悟やモチベーションが高く、社内へもいい影響を与えてくれます。
また日本人とは違う視点を持っているため、日本人だけでは気づかなかった問題や新たなアイデアを生み出してくれることも期待できます。3.外国人ITエンジニアを雇用するデメリット
3-1在留資格の手続きや、支援する必要がある
海外からエンジニアを採用する場合、在留資格の手続きや、住宅の確保、役所の手続き、携帯電話の契約や口座の開設など様々な支援をする必要があります。
既に日本にいるエンジニアを採用する場合は、在留資格の手続きはなく、ある程度日本での生活に慣れているため、上記ほど支援する必要がないです。3-2言語の壁、文化の違いがある
外国人のエンジニアは完ぺきに日本語が話せるわけではありません。
理解していると思ったら、理解できておらず、仕事に支障が出る場合もあります。
日本人社員は外国人エンジニアと言葉の壁があることを理解した上で、分からないことを聞き出したり、確認してあげたり、分かりやすい日本語をつかってあげたりする必要があります。
また外国人は育った環境も異なり、宗教や文化の違いを理解する必要があります。
宗教上の理由で、お祈りをしたり、休んだりしなければいけないケースや残業に対する価値観、年功序列が当たり前ではないなど、日本人との違いがたくさんあります。
外国人エンジニアが働きやすい環境で働けるように、宗教や文化的な違いに柔軟に対応する、当たり前だと思っていることも説明するなど、工夫が必要です。3-3すぐに転職してしまう恐れがある
外国人エンジニアは自身のスキルアップのために想像より早く転職してしまう可能性があります。
エンジニアのスキルや希望に合わせて労働条件や労働環境を変えていく必要があります。4.海外在住外国人ITエンジニアの「お試し雇用」のおすすめ
現在、コロナ感染防止の水際対策として、外国人の入国が厳しく制限されています。
コロナ禍における海外在住外国人ITエンジニアの採用については、いつになるかわからない入国を待つよりも、「入国せずして採用・業務委託」することが現実的です。
そしてこれは、「お試し」で本人の実力を知ってから、確実な人材を雇用するには絶好の機会にもなります。- お試し 海外在住のままテレワークで雇用 →コロナで当面入国ができないので対策としてとても現実的です
- 日本語力を必要以上に求めないこと。N4,N3でOKとする。
- 経験値を必要以上に求めないこと。成長余力を評価する。
4-1「お試し雇用」のメリット
履歴書や、履修科目、スキルシート、保有資格だけでは、本来の技術力が判別できないものです。
ITスキルは面接時のテストで測ることはとても難しく、スキルシートに記載があっても、本当にその技術力があるかどうかは雇用してみないとわかりません。
さらに、人格的な問題点(理念が共有できるか、コミュニケーション能力、協調性や責任性があるか)は、数ヶ月いっしょに働いてみないと表に出てこないものです。
また、仕事が続くかどうかの問題も大きいと思います。海外からせっかくお金と手間と時間をかけて日本に招いた人材が、すぐに辞めてしまっては元も子もありません。5.<お試し方法>海外在住のままテレワークで雇用
コロナ禍により、IT業界ではテレワークが常識となりました。
海外在住外国人ITエンジニアも同様に、現地で雇用し、テレワークしていただくことも可能です。
テレワーク雇用は、日本で雇用するよりも好条件で雇用することができます。つまり、日本で雇用するよりもスキルの高い人が採用できます。また人件費も抑えることができます。採用成功のポイント
海外在住外国人ITエンジニアを「お試し」で本人の実力を知ってから雇用する
6.日本在住外国人ITエンジニア雇用のポイント
ITエンジニアの求人をたくさんいただいておりますが、面接してもなかなか企業様から内定を出していただけないのが現状です。
原因はズバリ、企業様の「高望みしすぎ」だと思います。優秀なIT技術者であっても、日本語力が日本人並みという人はほとんどいません。
採用の成功例として「楽天」様が挙げられますが、楽天様は英語が公用語なので、採用にあたり日本語力を全く要求しません。ですから数十人規模で超ハイレベルな外国人の雇用が可能になるのです。
またよく聞くお話として、IT人材不足対策として、未経験者の文系人材を新卒採用しているケースがあります。ゼロからITエンジニアを育成することで、採用の難しさを克服するというものです。外国人ITエンジニアの採用においても、同じことが言えます。
コミュニケーションを絶対に日本語で行わなければならないという先入観を除去してください。プログラミングは英語ができれば十分可能ですので、日本語力を過剰に要求することを避けるだけで、よいITエンジニアを採用できる可能性は格段に上がります。
「日本語力JLPT N2以上」を採用基準にする企業様が多く見られますが、N4やN3でOKとすることで、大きく道は開けると思います。そして、ITスキルや経験値を必要以上に求めなければ、採用できる裾野(候補者数)は激増し、一気に採用ができるようになります。
少子高齢化、労働人口減少により、今後ITエンジニアの採用は加速度的に難しくなっていきますので、「未来の成長余力を評価」して採用することをお勧めいたします。外国人ITエンジニア採用成功のポイント
- 2022.05.17外国人が介護福祉士になる方法について徹底解説
目次
介護福祉士とは
介護福祉士は、実際に介護に携わる介護職で唯一の国家資格です。
外国人介護人材にとっても、この資格を取得することは、非常に有用です。
在留資格の更新ができ、長く働き続けられることはもちろんのこと、収入アップ、それにもし、帰国したとしても、指導者への道が開ける可能性もあります。
そして、何よりも大切なことは、知識と実務経験がなければ取れない国家資格を取得することにより、専門職として自信を持って働くことができるということでしょう。合格への道のりは、試験問題がすべて日本語ですので、容易なものではありません。
本人の強い意志と、周囲のサポートがなければ取得は難しいと思われます。外国人が介護福祉士になるためのルート
EPAルート
EPA介護福祉士候補者として入国し、介護施設での3年間の実務経験を経て、受験する方法です。
EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定(EPA)に基づき、日本の介護施設で就労・研修を行いながら、日本の介護福祉士国家資格の取得を目指す人のことです。
インドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国から来ています。
就労期間は、基本的に4年間です。ですから、4年の就労期間中に受験できる機会は1回となります。試験について
筆記試験と実技試験があります。
筆記試験に関しては、日本語のハンディを考慮して、試験時間が1.5倍に延長されます。また、漢字にはふりがなが付記されています。
実技試験は、「実務者研修」や「介護技術講習会」を受講することによって免除できます。とは言え、時間やお金の面だけでなく、研修が受けられる施設までの移動が難しかったりしますので、受講するのはごく一部で、実技試験を受ける方が多いようです。養成施設ルート
介護福祉士養成施設(2年以上の専門学校等)において必要な知識及び技能を修得した後に、介護福祉士の国家試験に合格して資格を取得する方法です。
日本語学校に留学ビザで入国し、1~2年日本語を学んだ後、介護福祉士養成の専門学校に入るというのが、標準的なコースです。専門学校に入るには、日本語能力試験(JLPT)N2レベルの日本語力が必要です。試験について
筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。但し、EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。
移行期間中の特例
養成施設を令和8年度末までに卒業すると、卒業後5年の間は、介護福祉士になることができます。
この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、介護福祉士の登録を継続することができます。
令和9年度以降の卒業生からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になれません。実務経験ルート
介護施設での実務経験が3年以上かつ実務者研修の受講で、介護福祉士試験の受験資格が得られる方法です。
介護技能実習生、特定技能1号介護ともに、最長5年間の就労が可能ですので、条件を満たせば在留期間中に介護福祉士国家試験受験可能になります。
実際 彼らに関しては 介護福祉士を取得し、在留資格「介護」に変更して長期間介護業界で働いてほしいという日本側の願いがあると考えられています。
試験について
筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。
EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。
希望すれば、漢字に、ふりがなが付記されている問題用紙が配布されます。試験に合格するためには
最新(令和3年度)の情報によると、EPA介護福祉士候補者の受験者数は1,014人でした。
合格者数は374人です。合格率は36.9%となっています。
日本人も含めた全体の合格率は72.3%です。今回の結果で、注目すべきがベトナム人の合格率の高さです。156人の合格者を出していて、合格率は83.9%となっています。インドネシアは122人で、27.2%、フィリピンは96人で25.3%でした。
なぜ、介護に関するEPA制度の歴史が一番浅い、ベトナムが高い合格率を誇ったのか、その点に注目すれば試験に合格するヒントがあるのではないかと思い探ってみました。ベトナムは、訪日前の日本語研修が12か月と、他の2国の2倍です。また、日本語能力試験N3取得が要件となっており、他の2国のN5とは全く違います。
N3は日常会話がある程度理解でき、漢字も600字前後わかる必要があります。
N5は、できるだけわかりやすい日本語を使えば、ある程度理解できるレベルで、一般の人の話を聞き取ったりするのは難しいです。漢字は100字程度です。介護福祉士試験は、筆記試験と技能試験ですが、技能試験に関しは、EPAで受験する場合だけです。3年間に身に着いたスキルで十分対応可能だと思います。
問題は、筆記試験です。筆記は、漢字、語彙力、読解力がものを言います。
漢字は読み方も大切ですが、意味がわかることが試験の際は重要なのです。ですから、ふりがなが付記されているからと言って、一般の日本人もわからないような専門用語を除いて、特段有利になるとは思えません。
職場で、毎日の聞き取りや会話を通して、日本語はだんだん上達するでしょう。しかし、漢字や語彙、読解力は、トレーニングでしか身に付きません。
今、非漢字圏の学生のための英語やベトナム語、インドネシア語等の訳がついた漢字や語彙のテキストがあります。練習帳もセットになっていて、無理なく自習できます。
時折、職員が誤った書き方をしていないかチェックしてあげれば、より正しく学習できます。
問題を読み取らなければならない筆記試験には、漢字力をつけさせスムーズに文章を読めるようになることが大切です。
その上で、参考書や過去問集を使い、知識を蓄え、問題を解く力を向上させるのです。介護福祉士試験は、他の国家士試験と比べると、実務経験者に有利に作られていると言われています。安全で、信頼関係を築けるような介護をするための基本的な知識を問う問題がほとんどです。漢字力が身に付き、読むことがスムーズになれば、決して難解な試験ではありません。
まとめ
もし、高校の卒業を控えた1人の外国人が日本で介護の仕事をして働きたいと考えていたとします。
理由は、自分の将来のため、家族を支えたい、国ではいい仕事がない、様々でしょう。
外国人が日本で介護福祉士になるためには、2つの方法をすすめしたいと思います。まず一つ目は、技能実習「介護」で入国することです。基本的に技能実習は3年ですが、その後特定技能1号として日本での就労を5年間延長することができます。つまり最長8年は働けます。その間に、介護福祉士を取得すれば日本でずっと働けることになります。
なぜ技能実習「介護」をおすすめするかと言うと、日本に行くためのハードルが一番低いからです。
高額な留学資金も必要ありませんし、現地で日本語N4を合格すれば介護技能実習生として日本で働くことができ、その後の努力次第で介護福祉士への道が開かれますので、まずこちらをおすすめしたいと思います。もう一つの方法は、留学ビザで日本語学校に行き、その後専門学校で勉強する方法です。
日本語も、介護の技能や知識も十分身に付けけた上で、現場に出られます。それに令和6年度までに入学すれば、受験することなく介護福祉士になれ、介護の就労ビザでずっと働き続けられます。
高額な留学資金を用意するのが難しければ、今、卒業後介護施設で働くことを条件に、自治体や介護施設、専門学校が奨学金を出しています。それをまず調べてみてください。超高齢化社会が進行する日本では、介護のニーズは今後さらに高くなります。
介護業界は慢性的な人材不足で、介護職は求人がとても多く、これからも求人が増え続けます。
しかも、介護福祉士の資格保有者はとても価値があり、介護業界から引っ張りだこです。ですから、介護福祉士の資格を取得すれば必ず仕事があると思いますし、生涯日本において仕事に困ることはないはずです。ぜひ、介護福祉士を目指す外国人の方々には、志を高く持っていただき、難関を突破して介護福祉士になっていただきたいと思います。
- 2022.05.17在留資格「特定活動46号」|N1が必要?現実的に採用可能?
日本企業の約半数が人手不足に陥っている状況にあるという発表もあり、人材不足は社会問題となっています。そのため、現在「特定活動46号」というものが注目されています。
人手不足が深刻な業種において、外国人の従事できる業種の幅がさらに広くなりました。この「特定活動46号」として従事できる外国人は優秀な人材です。企業としても優秀な人材確保の1つの手段となります。
今回は「特定活動46号」とその業務にあたって必要なことについて解説していきます。目次
特定活動46号ってなに?
特定活動とは
「特定活動」とは、他の在留資格で許可されていない活動を法務省が特別に許可している在留資格です。
留学生の就職支援に係る「特定活動」についてのガイドラインでは以下のように記載されています。(引用元:留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン)本制度は,本邦大学卒業者が本邦の公私の機関において,本邦の大学等において修得した広い知識,応用的能力等のほか,留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として,幅広い業務に従事する活動を認めるものです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては,一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものは認められませんが,本制度においては,上記諸要件が満たされれば,これらの活動も可能です。
特定活動46号とは
「特定活動46号」とは、日本の大学を卒業、大学院を修了した外国人が日本で就職するための在留資格です。日本での就職率を高めるために2019年5月に新たに設立された比較的新しい在留資格となっています。
特定活動46号は接客サービスに適した在留資格であることから「接客ビザ」とも呼ばれています。対象者について
(引用元:留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン)日本の大学を卒業あるいは大学院を修了し、学位を貰った外国人が対象で、高い日本語能力を有する必要があります。
特定活動の対象者の詳細は下記のように記されています。学歴について
日本の4年制大学の卒業及び大学院の修了に限られます。短期大学及び専修学校の卒業並びに外国の大学の卒業及び大学院の修了は対象になりません。
日本語能力について
ア 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方が対象です。
※ 日本語能力試験については,旧試験制度の「1級」も対象となります。
イ その他,大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方については,アを満たすものとして取り扱います。
なお,外国の大学・大学院において日本語を専攻した方についても,アを満たすものとして取り扱いますが,この場合であっても,併せて日本の大学・大学院 を卒業・修了している必要があります。具体的な活動例
ここでは特定活動46号で活動できる業務を簡単に紹介していきます。
・飲食店での管理業務や接客業務(通訳も含む)を行うもの。
(日本人客に対して接客を行うことも可能です。)
・小売店での仕入れや商品企画、接客業務(通訳も含む)を行うもの。
(日本人客に対して接客を行うことも可能です。)
・宿泊施設(ホテルや旅館)での外国語(翻訳も含む)によるホームページの開設や外国人観光客への通訳や施設案内を兼ねた接客を行うもの。
(日本人客に対して接客を行うことも可能です。)
・タクシー会社での観光客の集客のための企画や立案、また通訳を兼ねた観光案内・接客を行うタクシードライバーとして従事するもの。
(通常のタクシードライバーとして業務をすることも可能です。)
・介護施設での外国人従業員や技能実習生への指導や日本語を用いて介護業務に従事するもの。
・食品製造会社において、自らも商品製造ラインに入って業務を行ったり、日本語を用いたコミュニケーションを図りながら商品企画や開発を行うもの。単純労働をすることも可能ですが、単純労働のみとなることは原則として認められていません。あくまで、在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、又は今後当該業務に従事することが見込まれている必要があります。
契約形態
・転職などで活動機関が変わる場合は、在留資格変更許可申請が必要です。
・同一法人(法人番号が一緒)内での異動や配置変更の場合は、在留資格変更許可申請は不要です。
・フルタイム(常勤)の正社員に限られ、パートやアルバイトは対象外です。
・雇用期間の業務に関する活動のみに限られ、派遣社員として派遣先での活動は対象外です。
・社会保険の加入状況についても、必要に応じて適宜確認が必要です。
・従事する日本人と同等以上の報酬であることが必要です。
昇給面を含めて,日本人大卒者・院卒者の賃金を参考とします。家族の滞在や在留期間
・家族の滞在について
特定活動46号を指定された者の扶養を受ける配偶者又は子については「特定活動」(本邦大学卒業者の配偶者等)の在留資格で,日常的な活動が認められます。
・在留期間について在留期間は,5年,3年,1年,6月又は3月のいずれかの期間が決定されますが,原則として,「留学」の在留資格からの変更許可時,及び初回の在留期間更新許可時に決定される在留期間は,「1年」となります。N1とは?何が必要?
N1とは
N1とは、日本語能力試験のレベルを表す指標です(N1~N5)。
N1レベルは一番難しいレベルであり、幅広い場面で使われる日本語を理解することが求められます。
N1レベルの認定目安を【読む】【聞く】という言語行動で表しており、下記に詳細を記載します。【読む】
・幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章などを読んで、文章の構成や内容を理解することができる。
・さまざまな話題の内容に深みのある読み物を読んで、話の流れや詳細な言語意図を理解することができる。【聞く】
・幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる。
(引用元:日本語能力試験JLPT)N1の必要性
前述したように「N1」は高い日本語能力があることの指標となります。
特定活動には「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」が求められ,雇用主などからの作業指示を理解し,自らの作業を行うだけの受動的な業務だけではなく,いわゆる「翻訳・通訳」の要素のある業務や,自ら他者と交流を図る際に必要となる日本語能力が必要です。 そのため、日本語能力試験「N1」を取得することが特定活動46号の業務を行う上での必要な要件の1つとなります。N1は必ず必要なの?
特定活動46号の業務を行う上で、高い日本語能力が必要とされています。よって、対象となる外国人は以下の2つの要件を満たす必要があります。
・学 歴 :「日本の4年制大学を卒業、及び大学院を修了して学位を授与されていること」
・日本語能力:「日本語能力N1またはBJTビジネス日本語テスト480点以上取得」学歴に関しては、4年制の大学もしくは大学院が対象となるため、日本語学校や短期大学、専門学校は対象外となります。たとえ外国の大学、大学院で日本語を専攻した場合においても、併せて日本の大学・大学院を卒業・終了する必要があります。
大学、大学院の卒業が必要という厳しい制限ではありますが、ガイドラインより、
「大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方については,試験を満たすものとして取り扱う。」
と記載があるため、日本語学科で大学や大学院を卒業した場合は、日本語能力試験は不要となります。
また、日本語能力試験についても、BJTビジネス日本語テスト480点以上もしくは日本語能力試験の旧制度である「1級」で、日本語能力N1と同等として要件を満たすことができます。特定活動46号は現実的でない
特定活動46号 デメリット
日本語学科の大学または大学院を卒業した方や、上記のN1に代わる試験の合格者以外の方については、特定活動46号の資格を得るためには「N1取得は必須」です。つまりごくまれなケースを除いて、特定活動46号の資格取得には日本語能力試験「N1」が必要だということになります。
日本で生まれ育った日本人であってもN1の取得は難しいと言われています。ましてや外国人にとってN1の取得は至難の業です。N1取得を基準とする特定活動46号はとても実情を反映しているとは思えず、現実的ではない在留資格だと言えます。
この特定活動46号のN1基準については、上記の理由で多くの方々が不満を持っています。日本政府に対して外国人材政策に関する政策提言を行う団体がいくつかありますが、実際にこのあまりに厳しすぎて現実的でない特定活動N1に関する条件緩和がすでにいくつか提言されているほどです。特定活動46号 メリット
- アルバイトとして雇用していた外国人をそのまま正社員として雇用可能
- アルバイトとして雇用していた外国人をそのまま正社員として雇用可能
- 日本文化、習慣を理解していて、日本語でのコミュニケーションも取れる
- 日本人と同じ採用活動、雇用管理で採用が可能(在留資格の申請、更新は除く)
- 在留資格を更新すればほぼ無制限に雇用可能
★まとめ
今回、特定活動46号について解説してきました。その上で日本語能力試験「N1」が必要なのかどうかも加えて説明しました。
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特定活動46号が新たな創設されましたが、あまりに厳しすぎる「N1条件」により、普及は限られることになるでしょう。今後さらなる外国人雇用の拡大を日本政府が考えているなら、早急にN1条件を緩和するべきです。
日本政府が正しい判断をすることを願ってやみません。- 2022.05.17外国人材雇用の助成金・補助金制度の解説
目次
こちらの記事では、「助成金」「補助金」の基本的な情報についてまとめています。
この制度は、外国人材を雇用する企業のためにある制度ですので、ぜひ活用していただきたいです。
各制度の管轄機関から通知がくるわけではないので、知らずに助成金や補助金を受給しなかったというのは非常に勿体ないことです。
この記事を読んで少しでもこれらの制度について理解していただければと思います。まず注意していただきたいのは、 外国人を雇用したからといって助成金・補助金が必ず受給されるわけではありません。
様々な条件をクリアする必要があり、補助金は倍率が高いため補助を受けられない可能性もあります。
また、助成金・補助金の中でも目的によって種類があるので申請要件と企業の状況などと照らし合わせて申請する必要があります。1. 助成金・補助金の違い
助成金と補助金を同じ制度だと認識される方もいますが、管轄する機関が違うため制度内容も異なってきます。
ただ、どちらも原則返済義務がないことは共通しています。助成金とは
厚生労働省が管轄しており、財源が雇用保険から成り立っているため雇用保険に加入している企業が対象となります。
外国人を採用すると、言語や文化の違いから様々なトラブルが発生する可能性があります。外国人が問題なく働ける就労環境の整備や、外国人労働者の雇用安定に取り組む企業を助成することが目的です。
申請要件を満たせば助成金は交付されます。補助金とは
経済産業省や地方自治体が管轄しており、法人税を財源としています。
補助金を利用して事業を促進し、公益を創出できる企業への補助が目的です。
補助金は予算が決まっているため、申請期間内に厳しい審査を通過しなければなりません。助成金よりも種類が豊富で支給額も高いため、申請する事業者も多く受給のハードルが高いです。助成金 補助金 管轄 厚生労働省 経済産業省、地方自治体 目的 雇用の安定、人材育成 事業の促進による公益の創出 財源 雇用保険 法人税 難易度 低い 高い 返済義務 原則不要 原則不要 2. 助成金の種類
ここでは、外国人を雇用している企業の方が主に活用する助成金の種類についてご紹介します。
といってもこれだけの助成金制度があると調べたりするのも大変ですよね。
ですが、これらの制度は定期的に内容が変わっていたり、特に現在のように新型コロナウイルスの影響が考慮されていると以前とは異なる内容になっていることがあります。
そのため助成金の利用を考えた際は、必ず厚生労働省などの公式HPでチェックしましょう。
厚生労働省:事業主の方のための雇用関係助成金- 雇用調整助成金
- キャリアアップ助成金
- 業務改善助成金
- 人材開発支援助成金
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
- トライアル雇用助成金
- 中小企業緊急雇用安定助成金
- 労働移動支援助成金(再就職支援コース)、労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
- 中途採用等支援助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
3. 助成金申請のための基本条件
助成金にはさまざまな種類があります。
それぞれ申請要件や支給額が異なりますので、条件を細かく確認をして申請をするようにしてください。
ここでは、各助成金の共通する基本条件をご紹介します。- 雇用保険に加入済み、もしくは加入予定
- 三親等を除く、従業員を1名以上雇用している
- 風俗営業等関係の事業ではない
- 不法就労の外国人を雇用していない
- 直近6ヶ月以内に会社都合の解雇をしていない
- 過去3年間に助成金の不正受給をしていない
- 過去1年間に労働基準法に関する違反をしていない
特に注意したいのは、「不法就労の外国人を雇用していない」というものです。
近年、外国人が日本で働くというのは当たり前になってきました。
その分、外国人労働者などの悪いニュースも取り上げられやすくなったことで、出入国在留管理庁や警察も外国人の在留カードの確認は厳しくなっています。
不法就労や在留カードの偽造などの事件が多発しています。
不法就労で会社に勤めていたことが分かると企業にも罰則が与えられるため、信用問題にも関わってきます。
外国人の在留カードの確認というのは1番重要なことなので覚えておいてください。4. 助成金を活用するための注意点
外国人を雇用しても助成金が必ず受給されるわけではない
冒頭でもお伝えしましたが、外国人を雇用しても全ての企業が対象になるわけではありません。外国人の雇用を対象とした助成金制度は多いですが、それぞれに細かな条件が設定されています。 また、制度内容は変わる可能性もあるので助成金制度に頼りすぎるのも注意が必要です。
助成金の受給を取り消される場合
申請要件をクリアし、助成金を受給した後であっても、助成金の対象期間に支給対象者が休業や離職をした場合、申請を調整・取り消す必要があります。
助成金は補助金よりも受給のハードルは低いですが、しっかりと審査は行われるので書類の準備は非常に大変です。 受給されたが申請が取り消しになるのは、今までの手続きが無駄になってしまうの で注意してください。不法就労の外国人を雇用していることが発覚すると罪になる
助成金の申請をする際に、不法就労の外国人を雇用していることが発覚する可能性があります。
故意に不法就労の外国人を雇用している企業の方は申請しないと思いますが、企業が認知していないところで不法に働いていた、在留期限が切れている、などのことが起きると企業側に罪が問われることがあります。
外国人を雇用する際は、定期的に指導などを行うとトラブルを防ぐことができます。5. 補助金について
補助金は、助成金と異なり予算が決まっているため、申請期間内に申請をして厳しい 審査を通過する必要があります。 管轄が経済産業省や地方自治体のため、地域によっても補助金制度の内容が異なりますので、ホームページを確認してください。 また、補正予算が組まれた場合は、二次募集を行う可能性もあるので随時、経済産業省や地方自治体のホームページを確認しておくと良いです。
以上が「助成金」「補助金」の基本的な情報でした。
これらの制度を活用して、より外国人の働きやすい環境作りや事業の促進に役立ててください。- 2022.05.11外国人労働者に社会保険は適用される?
目次
社会保険とは、今後生活に何かがあった際に備えるための保険制度です。
会社員として働く日本人は、当然のように社会保険に加入していると思います。
では、それが外国人の場合はどうなるでしょうか。
日本人とは異なる制度もありますので、ご説明いたします。
1.外国人も社会保険に加入する必要がある?
日本で働く外国人も基本的に社会保険の加入義務があります。
しかし、例外となる場合もあるので詳しくご説明します。まず、外国人に必要な社会保険は4つに分けられます。
- 厚生年金保険
- 健康保険
- 労災保険
- 雇用保険
厚生年金保険と健康保険は、セットで加入する必要があります。
そのため、健康保険は加入するが厚生年金保険は加入しないなどはできません。
また、外国人にとって社会保険が給与から天引きされた場合は、納得がいかないことも多いようです。
トラブルになる可能性もあるため、なぜ支払う必要があるのかを理解してもらうことが大切です。2.外国人でも社会保険の加入は求められる
2019年に施行された「特定技能」制度ですが、現在では介護業界などを筆頭に多くの特定技能外国人が日本で働いています。
比較的、新しい制度ということもあって制度を理解しきれていない方も多いのではないでしょうか。
そのため、社会保険に関する問題が数多く起こっています。外国人にも社会保険の加入義務がある
外国人も一定の条件がある企業では社会保険の加入が義務付けられています。
近年、特定技能外国人が社会保険に未加入だったことで、病気やケガの際の費用負担を巡り大きな問題になってきました。
国会でもこの問題が取り上げられるようになり、厳しい摘発が行われるようになりました。社会保険に未加入・滞納すると在留資格がおりない
特に多発しているのが、外国人が留学生の頃に社会保険を未納していたことで、特定技能の在留資格がおりないことです。
外国人は留学生の頃、資格外活動許可を得てアルバイトをしている人は多いです。その際に、社会保険料を未納だったことが特定技能の在留資格認定証明書交付申請時に判明します。
そうなると、特定技能の試験に合格していても、特定技能の在留資格認定証明書が不交付、つまり在留資格がおりないということが起きています。
そのため、在留資格が更新できない外国人が多発しているため、過去にアルバイトなど仕事をしてきた外国人が社会保険を納付していたかはしっかり確認する必要があります。
また、出入国在留管理庁では「社会保険に未加入・滞納が続くと、外国人の在留資格の更新を許可しない」とも言っています。社会保険の未加入は事業者の責任
会社で働くようになれば、基本的に社会保険は給与から天引きされるため、外国人が支払わないというよりは、会社側で負担する保険料が遅延する、長期間滞納するということになります。
そのようなことが起こると、外国人の在留資格の更新を認可しないという流れになっています。
また、日本人は当たり前に社会保険に加入している人が多いですが、外国人にとっては大きな出費となります。
そのため、なぜ社会保険に毎月お金を払わなくてはいけないのかと思う外国人も多いです。
その際は、会社側がなぜ社会保険が必要なのか、未加入だとどうなるのかを教えてあげて納得してもらうようにしてください。特に在留資格が更新できないというのは、母国から1人で日本に働きに来てくれた外国人にはとても苦しい状況であり、会社側としても多くの時間と費用をかけて採用したことが無駄になってしまいます。
何より、社会保険の未納・滞納などが起こると会社側の大きな責任ととらえられ信用を失う可能性があります。
そのようなことがないように特定技能外国人を含め、外国人の社会保険加入というのをしっかり理解していただきたいと思います。3.厚生年金保険・健康保険
厚生年金保険と健康保険は、強制適用事業所に指定されている会社の場合、国籍問わず全ての雇用者が加入対象となります。
また、先程も説明したように厚生年金保険と健康保険はセットと考えてください。なぜ外国人はもらえない年金を支払うのか?
厚生年金保険は国籍問わず、厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する人は全員加入対象となります。
外国人でも未納であると、日本人と同様に催促状が届き、期日までに支払わないと延滞金の発生や差し押さえが入ることもあります。
しかし、外国人からすると「いずれ母国へ帰ったら年金をもらえないのではないか」「母国でも年金保険を支払っているため負担が大きい」と不安になります。それでも日本政府が外国人に年金を支払うことを義務付ける理由は、日本の少子高齢化社会にあります。
数年前から日本の少子高齢化は問題になっていましたが、今後それが大きく改善する可能性は低いです。
2025年には65歳以上の方1人を20歳~64歳までの方1.8人で支えることが想定されています。
約2人の現役世代が1人の高齢者を支えるというのは、非常に厳しいものがあります。
日本政府は少しでも多くの年金を確保するため、数年で帰国する予定の外国人に対しても年金支払い義務を課しています。厚生年金保険を免除する制度
このように日本側が年金だけ支払ってもらい、外国人には還元しないというのは外国人にはあまりに不利な制度です。
そのため外国人に不利益が生じないために、厚生年金保険を免除できる方法があります。社会保障協定
外国人が母国で年金保険に加入している場合、日本でも厚生年金保険に加入すると二重払いなってしまいます。
日本では、年金を受給されるためには一定期間年金を支払う必要があるため、一定期間以前に帰国してしまう外国人は保険料を掛け捨てになるという不利益が生じます。
このような問題が起こらないための制度が「社会保障協定」です。
以下を目的として締結しています。- ・「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
- ・年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)
社会保障協定している国
2022年5月時点での、社会保障協定の発効状況は以下の通りです。
23か国と協定を署名済み、うち22か国は発効済みです。協定が発効済みの国 署名済み未発効の国 - ドイツ/スペイン
- 英国/アイルランド
- 韓国/ブラジル
- アメリカ/スイス
- ベルギー/ハンガリー
- フランス/インド
- カナダ/ルクセンブルク
- オーストラリア/フィリピン
- オランダ/スロバキア
- チェコ/中国
- フィンランド/スウェーデン
- イタリア
社会保障協定の内容は、基本的に各国共通していますが、制度内容が多少異なる国もあるためこちらをご確認ください。
協定を結んでいる国との協定発効時期及び対象となる社会保険制度脱退一時金
社会保障協定をご説明しましたが、世界195か国(日本含めず)ある中の23か国しか対象となりません。
これらの国以外の外国人は年金を掛け捨てにすることになってしまいます。あまりにも対象者が少ないですよね。
そのような方を防ぐための制度が、「脱退一時金」です。国民年金・厚生年金保険の被保険者の資格を喪失し帰国した場合、(一時帰国も含む)日本の住所を有しなくなった日から2年以内に脱退一時金を請求できる制度です。
会社を辞めたあとの話になりますが、ぜひ外国人にこのような制度があることを教えてあげてください。
厚生年金保険の脱退一時金支給要件
厚生年金保険の脱退一時金の支給要件は以下のとおりです。
- 日本国籍を有していない
- 公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でない
- 厚生年金保険(共済組合等を含む)の加入期間の合計が6月以上ある
- 老齢年金の受給資格期間(10年間)を満たしていない
- 障害厚生年金(障害手当金を含む)などの年金を受ける権利を有したことがない
- 日本国内に住所を有していない
- 最後に公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない
(資格喪失日に日本国内に住所を有していた場合は、同日後に初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)
厚生年金保険の脱退一時金の支給額
厚生年金保険の脱退一時金の支給額は以下の計算式で算出されます。
「被保険者であった期間の平均標準報酬額×支給率(保険料率×2分の1×支給率計算に用いる数)」脱退一時金の受給方法
2021年4月から制度が変わりました!
脱退一時金は1回で3年分までしか受給されませんでしたが、これからは5年分まとめて受給することができます。
しかし、2021年4月1日から1ヵ月以上年金に加入した人が対象なので注意してください。何が変わった?
加入期間 2021年3月まで 2021年4月以降も継続 受給年数 1回で3年分まで受給できる 1回で5年分まで受給できる 受給方法 - 5年分の脱退一時金を受給するためには、2回に分けて受給する
- 3年分までであれば1回で受給可能
- 5年分の脱退一時金を1回で受給できる
- 今まで通り2回に分けての受給も可能
2021年4月以降、日本で働く期間が5年以上だとしても1回に受給できる脱退一時金は5年分になります。
下記の場合であれば脱退一時金を全て受給できる可能性があります。- 例:①技能実習1号・2号が終了し、一時帰国したため脱退一時金を(3年)受給
- ②特定技能1号が終了し、帰国したため脱退一時金を(5年)受給
健康保険が対象となる事業所とは
強制適用事業所
強制適用事業所と認定された会社は、厚生年金保険・健康保険の加入が義務付けられています。
どのような条件で強制適用事業所と認定されるのでしょうか。- 従業員が1名の会社であっても、雇用主が法人の場合
- 記16業種で、常時5人以上の従業員を使用する事務所
- 製造業
- 土木建築業
- 鉱業
- 電気ガス事業
- 運送業
- 清掃業
- 物品販売業
- 金融保険業
- 保管賃貸業
- 媒介周旋業
- 集金案内広告業
- 教育研究調査業
- 医療保健業
- 通信報道業
4.労災保険
仕事中、通勤中に病気やケガをした場合、治療費が保証される保険ですね。
労災保険は、原則として従業員を1人以上雇った場合は必ず加入しなければなりません。労災保険が適用される人
日本の会社で働く外国人は、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態を問わず全ての人が対象となります。
日本で就労可能な在留資格を持っている人はもちろん、資格外活動許可でアルバイトをしている外国人も対象となります。
しかし、ここで注意したいのは雇用した外国人が不法滞在者であっても労災保険は適用されることです。
雇用者が不法滞在者ということを知らなくても適用されます。また従業員を労災保険に加入させる義務は会社側にあります。
そのため、未加入の際に労災事故が発生した場合、期間を遡って保険料を徴収され、さらに労災保険から給付を受けた金額の100%または40%を事業主から徴収されることになります。
外国人だからといって労災保険に未加入ですと、会社側にペナルティが課されるので注意してください。5. 雇用保険
外国人でも日本人でも雇用保険の加入条件は変わりません。
以下の条件を満たす場合は原則加入する必要があります。- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 31日以上の雇用見込みがあること
31日に満たない雇用契約でも、更新の可能性がある場合は雇用保険の対象に含まれます。
雇用保険の適用除外
上記の適用条件を満たさない人はもちろんですが、雇用保険が適用除外される外国人条件があります。
全日制教育機関に通う学生(昼間部)
「留学生」の在留資格で資格外活動許可を取得してアルバイトなどをしている外国人のことです。
週28時間以内の就労となっていますが、20時間以上働いても雇用保険は適用されません。(卒業見込み証明書があり、その後も就職して働く場合は加入義務あり)
通信制、夜間部の教育機関に通う学生は雇用保険の加入が必要になるので、学生の通う教育機関をしっかり確認しましょう。ワーキングホリデー
ワーキングホリデーとして来日する外国人は「特定活動」という在留資格を取得します。
ワーキングホリデーは、基本的に在留目的は「就労」ではなく「休暇」と見なされるため、企業で就労しても雇用保険の必要はないと判断されます。以上が、外国人労働者の社会保険についての説明でした。 外国人は給与から引かれる税金について細かく聞く人も多いです。 特に、厚生年金は少し複雑なので注意してください。 法律だからと言って、説明しないと外国人は不安になってしまうので、社会保険について納得できるような説明をしてあげると良いです。
- 2022.05.11外国人の人材紹介会社、人材派遣、請負契約について
目次
外国人を採用するにあたって、人事の方は人材紹介会社や人材派遣会社の利用を検討している企業もあるかと思います。
人材紹介と人材派遣を同じものと考える方もいますが、会社の仕組みや事業内容、サービス内容は全く異なります。
それぞれ特徴があり、在留資格や職種によっては派遣雇用が禁じられている場合もありますので注意が必要です。
ここでは、自社にマッチした人材を採用していただくために各制度や体制について詳しく説明していきます。1.人材紹介会社の定義と役割
人材紹介会社とは、厚生労働大臣から許可を受けた民間の「有料職業紹介所」のことです。
人材採用をしたい企業と、企業で働きたい求職者のマッチング(仲介)を行い、両者の雇用契約成立をサポートするサービスを提供しています。
人材紹介会社の役割は、就職先を紹介するだけではありません。
求職者が希望する業種や職種を把握し、それぞれの適正を見極めたうえで最適な企業を紹介しています。
マッチングから選考のサポートまでを行い、雇用契約は企業と求職者との間で結ばれるため、採用活動を支援するサービスという位置づけです。2.人材紹介会社サービスの種類
2-1 一般紹介・登録型
人材紹介会社が募集した登録者の中から、企業からの依頼に沿う登録者を紹介するサービスです。
幅広い職種・業種を取り扱う「総合タイプ」、特定の専門職種・業界に特化した「専門タイプ」があります。
多くの人材紹介会社はこの形態のため、人材紹介会社サービスの種類について詳しく記述がない場合は一般紹介・登録型のケースが多いです。2-2 サーチ型(エグゼクティブサーチ・ヘッドハンティング)
一般紹介・登録型のように登録した求職者の中から人材紹介すると同時に、海外の学校との提携・他社の人材データベース・SNSなどを活用して人材を探します。
ヘッドハンティング・スカウトと呼ばれることがあります。2-3 人材派遣禁止のケース
技能実習生
技能実習生は人材派遣が禁止されています。
現時点で技能実習2号移行対象職種・作業として85職種156作業が認められていますが、すべての技能実習生は派遣雇用することができません。「農業」「漁業」以外の特定技能外国人
詳しくは次項での内容をご覧ください。
人材派遣会社の外国人材派遣禁止業種
以下の業務が人材派遣では禁止されています。
- 港湾運送
- 建設業務
- 警備業務
- 病院等における医療関係の業務(紹介予定派遣の場合、社会福祉施設の業務をのぞく)
- 派遣先における団体交渉や協定締結など、労使協議の際に使用者側の直接当事者として行なう業務
- 弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務
後ほどで説明しますが、実際には、技能実習生、「農業」「漁業」以外の特定技能外国人を短期で雇用したい場合や、人材派遣が禁止されている業種においては、法令違反回避のために請負契約が多用されています。
3.請負契約の定義とサービスについて
請負契約とは、業務委託の中の1つです。
派遣契約と似ていますが、請負契約は「請負会社」と「発注企業」が「請負契約」を結ぶことです。
簡潔に表すと「成果報酬型」になります。
請負会社が発注企業から依頼を受けた業務を、請負会社管理のもと指揮命令を出し遂行させます。
契約時に定めた内容を納期までに完成することで報酬が得られる契約です。実際には、技能実習生、特定技能外国人を短期で雇用したい場合や、人材派遣が禁止されている業種において、請負契約が使われることが実情です。
注意点としては、業務を依頼した発注企業から請負労働者に直接指示を出すことは禁止されています。
そのため、事前に成果物に対するイメージを明確に伝えておかなければ依頼と異なるものが完成してしまう可能性があります。4.人材派遣会社の定義とシステムについて
人材派遣会社とは、厚生労働大臣から許可を受けた民間の「労働者派遣事業」のことです。
人材派遣を行う「人材派遣会社」と、企業へ派遣され実際に働く「派遣スタッフ」が雇用契約を結びます。
人材派遣会社は業務を委託された企業に対し、派遣スタッフとして労働者を派遣し、派遣先企業の指揮命令のもと業務を遂行するサービスを提供します。
派遣先企業(スタッフを派遣してもらっている企業)は、派遣スタッフに給与を支払わず、人材派遣会社に料金を支払う形になります。
その料金から人材派遣会社が派遣スタッフに給与を支払います。5.人材派遣会社サービスの種類
5-1 一般派遣(登録型)
人材派遣の多くはこの一般派遣に当てはまります。
人材派遣会社に登録した派遣スタッフが、派遣先企業で働くことが決まった時点で、人材派遣会社との雇用関係が成立するシンプルなサービスです。5-2 特定派遣(常用型)
人材派遣会社に直接雇用された正社員が、派遣先企業へ出向して働くというサービスです。
一般派遣と異なるのは、派遣スタッフが働いていないときでも給与が発生する点です。
人材派遣会社に正社員として雇用されているため、派遣先企業が決まっていない期間も雇用元の人材派遣会社が給与を支払います。5-3 紹介予定派遣
一定期間、派遣先企業が派遣スタッフとして人材雇用をします。
派遣期間終了後に、派遣先企業と派遣スタッフが双方合意をすれば、直接雇用ができるというサービスです。6.外国人材サービスの種類
6-1 人材紹介会社の外国人材紹介
外国人を雇用するのと、日本人を雇用するのとでは少しサービスの内容が変わってきます。
外国人の大きな特徴というと「在留カード」があることと「サポートが重視されること」です。
在留カードは少し複雑で、申請するのに時間がかかり、場合によっては申請許可がおりないこともあります。
人材紹介会社で手続きを全て請け負う場合と、そうでない場合があるのでよく確認する必要があります。
在留カードは、外国人にとって非常に重要なものなので、在留期限が更新されていないなどが起こると企業への社会的責任は大きいです。また、外国人は日本で仕事をするだけで精一杯なので、企業のフォローやサポートが非常に大切になります。
家族のように面倒をみる
日本人の場合、仕事は仕事、プライベートはプライベートと個人に干渉しないことが多いですし、その方が良いという風潮さえありますよね。
ですが、外国人にはぜひ親身になっていただきたいです。
祖国から1人で日本に来た外国人は、居場所や人間関係が会社にしかない人も多いです。
日本のことを教えてあげたり、食事に誘ってあげたり、私たちから心を開くと相手も信頼してくれ、仕事もスムーズに進みやすいです。定期的に面談をする
外国人は仕事上の悩み、生活の悩みなど困っていることが多いです。
上司に対してそのようなことを言っていいのかな?と感じて、1人で問題を抱えてしまう外国人もいるので、相談されるのを待つのではなく、積極的にコミュニケーションを取り、ぜひ企業の方から問いかけてヒアリングしてあげてください。多様性を認める
海外の常識が日本では非常識であるように、外国人から見る日本もまた不思議な常識が多くあります。
日本にいるのだから、全て日本のルールに従えと押し付けるのは絶対にダメです。
彼らには彼らの価値観や習慣があります。それを急に抑え込まれると大きなストレスになってしまいます。
守ってほしいルールがある時は、なぜ守る必要があるのかを説明し納得してもらうことが大切です。
転職を防ぐためにも、日本人も外国人も分かり合う姿勢を持つことが重要です。6-2 人材派遣会社の外国人材派遣
先程も記述したように外国人雇用は在留資格をセットで考える必要があります。
そのため、短期的な労働になる可能性のある派遣では、在留資格はどうなるの?という疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、「技能実習」は派遣雇用できません。
また「特定技能」は「農業」「漁業」以外は派遣という形で雇用できません。なぜ、「農業」「漁業」の2業種だけが派遣形態の雇用が許可されているかは以下の通りです。
農業と漁業は、繁忙期の労働力の確保や融通といった現場のニーズに対応するため、派遣形態での雇用が認められています。- 農業と漁業は繁閑が大きく、繁忙期は特に労働力が必要になるため
- 生産物や地区によって繁忙期が異なるため
しかし、全ての農業・漁業企業が対象になるわけではありません。
下記の4つの条件全てに該当しなければなりません。- 1.労働、社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。
- 2.過去1年以内に、特定技能外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないこと。
- 3.過去1年以内に、当該機関の責めに帰すべき事由により行方不明の外国人を発生させていないこと。
- 4.刑罰法令違反による罰則を受けていないことなどの欠格事由に該当しないこと。
6-3 請負契約
前述のように、人材派遣が禁止されている技能実習生、「農業」「漁業」以外の特定技能外国人を短期で雇用したい場合において、外国人材サービス会社が業務請負を行っているケースがあります。
特に規模が大きい飲食料品製造業やその他の製造業において、大規模な業務請負が行われています。7.人材紹介と人材派遣と請負契約との違い
上記の説明から人材紹介と人材派遣には、それぞれの特徴があり全く違う制度だということが分かったと思います。
ここでは、メリット・デメリットを踏まえて2つの違いについて紹介します。人材紹介会社 人材派遣会社 請負契約 サービス 求人要件に該当する人材紹介と採用支援 依頼業務に適したスタッフの派遣 成功報酬型 雇用契約 企業と就職希望者 人材派遣会社と派遣スタッフ 請負会社と請負労働者 料金 年収20%~40%が紹介料の相場 時間単価×派遣スタッフの実働時間 成果による メリット - 入社するまで費用が発生しない
- 採用の時間を短縮できる
基本的に仕事を開始した日から費用が発生するため、内定後に辞退されても費用の問題はありません。
また、外国人が早期退職の場合、返金規定のある人材紹介会社が多いため安心です。外国人を採用するには在留資格の申請など複雑な手続きがあります。
人材紹介会社が手続きを代行、請け負うことが多いため、それらにかかる時間を短縮できます。- 一定期間だけ労働力を確保できる
- コスト削減
派遣形態の雇用のため、労働力の必要な時期にだけ働いてもらうことができます。
各種保険の対応などは人材派遣会社が行うため不要です。
また、人材育成費などは、即戦力となるスキルを持った経験者を雇うことが可能なのでコストも指導する時間も削減することができます。- 長期的な雇用の確保
- 管理する人員を削減
- 多くの職種で雇用ができる
請負契約の場合、業務内容が明確で成果が完了するまで基本的に依頼された業務を行うため、思っていた仕事と違うというミスマッチは起こりづらいです。
指揮命令を出すのは請負会社になるため、企業は指導する社員を割く必要がありません。
派遣禁止の技能実習生、農業・漁業以外の特定技能外国人の短期雇用に利用できます。また派遣禁止対象業種についても利用できます。
デメリット - 人材の質が異なる
- 在留カードなどの手続き
人材紹介会社やその担当者によって、紹介される人材の質が異なります。
スキルの保有や経験値、得意不得意の業種があるため、どのようなスクリーニング基準で人材を紹介しているのかなど事前に確認し要望を伝える必要があります。在留カードなどの手続きを人材紹介会社が行わない場合は注意が必要です。
在留カードに問題があると会社の責任になり、最悪罰せられるケースもあります。- 早期退職者が増える
- 雇用できない場合がある
派遣形態での雇用は帰属意識の低さに繋がります。
そのため、外国人が企業と合わないと思えばすぐに辞めてしまう可能性があります。技能実習生、農業・漁業以外の特定技能外国人は派遣できません。
また派遣禁止対象業種があります。- 業務は人材に大きく左右される
請負契約は、発注企業から直接労働者に指示を出すことができません。
そのため、業務に精通した人を管理者として配置する必要があります。
業務内容を理解し正確な人材でないと、依頼と異なる成果物が完成してしまうことがあります。以上、外国人の人材紹介と人材派遣、請負契約についてご説明いたしました。 それぞれにメリット・デメリットがありますので、企業の業種や状況によって適したサービスを選択してください。
- 2022.05.11特定技能に必要な分野別「技能試験」と「日本語試験」とは?
在留資格『特定技能』の取得の条件では、コミュニケーション能力に必要な「日本語試験」と産業別14分野の専門スキルを図る「技能試験」の合格が必須となります。
特定技能外国人を雇用の際は、条件となる2つの試験の合格者が採用時のポイントとなります。
目次
1.在留資格『特定技能』とは?
『 特定技能』は、日本の少子高齢化に伴い、深刻化の進む企業の人手不足に対応するために2019年4月に設立した新しい在留資格です。
『特定技能』は、同資格が設立以前に設けられた在留資格『技能実習』で問題となった労働と技能実習の2つの活動の定義を明確にすることと、企業での労働条件に基づいた契約と就労が目的となっています。
『特定技能』には『特定技能1号』と『特定技能2号』があります。
『特定技能1号』は、最長で5年の就労が認められており、産業別14分野での就労が可能となっています。
『特定技能2号』は、在留期間の上限はなく、認められているのは建設業と造船・舶用工業のみです。
また『特定技能1号』での活動には、その条件となる「日本語試験」と「技能試験」の2つの試験で合格することが必須となっています。2.1号特定技能に必須の日本語試験
特定技能1号の「日本語試験」では以下の2つの機関での受検が可能となります。
日本語能力試験/国際交流基金日本語基礎テストです。2-1日本語能力試験(JLPT)
日本語能力試験は、日本語を母国語としない外国人の日本語能力を検定するために行われています。
『特定技能』では、N4レベル以上が合格ラインとなります。
日本語能力試験にはN5~N1までのレベル設定があり、N5が簡単でN1難しいレベルとなります。
日本語能力試験のレベル値の参考N4レベルの条件:基本的な日本語を理解できること
- 基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。
- 日常的な場面で、ややゆっくりと話す会話あれば、内容がほぼ理解できる。
試験方法:
マークシート方式で行います。
N4の試験科目と試験時間:
文字・語彙・文法・聴解で試験時間は115分です。(時間は変更することもあります。)
受験手続き:
日本での受検と海外での受検が可能です。
受験予約サイトからIDを取得し申し込みができます。
海外受検可能な地域→ 世界85の国と地域、249都市、
東アジア/東南アジア/南アジア/大洋州/北米/中南米/西欧/東欧/中東/北アフリカ/アフリカ試験日程:
毎年7月/12月の第1日曜日に実施しています。
※現在コロナ禍の影響により、試験日程等の変更がありますので下記HPより確認できます。
日本語能力試験HP、試験日程尚、結果に対する成績証明書の発行はオンラインで申請可能です。
2-2国際交流基金日本語基礎テスト
国際交流基金日本語基礎テストは、外国人が就労と生活面に必要なコミュニケーションに活用できる日本語能力を検定するために行われています。
『特定技能』ではA2レベル以上が合格ラインとなります。
国際交流基金日本語基礎テストでは、A1、A2、B1、B2、C1、C2の6レベルに設定されています。A1がかんたん~C2が一番むずかしいレベルとなります。
国際交流基金日本語基礎テストのレベル値の参考A2レベルの条件:
- ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
- 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
- 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
試験方法:
コンピューター・ベースト・テスティング/CBT:Computer Based Testing方式で行います。各試験場ではパソコンによる試験で、試験の質問は英語または現地語表記から解答することができます。
N4の試験科目と試験時間:
文字と語彙/会話と表現/聴解/読解で試験時間は60分です。
受験手続きと試験日:
日本での受検と海外での受検が可能です。 受験予約サイト からIDで取得し申し込みができます。
試験日程:
※現在コロナ禍の影響により、試験日程等の変更がありますので下記HPより確認できます。
国際交流基金日本語基礎テストHP
海外
日本国内2-3特定技能1号介護にはさらに試験が必要
特定技能1号の14業種の中で、「介護」についてのみ、もう一つの日本語試験である「介護日本語評価試験」に合格する必要があります。 介護職種では、単なる作業だけでなく、利用者(高齢者や障害者)との日本語によるコミュニケーションが必須であり、利用者の命を守る仕事であるため、介護職種だけは特別に「介護日本語評価試験」の合格が課されています。
3.1号特定技能に必須の技能試験
特定技能1号の「技能試験」は、特定技能14分野の産業で活かせる、技術的、専門的な日本語能力の水準を図るための試験となります。
「技能試験」に対応できるための学習は、「日本語試験」では補えない分野別の言語についての知識を広げるために役立ちます。現場での即戦力を求める意味でも必須スキルとなります。
特定技能の「技能試験」は「技能評価試験」とも呼ばれます。3-1「技能試験」の受験資格
※2020年4月1日以降の受験資格の項目- 国籍問わず
- 年齢18才以上
- 学歴問わず
- 在留資格の取得者であること。
- 在留資格の無い不法残留者等では受検は認められていません。
- 短期滞在ビザの取得者でも受検が可能です。
3-2「技能試験」の概要
「技能試験」の試験開催時期や申し込み方法、問題について等は、特定技能14分野別に、試験を監督する機関のHPより詳細を閲覧できます。
4.2号特定技能の試験について
特定技能2号については、特定技能1号を5年経過した後に受験可能ですが、特定技能制度が2019年4月から開始された制度であるため、特定技能2号の開始まで時間があることから、特定技能2号の試験内容についてはまだその内容や受験資格が公開されておりません。
5.日本語向上に必要なコミュニケーション能力
『特定技能1号』の試験で要求されている合格基準のN4またはA2レベルは、必要最低限の基準として設けられたレベルであるため、実際に現場でうまく活かされないケースもありえます。
実践で使える日本語レベルとしては、N3もしくはN2 であれば、職場で一緒に働くときにスムーズな会話が成り立ちます。
日本語が通じにくい場合の対処法としては、外国人の日本語学習時間を増やすことはもちろんですが、企業側の努力も同様に必要となります。
例えば、語学力向上に不可欠なコミュニケーション能力については、外国人採用時のポイントでもあり、とくに特定技能外国人の出身国に多いアジア人の場合、特有のフレンドリーさと積極的なコミュ二ケーション能力は、評価できるスキルとなります。
日本語レベルがN4であってもコミュニケーション能力が際立っていれば、言葉の壁を超えて成立するケースもあります。
とかくコミュ二ケーション下手と言われる日本人にとっては、職場での外国人との連携には、持っている潜在的な能力にも目を向けることも大切です。★さいごに
在留資格『特定技能1号』の外国人雇用の場合には、取得条件となる「日本語試験」と「技能試験」の合格が必須となります。また、日本語能力に不可欠なコミュ二ケーション能力も大事なスキルであり、合わせて特定技能外国人に対しての採用ポイントとして考慮することも重要です。
さらに、各国それぞれのお国柄を踏まえた積極的な国際交流は、外国人従業員の日本語能力向上に繋がるでしょう。
現在コロナ禍の影響による試験日程の変更がありますので、特定技能外国人の受け入れ予定の際には、採用スケジュールに合わせて確認、検討すると良いでしょう。- 2022.05.11特定技能外国人の受入れ・所属機関になるためには?基準は?
日本で深刻化する人材不足。
この問題を解決するため、2019年4月に特定技能制度が開始されました。2021年3月末時点、日本に在留する特定技能1号外国人は計22,567人。政府は2019年度から5年間で34万5,150人を在留上限としており、上限に対する現在の充足率は6.5%です。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、当初の政府想定と比べ進捗は芳しくありません。
また事業者の皆さまは、申請や審査の煩雑さを危惧していらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、特定技能制度をより身近なものとするため、制度を活用するにあたり知っておきたい情報をまとめました。
目次
特定技能制度の対象となる産業分野
前提として、特定技能制度は全ての事業者が利用できるわけではありません。
制度の対象は、以下の14分野を取扱う事業者に限られます。介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業また、制度を活用する事業者は各産業分野の協議会への入会が必須です。
分野によって入会期限は異なります。申請前に入会が必要な分野、逆に雇用後4カ月以内に入会すればよい分野などです。協議会は、制度の周知や法令順守の啓発、採用事例の情報提供やセミナーの開催などを行っています。有益な情報を受け取るためにも、事前に協議会へ入会することをおすすめします。協議会ごとウェブサイト上に入会窓口があるので、まずは当該協議会へ入会しましょう。入会については下記の記事を確認してください。おすすめ記事全業種|特定技能「協議会」の費用、加入方法、加入義務
「特定技能の協議会って何?加入が必須?」など気になる方も多いのではないでしょうか。特定技能外国人を雇用した場合、「協議会」への加入が必要です。この記事では、加入に必要な費用と加入方法を中心に解説していきます。
受入れ機関(所属機関)に求められる4つの基準
受入れ機関とは、特定技能外国人を雇用する事業者を指します。特定技能所属機関とも称されます。受入れ機関(所属機関)は次の4点を満たす必要があります。
●受入れ機関(所属機関)が外国人を受け入れるための基準
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切
- 機関自体が適切
- 外国人を支援する体制があり
- 外国人を支援する計画が適切
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
雇用契約が適切
当然ですが、雇用条件に不当な内容がある場合は問題です。特に外国人雇用には注意が必要です。雇用契約を締結する際に気を付ける点は次の通りです。
- 日本人と同等以上の給与を支払うこと
- 日本人と同等の労働時間であること
- 福利厚生などの待遇に差別的な取扱いをしないこと
- 一時帰国を希望した場合、休暇取得を許可すること
- 契約終了の際は帰国費用を代弁すること(外国人が負担できない場合)
- 外国人の健康や生活状況を把握すること など
注目する点は、外国人・日本人間の待遇に差を設けないことです。特定技能外国人の方々は即戦力です。技能実習2号の修了者、または技能試験を通過した方が対象です。そのためすぐに働けるだけのスキルがあります。安易に「日本人より手軽に、低賃金で雇用できる」という考えは誤りです。あくまで日本人を採用する場合と、本質的には変わらない点を押さえておきましょう。
- 1年以内に外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
- 1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
- 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないことなど)に該当しないこと
- 保証金の徴収や違約金契約を締結していないこと
- 支援に要する費用を外国人に負担させないこと など
要点は、法令を遵守し、外国人が安心して働き続けることができる事業者であるかどうかです。2019年には、技能実習生の失踪者数が年間8,796人に達しました。失踪の要因の多くは、賃金の不払いなど経済的事情であると公表されています。このため、受入れ機関は失踪者を発生させた過去や、発生させる要因がないことを求められます。
受入れ機関(所属機関)自体が適切
それでは事業者は、外国人の受入れ前にどのような準備をすればいいでしょうか。事業者が受入れ機関として妥当と判断される要件は、主に次の通りです。
外国人を支援する体制
受入れ機関が整えるべき支援体制とは、どのようなものでしょうか。特に、外国人を初めて採用される事業者ではノウハウがないため管理等に戸惑うかもしれません。支援体制についても基準あり、主なものを挙げていきます。
- 役職員の中から、支援業務を適正に実施できる支援責任者および支援担当者を選任していること
- 外国人が十分に理解可能な言語で支援を実施できる体制を有していること
- 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
- 支援責任者または支援担当者が、外国人とその監督者に対し定期的な面談を実施することができること など
まず、外国人が得意な言語での対応が必要です。悩みがあったり困りごとがあったりすると、日本人でも日本語で上手く話せないことがあります。同様に外国人にとっても、母国語や得意な言語でしか話せない場合があるでしょう。
しかし英語であればまだしも、ベトナム語やタガログ語が必要となると話は変わります。通訳を用意することも難しくなってくるかもしれません。
そこで、各種支援については登録支援機関に委託することが可能です。支援については一部のみ委託することも可能ですが、全部委託することで支援体制に関する基準は満たしたものとされます。自社でのサポートは難しいと感じる場合、ぜひ登録支援機関の活用を検討してみてください。
外国人を支援する計画
さて、受入れにふさわしい体制が整ったあとは、具体的な支援計画を作成します。制度申請の際、他の申請書類と合わせて計画書の提出が必要です。次の通り記載する点が決められています。
支援計画の主な記載事項
- 支援責任者の氏名および役職など
- 登録支援機関(登録支援機関に委託する場合のみ)
- 次の10項目
- 事前ガイダンス
雇用契約締結後、労働条件や活動内容、入国手続きや保証金徴収の有無などについて対面やテレビ電話で説明します。 - 空港への送迎
出入国時に空港までの送迎を行います。 - 住居確保・生活に必要な契約の補助
連帯保証人になることや、社宅を提供します。また銀行口座開設や携帯電話、ライフラインなどの契約補助も含まれます。 - 生活オリエンテーション
日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応方法等について説明します。 - 公的手続きなどへの同行
住居や社会保障、税などの手続きに同行し、書類の作成を補助します。 - 日本語学習の機会の提供
日本語教室の案内や日本語学習教材の情報提供などを行います。 - 相談・苦情への対応
職場や日常生活での相談・苦情などについて、外国人が理解できる言語で助言をします。 - 日本人との交流促進
自治会での交流や地域の行事への参加補助を行い、日本人との交流を促します。 - 転職支援(人員整理などの場合)
受入れ側の都合により雇用を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成、求職期間中の有給休暇の付与や行政手続きについての情報提供をします。 - 定期的な面談・行政機関への通報
支援責任者などが外国人とその監督者に対し、3カ月に1回以上の頻度で面談します。労働基準法違反などがあれば、速やかに行政機関に通報します。
- 事前ガイダンス
上記のように、入国から普段の生活まで全て補助するといっても過言ではありません。
それだけ外国人の採用には注意を払わなければいけないということです。
しかし2-3.でも触れた通り、支援の実施にあたっては登録支援機関に委託が可能です。事業者の状況に応じて、委託も選択肢の一つに含むとよいでしょう。まとめ
この記事では、特定技能制度の受入れ機関(所属機関)が要求されることについて説明しました。受入れ機関を目指す皆さまに、特に押さえていただきたいポイントを再掲します。
- 給与をはじめとした雇用契約は、日本人と同等またはそれ以上に取扱うこと
- 法令を遵守し、外国人が安心して働ける事業者であること
- 出入国から日常生活に至るまで、サポートする体制と計画をきちんと整えること
- 支援体制および計画に不安がある場合は、登録支援機関に委託できること
外国人がいくら事前に勉強したとしても、異なる文化や言語に戸惑うことは考えられます。その場合に頼ることができるのは、ホストである事業者の皆さんです。制度自体を難しいと感じるかもしれませんが、本記事を通じて少しでも採用イメージが描ければ幸いです。
事業者と外国人の双方にとってより良い制度となるよう願っています。出典
法務省 出入国在留管理庁「特定技能1号在留外国人数(令和3年3月末現在)」
法務省 出入国在留管理庁『在留資格「特定技能」について』
法務省 出入国在留管理庁「技能実習制度における失踪問題への対応について」
- 2022.05.11特定技能外国人支援|生活オリエンテーションの内容とは
特定技能外国人支援の生活オリエンテーションはどんなことを行うかご存じでしょうか?
1号特定技能外国人を受け入れるためには、雇用企業や外国人に対して、定められた支援を行わなければいけません。
そこで、こちらの記事では特定技能外国人への支援について詳しく紹介していきます。
こちらの記事では、以下のような悩みを解決することができます。・生活オリエンテーションとは?
・生活オリエンテーションはどのくらいの時間実施すればいいのか?
・生活オリエンテーションってどんなことを行うの?
・生活オリエンテーションはどのようにして行うの?
それでは、一つずつ見ていきましょう。
是非最後までご覧ください。目次
特定技能外国人支援・生活オリエンテーションとは?
特定技能外国人労働者のために必要なオリエンテーションとは、特定技能1号外国人労働者と呼ばれる人たちが日本で快適に生活できるように、問題なく労働ができるように必要な情報を提供するために行うオリエンテーションです。
簡単に説明すると、日本で生活する上でトラブルが起きないように、仕事や生活面でルールを事前に伝えることを指します。
急に違う国に来た場合、生活習慣や法律など、様々なことが自国と異なります。
そのため、正しい知識を付けた上で労働するためにも必ず必要になりますので、しっかり説明することが大切です。
生活オリエンテーションには様々なルールがあり、特定技能外国人の人が分かりやすい言葉で最低8時間以上行う必要があります。
8時間未満の場合は、適正にオリエンテーションが実施されていないと判断されるため、認められないケースが多いです。
言語に関しては、日本語でも外国語でも問題はありません。
大切なのは、相手がしっかりと理解できる言語で話すことです。
実施後は「生活オリエンテーション確認書」の資料に特定技能外国人のサインと説明者のサインを記入し、出入国在留管理庁に提出する必要があります。
また、8時間以上のオリエンテーションが終了した後も、定期的に生活オリエンテーションを実施することが大切になります。
日本のことを8時間程度で全て学べるわけではありませんので、特定技能外国人にとってはとても難しいですよね!
では、ここからは特定技能外国人支援・生活オリエンテーションについてもっと掘り下げて紹介していきます。オリエンテーションの具体的な内容
特定技能1号外国人に対する生活オリエンテーションの具体的な内容は法的に全て決まっています。
特定技能1号外国人向けに行われている、生活オリエンテーションの詳細を詳しく解説していきます。生活一般に関わる支援
以下の説明や支援が必要です。
日本で生活する上必要な金融機関の利用方法
ATMでの引き出しや振り込みの方法、利用可能時間や手数料について説明します。
口座開設や閉鎖方法についても確認しておきましょう。
また、外国人労働者は母国に住む家族に送金するケースが多いので、海外への送金方法等についても説明してあげると丁寧です。医療機関の利用方法
病院の受診方法や、会社や寮の近くの病院の確認や情報の共有をします。
病院に行くときには必ず健康保険証を持って行くこと、持っていない場合受診した当日は全額負担になることの説明も必要です。
アレルギーや宗教上の理由で治療に制限がある場合は医療機関に必ず伝える必要がることも説明します。交通ルール
歩道を歩く時、自転車、オートバイ、自動車を運転するときのルールを細かく説明します。
具体的な内容は以下の通りです。
- 歩道や路側帯がない道路では歩行者が右側通行、車両は左側通行で基本的に自転車や自動車より歩行者が優先であること
- 自転車を使用する際、自転車損害賠償責任保険の加入が義務付けられている自治体もあるので、確認して、必要であれば加入することと加入方法
- 自動車、オートバイを運転するには必ず運転免許が必要であることと運転免許の取得方法
- 横断歩道や踏切の渡り方
- 信号機の青信号や赤信号の指示に従うこと
交通機関の利用方法
会社や寮からよく利用する電車やバスの交通手段の利用方法を説明します。
通勤で公共交通機関を使う場合は乗り方や行き方など細かい点まで説明してください。また通勤定期やSuicaなどの購入方法や利用方法の説明mの必要です。生活ルールやマナー
ゴミの分別、出し方、収集の曜日、粗大ごみの捨て方など住んでいる地域のルールを説明しましょう。
また夜大声を出したり、騒いだりすると近所迷惑になること、街中では喫煙場所が決められていたり、歩きたばこを禁止している自治体もあるということも説明しましょう。生活必需品の購入方法
会社や寮の近くにあるスーパーやコンビニ、薬局、家電量販店等がどこにあるのか、自動精算機の使い方など生活必需品の調達に困らないように説明しましょう。
災害情報の入手方法
災害が起きたときに最新情報を入手できるサイトやアプリを伝えておきましょう。
母国語で情報収集ができるサイトを共有することをおすすめします。おすすめ記事日本の自然災害に備える「在留外国人向け防災情報」の周知・普及に協力を表明
ミャンマー政府認定人材送り出し機関ミャンマー・ユニティでは、内閣府が推進している「災害時に便利な多言語アプリとWEBサイト」の周知・普及に協力を表明いたしました。
日本で違法となる行為の例
日本で違法となる行為や日本に持ち込んではいけないもの、所持していると違法となるものについて説明します。
母国では認められていても日本では認められていないというケースも多いので念には基本的なことでも細かく伝えることが大切です。国・地方自治体に対する手続き方法
以下の説明や支援が必要です。
・雇用されている企業との契約や転入または転出届
・社会保障やマイナンバーなど手続き
・自転車の防犯登録の手続きなど
また、必要に応じて手続きする際に同行することがあります。
相談・苦情に申し出る機関の連絡先
支援してくれる担当者の名前や連絡先、相談また苦情の申し出先として、警察署や騒動基準監督署の連絡先を共有します。
医療体制・機関に関する事項
何かあった時のために、通訳サービスが提供されている病院や連絡先などを伝えます。
こちらの説明する際は、「生活一般に関わる事項」と一緒にまとめて説明すると効率が良いです。防災・防犯、急病時の対処方法
万が一災害が起きた時のために、災害や試験から自分の身を守るための方法や、救急車、警察、消防の呼び方、連絡方法を説明します。
法的保護に関する事項
労働関係法令などで十分な知識を共有することで、特定技能外国人の人が自ら待遇が日本の法律的に問題がないか自分で判断ができるようにします。
これまで生活オリエンテーションで支援すべきことをご説明しましたが、これだけでも8時間だけじゃ全て頭に入りきりませんよね?
日本人からすると、当たり前なことでも、外国人からすると、初めて聞くような内容ばかりです。
さらに、外国人となると全ての日本語が理解できるわけじゃありませんので、できるだけ定期的に特定技能外国人支援のための生活オリエンテーションを行う必要があることが分かったと思います。
上記で紹介した項目は日本で生活する上でとても大切なことになりますので、外国人の人が全て理解できるようになるまで丁寧に説明、支援しなければいけません。生活オリエンテーションを行う方法
特定技能外国人支援のための生活オリエンテーションはこれらの方法で行います。
・対面
・zoomなどによるオンライン
・動画視聴基本的にはこの紹介した上記の方法で生活オリエンテーションを行います。
それぞれ簡単にご紹介します。対面で生活オリエンテーションを行う
対面で生活オリエンテーションを行う場合は、1対1で行う場合と1対複数人で行う場合があります。
これは生活オリエンテーションを行う場所や主催者などによっても異なります。ZOOMなどのオンラインで生活オリエンテーションを行う
zoomなどのオンラインで行う場合は基本的に複数人で行う場合が多いです。
しかし、操作がわからない人もいますので、わかりやすいマニュアルを作成するか、一度対面にて操作方法などを説明する必要があります。動画視聴で生活オリエンテーションを行う
動画視聴で生活オリエンテーションを行う場合は、あらかじめ用意されている動画にて生活オリエンテーションを行います。
動画があればいつでもどこでも視聴することができますので、おすすめです。
しかし、動画の場合は日本語が分からない外国人の人は中々理解に苦しむ場合がありますので、その場合は他の方法で生活オリエンテーションを行うようにしましょう。★まとめ
こちらの記事では、特定技能1号の外国人に対する支援、生活オリエンテーションの詳細などについてご説明してきました。
・特定技能外国人・生活オリエンテーションとは特定技能外国人労働者と呼ばれる人たちが日本で快適に生活できるように、問題なく労働ができるように必要な情報を提供するために行うオリエンテーション
・生活オリエンテーションの内容は法的に決まっている
・生活オリエンテーションは定期的に行われる
・生活オリエンテーションでは日本で生活する上で必要な情報を提供または支援する意味がある
・生活オリエンテーションは8時間以上
・生活オリエンテーションを行う方法は「対面」「zoomなどによるオンライン」「動画視聴」などで行われるこれらの情報が皆さんの役に立てれば幸いです。
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最後までご覧いただきありがとうございました。- 2022.05.11特定技能外国人支援「事前ガイダンス」は何をする?
今回は2019年から始まった外国人在留資格の「特定技能」における「事前ガイダンス」について説明いたします。
こちらの「事前ガイダンス」は特定技能外国人を受け入れるのに実施必須項目となっておりますので、これから特定技能外国人の受け入れを考えられている方はこれを機に、必要な手続きなどを熟知しておきましょう。
目次
- 特定技能の「事前ガイダンス」について
- 「事前ガイダンス」での実施内容
- 「義務的支援」について
- 業務内容、報酬の額、それ以外の労働条件に関連する事項
- 日本において行える活動内容について
- 特定技能外国人の入国に必要となる手続きに関しての説明
- 保証金徴収、違約金を支払うような契約は不可
- 母国送り出し機関に支払いを行っていた場合の金額確認
- 支援費用に関して、特定技能外国人に負担させることは不可
- 入国時に空港から就労場所・居住地までの送迎を受けられる
- 居住する住居に関して、支援を受けられる
- 日常生活、就業環境等に関して相談できる体制を整える
- 特定技能外国人担当者の連絡先
- 「任意的支援」について
- 事前ガイダンス実施の際の注意すべき点
- さいごに
特定技能の「事前ガイダンス」について
事前ガイダンスとは、特定技能1号の在留資格申請の前に、雇用契約等留意すべき事項に関して、特定技能外国人に説明を行うことです。
事前ガイダンスは3時間以上実施することが義務付けられています。特定技能の在留資格認定証明書交付申請の際には、ちゃんと実施されたかの確認があります。
実施方法ですが、対面はもちろんのこと、テレビ電話等の方法も認められています。そのため、日本にいない外国人に対して事前ガイダンスを行う際にはZoom等のオンラインでの実施も可能となっています。
事前ガイダンス実施後は「事前ガイダンス確認書」の資料に特定技能外国人のサインと説明者のサインを記入し、出入国在留管理庁に提出する必要があります。
参考:在留資格「特定技能」に関する参考様式(新様式)|出入国在留管理庁「事前ガイダンス」での実施内容について
事前ガイダンスでの説明事項は「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」に定められています。
項目としては「義務的支援」と「任意的支援」の2種類があり、これから順に解説をしていきます。「義務的支援」について
説明すべき事項は以下の通りとなります。
業務内容、報酬の額、それ以外の労働条件に関連する事項
実際に仕事をしてもらう就業場所にて、従事する作業内容についてや賃金はいくらほど払われるか、ボーナスや昇給があるかどうか、定められている休日・休暇などについて、雇用条件書の内容を雇用する特定技能外国人に対して、説明をしていきます。
日本において行える活動内容について
特定技能外国人は、保持している在留資格で許されている仕事以外はできないとされています。
許可されている仕事以外を実施した場合は、法律により罰せられる可能性がありますので、事前にそのことについて説明を行う必要があります。
特定技能外国人の入国に必要となる手続きに関しての説明
入国前に、いくつかすべき手続きがあります。自国での大使館での手続きやレジデンストラックなどの守らなければいけない規則について、雇用者側は説明をする義務があります。
具体的には以下の手続きがあります。
- 在留資格認定証明書の交付申請
- 証明書受領後に管轄である日本大使館にて査証の申請
- 証明書が交付された日から3ヶ月以内には日本へ入国を行う(新型コロナウイルスによる入国制限対策で現在有効期限の緩和措置が行われています)
などです。
ちなみに、既に在留している特定技能外国人に関しては、在留資格変更許可申請をおこないます。その後、在留カードを受領してもらう旨を説明します。
保証金徴収、違約金を支払うような契約は不可
特定技能外国人に関しては、保証金であったり違約金など、徴収される費目に関わらず、金銭であったりそれ以外の財産の受け渡しは禁止となっています。
ゆえに、保証金や違約金等に関わるような契約を現在時点でしていないということ。さらに、将来にわたってもしてはいけないことを説明し、確認する必要が出てきます。
ちなみに、上記事項に関しては本人だけでなく、その配偶者や同居している家族等も対象になってくるので注意が必要です。
母国送り出し機関に支払いを行っていた場合の金額確認
日本で就労するために、特定技能外国人が自国送り出し機関に対して、金銭を支払っているケースがあります。
支払っていた場合には、支払い費用の有無、支払いをした機関の名前、支払い金額とその詳細、支払った日付を確認する必要が出てきます。支援費用に関して、特定技能外国人に負担させることは不可
特定技能外国人を雇用する際、雇用後に生じる職務上または生活上の支援に関して、雇用した企業が実施する必要があります。
この支援業務の中で、義務的支援に関わる費用を特定技能外国人が負担させることはできません。
雇用した企業が支払いをすることが義務付けられており、雇用側が説明をします。入国時に空港から就労場所・居住地までの送迎を受けられる
雇用者側は到着空港から事業所もしくは入居する住居までの送迎サポートを行う必要があり、その説明も雇用側が行います。
居住する住居に関して、支援を受けられる
特定技能外国人の場合、住居を雇用側が提供する場合がありますが、
その場合は社宅を提供または、新たに事業者が社宅を契約する場合は、事前に事業所までの距離や家賃等の条件面も聞き取りをした上でアパート等を契約するなどします。
特定技能外国人自身が住居を手配する場合は、住宅確保に関する支援を受けることができることを伝えます。日常生活、就業環境等に関して相談できる体制を整える
雇用者側は、特定技能外国人が日常生活や就業環境に対して相談や苦情を伝えるための窓口の設置義務があります。
その際に、相談方法(対面か電話か)や受付時間はいつまでなのか、特定技能外国人に説明を行います。
例えば、月曜日から金曜日の9時から17時まで電話またはメールでの相談を受け入れつけることができると言ったように伝えると丁寧で分かりやすいです。特定技能外国人担当者の連絡先の通知
特定技能外国人の支援を担当する方の氏名やメールアドレスについて事前に伝えておく必要があります。
申請する際の必要情報になるので、注意しておきましょう。
「任意的支援」について
義務的支援とは違って任意となりますが、以下に記載する事項に関しても支援をしていくのが望ましいとされています。
- 日本の気候や季節ごとの服装について
- 本国から持ち込むべきもの、持ち込み可能なもの、不可なもの
- 日本での必要になる金額(給料日までの生活費)
- 雇用者側からの支給物に関して(作業着など)
雇用者側は雇用する特定技能外国人に対して、渡航費・生活費用の貸付を行うことは特に問題ないですが、労働法に違反しないよう返済方法に関しては注意が必要です。
実施時の注意点
特定技能外国人にこの事前ガイダンスを行う場合には、当事者がよく理解できる言語にて説明を行うことが求められています。
よって、日本語で行うことも問題ありませんが、通常特定技能外国人の母国語で説明を行います。よって、通訳を用意するか、特定技能外国人の日常的に使う言語に精通している担当者が実施する形になるので、注意が必要です。
事前ガイダンスについて説明してきました。
実際には細かく説明内容を決められているわけではないのですが、実施した内容については在留資格認定証明書交付申請の際に確認もありますので、必須項目は抑えて実施する必要があります。参考までに確認書について、以下にも記載いたします。
申請する際には、事前ガイダンスをいつ誰が行う予定なのかを報告する義務があります。事前ガイダンスが終わった段階では、特定技能外国人に「確認書」に署名をもらう必要があるので、忘れずに署名をしてもらいましょう。
事前ガイダンスを自社で行えない場合は、外部の専門家に業務委託も可能です。業務委託する専門機関が登録支援機関になります。
さいごに
今回は特定技能1号外国人受け入れに必要な事前ガイダンスについて解説いたしました。
特に就労条件等の確認においては、雇用者側と従業者側での認識の違い等があると、後々大きなトラブルにもなりかねません。
雇用者側と就業側が良好な関係を築いていくためにも、事前ガイダンスの内容をしっかりおさえ、実施をしていきましょう。おすすめ記事【初心者向け】特定技能とは?外国人雇用を詳しく解説
深刻な人手不足への対応として2019年4月から導入された在留資格「特定技能」。技能実習との違いや1号、2号の違い、受け入れができる職種や、実際に受け入れをする際の流れなど、複雑で理解の難しい特定技能制度についてまとめました。
- 2022.05.11コロナの影響で在留資格「特定活動」が急増。特定技能との違いを解説
目次
日本では様々な業界で人手不足が深刻化しています。 そういった状況を解決するために外国人雇用を検討する企業が増加しています。 しかし昨今の日本では、コロナ禍の影響で思うような外国人雇用が難しい状況です。 そんな中、在留資格の一つである「特定活動」を利用して日本に滞在する外国人が増加しています。 本記事ではなぜコロナ禍で特定活動が増加しているのか、在留資格「特定技能」との違いについて解説していきます。
1. 在留資格「特定活動」とは
1-1 特定活動の概要
外国人は日本へ入国前に活動内容を申請し、その内容に基づいて在留資格を与えられます。 在留資格の中でも特定活動 特定技能 違い「特定活動」とは多様化する外国人の日本での活動に対応するために設定された制度です。 多様化する活動内容をその都度、在留資格として増設するには出入国管理及び難民認定法の改正が必要になります。 法改正を行うには時間も手間も多くかかってしまいます。しかし特定活動で外国人の日本在留を認める場合は 法務大臣に決定権があるため法改正の必要がありません。したがって新しい在留資格を増設するよりも特定活動として扱った方が スピーディーに対応できるのです。
該当する活動例としては、ワーキングホリデーやアマチュアスポーツ選手、インターシップなど様々な活動が含まれます。 さらに2019年5月、新たに特定活動46号が創設されました。これにより、以前までは就労の認められてこなかった製造業やサービス業などへの就職が可能になりました。 年々特定活動の幅が広がり注目が集まっています。
1-2 特定活動の種類
ここからは特定活動の種類について詳しく解説していきます。 特定活動は現在50種類近く存在しています。さらに特定活動は大きく3種類に分けられます。
一つ目は「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」です。ここに分類される特定活動は3種類存在します。 「特定研究等活動」 「特定情報処理活動」 「特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動」 の3種類になります。 特定研究等活動とは該当分野に関する研究や研究の指導を行う活動のことを指します。この活動に関連する事業を自ら経営する場合も該当します。 特定情報処理活動は自然科学や人文学科の分野で技術または知識を要する情報処理にかかわる業務にかかわる活動を指します。 そして特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動は上記二つの活動で滞在する外国人の浮揚を受ける配偶者もしくは子供の日本での活動を指します。 以上の3種類が出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動に該当します。
二つ目は告示特定活動です。これは出入国管理及び難民認定法に規定されているもの以外で法務大臣が指定した活動のことを言います。 現在は43種類の活動が告示特定活動として認められています。ワーキングホリデーやインターンシップなどの代表的な特定活動はこの告示特定活動にあたります。 2019年5月新たに創設された特定活動46号は日本の大学を卒業した外国人が就職する際の業種を増やすためのものです。 単純業務のみの従事は認められていなかったり、特定活動46号の取得のためにいくつか要件があったりしますが、日本のグローバル化が進んでいくはずです。
三つ目は告示外特定活動です。告示で指定されていない活動で法務大臣が在留を認める活動のことを指します。 具体的な例としては在留資格の更新ができなかった場合の出国までの準備や、就職が決まらず卒業した留学生の就職活動や、 高齢の両親の呼び寄せなどが当てはまります。
2.在留資格「特定技能」とは
2-1 特定技能の概要
日本では多くの業界で人手不足が進んでいます。そんな状況を打開するために2019年4月に設立された在留資格の一つが特定技能になります。 技能実習制度のように技術の習得を目的としているのではなく、日本の企業の人手不足を補う目的で開始された制度です。 基本的に特定技能人材として受け入れる場合は特別な教育や実習などを受けることなく、雇用開始時から一定の業務が従事できる必要があります。 該当業種は建設業や造船業などの14業種が存在します。特定技能の資格取得は希望する分野に必要な技能の保有と日常生活や業務に差し支えないレベルの日本語能力が必要です。 上記二種類を確認するための試験をクリアすることで該当分野の特定技能の資格が取得可能になります。 他に技能実習2号を問題なく修了した者は同じ分野での特定技能資格が取得できます。
2-2 特定技能の種類
特定技能には特定技能1号と特定技能2号の2種類存在します。 特定技能1号は特定技能の概要でも記載した日本語能力と分野ごとの技能基準を満たすか、技能実習2号を修了することで資格を取得が可能です。 在留期間は上限が設けられており通算5年までとなっています。通算でカウントされることから半年従事し、半年帰国することで10年間に渡っての受け入れが可能になります。
特定技能2号は特定技能1号の資格を取得した後に取得できます。1号の取得後に責任者としての業務経験、分野ごとの技能試験をクリアすることで特定技能2号の資格を取得できます。 在留期間は1号と違い更新回数に制限がなく、条件を満たせば日本での永住権を獲得することもできます。 現在特定技能2号の対象業種は建設、造船・船舶工業のみになります。1号は14分野に対し、2号は2分野と少なくなっています。比較的新しい制度ということもあり、今後対象が増えていくのではないでしょうか。
3.特定活動と特定技能の違いは
特定活動と特定技能は二つとも在留資格の一つで、名称も似ており勘違いしてしまう場合も多いのではないでしょうか。 しかしこの二つは制度の成り立ちから違います。まず特定活動は多様化する外国人の日本での活動に対応するために設立されたもので、 特定技能は日本の多くの業界での人手不足を補うために設立されたものになります。特定技能や特定活動46号共に2019年に創設されており、 まだまだ新しい制度です。コロナ禍によって特例が認められたのなどこれからも変化していく可能性があります。外国人雇用を検討する際にその都度、 確認するようにしましょう。
4. 特定活動急増の背景とは
法務省が2020年4月に新型コロナウイルスによる企業の業績悪化に伴い技能実習生の「特定活動」への在留資格の変更を特例として認めました。 これは特定技能の資格取得を前提に考えられたものです。この特例により、多くの技能実習生が特定活動の在留資格を取得し日本に在留しています。 これはコロナ禍の影響で解雇されたしまった技能実習生を支援する目的で設立されました。しかし申請の前に新たな受け入れ企業を見つける必要があり、 別業種への転職が可能になったとしても職場を失う可能性があります。日本の企業の人材不足を解決していくためにも外国人人材への支援が必要です。
5.この記事のまとめ
本記事では特定活動と特定技能について解説してきました。コロナ禍の影響により特定活動が急増しています。 日本企業の人手不足解消のためにも外国人人材の雇用のニーズは日々高まっています。 特定技能や特定活動46号のように新しい在留資格も日々増設されており、外国人雇用が次第に多くの業界で認識されてきました。 コロナ禍の影響で業績が落ち込んでいる業界もありますが逆に業績を伸ばしている業界も存在します。 人材を必要としている業界は常に存在するはずです。多くの業界で外国人雇用が認識されてはいるものの導入していない業界が多いのではないでしょうか。 さらに多くの業界で特定活動や特定技能を導入していくことで、必要な業界に必要なだけ人材が派遣できるようになるはずです。 人手不足で悩んでいる企業の方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめ記事閉じる在留資格「特定活動46号」|N1が必要?現実的に採用可能?
特定活動46号により、人手不足が深刻な業種において、外国人の従事できる業種の幅が広がりました。今回は特定活動46号にはN1が必要なのか、現実的に採用ができるのかについて解説していきます。
- 2022.05.11特定技能外国人支援|日本語学習の機会の提供
特定技能外国人の雇用を前向きに検討されている皆さまにとって、支援計画の策定が鬼門であると感じることが多いのではないでしょうか。
出入国の際の送迎から始まり、公的手続きの同行はもちろんのこと、日本のマナーなどに関するオリエンテーション。そして特に、日本語学習の機会の提供が必要になります。
日本語学習といえども方法は千差万別、何をすればいいかイメージがつかない方もいらっしゃると思います。
本記事では、特定技能制度の支援計画における日本語学習について、やらなければならないこと、任意でやるべきことに分けてご説明します。
また、具体的にどのような学習機会の提供方法があるかについてもご紹介します。
最後までご覧いただいた際には、外国人に対してどのように日本語を学んでもらえばいいか分かる内容になっています。ぜひご一読ください。目次
特定技能外国人に提供する日本語学習とは?
前提として、日本語学習の機会の提供についてご説明します。
法務省編「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」によれば、外国人支援計画に必要な項目のうちのひとつに「日本語学習の機会の提供」があります。
これは「本邦での生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること」と定められています。外国人に対して職業生活上、日常生活上または社会生活上の支援が必要です。つまり日本語についても、業務だけでなく普段生活するうえで支障がないよう学習機会を提供することが求められています。
外国人の方々に長期間働いていただくために、日本語学習のサポートは重要です。
次項からは、具体的に事業者の皆さんが対応しなくてはならないことについて詳しく説明します。義務的支援と任意的支援とは?
特定技能外国人に対する支援計画は、各項目にて義務的支援と任意的支援に分けられています。
義務的支援は、必ず行われなければならず、支援計画にも全て記載しなければなりません。
また、任意的支援は必須ではありませんが、支援計画に記載した場合には実施する義務が生じます。
それぞれ実際に何をしなければいけないのかをご紹介します。義務的支援
日本語学習の機会の提供における義務的支援とは、次のいずれかの方法によって学習機会を提供することです。
(1) 地域の日本語教室や日本語教育機関
(2) 日本語学習教材やオンライン日本語講座
(3) 受入れ事業者が契約した日本語教師による講習(1)から(3)のいずれにも共通するポイントは、「外国人の希望に基づいて情報を提供し、必要に応じた契約手続きの補助をすること」が義務となっている点です。
支援計画実施の際には、まずそれぞれの学習方法に関する情報を提供しましょう。
教室のパンフレットや教材の情報を外国人の方に提供し、本人の希望を聞きます。
業務時間や居住地域と照らし合わせて最適な学習方法を選んでもらったうえで、実施に必要な手続きの補助を行います。
例えば、地域の日本語教室に通いたいと希望された場合は、必要に応じて教室申し込みの手続きに同行し補助することが必要です。
また注意いただきたい点として、義務的支援における費用は外国人を迎える事業者が負担する必要があります。これは情報提供から手続きの補助における費用のことを指し、実際の講座費用を全て負担することは義務ではありません。任意的支援
任意的支援は、義務的支援に加えて実施することが望ましいものです。具体的には次の3つになります。
(1) 事業者職員による日本語講習を企画・運営
(2) 日本語能力に関わる試験の受験支援や資格取得への優遇措置
(3) 日本語教室や教育機関の経費、学習教材費など義務的支援を継続実施するための費用を全部または一部負担日本語を習得するためには継続的な学習が必要です。外国人の方が積極的に学習を続けられるよう、上記の支援を実施することを積極的にご検討ください。
(1)については、事業者の皆さまが実際に講師となり講習を行うことを指します。事業者内で実施するため、事業者および外国人にとって柔軟なスケジュールで対応することができます。
(2)については事業者側の福利厚生制度の一環といえます。試験の受験費用を負担する、または資格取得に応じたお祝い金や昇給制度を整えるといったことが挙げられます。
(3)については、義務的支援として挙げた各種学習方法における費用を負担することです。外国人支援に関する運用要領では、外国人に過度な学習費用が生じないことを求めています。過去、外国人技能実習生の失踪が問題となりましたが、主な原因は外国人の経済状況にありました。学習費用を全部または一部負担していただくことで、外国人も安心して働くことができます。事業者が具体的にできることは?
ここまで、要領に定められた支援方法について紹介してきました。
しかし選択肢も多く、事業者側としても具体的にどう実施すればいいか見当がつきづらいかと思われます。
事業者の皆さまが外国人に提供できる方法として、一例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。日本語教育コンテンツ共有システム
文化庁国語課が運営する「NEWS」では、日本語教育に関する教材やカリキュラムを横断的に検索することが可能です。実際に日本語学習のカリキュラムや、全国の自治体が作成した教材が閲覧できるようになっています。 義務的支援の(2)で挙げた日本語学習教材について、このサイト上から検索して外国人に提供することができます。
また、任意的支援の(1)で挙げた事業者による講習の企画においても、掲載されているカリキュラムを利用し進めることが可能です。
同じく文化庁国語課が提供する日本語学習サイト「つながるひろがるにほんごでのくらし」も無料で利用可能です。動画が中心となっており、実際に日本語を使用する場面に応じて学習することができます。
上手く活用することで効率的に日本語を学ぶことができます。地域の日本語教室
日本語教室で学習する場合の費用はどの程度になるでしょうか。
一例として東京都の中央区文化・国際交流振興会が主催する日本語教室についてご紹介します。
こちらの振興会ではレベルや開催曜日に応じた講座が複数用意されています。
費用は2000円程度のテキスト代のみで、受講料は無料となっています。
その他にもボランティアが主催する銀座日本語講座では、受講料は月額500円となっています。
地域や時期にもよりますが、多くの団体が外国人向けの教室を開催しており、安価で利用が可能です。
任意的支援の(3)で挙げた学習費用の負担について心配されていた方も安心できるかと思われます。
ご自身の地域の日本語教室について、一度調べてみることをぜひお勧めします。★まとめ
ここまで、外国人に対する日本語学習の機会の提供について、内容と提供方法の一例をご紹介しました。
本記事におけるポイントは次の通りです。
・支援方法は複数選択肢があり、外国人の希望を聞いたうえで実施する。
・情報提供から手続き補助までの費用は、必ず事業者が負担する。
・外国人に過度な費用が生じないよう、学習費用については事業者が全部または一部を負担することが望ましい。
日本語学習の機会の提供と聞くと、難しく感じてしまうと思われます。しかし国内には多くの支援体制が整備されています。
何より、外国人の日本語能力が向上すれば業務でも円滑なコミュニケーションが可能になり、人材としてさらなる成長が見込めます。
事業者の皆さまと外国人の双方にとってメリットとなるよう、積極的な支援をぜひお願いします。
出典
閉じる
法務省 1号特定技能外国人支援に関する運用要領
文化庁国語課 NEWS日本語教育コンテンツ共有システム
文化庁国語課 つながるひろがるにほんごでのくらし
中央区文化・国際交流振興会- 2022.05.11外国人採用の企業側メリット4つと課題・注意点
目次
外国人雇用の現状と外国人を採用する理由
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、2022年10月末時点の日本で働く外国人労働者数は、約173万人でした。 それまでは増加傾向にありましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、2021年の外国人労働者数は約170万人だったので、横ばいとなっています。
国籍別では、1位がベトナムの約45万人、2位が中国の約40万人、3位がフィリピンの19万人となっています。
産業別では、「製造業」が最も多く、外国人労働者全体の27.0%を占めています。次いで、「サービス業」が16.3%、「卸売業、小売業」が 13.3%となっています。 日本での人材不足が深刻になっているIT事業でも、外国人労働者を採用する企業が増えています。 また、近年「医療、福祉」や「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」が増加傾向にあります。最近では高い技術を持った「エンジニア」なども外国人を採用するケースが多くあります。
参考資料:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)外国人の採用踏み切った理由として「求人を出してもなかなか労働者が集まらない」といった労働力不足に悩んでいる方が多いです。
また、長期間働いてほしいといった定着の問題や、優秀な人材を確保するという目的で外国人の採用を考える担当者もいます。外国人採用のメリット
若く優秀な人材を確保できる
少子高齢化により、日本は若年層の労働者の確保が難しくなってきています。特に、在留資格「特定技能」の14の分野(介護・農業・宿泊など)や、AI・IoTといった情報システム分野の発達に伴うIT人材の不足は深刻です。
海外には、母国で専門的な知識を学んだ人材、学習意欲の高さや日本の高い賃金水準によって日本で働きたいと希望する人材がいます。こうした海外の若い人材を採用することで、国内では補いきれない労働力を確保することができます。
職場が活性化する
外国人の中には高い労働意欲や学習意欲を持った方が大勢います。そんな外国人の方々に感化され、日本人にも良い影響を与えることができます。
それだけではありません。難しい言葉が伝わりづらく、作業の熟練度がまだ高くない外国人を指導していく過程で、分かりやすいマニュアルが生まれて業務の標準化ができるようになったり、作業工程が改善されたりすることもあります。
外国人労働者を受け入れるという共通の目的があるため、日本人従業員同士のコミュニケーションが活発になることもあります。
外国人ならではの発想が取り入れられる
日本人とは違う環境で育った外国人は、それぞれの母国での文化・宗教・教育などによって、日本人とは異なる価値観や考え方を持っています。その視点から生まれる発想やアイディアは固定観念にとらわれない斬新なものが多く、日本人従業員にとっては大きな刺激になるはずです。
新しい技術や企業文化を生み出すきっかけになったり、既存のアイディアとの相乗効果が期待できたりもするでしょう。
事業の海外進出への足掛かりになる
日本で働く外国人は、日本語と母国語のバイリンガルです。さらに、彼らにとっての海外となる日本で働く外国人には、英語や中国語などそれ以外の言語も話せる方が少なくありません。
もし海外企業との取引を開始したい、事業を海外展開したい、といった展望があり、社内にその国を母国とする従業員がいる場合、現地の言葉が話せる彼らは大きな戦力になります。
言葉だけでなくその国の国民性や商業的な慣習も熟知していますので、グローバル化のハードルが下がるメリットがあります。
外国人採用の課題・注意点
在留資格など複雑な手続きが必要になる
前提として、外国人を雇用するには外国人の就労が認められている業種や職種でなければなりません。まずはそれを確認しておきましょう。
その上で、その業種や職種に就くために必要な就労できる在留資格(就労ビザ)の取得が必要です。就労ビザを取得するためには必要な書類がたくさんあり、取得にはおおむね1~3ヵ月程度の期間が掛かってしまいます。もし手続きに誤りがあると不法就労となってしまいますので、十分に余裕を持って準備をしておくように注意しましょう。
受け入れ体制を整える必要がある
異国の地で働くことになる外国人にとって、慣れない土地での生活はストレスになることもあります。外国人にとって働きやすい職場環境になるよう、体制を整えておく必要があります。例として、
- 日本語の学習ができる機会や取組を支援する
- 生活・就労に関する情報提供・相談を行う窓口を設置する
- 外国人を受け入れられる医療・保険・福祉サービスを提供する
といった支援ができると良いでしょう。またそれに伴って、現行の就業規則も変えなければならなくなるケースもあります。
文化や慣習の違いで日本人社員と衝突する恐れがある
日本人との文化や慣習の違いから、思わぬトラブルが発生してしまう可能性も考慮しておきましょう。例えば挨拶をする習慣のない国の出身者は職場に黙って出勤・退勤をするケースがありますし、宗教的に禁止されている食べ物がある場合もあります。日本は世界的に見て残業の多い国ですので、定時になったら当たり前のようにすぐに帰宅しようとする外国人もいるでしょう。
あるいは、日本にはやんわりと意思表示をする、俗にいう「空気を読む」「忖度する」といった習慣がありますが、外国人にはあまり理解がされません。
外国人従業員と良好な関係を築くために、これらの文化や慣習の違いを理解して、お互いの価値観を尊重するように気を付けましょう。
言葉の違いでコミュニケーション不足に陥る恐れがある
外国人と一緒に働く上では、まず頭によぎる懸念が「言葉の問題」ではないでしょうか。お互いに母国語が違うので、微妙なニュアンスが伝わりにくかったり、伝わっていると思っていても誤解をしていたりします。
こういったトラブルを防ぐために、コミュニケーションの仕方の工夫が重要です。例えば会話をする際には口頭だけでなくジェスチャーも交えて伝えると良いでしょう。または事前に翻訳アプリや電子辞書などのツールを用意しておくのも有効です。
また、日本人特有の遠回しな言い方も、外国人には伝わりにくいので出来るだけ避けた方が無難です。「できればお願いしたいのですが」「比較的問題ないと思います」といった曖昧な言い方は外国人を混乱させます。ストレートではっきりした表現を使いましょう。数字を用いて説明したり、5W1Hを意識して「いつまでに」「だれが」「何を」という観点を忘れずに伝えたりするのも良いでしょう。
外国人雇用のトラブル
外国人を雇用すると日本人の雇用にはないトラブルが起きることが想定されます。
実際にどんなトラブルがあるのか見ていきましょう。
- 外国労働者との挨拶や報連相のコミュニケ―ジョン問題
- 給料やボーナスについてオープンに話す文化の違い
- 残業を一切してくれない
- 転職に対する意識の違い
おすすめ記事外国人トラブル5選|文化や風習の違いで起こる
外国人雇用において文化や習慣の違いで起こるトラブルをあげ、解決策までご紹介。起こりうる問題を事前に把握することで早期に対策をとることができます。是非読んでご活用ください。
まとめ
以上が外国人を採用する際のメリットと課題・注意点です。
もちろん良いことばかりとも限りませんが、想定される課題点を理解し、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。少しでも改善していきましょう。- 2022.05.10社内で外国人を受け入れ、雇用の準備・体制を整えるためのポイント
目次
1.外国人材を受け入れる体制
外国人材を受け入れる前にどんな準備をしておけばよいでしょうか。一般的に企業が取り組んでおくと良いことを紹介します。
外国人材受け入れの準備をせずに受け入れるのではなく定着率や働きやすさを向上させるために社内の体制を構築していきましょう。ビジョンの明確化
外国人材は会社の成長性を考え、入社します。日本人とは企業選びの考え方が
違います。
事業の将来性を良く考えましょう。
会社の成長ビジョンや、海外展開の未来像を作成しておき、 外国人材に説明できるようにしておきましょう。外国人を採用する目的、人材を認識しておく
あなたの会社で外国人材を採用する目的は何でしょうか?
外国人を採用する目的には、海外進出のため、新しい視点を生み出すためなど 様々なものがありますが、外国人材入社後のために事前に理解しておくことが大事です。また求める人材像も具体的に認識しておきましょう。
専門的なスキルやコミュニケーション能力、日本語能力などを自社のポジションや事業戦略に応じて明確に決定しておきましょう。キャリアパスの構築
日本人と外国人ではキャリアの考え方も違います。
日本企業では複数の業務を任せられることが多い中、特定の国ではジョブ型の雇用といって専門性をもち、 職務内容にあったことをこなすことが多いです。
日本企業のような働き方を外国人に強いると働き方が合わず、ミスマッチがおきてしまう可能性があります。
これらの問題が発生することを防ぐために、受け入れる前にはどんな人材にどんなことをして欲しいのか方針を明確化しておきましょう。
受け入れる前の段階で採用する外国人に確認、明示を徹底しましょう。
昇進や昇格の内容も明確にしてどんな成果でキャリアを歩めるのかを社内で構築しておきましょう。評価基準を明確にする
外国人に評価が不当だと思われないように、評価基準は具体的に数値で分かりやすく設定しましょう。
そのためには日本人と外国人の違いのほかにも リモート社員や働き方が違う人がいる場合も、明確に差別のないよう正当に評価されるような基準をつくりましょう.外国人採用に理解のある上司やメンターを採用する
仕事へのアドバイスやサポートを円滑に進めるために、母国語で外国人材とコミュニケーションがとれるメンターや、外国人材とのコミュニケーション経験豊富な上司と一緒に仕事ができる環境を構築することも重要です。
また、メンターは外国人材の人事考課者ではない人が行うべきでしょう。社内でルールを決めておく
外国人材が理解できるように社内のルールは決めておき、マニュアル化するとよいです。
日本特有のビジネスマナーなど、外国人にとって理解しにくいことは外国人材の母国語でマニュアル化して共有しましょう。
また他の社員との交流、指導を積極的に行うことで、社員としての帰属意識などが身につきます。社内全体に外国人採用について伝える
外国人材受け入れが初めての場合は外国人材採用の目的などを社内に伝えましょう。
伝えずに進めると不満を持った社員が転職することなども考えられます。
外国人材を受け入れることで社内を活性化させるには、受け入れる前に周知を徹底し、理解してもらうことが必要です。
外国人材の受入れを否定する社員がいる場合は、しっかりと説明する時間をつくりましょう。外国人を雇用方法について学ぶ
外国人材は日本人とは採用方法が違います。
不法就労で摘発されないための対策とは?
基本的には在留資格を確認し、その在留資格に適した仕事なのかどうかを確認してください。
コンプライアンスや、どのような場合に不法就労になるかついても採用前に学んでおくと必要があります。
日本語能力の確認、教育体制の構築
受け入れたい人材に求める日本語のレベルをしっかり確認しましょう。
外国人材の日本語能力の確認方法
任せる仕事内容によって求める日本語のレベルは異なります。
面接時に日本語でどの程度のコミュニケーションが取れるかを把握することに加え、日本語の能力試験結果などを提出してもらい客観的なレベルを確認するのも良いでしょう。インターンシップ期間でコミュニケーション能力をはかる
採用したい職種において、可能であればインターンシップを活用して実務能力を確認するのも有効です。
面接では好印象でも、実際の業務では面接時の印象とは全く違う態度やコミュニケーションをする場合もあります。2. 特定技能外国人材を受け入れる基礎的な支援・体制
特定技能外国人を受け入れる場合は、受入れ体制を整えるために実施すべき義務は以下の通りです。
特定技能外国人材以外を受け入れる場合においても、サポートして体制の構築の参考にするといいでしょう受入れ体制を整えるために実施すべき義務
特定技能外国人への事前ガイダンス
特定技能外国人に対して行う事前ガイダンスは、特定技能雇用契約の締結後から特定技能外国人の在留資格認定証明書の交付申請までの間に、政府が定めた運用規則として日本での生活方法や雇用契約の内容などに関して相手が理解できるように説明する必要があります。
この際の一連の説明を「事前ガイダンス」と言います。対面またはWEB会議ツールなどを用いて説明する必要があり、文章の郵送やメールでのやりとりだけでガイダンスを済ませるのは禁止です。また、特定技能外国人が十分に理解できる言語を使って、ガイダンスを行う必要があり、外国人の日本語レベル次第では、母国語や第二言語などを用いる必要があります。出入国する際の送迎
海外からくる人材が出入国する際はサポートを忘れないようにしましょう。
法務省令上、受入れ機関は特定技能外国人が出入国しようとする飛行場や港において外国人を送迎することが規定されています。事前に外国人の送迎が可能な国際空港等を決めましょう。住居探し支援
日本で働くときに重要なものの1つには住む場所があります。多くの外国籍求職者の方が、住居探しに困っています。社宅を用意するのがベストではありますが、社宅が難しい場合は、物件情報の提供や不動産仲介事業者の紹介を行って住居サポートをしましょう。
銀行口座開設支援
外国人は生活に必要な銀行手続きにも困っています。契約手続を行う際に必要な書類や窓口を案内するとともに,外国人であることや日本語のコミュニケーション能力不足により契約が阻害されないよう,必要に応じて当該外国人に同行して各手続の補助を行ってください。
役所住民登録支援
日本に在留するにあたって役所に住民登録しましょう。
登録を忘れて今後の生活においての申請において障害にならないように支援しましょう。電気ガス水道契約支援
電気ガス水道の契約についても日本人と同じようにできるわけではありません。
電気ガス水道等の公共サービスの契約支援、紹介をしましょう。携帯電話契約支援
海外と日本では携帯電話サービスの使い方が違います。日本では少し前まで携帯端末とSIMカードをセットで購入し、携帯電話契約することが一般的でした。
しかし、海外では携帯端末とSIMカードは別々に購入と契約をします。
日本でも最近は格安SIMが普及してきましたが、大手キャリアの携帯電話会社での契約の場合、従来の携帯端末とSIMカードのセット販売での購入、契約となるケースが多いです。
携帯電話の契約の審査は外国人に対して厳しいです。
特に日本語のコミュニケーション能力不足により契約が阻害されないようサポートが必要です。クレジットカード作成支援
クレジットカードを作る際の必要書類は、身分証明書、引き落とし先の口座番号、銀行印が入った書類です。身分証明書は、日本人の場合は運転免許証や健康保険証を用いることが多いですが、外国人は在留カード、もしくは特別永住者証明書が必要です。なお、在留カードには在留期限がありますが、この日数が短いと審査に落ちてしまう可能性が高いです
身分証明書を複数準備する
必要となる身分証明書は、在留カードまたは特別永住者証明書ですが、それら以外にも、運転免許証、パスポート、健康保険証、住民票、携帯電話契約情報など、現在の住所とそこに定住していることが分かる書類があるとクレジットカード会社からの信頼が得られやすいです。
収入を証明できる書類
先述の通り、クレジットカードを作るには安定した収入(支払い能力)が必要であるため、その事実を証明できる書類があるとクレジットカード会社からの信頼が得られやすくなります。給料明細や所得明細書などの書類があるとなお良いでしょう。
日本語教育支援
外国人が生活で抱える問題の原因の多くが日本語能力です。現在は比較的場所や時間を気にせず学習することができる、オンライン型の日本語学習などもあります。
日本語ができるようになると外国人が生活で抱える不安のほとんどが解消されます。
不安を少しでも失くしてあげるためには日本語学習支援は欠かせません。
ゴミ出しルール指導
外国人が生活のルールが分からず、よく困るのはゴミの捨て方です。
- 自治体指定のごみ袋の存在を知らない
- ゴミの分別方法が分からない
- ゴミを出すタイミングが分からない
外国人が初めて日本で生活をするとき、上記の点を理解できていないことが多いです。
入居時に大家さんから、ゴミの回収曜日と時間の案内をされると思いますが、入居する外国人にとって、可燃ゴミと不燃ゴミの区別などの細かいルールはかなりハードルが高いです。
ゴミ出しルールを理解していないために、大家さんや近隣の方からゴミ出しについて注意されることも考えられますが、そもそも日本語力が不足している場合は、何が悪くて注意をされているのかが理解できません。
そうすると、いくら注意してもゴミ出しルールを守らないということで、ご近所トラブルに発展することがよく起こります。
ゴミ出しトラブルはかなりよく発生しますので、身近な日本人のサポートが必要です。医療機関情報提供
外国人は日本の医療機関の情報を入国前からは知りません。
適切な医療機関を紹介、情報提供を行いましょう。
また、外国人が医者にかかるときには、自分の症状の日本語で医者に伝えることが困難な状況も多いですので、事前に通訳サポートを準備しておきましょう。日本人との交流促進支援
日本人との交流促進支援は地域のイベントや社内のコミュニティを活用して行いましょう。
日本には季節に応じたお祭りやイベントがたくさんあります。
お正月、節分、ひな祭り、お花見、ピクニック、海、山、盆踊り、花火大会など、季節の催しを利用して、家族から離れ頑張っている外国人材が孤立化しないように定期的に交流を促しましょう。相談・苦情に対する母国語対応
外国人材相談・苦情に対して細かいニュアンスも確認しなければなりません。
母国語でコミュニケーションができるように体制を整えておきましょう。災害・防犯情報提供
日本での災害、防災情報システムについても外国人材は把握できていないことが多いです。受け入れ期間が情報提供、サポートをしっかりと行いましょう。
定期的な面談
特定技能所属機関または委託を受けた登録支援機関は、3ヶ月に1回以上次の者と面談を行わなければなりません。また
転職や離職が進まないようにする効果もあり外国人社員の定着率向上に繋がります。
外国人従業員に転職されないための6つのポイント交通ルール教育
日本の交通ルールは外国とは違う面が多いです。交通ルールやマナーについて 指導を行い、事故の防止をしましょう。
特定技能雇用契約を解除された場合の転職支援
特定技能所属機関が人員整理や倒産等による受入れ側の都合により、1号特定技能外国人との特定技能雇用契約を解除する場合には、当該外国人が他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて特定技能1号として活動を行えるように、次の支援のいずれかを行う必要があります。
- 所属する業界団体や関連企業等を通じて、次の受入れ先に関する情報を入手し提供すること。
- ハローワーク等の職業安定機関又は職業紹介事業者等を案内し、必要に応じて、1号特定技能外国人に同行し、次の受入れ先を探す補助を行うこと。
- 1号特定技能外国人の希望条件・技術水準・日本語能力等を踏まえ、適切に職業相談・職業紹介が受けられるよう、又は円滑に就職活動が行えるように推薦状を作成すること。
- 特定技能所属機関等が職業紹介事業の許可又は届出を受けて職業紹介ができる場合は、就職先の紹介あっせんを行うこと。
- 1号特定技能外国人が求職活動を行うために有給休暇を付与すること。
- 離職時に必要な行政手続(国民健康保険や国民年金に関する手続き等)について情報を提供すること。
- 倒産等により、転職のための支援が適切に実施できなくなることが見込まれるときは、それに備え、当該機関に代わって支援を行う者(登録支援機関・関連企業等)を確保する必要があります。
以上の1~4のいずれかに加え、次の支援については、いずれも行う必要があります。
行政機関への通報
労働基準法、その他労働に関する法令および入管法の違反、 旅券及び在留カードの取上げ等その他の問題の発生 を知った時は、関係行政機関へ通報する必要があります。
以上の支援について登録支援機関との支援契約を締結し、支援を依頼する
初めて外国人を採用するので、自社で生活までサポートできるか分からないと感じている企業の方、忙しくてサポートする余裕がない企業の方には、登録支援機関に支援を依頼することをお勧めします。
3Eは登録支援機関のため、支援契約を締結し、支援を行うことができます。
日本全国どこでも多言語で対応できる登録支援機関もあります。3.まとめ
多くのポイントをご説明しましたが、すぐに全部できなくても1つ1つコツコツと実施していきましょう。
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- 2022.05.10外国人人材の日本語能力(レベル)の確認方法
目次
1. 外国人の日本語能力向上の必要性
外国人を採用する際、日本語コミュニケーション能力が高いかどうかはとても重要なポイントです。
日本企業で働く外国人労働者は、少なくとも日本語をある程度理解できるレベルには習得しておくべきです。
では、なぜ日本語能力が重要なのでしょうか?
それは以下のような問題が考えられます。
日本語能力不足で生じる問題
- ・社内でコミュニケーションがうまく取れない
- 日本で働く期間が短い外国人や日本語を覚える気が最初からないような場合を除いて、社内で働く同僚とのコミュニケーションは重要です。少なくとも英語でコミュニケーションを取ることができれば意思疎通はできるかもしれませんが、日本人の中には英語が苦手な人が多く、細かいニュアンスの違いなどを相互に伝えきれないこともあるため、日本語でのコミュニケーションができれば解消することもできるかもしれません。そのために日本語を理解できる外国人の人材のほうがよいケースが多いです。
- ・社外の人間との対応が難しい
- 仕事内容にもよりますが、社外の人間と接する機会が多い場合などで日本語がよくわからなければ、相応の対応ができないということになります。外部の人でも英語などコミュニケーションできる言語を理解できる場合は少ないです。
外国人の採用を行った経験がある企業や、グローバルビジネスにすでに取り組んでいる企業でなければ英語コミュニケーションはスタンダードにはなっていません。
日本で働く場合は基本的に日本語を使用してビジネスをするケースがほとんどですので、採用しようとする外国人の日本語能力が日常会話レベル以上でないと、日本企業で働くことがつらくなってしまう可能性もあります。 - 日本の医師などの国家試験を受験するための条件となる(N1が必要)
- 日本の准看護師試験を受験するための条件となる(N2以上で国語試験免除)
- 日本の中学校卒業程度認定試験で一部の試験科目が免除される(N2以上で国語試験免除)
- EPA(経済連携協定)に基づく看護師・介護福祉士の候補者選定の条件となる(国によってN5からN3以上の認定が必要)
- 介護の技能実習ではJLPTとNAT TESTと J-TESTが日本語検定として認められています
2. 日本語能力試験の種類
外国人に必要となる能力での目安として日本語能力試験があります。
日本語能力試験とは、
日本語の文字や語彙、文法についてどのくらい知っているか
日本語の知識を利用してコミュニケーション上の課題を遂行できるか
というように、外国人が日本人とコミュニケーションを行う上で必要となる能力を測る試験のことです。
日本語を母語としない外国人が「読む」「聞く」という言語行動によって日本語の能力を測り、当てはまるレベルの証明書が発行され、資格として提示することができます。
多くの企業でも、日本語能力試験のレベル(Nレベル)を元に仕事上でコミュニケーションを取れるか、戦力になるか、を判断し採用活動を行います。
日本語能力試験の種類
外国人の日本語能力を図る試験として代表的なものを以下にまとめました。これらの試験を受けることにより企業側が客観的に判断することができるものとなります。
日本語能力試験(JLPT)
日本語能力試験(JLPT)は、多様な背景を持つ日本語を母国語としない日本語学習者の学習習熟度を測るための幅広い場面を想定した総合的なテストであり、N1からN5まで5段階のレベルに分かれています。
NAT-TEST
引用:日本語NAT-TEST
「日本語 NAT-TEST」は、日本語を母語としない日本語学習者の日本語能力を判定する試験です。5つの級(レベル)ごとに、「文字・語彙」「聴解」「読解」の3つの分野の試験によって日本語能力を総合的に評価します。出題の基準と構成は日本語能力試験(日能試、JLPT)とほぼ同じです。
J- TEST
J.TEST(実用日本語検定)は、日本語を母語としない外国人の日本語能力を客観的に測定する試験です。J.TESTは実施当初より、企業向け団体試験として多くの日系企業で採用され、海外でスタッフを採用する際や日本に派遣する際、また昇給、昇進時の際の判断材料として利用されております。
JLPTのレベルとの換算表は以下の通りです。
<J.TEST> <日本語能力試験(JLPT)> (A-C レベル試験) Aレベル(900) ― ( N1以上 ) Bレベル(800) ― ( N1以上 ) 準Bレベル(700) N1程度 Cレベル(600) N2程度 D-E レベル試験) Dレベル(500) N3程度 Eレベル(350) N4程度 (F-G レベル試験) Fレベル(250) N5程度 Gレベル(180) ― ( N5前半程度 ) 技能実習の介護においては、JLPT以外にNAT-TESTとJ-TESTが日本語検定として認められています。
JFT-Basic
引用:JFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト - Japan Foundation
日本語能力試験(JLPT)は、多様な背景を持つ日本語学習者の学習習熟度を測るため幅広い場面を想定した総合的なテストであり、N1からN5まで5段階のレベルに分かれています。JFT-Basicは、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を測定するテストであり、レベルは1つです。
JFT-Basicは日本の在留資格「特定技能1号」の申請に必要な日本語能力の証明のために使えます。
BJTビジネス日本語能力テスト
引用:BJTビジネス日本語能力テスト ビジネス日本語能力試験(BJT)とは、ビジネスの場における日本語のコミュニケーション能力を測定する試験です。現在では日本や中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、タイ、インドネシアなどのアジア諸国で行われています。
標準ビジネス日本語テスト
引用:標準ビジネス日本語テスト
ビジネス日本語能力を【基礎レベルから測定】できるため、日本企業/日系企業への就職を希望される方だけではなく、日本への留学を希望する学生の皆さまにもご活用いただいております。
また、出入国在留管理庁より日本語教育機関へ入学するための日本語能力を示す試験として認められています。J-cert生活・職能日本語検定
J-cert生活・職能日本語検定 は、日本語話者とのコミュニケーションを重視した「聴解」、生活や仕事での正確なコミュニケーションの基盤となる「文字・語彙・文法」そして、日本の文化、風土・習慣など生活をする上で不可欠な理解能力として「社会文化」の3科目で構成されています。
J-cert生活・職能日本語検定の成績は、日本の在留資格認定申請時の日本語能力の指標や就職、進学、資格認定の際の参考として用いられています。
レベル 認定の目安 JLPT C2(マスター) 様々なビジネスやアカデミックな場面に対応できる日本語及び社会文化的な知識・理解の習熟度が充分評価でき、日本の現状・将来を語り、論述できる能力。 C1(上 級) 日本語の読解・聴解能力に加え、日本社会の規範(社会常識・マナー等)をほぼ理解し、会社勤務・会議での充分なコミュニケーション能力を有し、多様な課題に適宜対応できるレベル。 JLPTのN1とほぼ同じレベル。 B2(準上級) 通常ペースでの聴解能力・表現能力を備えており、日本での大学受講・会社勤務能力を充分有し、社会情勢等の話題にも対応できるレベル。 JLPTのN2とほぼ同じレベル。 B1(中 級) 日常生活上の簡単な会話・文章を良く理解し、社会生活を営むコミュニケーション能力を習得。学業・就業にも基本が備わっているレベル。 JLPTのN3とほぼ同じレベル。 A2.2(準中級) 基本的な会話・用語の能力を身につけており、スローペースでの理解が可能。日本での社会生活をおおむね理解し、隣人とのコミュニケーションが可能なレベル。 JLPTのN4とほぼ同じレベル。 A2.1(初 級) 基本となる文型・語彙・漢字を習得。単純な会話をゆっくりと話し、理解できる。通常3カ月程度(150時間)の学習で到達するレベル。 JLPTのN5とほぼ同じレベル。 ビジネス実用日本語検定「ビジネスJ. TEST」
J.TEST実用日本語検定は、外国人の日本語能力を客観的に測定する試験として、1991年から実施されています。
会社員、留学生、日本語学校生など、年間約5万人が受験しています。
試験は年6回実施されます。実用日本語運用能力試験
引用:実用日本語運用能力試験
TOPJ 実用日本語運用能力試験は日本語を母国語としない日本語学習者を対象に、日本語の語彙や文法、文型等の基礎能力と、日本社会や日系企業の習慣と文化に対する理解能力を測る試験です。
JLPTとのスコアの換算は以下の通りです。
TOPJ JLPT 上級A N1以上(business) 上級B N1 上級C N1 中級A N2 中級B N2 中級C N3 初級A-4 N4 初級A-5 N5 初級B N5以下 JPT日本語能力試験
引用:JPT日本語能力試験
JPT(日本語能力試験)は、日本語を母語としない日本語学習者を対象として開発されています。
JPT(日本語能力試験)は、日本で就学、就業するうえで必要となる、コミュニケーション能力を客観的に測定、評価することを目的としています。
年間12回実施されています。・採用している教育機関・企業
引用:JPTスコア 採用先一覧 | JPT(日本語能力試験)
以下はJPTのJLPTとのスコアの換算表です。
JPT 日本語能力試験(JLPT) 660点以上 N1 525点以上 N2 430点以上 N3 375点以上 N4 315点以上 N5 引用:JLPTとの違い(レベル比較) | JPT(日本語能力試験)
実践日本語コミュニケーション検定
実践日本語コミュニケーション検定(PJC)は、日本語を母語としない外国人の方々を対象として、日本で就労する際に必要とされる日本語能力試験(JLPT)N1~N2相当の「ビジネス会話レベル」の日本語コミュニケーション能力を測定する検定試験です。
■PJC Aレベル
N1相当の日本語力(※1)に加えて、日本企業で働く際に求められるコミュニケーション力やビジネスマナーについて深い知識を持っています。ほぼあらゆる状況で適切なコミュニケーションをとれる力があります。
※1 PJCの評価レベルAの取得者の日本語力はほぼN1に相当します。Aレベル評価を得た受験者の80%以上がN1取得者です。
■PJC Bレベル
N1~N2相当の日本語力(※2)に加えて、日本企業で働く際に求められるコミュニケーション力やビジネスマナーについて基本的な知識を持っています。ある程度限定された状況であれば概ね適切なコミュニケーションをとれる力があります。
※2 PJCの評価レベルBの取得者の日本語力はほぼN1~N2に相当します。 Bレベル評価を得た受験者の50%がN1取得者、N2取得者もほぼ50%です。
■PJC Cレベル
N2相当の日本語力(※3)に加えて、日本企業で働く際に求められるコミュニケーション力やビジネスマナーについて初歩的な知識は持っています。限定された状況であれば基本的なコミュニケーションをとれる力があります。引用:JLPTとの比較 - PJC Bridge | PJC実践日本語コミュニケーション検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
またもう1つの実践日本語コミュニケーション検定・ブリッジ(PJC Bridge)は日本語を母語としない留学生の方々を対象に日本での就学に必要とされる基礎的な日本語能力(日本語能力試験(JLPT)のN5~N3レベル)を測定・評価する検定試験です。7月と12月に実施される日本語能力試験(JLPT)のステップテストとして受験することができます。取得したPJC Bridge認定レベルは進学の際の指標として活用いただけます。
以下がJLPTとの比較です。
■PJC Bridge Aレベル
JLPT「N3」の実力に相当する日本語基礎力を有しています。(A±レベル取得者の90%以上がN3以上の級を取得しています)
■PJC Bridge Bレベル
JLPT「N4」の実力に相当する日本語基礎力を有しています。(B±レベル取得者の80%以上がN4以上の級を取得しています)
■PJC Bridge Cレベル
JLPT「N5」の実力に相当する日本語基礎力を有しています。(C±レベル取得者の70%以上がN5以上の級を取得しています)引用:JLPTとの比較 - PJC Bridge | PJC実践日本語コミュニケーション検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
-------------------------------------------------------------------------------------------------------この中でも日本語能力試験(JLPT)は受験者が最も多く有名な試験です。日本だけでなく海外でも受験することができます。
海外でも試験が実施されるため外国人労働者は訪日せずとも就労する前に受験しておくことができます。
年に2回試験実施がありますが、海外受験の場合には地域によって1回の場合もあります。
国際交流基金と日本国際教育支援協会の2団体の共催で実施されています。
日本国内では、45都道府県と海外の65の国と地域の210都市で実施されています。(2015年12月実施分)日本語を母国語としない外国人が日本語能力試験を受験するメリットとして以下のことがあげられます。
・日本の出入国管理上の優遇措置を受けるためのポイントが付与される
日本の出入国管理上の優遇措置を受けられるポイントがもらえます。日本能力試験(JLPT)のN1合格者は15ポイント、N2合格者で10ポイントが付与されます。この優遇処置は70ポイント以上で受けられるものなので非常に大きなポイントを稼ぐことができます。日本語能力試験のN1が受験資格となっている国家試験
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、保健師、助産師、診療放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救命救急士、言語聴覚士、獣医師特定の職業では一定のレベル以上が必要となるケースもあります。
日本語能力試験は純粋な日本語レベルを証明できるため、就職活動以外でも、生活の中の様々な場面において役立ちます。最も多く使われるJLPTのレベルと概要
下記がJLPT日本語レベルの解説です。
N5
基本的な日本語の能力が備わっているレベルです。平仮名やカタカナと簡単な漢字を理解することができ、短くゆっくりと話される挨拶や定型文などの日本語なら理解できます。
N4
N5よりも知っている漢字や語彙が増えます。日常的によく遭遇するシーンなどの会話をゆっくり話すと聞き取ることができるでしょう。
N3
日本語能力検定資格の中間レベルです。日本語での日常会話ができるようになる水準の日本語レベルがあります。自然な日本語も聞き取ることができるようになり、難しい表現は言い変えることで伝わります。マニュアルも理解できますし、接客の仕事なども可能です。
N2
日本語の新聞を読んだり、ニュースを自然な速度で聞いて理解したりすることができます。N2レベルの外国人は、幅広い場面で使われる日本語を大体理解できています。
N1
習得が難しいN1は、母語が日本語である日本人が受験しても間違うことがあるくらい難しい試験となっています。N2よりも理解度は洗練され、大半の日本語を理解することができます。在留資格や業種によって求められる日本語能力は人それぞれですが、日本で働く外国人の多くがN4以上の日本語能力を身につけています。
また、日本で就職活動をしている外国人留学生は、約9割がN2(明快な文章が理解でき、幅広い場面で自然なスピードで会話ができる)以上の日本語能力があるといいます。N5とN4では主に教室内で学ぶ基本的な日本語が理解できるレベルです。漢字の読みは小学生低学年レベルの漢字の読みが理解できるレベルです。日常生活でよく使う身の回りのことであれば、定型文を理解したりゆっくり会話できたりする程度です。
コミュニケーションの場などで敬語は使わずに簡単な自己紹介が出来て、相手の話も住まいや年齢、家族構成の話しが出来るレベルとなります。N3はN2、N1への橋渡し的なレベルといえます。短文の理解や言い換え表現など日常的な場面での日本語が理解できるレベルです。
仕事でいうとレストランのホールでの接客やオフィスでの簡単な電話の取り次ぎや、ゆっくりしたスピードの会話なら会議に参加することも可能です。日本語のみで日本人と一緒に働くことが可能なレベルです。このレベルになると簡単な日本語を使う仕事、マニュアルがある仕事が可能になります。
3. 日本語能力の確認方法
日本語検定のみで判断しない
日本語能力試験では、文字や語彙、文法への理解、さらには読解力、リスニング能力を測ります。また日本語検定試験自体がマークシートによる採点形式となっています。このような試験形態のため、外国人の会話力や書く能力について試験結果から判断することができません。
試験結果の読解力やリスニング能力が高くても、会話ができない、メールすら書くことができないなどという問題がでるというようなことがないよう、試験の結果のみで外国人材の日本語能力の有無を決めることはやめましょう。
試験の評価よりも日本語を流暢に話すことができる人もいます。
自社の求める業務内容に適した日本語能力があるかどうかが重要です。
会話力を確認する方法
日本語の会話能力を判断するには、話をしてみることです。日本にすでに在留している外国人であれば面接やオンライン面接を通じて会話をしてみることで日本語力を判断することができます。
採用決定後に訪日するという場合には電話や国外とのテレビ会議で会話をしてみましょう。会話能力が重要な職業はこちらの確認は必須になります。
書く能力(ライティング)
外国人の書く能力を判断する方法は履歴書、職務経歴書の内容で基本的には確認しましょう。ただしこの場合、別の人間に書いてもらったり、日本人にチェックしてもらったりするケースも考えられます。確認する方法として外国人の面接時などに課題を与えて何か文章を書いてもらうか、実際に会った時に質問項目を文面にして答えてもらいましょう。
4.注意点・ポイント
日本語能力と業務遂行能力は直接、関係していない
外国人材は日本語能力による印象で評価されやすい傾向にありますが、実際には日本語能力が高い人材が業務適性があるとは限らないので注意しましょう。
日本人を例にとって考えるとこれは当然のことです。日本語ができる日本人にも業務適性が高い人と低い人がいるので、業務遂行能力と日本語力は切り離して考えるべきでしょう。
自社が求めるスキル、業務適正をもとに人材を採用しましょう。採用したい人材を明確にしておく
外国人材を採用する際には求めるポジションやスキルセットによって必要最低限の日本語能力を明確に設定していくと良いでしょう。例えば、プログラミング担当のITエンジニア人材であれば
”日本語能力試験3級(N3『相当』)+ Java経験3年以上”
顧客とのコミュニケーションが必要なエンジニア人材であれば
”日本語能力試験2級(N2『相当』)”
外食など比較的簡単な接客系人材であれば
”日本語能力試験3級(N3『相当』)”
物販や高度な接客系人材であれば
”日本語能力試験2級(N2『相当』)”
その他系(文系)人材であれば
”日本語能力試験2級(N2『相当』) + 海外向けマーケティング経験3年以上”
等です。
ポイントまた、エンジニア人材を採用する際、日本語能力を”N◯取得必須”とするのではなく、”N◯相当”とするだけで『日本語能力 + エンジニアリングスキル』をもつ希少人材から対象を広げて採用対象を広げることができます。
職種によって取得を必須にするべき場合もあるのでこちらは職務要件によって調整が必要となります。5.まとめ
外国人を採用する際、日本語能力を確認しましょう。会社としてどんな人を採用したいかの具体的な考えをもち、業務やポジションに適した採用を行いましょう
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- 2022.05.10外国人労働者を採用するときの注意点・面接ポイントと面接質問例5選
目次
外国人を採用する場合、どんなことに注意して面接、採用活動を進めていけばよいでしょうか。
この記事では実際に外国人の採用担当者に聞いた、採用のポイントや注意点を紹介します。外国人労働者を面接するときの見るべきポイント
1-1面接前のポイント
求職者がしびれを切らさないように、迅速に面接日時を決定する
求職者が応募していただいた場合、面接に進む際は迅速に面接日時を設定し、連絡しましょう。
書類選考の通過や面接日程の連絡が早い企業ほど好感度も上がりやすく、面接のキャンセルに至ってしまう可能性が低下します。
併願していることも多いので、採用人数の2倍以上の面接を設定する。
求職者は複数の企業に同時に応募している可能性が高いので、企業側は採用人数の2倍
以上の面接を設定しましょう。内定を出した後に内定辞退なども考えられますのでより多くの求職者を選考しましょう。書類審査を行い、履歴書や履歴項目、在留カード、資格証明に疑問がある場合は、できる限り面接前に質問をして回答を得ておく
候補者が自社の求める人材であるかについて、まず書類選考を行いましょう。
保有資格や学歴、職歴はマッチしているか、採用条件に適した日本語能力があるかどうかなどに疑問がある場合、面接前に事前に確認しておくと無駄な手間が省けます。また、面接前に必ず外国人求職者がが「法律上就労可能かどうか」を確認する必要があります。
これを確認せずに「在留資格のない人物」を雇用してしまったり、「在留資格外の業務」を任せてしまったりした場合は、雇用された外国人ではなく企業側も「不法就労助長罪」という罪に問われかねませんので注意が必要です。
在留資格や在留カードに少しでも疑問がある場合は、面接前に事前に確認することをおすすめします。
1-2面接時のポイント
それでは、外国人を面接する際には実際にどんなことを確認するべきか、そのポイントを説明します。
①担当者の自己紹介
まず面接のはじめに、面接担当者自身の自己紹介を詳しくしたほうがよいと思います。できる限りやさしい口調で、やさしい日本語でお話しすることにより、求職者にリラックスしていただき、本来の求職者のよいところを引き出すことができるようになります。
日本語など、母国語でない言語で面接をする場合は、求職者がとても緊張しています。ですから、緊張しないでほしいという意味も込めて、とても明るくやさしく話しかけたほうがよいと思います。②服装やあいさつについての注意点
面接時の服装については私服可かスーツ着用かしっかりと指定しておきましょう。海外の面接では服装に規制がなく、カジュアルな面接が行われています。
外国人の求職者が困惑しないように面接時に服装は明確に規定しましょう。
海外の面接のルール、また海外の面接の常識と、日本のルールや常識はまったく違うものと思っていた方がいいでしょう。
日本の採用面接には日本ならではのマナーや慣習があります。
会社が求める人物像にもよりますが、自社の社風や雰囲気になじめる人材を求めているのなら、服装も含め日本の面接マナーを学び、実践できているかもチェックのポイントと言えます。日本文化を取り入れて、日本に馴染む姿勢があるかなどが確認できます。あいさつについても確認しましょう。あいさつは日本人としてではなく、人間として必要なマナーです。大きな声であいさつをしている人は明るい印象、元気な印象をチェックすることができます。
③どういう人間性をもった人物かを知る
候補者がどんな人で、どんな人生を歩んできたのか、家族はどういう構成なのか、趣味や週末の過ごし方などを質問しましょう。
セクハラや人権にふれる質問は避けながら、できる範囲で多くの質問をして、自分の中で候補者の人間性がイメージできるようにしましょう。④意気込みを知る
候補者が採用面接において、応募した会社のことをどれだけ下調べしてきたかを確認しましょう。
下調べした内容や理解度が重要なのではありません。どれだけ採用されたい、この会社で働きたいという意気込み、強い意志が感じられるかを判断しましょう。⑤志望の理由を知る
候補者がなぜこの求人に応募したかの動機をしっかりと確認しましょう。本人の将来の夢や願望、人生の構想とも合わせて、本人がこの仕事に対してワクワクしているかを聞き取りましょう。
得てして「就職先がどこにもないから」とか「ただ単にお金を稼ぎたいから」だけの希薄な志望理由の場合もありますので、見分けられるような質問をしましょう。
志望理由が浅いと感じられる回答であれば、少しずつ掘り下げて質問して、本当の意志を確認しましょう。⑥会社の理念や方針を飾らず伝えること、その際の相手の反応を知る
上記③④⑤を進めていく間に、採用担当者が会社の理念や、目指すところ、経営者として思うところ(経営者の場合)を話しましょう。
その時に候補者がどういう反応をするか、ワクワクしている様子か、この会社で心から働きたいと思っているのか、などを確認しましょう。
会社が外国人を採用したい!と思うのと同時に、候補者にもこの会社で働いてみたい!と思ってもらうことが重要です。
これらの会話においては、特に大げさに飾る必要はなく、会社としての正直なところをいろいろと話をするのがよいと思います。⑦チャレンジ精神があるか、チームワークを大切にする人かどうかを知る
外国人はその国独自の文化や風習があります。また働く環境や習慣も異なります。それを理解した上で、チームワークを大切にする人かどうか、またチャレンジ精神があるかどうかについて、確認できるような質問をしましょう。その方を採用することによって、今のチームや採用する部署にいい影響が与えられるか、それとも害を及ぼす人間をイメージして判断しましょう。
⑧待遇や雇用条件、仕事内容を丁寧に説明すること
外国人求職者に対しては、雇用条件や仕事内容を丁寧に説明しましょう。
例えば、旅館業の仕事は受付やルームサービス、予約対応などが主に挙げられますが、清掃や片付けを担当することもあります。しかし、外国人が清掃や片付けも仕事に入ると把握せずにいた場合、「約束が違う」「私の業務ではない」と主張して仕事を放棄する可能性があります。
他の業種においても同様で、事前に説明し納得していない業務は自分の仕事ではないという認識をする外国人が多くいます。そのようなことが起こらないために、面接時に待遇や雇用条件、仕事内容は細かく伝えましょう。
例えば、終了時刻が定まっていない残業は大きな問題となることがあります。終了時間が設定できる残業なのか、業務が完了するまで残業しなくてはいけないのか、面接時に残業の有無とその内容を明確にしておくことをおすすめします。⑨雇用条件、仕事内容を理解しているかを知る
雇用条件や仕事内容について説明した内容を、求職者がきちんと理解しているかを確認しましょう。外国人求職者は「わかりました」と言いながらも、面接担当者の日本語をほとんど理解できていない場合も多いですので、理解度を確認しましょう。
採用後のトラブルや離職防止のためにも、求職者が雇用条件や仕事内容を完全に理解していることはとても重要です。
少しでも理解していないような雰囲気がある場合は、質問を促しましょう。求職者の質問に対しては、ていねいな日本語で根気よく回答しましょう。「一度伝えたはずだ」という気持ちは自分の心の中から消し去りましょう。⑩選考結果をいつ伝えるかを明確に伝える
選考結果を求職者にいつどうやって伝えるかを明確に面接時に伝えましょう。
求職者は複数の募集に応募している可能性がありますので、結果をいつ、どうやって伝えるかは決めておいて しっかりと伝えましょう。
不明確な返事、選考結果がの伝達が遅いなどの問題は企業のネガティブイメージに繋がりますので 注意しましょう。面接質問例5選
外国人を面接するときに外国人ならではの質問を紹介していきます。
現状、動機を確認する質問
このような質問をすることでコミュニケーションスキルや主体性が見えます。
【質問例】- どうして日本で働きたいのですか。
- 日本に興味を持ったきっかけはなんですか。
能力、価値観、外国人の強みを確認する質問
このような質問をすることで、日本の社会や社風に合うか、どのような価値観を持っているのか、仕事の進め方、困難に対する乗り越え方が見えてきます。
【質問例】
- 日本語の勉強で大変だったことはありますか。またその困難をどのように乗り越えましたか。
- 日本で仕事をするうえで、大切にしたいことは何ですか。
キャリアや人生設計を確認する質問
このような質問をすることで、応募者の志望意思や仕事の捉え方が見えてきます。
志望動機や希望職種、休日出勤や残業の有無などもこの分野に含まれます。
【質問例】
- 日本で働いて、その後どのような人生プランを考えていますか。
3.日本人と面接するときとの違い
日本人よりドタキャンが多いので、割り切って考える。
外国人求職者は、日本人と感覚に違いがあり、連絡なく面接に来ない場合や、面接直前にキャンセルすることも多いようです。
ですから、割り切ってキャンセルはあるものだと想定して、採用活動を進めていきましょう。
応募者からの質問に丁寧に回答したり、前日に最終確認をするなどして、ドタキャンや無断キャンセルを防ぐ対策を行いましょう。初回面接はできる限り集団面接を実施する。
上記のように、面接キャンセルが多発すると、面接担当のスケジュールに影響が出てしまいますので、効率的に面接を行うために、一次面接は集団面接を行うことをおすすめします。
そもそも面接キャンセルをする候補者は選考対象にはなりませんので、面接担当の時間を奪われずに、効率的に選考ができます。その他注意点
オンライン面接の場合
- 何かの資格をもっている場合は、その資格の合格証などを確認しましょう。
- 在留カードは事前に真偽を確認しておき、少しでも疑いがある場合は、詳細に質問しましょう。
<在留カードの偽造を見分ける方法>
- 候補者の出身国の文化や習慣について事前に学んでから面接をしましょう。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)人材の採用や、専門的分野の職務であれば、過去の職歴や経験、履修内容について詳しく質問をします。日本人と比べて、その国それぞれで専門職の事情が異なりますので注意が必要です。
まとめ
外国人を採用のするための面接やポイントは、日本人の面接とは異なる点に注意しながら進めていきましょう。
閉じる- 2022.05.10外国人を雇用するには?|メリット・注意点・手続き
目次
飲食店やコンビニなどを利用する際、外国人のスタッフに接客をしてもらった経験はありますか?
少子高齢化がきっかけとなり、多くの企業で人手不足が叫ばれています。
中には、働き手がいないことで倒産してしまう企業も。
この時代において、積極的なグローバル人材の獲得は、企業存続、成長のための支えの一つと言えるでしょう。
「日本人の雇用とは違う手続きがあって、面倒そう」
「言葉の壁や文化の違いが心配」
といった理由で、外国人雇用に消極的な企業もあるでしょう。
しかし、雇用形態が多様化したことで、それぞれの企業にマッチした外国人労働者の雇用方法や人材が見つかるかも知れません。
この記事では、外国人雇用の概要やその方法について解説します。
メリットや注意点を踏まえ、外国人雇用に向けて一歩踏み出しましょう。1.外国人雇用とは?種類やニーズの高い職種をご紹介
増え続ける外国人労働者
厚生労働省が発表した調査によると、2020年の10月末において、外国人労働者は172万人を超えています。
前年と比べて6.5万人増加し、過去最高を更新しました。
企業がとる人材確保の手段として、外国人雇用が定着していることがわかりますね。
彼らはどのような形態で雇用されているのでしょうか。外国人の雇用方法
外国人労働者の需要が増えた現代では、その雇用方法も多様にあります。
日本人と同様に正社員や契約社員、アルバイトとして採用する方法や、技能実習生として受け入れる方法、派遣社員として派遣会社から派遣される方法など。
留学生をフルタイム社員として採用できないなど、それぞれの在留資格や雇用方法に応じた制約もあります。
法律や規定を確認の上、自社の募集内容にあった雇用方法を選びましょう。外国人労働者は製造業が最多
業種別で見ると、外国人労働者の数および、彼らを雇用する事業所の数は、ともに「製造業」が最多となっています。
外国人労働者全体の28%、彼らを雇用する事業所全体の19%を、製造業が占めているのです。
また、近年増加しているのが、「建設」「小売」「医療・福祉」の分野。
日本国内での外国人人材需要が高まるにつれ、日本語力が高い外国人労働者の数も増えています。
販売員や介護スタッフなど、コミュニケーションが必要な職種でも、彼らの活躍が期待されているのです。
また、最近では専門的な技術を持つ専門職、エンジニアも外国人を採用するケースが増えています。日本に多い外国人労働者はベトナム人
国籍別に見ると、ベトナムからの労働者が約26%で最多となっています。
これは、ベトナムで日本製の中古家電や単車が流通しており、国同士の距離も比較的近く、日本語を学ぶ文化があるなど、彼らが日本に親しみを感じているという点が大きいでしょう。
また、勤勉、手先が器用といった、日本と共通する国民性を持ち合わせています。
このような背景から、ベトナム人労働者は、広く日本で受け入れられているのです。
国籍別の割合は、次いで中国人が約24%、フィリピン人が約11%となっています。
近年では、ネパール人も増加傾向にあるようです。2.外国人雇用をするメリットは「労働力」と「発想力」
それでは、彼らを雇用することによって、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
具体的に確認していきましょう。若い労働力を確保できる
日本の人材不足は、少子高齢化に起因しています。
業界によっては、若年層をターゲットに募集をしても、なかなか人材が集まらないのです。
外国人労働者は、技術を身に付けることやお金を稼ぐことに貪欲です。
彼らは、現代日本の若年層にはあまり見られない、ハングリー精神や高いバイタリティを持って来日します。
意欲的に働く外国人労働者は、日本企業の人手不足解消を担う貴重な労働力なのです。「新しい発想」で組織を活性化
彼らは、日本で生まれ育った私たちが考えつかないような発想をします。
時としてそれは、新鮮で社内を活性化させるような意見となるでしょう。
文化レベルで違う視点からの発想が、企業の課題や成長の芽を見つけるチャンスとなるのです。海外進出や現地雇用のパートナーに
既に海外に進出している企業にとって、進出先の国の出身者を雇用することは、その労働者が帰国した際に、現地での即戦力になり得ます。
また、今後海外進出を睨んでいる企業にとっても、情報収集のサポーターとして、また進出時のナビゲーターとして、彼らの活躍が期待できるでしょう。外国人労働者側のメリット
外国人労働者側にも日本で働く多くのメリットがあります。今後は外国人側の視点で見てみましょう。
健康保険や雇用保険の制度が充実している
日本では健康保険や雇用保険などの制度がしっかりしているので、外国人も安心して日本で働けます。日本で働くことで、健康保険には必ず加入するので、医療費も日本人と同じように負担額を抑えて通院することが可能です。年に1回の健康診断の受診ができることも特徴です。また、交通費が支給される制度なども外国人にとっては魅力的だということです。
レベルの高い仕事や技術を学べる
日本は世界トップクラスの顧客対応や高いレベルの技術を持っています。そのような技術を学べることが外国人労働者にとってのメリットの1つです。本当にやりたいと思っていること、学びたいと思っていることをが日本にある仕事だという外国人も少なくありません。
安定して働くことができる
正社員の場合ですが、日本ではある日突然仕事を辞めさせられるということは稀で、仕事が突然なくなる心配をせずに働けるというメリットもあります。
3.外国人雇用の注意点は「言葉の壁」と「事務処理」
そうは言っても、外国人を雇用する際には、いくつかの注意点があります。
この章では、その内容について具体的に紹介しましょう。母国語しか話せない時の「言葉の壁」
外国人雇用のデメリットとして最初に挙げられる言葉の壁の問題は、これまで外国人雇用をしたことがない企業の方でも、容易に想像できるかと思います。
実際に、来日したての外国人労働者は特に、日本語レベルに不安があることが多いです。
外国人労働者が片言の日本語を話しても伝わらなかったり、逆に日本人社員の指示が聞き取れなかったり。
現代は、翻訳に便利なアプリやウェブサイトがあります。
それらを駆使してコミュニケーションを図りましょう。
また、日本人の社員が平易な日本語を使うことも大切です。
「ゆっくり」「短く」「です、ます調」「標準語のイントネーション」で発話すると、外国の方には聞き取りやすいでしょう。
途中や最後に、「わかりますか?」と尋ね、相手の反応をうかがうのもいいですね。
また、通達や掲示物も、彼らに関わる内容であれば、すべて外国語を併記する必要があります。
外国人労働者も、日本で働く期間が長くなるにつれ、徐々に円滑なやりとりができるようになります。
日本人、外国人の双方が歩み寄ることで、社内のコミュニケーションも活性化するでしょう。文化の違い
日本人同士の間には、「暗黙のルール」のような、お互い言葉にしなくても通じ合う部分があります。
生まれ育った文化が違う外国人労働者にとっては、それらを全て理解することは難しいでしょう。
「チャイムが鳴るまでは仕事をしましょう」
「休憩に行くときや帰るときは、声をかけましょう」
「香りの強い香水は、仕事にはつけてこないで下さい」
といったように、入社前の研修やOJTで、一つひとつ言葉にして、伝えていく必要があります。
多くの場合、悪意はなく、日本での働き方になじんでいないだけです。
彼らの自尊心を傷つけないような伝え方をすれば、素直に聞き入れてくれるケースがほとんどなのです。
経営者や日本人社員も、彼らの文化や信仰に理解を深めることができれば、よりよい関係を築くことができるでしょう。日本人雇用にはない事務処理
外国人労働者を雇用する際は、日本人雇用の時にはないような必要書類や手続きが必要になることもあります。
それに加えて、書類チェックのポイントも異なります。
これらの手続きや確認を怠ると、例え故意ではなかったとしても、懲役や罰金による処罰の対象となるのです。
対策として、事前に手続きの内容と注意点を押さえておくことが必要です。
次の章で、外国人雇用の流れや手続きについて確認しましょう。4.外国人雇用手続きのポイント
代表的な募集方法
代表的な募集方法は、次のようなものがあります。
まずは、日本人募集の時と同様に、ハローワークや求人広告に掲載する方法。
その中でも、日本で働きたい外国人と日本企業とのマッチングに特化したサイトを活用すれば、より効率的に人材を募ることができます。
次に、外国人が多く在籍する派遣会社に依頼する方法。
自社での採用が難航している場合や、求人広告に多額の費用を掛けられない場合に有効です。
また、外国人労働者はSNSで仕事を探すことも多いです。
仕事内容や社内の様子を掲載した自社SNSを活用することで、採用にかかるコストを大幅に削減することができるでしょう。
他には、技能実習生として受け入れる方法も有効です。
こちらは、「企業単独型」と「団体監理型」に分かれ、97%の企業が、後者の監理団体を通した技能実習生の受け入れを採用しています。
監理団体が提携する海外の送り出し機関に、実習生候補者の選定を依頼し、募集する流れとなります。
最後に、有料職業紹介会社を利用する方法です。
介護や外食など、深刻な人手不足が懸念される14業種では、特定技能制度を活用して外国人を受け入れることが可能です。
求人を募り、採用が決定した際に仲介料を支払う、という仕組みです。
アフターフォローや補償の体制が整っている紹介会社を利用すれば、外国人雇用の経験がない企業でも安心ですね。雇用条件の確認
無事採用が決まれば、雇用条件をあらためて確認しましょう。
どの募集方法でも、募集要項の中に、ある程度詳細な仕事の内容や条件が記載されています。
それぞれの項目について、双方の認識のミスマッチがないか、契約前に確認しましょう。
この時に併せて行っておきたいのが、原本での在留カード確認です。
在留資格の種類によって、日本で働ける条件が異なるのです。
在留資格は今回の募集内容に沿った種別か、就労が認められているか、在留期間は過ぎていないか、などをチェックしましょう。
国外にいる労働者を新規で招いたり、ビザを変更する必要があったりする場合は、手続きに1ヶ月以上の時間がかかることも。
在留資格申請の際は、取得の要件をすべて満たしているかの確認も必要です。場合によっては入国管理局に直接問い合わせる必要があるかもしれません
採用の計画に合わせ、スピード感を持って手続きを始める必要があります。雇用契約
雇用契約を結ぶ際は、日本人を雇用する書面と同じで問題ありません。
ただ、可能であれば、採用する外国人の母国語で書かれた書面や、フリガナがついた簡単な日本語表記のものを準備しましょう。
外国人労働者も内容が確認しやすく、トラブル防止につながるでしょう。
これから外国人向けの雇用契約書を作成する企業は、厚生労働省が公開する契約書の例があるので、そちらを参考にするのもいいですね。
厚生労働省 外国人向けの雇用契約書例
住居の手配が必要な場合は、物件探しや生活インフラの整備に時間を要するため、入社日が決まった段階で準備を始めましょう。入社後の環境整備
入社後、一番大きな課題となるのが、コミュニケーションの問題です。
サポートや対応をおろそかにすると、社員同士のトラブルや違法行為につながりかねません。
通訳を雇い入れる、母国語の掲示物や作業手順書をあらかじめ作成しておくなど、会話や仕事の指示が円滑に伝わるように、準備をしましょう。
ただし、外国人労働者だからと言って、過度に特別な扱いをする必要はありません。
日本人社員と同様に考え、企業に定着する方法や、活躍を促す施策やイベントを実施しましょう。5.まとめ
今回は、外国人雇用について解説しました。
外国人労働者を受け入れたことがない企業にとっては、言葉や文化の壁があることや、特別な事務処理が必要な点は、どうしても抵抗があるかも知れません。
しかし、長期的な視点で見ると、人材確保や新しい発想など、リスクを上回るメリットも大きいのです。
外国人労働者を、低賃金で雇える労働力と捉えず、適切なフォローで彼らに歩み寄る姿勢が大切です。
外国人雇用を成功させることが、企業が飛躍するきっかけの一つとなるでしょう。【出典】
厚生労働省 「外国人の雇用」
厚生労働省 「我が国で就労する外国人のカテゴリー」
厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
厚生労働省 東京労働局 「よくあるご質問 外国人雇用関係」おすすめ記事閉じる介護業界の人手不足は今後さらに深刻化する。理由と対策を徹底解説
介護業界は未曾有の人手不足に直面しています。今後さらに労働人口が減少している現状とニーズの急増という2つの波が押し寄せ、ますます深刻化していくことが明確です。少子高齢化の日本を襲う人材難に立ち向かうために、その理由と外国人労働者活用での対策を徹底解説します。
- 2022.05.09外国人雇用の際のマイナンバーカードに関する基礎知識
外国人労働者を雇用する際の、マイナンバーに関する注意点をご存知でしょうか。
思わぬトラブルや失敗を生まないために、この記事を読んで基礎となる知識を身につけましょう。目次
マイナンバー制度
マイナンバー制度とは、日本に住民票を有する全ての人に12桁の番号が与えられる制度です。
社会保証、税、災害対策の3分野で、いろいろな機関にある個人情報が同一人物のものであると確認するために利用されます。
行政の透明性や効率化を高め、国民にとって便利で公平・公正な社会の実現のための社会基盤です。
マイナンバーが付与される外国人
マイナンバーが付与される外国人
マイナンバーは、日本国内に住民票を有する全ての外国人に与えられます。
つまりは、入国管理局から在留カードが交付される「中長期在留者(入管法上の在留資格をもって日本に3ヶ月以上の中長期間在留する外国人)」にはもれなくマイナンバーが付与されます。
観光目的などの「短期滞在」の在留資格で来日する外国人はこの中長期在留者には含まれず、マイナンバーは付与されません。
マイナンバーの発行されていない外国人の雇用
マイナンバーが発行されていない外国人を雇用することは、法律上禁止されています。
外国人労働者を雇用する際には在留カードの提出が必須で、採用面接の際に実物確認が義務付けられています。
在留カードを保持している外国人は住民票を保持しているので、必ずマイナンバーも付与されています。逆に、マイナンバーが発行されていない外国人は在留カードを持っていない可能性が高いです。
トラブルを回避するために、採用面接の際の在留カードの確認は必ず行いましょう。
マイナンバーが付与されていても正社員での雇用が禁止されている外国人
下記の在留資格によっては、マイナンバーが付与されていても正社員としての雇用が法律上禁止されている外国人もいます。
- 留学
- 家族滞在
- 文化活動
- 就学
- 研修
上記の在留資格を持つ外国人はアルバイトをすることは可能です。ただ、就労時間の上限などといった日本人とは異なるルールがあるので注意が必要です。
また、アルバイトの際には入国管理局で資格外活動許可を得ることが必須となります。アルバイトとして外国人を雇用した際にもマイナンバーの提出が必要です。マイナンバーが外国人就労に与える影響
納税状況などの効率的な管理が可能に
給与所得者の源泉徴収や各種支払調書にもマイナンバーが記載されることになるため、
外国人の確定申告書の提出や社会保険等の納税状況について行政機関が効率的に把握することが可能になります。
したがって、納税義務を果たしていないなどのルール違反はすぐさま確認され、在留期間の更新が認められなくなったり、
永住権申請の際に許可が下りなくなったりすることがあります。そして、そのような外国人労働者を雇用する企業が
マイナスな評価をされることにも繋がりますので、しっかりと注意を払い、指導をしなくてはいけません。外国人の貢献度の定量化が可能に
今までは、外国人労働者の日本への貢献度がわかりにくいといった意見がありました。 しかし、マイナンバーの活用が進む中で、政府が外国人の納税額などを集計し経済的な貢献度を定量的に示すことができるようになりました。
マイナンバーが付与されるまでの流れ
マイナンバーが付与されるまでの流れ
日本に入国した中長期間在留する外国人の、マイナンバーが付与されるまでの流れを下記に説明します。
- 在留カードが交付される。
- 居住地を定めた日から14日以内に在留カードを持参して、居住地の市区町村役所の窓口へ転入届を提出する。
- 住民登録がなされて住民票が作成され、マイナンバーが付与される。
そしてその後日、市町村村より通知カードが届きます。
通知カードとは個人番号把握のためのもので、身分証としては利用不可です。
通知カードと引き換えにマイナンバーカードを発行することができ、こちらのマイナンバーカードは身分証明書として利用できます。通知カードについて
通知カードは、住民票に登録されてから2〜3週間程度で登録した住所に届きます。
このカードにはマイナンバー、氏名、生年月日が記載されています。
顔写真などの個人を証明するものの記載はないので、マイナンバーを証明する書類や身分証明書としては利用できません。マイナンバーカードの申請の方法
マイナンバーカードとは、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真、マイナンバーが記載され、ICチップがついているカードです。
公的な身分証明書として使用することができます。
通知カードが届く際にマイナンバーカードの交付申請書が同封されていますので、その申請書を使用して下記のいずれかの方法で申請することができます。- スマートフォン:交付申請書のQRコードを使用してWebサイトから申請します。
- PC:スマートフォン同様、Webサイトから申請します。
- 郵送:交付申請書に必要事項を記入して郵送します。
- 身分証明書用写真の撮影機(対応機種のみ):交付申請書のQRコードを使用します。タッチパネルを操作して必要事項を入力して申請します。
- 市区町村の窓口:交付申請書に必要事項を記入して、居住地の市区町村に提出します。
初回の発送手数料は無料です。
個人番号カードの発行は任意となります。また、申請期限はありません。
申請してから約1か月後に市区町村からハガキが届き、ハガキと必要書類を持って、マイナンバーカードを受け取りに行きます。外国人がマイナンバーカードを持つメリット
基本的には日本人とマイナンバーカードが使用出来る場面は同じです。
下記の用途で使用できます。
- 公的な身分証明書
- 所得税のオンライン申請
- 子供に関する手当や保育園に入るためのオンライン申請
- コンビニで住民票の写し取得
- 健康保険証
マイナンバーの取り扱いでの注意点
帰国時に関して
本国に帰国してもその外国人のマイナンバーは変わりません。 マイナンバーを持つ外国人が再入国の許可を得ることなく出国する場合、在留カードとともに通知カードもしくはマイナンバーカードを返却することになります。
その際にマイナンバーが記載されたカードが交付されるので、再び中長期滞在することになった際にはそのカードを提示してください。そうすると改めて同じマイナンバーが付与されます。マイナンバーカードを紛失した場合
紛失してしまった場合は、まず下記の2点を早急に行いましょう
- 個人番号カードのコールセンターへ電話をして機能を停止させる
- 警察へ遺失物届の提出をする
その後、居住地の市町村へ届出をし、再発行の手続きをします。
再発行の手続き
事前に居住地の市町村のホームページを必ず確認をして、所定の役所や市民センターで手続きをしてください。
手続きに必要な書類は、基本的に下記の3点です。- 在留カード
- 再交付申請書(役所にあります)
- 顔写真(6ヶ月以内に撮影したもの)
再発行は有料です。
失効、有効期限延長手続きに関して
有効期限は、マイナンバーカードを発行した時点での在留期限と同様です。
在留期限が更新されてもマイナンバーの有効期限延長は自動的にされないためご注意ください。
必ずご自身で、在留期間の更新前の満了日までに延長手続きをしなくてはいけません。万が一、その手続きを失念して有効期限が切れてしまった場合には失効してしまいます。
失効してしまった場合の手続きも、再発行の際と同様、事前に居住地の市区町村のホームページを必ず確認をして、所定の役所や市民センターで手続きをしてください。
手続きに必要な書類は、基本的に下記の3点です。ただ、各市町村によって異なるためホームページの確認は必須です。- 手持ちのマイナンバーカード
- 在留カード
- 在留期間変更にともなう有効期限変更ための申請書
(役所にあります)
企業における外国人労働者のマイナンバーの管理
企業がマイナンバーを取り扱うことができるのは、原則、源泉徴収票や支払調書といった書面を行政機関に提出する場合だけです。
これ以外の目的で企業がマイナンバーを第三者に提供したり保管し続けたりすることは禁止となっています。
また、万が一マイナンバーを漏洩させてしまった場合は刑事罰や損害賠償責任など厳しい罰則があるので、その取り扱いには十分な注意が必要です。まとめ
今回は、外国人に関するマイナンバーの基礎知識と、実際に外国人を雇用する際のマイナンバーに関する注意点をご説明しました。
企業側は、マイナンバーが活用されている税や社会補償の管理・監督体制を今一度見直すと同時に、外国人労働者への指導も徹底しましょう。- 2022.05.05外国人労働者受け入れ|メリットや注意点、問題を大公開
企業の発展には、優秀な人材の確保が不可欠です。ところが、日本は少子高齢化などの影響により、生産年齢人口(労働に従事できる年齢の人口)が年々減少しています。 2019年には7,500万人だった生産年齢人口は、2050年には約3割減の5,300万人となる見込みで、企業における労働力の確保が課題となっています。
そこで注目されるのが外国人労働者の受け入れです。日本で外国人労働者を受け入れている企業は、2014年以降、毎年約2万か所のペースで増えており、令和2年10月末時点で、約27万か所となっています。
今後ますます増える見込みの外国人労働者ですが、初めて受け入れる場合には、わからないことや不安な点もあるでしょう。 この記事では、外国人労働者を受け入れるメリットや注意点について、詳しく説明します。目次
1.外国人労働者受け入れの現状とは?
まずは、日本にいる外国人労働者の現状について見ていきましょう。
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、2022年10月末時点の日本で働く外国人労働者数は、約173万人です。2021年の外国人労働者数は約170万人だったので、横ばいとなっています。国籍別にみると、1位がベトナムの約45万人、2位が中国の約40万人、3位がフィリピンの19万人となっており、上位3か国で、外国人労働者全体の約6割を占めています。
産業別にみると、「製造業」が最も多く、外国人労働者全体の27.0%を占めています。次いで、「サービス業」が16.3%、「卸売業、小売業」が 13.3%となっています。日本での人材不足が深刻になっているIT事業でも、外国人労働者を採用する企業が増えています。また、近年「医療、福祉」や「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」が増加傾向にあります。
参照:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)2.外国人労働者を受け入れるメリット
年々増加している外国人労働者ですが、受け入れにはどんなメリットがあるでしょうか。ここでは3点紹介します。
1つ目は、優秀な若い人材を確保できることです。
日本の新卒人口は年々減少しており、特に地方や中小企業では、新卒の採用に苦慮しているところも見られます。また、社員の平均年齢が上がり、会社の存続に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
外国人労働者を視野に入れれば、世界中の豊富な人材から幅広く選考することができるため、優秀で若い人材を獲得できます。
また、外国人労働者は、日本とは異なる文化や価値観で育ってきたため、日本の仕事に先入観がありません。そのため、日本人が気づかなかった問題点を見つけたり、日本人とは異なる視点からアイディアを出してくれるかもしれません。2つ目は、外国人労働者が、海外とのパイプ役となりうることです。
日本は今後も人口減少が進むため、国内市場も縮小します。新たな市場を開拓するため、海外に目を向ける企業も多いのではないでしょうか。
そんな時、外国人労働者は大きな手助けとなるかもしれません。海外では、現地の文化やネットワークがわからないと、市場開拓が難しい場合もあります。ターゲットとなる国からの外国人労働者がいれば、母国の外国語や文化を理解していますし、本人が自国で築いたネットワークが使えるかもしれません。市場調査はもちろんのこと、海外顧客との商談や契約の際、中心的な役割を担ってくれる可能性があります。3つ目は、社内でのコミュニケーションが活発になることです。
日本では、空気を読むことや暗黙の了解といった「言わなくても理解すること」が求められます。しかし外国人労働者にはそのような習慣がないため、はっきりとわかりやすく伝える必要があります。ビジネスマナーや休暇の取り方、仕事の方法などは、全て言葉に出して説明する必要があります。手間はかかりますが、自然とコミュニケーションが増えることで、社内の雰囲気も良いものに変わるでしょう。
また、受け入れる日本人側にとっても、外国人労働者に説明することで、自分達の「当たり前」が世界の常識ではないことに気づくきっかけになります。お互いの違いを理解し、より働きやすい環境に変えていくことは、ダイバーシティを推進することにもつながります。3.外国人労働者を受け入れる際の注意点
外国人労働者の受け入れにはメリットもありますが、注意しなければならない点もあります。ここでは3つ紹介します。
1つ目は、受け入れの手続きが煩雑で、時間がかかることです。
外国人労働者の受け入れには様々な手続きがあり、時間と労力が必要になります。例として、技能実習生がビザを取得し、日本に来るまでの流れを見てみましょう。
- 実習開始予定日の4か月前までに「技能実習計画」を外国人技能実習機構へ提出する。
- 技能実習計画の認定を受けた後、地方入国管理局に「在留資格認定証明書」の交付申請を提出する。
- 在留資格認定証明書の発行後、証明書を技能実習生に送付する。
- 技能実習生が現地の日本大使館で在留資格認定証明書等を提出し、査証を取得する。
- 技能実習生が日本に入国する。
このように、技能実習生を受け入れる場合、4か月以上前に採用者を決定しなければなりません。また、ビザ関連の手続きには時間がかかる場合もあるため、計画的に採用の準備を進める必要があります。
ここでは、技能実習生を例にあげましたが、他の在留資格で受け入れる場合にも、不法就労とならないよう関連する法律や制度を十分に理解する必要があります。外国人労働者を受け入れる際には、専門的な知識と細かい事務作業が必要となり、日本人の採用と比べ、手続きに時間と労力がかかります。2つ目は、言葉の壁があり、サポートが必要なことです。
外国人労働者は、ある程度日本語を理解していても、細かなニュアンスが伝わらなかったり、難しい漢字を読めなかったりするケースもあります。危険が伴う作業の際、日本語がわからなければ、仕事を任せることができません。
そのため、業務連絡や指示を出す際に工夫が必要となります。業務の説明は文字に書き起こし、漢字にはふりがなをふって、専門用語はやさしい日本語に書き換えます。状況によっては、スマートフォンの翻訳機能を使ったり、民間の翻訳サービスを導入する必要もあるかもしれません。
また、仕事だけでなく、生活面でのサポートも必要です。日本に入国後、市役所で住民登録や健康保険の加入が必要となりますが、こういった行政手続きにも、誰かが付き添うのが良いでしょう。言語の問題は、本人が語学能力を上げることも大切ですが、周りのサポートも必須となります。3つ目は、異なる文化や価値観を理解し、制度や環境を整える必要があることです。
外国人労働者は、日本とは違う文化や価値観を持っています。それを、受け入れる企業側が十分に理解し、制度を整える必要があります。
例えば、日本では会社への帰属意識が高いですが、海外では個を尊重するのが一般的です。そのため、「会社のために働く」考え方は理解が得られず、すぐに離職してしまうかもしれません。外国人労働者が納得できるような説明を行い、気軽に相談できる体制を作ることが必要です。
また、宗教や文化に関する配慮も必要です。例えばイスラム教では、1日5回、決まった時間に礼拝を行わなければならず、食事も戒律をもとに定められています。そのため、社内に祈祷室を設けたり、ハラル食対応の社食を準備することが必要です。4.外国人労働者問題について
近年、日本には多くの外国人労働者がいますが、外国人労働者の増加に伴い、外国人労働者問題も増加しています。問題とならないためには、受け入れ側が正しい情報収集、認識を持っておくことが大切になります。認識不足により、問題となってしまうケースを3つ紹介します。
低賃金
外国人労働者問題の1つ目は低賃金です。特に技能実習生の問題として多く挙がります。技能実習の本来の目的は「外国人に日本の技術を学んでもらい、母国で生かしてもらう」ということですが、人材不足に悩む企業では、技能実習生が主要な労働力を担っている企業も少なくありません。そのような企業の中には安い労働力で技能実習生を受け入れられると誤解した認識をしている方もいらっしゃいます。技能実習生を受け入れるためには監理団体への管理費用や、採用費用など、実習生1人にかける人件費は安いとは言えず、結果的に技能実習生の賃金を上げにくいという背景があります。
長時間労働
外国人労働者であっても、日本の労働基準法を遵守しなければいけません。賃金を目的として日本に来ている外国人労働者に残業をしたいとお願いされたり、日本語が得意でない外国人は日本人と同じ作業をするのに多くの時間がかかってしまったりして、長時間労働をさせてしまっているケースも少なくありません。技能実習生を受け入れる企業の違反事項でも最も多いのが、不当な長時間労働です。在留資格によって外国人それぞれが労働できる時間も異なります。特にアルバイトを雇い入れる際は、その外国人の在留資格の最長労働時間を確認する必要もあります。
劣悪な労働環境
日本の職場において、外国人労働者が弱い立場に置かれてしまうケースは少なくありません。そのようなことはあってはならないケースですが、コロナ禍による業績悪化などにより解雇される対象になりやすく、再就職も難しいのが現状です。このような状況を悪用し、外国人労働者を雇い、日本人がやりたがらない危険で不衛生な労働を押しつけたり、不合理な労働条件で雇用契約を結んだりします。他にも、労災が起きても労災と認めなかったり、割増賃金を払わない等の問題があります。
5.まとめ
少子高齢化が進み、今後も労働力が減少する日本では、労働力の確保が重要です。外国人労働者を受け入れることは、その解決策の1つとなります。
外国人労働者を受け入れれば、労働力の面だけではなく、企業のグローバル化の観点からもメリットがあります。また、今まで日本人だけだった職場に外国人が加われば、コミュニケーションが活発になり、より良い組織となるでしょう。
一方で、外国人労働者の受け入れには、しっかりした事前準備と社内環境の整備が必要となります。また、不法就労とならないよう、専門知識と正確な事務手続きが必要となります。関連記事閉じる- 2022.05.05技能実習 自動車整備業|外国人技能実習生を雇用するには?
目次
「採用活動がなかなか上手くいかないから、技能実習生の雇用方法を知りたい」など、自動車整備業の職種で技能実習生の雇用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、国土交通省が近年技能実習生の採用に積極的な姿勢を見せており、自動車点検などで外国人の姿を見る機会も増えました。企業も技能実習生の雇用に踏み切れば、今まで解決できなかった労働力不足問題も克服可能です。この記事では、自動車整備業における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。自動車整備業は労働力不足問題に直面している
現在、自動車整備業は深刻な労働力不足問題に直面しています。国土交通省の発表によれば、自動車整備業の従業員はほぼ横ばいに推移していますが、有効求人倍率は年々上昇傾向にあるのが特徴。平成29年自動車整備業の有効求人倍率は「3.73」倍を記録しており、全業種合計の1.54倍を大きく上回っています。さらに、整備工場に対しての自動車整備士過不足アンケートでは、約半数が「不足・やや不足」と回答しており、自動車整備業の労働力不足問題が見て取れる結果となっているのが現状です。実際に平成28年4月より、自動車整備事業においても技能実習生の受入を開始し、各企業で技能実習生を積極的に雇用し人手不足を解消する動きが見られています。
自動車整備業が人手不足に陥っている理由
自動車整備業が人手不足に陥っている理由は一体何でしょうか?
ここからは人手不足の理由について説明していきます。
人手不足の理由
若者の車離れ
自動車整備士が人手不足に陥っている最大の理由は、若者の車離れです。現在はネット通販の定着やレンタカー・カーシェアリングの普及により、車を所持しなくても生活可能な環境が整備されました。とくにネット通販の定着はレンタルDVDや家電量販店にも大きく影響を与え、時代の変化が顕著に表れています。
また、日本トレンドリサーチのアンケート結果によると、免許を持たない人の約4割が「必要性を感じない」と答えています。加えて、免許を持つ人の約6割が「お金が掛かるから」と回答している背景からも、車を持ちたがらない人が年々上昇傾向にあるのです。結果、若者の車に対する興味が薄くなり、自動車整備業に携わる人が減っていきます。若い世代の車離れは自動車整備業に大きく打撃を与えているのです。
自動車整備業の大半は中小企業
例えば、自動車整備士に対して「労働時間が必要以上に長い」「給料が安い」など、良いイメージを持たない方が多いのが一般的。実際、自動車整備業の大半は中小企業であり、労働者一人に対しての負担が増しています。加えて、資金が豊富ではないため給与水準が低く設定されているのが事実。従業員10人以下で経営している中小企業も多く、好条件を提示して人材を採用できない現状があります。自動車整備業の大半は中小企業であるのも人手不足に陥っている原因なのです。
少子高齢化の進展
自動車整備業が人手不足に陥っているのは、少子高齢化の進展も一因です。前述のとおり、若い世代の車離れが進んでいますが、そもそも若年層が減少しているも影響があります。企業が優秀な若い自動車整備士の雇用を目指しても、母数自体が減っているので更に困難を極めているのです。企業を支えるのは高齢を迎える人材であるため、若い世代が魅力と思える企業に変化できない体質もあるでしょう。日本が直面している少子高齢化の進展は自動車整備業にも大きな影響を与えています。
自動車整備業で技能実習生を雇用するには?
自動車整備業で技能実習生を雇用すると一人の技能実習生につき、3年または5年技能実習生を受け入れることができます。
ここでは技能実習生を受け入れることに必要な基本事項について確認していきましょう。監理団体への加入
自動車整備業で技能実習生を雇用する場合、非営利団体である「監理団体」に技能実習生の受入申し込みを行う必要があります。監理団体とは、外国人技能実習生を受入れるために入国手続きや語学研修などを全面的にサポートする団体です。監理団体には商工会議所・中小企業団体・農業協同組合・職業訓練法人などがあり、自社の条件に合った団体から選択しましょう。監理団体が技能実習生を受入れ、企業の雇用体制が整えば、無事監理団体より技能実習生の受入が完了です。現在、監理団体は4000以上存在しており、雇用について疑問点があれば相談してみましょう。
自動車整備業における必須業務の実施
自動車整備作業において、技能実習生を雇用するには必須業務を習得させる必要があります。「自動車整備作業」「安全衛生業務」2点があり、それぞれ見ていきましょう。
―自動車整備作業―
第1~3号技能実習生ごとに自動車整備作業の習得が必須です。例えば、第1号技能実習生の自動車整備必須作業は「自動車点検整備作業」が対象となります。具体的には法定点検に定める点検を自分ひとりで判断・整備の補助ができ、軽作業であるタイヤ・オイル交換なども全般的に経験することが望ましいとされています。また、第1号技能実習生の日常点検基準のさらに詳しい内容は以下のとおりです。
ブレーキ
- 1.ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキの効きが十分である。
- 2.ブレーキの液量が適当である。
- 3.空気圧力の上がり具合が不良でない。
- 4.ブレーキ・ペダルを踏み込んで放した場合にブレーキ・バルブからの排気音が正常である。
- 5.駐車ブレーキ・レバーの引きしろが適当である。
タイヤ
- 1.タイヤの空気圧が適当である。
- 2.亀裂及び損傷がない。
- 3.異状な摩耗がない。
- 4.溝の深さが十分である。
- 5.ディスク・ホイールの取付け状態が不良でない
バッテリ
- 液量が適当である。
原動機
- 1.冷却水の量が適当である。
- 2.ファン・ベルトの張り具合が適当であり、かつ、ファン・ベルトに損傷がない。
- 3.エンジン・オイルの量が適当である。
- 4.原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がない。
- 5.低速及び加速の状態が適当である。
灯火装置及び 方向指示器
- 点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がない。
ウインド・ウォッシャ及びワイパー
- 1.ウインド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態 が不良でない。
- 2.ワイパーの払拭状態が不良でない。
エアタンク
- エアタンクに凝水がない。
運行において異状が認められた箇所
- 当該箇所に異状がないこと。
以上のように、まずは監理団体への加入を行い、外国人技能実習生の受入体制を整えていきましょう。その上で、第1~3号技能実習生ごとに定められた自動車整備作業の必須項目の習得を進めて行く必要があります。2点をクリアできれば、晴れて技能実習生の雇用が成立しますので、まずは決められた基準を漏れなく確認していきましょう。
自動車整備の技能実習評価試験について
技能実習1号を受け入れて1年後、技能実習生が技能実習2号を取得するために、技能実習評価試験の受験が必要です。
試験に合格できるように実習を計画する必要があります。
試験内容や試験実施については一般社団法人日本自動車整備復興会連合会「外国人技能実習評価試験」をご確認ください。さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は自動車整備業で外国人技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。自動車業界は若者の車離れの影響もあり、深刻な人手不足に陥っています。だからこそ、技能実習生の雇用は労働力不足解消と業績向上に繋がる大きなメリットです。雇用するためには「監理団体への加入」「自動車整備作業における必須業務の実施」の2点が必要となります。本記事をあらためて参考にし、自動車整備業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。
- 2022.05.05特定技能介護|外国人が就労できる条件・1人夜勤について解説
目次
「介護業界で特定技能外国人を受入れる方法は?」「介護で特定技能外国人は1人夜勤をしても大丈夫?」など、 介護業界における特定技能介護外国人の就労条件や1人夜勤について気になる方も多いのではないでしょうか。 実際、介護業界の人材不足により、外国人を雇用して1時間でも長く働いてもらいたい思いが強い事業所や施設も多いはずです。 とくに夜勤であればなおさらでしょう。上記の疑問をお持ちの方必見!この記事では、介護業界における特定技能介護外国人の就労要件や1人夜勤を中心に解説していきます。
1.特定技能「介護」外国人の就労は今後より活発になる!?
現在の日本は少子高齢化の影響もあり、産業界で深刻な人手不足を抱えています。労働力不足の背景もあって、 2019年4月に「特定技能」と呼ばれる在留資格制度が誕生しました。特定技能は日本の担い手不足を解消するために、実務経験や知識、スキルを兼ね備えた外国人が日本で就労する制度です。 技能実習と違い、本格的に戦力として期待される外国人であるのも特徴。政府が外国人に頼って、日本の労働力不足を解消するために動いたのです。
介護業界はとくに特定技能外国人の受入は朗報であり、2024年までに日本国内に6万人を上限とする特定技能外国人を受入れると発表されました。 介護業界はどの企業も喉から手が出るほど人材を確保したいため、今後介護業界における特定技能外国人の活躍は増えていくでしょう。
2.特定技能「介護」で2号資格はない
特定技能にはスキルや在留期間に応じて1~2号まで存在します。1号より2号がより熟練された技能を持っている証とされているのです。 しかし、介護分野では特定技能2号対象の職種からは外れました。後ほど紹介しますが、介護業界には介護福祉士国家試験に合格した「介護福祉士」があり、介護福祉士が特定技能2号に相当するためと言われています。 そのため、介護業界における「特定技能」は特定技能1号のことを指します。
3.特定技能「介護」外国人が従事できる業務
特定技能外国人ができる仕事は「身体介護」と呼ばれる業務です。具体的には食事・排せつ・入浴・移乗などの介助が対象となります。 加えて、介護施設で行われるレクリエーション・リハビリ・簡易トレーニング・などにも従事できるのが特徴。基本的には日本人と同様の業務範囲であるため、育成次第では戦力として計算が立つでしょう。 しかし、特定技能外国人は訪問介護には従事できませんので、その点は念頭に置く必要があります。 サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、外部の介護サービスを使う住宅という扱いですので、サ高住も特定技能外国人は雇用できません。
4.特定技能「介護」外国人が就労できる条件
特定技能外国人が日本で就労するには4つの方法があります。それぞれ順番に見ていきましょう。
試験に合格する
特定技能外国人が日本で就労するためには、試験に合格する方法があります。試験には「介護技能評価試験」と「日本語試験」、 そして「介護日本語評価試験」があり、これら3の試験に合格してはじめて特定技能1号の在留資格が得られるのです。日本語試験は、 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上のどちらかに合格する必要があります。
技能実習2号を修了する
介護分野で技能実習2号を修了すれば、前述の試験免除で特定技能1号の在留資格が得られます。 技能実習2号の修了条件は技能実習を2年10か月以上修了し、所定の試験に合格するか現場管理者の評価が一定以上なされた場合に該当します。 所定の試験合格者が多くない事実があるため、実際には現場管理者の判断によって特定技能1号の在留資格が得られています。
EPA介護福祉士候補者として在留期間満了(4年間)の方
特定技能1号の在留資格はEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了した方も得られます。 EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定(EPA)に基づいて日本の介護施設で研修を行い、介護福祉士資格取得を目指し来日した外国人です。 対象国はベトナム、インドネシア、フィリピンの3か国になります。
介護福祉士養成施設を修了する
介護福祉士養成施設を修了した外国人も特定技能1号の在留資格を得られます。技能実習2号やEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了と同じく試験なしであることも魅力です。
5.特定技能「介護」外国人の1人夜勤は可能?
特定技能外国人は介護職の1人夜勤が可能です。厚生労働省は「介護分野における『特定技能』の保持者は、 人員配置基準に就労と同時に算定することが可能とする」と発表しており、特定技能1号在留資格保持者は日本人と同等のスキルを持っていると認識しています。 夜勤についても「日本人職員とチームでケアに当たり、サポートを行うこと」とあり、容認しているのが分かります。 そのため、現在は特定技能外国人に夜勤1人で行わせている企業もあり、労働力確保につながっているのです。 介護技能実習生については1人夜勤が認められていませんので、特定技能「介護」は使い勝手のよい制度と言えます。
6.特定技能「介護」外国人に1人夜勤を任せる際の注意点
特定技能外国人に1人夜勤を任せるのは非常に業務効率が良いです。しかしメリットばかりでなく、デメリットや注意点も存在しますので、特定技能外国人を受け入れた際は、 以下の3点を気にかけて、確認した上で業務を依頼しましょう。具体的な内容について次から順番に説明していきます。
体調に気を配ってあげる
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、体調管理には気を配ってあげましょう。日本に何年も在留していると言っても、 やはり母国とは違いプライベートでもストレスがかかるもの。加えて仕事のリズムが変わったり、1人夜勤で頼れる先輩が居ない状況だったりすれば体調を崩してしまう可能性もあります。 そのためにも、外国人の気持ちを理解し、日頃から優しい言葉をかけて、コミュニケーションを取り、労わってあげるのが大切です。そんな一言や声かけから救われ、仕事のモチベーションアップに繋がっていくでしょう。
日頃からロールプレイングをしておく
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、日頃からロールプレイングをしておくといいでしょう。1人夜勤は同僚や上司が誰もおらず、 すべて1人で判断して業務を行っていく必要があります。思わぬ事態や問題に巻き込まれたり、日勤では経験したことない業務やありえない業務があったり等、夜勤は予想もしない状況が起こるのも事実。 そのため、特定技能外国人の判断力向上の為に、あらゆる事態を想定したシミュレーションをしておくのがおすすめです。在留期間が長いため、 日本語が流ちょうに話せる特定技能外国人が一般的ですが、中には対応できない方もいます。夜勤はトラブルがつきものなので、日々想定した対応方法を練習しておくといいでしょう。
仮眠を取っておく
特定技能外国人に1人夜勤を任せる際、仮眠が取れなくなる場合は想定しておきましょう。夜勤は日によって業務量にバラつきがあります。 夜勤は仮眠ができるのが一般的ですが、業務過多になれば休憩が取れないケースも。あらためて体調管理は徹底しておく必要があります。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は介護業界における特定技能介護外国人の就労条件や1人夜勤のポイントを中心に解説しました。 介護業界は慢性的な労働力不足を抱えていますが、解消手段の一つとして特定技能外国人の雇用があります。特定技能外国人は技能実習2号修了や試験に合格できれば採用可能。 直近は政府の後押しもあり、特定技能外国人の雇用に踏み切っている企業が多いです。上手く雇用すれば1人夜勤として業務がまわるだけでなく、企業全体の業績アップにも繋がります。本記事を参考にし、介護業界で特定技能介護外国人の雇用を検討していきましょう。
閉じる- 2022.05.05外国人介護職|離職を防止し定着してもらう方法とは?離職理由は?
目次
1.介護職の離職率と理由
外国人介護職に限定した離職率や離職理由については、まだデータがありません。 介護職全体の調査結果は、下記のようになっています。 離職率15.4%(平成30年10月〜令和元年9月まで) 離職理由
1位 職場の人間関係 23.9%
2位 結婚・出産・妊娠・育児のため 20.5%、
3位 職場の理念や運営のあり方に不満があった 18.6%
離職率15.4%に関しては、平成30年度の国内労働者全体の離職率は14.6%ですので、特別高いわけではありません。 介護業界はすでに人手が足りないことから、どうしても長時間の勤務になってしまったり、体力的な負担が大きかったりするので、 「すぐに辞めてしまう人が多い」という印象が先行している面があるかもしれません。
離職理由は、1位と3位が人間関係や理念・運営のあり方で、合計すると半数近いです。事情は様々でしょうが、共通していえることは、 個々の職場が働きにくい環境だったということです。責任者や管理者が公平であり、平等な態度ですべての勤務者に臨むという姿勢なら、 風通しの良い環境が生まれます。
介護業界は、年齢も、10代から70代まで幅広く、未経験者からベテラン、正社員、パート、派遣等立場も、資格も異なるさまざまな人が働いています。
こういった中で、 不公平、不公正感ほど勤務者の労働意欲をそぐものはありません。待遇面はもちろん、ポジションの決め方、シフトや仕事の内容に至るまで公正かつ公平で、 特定の人に負担がかかっていないか、常にチェック配慮があれば、性格の合わない人がいたとしても、離職まで至らなかったのではないでしょうか。 公平、平等な職場環境は、外国人介護職にとっても、大切なことです。
2位の結婚・出産・育児のためという理由から、産休・育休休暇が取りづらい職場であったことがうかがえます。そういった職場では、急な休みやシフト変更も申し出にくいことが多く、仕事と家庭の両立が難しいでしょう。
背景には、慢性的な人手不足という問題が横たわっていますので、外国人材の受け入れ制度を導入し、緩和しないことには根本的な解決には至らないと考えられます。2.転職可能な在留資格
では、人出不足の解消の鍵となる外国人介護士に、定着してもらい人出不足を解消して行くにはどうしたらいいのでしょうか。その前に、そもそも彼らは、在留資格認定許可の身元引受先である、事業所を離職することが可能なのでしょうか。 日本で、外国人人材を介護士とし雇用するには、下記の4つの方法があります。
- EPA(経済協力協定)に基づく外国人介護福祉士候補者の雇用
- 日本の介護福祉士養成校を卒業した在留資格「介護」を持つ外国人の雇用
- 技能実習制度を活用した外国人(技能実習生)の雇用
- 在留資格「特定技能1号」を持つ外国人の雇用
この中で、同じ業界なら転職が可能なのは、②の在留資格介護を持つ介護士と④の特定技能の介護士です。 ①のEPAと③の技能実習制度を活用した介護士の場合は、離職すれば在留許可を失いますから、帰国しなければなりません。 続いて、転職可能な上記の介護士に定着してもらう方法を考えていきたいと思います。
3.在留資格介護の外国人介護士
在留資格介護を持つ外国人は、専門学校を出ているか、実務経験が3年以上で、介護福祉士を取得した人たちです。 すでに、住まい等生活の基盤もしっかりしており、日本語も日本の生活にもある程度不自由していないはずです。 また、仕事の面でも知識や技術があり、専門職として判断、思考できる力を持っています。 異国の地でここまでの力を養ったということを評価すべきだと思います。 彼らを日本人介護福祉士と同等に待遇することは、もちろんですが、今後外国人材が増えることも見据えて、リーダー候補生としての育成をおすすめします。 育成によって能力やポジションが上がったら、それに応じた報酬を与えることも大切です。 また、定期的な面談やミーティングなどにより、常によいコミュニケーションを取っていくとともに、 彼らが直面している問題や不安をサポートしていく姿勢も必要です。
4.特定技能介護の外国人介護士
特定技能介護の外国人介護士というのは、下記の試験に合格した人たちです。
- 介護技能評価試験
- 介護日本語評価試験
- 日本語能力試験N4レベル、または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル
技能実習2号の修了者、EPA介護福祉士候補者、介護福祉士養成課程を修了者は、試験の免除が認められます。 2021年3月末時点では、介護分野における特定技能外国人は1705人です。内訳は1590人が試験ルート、115人がEPA候補者ルートです。
EPA候補者から、特定技能介護に在留資格を変更した介護士に関しては、 4年間の実務経験と、介護福祉士国家試験で5割以上の得点が求められますので、在留資格介護の外国人介護福祉士の方同様、 即戦力として、知識も経験も十分積んであると考えられます。また、今後増えるであろう技能実習介護から特定技能に切り替える介護士も同じように考えて差し支えないでしょう。 彼らに定着してもらうには、在留資格介護の方たち同様、リーダーとしての育成、能力に応じたポジションや報酬、 それに定期的な面談やミーティングなどによる密なコミュニケーションが大切です。
試験ルートの介護士に関しては、状況が異なります。技能実習3年修了の人材と介護技能が同等であるとされ、 就労と同時に配置基準に算定できますし、報酬も、同じ業務をしている日本人労働者と同等額以上を支払うことが法で定められていますから、事業所は即戦力と考えがちです。 しかし、試験に実技はありません。介護技能評価試験いうのも、実技試験ではなく、文章問題です。介助技術がなくても合格可能です。 国によっては、技能実習生介護の送り出し機関が、特定技能介護の斡旋を行っていますから、技能実習生来日時程度の技能や知識はあるかもしれません。 しかし、介護施設での実務経験は問わないので、おそらく介護の必要な老人をケアするのは初めてでしょう。 日本語力についていえば、日本語能力試験N4レベルというのは、ゆっくりわかりやすい日本語を使えばわかるレベルです。 日常会話に不自由しないレベルまで行ってはいません。お年寄りとのコミュニケーションが円滑に行える日本語力はないと思われます。 業務指示や記録の読み書きもスムーズに行えるまで、時間を要するでしょう。
とは言え、彼らは介護士になる強い意志を持ち、基礎的な介護の知識や技能は学んでいるのですから、 現場で育成することにより、有用な人材に育っていくことは間違えありません。 受け入れ側には、日本の生活や施設への順応をサポートしていくことが求められます。 そのためには、技能実習生の受け入れ時のように、日本人職員が一体となって介護にあたることと、 介護技術や日本語の習得の機会の提供をすることが必要になります。初めから、高い専門性を要求せず、 段階を追って育成して行くことや、初めは通訳を交えることも視野に入れ、コミュニケーションを密にすることが定着につながると思います。
5.まとめ
介護業界は、もはや外国人人材の活用なくして、慢性的な人材不足を解消できません。 人材不足が続く限り、労働環境が十分に整わず、離職率が改善しないという悪循環が続きます。 せっかく良い外国人人材を確保しても、転職されてしまっては意味がありません。 現在のネット社会は、どんな地方にいても、ネットワークでつながり、どこの職場が働きやすく給与もいいといった情報が簡単に手に入ります。 同じ国の先輩がいて、生活も安心で働きやすければ、退職や他の事業所や施設への転職を考えることは仕方がないことでしょう。 では、定着してもらうには、どうすればいいのか。介護という大変なことが多い業界ですが、より魅力的な職場になるしかないと思います。 報酬や休日を増やす、キャリアアップを支援する等、具体的な対策とともに、1人1人の生活や人間性が尊重できるように面談やミーティングの場をもうけ、 コミュニケーションを密にすることも大切です。 今、介護はチームでケアにあたるようになってきています。文化や言葉育ってきた背景が全く異なる人たちと理解を深め、 チームワークを育てることができれば、結果的に転職は防げるのではないでしょうか。
- 2022.04.20介護業界の外国人採用方法|採用手法から助成金制度まで詳しく解説!
目次
「介護業界は人手不足だから外国人を採用して問題解決を図りたい」「外国人を採用する場合、助成金制度は利用できるの?」など、 介護業界における外国人採用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、助成金制度を利用し、 上手く外国人を採用して業績向上に繋げている企業や施設も増えています。とくに介護業界は人材確保が困難な時代となり、 今後は外国人を労働力に加えられた企業が勝ち残っていくでしょう。この記事では、介護業界の外国人採用手法と助成金制度を中心に解説していきます。
1.介護業界の人手不足の背景と原因
現在介護業界は深刻な人手不足に悩まされており、労働力の確保にも一苦労しています。 2021年7月に発表された「厚生労働省 第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によれば、 2023年には約22万人、2025年には約32万人、2040年には約69万人の介護人材が必要と発表しました。以上の数値をうけて、 介護職員の処遇改善・離職防止・外国人材の雇用などの対策を講じるとされており、今後介護業界は抜本的な見直しが行われます。
上記の数値や厚生労働省の対策を見るに、重大さを物語っているのが分かります。 では一体なぜ介護業界は深刻な労働力不足に悩まされているのでしょうか。次から順番に見ていきましょう。
人手不足の要因
日本の高齢化
介護業界における人手不足の最大の原因は、日本の高齢化です。 総務省統計局の調べ(2019年)では、日本の総人口が前年と比べて26万人減少しているにもかかわらず、 65歳以上の高齢者人口は32万人増加し過去最高を記録しました。総人口に占める高齢者の割合は28.4%と同じく過去最高の数値です。 さらに、世界で見ても総人口に占める65歳以上の人口の割合は最も高く、2位のイタリア(23.0%)3位ポルトガル(22.4%)に差をつけて、 高いのが見て取れます。日本の高齢化は歯止めが利かなくなっており、今後の対策が注目されます。
給与が低い
介護業界が人手不足になっている要因の二つ目は、給与が低い点です。 「令和元年賃金構造基本統計調査」と「介護労働実態調査」によると、介護福祉士の平均給与額22万2,566円とあり 、全産業の30万7,700円と比較すると大きく差があるのが分かります。介護業界の大半が中小企業で運営されていて、 好待遇で人材を採用できない背景があるのでしょう。また、介護職の報酬には上限が設けられており、企業が勝手に給料を上げられない現状があります。 介護状態によって給与が決定してしまう為、どんなに汗を流しても給与が上がらないシステムにも介護業界に人材が集まらない要因と言えるのです。
人間関係によるストレス
介護業界が人手不足に陥っている原因の最後は、人間関係によるストレスです。一般的なサービス業と異なり、介護業界は関わる人の幅が広いのが特徴。 目の前にいるお客様以外にも、顧客の親族や同居人とコミュニケーションを取る機会も多いでしょう。 加えて、職場の同僚以外にも医療機関スタッフとの繋がりもあり、コミュニケ0ション能力が必要となります。 器用に人間関係を築ける方であれば問題ありませんが、コミュニケーションに長けている方が多くを占めているわけではありません。 対人関係に敏感な方はストレスがたまり、介護職自体が嫌になってしまうケースもあるでしょう。結果、離職に繋がってしまいます。 介護業界は気苦労が絶えない現場なのです。
2.介護業界の外国人採用方法のポイント
介護業界は優秀な人材を確保しようとも、満足に採用できないのが現状。 そこで現在注目されているのが外国人です。外国人雇用を躊躇する企業も多いですが、上手く育成すれば日本人よりも戦力になるケースも。 そのため、労働力不足に悩む介護施設は外国人採用も検討してみてもいいでしょう。 ここからは外国人の採用方法についてポイントごとに絞って紹介していきます。
採用方法4つのポイント
「技能実習」による採用
技能実習制度による雇用は、介護業界においてもっとも採用ハードルが低いです。名目が「実習」であるため、 あくまで自国の技術発展を目的に来日する外国人となります。 基本的に実習期間として最大5年までしか滞在できませんが、本人のやる気と企業の手続きによって長期雇用も可能です。受入方法は、いずれかの監理団体と呼ばれる非営利団体に加入し、 手続きを踏めば外国人の雇用が可能。まずは雇用しやすい技能実習を検討してみましょう。
「特定技能」による採用
特定技能は技能実習中の実習生が最長滞在期間5年経過前に試験を経て移行できる雇用方法です。 特定技能試験に合格し、晴れて特定技能資格を取得できれば長期雇用が可能です。日本の滞在期間が長いため、 経験や知識があるため、より戦力として見込める人材も雇用できるのが特徴となります。
「介護資格取得による採用
介護資格取得による採用は、日本の専門学校を卒業し、介護福祉士の国家試験に合格した外国人が在留資格「介護」を得て、そのまま日本で働く雇用方法です。 日本で介護を学ぶ外国人はまだ少ないですが、専門的な知識やスキルを保有しているため、特定技能と同等以上の即戦力として期待が持てます。 また在留資格「介護」の外国人には原則として永住権が与えられ、家族帯同も認められます。
「EPA介護福祉士候補者」による採用
EPA介護福祉士候補者による採用は、経済連携協定(EPA)に基づいて日本の介護施設で研修を行い(在留期間満了4年間)、 介護福祉士資格取得を目指し来日した外国人です。対象国はベトナム、インドネシア、フィリピンの3か国になり、研修にて戦力として育成していくといいでしょう。
3.介護業界の外国人採用時に利用したい助成金制度
介護業界で外国人採用を狙っても資金に悩む方も多いでしょう。そこでおすすめなのは助成金制度です。 助成金は外国人を採用した際にもらえ、多くの企業が助成金を活用して、雇用に踏み切っています。 ここからは外国人を雇用する際に知っておきたい5つの助成金について見ていきましょう。
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、企業が景気などの影響ですぐに解雇するのを防ぐためにうまれた助成金です。助成額は1日最大8,205円支給され、 企業の規模によって大きく変わるのが特徴。厚生労働省に対して雇用調整計画を提出し、支給申請が認められれば助成金を受け取れます。
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者のキャリアアップを目的に、正社員化・待遇改善の取り組みを実施した企業に支給される助成金です。 支給額は3万8千円〜72万円まで対象者によって幅があります。キャリアアップ計画の作成・提出を労働局やハローワークに行えば助成金が受け取れる仕組みです。
業務改善助成金
業務改善助成金は事業内最低賃金を基準以上に引き上げた企業が、設備投資などの援助を目的として支給される助成金です。 助成額はコースや労働者数によっても違い、最大450万円を受け取れる場合もあります。しかし、支給条件が多岐にわたりますので、以下確認しておきましょう。
<支給条件>
- 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる計画を立てる(就業規則に規定等)
- 賃金引上計画に基づき賃金を支払う
- 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払う
- 解雇等の不交付事由がない
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
人材確保等支援助成金は外国人雇用定着のために、受入れるための労働環境改善を図った企業に支給される助成金です。 助成額は支給対象経費の2/3(上限72万円)もしくは1/2(上限57万円)とされています。支給条件は「雇用労務責任者を事業所ごとに選任し、 外国人と3ヵ月に1度面談する」「就業マニュアルを全て多言語化する」などが盛り込まれているのが特徴です。
各地方自治体の外国人介護職雇用に関する助成金
地方自治体により制度は異なりますが、外国人介護職雇用に関して手厚い助成金を支給するところもありますので、 所属の自治体に問い合わせてみるとよいと思います。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は介護業界の外国人採用手法と助成金制度を中心に解説しました。 超高齢化の進行により要介護者が急増し、介護施設が飽和している影響もあり、介護業界は深刻な人手不足に陥っています。 まだまだ外国人雇用を敬遠する保守的な介護事業者もあるようですが、実際には外国人介護職の方々の採用ハードルはそんなに高くはありません。 また基準を満たせば助成金がもらえ、より効率的に雇用可能です。 本記事をあらためて参考にし、介護業界で外国人人材の雇用を検討していきましょう。
閉じる- 2022.04.19介護特定技能外国人|業務内容,賃金,介護報酬上の配置基準算定は?
65歳以上の高齢者人口が2025年には全体の30%を超えるとされる「2025年問題」。
国内の労働者不足や社会保障費の増加など、将来起こりうる問題は枚挙にいとまがありません。
特に介護分野においては、以前から人材不足が叫ばれています。介護施設を運営される皆さまにおいては、特定技能制度の活用を検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に外国人雇用となると、慣れていない方にとって不安がついて回ると思われます。本記事では、特定技能外国人を雇用した場合に任せられる業務内容や、支払うべき賃金水準、また介護報酬上での取扱いについて説明いたします。
実際に雇用した場合について、わかりやすくイメージできる内容になっていますので、ぜひご一読ください。目次
介護特定技能外国人の受入れ状況について
厚生労働省によると、2021年4月時点における介護関係職種の有効求人倍率は3.37倍。全業種平均の有効求人倍率が1.09倍であることを踏まえると、介護業界全体が圧倒的に人手不足であることがわかります。
また実態調査によると、介護職員のうち35.5%が人材不足であると感じています。
人材が不足する理由として、特に採用の困難さが挙げられています。
こうした介護分野における採用課題に対する解決の糸口として、2019年4月から特定技能制度が開始されました。しかし2021年3月末時点、介護分野における特定技能1号外国人の在留数は1,705人です。制度開始から5年間における受入れ上限60,000人に対し、進捗は芳しくありません。
新型コロナウイルス感染拡大の影響があることは否めません。
しかしその他にも、制度に対する不安が皆さまの根底にはあるのではないでしょうか。ここで、国内における外国人雇用の評判はどうでしょうか。
厚生労働省の調査では、すでに外国人介護職員を雇用している施設のうち、今後も外国人を受入れる予定であると回答した施設は78.9%にのぼります。
また外国人介護職員のサービスに対して、利用者や利用者家族のうち65.1%の方が満足と答えています。このように、外国人職員は施設側、利用者側の双方から高い評価を受けています。
制度が複雑で難しそうだと感じるかもしれませんが、本記事が皆さまの助けとなれば幸いです。次項からは、外国人を採用した場合に気になる点について触れていきます。
介護特定技能外国人の業務内容とは?
第一に、雇用した外国人にはどこまでの業務を任せることができるのでしょうか。
公的な制度ですので、禁止や罰則事項が多いのではと心配になるかもしれません。
特定技能制度の介護分野運用方針では、外国人の業務内容は主に次の通りと定められています。身体介護
利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつ、整容・衣服着脱、移動の介助など
身体介護に付随する支援業務
レクリエーションの実施、機能訓練の補助など
その他関連業務
上記業務に従事する日本人が通常従事することになる関連業務
例:お知らせなどの掲示物管理、物品の補充や管理などなお、訪問系サービスは業務に含めることができません。
そもそも訪問系サービス施設は特定技能制度の対象外となっているため、注意が必要です。
また、あくまで身体介護が主な業務となるため、その他関連業務が専らの業務となることも認められていません。身体介護をメイン業務として、これに付随する作業であれば、日本人と遜色ない業務範囲であると把握しておきましょう。
介護特定技能外国人の賃金水準は?
採用する皆さまにとって、賃金水準は非常に気になるところかと思います。
結論、特定技能外国人の給与は日本人と同等以上であることが必要です。なぜなら、特定技能外国人は即戦力であるからです。
特定技能制度で雇用できる外国人は、技能実習2号を良好に修了した方、または日本語試験と介護技能評価試験を合格した方になります。このため、すぐに働けるだけの技能があるとみなされます。外国人、日本人と関係なく、同等の業務を行っているのであれば賃金も同等になります。
外国人は低賃金で雇用できる」という認識は誤りですので、注意してください。「また特定技能外国人を雇用する際の条件として、適切な雇用契約を結ぶことが必須となっています。適切な雇用契約とは主に次のとおりです。
- 日本人と同等以上の給与を支払うこと
- 日本人と同等の労働時間であること
- 福利厚生などの待遇に差別的な取扱いをしないこと
- 一時帰国を希望した場合、休暇取得を許可すること
- 契約終了の際は帰国費用を代弁すること(外国人が負担できない場合)
- 外国人の健康や生活状況を把握すること など
賃金だけでなく、福利厚生などについても日本人と同じものを用意しなくてはなりません。
施設側と外国人側、双方が気持ちよく仕事できるような体制を整えることが大切です。介護特定技能外国人の介護報酬上の配置基準の算定は?
配置基準の算定方法については、介護報酬に関わるため関心が高いと思われます。
結論、特定技能外国人については勤務初日から配置基準に算定されます。
この理由は「3.介護特定技能外国人の賃金水準は?」でも触れましたが、特定技能外国人は技能実習3年修了と同等の技能を有していると判断されるためです。
初日から実務を遂行できる人材として認められているため、配置基準についても算定対象に含まれます。
実習当初の6ヶ月が配置基準に算定されない技能実習生とは異なりますので、ご安心ください。ただし1点ご注意いただきたいことがあります。
勤務開始から配置基準に算定されますが、一定期間は外国人職員に対するケアが必要である点です。
具体的には、日本人職員とチームでサポートするなど、施設に順応する手助けが要されます。
技能を認められ即戦力であるとはいえ、異国の地での勤務にはじめは戸惑うことがあるでしょう。文化や言語の違いから、母国の経験とは異なる点が多いかもしれません。
このため、就労から一定期間はチームで支援できる体制を整えておきましょう。利用者に対するケアの安全性を確保する観点からも、適切なサポート体制をとることが必要となります。
さいごに
本記事では、介護施設において特定技能外国人を採用した場合の業務内容や賃金、配置基準について説明いたしました。ポイントは以下の通りです。
- 業務内容は身体介護などだけでなく、備品管理など関連業務も含まれる
- 賃金や福利厚生といった雇用条件は日本人と同等以上とする
- 配置基準については勤務初日から算定が可能
- 就労から一定期間はチームでサポートする必要あり
いかがでしたでしょうか。
実際に外国人を雇用されたことがない皆さまにとっては、手続きや体制構築など大変なことばかりだと感じるかもしれません。
一方で、依頼できる業務の幅広さや配置基準算定など安心する要素もあったのではないかと思います。すでに外国人職員を雇用している施設では、外国人職員に対して次のような評価の声が上がっています。「日本人と異なり先入観なくシンプルな視点で物事を見ることができる」、「まじめでひたむきに業務を行い、周りの日本人スタッフが感化されている」。
また外国人が管理職として現場を統括するなど、リーダーとして活躍をしている例も多くあります。外国人の方々が活躍できるかどうかは、受入れる施設の体制次第です。
弊社スリーイーホールディングスは特定技能外国人の登録支援機関として認定されており、受入れ支援についての豊富な経験と実績があります。
外国人雇用に際し支援体制に不安があるなど、ご相談がございましたらぜひ下記問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。皆さまの益々のご健勝を祈念しております。
出典
厚生労働省 一般職業紹介状況(令和3年5月分)参考統計表
厚生労働省 介護分野の現状等について
法務省 出入国在留管理庁「特定技能1号在留外国人数(令和3年3月末現在)」
厚生労働省 介護分野における特定技能について
法務省・厚生労働省 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領
法務省 出入国在留管理庁『在留資格「特定技能」について』
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 特定技能外国人の受入れに関する介護事業者向けガイドブック- 2022.04.19農業で外国人を雇用するには?方法、メリット、注意点
目次
はじめに
近年、国内の農業従事者は減少し続けており、その深刻な問題を解消する存在として外国人労働者が注目されています。
今回は、農業分野において、受け入れが可能な外国人はどういった人なのか、その際の注意点、また外国人を雇用することのメリットもご紹介します。
農業分野において、雇用することができるのは下記の在留資格を持つ外国人です。- 技能実習
- 特定技能
- 特定活動
上記以外にも、「定住者」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の4つの身分で在留資格を取得した外国人は就労制限なく働くことができます。
また、資格外活動許可を取得することでも働くことは可能です。農業における採用が可能な外国人(技能実習)
技能実習制度は、開発途上国の経済発展や産業振興の担い手となる外国人材を育成する制度です。開発途上国からの人材を技能実習生として一定期間受け入れて、実際に業務を経験することで技術や技能・知識を習得してもらいます。
そして母国にそれらを持ち帰り経済発展に役立ててもらうことを目的としています。受け入れ方法
技能実習生を希望する農業法人や農業者などは、法務大臣と厚生労働大臣の許可を得た監理団体を通して受け入れることができます。
その際に実習実施者は技能実習計画を作成して、外国人技能実習機構から認定を受ける必要があります。
外国人の入国後は労働基準法に基づいた雇用関係を締結して、基本は3年間、優良な農業法人や農業者と認められれば最大5年間の技能実習が可能になります。
技能と日本語の最低水準は特に設けられてはいないので、企業側は雇用前に確認をして必要に応じて研修などを実施しましょう。受け入れ可能な業務
受け入れ可能な業務は、下記の二つになります。
- 耕種農業のうち施設園芸、畑作・野菜、果樹
- 畜産農業のうち養豚、養鶏、酪農
- ※農作業以外に、農畜産物を使用した製造、加工の作業の実習も可能です。
農業における採用が可能な外国人(特定技能)
特定技能とは、2019年に創設された在留資格です。国内の人手不足の解消を目的として新設されました。一定の専門性や技能を持つ18歳以上の外国人が対象で、農業の他に介護や建設など全14の分野での受け入れが認められています。
受け入れ方法
受け入れの方法は、下記の二つになります。
- 農業法人や農家が直接外国人を雇用する
- 派遣事業者が受け入れ機関となり外国人を派遣してもらう
受け入れ可能な業務
受け入れ可能な業務は、下記の二つになります。
- 耕種農業全般の業務(栽培管理、農産物の出荷・選別など)※栽培管理の業務が必ず含まれている必要があります。
- 畜産農業全般の業務(飼養管理、畜産物の集出荷・選別など)※飼養管理の業務が必ず含まれている必要があります。
また、加工や運搬、販売、除雪作業などでも、同じ現場で作業をしている日本人労働者が働いていれば、付随的に携わることは認められています。
耕種農業全般の業務に従事している外国人が畜産農業全般の業務を行うことはできないので注意が必要です。逆も然りです。日本で働くことができる期間
特定技能の在留資格で働くことができる期間は通算5年で、それ以上働くことは原則不可になっています。
通算なので、5年間継続して働く形でも、農閑期に本国に帰国して農繁期に再入国するという形を繰り返すことも認められています。
また、在留期間が通算で5年未満であれば、最初の雇用主との契約期間が終了した後に別の農業法人や農家と雇用契約を締結して働くことも可能です。外国人が働くための要件
農業分野で働くためには、下記の二つの要件をクリアしないといけません。
- 技能水準全国農業会議所が作成している農業技能測定試験に合格すること、あるいは、農業技能実習2号を修了することが必要です。
- 日本語能力水準国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験N4のいずれかの試験に合格しなくてはいけません。
これらに合格することで、ある程度の日本語を理解することができることの証明となります。
農業技能実習2号を修了した外国人は、日本語試験と農業技能測定試験は免除となります。
農業における採用が可能な外国人(特定活動)
2018年、政府は「国家戦略特区農業支援外国人受入事業」を開始しました。
これは、国家戦略特別区域内において、農作業や加工の作業現場で即戦力となる外国人材を人材派遣会社が雇用契約によって受け入れるというものです。
この事業で外国人労働者を派遣してもらうには、それぞれの特区ごとに決定された派遣事業者から派遣してもらいます。
派遣先である各農業経営体は、派遣事業者との間で、外国人材の業務内容や派遣期間等について「労働者派遣契約」を結ぶ必要があります。外国人が働くための要件
- 年齢:申請日において満18歳以上であること。
- 実務経験:農作業の実務経験が1年以上であること。
- 知識・技能:下記のいずれかを満たす必要があります。
- 耕種(あるいは畜産)農業の技能実習に2年10ヶ月以上従事していること(技能実習2号修了者)
- 農業分野の専門的知見を有する民間団体が実施する耕種農業全般についての試験に合格していること
- 日本語能力:派遣先の指示内容を的確に理解し、同じ農作業の職場の日本人ともコミュニケーションができる程度の能力が必要です。
日本で働くことができる期間
滞在期間としては、派遣であるため最長で3年間となります。
3年間継続でも、通算で3年働く、のどちらでも問題ありません。農業における外国人を雇用することのメリット
農業の人材不足の改善
農林水産省の「2020年農林業センサス結果の概要(確定値)」によると、日本の基幹的農業従事者(農業の仕事が主で、主に自営農業に従事した世帯員)は136万3千人で、5年前からおよそ39万人(22.4%)減少しています。
また、65歳以上が占める割合も69.8%と高齢化も進んでいます。
こういった農業分野の人材不足かつ高齢化という深刻な問題を解消するために、注目されているのが外国人労働者です。若いかつ真面目
日本に働きにきているということは、20代前半から30代前半くらいまでの若者がほとんどです。
また、技能実習生や特定技能生は、すぐ他の仕事を探せる日本人とは違い、その仕事を失って帰国するわけにはいかないので真面目に一生懸命働きます。
その姿に日本人労働者も刺激を受け、職場の雰囲気が良くなったり生産性が向上したりすることも期待できます。外国人を雇用する際の注意点
外国人を雇用する際の注意点をご説明します。
日本で就労できる在留資格を持っているか
まず第一に、農業で就労できる在留資格を持っていないことには外国人が日本で働くことはできませんので、しっかりと確認しましょう。
農業で就労可能な在留資格を持っていない状態で働くことは不法就労にあたり、受け入れ側がそれを知らなかったとしても在留資格の確認をしていないなどの過失がある場合は処罰の対象となる可能性があります。国籍や人種による差別をしていないか
外国人の募集をする際に、「アメリカ人のみ募集」などといった国籍や人種を限定的に募集することはできません。
仕事内容に即して、例えば「韓国語が堪能な方を歓迎します」といったような表現を用いて、雇用したい外国人の経験や技術を掲げるようにしましょう。また、勤務条件に関しても日本人労働者と同様でなくてはいけません
。労働基準法は外国人にも適用され、国籍や人種を理由に給与や労働時間などの勤務条件を決めることは禁止されています。外国人が働くための環境づくりを行っているか
日本に慣れていない外国人や日本語が十分でない外国人には、さまざまな面でのサポートが必要になります。
住居などの生活面でのサポート、適切な教育や人事管理などの仕事面でのサポート、また外国人が職場で孤立することがないような精神面でのサポートも欠かせません。
密なコミュニケーションを取ることはもちろん、教育係をその外国人と同じ出身国の人にするなどの工夫をして、外国人が働く上で快適な職場環境づくりに努めましょう。決して異なる国籍、地域、文化、価値観などを否定してはいけません。
また、同様に日本の価値観などを押し付けることもしてはいけません。お互いのそれらを認め合い、対等な関係を築こうと努力すべきです。おわりに
今回は、農業分野における外国人の雇用に関してご説明しました。
主に受け入れることのできる在留資格は、技能実習、特定技能、特定活動の3つ、及び定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等です。
それぞれ在留期間や受け入れ要件が異なります。
現在の人材不足の状況を、外国人の雇用によって大きく改善できる可能性がありますが、在留資格の確認や外国人に対する待遇など注意する点も多くあります。
それらをしっかり確認して有効に外国人雇用を活用しましょう。- 2022.04.19外国人を正社員・契約社員どちらにすべきか?
目次
昨今の日本では少子化の影響もあり、多くの業種で人手不足が深刻化しています。そんな現在では、外国人雇用のニーズは年々高まってきています。
しかし初めて外国人を雇用する場合に正社員として雇用するのか契約社員として雇用するのかどちらを選べばいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では外国人を雇用する際、正社員か契約社員の二つ雇用方法の選び方について解説していきます。外国人雇用のメリット・デメリット
外国人雇用のメリットとしてまず挙げられるのは人材不足の解消です。
日本全体で様々な業界の人手不足が進んでいます。そこで外国人雇用を取り入れることにより、国籍を問わずに優秀な人材を雇用することで人材不足の解消が可能になります。二つ目のメリットとしてはグローバル化を図れる点です。外国人を雇用することによって日本語以外の言語を使用できる人材を確保することになります。
海外で事業展開する場合や国内の旅行客や在留外国人に向けたビジネスを行う場合にも、自社に多言語を操れる人材がいることは大きなアドバンテージになります。
さらに外国人の中には幼少期から複数の言語を習得しており母国語、日本語のほかに複数の言語を習得している方も少なくありません。
グローバル化のためにも海外進出や外国人向けた事業ためにも多言語を操れる外国人雇用は大きなメリットです。三つ目のメリットは外国人ならではアイデアを期待できる点です。
クリエイティブな業種では国も文化も違う外国人のアイデアが採用される例も数多くあります。
そういった業種だけでなくとも、日本ならではの慣習や固定概念を持たない外国人の意見は貴重なものです。
さらに現在、企業にはリスクマネジメントが求められます。
日本では何気ないことでもとある国では問題になる表現も数多くあります。
企業としては「知らなかった」では済まされません。
そういったリスクを減らすためにも外国人採用は重要です。デメリットの一つ目は言語に違いによるコミュニケーション不良です。
日本語はニュアンスの違いやイントネーションの違いで言葉の意味が大きく変わる場合もあります。
さらに日本人特有の「空気を読む」行為は外国人に理解しにくいものになります。
こういったすれ違いから業務が円滑に進まなかったり、社員同士の関係が崩れてしまったりと社員の退職の理由になってしまう可能性もあります。二つ目のデメリットは文化や慣習の違いです。
日本では日々の生活に宗教が影響している方は少ないと思いますが、外国人雇用においては宗教上の理由で従事できない業務がある可能性も考慮しなければなりません。
宗教以外でも文化や慣習のギャップに本人や周囲が困惑してしまう可能性もあります。
文化や慣習の違いは会社に新しい風を運んでくれる面はありますが、一方でデメリットに変わってしまう可能性があることは注意が必要です。正社員のメリット・デメリット
まず正社員の大きなメリットは優秀な人材を確保できる点です。
契約社員でのいつ契約を切られるかわからないという不安も正社員であれば払拭できます。
そうすることで優秀な人材が他社に流れていく可能性が低くなります。
さらに正社員では長期的な雇用を前提としているので中長期的な人材の育成が可能です。ゆくゆくは幹部候補として企業の中核に担うことができます。デメリットは簡単には解雇できない点です。
正社員雇用の場合は会社の業績不振の場合ももちろんのこと言語や文化のアンマッチにでも企業から解雇を言い渡すことはできません。
能力面などは事前の面接などで判断できますが、周囲の社員との親和性や対応力は実際に勤務するまで判断が難しくなります。
そういったアンマッチを防ぐためにも受け入れ態勢や事前の意見のすり合わせを念入りに行いましょう。契約社員のメリット・デメリット
契約社員のメリットは、企業に合わない人材であった場合に契約更新を見送ることができる点です。
契約期間があるため能力に不満があった場合や社内の雰囲気になじめなかった場合、契約更新を見送ることが可能です。
人材採用においては、実際に勤務してみないとわからないことも多々あります。
正社員では勤務開始してからの解雇はよほどのことがない限りできません。
契約社員ならば、契約更新しないことで契約を修了できます。デメリットは重要な業務を任せにくい点です。
契約社員では一定の期間ごとに契約更新があり長期的な業務を任せるに適していません。
さらにいつ契約が終了するかわからないため十分な研修や教育を施せません。
優秀な人材を雇用したものの能力を十分に発揮できない結果になる可能性もあります。雇用の際の注意点
ここまでは外国人雇用における正社員、契約社員のメリット・デメリットについて解説してきました。
ここからは雇用の際の注意点について解説していきます。在留資格の種類
在留資格の種類によっては従事できる業務に制限がある場合や、労働時間に制限がかかる場合があります。
職種に制限がある在留資格も存在する一方でワーキングホリデーや定住者の在留資格には職種制限はありません。
さらに正社員雇用しかできない在留資格も存在するので事前の条件の照らし合わせは重要です。
双方アンマッチが起きないようにしていきましょう企業側の準備が必要
就労ビザの申請や部署の受け入れ体制など様々な日本人を採用する場合とは違った準備が必要になります。
在留資格の種類によって申請の有無や内容も変化し、雇用までに多くの作業が生まれてしまいます。
さらに10人以上の外国人を雇用する場合は責任者が必要になります。
かえって人手不足になってしまうこともあります。
計画的な採用が必要です。文化や宗教の違いを把握し配慮する必要もあります。
配慮を怠ったために優秀な人材を雇用したにもかかわらず本来の能力を発揮できないケースもあります。
社員の働きやすい環境を作ることは企業のテーマです。
外国人も含めた社員全員が働きやすい環境を目指していきましょう。まずは契約社員がおすすめ
初めて外国人の雇用する場合は契約社員の採用がおすすめです。
やはり初めて外国人を採用する場合、実際に働き始めなければ自社に適しているかそうでないかは判断がつきません。
正社員として働き始めてから双方アンマッチに気づき早期退職となってしまえばそれまでにかかったコストや時間が無駄になってしまいます。
そういった事態にならないために契約社員としてまず採用し、数年経ってから正社員に切り替えるという方法がリスクも少なくできるのではないでしょうか。利用できる助成金
ここでは外国人雇用の際に利用できる助成金を紹介します。
おすすめはキャリアアップ助成金になります。
この助成金は契約社員や派遣労働者などの非正規雇用の労働者のキャリアアップを目的にしたものです。
先ほど紹介した、まずは契約社員から始め後に正社員に切り替える方法の際に利用可能です。しかしこの助成金を利用する際にはいくつかの条件があります。
支給額もキャリアアップの内容によって変動します。
詳しくは先ほどのURLからご確認ください。
効果的に助成金を活用していきましょう。外国人雇用についてのまとめ
日本の人手不足により、多くの業界で外国人の雇用が増加しています。
多くの企業でグローバル化も進んでおり、外国人の雇用のニーズは日々高まっています。
しかし、雇用形態には正社員と契約社員があり、共にメリット・デメリットが存在します。
企業ごとに求めている内容は違いますので、雇用を検討する際は自社の求めている内容に合わせて正社員、契約社員を選ぶようにしましょう。本記事は外国人の雇用を検討しているが正社員か契約社員どちらがいいかわからない方に向けて解説してきました。
少しでも皆様の外国人雇用検討の参考になれば幸いです。- 2022.04.19日本は未曽有の人材不足|理由と対策を徹底解説
日本は現在、未曾有の人材不足に陥っています。
厚生労働省の調査によると、多くの企業が人材不足を感じています。
具体的には、「既存事業の運営への支障」「技術・ノウハウの伝承の困難化」などの影響が懸念されています。
人材不足は職場環境の悪化を招き、企業に悪循環をもたらすでしょう。
今回は、日本の人材不足の理由と、その対策について徹底解説します。
目次
1. 人材不足の理由は「人口減少」
日本の人口は、2008年を境に、減少に転じました。 少子高齢化は急速に進んでいることから、労働人口も減少の一途をたどっています。 これにより、労働市場では、深刻な人材不足が叫ばれています。
1-1 労働人口が減り続ける日本
日本の人口が増加に転じることは、難しいと考えられています。 出生率は、5年連続で下落。 新型ウィルスの影響を受け、その傾向はさらに顕著になっています。 仮に、今後出生率が改善されたとしても、女性の人口が減り続けています。 出産する年齢層の女性が減れば、生まれる子供の数も少なくなるでしょう。 大幅な出生率改善がなされない限り、日本の人口が増える見込みはないのです。
出典:厚生労働省「図表1-1-7 出生数、合計特殊出生率の推移」
1-2 人口のかたよりがもたらす、働き手の負担増
世界の中で、日本の高齢化率は突出しており、今後も高い数値が続く見込みです。 働き手の中心となる生産年齢(15~64歳)の人口は、1995年をピークに、減少に転じているのです。 2020年の内閣府のデータによると、現在は現役世代1.7人で、65歳以上の高齢者1人を支えています。 これが2065年には、1.3人で1人を支えることになると予想されています。 このような人口のかたよりは、社会システムの破綻やインフラの崩壊を招きかねません。 対策として、国の施策やサービスが打ち出されていますが、働き手への負担が増えることは、免れない状況です。
1-3 ブルーカラー業種の人手不足
日本の労働市場において、人材不足は長い間課題となっていました。 現在でもその打開策として、シニア層の再雇用や女性の活躍推進、ITによる省人化など、社会全体で対応が進められています。 しかし、いわゆるブルーカラーと言われる業種には、この対策による人手不足の解消が難しい部分があります。 ブルーカラーとは、製造、建設、農業や漁業など、現場作業で直接生産に従事する労働者を指します。 いわゆる「肉体労働」としてイメージされる仕事であり、シニア層や女性労働者が働くのが難しいと考えられる分野です。 また、食品の製造や接客などは、臨機応変な対応を求められることが多く、ITによる省人化が難しい分野とされています。
2. 人材不足解消のカギは「外国人雇用」
人口全体が減っているために、働き手の数も減り続ける日本。 人材不足を解消することは可能なのでしょうか? そのカギを握るのは、「外国人雇用」であると考えられています。 国外から人材を登用すれば、日本の人口減少の影響は受けません。 また、若年層の人材を呼び込むことができるため、特に人手が不足する分野や業種のニーズにもマッチします。
2-1 世界の人口は今後も増える
世界の人口は、2020年には78億人となり、2019年に比べ8,000万人増加しました。 この先数十年は、増加の傾向が続くと予想されています。 高齢化による労働力不足の問題を抱える国は、日本だけではありません。 国外から優秀な人材を呼び込む、グローバル人材の獲得競争は、国際社会においてすでに始まっています。
2-2 外国人労働者の雇用状況
日本で就労する外国人労働者数は、2020年で172.4万人と、8年連続で過去最高を記録しています。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和2年 10 月末現在)」
ご存知の通り、新型ウィルスの蔓延により、新規入国が停止しています。
現在は一時的に、外国人労働者の増加にブレーキがかかっている状態です。
しかし、アフターコロナにおいては、外国人労働者の需要はさらに増えると見込まれています。
外国人労働者を国籍別で見ると、ベトナム国籍の方が中国を抜き1位に。
業種別で見ると、製造業が、外国人の受入れに最も積極的です。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和2年 10 月末現在)」
国内における消費者のニーズは多様化しており、それに対応するためには、外国人材の活用が不可欠と考えられています。 5年後には、外国人労働者の数は100万人に達すると言われています。 減少した労働人口を補うために、国の主導のもと、外国からの労働力を呼び込む時代に突入しているのです。
3. 多様化する外国人の雇用方法
外国人材へのニーズが高まる現代。 法の整備などが進んだことから、彼らの受入れ方法も多様化してきました。 どのような在留資格があれば企業で雇用することができるのか、確認しましょう。
出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和2年 10 月末現在)」
3-1 活動に基づく在留資格
いわゆる「就労ビザ」は、昔からある外国人労働者の受入れ方法です。 日本での活動が認められている在留資格は19種類。 例えば、通訳として活動するなら「技術・人文知識・国際業務ビザ」、プロのスポーツ選手であれば「興行ビザ」を取得するのです。
3-1-1留学生をアルバイトとして採用できる?
実は、留学ビザでは就労が認められていません。 しかし、「資格外活動許可」という資格を取得することで、就労が可能になります。 週28時間以内という時間の制約がある点に注意しましょう。
3-1-2即戦力を採用できる「特定技能」
国が認めた14分野で就労が可能となる特定技能も、この「活動に基づく在留資格」に分類されます。 該当分野の知識と、日本語力を問われる試験を、それぞれ通過しないと、特定技能の資格は得られません。 そのため、 一定の専門性を有した即戦力を雇用することが可能です。 留学生アルバイトの失踪が多発したことなどがきっかけとなり、2019年に整備された新しい仕組みです。 これから外国人雇用を検討する企業であれば、積極的に活用したい制度ですね。
3-1-3国際貢献のための制度「技能実習」
特定技能と名前が似ていますが、制度の目的は大きく異なります。 技能実習は、日本の技術を途上国に移転することで、国際貢献の実現を図る制度なのです。 この制度を活用する企業は増えており、技能実習生は国内で急速に増加しています。
3-2 身分や地位に基づく在留資格
こちらは、永住者や、日本人と結婚した配偶者、その子どもなどに認められた在留資格です。 就労活動に制限がないため、単純作業やコンビニといった、他のビザでは就労が難しい仕事にも就くことができます。
(参考)いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?3-3 外国人材の活用をはじめよう
外国人労働者の雇用を検討するのであれば、まずは任せたい仕事の選定が必要です。 次に、その仕事に就くことを認められた在留資格が何か、確認します。 在留資格に応じた受入れ方法が決まれば、募集に取り掛かりましょう。 日本人と同様に、ハローワークを通じて求人を募ることも可能です。 外国人に特化した人材紹介サービスを活用すると、経験やノウハウに基づき、ニーズに合致したグローバル人材とマッチングしやすいでしょう。
3-4 不法就労に注意
外国人材を採用する際には、必ず就労カードの原本を確認するようにしましょう。 不法就労をあっせんした人だけではなく、事業主も処罰の対象となるのです。 密入国した人や、在留期限切れ、認められている資格の範囲外での就労など、様々なケースが想定されます。 外国人労働者を雇用する際は、不法就労のリスクは常に意識しておきましょう。
4. まとめ
人材不足の原因とその対策について、解説しました。 外国人雇用においては、煩雑な事務処理や言葉の壁など、企業がクリアすべき課題もあります。
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しかしその反面、若い労働力を呼び込める、多様なニーズに応えられるといった、大きなメリットもあるのです。 少子高齢化の時代において、外国人労働者の活用なくして、日本全体の人手不足を解消するのは難しいでしょう。 グローバル人材の獲得競争が激化する前に、外国人の受入れについて検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】
厚生労働省「人手不足の現状」
総務省「我が国が抱える課題と課題解決手段としてのICT」
内閣府「高齢化の現状と将来像」
出入国在留管理庁「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」
出入国在留管理庁「不法就労防止にご協力ください」
- 2022.04.13国外の外国人雇用書類と手続きとは?
目次
外国人を雇用したいけれど、どんな手続きをしたらいいのか分からない、海外にいる外国人の雇用はハードルが高いのではないか、と感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、現在海外にいる外国人を雇用するために必要な書類と手続きについて紹介します。1.外国人入国前の手続き
1.雇用契約書
入社が決まったら、雇用契約書を作成します。雇用契約書は「在留資格認定証明書」の申請時に必要になります。
契約期間、就業場所と業務内容、労働時間、給与、休暇などについて、しっかり雇用契約書に記載します。
業務内容は在留資格と合っていなければいけません。
外国人が雇用契約の内容をしっかり理解できるように日本語と母国語の2種類作成しましょう。厚生労働省のサイトから外国語版の朗読条件通知書がダウンロードできます。
外国人労働者向けモデル労働条件通知書
2.在留資格認定証明書の申請
国外にいる外国人の採用が決まったら、在留資格をスムーズに取得できるように、在留資格認定証明書の交付申請をします。
在留資格認定証明書は職種によって、申請書が異なるので下記の入管管理局のホームページからダウンロードし、必要事項を記入します。
在留資格認定証明書会社側が用意するもの - 登記事項証明書
- 定款の写し
- 直近の決算書の写し
- 会社案内のパンフレット
- 雇用理由書
- 雇用契約書の写し
- 392円の切手を送付した返信用封筒
本人が用意するもの - 学歴または職歴を証明する書類
- パスポートの写し
- 学歴や職歴の記載がある履歴書
- 3か月以内に撮影した縦4cm×横3cmの本人の写真
手数料 なし 申請場所は、住居地を管轄する入国管理官署または、外国人インフォメーションセンターです。
在留資格認定証明書交付申請を行政書士に任せることも多いようです。
申請許可が下りるまで約1ヵ月から3ヵ月かかります。
在留資格認定証明書が交付されてから3か月以内に入国をしなければ、無効になります。
交付のタイミングが調整できるので、入国時期が決まったら窓口で相談しましょう。3.国外にいる外国人に在留資格証明書の送付
在留資格証明書が発行されたら、外国人に原本を送付します。
外国人本人が住んでいる国の日本大使館や領事館に、在留資格証明書の原本、パスポート、写真を持って行き、就労ビザを申請します。2.入国後に必要な手続き、書類
1.住民登録
入国してから14日以内に、外国人が住む市区町村の役場で住民登録をします。
住民登録は外国人本人が行うものですが、日本に来て間もないので、会社側登録のサポートをしてあげるのがよいかもしれません。2.ハローワークへの届出
外国人を雇用する際に、ハローワークへの届出が義務付けられています。
正社員など被保険者として外国人を雇用する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届の17~22の欄に記入します。提出期限は、被保険者になった翌月の10日までです。
雇用保険被保険者資格取得届アルバイトなど被保険者ではない外国人を雇用する場合は、「外国人雇用状況届出書」に記入します。提出期限は、雇用契約を交わした翌月末までです。
外国人雇用状況届出書これらの届け出はインターネットからも行えます。
外国人雇用状況届出システム
- 2022.04.13外国人雇用でかかる費用 就労ビザの更新など解説!
目次
「外国人材を採用したいが費用がかかりそう」「具体的にどんな費用が必要なの?」
という疑問をお持ちの企業様に、実際に外国人材を採用する場合にかかる費用について解説します。外国人採用にかかる費用・概要
一般的に採用時にかかるコストは以下の通りです。
1. 日本在住外国人を採用する場合
- 求人媒体への掲載費用
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 健康診断費用
採用後は
- 在留資格の変更・更新
- 外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
です。
日本在住外国人は採用までの費用に加えて、在留資格の変更、更新の 費用が必要になります。
2.海外在住外国人を採用する場合
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 外国人の日本への渡航費
- 面接で実際に事業主が現地面接する場合の渡航費(面接費用)
- 海外在住者の国での申請書類を入手するための費用
- 健康診断費用
- 日本での配属場所までの交通費
- 日本で暮らすための各種指導・ガイダンスに必要な費用
- 日本で暮らす住居費用、水道光熱費など(企業が負担する場合)
そして、採用後は
- 在留資格の新規取得
- 在留資格の変更・更新
- 外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
の費用があります。
内定後、日本で在留資格を取得するための書類には、現地から収集しなければならないものもあります。
例えば、学歴がない外国人を実務経験だけで採用する場合には、在職証明書が必要です。3.共通でかかる費用の解説
・人材紹介会社への紹介手数料
一般的に人材紹介会社を使用して採用を進める場合、採用費の相場は理論年収の30~35%と言われています。
例:理論年収300万円の場合
紹介費用 90万円※理論年収とは?
1年間勤務した場合の月額給与の12カ月分と賞与を合わせた額のことで、「想定年収」とも呼ばれます。
毎月支給される通勤手当が理論年収から除外されます。社員ごとにその額が異なり、理論年収算出に適さないという理由からです。理論年収を算出するには、まずその内訳を知っている必要があります。
理論年収の内訳は①基本給、②所定手当、③平均法定手当、④賞与の4費目から成っています。
そこで、理論年収は、
月額給与(基本給+所定手当+平均法定手当)×12+賞与(基本給×賞与支給月数)
の計算式で算出されます。
したがって仮に基本給と所定手当が同じでも、1年ごとに変動する平均法定手当と賞与により理論年収は変わってきます。
たとえば、A年とB年の基本給ː24万円+所定手当ː3万円=27万円で、
A年…平均法定手当ː3万円、賞与3カ月分
B年…平均法定手当ː2万円、賞与4カ月分
と仮定した場合、
A年の理論年収は、432万円=[(27万円+3万円)×12]+(24万円×3)]
B年の理論年収は、444万円=[(27万円+2万円)×12]+(24万円×4)]
となります。・在留資格の変更・更新
在住者の在留資格には期限があります。在留資格を確認して更新したり、在留資格の活動に合わせて変更したりする必要があります。
例えば
就労ができない「留学」の在留資格の場合、そのまま就労させることはできません。外国人労働者を社員として雇用する際には、「技術・人文知識・国際業務」などの就労の区分に変更する必要があります。・外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
特定技能外国人に関しては、ビザ申請許可が下りた後は、外国人の生活支援を行う支援業務が必要になります。支援業務には、外国人への事前ガイダンスや生活オリエンテーションなどが含まれます。支援業務は登録支援機関に外部委託でき、相場は月額2.5~3万円です。
・健康診断などの費用
外国人を採用する場合にも、日本人と変わらず、
健康診断の実施と健康診断書の提出が必要です。
健康診断の目的や内容を、外国人労働者が理解できるように説明した上で、必ず受診してもらうようにしてください。健康診断費はおおよそ1万円です。
ビザ・在留資格 関係費用と手続き
・在留資格と就労ビザとは
在留資格とは、外国人が日本に入国して滞在する場合に必要な資格で、29種類あります。中でも18種類の在留資格のいずれかを取得することにより、外国人が日本国内で就労することができます。
この18種類の在留資格が「就労ビザ」と呼ばれています。
<リンク>いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?|Jump Japan外国人労働者の資格取得の申請は、管轄の入国管理局で行いますが、申請に必要な書類は場合によって異なりますので整理しておきましょう。
では、外国人労働者の在留資格取得申請には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
また申請時には基本的に、返信用封筒と404円分の切手が必要です。(定型郵便物25g以内84円と簡易書留代金320円)海外在住外国人を採用する場合
外国にいる外国人に就労ビザを取得させ、日本に呼ぶ場合、就労ビザ取得にかかる費用は会社が負担するケースが多いです。外国人側から求職してきた場合も、一般的に会社が費用を負担します。
就労ビザの新規申請だけではなく、就労ビザの変更・更新費用も同様です。
ただし、就労ビザの申請に必要な写真や履歴書などは外国人本人に提出してもらうため、その費用まで会社が負担することはあまりないでしょう。今海外で住んでいる・在留資格のない外国人を雇用したい場合には、資格の取得が必要です。この場合は、
まず雇用主が代理人として、入国管理局へ「在留資格認定証明書」の交付を申請します。外国人労働者について認められると「在留資格認定証明書」をもらうことになります。
そして、交付された証明書を海外にいる内定者へと送付すれば、今度は内定者の手続きです。外国人労働者は受け取った証明書を持参して日本の在外公館でビザを申請し、ビザと共に提示して日本へ入国します。・在留資格取得費用
外国人労働者の在留資格を新たに取得する際には、特に手数料は必要ありません。
つまり、就労が可能な在留資格の取得手続きにかかる費用は、404円と書類準備費です。
「在留資格認定証明書」を送付してもらうための返信用封筒に貼る切手代申請書と必要な書類を揃え、入国管理局に提出することで就労ビザを取得できます。在留資格取得申請に必要な書類は以下の通りです。
在留資格認定証明書申請に必要な書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(3ヶ月以内に撮影されたもの。縦4cm・横3cm)
- 返信用封筒(宛名を記し、簡易書留用に392円分の切手を貼付したもの)
【日本での活動内容に応じた資料(所属機関の区分を証明する書類を提出する)】
企業側の必要書類- 雇用契約書
- 全部事項証明書(企業謄本)
- 決算報告書のコピー
- 会社案内などのパンフレットなど
- 社内の写真 ※任意
- 雇用理由書 ※任意
これに加えて、学生などの場合には
- 卒業証明書または卒業見込み書
- パスポート
- 日本語検定の合格証明書※任意
- 無犯罪証明書※任意
などが必要になります。取得する在留資格の種類によって追加で資料を求められることがあります。
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧以上の費用は
- 書類準備費
- 返信封筒用切手:404円
- 入国管理局までの交通費
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧
在留資格変更許可申請を弊社が代行する必要がある場合はお任せください。
日本在住外国人を採用する場合
すでに来日している外国人が日本で就職するときなどは本人が費用を負担する場合が考えられます。
就労ビザの申請に必要な書類を自分で集めることになるため、証明写真や学歴など証明書を発行する費用も本人負担となります。本人が就労ビザの取得・変更・更新費用を負担する場合、必要になる費用は以下の通りです。
- 返信封筒用切手:404円
- 証明写真の撮影費用:500~3,000円ほど
- 履歴書の購入費用:100~500円ほど
- 学歴等の証明書(卒業証明書など)発行費用:300~500円ほど
- 入国管理局までの交通費
- 変更・更新申請の場合→手数料:4,000円
日本にいる内定者を同職種から中途採用する場合
外国人労働者の内定者がすでに日本で働いている場合は、既に在留資格を保有しているはずです。
中途採用後の職種が転職前と同じ場合には、これに関して特に法的な手続きは不要です。ただし、外国人労働者の在留資格が新しい職種と合致しているかについて気になる場合は、入国管理局にて1,200円で「就労資格認定証明書交付申請」を行って確認することも可能です。就労資格認定証明書交付申請に必要な書類
- 申請書
- 資格外活動許可書
- 在留カード又は特別永住者証明書(特別永住者証明書とみなされる外国人登録証明書を含む)
- 旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
- 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
日本にいる内定者を異職種から中途採用する場合
異職種などからの転職で外国人労働者を中途採用する場合には、入国管理局に「在留資格変更許可申請」をします。申請には、2週間~1ヶ月ほどかかります。
在留資格変更許可申請に必要な書類
- 申請書
- 写真
- 在留カード
- 資格外活動許可書
- 旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
- 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請
そのため、就労ビザの変更手続の費用は、以下の通り。
- 手数料:4,000円
- 証明写真の撮影費用:500~3,000円ほど
- 履歴書の購入費用:100~500円ほど
- 学歴等の証明書(卒業証明書など)発行費用:300~500円ほど
- 入国管理局までの交通費
アルバイトとして雇う場合
日本にいる外国人を正社員ではなくアルバイトとして雇う場合には、外国人を雇用しようとする本人、企業が「資格外活動許可を得ているか」どうかは必ず確認しなければなりません。「資格外活動許可」を得ていればアルバイトとして働くことができます。
資格外活動とは「現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に必要な許可」です。
ただし、外国人労働者の資格が「留学」もしくは「家族滞在」の場合は、「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」旨の制限があるので覚えておきましょう。
・在留資格更新の場合
外国人労働者の在留期限が過ぎるために資格を更新する際には、4,000円の手数料がかかります。永住許可申請では8,000円の手数料がかかります。
印紙で納付しましょう。注意点・ポイント
・採用時に在留資格・必要な手続きの確認
日本国外の労働者を雇用する際には、この在留資格の確認が重要になります。外国人の採用を検討するときは、
まず在留資格と有効期限をしっかりと確認しましょう。・在留資格の更新について
就労ビザの更新には、2週間から1か月程かかります。
在留期限が満了になる前に申請をしていれば、審査結果がでていなくても在留期間の満了日から2か月は日本に滞在することができます。就労ビザは在留期間が切れてしまう前に更新を実施する必要があり、
在留期間が6か月以上の場合は、在留期間の残りが3か月になったところで更新をすることができます。しかし特別な事情があるときは、3か月以上前から手続きをできることがあります。・ 転職したときは就労資格証明書を申請!
外国人社員が転職してきた場合、更新が許可されるかどうか不安な場合は、事前に確認する手段として、就労資格証明書交付申請があります。上記更新時の立証資料を提出して審査してもらうことで、早い段階で更新が可能かどうか判断できます。就労資格証明書交付申請の手数料は1,200円です。交付を受けるときに収入印紙で納付します。
行政書士などの専門家に依頼する場合の費用
また、行政書士などに申請のサポートを依頼する際には、行政書士が設定する費用が必要になります。
行政書士などの入管業務をメインとしている専門家に依頼するメリットとしては以下になります。
・申請に関する書類準備を任せることができる
在留資格認定証交付申請では、海外にいる外国人と卒業証明書や職務経歴書などのやり取りを行わなければなりません。入管業務に詳しい行政書士に依頼すると、外国人とのコミュニケーションにも慣れており、効率よく準備を行うことができます。・地方出入国在留管理局まで出向く必要がない
在留資格認定証交付申請では、会社の担当者が地方出入国在留管理局へ赴く必要があります。申請する外国人の数がとても多い地方出入国在留管理局では、申請が受理されるまで1日かかることがあります。入管業務を専門とされている行政書士は、申請取次行政書士の資格を保有していることも多く、会社の担当者に代わって地方出入国在留管理局で申請を行うことができます。・申請が許可される可能性が高まる
法務省のホームページを調べれば、申請に必要な書類を把握でき、フォーマットも入手することができるため、誰でも簡単に申請が可能です。
しかし、専門家の行政書士は、審査基準を把握した上で書類作成を行うため、申請が許可される可能性が高まります。行政書士や代行業者に就労ビザ申請に必要な書類作成を依頼する際の費用の相場は
- 特定技能ビザ申請の委託相場費用:100000~200000円
- 新規・変更申請:80,000~100,000円ほど
- 更新申請:30,000~60,000円ほど
となっています。
特定技能のビザ申請は、提出書類が他のビザと比較しても多く、外部委託をする企業が多いです。
在留資格変更許可申請を弊社が代行する必要がある場合はお任せください。
5.まとめ
以上が外国人材を雇用する際に必要な各種費用です。外国人材の在留資格申請や確認は余裕を持って行いましょう。
それぞれの費用を確認して外国人材の採用を進めましょう。
閉じる- 2022.04.13外国人採用コスト|求人方法と採用コスト削減方法を解説
目次
日本企業の約半数は人手不足に陥っているデータが出ている昨今において、人材不足の対応策として外国人採用に注目が集まっており、外国人採用を行う企業も増加しています。
そこで今回、外国人の採用コストがどのくらいかかるのか?また、求人方法と採用コストの削減方法等、外国人雇用について解説していこうと思います。
外国人採用コストはどのくらい?
一般的に外国人採用において必要となるコスト
- 外国人の渡航費(アジア圏で5~8万円)
外国人人材を呼び寄せる場合、渡航費用は雇用主側が支払うことが一般的です。 - 就労ビザの取得費用(取得:10~15万円、更新:6~10万円)
外国人を日本で雇用する場合、就労ビザが必要です。また、就労ビザには期限があるため、期限までにその都度更新が必要となります。 - 現地での面接費用(10~30万円)
現地で実際に会って決めたい場合は事業主の渡航費や宿泊代としてコストが発生します。
外国人採用の 1 人あたりのコスト
実際に外国人採用の採用コストはどのくらいかかるのでしょうか?ある在留外国人専用の求人媒体の調査によると、警備員の職員では 1 人あたり約 10 万円、ホテル清掃のスタッフでは約 3 万円のコストがかかるとのことです。
また、採用する雇用形態によっても異なりますので、採用コスト+就労ビザ取得費用と(在留外 国人以外の場合)渡航費用などが加わります。
下記に採用雇用形態の種類を記しています。- ①広告やインターネット利用
- ②ハローワーク利用
- ③大学や日本語学校の利用
- ④域メディアや外国語メディアの利用
- ⑤有料職業紹介会社の利用
日本人のアルバイト 1 人あたりの採用コストとの比較
下の表は各職種別に記した日本人のアルバイト採用コストになります。
警備員は 13 万 6000 円、施設内介護・看護は 10 万 1000 円と 1 人あたりの採用コストが高いことがわかります。
フード(キッチン) 5 万円 販売(アパレル) 4 万 7000 円 イベント派遣 1 万 2000 円 警備員 13 万 6000 円 仕分け・シール貼り 2 万 2000 円 配達・配送・宅配便 6 万 9000 円 施設内介護・看護 10 万 1000 円 塾講師・チューター 7 万 3000 円 先ほどの外国人採用の 1 人あたりの採用コストと比較してみます。例えば、警備員3人採用する場合、日本人に比べ外国人採用をすることで約 10 万のコスト費用が抑えることができます。
しかし、結局のところ外国人採用をする場合、採用コストに加え、就労ビザや渡航費用がかかるため日本人採用コストと変わらないという結果となってきます。外国人の求人方法
外国人を雇用する際に注意すること
外国人採用にあたり、在留資格(ビザ)の有無がとても重要となってきます。在留資格について説明していきます。
①在留資格とは?
在留資格とは、外国人が日本に 60 日以上在留する際に、入管法の定めに従い発行される資格です。
在留資格には29種類の資格があり、大きく分けると「活動系在留資格」と「身分系在留資格」 の 2 つに分けられます。活動系...日本で就労する方向けの在留資格で、それぞれ定められた活動を行うことによって日本に在留することが認められる。
身分系...身分または地位に基づく在留資格。就労制限がなく日本人と同様に働くことができる。アルバイトやパートとして雇用できる在留資格には以下のものがあります。
- 定住者
- 日本人の配偶者
- 永住者
- 永住者の配偶者
- ワーキングホリデービザ
個別に許可を得ればアルバイト・パートとして雇用できる場合が以下の 3 つとなります。
- 文化活動
- 留学
- 家族滞在
②在留資格を持っていない人を雇用すると・・・
在留資格を持っていない人、または適した在留資格でない人を雇用した場合、その事業者は「不法労働助長罪」として科せられます。
- 3年以下の懲役もしくは 300 万円以下の罰金またはその両方が科せられます。
外国人を採用する際の流れと手続きについて
ここからは、採用までの流れから採用後の手続きについて述べていきます。
①外国人を採用した際の流れ
流れ自体は日本人を採用するときと変わりはありません。
- 求人媒体などで募集をかける
- ↓
- 応募してきた人材の書類選考と面接を行う
- ↓
- 合否を連絡して、雇用契約を締結する
前述したように、外国人は在留資格よって雇用できるもの・できないものがあるため、在留資格の種類の確認を必ず行うことが大切です。
②採用後に必要な手続きについて
基本的には日本人採用と変わりなく、社会保険の加入、所得税・住民税の課税、給与 計算などを行っていきます。
ただし、ある場合を除き、外国人採用した際にはハローワークへの届け出が法律上義務付けられています。
ある場合とは、雇用保険の加入の有無です。
加入する→雇用保険の手続き(雇用保険被保険者資格取得届)により届出を兼ねる
加入しない→「外国人雇用状況届書」を作成しハローワークに提出手続きに悩んだ際は、近くのハローワーク等で問合せを行ってみてください。
採用コストの削減方法
・現地からの採用でかかる費用を抑えるためには
① 現地の学校・日本語学校を訪問し、自らスカウトする
事業主自らが赴いてスカウトをすれば、人材のミスマッチを防ぐことができます。紹介料はかかりません。ミスマッチを防止して、採用した外国人社員が会社に貢献できれば、採用コストの無駄使いになることはないしょう。しかし、これを実際に行うには多大な時間とコストが必要になります。一回の渡航で安易に採用を決めようとすると、詐欺にあったり、法令違反を見逃したりしがちですので、少人数を採用する中小企業には向いていないでしょう。
② 人材紹介会社の活用
人材紹介会社を活用することで、支援や管理業務、教育費などにかかる費用を含めた金額でサービスを展開しているため、トータル的な費用の削減につながります。また、日本語能力が高く、日本で働くことに情熱を持った外国人人材を見つけることができる可能性が高いです。前項でご説明したように、実際に海外に行って直接採用をすることは中小企業にとっては現実的では ないので、人材紹介会社を活用することをおすすめいたします。
③ SNS での求人募集
外国人がよく利用する SNS で求人募集をするのも一つの方法です。無料でできるため、うまく 活用できれば、採用コストの削減につながるでしょう。
しかし、普通の日本語で募集するのは難しいです。平易な日本語を使うか、できれば現地語で 求人募集をする必要があり、結果的に現地人を雇わないとコミュニケーションがうまくとれない ことが多いと思われます。
また SNS 上で交わされる情報、人材の学歴、履歴、日本語証明書、パスポートなどにはウソが あることもあるので、真偽確認を行う必要があります。また、SNS 上では候補者との約束が反故 にされることも多くありますので、注意が必要です。
・日本からの採用でかかる費用を抑えるためには
① 日本語学校や大学・専門学校への求人広告
アルバイトのメインにはなりますが、掲載料は基本的に無料ですし、1、2、3年生といった上下の繋がりからの紹介を次々と狙うことができます。
② リファラル採用の活用
リファラル採用とは、すでに働いている社員に人材を紹介してもらう採用手法です。この手法のメリットは企業をよく知っている社員からの紹介のため、ミスマッチが少ないです。また、自社採用のため採用コストを大幅に削減することができます。
③ 採用代行を使用
採用代行とは、採用業務を外部に依頼することをいいます。これまでかかっていたコストと比較しながら一定のコストの範囲内で採用代行サービスを活用することで、採用コストの削減につながる可能性があります。
※その他にも助成金制度を活用してコストを軽減する方法もあります。
雇用調整助成金や特定求職者雇用開発助成金、キャリアアップ助成金などがあります。
受給条件はありますが、条件を満たせば助成金を貰うことでき、コスト削減につながります。おわりに
閉じる- 2022.04.13特定技能ビザ|在留期間更新に必要な書類、条件、費用
目次
1.はじめに
今回は、特定技能ビザ(特定技能の在留資格)更新にはどんな書類が必要か、また、更新が許可されるためにはどんな条件があるのかをご説明していきます。
特定技能ビザの更新期間は、下記になります。特定技能1号:1年、6ヶ月または4ヶ月ごと
特定技能2号:3年、1年または6ヶ月ごと更新申請は、審査から処理までには2週間〜1ヶ月程度はかかります。上記の更新期間を把握した上で、満了する日までに申請手続きを行わなければいけません。※ただ、申請した後、在留期間の満了日までに決定が下されない場合には、特例で更新申請処理の完了の日までそれまでの在留資格での在留が認められています。
特定技能外国人と雇用する企業は更新期間をしっかりと把握し、丁寧かつ正しい更新手続きをしなくてはいけません。
なお、法令によって下記記載事項は変更になる可能性もあるので、出入国在留管理庁(いわゆる入管)などのホームページで最新情報を確認しておくようにしましょう。2.在留期間更新許可申請に必要な書類
特定技能ビザの更新には、下記の資料を出入国在留管理庁に提出することが必要になります。 それでは、説明していきます。
今回は、最も該当するケースが多い、法人かつ特定技能1号の更新に絞ります。
下記に出てくる「申請人」とは在留中の外国人の方のことを指します。2-1 在留期間更新許可申請に必要な書類一覧
- 提出書類一覧・確認表
- 申請する特定技能外国人の名簿 ※複数人が同時に申請する場合
- 在留期間更新許可申請書
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 特定技能雇用計画書の写し
- 雇用条件書の写し
- 通算在留期間に係る誓約書
- 直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書 ※確定申告をしていない場合に必要
- 給与所得の源泉徴収票 ※確定申告をしていない場合に必要 課税証明書の内容に対する年度
- 税目を源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税とする納税証明書 ※確定申告をしている場合に必要
- 特定技能所属機関概要書
- 登記事項証明書
- 役員の住民票の写し(業務執行に関与する役員)
- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書(業務執行に関与しない役員)※住民票の写しの提出を省略する役員がいる場合に必要
- 決算文書の写し(損益決算書及び貸借対照表) ※直近2年分
- 法人税の確定申告書の控えの写し ※直近2年分
- 領収書の写しと(直近1年分)、労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控え)の写し(領収書に対応する分)
- 雇用保険被保険者資格取得確認通知書(事業主控え)の写し ※所属機関が労働保険適用事業所でない場合に必要
- 「社会保険料納入状況照会回答票」もしくは「健康保険・厚生年金保険料領収証の写し」 ※申請月の前々月までの24ヶ月分全て
- 税目を源泉所得及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税とする納税証明書
- (地方税)税目を法人住民税とする納税証明書(前年度分) ※市町村発行の納税証明書
- 該当分野の協議会の構成員であることの証明書
2-2 条件によっては提出しなくても良い書類
下記のように条件次第で提出を省略できる書類もあります。
①申請人に係る過去1年以内の在留諸事情(在留資格認定証明書交付申請・在留資格許可申請・在留期間更新許可申請)において提出済みの場合、下記は提出の必要がありません。※内容に変更がない場合に限ります。
8 直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
9 給与所得の源泉徴収票
10 税目を源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税とする納税証明書
②受け入れている任意の外国人に係る過去1年以内の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請)において提出済みの場合、下記は提出の必要がありません。
※内容に変更がない場合に限ります。11 特定技能所属機関概要書
12 登記事項証明書
13 役員の住民票の写し(業務執行に関与する役員)
14 特定技能所属機関の役員に関する誓約書(業務執行に関与しない役員)
17 領収書の写しと(直近1年分)、労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控え)の写し(領収書に対応する分)
20 税目を源泉所得及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税とする納税証明書
21 (地方税)税目を法人住民税とする納税証明書(前年度分)
③受け入れている任意の外国人に係る在留書申請において同一年度のものを提出済みの場合、下記は提出の必要がありません。
※内容に変更がない場合に限ります。15 決算文書の写し(損益決算書及び貸借対照表) 16 法人税の確定申告書の控えの写し
④下記は、申請人に係る在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請後、最初の在留期間更新許可申請時のみ提出が必要となります。
18 雇用保険被保険者資格取得確認通知書(事業主控え)の写し 22 該当分野の協議会の構成員であることの証明書
⑤受け入れている任意の外国人に係る過去1年以内の在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請)において提出済みの場合、下記は提出の必要がありません。
19 「社会保険料納入状況照会回答票」もしくは「健康保険・厚生年金保険料領収証の写し」
2-3 書類の注意点
- ・上記の資料以外にも、特定技能の分野によっては特別に必要になる書類もあります。
- ・提出する資料が外国語で作成されている場合は、日本語の訳文を添付してください。
- ・原則、提出した資料を出入国在留管理庁から返却してもらうことはできないので、もし再度手に入れることが困難な資料の原本等の返却を希望する場合には、申請時に申し出ることが必要です。
3.更新審査の条件・ポイント
上記の資料を不足なく届け出た上で、更新審査で通るためには下記のポイントもしっかりと確認する必要があります。
3-1 入管法で決まっている手続きをしているか
在留カードの記載事項に関する届出や在留カードの返納、所属機関に関する届出などの義務を問題なく行なっていることが必要です。
3-2 税金や社会保険料を払っているか
更新の際には納税状況と社会保険料の支払い状況がチェックされます。
住民税などの日本で定められている税金はもちろん、社会保険料である健康保険料と年金保険料の支払いもしていなくてはいけません。
社会保険料は、企業側が給料から天引きしている場合は特に問題はありませんが、外国人が自身で国民健康保険や国民年金に加入している場合は、しっかりと支払い状況を確認しなければいけません。
万が一未払いがある場合には申請前にしっかり支払いを済ませるようにしましょう。決して虚偽の報告をしてはいけません。3-3 素行が不良でないか
普通に仕事・生活していれば問題はありませんが、「退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為や、不法就労を斡旋するなど」に該当する場合、素行不良とみなされ審査に通る可能性が低くなってしまいます。
4.申請にかかる費用
在留期間更新許可申請は、許可(在留カード)時に4,000円(収入印紙)が必要となります。
5.まとめ
今回は、特定技能ビザ(特定技能の在留資格)の更新に必要な書類とその更新が許可されるための条件に関してご説明いたしました。
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ご覧のように、特定技能外国人や所属機関(受入企業)やその役員に関する提出書類が数多くあります。特定技能外国人を雇用する企業はそれらをしっかりと確認し、その外国人へのサポートが必須となります。- 2022.04.13特定技能ビザ申請|準備・必要な書類・ステップまとめ
目次
はじめに
特定技能ビザ(特定技能の在留資格)の申請は、手間かつ時間のかかる手続きとなるので、しっかり丁寧に準備を行う必要があります。今回は、必要な書類と申請のステップを詳しくご説明していきます。
準備が不十分で、時間がかかったり申請が通らないという事態を招かないためにもこの記事をしっかりご覧になることをおすすめします。
なお、法令によって下記記載事項は変更になる可能性もあるので、法務省のホームページで最新情報を確認しておくようにしましょう。必要な準備、書類
特定技能ビザの申請は、出入国在留庁が管理している 特定技能総合支援サイトにて、必要な書類を確認・ダウンロードできます。ご確認ください。
特定技能所属機関(いわゆる受け入れ先)が法人か個人か、申請が特定技能1号か特定技能2号かによって提出書類が変わりますが、今回は、法人かつ特定技能1号の申請に絞ってご説明します。必要な書類は、下記のように大きく3つに分けることができます。
①申請人(外国人)に関する必要書類
②所属機関に関する必要書類
③分野に関する必要な書類
在留資格認定書交付申請
①申請人に関する必要書類
- 1 表紙
- 2 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 3 在留資格認定書交付申請書
- 4 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 5 特定技能雇用契約書の写し
- 6 雇用条件の写し ※別紙 賃金の支払い
- 7 雇用の経緯に係る説明書
- 8 徴収費用の説明書
- 9 健康診断個人票 ※別紙 受診者の申告書
- 10 1号特定技能外国人支援計画書
- 11 登録支援機構との支援委託契約に関する説明書
- 12 二国間取決において定められた遵守すべき手続きに係る書類
②所属機関に関する必要書類
- 1 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表
- 2 特定技能所属機関概要書
- 3 登記事項証明書
- 4 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 5 特定技能所属機関の役員に関する誓約書
- 6 労働保険料納付証明書
- 7 社会保険料納入状況回答票または健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
- 8 税務署発行の納税証明書
- 9 法人住民税の市町村発行の納税証明書(直近1年分)
③分野に関する必要な書類
それぞれ所属機関の産業分野により、準備する書類は異なります。
こちらに関しては、詳しくは出入国在留庁のホームページをご確認ください。それでは、それぞれ見ていきましょう。
在留資格変更許可申請
日本国内に在留しており、留学ビザや技能実習ビザから特定技能ビザに変更する場合などは、「在留資格認定書交付申請書」ではなく「在留資格変更許可申請書」を提出します。
また、上記の①②③に加えて下記の書類も必要になります。- 1 直近1年分の個人住民税の課税証明書及び納税証明書
- 2 給与所得の源泉徴収票
- 3 申請人の国民健康保険被保険証の写し
- 4 ①申請人の国民年金保険料領収証書の写し②申請人の被保険者記録照会
- 5 公的義務履行に関する誓約書
書類の詳細
数多くある書類の中でも、比較的手間のかかるものをご紹介します。
-
・雇用条件の写し:給与や勤務時間、年間休日など各種雇用条件を細かに記載しなければいけません。また、外国人が理解できる言語の書面が必要です。
-
・徴収費用の発明書:住居や食費、光熱費等の給与から天引きする項目について説明する書類です。
-
・健康診断個人票:書式が準備されていますが、診察項目を全て満たしていれば使用する必要はありません。外国で健康診断を受診した場合、日本語訳が必要になります。
- ・1号特定技能外国人支援計画書:各種支援内容の詳細等を記載します。申請書類の中で最も作成難易度が高い書類です。
特定技能ビザを取得するためのステップ
海外から入国する外国人の場合をご説明します。
①技能試験および日本語試験の合格
新規に入国予定などの外国人は、まず技能評価試験および日本語能力試験に合格しなくてはいけません。技能評価試験は、受け入れ先機関の分野ごとに指定の試験が実施されています。
②雇用契約の締結
外国人は、通常、人材紹介会社による斡旋を受けて求職活動をして、無事就職が内定したら受け入れ機関との雇用契約の締結をします。
③事前ガイダンス等の受講および健康診断の受診
雇用契約の締結をする際に、所属機関等が実施する事前ガイダンスと健康診断の受診をします。
健康診断個人票はのちの申請手続きに必要な書類となります。④在留資格認定証明書の申請
在留資格認定証明書の申請を行います。在留資格に応じて在留資格認定証明書を日本の出入国在留管理庁に申請し、審査を受ける必要があります。出入国在留管理庁の審査が通った後に在留資格認定証明書が交付され、在留資格認定証明書が郵便にて返送されます。 審査は通常、1〜2ヶ月かかります。 ただ、申請後に外国人本人や受け入れ機関側の追加資料を求められることがあると、1週間程度審査が伸びてしまうこともあります。
⑤在留資格認定証明書の交付と発送
日本の出入国在留管理庁に在留資格認定証明書を申請するので、外国人本人が行うのが困難な場合が多く、その場合は、申請取次の資格を持った行政書士などが代理人として申請を行うことになります。
審査が通った後、在留資格認定証明書がその代理人に送られ、受け取ったら外国に居住している外国人本人に再送付をします。
なお、一つ注意点として、在留資格認定証明書の有効期限は3ヶ月のみとなっており、必ず3ヶ月以内に入国しなくてはいけません。(現在は新型コロナウイルス対策の入国制限が実施されていますので、有効期限の緩和措置が取られています)⑥ビザの申請
在留資格認定証明書を受け取った外国人は、必要な写真や申請書類等を用意して本国にある日本大使館や日本領事などの在外公館に提出し、ビザ発給の申請を行います。 ビザの申請から発給にかかる期間は国によって異なりますが、早ければ数日、長くても2週間程度で発給されます。審査が通ると、提出したパスポートにビザが貼り付けをされます。
⑦入国
ビザが発給されたら日本への入国をします。既述ですが、入国は在留資格認定証明書の発行から3ヶ月以内となっています。(今は新型コロナウイルス蔓延対策の入国制限が実施により、有効期限の延長措置が取られています) 在留資格認定証明書は、上陸条件である「活動の非虚偽性」「在留資格該当性」「基準適合性」を証明する役目を果たし、出入国在留管理庁によって回収されます。
交付の際の在留カードの居住地は未定のままとなっているため、入国後に居住地の市町村役場にて登録の手続きを行う必要があります。
以上がビザ取得のためのステップです。留学生や技能実習生など日本国内に在留している外国人に関しても基本的な流れは同様です。その場合は、「在留資格認定証明書」ではなく、「在留資格変更許可申請書」が必要になります。申請における注意点
必要書類の注意点
・原本の提出が求められているものは、発行から3ヶ月以内でなくてはいけません。
・出入国在留庁のホームページに掲載されている参考様式を使わない場合は、同様の内容を記載した書類が必要です。
・提出資料が外国語で作成されている場合には日本語訳文を添付する必要があります。
・原則、提出した資料は返却されないので、再度手に入れることが難しい資料の原本等の返却を希望する場合は、申請する際にその旨を伝える必要があります。手続き上の注意点
・特定技能の受け入れに関する相談は、法務省及び地方入国管理局で可能です。
・特定技能の申請は、郵送ではなく持参しなくてはいけません。
・在留資格認定証明書の交付申請は無料です。
・在留資格変更許可申請は許可される際に4000円が必要になります。おわりに
今回は、特定技能ビザに必要な書類とそのステップについて解説しました。このように、かなりの労力が必要となり、かつ、所属機関(受入企業)の分野によって手続きが変わったりもするのでしっかり丁寧に進めていかなくてはいけません。申請した後に書類に不備があったり条件が合わない等の問題が発生すると余計な時間を割いてしまうことになります。不安があれば登録支援機関に相談したり、法務省や地方管理局、個人の行政書士や弁護士等を活用するなどして進めていきましょう。
閉じる- 2022.04.06外国人社員の書類退職手続きとは?|人事向け
外国人社員が退職する時には、本人が行う手続きと会社が行う手続きがあります。
手続きには、外国人特有の書類申請が必要となりますが、オンライン上で事務処理ができるものもありますので、各所HPから閲覧して手続きを進めましょう。外国人社員の場合、日本の雇用制度について知識不足であることが多いので、特に本人による手続きについては、補足説明によるサポートも行うことを推奨いたします。
目次
1.会社が行う退職の書類手続きについて
1-1 外国人特有の退職の書類手続き
「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出する
外国人社員が退職する時には、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出する必要があります。この手続きによって出入国在留管理庁への届出が免除されることになります。入国管理法では、外国人が退職した場合には出入国管理庁へ届出をする必要がありますが、事前にハローワークへの「雇用保険被保険者資格喪失届」の提出することで二重の手続きは不要となります。
もし、「雇用保険被保険者資格喪失届」の提出をしなかった場合には、罰則として雇用主に対して6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課されますのでご注意下さい。
また、在留資格が以下に記載の外国人社員の場合は、「雇用保険被保険者資格喪失届」は必要ありません。
- 外交
- 公共
- 永住者
- 永住者の配偶者
- 日本人の配偶者
- 定住者
◆「退職証明書」を発行する
外国人社員が退職後に転職をする場合には、出入国在留管理庁で、在留資格変更、在留資格更新、就労資格証明書交付申請のために必要な添付書類として「退職証明書」の提出をします。
「退職証明書」の内容は、企業に在籍していた期間/職務内容/役職/給与/退職の理由(解雇の場合はその理由)などの記載がされた証明書が必要となります。ただし、外国人社員が本国へ帰国する場合は必要ありません。
◆在留カード番号記載様式を申請する
2020年3月より、外国人雇用状況の届出に、在留カード番号記載の提出するようになりました。外国人社員が退職後10日以内に手続きを行う必要があります。厚生労働省HPの外国人在留カード番号記載様式から書き込みが可能です。
厚生労働省HP・外国人在留カード番号記載様式
1-2 日本人社員と同様の退職の書類手続き
◆源泉徴収票の交付する
外国人社員が退職する場合の源泉徴収票は、本人から請求されなくても交付する必要があります。外国所得税法により、退職者の源泉徴収票は、最後の給与支払い日の前後で交付されることとなっています。この法令に違反した場合の罰則は、1年以下の懲役または20万円以下の罰金となりますのでご注意下さい。
特に外国人社員の場合、日本の雇用制度の仕組みを知らないケースもありますので、雇用側の義務として源泉徴収票の交付を行うようにしましょう。
◆健康保険証を返却する
外国人社員の退職時には、日本人社員と同じように健康保険証の返却が必要です。
健康保険証が使用できる期日は退職日までとなります。返却された健康保険証は、退職後5日以内に「資格喪失届」に添付して健康保険組合に送付しましょう。もし、健康保険証を紛失した場合には、「資格喪失届」または「被扶養者異動届」に「被保険者証回収不能届」添付して提出する必要があります。
◆社会保険と労働保険の資格喪失の手続きをする
外国人社員が退職後5日以内に、健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届を、年金事務所へ提出する必要があります。健康保険と厚生年金保険は退職日の翌日から使用できなくなります。
日本年金機構 ・届書様式
◆雇用保険の離職票の交付する
外国人社員が退職後に雇用保険制度の失業手当を申請する際に必要な書類となります。
離職票の交付の流れは、外国人社員が離職票を請求してきた場合に雇用事業主はハローワークに「離職証明書」を提出することで「離職票」が交付されます。
ハローワーク2.外国人が行う退職の書類手続きについて
外国人本人が行う手続き
こちらは外国本人が行わなければいけない手続きですが、なんの手続きが必要なのか、どこでどのように行うのか知らないというケースがほとんどです。
以下の手続きに関しても本人にすべて任せるのではなく、会社のサポートが必要です。◆所属(契約)した機関に関する届出が必要となる
外国人社員は退職後14日以内に、ハローワークまたはオンラインで「契約機関に関する届出」の届出が必要となります。この手続きは退職以外のも転職や所属機関の変更時にも届出する場合に必要となります。
また、外国人の中には、この手続きを知らなかったり忘れてしまうケースがよくありますので、退職時には説明と申請法などのサポートがあるとよいでしょう。
オンライン申請・法務省/所属(契約)機関に関する届出
◆転職の準備と在留期間の調整をする
在留資格では退職後に無職で3か月以上経過した場合、「在留資格の取消し」の対象となります。退職から次の会社への転職期間には、余裕をもって計画し在留期間について把握しておく必要があります。退職後に本国へ帰国する外国人は対象外です。
但し、現時点では新型コロナウィルスの世界的な蔓延により帰国困難な外国人が増えており、救済策として幅広く在留資格「特定活動」が付与されております。在留資格「特定活動」には様々な種類がありますが、帰国困難者は早めに入管に資格変更手続きをするとよいでしょう。
◆住民税の手続きをする
外国人社員が退職して翌月10日までに、市町村の役所に「給与支払報告に係る給与所得異動届」を提出する必要があります。
本国へ帰国する場合にも、住民票の転出届とマイナンバーカードの返却が必要です。
◆失業給付金の申請をする
以下に記載の必要書類を持ってハローワークで求職の申し込みをします。後日、失業認定を受理されたら失業給付金が支給されます。
- 離職票
- 雇用保険費保険証
- 印鑑
- 在留カード
- 証明写真2枚
- マイナンバーカード
- 本人名義の預金通帳、キャッシュカード
ハローワークでは申請の条件である『就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、職業に就くことができない』ことを前提に受け付けています。また、外国人社員は雇用保険の加入期間が12か月以上であることが必要となります。
ハローワーク
◆脱退一時金の請求のための手続きをする
本国へ帰国する外国人の場合、国民年金・厚生年金をの脱退一時金の請求することができます。外国人が日本を出国後に請求すれば、厚生年金保険の加入期間に合わせて脱退一時金が支給されます。
請求できる条件は、国民年金・厚生年金の支払い期間が6ヶ月以上あること/日本国籍を有しない者/日本を出国してから2年以内/障害基礎年金支給を受けたことがある/等の理由が当てはまる場合には、脱退一時金が支給されます。
日本年金機構・脱退一時金請求書さいごに
外国人社員が退職する場合の手続きについて説明いたしました。各種手続きでは、日本人社員の場合とは異なる外国人特有の手続きがありますので、提出期日や必要書類、申請場所などをご確認の上、手続きを進めましょう。
また、外国人社員本人が行う手続きについては、事前に説明補足ができれば、その後の在留資格や転職などの手続き上で滞りなく進めることができます。特に、退職後3か月以上再就職していない場合には、在留資格の取り消しの対象となりますので、退職時には外国人社員に対して詳細な説明ができれば良いでしょう。
閉じる- 2022.04.06全業種|特定技能「協議会」の費用、加入方法、加入義務
目次
「特定技能外国人を雇用したいけど、特定技能の協議会って何?加入が必須?」など、特定技能の協議会について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、特定技能外国人を雇用するためには各分野の協議会に加入しなければいけません。そのため、特定技能の協議会への加入に関わる詳細を知れば、よりスムーズに外国人労働者を雇えるのです。この記事では、特定技能「協議会」の費用と加入方法を中心に解説していきます。
特定技能「協議会」
特定技能「協議会」とは?
特定技能の協議会とは特定技能を対象とした14業種ごとに各管轄省庁が中心となり、業界団体や受入機関、学識経験者などを構成員とした団体です。外国人の保護や正しく迎え入れるために、日々、コミュニケーションを図っています。
また、特定技能資格を保有した外国人を雇用するためには、各分野の協議会へ入会が義務となっており、所定の手続きを踏む必要があるのは念頭に置いておきましょう。-
※14業種は以下のとおりです。
- ・建設分野
- ・造船、造船、舶用工業分野
- ・自動車整備分野
- ・航空分野
- ・宿泊分野
- ・農業分野
- ・漁業分野
- ・飲食料品製造業分野
- ・外食業分野
- ・介護分野
- ・ビルクリーニング分野
- ・素形材産業分野
- ・産業機械製造業分野
- ・電気、電子情報関連産業分野
特定技能「協議会」の目的は?
前述の通り、協議会の主な目的は特定技能資格を保有した外国人の保護や正しく迎え入れるための準備です。協議会は受け入れ機関へ指導や調査を行い、外国人にとって「働きやすい労働環境」を維持・改善しています。
また、受入機関が倒産した時の転職支援や、地域別の特定技能外国人の人手不足に関する調査と対応、都市圏への特定技能外国人集中回避を目的とした調整や対応策の検討などを行っているのです。
以上のように、協議会は外国人を受入れる準備だけでなく、全国に就業中の特定技能外国人の状況を観察するなど、幅広くサポートを行っています。特定技能「協議会」の加入
特定技能「協議会」の加入タイミングは?
特定技能の協議会への加入タイミングは特定技能外国人を採用し、ビザ(在留資格)の取得後4か月以内となります。また、協議会への加入は事前申請はできませんので、規定通り特定技能外国人がビザの習得後に手続きを行いましょう。
特定技能「協議会」の加入費用は?
特定技能の協議会へは一般的に費用が掛からず加入できます。しかし「建設業」分野のみ加入費用がかかりますので、対象の企業は注意が必要です(2022年4月現在)。建設業分野の加入費用の詳細について見てみましょう。
<特定技能協議会「建設業」分野の加入費用>
年会費 360,000円(月額 30,000円) 後援会費 240,000円 月額受入負担金 12,500円~25,000円 ※特定技能外国人1人あたりの費用
特定技能協議会における建設業分野は、以上のように特別な仕組みになっているのがわかります。建設業分野のみ加入費用が必須な理由については、建設業は他の業種より失踪者が多いなどの問題が指摘されているからです。また、特定技能協議会に加入せず、建設技能人材機構傘下の業界団体に加入しても問題ありません。しかし、その場合でも月額受入負担金12,500円~25,000円は変わらず、いずれにしても特定技能協議会における建設業の負担は大きいと見て取れます。
特定技能「協議会」の加入方法は?
特定技能協議会への加入方法は分野によって異なります。そのため、以下該当の各省庁ホームページから詳細を確認していきましょう。
建設分野 国土交通省 建設技能人材機構 造船・造船・舶用工業分野 国土交通省 造船・舶用工業分野特定技能協議会 自動車整備分野 国土交通省 自動車整備分野特定技能協議会 航空分野 国土交通省 航空分野特定技能協議会 宿泊分野 国土交通省 宿泊分野特定技能協議会 農業分野 農林水産省 農業特定技能協議会 漁業分野 農林水産省 漁業特定技能協議会 飲食料品製造業分野 農林水産省 食品産業特定技能協議会 外食業分野 農林水産省 食品産業特定技能協議会 介護分野 厚生労働省 介護分野における特定技能協議会 ビルクリーニング分野 厚生労働省 ビルクリーニング分野特定技能協議会 素形材産業分野 経済産業省 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会 産業機械製造業分野 経済産業省 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会 電気・電子情報関連産業分野 経済産業省 製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会 特定技能協議会加入の際、特定技能外国人2人目以降の追加受入時の手続きは不要です。
そのため、1人目の受入の際に上記ホームページより申請を行っていきましょう。特定技能「協議会」の加入方法(例:外食分野)
特定技能協議会の加入方法については各分野によって違いますが、ここからは外食分野を例にとって見ていきます。
外食分野の協議会加入方法の流れは以下のとおりです。
- 1. 前述した農林水産省のホームページから申請
- 2. 必要情報項目を入力
- 3. 入力したメールアドレスに案内メールが届く
- 4. 届いたメールに入管時に使用した誓約書の写しを添付して返信
- 5. 申請完了
- 6. 後日協議会から加入証明書が届く
また、申請時に入力する受入機関の必要情報は以下のとおりです。
- ・特定産業分野
- ・登録支援機関名
- ・法務省登録番号
- ・法人番号
- ・氏名(受入機関代表者)
- ・郵便番号
- ・都道府県
- ・住所
- ・氏名(担当者)
- ・電話番号(担当者)
- ・メールアドレス(担当者)
- ・受入中の特定技能外国人人数
- ・受入中の特定技能外国人「在留カード番号」「有効期間」「国籍」「氏名」「就業中の事業所所在地」「支援委託契約元の特定技能所属機関」
- ・受入中の特定技能外国人「特定技能」のビザ取得有無
- ・食品産業特定技能協議会規約に同意し、必要な協力を行うことの有無
特定技能外国人の在留カード情報をもとに、以上の必要情報項目を入力していきます。各分野によって申請方法は違いますが、一般的にホームページ上から申請を行う流れはほぼ変わりません。そのため、在留カードは必須となり、特定技能外国人へ事前に確認を取っておくと申請がスムーズにいきます。
登録支援機関は「協議会」の加入は必須?
登録支援機関は特定技能外国人の受入を行う企業から依頼があり、特定技能外国人の日常生活や社会生活のサポートを代行する機関です。登録支援機関の協議会義務は、受入機関とは違い加入が必須ではない分野もあります。各分野の加入義務について以下一覧を見ていきましょう.
建設 不要 造船・造船・舶用工業 必須 自動車整備 必須 航空 必須 宿泊 必須 農業 不要 漁業 不要 飲食料品製造業 必須 外食業 必須 介護 不要 ビルクリーニング 不要 素形材産業 不要 産業機械製造業 不要 電気・電子情報関連産業 不要 登録支援機関に登録後はさまざまな届け出が必要です。該当分野が協議会加入必須であれば、思わず申請漏れが発生するケースも。今一度該当分野の加入有無をチェックし、もれなく手続きを行っていきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は特定技能「協議会」について徹底解説しました。外国人労働者を雇用するためには各分野の協議会への加入が必須です。また、特定技能の協議会への加入タイミングは特定技能外国人を採用し、ビザの取得後4か月以内となっているため、早めの申請を行う必要があります。スピード感を持った対応が必要ではありますが、各分野比較的手続きが簡単で、建設業分野以外は無料で手続きが可能。外国人労働者を積極的に採用して社内の労働不足を解消するためにも、本記事をあらためて参考にし、特定技能の協議会の加入を正確に行っていきましょう。
閉じる- 2022.04.06特定技能外国人の雇用契約書|概要とポイントを徹底解説
目次
「特定技能雇用契約書」とは?
「特定技能雇用契約書」は、特定技能外国人を日本の企業で受け入れる場合に行う契約です。日本人従業員との雇用契約とは異なり、外国人の場合は、外国人に合わせた内容の契約となると考えると良いでしょう。また、外国人との契約ですから、外国人が読んで理解できる契約書が基本となります。「特定技能雇用契約書」は、雇用後のトラブルや悪質な仲介者の介入を回避するための対策として、不法な雇用契約を妨げるために行われます。
契約内容にはいくつかポイントがありますので、留意点として説明して行きましょう。「特定技能契約書」で交わされる内容
特定技能外国人を雇用する際に、労働条件や待遇、報酬などが法的に定められた基準になっているか、また外国人だからという差別的な内容でないことと、帰国時のサポートなどについて必要な項目を記載する必要があります。
<採用方法1>在留資格「特定技能」を取得する方法は3つ
外国人が特定技能の在留資格を取得する方法は以下の3種類です。
①試験受験型
14の産業分野の職種から、技能試験と日本語能力試験を受けて合格することにより、特定技能の在留資格が取得できます。
②技能実習移行型
技能実習3年経験者は、同じ職種において在留資格を特定技能に資格変更することができます。
③技能実習他職種受験型
技能実習3年経験者が他の職種で特定技能の資格を得るには、日本語能力試験は免除され、望む職種の技能試験を受けて合格することにより、特定技能の在留資格を取得することができます。
<採用方法2>特定技能外国人の居住地
特定技能外国人の居住場所も2種類あります。
①日本在住の特定技能資格を持つ外国人を採用する方法
②外国から招く方法
◆従事する業務について
「特定技能契約書」の内容には、外国人の在留資格が雇用条件に合った産業分野であることと、外国人が従事する業務が、外国人の知識と技術に即した仕事であること、この2点が確認しておくポイントです。
企業が雇用した外国人は、雇用後にはすぐに業務に対応できる人材であることが必要です。これらのことを踏まえて、書面に記載する際には、特定技能の14産業分野の職種であることと業務内容については、なるべく詳しく明確に記した方が在留資格認定証明書交付申請をする時に審査が通りやすくなります。◆労働時間について
時間に厳しいと言われている日本人が、仕事上の時間については、けじめ良く割り切らない傾向があります。これは外国人にとっては理解できないことの一つであり、時間に関しては、契約に明確に記しておく必要があります。
就業時間、時間外労働、休憩時間、休日や祝日などについては数字で明確に締結しておくこと、そして曖昧な時間に関しては、外国人にわかりやすく説明と明示あると良いでしょう。
また、特定技能外国人はフルタイムでの雇用となり、アルバイトやパートタイマーではありません。企業での就業規定となる所要労働時間での雇用となります。◆賃金支払いについて
外国人の賃金は、最低賃金法を遵守し、かつ日本人労働者と同等以上の給与を支払う義務があります。
同じ業種で同じスキルの日本人と外国人は、同額の賃金となります。もし同じ条件の従業員が職場にいなかった場合には、比較できる日本人従業員を基準に、賃金設定について外国人が納得できる説明があると良いでしょう。
労働条件の中でも、労働時間と賃金に関する契約内容の理解不足からトラブルが発生しているケースがよくありますので、給与がどのように計算されて決められているのかは、はっきりと明示しておくことが重要です。
外国人であるからと言う理由で,報酬、教育訓練の実施,福利厚生施設やその他の待遇が差別的になることは認められていません。
また、外国人の賃金を支払うために日本人従業員の賃金を減額するようなことも認められていません。◆差別的待遇の禁止について
国籍に関係なく勤務態度とその生産性を評価されることが求められています。外国人だからという差別から過酷な労働条件で雇用することは認められていません。報酬や労働時間、待遇などすべて日本人従業員と同じに雇用契約に記す必要があります。
◆一時帰国に必要な有給休暇について
外国人にも日本人と同等に、有給休暇の取得が必要です。例えば、母国へ一時帰国する場合には、有給休暇を使って休暇を取れるようにしましょう。外国人から帰国の相談があった場合には、業務状況を踏まえて有給休暇が取れるように、また既に有給休暇を取り終えていた場合には追加分として帰国できるような配慮があると良いでしょう。
労働基準法39条では、雇用契約締結後6ヵ月経過し、労働日数の8割以上就労した労働者は有給休暇を取得できることとなっています。特定技能外国人にも労働基準法が適用されます。
雇用する企業では、外国人が帰国しなければならない事情などを日頃からのコミュニケーションで把握しておくと良いでしょう。◆帰国の旅費の負担について
外国人が母国へ帰国する場合は、原則として旅費は本人の負担となります。ただし、本人が旅費を払えない場合には、雇用している企業が負担する必要があります、また、帰国する時、日本を出国するまでは企業側がサポートすることが必要です。
外国人へ支払う報酬から月々控除するなどして、この帰国費用を確保しておくことは認められていませんので、ご注意ください。◆生活と健康のサポートについて
外国人を雇用する企業側では、職場での管理以外に、外国人の生活状況や健康状態、メンタルヘルスに関しても、常に管理する側として配慮が必要です。
外国での仕事と生活からストレスが溜まらないように、定期的な話し合いや健康診断なども行うことが大切です。
健康診断に関しては、労働安全衛生法により、事業者が労働者の健康診断を管理する旨が記されていますので、外国人に対しても同様に毎年1回の健康診断は欠かさないように気をつけましょう。◆派遣先について
外国人を派遣労働者として雇用する場合には、派遣先と派遣期間を明示する必要があります。現在、特定技能外国人を派遣で雇用できる産業分野は、「農業分野」と「漁業分野」のみとなり、それ以外の派遣雇用は認められていません。
◆保証金や違約金の禁止について
「特定技能雇用契約」においては保証金や違約金についての契約は認められていません。
在留資格・技能実習での失踪問題の要因となった、仲介業者が多額の保証金を外国人から徴収したり違約金契約を交わした経緯から、特定技能制度では、トラブル回避のために、保証金と違約金の制約を設けています。
外国人が保証金や違約金のために縛られるような労働環境を作らないための防止策となっています。さいごに
以上の留意点をポイントに「特定技能雇用契約書」を締結する際には、外国人のわかる言語ではっきりと理解できたことを確認してから契約を進めましょう。
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また、契約前には、特定技能制度に関する概要については一通り熟知し、また雇用する外国人の国や習慣などについての理解もあると良いでしょう。- 2022.04.01技能実習「建設業」|外国人を建設業で雇用するには?
目次
「技能実習生を採用して人材不足を解決したい」など、建設業で外国人技能実習生の雇用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、近年建設現場で外国人作業員の姿を目にし、目覚ましい活躍を遂げているのも事実。建設業で技能実習生を雇用するのは、実習により実習生のスキルアップが望めるだけでなく、自社の業績向上に繋がるのです。この記事では、建設業における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。
建設業は深刻な人手不足
現在、建設業は深刻な人手不足問題に直面しています。厚生労働省の「職業別一般職業紹介状況(2020年11月)」によると、有効求人倍率は5.25倍を記録。5件の求人に対して1人しか応募がないことを意味しますので、熱心に採用活動を進める企業側と建設業以外へ働く場を求める人材との間にミスマッチが起きているのです。国内でビルや住宅などの建築物が続々と建てられていますが、その裏には深刻な人手不足が問題となっています。
建設業が深刻な人手不足の理由
建設業が人手不足になる原因は何があるのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。
現場作業が過酷
夏の暑い環境でも、雨が強く降る状況でも作業は続けられます。加えて、建設現場はミスができない状況にあり、集中力を要する仕事内容であるのも事実。建設現場作業は体力だけでなく精神力も必要となるため、若い世代が建設業を望まない方が増えています。テレワークや在宅勤務が日常化している影響もあり、業務の効率化を求めている求職者が増加しているのが現状です。
長時間作業が続く
建築現場は労働時間が長い傾向にあり、残業100時間を超える会社が現在でも存在しています。東京オリンピックに向けて建築物が続々と建てられた背景や、工期が短く一人の作業負担が増えてしまう現状があるのです。2024年4月より労働時間の上限規制が施行されますが、規制に関して知らない人も多いのが現状。長時間労働を敬遠する若い世代は自然と建設業から離れていき、定着化が困難であると言えるでしょう。
リーマンショックによる影響
リーマンショック以降、建設業で働く人材は仕事がなくなり他の業界に流れてしまいました。リーマンショックから10年以上経過して景気が改善した現在でも、建設業全体の人材難は続いています。リーマンショックが与えた影響は大きく、建設業に戻ることなく他業界に仕事を求めてしまっているのです。
建設業で技能実習生の受入れ可能な職種
建設業で技能実習生を雇用する際、受入可能な職種を確認しておく必要があります。具体的には以下の22職種33作業になりますので、順番に見ていきましょう。
職種名 作業名 さく井 パーカッション式さく井工事 ロータリー式さく井工事 建築板金 ダクト板金 内外装板金 冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工 建具製作 木製建具手加工 建築大工 大工工事 型枠施工 型枠工事 鉄筋施工 鉄筋組立て とび とび 石材施工 石材加工 石張り タイル張り タイル張り かわらぶき かわらぶき 左官 左官 配管 建設配管 プラント配管 熱絶緑施工 保温保冷工事 内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事 カーペット系床上げ工事 銅製下地工事 ボード仕上げ工事 カーテン工事 サッシ施工 ビル用サッシ施工 防水施工 シーリング防水工事 コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事 ウエルポイント施工 ウエルポイント工事 表装 壁装 建設機械施工 押土・整地 積込み 掘削 締固め 築炉 築炉
関連リンク以上のように、建設業は他の業種と比べて受入れ可能な職種の幅が広いです。業務内容が多岐にわたる背景もあり、より技能実習生を雇用するメリットは多いとも言えます。
建設業で技能実習生を雇用する方法とは?
以前は建設業における技能実習生の雇用は容易でしたが、失踪が相次いだ影響もあり2020年1月に受入方法の変更がありました。具体的な変更点も含めて、次から順番に見ていきましょう。
建設業法第3条の許可を得ている
以前までは500万未満の工事または建築一式工事のみを請け負う企業は建設許可取得が必要ありませんでした。しかし、受入方法の変更により、技能実習生雇用時は上記の軽微な工事であっても許可取得が必要になったのです。許可を得ていない企業は手続きなどのわずらわしい作業がありますが、技能実習生を雇用するためにも許可申請を行っていきましょう。
建築キャリアアップシステムへの登録
技能実習生を雇用するには、建築キャリアアップシステムへの登録が必須です。建築キャリアアップシステムは建築技術者の資格取得及び就労情報を管理しているWebシステムになります。建築作業員の働き方を「見える化」させ、各企業の業務効率化を図るためにうまれたシステムです。技能実習生を雇用するためには建築キャリアアップシステムへの登録を速やかに済ませておきましょう。
給与を「時給」→「月給」へ変更
技能実習生への給与は通常時給ペースでしたが、月給への変更義務がなされました。月給への変更を行った背景には、賃金の明確化と技能実習生のモチベーションアップがあります。
日本の給与は月給表示が一般的であるため、時給から月給への変更は他社との比較がしやすいです。また、時間を切り売りして働く時給制よりも信頼度を重要視した月給制であれば、技能実習生のモチベーションが上がり雇用定着に繋がるのも事実。
特に外での作業が多い建設業においては、天候により作業中止になるケースも多く、梅雨時などにおいては時給制度では給与受取額が期待外れになるケースがあり、技能実習生の不満の大きな原因となっていました。
給与が時給から月給への変更は企業と技能実習生双方にメリットがあるのです。技能実習「監理団体」を選択
建設業で外国人技能実習生を雇用する場合、数ある「監理団体」から自社に合う団体を選択し技能実習生の受入を代行してもらう「団体監理方式」を取る必要があります。監理団体とは、外国人技能実習生を受入れるために入国手続きや語学研修などを全面的にサポートする非営利団体です。監理団体には中小企業団体・商工会議所・農業協同組合・職業訓練法人などがあり、監理団体として許可されている団体から選択する必要があります。選択し雇用する体制が整えば、無事監理団体より技能実習生の受入が完了です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は建設業で技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。建設業界は作業が過酷であり長時間労働が一般的であるため、深刻な人手不足に悩まされています。企業が人材確保に繋げるには今回紹介した技能実習生を検討してみるのは賢明でしょう。雇用するためには、建設業法第3条の許可・建築キャリアアップシステムへの登録・月給制への変更・監理団体を選択の4つの条件があります。条件を満たせば技能実習生の雇用が可能となり、自社の業績向上が見込めるのです。本記事をあらためて参考にし、建設業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。
閉じる- 2022.04.01外国人の年末調整の必要書類・注意点|扶養控除はどうなる?
目次
外国人従業員も年末調整の手続きは必要
日本社会がどんどんワールドワイドに変化してその対応についていくことができない企業も増えているのではないでしょうか。
外国人従業員雇用の機会も増えて年末調整の手続きはどうすればいいか悩んでいる方々が多いので解説したいと思います。
ズバリ、外国人従業員の場合でも年末調整の手続きは必要です。年末調整とは何か
年末調整の手続きとは、企業の給料を支払いする側がその一年都度において源泉徴収した所得税の合計と一年総額の給料で本来納付しなければならない年税とを比較して、過不足を確認して徴収、あるいは還付を行う手続きのことを言います。
外国人従業員で年末調整を必要とする人
外国人が雇用主に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していれば、その外国人は全員年末調整の該当者となります。
決して外国人従業員だから例外ということではなく、外国人従業員の場合でも年末調整の対象者ということになります。
年末調整をしなければならない外国人従業員は、日本現地で雇用されて、他で仕事をしている従業員の方々と同じ給料の形態であり、雇用の契約をしている方々です。
また、駐在員として海外に勤務している場合、海外支払い分の給料に対しては年末調整の該当分ではありませんが、日本国内において給与を受け取っている場合は対象になります。また途中の段階で海外支店に転勤しましたという場合も、海外転勤になるまでの期間の所得は年末調整の該当期間となります。(出国時年調)外国人従業員の納税区分
日本では所得税法に従い納税をしなければならないのですが、その所得税法では税金を納める者たちを、「居住者」「非永住者」「非居住者」というカテゴリーに分類しています。
「居住者」は日本に住所が存在している、あるいは現時点まで一年以上日本に滞在する個人のことを指しています。このような居住者の方々は、所得は日本の所得税法におけるルールに従う必要があります。
「非永住者」とは、居住者の中で、日本には国籍が存在していないけど過去10年以内の期間において日本において住所か居所の期間が計5年以下の方々に対して言います。
このケースの場合では、日本での所得は全部課税対象となります。海外のものに対しては日本に送金されたものに対して支払いしなければならない対象です。海外所得、海外保有のものに対しては税金を納める対象外です。
それ以外の対象者たちのことを「非居住者」というジャンル分けをしています。「非居住者」は、海外での所得に対しては課税の対象外であり、課税対象は日本の源泉所得だけです。住所と居所
ちょっとわかりづらいと感じてしまう単語なので、「住所」と「居所」をしっかりここで区別しておきましょう。
住所とは
住所とは、仕事をしている外国人従業員の方々が生活拠点としている場所のことを言います。要は、現在外国人従業員の方々が住んでいる場所のことを言います。
居所とは
居所とは、住所と似ている言葉で使い方を迷うという方々が多いですが、そのまま漢字の意味をくみ取っていただき、「居る場所」を言います。そこには一時的という意味あいも含まれて来ます。実務的には居住の形態を確認しなければならないことがあります。
外国人従業員の年末調整手続きの書類
外国人従業員の年末調整手続きの書類について解説をします。
日本の方々と外国人従業員では年末調整の書類の種類に多少違いがありますので見てみましょう。社会保険料控除に対して
外国人従業員の方々が加入している社会保険料や生命保険、また地震保険などといった契約に対しては、外国企業とのやりとりで契約されたものに対しては原則的には日本で所得控除を行うことができません。
国外の扶養親族に対して
海外に親や子供などの扶養がある時には、以下の書類が必要です。
・親族関係書類
親族関係書類は、海外に住んでいる家族が扶養控除の対象者であることを証明する書類です。
用意しなければならないのは戸籍附票をコピーしたものであり、あるいは国、地方公共団体で発行された書類、国外居住親族の旅券をコピーしたものです。・送金関係書類
送金関係書類は日本でお金を稼いで、給料、ボーナスといったものを生活の費用や教育の費用として海外に送金していることを証明する書類です。
書類として有効的なのは、外国送金依頼書をコピーしたものや家族カードなど使用して送金の事実が判明するものであれば、クレジットカードの利用明細書を書類として提出します。非居住者は年末調整が必要なし
非居住者に該当する外国人従業員の方々は、年末調整の必要がありません。
非居住者の外国人従業員の方々は、給料の源泉徴収税額は一律で20.42%という額があらかじめ決定されていますので、それに従い徴収し月々、翌月の10日までに国に対して納付します。
いちいち年末調整は必要なし、確定申告もなし、源泉徴収だけで完結できるので非常に楽なパターンです。ただし源泉徴収において租税条約に従うため注意しなければならないことがあります。
租税条約は、2国の間で交わされる契約事項であり税法よりもこちらを優先する必要があります。租税条約では、原則、仕事をしている国で給料が発生し税金を納めなければならないとしています。しかし例外が存在し所得税が免除されることがあります。
例えば、アメリカでは、短期滞在者に対して、所得税を免除しています。その条件として、
・滞在期間が計183日を超えない
・報酬はアメリカから支払いされるもの
・報酬が日本の事務所などによって負担されていないこと
です。
ですから日本の企業の方々はただ単に所得税がどういうものか注目するだけでなく、日本と相対する租税条約にもしっかり目を通す必要があります。外国人従業員の年末調整で注意すべきポイント
外国人従業員の年末調整で注意しなければならないポイントは以下の通りです。
区分を間違えてしまう
日本企業において起こりうるミステイクは、居住者と非居住者を間違えてしまうことです。慎重に判断して行うようにしてください。
虚偽の申告
例えば駐在員が国外扶養親族のシステムについて理解していない場合、親戚全部国外扶養親族としてしまって、扶養控除の幅が拡がってしまうことがあります。
また、なかなか調査することが難しいという理由から、余裕を持って控除しようという姿勢を持つ方々もいます。
しかし、それらは虚偽の申請にあたってしまうためあとあと罰金を支払いしなければならないケースも出て来てしまうのでくれぐれも慎重にという意識を持ち、向きあう必要があります。課税に該当する
具体的に、
・家賃
・水道光熱費
・医療費
・教育費……と言った費用を企業側で負担したという場合、給料に該当します。
さいごに
いかがでしょうか。今回、外国人従業員の年末調整について解説をしました。
閉じる
外国人従業員の年末調整の手続きは基本的に言えば日本人の方々と同様の手続きの流れです。
しかし違う面もあるので何が違うのかはあらかじめ明確にしておかなければならないでしょう。
居住者と非居住者の違いであったり、海外で扶養している親族の提出しなければならない書類は正しいかなどなどに対して慎重に向きあい、年末調整を行うようにしてください。- 2022.04.01日本在住の外国人雇用に必要な書類と手続きとは?
目次
外国人を雇用したいけど、在留資格などの申請が大変なのではないか、どんな手続きが必要なのか分からない、何の書類を用意したらいいのか分からない、そのように感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、現在国内に在住している外国人を雇用するため必要な書類と手続きにについて紹介します。1. 現在保有している在留資格の種類確認
国内に在住している外国人を雇用する場合、まず現在所有している在留資格を確認します。
雇用後の就業予定業務内容と外国人が所有している在留資格が一致しているか確認します。
在留資格が一致している場合は「所属(活動)機関に関する届け出」の手続きが必要です。
異なる業務が対象の在留資格を持っている場合、「特定活動46号」の人を採用した場合は在留資格の変更と「所属(活動)機関に関する届け出」の手続きが必要です。2. 所属(活動)機関に関する届け出の手続き
同じ在留資格で雇用できる場合は「所属(活動)機関に関する届け出」を提出する必要があります。
届出書は届け出事項が記載されていれば様式に決まりはありませんが、下記の入管管理局のホームページにある届出書参考様式を使用すると便利です。
所属(活動)機関に関する届け出外国人本人が用意するもの 在留カード(郵送で届け出る場合は写し) 手続きは変更してから14日以内に行います。インターネット、窓口への持参、郵送のいずれかで行えます。
インターネット 出入国在留管理庁電子届け出システム 窓口 住居地を管轄する出入国管理官署または、外国人インフォメーションセンター 郵送 在留カードの写しを同封の上、封筒の表面に朱書きで「届出書在中」と明記し、下記の東京出入国在留管理局在留管理情報部門届出受付担当宛に郵送します。
〒160-0004 東京都新宿区四谷一丁目6番1号四谷タワー14階 東京出入国在留管理局在留管理情報部門届出受付担当3. 在留資格の変更に必要な書類と手続き
在留資格の変更は、在留期限前に行います。
雇用する外国人の在留資格を変更するためには、書類の準備が必要です。
在留資格変更許可申請書は在留資格によって、申請書が異なるので下記の入管管理局のホームページからダウンロードし、必要事項を記入します。
在留資格変更許可申請書会社側が用意するもの - 登記事項証明書
- 定款の写し
- 直近の決算書の写し
- 会社案内のパンフレット
- 雇用理由書
- 雇用契約書の写し
外国人本人が用意するもの - 在留カード
- パスポート
- 学歴の記載がある履歴書
- 卒業証明書または成績証明書
- 3か月以内に撮影した縦4㎝×横3㎝の本人の写真
手数料 4,000円(収入印紙で納付) 手続きは外国人本人または地方出入国在留管理局長から申請取次の承認を受けている且つ、外国人から依頼を受けている雇用する企業の職員が取次者として行います。
申請場所は、住居地を管轄する出入国管理官署または、外国人インフォメーションセンターです。
申請許可が下りるまで約2週間から1ヵ月かかるので、余裕をもって申請してください。
審査が終わり、許可が下りると、本人のもとに手紙で通知が届きます。期日までに外国人本人または取次者が地方出入国在留管理局で手続きをします。4. 所有の在留資格で転職させる場合の手続き(任意)
外国人が前に働いていた会社で取得した在留資格と同じ在留資格で雇用できるので、変更の手続きせずに雇用します。しかし、前職と同じ業務でも在留資格が認められるとは限りません。最悪の場合、在留資格更新のタイミングで不許可になり、外国人が日本に在留することができなくなってしまいます。
そのようなリスクを回避するため、在留資格を変更せず外国人を雇う場合は、「就労資格証明書」を申請しましょう。
「就労資格証明書」とは、自社で働くことができる在留資格を保有していることを法務省が証明してくれるものです。就労資格証明書申請のためには、書類の準備が必要です。
就労資格証明書は入管管理局のホームページからダウンロードし、必要事項を記入します
就労資格証明書会社側が用意するもの - 登記事項証明書
- 定款の写し
- 直近の決算書の写し
- 会社案内のパンフレット
- 雇用理由書
- 雇用契約書の写し
外国人本人が用意するもの - 在留カード
- パスポート
- 前職の退職証明書
- 前職の源泉徴収票
手数料 1,200円(収入印紙で納付) 手続きは基本的に外国人本人が行います。申請場所は、住居地を管轄する出入国管理官署または、外国人インフォメーションセンターです。
証明書の交付には約1ヵ月から3か月かかるので余裕をもって申請してください。- 2022.03.31外国人トラブル5選|文化や風習の違いで起こる
目次
日本人でさえ育った環境によって性格や考え方、習慣が違うので、外国人が異なる文化や風習を持っていることはごく当たり前のことです。
そのため、会社に対する常識も異なってきます。
この記事では、起こりうるトラブルの事例をあげ、解決方法をご紹介します。文化や習慣の違いがある前提で雇用する
外国人労働者をの雇用したときのトラブルで多いのが、仕事に対しての考え方の違いや日本の常識となっている習慣が通じないことです。
同じアジア人であっても、食事する際、日本人はお皿を持って食べるのがマナーですが、韓国ではお皿を持って食事をするのはマナー違反になります。
そのため、雇用する外国人の文化や習慣をよく理解した上で外国人労働者の受け入れを検討する必要があります。
先述しましたが、日本人でさえ習慣が違うので、外国人が異なる文化や風習を持っていることはごく当たり前のことです。起こりうる問題やトラブル5選
外国人社員とのコミュニケーション問題
◆挨拶
コミュニケーションは言語問題だけではありません。
日本人だったら挨拶するのは当たり前ですが、国によってはあいさつの習慣がない国もあります。
タイではもともと挨拶に該当する言葉がありませんでした。知り合いに会ったときなどは、微笑むことで意思疎通をとっているといいます。そんなことから「微笑みの国」と言われるようになったみたいです。
代わりに、「ご飯食べた?」「どこ行くの?」といった言葉をなげかけてコミュニケーションをとります。日本人だと、食事の時間でもないのに何を急に聞いてくるの?と思うかもしれません。また、タイ・ミャンマー・ベトナムなどの東南アジアの国では会社で毎日顔を合わせるような場合、あいさつをしないのは普通です。黙って職場に入り、黙って職場を去るといったことが日常的に行われています。
こういった文化のギャップは必ず存在します。
日本の挨拶をしてくれなくても、わざとしないのではなく、習慣がないからしていないだけかもしれませんので、ショックを受けず、「日本はこういった文化があるけど、○○(外国人の出身国)ではない?」とまずは相手の立場に立って聞いてあげるのが最優先です。
そして、日本ではまずは挨拶から始めることを教えてあげましょう。ポイント「日本はこういった文化があるけど、○○(外国人の出身国)ではない?」と聞く
- ないと言われた場合
- みんなが気持ちよく働くためにある習慣だからやるなど理由を伝えて教育する
- あると言われた場合
- 習慣はあるが日本も同じ習慣か分からなかったため、やらなかった可能性もあるのでまずは理由をきいてから教育する
といったように、頭ごなしに「何でしないの?」「普通するよね?」などと言わず、相手の価値観を尊重し教育していくことが重要です。
◆基本の「報・連・相」
業務の報連相(報告・連絡・相談)も仕事をスムーズに行う上でとても重要です。しかし、外国では仕事において報連相をしないことが多いようです。
ですから「報連相をしてください」と外国人に伝えても、報連相の意味や必要性が理解できず、おろそかにしてしまう外国人従業員がかなり出てきます。報連相をしてほしいがその必要性をどう説明していいか分からない場合は、下記のように、時間軸:過去→現在→未来で説明することをおすすめします。
ポイント外国人に報連相を伝える際は、報告は「過去のこと」、連絡は「現在進行形のこと」、相談は「未来へ向かって行うこと」といった時間軸で説明すると外国人にも分かりやすく覚えやすいです。
給与やボーナスについてオープンに話す文化
日本人ではあまりないですが、国によっては自分の給与やボーナスについてオープンに話す方もいます。給与の話などはしないでくださいと注意をしても守るとは言えません。
ポイント対策としては、給与基準と査定基準を出来る限り定めておくことです。
数字を用いた目標設定や、資格の有無、話せる言語数などに対して定めることをお勧めします。説明を求められたときに明確な基準があると説明ができます。
また、雇用契約書に自信の給与やボーナスを口外しないことを定めておくことも可能です。外国人社員が残業をしてくれない
外国人みんなが残業をしないわけではありません。一例としてご説明します。欧米諸国の雇用契約には採用された人が行う職務が詳しく記載されています。
それを見れば自分が何の仕事をすればいいのか分かるほど詳しく書かれていることがあります。分業制かつ裁量労働制が多く取り入れられており、その場合自分の仕事が終われば帰ることが通常です。チームワークを疎かにしているのではなく、自分の仕事をするという契約が行われているからです。
日本は良くも悪くも、「助け合う精神」が仕事であっても根強いです。自分だけの仕事が終わって帰ってしまう外国人従業員を見て、びっくりするかもしれませんが、これも各国での雇用形態の違いによるギャップです。残業をしない理由によって対処法を説明します。
ポイント仕事が終わってないのに残業をしない場合
- ケース①能力に見合った業務量でない
- 雇用したからには力を発揮して働いてもらいたいのが企業側の本音です。この量の業務はやってほしいという希望がありますよね。時間内に終わるように生産性の向上を改めて一緒に考えてみるのもいいと思います。「外国人を雇用して、改めて業務内容を精査することで業務の生産性があがった」という声はよく耳にします。
- ケース②任せた業務は終わっていないがプライベートを優先してしまう
- メリハリをつけた仕事ができるように指導しましょう。このケースでは、企業の経理理念や行動指針を理解してもらうことが重要です。決してプライベートを疎かにして仕事をしなさいと言うわけではありません。外国人従業員にも企業への帰属意識を持ってもらうことで、仕事も頑張ってプライベートも楽しむといったメリハリのついた働き方を指導します。
海外ではチップの習慣がある国があります。ウエイター・ウエイトレスやベルマン、ドアマンなどはお客様からチップを頂くことは+αの収入になります。
ホスピタリティー精神で自分の仕事以外の仕事をすると、他の従業員が稼ぐ分のチップを奪うことになります。こういったこともあるため、分業制として分けられている面があります。
日本では「おもてなしの心」で行われることも海外ではタブーとされていることがあります。法律により、下記のような場合は労働者は残業を法的に拒否できますのでご注意ください。
- 36協定が締結されていないのに残業をさせる
- 36協定で定めた上限を超える残業をさせる
- 不必要な残業をさせる
- 健康を害するあるいは健康に配慮しない残業をさせる
- 妊産婦が残業をしないことを請求した
- 3歳に満たない子どもを養育する労働者に対し、「所定労働時間」を超えて働かせる
- 小学校就学始期に達するまでの子どもを養育する労働者に対し、制限時間(1ヶ月24時間、1年150時間)を超えて働かせる
転職に関する意識の差でのトラブル
◆組織の構造がもともと違う
海外では、“成果を上げられなかったため当日付けで解雇”といった例は正社員でもよくあります。契約していた職務がはっきりと決まっているため、目標に達しなった人はやめていくことがあります。
こういった背景もあり、転職は当たり前で日本のように1社に長期間所属する意識が低い国もあります。
しかし、せっかく雇用した外国人従業員にすぐにやめられたら困りますね。その対処法を説明します。ポイント- 日頃から、外国人従業員の意見や感じていることを吸い上げる
- 困っていることや・やってみたいこと・不満など感じていることを吸い上げる人を選任し、コミュニケーションをとってもらうことで改善することがあります。
母国語ではない言語で仕事をするだけでも日本人従業員より頭を使ったり、意思疎通に困ったりしていると思います。就業中のちょっとした息抜きの会話はとても有意義になると思います。 日本人でも新入社員に対してメンター制度を導入している企業があります。外国人従業員にもそういった制度を付けてもいいと思います。
- よく話しかける
- ちょっとしたことでも話しかけてもらえると、人間居場所があると思えてきます。気軽に話しかけることで、業務になったときにも困ったときなどすぐに聞いてもらえるようになります。コミュニケーションの積み重ねが転職の意思を生まないことに繋がります。
- 違う仕事がしたいと言われた場合
- 日本では1社でジョブチェンジが可能な点がメリットです。
企業の体質やその時のビジネス展開にもよりますが、社内で新しい職種にチェンジすることも例外ではありません。新たな職務に任命することも考えてみてはどうでしょうか。
外国人採用後のトラブルと対応策まとめ
-
- コミュニケーション「挨拶」→文化を認識した上で教育をする
- コミュニケーション「報連相」→時間軸:過去→現在→未来で説明する
- 給与やボーナスについてオープンに話す→給与基準と査定基準を出来る限り定めておく
- 残業をしてくれない→生産性の向上を考える。企業理念・行動指針の周知でメリハリをつけてもらう
- 転職に関する意識の差→日頃のコミュニケーションによって意思の吸い上げ。社内のジョブチェンジを提案。
以上が起こりうるトラブルと解決策になります。
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事前に起こりうる問題を知っておくことで、対応ができると思います。
また、トラブル事例をあげましたが外国人従業員を雇用するにあたってのメリットもたくさんあります!
是非、外国人従業員を仲間に迎えて新しい風を吹かせてもらいましょう!- 2022.03.31外国人従業員に転職されないための6つのポイント
せっかく雇用した外国人がすぐに辞めてしまう。
そんな悩みを抱える企業も多いようです。
ここでは外国人の転職を防止し、定着を促進するためのポイントを解説します。目次
外国人従業員に対する日本人の戸惑い
少子高齢化、労働人口の減少が進行する日本では、人材採用が年々難しくなってきており、近年、外国人を雇用する企業が増えてきています。 しかし、島国の日本は、いまだに外国人のことを「ガイジン」と読んだりして、外国人慣れをしていない方々が多くいます。
そのような中で、外国人従業員を雇用してみて、戸惑ってしまう方々も多いようです。 例えば、このようなことは皆さん経験しているのではないでしょうか?
- ・朝、時間通りに来ない
- ・ルールを守らない
- ・雑談ばかりしている
- ・サボって携帯電話でケームをしている
- ・仕事とプライベートを分けられない
- ・言われたとおりにやらない
- ・伝えているのに理解しようとしない
- ・わかっていないのに「わかりました」と言う
- ・担当外の仕事をいやがる
- ・みんなが頑張っているのにさっさと先に帰る
- ・本音がわからない
- ・同じ国の人たちだけで壁をつくり、日本人とコミュニケーションを取ろうとしない
うまくコミュニケーションできず、なんとかしなければならない、と常々思っていても対処ができない。ついには突然会社に来なくなってしまう。 そんな経験をされた方も多いことと思います。
今回は、様々な課題が発生する外国人雇用の現場において、外国人の転職を防止し、定着を促進するためのポイントを解説します。
外国人従業員に転職されないための6つのポイント
1.家族のように面倒をみる
雇用した外国人は、皆、祖国から遠く離れて、日本で孤独に暮らしています。
いくら日本人とは違うといっても、同じ人間です。
心のふれあいを求めているのは人種や国籍、習慣が違っても同じだと思います。ただ、ドライに「仕事だけしてくれればよい」
「個人的な干渉はすべきではない」そのようなご意見もあろうかとは思いますが、やはりできれば家族のように面倒をみていただきたいと思います。
気は心です。
日本人には言えないが、何か悩みを抱えている可能性もあります。
生活上、困っていることもあるかと思います。ぜひ、同じ会社の仲間の外国人従業員には、声がけをお願いします。
日本は四季があり、季節ごとにいろいろな行事もあります。
お花見、お祭り、花火、盆踊りなどなど・・・ぜひ海外から来た若者に、これらの行事に声をかけてあげてください。
またたまには食事に誘ってあげてください。家族のように接すること。
これが彼らの心を打ち、心のつながりができ、ひいては転職を防止する鍵となります。
2.定期的に面談する
仕事上の悩み、疑問。
生活上のトラブル、問題点、不都合。雇った外国人は、なにかしらの問題を抱えていることが多いです。
同郷人には言えるが、日本人に対しては、それも特に上司に対しては何も言えない(言わない)外国人が多いようです。悲しいかな、日本人と外国人の間には一定の溝といいますか、隔たりがあることが多いです。
この距離をできるだけ縮める必要があります。
そのためには、定期的な面談がいいと思います。
できれば、母国語の通訳を交えての面談をしてください。
(通訳が手配できなければ、やさしい日本語で面談をしてください)毎月1回はこの面談を続けることをおすすめします。
面談により、雇用した外国人は「気にかけてくれている」と感じてくれると思います。
思わぬトラブルを未然に防ぐこともできると思います。ぜひ、定期的な面談をおすすめします。
3.上から目線で接しない
アジア系の外国人を雇用した場合、特に起こりがちなのが「上から目線」です。
なぜか日本人は、他のアジアの国よりも優れていると勘違いしている人が多くいます。
日本が優れていて、他の国は劣っている。
日本人はすくれていて、他の国の人は見習うべきだ。そのような大きな勘違いが、外国人に対する接し方に表れてしまいます。
問題はその「上から目線の接し方」は、自分では気づかないものです。
そして、外国人は必ず感じ取ります。
それは「差別的」とも感じ取っているのです。同じ人間です。
日本人が偉い、などという勘違いは消し去りましょう。
仲間である外国人を同等に接すること。それが、決定的な亀裂をつくらないための、ひいては転職をぼうしするための重要なポイントなのです。
4.パワハラ(パワーハラスメント)を徹底的に防止する
昭和生まれの日本人は、体罰が当たり前の環境で育ってきた方もたくさんいると思います。
筆者も野球部に入っていたころは、毎日ケツバット(お尻をバットで殴られる)でしごかれました。
でも、当時はこれが当たり前でした。「愛のムチ」
そんな勘違いは、令和の今、日本人にも外国人にも通用しません。
特に建設系などは、やんちゃな従業員が外国人に対してパワハラをすることが多く見られます。
乱暴な言葉で命令する。
乱暴な言葉で失敗を罵る。そればかりか、蹴飛ばす、殴る、なども少なくありません。
ぜひ、従業員教育を徹底して、パワハラを防止してください。
ていねいなやさしい言葉で話すこと。
外国人に手を(もちろん足も)触れないこと。ヘルメット越しならよいというわけでもありません。
ありとあらゆるパワハラを徹底的に防止すること。
これができなければ、全員外国人には転職されると覚悟してください。
5.多様性を認める
日本の常識は、実は世界の非常識であることが多いことをご存知でしょうか?
私たち日本人が当然のごとく、習慣としてきた、日本人の道徳観や規則は、実は外国人にとっては実に滑稽なものに映ることがあります。
企業として絶対に譲れない理念であれば、それは日本人従業員のみならず、外国人従業員に対しても要求するべきでしょう。
しかし、それが過剰な要求になると、外国人は耐えられなくなることが多いです。
違う国で、異なる生活習慣、異なる常識で暮らしてきた外国の方々の多様性を認めること。
それは、転職を防ぐためには乗り越えなければならない壁だと思います。6. 従業員満足度を徹底的に追求する
あなたの会社は、離職率は高いでしょうか?
もし、離職率が高い場合、従業員満足度の向上に今すぐ取り組むべきだと思います。
従業員満足度を上げる方法はいくつもありますが、結局日本人も外国人も同じで、あなたの会社で働くことに満足度が低ければ、やがて転職を考えることになります。
日本人よりも外国人は転職に対するハードルが低いです。
日本人は転職を繰り返すことに罪悪感を感じますが、外国人は転職してキャリアアップするのが当然だと考える人も多いです。
満足度が低い場合、外国人は躊躇なく転職に走ります。ポイントは、やりたい仕事とやりたくない仕事を本人にヒヤリングすることだと思います。
やりたくない仕事がある場合、その理由は何か。
コミュニケーション不足なのか、そもそも会社側が約束違反をしているのか。
やりたい仕事が与えられていないのはなぜか。できる限り本人の意向を汲んで、満足度の高い状態で気持ちよく仕事をしてもらうことが大切だと思います。
転職を避けるには、従業員ひとりひとりの満足度を追求すること。
日本人も外国人も同じなのです。
- 2022.03.15外国人社員の生活に関する不安を払拭するには?
目次
外国人の採用を考えているが、仕事以外での面をサポートできる自信がない、どんなことをサポートしたらいいのか分からない、という方も多いと思います。
この記事では外国人が日本で生活しながら感じている不安とその不安を払拭するためのサポート方法を紹介します。1.外国人が抱える不安
1-1 公的手続きや病院などでの日本語が理解できない
- 役所で行う手続きの日本語が難しくて理解できない
- 銀行の口座開設の作成方法が分からず、手続きができない
- 日本語ができず、電気、ガス、水道の契約ができない
- 具合が悪く病院へ行ったが症状を日本語で伝えることができない
日本に来たばかりの外国人がよく直面する問題です。日本では特に日本語以外の言語で対応してくれる役所や病院などが少なく、まだ日本での生活をはじめたばかりの外国人にとっては難易度が高いです。日本に来てすぐ手続きをしなければならない住民票の届け出、銀行の開設などは一人で行うことは難しくサポートが必要です。
1-2 生活のルールが分からない
外国人が生活のルールが分からず、よく困ることはゴミの捨て方です。
- 自治体指定のごみ袋の存在を知らない
- ゴミの分別方法が分からない
- ゴミを出すタイミングが分からない
外国人が初めて日本で生活をするとき、上記の点を理解できていないことが多いです。
入居時に大家さんから、ゴミの回収曜日と時間の案内をされていることが多いですが、可燃ゴミと不燃ゴミの区別などの細かいルールを理解していることは少ないです。
大家さんや近隣の方からゴミ出しについて注意されているかもしれませんが、日本語が十分に理解できていないうちは、何が悪くて注意をされているのか理解できていません。
こちらに関しても身近な日本人のサポートが必要です。もう一つ生活のルールで外国人に理解が必要なのは交通のルールです。
日本と外国では交通のルールが異なります。
私たち日本人が当たり前と思っている交通ルールでも外国人にとっては当たり前ではなく、日本で生活していくときには日本の交通ルールを理解して守らなければなりません。
外国人社員がよく利用する交通機関のルールや日本の独特なルールなど教えてあげてください。
また、交通ルールの理解のために、母国と日本の交通ルール文化を話題に日本のルールを教えてあげるのもいいかもしれません。1-3 住宅探しが困難
外国人が日本で賃貸住宅を探し、契約することはとても大変です。
外国人だからと大家さんや管理会社に入居を断られるケースがたくさんあります。- 日本語能力が不十分だから
- 言葉が通じないのでトラブルが発生した時に対応できない
- 契約内容を理解してもらえないのではないか
- 日本の不動産システムや慣習を理解していない
- 日本の生活ルールを知らない
- そもそも外国人の入居を全面的に断る大家さんが相当数存在する
このように、様々な理由で外国人は簡単には賃貸住宅に入居できません。
中には見た目だけで外国人だからと門前払いをする大家さんもいます。
日本語の能力が不十分な外国人は特に住宅探しと契約などの手続きが難しいです。
外国人を採用する企業の方々には住宅探しが非常に難しいことを理解していただき、少しでもサポートしていただけたらと思います。1-4 災害に対する不安
日本は災害大国として有名です。
私たち日本人は地震や台風、大雨などの災害と隣合わせで生活していて、避難の知識や防災対策が植え付けられています。
しかし、外国人からしたら地震や台風は怖いもの、危ないものという認識はあるかもしれませんが、それぞれにおける避難の知識や防災対策は知らないことが多いです。
もし地震が来たときはどのような行動をするべきなのか、台風が来る前の日にどんな対策をしないといけないのか危険からの身の守り方の教育が必要です。
初めての災害、知らない土地での災害はとても怖いものです。
普段理解できる日本語も理解できず災害に対する情報収集ができない可能性もあります。
災害に遭遇した際は、外国人社員を気にかけてあげる、正しい情報を提供してあげるなどのサポートが必要です。1-5日本語力への不安
今まで紹介してきた外国人が生活で抱える悩みはここに行き着きます。
≪解決方法はこちら≫
日本語力があればこれらほとんどの悩みは解決できます。
外国人社員の生活に関する不安を払拭するためには日本語教育支援が重要なのです。1-6クレジットカードの作成
日本のクレジットカードを作成するのは外国人にとってハードルがとても高いのが現状です。
クレジットカードはたくさん種類がありますが、ほとんどのクレジットカードは外国人が申し込んでも審査が通りません。しかし、あまり知られていませんが、一部のクレジットカード会社は外国人会員勧誘に積極的です。
その情報を日本に来たばかり外国人自身が収集するのは難しいです。
また、申し込み自体も記入項目が多く、日本語での説明ばかりで一人で行うのは難しいです。
審査では申込用紙の記入で日本語力が確認され、合否に関わるケースもあります。
作成するクレジットカード選びや申し込み用紙の記入等、クレジットカードの作成にも日本人の支援が欠かせません。1-7携帯電話契約ができない
日本人として日本で暮らしていると、携帯電話の契約携帯電話会社に行って契約すればいいだけだと思いますが、外国人は携帯電話の契約は簡単にはできません。
日本では少し前まで携帯端末とSIMカードをセットで購入し、携帯電話契約することが一般的でした。
しかし、海外では携帯端末とSIMカードは別々に購入と契約をします。
日本でも最近は格安SIMが普及してきましたが、大手キャリアの携帯電話会社での契約の場合従来の携帯端末とSIMカードのセット販売での購入、契約となるケースが多いです。
その文化の違いを理解できず、SIMカードだけの購入を望んでいたのに、セット販売での購入、契約をしてしまうことがあります。また、携帯電話の契約の審査は外国人に対して厳しいです。
特に分割での契約の場合審査が通りにくいです。審査基準の例は以下のようなものがあります。
- 支払いはクレジットカード決済または口座振替でできるのか
- 在留期限が、分割支払いが終わるまで残っているのか
- 契約者が、日本語が流暢であるのか
日本に来たばかりの外国人が一人で自分が望んでいる携帯電話の契約をするのはかなりハードルが高いです。特に、日本の携帯電話契約はプランも多く、複雑であるため、日本人のサポートが必要です。
2.不安への解決策
2-1外国人社員と積極的にコミュニケーションをとる
どなたでも今すぐに実践できる方法です。
業務以外の内容で積極的にコミュニケーションをとってあげてください。
日ごろのコミュニケーションから外国人が生活に対して不安があることを感じたり、相談してきてくれたりすることで今どんなことに不安を感じているのか理解してあげてください。
不安の内容に応じて難しい手続きはサポートしてあげたり、正しい情報を探してあげてやさしい日本語で説明してあげたりして抱えている不安の手助けをしてあげてください。
また、入国したばかり、入社したばかりの外国人社員にはこの記事であげた不安について、順調に物事を進めることができているのか確認してあげるのも有効的な手段です。
新しい場所での生活は、最初は誰にでも不安があります。
何も言っていないから問題なく順調に進んでいるのだろうではなく、些細なことでも気にかけて本人に確認してあげてください。2-2 生活支援担当を設ける
外国人社員の生活をサポートするために、生活支援担当を設けている企業も多くあります。
生活支援担当とは、外国人社員に対して、職員や社員の担当者を決めサポートすることです。
技能実習生を受け入れる際は、生活支援担当の設置が義務付けられていますが、他の在留資格での受け入れの場合、義務ではありません。
しかし、外国人社員としては誰に相談していいのかわからない、忙しそうなので聞くタイミングが分からず相談できないケースが多いです。
サポートする担当者を決めておき、定期的に面談を行うことができる環境があると、外国人社員も不安に感じていることを相談しやすいと思います。生活支援担当者は1.外国人が抱える不安で挙げた項目を1つ1つ丁寧に支援、サポートしてあげてください。
特に日本に来たばかりの外国人には手続きなどを一緒に行ってあげる必要があります。2-3日本語支援をする
日本語ができるようになると、先ほど紹介した外国人が生活で抱える不安のほとんどが解消されます。
不安を少しでも失くしてあげるためには日本語支援が欠かせません。
日本語の支援といっても何をサポートしてあげたらいいのか分からないという企業の方は、「MJ Space」を紹介してあげてください。
「MJ Space」はミャンマー人向けに開発した日本語の教育が無料で受けられるオンラインサイトです。
また、Facebookページには日本語の教育のほかに日本の文化や観光などの紹介をしています。
MJ SpaceのFacebook
MJ SpaceのYoutube2-4 登録支援機関と支援契約を締結し、支援を依頼する
- 支援業務への労力と時間削減
- 特定技能の雇用打ち切りとなる可能性が下がる
- 転職される可能性が低くなる
- 特定技能外国人への事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居探し支援
- 銀行口座開設支援
- 役所住民登録支援
- 電気ガス水道契約支援
- 携帯電話契約支援
- クレジットカード作成支援
- 日本語教育支援
- ゴミ出しルール指導
- 医療機関情報提供
- 日本人との交流促進支援
- 相談・苦情に対する母国対応
- 災害・防犯情報提供
- 定期的な面談
- 交通ルール教育
- 特定技能雇用契約を解除された場合の転職支援
- 行政機関への通報
特定技能外国人人材を採用した場合の支援計画の概要
外国人社員が不安なく生活できるためには、一緒に働く方々のサポートがかかせません。
今何を不安に感じているのかヒアリングしてあげて、日本人だから取得できる情報を共有してあげる、日本人だから力になれる部分をサポートしてあげてください。- 2022.03.15外国人|不法就労で摘発されないための対策とは?
目次
不法就労者と知らずに雇用した場合、法律上雇用主も罪に問われるため、外国人を採用したくても不法就労問題が怖くて採用に踏み切ることができない方もたくさんいるのではないでしょうか。
この記事は、不法就労の外国人を雇うリスクと不法就労で摘発されないための対策について説明します。不法就労の外国人を雇うリスク
外国人の不法就労とは
外国人が不法就労となるパターンは以下の3つです。
①不法滞在や被退去強制の外国人を働かせる
外国人が日本に滞在するためには必ず在留資格が必要です。
密入国した人、在留期限が切れている人、退去強制されることが決まっている人は在留資格がなく、働かせると不法就労に該当します。②出入国在留管理庁から日本で働く許可がないのに働かせる
在留資格には「就労可」と「就労不可」のものがあります。
留学生はよくコンビニなどでアルバイトしているため、「就労可」だと思っている方も多いですが、留学生は基本的に「就労不可」です。
では、なぜ留学生がアルバイトをしているかというと、「資格外活動許可」を得ているためです。確認方法としては、在留カードの裏面の資格外活動許可欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていればアルバイトをしても犯罪にはなりません。就労が許可されていない在留資格
- 留学
- 文化活動
- 短期滞在
- 研修
- 家族滞在
上記の在留資格を持っている外国人が働くために、出入国在留管理庁から「資格外活動許可」を受けなければ働けません。
上記以外にも、観光目的の短期滞在や難民申請中の外国人を、許可を得ずに働かせると不法就労に該当します。③出入国在留管理庁から認められた範囲を超えて働かせる
出入国在留管理庁に提出した業務内容と異なる業務をさせること、在留資格とは違う単純労働者として働かせること、留学生などの就労制限がある外国人にその範囲を超えて勤務をさせると不法就労に該当します。
認められた範囲を超えて働かせる例は以下の通りです。- 営業の通訳として働くために技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得した人が、掃除を業務の中心として単純労働者として働く
- 語学学校の先生として働くために教育の在留資格を取得した人が、工場で単純労働者として働く
- 留学生が許可された週28時間以上働く
日本人の場合は営業職で採用した場合でも異動で単純労働の業務に変わることがありますが、外国人の場合は営業職として在留資格を取得した人を単純労働者として働かせることは不法就労助長罪に問われる可能性があります。
不法就労は事業主も処罰の対象
上記のパターンに該当する不法就労をした外国人本人も罪に問われますが、不法就労外国人を働かせた事業主も罪に問われます。
例え、外国人を雇用するときにその外国人が不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認いないなどの過失がある場合は処罰の対象となります。不法就労をさせた、不法就労者を紹介やあっせんした人は「不法就労助長罪」の罪に問われます。3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方が課されます。
「知らなかった」という理由が通用しないため、外国人を雇用する際には正しいルールの理解と不法就労者ではないかどうかの確認、対策が必要です。
不法就労者を雇用しないための確認方法
ここからは、在留カードで確認できる2つの対策を紹介します。
在留カードが有効なものか確認する
1つ目の対策は在留カード自体が有効なものなのかの確認することです。
採用する外国人を決めた場合、必ず在留カードの確認をしてください。
アルバイトで雇用する際も必ず確認が必要です。
偽造された在留カードではないか、有効期限が切れていないかをしっかりと確認しましょう。
確認方法は入出国在留管理庁のサイトで確認ができます。
在留カードの番号と在留カードの有効期限を入力して在留カードが失効していないか確認することができます。
出入国在留管理庁在留カード等番号失効情報照会
この方法は直接在留資格を確認できない場合に有効的な手段です。
しかし、こちらでの問い合わせ結果は在留カードなどの有効性を証明するものではありません。
実在する番号を使用した偽造在留カードもありますので、注意してください。目視で在留カードを判断するポイントは次の通りです。
- ① MOJの文字の絵柄がカードを傾けると緑からピンクに色が変化します。
- ② 顔写真の下側にある銀色のホログラムが見る角度を変えると文字の白黒が反転します。
- ③ カード左端の縦型模様がカードを傾けると緑からピンクに色が変化します。
- ④ 暗い場所でカード表面から強い光を当てて透かすと「MOJMOJMOJ…」の文字が見えます。
在留カード記載の就労制限を確認する
2つ目の対策は在留カードの記載されている就労制限を確認し、ルールに則って就労させることです。 在留カードの中央に就労制限の有無の欄があり、この欄に上記の図のように「就労不可」の記載があるカードを持っている外国人は原則働くことができません。
しかし、在留カードの裏面にある「資格外活動許可欄」に「許可」の記載がある場合、記載の就労場所や就労時間の制限内で働くことができます。
例えば留学の在留資格の留学生は原則として就労不可ですが、資格外活動の許可を取ることで週28時間以内、風俗営業等の仕事以外で就労することができます。外国人の雇用を考えている企業の方は、雇用する前に在留カードが偽造でないか、業務ができる在留資格なのか、就労の制限がないのか確認して、在留資格に則って業務に従事させましょう。
- 2022.03.15技能実習生の賃金|最低賃金で雇用できるのか?
技能実習生の時給を最低賃金に設定することはできます。技能実習生は労働者ではありませんが、実習実施者と雇用契約を結びます。よって、労働基準法が順守されていれば問題ございません。当たり前ですが法定労働時間を超過した場合や、時間外労働については割増賃金を支払わなくてはいけません。また、社会保険・年金等の支払いも通常の社員と同様に労働条件に応じて必要になりますので、ご注意ください。
本記事では、実際に技能実習生を受け入れる場合には、技能実習生に支払う金額に加えて、受け入れるためのコストが発生しますので、それらについて説明いたします。目次
技能実習生に支払うコスト
技能実習生に対しては、時給換算したときに最低時給以上の支払いが必要です。
最低賃金の額は各都道府県によって決められた金額、もしくは産業ごとに定められた金額のどちらか高い方の支払いが必要になります。
※万一最低時給以下で労働契約を行ったとしても、最低賃金法が優先されるため、必ず最低時給を支払うことになります。
実例で言えば、最低賃金または最低賃金に少し上乗せした賃金を設定していることがほとんどです。
しかし、建設、介護など人材募集が難しい不人気職種においては、最低賃金で募集しても応募者が集まらない傾向がありますので、賃金設定については監理団体に相談することをおすすめします。(参考) 地域別最低賃金の全国一覧
都道府県 最低賃金時間額 発効年月日 北海道 北海道 861円 令和元.10.03 東北 青森県 793円 令和2.10.03 岩手県 793円 令和2.10.03 宮城県 825円 令和2.10.01 秋田県 792円 令和2.10.01 山形県 793円 令和2.10.03 福島県 800円 令和2.10.02 関東 茨城県 851円 令和2.10.01 栃木県 854円 令和2.10.01 群馬県 837円 令和2.10.03 埼玉県 928円 令和2.10.01 千葉県 925円 令和2.10.01 東京都 1,013円 令和元.10.01 神奈川県 1,012円 令和2.10.01 北陸 富山県 849円 令和2.10.01 石川県 833円 令和2.10.07 福井県 830円 令和2.10.02 甲信越 新潟県 831円 令和2.10.01 山梨県 838円 令和2.10.09 長野県 849円 令和2.10.01 東海 岐阜県 852円 令和2.10.01 静岡県 885円 令和元.10.04 愛知県 927円 令和2.10.01 三重県 874円 令和2.10.01 関西 滋賀県 868円 令和2.10.01 京都府 909円 令和元.10.01 大阪府 964円 令和元.10.01 兵庫県 900円 令和2.10.01 奈良県 838円 令和2.10.01 和歌山県 831円 令和2.10.01 中四国 鳥取県 792円 令和2.10.02 島根県 792円 令和2.10.01 岡山県 834円 令和2.10.03 広島県 871円 令和元.10.01 山口県 829円 令和元.10.05 徳島県 796円 令和2.10.04 香川県 820円 令和2.10.01 愛媛県 793円 令和2.10.03 高知県 792円 令和2.10.03 九州 福岡県 842円 令和2.10.01 佐賀県 792円 令和2.10.02 長崎県 793円 令和2.10.03 熊本県 793円 令和2.10.01 大分県 792円 令和2.10.01 宮崎県 793円 令和2.10.03 鹿児島県 793円 令和2.10.03 沖縄 沖縄県 792円 令和2.10.03 - 法定労働時間を超過分、いわゆる残業代について支払いが必要です。
月給を時給換算したときに0.25倍以上の金額を割り増して支払う必要がある。 - 休日労働、深夜労働に対する割増賃金の支払いが必要です。
上記同様に0.25倍以上の金額を割り増して支払う必要がある。 - 社会保険各種および年金については、労働条件に応じて加入の必要がある。
※但し2021年10月より下記の最低賃金に変わります。(厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が2021年7月決14日に決定)
受け入れるために必要なコスト
団体監理型で技能実習生を受け入れるためには、監理団体に入会し、送り出し機関とやりとりをしながら進めて行きます。このため次の費用が技能実習生に支払うものとは別に必要になります。例として1人を受け入れた場合の相場観を記載します。 合計で約50万から120万円かかります。
※団体監理型以外に企業単独型があります。海外に事業所をもち、在留資格認定申請、入国前の研修手配・研修などを自社ですべて行う企業単独型もあります。その場合は、自社で行う人件費が本コストに該当します。①監理団体へ支払う入会費・年会費
監理団体にもいろいろあり、選ぶ監理団体により入会費・年会費に差はあります。
一般的には、入会費が1万から10万円、年会費が0円から15万円となっており、入会費は初年度のみ必要になる場合がほとんどです。※JITCO(公益財団法人 国際研修協力機構)が必要な場合
監理団体によっては、JITCOへの加入を必須としているものがあります。その場合、入会費として10万から30万円が必要になりますが、技能実習計画作成、およびビザ申請についてフォローいただくことができます。
②監理団体へ支払う監理費
・組合監理費 約3万から5万円 ・送り出し管理費 約5千編から1万円 ③技能実習生を受け入れるまでにかかる費用
- 技能実習生を選ぶため、現地を訪問される場合はその費用。
コロナの影響もあり、WEB面接にしている監理団体もあります。監理団体を選ぶ際に確認しておきましょう。 - 在留資格申請 0円から4万円
- 技能実習生総合保険 約3万円
- 渡航前の健康診断費用 0円から約1万円
- 入国前研修費 約2万から4万円
- 渡航費 約10万円
- 入国後研修費 約10万円
- 研修手当 約6万円
- 受け入れ時の健康診断費用 約1万円
技能実習生から見た最低賃金の見え方
技能実習生への給与は最低賃金額を参考にしながら決定している実習実施者の方は多いですが、技能実習生から見たらどう見えるか検討が必要です。最低賃金の金額が隣接県と大きく差があり、低いほうの県は注意が必要です。技能実習生から見ると対して距離が離れておらず、もらえる金額が高いほうを選択してしまう傾向にあります。
確かに、「給与が安くても地方では生活費にかかる金額が違うから大丈夫」とお考えになられる方もいらっしゃると思いますが、生活費がどれほどの開きがあるかまで情報を入手でき、考慮して実習実施先を志望される技能実習生の方は全員ではありません。日本での手取り収入がブローカーにいわれるがまま月30万ほどもらえると信じて渡航される方もいらっしゃるほどであり、情報感度はそこまで高くないと考えたほうが無難です。人事ができること
最終的に人材受け入れまでのコストを考えるときには、企業内でかかったコストと外部に支払ったコストの合計になります。技能実習生の受け入れの場合は外部に支払ったコストが初年度大きくかかることにかかります。その後、3年間実習をつづけることができれば、その分トータルのコストは低くできます。条件を満たせば、技能実習3号が認められ、さらに追加で2年間技能実習の延長が認められますし、特定技能に在留資格を変更すれば、同じ外国人材をさらに5年間継続して受け入れることもできます。よって、イニシャルコストの問題は、就業期間を長くすることによりある程度引き下げることが可能になります。
ですから技能実習の段階から自社に対する技能実習生のロイヤルティを高めておくことが大切です。
技能実習生が気持ちよく働けるよう、母国の文化風習を回りが理解し、日本語が堪能でなくともストレスを感じずにコミュニケーションが取れる仕組みを築いておけば、技能実習3年修了後も、継続して働いていただくことができ、コストも抑えられるはずです。さいごに
人材を受け入れる際は、いかに最低限のコストでよい人材を受け入れるか、その後も最低限のコストでよく働いてもらうかについてついつい考えてしまいがちです。
このため、技能実習生を受け入れる理由として、次をメリットにあげられる企業様は多いです。・ほぼ3年間企業で実習を行えるので、3年離職しないので安心できる。
・最低賃金に近い金額でも人材を受け入れることができるので魅力である。特段問題がないように思えますが、この考え方には大きな落とし穴があります。
万一、劣悪な環境で実習を行ってしまうと、技能実習生の失踪を招くことがあります。
また、外国人技能実習機構からの摘発を受け、企業価値を落とすことに直結します。
企業の社会的責任が求められる傾向は強くなっており、特に技能実習生については、海外からは奴隷のように扱われているとして様々なメディアで議論もされ、人権団体からも指摘を受けているほどです。
ついつい、上記のようなメリットに目を向けてしまいますが、より長期的な目線で考えるべきです。法令遵守の上で技能実習をおこなうことで、国際貢献を行い、技能実習生に支持されることで得られる次のメリットもかなり大きいはずです。・CSRとして、世の中に多様性を受け入れていることをPRできる。
・立場の弱い方にしっかり向き合うことで、人材に対して大切に扱っていることをPRできる。
・技能実習3年修了後も、継続して働いてもらえる。
・クリーンな会社であることが広がれば、有能な技能実習生をより呼び込める。
逆に万一、残業代などの不払いやその他の法令違反があると、大きなリーガルリスクおよびレピュテーションリスクにつながります。
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最後までお読みいただきありがとうございました。技能実習生の受け入れおよび定着について本記事がお役に立てれば幸いです。- 2022.03.11技能実習「送り出し機関」とは?その見極め方
企業が技能実習を受け入れることを決断した後は、どうやって人材の確保を行うかが重要になります。 技能実習生を受入れたい企業は、監理団体を経由して送り出し機関と呼ばれる組織を活用して人材を集めていくのですが、 ここでは、送り出し機関の説明と、主に「監理団体」がどのようにして送り出し期間を選べばよいかについてご説明いたします。
目次は次の通りとなっています。目次
技能実習の送り出し機関とは
外国人技能実習生を日本へ送り出す団体や企業を「送り出し機関」と呼んでいます。 送り出し機関は在留資格によって定義が違い、技能実習制度においては次のように定義されています。
技能実習制度における送出機関
技能実習制度における送出機関は技能実習生になろうとする者からの技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として、 規則第25条において定められている要件に適合する機関
出展:公益財団法人 国際人材協力機構
※「規則 第25条における外国の送出機関の要件」は出展元に記載があります。
現在では、ベトナムを中心として次の15ヵ国に送り出し機関があります。
インド、インドネシア、ウズベキスタン、カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、 バングラディッシュ、フィリピン、ベトナム、ブータン、ミャンマー、モンゴル、ラオス
送り出し機関の業務内容
送り出し機関の業務内容は募集から技能実習終了後の再就職支援まで行います。具体的には次に示す6つが主な業務となります。
①技能実習応募者の募集と受け入れ企業とのマッチング
技能実習を希望する方に情報を提供し、応募者を募ります。 募集後は、外国人技能実習生を受け入れる企業の人材ニーズに合わせて選抜を行い、推薦する方を決めていただきます。
※技能実習法により、日本で受け入れることができる人材には条件があります。条件を満たすかどうかの選別も送り出し機関で行ってくれています。②日本語、ビジネスマナー、実技などの各種研修
選抜した技能実習生候補に対し、日本で技能実習がスムーズに行えるように研修を行います。
日本語、日本のビジネスマナー、現場で必要となる実技などの各種研修をいたします。
約6カ月をかけて行い、実技試験・最終面接を実施後に、日本に技能実習生を送り出します。③出国手続き・入社手続きなどのフォロー
健康診断を実施し、監理団体へ報告します。また、監理団体より在留資格認定証明書交付の連絡があれば、技能実習生のパスポート申請手続きを行います。
④技能実習中の問い合わせ・トラブル対応
技能実習生の送り出しが終わり、日本での技能実習が始まった後も、技能実習生の疑問や要望に対する回答や、トラブルに巻き込まれた際にアドバイスを行います。
⑤技能実習完了時の帰国手続きのフォロー
技能実習の完了が近づいてきたら帰国に必要な手続きや、登録されている方に帰国連絡を行います。 また、技能実習生が日本政府に対して支払いし過ぎているもの(厚生年金など)の返金手続き対応も行います。
⑥母国での再就職支援
母国で元技能実習生が活躍できるように母国での就職活動支援を行います。
送り出し機関を選ぶ際に知っておくこと
技能実習制度において、送り出し機関を選ぶのは監理団体の役目です。 監理団体が送り出し機関を選ぶ際に知っておいていただきたいことを次にまとめています。
現地政府が認定していない送り出し機関が存在する。
トラブルに巻き込まれた際、送り出し国政府が認定している送り出し機関であれば、安心です。 また、現地政府に認定されていれば、違法な要求を行ってくること自体もなく、トラブルに巻き込まれることも少ないです。 現地政府が認定していない送り出し機関を利用しようとしたケースで技能実習生や企業から多額の紹介料を請求されたなどのトラブルが報告されています。
日本の法律ではなく、送り出し国の法律が適応される。
人材送り出し業務においては、送り出し国の法律が適応されます。トラブルとならないように対応していくことが大切です。 それぞれの国の文化・ビジネスマナー等を理解し、送り出し機関と契約してください。
送り出し機関によって「送り出し管理費」に差が大きい。
専門的な分野を持つ送り出し機関や、規模など様々な特色があり、送り出し管理費は一律の金額となっていません。
送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取ることは禁止
技能実習生の失踪の防止や、実習先で従順に働かせるために、送り出し機関が技能実習生より保証金を受け取るということが、かつては横行していました。 しかし、2017年11月に技能実習法が改正され、外国人技能実習機構が法令違反の取締りを強化してからは、この悪しき商習慣は根絶されつつあります。
キャッシュバック・過剰な接待は禁止
監理団体が受け取ってよいのは、受入企業からの管理費だけと決められております。 監理団体が送り出し機関からキャッシュバックを受け取ること、過剰な接待を受けることは禁止されています。 近頃は外国人技能実習機構がかなり厳しく取り締まっており、その数は少なくなってはいますが、見えないところで未だに横行しているようです。
ブローカー行為(名義貸し)は禁止
送り出し機関が、送り出しライセンスがない団体の送り出し行為に対して、名義貸しをすることも禁止されています。
送り出し機関を選ぶポイント
次に、信頼できる送り出し機関であるかを確認するための注意事項を述べます。
送り出し機関は送り出し後も、技能実習生の実習中のフォローや、帰国時のフォローもしてくれるため、 受け入れ時だけの問題ではありません。しっかり信用できる先を選ぶ必要があります。 初めて利用される場合は、すでに技能実習生を受け入れている企業や他の監理団体から情報を得ておくことを強くおすすめいたします。・(重要)政府認定の送り出し機関か。
基本的に各国の政府が認定している送り出し機関をおすすめします。 各国には政府が認定していない団体も数多く存在しており、これまで様々なトラブルが発生しています。
・技能実習生から高額なお金を支払わせていないか。
・採用すると監理団体や企業にキャッシュバックするような制度がないか。※ある場合、違法。
・現地担当者の日本語能力が高いか。日本での就労経験があり、日本のビジネスマナーに理解があるか。
・トラブルとなった際に相談できる部署があるか。トラブル時に相談できる日本駐在部署はあるか。
・当該送り出し機関とトラブルになっている企業がないか。
・当該送り出し機関が送り出した技能実習生とトラブルになっている企業がないか。
受入企業の人事部門として注意しておくべきこと
技能実習生の人材ニーズについては、受け入れる企業で自由に決めていただいて問題ないのですが、 国・地域により文化・風習が違うため、それを考慮して、監理団体経由で送り出し機関に依頼することが必要です。 時間の厳守など日本の文化・風習では当たり前となっていることが、海外では当たり前ではないことは多々あります。 そのような場合は、前もって社内で受け入れられるかどうかを検討し、どうしても受け入れられないような文化・風習があれば、 その点を守れる人材を選んでいただけるよう人材ニーズに盛り込んでおきましょう。 もちろん、制限すればするほど、外国人技能実習生は集まりにくくなりますので注意が必要です。
さいごに
技能実習生を受け入れる場合は、監理団体が信用できる送り出し機関を選ぶことが大切です。人材ニーズに合った人材を選定いただく必要がありますし、 受け入れた後にも問い合わせやトラブル対応を送り出し機関は行ってくれるため重要です。 また、そもそも違法な取引を行っている送り出し機関であれば契約を結ぶことも問題なため重要です。
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ここでは、主に監理団体が送り出し機関を選定するポイントと注意点について記載をしましたが、 実際は技能実習生の受入実績がある他の監理団体や受入企業にヒアリングすることを強くおすすめします。
人材ニーズにマッチした人を紹介してくれたか、コミュニケーションは円滑だったのか、 入社後のフォローもしっかりしてくれるのかなどは漏れなく確認しておきたいことです。
同じ送り出し機関を使用するのであれば、ヒアリングした監理団体や受入れ企業にも色々と相談に乗ってもらえるかもしれません。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。よい技能実習生を採用でき、お役に立てば幸いです。- 2022.03.11技能実習生「監理団体」とは|見極め方
目次
団体監理型による技能実習生の受入では、監理団体の選び方が大切です。本記事では、監理団体の概要や、選ぶ時のポイントについて解説します。
1.技能実習「監理団体」とは
技能実習生の管理及び受入先企業の監督を担うのが監理団体です。商工会議所や協同組合、公益社団法人などの非営利組織が対象となります。
監理団体の主な業務としては、「技能実習生のサポート業務」「受入企業で適正な実習が行われているか確認する監理業務」です。
「技能実習生のサポート業務」・・・技能実習生が日本企業で実習をするために、受入企業と協力し求人票の作成、面接、入国手続きなど一連のサポートを行います。
「受け入れ企業で適正な実習が行われているか確認する監理業務」・・・技能実習生が受入企業で問題なく実習ができているか定期的に受入企業まで出向き監理をします。技能実習生は何かとニュースに取り上げられることがあります。賃金未払いやサービス残業や職場でのいじめなど、問題が起こった際は監理団体が速やかに対処する必要があります。
1-1 技能実習「監理団体」の種類
監理団体には2種類あります。
特定監理事業:1号・2号の採用が可能(滞在できる期間は最大3年)
一般監理事業:1号・2号・3号の採用が可能(滞在できる期間は最大5年)
一般監理事業は特定監理事業と異なり、技能実習3 号を受入れることができ、採用人数も通常の2倍となります。例えば、職員数が30人の会社の場合、技能実習1号は、通常3人までですが、一般監理では2倍の6人まで採用できます。
一般監理事業の監理団体は「優良監理団体」「一般監理団体」とも呼ばれます。
つまり一般監理事業の監理団体(優良監理団体)は、特定監理事業の監理団体より優良な監理団体であるわけですが、特定監理事業の監理団体が一般監理事業の監理団体に昇格するには、優良要件に適合する必要があります。優良要件はポイント制になっており、一定のポイントを上回ることで一般監理事業に昇格できます。
また介護職種の受入れに関しては、さらに特別な優良要件が定められており、とても高いハードルをクリアしないと介護職種における一般管理事業の監理団体にはなれません。1-2 技能実習「監理団体」の役割
監理団体は、技能実習を正しく行い、実習生を守るための仕事をしています。最も重要な仕事の1つは定期的な監査であり、受入先企業での未払いや労働基準法違反を監督します。その他にも、技能実習生を問題なく受け入れられるよう、様々なサポートをしています。ここでは、実習生を採用する流れと共に、監理団体の仕事について見ていきましょう。
【入国前】
〇採用のサポート
送り出し機関を通じ実習生の募集をかけ、選考や面談、雇用契約などのサポートをします。面接の際は、以前は受入れ企業の職員と共に現地へ赴いていました。しかし、近頃はコロナ禍によって現地入りが難しいため、オンライン面接が主流になっています。
〇技能実習計画書の作成を指導
技能実習計画書の作成時、監理団体は、実習生が働く場所や寝泊りする部屋を視察します。また、内容が認定基準を満たしているか、出入国や労働法を遵守しているか、技能の習得方法や職場環境は整っているかなどの観点でチェックをします。
〇ビザに関する書類作成
地方入国管理局(正式名は地方出入国在留管理官署)に「在留資格認定証明書」の交付申請を提出し、査証申請を行います。
【入国後】
〇入国後の講習
技能実習1号は日本に来た後、座学での入国後講習が必須です。入国後講習では、監理団体又は委託された日本語学校の講師等が基礎知識を教えます。内容は、基本の日本語や交通ルール・ゴミの出し方などの生活に必要な知識、法律違反に気づいた時の対応方法などです。なお、この期間中は、受入企業の仕事をすることは禁止されています。
○巡回
技能実習1号の間の1年間については、監理団体は受入企業を1ヶ月に1回巡回をする必要があります。
〇定期監査
監理団体は3か月に1度、受入企業の定期監査をします。受入企業が計画通りに実習をさせているか、不法就労や賃金面で問題がないかを調査します。具体的な内容は、技能実習が正しく行われているかの確認、責任者などからの報告、技能実習生との面談、会社の設備や帳簿の閲覧、泊まる部屋などの環境確認です。
〇相談体制の構築
実習生からの相談を聞き、適切に対応します。母国語での相談も可能となっています。
〇帰国旅費の負担
技能実習生が帰国する際には、監理団体が帰国旅費の全額を負担します。また、自然災害やその他の理由で帰国が難しくなった場合でも、帰国できるまでの間、住居やビザなどの生活面の支援をします。
2.監理団体の見極め方
監理団体は全国で4,000か所以上あり、良い監理団体もあればそうではない団体も存在します。厚生労働省の報告によれば、法律違反による監理団体許可の取り消しが、令和元年度に4件、令和2年度に13件ありました。取り消し理由は、「実習実施者に対する監査を適切に行っていなかった」、「認定計画に従って入国後講習を実施していなかった」、「外国の送出機関との不適正な内容の取り決めを交わしていた」などです。こうした監理団体を選んでしまうと、受入企業や実習生もトラブルに巻き込まれてしまいます。
では、良い監理団体を見極めるにはどうしたら良いでしょうか。ここでは、監理団体を選ぶポイントについて説明します。〇一般監理事業か特定監理事業かを確認する
監理団体のうち、優良要件に適合する団体は、一般監理事業を行うことが 一般監理事業の場合、技能実習1号、2号に加え、3号まで受け入れが可能となります。また、実習実施者である受入企業も優良である場合には、実習生の受け入れ人数が、基本人数枠の倍となります。技能実習生を長く受け入れたい場合、一般監理事業を行う団体を選ぶのが良いでしょう。
また前述のとおり、介護職種においては「介護職種における一般管理事業を行う団体」が別途定められていますので注意が必要です。〇監理団体の実績と職員人数を確認する
実績が多い監理団体であれば、経験を積んでいて、様々なトラブルにも対応できるでしょう。 また、実績と共に、職員の人数も確認しましょう。監理団体は、現地での面接準備や地方入国管理局での手続き、各種書類の作成、企業訪問、技能実習生の予期せぬトラブル対応など、業務内容が多岐に渡ります。膨大な量の業務に対応するには、ある程度の人員が必要です。そのため、監理団体の規模と職員数も確認しましょう。
〇監理団体に通訳が常駐しているか確認する
技能実習法では、通訳の常駐は義務付けられていませんが、トラブルがあった時、いつでも対応できる通訳者がいることは安心感につながります。
技能実習生は、慣れない環境で仕事をし、生活をします。その中で悩みが生じるのは当然のことでしょう。しかし、日本語で自分の悩みを伝えるのは難しいことです。母国の価値観を理解し、母国語で対応してくれる通訳がいれば、悩みを話しやすく、問題をスムーズに解決できるかもしれません。〇監理団体の担当者に知識があるか確認する
技能実習生を受け入れることになれば、監理団体と数年間やりとりをする必要があります。その際、担当者を信頼できなければ、スムーズな受け入れは難しいかもしれません。そのため、担当者に知識や受け入れのノウハウはあるか、困った時にアドバイスを求められるかを確認しましょう。
〇入国前後の教育体制を確認する
技能実習生は、日本とは異なる文化・環境の元で生活しています。日本で働くためには、日本語の学習はもちろんのこと、ゴミの出し方や非常時の対応など、生活面での研修が必要です。監理団体が行う講習の方法について確認しましょう。確認するポイントは以下のとおりです。
- ・入国前に日本語教育が行われているか、また講習内容はどのようなものか
現地での講習は必須ではありませんが、一定期間行うことにより、入国後2か月間の講習を最大で半分に短縮することができます。そのため、ほぼ全ての監理団体で、入国前の日本語学習を行っています。講習時間やカリキュラム、日本人講師であるかなどを確認しましょう。
- ・介護職種の場合
介護職種の場合は、特別なルールが定められています。
N4と呼ばれる日本語力がないと日本に入国できませんし、看護または介護に関する資格を有するか、または150時間以上の介護専門教育を現地で履修する必要がありますので、送り出し機関による教育体制があるかどうかを確認しましょう。 - ・入国後の講習内容はどのようなものか
技能実習1号として日本へ来た場合、原則として最初の2か月間(入国前に一定期間の講習を受講した場合、1か月)は講習が必須となります。この講習でのカリキュラムや生活面での指導内容を確認しましょう。
- ・企業が実習生を受け入れた後、日本語学習や技能検定試験のサポートを行ってくれるか
実習が開始された後でも、日本語能力が低いなど、検定試験の勉強方法がわからないなどの問題が出てくるかもしれません。そんな時、どのような対応を行ってくれるか確認しましょう。
受入企業が監理団体に支払う費用は、監理団体への加入費や実習生の渡航費、現地での事前講習費、監査指導費(いわゆる管理費)など、トータルで数十万円かかります。
受入企業としては、なるべくコストを抑えたいところですが、監理団体を安さだけで選んでしまうと、最低限のサービスしか受けられない可能性があります。近頃は技能実習法の運用がかなり厳格になってきており、外国人技能実習機構の検査などをクリアするにはかなりの労力がかかりますので、自社の法令違反を防ぐためにも、費用だけで判断することは避けましょう。
また、監理団体は手数料をとることを法律で禁止されています。見積もりを取る際には、各項目の料金体系が明確であるかも確認しましょう。3.さいごに
監理団体とは、団体監理型で技能実習生を受け入れる時の組織です。主な役割は、技能実習を適正に行うことや技能実習生を保護することで、具体的には、現地での採用に関わる手続きや技能実習計画などの指導、入国後の講習、定期監査などを行います。現在、全国に4,000か所以上の団体があり、良い監理団体を選ぶことが大切です。選ぶ時には、実績や社内体制、担当者の対応、費用などがポイントになります。まずは、希望する条件を明確にした上で、複数の監理団体に話を聞き、自社のニーズに合う監理団体を探すことをおすすめします。
閉じる- 2022.03.11技能実習生の派遣は禁止|派遣と技能実習の違い
目次
1.技能実習の人材派遣が禁止されている理由
技能実習生の派遣はできません。
外国人技能実習制度は、日本が先進国としての役割をはたしつつ、国際社会との調和のある発展を図っていくために、国が導入した制度です。発展途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています。人材の不足の解消を目的とする人材派遣とは目的が違うため、技能実習生の派遣はできないこととなっています。2.技能実習と人材派遣について
2-1技能実習について
技能実習は、誰が技能実習生を受け入れるかで2つの受け入れ方法があります。
- 企業受け入れ型
企業等が海外の現地法人の職員を直接受け入れて技能実習を実施する形態。 - 監理団体受け入れ型
監理団体が技能実習生を受け入れ、監理団体に登録した企業において技能実習を実施する形態。
技能実習のスタート時は、2か月間の座学講習が義務づけられています。但しほとんどのケースにおいては、送り出し国で1か月の講習を済ませることによって、入国後の講習が1か月免除され、入国後講習が1か月実施されています。
入国後の座学講習後は、いよいよ雇用先での技能実習が始まり、来日1年経過のタイミングでは技能評価試験を受け、合格することで、技能実習1号のロ(もしくは技能実習1号のイ)から技能実習2号のロ(もしくは技能実習2号のイ)に変更ができるようになります。これにより、技能を習得開始した実習時間と同じ機関で、同じ技能について習熟するための訓練を受けることが引き続き可能になります。
最終的に技能実習生が日本で働くことができるのは最長で5年になります。
注意しなければならない点は、企業は技能実習生を労働力として使うのではなく、あくまでも技能取得のための実習を行うという点です。習得する技能は技能実習生ごとの技能実習計画を外国人技能実習機構に提出して認定を受け、認定を受けた技能実習計画を厳格に守った上での技能実習(技術の習得)が求められます。
技能実習生を労働力として使うわけではないですが、企業と技能実習生の間では雇用契約の締結が求められ、労働基準法の遵守も求められます。
労働ではないのに法的に「雇用」「労働」に当てはめているところがあるので、技能実習生が労働力と勘違いされる理由になっています。2-2外国人人材派遣について
外国人人材派遣を受け入れる場合、いわゆる入管法で在留資格(技能実習ではない、技術・人文知識・国際業務など)が認められ、人材派遣会社に雇用される必要があります。その後、人材派遣会社と契約し、人材ニーズにマッチした人材を紹介いただき、人材派遣を利用することになります。
3.技能実習生を利用するか、人材派遣を利用するか
技能実習を許可されている分野の職種や作業の場合は、人材派遣を利用するのか技能実習生を採用するのか迷う場合も多いと思います。
技能実習生を採用する場合、企業単独型で技能実習生を受け入れるには相当なノウハウと管理体制が必要で、中小企業や経験の少ない企業には難しいですので、ほとんどの場合が監理団体を利用する団体監理型になります。
団体管理型の技能実習の場合は、技能実習生の渡航費、技能実習生の住居費、生活必需品を準備する費用、そして監理団体へ支払う管理費が必要になります。ですから、実際に任せたい作業内容や、人材ニーズ、支払えるコストによって、技能実習生を受け入れるか、人材派遣に頼るべきかを判断する必要があります。
まず、技能実習生を採用する場合は、その職種・作業によって異なりますが、一般的に3年、最長で5年間技能実習生を受け入れることができます。また2019年の法改正により、技能実習3年以上の実績があれば、同職種であれば在留資格「特定技能」への資格変更もできますので、8年~10年間働くことができます。
一方で、外国人派遣社員を雇う場合は、派遣会社が人材を必要に応じて供給してくれます。
費用と多大な手間をかけて採用した技能実習生が失踪したり、途中帰国したりしてしまうデメリットがないので、人材派遣の方がよいと思われがちです。
しかし派遣の場合は派遣会社がコストを上乗せしているので人件費が3割程度高くなります。また外国人派遣の場合は、すぐに辞めてしまう傾向があるのが注意点です。
また、一般派遣は最長3年で、紹介予定派遣は最長6ヶ月です。紹介予定派遣の後に、直接雇用にすることも可能ですが、短期間で転職してしまう可能性は技能実習生よりも高いと言えるでしょう。その点、技能実習の場合は転職ができないので、大半のケースでは同じ職場で3年間は安定して働いていただけます。
4.人事が検討しなければいけないこと
人事は技能実習生の技能の習得に役立てる内容はどのようなものがあるのかを整理しておく必要があります。技能実習制度に定められた技能実習を依頼する必要があるため、関係のない実習をするわけにはいきません。監理団体に相談しながら、次の手順で準備するのがおすすめです。
- 現場の業務の理解
現場にそもそもどのような業務があり、具体的にどのような作業をする必要があるのか、納期はどれくらいで設定されているのか、日本語でのコミュニケーション量はどれほど必要なのかは最低限把握しておく必要があります。 - 現場業務の分類
技能実習生に任せられるものと、任せられないものに分けます。できるとしたものについては、どのような順で取り組めば実習効率がよいか検討してください。後に、技能実習生ごとの技能実習計画を外国人技能実習機構に提出して認定を受ける必要がありますので、早めに監理団体に相談しましょう。 - 必要人員と人材補填までのスケジュール
上記検討が完了すれば、何人技能実習生を受け入れられるのか、どのようなタイミングで受け入れていけば、スムーズに実習ができるかを検討しましょう。
実際に技能実習生を受け入れる場合は、現地面接またはオンラインでの面接を経て、入国までに6ヶ月程度必要です。人員計画を立て、いつ面接し、いつ入国・配属ができるかを監理団体に相談して、計画的に技能実習生を受入れましょう。
5.技能実習生・人材派遣以外の外国人採用について
技能実習生・人材派遣以外に外国人を直接雇用する方法もあります。
しかし、入管法に定められた在留資格はとても複雑で、在留資格によって働ける職種や作業が異なります。
安易に外国人を採用して、入管法違反に問われることも多いので、外国人の採用をしたことがない場合は、外国人材に詳しい人材紹介会社や行政書士に相談して採用したほうが無難だと思います。
内定を出し、入社承諾をいただいたとしても、内定後に在留資格申請をしてもそれが入国管理局に認められなければ、働かせることができませんので注意が必要です。6.技能実習生の受け入れで想定されるトラブル
次のようなトラブルが起こる可能性もあります。事前にトラブルとならないように検討して人材の確保を行ってください。
- 失踪
トラブルとして多いのが失踪です。原因は実に様々な理由からになるのですが、万一発生した場合にどのような対応を行うか検討しておきましょう。 - 途中帰国
3年間の契約の途中で契約を打ち切り、帰国してしまうこともあります。職業選択の自由があり、強制的に実習させることは当然にできませんので、実習生が納得して実習を受けいれる環境づくりが重要です。 - 病気
受け入れ前に現地で健康診断を行いますが、そこで大病が発覚するケースがあります。その場合は感染症・肺炎などが原因となっているケースが多いです。 - 喧嘩
実習生同士が喧嘩をし、ともに帰国してしまうケースもあります。人事として、外国人の文化を日本人に説明をし、準備を整えていたとしても、外国人同士に文化や風習の理解が乏しければハレーションを起こすリスクは残ります。 - 金銭トラブル
外国人同士で金銭トラブルが発生するケースが稀にあります。家賃などお金を収集するようなケースは給与天引きか、口座引き落としとするほうが無難です。
★まとめ
外国人は在留資格に応じた活動を行う必要があるので、企業は任せたい仕事を整理し、何をどの資格保有者に依頼するかを検討することから始める必要があります。
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特に外国人受入れ経験がない会社は、自社で判断することは難しいの、技能実習の場合は監理団体に、人材派遣の場合は派遣会社に、その他の在留資格の場合は人材紹介会社や行政書士に相談しながら準備することをお勧めします。- 2022.03.11技能実習生の転職|原則転職できません
目次
1.技能実習生は自由に転職ができない理由
技能実習1号および2号では、技能実習法の定めにより、外国人技能実習機構に認可を受けた技能実習計画通りの実習実施者(企業)以外で実習を受けることはできないので、実習を受ける先を自由に変更することができません。
※技能実習2号から3号になる際は、実習先を変更することはできますが、技能実習3号についてはハードルがとても高いので、ほとんどのケースでは技能実習2号(3年)までで終了しています。2.在留資格「技能実習」、実習先の選択について
2-1在留資格「技能実習」について
外国人技能実習制度は、日本が先進国としての役割をはたしつつ、国際社会との調和のある発展を図っていくために、国が導入した制度です。発展途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています。
入管法では、外国人技能実習は在留資格「技能実習」として日本での経済活動ができるようになっており、誰が技能実習生を受け入れるかで大きく分けて2種類の在留資格「技能実習」があります。①企業受け入れ型
企業等が海外の現地法人の職員を直接受け入れて技能実習を実施する形態。②監理団体受け入れ型
監理団体が技能実習生を受け入れ、監理団体に登録した企業において技能実習を実施する形態。①であれば在留資格は入国一年目が技能実習1号のイ、入国2~3年目は技能実習2号のイ、入国4~5年目は技能実習3号のイとなっています。
②も同様に技能実習1・2・3号のロとなります。①の場合は、通常1か月の座学期間(入国後研修)があり、②の場合は、雇用関係に基づかない座学研修を行うのであればその期間、企業などとの雇用契約はできませんので、技能実習をさせることはできません。入国後研修終了後から技能実習をすることになります。その後は、日本に入国して1年経過後に技能評価試験を受け、合格すれば、2号に変更することが可能になり、日本での技能実習が追加で2年継続可能になります。さらに2年後に3号に合格することができれば、プラス2年間日本での技能実習が可能になる仕組みとなっています。
※2号への変更が可能な職種、3号への変更が可能な職種については、職種により違いがありますのでご注意ください。2-2転職が可能なタイミング
前述の通り、技能実習1号および2号では、外国人技能実習機構に認可を受けた技能実習計画通りの実習実施者(企業)以外で実習を受けることはできませんので、自由に転職ができません。
しかしながら、技能実習2号から3号へ移行する際は、実習生の希望で実習実施者を変更することが可能になっています。つまり、転職をすることが可能となっています。3.人事としてできること
技能実習生の受け入れを行い、3年後、および5年後(技能実習終了時に特定技能への変更ができれば最長で日本で10年間働くことが可能)も外国人に働いてもらうには、当たり前ですが、外国人に企業の魅力を感じていただく必要があります。そのためには、外国人が日本で働くメリットの何を重要視しているかを理解しておく必要があります。また、デメリットをどのようなことに感じやすいのか理解しておく必要があります。
次にまとめました。3-1外国人が日本で働く、メリットに感じやすいこと
①日本で高度かつ精密な技能を習得できること
外国人が日々仕事を行うことで技能を習得できるよう会社として仕組を用意しておくことが必要です。単純に任せたい業務を任せるだけでは、外国人が成長を実感することは難しいのが現状です。行う業務がなぜ重要なのか、日々の業務でどのような成長があったのかを実習を担当する社員からフィードバックを行い、外国人のモチベーションが維持される仕組みの検討が必要です。②自国の家族に送金し、家庭を支えることができること
日本円を送金することで、自国で稼ぐよりも多くの金額を家庭に送金することができる点を魅力に感じている発展途上国の方は多いです。
アジアの送り出し国によって経済発展状況はさまざまですが、例えばアジア最貧国のミャンマーでは、地方都市での通常の仕事ですと月給が6,000円程度しかもらえない場合が多いので、日本で働くと収入が30倍程度になり、日本で働く魅力は圧倒的です。
しかし、外国人が満足する金額をしっかりと支払えているかについては確認の必要があります。
同業他社や同業他社と比べて明らかな見劣りがあり、自社にそれでも魅力を感じてもらえる魅力がない場合は、不満を解消する手立てが必要です。
社宅の提供やその他手当について日本は充実している傾向にあり、そこをメリットに感じておられる外国人は多いですが、日本人社員の待遇と差がある場合は不満の原因となりますので、注意が必要です。3-2外国人が日本で働く、デメリットに感じやすいこと
①コミュニケーションがとりづらい
日本語は漢字・カタカナ・ひらがなと学習するものが他言語と比較して多く、十分に理解できないまま日本に来た実習生もいます。また、日本人独自の「阿吽の呼吸」のように、相手の表情、細かな言い回しから相手の真意や意図を組んだコミュニケーションは当然にできません。わかりやすくシンプルかつ必要十分な言葉で外国人にはコミュニケーションを行う必要があります。②異文化・風習の理解が足りない企業がある
外国人は生まれた国・地域で育っており、当然に日本の文化・風習とは違った価値観を持っています。外国人の文化・風習をしっかり理解し、認めたうえでコミュニケーションをとるようにする必要があります。
※人事が十分注意していても、配属部署で文化・風習が否定され、トラブルとなるケースもあるので注意が必要です。③プライベートを充実できるか不安
外国人がプライベートと仕事をしっかり両立できるよう配慮がされている必要があります。違反企業の中には実質170時間以上の残業を月にさせていたケースもあり、言語道断です。残業時間を抑制し、プライベードが充実できることをPRすればそれだけで外国人に安心で選んでもらいやすくなります。★まとめ
技能実習生として働く場合、技能実習生は原則として転職することはできません。
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企業としては、技能実習生が日本で働き続ける限り、3年間は自社に在籍してもらえる安心感はありますが、自社に魅力がなければ失踪や途中帰国の可能性が出てきます。また送り出し機関からも良い人材の紹介は少なくなるかもしれません。
企業としてできることは、絶えず、自社に魅力を感じ、イキイキと外国人が活躍できる環境をどれほど用意でき、それを実際に外国人に感じてもらえるかです。そのためには、外国人が育った文化・風習を考慮して対応する必要があります。
これが実現できれば、様々な価値観が理解され、多様性に富んだ企業となるため、外国人だけでなく日本人にも魅力ある組織となります。
日本は今後少子高齢化、労働人口の減少が加速しますので、外国人に働いてもらうことは避けては通れなくなります。外国人をどれだけ活用し活躍してもらえるかが、これからの企業の存続を大きく左右することになります。
- 2022.03.11技能実習生「製造業」|外国人を雇用するには?
目次
「製造業で技能実習生を雇用して売上アップに繋げたいけど、上手く採用する方法は?」など、製造業で外国人技能実習生の雇用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、日本の製造技術は年々需要が高まっており、雇用を積極的に進めている企業が多いのも事実。技能実習生を上手く採用できれば、業績向上に繋がり社内の問題も解決していくでしょう。この記事では、製造業における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。
人手不足が深刻化している製造業の現状
現在製造業は深刻な人手不足に直面しています。事実「経済産業省製造産業局 製造業における外国人材受入れに向けた説明会」によれば、企業の人手不足がビジネスに影響が出ていると回答した上位の職種は鉄鋼業・非鉄金属・金属製品・輸送用機械でした。加えて、若い年代の退職ラッシュが続き、高齢化が進んでいる現状なのです。加えて、中小企業はとくに技術者の雇用に苦労しており「雇用したくても求める人材がいない」状況であるのも事実。製造業から人が離れていく現状と合わせて、各社が人材の確保に四苦八苦しているのが製造業の実態なのです。
製造業の人手不足、技能実習をすぐにでも雇用したい実情
製造業が人手不足になる原因は何があるのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。
・製造業に対して悪い印象を持たれやすい
製造業は歴史が長く日本を代業する分野です。そのため、製造業の労働環境に対して悪い印象を持たれやすいのが人手不足を進めている一因と言えます。「残業時間が長いのではないか?」「古い企業体質でパワハラなどが存在するのではないか?」など、求職者が製造業に対して良いイメージを持たず、働きたいと思わないのが原因でしょう。たしかに一昔前は製造業にも前述の企業はあったかもしれません。しかし、現在は製造業の労働環境は改善され、企業によっては若い年齢層の雇用に成功しているケースも。今後は製造業全体にとって悪い印象を払拭する努力が必要となるでしょう。
・東京オリンピックによる需要拡大
東京オリンピックの開催が決定したのは2013年。以降2020年開催に向けて製造業の需要は大きく拡大しました。会場を建設するための部品やアスリートのトレーニング機材など、かつてない需要があり製造業の人材確保が急務となったのです。しかし、東京オリンピックは一時的なものであり、長期雇用を望む求職者のニーズにはマッチしないのが現状。東京オリンピックによって需要は拡大したものの、想定していた応募数には至らなかった経緯があります。
・政府による在宅勤務の後押し
現在は自宅でも作業可能な仕事内容が増えました。その理由のひとつに、政府が新型コロナウイルスの影響を考慮し、在宅勤務を後押ししている背景があります。在宅勤務が進めば当然製造業の技術職にも影響を及ぼし、より効率化を求める若い年代はIT企業やテレワーク可能な企業への就職を求めているのです。良くも悪くも若い世代は流行に乗りやすい傾向にありますので、製造業の技術職は今後時代の背景に飲まれてしまう可能性もあるでしょう。
技能実習「製造業」で外国人を受入可能な職種
製造業で技能実習生を雇用する際、受入可能な職種を確認しておく必要があります。具体的には以下の15職種になりますので、順番に見ていきましょう。
職種名 作業名 鋳造 鋳鉄鋳物鋳造 非鉄金属鋳物鋳造 鍛造 ハンマ型鋳造 プレス型鋳造 ダイカスト ホットチャンバダイカスト コールドチャンバダイカスト 機械加工 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ 金属プレス加工 金属プレス 鉄工 構造物鉄工 工場板金 機械板金 めっき 電気めっき 溶融亜鉛めっき アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理 仕上げ 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立て仕上げ 機械検査 機械検査 機械保全 機械系保全 電子機器組立て 電子機器組立て 電気機器組立て 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製作 プリント配線板製造 プリント配線板設計 プリント配線板製造 基本的には製造業の主要職種は上記に含まれており、大半の企業は該当するのではないでしょうか。しかし、採用に向けて準備を進めたものの、受入可能な職種ではないケースもあります。あらためて確認が必要です。
技能実習「製造業」で外国人を雇用する方法
製造業で外国人技能実習生を雇用する場合、一般的に「監理団体」を選び技能実習生の受入を代行してもらう「団体監理方式」を取る必要があります。監理団体とは、外国人技能実習生を受入れるために手続きや指導を全面サポートする非営利団体です。監理団体には中小企業団体・商工会議所・農業協同組合・職業訓練法人などがあり、監理団体として許可されている団体から選択する必要があります。選択し雇用する体制が整えば、日本在籍数に応じた「技能実習1~3号」と雇用関係が結べるのです。
また、団体監理方式の他にも「企業単独型」があり、企業単独型は海外に支店や関連企業があれば技能実習生の受入が可能となります。団体監理方式とは違い、間に団体を介さないため、ある程度情報が入った状態で雇用ができるのが最大のメリットです。しかし、海外に支店を持つ企業に限られ、資金豊富な大企業に制限されてしまうデメリットもあります。そのため、一般的には製造業で外国人技能実習生を雇用する場合は、団体監理方式を選択します。
技能実習「製造業」で外国人を雇用するメリット
製造業で外国人技能実習生を雇用する最大のメリットは、若い世代の雇用が見込める点です。前述のとおり、製造業は深刻な若年層離れが加速しています。若い世代はどの企業も求めているため、競争率が激しく獲得は容易ではありません。しかし、製造業で働く外国人技能実習生の大半は20~30代であり、企業が求める年齢層と合致しています。
加えて、外国人技能実習生は一般的には3年までしか日本で実習できませんが、技能実習3号や特定技能制度を利用すれば、さらに延長して雇用も可能です。技能実習生はモチベーションが高く知識吸収スピードが早いのが特徴。若い世代の日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあります。以上のように、製造業で外国人技能実習生を雇用するメリットは多く、人事戦略を変えるポイントとなりえるでしょう。さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は製造業で技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。技能実習生を雇用するには監理団体を選択し、所定の手続きを踏めば団体から技能実習生が派遣されます。技能実習生は多くの企業が望んでいる若い世代の雇用が可能となり、成長次第では若い日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあるのです。実際、技能実習生が業務の根幹を担っている企業があるのも事実。本記事をあらためて参考にし、製造業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。
閉じる- 2022.03.11技能実習「ビルクリーニング」|外国人を雇用するには?
目次
「ビルクリーニングで外国人技能実習生を雇用したいけど、基準や条件はある?」など、ビルクリーニングの技能実習の雇用について気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、ビルクリーニング業界の技能実習採用実績が増えており、自国のクリーニング技術発展に一役買っているのはもちろん、人手不足解消につながっています。そのため、ビルクリーニングにおける技能実習生の雇用方法について知れば、業務の効率化や業績向上につながるかもしれません。
この記事では、技術実習のビルクリーニングで外国人を雇用する方法を中心に解説していきます。技能実習「ビルクリーニング」の仕事内容とは?
毎日出勤するオフィスやプライベートで足を運ぶファッションビルはとても清潔に保たれているのではないでしょうか。
目に見えるきれいな外観を保ち気持ちよく生活ができるのは、ビルクリーニング作業員のおかげでと言っても過言ではありません。技能実習としても注目されているビルクリーニングの具体的な仕事内容は、ビルの共用部分の清掃が主な仕事です。通路・エントランス・トイレ・階段などを雑巾やモップ・スポンジなどで綺麗にしていきます。
また、ビルクリーニングには日常清掃の他にも、年に数回の「定期清掃」があります。
定期清掃は年末の大掃除に行われるケースが多く、ワックスがけなどの大掛かりな作業が一般的。
日常清掃よりもスケールが大きいですが、外国人技能実習生も定期清掃で活躍している会社もあります。ビルクリーニング業界は「人手不足」「高齢化」の状況
現在ビルクリーニング業界では深刻な人手不足と高齢化が進んでいます。実際、厚生労働省の「第1回ビルクリーニング分野特定技能協議会」によると、ビルクリーニングの有効求人倍率(平成29年度)は2.95に達しています。
数値の影響を受けて、今後5年間で37,000人のビルクリーニング作業員を増やす予定であり、外国人技能実習生の受入れが必要であるのも事実なのです。また、現在のビルクリーニング年齢層を見ると、従業員の65歳以上の高齢者が37.2%で従業員のうち70.9%が女性で占めています。
厚生労働省は今後さらに女性の雇用を積極的に進めると同時に、経験が浅い若年層が責任を持って働ける環境づくりを目指していくと発表されました。技能実習「ビルクリーニング」で外国人を雇用する方法
ビルクリーニングの技能実習生を雇用するためには条件を満たす必要があり、基準をクリアできれば雇用が成立します。技能実習生を採用するためには「企業単独型」と「団体管理型」があり、どちらかの条件に合致させる必要あります。
それぞれの詳細は以下のとおりです。企業単独型
企業単独型は海外に支店や関連企業があれば技能実習生の受入が可能となります。
自社と繋がりのある企業から技能実習生が派遣されるため、ある程度情報が入った状態で業務ができるのが最大のメリット。
企業と技能実習生の間で起こりやすいミスマッチを防げ、腰を据えて働いてくれるのが特徴です。しかし、企業単独型は海外に支店などがある企業に限定されるため、基本的には資金が豊富な大企業しか採用できないデメリットがあります。
また、後程紹介する団体管理型とは違い、入国手続きなども自分たちで行う必要があり、受入企業の業務が非効率であるのも念頭に置いておきましょう。団体監理型
団体管理型は企業単独型とは異なり、企業と技能実習生の間に商工会や事業協同組合などの利益を目的としない監理団体が入る形式です。
受入企業の大半が団体監理型である場合が多く、より一般的な形式と言えるでしょう。
監理団体とは受入企業の手続き代行や全面的なサポートを行っており、受入企業の負担が大幅に減るのもメリットになります。加えて、受入人数の緩和や配属に至るまでの日本語講習も行ってくれるのが特徴です。一方、デメリットは技能実習生雇用するまでに受入企業に情報は入ってくるものの、正確性に欠け、正式雇用まで信憑性が低い点。採用したものの、お互いにとってプラスにならないケースもありますので、雇用する際は情報収集を欠かさずに行っていきましょう。
また、受入企業は上記2つの方式からどちらかを選択するのと同時に、技能実習1~3号の技能実習生に対して厚生労働省が定めた該当の作業を必ず行う必要があります。
それぞれの作業内容について次から見ていきましょう。技能実習1号
作業の段取り
- 器具及び資材の取扱及び整備作業
- 什器及び備品等の取扱作業
クリーニング作業
- 資材の使い方を修得するための各種清掃作業の補助
ベッドメイク作業
- 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
※必要に応じて行う(必須ではない)
技能実習2号
作業の段取り
- 資機材(器具、資材及び機械)の取扱及び整備作業
- 什器及び備品等の取扱作業
クリーニング作業
- 日常清掃作業(トイレ日常清掃作業を除く)
ベッドメイク作業
- 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
※必要に応じて行う(必須ではない)
技能実習3号
作業の段取り
- 資機材の取扱及び整備作業
- 什器及び備品等の取扱作業
クリーニング作業
- 日常清掃作業(トイレ日常清掃作業を除く)
ベッドメイク作業
- 枕カバー・替えのシーツ・浴衣などの替え、準備
※必要に応じて行う(必須ではない)
受入企業は企業単独型と団体監理型を選択した上で、技能実習生1~3号に対して厚生労働省が指定した作業を行わなければいけません。
逆に言えば、以上の条件を満たせば技能実習生の雇用が可能となり、会社の発展に向けて重要な手段となるのです。技能実習「ビルクリーニング」で受入れるメリット
ビルクリーニングにおいて外国人を受入れる最大のメリットは企業の活性化が見込める点です。
日本人のみで構成された企業であれば、あらたな刺激が加わり既存社員のモチベーションアップにつながるでしょう。また、技能実習生は知識・スキルの吸収意欲が非常に高い傾向にあり、育成次第では大きな戦力になってくれる可能性もあります。
順調に育ってくれれば受入企業の採用戦略も大きく変わり、技能実習生の積極雇用に舵を切るケースも考えられます。
ビルクリーニング技能実習生の雇用は受入企業にとって大きなプラスとなり、業績アップが見込めるチャンスが広がっていくのです。おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回はビルクリーニングの外国人技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。外国人技能実習生を雇用するには、企業単独型と団体監理型を選択した上で、技能実習生1~3号に対して厚生労働省が指定した作業を行えば正式雇用となります。
今後5年間で37,000人のビルクリーニング作業員を増やす予定であるなど、政府が積極的にビルクリーニング外国人技能実習生を雇用する方向であるのも事実。
ビルクリーニング技能実習生の雇用は受入企業にとって大きなプラスとなります。企業の発展を進めるためにも、本記事をあらためて参考にし、ビルクリーニングの外国人技能実習生の雇用を進めていきましょう。
- 2022.03.04クーデター後のミャンマーの情勢の真実セミナー大公開
【3月14日更新】目次
大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。この記事では2021年10月6日に行った「クーデター後のミャンマーの情勢の真実」セミナーの内容をもとに、最新情報を記載しています。
クーデター後のミャンマーの現状、報道されない真実とは?
クーデターはなぜ起きたのか?
2021年2月1日にクーデターが起きました。
2020年11月にミャンマーで総選挙がありました。この総選挙でアウンサン・スー・チー率いるNLD(National League for Democracy)が大勝をしました。
しかし、軍の党であるUSDPは選挙に不正があったのではないかということを訴えていました。NLDはそれに対して中央選挙委員会もあったため、選挙に対する不正はないと、何も対応していませんでした。
2021年2月2日と3日に新たな国会が始まる予定で、その議員が首都のネピドーに集まっていました。USDPとしては、不正があったのにも関わらず、このまま何も対応せず国会を開くとは何事だと、2月1日にネピドーにいたアウンサン・スー・チー、それから大統領、何百人かいる議員の半分ぐらいを拘束し、事実上のクーデターということになりました。NLDとUSDPについて
- NLD(National League for Democracy)…スー・チーさん率いる党
- USDP(Union Solidarity and Development Party)…軍の人たちが中心となっている党
ミャンマーの歴史を振り返りますと、かつては軍がミャンマーを長く統治していました。しかし、2010年11月以降民主化が進み、経済は著しく発展しました。この2011年~2015年の間に、最もミャンマーが発展して、民主化も進んだと言われています。その時の政党はUSDPが実権を握っておりまして、軍出身のテイン・セインという方が大統領でした。テイン・セイン大統領はASEANの中でもミャンマーがどれだけ遅れているかということを認識し、ASEANの他の地域に早く追いつくようにといろいろな政策を実行していました。また軍出身の人ですが、民主化を進め、スー・チーさんともしっかり協力しながらやってきました。
2015年の選挙のときには、NLDが勝ち、ここからNLDの政治が始まりました。2015年以降、実は政策も失敗したり、貧困層が増えたりしました。民主化民主化と言っても、結局2015年以降は2011年から15年に比べると国の発展は鈍化しました。考え方にもよるのですが、USDPは、2011年~2015年の自分たちが実権を握っていたときの方がミャンマー発展したと、自信もあったと思うのですが、2020年11月の選挙ではNLDが大勝しました。このままNLDに任せていいのかっていう危機感もあれば、逆に、NLDがこのまま勢いに乗ってやっていくとUSDPの意見がないがしろにされるのではないかとかそういった危機感もあったのではないかというふうに言われています。
実際ミャンマーは2015年以降においてもUSDPという軍の党は25%の議席を占めていました。ですから軍の党がうんと言わないと何も始まらないのですが、2015年の選挙の後、NLDが軍の影響力をもっと少なくしていく憲法改正が行われることも予想されたと思います。あとはこのUSDPの国軍司令官である、ミン・アウン・フライン自身が大統領になりたいという野望もあったのではないかという、専門家の話もあります。そういった背景から、クーデターが起きてしまいました。クーデター後の人々の生活
クーデター後のミャンマーは、2021年2月3月は経済の動きがほとんど止まっていました。民衆は基本的に外出しない。外出する場合はデモに参加するといった日が多く、とにかく経済活動はほぼ止まっていました。企業も休業するところも多く、ミャンマーからの撤退も相次ぎました。稼動しているが、100%稼働ではなく、シフト制にして必要なときだけ仕事に行くような会社もありました。そうした点で、ミャンマー国内に失業者が増大したという現状があります。約100万人の失業者が新たに増えたのではないかと言われています。失業者が出るということは、貧困が増大することも意味していて、ミャンマーでは2019年の貧困率と比べて、約2倍になったという見方もあります。
4月以降人々の生活の活気さは戻ってきており、また夏以降は経済活動もかなりもどりつつあるという報告もありますが、中には撤退をしている欧米企業もあります。またプロジェクトが保留になっているケースもあります。経済が100%復活するにはまだまだ時間はかかりそうです。世界方の見方
クーデターが起きてしまったことで世界からの見方がかなり変わり、ミャンマーのランクがだいぶ下がりました。それによって通貨であるミャンマーチャット(MMK)が暴落しています。
通貨の暴落とその影響
ミャンマーは中国からの製品をはじめ海外製品に頼っている市場です。そのため、通貨の暴落に伴い、人々の生活の必需品、食品などの物価が上がってしまいました。通貨安、物価高、失業が増える、貧困層が増えるというダブルパンチ以上の状態で、今人々の生活は苦しくなる一方であることは間違いありません。
平穏なヤンゴン
日本で報道されているニュースを見ると、軍が民衆を抑圧している銃撃戦とか、煙が上がっている画像とか、デモで皆さんが行進している画像とかそういったものが今でも見かけられます。
しかし、実際のミャンマーのヤンゴンはかなり平穏で、クーデター以前の活気が戻っています。例えば、都心部は車で渋滞し、ショッピングモールには人がたくさんいます。人々が普段の生活に戻り、ショッピングも普通に行われています。若者は綺麗な洋服を着てデートしたり、家族で出かけたり、平穏なヤンゴンに戻っています。
秋ごろから、ヤンゴン市内においては、人々の生活、ショッピングモールの込み具合、交通渋滞はクーデター前にほぼ戻っています。SACとNUG
今ミャンマーは、国軍が設置したSAC(国家統治評議会)というところが統治しています。
一方で軍の統治に反発するNUG(国民統一政府)は、元NLDの出身の議員さんたちが集まって作られたもので、NUGの中にそれぞれ大臣、大統領、副大統領などを一応任命をして、臨時政府のようになっています。
見方によれば、この軍政府とNUG出身の国民統一政府がミャンマーを二重統治しているのではないかという見方もあるのですが、事実上、国を押さえているのは軍政府なので、二重統治と言っていいのかどうかには疑問があるところです。
ちなみにNUGの議員の中で任命された大臣の方たちは軍の政府から見ると、全員逮捕状が出ていて、身を隠して活動しています。例えば、FacebookなどのSNSを使って発表したり、他国にミャンマーの現状を訴えたり、我々が正しい政治の政府ですとZoomを使ってアピールしています。これらは架空の人物ではないのですが、身を隠して行動しています。
ミャンマーは元々135以上の民族がいる国家で、ビルマ族が約65%を占めます。それ以外は少数民族です。かつては少数民族とビルマ族の間でよく内戦がありました。クーデター前までにはその内戦もかなり収まりつつあったのですが、全てなくなっていたわけではありません。ロヒンギャ問題もその一つと言えるかもしれません。
そんな中でNUGはクーデター後、少数民族の人を巻き込んだ動きをしています。2021年9月7日には、国軍に対抗して緊急事態宣言を出して宣戦布告しますみたいなことをNUG副大統領が発表しました。これはどのような発表かと言いますと、「国民の皆さん、明日から仕事に行かなくていいです。ぜひこの内戦に参加してください。」みたいな感じでした。しかし一般の人がこのNUGの宣戦布告みたいな、緊急事態宣言に従っていることはほぼなく、NUGの中の大きな民族も我々はそれに参加しませんって言っているところもあれば、好き勝手やっていいですけど我々の統治している州には何もやらないでくださいとか、空回りしているように思われました。
ミャンマー国内では今も一部地域では小規模な爆発などが発生していますが、クーデター以前においても特に国境付近ではそのような突発的事件はよく発生していました。現在はヤンゴンなどの主要都市では普通の平穏な市民生活が営まれており、特に最大都市ヤンゴンは人々の活気がものすごくある街になっております。
その後、NUGと国軍の内紛がいくつかの地域で表面化しています。チン州、その後カレン州、カヤー州なので、国軍とNUG率いるPDF(人民防衛隊)との衝突により難民が増えて、インド、タイ国境に避難している人が増えている状態です。
国軍は、世界からの圧力もあってか、一方的に停戦を宣言していますが、現実は、一般民衆の家を焼いたり、空爆を落としたりしているようです。一方でPDF(人民防衛隊)も降伏しまいと、強気のようです。また国軍から脱退する兵士もでてきているようです。
このように、タイとの国境での内紛は長年続いてきた歴史からも、簡単には収束しないかと思われます。今後のミャンマー
しばらく政治の不安定は続くとは思います。しかし、人々の生活と経済活動はだいぶ復活しています。今回クーデターが発生してしまい、ミャンマー人の人たちは嫌な思いやいろんな思いはあると思うのですが、元々素晴らしい国民性を持った、仏教の教えに忠実に従うような人たちなので、今後、国の発展、復活が楽しみになってくる時期がまた来ると思っております。
国民の心
ミャンマー人の多くはNLDを率いているスー・チーさんは我が母という表現をするくらい、本当に全てというように思っています。今スー・チーさんは軍の政府から裁判をされています。いろんな容疑での逮捕状が出て、裁判が行われています。それに対してミャンマーの方々の多くは心を痛めていて、早くスー・チーさんを解放してほしいと思っていると思います。
そんな中でも民衆は、軍に対して何か抵抗するような行動をするとか、デモをするとかそういったことはあまりなく、軍に言われるように仕方なく従っています。でも心はスー・チーさんの解放とか民主化というのを願っている、そういった現実と気持ちのはざまの中で生活している人が多いと思います。ミャンマーに対して希望を失ったという人もいるのですが、やはり家族が大事、国が大事、やっぱり国のこと大好き、スー・チーさんが全てという考えが心の底にあります。ですから、ミャンマーがまた息を吹き替えして、再興を担う人材がミャンマーにはいるのではないかと思っております。クーデターの中でもがきながら、皆さんが頑張っている姿は本当に私も勇気づけられる部分がたくさんあります。クーデター後のミャンマーの現状
2021年2月1日 クーデター発生 2月3月 デモや混乱が続く 4月以降 デモなどは鎮静化 4月後半 人々の活発さが戻ってくる 4月20日 政府機関の公務員100%オフィス勤務再開 4月22日 MOEAF技能実習制度に関する推薦状が入手可能に 5月 インターネットの遮断が改善
パスポートの申請再開6月14日 ミャウダゴン講習が再開 技能実習制度から見ると、現在止まっているものはスマートカードの発行のみということでスマートカードの申請審査も進んでいるので、日本の外国人入国制限が解除されれば日本入国が可能になります。
実際に2021年11月8日に日本が外国人の入国緩和政策を発表した際は、ミャンマーでも実習生出国に向けての手続きが進みました。
クーデターという大きな政変の動きがありましたが、そんな中でも技能実習制度に関してはそこまでの影響は出ていないというのが現状です。あとは、日本が早く入国制限解除にならないかと待っていますが、入国制限解除後にたくさんの実習生がすぐに入国できるように我々も準備をしております。ミャンマーのコロナの状況について
- 3月7日 (20時) 現在、ミャンマー国内における感染者数は計599,619名、うち回復者549,153名、死亡者19,391名。
- ミャンマー国内全体では、2月に入りオミクロン株が急拡大し、2月25日には、新規感染者数は3,391名/日、陽性率は12.5%を記録したが、3月に入り、感染者数・陽性率ともに減少傾向にあり、3月1日~7日の1週間平均は1,700名、7.6%となっている。ヤンゴン市内では、2月25日には800名の新規感染が見つかったが、それ以降は2∼300名程度で推移している。
- まだまだ予断を許さない状況だが、ピークアウトに向かっているとの見解も出てきている。実際にヤンゴン市内の民間病院では、2月中旬はコロナ病棟の一般病床(ICU除く)はほぼ満床であったが、2月下旬以降は、空床が見られるようになってきた。
- ミャンマー国内では、既に中国製・インド製ワクチンのブースター接種を民間病院主導で開始している。交互接種を認めているクリニックも少なくなく、また、邦人も、当地でブースター接種を行うことが可能となっている。
COVID19患者入院患者数(又は空床数)推移 2022/01/24更新
医療機関 病床数 2021/08/23 2021/09/07 2021/09/20 2021/10/04 2021/11/04 2021/12/01 2022/01/07 2022/01/21 Yangon 私立医療機関 Pun Hlaing Hospital
※緊急時,事前連絡なしで救急外来受診可。67床
→9/7:26床に減
→11/4:19床に減空床3-4床 ※26床に減
空床3-4床19名 7名 ※19床に減
7名6名 19床(含ICU 4床)
8名(全員軽症)19床(含ICU 4床)
19名満床
※1/26~より隔離施設棟増床Dagon Medical Centre
※事前連絡要
09-985500098/99ICU/HUD 20床 空床あり 10名 10名未満 新規なし なし なし
※現在, ICU/ HDU改装中のため受入不可。患者減のため病棟閉鎖 ARYU
※事前情報申請(12項目)後,入院決定まで24時間かかる。44床(ICU 4床) 空床16床 15~20名 6名 7名 2名 ※45床(ICU 6床)
2名45床(ICU 6床)
1名45床(ICU 6床)
18名Academy
※緊急時, 朝6-20時に受診可。50床
→11/30: 10床に減満床 47名 35名 空床あり 空床あり ※10床に減
10名※軽症のみ受入可患者減のため病棟閉鎖 Asia Royal
※事前電話連絡要09-778352133
※日本人で入院希望の場合
Dr Su Naing (Manager for COVID admission) 09-797562223
Deposit 3,000,000 MMK (banktransfer OK)。2人まで付添い可
→入院期間中は自宅に戻れない。50床
→9/21:23床に減
→11/30: 20床keep未回答 空床あり ※23床に減
※後遺症患者受入可
10名5名 7名 ※20床keep
4名患者減のため病棟閉鎖 01/23~
20床再開SSC (Shaw Gon Daing Hospital)
※来院時, 事前連絡要40床
(酸素供給可 20床,酸素非供給 20床)空床
(酸素可2床,非供給5床)酸素供給病床に4名 5名 患者数減のためコロナ病棟閉鎖 Parami Hospital 8F
※来院時, 事前連絡要
※酸素吸入を要する人のみ入院可6床 空床あり 後遺症患者のみ
新規なし後遺症患者のみ
新規なしなし ※患者減のため、コロナ病床(8F)閉鎖
今後、患者増加あれば再開予定(外国人向け、家族数名で滞在できるbig room を9部屋確保)
Dr May Soe Tunに連絡要Victoria Hospital 5床(全て、酸素非供給,ICUなし)
→1/21, 25床に増なし ※超軽症患者のみ受入可(それ以外は、他院に紹介予定) 25床(軽症患者のみ受入れ可)
今後,中等度・重症受入れ準備中ShweLa Min-Lanmadaw 20部屋
max 30床(2~3人部屋含)30床満床 ShweLa Min-North Okkalapa 2名
空床4床Yangon 公立医療機関 NYGH(新ヤンゴン総合病院)
※緊急・PUI患者は来院可
(外出制限措置の為:6-22時)
※邦人は大使館より直接担当者に事前連絡が望ましい。
200床
→11/30: 30床に減40名 55名 約40名 30名 ※30床に減
数名入院30床
6名1/17 数名
(救援便陽性者は私立医療機関又はCOVIDセンターに収容)YGH(ヤンゴン総合病院)
※各タウンシップ保健局より紹介されたCOVID確定及びPUI患者のみ受入可
※非コロナ患者は直接来院可240床
ICUあり空床あり 100名 50名 患者数減のため入院受入れ停止
(PUI:保健局紹介患者のみ受診可)なし
(PUI陽性患者はWaibargi Hospに転院搬送。)
1/17 Waibargi Hosp なしマンダレー 私立医療機関 Mandalar Hospital
09-951064124(Covid center)
09-951064099
緊急時、受診可。可能であれば、事前連絡が望ましい。30床
ICU(2床)15名 7名 1/17の週から患者減のため病棟閉鎖 City Hospital
09-953071719
09-788472122
緊急時、受診可100床
ICU(7床)50名 30名 20名 マンダレー 公立医療機関 Kandawnadi Hospital 52床 NPT (公立医療機関のみコロナ受入れ) Nay Pyi Taw General Hospital
(1000 bedded Hospital)
緊急時、受診可150床
ICUあり不詳
(聴取困難)数名
(外国人受入れ可)不詳
(聴取困難)300 bedded Hospital
緊急時、受診可100 床
ICUあり不詳
(聴取困難)ミャンマー人のみ受入れ可
外国人受入れ不可Pubba Thiri 50床 Dekkina Thiri 50床 ARYU:事前に以下の12項目の情報提供を要し,入院可否が決定される。支払いは現金only。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者の退院要件について
2月10日付で、保健省より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性患者の退院要件を変更する旨が発表されました。
- ①無症状の患者(RDT 検査やPCR検査でCOVID-19陽性が確認された者)
(1)ワクチン接種が完了している場合
ア.リスク要因(併存症のある患者、高齢者(60歳超)、高齢者と居住している者、隔離施設のない自宅)なしの患者
(ア)陽性が確認されてから10日間、自宅隔離すること(施設隔離は不要)(注:従前は10日間の施設隔離)
イ.リスク要因(併存症のある患者、高齢者(60歳超)、高齢者と居住している者、隔離施設のない自宅)ありの患者
(ア)陽性が確認されてから5日間経過していること(注:従前は10日間)
(イ)退院後5日間、高性能マスクを着用すること(注:新規措置)(2)ワクチン接種が未了(規定回数の接種を完了していない)の場合
ア.陽性が確認されてから7日間経過していること(注:従前は10日間)
イ.退院後5日間、自宅隔離すること(注:新規措置)- ②軽度から中度の症状をもつ患者(RDT 検査やPCR検査でCOVID-19陽性が確認された者)
(1)ワクチン接種が完了している場合
ア.陽性が確認されてから7日間経過していること
(解熱後24時間かつ症状に臨床的改善が認められる場合に限る)
(注:従前は、症状の発生歴に信憑性がある場合、症状の発症後から10日間、 更に無症状の状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及びCOVID-19の他の症状がない状態)が 少なくとも1日間経過していること、症状の発生歴に信憑性がない場合、少なくとも11日間の入院を推奨)
イ.退院後5日間、高性能マスクを着用すること(注:新規措置)(2)ワクチン接種が未了(規定回数の接種を完了していない)の場合
ア.陽性が確認されてから11日間経過していること
(解熱後24時間かつ症状に 臨床的改善が認められる場合に限る)
(注:従前は、症状の発生歴に信憑性がある場合、 症状の発症後から10日間、更に無症状の状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及び COVID-19の他の症状がない状態)が少なくとも1日間経過していること、 症状の発生歴に信憑性がない場合、少なくとも11日間の入院を推奨)
イ.退院後5日間、自宅隔離すること(注:新規措置)- ③免疫力に極度の低下が見られる患者又は重症者
少なくとも21日間、入院すること
(注:従前は、症状の発症後から10日間、 更に無症状状態(解熱剤なしで発熱がなく、呼吸器関連及びCOVID-19の 他の症状がない状態)が少なくとも4日間経過していること、少なくとも20日間の入院を推奨)ミャンマーのワクチン接種
【ミャンマーで接種可能なワクチンの種類】
インド製 コバクシン、コビシールド 中国製 SINOVAC、SINOPHARM ロシア製 スプートニクV メインはやはりインド製と中国製になります。残念ながら、日本政府が認めているファイザー、アストラゼネガとかそういったワクチンに関しては、今ミャンマーでは接種ができない状態です。現状からいきますと、ミャンマーで接種した場合、日本のワクチンパスポートの対象としては難しいということになります。
最近では、日本財団がミャンマーに200万回分のワクチン、コバクシンを寄付するということが発表されました。国軍統制下の保健省への寄付ではなくて、ミャンマー赤十字を通して、少数民族地域に配布される予定とのことです。ミャンマー国内でのワクチンのブースター接種に関し、日本大使館より更新された民間病院名、料金等の情報
ミャンマー国内では、依然ワクチン接種率は周辺国に比べ低水準となっていますが、ミャンマー在留日本人に対して在ミャンマー日本大使館からブースター接種についての案内も出始めている状況です。
医療機関 ワクチン種類 外国人費用 ミャンマー人費用 証明書 Pun Hlaing International Hospital
(Address) Hlaing Thar YarSinopharm 45000 Ks
※1/17-2/8(割引期間)31000 Ks45000 Ks
※1/17-2/8(割引期間)31000 KsPun Hlaing certificate
(以前,他の種類のワクチンを接種している場合には,事前にPun Hliang に了解を得る必要あり)SML Medical &Diagnostic Center
(Address) 003-004 Dagon Tower Shwe Gone Daing, Bahan
(ワクチン接種はShwe Gone Daing RoadのVaccine Clinic 入り口を利用)COVAXIN 30 USD & 5000 Ks 18 USD & 5000Ks or
42000Ks(値上げ)SML certificate SOS Internatioanl Clinic
(Address) Inya Lake Hotel, Kaba Aye Pagoda RoadSinovac
Sinopharm
※COVAXINは1月末に入荷予定45 USD
※2回分接種は75USD45 USD
※2回分接種は75USDSOS certificate Grandhantha International Hospital
(Address) No. 3 Corner of Nar Nat Taw Street & Kyee Myin Daing Kan Nar road Kamaryut TownshipSinovac 35 USD 50000 Kts Grandhantha certificate
(2回接種完了QRコード付証明書を呈示できたミャンマー人のみ証明書発行。外国人には証明書発行未実施。)今後ミャンマー人材が有望
今後ミャンマー人がなぜ有望かというとミャンマー人の国民性、それから仏教国で仏教の深い教えが文化として根付いている、生活の一部になっている人がたくさんいるからです。
国民性としてすごく勤勉であり、家族思いである、こういった素晴らしい人材がミャンマーに元々たくさんいます。しかし今回のクーデターになってしまい貧困層が増える、仕事がない、稼げない、生活が苦しくなる一方ということで海外志向の若者が一気に増加してきております。
貧困層が増えることで家族のために何とかしたいミャンマー人の方は、だいたい家族と一緒に生活することが一番の幸せだって思っている人もたくさんいます。家族と一緒に生活できないのであれば、海外から仕事をしてちゃんと家族をサポートする、それが幸せの一部と思っている人が多いので、海外で働きたい若者が増加しています。また、家族も家族で今までは自分の子供は自分のところに置いてきたいという両親もいたと思うのですが、より一層今回のクーデターで子供が、息子娘が海外に行くことをより希望する、未来を作ってほしい、自分たちも助かるというような家族の考え方が変わってきていると見受けられます。ミャンマー人材がより有望になってきている、これからより有望なるというふうに考えております。なぜ今後のミャンマー人材が有望なのか
失業者の増大が大きな要因です。こちらに関しては職に就いている人だけではなくて、自営業でやっているような農村の方たちも物が売れないので、次にまく種が買えないという、本当に深刻な問題になっている農家さんが多いと聞いております。
それに伴って貧困層が増大しておりまして、1日1.9ドル以下で暮らす人口の割合が50%になって2019年の2倍になっています。これは統計から見てもすごい数字だと思いますので、本当に貧困層が一気に増えてきているというふうに考えます。
あとは通貨安です。クーデター前は1ドル=1300~1350チャットでしたが、クーデター後は1ドル=3000チャットまで暴落しました。今は少し戻り、1750-1800チャットということですが、クーデター前に比べ、すごく高い暴落率になっていますのでそれもあって、物価の上昇が進んでいます。このような状況だと、海外で働くことが、唯一の選択肢といいますか、家族を養うために家族の中で1人か2人海外で働かないと、家族の生活が厳しいっていう家庭も本当に増えてくると思いますので、海外で働くこと自体が加速する見込みというふうに考えています。
海外と言っても、やはり日本が一番人気なので、日本に行きたい人がより増えている、増えてきます。増えてくるのでその中でしっかりしたスクリーニングをすることでより良い人材を育成していくということが我々の任務となってくるというふうに思っています。
また業界により、外資企業が相次いて撤退している業界もあります。例えば縫製業界では工場撤退が相次いでおり、失業者が増えていますので、縫製経験者の技能実習生の雇用は今後有望と思われます。ミャンマー・ユニティの人材募集状況
人材募集の状況は、2021年2月3月はクーデターの影響で低迷していましたが、4月後半から募集活動を再開し、5月以降順調に集まっています。6月以降やはり日本で働きたい希望者がかなり増えており、特にミャンマーで絶大な信用があるNo.1送り出し機関のミャンマー・ユニティには応募者が殺到しています。
応募者だけ増えればいいかというとそういうわけではありません。真剣にミャンマーから日本に行きたいという人もいますが、単なる興味本位で登録する方もいます。日本以外の国の選択肢もあり、マレーシアや中東、アフリカなど、言葉ができなくても体一つあれば仕事が成り立つという国での仕事もあります。ただ、言語能力のない人が日本に来て仕事をすることはなかなか難しいと思うので、やはり将来の計画とか、日本語の学習能力意欲がある人というのを我々の方でしっかりスクリーニングをして、いい教育をしていく必要があると考えております。
また、我々はMJ Spaceという、無料で勉強できるオンラインサイトも提供しております。ミャンマーにはお金がなくて日本語学校に通えない方も多くいます。また日本語学校がない地域も多くあります。家族の面倒をみなければならない方、家の農業をしなければならないので家を離れられない方もたくさんいます。そんな方々にも等しく日本語を学ぶ機会を与えようという取り組みがMJ Spaceです。
MJ Spaceはミャンマー全土を対象とし、スマホさえあれば、いつでも、どこでも、誰でも、無料で日本語学習が可能です。
私たちはより良い人材を募集して、その人たちにより良い教育をしていく必要がありますので、我々の教育体制もさらに充実させていこうと考えております。おすすめ記事100万人のミャンマー人に日本語教育を!日本語無料オンライン教育『MJ Space』
ミャンマー・ユニティはポータルサイト『MJ Space』をオープンし、ミャンマー全土を対象とした日本語の無料オンライン教育をスタートいたしました。 『MJ Space』では、スマホ1つで学習が可能で、全ての機能が無料で使 […]
ミャンマー・ユニティのオンライン教育
ミャンマー・ユニティのオンライン教育の強み
- 一方的でではない走行向けのやりとりを重視
- 徹底的に見える化を意識した体制
- どんな状況下でも、企業理念「実習生のために」を実践
オンライン授業と聞くと、授業の内容をビデオで一方的に流しているとか、そういったことを想像される方もいらっしゃるかと思うのですが、我々はそういう授業ではなく、双方でやりとりできる授業を対話しながら、またその個人の実習生の状況に合わせながら、授業を進めています。オフラインの教室での教育と同等の教育を可能にしています。
実習生の能力とか、どこまで今進んだか、現状を把握するために毎日小テストをしたり、週末に確認試験をしたりすることでより現状を把握することができるので、かなり細かい指導を行っています。また、受け入れしていただく企業様、組合様と実習生で面談をしていただいたりして、より一層その実習生の現状を把握、そして実習生がモチベーション高く勉強して日本に行けるようにと考えてやっています。
教師の熱意、優しくも厳しくも、熱意を持って、担任の先生が授業にあたっています。どんなことがあっても信念を貫いて、各教師がどのようにしたらより良いオンライン授業が行えるか、実習生の立場に立って、ちゃんと良い授業ができているか、そのようなことを日々試行錯誤しながら行っています。さらに日本語だけでなく、健康管理とか宿題の出し方とか、そういったところも踏まえて、実習生の日本語力が、最大限伸ばせるように各先生が、いろいろと工夫しながらやっています。
オンライン授業の実施内容
月曜日から金曜日の8時~15時ということで、これは教室での授業と変わりありません。担任制度でやっていて、ひとクラス1名の担任の教師がおり、その担任の教師を軸にして授業を回します。
全クラス教室の授業は同じ進度で実施していて、こちらは教育部にあります事務課との事務スタッフが管理をしつつ実施しています。簡単な内容であれば1日1課、難しい内容のときは2日で1課をすすめるような進捗でやっていて、もちろんレベルごとに時間が違うのですが、N5コースでみんなの日本語初級1を使って300時間、N4コースはみんなの日本語初級2を使ってだいたい400時間以上やっています。
N3コースこれは介護の技能実習生のためですが、総まとめという教科書で700時間をやっています。一時期クーデターによるインターネット遮断の時期がありましたが、2021年6月10日から日本人の会話の授業もZOOMで再開をして、1日1コマは必ず日本人の先生と授業が受けられるようしています。使用するツール等はMessenger、Viber、ZOOMなどいろいろです。
ミャンマー・ユニティはオンラインでの教育のメリットを生かした教育をしております。一見オンラインだと実際の教室での授業と比べていろいろ劣る点があるのではないかと私も思っていたのですが、実はオンライン教育でのメリットもたくさんあります。
例えば、日本語で話すことはできても、書くことを苦手としていた実習生がオンライン教育になって、筆記でのやりとりが増えたのでより日本語が書けるになった、漢字が書けるようになった、綺麗な文字になったと感じます。
また電話での会話マナーの練習等もしていますので、普通の会話だけではなくて、電話での会話の仕方なども勉強できるようになり、メリットもすごく感じています。
また、オンライン授業では、皆さんが一生懸命聞こうとするので、入りやすい、より集中してできるようになったという先生の声もあります。そういった意味で、我々のオンライン授業はオンライン教育でのメリットも生かして、教室での授業と同じような進捗でより高い教育を目指したものをやっています。おすすめ記事非公開: ミャンマー・ユニティのオンライン教育について
ミャンマー・ユニティでは、新型コロナウィルス感染対策の一環として、ミャンマー政府からの休校措置解除後も、当面の間はオンライン教育を導入して運営いたします。 ミャンマー・ユニティのオンライン教育の強み ① 一方的ではない、 […]
Q&Aについて
- 現在政治的に混乱していると思いますが技能実習生をコンスタントに送り出すことは政治的、コロナの関係上可能でしょうか?
- ASEANの特使受け入れを国軍が否定されているようですが、政府行政の運営リスクが高い状態で、ミャンマー国民を国外に出す許可が取れるのでしょうか?ビザ取得関係と若干重複しますがこれについてもお答えください。
- クーデター後、現地経済状況、コロナウイルス対策事情で日本からミャンマーに出張することは可能でしょうか?
- ヤンゴン市内の往来等は時間経過とともに活気が戻ったとおっしゃっておられましたが、これらに対する情報取得やワクチン接種の状況等はどのような状況なのでしょうかまた未接種者の技能実習生候補者たちが優先接種できたりするのでしょうか?
- 日本がワクチンパスポートとして有効と言っているモデルナ、ファイザー、アストラゼネカは接種できないのが現状なのですが、どのワクチンでもいいから、とにかく、受け入れ企業が、今のうちから接種してくださいと頼んだ場合、有料でいつ受けられますか?
- ミャンマーとの取引は初めてですが、日本にいる駐在の存在とは役割について教えてください。
- 日本で実習期間が終了したがミャンマーに帰れない、日本でも仕事もないというようなミャンマー人は現在いるのでしょうか?
- 技能実習生の入国再開時期はいつ頃になると思われますか?
- 入国制限が解除になった場合日本から面接のためにヤンゴンに入ることが可能になりそうですか?
- ミャンマーにある日本語学校300個ぐらいあると思いますが機能していますか?
- 現在日本にいるミャンマー人から耳にしていることや、日本からの郵便、(EMS)が止まったままでは、説明を受けたような状況は、受け入れがたい。
- ミャンマー人は貧しいとのことですが実習生がミャンマー・ユニティに支払うお金はどのようにしているのですか?
- 介護の実技の学習はできない状況でしょうか?
現在ミャンマーでは技能実習制度に関して特に大きな影響が出ているところはありません。止まっているのはスマートカードの発行のみで、こちらは日本の入国制限が解除されるとともにスマートカード発行も始まるということなので、政治的混乱は見られますが、実習生をコンスタントに送り出すことは可能です。
実際に2021年11月8日に日本が外国人入国緩和を発表した後、ミャンマー労働省ではスマートカードの発行申請の準備が進んでおりました。ミャンマーというのは世界でも最貧国の一つで、今まで国軍が実権を握っていた過去も長年に渡ってあります。その頃から技能実習制度というのはありましたので、このまま今の状態でミャンマー国民を国外に出さないことは考えられません。逆に海外に出た人たちからの送金を外貨収入として期待しているという部分があります。
ビザ取得に関しては、日本側で在留資格認定証明書が発行され、日本が外国人の入国制限を会場すれば、ミャンマーにある日本の大使館でビザ申請・発行が再開されますのでこちらも問題ないと考えております。現在1,000人以上の日本入国待ちの技能実習生がいますが、すでに外国人実習機構から技能実習計画が許可されて、COE(在留資格認定証明書)が多数出ています。何も問題はないと思います。
実際に2021年11月には、在ミャンマー日本大使館において、ビザ発給のための予約をとることができました。現状ミャンマーに旅客機、乗客を乗せたフライトの着陸が禁止されています。これはコロナ禍が始まって以来長く続いているのですが、毎月延長延長ということで、2022年1月31日まで延長されています。今後オミクロン株の蔓延により今後も延長されることが予想されます。ですから、一般の方が出張ということでミャンマーに入国するのは現時点では難しいです。現地で駐在事務所とか会社がある方で、日本人の駐在員を送りたい方は政府の特別枠で入国することは一応できますが、ミャンマーに会社がない方は出張としては現状難しい状態です。
現在、ミャンマーにおいては希望すればワクチン接種が容易にできます。
ミャンマー国内では、依然ワクチン接種率は周辺国に比べ低水準となっているが、既にブースター接種の動きも出てきています。例えば、パンライン病院からは、2回目接種から4~6か月経過した場合、ブースター接種可能ということで、既にシノファーム製ワクチンのブースター接種案内が届いています。但し、MoHとして、1回目接種率を如何に引き上げるかに注力しており(年内に18歳以上人口の50%が目標)、ブースター接種に関する制度設計が出来ていないため、現時点では正式なワクチン証明書(ブースター接種含む)を発行することは出来ないとのことである。
2022年1月17日の情報ですと、パンラインではブースター接種の価格が発表され予約が可能となりました。現在、ミャンマーにおいては希望すればワクチン接種が容易にできます。
受け入れ企業様は今のうちからワクチン接種してくださいお金を払いますというふうにはっきりと言っていただければと思います。日本に駐在している営業部というものと、それから実習生指導部というものがあります。営業部は、組合様とのやりとり、面接までの書類をいただいたり、面接の日程を調整したり、いろんなご質問に回答させていただいたり営業活動をしています。
それから実習生指導部という、ミャンマー人の指導部のスタッフがおりまして、この指導部は基本的に通訳をしたり、必要なときに企業さんに一緒に同行させていただいたり、あとは入国した後の何かの講習でサポートさせていただいたり、それから簡単な資料を翻訳させていただいたり多岐にわたり、業務があります。重要なこととしまして、企業様や組合様からの依頼がなくても、定期的に実習生に我々の方から連絡をして、問題の早期発見とそれに伴ってミャンマー側のスタッフと連携をして家族に連絡をするというようなこともしています。現在、海外に帰れない技能実習生、修了者がものすごくたくさん日本にいまして、その方々に日本政府は特定活動という特別な在留資格を与えて、就労可能な状態にしております。
そういった方々はいるのですが、紹介してくださいと言われても、なかなか難易度は高いです。現在技能実習修了者を雇いたいっていう人が日本にたくさんいて、奪い合い状態になっております。なぜかというと、技能実習生の入国が禁止されているので、人手が足りないっていう方々がたくさんいて、実習修了者が奪い合い状態なのでご紹介してくださいと言われてもなかなか見つからないというのが現状でございます。特に人手不足が顕著な地方については、やはり技能実習3年経験者は都会での就労を望む傾向があるため、なかなか見つけるのは難しいというのが現状ではないかと思います。オミクロン株蔓延状況の中で予想は難しい状況です。
しばらく、難しいです。我々の面接は、リアルの面接よりも質の高いオンライン面接というのを実現できておりますので、わざわざものすごいお金を使って、1週間ぐらい棒に振って、ミャンマーに面接のために来られるというようなことは、もう今や必要になくなった時代だというふうに思うので、後は、状況を考えて、判断いただければというふうに考えております。
私達が知るところによりますと、最近また再開したっていう学校が多いかと思います。ただし、もう一旦閉めますっていう学校もありますのでその学校によるかと思いますが、経済活動を再開しておりますので、再開している学校がだいぶ増えてきたっていうような認識でおります。
ミャンマー人の方たちは自分の国で起きていることなので、やっぱりその客観的な見方っていうのはできないと思います。そういった在日のミャンマー人の方の意見や話も事実だと思います。
それぞれ置かれた立場が違うと思いますので一概には言えないですが、我々の会社はすでにほぼ100%稼働しております。現状その実習生を送るための準備等も、先スマートカード発行以外も再開しています。実際に募集のための人材登録が増えているっていうのも事実ですので受け入れがたいっていうご意見に関して、それはそれで尊重させていただくしかないかなと思います。
EMSはもう全然止まっておりません。2021年3月終わりくらいには再開していて、EMSが止まっていた時期は確かに1ヶ月半か2ヶ月ぐらいありましたが、別のOCSという、全日空さん経由の便で書類等送っておりましてこちら問題なく到着しておりました。今はDHLも可能ですので、EMSがなくても、OCSで輸送もできておりました。ミャンマーでは実習生からいただくサービス料が2800ドル上限と決まっております。我々も2800ドルをいただいておりまして、それ以外にそれ以上のものは規定に反しますので貰っておりません。
しかし2800ドルはミャンマー人には結構な金額になります。ただし今報道されているようなタイとか逃げている難民の人とかそういう人ではない一般的な人に関してはだいたい家族とか親戚から集めたりして半分または半分以上それで支払いしてあとは借りて払ったりとかそういった形をとっている実習生がほとんどです。
実習生は日本に行ってから、だいたい3ヶ月から4ヶ月で親戚とか知人から借りたお金っていうのを返す人が多いというふうに把握しております。2800ドルは32万円ぐらいでございますが、32万円という費用は日本に入国してからですと、比較的容易に支払える額だということでございますので、あまり他の国のようにとんでもない借金を抱えてというようなことにはならないという状態だと思います。介護の授業はオンラインで今現在おこなっております。座学でできる部分は座学でカバーをしておりますが、実際の実技、シーツを交換して、オムツを交換して、そういった実技については現状できておりません。ただし入国が決まりましたら、最後にヤンゴンに来て、実技をやって出国するような形で考えています。
但し、ミャンマー政府の規制で、コロナ感染対策で学校を開けてはいけない、人を集めてはいけないというような指示がある場合は、介護事業者様それぞれに、ご意見をお伺いして対処策を考えるしかないと思っております。- 2022.02.23技能実習「惣菜」|外国人を惣菜製造業で雇用するには?
目次
「食品製造業の『惣菜』で技能実習生を受け入れをしたいけど、なにか条件はあるの?」など、食品製造業の惣菜部門での技能実習生について気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、日本の食品製造業において確かな惣菜加工技術を学び、自国の技術発展への貢献を目的に惣菜部門で多数の外国人が働いているのも事実。そのため、惣菜部門での技能実習生雇用について知れば、業務がより効率的にまわるかもしれません。
この記事では、食品製造業の惣菜部門での技能実習生雇用を中心に解説していきます。2015年より技能実習制度に「惣菜」が追加
現在は外国人労働者の姿を目にする機会が以前と比べて格段に増えてきました。
食品製造業の惣菜部門においても例外ではなく、スーパーなどで調理場を覗くと外国人が真剣に働いています。それもそのはず。食品製造業では2015年に厚生労働省より「惣菜製造業」が正式に追加されました。
企業の労働力確保と同時に、人材送り出し国の食品製造における加工技術の発展に貢献する理由から技能実習制度に惣菜部門が新たに加わったのです。食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用する方法
惣菜製造業において、やみくもに技能実習生を雇用できるかと言われればそうではありません。
実は、雇用の為には技能実習1~3号別に審査基準が設けられ、基準を満たしてはじめて採用が可能になります。
そのため、雇用を希望する企業は審査基準を把握しておく必要があるのです。実際に技能実習1~3号別の審査基準について見ていきますが、その前に技能実習1~3号について簡単に解説していきます。
技能実習1~3号とは?
技能実習1号
技能実習1号は日本の技術を学ぶために来日した外国人の中でも、入国1年目に該当する外国人を指します。
実習可能な対象職種の制限がなく、幅広く実習可能な点も特徴的。また、技能実習1号の実習期間は原則1年ではありますが、期間満了前の対象試験に合格すれば技能実習2号の在留資格が得られます。
技能実習2号
技能実習2号は実習2、3年目に該当する外国人であり、技能実習1号で学んだ知識を更に磨いてスキルアップを目指す資格です。
実習2、3年目は日本文化にも慣れてきて、より実習に集中できる環境が整います。技能実習生が大きく成長する時期でもありますので、雇用企業は指導にさらなる力を入れていくといいでしょう。また、3年の実習期間が終了すると一旦帰国した後、技能実習3号への実技試験があります。
技能実習2号への試験同様、対象試験に合格すれば技能実習3の在留資格が得られるのです。技能実習3号
技能実習3号は4、5年目に該当する外国人であり、技能実習3号へのハイレベルな実技試験に合格したものを指します。
また、監理団体及び実習実施者による一定の明確な条件を満たし優良であると認められた外国人が対象です。
4年目に突入すると日本語も流ちょうに話せ、企業の戦力として欠かせない存在になっている外国人も多いのではないでしょうか。
上手く活用して企業の売上に貢献してもらう会社も多いです。技能実習は最長5年の為、技能実習3号で終了となります。
以下、技能実習1~3号を雇用するための必須業務です。
技能実習1号
①下処理作業
- 1. 食材の選別及び
- 2. 食材の皮むき及びカット作業
②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。
1. 加熱調理
(炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
- 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
- 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 1-3. 調理及び加熱温度測定作
2. 非加熱調理(合える(和える))
- 2-1. 食材の計量作業
- 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 2-3. 調理状態確認作業
③衛生管理作業
- 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
- 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業
技能実習2号
①下処理作業
- 1. 食材の選別及び
- 2. 食材の皮むき及びカット作業
②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。
1. 加熱調理
(炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
- 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
- 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 1-3. 調理及び加熱温度測定作業
- 1-4. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
- 1-5. 調理製品の確認作業
2. 非加熱調理(合える(和える))
- 2-1. 食材の計量作業
- 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 2-3. 調理状態確認作業
- 2-4. 殺菌、洗浄、水切り作業
- 2-5. 成型及び整え作業
- 2-6. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
③衛生管理作業
- 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
- 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業
技能実習3号
①下処理作業
- 1. 食材の選別及び
- 2. 食材の皮むき及びカット作業
②調理作業1・2の双方、又はいずれかを標準作業書どおりに行う。
1. 加熱調理
(炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
- 1-1. 食材(下処理済)の準備作業
- 1-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 1-3. 調理及び加熱温度測定作業
- 1-4. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
- 1-5. 調理製品の確認作業
- 1-6. 上記 1-4に関する品質管理基準に沿ったHACCPシステムに基づく基準逸脱是正措置(※)作業
- 1-7. 上記 1-1~1-5に係る指導
2. 非加熱調理(合える(和える))
- 2-1. 食材の計量作業
- 2-2. 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 2-3. 調理状態確認作業
- 2-4. 殺菌、洗浄、水切り作業
- 2-5. 成型及び整え作業
- 2-6. 品質管理基準に沿ったHACCPシステムにもとづく温度管理作業
- 2-7. 上記 2-6に関する品質管理基準に沿ったHACCPシステムに基づく基準逸脱是正措置(※)作業
- 2-8. 上記 2-1~2-6に係る指導
※是正措置とは、品質管理基準に満たない製品に仕上がった場合に、是正マニュアルに示された改善の微調整(是正措置)の判断をし、品質管理基準を満たす製品に仕上げるように調整する作業のことをいう(是正マニュアルとは是正措置を行なう範囲を示すもので、標準作業書とは異なる)。
③衛生管理作業
- 1. 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
- 2. 洗浄、消毒及び殺菌作業
- 3. 上記 1、2に係る指導
安全衛生作業
安全衛生作業は技能実習1~3号すべてに該当します。
各作業は以下になります。①安全衛生
- 雇入れ時等の安全衛生教育
- 作業開始前の安全確認
- 惣菜製造業職種に必要な整理整頓
- 惣菜製造業職種の調理用機械設備等及び周囲の安全確認
- 衛生保護着等の着用と服装の安全点検
- 安全装置の使用等による安全な作業
- 労働衛生上の有害性を防止するための作業
- 異常時の応急措置を修得するための作業
- 惣菜加工作業における事故・疾病予防に係る安全衛生
②食品衛生
- 作業者の衛生管理
- 調理器具の衛生維持
- 製造用機器等の衛生維持
- 作業終了時の作業場の清掃等による衛生維持
上記、基本的な作業となるため、多くの企業はクリアできる基準となります。そのため、積極的に技能実習生の雇用に踏み切ってもいいでしょう。
食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するメリット
食品製造の惣菜において技能実習生が就労するメリットは、企業にも実習生にもメリットがあります。
企業側の最大のメリットは人材の確保です。例えば、スーパーの総菜部は離職率が高く、人材が定着しにくいのが特徴。女性比率が高く、結婚や出産で離職を余儀なくされる方が多いのも理由の一つと言えるでしょう。
技能実習生であれば、上手くいけば長期雇用が見込め、総菜部の根幹を担える素材に成長が見込めます。また、技能実習生にとっても、世界が誇る日本の総菜加工技術を自国に持ち込めるメリットがあるのです。
学んだ技術を最大限に活かせれば、会社に貢献できるだけでなく仕事の幅が広がっていきます。以上のように、食品製造の惣菜において技能実習生が就労するのはメリットが多く、雇用する価値が十分にあるのです。
食品製造「惣菜」で技能実習生を雇用するデメリット
一方で、デメリットも存在します。
1つ目に技能実習生は惣菜製造業の技能実習評価試験(初級・専門級・上級)に合格する必要があります。
試験は学科試験と実技試験の2つの構成となっており、両方の合格が必要となります。
不合格となった場合、一度だけ再試験を受けることができますが、再試験も不合格だった場合、再々受験はできません。
しかし、合格基準は決して高いわけではないため、十分に準備をしておけば問題ありません。2つ目は追加されてまだ間もない制度であるため、制度の内容が変更する可能性が非常に高いです。
直近では2021年6月1日に食品衛生法に基づく営業許可制度が新しくなったため、惣菜製造業種の審査基準が変更されています。
また、制度に関する情報やノウハウもまだ多くないため、常に最新の情報を収集する必要があります。さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回は惣菜製造業における技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。食品製造業では日本の食品製造における加工技術の発展を目的に、2015年に厚生労働省より「惣菜製造業」が正式に追加されました。
雇用方法は技能実習1~3号別に審査基準が設けられ、それぞれ項目をクリアすれば雇用が認められます。
技能実習生は育成次第では長期雇用が見込め、総菜部の根幹を担える素材に成長が見込めるのです。また、技能実習生にとっても、世界が誇る日本の総菜加工技術を自国に持ち込めるメリットがあり、企業・技能実習生双方に利点があります。
本記事をあらためて参考にし、総菜製造業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。- 2022.02.23技能実習3年終了後|特定技能?技能実習3号?どちらにすべきか制度の違いを解説
世界一の少子高齢化がさらに進行する日本。
労働人口(生産年齢人口)も劇的に減少しており、これからの日本は労働力不足に悩まされることが確実です。
対策として、日本政府は2019年4月より特定技能制度が発足させ、人手不足の14業種に対して在留資格「特定技能」での外国人労働者の雇用を認めました。
ところが新型コロナウイルスの蔓延もあり、外国人の入国制限(いわゆる水際対策)が長く続けられ、特定技能外国人の新規入国は止まっています。
結果、技能実習からの在留資格変更による特定技能労働者がほとんどとなっているのが現状です。
技能実習とは国際貢献を目的とした、技能移転の制度です。
途上国から技能実習生を受け入れて、途上国の発展に寄与するために、日本で高度な技能を学んで(実習して)技術を祖国に持ち帰っていただこうという制度です。
しかし、特定技能制度の創設により、技能実習生が3年で帰国せずに特定技能労働者としてさらに日本で働き続けることが可能となり、技能実習の国際貢献という側面はさらに形骸化してきたと言っても言い過ぎではないでしょう。
今回は、3年で帰国しないで国内に在留する技能実習生が増える中、4年目以降の在留資格変更は特定技能にするべきか、それとも技能実習3号にするべきか、以下で徹底解説してまいります。目次
- 技能実習3号のメリット・デメリット
- 技能実習生がたった3年で帰国するのは大変もったいないこと
- 当初3年を超えて受け入れるにはこれしかなかったこと
- 優良要件を失う可能性があること
- 職務の自由度が少ないこと
- (監理団体は)管理費収入が確実に得られること
- 転職されないこと
- 特定技能のメリット・デメリット
- 外国人にとって自由度が高く、外国人に人気があること
- 職務に制限が少なく、企業側の自由度も上がること
- 企業の管理費コストが下がること
- (監理団体は)収入が減ること
- (監理団体は)他の仲介会社に仕事を奪われてしまう可能性があること
- 転職されてしまう可能性があること
- 技能実習3号と特定技能の比較表
- まとめ
技能実習3号のメリット・デメリット
技能実習3号のメリット~その1
技能実習生が3年で帰国するのは大変もったいない
2017年11月、技能実習法(正式名:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の制定により、技能実習3号が新しく創設されました。
技能実習3号が創設された理由は、ズバリ「技能実習生がたった3年で帰国するのは大変もったいないから」です。
せっかく3年間も徹底して教育し、結果、技術や経験を習得した技能実習生が3年で帰国しなければならない。
代わりとして新しく雇用する技能実習生には、また振り出しからいろいろと教えなければならない。
これは受入企業にとっては、かなり深刻な問題でした。
技能実習生が3年で帰国するのはもったいない!!という声が大きかったことから技能実習3号が設けられたと言っても過言ではないと思います。当初3年を超えて受け入れるにはこれしかなかったこと
技能実習3号の制度は、優良な監理団体が仲介し、優良な実習実施者(つまり受入れ企業)が技能実習生を引き続き受け入れたいのであれば、技能試験や優良とされるポイントなどとても高いハードルの条件を満たしたした監理団体と実習実施者にだけ技能実習3号を許すという制度です。
制定当初は、技能実習生に4年以上働いてもらうためにはこの技能実習3号しか制度がありませんでした。また優良認定されるポイントもそんなに厳しくありませんでした。技能実習3号のデメリット
優良要件を失う可能性があること
しかし、特定技能制度が創設された後、優良と認定されるポイント制度が改悪され(とても厳しくなり)、技能実習3号のメリットは激減してしまいました。
むやみに技能実習3号を受け入れると、逆にせっかく得ていたポイントを失ってしまうことになりかねないのです。
監理団体のリスク
むやみに技能実習3号を受け入れると、監理団体は優良要件を剥奪され、一般監理事業から特定監理事業に格下げの憂き目にあいかねません。
監理団体事業において、一般監理事業なのか特定監理事業なのかは、生死をわけると言っていいほど重要なことです。
一般監理事業は優良監理団体とも呼ばれ、信用度が高い。
一方で特定監理事業は優良ではないので、信用度が低いわけです。
むやみに技能実習3号を受け入れると、優良要件を剥奪され、一般監理事業から特定監理事業に格下げされる可能性が高くなるので、正直言って、技能実習3号の受入れはおすすめできません。実習実施者(受け入れ企業)のリスク
実習実施者についてもほぼ同様です。
せっかく優良な実習実施者に認定され、技能実習3号の受け入れをやっていたとしても、優良要件が厳しくなったため、今後は優良資格を失う可能性があります。
技能実習3号受け入れをしている実習実施者が優良資格を剥奪されると後は悲惨です。
技能実習生は他の優良実習実施者に移籍をしてもらわなければなりません。
働き手を失った企業はもっと困ることでしょう。職務の自由度が少ないこと
技能実習3号は、外国人技能実習機構によって認められた技能実習計画に基づき、法令を遵守して行う必要があり、外国人に任せる職務や作業がかなり限定されています。
これに違反した場合は、とても重い罰を受けることになります。
外国人技能実習機構により違反の事実が公表され、技能実習が禁止されることもあります。
また監理団体許可が取り消される原因にもなります。
ですから、とても厳格な職務の管理(実習の管理)が必要になります。
技能実習3号はとても自由度が低いと言えます。技能実習3号のメリット~その2
(監理団体は)管理費収入が確実に得られること
しかしながら、現在においても監理団体にとって技能実習3号のメリットもあります。 まず、監理団体が管理費収入が確実に得られることです。
特定技能においては監理団体が対応する義務も少なくなることから、管理費収入が減ってしまう傾向があり、収入の多寡という面においては、技能実習3号のメリットになります。転職されないこと
もうひとつ、技能実習3号のメリットがあります。
それは転職されないということです。
これは色々と苦労をする監理団体と実習実施者(受け入れ企業)にとっては、他に代えがたい大きなメリットとなっています。特定技能のメリット・デメリット
逆に特定技能のメリットもいくつかあります。
特定技能のメリット
外国人にとって自由度が高く、外国人に人気があること
特定技能は原則として転職可能です。
技能実習は、技能実習計画認定を受けた実習実施者でなければ実習できず、原則として転職が認められていません。
どんなに嫌なことがあっても、理不尽なことがあっても、転職の自由がない技能実習制度は、職業選択の自由を定めた日本国憲法違反であるとか、現代の奴隷制度だと批判される理由がここにあります。職務に制限が少なく、企業側の自由度も上がること
前述のように技能実習3号は、外国人技能実習機構によって認められた技能実習計画に基づき、法令を遵守して行う必要があり、外国人に任せる職務、作業に限りがあります。
一方、特定技能においては、受け入れ企業側の自由度は格段に上がります。
特定技能による就労において、全く制限がないわけではありませんが、外国人に任せられる職務・作業の範囲が劇的に広くなり、ほぼ日本人職員と同様の仕事を任せられるようになります。
法令違反で処罰される可能性も技能実習よりはかなり低いので、企業にとってはとても安心と言えるでしょう。企業の管理費コストが下がること
特定技能は技能実習に比べて制限が少ないことから、監理団体や登録支援機関に支払うコストも少なくなります。
特定技能外国人の受け入れを自社で直接行う場合(外部の登録支援機関を使わない場合)は更にコストが下がります。
しかし、特定技能にも支援体制の整備の義務はあります。特定技能のデメリット
(監理団体は)収入が減ること
監理団体は技能実習3号にくらべて特定技能では収入が減ってしまいます。
理由は前述のとおりです。(監理団体は)他の仲介会社に仕事を奪われてしまう可能性があること
技能実習3号は基本的には技能実習1号、2号の継続案件として、同じ企業、同じ監理団体で実施されることがほとんどです。
つまり技能実習3号に移行する場合は、監理団体は監理の仕事を維持できることになります。
しかし、特定技能に移行する場合はそうではありません。
特定技能の場合、外国人は就職先として他の企業を選ぶことができます。
また受け入れ企業も他の登録支援機関を選ぶことができます。また企業は自前で特定技能外国人を受け入れる(登録支援機関を使わない)こともできます。
ですから、技能実習2号から特定技能への移行は、監理団体にとっては仕事を失う可能性があるわけです。転職されてしまう可能性があること
前述の通り、技能実習は原則として転職ができません。
特定技能は原則として転職ができます。
全く転職が自由自在というわけではありませんが、転職される可能性があるわけです。
さまざまな苦労をし、手間をかけ、費用もかけた受け入れ企業にとって、従業員の転職はあまりにも耐え難いことであり、これを強烈なデメリットと捉える企業も少なくありません。技能実習3号と特定技能の比較表
一般職種の比較表
技能実習2号から上位資格へ移行する際の比較 技能実習3号 特定技能 在留期間 2年(資格変更の場合一時帰国の期間を除いて2年) 5年 帰国期間 1ヶ月以上 帰国の規定なし 脱退一時金
(年金)2号修了して退職し3号で再入国する場合
→帰国し3年分の申請 、3号修了後帰国し2年分の申請
資格変更の場合は、3号修了して帰国後に5年分申請帰国したタイミングで申請。帰国前に転出すること。
遡って申請できるのが5年前までなので還付手続きのタイミングに注意が必要。手続きにかかる時間 機構申請後約1~2ヶ月、入管申請後約1ヶ月 入管申請後約1~3ヶ月
建設職種の場合、国土交通省の許可も必要な為、6か月前の申請が好ましい技能水準 無し 2号満了していれば免除 日本語要件、水準 なし 2号満了していれば免除 支援する団体 監理団体 登録支援機関 人数枠 常勤職員人数による 建設職種の場合、常勤人数によって受入人数異なる 家族帯同 不可 不可 転籍・転職 原則不可
※実習実施者の倒産、やむ負えない場合や2号から3号への移行時は転籍可能同一の業務区分内、または試験によりその技能の水準の共通性が確認されている業務区分において転職可能。 入国・帰国費用 実習実施者負担 入国費用のみ実習実施者負担 宿舎 1名当たり4.5㎡。宿舎の用意、敷金礼金等は実習実施者負担 7.5㎡ 実習生から引き続き住む場合4.5㎡で可
技能実習時の宿泊施設から引越したい場合、特定技能外国人に費用負担させてもいい給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 毎月かかる費用 監理団体監理費:30,000円/人/月
※3名受入の場合
送り出し管理費:登録支援機関支援費:25,000円/人/月 その他費用 実習生総合保険2年分 15,940円
随時2級または上級試験受験料
入管への手続き費用特定技能外国人総合保険 任意
入管への手続き費用
初期費用 50,000円/人
出入国在留管理庁申請料他 100,000円/人
建設職種の場合JACに支払う費用その他必要な手続等 3号修了時に随時2級・上級試験の受検 3時間以上の特定技能外国人への各種説明 日誌の記入 入管に申請する書類の準備(公的機関発行書類含む) 実施状況報告書の提出(年に1回) 各分野の協議会への加入(雇用後4ヶ月以内に) 入管へ3ヶ月に1度提出する書類の作成(勤怠・賃金) 変更事項は1ヶ月以内にOTITに届出 変更事項は2週間以内に入管に届出 介護職種の比較表
技能実習2号から上位資格へ移行する際の比較 技能実習3号 特定技能1号 在留期間 2年(資格変更の場合一時帰国の期間を除いて2年) 5年 帰国期間 1ヶ月以上(コロナ禍で帰国できない場合を除く) 帰国の規定なし 手続きにかかる時間 機構申請後約1~2ヶ月、入管申請後約1ヶ月 入管申請後約1~3ヶ月 技能水準 随時3級の実技試験に合格する必要がある 技能実習2号を満了していれば免除 日本語要件、水準 介護の場合N3合格 2号満了していれば免除 支援する団体 監理団体 登録支援機関 人数枠 常勤介護職員の総数に応じた人数 常勤介護職員の総数を超えない人数 家族帯同 不可 不可 転籍・転職 原則不可
※実習実施者の倒産、やむ負えない場合や2号から3号への移行時は転籍可能同一の業務区分内、または試験によりその技能の水準の共通性が確認されている業務区分において転職可能。 入国・帰国費用 実習実施者負担 入国費用のみ実習実施者負担 宿舎 1名当たり4.5㎡。宿舎の用意、敷金礼金等は実習実施者負担 7.5㎡ 実習生から引き続き住む場合4.5㎡で可
技能実習時の宿泊施設から引越したい場合、特定技能外国人に費用負担させてもいい給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 同程度の職務経験のある日本人職員と同等の給与 その他必要な手続等 技能実習3号修了時に随時2級・上級試験の受検 3時間以上の特定技能外国人への各種説明 日誌の記入 入管に申請する書類の準備(公的機関発行書類含む) 実施状況報告書の提出(年に1回) 各分野の協議会への加入(雇用後4ヶ月以内に) 3ヶ月に1度の監査 入管へ3ヶ月に1度提出する書類の作成(勤怠・賃金) 変更事項は1ヶ月以内にOTITに届出 変更事項は2週間以内に入管に届出 脱退一時金(年金) 技能実習2号を修了して退職し3号で再入国する場合
→帰国し3年分の申請 、3号修了後帰国し2年分の申請
資格変更の場合は、3号修了して帰国後に5年分申請帰国したタイミングで申請。帰国前に転出すること。
遡って申請できるのが5年前までなので還付手続きのタイミングに注意が必要。毎月かかる費用 監理団体監理費:40,000円/人/月※3名受入の場合
送り出し管理費:登録支援機関支援費:25,000円/人/月 その他費用 実習生総合保険2年分 15,940円
上級試験受験料
入管への手続き費用特定技能外国人総合保険 任意
入管への手続き費用
初期費用 50,000円/人
出入国在留管理庁申請料他 100,000円/人この記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?
在留資格「特定技能」が創設され、企業と外国人の選択肢は格段に上がりました。
しかし在留資格の制度はとても情報が多く、難解なものであり、技能実習3年終了後に特定技能で受け入れるべきか、技能実習3号にするべきかについては、ひとことで言い表せない複雑さがありますので、今回それぞれの特徴を徹底的に解説いたしました。
監理団体の皆様も、受け入れ企業の皆様も、特定技能、技能実習3号それぞれのメリットとデメリットをよくご理解の上、状況に応じた適切な受け入れのご判断、ご相談いただければ、このコラムを精魂込めて書き上げた甲斐が、私にもございます。
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- 2022.02.22特定技能「介護」|外国人を介護業界で採用するには?
目次
介護業界の人手不足
世界でも最先端の超高齢化社会の日本を生きる私たちです。多くの人々が介護の問題に直面します。高齢のご両親が、最愛の配偶者が、やがて自分自身が…。立場や状況はそれぞれ違いますが、介護という厳しい現実と向き合わねばならぬ日が必ずやってきます。
そんな中、介護業界ではサービスが続けられない事業所や、ベッドが空いているにもかかわらず長年の入居待ちを出してしまう施設が、珍しくありません。これは、すべて介護士の不足に起因するものです。
2021年7月に厚生労働省が公表した介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によると、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人を追加で確保する必要があるとされました。2019年の厚生労働省老健局の報告によると、2018年の介護関係の有効求人倍率は3.95で、年々上昇し続けています。公共財団法人介護労働安定センターの調査によると、7割近くの介護施設が慢性的に介護士の不足を感じており、そのうち実に9割が「採用が困難である」と答えています。
この人手不足の原因には、労働条件の悪さなどがあり、処遇を改善することも大切です。しかし、実はもっとも根本的な問題は、少子高齢化が進んでいることです。日本は介護だけではなく、様々な業種において、労働人口の減少という言う問題に直面しているのです。
働き手である15歳から64歳までの生産年齢の人口は、1995年の8,717万人をピークに、2013年には7,883万人、2030年には6,773万人に減少すると予測されています。このような中で、介護業界は、他の業種と人材獲得競争を繰り広げねばならない厳しい状況です。慢性的な人手不足解消の対策
日本人人材の確保がますます難しくなる今後の状況を考えると、現実的な対策として、外国人労働者の活用以外に解決の手立てはないのではないでしょうか。実際、急速なグローバル化に伴って、外国人を受け入れる動きは介護業界にも拡大しています。
日本とインドネシア、フィリピン及びベトナムとの間で締結されたEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア人・フィリピン人・ベトナム人看護師・介護福祉士候補者の受入れが開始しました。インドネシアからの受入れは平成20年度、フィリピンからの受入れは平成21年度、ベトナムからの受入れは平成26年度からそれぞれ行っております。
さらに平成29年から、技能実習に介護も加わると、一気に外国人人材を活用する施設が増えました。現在、外国人人材の受け入れを検討中の事業者も多いと耳にします。
では、いったい受け入れ側は、事前にどのような準備が必要なのでしょうか。介護の場合は、製造業などと違い、人を相手にする仕事です。安全な介護技術はもちろん、様々な性格の方に対応できる柔軟さ、ホスピタリティ、人間力が問われる仕事です。それは、一朝一夕にできるものではなく、育成やチームワークを通して培っていくしかないとか思われます。それには、現在現場で活躍している日本人スタッフの深い理解と、協力が何より大切です。そのような体制作りができてから、外国人人材を迎えることが望まれます。
介護業界は、海外に進出する企業のようにグローバルな視点にたち、人材育成と、国際交流に努めていかねばならないのではないでしょうか。今までの介護分野での外国人の受け入れ方法と問題点
介護分野ではこれまでに「EPA」、在留資格「介護」、「技能実習」という3つの在留資格に基づいて外国の人材の受け入れを行ってきました。従来の制度の問題点を考えてみました。
「EPA介護福祉士(候補者)」
経済活動の連携協定であるEPAにより、インドネシア/フィリピン/ベトナム3カ国から介護職員を受け入れようという制度です。日本語能力はN3~N5でよいのですが、母国で介護や看護の学習経験・資格が必要です。
【問題点】 受け入れ機関への要件が厳しく(常勤介護職員の4割以上が介護福祉士有資格者であること、適切な研修体制を確保すること等)、中小の介護事業者にとっては、ハードルが高いようです。在留資格「介護」
在留資格「介護」は平成29年度に創設された比較的新しい制度で、介護福祉士の国家資格を持つ外国人が介護施設などとの契約に基づいて業務に従事する際にこの資格が与えられます。通例はまず「留学」の在留資格で入国して介護福祉士養成学校で2年以上学び、国家試験に合格したのちに「介護」の在留資格に切り替えて従事することになります。
【問題点】 直接海外から留学で介護福祉士養成の専門学校に入る場合は、N2以上の日本語能力を取得していることが求められます。まずは日本語学校に留学し日本語を学んだ後、専門学校に通うというのが標準的なコースになると考えられます。その場合、学費だけでも3年間(日本語学校1年・専門学校2年)で、200万円以上かかり、経済的負担が大きすぎるので、現状では数が少ないです。技能実習「介護」
日本で各種技能を学び、母国で役立ててもらうための制度です。入国時、日本語能力N4が必須で、1~2年ごとの介護関連の試験を受けてパスすれば最長で5年の雇用が認められます。協同組合や商工会などの監理団体を通じて、技能実習生を受け入れています。平成29年に技能実習に介護が追加されてから、この制度を使って、外国人人材を採用しよう考える事業者が大幅に増加しています。
【問題点】技能実習制度そのものが、我が国の人手不足を補うためのものではなく、あくまでも研修であるというところに大きな矛盾があります。介護に関しては、今のところ目立った問題は起きていませんが、他の業種においては、職場放棄し失踪したケースや、窃盗などのニュースをにぎわすような実習生の犯罪が頻発しています。背景には、低賃金、長時間労働といった実習生を追い詰める問題があると推測されています。技能実習生制度そのものを見直す時期が来ているという識者の声も数多くあります。特定技能「介護」
介護の仕事に関連する外国人雇用制度のなかで、最も新しいのがこの在留資格「特定技能1号」をもつ外国人の雇用です。2019年4月から始まりました。
特定技能1号とは、日本語能力や介護に関するテストを受験し、必要な水準を満たしていることが確認されれば最大5年間の就労が可能です。
雇用する際は、認定を受けた登録支援機関のフォローを受ける事もできます。 技能実習のように教育を目的としたものではありませんし、「EPA」や在留資格「介護」のように国家資格の取得・所持を要件としたり、就学・研修期間を設けたりはしていません。介護現場の人材不足を補うために即戦力となる人材を求める制度です。また、この制度は働く側にとっても、メリットが大きいです。労働契約で、日本人と同等、もしくはそれ以上の報酬額を設定、労働時間・有給休暇などについて適切な契約内容にしなければいけないとなっています。同じ業種であれば、転職も認められています。
しかし、現状進捗が遅れているのも事実です。介護は5年間で6万人受け入れ予定ですが、初年度はわずか56人と大きく出遅れています。2020年末時点でも939人にとどまっており、目標と大きく乖離している現状です。実際、介護分野で働いている人はEPAからの切替えがほとんどです。コロナウイルス感染症の影響も大きく受けていますが、受け入れ側と求職者のマッチングがうまくいっていない部分が大きいです。
これらの要素が解消された時、制度的には圧倒的に制限が少なく、さらに費用負担も少ない特定技能が介護業界では一気に広まっていくと思われます。特定技能介護外国人の受け入れ要件
特定技能介護が受け入れられる対象施設
特定技能介護は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、特定介護福祉施設、グループホーム、通所介護事業所(デイサービス)などの介護の業務を行う事業所での受け入れが可能です。但し、訪問系サービスでは特定技能外国人の受け入れはできません。
雇用形態は直接雇用のみ
特定技能介護として雇用できるのは直接雇用のみです。
派遣社員や短期勤務、アルバイトとして雇用することはできません。
また、フルタイムでの雇用が条件なのも注意が必要です。給料は日本人の同等以上
特定技能介護の外国人への給料は、同じ業務に従事する日本人社員と同等以上を支払うことが条件です。
業務内容は身体介護と支援業務がメイン
特定技能介護が従事できるの大きく分けて、身体介護業務と支援業務がメインです。
身体介護業務の主な業務は入浴、食事、排泄介助などで、支援業務の主な業務はレクリエーションや機能訓練補助などです。
上記に付随する業務に従事することも可能ですが、付随する業務を主な業務と働かせることは禁止です。受け入れ人数の上限と期間
特定技能の受け入れの人数は日本人等の常勤介護職員の人数以下という決まりがあります。
この日本人等の常勤介護職員には、技能実習生、EPA、介護福祉候補者、留学生は含まれません。特定技能1号が働ける期間は最大5年間です。
介護分野は特定技能2号は認められていないため、最大5年間になります。特定技能「介護」の在留資格取得の要件
特定技能外国人が日本で就労するには4つの方法があります。それぞれの特長を紹介します。
試験に合格する
特定技能外国人が日本で就労するためには、試験に合格する方法があります。試験には「介護技能評価試験」と「日本語試験」、 そして「介護日本語評価試験」があり、これら3つの試験に合格すると特定技能1号の在留資格が取得できます。。日本語試験は、 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上のどちらかに合格する必要があります。
試験の概要、試験問題や申し込み方法などの詳しい情報についてはこちらの記事【特定技能介護|試験合格が必要。勉強の方法は?】をご確認ください。介護分野の技能実習2号を修了する
介護分野で技能実習2号を修了すれば、前述の試験なしで特定技能1号の在留資格が得られます。 技能実習2号の修了条件は技能実習を2年10か月以上修了し、所定の試験に合格するか現場管理者の評価が一定以上なされた場合に該当します。
EPA介護福祉士候補者として在留期間満了(4年間)の方
特定技能1号の在留資格はEPA介護福祉士候補者としての在留期間満了した方も得られます。
介護福祉士養成施設を修了する
介護福祉士養成施設を修了した外国人も特定技能1号の在留資格を得られます。
特定技能介護の外国人の受け入れの注意点
特定技能外国人への就労・生活支援が必要
特定技能の外国人を受け入れた場合、外国人が仕事面も生活面においても安定的にかつ円滑に行えるように10項目の支援が求められています。
10項目の支援についてはいくつか人材派遣会社などがサポートしてくれることもあります。
また特定技能外国人を受け入れる際は、出入国管理庁に支援項目に対して計画を記載して、提出し、実施することが求められます。
1.特定技能外国人への事前ガイダンス
2.出入国する際の送迎
3.住居探し支援
4.生活オリエンテーションの実施
5.公的手続等への同行、各種行政手続きについての情報提供と支援
6.日本語習得の支援
7.相談・苦情に対する対応
8.日本人との交流促進支援
9.非自発的離職時の転職支援
10.定期的な面談・行政機関への通報特定技能介護の協議会の加入
初めて特定技能外国人を雇用する事業所は、受け入れ後4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」の加入が必要です。
特定技能1号外国人を雇用する場合の費用相場は?
特定技能外国人への給料は、日本人社員と同等以上を支払うことが条件としてあります。
そのほか、在留資格申請費用や登録支援機関への支援委託料などを合わせると給料以外に年間で30万から50万円ぐらいかかります。介護業界で外国人を雇用するためのまとめ
介護業界の人手不足は、もう待ったなしの状況まで来ています。少子高齢化は 改善するどころかますます加速しています。そんな中、一筋の光明が外国人人材の活用です。
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今までにあった「EPA」は、3か国のみからの受け入れであり、技能実習「介護」は、労働ビザではなく、あくまでも国際貢献のための教育というものでした。
今般の「特定技能」の在留資格創設により、介護分野における相当程度な知識・技能を有する外国人労働者の受け入れができるようになりました。
現在は、コロナウイルス感染症による入国制限や、広報の遅れ、求職者とのマッチングの問題等で、特定技能はまだあまり活用されていませんが、今後はこの制度の利用が一気に広まっていくものと考えられます。
ただ、どのように整った制度ができても、それだけでは、問題は解決しません。受け入れる事業所の人材育成や、快適な労働環境を整えることが求められます。ひいては、介護業界 日本社会全体が、外国人人材にとって、働きやすく、住みやすい環境にならなければならないのではないかと思います。
先進国の多くが 我が国のように少子高齢化の時代を迎え、介護人材の確保をアジアに目を向けていると聞きます。良い人材は、より好条件で住みやすい国に流れてしまうでしょう。日本が選ばれる国になるには、どうすればいいのか考える時代を迎えているのではないでしょうか。- 2022.02.21外国人 介護福祉士|受入れのための制度と注意点
2005年以降、日本は世界高齢化ランキングで1位をとり続けています。
今後さらに少子高齢化に拍車がかかるなか、医療と並び不安視されている業界が介護業界です。特に介護事業者の皆さまにおいては、介護福祉士の確保に悩まれている方も多いのではないでしょうか?
即戦力として、または将来の管理職候補として、国家資格取得者の採用は重要だといえます。そして国内人材が減少するなか、注目を集めているのが外国人人材です。
また、外国人材の中でも介護福祉士であれば勤務年数に期限はなく、また勤務開始後すぐに配置基準への算入が可能です。本記事では外国人介護福祉士を受入れるための制度と注意点をご紹介します。
人材不足にお困りの方、またすでに外国人介護福祉士の採用を検討している方にとって有意義な内容となっています。ぜひご一読ください。目次
1. 外国人介護福祉士の受入れについて
人材不足に悩む事業者の皆さまにとって、外国人の介護福祉士を採用することは非常に効果的です。日本人以外に採用対象者を広げるため、採用できるチャンスが増えることはもちろんですが、その他に次の2つのメリットがあります。
永続的に勤務が可能
国家資格「介護福祉士」を取得していない外国人介護士は、国内滞在中に国家試験に合格できなければ、就労期間は10年が最長です。一方、国家資格を取得している外国人介護福祉士は労働可能な期間に限りがありません。
資格未取得の外国人介護士を採用したのち、試験不合格によって人員が減ってしまうとなれば一苦労です。資格をすでに取得している外国人介護士を採用することで、および今雇用している外国人介護士に国家資格「介護福祉士」を取得してもらうことで、こうした問題やリスクを回避できます。配置基準に即算入が可能
介護技能実習生を採用する場合、6ヶ月間、人員配置基準に含めることができません。
一方、国家資格「介護福祉士」を取得している場合、勤務開始直後から介護報酬上の配置基準に算入できます。
例外として2019年4月から始まった特定技能制度では、資格未取得者でも採用直後から配置基準に算入が可能です。ただし特定技能制度の場合、勤務開始から6ヶ月間は他の日本人とチームで行動しケアが必要です。
このため、コストなしで配置基準に即算入するためには、介護福祉士を採用する方法しかありません。すでに国家試験「介護福祉士」に合格している外国人を受入れるためには、在留資格「介護」をもつ外国人を採用する、または今雇用している外国人介護士に国家資格「介護福祉士」を取得してもらう必要があります。
次からは、外国人介護福祉士を受入れるための制度について、注意点とあわせて具体的に紹介します。2. 在留資格「介護」の制度と注意点
2-1. 在留資格「介護」とは?
在留資格「介護」は2017年9月に施行された制度です。介護福祉士試験に合格することが前提となっており、外国人介護人材の在留資格において、最もハードルが高いものになっています。そのため、在留資格の更新回数に制限がないほか、外国人の家族も帯同が可能になるメリットがあります。
在留資格「介護」を取得するための方法は、「養成施設ルート」と「実務経験ルート」の2通りがあります。
養成施設ルート
「養成施設ルート」とは、外国人留学生が日本の介護福祉士養成校を卒業し、国家試験に合格することで、在留資格「留学」から在留資格「介護」に移行する方法です。具体的な流れは次の通りです。
- 外国人留学生として入国
- 介護福祉士養成校にて修学(2年以上)
- 介護福祉士試験に合格※ただし経過措置として2026年度卒業までは、試験不合格の場合でも5年間実務に従事することで介護福祉士の資格取得が可能です。
- 介護事業所に就職
在留資格「介護」のポイントは、介護福祉士資格を有する以外にも、高い日本語能力が見込める点にあります。一般的な養成校の入学要件は、日本語能力試験N2以上の合格であるためです。
資格を保有するだけでなく高い日本語能力も兼ねているため、まさに即戦力となり得るでしょう。
実務経験ルート
「実務経験ルート」では、従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日時540日以上の実務経験と、実務者研修の修了が必須とされています。
具体的には、3-2. 技能実習・特定技能制度で説明いたします。
2-2. 在留資格「介護」の注意点
一方で、在留資格「介護」制度を活用した外国人介護福祉士の受入れについて、注意すべき点もあります。
在留資格「介護」の制度においては、外国人留学生と事業者の皆さまをつなぐ受入れ調整機関が存在しません。このため、採用活動を事業者自ら行うことが必要です。
外国人留学生の採用活動といっても、何から手をつけるべきか迷われると思います。
まずは外国人採用を積極的に検討していることを周辺の養成校に連絡することから始めましょう。同時に、外国人を積極採用していることが伝わる求人募集広告を出すこともおすすめです。留学生のなかには事業所へ直接応募する方もいるため、求人広告を見て留学生から連絡をしてくる可能性もあります。
介護福祉士養成校に入学する外国人留学生は年々増加しており、令和2年度には2,395人となっています。また、国も奨学金制度を整備するなど受入れ推進を図っています。
これを機会に、ぜひ在留資格「介護」取得者の受入れを検討してみてください。3. 将来的に介護福祉士資格取得が見込める制度
ここまで外国人介護福祉士を受入れるための制度と注意点について紹介してきました。しかし介護福祉士の人数も限られており、資格保有者を採用することは簡単ではありません。かけたコストが無駄になってしまうことも考えられます。
そのため次からは、国家資格を将来的に取得する可能性がある外国人の受入れについて解説していきます。どの制度も即座に介護福祉士になれるものではありませんが、国の制度であるため即戦力としての技能をもった方の採用につながります。
ぜひ参考ください。3-1. EPA制度
EPAとは「経済連携協定」の略で、国家間経済活動の連携を強化する目的があります。
このため、一定以上の技能をもつ外国人が日本語研修を受けて入国します。対象となる外国人は母国にて看護系の学校をすでに卒業している、または母国政府によって介護士認定されている方です。
入国から4年目に介護福祉士試験を受験し、合格すれば就労期間の制限がなくなります。
不合格の際は帰国しなくてはなりませんが、本制度における外国人は介護福祉士資格の取得を目的として来日しています。
そのため、試験合格の可能性は高いと考えられます。EPAの注意点として、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国からの受入れのみという点があります。毎年の受入れ上限が各国300名ずつと限られており、全ての事業者が採用できるとは限らない点に留意してください。
また、勤務開始から6ヶ月間は配置基準に含むことができない点も注意が必要です(日本語能力試験N2取得者は除きます)。
採用にあたっては、公益社団法人国際厚生事業団が唯一の受入れ調整機関として機能しています。在留資格「介護」と異なり、外国人と事業者のマッチングについて支援を相談できます。
試験について
筆記試験と実技試験があります。
筆記試験に関しては、日本語のハンディを考慮して、試験時間が1.5倍に延長されます。また、漢字にはふりがなが付記されています。
実技試験は、「実務者研修」や「介護技術講習会」を受講することによって免除できます。とは言え、時間やお金の面だけでなく、研修が受けられる施設までの移動が難しかったりしますので、受講するのはごく一部で、実技試験を受ける方が多いようです。3-2. 技能実習・特定技能制度
次に紹介する制度は技能実習制度と特定技能制度です。どちらも介護福祉士資格を未取得の状態で国内勤務ができる制度です。特定技能「介護」外国人は、日本滞在中に介護福祉士試験に合格しない場合、最長5年間の就労となります。介護技能実習生は、日本滞在中に介護福祉士試験に合格しない場合、通常3年、最長で5年の実習ですが、3年経過後に特定技能に資格変更が可能で、追加して5年の就労が可能です。
技能実習制度であれば、入国から3年後と5年後に実務者研修の修了後であれば介護福祉士試験の受験資格が得られます。合格した場合、在留資格「介護」を取得でき、永続的に勤務が可能となります。
特定技能制度も同様に、国内での就労が3年以上であれば実務者研修の修了後に国家試験の受験資格が得られます。合格した場合、同じく在留資格「介護」に移行することが可能です。
これらのように、国内での実務経験を経たうえで在留資格「介護」を取得する方法が、在留資格「介護」取得の2つ目の方法である「実務経験ルート」です。
事業者の皆さまにもし時間的余裕があれば、将来的に介護福祉士を目指す人材として、技能実習生や特定技能外国人の受入れから始めることがおすすめです。
特に特定技能制度は2019年に開始された最新の制度であり、事業者の皆さまと特定技能外国人の支援制度が整っています。外国人受入れ時から就労中の生活まで支援できる、登録支援機関が国内に多数存在しているためです。
試験について
筆記試験のみです。実技試験は、免除になります。
EPA介護福祉士候補者と違い、試験時間は、日本人と同じです。
希望すれば、漢字に、ふりがなが付記されている問題用紙が配布されます。4.外国人の試験合格状況について
最新(令和2年度)の情報によると、EPA介護福祉士候補者の受験者数は対前年度比195人増の953人でした。
合格者数は440人です。合格率は46.2%となっています。
日本人も含めた全体の合格率は71.0%です。今回の結果で、注目すべきがベトナム人の合格率の高さです。164人の合格者を出していて、合格率は92.1%となっています。インドネシアは146人で、36.5%、フィリピンは130人で34.7%でした。
なぜ、介護に関するEPA制度の歴史が一番浅い、ベトナムが高い合格率を誇ったのか、その点に注目すれば試験に合格するヒントがあるのではないかと思い探ってみました。ベトナムは、訪日前の日本語研修が12か月と、他の2国の2倍です。また、日本語能力試験N3取得が要件となっており、他の2国のN5とは全く違います。
N3は日常会話がある程度理解でき、漢字も600字前後わかる必要があります。
N5は、できるだけわかりやすい日本語を使えば、ある程度理解できるレベルで、一般の人の話を聞き取ったりするのは難しいです。漢字は100字程度です。介護福祉士試験は、筆記試験と技能試験ですが、技能試験に関しては、EPAで受験する場合だけです。3年間に身に着いたスキルで十分対応可能だと思います。
問題は、筆記試験です。筆記は、漢字、語彙力、読解力がものを言います。
漢字は読み方も大切ですが、意味がわかることが試験の際は重要なのです。ですから、ふりがなが付記されているからと言って、一般の日本人もわからないような専門用語を除いて、特段有利になるとは思えません。
職場で、毎日の聞き取りや会話を通して、日本語はだんだん上達するでしょう。しかし、漢字や語彙、読解力は、トレーニングでしか身に付きません。
今、非漢字圏の学生のための英語やベトナム語、インドネシア語等の訳がついた漢字や語彙のテキストがあります。練習帳もセットになっていて、無理なく自習できます。
時折、職員が誤った書き方をしていないかチェックしてあげれば、より正しく学習できます。
問題を読み取らなければならない筆記試験には、漢字力をつけさせスムーズに文章を読めるようになることが大切です。
その上で、参考書や過去問集を使い、知識を蓄え、問題を解く力を向上させるのです。介護福祉士試験は、他の国家士試験と比べると、実務経験者に有利に作られていると言われています。安全で、信頼関係を築けるような介護をするための基本的な知識を問う問題がほとんどです。漢字力が身に付き、読むことがスムーズになれば、決して難解な試験ではありません。
5. まとめ
本記事では外国人介護福祉士の受入れ制度について、基本事項と注意点をご紹介しました。ポイントは次のとおりです。
- 外国人介護福祉士の受入れについては、調整機関が存在しないため事業者自ら採用活動を行うことが必要。
- 外国人介護福祉士を受入れるためには、まず周辺の介護福祉士養成校に問い合わせすることから始める。
- 数年間就労したのちに介護福祉士になる人材の受入れであれば、「EPA」「技能実習」「特定技能」といった制度の活用がおすすめ。
介護福祉士の採用が急ぎ必要であれば、在留資格「介護」を取得している外国人留学生の採用に的を絞りましょう。逆に時間に余裕があるのであれば、他の「EPA」「技能実習」「特定技能」についても検討してみてはいかがでしょうか。
皆さまの事業発展に少しでも寄与できれば幸いです。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。出典
- 2022.02.21外国人介護職|採用のコツと成功事例は?
目次
成功事例、失敗事例
外国人介護職の受け入れには、4つの方法がありますが、EPA外国人介護福祉士候補者以外は、まだ制度が始まったばかりです。新型コロナウイルスの影響で入国が遅れている外国人介護士も多く、5年10年と就労し、施設のかなめとなって働いてくれている人材は、まだこれからです。
一番多い技能実習生
外国人介護士の人数で最も多いのは技能実習生です。外国人介護士受入れが可能な4つの在留資格のうち、技能実習は一番ハードルが低く現実的なシステムです。
他の在留資格と比べてハードルが低い理由は、以下の通りです。・介護施設の費用負担が少ない
・日本語要件が日本語能力試験(JLPT)N4でよい
・日本語能力試験(JLPT)以外の試験合格要件がない
・送り出し国が限られていない結果として2020年3月時点で8,967人の介護技能実習生が日本に在留しています。技能実習生を採用した多くの介護事業者が順調に運用しており、ほとんどが成功事例と言えます。
EPAの例
EPAで来日し介護福祉士を取得、あるいは特定介護に切り替えて、継続して就労している人たち、こういった人たちはまさしく成功事例でしょう。
しかし、EPA人材の中には介護福祉士を取得しても帰国する人もいます。なぜでしょうか。実は、職場への不満のためといった受け入れ側との関係の問題ではなく、自国でいい仕事につける目途が立ったということが多いのです。
例えば、インドネシアでは看護大学を卒業し、日本語もできるようになった彼らは、まさしくエリートです。帰国後、通訳や外国人を対象にした病院で働くこともできます。このように国や地域によりますが、近年経済発展を遂げ、女性の活躍の場が広がったところでは、帰国の道を選ぶという選択も出てきています。 こういったケースは、はたして失敗事例でしょうか。もちろん、彼らの養成や職場での定着に税金も投入されたことや、事業所の教育に費やした時間や努力も鑑みれば、せっかく介護福祉士のレベルまで育てた上での帰国には、問題がないとは言えません。しかし、4年間職場に貢献し、日本側での育成によりキャリアアップして、母国へ帰ったのです。一口に失敗事例とは言えないのではないでしょうか。外国人介護職受入れの目的の明確化が必要
まずは、自社の外国人材を受け入れる目的を認識する必要があります。ただ単に、人手不足を解消したいというだけでは、採用の時どんな制度を選べばいいか、どんな育成をしていけばいいかも、場当たり的であいまいになってしまいます。
一定期間一生懸命働いてくれたらいいのか、いずれは介護福祉士を取得して施設の中核をなす人材になってほしいのか、事前に事業所の現状と将来を見据えて考えておくことが大切です。
事業所によっては、毎年新しい実習生が入ってくるシステムを構築し、最長3年で帰国しても、成功していると言える場合もあります。また、3年就労の後、介護福祉士取得まで育成した介護士が、より条件の良い職場に転職されたら、失敗と言わざるを得ない場合もあると思います。外国人介護職受入れが可能な4つの在留資格
外国人介護職員の受入れには、下記の4つの方法があります。
EPA(経済連携協定)に 基づく外国人介護福祉士候補者
フィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国より、看護系学校の 卒業生または母国政府より介護士に認定されている者を受け入れています。介護福祉士取得後は、永続的な就労が可能です。取得できなかった場合も、一定の条件で「特定技能」に移行可能です。
在留資格「介護」
介護士を養成する専門学校を出るか、今後は技能実習や特定技能から移行した者になります。介護福祉士を持っています。永続的な就労が可能です。また、法人、事業所への要件は特にありません。
技能実習
技能実習生は送出国で同種の業務経験があるか、訓練を受けています。 実務要件等を満たせば、介護福祉士国家 試験受験可能です。技能実習での在留期間は最長5年ですが、 介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更し、永続的な就労可能です。 3年目まで修了すれ ば「特定技能」に必要な試験を免除されます。特定技能へ移行することにより、さらに5年就労できます。
【現状】介護職種の技能実習計画の申請件 数は、令和 2 年 1 月末現在で 10,225 件と なっています。そのうち 8,652 件の認定が 出ておりますが、新型コロナウイルスの影響を受け、 来日が遅れています。
特定技能1号「介護」
介護技能評価試験・ 介護日本語評価試験(国内外で実施)に合格しなければなりません。また、国際交流基金日本語 基礎テストの合格、 またはJLPT(日本語能力試験) N4 以上の取得も求められます。特定技能1号の在留期間は最長5年ですが、介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更し、永続的な就労可能です。
【現状】特定技能制度は平成 31 年 4 月から施行されました。令和 2 年 2 月末までに介護技能評価試験、 介護日本語評価試験の合格者数は、それぞれ 2,382 人、2,411 人となっており、 今後、特定技能 1 号の本格的な受入れが始まる見込みです。
※このほか、日本人配偶者などの「永住者」の在留資格をもつ外国人を受け入れる方法もあります。採用のコツ
採用への道程を考えてみましょう。
自社の採用の目的をよく検討する
何のために、採用するのかということです。将来の人出不足を予想して、今から徐々に入れていきたいのか、現在すでに業務が回らないような状態で、できるだけ多くの即戦力がほしいのか、体力のある男性職員を増やしたいという場合もあるでしょう。また、一定期間の就労か、永続的な就労者を求めたいのかも考えなければなりません。
自社のキャパシティーの検討
自社が採用に必要な条件を満たしているか、入国後の法令で決まっている研修等に対応ができるのか検討する必要があります。情報収集や相談は、下記の窓口でできます。
制度 相談内容 相談先 電話番号 EPA EPAに基づく外国人介護福祉士候補者に関するあらゆる相談 JICWELS(公益社団法人 国際厚生事業団)受入支援部 03-6206-1138 在留資格「介 護」 介護福祉士を目指す留学生に関するあらゆる相談 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会介護福祉士を目指す留学生ための相談支援センター 0120-07-8505 技能実習 技能実習生の雇用 OTIT(外国人技能実習機構) コールセンター 03-3453-8000 技能実習 技能実習生の雇用 JITCO(公益財団法人 国際人材 協力機構)実習支援部相談課 03-4306-1160 特定技能 介護分野における特定技 能外国人を初め外国人介 護人材に関するあらゆる 相談 JICWELS(公益社団法人 国際厚生事業団) 外国人介護人材支援部 0120-118-370 (フリーダイヤル) 受入れ調整機関の決定
技能実習生を受け入れるには、監理団体によるサポートが必要になります。監理団体は玉石混淆であり、信頼できる監理団体を見つけることがとても重要です。
まず、介護技能実習生を受け入れることができる監理団体かどうか確認が必要です。可能なら、優良な監理団体の基準に適合している一般監理事業の監理団体を選ぶことをお勧めします。また、監理団体の代表者から介護分野に参入した理由や経緯を聞き、介護への考え方など納得した上で選びましょう。 尚、基準に適合しているかどうかは、外国人技能実習機構のホームページで確認できます。
特定技能で外国人に就労してもらうには、原則として登録支援機関による支援サポートが必要になります。登録支援機関を選ぶ際にも、代表者から介護分野に参入した理由や経緯を聞き、介護への考え方など納得した上で選びましょう。また登録支援機関によって支援内容が異なりますので、その点の確認も重要になってきます。就労希望者との面接
受入れ調整機関が決まると、いよいよ就労希望者との面接があります。以前は、熱心な事業所は現地に行き、送り出し機関がどんな方針で、どのような訓練をしているかも面接と合わせて見学していました。しかし、新型コロナウイルスの蔓延により、今後しばらくはオンラインでの面接にならざるを得ないでしょう。
どうして、介護の分野で働きたいのか、また自社を選んだ理由と、今までの経験やスキルをきくこと、こちらへの質問には誠実にこたえること、日本人に面接する際と何ら変わりはありませんが、彼らのモチベーションの高さや、外国で生活していく精神的タフさを見抜くには、定番の質問です。 肝心なことは、必ず相手国の言葉で聞き、回答してもらってください。なぜなら。彼らに、自分の覚悟や希望を伝えるだけの日本語力はまだありません。日本語力を知りたいのなら、趣味や家族に関する質問などソフトな質問に限定したほうがいいです。
また、通訳は受け入れ企業側で用意することが理想です。なぜなら送り出し側が通訳を提供した場合、面接に合格させるために本人が話していることと違う通訳をされる場合が少なくないからです。しかし自社で通訳の手配が難しい場合は信頼できる送り出し機関を選ぶことが重要です。
実際は短い時間の面接で判断するのは難しく、もうすでに訓練を積んでいることも考慮し、紹介された者全員合格ということになりがちですが、明るさ、まじめさ、精神的なタフさをしっかり見るべきだと思います。★まとめ
働くとは、どういうことでしょうか。
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お金を稼ぐために、我慢することでしょうか。それは決して間違いではありません。ですが、そう考えている事業者は外国人介護職員を採用してもうまくいくことはないでしょう。
彼らは自国にいい仕事がなく、日本円での収入が大きな魅力だというだけで、介護の道を選んだのではありません。理由を調べてみると、もともと医療や介護の分野に興味があった人達が多いです。また、祖父母や両親の介護を考えたり、自分の国の将来の介護需要を見越したりして、日本で経験を積みたいと考えた人達もいます。いずれも、日本は介護における先進国だと考えて来日してきます。
単なる一定期間の研修で終わらせるのではなく、介護の技術や能力を高めたい、介護業界全体のシステムを学びたいなど、本人の希望を聞き入れ、事例検討会や発表会などを通して、職場にいる限り向上していけるような体制が望まれます。
また、具体的な成功事例を見ると、就労条件の良さと安心感が自分の職場にはあるから、今後も働きたいという言葉をよく耳にします。安心感というのは、外国人職員がすでに何人か働いていることが大きいようです。就労条件のよさは、給料、休日の取りやすさ、労働時間のことです。非常に厳しい現状があると思いますが、この点を改善しないと永続的な雇用を考えている場合の成功事例は生まれにくいでしょう。
それから、利用者さんや他の職員とのコミュニケーションの問題です。これには日本語能力向上や認知症の理解を深めるなどの育成支援だけでなく、相談できる体制を整えることが大切です。職員の話をよく聞いて、どうしたらいいのか一緒に考える姿勢こそが信頼関係を築き、この職場でずっとやっていこうとういう成功事例につながる道なのではないかと思われます。- 2022.02.18特定技能介護|特定技能評価試験合格が必須。勉強方法は?
人手不足に悩む介護事業者の皆さまにおいては、介護特定技能制度の活用を検討されている方も多いことと思われます。 しかし制度を利用するためには、外国人本人が各種試験を合格することが必要です。試験と聞くと、ハードルが高いのではと不安になるかもしれません。 本記事では試験の概要から勉強方法までわかりやすくご説明します。外国人の方々が実際に何を使って勉強し、どのような問題を解くのか。また、よい勉強方法はあるのか。 事前にお知りになることで、特定技能外国人を採用する際の相互理解にもつながります。
ご覧いただいた後は試験に対して明確なイメージがつかめる内容になっていますので、ぜひご一読ください。目次
1. 特定技能介護外国人に必要な試験とは?
そもそも外国人が特定技能制度の求人対象として登録されるためには、外国人本人が試験に合格する必要があります。 留学生など、既に日本国内に在留している場合は日本で受験ができます。しかし在留資格を有していない多くの場合、母国での受験となります。 特定技能1号外国人に認定されるために合格が必要となる試験は以下の通りです。
・技能試験 介護技能評価試験
・日本語試験 (1)介護日本語評価試験 (2)「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験N4以上」のどちらかひとつ
以上、あわせて3種類の試験での合格が求められています。
出入国在留管理庁作成の試験方針によれば、特定技能制度における技能水準は「特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる」こととされています。
特定技能外国人は、技能実習3年修了と同等の技能と認められ即戦力として働くことになります。そのため、上記の試験合格で技能があることを証明しなくてはなりません。
また気をつけていただきたい点として、日本語試験は2種類合格しなければなりません。日本語能力に求められる水準は「ある程度日常会話ができ、 生活に支障がない程度の能力」および「介護現場で働く上で必要な能力」であり、それぞれの能力を確認するための試験です。
なお、「国際交流基金日本語基礎テスト」「日本語能力試験N4以上」に関しては各試験案内サイトにてサポートが整っているので、 本記事では介護技能評価試験と介護日本語評価試験に絞って紹介していきます。
次項からは、2つの試験の内容や出題形式について詳細を説明していきます。2. どんな問題が出るのか?試験概要について
まず、合格が必要な試験についての概要は次の通りです。
2-1 介護技能評価試験
試験言語 試験実施国の現地語になります 実施時期 原則毎月実施 受験資格 17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上) 受験料 1,000円程度 試験水準 介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できる 試験時間 60分 問題数 全45問 学科試験40問
・介護の基本(10問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20問)
実技試験5問
・判断等試験等の形式による実技試験課題を出題合格基準 総得点の60%以上 概要だけ読むと難しく感じるかもしれません。以下は特定技能介護技能評価試験の試験問題として実際に公表されている例題になるので、試験の雰囲気や試験内容が伝わることと思います。
例題:左片麻痺がある人の上衣の着脱介助に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1 ボタンのある服は避ける 2 着るときは、左腕を先にとおす 3 脱ぐときは、左腕から先に脱ぐ 4 全介助する
正答:2 ※実際は現地言語にて出題されます。2-2 介護日本語評価試験
実施時期 原則毎月実施 受験資格 17歳以上(インドネシア国籍の方は18歳以上) 受験料 1,000円程度 試験水準 介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準 試験時間 30分 問題数 全15問
・介護のことば(5問)
・介護の会話・声かけ(5問)
・介護の文書(5問)合格基準 総得点の60%以上 介護日本語評価試験には次のような問題が出題されます。
例題:介護のことば Which word has the same meaning as _____? Choose the best answer from 1 to 4. ___ の ことばと だいたい おなじ いみのものは どれですか。 いちばん いいものを 1・2・3・4から ひとつ えらんで ください。
タンさん、この箱(はこ)を更衣室(こういしつ)に持(も)って行(い)ってください。
1 着替(きが)えをするところ 2 会議(かいぎ)をするところ 3 食事(しょくじ)をするところ 4 運動(うんどう)をするところ
正答(せいとう):1
いかがでしょうか。 試験勉強についてはもちろん行う必要がありますが、きちんと勉強すれば独学で対応できるレベルになっています。 次項では実際に試験勉強で使用するテキストと試験対策方法、勉強方法についてご紹介します。3. 合格するためには?使用するテキストと勉強方法
3-1 試験対応の無料テキスト
厚生労働省のWebサイト上には、介護技能評価試験・介護日本語評価試験に対応する学習用テキストが無料で公開されています。 現在用意されているテキストは以下の通りです。
・「介護の特定技能評価試験学習用テキスト」 ・「外国人のための介護福祉専門用語集」 ・「外国人のための介護福祉士国家試験一問一答」 掲載URL:厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて非常によくできているので、ぜひ一度目を通していただきたいです。 レイアウトがみやすいことはもちろん、イラストが多用されており初学者にもわかりやすくできています。 それぞれ英語・クメール語・インドネシア語・ネパール語・モンゴル語・ビルマ語・ベトナム語・中国語・タイ語版が公開されています。
テキストを繰り返し読む・解くことで、独学でも十分に合格することが可能だと思われます。2-2 外国人向け学習サイト
また、日本の介護を学ぶ外国人向け学習サイトを利用することも効果的です。 公益社団法人日本介護福祉士会が提供する学習プラットフォーム「にほんごをまなぼう」 では、 気軽に日本語および日本の介護を勉強することができます。
先述のテキスト巻末にあるQRコードからもログインが可能です。
メールアドレスがあればどなたでも、無料で利用できます。日本語学習のための小テストやドリルを受けられるほか、 介護について学ぶためのWebコンテンツも用意されています。
いきなりテキストを読むことより手を出しやすく、また忙しい中でも効率よく勉強できます。外国人の方が来日された後も、 スキルアップに活用できると思います。4. 実際の合格率はどのくらいか?
さて、出題される問題や勉強方法はご理解いただけたと思いますが、試験自体の合格率が気になるところです。合格基準は総得点の60%以上とされていますが、具体的にどれだけの方が合格しているのでしょうか。
各回の試験結果についても厚生労働省が公表しています。 例えば、2021年5月にフィリピンで行われた試験の結果をみてみると次の通りです。2021年5月実施(フィリピン)
介護技能評価試験 合格率66.1% (245人中162人合格) 介護日本語評価試験 合格率70.3% (195人中137人合格) 他の実施国、開催月をみても両試験の合格率はおおむね60〜80%台を推移しているようです。 また、多くの回において、日本語評価試験と比較し技能評価試験の合格率が低くなっています。 もし受験される方にアドバイスを送るとすれば、特に技能評価試験に注力するようお伝えできればよいでしょう。
5.試験はいつ、どこで実施されているのか?
国外試験
現在はカンボジア、インドネシア、モンゴル、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタンで介護技能評価試験と介護日本語評価試験は実施されています。
過去にはミャンマーでも実施されました。
詳しいスケジュールはこちらをご確認ください。国内試験
47都道府県で介護技能評価試験と介護日本語評価試験は実施されています。
試験会場と試験日程はこちらから検索いただけます。試験結果は試験後1か月以内に予約サイトのマイページから結果が確認できます。
6. まとめ
本記事では介護特定技能制度を利用するにあたり、外国人の方々が合格しなければならない試験について説明しました。 試験合格へ向けたポイントは次のとおりです。
・対象となる試験は技能試験1種類+日本語試験2種類の計3種類 ・試験合格の水準は「直ちに日本語で一定の業務を遂行できる」 ・無料テキストと学習サイトで効率よく勉強が可能 ・介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格率は60〜80%程度
合格率70%前後の資格といえば、ちょうど近年の介護福祉士国家試験と同程度です。来日された後、国家資格をとることを目標とされる外国人の方も多いと思われます。 本記事で紹介した試験を通過することができれば、国家資格取得への足がかりにもなるはずです。
また、介護事業者の皆さまにとっては試験合格からが大変になるといえます。採用した後、きちんとした支援体制を整備することが求められるため、ぜひ受入れの準備も進めておきましょう。
事業者の皆さまと外国人の方々、双方にとってよい結果となることを願っております。 最後までご覧いただき誠にありがとうございました。出典
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・厚生労働省 介護分野における特定技能外国人の受入れについて
・法務省・厚生労働省 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領
・厚生労働省 【介護分野】技能試験及び日本語試験(概要)
・厚生労働省 介護技能評価試験サンプル問題
・厚生労働省 介護日本語評価試験サンプル問題
・(公社)日本介護福祉士会 にほんごをまなぼう- 2022.02.18技能実習生は奴隷なのか?|技能実習制度の現状は?
技能実習生の受け入れは、日本が国際貢献活動の一環として行っているものであり、本来は発展途上国の方々に日本の技術をお伝えし、母国の経済発展に役に立てていただくことを目的に行っているものです。しかしながら、すべての技能実習生が適切な実習を受けられているわけではないのが現状です。本記事では、厚生労働省の資料をもとにその実態について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること-技能実習生の現状。
-失踪などのリスクの少ない技能実習生はどうやって受け入れたらいいか。
-実習実施者として何に気をつけたらよいのか。目次
1.技能実習生の実態
厚生労働省の資料によると、令和元年10月末時点での技能実習で日本に滞在する外国人の数は約38.4万人で、ベトナム・フィリピン・インドネシアなどの東南アジアからの来日が主です。(ベトナムが約19.3万人、フィリピンが3.5 万人、インドネシアが3.2万人)
しかし、毎年約2%の方が実習実施者(技能実習生の受け入れ企業)から失踪しているのが現状です。主に賃金等の不払いなどによる実習実施者側の不正な取り扱いと、日本に来るまでに支払った費用の回収などによる実習生側の経済的な事情が失踪の原因となっています。
実例としては、労働基準監督署に出入国管理機関から技能実習生の労働関係書類の記入不備が起こっていると通報があり、調べたところ、次の実態が認められた例があります。・実際に労働者時間に対する賃金ではなく、月平均所定労働時間分の賃金を支払っていた。
・時間外労働協定の締結なしに時間外労働を行わせており、最長で1ヵ月74時間58分の時間外労働をさせていた。
・週40時間を超える労働時間に対して割増賃金を支払っていなかった。実習実施者が技能実習生へ日本の技術を伝える目的を忘れ、誤って安い賃金で働いてくれる労働者と認識して取り扱っているとしか思えないものであり、奴隷として取り扱っているに等しいものです。技能実習制度が奴隷制度と言われる原因でもあります。
技能実習生側の理由としては、日本に来るまでに悪質な送り出し機関に対して多額支払いを要求され、重い借金を背負わされて来日している場合があり、とくにベトナム人実習生において社会問題化しています。
送り出し機関の甘い言葉に乗せられて多額の借金をして来日したが、聞いていた日本での収入と実際の収入には大きな差があり、とても借金が返せない。
そんなところにブローカーからの甘い誘惑があると、高収入だと騙されて実習先から失踪し、結果的に犯罪組織に入り違法なことに手を染めてしまう。
そのような例が相次いでいます。(参照)
厚生労働省資料「外国人技能実習制度の現状、課題等について」
2.厳しい実態を生む温床は何か
技能実習生が不適切な扱いを受ける温床は主に3つです。
① 実習実施者が技能実習生を労働者と誤認しているケース
② 技能実習の送り出しで不正な利益を得ようとする悪質な送り出し機関が介在したケース
③ 日本語が理解できず、ストレスから逃げ出すケース
① 実習実施者が技能実習生を労働者と誤認しているケース
技能実習生は基本的に最初に技実習を受けた先で3年間働く方が多いです。実習を受ける先を変更することは、特別な場合を除きできませんので、ほぼ必ず3年間は働くのが実態です。(1年で帰国される方もいらっしゃいますが、稀です。)
このため、一部の実習実施者が都合の良い労働者として悪用しようとし、劣悪な環境で受け入れて実習を行ってしまっています② 悪質な送り出し機関が介在したケース
技能実習生によっては、多額の借金を支払って日本にきた方もいらっしゃいます。これは、送り出し機関もしくは、送り出し機関が利用したブローカーに多額の金額を支払っているケースです。主には各国における低所得者層に対し、ブローカーが「日本で働けば円が得られ、現地通貨に変換すれば多額の金額を稼ぐことができる。」「手続きに約100万円かかるが、日本に行けばすぐ支払うことができる。」などと甘い言葉をかけ、希望者を募っていることが多いです。
特にベトナムでは営利を目的とする送り出し機関が乱立しており、普通の一般人もブローカーとして稼ぐ方も多い一大ビジネスとなっています。
ベトナムの送り出し機関は、本来は3,600米ドルしか本人から徴収してはならないのに、実際は安くても70万円、高いところでは150万円も本人に支払わせています。
このような多額のお金を用意できる人は少ないので、結局高利貸しに多額の借金をして来日することになります。
送り出し機関の甘い言葉に乗せられて多額の借金をして来日したが、聞いていた日本での収入と実際の収入には大きな差があり、とても借金が返せない。
そんなところにブローカーからの甘い誘惑が来ます。
ブローカーは倍の収入が得られるなどの甘い言葉で技能実習生に失踪を手引します。
そんなうまい話はあるわけがありませんが、借金苦に困っている技能実習生はまんまと騙されて実習先から失踪し、結果的に犯罪組織に入り違法なことに手を染めてしまう。
そのような例が相次いでおり、ベトナムから来た方の人数・失踪率が高い原因となっています。③ 日本語が理解できず、ストレスから逃げ出すケース
日本人としては感じることは少ないですが、日本語はひらがな・カタカナ・漢字があり、習得が難しい言語です。技能実習生は送り出し機関である程度教育を受けてから日本に来られますが、日本語が流ちょうに話せる方はもちろん、コミュニケーションがスムーズにとれる方はあまりおられません。家族と離れて日本に来られ、コミュニケーションがとれず孤立し、ストレスを抱えて現実逃避から失踪される方もおられます。
3.企業が技能実習生にできること
企業としては、失踪リスクなどのトラブルリスクをできるだけ下げ、よい技能実習生に適切な実習機会を提供することでwin-winな関係になることを目指しましょう。そのためには、相手の国の文化・風習を理解し、どのようなコミュニケーションをとればお互いにストレスなく働くことができるのか、日本語がなかなか流暢に話せない中でどのようにすればスムーズに仕事がまわるのかなどをしっかり配属予定先の組織長と人事が話し合っておくことが必要です。
もちろん、実習が所定の時間を超えたのであれば残業代として賃金を支払う必要があります。労働基準法はしっかりと順守いたしましょう。
また、せっかく受け入れても日本に来るまでに支払った借金を理由に失踪されても困ります。送り出し機関の選定時には次のポイントを確認することをおすすめします。・(重要)政府認定の送り出し機関か。
・技能実習生から高額なお金を支払わせていないか。
・採用すると監理団体や企業にキャッシュバックするような制度がないか。
・現地担当者の日本語能力が高いか。日本での就労経験があり、日本のビジネスマナーに理解があるか。
・トラブルとなった際に相談できる部署があるか。トラブル時に相談できる日本駐在部署はあるか。
・当該送り出し機関とトラブルになっている企業がないか。
・当該送り出し機関が送り出した技能実習生とトラブルになっている企業がないか。4.まとめ
もちろん、技能実習生は奴隷ではありません。ただ、一部の問題のある実習実施者が劣悪な労働条件、もしくは不適切なコミュニケーションしかできない環境で技能実習生を受け入れることから、奴隷のような扱いとなっている方がいらっしゃるのは事実です。一部の海外のメディアでは人権侵害として指摘もされています。
技能実習生は労働者ではありませんが、労働契約を締結して実習を受けていただいているのであり、労働基準法が適応されます。適切な実習条件を企業としては整えておかねばなりません。
また、多額の借金を背負って日本に来られた方を受け入れることは、企業にとって失踪などのデメリットがあり、実習生にとってもデメリットとなっています。不適切な運営を行っている送り出し機関を選ばないようにし、リスクを回避してください。
これにより、失踪などのリスクの低い実習生を確保できますし、何より、不幸な技能実習生の数を減らすことができます。技能実習生を多く受け入れている企業の一部ではCSRの一環として取り組んでおられるところもございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。技能実習生とwin-winな関係を結ぶお役に立てれば幸いです。おすすめ記事閉じる外国人技能実習生受け入れの問題とトラブル防止策3選
外国人技能実習生受け入れの際のトラブルや問題を例に挙げ、送り出し機関ミャンマー・ユニティが行っている防止策を説明しています。失踪や近隣トラブル、起こり得る事故などについて送り出し機関ができる教育と受け入れ企業ができる教育をご紹介しています。
- 2022.02.18他業種技能実習生が介護特定技能資格を取得する最短の方法とは?
目次
1.人材不足に悩む介護業界、介護業界に転職を望む日本在住外国人
人材不足に悩む介護事業所の方々には、「人材確保のために、なんとかして 特定技能『介護』の資格者を採用、雇用したい」「技能実習『介護』3年修了者がほとんどいないので、 他職種の技能実習修了者を採用できないか」などの意見が聞かれます。 日本に住む外国人の方々においても「他業種で技能実習生として働いているけど、介護の特定技能資格を 取得して働きたい!」「介護業界は今後需要が高まるから、特定技能の資格取得方法を教えてほしい」 などの声も多いようです。 この日本は世界一の超少子高齢化進行により要介護者が増え、介護業界のニーズは日に日に高まっています。 新たな在留資格「特定技能」の資格取得を経て、新たな職業として選択する人も増えているのが現状です。 心機一転、介護業界で活躍したいと考える外国人も年々上昇傾向にあります。 この記事では、他業種の技能実習生が介護特定技能資格の取得する最短の方法を中心に徹底解説していきます。
2.なぜ技能実習3年修了者が介護業界を目指すのか
出入国在留管理庁によると、令和2年末現在における日本在留外国人数は 258万2,686人で、うち技能実習生が378,200人を占めています。技能実習生の 全在留外国人に対する構成比は13.1%にも上っています。 また、新型コロナウィルスの蔓延により、祖国に帰国ができない技能実習生が多数おり、 技能実習生の中で特定技能資格を取得して引き続き日本で働くことを望む方が増えています。 しかし、令和2年3月の外国人技能実習機構の報告によると、技能実習生の職種別構成比は、 技能実習生全体366,167人に対して、
- 建設関係76,013人(20.8%)
- 食品製造関係68,843人(18.8%)
- 機械・金属関係58,819人(16.1%)
- 農業関係32,419人(8.9%)
- 繊維・衣服関係24,022人(6.6%)
- 介護8,967人(2.4%)
の順となっており、技能実習生が特定技能外国人となって就業を希望する職種と、 実際の技能実習3年修了人数に大きな乖離が見られます
この需要と供給の乖離について詳しく説明します。 転職ができない技能実習において、①建設関係76,013人(20.8%)④農業関係32,419人(8.9% )⑤繊維・衣服関係24,022人(6.6%)の3つの職種で36%以上を占めていますが、これら3つの職種は、過酷な労働環境であったり、収入が少ないことにより、ほとんどの技能実習生がかなり我慢をして技能実習をしている実態があります。 したがってこれらの職種については、技能実習3年修了者が無試験で同じ職種の特定技能資格を得られるとしても、 彼らが最も転職を希望しない職種でもあるのです。
そのような中で、①建設関係、④農業関係、⑤繊維・衣服関係の技能実習を3年修了した外国人は どうすればよいでしょうか。 彼らは、過酷な労働環境ではなく屋内の勤務で、収入が安定しており、求人が多い職種に転職を希望します。 その一番理想的な職種が介護職というわけです。
前述の通り、介護業界は未曾有の人材不足に苛まれています。 経済産業省の推計では、介護人材は2025年には38万人が不足し、その10年後の2035年には約79万人もの人材が不足すると発表されています。 介護職は屋内勤務です。また介護事業者は国から介護報酬を得るために、厳しい条件をクリアしてとても遵法精神が高い経営をしています。そして人材ニーズが凄まじく多い。 だから、必然的に技能実習3年終了者は、その多くが職種を変えて介護業界を目指すことになるのです。
3.他業種の技能実習生が介護業種の特定技能資格を取得する方法
他業種の技能実習生が介護業種の特定技能資格を取得するには、まず前提条件として技能実習2号を良好に修了する必要があります。 つまり、技能実習3年を良好に修了する必要があります。その上で、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つに合格し、転職先を探す流れとなります。
一般的に特定技能資格を取得するにはもうひとつ「日本語試験」の合格が必要ですが、技能実習2号を良好に修了すれば日本語試験は免除されます。また、技能実習2号を良好に修了するには、以下2点の条件を満たさなければいけません。
- 技能実習を2年10ヶ月以上終了している
- 実施者の評価書の基準が一定以上である
簡単に言うと「同じ部門で約3年まじめに働いて上司に評価される」ことができれば、技能実習2号を良好に修了できます。 本来であれば、技能検定3級への合格が条件に含まれていますが、上記の「実施者の評価書の基準が一定以上である」を満たしていれば、技能検定3級を合格せずに技能実習2号の修了とみなすケースが多いです。 そのため、現職の技能実習生から容易に介護職の特定技能へ移行できるわけではなく、まずは約3年間必死に頑張っていく必要があるでしょう。
4.介護の特定技能試験の詳細と最短で合格する方法
約3年間働き管理職からの評価が高いだけで、介護特定技能資格を取得できるわけではありません。 次のステップは介護の特定技能試験への合格を目指す必要があります。 他職種の技能実習3年修了者が特定技能「介護」の資格を得るためには、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの試験に合格する必要があります。
4-1 介護技能評価試験
まず「介護技能評価試験」に合格するための試験の情報について見ていきましょう。
<実施場所>
下記のテスト環境が整った国- ネパール
- カンボジア
- ミャンマー
- タイ
- フィリピン
- モンゴル
- インドネシア
- ベトナム
- 日本国内
<実施日時>
各国のいずれかで毎月行っており、詳しくは厚生労働省の専用ページ で公開されていますので、確認しておきましょう。<試験科目>
試験時間60分 問題数45問- 学科試験:40問
介護の基本 10問 こころとからだのしくみ 6問 コミュニケーション技術 4問 生活支援技術 20問 - 実技試験:5問
生活支援技術 5問 <試験結果>
試験結果は厚生労働省のホームページで順次発表4-2 介護日本語評価試験
次に介護日本語評価試験に合格するための試験要項について見ていきましょう。 介護日本語評価試験の問題数や試験時間、試験の内容などは、以下のように発表されています。
<試験科目>
介護の言葉 5問 介護の会話・声掛け 5問 介護の文書 5問 合格基準:問題の総得点の60%以上
<試験結果>
試験結果は厚生労働省のホームページで順次発表4-3 介護の特定技能試験に最短で合格する方法
介護特定技能試験の合格率は約60%であり、他業種の方でも真剣に勉強すれば通る資格です。 介護の特定技能試験に合格するための一番の近道は「介護特定技能試験テキストを繰り返し勉強する」といいでしょう。 テキストは無料で公開されており、試験に沿った内容が記載されています。 また、テキストは10か国(日本語・英語・ネパール語・インドネシア語・ミャンマー語・モンゴル語・タイ語 ・ベトナム語・中国語・ビルマ語)に対応しており、母国語での受験が可能です。 日本語のテキストでも多くの漢字にフリガナが振られているため、わかりやすいのが特徴。 下記は日本語の介護特定技能試験テキストになりますので、参考にしてください。他の言語は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。
5.他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得するメリット
他業種の技能実習生が介護特定技能資格の取得を目指すのは時代に合った試みです。 ここからは具体的な取得メリットを紹介していきます。
<世界に誇る日本の介護技術を習得できる>
他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する最大のメリットは、 世界に誇る日本の介護技術を習得できる点です。 現在は全世界に日本の介護学校が設立されている背景からも、日本の介護技術が注目されています。 特に日本のきめ細かな気配りやコミュニケーションスキルは世界にはまねできない技術でしょう。 日本に介護を学びにくる外国人も年々増しており、日本の介護を学ぶのは自分を成長させる一歩となります。 外国人にとっていつ母国に帰るかはわかりません。帰国したと同時に親の介護が必要になるケースもあるでしょう。 その場合、日本の介護技術を学んでいれば、大いに貢献できます。世界に誇る日本の介護技術を習得できるのは、 介護特定技能資格を取得する最大のメリットです。<時間の融通が利きやすい>
他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する二つ目のメリットは、時間の融通が利きやすいです。一般的な会社は平日9:00~18:00勤務となりますが、介護職はシフト制が一般的。平日に休日が取れたり午前中だけ休暇をもらえたりできます。中には週休3日制を採用している介護事業者もあります。 特に外国人は日本語学習などで自分の時間を作りたい方も多いのではないでしょうか。他にもプライベートで日本の至る場所へ遊びいきたい方もいるはず。介護職はプライベートも充実させやすい職業なのです。<資格を取得すれば働き方の幅が広がる>
他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する最後のメリットは、資格を取得すれば働き方の幅が広がる点です。介護職の国家資格でもある「介護福祉士」の資格を取得できれば活躍の場が広がります。日本や海外問わず転職先が見つかりやすいのは自信につながるでしょう。手に職をつけるのは一生分の価値があるので、介護職を極めるのは今後おおいに役立つはずです。6.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は他業種の技能実習生が介護特定技能資格を取得する方法を中心に徹底解説しました。 他業種の技能実習生が介護分野で活躍するには、技能実習2号を良好に修了した上で、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の2つの試験に合格することが必要です。該当条件を満たすためにも、まずは約3年日本での勤務を行いましょう。その上で、厚生労働省が提供している無料テキストを勉強して試験に合格できれば、他業種の技能実習生が介護職の特定技能資格を取得することができます。 外国人が魅力的な日本の介護分野で働くためにも、また介護事業者が深刻な人材不足を解決させるためにも、あらためて本記事を参考にしていただければ幸いです。
閉じる- 2022.02.18技能実習生の住居基準・水道光熱費・生活備品は?
目次
技能実習生を受け入れる際、企業(実習実施者)では職場環境を整備するだけではなく、技能実習生の日常生活をサポートする必要があります。 では、技能実習生が初めて日本に来る時、受け入れ企業ではどのような準備をすれば良いでしょうか。 この記事では、技能実習生の住居基準・水道光熱費・生活備品について解説します。
1.技能実習生の受け入れ準備はどこまですれば良い?
技能実習制度の運用要領には、「実習実施者は、技能実習生が健康で快適な実習生活を送れるようにするため、快適な住環境を確保するとともに、 食生活、医療等についての適切な助言及び援助を行うことができる体制を整備する必要がある。」とあります。 そのため、受け入れ企業が、技能実習生の住居の確保、水道光熱費の手続き、日本で生活するための物品の準備を行う必要があります。 技能実習生が実習を開始した後の家賃や生活費は技能実習生の負担となりますが、実習開始前の準備は、受け入れ企業が行います。 技能実習生の待遇については、住居が劣悪な環境であったり、家賃や水道光熱費を必要以上に徴収されたりするなどのトラブルが過去に相次ぎました。そこで2017年に制定された技能実習法では、 技能実習生を保護するために、生活環境についても様々な基準が定められています。
参考:技能実習制度運用要領 出入国在留管理庁・厚生労働省2.外国人技能実習生の住居基準とは?
技能実習生が安全で健康的な生活を送れるよう、技能実習制度運用要領で住居や家賃の基準、条件が定められています。
2-1 技能実習生の住居基準
部屋に関する基準
- 寝る場所は、1人につき4.5㎡(約3畳)以上を確保すること。
- 1人ずつ収納スペースを確保し、施錠が可能で持ち出しできないようにすること。
例えば、収納ボックスを置いたり、押し入れの中を分けただけでは収納設備としては認められません。 - 部屋の面積7分の1以上の採光できる窓があること。
- 暖房設備があること。
- 日勤、夜勤の技能実習生がいる場合は、活動時間が違うため、寝室を別にすること。
部屋以外の設備に関する基準
- 食堂やキッチンがある場合、十分な照明と換気設備を整え、食器を清潔に保管する場所を確保し、害虫などを防ぐ環境を整えること。
- トイレ、洗面所、お風呂場、洗濯する場所を設けること。
- 2階以上に寝室がある場合、安全な場所に逃げられる階段が1か所(収容人数が15人以上の場合は2か所以上)あること。
- 共用部分については、感染症の予防のため、衛生管理を行うこと。
環境などに関する基準
- 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話をする密接場面の3つの密を避ける対応を行うこと。
- 宿泊施設は、安全な場所であること。具体的には、爆発物など火災の危険がない、衛生上有害な場所でない、騒音や振動が少ない、自然災害の危険がない場所であること。
- 消火設備が十分であること
事業の附属寄宿舎に該当する場合の基準
労働基準法では、以下の基準を満たす宿泊施設は「事業の附属寄宿舎」となります。
- 常態的に相当人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態を備えていること
- 独立又は区画された施設であること
- 事業経営の必要上その一部として設けられているような事業との関連をもっていること 例えば、一軒家を借り上げ、技能実習生が複数人で共同生活を送る場合は寄宿舎とみなされるでしょう。 宿泊場所が寄宿舎に当てはまる場合、「寄宿舎規則」を作成し、次のことについて労働基準監督署に届ける必要があります。
- 起床、就寝、外出及び外泊に関する事項
- 行事に関する事項
- 食事に関する事項
- 安全及び衛生に関する事項
- 建設物及び設備の管理に関する事項
2-2 技能実習生の家賃
技能実習生は受け入れ企業が提供する6畳程度の部屋に2人で生活するケースが多く、 技能実習生が受け入れ企業に支払う家賃は2万円前後のようです。技能実習法では、技能実習生の生活に支障をきたさぬよう、 家賃は実費を超えた徴収を禁止しています。 技能実習生が住む場所は、社員寮や民間のアパートなどがありますが、家賃は次のように決められています。 ・社宅や寮などの会社が所有する物件の場合 建物の築年数や改修費用、住む人数などを考慮して計算した額を徴収します。 ・アパートや一軒家などの借上物件の場合 家賃を、住む技能実習生の人数で割り、その費用以内の額を徴収します。 借り上げ物件の場合、毎月の家賃に加えて、管理費や共益費を技能実習生に負担してもらうことは可能です。しかし、 敷金や礼金、保証金、仲介手数料などの初期費用は、受け入れ企業が負担することになります。
技能実習生の宿泊施設は、技能実習計画認定申請書に記載する必要があります。 技能実習計画は実習開始予定日の4か月前までに提出する必要があるため、早めに宿泊施設の確保を行いましょう。
3.技能実習生の水道光熱費、生活用品について
日本での生活に必要な物品は受け入れ企業が準備しますが、実習開始後の水道光熱費や生活費は技能実習生が支払います。 ここでは、技能実習生が支払う費用と企業が準備する物について説明します。
3-1 技能実習生の水道光熱費
水道光熱費は、技能実習生が支払います。徴収する金額は、水道・電気・ガス会社から請求された費用を、 住んでいる人数で割った金額以下でなければなりません。例えば、1部屋に2人で住んでいて、水道光熱費が2万円だった場合、 技能実習生が負担するのは1万円以下となります。技能実習生が毎月支払う費用については丁寧な説明を行い、企業と技能実習生の間で合意が必要です。 給与から天引きする場合は、賃金控除の協定書が必要となりますので注意しましょう。後のトラブルを避けるため、協定書の内容は、 母国語での書面もあると良いでしょう。
3-2 技能実習生の生活用品
Wi-Fi環境の整備
技能実習生の生活で欠かせないのがインターネット環境です。技能実習生の中には、母国にいる家族と毎日ビデオ通話をする人もいます。 そのため、技能実習生が入居後すぐにWi-Fiを使えよう準備しておきましょう。技能実習生本人がWi-Fiを契約する方法もありますが、料金を滞納したり、 帰国時に違約金が発生するなどのトラブルが生じる可能性があります。受け入れ企業で法人契約を結び、技能実習生から使用料を徴収するのがスムーズでしょう。 水道光熱費と同様、給与から控除する場合は賃金控除の協定書が必要となります。
自転車の準備と自転車保険の登録
宿泊場所から勤務地まで距離がある場合は、自転車を準備することをおすすめします。その際、自転車保険にも加入しましょう。 神奈川県や埼玉県などでは、自転車保険の加入が義務づけられています。通勤中の事故の場合は労災が適用されますが、休日の事故の場合、自己負担となります。 そのため、どの地域に住んでいても、自転車保険に加入するのが良いでしょう。
生活用品の準備
技能実習生がすぐに生活できる環境を準備しましょう。準備する物は、日本人が1人暮らしをする際に必要な物と同じです。 具体的には、冷蔵庫や洗濯機、掃除機、炊飯器などの家電や寝具、キッチン用品などです。寮に用意する家電・生活用品の準備品の詳細は下記をご確認ください。これらは新品でなくとも良いので、社員の使わない物を譲ってもらったり、 リサイクルショップなどで準備しましょう。また、初回のみ、ティッシュやトイレットペーパー、ゴミ袋などの消耗品を準備しておくと、 技能実習生が日本での生活をスムーズに始めることができます。
寮に用意する家電・生活用品の準備品まとめ
- WiFi
- 自転車
- テレビ(日本語学習のため)
- 人数分の容量の冷蔵庫
- 洗濯機
- 人数分の容量の炊飯器
- ガスコンロまたはIH(備え付けがない場合)
- 電子レンジ
- 寝具類…夏冬両方のベットまたは布団
- 照明器具
- 冷暖房器具…こたつや扇風機等
- 食卓用のテーブルとイス
- カーテン
- 炊飯器具…フライパン、大と中の鍋、ポット、包丁、まな板等
- 食器…皿、コップ、フォーク、ナイフ、スプーン等
- 掃除用具…掃除機またはほうきと雑巾等
- 救急箱
- 日用品…ティッシュやトイレットペーパー、ゴミ袋、洗剤、シャンプー等(初回のみ)
4.まとめ
技能実習生の生活を保障するため、住居に関しては部屋の広さや設備、環境などの基準が定められています。 住む場所は、企業が所有する寮や民間のアパートなどがありますが、この基準を満たす場所を選びましょう。 水道光熱費は技能実習生の負担となりますが、毎月かかる費用がどのくらいになるのかを事前に技能実習生に説明し、同意してもらう必要があります。 日本で生活を始める際に必要な物は受け入れ企業が準備します。初めての場合、大変なこともありますが、居住環境を整えることは技能実習生のモチベーションの向上にもつながります。 わからないことは監理団体に聞きながら、技能実習生の受け入れ準備をすすめましょう。
関連記事- 2022.02.18外国人介護職|受け入れの現状と課題
目次
2025年問題を目前に介護職の重要性が高まる中、日本の介護業界はすでに深刻な人手不足に陥っています。 そのため多くの事業所や施設の介護スタッフが、サービスの質の低下や安全確保不足、労働環境の悪化による離職率の増加など様々な問題に悩まされています。 それだけではなくサービスを受ける側の高齢者が、希望している介護を受けることができない「介護難民」も増加しているのが現状です。 そのような状況の中、対策として進んでいるのが外国人労働者の採用です。本記事では日本での外国人介護士を受け入れている現状と課題について紹介します。
1.介護職において外国人労働者を雇用する方法
外国人労働者を介護職にて雇用するために、日本には4つの制度(在留資格)があります。
- 在留資格『介護』
- EPA(経済連携協定)
- 技能実習『介護』
- 特定技能『介護』
それぞれ介護という目的は同じですが、目的や働き方が異なるためしっかりと理解しておく必要があります。下記にて4つの制度をメリットやデメリットと合わせて説明していきます。
1-1在留資格「介護」
外国人が介護福祉士養成学校に留学して介護について学び、介護福祉士の資格を取得後に在留資格「介護」としてその外国人を雇用するという方法です。 在留資格「介護」のメリットは、介護福祉士の資格を所持しているため採用後すぐに介護スタッフとして配置ができ、本人が希望する限り永続的に働くことができるということです。 また介護福祉士養成学校に通学しているときから週28時間までならばアルバイトとして勤務(いわゆる資格外活動)することも可能となっています。又、介護職員として取り掛かれる業務などに制限がないため、 介護業界の幅広い分野での活躍を期待できます。
デメリットとしては、日本語能力に関し条件は設定されていますが、養成学校によって基準が異なることから日本語能力が低い外国人も入学しているなど個人差があり、卒業後もコミュニケーションが難しい場合があります。 そして事業所に外国人介護福祉士を受け入れる際は受け入れの調整をする専門機関がないため、事業者が自ら養成学校と連携し採用活動を行う必要があります。
1-2EPA(経済連携協定)
EPAは現在日本はフィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国から経済活動の連携強化をはかるために外国人を受け入れており、介護業界では受け入れた外国人が介護福祉資格の取得を目指すことを目的とし「介護福祉候補生」として入国します。 そのため決して就労を目的としているわけではありません。介護や看護について勉強した外国人材が、日本語教育を受けて、技能研修として日本で働きます。 メリットとしては日本に滞在できる期間が4年間と定められており、その間に国家試験に合格することができれば上記で説明した在留資格「介護」を取得することができるため、本人が希望すれば永続的に日本で働くことができます。 さらに介護福祉士の資格を取得できなかった場合には特定技能への切り替えも可能となっています。 デメリットとしては入国するための対象者への条件が厳しい、毎年各国からの受け入れ人数の制限設定がある、事業者は候補生に選ばれないと採用することができない、受け入れる事業者が負担する費用が高いなどといった点が挙げられています。 また日本語能力の低さにより現場でスタッフや利用者とのコミュニケーションがうまくとれず、業務に支障をきたす恐れがあります。
1-3技能実習「介護」
技能実習制度とは一定の期間外国人を日本の介護現場に受け入れ、実際に働きながら技能や技術を修得し、その学びを母国の経済発展に役立てるということを目的としている制度です。 技能実習のメリットは、転職がないため一定の年数は人材確保ができることです。また技能実習生として入国するためには介護経験、または介護に関する一定時間の講習を受けていることが条件で定められているため、即戦力としても期待ができます。 デメリットとしては、あくまでも「技能移転」が目的とされている制度であるということから通常3年、最長でも5年と期間が定められており、実習終了後継続して雇用することはできないということ、夜勤などを行う際に必ず指導者がつかなくてはならないということ、 日常会話は問題なく可能ですが専門的な会話をするには不十分さが見受けられるということなどが挙げられます。
1-4特定技能「介護」
特定技能制度は2019年4月から開始された、就労目的として外国人を受け入れる日本の介護業界の人手不足解消を目的とした制度となります。
そのため、業務内容や人数の制限が少ないことが特徴の1つでもあります。 メリットとしては、受け入れる対象の外国人が入国する際にN4レベルの日本語能力、介護に関する専門的な日本語、介護技術の習得が必要とされているため、即戦力として期待できます。また技能実習制度とは異なり、仕事を覚えれば指導員がつかなくてもひとりで業務実施可能となります。 デメリットとしては技能実習とは違い対象者が幅広く職場を選択でき転職が可能となるため、事業者としては離職というリスクに繋がる可能性があります。
特定技能人材の採用方法としては、主に人材紹介会社から紹介してもらうまたは、求人媒体を活用する方法があります。2.外国人労働者受け入れの現状
外国人労働者は年々増え続け、2020年10月末時点で約172万人もの方が日本で働いています。人手不足が深刻化している介護分野に関しては、全体を占める割合は少ないものの前年からの増加率が2桁を超え、急速に外国人労働者が増えており、雇用方法としては、技能実習生、留学生の資格外活動(アルバイト)・在留資格「介護」が多くなっています。 しかし人材不足と感じている介護事業所が大半を占める中、外国人労働者の受け入れを行っている施設や事業所はまだまだ少ないのが現実です。さらにこの新型コロナの影響で海外から日本にくることも難しくなっており介護現場での職員採用が難しくなっています。
3.外国人労働者受け入れの問題点と課題
実際に外国人労働者の受け入れを行っている事業所では、「人材の確保ができる」「コミュニケーションの活性化につながる」「現場に活気がでる」など良い評価が出ていますが、まだ受け入れを行っていない事業所からは日本語力の問題、 コミュニケーション不足や習慣の違い、要介護者やその家族による外国人介護の拒否などさまざまな不安が挙げられています。不安に感じているのはこれから日本で労働する外国人も同様です。現に母国へ帰国するケースもあり、こちら側が日本で定着してもらえるような体制を整える必要があります。
4.外国人労働者と共に働くために
私たち日本人と外国人労働者がより良い環境で働くためには、お互いの歩み寄りが必要です。慣れない環境で必死に学び働く外国人労働者に対し、長時間勤務やいじめ、差別、パワハラなど様々な問題が浮き出ているのも現実です。外国人労働者を受け入れることに対し不安に感じる部分は多々ありますが、 人手不足が深刻化している中、外国人労働者は日本にとって今後の強みとなる存在なのです。受け入れを少しでも考えている事業所は、まず外国人労働者を受け入れるための体制や環境を整えることから始めましょう。 「きめ細やかなサービスができない」「コミュニケーションスキルが不足している」という外国人に対する不安があるようですが、それは日本語が不十分ということだけが問題なのでしょうか?正直日本人労働者でもできる方とできない方がいます。 語学や技術に関しては働きながら学ぶことができます。また、習慣の違いなどについては、育った環境が違うのですからあたりまえのことではないでしょうか。文化の違いをお互いに正しく理解し、価値観の押し付けをせずに相手を尊重し合うことが必要です。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事では介護職での外国人労働者受け入れの現状と課題について解説いたしました。介護業界での外国人労働者の雇用はまだまだ少ないですが、徐々に増えており良い評価も得られています。今後人手不足に悩まされる事業所は今以上に増えることが予想されています。 そのような状況を少しでも良くするため、政府が積極的に進めている「外国人材の活用」についてそれぞれの目的をしっかりと理解し、上手に利用しましょう。質の良い介護サービスを提供するためには、人材とスタッフたちが働きやすい環境が必要です。 様々な制度を利用し、日本人外国人すべての労働者がより良い環境で働くことができるための一歩を踏み出しましょう。
- 2022.02.17技能実習「宿泊」|外国人技能実習生を宿泊業で雇用するためには
目次
宿泊業界の人手不足
日本の宿泊業界において、人手不足は深刻化しています。
観光庁による調査では、2018年の宿泊業界の有効求人倍率の平均値は、6.15倍となっています。
中でも飲食物給仕係は7.16倍となっており、人手不足が際立って深刻な状況となっています。
低賃金や長時間労働による若者のサービス業離れが、人手不足の原因と言われています。人手不足のもう一つの原因は、外国人旅行者数の増加です。
日本への外国人旅行者数は年々増加しており、2019年の訪日外国人旅行者数は3,188万人となり、過去最高を更新しました。
新型コロナウイルスの世界的な流行とそれによる規制のため、現在は観光業全体が低迷していますが、コロナ収束後に規制が緩和されれば、急速に外国人旅行者数は増加していくことが予想されます。
それに伴い英語での接客など、必要となるスキルが増えていることも日本人の雇用減少につながっています。この深刻化する人手不足の中で必要となる制度に、「技能実習制度」があります。
以下では、外国人技能実習生を宿泊業で雇用することについて述べます。技能実習制度
技能実習制度は、国際貢献のために開発途上国などの外国人を一定期間雇用して日本の技能を移転する制度です。
受け入れ機関(技能実習生を雇用する企業)と技能実習生は雇用関係にあり、日本の労働関連法令が適用されます。
この制度による外国人技能実習生の雇用が増加することで、日本の人手不足の緩和も期待できます。宿泊業における「技能実習制度」では、「技能実習1号」と「技能実習2号」での受け入れが可能です。
在留期間が1年の「技能実習1号」を経て、修了試験に合格することで、「技能実習2号」への移行が可能です。
宿泊業における「技能実習2号」制度の追加は2020年2月25日より開始され、1号を含め通算3年間「技能実習生」として、日本の宿泊業界での活動が可能となりました。
技能実習外国人の転職は不可となっているため、上記の場合3年間同じ企業での実習となります。
夜勤においても不可となっており、賃金は最低賃金以上となります。また、「技能実習2号」を良好に修了した後は、無試験で「特定技能1号」への移行が可能です。
「特定技能1号」での在留期間は5年です。
よって、外国人は日本の宿泊業界においては通算8年間働けるということになります。技能実習「宿泊」の対象職種
第1号技能実習ではホテルや旅館の宿泊施設における以下の作業が可能となっています。
- 利用客の送迎作業
- 滞在中の接客作業
- 会場の準備・整備作業
- 料飲提供作業
- 利用客の安全確保と衛生管理
- 安全衛生業務
第2号技能実習では、1号の作業等を主体的にできることに加えて、
上司の指示を受けて「チェックイン・チェックアウト」の作業ができます。技能実習「宿泊」の在留資格取得
冒頭で述べた通り、技能実習「宿泊」分野では、「技能実習1号」と「技能実習2号」の外国人技能実習生の受け入れが可能です。
それぞれの在留資格取得要件は以下となっています。技能実習1号の取得要件
「技能実習1号」では、入国してすぐに、日本語や業務に関しての講習(入国後講習)を通常1ヶ月間受ける必要があります。
また、特定技能制度と異なり、外国人が「技能実習1号」在留資格の取得のための試験はありません。
「技能実習1号」の在留資格を取得するには、以下の項目をすべて満たす必要があります。- 技能実習生が18歳以上であること
- 帰国後に本制度で修得した技術を活かした業務に従事することを予定していること
- 企業単独型技能実習の場合は、派遣先企業の海外事業所、もしくは海外に本拠地を置く提携先企業の職員であること
- 外国人本人が過去に第1号技能実習を利用したことがないこと
「団体監理型技能実習」の場合は上記に加えて以下の事項を満たす必要があります。
- 本国で技術実習を受けたいと考えている業務に従事していた経験がある、もしくは「団体監理型技能実習」を利用しなければならない特別な事情があること
- 本国、もしくは住所をおく地域の公的機関から推薦を受けていること
技能実習2号の取得要件
「宿泊」分野での「技能実習1号」を良好に修了した外国人技能実習生は、「技能実習2号」への移行を選択できます。
「技能実習2号」取得の条件は、1号の修了と、宿泊業技能試験センターが実施する「技能実習評価試験」に合格することです。
2021年6月に行われた「第2回技能実習評価試験」の受験者数は442名、合格率は47.96%となっています。
試験は日本各地で2ヶ月に1回程度開催されています。
今後はコロナウイルス感染症の流行により急な延期や中止になることも予想されるため、外国人雇用を検討している受け入れ企業はこまめに情報を確認しておくことをおすすめします。受入れ方式
外国人技能実習生を企業が受け入れる方式は、「企業単独型」と「団体監理型」があります。
下記の通り、「団体監理型」で技能実習生の受け入れをすることが一般的となっています。「企業単独型」
日本の受け入れ企業等(実習実施者)が海外の法人や取引先企業の外国人職員を直接受け入れて、実習を実施する方式です。
自社で技能実習生を受け入れ、監理まで行うため、海外に拠点のある大企業向けのものとなっています。
企業単独型による受け入れの場合は、「技能実習イ」という在留資格になります。「団体管理型」
事業協同組合や商工会などの営利を目的としない団体(監理団体)が実習生を受け入れ、受け入れ企業等(実習実施者)で実習する方式です。
技能実習の受け入れを監理団体に任せることができるので、海外に拠点のない受け入れ企業にとっては技能実習生の受け入れがしやすくなっています。
現状では、技能実習生の受け入れ企業の約97.2%はこの「団体監理型」方式で受け入れを行なっています。
団体管理型による受け入れの場合は、「技能実習ロ」という在留資格になります。受入れ企業に求められること
労働条件の明示(労働基準法第15条)
受け入れ企業は、母国語など技能実習生が理解できる方法で労働条件を明示しなければなりません。
技能実習計画の認定
技能実習を行わせようとする者(実習実施者)は、外国人技能実習機構へ「技能実習計画認定申請書」を提出し、その技能実習計画が適したものであるという認定を受ける必要があります。
この認定は、技能実習計画の適切性担保のためとなります。(法第9条)
技能実習生ごとに、第1号、第2号のそれぞれの区分で認定を受ける必要があります。
申請書のフォーマットは「外国人技能実習機構」からダウンロードが可能です。技能実習計画認定申請は必要書類も多くかなり複雑ですので、経験豊かな監理団体に依頼して効率よく行うことをおすすめします。
実習実施者の届出
実習実施者は、技能実習を開始したときは、遅滞なく、外国人技能実習機構へ「実習実施者届出書」を届け出なければなりません。
届出先は、認定通知書の交付を受けた機構の地方事務所・支所です。責任者、指導員の配置
実習を行う受入れ企業は、技能実習計画認定申請時に、技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員それぞれ1 名以上配置する必要があります。
技能実習の効率化と、技能実習生が安心して実習に取り組める環境を整えるためとなります。受入可能人数制限
外国人技能実習制度では、常勤職員数により1年間に受け入れることのできる技能実習生の人数に制限があります。
技能実習か特定技能か、そのメリット・デメリット
宿泊業界で外国人を雇用する場合、技能実習を選ぶべきか、特定技能を選ぶべきか、それぞれメリット・デメリットがあります。
宿泊業の現状
現時点では、コロナ蔓延防止対策としての水際対策が強化されていますので、外国人観光客の入国は原則としてはできません。また緊急事態宣言の発出などの影響で国内旅行客も低迷し、宿泊業界の需要は激減しています。
そのような状況下で、宿泊業において技能実習生や特定技能外国人を雇用するニーズは、現時点では完全に消滅しています。コロナ収束後の宿泊業界
しかし、今後コロナワクチンの普及に伴い、先進国を中心として全世界的に人の移動が緩和され始めます。疲弊した国内経済を立て直すためには、おそらく総選挙後の2021年11月頃より様々な経済対策が打ち出されることでしょう。当然観光業の復活も意図され、外国人観光客の入国緩和も始まります。そうすると突然、再び日本にも外国人観光客が溢れ始めます。
しかしコロナの影響で宿泊客が激減し、宿泊業界は雇用を絞りに絞ってきました。
そのため外国人観光客が戻って来たときの人的対応力に欠けており、宿泊業界は突然の人手不足に陥る可能性が大です。
コロナ後の宿泊業界が、技能実習を選ぶべきか、特定技能を選ぶべきかについては、この突然の人手不足にどのように対応するかがポイントになります。宿泊業界における技能実習のメリット
- 技能実習は無試験で日本に来られるため、人材が豊富に集まること(特定技能より人気がある)
- 突然の人材難に対して、来日まで約半年かかるが、人数的な対応が十分可能であること
- 一般的に最低賃金レベルで雇用できること(特に地方では雇用しやすい)
- 転職されないので、3年間安定した雇用ができること
宿泊業界における技能実習のデメリット
- 認定を受けた技能実習計画に従った実習を行う必要があり、任せられる仕事の制限が大きいこと
- 制度上さまざまな義務があり、実習実施者側に手間と費用がかかること
- 雇用できる人数に制限が大きいこと
宿泊業界における特定技能のメリット
- 技能実習に比べて制限が少なく、任せられる仕事の範囲が大きいこと
- 実習実施者側に手間と費用があまりかからないこと
- 雇用できる人数枠が大きいこと
宿泊業界における特定技能のデメリット
- 日本語試験と技能評価試験の2つの試験に合格する必要があるため、外国人にとっては技能実習よりかなりハードルが高いこと。つまり外国人にとって技能実習のほうに人気が集まり、特定技能候補者が集めにくいこと
- 日本人と同等以上の賃金を支払う必要があること
- 地方では人を集めにくいこと(都会を望む外国人が多いこと・地方は都会より給与水準が低く不人気であること)
- コロナ後の突然の需要増加に対して、十分に人が集められないことが予想されること
- 厳しい労働環境だと転職される可能性があること
結論
以上を比較検討しますと、コロナ後の宿泊業界で外国人を雇用する場合、技能実習をまず選択し、技能実習3年経過後に特定技能に移行することが望ましいと思われます。
まとめ
技能実習は国際貢献が目的の制度となります。
特定技能制度とは雇用の目的が異なりますが、コロナ収束後の宿泊業界にとっては、欠くことのできない制度でもあります。
技能実習と特定技能のメリット・デメリットを十分把握していただき、技能実習制度を利用する場合は、技能実習から特定技能への移行なども見据えながら、転職せず長く働きたいと外国人に思ってもらえるような職場環境作りがとても大切です。
この記事が、宿泊業界の皆様のお役に立てること、そして宿泊業界がコロナに打ち勝ってみごと復活を遂げることをお祈り申し上げます。- 2022.02.17技能実習制度は廃止するべきか? 特定技能に統合するべきか?
技能実習制度に対しては多々問題が指摘されており、他国や人権団体、マスコミなどから奴隷制度だと揶揄されるケースもあります。
そのような中で、日本政府は今後技能実習制度をどうしていくべきか、新在留資格「特定技能」に統合すべきという意見についてはどのように決着するかを予想するとともに、受け入れ企業の人事部門ができることについてまとめました。目次
技能実習制度の目的
技能実習制度は発展途上地域に対し、国際貢献を行うために日本が導入した制度です。日本の技術または知識の移転を「人づくり」を通して行うのが技能実習制度です。
そのため、技能実習は国内の人手不足を補う安価な労働力の確保等として使われることがないように、基本理念として技能実習法(2019年11月施行、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)により次が決められています。- 技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備されていること
- 技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われること
- 労働力の需給の調整の手段とされないこと
技能実習制度の現状と問題点
技能実習は労働力の確保のみを目的として実施してはならないにもかかわらず、企業・外国人ともに経済的な利益を得る目的で制度を利用していることが多いところに根本的な問題点があります。
まず多くの企業(実習実施者)は、安価で3年間安定的な労働力を確保する目的で技能実習を利用しています。
※技能実習では、1年間(技能実習1号のみ)、3年間(技能実習1号と2号)、5年間(技能実習1号、2号、3号)在留することが可能ですが、技能実習3号はあまりにハードルが高く、また在留が1年では日本に来るために支払った料金を回収できないことから、技能実習は3年間在留するケースがほとんどです。一方外国人は、母国よりも高額な収入を得る目的で日本に技能実習に来る人がほとんどです。
つまり、技能実習制度は「発展途上地域に対し国際貢献を行う」という崇高な目的とは乖離した意図で運用されている実態となっています。また、技能実習においては次のような問題も起こっています。
技能実習生の失踪
- 厚生労働省の資料によると、令和元年10月末時点での技能実習で日本に滞在する外国人の数は約38.4万人で、うち2%が失踪しています。
労働基準法違反の例
- 実際に労働者に対して時間に対する賃金ではなく、月平均所定労働時間分の賃金を支払っていた。
- 時間外労働協定の締結なしに時間外労働を行わせており、最長で1ヵ月74時間58分の時間外労働をさせていた。
- 週40時間を超える労働時間に対して割増賃金を支払っていなかった。など
業務内容の乖離
- 建設業務と話を聞いて日本にやってきたが、実際に作業を行ったのは原発の除染作業だった。など
技能実習制度を廃止すべきだという意見の数々
[社説]技能実習は速やかに廃止を:日本経済新聞2021年7月26日
人手不足を補うため海外から人材を受け入れるだけ受け入れ、劣悪な労働環境は放置というのでは無責任のそしりを免れない。外国人技能実習制度のことだ。
(社説)技能実習は速やかに廃止を: 日本経済新聞
2020年末の外国人技能実習生の数は15年末の約2倍になった(写真は外国人技能実習生)
いっこうに改善がみられないこの制度はすでに行き詰まっている。速やかに廃止し、外国人材の受け入れ体制を立て直すべきだ。
会計検査院が、実習生の受け入れ企業に対する外国人技能実習機構の実地検査の状況を公表した。2019年4~9月に起きた実習生の失踪のうち2割にあたる755件で、同機構は20年3月末時点でも企業の労働環境などを調べる実地検査をしていなかった。
うち557件では、実地検査の基礎資料となる賃金台帳やタイムカードも入手していなかった。
技能実習制度の監督機関として17年に発足した同機構は、調査の人員不足が指摘されてきた。業務効率化などで実効性のある手を打たず、役割を十分に果たしてこなかった責任は重い。
実習生は年々増え、20年末はコロナ禍で前年末より減ったものの、15年末の約2倍の37万8千人を数える。
一方で違法な長時間労働や賃金不払いなども増え続け、19年はこうした労働関係法令違反が6796事業所でみつかっている。
国際貢献の名のもとに、実習生を安い労働力ととらえる建前と本音の使い分けは、もはや限界だ。世界からも技能実習制度は人権侵害の問題があるとして批判されている。廃止し、19年に新たな外国人材の受け皿として設けられた特定技能制度に一本化すべきだ。
問題の根源は、海外からの労働力の調達を優先し、外国人の働く環境の整備や生活支援を二の次にしてきた政府の姿勢にある。
政府は外国人材の生活支援策をまとめ、改訂を重ねている。日本語学習や子どもの就学の支援をはじめ多彩な項目からなるが、問題は実行のスピードの遅さだ。
支援策が掲げる「共生」への道のりは遠い。外国人を単に労働力とみる意識を除くことが先決だ。[社説]技能実習生 応急措置後を見すえよ:朝日新聞2020年4月30日
あくまで新型コロナウイルスの感染拡大に伴う応急措置である。多くの矛盾と問題をはらむ制度自体をなし崩しに温存することがあってはならない。
(社説)技能実習生 応急措置後を見すえよ:朝日新聞デジタル
あらかじめ働く場を決め、原則として転職できない外国人技能実習制度で、政府は職種の変更を認める仕組みを導入した。
観光・製造業などに就いていた実習生が休業に伴って職を失う一方、入国規制で新たな実習生が来日できなくなった影響で農漁業や介護分野では人手が足りない。そんな実習生と事業者を政府がつなぎ、向こう1年働ける在留資格を認める。
コロナ禍は世界に広がっており、仕事をなくしながら帰国もままならない実習生は少なくあるまい。放置するわけにはいかない。この手当てで助かる事業者がいるのも確かだろう。
ただ、技能実習をめぐっては、低賃金労働や長時間の残業、雇用主による暴力など、様々な人権侵害が後を絶たないことを忘れてはならない。
政府は実習生を受け入れてきた事業者に対し、まずは雇用の継続を指導すべきだ。どうしても難しい場合は、本人の希望に基づき、働き手を求める事業者と結ぶ。これまでの受け入れで違反がないことが前提で、法令を守ることを確約させる。そうした手順をしっかりと踏む必要がある。
職を変える実習生は、都市部から地方へ移るケースが多いと見られる。コロナ感染は大都市圏で目立つだけに、受け入れ先で不安をもたれる恐れもある。事業者の近隣住民を含めた周知と合意形成が欠かせない。
最長1年のつなぎ期間を経た後、実習生は政府が昨年4月に新設した「特定技能」制度に移ることとされた。人材育成を通じた国際貢献を掲げる技能実習とは別に、外国人労働者の受け入れ拡大を狙った試みである。
この特定技能制度も、基本的に最長5年の滞在後は帰国させ、家族の帯同を認めないなど問題が多い。政府・与党が拙速に導入したこともあり、昨年末時点で2千人にも達しない。
一方で技能実習生は増え続けており、約41万人に及ぶ。事業者が圧倒的に強い立場にあるだけに、制度を残す限り、人権侵害の根絶は困難とみるべきだ。
コロナ禍は、日本社会が外国人の働きに頼る現状を改めて浮き彫りにした。労働力ではなく、生活者として受け入れる。この基本に立って、官民の関係者には技能実習生の暮らしぶりへの目配りを怠らないでほしい。その上で、今回の応急措置を制度の縮小・廃止への起点としつつ、海外の人材にかかわる仕組み全体の見直しを急がねばならない。技能実習制度を残すべきだという意見の数々
経済同友会 『多様な人材の活躍に向けた現状認識と課題~兼業・副業の促進と特定技能制度の定着などを中心に~』 2020年7月 抜粋
(4)特定技能制度の課題
1 特定技能制度と技能実習制度の接続
現行の特定技能制度は技能実習制度の移行を前提とした制度である。これに対して、本会は提言で、国際貢献を目的とする技能実習制度と労働力不足への対応策として創設された特定技能制度では目的が異なるとし、両制度の本来の目的を踏まえ、両制度は接続させず、それぞれ独立した制度として運用すべきと主張している。また、本会は技能実習制度については、実習のニーズの状況を踏まえ、廃止も視野に入れた制度の見直しが必要との立場を取る。
特定技能制度に関係する企業、団体からヒアリングを実施したところ、本会の 意見に対して、特定技能制度の登録支援機関である東洋ワークの須佐社長からは、 賛同する意見を得た。一方で、技能実習制度の監理団体で特定技能制度の登録支援機関でもある国際労務管理財団(IPM)の伊瀬専務理事は「両制度を接続させず」「技能実習制度の廃止も視野に入れる」という本会の意見に対して反対を表明し、両制度を密接に接続させる工夫を加えて、それぞれの改善を図っていくべき、とした。また、会員企業へのアンケート調査によれば、特定技能制度と技能 実習制度の接続・併存に対して、制度を複雑化しているとの意見、また現行の技能実習制度の問題点として、受入れ企業の待遇の低さを指摘する声があった。<特定技能制度登録支援機関の意見(東洋ワーク 須佐社長)>
〇特定技能制度と技能実習制度は独立した制度として運用すべきという同友会の提言は、まさにその通りである。技能実習制度で3年実習した後、そのまま特定技能制度に移行し、5年間日本で働くというのはおかしい。
〇日本の技能実習制度は、労働と技能を学ばせることが混在してしまっている。単純労働者と技能実習生とは区別すべきである。特定技能制度についても、1号と2号を分けるのはいかがなものか。労働は単純労働として、特定の国から受入れ人数の上限を決めて受け入れるべきである。特定技能制度については、1号と2号の区分を撤廃すべきである。2号のみ家族帯同となっているのは制度に偏りがある。特定技能制度については滞在期間を10年としたうえで、家族帯同可能とし、留学生の在留資格と同様、家族は18歳以上であれば週 28時間まで働いてよいとすべきである。<技能実習制度監理団体・特定技能制度登録支援機関の意見(IPM 伊瀬専務理事)>
多様な人材の活躍に向けた現状認識と課題
〇特定技能制度を技能実習制度と独立した制度として運用するという提言には、反対。二つの制度は「技術移転・国際貢献」と「人材不足を補う」という共通の目的に統合する方向で、当面、両制度の適正な運用を図りながら、両制度を密接に接続させる工夫を加えて、それぞれの改善を図っていくべき。
〇技能実習制度は「政策転換」を反映した制度の発展方向で見直すべき。まず技能実習に「人材不足を補う」という目的を加え、人手不足を補う必要が客観的に認められる業種に門戸を広げ、海外諸国の人づくりに貢献しながら、人手不足を解消し、産業を発展させる方向に制度改正することを期待したい。
〇技能実習は技能を学び、日本の仕事の進め方や社会生活を経験するいわば「義務教育」として、さらに、より高度な技能を有する人材について、家族の帯同も認める「特定技能」として位置づけていくのがよい。
~兼業・副業の促進と特定技能制度の定着などを中心に~日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑応答
意見交換会でのご意見・ご要望
日本政府としては、将来的に技能実習から特定技能にシフトチェンジしていく方針ですか?あるいは今後も並行していくのですか?木村義雄先生の回答
日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑応答より
技能実習は様々な問題点がありました。
特に海外の人権論者の方から、技能実習は技能習得ではなく労働ではないか。しかも奴隷労働だという大変厳しいご意見がありました。
そのことを受けて、2年前から特定技能という新しい制度をスタートしました。
技能実習の目的は、国際貢献であり、日本で勉強をしてしっかりと仕事を学び、今後母国で活躍していただくというのが大前提です。
それに対して、特定技能というのは正面から労働として入国していただこうという制度です。
将来的には、技能実習は国際貢献の1つとして純化されていくと考えます。もちろん直ちになくなるわけではなく、徐々に純化されていくでしょう。
そして特定技能は、正規の労働として行っていただくということです。
特定技能に関しては2年後の見直しを本年度から(2021年4月から)スタートする予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で1年延びました。
ですので、来年の4月から(2022年4月から)特定技能においては様々な見直しが行われます。
技能実習に関しては、(2019年の)5年後の見直しが予定されています。すでに2年経っていますが、コロナで1年伸びましたので、今から4年後(2025年)の見直しの中で技能実習をどのように純化していくかを決めていきます。
直ちに、様々なことが変化するのではなく見直しの中で今後の方針を決めていくということであります。技能実習制度の今後について
目的は崇高な技能実習制度ですが、本来の目的が達成されないのであれば、やり方が間違っているか、そもそもできないかのどちらかになります。上記の課題の解決には少なくとも次の打ち手が必要になると思われます。
日本の技能実習の実態を正しく技能実習候補生に事前に説明をおこなう送り出し機関の選定と制限
日本へ技能実習生を送り出すことで技能実習生から手数料を得ているビジネス目的の送り出し機関が一大ビジネスとして現地で成り立っているケースが多々あり、そのような送り出し機関では、ブローカーなどに多額の手数料を支払い、技能実習生希望者を募集しています。ブローカーは日本の技能実習生の知識があるわけでもなく、正しくない情報も含めて希望者を口説いているケースが多いと思われます。結果、実態とはかけはなられた収入が得られると夢をもち、どのような技術が得られるかもわからないまま多額の借金を抱えて来日することになります。
きちんとした技能実習ができる実習実施者のみの認定。および、実際に運用がなされているかの監査と問題がある場合の徹底した行政指導
計画認定された技能実習が行われているか、実際に技術は身についたかの評価に加えて、労働力補完の目的と言えないかを評価する仕組みが必要だと思われます。すでに、他国や人権団体、いくつかのメディアからは上記のような実態から奴隷制度と揶揄されており、もぐら叩き的な対応ではなく、制度および運用の見直しが必要だと思われます。
前者は日本だけでは対応が難しく、ブローカーの排除についても含めると日本のみで対応できません。前述したとおり、悪質な送り出し機関やブローカーは巧妙で、送り出し国政府が罰したとしても、その関連会社が現れ、同じことの繰り返しになっているようです。
一方で後者については、日本政府が本腰を入れ、制度を改善し外国人技能実習機構による運用を厳格化すれば、自国でなんとか解決できます。
技能実習制度の問題点は、すべての技能実習現場で発生しているわけではありません。
一部の悪質な実習実施者や、それを野放しにする悪質な監理団体がその問題のほとんどを発生させています。2021年7月2日に私達が主催して開催した「日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会」でも、多くの監理団体や人材会社から技能実習制度の存続について質問がありました。
前自由民主党外国人労働者等特別委員会委員長の木村義雄先生も「技能実習制度の純化」が必要だと回答されておられます。
つまり、技能実習制度の原点に立ち返り、国際貢献と技能移転の制度に立ち戻ること、一切の法令違反を認めないように外国人技能実習機構の運用を厳格化することで、本来の技能実習の姿に戻し、特定技能制度との共存を図ることが不可欠と思われます。企業人事としてできること
外国人を受け入れる企業の人事部門としては、節度ある「技能実習」の利用が必要です。「技能実習」について制度通りの遵法な運用を行わなければ、奴隷契約と言われてしまうレピュテーションリスクがあります。制度をきちんと設計し、万一の時にも世の中に対して胸をはって、「うちの企業は大丈夫」と言える状態にしておきましょう。
すでに技能実習制度を利用しているのであれば、特に問題となっている実習の超過時間はどれほどなのか、超過時間分についての法定労働時間超過分に該当する部分については1分単位で全額残業代が支給されているか、割増残業代は支払われているかを再度確認しましょう。
最近では技能実習生の現状を知った様々な相談を受ける機関ができており、支払われていない賃金については実習終了が近づいてきたらまとめて請求を行うような取り組みも行っている機関もあります。
技能実習の残業代不払いから労働基準監督署の査察が入り、結果、全従業員への未払いが発覚し、全員分の支払いが必要となったケースもありますので、今一度見直すべきだと思います。また、技能実習生が本当に満足して実習をしているかどうかを再確認する必要もあると思います。
ある監理団体の調査では、実習先の技能実習生の半数以上が現状に不満足で、「できることなら転職したい」と回答したとのことです。
これは由々しき問題であり、今一度監理団体と実習実施者は、技能実習生一人ひとりに対して、母国語の通訳を介して「現状の問題点はあるか」「不満はあるか」「どうしてほしいか」を綿密に聞き取り調査し、技能実習生の満足度向上について早急な対策、改善を講じるべきと思います。まとめ
技能実習制度は日本だけで解決できる問題と、日本だけでは解決できない問題があり、正しく運用されるには多くの課題を解決しなければいけない現状にあります。
日本政府も特定技能についてはこれからも対応できる業務分野を広げていく考えを出しており、これからはその流れのなかで、特定技能・技能実習を正しく活用していくことが重要になってくるでしょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。制度を利用する際の参考になれば幸いです。- 2022.02.17技能実習生の失踪問題|防止策は?起きてしまったときの対応について
日本で働く技能実習生は年々増えていますが、それに伴い、失踪する人も増えています。失踪すれば、「技能実習」の在留資格は取り消しとなり、不法滞在となってしまいます。日本にいられなくなる危険を冒してまで、技能実習生が失踪するのはなぜでしょうか。
この記事では、技能実習生の失踪理由や防止方法、失踪してしまった時の対応について解説します。目次
技能実習生が失踪する理由とは?
技能実習生の失踪率は、全体の約2%です。受け入れ数が年々増えているのに伴い、失踪数も増えており、2016年に5,058人、2017年に7,089人、2018年に9,052人、2019年8,796人となっています。
技能実習生が失踪してしまう理由は大きく分けて2つあり、企業側の待遇の問題と、実習生側の経済的な問題があります。
参考:法務省 報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」企業側の待遇の問題
賃金の未払いや人権侵害、劣悪な労働環境が原因で、技能実習生が失踪してしまうことがあります。技能実習法では不当な待遇を禁止していますが、それに違反する企業もあります。
賃金の未払いや労働基準法、安全衛生法の違反、出入国管理法の違反などにより、実習の認定を取り消された企業は、2019年に約20社、2020年に約90社ありました。
賃金の未払いにもさまざまなケースがあります。
もともと約束していた給料を払わないという悪質極まりないものから、月給制なのに天候などの理由で勤務がなかったときに減額する場合、勤務したのに勤務しなかったことにする場合、拘束時間なのに理由をつけて勤務外にする場合、残業代を払わない場合、残業代を減額する場合などさまざまです。
人権侵害もさまざまあります。
国籍や宗教、肌の色や性別による差別。妊娠時の解雇。暴言などのパワーハラスメントなど、常識を持たない中小零細企業経営者やその従業員により不当な扱いを受けるケースがそれにあたります。
また人権というワクを超えるケースもあります。不当な解雇、暴力などです。
劣悪な労働環境の例は、長時間労働の強要、休暇を与えない、同僚によるいじめや暴言、寮が狭い・汚いなどがあります。実習生側の経済的な問題
技能実習生は自国の送り出し機関に、日本語講習や寮の費用を支払っています。中には100万円以上を支払い、日本に来る人もいます。技能実習生が最も多いベトナムでは、平均月収が約3万円と言われおり、送り出し機関に支払う費用は、借金をしているケースも多いです。日本での技能実習生の給与が思っていたより低い場合、借金を返せない場合もあります。そのため、もっと稼ぐために悪徳ブローカーの誘いに乗って失踪する場合があります。技能実習生が実習以外の職につくのは違法ですが、それをわかっていても、借金の返済や母国への仕送りのため、失踪して不法就労を行うケースが増えています。
技能実習生の失踪を防止するには?
技能実習生の失踪を防ぐためには、採用前に技能実習について理解してもらうとともに、実習先のの労働環境や住環境、相談体制の整備が大切です。ここでは、失踪を防ぐポイントについて説明します。
適正な送り出し機関を利用する
悪質な送り出し機関の中には、実習生から渡航費や失踪した場合の保証金を徴収しているところもあります。技能実習法ではこれらの徴収は違法のため、法律を守り、適正な額を徴収する送り出し機関を選びましょう。外国政府によって認定されている送り出し機関は、外国人技能実習機構のホームページに掲載されています。
しかし「適正な送り出し機関を選ぶ」ことこそが、なによりも難易度が高いのも事実です。なぜかというと、技能実習生受け入れ企業(実習実施者)は選んだ監理団体が指定する送り出し機関を選ばざるを得ないからです。
また監理団体にとっても「適正な送り出し機関を選ぶ」ことはとても難しいです。なぜなら送り出し機関はどこもいいことばかり言って、実態を隠しているところが多いからです。視察や面接に行ったときだけ、立派な送り出し機関であるように見せかけるところも多いです。そして送り出し機関による過剰な接待やバックリベート攻撃で、正常な判断を失ってしまう監理団体も多いのです。良い監理団体を選ぶ
採用で良い人材を見分ける工夫を行い、日本に来た後のサポートもしっかりしている監理団体を選びましょう。長年の実績がある監理団体では、トラブル対応に慣れています。技能実習生と企業との間に入って問題を解決してくれるところや、常駐の通訳を置いていて、技能実習生が相談しやすい環境を整えている監理団体を選びましょう。
また監理団体には「優良」と「普通」の監理団体があります。できれば優良な監理団体を選びましょう。優良な監理団体は「一般監理事業」と呼ばれ、普通の監理団体は「特定監理事業」と呼ばれます。優良な監理団体は、国の機関である外国人技能実習機構の厳しい審査基準をクリアしています。審査基準はポイント制で、優良認定を受けるためには一定の点数を超えなければなりません。また基準点数を満たさなくなると優良認定が取り消しになるというとても厳しい審査基準をクリアしていますので、かなり信頼できると言えます。技能実習生に、待遇の説明をしっかり行う
企業が正当な給与を支払っていても、「思っていたより少ない」と感じる技能実習生もいるようです。これは、実習生が額面の給与と手取りの金額の違いを理解していないからです。実習生に待遇を説明する際には、日本の法律に従い、給与から雇用保険や健康保険、国民年金などが控除されることを説明しましょう。また、家賃や水道光熱費、インターネット使用料を給与から差し引く場合には、丁寧な説明を行った上で賃金控除の協定書を結びましょう。後のトラブルを避けるため、控除される費用は適正であることや、控除後の手取りがどのくらいになるのかを、あらかじめ説明しておくことが大切です。
面接時、実習生に借金の額や返済計画を確認する
技能実習生は自国の送り出し機関に多額の費用を払っています。支払う費用を借金している場合、その額と返済計画を確認しましょう。例えば、実習生として働き始めてから月に15万円返済する計画の場合、給与の控除額と生活費を考えれば、とても現実的ではありません。借金を早く返済したい気持ちから、失踪して不法就労するケースもあるため、面接時に確認しましょう。
実習生の待遇や生活環境を整え、相談しやすい体制を整える
技能実習生の失踪は、賃金や残業代の不払い、パワハラなどが原因のこともあります。当たり前のことですが、給与は規定の額を給料日に振り込み、住環境を整えてください。また、技能実習生が相談しやすい体制を整えることも必要です。給与や待遇に問題がなくても、「帰国したくない」という理由で失踪する実習生もいます。普段から技能実習生を気にかけ、些細な変化に気づくことが大切です。
技能実習生が失踪した時の対応法
技能実習生が職場に現れず、連絡がつかない場合は失踪した可能性があります。その場合、次の手順で対応しましょう。
①監理団体へ連絡する技能実習生が失踪したら、監理団体へ連絡してください。受け入れ企業と監理団体で技能実習生を探します。
②技能実習生の状況を確認する会社の同僚や、近くに住む実習生がいたら、失踪した技能実習生について聞き取りを行いましょう。最後に顔を合わせたのはいつか、普段と変わったことはなかったか確認してください。また、技能実習生の部屋に入り、荷物を確認してください。貴重品や携帯電話、パスポートが置いてあった場合は事件に巻き込まれた可能性もあります。警察に捜索願を出しましょう。荷物や貴重品、パスポートが見つからない場合は失踪した可能性が高いです。送り出し機関や母国の家族にも連絡し、居場所を知っているか、失踪の気配があったかなどを確認しましょう。
③外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出」を提出する監理団体から外国人技能実習機構へ「技能実習実施困難時届出」を提出します。失踪先が判明している場合でも届け出の必要があります。
④退職に関する手続きを行う
技能実習実施困難時届出には、受け入れを行っている企業の情報や実習が困難になった理由、実習生の状況を記入し、提出します。
届出の提出後は、外国人技能実習機構や出入国在留管理機関からの指示を受け、行動してください。失踪する前日までの給与を計算し、支払い手続きを行います。また、社内の規定に基づき退職手続きを行いましょう。雇用保険、社会保険、厚生年金の資格喪失手続きなどが必要になります。
技能実習生が失踪した場合、企業へのペナルティは?
技能実習生の失踪が多い企業は、技能実習における「優良な実習実施者」の基準を満たせなくなる可能性があります。優良な実習実施者の対象から外れると、技能実習3号の受け入れができなくなり、受け入れ人数枠も規定の人数となってしまいます。
「優良な実習実施者」の基準は、ポイント制です。150点満点中、6割以上の点数をとれば、優良な実習実施者となります。
技能実習生の失踪に関する基準は次のとおりです。・直近過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと。
失踪者が0人 : 5点
失踪者が10%未満又は1人以下: 0 点
失踪者が20%未満又は2人以下:-5点
失踪者が20%以上又は3人以上:-10 点
・直近過去3年以内に責めによるべき失踪があること
該当する場合:-50 点
失踪者の基準に、割合のほか人数があるのは、受け入れ数が少ない企業に配慮しているからです。例えば、3年間で3人の実習生を受け入れている場合、1人が失踪すると、「失踪の割合が20%以上」となり、10点減点されてしまいます。この場合、「失踪者が1人以下」の人数での基準を適用すれば、減点はありません。
ただし、受け入れ企業の「責めによるべき失踪」があった場合には、人数に関わらず50点の減点となります。現在、「優良」となるには150点満点中、6割以上の90点以上をとる必要があります。実習実施者の責任による失踪が起きた場合は、50点引かれるため、「優良な実施実習者」になるのは難しくなります。
「責めによるべき失踪」は個別判断となりますが、給与を適切に払わない、劣悪な環境で働かせたなどの理由で技能実習生が失踪した場合が該当します。
また、受け入れ企業が労働基準法や技能実習法に違反していた場合は、懲役や罰金などの罰則を受けることがあります。法令違反等がある場合、技能実習生の新規受入れが停止となることもあります。★まとめ
実習生が失踪する理由は大きく分けて2つあります。1つ目は実習生の待遇に関する企業側の問題、2つ目は多額の借金を抱えている実習生側の問題です。技能実習生の失踪を防止するためには、採用時に手取り額を含めた給与の説明を行うこと、実習生の借金の返済計画を聞くこと、実習開始後の給与・労働環境・住居環境を整えること、気軽に悩みを相談できる窓口を設けることなどです。万が一、技能実習生が失踪した場合はすぐに監理団体への報告が必要となります。技能実習生の失踪が多い場合、企業は「優良な実習実施者」の基準を満たせなくなる可能性があります。また、技能実習生の失踪原因が企業の受け入れ体制の問題だった場合、技能実習法や労働基準法に違反している可能性があり、法に基づく罰則や新規受け入れ停止の措置を受けることがあります。
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失踪した技能実習生の対応について警察で行方不明届を出すよう言われているため対応をしているが、警察側から事情を細かく聞かれるため時間が掛かる。
- 2022.02.16ポストベトナムの最有力国、ミャンマーはなぜ注目されているのか?セミナー大公開
目次
北中 彰 ミャンマー政府認定圧倒的No.1人材送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」グループCEO・株式会社スリーイーホールディングス 代表取締役社長・スリーイーグループCEO
1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学卒業後、コンピューターサービス株式会社(現SCSK株式会社)に入社。のち1990年12月に株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業し、代表取締役就任。トナーカートリッジ、インクカートリッジにおける環境問題に着目し、カートリッジリサイクル事業のパイオニアとなる。
2012年よりミャンマーに進出。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、グループCEOに就任。2019年12月にミャンマー国内での総送り出し人数No.1となり労働大臣より表彰を受ける。MOEAF(ミャンマー送出機関協会)の2023年9月発表では2位との差が約2.4倍の圧倒的No.1人材送り出し機関となる。現在では、ミャンマー有数の日本企業経営者として、日本の少子高齢化による人材不足問題に着目し、全国で技能実習や特定技能など外国人雇用に関する講演会および情報発信を精力的に行っている。
そのほか、3E Global Co.,Ltd Chairman、3E Yangon Co.,Ltd Chairman、株式会社サップ代表取締役、オフィネット・ドットコム株式会社代表取締役。
日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、 日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えることを目的として設立された⼀般社団法人外国人雇用協議会理事
日本で働きたい人が世界一多い国ミャンマーの若者に、日本で働くという夢と希望を与えるため、「なぜ今、ミャンマーなのか?」~人材不足解消の最後の切り札~を2024年11月に出版。大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。なぜミャンマーなのか?
なぜミャンマーなのか。それは日本人に近い国民性を持ち、日本に行きたい強い理由があるからです。
日本に行きたい強い理由がある
日本に行きたい理由は、
①優秀な若者が多いが、いい仕事につけるチャンスがなく給料が安いこと
②就職したとしても地方での簡単な仕事では月給が7,000円程度しかもらえないこと
地方での簡単な仕事(レストランのウェイトレスや店員など)では月給が7,000円程度しかもらえません。
2021年2月からクーデターが発生し、ミャンマー国内状況が悪化したため、様々な欧米企業がミャンマーから撤退し、さらに仕事がなくなり、現在ミャンマー国内は失業者が160万人以上増えたと報道されています。
またミャンマーの通貨が暴落し、貨幣価値が以前の3分の2位となりました。そのため、輸入品に頼っているミャンマー経済は、物価が1.5倍に上昇しました。
ミャンマーでは今、仕事がなく、生活は苦しく、家族が食べていけない状況になっており、家族を養うために家族の中で1人か2人は海外へ働きに行かなければならない切実な状況になっています。③海外で働く国として日本が一番人気である
世界中の発展途上国から見ると、日本は出稼ぎ対象国としてどんどん人気がなくなってきています。
日本は30年間給料が上がっていません。そんなデフレ経済の日本は外国との比較において、相対的な地位がどんどん低下しており、働く先としての日本は魅力のある国ではなくなってきています。
今、日本が選ばれない国となってきているのは、非常に切実な問題です。
なおかつ、岸田政権は外国人の入国をほぼ完全にストップしています。(2022年2月16日現在)留学生、技能実習生、労働力も全部受け付けないということをやっている日本はさらに嫌われていくという状況です。
そのような中でもミャンマーだけは、海外で働く国として日本が一番人気です。その理由は、歴史的な理由、宗教の理由、国民性等、様々あります。
今ミャンマーでは、クーデターの影響で、海外で働きたい人がすごい勢いで増えており、出稼ぎ先の一番人気は日本。そして、日本で働きに行くとしたらどこを頼るかというと、ミャンマーNo.1の送り出し機関で、信用度の高いミャンマー・ユニティを頼るという状況で、今ミャンマー・ユニティには応募者が殺到しております。日本人に近い国民性
④国民の9割が敬虔な仏教徒で、仏教文化が根付いている
⑤心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目、犯罪が少ない
ミャンマーは国民の9割が敬虔な仏教徒です。ミャンマーの仏教は上座部仏教(小乗仏教)という仏教で、とても信心深く、心がとても純粋で、勤勉で真面目です。またミャンマー仏教は「現世で徳を積むことにより、来世で報われる」という思想であるため、アジアで最も貧しい国であるにも関わらず、日本並みに犯罪が少ないことも特徴です。
⑥日本人と価値観が合う(控え目・身勝手な自己主張を避ける)
ミャンマーの方々は、とても控えめで、身勝手なことを言わない国民性で、とても日本人に近いです。
ミャンマー・ユニティも、ミャンマーで135人のミャンマー人の方を雇っておりますが、協調性の高い方々でとても仕事がやりやすいです。⑦日本語とビルマ語の文法が似ており日本語の上達が早い
日本語とミャンマー語は文法が似ているため、ミャンマーの方は日本語の上達がとても早いです。
例えば「私はお茶を飲む」。これが基本的な日本語の並びです。世界中の外国の言語は、「私は飲む、お茶を」という並びが多いと思います。
ところがミャンマー語(ビルマ語)は日本語と並びが同じです。また私【は】や、お茶【を】などの助詞を使います。ですから単語を覚えれば文章になるので、ミャンマーの方々がとても記憶力が高いこともあって、日本語の上達はとても早いです。
また、ミャンマー語は280音で構成されており、その中には日本語の50音と似ている発音も多数あります。そのため、ミャンマー人の方は日本語の発音も難なく習得ができる傾向があり、ミャンマー人の方が話す日本語は他国の人材と比較して、とても聞き取りやすいと言われています。⑧ベトナムの次に人口の多い仏教徒はミャンマーである
外国人技能実習生やその他の在留資格もですが、日本は外国人労働力を主にベトナムに頼ってきました。
しかしそのベトナムも著しい経済発展により、日本に行って働くことの魅力がどんどんなくなってきており、日本に行こうとする人がどんどん減ってきており、また人材の質の低下に悩んでおられる方が増えてきました。
特に不人気な職種、例えば介護・建設・農業や外で働く仕事などは、労働環境が厳しくきつい仕事です。こうした3K業種は特にベトナム人が希望しなくなってきました。 ベトナムでは人が集まらないのでいい候補者が集まりません。そうなると少ない候補者の中から無理矢理選考をすることになり、後々いろいろと問題が起こる可能性があります。
もうベトナム人の受入れは難しい、という声が非常に強くなってきているので、その次の国を探す動きがでてきています。外国人技能実習生在留状況【2019年6月時点】
今回のセミナーは「ポストベトナムの代わりになる人材送り出し国はどこだ」がテーマです。
ベトナムは経済発展著しく、ベトナム国内で十分に仕事があり、十分に良い給料の高い仕事があるので、いい人はもう日本にはやってこなくなりました。
さらに、外国と比べて日本の相対的地位が低下していることにより、日本に来る人はさらに少なくなっています。ベトナムは今後、人材送り出しの数はどんどん減っていくと想像できます。
中国も一緒です。世界第2の経済大国中国も、日本と相対的地位がだいぶ接近してきており、これからは人材送り出し国として期待ができません。
フィリピンは本来であれば期待できるのですが、フィリピン政府の規制が非常に厳しく、フィリピンからの人材受け入れが難しいと感じていらっしゃる方は非常に多いと思います。
インドネシアは人口が多く本来期待できるのですが、仏教国がいいという声が多いです。
タイは経済発展著しく期待できません。
カンボジアも本来期待できるのですが人口が少なく、ミャンマーの約3分の1位の人口です。また教育水準が低く、文字が書けない読めない方が国民の4割位います。文字が読めない人は日本語の教科書も読めないので、日本語教育がとても難しいです。10年後の送り出し国順位予想
そうなると「やはりミャンマーだね」となります。
これは私の個人的な予想ですが、10年経ったら色々な国が経済発展をしていき、GDPは10年で倍くらいになります。そうするとさらに日本に行く意味がなくなってきます。
一方でミャンマーは2021年2月の軍事クーデターにより、経済が悪化し日本との格差がさらに開きました。
ですから10年後にはミャンマーが日本への一番の人材送り出し国になっていくと予想しております。また、今後しばらく経済格差が続きますので、今後30年間はミャンマーから日本への人材送り出しが期待できると思います。ミャンマー・ユニティが選ばれる理由
ミャンマーNo.1の実績
我々の累計送り出し人数は1,381名です。
ベトナムなどに比べると全然大した人数ではないのですが、これでもミャンマーでトップの送り出し人数です。介護職(185名)が多いことが特徴です。
現在、コロナ規制が続いており、入国待ちの内定者数が1,166名おります。そのうち介護職が258名おります。(2022年2月16日現在)面接候補者がとても多い
また、面接を待っている候補者がとてもたくさんおります。
面接の候補者も誰でも登録すればいいということではなく、ミャンマー・ユニティで一次選考して合格した方々を面接待機者と呼んでおります。
ミャンマー・ユニティで教育をし、授業態度が良いかどうか、またテストを受けてもらい良い成績を収めるかどうか、また人物的に素晴らしい人材かを判断しています。
そして日本に行ってやっていける人材、我々が大丈夫だと自信を持っていえる人材が、介護以外の職種で1,488名、介護職種で701名、いつでも面接を待っている状態です。(2022年2月16日現在)中でも、介護職の面接待機者が多いことが特徴です。介護職は世界的にで人気がない職種です。日本でも日本以外の国においても、介護をやりたいという人はなかなか集まらない傾向にありますが、ミャンマーだけは特別で、介護職に人気があります。
理由としては、年長者を敬う文化があること、大家族でおじいちゃん、おばあちゃんの面倒を家族がみることが当然であること、そして高齢者が大好きな方が多いことです。
また、ミャンマーの上座部仏教には「功徳を積む」という考え方があり、「体の不自由な高齢者を助けることが徳を積むことにつながる」と考えるミャンマー人には、介護職が人気なのです。
日本でもその他の国でも介護職の候補者集めはとても苦労するのですが、ミャンマーだけは介護職の希望者がたくさんいるのです。
また、ミャンマーの政変により経済が打撃を受け、日本で働きたい人がすごく増えました。そしてミャンマー・ユニティがNo.1で信用度が高いので、日本に行くならミャンマー・ユニティということで候補者が殺到してきている状態です。
ぜひ彼女彼らに、お仕事の機会を与えていただければ幸いです。よろしくお願いします。高度な日本語教育
ミャンマー人は日本語の上達が早いと申し上げましたが、出国時にN4の社内模擬試験に93%も合格しています。なぜJLPTではなく社内模擬試験なのかというと、JLPTは年に2回しか試験がないので、全員が受けられないためです。そのためJLPTと同レベルの社内模擬試験を行っているのです。
介護職種においては、NATテスト3級に82%が合格して日本へ出国します。これほどまでに日本語教育水準が高い送り出し機関は世界中でもミャンマー・ユニティだけだと思います。高い日本語教育の根拠としましては、介護以外の職種で5ヶ月700時間の日本語教育、介護職種で10ヶ月1,400時間の日本語教育を行っていることが挙げられます。
しかし日本語教育は、ただ試験に受かればよい、ただ単に読み書きができればいいということではありません。
日本に来ての最重要課題は日本語力だと思います。日本語がしっかりできていないと、聞いて話すコミュニケーション力がないと様々な問題が起こる原因となります。
よくある話で、「これをやっておいてください」と外国の方にお願いしますと、皆さんわかっていなくても「わかりました」と言いますが、実際に仕事をしてもらうと全然言う通りにやってくれないということがよくあります。
「なぜやらないのだ」というようなことを日本人が言うと、外国の方は怒られたと思いショックを受け、だんだんと日本人職員と心が離れ、亀裂が生じることになります。
また、日本語を理解していない外国人が「わかりました」と言ったことにより、業務上の重大な事故が起こる可能性もあります。特に建設現場では大きな事故が発生したり、介護現場ではご高齢者の命に関わるような事故が起こる可能性もあります。
心が離れていく、あるいは事故が起こるかなりの原因が、日本語力が不足しており、日本語のコミュニケーション力が足りていないことが原因なので、我々は日本語のコミュニケーション力が非常に重要だと考えております。
ですから、ミャンマー・ユニティでは、ただ単に試験に受かるための教育をするだけではなく、会話力を上げるために、日本人の日本語の先生が毎日最低1時間は会話授業を組み込んでおります。
現地人の日本語教師を雇うのに比べて、日本人の日本語教師を雇うとコストが10倍くらい多くかかりますので、当社以外の送り出し機関ではほとんど日本人の日本語教師を雇っていないと思います。
さらに昨今の新型コロナウイルスの蔓延による日本の外国人入国規制により、ほとんどの送り出し機関は経営が悪化し、日本人教師を軒並み解雇しているところも多いようです。
ですから、この日本人日本語教師による綿密な日本語コミュニケーション教育は、ミャンマー・ユニティの最大の特徴となっております。逆に入国後講習において、「他の送り出し機関から来た技能実習生と、ミャンマー・ユニティの技能実習生をいっしょに混ぜて日本語授業を行うと、ミャンマー・ユニティの実習生の日本語力があまりに高いため授業がうまくいかない。日本語レベルが違いすぎるので、授業のクラスを分けている」という声も聞かれるくらいです。
法令遵守
技能実習制度は奴隷制度だとか、技能実習生が日本でひどい目に遭っているというような批判が内外で起こっています。
本来ベトナムでは3,600ドル、ミャンマーは2,800ドルしか本人からは徴収してはいけないというルールですが、ほとんどの送り出し機関はそのルールを守っていません。
ほとんどの送り出し機関はあれやこれやと理由をつけて、それ以上の金額を徴収しています。教育費だとか、手続き費用だとかいろいろ理由をつけ、ひどいところでは総額100万円とか150万円を徴収しています。
それを高利貸しから無理やり借りさせてとんでもない状態で日本に連れてくるということが起こり、失踪したり実習先から逃げ出し、悪い集団に入って悪いことをする。こういったことが問題発生の原因だと言われています。
ミャンマー・ユニティでは、この問題を防ぐためにミャンマーで決められた2,800ドルしか絶対に本人から徴収しません。
色々な教育費・手続き費用などの名目で別途徴収することも絶対にいたしません。技能実習生の本人負担を減らすには「3大悪」を排除しなければなりません。
①過剰な接待をしない
本人負担が増える原因の1つ目は「送り出し機関による過剰な接待」です。
以前は我々もミャンマーへ来た方々から、当然のごとく接待を要求されるということがよくありました。しかし私たちは接待こそが本人負担が増えてしまう原因だと考え、そういった要求を一切断ってきました。②一切のバックリベートを払わない
本人負担が増える原因の2つ目は「バックリベート」です。
以前は監理団体の方が「ミャンマー・ユニティから技能実習生を受入れしたらいくらくれるのだ」と我々にバックリベートを要求することもよくありました。こういった要求も我々は一切断ってきました。
以前は接待すること、リベートを払うことはごく当然のこととして横行していたので、これらの要求を断るミャンマー・ユニティは、当然のように要求する監理団体の人たちからはかなり嫌われました。接待をする、あるいはリベートを払うという悪い習慣がさも当たり前という世界が存在していました。
「接待は一切やりません」「リベートは払いません」と言うと、「なんでミャンマー・ユニティはやらないのだ、であれば取引しない」というようなことをたくさん言われました。
現在は外国人技能実習機構がそのような悪い習慣を徹底して取り締まるようになりましたが、今でもたちの悪い監理団体の方がこういったことを要求してくる場合があります。
しかし我々は一切断ります。なぜ断るかというと、この接待したお金やリベートがそのまま技能実習生本人の負担に跳ね返るからです。
本人負担が増えて、技能実習生の借金が増え、それが問題発生の原因になるため、こういった要求は一切お断わりしております。③ブローカーを介さない
本人負担が増える原因の3つ目は「ブローカー」です。
ミャンマー・ユニティは、ブローカーを一切使いません。
ブローカーにも色々ありますが、一般的に送り出し機関は人材を集めるのが難しいので、地方の有力者などに人集めを頼みます。もちろん無料ではやってくれないので、1人当たりいくらとか、何十万とかをそのブローカーに払うことになります。そしてそのお金が本人負担に跳ね返ることになります。
またブローカーにはもう一つあります。
「日本に行きたいのであれば、俺に金を払え、俺に金を払ったらいい送り出し機関紹介してやる」と現地の方に口利きをするブローカーもいます。つまり、日本に行く候補者を集める際にもブローカーが暗躍するのです。
ミャンマー・ユニティは、こういった人材集めのブローカーも一切使いません。ミャンマー・ユニティは技能実習生本人から2,800ドルしか一切徴収しないということで問題発生を防いでおります。2,800ドルしか絶対徴収しないということも、我々がミャンマーでナンバーワンの評判になる大きな理由です。
ミャンマー・ユニティは一番少ない費用で日本に行け、ミャンマーでNo,1の送り出し機関ということでミャンマー人の間では「日本で働くのであればミャンマー・ユニティ」ということがほぼ常識となっており、我々の所に人材が集まってくるのです。人材募集力
すべての外国人が日本で働くことを望むわけではありません。特に昨今は日本の相対的地位が低下していることから、日本が働く国として「選ばれない国」になりつつあります。
また、特に不人気な職種においては、人材を集めること自体がとても難しくなってきております。
介護業界、建設業界、農業などは、日本でも不人気であるとともに、もうアジアの国々においても希望者を集めることは困難になってきております。そのような中で、ミャンマー・ユニティは抜群の人材募集力により、豊富な人材を集めることができます。
①ミャンマーNo.1の評判により人材が集まる
ミャンマー・ユニティは、ミャンマーNo.1の日本への送り出し実績があるミャンマー最大の人材送り出し機関です。 また技能実習生本人の負担金額が2,800ドルだけなので、他の送り出し機関より費用負担が少なく、その評判がミャンマー国内で駆け巡っており、ミャンマー人に絶大な信用があります。
ですから、「日本で働くならミャンマー・ユニティだね」と、日本で働きたいミャンマー人が、ミャンマー・ユニティに殺到しております。
2021年のクーデター発生により、経済が壊滅的な打撃を受け、生活困窮者が増大しており、さらに海外での出稼ぎ需要が増えていることから、「出稼ぎに行くなら日本」「日本で働くならミャンマー・ユニティ」と当社に応募が殺到しております。②ミャンマー全土の日本語学校と提携している
ミャンマー・ユニティは、ミャンマー全土の日本語学校と提携しております。
ミャンマーでは、日本語学校で日本語を学んでいる人は意外にたくさんいます。日本語を学ぶ目的はさまざまです。ミャンマーに進出している日本企業に就職したい人、日本語の先生になりたい人、日本語の旅行ガイドを目指している人、そして日本で働きたい人などです。
明確な目的がないまま日本語を学んでいる人もおり、そんな方々で真面目で優秀な方がいた場合、日本語学校の校長先生が「日本に行くならミャンマー・ユニティがいいよ」と我々に推薦してもらえる提携関係があり、優秀な生徒が紹介してもらえるのです。③MJ Space(無料日本語オンライン学習)による募集
ミャンマー・ユニティは、MJ Spaceという無料日本語オンライン教育サイトを運営しております。
お金があり暇があって日本語学校に通える人はいいのですが、そうでない方もミャンマーにはたくさんおります。例えば、日本語学校に通うお金がない方や、田舎すぎて近くに日本語学校がない方や、家の農業をやるために自宅を離れられない方や、家族の面倒を見るために自宅から離れられないというような方も大勢いらっしゃいます。
そういう方々も日本に行くことができれば人生が開けます。
生活苦を打開するために日本に行きたい。しかし、日本に行くためには日本語の勉強しなければならない。でもお金がない。ではどうしたらいいのか・・・
そのような日本語の勉強をする機会がない方々にも、等しく日本語を学ぶ機会を与えようという取り組みが「MJ Space」です。
テレビもラジオも新聞もない貧しいミャンマーでも、携帯電話だけは普及しており、携帯電話の普及率は100%以上です。そんなミャンマーで、いつでもどこでも誰でもスマートフォンさえ持っていれば、無料で日本語を学習できるようなチャンスを与えよう。携帯電話さえあれば、貧しい方でも、環境的に日本語の学習が難しい方でも、MJ Spaceを利用してもらい日本語学習の機会を与えよう。それが「MJ Space」です。
MJ Space は、FacebookとYouTubeで日本語無料オンライン教育を提供し、ミャンマー人に等しく日本語を学ぶ機会を与える取り組みをミャンマー・ユニティではすでに約2年やっております。
利用者数は20万人を突破しています。
そもそも外国語学習というのは、学ぶ強い意志と学習時間の長さがとても重要です。
全ての人が日本語学習を強い意志で続けられるとは限りませんが、強い意志を持ち続けて学習を続ける方の中から日本語能力の高い人がどんどん生まれ、そういう方々がミャンマー・ユニティの面接候補者になるというしくみです。関連リンクオンライン面接の質
現在はコロナ禍により現地面接ができません。そのため、ミャンマー・ユニティでオンライン面接を実施しておりますが、その質は今や現地での面接を超えるものとなっております。
①事前に十分な資料をご提供
事前に送付させていただく資料は以下になります。
- 候補者の履歴書
- Zoom面接のご案内
- 事前試験についての説明
- ミャンマーの学歴に関する説明
- IQテストサンプル
- 計算テストのサンプル
- 性格診断テストの加点項目チェック用
②Zoomにて面接
オンライン面接は、Zoomを使って実施させていただきます。
候補者全員、通訳、ホスト、サポートが出席いたします。③オンライン面接の流れ
オンライン面接は、候補者全員を参加させ以下の流れで進めます。
- 企業様からのご挨拶と会社説明(できれば動画、画像を使っていただき具体的にご説明いただきます)
- 一次面接(待機者は待機室へ移動)
- 二次面接(必要な場合)
- 体力テストと実技テスト(必要な場合)
- 再度個人面接(必要な場合)
- 合格発表
④YouTubeで事前に自己紹介動画等をご提供
ミャンマー・ユニティのオンライン面接は、事前にYouTubeで動画を作成し、受入企業様にお見せしています。
事前に、面接候補者本人に自己アピールや、家族のこと、住んでいる家、住んでいる地域の紹介をスマートフォンで動画を撮影していただき、弊社の動画編集チームが動画を編集、YouTubeにアップをし、そのリンクを皆様に事前にお伝えいたします。
その他必要に応じて、実技テスト、体力テストも事前に録画して、 YouTubeのリンクを送付させていただくことが可能です。
体力テストについては、カメラを置く場所を決めて家族に協力いただき、動画撮影を進めます。⑤オンライン面接に対するお客様の高い評価
これらの取り組みにより、ミャンマー・ユニティのオンライン面接はお客様から高い評価をいただいております。 オンライン面接に関するお客様の声をご紹介させていただきます。
- 事前資料や画像が充実している。
- 事前にもらうYouTubeのリンクについては、候補生の番号などのテロップ入りで、きちんと編集されており、面接後にも確認できるのでとても便利である。
- 翌年の面接時にもかなり参考にできる。
- 事前資料をいただくことで、面接当日は、候補生の雰囲気など確認するだけで選抜ができる。
- 二日間の面接に及びましたが、一日目のZOOM面接の画像を、編集して、当日夜に送付いただき、翌日の面接の参考にできた。
- 事前にいただく資料がかなり豊富であり、それらの資料とYouTubeのリンクの内容で、社内では一次選考が終わっている。
- 面接の準備が企業側としてもしっかり行えて、当日も大変効率よく終えることができ、今後もミャンマーに行って面接する必要はないと感じた。
コロナ前までは、面接となると1週間ぐらい時間をかけ、高額なお金を払いミャンマーへ行かれていたと思います。そして例えば10人採用するとなると、30人程度、2日がかりで面接をしていたと思います。30人も面接をすると、最後には誰が誰だかわからなくなってしまうということはよくあったと思います。
しかし、YouTube動画があればいつでも見直すことができます。
今までお金と手間暇をかけミャンマーに行き面接をしていたが、オンライン面接の方が時間もかからず、効率もいい。もうミャンマーに行って面接する必要は全くない、という声をいただいております。ミャンマー・ユニティでは非常に充実したオンライン面接を実施しております。即戦力人材を養成する介護教育
ミャンマー・ユニティの介護教育は、即戦力人材の養成を目指し、日本の初任者研修の内容を教育しています。
ポイントは以下です。- 日本の初任者研修の内容をミャンマーの文化習慣に合わせてアレンジ
- 初任者研修終了レベルを目指す
- 出来るだけ座学に力を入れる(ミャンマーにいる間に基礎的内容を理解しておく)
- ミャンマー人介護教師を養成(介護授業の通訳・基礎部分指導)
- 最初にミャンマー人教師がミャンマー語で指導し、その後日本人教師が日本語で復習と補足を行う
- 実技はボディメカニクスを中心に行う
施設によって様々な方法があること、ご利用者様一人ひとり違うことを説明する。なぜそのようなやり方なのか、 根拠を知ることが大事。基礎を理解していれば現場で応用できる。 - 専門用語や介護に関する単語を覚え、少しでも現場で役立つように指導
介護とは、利用者様の命を預かる仕事です。
日本語力がままならないN4レベルの人が日本に来て、日本語がよくわからない人に対して、日本で介護教育を行うのは無理があります。
介護を理解していない外国人をそのまま現場に配属させると、命にかかわる事故が起きる可能性があります。 そのためミャンマー・ユニティは、ミャンマーにいる間に日本語力N3レベルにし、ミャンマーで初任者研修の内容の教育をし、なおかつ実技教育も行い、即戦力にして日本に送り出しております。
カリキュラムは、座学と実技を合計168時間行っております。介護授業カリキュラム(全行程168時間)
(1)はじめに 心構え、日本の高齢者施設について、高齢者体験、サービスの種類
8h(座学・体験学習)(2)尊厳の保持、自立支援、介護保険、QOL、ADL、介護予防、廃用症候群、褥瘡
8h(座学)(3)老化の理解、疾病の理解、身体のしくみ
8h(座学)(4)虐待、感染症、バイタルチェック、医行為、終末期ケア
8h(座学)(5)認知症、障害、ノーマライゼーション、障害受容
10h(座学)(6)コミュニケーション、受容・共感・傾聴、事故報告書、ヒヤリハット、事故予防
8h(座学)(7)ボディメカニクス、ベッドメイキング、体位交換
17h(座学3h、実技14h)
シーツ交換 仰臥位→側臥位→端座位 上方移動、水平移動 立ち上がり、座り(8)移乗
17h(座学3h、実技14h)
ベッド→車いす、車いす→ベッド、ポータブルトイレ(9)移動
14h(座学3h、実技11h)
車いす、杖歩行、白杖歩行(10)排泄
17h(座学3h、実技14h)
おむつ交換(紙、リハパン)、差し込み便器、尿器(11)整容
12h(座学3h、実技9h)
パジャマ上下、かぶり上下→座位、仰臥位 ゆかた→仰臥位(12)食事
10h(座学3h、実技7h)(13)入浴
13h(座学3h、実技10h)
洗髪、手浴、足浴、清拭(14)修了テスト
6h
実際の介護現場を想定してのテスト(15)苦手分野の復習、補習、レクリエーション等
12h※但し、現在はコロナ禍における対応として、座学はオンラインによる講習を実施しております。実技講習については、ミャンマーの新型コロナ感染収束により少人数での講習開催許可が出たため、日本入国前に実施いたします。(2022年2月16日現在)
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育座学風景
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育ベッドメイキング
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育シーツ交換時の注意
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育自己選択・自己決定
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育車椅子の操作
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育ベッド⇔車椅子への移乗
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育清潔不潔について(使い捨て手袋の扱い方)
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育オムツ交換
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育右麻痺がある方のトイレ誘導
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育ベッド上での洗髪
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育足浴
ミャンマー・ユニティ
技能実習生に対する介護教育手浴
アフターフォローが充実
ミャンマー・ユニティは、日本でのアフターフローも充実させております。
本来であれば、来日後の技能実習生は監理団体様がフォローをするのですが、ミャンマー・ユニティは、日本にミャンマー人が駐在しております。(東京・群馬・岐阜・岡山)
監理団体様の依頼により、送り出し機関として日本在住技能実習生のフォローのお手伝いもさせていただいております。ミャンマーの仏教思想ついて
- 敬虔な仏教徒である
- 上座部仏教である
- 人生で二回は出家をする
- 僧院学校が1500ほど存在する
- 人口の1%が僧侶と言われている
- 寄付の文化(世界で一番寄付をする)がある
我々日本人も仏教徒が多いですが、ミャンマーの仏教徒の方たちはとても敬虔な仏教徒です。
ミャンマー仏教は上座部仏教であり、修行を重ねていきます。
人生で2回は出家し、お坊さんになります。
一生涯お坊さんの方もいますし、1週間の出家を2回でも構いません。
出家をしていない時は僧侶や僧院にお金や食べ物を毎週寄付します。
ミャンマーには昔から僧院学校はありますが、現在は1,500ほどの僧院学校があります。
どのような人が僧院学校に行くかというと、僧侶になるためはもちろん、普通の学校に通えない、地理的要因で通えない、家族がいない孤児の方などが僧院学校で暮らしながら、勉強をしております。
ミャンマーは全体の人口の1%が僧侶と言われています。
100人に1人なのでかなりの割合で僧侶が多いということがわかると思います。
自分が出家してないときは僧院・僧侶にお金等の寄付をするので、ミャンマーには寄付の文化が根付いています。ミャンマーは世界の中でも最貧国の一つです。
経済フォーラムのデータで2018年か2019年に91%の人が寄付をしたことがあるというデータが掲載されていました。
ミャンマー人曰く、91%より多いのではないかとのことです。
エピソードになりますが、ミャンマー・ユニティでは135名程のミャンマー人従業員がおりますが、従業員の家族がコロナ感染した際に、隔離費用の一部になればということで会社として少額のサポートをしました。
本人からお礼の連絡をもらった際に、「私はこの中でも少し裕福な方なのでコロナ感染で困っている方に頂いたお金を寄付させてください」と申し出がありました。
より困っている人に寄付をするという文化が根付いているので、こういったことが日常茶飯事に起きております。仏教思想の一部をご紹介します
- 生き物を殺してはならない
- 他人のものを盗んではならない
- 不道徳な行為をしてはいけない
- 嘘をついてはいけない
- 酒を飲んではいけない
お坊さんの教えの一部をご紹介します
- 徳を積むことにより、よい来世が訪れます
- 悪い行いを避けると、自然に良いことが巡ってくる
- 修行するのは誰のためでもなく自分自身のためです
- 他人のためにいいことをすると、自分にも満たされた人生が訪れる
- 人の欠点を探すのではなくて、人の良い所をさがして、人を判断してください
お坊さんの教えを国民が学び、実践しているというよりも、生活の一部となっています。
特に【徳を積むことにより、よい来世が訪れます】という教えは、ほぼすべてのミャンマー人の方がこのように考えています。
そのため、介護の仕事はお年寄りのためになること、得を積むことである。そのため来世が良くなるといったこともあり、人のためになる仕事、特に介護はより人のためになると考えているので介護職は人気です。
介護職に向いており、心から介護を仕事にしたいと思っているミャンマー人が多いです。
こういった思想が生活の一部に根付います。ミャンマーの国民性
- 真の親切さを持っている
- 自分よりも周りを考えらえる
- 優しい心を持っている
- 幸せの尺度はお金ではない
- 家族と一緒に生活することが一番の幸せと思っている
- 文句をいわずに、現実を受け入れる
- 笑顔をみせれば、笑顔で帰ってくる
- 気が利く
- 勤勉で真面目である
ミャンマー人は皆とても親切な心を持っています。
初めてミャンマーを訪れ、道がわからず困っているとすぐに声をかけてくれます。
本当に心の底から親切な人が多いと思います。
私が私がというのではなく、誰々のためにという考えで、家族のため、友人のため、同僚のためというように、自分よりも周りを考えます。
弊社の従業員のお母さんが手術をすることになったのですが、同僚が献血をし、その血液を提供し、自分よりも人、家族だけではなく困っている人がいれば誰でも助けるというとても親切な心をもっています。気性が激しい人はあまりいません。
穏やかで人のために何かをして幸せなりたいという優しい心を持っている人が多いです。
幸せの尺度はお金ではないという思想ですが、日本や他国では収入を多く稼ぐことが自分の幸せと考えている方もいると思います。
ミャンマー人にそういう方がいないわけではないですが、ミャンマー人に一番の幸せを聞くと、家族と一緒に生活できることが一番幸せです、という考えの方が多いです。
お金が幸せの尺度だけではなく、お金ではないところに幸せの尺度があるという考えが他国と少し違う国民性かと思います。
家族と一緒に生活をすることが一番の幸せと思っているので、実習生などは日本で3年、5年、長い方は10年行きますが、ほとんどの方がいずれはミャンマーに戻り家族と一緒に生活をしたいと考えている方が多いです。文句を言わずに現実を受け入れる所が素晴らしと思います。
仏教の教えにあるように、自分の主張を繰り返すのではなくて、与えられた環境を自分で受け入れ、自分で心をコントロールするところがあるので、何かあっても文句を言ったり、人のせいにすることはなく、現状を受け入れ、何ができるかという対策を考える姿勢の方が仕事場でも多いです。笑顔見せれば笑顔が返ってきます。
ミャンマー人の自然の笑顔がとても素晴らしく、人の心を癒してくれます。
作り笑いでもなく、本当にごく自然な笑顔が素晴らしいと我々の学校の先生も言っております。ミャンマー人はすごく気が利きます。
こんなことを先生に言ったら迷惑かな、とか先生が授業の準備をしていると(例えばスピーカーを準備する、テレビを準備するなど)それを見た瞬間に何人かの生徒が「先生手伝います」と走ってきて手伝ってくれます。
何かあったときにはすぐに手伝うという、気が利く方がとても多いです。なぜミャンマー人材の評価が高いのか
- 真面目である
- 勤勉である
- コツコツと積み重ねるタイプが多い
- 心がしっかりしている
- 日本語の能力が高い
- 根は明るい
- 文句を言わない
- 自分勝手な主張はしない
- 家族を大切にする
ミャンマー人実習生を受け入れて頂いた企業様、組合様等からのご意見も含めて紹介します。
真面目であり、勤勉であり、コツコツ積み重ねるタイプが多いです。
一攫千金を狙う感じではなく、コツコツと毎日積み重ねて仕事をしてくれます。
ある企業様が、中国人とベトナム人とミャンマー人を雇った際、日本に来たときの仕事のレベルはミャンマー人が一番低かったそうです。
中国人とベトナム人は、元々手先が器用なこと、他にも理由があるそうですが、仕事のレベルはミャンマー人が一番低かったそうです。
半年後、ミャンマー人の方が、1時間に完成する量が増えたそうです。
ベトナム人と中国人の人が悪いわけではなく、彼ら彼女らは1時間で100個やればそれ以上は努力をしないが、ミャンマー人は初め80個しかできなかったが、半年で追いつきその後は100個以上をやってくれた。というようなお話を聞きました。
コツコツ積み重ねて努力をしていくタイプということで企業様よりお褒めの言葉をいただきました。ミャンマー人は仏教の教えに基づいているので心がしっかりとしています。
しっかりした心を持っているので、とても穏やかで会社の方々が見ても安心するいうことです。ミャンマー人の日本語能力が高いことについてご説明します。
ミャンマー語の文法は日本語の文法と同じで、助詞があります。
発音はミャンマー語の発音と日本語の発音の違いはありますが、大きな違いがないので、綺麗に発音するということで、日本語能力はミャンマー人が一番高いとおっしゃっていただく企業様や組合様が多いです。
中国人、ベトナム人、カンボジア人、ミャンマー人を受け入れている企業様がミャンマー人の日本語はすごいとおっしゃっていただいたことがありました。
理由は助詞を普通に使えるということです。
ミャンマー語にも助詞があるのでミャンマー人が助詞を使えるのはさほど難しいことではないのです。
ベトナム人の方は単語を並べて話すが、助詞が抜けてしまうようです。
理解はできるので支障はないのですが、単語で話すので少し外国人の日本語といった感じです。
ミャンマー人は文章をしっかりと話せることに驚いた、とおっしゃる企業様もいます。ミャンマー人は控えめで身勝手な主張はせず、あまり文句も言わないため、暗いイメージされるかもしれませんが、根はとても明るいです。
積極性をもたせるために発言しやすい授業を工夫して行っています。
自分の民族について教えてください、と尋ねると、自分の民族や家族のことをとても楽しそうに話します。ほとんどの女性は民族舞踊を踊ることができます。
面接の際に、事前に自己紹介や自己アピールを録画したものをYouTubeのリンクにし、お渡しすることが可能ですが、アピール動画でもとても明るく、日本の歌を歌いながらアピールする実習生もいます。
自己紹介しているときはとても真面目ですが、アピールの場になると踊ったりと、とても明るい方たちです。またミャンマー人は家族を大切します。家族を大切にすることで受け入れ企業様も安心するようです。
これから面接をすると、いつ入国できるのか?
ここれから面接しますと、入国する頃には日本の外国人入国制限も緩和されていますのでおおよそ次のような入国スケジュールになります。
一般職種
(介護以外の職種)面接後6ヶ月から7ヶ月後に入国 介護職 面接後12ヶ月から13ヶ月後に入国 ミャンマーはコロナとクーデターの影響がありますが、クーデターの影響が皆様の懸念材料かと思います。しかし、現在ミャンマー側の事情で申請プロセス等が遅れていたり、止まっていたりということは一切ありません。
ミャンマーはミャンマー国内において海外へ働きに出る人にスマートカードが必要になります。以前はスマートカードを申請し許可を得るまでに時間がかかっていましたが、発行までのプロセスが少し短縮されてきております。
今後外国人入国緩和の状況によって入国の時期がずれていく可能性はあると思います。ただし、ミャンマー側の事情で遅れることは今のところありません。ミャンマー人は普通に入国できるのか
ミャンマーの都合で止まっているプロセスはございません。
スマートカード申請から許可等もしっかり進んでいます。
2021年11月8日に日本政府が外国人入国制限緩和を発表した際も、ミャンマー側はそれに伴い動き出しました。
2021年11月8日以降ミャンマー側が何も進まなかったということであれば問題あると思いますが、2021年11月8日の外国人入国制限緩和の際はビザ申請も進み、スマートカードの発行のための依頼も進んだので、ミャンマー人だから日本に入国できないということはありません。今ミャンマー人を選ぶべき理由
1.候補者が圧倒的に集まります
他国と比較しても今後のミャンマー人材の募集は大変有望であるのではないかと思います。
ミャンマーは日本との賃金格差がとても大きいです。
今回のクーデターでミャンマーの現地通貨であるミャンマーチャットが暴落したため、より日本との賃金格差が大きくなりました。
そのため失業率も増え、国内の物価が上昇し、人々の生活は苦しくなる一方です。
このような理由から海外で働く希望者が殺到をしています。
ただ、誰でもいいから日本に送り出しをすればいいということではありません。
人材のスクリーニングを強化し、問題のない人材を候補者に登録し、誰を選んでいただいても問題ない人材を育成することが我々の任務になると思います。2.大勢の候補者がいるため、満足のいく人選ができます
厳しいスクリーニングに合格した人のみを登録し、その登録者の中でお客様からいただく求人票をもとに募集を募ります。
候補者がたくさんいるので選択肢が増え、満足のいく人選をしていただけます。3.内定者のキャンセルがかなり少ない
ベトナムやインドネシアや他の国の実習生は、「こんなに長く入国を待たされるのであればもう日本には行きません」といったキャンセルが多いと聞きます。
一方で、ミャンマー人は合格した企業様への感謝の気持ちがとても強いため、多少入国が遅れることにも理解があります。新たに別企業で面接するよりも、そのまま待ちたいという方がほとんどです。
ミャンマー・ユニティでは、面接に合格し、教育を開始する際に開校式を行っています。
開講式では、自分を選んでいただいた企業様への感謝の気持ちを絶対に忘れないこと、企業様に選んでいただかなければ日本には行けない、といった指導もしています。
実習生の両親にも、日本で働くということはどういうことかを説明しています。
お金だけのために日本へ行くのではなく、技術や働き方を学びにいく。
生活態度が悪い時は指導をして下さい。困難にあった際はサポートをして下さい。
といったことを繰り返し説明しています。実際にここ3,4ヶ月、他国からもミャンマーに切り替たいという企業様がかなり増えています。 ぜひこの機会にミャンマーをご検討いただければ幸いです。
質疑応答
- 実習生負担額2,800ドル以外にいくらかかりますか?
生活費・査証・パスポート等の申請料も込みですか? - オンライン面接前に提供してもらえる資料について教えてください。
- 特定技能の試験が、ミャンマーではなかなか実施されませんが理由は?
国内事情と関連があるのですか? - 現在ベトナム実習生(女性)を50名程受入れています。
コロナ禍で新規受入がとまっています。ミャンマーはいかがでしょうか?
ミャンマーでは実習生からいただくサービス料が2,800ドル上限と決まっております。我々も2,800ドルをいただいておりまして、それ以外にそれ以上のものは規定に反しますので、技能実習生から徴収しておりません。
我々が技能実習生からいただく2,800ドルにはビザ申請費用、パスポート費用費用、スマートカード申請費用、健康診断費用などは全て含まれています。
但し本人の生活費は含まれていません。
弊社の授業は通常は全寮制です。現在はコロナの影響で寮生活はしていません。
現在は寮の費用はかかりませんが、自分の娯楽費用、携帯代、寮生活中の食事代といった生活費は本人負担となります。これらの生活費を我々がいただくことはありません。あくまでも本人負担です。
現在はコロナ禍のためオンライン授業を行っております。
ほぼ実家でオンライン授業を受講するため、寮生活での生活費はかかりません。ただし、Wi-Fiや、SIMカードの購入等の通信費は技能実習生本人の負担となります。
またPCR検査代は企業様負担となります。
ワクチン接種は強制ではありませんが接種する際は技能実習生本人の負担になります。事前に送付させていただく資料は以下になります。
①候補者の履歴書
②Zoom面接のご案内
③事前試験についての説明
④ミャンマーの学歴に関する説明
⑤IQテストサンプル
⑥計算テストのサンプル
⑦性格診断テストの加点項目チェック用Zoomにて面接をさせていただきます。
候補者全員、通訳、ホスト、サポートが出席致します。候補者全員を参加させ、以下の流れで進めます。
①企業様からのご挨拶と会社説明
②一次面接(待機者は待機室へ移動)
③二次面接(必要な場合)
④体力テストと実技テスト(必要な場合)
⑤再度個人面接(必要な場合)
⑥合格発表現在はコロナ禍によりおそらく他の国でも現在はあまり実施されてないと思います。
ミャンマーも他の国と同様にコロナが収まれば、通常に実施されると思っております。閉じるベトナムに限らずどこの国も日本の入国制限があるので、新規の受け入れが止まっていると思います。
ミャンマー側の理由で止まっているのではありませんので、入国制限が解除され次第ミャンマーも他の国も入国できると思います。- 2022.02.04【介護】介護技能実習生が介護福祉士を目指すには
目次
介護現場と技能実習生
現在多くの介護事業所が、人出不足の問題に直面しています。外国人介護職員を雇用したいと考えている事業所は、多いはずです。
雇用するには4つの制度がありますが、中でも技能実習生は、事業所の要件がEPA介護福祉士候補者ほど厳しくなく、就労条件に関わらす、人材が確保できるので人気があります。
また、外国人技能実習制度は1993年から始まっています。介護分野が対象になったのは、2017年11月からですが、受け入れ調整機関である監理団体は人材の紹介から、入国前の訓練、入国後の研修やフォローに関しても、長い経験を有していて、初めて外国人を雇用する事業所にとっては、非常に心強いと思います。
外国人技能実習制度の真の目的は、日本で技能を学び、それを自国に持ち帰り発展に寄与するというものです。ですが実際には、受け入れ側にとっては、労働力需給が、実習生には日本円による高い賃金が目的になっているということは否めないでしょう。事業所側も多くの実習生も長期的な就労を希望していると思われます。
そのためには、技能実習3年修了後、特定技能介護に切り替え、その上で介護福祉士を取得するという方法が、最善ではないでしょうか。技能実習生が介護福祉士になるには?
技能実習生の介護福祉士の受験資格
技能実習生の介護福祉士の受験資格は日本人と同じ条件となります。
従業期間 3年(1095日)以上+実務者研修
(注)従業期間3年のうち540日以上は従事する必要があります。
(注)受験資格は、国籍、性別、年齢、学歴等の制約はありません。介護技能実習生は介護技術を学びながら働くため、必ず実務経験ルートとなり、実務経験が3年以上かつ実務者研修の受講で、介護福祉士試験の受験資格が得られます。
しかし、日本語での受験となりますので、最低でも日本語レベルN2を取得している実習生でないと、現実的に試験に受かることは難しいとされています。ミャンマー・ユニティから送り出した実習生の中にも介護福祉士を目指している実習生がいます。そのような実習生には、まずはN2に合格することを目標としています。
介護福祉士になるまでの過程
技能実習生は、介護福祉士試験をいつまでに合格しなければならないのでしょうか?
介護福祉士の試験は日本語で行われます。試験内容の理解には、日本語能力は最低でもN2レベルが必要なため、技能実習1号・2号の間に最低でもN2に合格することが介護福祉士になるための第1歩となります。
※ミャンマー・ユニティの介護技能実習生は出国時、N3レベルでの日本語能力で送り出しをしております。
3年間技能実習1号・2号として実習を行った後、1か月一時帰国します。
その後、技能実習3号または特定技能1号に在留資格が移行できます。技能実習3号への移行はあまりにもハードルが高いので、特定技能1号への移行が現実的です。
技能実習3号は2年間、技能実習生としてさらに働くことが可能です。
特定技能1号は5年間、介護職で働くことが可能です。
技能実習「介護」を3年修了した技能実習生は、特定技能1号「介護」の技能試験や日本語試験が免除されるため非常におすすめの在留資格です。
その間に、実務者研修を受講し、国家資格である介護福祉士の試験を受験します。※特定技能の介護職では、特定技能1号までしか認められておらず、在留期間は最長5年と定められています。基本的には5年で帰国するという前提であるため、技能実習と同様、母国から家族を連れてくることはできません。
関連リンク実務者研修とは
介護福祉士の資格を取得するには実務経験3年だけでなく、実務者研修を受講し、修了しなければなりません。
申込み時ではなく、試験実施年度の3月31日までに修了が条件となっています。
実務者研修は、20科目450時間で平均6か月以上かかります。働きながら受講可能ですが、事業所の理解や協力がなければ難しいです。学習内容・時間・テストについて
実務者研修内容は、20科目450時間です。
そのうち通学は、介護課程Ⅲが45時間+医療的ケア(演習)が16時間で、合計61時間、約7日となります。通学は、働いている人達に配慮して、毎週日曜、連続7回というところが多いです。 学習内容は「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」、「医療的ケア」の4つに大きく分けられ、「医療的ケア」は喀痰吸引や経管栄養などについて実技を通して学んでいきます。
通信教育の間に、平均4~5回問題やレポートの提出があります。また、通学での講義や演習終了後、修了試験があります。学校によって課題や試験の難易度と合格点がそれぞれ異なります。とても難しいというわけではありませんし、たとえ提出した課題や試験が基準点を下回ったとしても、再試験を行うなどして対応してくれます。申込み方法と費用
実務者研修の実施機関は、介護福祉士の養成校などです。入学要件は特になく、インターネットでも申し込めます。通学の際の会場が、住居にできるだけ近くの学校を選ぶといいでしょう。 費用は、10~15万円程度が多いです。特定技能で就労している介護士は、雇用保険に加入しているはずですので、近隣のハローワークで専門実践教育訓練給付金を申請し、対象と認定されれば受講費の5割が後ほど戻ってきます。
事業所側の必要な支援
介護福祉士の取得は、介護士個人の問題にとどまらず、事業所にとっても 永続的に働いてもらえる可能性が高くなるとともに、サービスの質の向上という観点からも非常に大切なことです。また、介護福祉士の数が増加すれば、介護報酬も加算されます。
具体的には、実務者研修受講のための支援と試験の申込み、及び対策の支援が大切です。
まず、実務経験3年以上の受験資格がある外国人を対象にオリエンテーションを開催しましょう。取得のメリットと受験までの流れを説明します。
その上で受験希望者には、実務者研修の実施機関の選択や申込みを援助したり、短時間で構いませんので、通信教育のテキストや課題の提出を指導してあげたりするといいと思います。また、通学日をシフトから外すことや、会場までの行き方を教えてあげることも大切です。
試験対策に関しては、教材の選定等、道筋を示してあげることや、勉強を見守ってつまずいていたら、手を差し伸べるといった自分の業務や生活に支障をきたさない範囲で、支援協力する形が望ましいのではないでしょうか。申込みや試験会場までの交通手段に関しては、要所ですので確認してあげてほしいと思います。在留資格「介護」
介護福祉士試験に合格すると、在留資格「介護」に変更可能になります。
在留資格「介護」に変更ができれば、その後在留状況に問題がなければ、1年更新(更新回数に制限なし)でずっと日本で働けるようになります。
在留資格「介護」では、配偶者及び子が「家族滞在」の在留資格で在留することも可能です。
介護福祉士の取得は、介護士個人の問題にとどまらず、事業所にとっても 永続的に働いてもらえる可能性が高くなるとともに、サービスの質の向上という観点からも非常に大切なことです。また、介護福祉士の数が増加すれば、介護報酬も加算されます。
具体的には、実務者研修受講のための支援と試験の申込み、及び対策の支援が大切です。
まず、実務経験3年以上の受験資格がある外国人を対象にオリエンテーションを行い取得のメリットと受験までの流れを説明しましょう。下記、関連リンクから介護職で取得可能な在留資格「技能実習」「特定技能」「介護」「EPA」についてそれぞれの違いをまとめています。
関連リンク介護技能実習生N2合格者インタビュー
ミャンマー・ユニティから送り出した介護技能実習生が介護福祉士になるための1歩である日本語能力試験JLPTのN2に合格しました。
インタビューに答えていただいた中の1名のインタビュー内容を抜粋いたします。今、日本では何の仕事で働いていますか?
介護の仕事をしています。
なぜその職種を選んだのですか?
高校生の頃、介護に興味を持ち、おじいさんから介護のことを聞き、人と関わる仕事で、将来おじいさんの介助をしてあげることができると思いました。また、自分にもプラスになると思ったからです。
日本で働いてみてどうですか?
色々な介助方法を学んで、役に立ったと思います。
辛かったことは、入居者様の具合が悪くなって忙しかったときです。
嬉しかったことは、入居者様から「ありがとう」と言われたときです。また、名前を覚えてくれたことです。これからのビジョンを教えて下さい。
介護福祉士の免許を取って、2人の妹と一緒に日本で暮らしたいです。
どうして日本で働き続けようと思うのですか?
日本で生活するのが楽しい、行ってみたいところがたくさんあります。
京都の金閣寺や、奈良の大仏、日本の歴史をたくさん勉強したいです。N2合格者のインタビュー動画を公開!
ミャンマー・ユニティから送り出した介護技能実習生の多くが、仕事をしながらJLPT合格に向けて勉強を頑張っています。
今回はその中の数名にインタビューをしております。
日本語でのインタビュー動画ですので、ぜひ日本語力をご覧ください!下記ではこれまでミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生のうち、N2,N3合格者の累計数を公開しています。(介護職以外も含む)
介護職3名のインタビュー動画も公開しております。では、技能実習生から介護福祉士になるにはどうしたらいいのか次に解説いたします。
★まとめ
技能実習「介護」の制度は、2017年11月より始まりました。特定技能1号「介護」の制度は2019年4月から始まったばかりです。ともに、新型コロナウイルスの影響を受け、認定はおりていても、入国できないといった状態が続いています。
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介護技能実習生で来日した外国人介護士が、特定技能に切り替え、さらに介護福祉士を取得し、在留資格「介護」になり永続的に働いてくれるといったケースは、これからです。
今後、このようなケースが多くなれば介護業界のみならず、老後の不安を抱える日本社会において、非常に喜ばしいことです。より円滑に外国人介護士が介護福祉士を取得できるようになってほしいと思います。現状では、試験問題の漢字すべてにふりがながある問題用紙を選択できる以外、日本人と全く差異はありません。
EPA介護福祉士候補者の場合は、筆記試験の解答時間が通常の220分から1.5倍の330分です。これは、特定技能介護の外国人介護士にも適用されてもいいのではないでしょうか。
また、EPAの場合 実務者研修を受けなくても、実技試験に合格すれば介護福祉士が取得できます。働きながら、450時間分学ぶというのは、外国人介護士にとってかなりの負担です。在留資格介護になると、訪問介護事業所でも働けますから、そこで行うアセスメントや訪問介護計画書の作成のしかた、また、最近追加された医療分野の実習は確かに必要です。しかし、通常の無資格者と同じ450時間の研修を課す必要が果たしてあるのでしょうか。外国人が介護福祉士を取得するには現在の制度はあまりにも厳しすぎます。日本政府が介護業界の将来の人手不足対策を真剣に考えるのであれば、早急に基準を緩和するべきと考えます。
外国人介護士が、介護福祉士を目指す時代がすぐにやってきます。それは、日本社会の光になります。ぜひ、より多くの外国人介護福祉士の誕生が望めるような形になってほしいと願います。- 2022.01.27令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)に登壇いたしました!
目次
令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)に登壇
ここの度、2022年1月13日(木)~3月31日(木)で行われている「令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)」に弊社最高顧問の北中と介護講師の奥野が登壇いたしました。(ビデオ配信は開催期間中、全国老人福祉施設協議会の会員限定で行われております)
会議では「介護新時代への船出~現場革新と科学的介護の実現~」というテーマを掲げております。
現在、日本では少子高齢化が非常に深刻な状況で、介護現場に限らず、地方の過疎化や衰退、年金や医療にも影響がでています。
そのような中、2020年から世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの流行により、高齢者への感染対策・人手不足・職員のワクチン接種問題など介護現場にも大きな影響を与えることになりました。介護サービスの需要が増える一方で、現在進行形で多くの問題が山積みとなっているのも事実です。必要不可欠な介護職が人手不足により需要に追い付いていない現状を解決するために、外国人材の受け入れ・ICTシステムの活用・介護ロボットの開発・過疎地域の支援などなど、多角的な視点から問題に向き合うことで日本の介護制度の発展に繋がり、次世代の人々へ新しい知識を共有する素晴らしい機会となっております。
特別報告の内容
特別報告では、世界最高レベルと言われるミャンマー・ユニティの介護教育の内容と、離職率の高い日本の介護現場でどのように人材の定着を目指していくのかについて詳細にお話しいたしました。
以下が特別報告の内容です。
- 1.講師ご紹介
- 2.ミャンマー・ユニティのご紹介<北中>
- 3.なぜミャンマーなのか?<北中>
- 4.ミャンマー・ユニティが選ばれる理由<北中>
- 5.ミャンマー人介護士が日本で定着するために<北中>
- 6.ミャンマー・ユニティの介護教育カリキュラム<奥野>
- 7.ミャンマー・ユニティの介護教育の方法<奥野>
登壇者
北中 彰 ミャンマー政府認定圧倒的No.1人材送り出し機関「ミャンマー・ユニティ」グループCEO・株式会社スリーイーホールディングス 代表取締役社長・スリーイーグループCEO
1960年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。大学卒業後、コンピューターサービス株式会社(現SCSK株式会社)に入社。のち1990年12月に株式会社オフィックス(現株式会社スリーイーホールディングス)を創業し、代表取締役就任。トナーカートリッジ、インクカートリッジにおける環境問題に着目し、カートリッジリサイクル事業のパイオニアとなる。
2012年よりミャンマーに進出。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、グループCEOに就任。2019年12月にミャンマー国内での総送り出し人数No.1となり労働大臣より表彰を受ける。MOEAF(ミャンマー送出機関協会)の2023年9月発表では2位との差が約2.4倍の圧倒的No.1人材送り出し機関となる。現在では、ミャンマー有数の日本企業経営者として、日本の少子高齢化による人材不足問題に着目し、全国で技能実習や特定技能など外国人雇用に関する講演会および情報発信を精力的に行っている。
そのほか、3E Global Co.,Ltd Chairman、3E Yangon Co.,Ltd Chairman、株式会社サップ代表取締役、オフィネット・ドットコム株式会社代表取締役。
日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、 日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えることを目的として設立された⼀般社団法人外国人雇用協議会理事
日本で働きたい人が世界一多い国ミャンマーの若者に、日本で働くという夢と希望を与えるため、「なぜ今、ミャンマーなのか?」~人材不足解消の最後の切り札~を2024年11月に出版。奥野 麻有子 ミャンマー・ユニティ「UKWTC介護学校」講師
1997年に東北福祉大学卒業後、2011年に介護福祉士を取得。訪問介護・特別養護老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅、障害者支援施設などを経て、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修養成学校にて講師として勤務。
その後、ミャンマー・ユニティ設立当初から介護教育講師としてミャンマーに赴任。日本の介護現場を意識した座学・実技教育を行っており、現在までに累計795名の介護技能実習生を日本へ送り出している。分科会実践研究発表の審査員を務めました
弊社最高顧問の北中が、令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)の分科会実践研究発表の審査員を務めました。
今回は数多くの素晴らしい研究成果の発表があり、日本の発展のため、質の高い介護サービスを行うための有意義な研究発表となりました。令和3年度 全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)とは?
テーマ:介護新時代への船出~現場革新と科学的介護の実現~
主催:公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
一般社団法人 鹿児島県老人福祉施設協議会後援:厚生労働省、鹿児島県、鹿児島市
社会福祉法人 全国社会福祉協議会
社会福祉法人 鹿児島県社会福祉協議会趣旨
現在、日本における少子・高齢化の進展や人口減少は、過疎化による地方の衰退をもたらすほか、現行の年金制度や医療・介護制度の方向をも左右する大きな社会問題となっています。
さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全世界にパンデミックを起こしています。日本でも感染者数の増加と減少を繰り返し、未だに収束の兆しが見えていないのが現状です。
そのような中、2021年の介護報酬改定は、新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で、「感染症や災害への対応力強化」「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「介護人材の確保・介護現場の革新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を5 つの柱としそれぞれの方向性を示し、前回の改定率を上回る0.7%のプラス改定となりました。 また、サービスを出来るだけ科学的に評価するための情報システムの活用として「LIFE(科学的介護情報システム)」の運用も開始されました。これは、より質の高いサービス提供を推進するために、介護そのもの の概念を「ICTを活用した人と人との関わり」に客体化させていく、言わばいかに私たちが「科学的介護」への取組みを進めるかが問われています。
さらに、私たちは介護•福祉分野の人材不足等の現状を踏まえながら、今後の介護サービス需要の伸びに対応しつつ、科学的介護を基に効果的、効率的で持続可能性の高い、よりドラスティックな介護提供体制の構築を目指し、邁進しなければなりません。
こうした多種多様な課題への解決策を見出すべく、実践事例や研究成果を全国の仲間と共有し、共に学ぶことが、これから迎える新時代をより良いものに変えていく重要なきっかけとなります。
先人の成功者の言葉に学ぶとすれば、「新しい発想を得ようと思うなら、まず誰かに話を聞け」と本田宗一郎氏。また、イチロー氏は、「メジャーリーガーの凄いところは、一度『あ、すごい選手だ』と認めたら、2500 本もヒットを打っている選手でも聞きに来ます。それが偉大な点ですね」と言っています。これらの教えを見習い、私たちは互いの努力や成果を持ち寄って、次の時代へと繋がる新しい知識を共有していくことが大切です。
令和3年度全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)は、私たち一人ひとりが高齢者福祉の担い手として志を一つとし「共に学び、共に新時代を切り拓くべく」開催するものです。【参考】公益社団法人 全国老人福祉施設協議会:令和3年度全国老人福祉施設研究会議(鹿児島会議)開催要項
閉じる- 2022.01.26日本政府の外国人材政策に関する第7回木村義雄先生意見交換会の質疑
新型コロナウイルス水際対策とオリンピック開催の影響で、日本政府の外国人入国政策が迷走する中、日本政府は先般「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」を発表しました。 しかしその内容は、昨年版の焼き直しに過ぎない内容との声が上がっています。 また、表現にあいまいな部分が多く、日本政府の今後の方針を具体的に知りたいという声も聞かれます。
この度はこうした皆様の声にお応えして、前自由民主党外国人労働者等特別委員会 委員長の木村義雄先生に「外国人材政策の今後の展望について」大いに語っていただく機会を設けました。
当日は監理団体、人材会社、登録支援機関、教育機関、行政書士、社労士、コンサルタントの方々、また外国人の受入れを考えている企業・団体の方々総勢186名もの皆様にご参加いただき、とても活発な意見交換をさせていただきました。全般的なご意見・ご要望
- 外国人労働者の入国が再開するのはいつ頃ですか?
- 日本政府としては、将来的に技能実習から特定技能にシフトチェンジしていく方針ですか?あるいは今後も並行していくのですか?
- 「外国人技能実習制度」に関して様々な問題があります。日本政府は「外国人技能実習制度」から「外国人労働者制度」への見直しを考えたことがありますか?
- コロナ収束後、外国人から見て日本で働くことへの思い(魅力・意欲など)はどの様に推移すると考えますか?
- 「技能実習は2省1庁、特定技能は1庁、技能実習の事務は外国人技能実習機構」これらを統合一本化できれば、外国人と日本人双方にメリットがあると考えます。 各省庁、機構を統合一本化できれば外国人と日本人双方にメリットがあると考えます。
- 外国人労働者の入国が11月頃より早くなることはないのでしょうか?
- 在留資格認定書の有効期間⇒7月31日まで有効であるとの措置の再延長の有無について。
- 特定技能ではJFT-Basicも日本語要件になっていますが、それ以外のビザでは要件として扱われていないので、扱えるようにしていただきたいです。
- 今後、日本の派遣許認可会社へ外国人取扱の門戸は開いていくのでしょうか? 現状の監理団体や登録支援機関のみの展開になるのでしょうか。
- 在留資格申請において、個人の所属機関以外のグループ会社が関与できるのは、入管法施行規則第六条の二(別表第四)にて、在留資格認定証明書の申請のみとなっている。そのため、定期や変更時に提出する書類についてグループ会社は関われないことになっているが、当該書類提出にもグループ会社が携われる等、範囲を拡大してほしい(例えば、同業種でA社、B社、C社がそれぞれグループ会社としてあり、それぞれのコーポレート機能をZ社が担っている場合を想定)。 在留資格申請の際、グループ会社が携われるように範囲を拡大していただきたい。
特定技能に関するご意見・ご要望
- 特定技能2号職種は今後拡充されていく見込みはありますか?
- 特定技能のコンビニ業種の追加について見直しはありますか?
- 特定技能で販売業種が追加される可能性はありますか?
- 特定技能のトラック業界の追加はいつ頃でしょうか?
- 特定技能の産業廃棄物業界の追加はいつ頃でしょうか?
- 外国人の流入を好ましく思わない日本人も多いです。永住権に繋がる特定技能2号が14業種全てにすぐに適用されるのでしょうか?
- 介護業界は人手不足のため特定技能2号にすべきだと考えますが、介護業界の方々があまり望んでいないという矛盾があります。
- 一部の国では、特定技能外国人の技能試験が実施されていない状況のため、早く現地で試験実施がされるとよいです。
- 「特定技能」の資格で入国する場合、母国において入国の試験すら出来ない国が多いです。
今「特定技能」で入国している人はほとんどが「技能実習3年」を満了帰国した人です。「介護」においてN4を母国で合格した人が一部入国していますが、N4受験費用を当方は支払っています。
厚労省は制度発表はするが内容は実行できないことばかりで何もしていないです。入国に対して資格要件が厳しすぎることも各国では日本に行くよりEU等ほかの国に行ったほうが、賃金も資格要件も日本に行くよりはるかに良い評価されています。日本国の将来にわたる最重要と言ってよい労働人口をどうするか根本的に制度を作ることが必要と思います。各国の実態を把握して制度を作らないと日本には良い人材はきません。実習生制度が出来た時代と現状は日本国にそれほどの魅力は無くなっています。 - 技能実習随時3級を受けいていない外国人の特定技能申請において、JITCOの技能実習修了証書を正式な資格証明書類として認めていただきたいです。
- 技能実習1・2・3号の中断(自己都合退職)の場合、特定技能への変更申請は認めないような対策を講じていただきたいです。
- 特定技能外国人について、登録支援機関が特定技能外国人に支援計画書の説明も交付もしていないが、違法ではないでしょうか?
- 特定技能の製造3分野に自動車関係の製造業は入っていないのはなぜでしょうか?
- 特定技能の製造3分野の協議連絡会の受け入れ口の狭さは今後広がっていくのでしょうか?
- 介護福祉士国家試験の受験資格の緩和、または受験回数の増回などの措置を希望いたします。
- 特定技能において、フィリピン人材の受け入れをスムーズにするためにPOLOなどに働きがけをしていただきたいです。
- 特定技能協議会の中でも建設分野でJACのみ会費がかかるのですが、なぜでしょうか?
技能実習に関するご意見・ご要望
- 技能検定に関して、基礎級・専門級(随時3級)・3号2年目での上級(随時2級)が必須になっていますが、上級の受験は選択にしていただきたいです。
- 技能実習において、制度上、過去に技能実習生での渡航歴がある場合は、2回目の受け入れは不可とのことだが、介護などの新しい業種など、1回目の渡航歴の時になかった業種においては2回目の渡航も認めるなどしていただきたいです。
- 軽微変更届の改善要望 例:時間外労働について36 協定の上限時間までの時間外労働が許容されておらず、時間 外労働が月45 時間を超えた場合 (※1年単位の変形労働制を採用している企業は、42 時間を超えた場合)は、 軽微変更届出書が必要 。煩雑でわかりにくい。
- 外国人技能実習機構への申請等の電子化希望
- 実習実施者の優良要件改善 前回の改定により、初めて制度活用した企業が、優良要件を満たすのが非常に困難になった。真面目に技能実習に取り組んだ企業が3号の受け入れができるように、改善していただきたいです。
- 介護技能実習評価試験について、障がい者支援施設・救護施設などの高齢者介護以外での習得が可能な技能実習評価試験も策定していただきたいです。
- 介護技能実習評価試験について、利用者を試験の被対象者とするのは体調等の点から無理があります。
- 外国人技能実習機構の実地調査は、コロナ禍において、延期すべきではないでしょうか?
- 現在の監理団体と受入企業の関係において、受入企業が直接、監理団体へ「監理費」として支払う関係性が、適切な監理を阻害する要因にもなっているが、監理費を国が徴収し分配するような発想は検討されないのか。
また雇用状況が悪化した企業が、技能実習制度を活用するのではなく、ハローワークが関与し、待遇を改善して一定の期間、日本人、在日の外国人材を募集し、採用実績が不調に終わった企業のみが待遇条件を変更せず、技能実習生の採用を許可するなどの発想は検討されないのか? - 技能実習制度で、外国人技能実習機構の目に触れず悪質な違反を犯している会社が多数あるため徹底的に摘発する必要があると考えます。
しかし、外国人技能実習機構に相談しても対応できる人員がいないという返事がありますが、どう思うわれますか? - 技能実習生の不当な扱いについて、労働基準局に相談しても対応してもらえない場合どうしたらよいでしょうか?
- 6月17日に厚生労働省から発表された、コロナ禍において失業した外国人労働者への再就職支援の強化について具体的な内容がわかりません。
支援団体、ハローワーク、出入国在留管理庁などを結ぶシステムを強化していくということですが、いつ頃から稼働していくのか教えてください。
- 2021.12.27外国人への防災情報周知のお願い
防災、災害対策ポスター周知のお願い
日本にいる外国人、日本に来る外国人の不安要素の1つとして災害が挙げられます。
日本に住んでいる限り、災害から目を背けることはできません。
外国人も、防災対策、災害から身を守ることが大切です。
この度、内閣府より外国人のための減災ポイントのポスターが作成されました。
いざというときに外国人自身が自分の身を自分で守れるように、こちらのポスターの周知をお願いします。ポスターの対応言語
こちらの防災、災害対策ポスターはQRコードを読み取ると以下の言語で読むことができます。
- 英語
- 中国語(簡体字)
- 中国語(繫体字)
- 韓国語
- スペイン語
- ポルトガル語
- ベトナム語
- タイ語
- インドネシア語
- タガログ語
- ネパール語
- クメール語
- ビルマ語
- モンゴル語
参考:内閣府外国人のための減災のポイント(やさしい日本語と他言語QRコード対応)
防災、災害対策ポスターとQRコード
他言語でポスターを見たい方はこちらのQRコードを読み取ってください。
閉じる- 2021.08.06技能実習生の過度な借金・失踪防止対策:送り出し機関の選び方セミナー大公開
目次
- 技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
- 送り出し国ごとに規定がある
- 送り出し機関は利益至上主義ではいけない
- 過大な借金は技能実習生の人生を破滅させる
- 送り出し機関の手数料は無料にすべきなのか
- 技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
- 技能実習生が負担する多額の借金の原因
- 送り出し機関は監理団体の接待要求・キックバック要求に応じるべきか?
- 技能実習生はなぜ高い手数料を支払わされてきたのか?
- 送り出し機関の日本語教育はどうあるべきか
- 送り出し機関の情報開示はどこまでガラス張りであるべきか?
- 技能実習候補者には、受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきか?
- 送り出し機関の組織作りとチームワークの大切さ
- 今後の送り出し機関はどうあるべきか?
- まとめ ~送り出し機関を見分ける方法~
大澤 夕子 ミャンマー・ユニティ 事業責任者
大学卒業後、2001年に株式会社スリーイーホールディングスに入社。入社3年後、香港にて現地子会社を立ち上げ、貿易等のビジネスに従事する。
2011年にはじめてミャンマーを訪問し、当時のミャンマー人の素晴らしい人柄と勤勉な国民性に惹かれ、2012年からミャンマーで事業を展開。のち2013年5月ミャンマーに「ミャンマー・ユニティ」を設立し、事業責任者に就任。ミャンマーの発展と日本への貢献のため、様々なビジネスやサービスの展開に尽力。現在はミャンマー・ユニティはじめ、スリーイーグループの海外事業全般を統括している。本日は「送り出し機関の選び方」というテーマでお話しさせていただきます。
今回、送り出し機関の選び方としてお話をさせていただく内容は、私の主観もかなり入っております
また、決してミャンマー・ユニティが良くて他の送り出し機関が悪いということではありませんので、ひとつの意見として聞いていただければと思います。
それでは早速始めさせていただきます。技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
送り出し国ごとに規定がある
まず、技能実習生の本人負担額については、それぞれの国においてその国独自の規定がございます。
ミャンマー上限2800ドルベトナム上限3600ドルミャンマーの場合は本人負担額の上限は2800ドル、ベトナムの場合は3600ドルなど、技能実習生本人が我々のような送り出し機関に払う金額の上限規定が送り出し国ごとにございます。当然ですが、どこの送り出し機関もその国ごとの規定に従っていくべきだと思います。付け加えますと、ミャンマーの場合はその2800ドルの中に含めなくてはいけないもの、含めなくてもよいものがございます。(つまり、教育費用とか手続き費用などと言う別の名目をつけて、上限金額以上の額を徴収している送り出し機関があります)
そういったところも踏まえて、やはり国ごとの規定を従うべきだと思いますし、各国の労働省などが規定をなるべく詳細に示して、技能実習生の負担が妥当なのか、その国が決めるガイドラインを送り出し機関がしっかり守っていくべきだと考えております。送り出し機関は利益至上主義ではいけない
ただ、どこの送り出し機関さんもそうですが、ボランティアではありませんので会社として利益を出していくことももちろん必要です。
しかし、利益を出すことを一番にしてはいけないと思います。技能実習生が負担する金額がどのように来日後の技能実習生の生活や人生に影響していくのかを真剣に考えて、どこの送り出し機関さんも運営をしていくべきではないかと思っております。過大な借金は技能実習生の人生を破滅させる
例えば「技能実習生が失踪してしまう」「技能実習生が借金の返済ができなくなってしまった」などの不幸な出来事がありますと、技能実習生本人の人生そのものが崩壊してしまいます。
技能実習生は何か目的を持って日本に来るわけで、おそらく大体の人がしっかりお金を稼げること、それなりに日本で日本語や技術を身につけられるという理由で日本に来ると思います。
技能実習生本人が何のために日本に来るのか、その人生計画はしっかりできているか、そういったところも送り出し機関としてサポートしていくべきではないかと思います。
送り出し機関が利益を求め過ぎるあまり、技能実習生の負担の部分が本人の人生にどのように影響するかをあまり考えないで進めてしまうと、本来の技能実習制度のあり方とかけ離れてきてしまうと思います。送り出し機関の手数料は無料にすべきなのか
送り出し機関はその国から決められた規定よりも手数料を安くするべきではないか、という声や、無料にすれば良いのではないかなど、そういった声もたまにありますが、逆に無料や安くすれば良いというわけでもないと思っています。
例えば、技能実習生に負担をかけるのは可哀想なので、受け入れ企業様(実習実施者様)から「この技能実習生の支払う手数料を負担したい、支援したい」というお話もあります。
そのような非常にありがたいお話でも、私達の場合は一つ一つ個別に対応させていただいております。
もし企業様がミャンマーの規定の2800ドル全額を払っていただくと、デメリットも発生します。それは「技能実習生が頑張らなくなってしまう」という部分です。
受け入れ企業様が技能実習生の負担分を肩代わりしていただくことに対してはありがたい気持ちはあるのですが、手数料が技能実習生自身の負担ではないために、「必ず日本に行けるのだから勉強しなくていいや」「何か困ったときは受け入れ企業が助けてくれるから大丈夫」などという甘えた考えが出てくることもあります。ですから、送り出し機関の手数料を安くすれば良いというわけでもないと思います。その国の規定に従うべきですけれども、その中でも各送り出し機関さんが何らかのガイドラインを設けて運営をしていき、人のご厚意を無駄にするようなことがないようにしていくのも重要と思います。
技能実習生の本人負担額はいくらまでであるべきか?
各国で技能実習生の本人負担額の上限金額は違いますし、各国の経済状況、それぞれの技能実習生の家族の状況にもよります。
ミャンマーの場合はほとんどの人が、本人負担額の半額ぐらいの金額は何とか家族で集めて、残りは誰かから借りる形が多いと思います。(ミャンマーは金融制度が発達しておらず、高利貸しから多額の借金をすることがほぼできないので、幸いなことに個人間の貸し借りが主流です)
技能実習生の本人負担額(背負う借金)はいくらまでであるべきかですが、私の考えとしては、やはり日本に行ってから3~4か月、長くても6か月ぐらいで(6ヶ月分の手取り給料から生活費などを引いて)返済できるような金額でないと、3年間日本に来て苦労して働く意味がないと思います。
100~150万円以上の借金をして来日する技能実習生がいるという報道もありますが、その場合は恐らく1年間以上、ひどい場合では2年以上借金返済のために働かなくてはいけなくなります。
借金の返済のために働く期間が1年以上になってしまう場合、本当に3年間日本に来て働く意味はあるのでしょうか。それでも残りの期間で貯金ができればそれでいいのでしょうか。疑問に思うところです。
もちろん借金しないで日本に来られる人はそれが一番いいと思いますが、だいたい3~4か月、長くても6ヶ月ぐらいで返済できないと日本にわざわざ来る意味がないのではないと思います。
技能実習生が負担する多額の借金の原因
技能実習生の法外な借金の金額、送り出し機関に払う膨大な金額に関して、ニュースではベトナムの例がよく報道されていると思いますが、ベトナムの送り出し機関がすべて悪いわけではなく、やはりその需要と供給のバランスに原因があると思います。
一時期中国の送り出し機関さんからの技能実習生がなかなか集まらないということで、一気に技能実習送り出し国の波がベトナムに向かった時期があります。このときに需要と供給のバランスが崩れてしまったのだと思います。
ベトナムの送り出し機関としては、てんてこ舞いになるほど技能実習生の依頼が日本から舞い込み、きっとどんな状態でもどんどん人を送ることができるし、日本側も必要なのだからと、正常な判断ができなくなってしまったことが原因と思われます。
需要があまりにも供給を上回ったために、バランスが崩れてしまい、悪いことをしてもよい、儲けるなら何でも有りになってしまったのではないかなと個人的には思っております。
送り出し機関は監理団体の接待要求・キックバック要求に応じるべきか?
では次のテーマは、送り出し機関が接待やキックバックの要求に応じるべきかについてです。
過度な接待、一切のキックバックは法令違反
送り出し機関が監理団体や受け入れ企業に対して過度な接待をすること、またキックバック(現金で賄賂的なものを提供すること)は、日本においては技能実習の法令で明確に禁止されています。
以前はこのルールが明確ではなく、過度な接待やキックバックが横行していましたし、我々も当然の如く監理団体などから接待やキックバックを要求されました。我々はすべて断っていましたが、「だったら他の送り出しにするよ」と言われてしまい、とても悲しい思いをしました。
しかし、外国人技能実習機構はある時点から監理団体の取締りを厳格化し、現在は明確に法令違反となっています。 送り出し国によっては接待とキックバックについて明確なルールがない国もあり、また罰則が甘いため未だに接待やキックバックが撲滅されていません。では「接待」と「お客様への歓迎(食事など)」はどう違うのでしょうか? 例えば、受け入れ企業様や監理団体様がはるばる日本からミャンマーに面接や視察、技能実習生への激励などで来ていただいたときに、到着された日に歓迎・懇親という意味でいっしょに夕食をさせていただくのは過度な接待でしょうか?また面接日や視察の日にランチや夕食を普通のレストランでご一緒させていただくのは過度な接待でしょうか?
我々は、お客様を歓迎するおもてなしの気持ちで食事をいっしょにさせていただくことは問題ないと考えています。問題なのはそれ以上の過度な接待です。夜の女性が接客するお店や、食事を超えた宴会は過度な接待に該当すると思います。
過度な接待と普通の歓迎・おもてなしの違いを、送り出し機関さんは節度をもって使い分ける必要があると思います。
コンプライアンス遵守(法令遵守)の流れ
最近は、技能実習機構の取締りもあり、監理団体様や受け入れ企業様が過度な接待をあからさまに要求したり、キックバックを要求するということはほとんどなくなりました。
前述の通り、以前はこの点がかなり乱れていましたが、最近は逆に、例えばミャンマーに到着したときの夕食等においても「全部折半にさせてください」とのお話があったり、受け入れ企業様がミャンマーに何かの用事で来ていただいたときも「お構いなく、私は自分で食事しますので」といった形で、すごく気を遣っていただくようになりました。
昨今はコンプライアンスの遵守が叫ばれていますので、会社の方針で接待を受けることを一切禁止している会社様も多くなり、正常化が進んできたと思います。送り出し機関の真の価値は何か?
昨今は送り出し機関だけではなく、監理団体様・受け入れ企業様も「あるべき姿」を考えて行動されています。私達としてはできる限り監理団体様や受け入れ企業様と同じ方向を向いて、送り出し機関として正しい姿を追求していきたいと思っております。
本来、監理団体様が送り出し機関を評価するポイントは、キックバックや接待をするかどうかではないと思います。
評価いただくべきポイントは、技能実習生にどういう教育をしているか、技能実習生が日本に行ってからどういう指導ができるかなどだと思います。ミャンマーに限らず、送り出し機関に対して、監理団体様や受け入れ企業様がメールや電話で問い合わせをしたときに、どれだけ早く送り出し機関がレスポンスするか、どれだけ法令遵守して正しい送り出しをするかなどが本来の評価のポイントだと思います。最近は監理団体様の評価ポイントも大多数がそのようになってきたと思っておりますし、それが正しい姿ではないかと思います。
技能実習生はなぜ高い手数料を支払わされてきたのか
技能実習生がなぜ高い手数料を支払わされてきたのかという話題に戻りますが、例えば手数料の上限はミャンマーで2800ドル、ベトナムは3600ドルですが、送り出し国ごとに別名目で上乗せしてよい費用があるようです。
ミャンマーの場合、送り出し機関が得る上限の2800ドルには下記費用を含めなければいけないというルールです。ミャンマー・ユニティは厳格に法令を遵守しますので2800ドル以外は一切徴収しません。
- 日本に渡航する前に行う健康診断費(1回当たり女性約60米ドル/男性約55米ドル、健康診断は2回受診)
- パスポート申請費(1名当たり約20米ドル。パスポートを保有していない生徒のみ)
- 日本大使館でのビザ申請費(1名当たり約25米ドル
- スマートカード申請費(1名当たり約6米ドル)
- PCR検査(1名当たり約120米ドル。場合により半額本人負担)
- 授業料及びテキスト代金(1名当たり約35米ドル)
ミャンマー以外の国においても、それぞれの国で色々な規定があと思いますし、規定があいまいな場合も多いと思われます。例えば授業料とか何々料とかそういったものをどんどん加算していって、結局送り出し機関の意のままに膨大な金額を技能実習生に負担させることがまかり通ってしまっているのだと思います。
技能実習生の法外な費用負担の本当の原因
ではなぜ技能実習生は法外な高い手数料を支払わされてきたのでしょうか?その本当の原因は何でしょうか?
それは、送り出し機関が監理団体などからのキックバックや過度な接待の要求があること、また過度な要求がなくても、送り出し機関自らがもっとオーダーを取るために、監理団体や受け入れ企業に対して接待やキックバックを提案する場合もあります。
そのような費用が発生することで、技能実習生からさらに徴収をしないと送り出し事業の利益が出なくなってしまう、または赤字になってしまう。だから技能実習生に過大な負担を背負わさなければならないというところがあります。
つまり、送り出し機関自身から過度な接待やキックバックの提案をすること自体が、結局は送り出し機関を苦しめることになるのです。そして結果、結局は技能実習生の負担が増えてしまうということに繋がって悪循環に陥ってしまっています。
過度な技能実習生の借金は失踪増大の原因は?
技能実習生に過度な借金を背負わせる送り出し機関は、技能実習生がその借金をどれぐらいの期間で返済できると考えているのでしょうか?技能実習生の法外な費用負担という歪んだ構造に対する自制心はないのでしょうか?技能実習生という一人の人生に対して、どこまで真剣に考えているのでしょうか?
高い手数料を払い、過度な借金を背負って日本に行く技能実習生に対して、実際とは程遠い収入が日本で得られると虚偽の説明をし、1ヶ月で10万円も借金返済できると信じて来日した技能実習生もいます。
しかし現実に手取り給与から生活費を差し引いて1ヶ月10万円残すというのはかなり難しいことです。1ヶ月で10万円返せると信じて来日したが、実際は6万円しか返せない。
仮に虚偽の説明ではなかったとしても、天候や景気などの理由で、実際は想定していた収入と違うということもありますし、会社での仕事が思っていたよりも大変で休みを取るなど技能実習生にもいろいろな事情が発生します。そういう時に限って、同国人の悪いブローカーからの甘い誘いが来るのです。悪徳ブローカーでないとしても、自分の知っている友達や知り合いがもっと良い生活をしている、その子が羨ましいと思ったりすると、途端に仕事場から逃げ出したくなるのです。今の自分の状況と、ブローカーや知り合いの情報を比較して、他人の芝生が青く見えてしまうわけです。
もちろん、技能実習生が高い手数料を払いすぎているから失踪するといったケースもありますが、それ以外の原因で失踪するケースもあるのです。技能実習生の失踪が社会問題に。防止する方法はないのか?
昨今技能実習生の失踪が社会問題化しています。技能実習生失踪の一番の原因は背負わされた膨大な借金です。失踪率が高くなると、送り出し機関のみならず、監理団体も受け入れ企業も様々な罰を受けます。やはり、送り出し機関が受け取る手数料は妥当な金額でなければなりません。
我々含めて送り出し機関は、今一度正しい送り出し事業をやっていくこと、初心に帰って何が技能実習生のためになるかを考える必要があると考えます。
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ミャンマー・ユニティでは、技能実習生失踪の問題に対して真摯に向き合い、未然に防ぐための対策に力を入れています。出国前の事前教育から帰国後のサポートまで、多面的なフォローを行えることが当社の強みです。 技能実習生の失踪をな […]
技能実習生に過度な負担をさせない仕組みを作れないか?
技能実習生に過度な負担をさせないための仕組みを作れないかというご質問もいただいておりますが、先ほど申し上げましたように技能実習生の負担がゼロであれば、またそれはそれで問題も起きてしまいますので、その国の人々の生活や収入、手数料の規定などを踏まえて、各国の送り出し機関さんがどういうところが妥当なのか判断されて、運営をしていくべきと思います。
送り出し機関の日本語教育はどうあるべきか
日本人講師による、ネイティブな日本語の発音・表現方法を学ぶ生きた日本語の習得日本の文化・風習を学び、日本での生活に必要なマナーを習得日本での生活に対応する準備モチベーションが上がる日本語教育
日本に行く技能実習生は、日本に日本語を勉強しに行くのが目的ではありません。日本に実習に(働きに)行くわけですので、やはり大事なのはコミュニケーション能力・会話能力だと我々は考えております。
もちろん読み書きすること、漢字を勉強すること、漢字を理解することも重要ですけれども、それよりもコミュニケーションがとれることが一番重要だと思います。
特に日本の現場の方とか工場や会社、地域によってその話し方や方言がいろいろです。そういった人たちと、うまく会話のキャッチボールができるように会話教育に力を入れてやっていくべきではないかと思います。
我々送り出し機関が技能実習生に教える場合ですが、本人の日本語力がどれだけ伸びていくか、これは本人たちの頑張り次第ではありますが、モチベーション・やる気の出る授業を行うことが一番技能実習生の日本語力が伸びると思っております。
つまり少しでも本人たちのやる気が出る授業、興味が沸く授業、そしてワクワクするような授業をどういうふうに工夫してやっていくかが大切だと思います。つまらない授業だと出席しているだけで、興味がわかず吸収できないと思いますので、我々も含め、送り出し機関さんはモチベーションアップする、やる気が出る授業をどうやって工夫していくかっていうところが今後の課題だと思います。
おすすめ記事UJLAC日本語学校による日本語教育
ミャンマー・ユニティは、事前教育機関『UJLAC日本語学校』『UKWTC介護学校』(Unity KAIGO Welfare Training Center)を独自で設けております。送り出し理念を基盤とした教育方針で、”1人ひとりを大切に”をモットーに生徒と日々向き合っております。
日本語以外の教育の重要性
日本語以外の教育も大変重要だと思います。
例えば掃除の仕方、ゴミの出し方、働くために何が必要か、時間を守ることや報・連・相など色々あると思います。国によっても事情が異なるとは思いますが、ミャンマーの場合は学校で性教育等を受けておりませんので、性教育についても重要と考え、我々も授業に取り入れております。
日本語力はとても重要です。しかし我々が日本語だけできればいいとは考えておりません。日本語以外にもとても大切なものがたくさんありますので、各送り出し機関様が工夫をしてもっともっと技能実習生のことを考えて、教えていくべきかと思います。手取り給与計算の教育の重要性
給料の計算は重要です。
ミャンマーでは一般的に給与控除という習慣がありません。給与支給額を全額本人が受け取り、税金などは本人が納付するというシステムが未だに多数派です。一方、日本では税金を含めて、色々と給与支給額から控除されるものがあり、ミャンマーの事情とかなり異なりますので、できる限りの情報を与えて理解させています。日本に行ってから「給与が減らされた」とか「話が違う」、「騙された」などと思われないよう、問題発生を未然に防ぐことが重要だと思います。劣等生にもフォーカスした教育の重要性
技能実習生も人間ですので優等生もいるし、劣等生もいます。できない子も決してサボっているわけではありません。頑張っていないわけでもありせん。そのような個人個人の能力、多様性に対してフォーカスできる環境、学校作りっていうのも大切だと思います。
できる子に関してはもっともっとできるようにするべきだと思います。我々の場合は各クラスに担任の先生がおりまして、そのクラスに15~18名ほどの生徒がいるのですが、やはり中にできる子もできない子もいます。その中で、できない子については個別に宿題を出すなどしております。できる子に関してはもっと伸びるように、何か新たな課題を出すなど工夫して、褒めつつ、でも「頑張って欲しい」という気持ちも伝えつつ、「やらなきゃいけないよ」っていう危機感も伝えながら、個人にフォーカスしていく環境があるといいと思います。
介護技能実習生への日本語教育
介護技能実習生は日本の技能実習法の規定で日本語能力試験(JLPT)N4の取得が必須ですので、どうしてもN4を取得するまでは「試験に合格するための授業」になってしまいます。こちらは避けられないと思っております。
しかし、介護職の日本語教育はコミュニケーション力を高めるがとても大切です。ですから、N4を合格した後は利用者様・介護施設の同僚との会話能力をどれだけ高められるか、そういった授業をどうやって展開できるか、そこが重要になってくると考えております。将来日本に行ってからN2を取得し、介護福祉士を目指したい技能実習生はたくさんいます。また介護福祉士が目指せる能力とモチベーションがある技能実習生もたくさんいます。彼女たちに対して、ミャンマーにいる間に自分の素晴らしい可能性に気づいていただけるような教育をしていくことが今後重要になってくると考えております。
おすすめ記事UKWTC介護学校による介護実技教育
UKWTC介護学校は、日本で働く介護職の技能実習生育成に特化した2016年3月開設の教育機関です。日本人が、募集・教育・書類手続き・お客様対応まですべてのプロセスを管理した万全のサポート体制を構築し、質の高い日本語教育と介護実技教育を実現しています。
非公開: 【介護】技能実習で介護福祉士を目指すには
技能実習で介護福祉士になるにはどのような要件があり、どのような過程なのかを解説しています。さらに、ミャンマー・ユニティが送り出した介護技能実習生がN2に合格しましたので、インタビューを公開いたします。
送り出し機関の情報開示はどこまでガラス張りであるべきか?
ガラス張り経営の必要性
私の意見ですけれども、やはり透明性がある運営と管理方法をお客様に示すべきだと思います。情報もできる限り開示すべきだと思います。
送り出し機関が必要以上に内情を隠したり、透明性がない運営をしておりますと、いつかそれが大きな問題となって返ってくると思います。
送り出し機関としての理念を持ち、しっかり透明性ある運営をすることで、問題も早期に解決できると思いますし、送り出し機関の原因で受け入れ企業様や監理団体様に迷惑をかけることも避けられると思います。
ましては技能実習生が後からとんでもない問題を起こすようなことがないようにするためにも、やはり透明性のある運営と管理を徹底し、できる限りの情報を開示していくべきだと考えております。
私達は特に技能実習生の生活態度や教育に問題があった等のよくない情報こそ、早く開示し、偽りの報告をせずに、悪い出来事も真実のまま報告しています。そして発生した問題に対する対処を重要視し、誠意をもって対応することが大切だと考えています。タイムリーかつスピードのある対応の必要性
よくお客様から言われるのは、スピードを持ってタイムリーに対応してほしいという要望です。どこの送り出し機関さんも日本語ができる窓口の方がいて、その方たちがボスに聞いて対応したりと、色々とやっていると思います。
それぞれの送り出し機関が、顧客対応に関するルールや仕組みを作って、どのようにスピードを持ってタイムリーに回答していくか。こちらも情報開示とともに必要なところだと考えます。技能実習候補者には、受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきか?
技能実習生には受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべき
技能実習候補者には受け入れ企業の情報をどの程度まで詳しく説明すべきかをお話します。送り出し機関の立場からの私の意見ですが、できるだけ受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべきだと思います。
これにはいくつか理由がありますが、まずミスマッチ防止し、それによる失踪を防止するためです。求人をいただいたときはすごくいい会社に見え、写真では寮もすごく綺麗だった。でも実際に行ってみたら、寮はすごくボロボロだったなどということが現実にがよく起こります。
人間の心理として「こんなはずじゃなかった」と一度でも思ってしまうと、信頼関係は崩れてしまい、そこから失踪に繋がることがあります。失踪という事実自体も問題ですが、その失踪したことによって技能実習生の人生が破滅してまったり、人生計画が崩れてしまうことが最も良くないことです。こうしたミスマッチを防ぐためにも、技能実習生にはできるだけ受け入れ企業の詳細な情報を伝えるべきだと思います。
受け入れ企業と技能実習生の信頼関係の構築
また、受け入れ企業様と技能実習生の間の信頼関係を築いていただきたいと思っております。信頼関係は1日で築けるものではございません。一番初めに企業様にしっかりと企業と仕事に関する情報をいただき、技能実習生に丁寧に説明し理解してもらうことが肝心だと思います。
そしてその後「この企業で働きたい」「この企業の面接で選んでいただいた。だから僕は頑張って勉強して絶対日本に行って頑張るんだ」と技能実習生に思ってもらうのです。このような信頼関係を築くためにも、企業様は自社の良いところも悪いところも技能実習生に全部説明してほしいと思います。例えば寮から会社までなり遠いとか、そのような良くない情報こそ、正直に伝えていただきたいです。
もちろん職場が近い方が実際には便利ですが、「寮が遠くてもうちの会社はこんないいところがありますよ」というよい部分のアピールも重要です。しかし包み隠すことなく寮や現場などについて現状のありのままを説明いただくのが一番だと考えております。
技能実習生に対して、企業様にその企業様のアピールポイントも含めて、プレゼンのような形で企業様情報を詳しく紹介いただき、技能実習生の心を掴んでいただいて、技能実習生がよりモチベーション高く勉強して頑張れるような良い関係が築けるとベストだと思っております。
人材獲得競争が激化し、技能実習生が仕事を選ぶ時代に
あとは、以前と比べて技能実習生が仕事を選ぶ時代になってきていると感じております。技能実習生が日本を選ばずに、韓国とか台湾とか他の国に行くという選択肢もあります。
まず日本に行きたいと思ってもらうことが必要ですが、幸いミャンマー人技能実習生は自分がやりたい職種に過度にこだわったり、地方は絶対いやだと考える人は多くありません。他国では「都会じゃないといやだ」と考える人が多いようですが、そのような方はミャンマーにあまりいないとは思います。しかし、ミャンマー人技能実習生においても、自分がやりたい職種・やりたくない職種を強く持っている人もいます。アジア最貧国のミャンマーであってもそうですから、他のアジアの国々においては、すでに技能実習生が仕事を選ぶ時代に入ってきていると認識をしております。
最終的には技能実習生がやる気を持って勉強し、モチベーションを高く保ち、どれだけ頑張れるかということころが鍵になってくると思います。ありのままの企業様の情報を詳細にいただいて、アピールポイント等も技能実習生にプレゼンしていただければうまくいくのではないかと考えております。
送り出し機関の組織作りとチームワークの大切さ
理念浸透の重要性
送り出し機関さんもいろいろあると思いますが、スタッフ全員が同じ理念や気持ちで仕事をしているかという点はすごく重要ではないかと思います。
以前は私もそこまで深く考えておりませんでした。とりあえず各スタッフが仕事の中で自分たちの役割責任を果たしていただくことが重要だと思っておりました。しかし最近になって、やはりスタッフの皆さんが同じ理念、同じ気持ちで誇りを持って仕事をしているかどうか、ここがその送り出し機関各社のカラーに繋がると思います。
何のために働くか
人間は「お金を儲けたい」「何かを成し遂げたい」など、様々な目標ややりたいことがあると思います。しかし、どんなときに一番心が満たされるかと考えると、誰かのために役に立つことをしたとか、誰かのために何かをして感謝されたとか、そういったときに一番心が満たされるのではないかなと思います。
我々ミャンマー・ユニティの組織のことになりますが、やはり理念の軸はいつも「技能実習生のため」でありたいと思っております。実際に我々の理念は技能実習生のため、企業様のため、そしてスタッフ自身のためといったことを掲げておりますが、日々仕事をしていく中で「果たしてこれは技能実習生のためになるのか、ならないのか」この判断の軸がずれてはいけないと思います。
チームづくりの重要性
個人個人においてもそうですが、各チームに対しても同様です。各チームも自分のためではなくて、技能実習生のため、チームのため、チームで自分たちが与えられた仕事をきちんと成し遂げるため、そういった考えも重要と思います。
チーム作りはマネージャーの努力によるところも多いと思いますが、やはり会社としてしっかりした土台・理念があってこそ、それを浸透できるマネージャーが現れ、それについていく部下がいて、初めて良い組織ができてくると思います。
なぜ私がこのような話をさせていただいたかというと、弊社ミャンマー・ユニティのことになりますけれども、2013年から送り出しを始めているので、後発企業です。
しかし2019年と2020年に日本への送り出し実績がミャンマーで一番多い送り出し機関になることができました。これはもちろん日本の監理団体様や受け入れ企業様等のご支援等があってのことです。2019年に初めてミャンマーで一番日本に送り出す実績が多い送り出し機関になった時に、ある人から「ミャンマー・ユニティさんはNo.1になって何が変わりましたか」という質問を受けました。
何が変わったか考えてみました。答えは「我々のスタッフが一番変わった」ことです。スタッフがより誇りを持ってこの仕事を行い、技能実習生のため、企業様のために少しでもお役に立とうという認識を持って、より誇りを持って仕事をしてくれるようになりました。そこが一番変わったと感じております。
ですから我々も含め、送り出し機関として確固たる理念を持って経営し、スタッフが同じ気持ちで向かって仕事をしていくこと、それが送り出し機関の一つの重要なポイントではないかと思いまして、このようなお話をさせていただきました。
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今後の送り出し機関はどうあるべきか?
まず法令遵守が必要
悪質な送り出し機関があるとか、手数料を取り過ぎだとか、技能実習制度に対する批判が世間では渦巻いています。ベトナムや他の国にも言えることですが、やはり送り出し機関が透明性を持った運営をして、規定に沿って運営していくことが必須だと思います。
守るべきルールに反していると必ずそれは送り出し機関自身に返ってきます。ですから規定に従うことは絶対に必要だと思います。コロナ禍におけるオンライン面接の質向上
現在、コロナ禍で監理団体様や受け入れ企業様が現地に面接に来ていただくことがなかなか難しい中、リアル面接に匹敵するオンライン面接をどこまでできるかなど、送り出し機関さんも色々模索されていると思います。
これは本当に重要な課題です。我々もそうですが、面接の前になるべくその技能実習生の自己紹介動画や家族の紹介動画など、技能実習生がアピールしたい部分を録画し、それをテロップをつけたり字幕をつけたりして編集し、事前にYouTubeのリンクとしてお客様にお渡しして、それをお客様に見ていただいた上で面接をしていただくこともしております。
動画による家族紹介などをもっと取り入れて、現地面接に来ていただくよりも優れたオンライン面接を実現すること。企業様がしっかり技能実習生を個人として見て選んでいただけるような環境を作っていく必要と思います。
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送り出し機関としてDX化の推進
送り出し機関としてDX化(デジタルトランスフォーメーション)の推進も重要です。
技能実習生の情報をIT化・システム化して、いつでも誰でもどこでも、その情報がすぐに必要なときに必要な方にお渡しできるような仕組み作りも重要だと思います。また教育をさらにDX化・システム化するのも重要だと思います。ただ、教育についてはシステム化すればそれで終わりではありません。学ぶ本人たちのモチベーションを維持し高めることもとても重要です。これは簡単なことではありませんが、VR教育(バーチャルリアリティ教育)を取り入れることなど、様々な工夫をしていく必要があると思います。
日本経済新聞の記事でミャンマー・ユニティの介護VR教育プロジェクトが取り上げられました面接候補者の日本語力のレベルアップ
面接時に日本語がまともに話せないのは、一般的な技能実習生の面接においては当たり前かもしれません
しかし監理団体様や受け入れ企業様、特に介護事業者様の要求レベルは「もっと日本語が話せる人が欲しい」というご意見です。我々は甘えてはならないと考えております。面接時にすでにN5を持っていること。できればN4を持っていること。日本入国までに日本語レベルをさらにアップさせ、出国時にはすでにN3を取得している・・・そのような質の高い日本語教育を送り出し機関がどれだけできるかも求められていると思います。
要望に対する柔軟な対応
監理団体様や受け入れ企業様からは様々な要望をいただきます。
本当に技能実習生のためを思って要望いただくことですので、ご要望にどれだけ柔軟に対応できる送り出し機関かもポイントだと思います。当然監理団体様が間に入りますけども、我々送り出し機関は「技能実習生と受け入れ企業様の信頼関係をどのように構築できか」をお手伝いする役割があります。一方的に受け入れ企業様からの要望に応えるだけではなく、技能実習生から受け入れ企業様に対する様々な質問や、お手紙や「頑張っている姿を見てほしい」などの意見も踏まえて、信頼関係を構築できる架け橋を送り出し機関としてはやっていくべきではないかと思います。
送り出し機関は大小ではない
先ほど申し上げましたように、ミャンマー・ユニティは2019年と2020年においてミャンマーから日本に送り出す一番大きい送り出し機関になりましたが、送り出し機関は大きい小さいは関係ないと思っております。
どれだけ人数を送ったから偉いとか、そういうことではなくて、小さな送り出し機関さんでも、それぞれいろんなことを工夫してやられている送り出し機関さんもあると思います。
法令を遵守し、透明性を持った運営をする中で、それぞれの送り出し機関さんにいいところ、とても素晴らしいところ、工夫されているところがあると思います。一方で改善すべきところもあると思います。規模の大小ではないのです。
我々もミャンマーで一番人数を送り出したからといって、自分たちが一番すごいとは思っておらず、それそれぞれのチームも含めてまだまだ改善すべきところはたくさんあります。引き続き、日々創意工夫をしながら頑張っていかなければならないと思っております。
失踪問題の解決
あとは、送り出し機関側に失踪の解決方法があるかについてです。
もちろん失踪の原因はいくつかあります。まずはすでにお話したように、送り出し機関の失踪対策の最大のポイントは過大な金額を技能実習生から徴収しないことです。
さらに、日本でのサポートを充実させることです。送り出し機関自身が技能実習生の心のケアを綿密に行い、心の隙間が生じて悪徳ブローカーに技能実習生がそそのかされることを防ぐことも重要です。何か仕事や会社や職場環境に不満があると、つい心にスキができ、甘い話に乗って、失踪の原因となってしまいます。もちろん、ブローカーによる計画的かつ悪質な失踪勧誘については、企業様が被害者ということもあります。
やはりブローカーの存在や、羨ましく見える「他の職業」の情報がSNSなどで錯綜する中で、技能実習生たちへのさらなるサポートも必要ですし、手厚い指導も必要だと思います。技能実習生が失踪しないよう、また失踪して人生を台無しにしてしまわないように、また受け入れ企業様にもご迷惑をかけないように、送り出し機関としてできることを一つずつやっていく必要があると改めて思っております。
おすすめ記事技能実習生失踪対策への取り組み
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まとめ ~送り出し機関を見分ける方法~
送り出し機関の選び方、見分ける方法について、いろいろとお話ししてまいりました。
送り出し機関にもそれぞれ特徴がございます。送り出し国の特徴もございます。今後、特定技能制度が普及し、送り出し機関の使命はさらに多様化していくことと思います。技術・人文知識・国際業務や特定活動など、他の在留資格も増えてまいります。移民制度もいつかスタートすることでしょう。そのような状況の中で、受け入れ企業様・監理団体様、そして人材紹介会社様にとっての選択肢はさらに広がっていくと思われます。我々も含めて、各送り出し機関さんが自社の強みを生かして、もっと差別化をしていくこと、「誰にも負けないことがあるんです」みたいな抜け出し方もありますし、万全に全てにこなしていく送り出し機関さんもあると思います。またそれぞれ国で、国民性や文化が反映された素晴らしい運営をされているところもあると思います。
そんな中で、我々も含めて各送り出し機関さんがより一層自社の強みをもっと出し、切磋琢磨してより良い人材をいろんな国から日本に送って、日本の受け入れ企業様等の助けになるようにすること。日本の受け入れ企業様が、技能実習生を受け入れてよかった、もうこの人たちがいないと自分たちの企業が成り立たないと感じていただいて、技能実習制度がこれからも長く続く制度になっていければ考えております。
少し長くなりましたけど、私からのお話は以上とさせていただきます。
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ご清聴ありがとうございました。- 2021.01.08技能実習生はどの職種で受け入れ可能か|受け入れ職種一覧【2022年最新】
目次
外国人技能実習生受け入れが可能な職種とは
近年、外国人技能実習制度は建設業やホテル、介護等幅広い職種で受け入れが増えています。外国人技能実習生の受け入れにより社内の活性化や作業工程改善の機会などさまざまなメリットがあります。しかし、すべての職種で外国人技能実習生の受け入れができるというものではありません。 外国人技能実習生の受け入れを検討する際、受け入れ可能な職種か事前に把握しておく必要があります。2022年1月24日現在85職種156作業が技能実習2号移行可能職種となっており、外国人技能実習生の受け入れが可能です。
主な職種としては、介護・食品加工・宿泊・金属加工・溶接・塗装などがあります。
また、2022年1月24日現在77職種135作業が技能実習3号移行可能職種となっています。
農業関係(2職種6作業)
職種 作業名 耕種農業 施設園芸 畑作・野菜 果樹 畜産農業 養豚 養鶏 酪農 漁業関係(2職種10作業)
※漁業関係の送り出しについては事前にお問い合わせください。職種 作業名 漁船漁業 かつお一本吊釣り漁業 延縄漁業 いか釣り漁業 まき網漁業 ひき網漁業 刺し網漁業 定置網漁業 かに・えびかご漁業 棒受網漁業技能実習3号移行対象職種ではありません 養殖業 ほたてがい・まがき養殖 建設関係(22職種33作業)
職種 作業名 さく井 パーカッション式さく井工事 ロータリー式さく井工事 建築板金 ダクト板金 内外装板金 冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工 建具製作 木製建具手加工 建築大工 大工工事 型枠施工 型枠工事 鉄筋施工 鉄筋組立て とび とび 石材施工 石材加工 石張り タイル張り タイル張り かわらぶき かわらぶき 左官 左官 配管 建設配管 プラント配管 熱絶緑施工 保温保冷工事 内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事 カーペット系床上げ工事 銅製下地工事 ボード仕上げ工事 カーテン工事 サッシ施工 ビル用サッシ施工 防水施工 シーリング防水工事 コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事 ウエルポイント施工 ウエルポイント工事 表装 壁装 建設機械施工 押土・整地 積込み 掘削 締固め 築炉 築炉 食品製造関係(11職種18作業)
職種 作業名 缶詰巻締 缶詰巻締 食鳥処理加工業 食鳥処理加工業 加熱性水産加工食品製造業 節類製造 加熱乾製品製造 調味加工品製造 くん製品製造 非加熱性水産加工食品製造業 塩蔵製品製造 乾製品製造 発酵食品製造 調理加工品製造発酵食品製造 生食用加工品製造 水産練り製品製造 かまぼこ製品製造 牛豚食肉処理加工業 牛豚部分肉製造作業 ハム・ソーセージ・ベーコン製造 ハム・ソーセージ・ベーコン製造 パン製造 パン製造 そう菜(惣菜)製造業 そう菜(惣菜)加工 農産物漬物製造業技能実習3号移行対象職種ではありません 農産物漬物製造 医療・福祉施設給食製造技能実習3号移行対象職種ではありません 医療・福祉施設給食製造 繊維・衣服関係(13職種22作業)
職種 作業名 紡績運転技能実習3号移行対象職種ではありません 前紡工程 精紡工程 巻糸工程 合ねん糸工程 織布運転技能実習3号移行対象職種ではありません 準備工程 製織工程 仕上工程 染色 糸浸染 織物・ニット浸染 ニット製品製造 靴下製造 丸編みニット製造 たて編ニット生地製造 たて編ニット生地製造 婦人子供服製造 婦人子供服既製服縫製 紳士服製造 紳士服既製服製造 下着類製造 下着類製造 寝具製作 寝具製作 カーペット製造技能実習3号移行対象職種ではありません 織じゅうたん製造 タフテッドカーペット製造 ニードルパンチカーペット製造 帆布製品製造 帆布製品製造 布はく縫製 ワイシャツ製造 座席シート縫製 自動車シート縫製 機械・金属関係(15職種29作業)
職種 作業名 鋳造 鋳鉄鋳物鋳造 非鉄金属鋳物鋳造 鍛造 ハンマ型鋳造 プレス型鋳造 ダイカスト ホットチャンバダイカスト コールドチャンバダイカスト 機械加工 普通旋盤 フライス盤 数値制御旋盤 マシニングセンタ 金属プレス加工 金属プレス 鉄工 構造物鉄工 工場板金 機械板金 めっき 電気めっき 溶融亜鉛めっき アルミニウム陽極酸化処理 陽極酸化処理 仕上げ 治工具仕上げ 金型仕上げ 機械組立て仕上げ 機械検査 機械検査 機械保全 機械系保全 電子機器組立て 電子機器組立て 電気機器組立て 回転電機組立て 変圧器組立て 配電盤・制御盤組立て 開閉制御器具組立て 回転電機巻線製作 プリント配線板製造 プリント配線板設計 プリント配線板製造 その他(17職種30作業)
職種 作業名 家具製作 家具手加工 印刷 オフセット印刷 グラビア印刷技能実習3号移行対象職種ではありません 製本 製本 プラスチック成形 圧縮成形 射出成形 インフレーション成形 ブロー成形 強化プラスチック成形 手積み積層成形 塗装 建築塗装 金属塗装 鋼橋塗装 噴霧塗装 溶接 手溶接 半自動溶接 工業梱包 工業梱包 紙器・段ボール箱製造 印刷箱打抜き 印刷箱製箱 貼箱製造 段ボール箱製造 陶磁器工業製品製造 機械ろくろ成形 圧力鋳込み成形 パッド印刷 自動車整備 自動車整備 ビルクリーニング ビルクリーニング 介護 介護 リネンサプライ技能実習3号移行対象職種ではありません リネンサプライ仕上げ コンクリート製品製造 コンクリート製品製造 宿泊技能実習3号移行対象職種ではありません 接客・衛生管理 RPF製造 RPF製造 社内検定型の職種・作業(1職種3作業)
職種 作業名 空港グランドハンドリング 航空機地上支援 航空貨物取扱 客室清掃技能実習3号移行対象職種ではありません 技能実習生の号移行対象職種について
技能実習の区分は、入国後1年目の技能等を修得する活動(第1号技能実習)、2.3年目の技術等に習熟するための活動(第2号技能実習)、4.5年目の技術等に熟達する活動(第3号技能実習)の3つに分けられます。その際、外国人技能実習生が号移行できる職種は主務省令で定められています。
技能実習2号移行対象職種は85職種156作業、技能実習3号移行対象職種は77職種135作業あります。以下のリンクから対象職種一覧、移行手続きの流れ等ご確認いただけます。
おすすめ記事在留資格「技能実習2号・3号」移行の流れと手続き
外国人が在留資格「技能実習1号」で就労した後、2号・3号への移行の手続きと流れをわかりやすく解説します。在留期間の更新のための条件や、試験や検定などの受験時期について、また、必ずやらなくてはならない各種申請など、実習生を受け入れた企業様は必ず知っておくべき内容です。
外国人技能実習生が第3号に移行できない職種・作業があります。
以下の通りです。職種 作業名 漁船漁業 棒受網漁業 農産物漬物製造業 農産物漬物製造 医療・福祉施設給食製造 医療・福祉施設給食製造 紡績運転 前紡工程 精紡工程 巻糸工程 合ねん糸工程 織布運転 準備工程 製織工程 仕上工程 カーペット製造 織じゅうたん製造 タフテッドカーペット製造 ニードルパンチカーペット製造 印刷 グラビア印刷 リネンサプライ リネンサプライ仕上げ 宿泊 接客・衛生管理 空港グランドハンドリング 客室清掃 上記職種・作業において、外国人技能実習生は原則最高で3年間しか国内に在留できません。(宿泊職種で技能実習2号を修了した外国人技能実習生は、無試験で特定技能1号に移行することが可能です。)不法滞在などのトラブルを避けるためにも、外国人技能実習生の職種・作業が号移行対象であるのか事前に確認しましょう。
職種によって指導作業の必須項目がある
対象職種の中に受け入れをしたい職種が入っていれば外国人技能実習生の受け入れが可能なのか。実はそういうわけでもありません。各職種にはそれぞれ必須作業、関連作業、周辺作業といって外国人技能実習生に指導する作業の項目が定められており、その定められた必須作業を50%以上行わないと受け入れが出来ません。 例えば惣菜製造作業(1号時)の必須作業は下記のものになります。
そう菜(惣菜)加工作業
- 下処理作業
- 食材の選別及び洗浄作業
- 食材の皮剥き及びカット作業
- 調理作業ⅰ)、ⅱ)の双方、又はいずれかを標準作業書通りに行う
- 加熱調理(炊く、茹でる、揚げるの全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
- 食材(下処理済)の準備作業
- 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 調理及び加熱温度測定作業
- 非加熱調理(合える(和える))
- 食材の計量作業
- 大量製造用調理機械・器具等の準備・運転操作作業
- 調理状態確認作業
- 加熱調理(炊く、茹でる、揚げるの全て又は1つ以上の調理を行う。なお、これらの複数の調理を組み合わせて行うことも可能とする。)
- 衛生管理作業
- 作業着、マスク、手袋、帽子、毛髪等の付着物点検作業
- 洗浄・消毒及び殺菌作業
このように職種ごとに必須作業等の諸条件が設置してあり、それをクリアすることで初めて外国人技能実習生の受け入れが可能になります。
外国人技能実習生における職種の受け入れ諸条件を確認したい方は厚生労働省ホームページ「審査基準」にてご確認下さい。
関連リンク厚生労働省ホームページ
職種以外の受け入れ可否を決めるポイント
また、職種の問題だけではなく、従業員の人数で受け入れ可能人数は変わってきますし、36協定が順守されているか、安定した経営がなされているか等も外国人技能実習生受け入れ可否を決めるポイントとなってきます。
外国人技能実習制度はただの労働力確保のための制度ではありません。日本の高度な技術を海外へ転移させることが制度の目的です。
外国人技能実習生の受け入れを検討しているが職種が該当するかわからない、という方はミャンマー人材送出し機関ミャンマー・ユニティにお問合せ下さい。
閉じる- 2020.09.28介護技能実習生も慰労金の対象になる?
目次
新型コロナウイルス感染症対策で医療従事者や介護施設で働く方に対して国から慰労金が給付されます。介護現場で働く介護技能実習生も条件を満たしていれば支給対象です。
慰労金対象者の条件
慰労金の支給対象者は幅広いです。資格や職種、雇用形態などの限定はなく、委託職員も一定の要件を満たせば交付対象になります。
対象サービス
下記サービスの事業所・施設で「患者さん・利用者さんに接する業務」に就いている方全員が対象です。
- 訪問系サービス事業所
- 通所系サービス事業所
- 短期入所系サービス事業所
- 多機能型サービス事業所
- 介護施設等
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、居宅介護支援、福祉用具貸与、居宅療養管理指導
通所介護、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション
短期入所生活介護、短期入所療養介護
小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護
介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設、認知症対応型共同生活介護事業所、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
勤務日数と時間
- 対象期間に介護サービスの施設や事業所で通算10日以上勤務して利用者と接していた
- 1日当たりの勤務時間が問われない
- 複数の事業所等で勤務された方は合算して計算される
該当する雇用形態
雇用形態は不問です。
介護施設等の事務職員の方であっても、現場で働いている場合は、利用者と接する機会があるということで、給付対象となっています。
派遣労働者や業務受託者も上記の対象期間中の勤務日数の条件を満たせば対象に含まれます。介護技能実習生も対象
上記の条件に当てはまれば、介護技能実習生も給付対象となります。
なぜこの慰労金が給付されるのかを介護技能実習生に伝えることが重要です。受け入れ事業者様には介護技能実習生への説明等のサポートをお願いします。対象外になる人
法人の本部などで、利用者と直接接しないオフィスワークの人は、給付対象外となっています。
対象となる期間
当該都道府県における新型コロナウイルス感染症患者1例目発生日又は受入日のいずれか早い日(岩手県は、緊急事態宣言の対象地域とされた4/16から6/30までの間)
慰労金給付回数
複数の介護施設や事業所で働いていても、重複して受け取ることはできません。
慰労金は非課税
給付される慰労金は非課税です。そのため、税金や社会保険料が控除されませんので20万円であれば20万円がそのまま振り込まれます。
Q&A「利用者と接する」とはどこまで含まれるの?
利用者との接触とは、身体的接触に限られるものではなく、対面する、会話する、同じ空間で作業する場合も含まれます。利用者がいる建物から離れた別の建物に勤務し、物理的に利用者に会う可能性が全く無いような場合は対象となりません。なお、最終的な判断は都道府県が行うこととなりますが、一義的には各事業者で判断いただくことになります。
(厚労省パンフレットより引用https://www.mhlw.go.jp/content/000652458.pdf)20万・5万の条件
都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し、患者と接する医療従事者や職員
→「実際に、新型コロナウイルス感染症患者に診療等を行った医療機関等」である場合:20万円
→上記以外の場合:5万円その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員:5万円
患者については症状が出た日、濃厚接触者については感染者と接触した日
慰労金申請方法
原則、医療機関・介護施設が対象となるスタッフを特定して委任状を集め、まとめて都道府県に代理申請するという仕組みです。実際の申請方法は都道府県ごとに異なる場合がありますので、該当の都道府県の手続きを照会してご確認ください。
職員:勤務先に代理受領委任状を提出
現在、慰労金給付対象の介護施設等に従事している人は、原則として、給付を受ける職員本人が勤務先の介護サービス事業所・施設等に「代理受領委任状(様式4)」を提出します。
この委任状は、都道府県への提出は不要です。ただし、介護施設等が慰労金の代理受領を証するものとして、都道府県からの求めがあった場合に速やかに提出できるよう、法人本部又は介護サービス事業所・施設等において、適切に保管しなければなりません。
施設:都道府県へ給付申請
委任を受けた介護事業所・施設等は、代理受領の委任を行った職員について、「慰労金受給職員表(様式3)」を取りまとめ、「申請書」「事業所・施設別申請額一覧(様式1)」「事業実施計画書(様式2)」とともに各都道府県の国民健康保険団体連合会(以下、国保連)に給付申請を行います。
なお、介護サービス事業所・施設等のうち、介護報酬を請求可能な事業所・施設等においては、申請書等に必要事項を記載の上、原則として、各都道府県の国保連への申請となります。複数の都道府県に事業所を有する法人の場合は、都道府県単位でとりまとめを行い、重複がないよう申請が必要です。
申請書の提出方法
主な申請方法は以下になります。申請にあたっては、介護サービス事業所等の申請マニュアルをよくご確認ください。厚生労働省のホームページに、標準的な申請書等のモデル例が掲載されていますが、都道府県ごとに異なりますのでご注意ください。
①電子請求受付システムでの請求
「電子請求受付システム」に、介護報酬請求で使用している ID・パスワードによりログインし、本事業の申請画面にアクセスしていただき、提出用のファイルをアップロードします。 なお、電子媒体・紙による介護報酬請求を行っている事業所・施設等や、ユーザID、パスワードを失念した事業所・施設についても、「ID、仮パスワード」を発行することによりインターネット申請が可能となります。
詳細は国保連までお問い合わせください。②電子媒体(CD-R等)での申請
各都道府県の申請方法をご確認ください。
③紙媒体での申請
各都道府県の申請方法をご確認ください。
慰労金 支給・支払いされた後の対応
慰労金は都道府県が申請を受理した後、1~2か月を目途に介護施設等に交付される見込みです。
職員への慰労金の支給
慰労金が支給されたら、施設や事業所が職員へ給付します。なお、介護サービス事業所・施設等が介護従事者等に支給する際の振込手数料は、別途国庫補助の対象となります。
精算手続き(概算額で申請の場合)・証拠書類の保管
事業所・施設等は、助成金の執行や慰労金の職員への給付が終わったのち、都道府県に対し実績報告書を提出します。
なお、支出内容を証明する書類(領収書、振込記録等)は、都道府県から求めがあった場合には速やかに提出することを前提として、法人本部や各事業所において適切に保管することとし、都道府県への提出を要しません。
また、 助成金等に係る収入及び支出内容に関する証拠書類は、交付決定日の属する年度の終了後5年間は保管が必要です。会計検査等の際、証拠書類の原本が確認できない場合は、助成金等の返還を求められる場合がありますので、不備のないよう証拠書類を保管する必要があります。- 2020.08.18技能実習生の就労までの手続きと流れ
目次
送り出し機関による適正テストのクリア
技能実習生として日本へ行きたい人は、まず送り出し機関に応募をします。送出し機関はその応募者に対し実習生制度の説明や実習生として適正かどうかのテストを行います。テストをクリアした人材は面接を受ける資格を手にします。
在留資格認定証明書の発行
実習実施者は、面接を希望する約1ヶ月前までに受け入れ条件が記載された要望書と雇用条件書を監理団体経由で提出します。
これで面接の準備が整いました。面接は実際に実習実施者が現地を訪問し実習生候補を直接面接します。(場合によってはスカイプ等で行う場合もあります。) 面接終了後、実習生へ向けて雇用条件書の説明をし、雇用条件と契約書の締結をします。
ここから実習生は5ヶ月間(※介護の場合は10か月)N4程度の日本語の修得(介護の場合はN3程度)と日本のマナーや習慣の講習を受けます。
また、日本では外国人技能実習機構にて実習計画の認定を受けます。
計画認定を受けるためには監理団体の情報、実習実施者の書類、送り出し機関作成の書類など様々な書類を提出します。認定が出るまでに3週間~2ヶ月ほどかかります。(地域と職種により審査時間は異なる)日本で外国人技能実習機構より計画認定がでた後は入国管理局へ在留資格の交付申請を行います。この手続きには約1ヶ月かかります。在留資格認定証明書が発行されれば日本側での入国手続きは終了です。スマートカードの発給
ミャンマーにはミャンマー国外へ就労するためのミャンマー独自の申請があります。 それがスマートカード(海外労働許可証)発給という作業です。出国の際には、通常の出国審査とは別にスマートカードの所持確認が行われています。
また、スマートカード取得の際に、ミャンマー労働省による事前講習(ミャウダゴン講習)を1日間受講することも必要とされています。講習ではルール規則や罰則規定などの説明を受けます。
このように各国で独自の手続きがある場合がございますので事前にご確認下さい。
スマートカード申請の流れ
- ① 送り出し機関がミャンマー政府労働省にデマンドレター※1(監理団体作成)、監理団体と送り出し機関の協定書の写し、企業捺印済の雇用契約書、雇用条件の写しを申請します。
- ② 上記書類がミャンマー政府外務省を経由して在日ミャンマー大使館まで届きます。
- ③ 大使館から監理団体に対して、監理団体と受け入れ先企業についての書類を求めるので、監理団体がそれらの書類を提出し、大使館の審査を待ちます。
- ④ 審査が終わると、大使館のフェイスブックページにデマンドレター申請の審査済の企業リストが掲載されます。
送り出し機関から掲載されたリストのスクリーンショットで「送り出すプロセスの勧め許可書」を労働省に申請し、申請からおよそ1週間後に労働省から送り出し機関にメールにて許可書を送ります。 - ⑤ 許可書をメールでいただいた後に、送り出し機関が所在する地域の市役所に行って下記の書類2種類に市役所役員の署名をいただく必要があります。
1. 企業様の押印、送り出し機関の代表者の押印、実習生の署名がある雇用契約書・条件書
2. 労働省が定めた送り出し機関と内定者の間の同意書 - ⑥ 海外での就労予定のミャンマー人に対してミャンマー政府の労働省が1日間の講習(ミャウダゴン講習)を実施し、修了すれば講習修了証明書を発行します。
(※本講習の予約のためにCOE,査証、市役所で締結済の書類等が必要)
(※上記記載の「監理団体」は特定技能の場合、監理団体の他「登録支援機関」、「有料職業紹介会社」、「行政書士」、「受入企業」が想定されます) - ⑦すべての過程が終了した後、スマートカードの申請を行います。スマートカード申請には以下の書類が必要です。
※1 デマンドレター申請時の必要書類
- 仕事現場の写真
- 実習生が住む予定の寮の写真
寮の写真に関しては現時点で実習生が入っている企業に関しては、現在在籍の実習生の部屋の外見と部屋の中の写真(どんな家具や家電があるか分かる写真)
実習生がいない新規での受入の場合は予定している部屋などの間取り図
スマートカード申請の際に必要な書類
- Cabinet(デマンドレター申請許可証)
- ミャンマー労働省の講習修了証明書
- 在留資格認定証明書
ミャンマー側で在留資格認定証明書原本を受け取り、ビザ(査証)の申請を行います。 この手続きには10日間から2週間ほどかかります。
日本側で計画認定が下り、在留資格認定証明書が発行され、ミャンマー側でスマートカード発行とビザの発行が終わるとすべての手続きが終わり日本へ入国できる状態になります。
監理団体の下で1か月の講習後、配属
技能実習生は入国後すぐ実習実施者のもとで働けるわけではありません。 入国後監理団体の下で1ヶ月の研修を行い日本語の学習と生活に慣れるための研修を受けます。
日本での1ヶ月の入国後講習を終え、実習実施者への配属となります。 実習生の面接を行ってから、実際に入国するまで約6ヶ月~7ヶ月かかります。その間に日本側、ミャンマー側で様々な審査があり、実習生はその間に日本語の学習や日本のマナーについてしっかり勉強をします。この間実習実施者には実習生が配属したら心地よく働くことが出来るよう日本人従業員への制度の説明、日本人従業員が実習生制度について理解してもらうこと、実習生の居住場所の整備をしていただく必要があります。
閉じる- 2020.05.29就労ビザと在留資格の違い
目次
就労ビザと在留資格の違い
結論から言うと、「就労ビザ」という言葉は厳密にはありません。「ビザ」とは日本語では「査証」と呼び、外国人が自国に滞在しても差し支えないことを証明する許可証のようなものです。これは、身元が確かな人物であるかどうかなど、入国に相応しい人物に対して与えられます。
一方で在留資格は、どのような目的で日本に在留しているのかを示す資格のことです。
その中で、就労が目的になる在留資格がいくつかありますが、それらを慣例的に「就労ビザ」と呼んでいるのです。したがって、まず日本に入国するために「ビザ」が必要で、目的の活動を日本で行うために「在留資格」が必要、ということになります。
在留資格によって活動に制限がある
日本に入国する外国人にはさまざまな目的があり、その目的によって、認められる在留資格が異なります。例えば留学に来ている学生は「留学」という在留資格ですし、日本人と結婚して日本に住んでいる方には「日本人の配偶者等」が与えられます。
そんな中、日本に働きに来る方に与えられる在留資格には、その活動によってそれぞれの名前の在留資格があります。大学の教授なら「教授」、通訳なら「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)などです。ミャンマー・ユニティで送り出しをしている特定技能た技能実習生もそれぞれ「特定技能1号」や「技能実習」という名前の在留資格を持っています。
どのような在留資格を持っているかによって、働ける職種は異なります。
例えばコンビニへ行くと外国人が働いている姿を良く見かけますが、技能実習や特定技能1号の在留資格で日本へ入国している方は、コンビニで働くことはできません。なぜなら「コンビニで働くための在留資格」は存在しないからです。
では実際に働いている人はどのような在留資格を持っているかというと、「永住者」や「日本人の配偶者等」といった、活動制限のない在留資格か、就労が原則的に認められない在留資格の内、「資格外活動許可」という資格を得ている外国人ということになります。
おすすめ記事コンビニで働く外国人の在留資格とは?
現在、コンビニで働く外国人の多くは留学生の在留資格を持つ外国人です。留学生と言っても全ての留学生がコンビニで就労できるとは限りません。この記事ではコンビニで働くことが許可される在留資格の種類をご紹介いたします。
介護職など、同じ職種で複数の在留資格がある場合も
逆に、同じ職種でも複数の在留資格が存在する資格があります。
例えば「介護職」です。
同じ介護職でも、「技能実習」の在留資格で働いているケースもありますし、「特定技能1号」でも介護職に就けます。また「介護」という名の在留資格もあります。このようなことから、外国人の雇用をお考えの企業様などから「どの在留資格を持った外国人を採用するべきなのか」と迷われるケースがしばしば起こります。これは在留資格や職種、あるいは企業様の環境や条件、雇用したい期間によって異なります。ミャンマー・ユニティでは、目安として在留資格ごとの比較表を作成しています。参考にしてみてください。
介護 各在留資格の比較
在留資格名 技能実習 特定技能 在留資格
「介護」EPA おすすめ度 おすすめ理由(メリット) - 技能実習期間は転職ができないので雇用が安定する
- 現地求職者が集まりやすい(内定先が決まってから事前学習ができるため)
- 短期間で配属できる
(約7~8ヶ月) - 最長10年日本で働ける(技能実習最長5年+特定技能1号5年)
- 雇用直後から人員基準に含められる
- 新設施設でも受け入れできる
- 初年度から人数枠が大きい
- 受け入れ後の制約が少ない
― ― デメリット - 6ヶ月間人員基準に含められない
- 施設開設から3年間は受け入れできない
- 雇用できる人数枠が小さい
- 受け入れ後の制約が大きい
- 転職の可能性がある
- 現地求職者が集まりにくい(各種試験に合格してからでないと求人応募ができないため)
- 現時点では入国、配属に時間がかかる。(面接前の準備期間が長い)
- 5年しか働けない
ハードルが高いのであまりおすすめできません。 ハードルが高くまた激しい人材獲得競争があり、おすすめできません。 在留期間 技能実習3~5年+特定技能1号5年 5年 介護福祉士資格取得後、無制限 介護福祉士資格取得後、無制限 受け入れ可能国 - 15ヶ国
- インド
- インドネシア
- ウズベキスタン
- カンボジア
- スリランカ
- タイ
- 中国
- ネパール
- バングラデシュ
- フィリピン
- ベトナム
- ペルー
- ミャンマー
- モンゴル
- ラオス
- 9ヶ国
- インドネシア
- カンボジア
- タイ
- 中国
- ネパール
- フィリピン
- ベトナム
- ミャンマー
- モンゴル
一応、制限なし インドネシア・フィリピン・ベトナム 受け入れのための申請方法 監理団体を通じて、外国人技能実習機構に実習計画認定を申請、その後出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請、その後業種別協議会に加入 出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請 転職の可否 原則不可 可能(同業種内) 可能 可能 管轄の機関 外国人技能実習機構 出入国管理庁 出入国管理庁 出入国管理庁 外国人の就労条件 18歳以上 18歳以上 大学卒業 大学卒業 必要とする日本語能力 4級 4級 2級以上 2級以上 面接までに要する期間 申込後1ヶ月 2021年より面接開始予定 - - 面接→配属までの期間概算 13~15ヶ月 6~7ヶ月 留学生としての特定活動には約8ヶ月、就労までは5年程度 留学生としての特定活動には約8ヶ月、就労までは5年程度 受け入れの流れ 「技能実習・介護の入国までの流れ」をご覧ください 「特定技能・介護の入国までの流れ」をご覧ください 「外国人介護人材受け⼊れの仕組み(EPA・在留資格「介護」)」をご覧ください 「外国人介護人材受け⼊れの仕組み(EPA・在留資格「介護」)」をご覧ください 制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受け⼊れ 専門的・技術的分野の外国人の受け入れ 二国間の経済連携の強化 介護以外 各在留資格の比較
在留資格名 技能実習 特定技能1号 おすすめ度 おすすめ理由(メリット) - 技能実習期間は転職ができないので雇用が安定する
- 現地求職者が集まりやすい(内定先が決まってから事前学習ができるため)
- 短期間で配属できる(約7~8ヶ月)
- 最長10年日本で働ける(技能実習最長5年+特定技能1号5年。ただし職種により最長8年)
- 雇用できる人数枠が大きい(建設以外は無制限)
- 受け入れ後の制約が少ない
デメリット - 受け入れ後の制約が大きい
- 雇用できる人数枠が小さい
- 転職されてしまう可能性がある
- 現地求職者が集まりにくい(各種試験に合格してからでないと求人応募ができないため)
- 現時点では入国、配属に時間がかかる(面接前の準備期間が長い)
- 5年しか働けない
在留期間 技能実習3~5年+特定技能1号5年 5年 受け入れ可能国 - 15ヶ国
- インド
- インドネシア
- ウズベキスタン
- カンボジア
- スリランカ
- タイ
- 中国
- ネパール
- バングラデシュ
- フィリピン
- ベトナム
- ペルー
- ミャンマー
- モンゴル
- ラオス
- 9ヶ国
- インドネシア
- カンボジア
- タイ
- 中国
- ネパール
- フィリピン
- ベトナム
- ミャンマー
- モンゴル
受け入れのための申請方法 監理団体を通じて、外国人技能実習機構に実習計画認定を申請、その後出入国管理庁に在留資格を申請 出入国管理庁に在留資格を申請、その後業種別協議会に加入 転職の可否 原則不可 可能(同業種内) 管轄の機関 外国人技能実習機構 出入国管理庁 外国人の就労条件 18歳以上 18歳以上 必要とする日本語能力 なし 4級 日本語レベル
(ミャンマー・ユニティ卒業生)ほぼ4級ベレル 4級取得、ほぼ3級レベル 面接までに要する期間 申込後1ヶ月 2021年より面接開始予定 面接→配属までの期間概算 7~8ヶ月 6~7ヶ月 職種 85職種156作業 14業種(建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、介護、ビルクリーニング、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、素形材産業、産業機械製造業、電気電子情報関連産業) 制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受⼊れ - 2020.05.21日本で働く技能実習生にインタビュー!
目次
そう菜製造業:技能実習生Eさん
ミャンマーについて
---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?
Eさんミャンマーは平和で文化発展している国です。ミャンマー人は真面目で人に助けたいと思うような気持ちがいっぱいあります。性格は落ち着いています。
---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?
Eさんお年寄りを大切にすることと思いやりがあることが似ています。
---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?
Eさん家族とは一生大事にするものです。いつも一緒に住みたいです。
日本での生活について
---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Eさんが日本に来たきっかけは何でしたか?
Eさんミャンマーより発展している日本からの技術を学ぶためと自分人生に次のステップに上げるためとお金稼ぐため来ました。
---日本に来たときに驚いたことはありますか?
Eさんはい、あります。日本はどこでもきれいです。忘れ物しても見つかります。上司の話をちゃんと聞く、我慢強いところに驚きました。
---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?
Eさん日本人は困る人に助ける。ルールを守る。時間を大切にするイメージがあります。
日本での仕事について
---最後に日本でのEさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Eさんの今の仕事内容を教えてください。
Eさん仕事は惣菜でお弁当を作ることです。仕事で厳しいチーフと一緒に働いているので色々勉強になっております。一つの弁当出来るための手順がそんなにある事に驚き、細かい手順まで習いました。仕事に対して様々な目線から見て以前気付かなかった事も見えるようになりました。お客様が健康で幸せに食べるためにという気持ちで作る事の大切さを知り、毎日きれいに作るのは楽しくて仕事も楽しくなりました。
---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?
Eさんお金稼ぐのが一部ですが日本の発展している技術を身につけて帰国するとき習った技術を生かすためです。
---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?
Eさんありません。
---日本で働くメリットは何でしょうか?
Eさん仕事を大切にするようになりました。
---日本で働けて良かったですか?
Eさんはい、良かったです。
---今後の目標を教えてください。
Eさん実習している間できるだけ色々な事を習い、お金も貯めて帰国したら日系企業で働きたいです。ティーラワー工業団地に日本の弁当工場が出来てます。ですので、自分にチャンスがあります。そのチャンスを掴むため今は頑張っています。
---将来、その大きなチャンスを掴むことを期待しています!頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。
プラスチック成形:技能実習生Aさん
ミャンマーについて
---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?
Aさんミャンマーの方の人柄とは一般的に,親切でお互い助け合います。また、ミャンマー人は遠慮しがちです。
---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?
Aさん日本とミャンマーの似ている文化は、人に親切で思いやりがあること、ミャンマーも日本も仏教であることです。
---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?
Aさんミャンマー人にとって家族とは、大切で、かけがえのない存在であり、お互い成功する為に全力でサポートしてくれます。
日本での生活について
---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Aさんが日本に来たきっかけは何でしたか?
Aさん家族のために海外へ働きに行くと考えたとき、技術が進んでいるたくさんの国の中で、外国人の労働者に日本が安心できると思ったのがきっかけで、日本を選びました。 それと知人はミャンマーユニティの在校生であり、自分も日本に行きたい為紹介して貰いました。ミャンマー・ユニティの学校で様々な事を学び、自信も付いてきました。今は胸を張って仕事をすることができます。
---日本に来たときに驚いたことはありますか?
Aさん日本は台風や地震が頻繁に起きることに驚きました。
---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?
Aさん日本人は妥協せず仕事を一生懸命やるところ、決められたルールをちゃんと守るイメージが強いです。それともうひとつは日本人は、賛否に関わらず周りに同調する人が多いです。自身の考えとは異なっていても、周りの意見や行動に合わせます。
日本での仕事について
---最後に日本でのAさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Aさんの今の仕事内容を教えてください。
Aさん今は技能実習生として日本に来て「プラスチック成形の検査を行う工場」で働いています。
---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?
Aさん「日本の技術を学ぶことができる」「いつか、ミャンマーでもこの技術を活かせるチャンスが出てくる」と思ったのが、今の仕事に就いた理由・きっかけであります。
---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?
Aさんありませんでした。
---日本で働くメリットは何でしょうか?
Aさん日本で働くメリットは、今までない経験や知識を身に着けて新しい事に挑戦したりして、今は仕事も生活も充実しています。自分が頑張れば頑張るほど会社に認めてもらい、家族にも仕送りして親孝行することが、できるようになりました。
---日本で働けて良かったですか?
Aさん良かったです。日本語も上達し、時間やルールも守るようになりました。どんなことでも一生懸命仕事を頑張るようになりました。
---今後の目標を教えてください。
Aさん今後の目標は研修期間3年間終わった後、3号または特定技能に更新し、続いて働ければいいと思っております。その後ミャンマーに帰国し、日本とミャンマーの為に架け橋になるような仕事に携わりたいと思っております。
---日本とミャンマーの大きな架け橋となる第一歩ですね!これからも頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。
機械金属加工:技能実習生Tさん
ミャンマーについて
---まずはミャンマーについて質問させていただきます。ミャンマーの方の人柄は一般的にどういう人柄ですか?
Tさん一般的にミャンマー人は親切、寄付する人が多く、親や目上の人に対して敬意を持っています。
---日本とミャンマーで似ている文化はありますか?
Tさん似ているところは、ミャンマーも日本も仏教の国であることと、自分の恩人を大切にすることです。
---ミャンマーの方にとって「家族」とはどのような存在ですか?
Tさんミャンマー人にとって「家族」とは、友好的な関係で、お互いに優しく接して家族の絆が強いです。
日本での生活について
---次に、日本での生活について質問していきたいと思います。Tさんが日本に来たきっかけは何でしたか?
Tさん家族のために海外へ働きに行くと考えたとき、技術が進んでいるたくさんの国の中で、外国人の労働者に対して日本が安心できると思ったのがきっかけで、日本を選びました。
---日本に来たときに驚いたことはありますか?
Tさん日本人は「時間に厳しい、ルールを守る」と聞いたことがありますが、実際に日本に来てそれがただの噂だけでないことや、日本人の「ルールを守って仕事を頑張る」ことに驚きました。
---ミャンマーの方にとって日本人はどのようなイメージですか?
Tさん自分にとって日本人は「勤勉な人」と思います。
---日本でどこへ行きましたか?また、どこへ行ってみたいですか?
Tさん日本の「富士山、東京ディズニーランド、浅草」へ行ったことがあります。北海道の「ラベンダーの花畑と雪祭り」へ行きたいです。
---日本に来て変わったことはありますか?(自分、家族、経済的面から)
Tさん自分に変わったことは日本人と一緒に働いて「仕事を頑張る、時間を守る」ようになりました。日本へ来る前は家族の面倒を一部だけ見ることができましたが、今は全てを見ることができるように なりました。経済的には親に働かせなくて楽にさせることができました。
日本での仕事について
---最後に日本でのTさんのお仕事のついて質問していきたいと思います。Tさんの今の仕事内容を教えてください。
Tさん今は技能実習生として日本へ来て車の部品を製造する工場で働いています。
---今の仕事に就いた理由・きっかけは何ですか?
Tさん今の仕事に就いた理由・きっかけは「日本の技術を学ぶことができる」「いつか、ミャンマーでもこの技術を活かせるチャンスが出てくる」と思ったからです。
---日本企業で働くことに抵抗はありませんでしたか?
Tさん仕事は真摯で教えてくれますが「ちょっとクールであまり気さくな人柄ではない」のところが気になります。
---日本で働くメリットは何でしょうか?
Tさんメリットとしては自分に自信を持つようになり、お金の価値や時間の大切さをわかるようになりました。
---日本で働けて良かったですか?
Tさん自分も成長したし、親にも楽にさせることができました。日本を選んでこの会社で働いて良かったです。
---今後の目標を教えてください。
Tさん今は技能実習生として3年間実習をしています。それからは続けて3号移動または特定技能で日本語や日本の技術をもっと学びながら稼いで、その後は母国で自分の会社を経営したいです。
---ミャンマーのさらなる発展のため、日本でこれからも頑張ってください!質問は以上になります。ありがとうございました。
- 2020.04.09【日本とはここが違う!】ミャンマーの文化
目次
日本とは違うミャンマーの文化・習慣
ミャンマー人の9割は敬虔な仏教徒
ミャンマーは仏教深い教えが根付いた文化のもと生活している人がほとんどです。“悪いことをしたら自分の来世が悪くなる。人に親切にすること、人のために何かをすることは当たり前”という考え方のため、ミャンマーでは犯罪が少なく治安が安定しています。ボランティアや寄付などに積極的に参加することも多いです。
また、ミャンマーでは朝晩お祈りをする習慣があります。実際に日本で働いている技能実習生も、写真を持参してお祈りしています。
ミャンマーの民族衣装「ロンジー」
民族衣装ロンジーは様々な種類の布を筒状に縫い、巻きスカートのように着用します。男性用は「パソー」、女性用は「タメイン」と呼んでいます。正装としてはもちろん日常的にも身に付けられており、薄手で通気性が良く、ミャンマーの気候に適した機能性を持ち合わせています。
ロンジーは各民族特有の柄や生地があり、たくさんのバリエーションがあります。
ミャンマーには挨拶の習慣がない
ミャンマー人には「こんにちは」「おはようございます」などの決まった挨拶が日常生活にはありません。「ミンガラ―バ」という挨拶がありますが、講習会などの公的な場所で用いる程度です。
日本では職場で「おはようございます」と挨拶しますが、ミャンマー人は無言で出勤するのが当たり前のこととされています。
友達同士で会った時は、挨拶代わりに「ご飯食べた?」と訊きあってから会話が始まります。目上の人に会った時は「お元気ですか?」など、目下の人から話題を振るのがミャンマーでは良いとされています。
挨拶を大切にする日本の文化とは大きく違うため、ミャンマー・ユニティでは技能実習生に挨拶の指導も行います。
ミャンマー人の名前には姓がない
日本人の名前と違う点として、ミャンマー人の名前には姓がなく、名前しかないことが挙げられます。例えば、アウン・サン・スー・チー氏のことを日本ではスーチーさんと書いていますが、ミャンマーでは失礼にあたります。全部で一つの名前なので、略すことはできません。
名前を呼ぶときはフルネームが基本ですが、仲の良い友達同士だと名前の一部で呼んだりします。
ミャンマーは揚げ物中心の食文化
食文化の面で日本と違う点は、ミャンマーはインドや中国などの隣国の影響を受けた料理が多く、味が濃い・脂っこいといった特徴があることです。ナンプラー、ニンニク、油、玉ねぎ、ナマズからの出汁などを使用して料理をするので、独特なにおいがします。
- モヒンガー
ミャンマーの代表的な料理で、まさにソウルフードです。米で出来た麺にナマズからとった出汁を使います。臭みはほとんどなく、さっぱりとした味わいです。基本的に朝ごはんとして食べられています。
- シャン・カオスエ
ミャンマー東部にある州「シャン」とミャンマー語で“麺”という意味がある「カオスエ」から名前が来ています。麺は米粉で出来ており、ベースはチキンスープとなっています。
- ヒン
ヒンはミャンマーのカレーで、実はミャンマーの家庭でよく食べられている、ポピュラーな料理です。インドカレーのようなスパイシーさはなく、油戻しという調理法で、玉ねぎとスパイスを炒めたものにお肉を入れ、油でコーティングされるまでじっくり煮ています。
また、家電製品を使用する習慣がないため、日本と生活パターンが大きく違う部分があります。例えば、冷蔵庫はミャンマーでの普及率が高くないため、食材の保存は外に置いておくことがほとんどです。衛生管理に対する教育も不十分なため、手洗いうがいや食材をフタやラップをして保存する習慣がありません。 しかし、スマートフォンの普及率は高く、ミャンマー人ほぼ全員が所有しています。
ミャンマー人にとって誕生日はお礼する日
誕生日の意味合いも日本とは違う点があります。日本では誕生日の人がお祝いしてもらうのが一般的ですが、ミャンマーではお礼をする習慣があります。もちろん、お祝いもしてもらいますが、誕生日の日に本人が寄付や献血などお世話になっている人にお礼をする日とされています。
ミャンマーにはない教育制度とは?
ミャンマーでは日本の「体育」や「部活」のような活動がありません。そのため、体の動かし方がイメージできない人が一部います。しかし、サッカーは国民からも人気があり、「セパタクロー」が世界的に見ても強いです。
また、「美術」や「音楽」の教育もカリキュラムに組み込んでいる学校は多くはないことが、教育制度の面で日本とは違う点です。
ミャンマーの主要交通機関は「バス」「タクシー」
ヤンゴン主要交通機関は「バス」「タクシー」です。郊外や地方都市は「原付バイク」で移動するのが主要となっています。
※ヤンゴンでは原則、原付バイクと自転車の運転が禁止されています。ヤンゴンにおいても横断歩道や信号機が少なく、車の交通量が多いため、横断歩道や信号のない箇所で道の横断をすることがほとんどです。
ミャンマーでは安全性に対する取り組みがあまり行われていない
日本と違う点として安全性に対する意識の違いがあります。ミャンマーは日本のようにきっちりとした規則やルールがなく、安全性に対する意識もあまり高くありません。ヘルメットなしで竹の足場で仕事をするなどの光景がよく見られます。バイクに乗る時も、ヘルメットを着用している人はわずか半数ほどです。
日本より長い、ミャンマーの「雨季」
日本とは気候帯が違うミャンマーは、例年、5月中旬から11月中旬まで雨季となります。雨の降る時間帯は決まりがなく、一日に「ゲリラ豪雨」が数回あることもしばしば…。
日本の梅雨は1~2か月ほどなので、かなり長く感じます。
ミャンマーで注意すべきこと
ミャンマーでは子どもの頭を撫でるのはNG
日本では子どもを可愛がる時や褒める時に頭を撫でる習慣がありますが、ミャンマーではそういった習慣が一切ありません。日本と違う点として、ミャンマーでは体の一番高い位置にある頭を精霊が宿る場所とされているため、頭を触るのはタブーとされています。可愛がったり褒めたりするときは、言葉で伝えましょう。
ミャンマー人は人前で怒られ慣れていない
ミャンマーでは小さい頃から、怒られたり怒鳴られたりすることがなく育った人が多いため、大声を出されることに慣れていません。大声を出すことや自分の意見を主張しすぎることは良いこととされていないためです。
なので、注意する時などは大声を出すと驚いてしまうので、丁寧にどこがいけなかったのか説明してあげると素直に受け止めてくれます。また、でしゃばりすぎる、自慢する、放漫な態度も敬遠されるので注意が必要です。
- 2020.02.03技能実習でのポスト・ベトナムはミャンマーしかありえない理由は?
目次
2020年1月「リフト株式会社」より、ミャンマーの送り出し機関代表として、弊社最高顧問 北中 彰 が取材を受けました。
今回の取材記者の方は、技能実習生送り出し国トップのベトナムに対する問題や不満の声をよく耳にするそう。
そのような折、ミャンマー・ユニティのミャンマー人材送り出し事業に注目をしてくださり、この度の取材依頼をいただきました。
こちらのページではその取材内容をご紹介いたします。取材内容を動画でご覧になりたい方は、以下の関連リンクよりご覧ください。
おすすめ記事【取材動画】技能実習におけるポスト・ベトナムはミャンマーでしかない理由とは
現在、技能実習生送り出し国トップのベトナムにおいて、様々な理由で良い人材の確保が困難になりつつあります。この現状を踏まえ、ポスト・ベトナムとして注目を浴びている「ミャンマー」について徹底解説いたします。
なぜ、ミャンマー人なのか?
まず、なぜ日本で働く人材としてミャンマー人が適しているのでしょうか?
大きく4つの理由があります。
① 日本で働くことへの強いモチベーション
まず1つ目の理由は、ミャンマー人には日本に行きたいという、ものすごく強い動機があるということです。
なぜ、ミャンマー人は日本に行きたいと思うのでしょうか?
大きく2つの理由があります。
1つ目の理由はミャンマーには仕事が無いことです。
ミャンマーは、2011年まで軍事政権の支配により鎖国状態でした。そのため、経済発展が遅れ、ミャンマーは依然として農業国です。ですから、どんなに優秀な方でも就職先がないという状況です。
日本に行けば仕事があるということが、一つ目の理由ですね。
もう一つの理由は、日本で稼げる年収がミャンマーの20〜30倍であることです。
最大都市のヤンゴンは都会化し、給料も上がってきていますが、そこに住んでいる人は大きく見積もっても全人口の10%ほどです。ミャンマーの全人口は約6000万人弱ですので、残りの90%、約5400万人弱の人々が地方に住んでいます。地方はとても田舎で、例えるなら無人島のような状況です。インフラの整備もまだまだ進んでいません。
この田舎で働く約5400万人の人々は、月給が非常に安く、働いても月給7000~8000円しかもらえない状況なのです。
月給が7000~8000円ですか?!
驚くのはそれだけではありません。
標準的な家族構成が、両親と子供6人の計8人家族で、その家庭の中で働いている人が平均して約2人という状況なんです。
つまり、月給7000円×2名で合計月給14000円を、8人家族で分け合って暮らしています。
その月給は、ミャンマーの物価でも生活は苦しいものなのでしょうか?
苦しいです。
多くの若者が、ギリギリの生活を強いられ、夢も希望も持てずに、暗澹と生活されています。
ミャンマーはそんな状況だったんですね。
そんな中で、7000円の給料だった一家の働き手が日本に行くとどうなるかというと、給与額が20倍〜30倍になるんです。
もし日本で10年働いたら、ミャンマーの200年分から300年分の収入が得られるという状況です。
日本行きを決意するだけで、宝くじが当たるみたいなものなんですよ。
日本に行くだけで宝くじが当たるのと同じというのは、衝撃的です。
現在ミャンマーには、日本に働きに行ける適齢期の方が約2000万人います。
この状況下で、ミャンマー・ユニティのような政府認定の信頼ある送り出し機関が、日本で働くことを丁寧に説明をすれば、半分の約1000万人は日本行きを希望すると踏んでいます。
そのくらい、今のミャンマー人にとっては日本へ行くことに対してメリットがあります。
② ミャンマー人の国民性
日本で働く人材としてミャンマー人が適している1つ目の理由として、まずミャンマー人にとって日本で働くメリットがあるということについては理解いたしました。
次に、2つ目の理由を教えてください。
日本で働く人材としてミャンマー人が適している2つ目の理由は、ミャンマー人の国民性が日本にとても合っているということです。
ミャンマーは国民の9割が上座部仏教の敬虔な信者です。日本の念仏を唱えるだけで救われるという大乗仏教とは異なり、ミャンマー人はみんなお寺に修行に行きます。
そんな彼らが信じているのが、「現世で徳を積み上げれば来世で報われる。」という考え方です。
ですから彼らは、少ない給料からお寺に寄付をします。現世でたくさん徳を積まなくてはならないのに、ましてや悪いことをしている場合ではないので、犯罪が少なく日本並みに治安が安定しています。ミャンマーでは、夜に女性が一人歩きしていても全く問題がありません。
発展途上国で治安が安定している国は中々ないですよね。
そうなんです。私が体験した象徴的な出来事をご紹介します。
昔、ベトナムのホーチミンで、当時買えば10万円するiPhone6+を持って、私は歩きスマホをしていました。しばらくすると、背後から「ブーン」と音が聞こえて、バイクに乗った青年から一瞬のうちにスマホを引ったくられてしまったんです。
ベトナムだけでなくアジアの発展途上国では、iPhoneは憧れの的なのでみんな狙っているみたいです。途上国ではどこに行っても、iPhoneを置いて3秒目を離すと無くなるとさえ言われているほどです。
ベトナムでは、実際に10万円分を一瞬のうちに取られてしまったのですね。
それが、ミャンマーでは全く状況が違いました。
ミャンマーで新たに買い替えたiPhone7+を、ホテルのレストランで2回忘れたことがあったのですが、2回ともホテルのスタッフが部屋まで届けに来てくれました。
ミャンマー人のホテル従業員にとって、iPhone7+は年収以上の価値があるものです。
見知らぬ日本人が忘れたものをそのまま持ち去ってしまえば、それだけで年収以上の額を稼ぐことができるにもかかわらず、徳を積むために、盗まないどころか部屋まで届けてくれたんですね。
確かに、他の新興国と比較して全く状況が異なりますね。
全く異なります。
一緒に働いている技能実習生などの外国人に対して、この人何か悪いことをするんじゃないかと思いながら働くのと、信頼感を持って働くのではだいぶ結果が違いますよね。
実際、北中様は100名以上のミャンマー人スタッフと働いてらっしゃいますが、働きやすさは実感としていかがですか?
とても働きやすいですよ。みんなニコニコしててね。
人前で勝手な主張をすることは、徳が低いと言う考えもあるため、非常に控えめで、自己主張も少ない方が多いです。
外国人を雇ってみたら自己主張があまりにも強くて、雇い主の方が困ってしまうことがよくあるのですが、ミャンマーの方は日本人よりもおとなしいくらいです。
日本人と国民性が合うということですね。
一緒に働きやすいだけではなくて、1番驚いたのが、介護職種を志望される方の多さです。
ご存知の通り、介護職種は日本でも不人気な仕事ですが、実は、アジア各国でも人気がありません。
不人気な理由は、ただ仕事がきついだけではなくて、技能実習生として日本に来日するために、介護職種のみN4レベルの日本語力が必要になるという難点があるからです。
特定技能も介護職種のみ、3つの試験に合格する必要がありますしね。
そうです。要するに、技能実習などでの介護職種は「試験があって、来日するための勉強期間が長い」ということが、不人気の理由です。
日本は2055年まで人口が減り続け、将来80万人の介護職員が不足すると言われています。現在でさえ、約20万人の介護職員が不足しており、業界では技能実習や特定技能などの外国人材の受け入れを促進しようという機運が高まっています。
しかし、アジア各国でも介護職種は人気がなく、頭を抱えている状況でした。
それがミャンマーは違うんです。「大変な仕事、人の役に立つ仕事をすれば、徳を積むことができる」という感覚のため、自ら介護職種を望む方が多いんです。
それは初めて知りました!その国民性は日本人も見習わなければいけませんね。
③ 日本語習得のスピード
次に、日本で働く人材としてミャンマー人が適している3つ目の理由を教えてください。
日本で働く人材としてミャンマー人が適している3つ目の理由は、ミャンマー人の日本語習得スピードです。
日本語とミャンマー語(ビルマ語)は、語順がほぼ同じなため文法が似ています。例えば、日本語の文法(語順)は英語や中国語とは異なりますよね。しかし、ミャンマー語は日本語とほぼ同じ語順なので、勉強をするときに単語を覚えるだけで良いため、日本人が英語を習得するよりも断然難易度が低いです。
また、ミャンマー人は発音が得意という強みがあります。日本語は50音で比較的発音が簡単な言葉です。一方、ミャンマー語は280音あり、日本語と発音が似ている音が結構あります。これが他国の人材と違い日本語力の習得が早い理由です。
確かに、先日ミャンマーとベトナム出身の技能実習生と一緒に働いている方のお話を伺いましたが、ミャンマーの技能実習生の日本語上達の速さに驚かれてました。
それだけ、言語が近いということです。
④ ベトナムの発展
では、日本で働く人材としてミャンマー人が適している4つ目の理由はなんでしょうか。
日本で働く人材としてミャンマー人が適している4つ目の理由は、ベトナムの経済発展です。
現在、技能実習では41万人の外国人が日本で実習に臨んでいますが、その半数がベトナム人です。
ところが、最大の送り出し国ベトナムで著しい経済発展があり、現在では月給3〜4万円もらえるようになってきました。経済的負担をしてまで親元から離れて日本に働きに行く必要性がなくなって来ているのです。
やはり、技能実習生が日本に働きに来る理由は経済的なところが大きいのですか?
技能実習の目的は表面上は技術移転となっていますが、実際、来日する外国人としては、給与が増えるから来ています。
母国で月給4万円も稼げるようになれば、急速に日本に来る人は減っていきます。かつての中国がそうであったように、ベトナムも限界が近づいてくるでしょう。
ベトナムにはその兆候は出ているのですか?
不人気な仕事ほど、求人に対する応募が集まらなくなっていきます。
弊社のお客様の中で、かつてベトナム人を受け入れていた企業の方が揃っておっしゃるのが、「だんだん人材の質が落ちてきた。」ということです。
優れた人はベトナムで良い仕事に就職できるため、わざわざ日本に行く必要がないんです。だから現在ベトナムにおいては、ベトナムで就職できなかった人やどこか問題のある人が日本に行くという流れになっているケースが多いようです。
そんな状況下で、次のベトナムはどこだとなったとき、仏教国の中で最も人口の多い国であり、日本と親和性の高いミャンマーが今注目されているということです。
ミャンマー人技能実習生の失踪などのトラブルを防ぐ仕組みは?
なぜ、ミャンマー人なのか、その理由は納得いたしました。
しかし、技能実習でよくニュースになる技能実習生の失踪などの問題はどのように対策されるのでしょうか?
失踪の原因は大きく二つに帰結します。
1つ目は送り出し機関が金儲け主義に陥り、技能実習生が多額の借金を背負うことです。技能実習生からたくさんお金をとって、騙すように送り出している企業が多く存在します。
例えばベトナムでは、送り出し機関が技能実習生から徴収しても良い手数料の上限が3600USドル(約40万円)と定められています。しかし実際には、技能実習生から70〜100万円取るのが普通です。
前述のように、技能実習生として日本行きを考える人は月給が低いため、そのような大金を持っていません。それだけの大金を技能実習生たちがどのように調達するかというと、みんな高利貸しからお金を借りるわけです。
日本に行く前に、そんなに借金をしてしまうのですね。
「日本に行ったら儲かるから」と言われて借金をするんです。ですが実際は、100万円の借金をしてまで日本に来たのに、想像していたよりお金が残らない。そうなると、悪魔のささやきにフラフラーっとついて行ってしまうんです。
悪魔のささやきとは?
悪い集団が、SNSで高給を宣伝して、技能実習生を失踪に導いているんです。
ベトナム語など母国語で書いてあるので、日本人には中々わからないんですが、借金で苦しんでいる技能実習生が高給になびいてしまい失踪に繋がっています。
問題はこの後です。
一度失踪すると違法滞在状態になるため、本人が表に出ることができない状態になります。そうすると生きていくために悪の手先となってしまうのです。窃盗団に入ったり、自分がされたのと同様に他の技能実習生の失踪を手引きしたりする集団になります。
日本へ来るために多額の借金をしたことで、不幸の連鎖が生じてしまっているのですね。。。
結局、我々は、実習生自体から多額のお金を取ること自体が諸悪の根源だと考えています。
2019年の技能実習生失踪者が9000人ですが、そのうち5800人がベトナム人です。それが物語っていますよね。ベトナムは技能実習生からお金を取りすぎているんです。
昨今、ベトナム政府が悪い送り出し機関の取り締まりを始めましたが、依然として改善の進みは鈍い状態です。
そもそも送り出し機関がそれほど技能実習生からお金を徴収してしまう理由は何なんですか?金儲けのため以外に何か理由があるのですか?
自社の金儲け以外に多額の金額をとる理由は大きく2つです。
1つ目は、現地のブローカーに支払うため。
2つ目は、送り出し機関から日本の監理団体への接待費用、バックリベート費用のためです。
悪質なブローカーと監理団体が存在しているのですね。
そうです。
人材の募集に苦労している送り出し機関は、そういった悪質なブローカーを使います。候補者を1人見つけるたびに、ブローカーに数十万円を支払っています。
また、監理団体と送り出しの関係についてですが、要はズブズブの関係になっているところがあるということです。実際、弊社が監理団体へ営業活動をしていても、送り出し機関から接待を受けているために、なかなかベトナムからミャンマーに変えられないという監理団体があります。
ブローカーや監理団体に対する費用を捻出するために、技能実習生からお金を取っているとはひどい構造ですね。
ミャンマー・ユニティでは絶対にしません。
悪質ブローカーも使いませんし、契約が取れないのなら、それでいいと割り切って、誠実な監理団体さんだけとビジネスをするようにしています。
他の多くの人材送り出し機関が人材の獲得に苦しむ中、ミャンマー・ユニティさんがブローカーを使う必要がないのはなぜですか?
それは「評判」です。
ミャンマーの労働大臣から表彰を受けているように、我々は正しいことを当たり前に、誠実にやってきましたので、ミャンマー人の間で良い評判が出回っています。
きちっとしているし、ちゃんと日本に行けるという口コミで結構な人材が集まります。
ミャンマー・ユニティさんは誠実にやってきた結果、ブローカーを使わなくとも自然と人材が集まるようになったのですね。
それが大きな要因です。
もう1つは日本語ブームがあげられます。現在ミャンマー全土に日本語学習のブームがあって、なんとなく日本語を勉強している方がいます。
仕事もないし、友達も日本語を勉強しているから、私も勉強しようという雰囲気ですね。そういった人たちに対し、日本語学校の校長先生から、日本語を目的なしに学ぶのではなく最終的に日本で働くことを目標にすると良いと、オススメしてもらうような働きかけを行っています。
ですから、我々は悪質ブローカーを一切使わずに人材の募集ができているのです。
では、失踪原因の2つ目は何でしょうか?
2つ目の失踪原因は企業側の技能実習生への対応です。
企業が実習生に対して、暴力や暴言を振るったり、きちんと給与を支払わなかったりと、同じ人間として扱わないことが原因です。
技能実習生は転職ができないので、このような酷い企業に入ってしまった実習生は、失踪したいと思ってしまうでしょう。
ただ、このような悪質なケースでなくても、良かれと思って熱心に指導した結果、実習生にとっては厳しすぎる指導で失踪に繋がることもあるので、企業側の配慮が大切です。
ミャンマー・ユニティでは、実習中の方のサポートとして、通訳を日本に駐在させ、実習生が母国語ミャンマー語で相談できる体制を整えました。加えて、ミャンマーでの日本語担任教師ともグループメッセンジャーで連絡が取れるようにしているので、企業に言えない相談などを実習生が一人で抱え込まないように実習期間中もサポートを行うことで、失踪を未然に防ぐ取り組みをしています。
そういった誠実な取り組みが功を奏し、昨年2019年は送り出し人数No.1としてミャンマー政府から表彰を受けられてらっしゃいましたね。
昨年、ミャンマーの労働大臣から呼ばれ、日本に対する送り出しでトップだということで表彰状をいただきました。
我々は正式な送り出し機関として、きちんとルールを守り、ミャンマー人のためになる送り出しをと、正しく誠実に事業運営してきました。これは我々のポリシーです。
世界中に送り出し機関はたくさんありますが、正しくやっていないところがほとんどです。正しくやっている我々が一位となるのは当然だと思っています。
ミャンマーで技能実習生の送り出しが進んでいなかった理由とは?
ここまでお話をお聞きした限り、技能実習生の内訳でベトナムが半数を締め、ミャンマーが20分の1だということが信じられないのですが、なぜミャンマーでは送り出し人数が伸び悩んでいたのでしょうか?
我々は、日本に働きに来る外国人としてミャンマー人が最高の国民だと信じてやってきましたが、実は、昨年の2019年4月まではミャンマー人が日本にくることの障害が2つありました。
ミャンマー人の人材送り出しを阻んでいた障壁とはなんでしょうか?
一つは「難民申請」です。
民主党政権の時に、どんな形で来日しても、難民申請をすればその6ヶ月後に日本で働けるという制度が始まってしまいました。
これを悪用する人が多発したのです。日本に難民申請を請け負うプロも存在していて、50万くらいの費用で難民申請の書類を書く人が出てきました。
「私はミャンマーで政治的に迫害されていました。」と主張し、証拠としてデモに参加しているような構図の写真を自作自演します。これは私の知人の話ですが、約30人くらいを受け入れて、来日まもなく、全員が同時に失踪してしまう事態が起きたそうです。明らかにおかしいですよね。
そんなことが起きていたのですね!
日本政府も難民申請が悪用されていることを問題視していました。
結果、約1年前に偽装難民申請を防止するため、技能実習生は難民申請しても認めないし、失踪したら就労できないという制度になりました。
そもそも、技能実習生はミャンマー国が認めて日本に来ているので、難民のはずがありませんから当然の措置です。
そんな裏スキームがあったんですね。
では、ミャンマー人の人材送り出しを阻んでいたもう一つの要因は何ですか?
もう一つ大きな障壁だったのは、ミャンマー人を受け入れるために、監理団体が日本ミャンマー協会に10万円支払わなければならなかったということです。
監理団体としても、なぜミャンマー人を受け入れるために、謎の10万円を支払う必要があるんだという話で、ミャンマー人の紹介・監理には非常に消極的だったのです。
それはそうですよね。
ただ、世の中から大きな批判があって、2019年4月からは、日本ミャンマー協会が技能実習の審査業務から撤退し、在日ミャンマー大使館が窓口に変わったため、10万円という障壁が無くなりました。
その二つの障壁がなくなったので、「これからはミャンマーだね」と一気に風向きが変わったという経緯があります。
ミャンマー人材の今後の動向とは?
障壁がなくなり、いよいよ本格始動されるということですが、人材送り出し事業は特定技能制度しかり、外部環境が大きく影響されるビジネスだと思います。
北中様は、今後ミャンマー人材の送り出しはどのように進んでいくとお考えですか?
まず、既存の技能実習制度を活用した人材の送り出しについては、日本側の運用ルールが段々と厳格化されてきているという障壁はありますが、ほぼ無試験だということと、転職ができないという理由で、これからも受け入れは拡大していきます。
一方で特定技能は、日本政府とすると正式な労働者と定め、今後推進していきたいようですが、報道されている通り、様々な障害がり、未だ在留されている方が4000人程度と進んでおりません。
特定技能の障壁には具体的にどのようなことがあるのでしょうか?
大きく日本側の問題と、ミャンマー側の問題に分けて説明します。
まず日本側の問題ですが、それは試験の回数が少なすぎるということです。
ミャンマーでは、宿泊の試験が募集して2分でいっぱいになってしまい、試験を受けたくても受けられない人がいます。
冗談のような話に思われるかもしれませんが、試験の頻度、定員を今の100倍にしないと普及しないです。
なぜ特定技能の試験は少ないのでしょうか?
特定技能を作った国の趣旨と、現場の感情が乖離しているからです。
現状、試験の運営は各業界の試験を監督する協会が行っています。その団体からは、「人手不足」や「試験問題を考えるのが大変」といった声が上がっているのです。
海外での試験は、言葉の通じない外国で試験をしなくてはならないんですから、本当に大変だと思います。
国の趣旨としては人口減の危機感があり、一刻も早く推進しなくてはなりませんが、その実行を現場に丸投げしてしまったがために、適切なモチベートができていない状況だと推察します。
特定技能について日本側の問題には他に何かありますか?
想定していたより、蓋を開けてみたらルールが厳格なものだったことです。
例えば、社会保険料未払いの人は特定技能に変更できないということがあげられます。
日本に在留している留学生はみんな社会保険料を払っていないので、いざ特定技能に変更しようとすると、約40万支払わなくてはいけません。到底、支払うことはできないということになります。
社会保険料の未納で、特定技能が不許可になった事例は私も耳にしました。
他には、留学生の資格外活動28時間の問題があります。
留学生は資格外活動でアルバイトをしている人がほとんどで、その資格外活動は週で28時間までと定められています。しかし、過去にはその28時間を厳しく取り締まっていなかったため、ほとんどの人が週に28時間をオーバーして働いてきたのです。
そんな留学生がいざ特定技能に在留資格を変更しようとすると、申請の時に過去の収入の提出があり、超過労働がバレてしまう。以前は許されていたことが、特定技能の申請になると通らないということになっています。
厳格に在留資格を審査をするのは当然なことですが、蓋を開けてみたら、予想もしないほど壁が大きかったということですね。
なるほど。では、特定技能について外国側の問題には何がありますか?
特に期待の大きかったベトナムの動きが遅いことがあげられます。
その理由は、技能実習と特定技能の公にされている目的が異なることにあります。
どういうことでしょうか?
技能実習に関しては「技能を身につけて、帰国し、母国に貢献する」という目的ですから、母国側も「どうぞ!」と大手を広げて日本へ人材を送り出すことができます。
一方、特定技能に関しては単なる「労働者」なので、日本に人材を送り出して母国にメリットはあるの?という話になります。
母国のために教育を受けてくるならどうぞと言えるけど、ただ働きに行くならちょっと厳しくしなければいけないということです。その他様々なステイクホルダーの思惑が交差して、進捗を妨げているようです。
ミャンマー個別の話ではどうでしょうか?
ミャンマーに関してはもう間も無く始まります。
我々ミャンマー・ユニティも昨年2019年11月、真っ先に特定技能の送り出し許可をとりました。ミャンマーは特定技能での送り出しに関するルールも定まったのですか?
ミャンマーの送り出しに関する独自ルールはほとんど決まっています。あとは詰めるだけという状況です。
ただ、この独自ルールに難点が2つあります。
1つ目が本人から送り出し機関が徴収できる金額の上限が1500ドルになるということです。
これはもちろん本人にとってはいいんですが、送り出し機関としては収入源が減り、教育の質など、事業の存続が難しくなるため、その分受け入れ企業に負担してもらうことになります。フィリピンは本人負担額が0円なので、それと比較するとミャンマーはまだ良いのですが。どうしても受け入れ企業の負担額が大きくなってしまうのが難点です。
ミャンマーの特定技能送り出しの独自ルールについて、もう1つの難点はなんでしょうか?
2つ目は、試験に受かる前に面接をすることが禁止されたことです。
特定技能は介護が3つ、介護以外は2つ試験に受からないといけませんが、ミャンマーではこれらに受かった方しか企業面接を受けることができません。そうすると面接がなかなか実施できないんです。現在、ミャンマー・ユニティには2つの試験に受かった人材は一人もいません。
なぜなら、特定技能の試験に受からせるためにはかなり長い期間の教育が必要です。技能実習生の場合には、まず企業と面接をして、行き先が決まってから本格的な教育を受けるので、勉強するモチベーションを高く保てるのですが、特定技能の場合には行き先が分からない状態で、試験に合格するために日本語と業種別評価試験の勉強をしないといけないため、モチベーションを維持するハードルが大きすぎると思います。
報われるか分からない勉強を続けるのには、かなりの精神力が必要ですよね。
ミャンマー政府はなんと特定技能人材を減らす政策をとってしまったのかと、非常に私は嘆いております。
かといって、それに対応しないわけにはいけません。
先ほども言いましたが、ミャンマーは非常に人材が豊富で、日本で働くには最適な国民性で、日本企業から求める声が日に日に高まっているので、リーディング企業の我々が特定技能を諦めたというわけにはいきません。
そこで現在、特定技能として日本にいける人材を数十万人作っていこうということにチャレンジしています。
ただ、すぐにはできません。日本語試験に合格して、技能試験にも合格しなければなりませんので、今年は申し訳ないんですが、試験に受かる人を養成する期間として世間の方にはお待ちいただいて、2021年からは特定技能で2万人を送り出す予定です。
ミャンマーは非常に期待されていますし、我々もミャンマーの人材送り出しを引っ張っていく存在として、期待に応えていきたいと思っています。
特定技能に関する現状を教えていただき、ありがとうございます。
--- 特定技能として日本にいける人材を育成していくチャレンジとは!?詳細は以下の関連リンクよりご覧ください。
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では実際に、外国人を雇用するための心構えについてご教示ください。
外国人全般的な話とミャンマー人特有の話をします。
まず、外国人全般を雇用する際に言える話についてですが、残念ながら日本人には、単一民族日本人だということで、差別的な考え方を持っている人がたくさんいます。日本人以外のアジアの方々を、上から目線で「雇ってやっている。」と考える人たちがまだまだ存在するのです。これが、日本における外国人雇用の最大の障害です。
やはり、外国人を雇う時には、日本人と同じ人間として、いやそれ以上に、一緒に働く仲間・家族のように大事に扱っていただきたいと思います。これが絶対的に必要です。
まず外国人に対する認識を変革する必要があるのですね。
日本はこれから激しい人口減時代になっていきます。
政府の試算では、80年後の2100年に人口が5000万人を割るという話です。いかに外国の方と共生していくかが課題になっていくのに、「差別している場合か!」という話です。
今後はますますダイバーシティ、つまりは人間の多様性を認めていく時代になっていきます。女性の雇用、高齢者の雇用、障害者の雇用だけではなく、外国人の雇用についても日本企業が必ず乗り越えなくてはならない壁だと考えます。
ですから、まずは自社で雇用した外国の方を本当に大事にしていただきたいと思います。
日本企業は人口減に対して、もっと危機感を持って対応していかなければなりませんね。
では、ミャンマー人を雇用する上での留意点はありますか?
東南アジアの方々は皆そうですが、ミャンマーは特に、叱られた経験がある人があまりいません。
日本人は日本人のことしかわからないので、日本が常識的だと感じていると思いますが、逆に日本はアジアの中でもちょっと変わった国だと思った方がいいですね。
日本はアジアの中でちょっと変わった国なんですか!?
そうです。
今はだいぶなくなりましたが、昔は体罰が当然のようにありましたよね。スパルタ教育が当たり前で、人に厳しいことを言うのが当たり前でした。「厳しく育てるのは本人のため」という文化だから、叱るのも当然だという考え方です。
それがアジア人の大多数は、叱ったり厳しく叱責したりする文化は、全くといっていいほどありませんし、人の体に触れるということも皆さん避けてます。
もちろん実習生が日本に行くにあたって、「日本では叱られますよ、厳しく指導されますよ。」ということは伝えますが、体を触るのは厳禁、ましては暴力・暴言も厳禁ということで接していただければと思います。
ミャンマー進出を後押しした、ノスタルジーと悔恨
ここまでのお話をお聞きし、凄まじい熱量で事業に取り組んでおられることが、ひしひしと伝わって参りました。
最後に、なぜそこまでミャンマーに対する愛情を持って、事業に取り組むことができているのか、その理由を教えてください!
ミャンマーという地との出会いは、2011年にミャンマーが民主化された直後のことでした。
もともと、これからの日本の発展を考えて行く上で、海外進出は不可欠だと考えていました。どの国に進出するか検討を重ねていましたが、初めてミャンマーを視察した際に、「あっこれはいい国だ。」と心から感じました。
仏教国で皆さん優しくて犯罪が全然ない、そんなミャンマーが醸し出す雰囲気が1970年代の日本のようで、一種のノスタルジーを感じたのです。
北中様の幼少期の原風景に似たものがミャンマーにはあったんですね。
私は三重県出身で現在59歳です。
子供の頃、私の祖父や祖母は、毎日仏壇にお祈りして念仏を唱える非常に信心深い人たちでした。
当時視察で見たミャンマー人はみんなお寺でお祈りをしていて、心優しくて素朴で、私が暮らしていた昔の日本の田舎みたいな感じがしたのです。
最初からミャンマーに親しみを感じられていたのですね。
では、ミャンマーで人材ビジネスを始められて心境に変化はありましたか?
私は三男坊で一人で生計を立てていかなくてはならなかったため、大学から上京し、強い独立心を持ってこれまで生きてきました。
今、ミャンマーの人々は自分の手で自分の人生を切り拓いていくために、日本に働きに行きます。その姿が、大都会で一旗揚げようと上京した昔の自分を見ているようで、非常に胸が熱くなります。
そんな彼らの強い思いを後押しするようなことがしたい、というのが現在の私の原動力になっています。
北中様の行動力は、そのような熱い思いに支えられていたんですね。
もう一つ、私の心に刻まれている非常に悔しい体験も原動力になっています。
それは、30年前に視察で訪れた上海の発展を見抜くことができなかったことです。
当時の上海は人口こそ多いものの、非常に汚い街で、人々の顔も暗く、私は、可能性を何も感じずに帰ってきました。しかし今や世界最大の都市になっています。なぜ、あの時私は上海の発展を見抜けなかったのかと、強い後悔をずっと持っていました。
ミャンマーという土地と巡り合い、発展が約束されているときに、30年前と同じ轍を踏まず、その成長をもっとも近いところで見届けたいと思っています。
- 2020.01.24【ミャンマービジネス】東南アジアのラストフロンティア
目次
ミャンマー連邦共和国とは
ミャンマー連邦共和国基本情報
公式名称 ミャンマー連邦共和国 首都 ネーピードー 国家元首 ウィン・ミン大統領 国土面積 約68万 km2 (日本の約1.8倍) 人口 5,447万人(2020年) 人口増加率 0.9%前後(2017年時点) 言語 公用語はビルマ語 1人当たりのGDP 1,300(米ドル、購買力平価)(2019年) 識字率 93.1% 宗教 仏教 87.9%、キリスト教 6.2%、イスラム教4.3% 通貨 ミャンマーチャット(Kyat) 気候 熱帯気候、乾季(3-5月)、雨季(6-10月)、寒気(11-2月) 時差 2時間半 天然資源 木材や木材製品、銅、スズ、タングステン、鉄、石油、天然ガス、翡翠や宝石 主要作物 米、豆類、ゴマ、ゴム、果物、野菜 等 ミャンマーは東南アジアに属している国で、ANAの直行便も出ております。国の位置が大国の中国・インドに挟まれており、タイとも隣接しています。首都はネーピードーですが、日系企業なども多く集まる経済の中心地はヤンゴンです。国土面積は日本の1.8倍と非常に大きく、多様な気候や地形を有していることから、農業が非常に盛んです。国民の約6割が農業に従事している農業大国です。かつて(1920年~1960年)は世界で1位2位を争うコメの輸出大国でした。
ミャンマー国内状況
中心部ヤンゴンは数年前より格段に綺麗になり住みやすい街になっています。しかし、インフラがまだきちんと整備ができておらず、停電もよく起こります。(オフィスビルや工場には自家電機が設置されているケースが多い)
ネット環境は近年大幅に改善され、携帯キャリアのSIMを使えば、ミャンマーの都市部では快適なスピードで使えるようになりました。しかし公共のWi-Fiは、ミャンマー中心部であっても高級ホテルや限られたカフェ以外では繋がりません。
また、バスや鉄道は日本のように決まった時間には来ないので、その時来たバスや鉄道に乗車するといった感覚で暮らしています。
宗教は、仏教徒が国民の約9割を占めており、敬虔な仏教徒が多く伝統的な仏教国です。宗教理論から、国民性は他者に対する施しを惜しまない、誠実な人々です。そのため、ミャンマーでは貧しくともストリートチルドレンがいません。孤児や恵まれない子供たちは村のお坊さんが面倒をみています。
また、貧しい人たちにもお寺が無料で勉強を教えているため、ASEAN最貧国のミャンマーですがASEANで一番識字率が高いと言われています。決してお金持ちではない人々も恵まれない人たちに寄付するといったミャンマー人の、人のために行動できる人柄はとても魅力的です。女性が昼間一人で歩けるくらい治安がいいこともミャンマー人の“人の良さ”があってのことです。
ミャンマー人は大学に行っても高給が約束されているわけではありませんが、大学へ行く人もいます。大学の教育費は1~5万円程度です。別途、塾の費用が10万~20万かかります。
ミャンマーのスマホ普及率は伸び続け、今ではほぼ100%の普及率となっています。これは、東南アジアNo.1となっています。そのおかげもあり、オンライン、インターネット関連の企業が伸びており、注目されています。
税制面について、商業税は建ったり売り上げに対して5%、法人税は経常利益の25%となっています。
所得税は累進課税方式で、最大25%。163日以上滞在している人は全世界所得となります。外資系の法人は申告を必ずしていますが、ローカルは申告してない人が多いようです。道端の屋台はそもそも会社登録もしておらず、ライセンスも持っていません。
ミャンマーが注目される理由と人の魅力
人材が魅力
優秀な人材がいても、いい仕事に就けるチャンスがない現状です。最難関大学を卒業したとしてもミャンマーでは就職できない場合があります。ましてや一流大学でない学生は、就職先にかなり困っています。ですから、ミャンマーでは日本の中小企業でも優秀な人材を採用できるチャンスがあります。ミャンマー現地で、ミャンマー人が英語を話せると、新卒で月給2万円、日本語を話せると月給4万円くらいになります。また、ITエンジニアの給料は技術レベル、経験によって差があります。最大で月給15万円という人も稀にいます。ミャンマー現地で月給15万円は相当高額な月給になります。このこともあり、ミャンマーで人気の職業はIT企業と日系企業です。
国の位置が良い
地政学的なメリットもミャンマー発展に作用します。ミャンマーは、中国とインドに挟まれた場所にあります。このため、将来性がある国内市場のみならず、中国やインドの巨大な消費市場へのアプローチも可能です。
競争相手がいない
発展途中のミャンマーは、日本で飽和した事業でもミャンマー国内にまだないサービスや事業は参入すると伸びるビジネスの可能性を秘めています。実際に新車のミャンマー国内のナンバーワンシェアを誇る自動車メーカースズキは他社に比べていち早くミャンマーに参入し、自動車メーカーミャンマー国内ナンバーワンシェアになりました 。
対日輸出で特恵関税の適用
特恵関税制度とは、開発途上国の輸出所得の増大,工業化と経済発展の促進を図るため,開発途上国から輸入される一定の農水産品,鉱工業産品に対し,一般の関税率よりも低い税率(特恵税率)を適用する制度です。(外務省HPより)日本に輸出する際の関税が低くなり日本へ輸出しやすくなります。
ミャンマー国内のビジネス
日本企業のミャンマー進出は数字でも見てとれます。ミャンマー日本商工会議所の会員数は2019年9月末で400社を超えました。製造業の拠点設立に伴う日系建設業の進出が目立ちます。ベトナムに進出している企業がミャンマーに進出しているケースも多くなっています。
ミャンマーに進出している業界
建設業界のビジネスチャンスミャンマー日本商工会議所の内訳で、建設部会は126社で最多となっています。次に工業系が続きます。中心部ヤンゴンには外国人旅行者が宿泊できる綺麗なホテルも増えました。各地でスマートシティや高層ビル、複合商業施設などのビジネスプロジェクトが進行しています。しかし、ミャンマー国内の建設会社単体の建築作業現場は、安全性は十分とはいえません。また、建築技術も乏しいため、ミャンマー建設事業者連盟(ミャンマー全土の建設会社や資材メーカーなど約3000社で構成される業界団体)も技能実習生を積極的に日本に輩出して、ミャンマー国内の技術力アップを目指すとし、日系企業との交流を深める方向です。
農業業界のビジネスチャンス農業大国であるミャンマーの農家の現状が変わってきています。農業も機械化が少しずつ始まりました。その機械化に日系企業の機械が使用されており、ビジネスチャンスだと感じた日系企業がミャンマーに進出しています。
農業機械や肥料などの生産性を向上させる農業製品の販売にビジネスチャンスがあると考えられます。また、農業に関する知識が不つ十分な農業従事者への指導をしつ行う、農産物の生産販売事業にもビジネスチャンスがあります。このような事業を行う上でプラスの要因の1つが多様な気候帯と地形です。ミャンマーには北部の山岳地域、東部の涼しい高原地域、中央の乾燥地域、南部のデルタ地域と多様な気候帯と地形があります。それにより地域ごとに特徴的な産品の生産が可能です。
日本政府からの資金援助もあります。資金援助の中の一つに農家へのツーステップローン事業への支援というものが含まれます。これはJICA(独立行政法人 国際協力機構)から地場銀行へ資金が送られ、この資金がミャンマーの農家へ融資されるといったものです。この農家への融資は主に農家が農機具の購入等を希望した際に融資されます。このような資金を農家が使うことで農業製品の普及は加速すると考えられます。
ミャンマー人が行う農業は個人で行っている人と法人でやっている人に分かれます。
自動車業界のビジネスチャンスミャンマーの自動車台数は2011年以降急速な伸びをみせており、2011年から2016年までの5年間で、台数は2倍までなっています。2016年までは、中古車が9割以上を占め、新車台数は多くありませんでした。しかし、2017年に中古車の輸入が実質的に禁止された*ことによって、新車販売が急増しました。*右ハンドルの車が輸入禁止となりました。
また、自動車ローンが普及し始めています。業界最大手の自動車メーカーは地上銀行のAYA銀行と提携し、ローンを提供しています。これらにより、自動車業界は新車の波が押し寄せています。大手日系自動車メーカーがこぞって進出しているミャンマーは、部品を製造する下請け企業も進出しています。
ミャンマーに進出している企業で目立っている業界を紹介しましたが、これからミャンマー国内が発展していく過程でどの業界でもチャンスがあると考えられます。
不動産業界のビジネスチャンスミャンマーで外資系が不動産業を行うことは難しいです。ミャンマーでは不動産譲渡規制法により、外国政府等に対する場合や別途認められた場合を除き、外国人や外国企業に対する不動産の譲渡は禁止されています。また、外国人または外国企業は土地または建物の賃借は原則として最大1年までしか認められません。ただ、工場などの場合はエンドーズメントといって政府に直接申請し、50年の長期契約なども可能です。
ミャンマーでビジネスを行うには、業種によってライセンスが必要になってきます。例えば飲食だと、消防・衛星・リカ―などのライセンスが必要です。
ミャンマーの経済特区「ティラワ経済特区」
ティラワ経済特区は、日本とミャンマーが共同で開発している工業団地として有名です。2014年に日本・ミャンマー両政府と日本の総合商社3社などが合弁で事業会社を設立しました。経済特区内に進出している企業では日系企業が多いです。
企業進出状況(2019年11月1日時点)
進捗 予約契約締結済み: 109 社(レンタル工場 5 社含む)
本契約締結・投資認可取得済み: 107 社建設中: 024 社(レンタル工場 1 社含む)
操業中: 075 社(レンタル工場 4 社含む)輸出/国内 輸出志向型:43 社 国内市場型:65 社 その他:1 社(開発) 業種 建設資材:17 包装・容器:11 社 縫製:9 社
食品・飲料:9 社 農業:8 社 電力・電気:8 社
自動車:7 社 医療:6 社 樹脂成型:2 社
塗料、産業用ガス、飼料、タンク、搬送機器、潤滑油、通信施設、靴、化学品、物流倉庫(冷凍冷蔵含む)、産業廃棄物処理、職業訓練、レンタル等国籍 日本:55 社、タイ:16 社、韓国:8 社、台湾:6 社、マレーシア:4 社、香港:3 社、 ミャンマー:3 社、シンガポール:3 社、スイス: 2 社、アメリカ、ドイツ、オランダ、 フランス、オーストラリア、中国、ベトナム、インド、インドネシア:各 1 社 海外独資:92 社 合弁:14 社 緬国独資:3 社 出資形態 海外独資:92 社 合弁:14 社 緬国独資:3 社 出典:一般社団法人 日本ミャンマー協会
電力、道路、港湾など、ビジネス関連のインフラが脆弱(ぜいじゃく)なミャンマーにおいては、日本のODAで各種インフラの整備支援を行っているティラワSEZを上回る操業環境はない。ティラワSEZ内では、国内市場向けにスズキがノックダウン生産で自動車製造を、エースコックが袋麺製造をそれぞれ開始している。輸出向けでは、車載用スピーカーを製造するフォスター電機が工場を拡張した。このほか、大陽日酸が産業用のガス供給事業を開始、JFEスチールがシンガポール企業などとの合弁で溶融亜鉛メッキ鋼板およびカラー鋼板の製造工場を建設している。さらに直近では、樹脂成型部品製造を行う日系企業の進出が決定するなど、製造業の要となる素材・部品産業分野の企業進出も始まりつつある。
JETRO
2019年には、初めて敷地内にビジネスホテルが開業したり、また大手自動車メーカーが進出したりと、さらに注目を集めました 。大手メーカーの進出によって、部品を納める一次下請けや2次下請けの企業がティラワ経済特区への入居に関心を強め、追い風となっています。
海外進出の足掛けになる技能実習制度
発展し始めているといっても、熟練した技術者が足りないといった課題があります。ミャンマーに進出しても現地で日系企業が求めるレベルの専門的な知識を持った技術者が見つかるとは限りません。技能実習制度を利用して、ミャンマー国内に専門的な技術を移転する方法があります。技能実習制度を利用し日本で数年間技術を教え込み、実習生が帰国した後、現地の会社で働いてもらうという方法です。実際に、ミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生が帰国後、そのまま日系企業に勤めることがあります。
高知県の建設会社がミャンマー・ユニティから送り出した技能実習生を帰国後、現地で再雇用し、ミャンマー進出をした例になります。JETRO(日本貿易振興機構)にも取材を受けました。
詳しくはこちら人材育成としての期間はかかりますが、日本で培われた技術を教えることで、ミャンマーでは即戦力として働いてもらえます 。
日本国内ビジネスにも
介護業界日本で人材不足が深刻化している介護業界。日本にとってミャンマーの若い優秀な人材は日本の未来の一助となってくれます。ミャンマー人は介護業務で活躍できます。 人のために尽くしたい、人のためになりたい、そんな習慣のあるミャンマー人は介護で人のために働くことに向いています。また、介護職種はミャンマー人候補生の中でも人気の職種です。ほとんどのミャンマー人は親日で日本人に対して嫌悪感を抱いていません。特定技能では、日本人同等に正社員として働いてもらうことができます。需要が高まり、さらに人材不足が加速する介護業界をミャンマー人の若いパワーで活気づけてもらえます。
ミャンマー・ユニティの介護教育はこちら宿泊業界・外食業界ミャンマーでは発展するにつれ、外国人旅行者向けのホテルが建ち始め、外食文化があまりないミャンマーでレストランなどが増えております。その分、ホテルマンや、清掃員、飲食店でのスキルを持った人材が必要になってきます。日本でのおもてなしの心を学びたいと思っている、ミャンマー人もこれからもっと出てきます。特定技能を利用して、ミャンマー人を採用し、共に働くことも珍しくない未来がやってきます。
私たち、ミャンマー・ユニティは日本で学びたい、働きたいミャンマー人の手助けができるよう、邁進しております。
閉じる- 2019.12.26【特定技能】宿泊業の外国人雇用要件とは
目次
特定技能制度とは、一定水準の技術と日本語能力を持った外国人材を受け入れる制度です。
2019年、国が労働力不足解消のために打ち出し、特に人材が不足する14分野において、受入れが認められることとなりました。
今回は特定技能の一つである「宿泊」について解説したいと思います。宿泊業における人材不足の現状
ホテル業界が人材不足といわれる理由は以下になります。
外国人旅行客増加による需要増
総務省 労働力調査によると宿泊業、飲食サービス業2018年平均は416万人と前年比25万人の増加になりました。オリンピック前にホテルなどの宿泊施設が増加したことも一因であると考えられます。
総務省 労働力調査
コロナ禍となり、外国人旅行客が激減しましたが、入国規制が緩和されている国では多くの旅行客が入国し宿泊施設も賑わいを取り戻しています。日本ではまだ外国人旅行客が自由に出入りできる状況ではありませんが、数年以内に以前と同じような人手不足が続くことが想像されます。 さらに、宿泊業界は離職率が高いため集まった人材が続くとは限りません。コロナ以前の調査ですが、ホテルの利用者数は2012年と比較すると2018年まで7000万人も増加しています。中でも2018年の外国人利用者は8,859万人と調査以来、最高値となっています。外国人が自由に日本へ入国できる日が戻った際は、大量の外国人旅行客が日本に来ることになるでしょう。外国人が増加している現状で外国人を雇用することは言語の面からみてもメリットになります。
以下の資料より作成
国土交通省 観光庁「宿泊旅行統計調査」(H26年―H30年推移) 国土交通省 観光庁「宿泊旅行統計調査」(H24年―H28年推移)ホテル業界自体の離職率の高さ
ホテル業界はシフト制により、労働時間が長時間に及び、体力的にきつい面があります。日本人がすぐ辞めてしまう一因が労働環境であるといえるでしょう。
大学卒業後の新入社員で入社して3年以内に辞めてしまう割合が5割になっています。これは他業種に比べて非常に高い割合です。
離職率の高い業界こそ、外国人材を受け入れるメリットが大きいと考えられます。外国人は日本にきてまで働きたいと向上心があり、根気強い性格の方が多いです。特定技能で人材確保をすることは日本人の離職が多い業界ではメリットになるでしょう。特定技能「宿泊」受け入れについて
「宿泊分野」受け入れ上限枠
観光庁は、受入れ人数が5年間で22,000人を上限としています。
特定技能1号で就労できる外国人の基準
「相当程度の知識または経験を要する技能」と一定の日本語能力を持っている外国人が対象になります。これはそれぞれ「宿泊業技能測定試験」、「日本語能力試験」「国際交流基金日本語基礎テスト」)を受験し、合否で能力を図ります。
特定技能1号で就労する外国人の雇用形態
直接雇用の正社員に限られており、派遣会社からの雇用は行うことができません。 日本人同等以上の待遇が必須になっています。
Point特定技能1号は、在留期間の上限は通算5年で、家族の帯同を原則認めておりません。
特定技能1号受け入れの流れ
ミャンマーから特定技能として外国人を就労させる場合、受け入れの流れが一部変更となりました。面接は、宿泊業技能測定試験と日本語能力試験等に合格してからの実施となりました。
特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。
特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料
特定技能1号の在留資格申請にあたって必要な添付資料は以下の通りです。
- 特定技能所属機関の概要を明らかにする資料
- 活動の内容・期間・地位及び報酬を証する文書
- 日本語を証する資料
- 従事する業務に関して有する技能を証する資料
- 特定技能雇用契約の締結に関し仲介した者(登録支援機関等)がある場合は、当該仲介の概要
「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」合格証または「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」(N4以上)
「技能測定試験」合格証
「宿泊」の対象分野と業務内容
特定技能「宿泊」の対象分野
特定技能1号が適用となる「宿泊業」とは、いわゆるホテルや旅館などの宿泊施設が対象となります。
詳しく言えば、旅館業法に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた宿泊施設が対象となります。禁止分野ただし、風俗営業法(風営法)に定められた風俗営業(風俗営業許可を必要とする施設)においては特定技能による外国人就労は認められません。
また、特定技能外国人には風営法に定められた「接待」を行わせてはなりません。特定技能「宿泊」で従事できる業務
- フロント業務
- チェックイン・チェックアウト、コンシェルジュ業務(周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配等)
- 企画・広報業務
- ホームページでの情報発信、ソーシャルネットワーク(SNS)での情報発信とインタラクティブ対応、キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成など
- 接客業務
- 館内案内、仲居さん、宿泊客からの問い合わせ対応など
- レストランサービス業務
- ホール業務(接客、注文への応対)、サービス(配膳や片付け)、料理の下ごしらえ、盛り付け、皿洗い等の業務
宿泊業の特定技能1号外国人が従事できる業務は、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等、宿泊サービスの提供に関する業務です。 併せて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(ベッドメイキング、清掃作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。
つまり、ベッドメイキング、清掃作業等の関連業務だけを専門的に行う場合や、ほとんどの業務がベッドメイキング、清掃作業等の関連業務で占められる場合は、「宿泊」分野の特定技能外国人が従事することは認められません。
しかし、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等を主業務として、付随的にベッドメイキング、清掃作業等の関連業務を行うことについては、「宿泊」分野の特定技能外国人も許されます。もし、ベッドメイキング、清掃作業等を専門的に行う場合や、ほとんどの業務がベッドメイキング、清掃作業等で占められる場合は、特定技能「ビルクリーニング」で在留資格を取得することをおすすめいたします。
宿泊業技能測定試験について
宿泊業技能測定試験とは、宿泊業における「技能測定試験」になります。
科目 出題形式 問題数 時間 出題範囲 筆記試験 選択式真偽法 (マークシート方式) 30問 60分 宿泊施設におけるフロント業務、企画・広報業務、接客業務およびレストランサービス業務ならびに安全衛生および宿泊業の基本事項 実技試験 口答による判断等試験 4問 5分程度 試験は宿泊業で必要とされる技能や知識について5つのカテゴリーから出題されます。
- フロント業務
- 広報・企画業務
- 接客業務
- レストランサービス業務
- 安全衛生その他基礎知識
日本の旅館・ホテルでの業務に従事するための技能レベルで設定されており、筆記試験と実技試験から構成されています。
筆記試験は真偽法による30問が出題され、実技試験は上のカテゴリーより、現場を想定した実際の対応能力が判定されます。
技能実習から特定技能1号への移行
2020年2月25日より、宿泊職種が技能実習2号の移行対象となりました。
宿泊職種で技能実習2号を修了した技能実習生は、無試験で特定技能1号に移行することができます。つまり、3年間の技能実習期間を経て、特定技能1号に移行をすれば、特定技能1号の5年間と合わせて通算8年間、宿泊職種として働くことが可能になりました。
外国人技能実習生 宿泊職種の検定試験
技能実習2号修了者は特定技能1号に無試験で移行できますが、他の職種の技能実習1号2号と同様に、技能実習各号修了予定者は検定を受験しなければなりません。宿泊職種の試験についての説明は以下になります。
試験方法と合格基準
学科試験
等級 設問 日本語表記 試験時間 1号(初級) 真偽法 20問 ひらがな分かち書き+ヘボン式ローマ字 60分 2号(専門級) 真偽法 30問 漢字かな混じり+漢字にルビ振 60分 実技試験
等級 作業試験 試験時間 1号(初級) 利用客の送迎作業 問 10分 滞在中の接客作業 5分 料飲提供作業 10分 衛生管理 5分 2号(専門級) 利用客の送迎作業 問 5分 チェックイン、チェックアウト作業 9分 滞在中の接客作業 5分 料飲提供作業 9分 衛生管理 7分 合格基準
1号(初級)合格基準
- 学科試験:65%以上
- 実技試験:作業試験、判断等試験の合計60%以上かつ作業試験、判断等試験いずれかも40%以上
宿泊業について詳しく知りたい方はお問い合わせください!
- 2019.12.25特定技能「外食業」の雇用要件とは
2019年4月より新しい在留資格「特定技能」が認められました。その「特定技能1号」に認められた14業種のうち、今回は「外食」について解説したいと思います。
目次
外食業における特定技能受け入れの必要性
外食業の有効求人倍率と欠員率
外食業では人手不足が大きな課題となっています。農林水産省の調べによると、外食業の有効求人倍率は全産業の平均と比べて極めて高く、年々人材確保が困難になっています。
また、外食業を含む「宿泊業、飲食サービス業」の欠員率は、6.1%と高水準にあり、全産業の合計(2.7%)を大きく上回る2倍以上の水準となっています。
増加する外食需要対応のための人材確保
外食業の分野では、増加するインバウンド等への対応が求められる中、機械では実現できない手作り感やホスピタリティといった、外食業ならではの価値が求められます。それらの業務は、機械化による人員削減にも限りがあるため、人材確保が急務となっています。
特定技能「外食業」受け入れについて
外食業特定技能1号の要件
外食業で特定技能1号の在留資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 必要な技能及び日本語能力を有していること
技能水準
外食業技能測定試験に合格すること日本語能力
日本語能力試験(N4以上)に合格すること - 技能実習生2号を修了していること
特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。
おすすめ記事【初心者向け】特定技能とは?外国人雇用を詳しく解説
深刻な人手不足への対応として2019年4月から導入された在留資格「特定技能」。技能実習との違いや1号、2号の違い、受け入れができる職種や、実際に受け入れをする際の流れなど、複雑で理解の難しい特定技能制度についてまとめました。
特定技能1号で就労する外国人の雇用形態
直接雇用の正社員に限られており、派遣会社からの雇用は行うことができません。 日本人同等以上の待遇が必須になっています。
Point特定技能1号は、在留期間の上限は通算5年で、家族の帯同を原則認めておりません。
特定技能1号受け入れの流れ
ミャンマーから特定技能として外国人を就労させる場合、受け入れの流れが一部変更となりました。面接は、外食業技能測定試験と日本語能力試験等に合格してからの実施となりました。
特定技能制度について以下のリンクよりわかりやすく解説しております。
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深刻な人手不足への対応として2019年4月から導入された在留資格「特定技能」。技能実習との違いや1号、2号の違い、受け入れができる職種や、実際に受け入れをする際の流れなど、複雑で理解の難しい特定技能制度についてまとめました。
特定技能1号在留資格申請に必要な添付資料
特定技能1号の在留資格申請にあたって必要な添付資料は以下の通りです。
- 特定技能所属機関の概要を明らかにする資料
- 活動の内容・期間・地位及び報酬を証する文書
- 日本語を証する資料
- 従事する業務に関して有する技能を証する資料
- 特定技能雇用契約の締結に関し仲介した者(登録支援機関等)がある場合は、当該仲介の概要
「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」合格証または「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」(N4以上)
「技能測定試験」合格証
特定技能「外食業」の対象分野と業務内容
特定技能「外食業」の対象分野
特定技能1号が適用となる「外食業」(飲食業)とは、日本標準産業分類の「飲食店」「持ち帰り・配達飲食サービス業」に該当するする事業者が行う業態が対象となります。
(例)レストラン、食堂、料理店、喫茶店、ファーストフード店、テイクアウト専門店、宅配専門店、仕出し料理店など 特定技能ビザで許可される業務内容 飲食物調理 〇 接客 〇 店舗管理 〇 仕入れ 〇 配達 〇 特定技能「外食業」で従事できる業務
特定技能1号外国人が従事できる業務は、外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)です。
併せて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(原料の調達・受け入れ、配達、清掃作業等)に付随的に従事することは差し支えありません。つまり、関連業務だけを専門的に行う場合や、ほとんどの業務が関連業務で占められる場合は特定技能に従事することは認められません。しかし、飲食物調理、接客、店舗管理を主業務として、付随的に関連業務を行うことは許されます。
特定技能「外食業」の禁止業務
風俗営業(風俗営業許可を必要とする業態)においては特定技能による外国人就労は認められません。
キャバレーやクラブなどの接待はもちろん、例えば、深夜営業するカラオケボックスは風俗営業に当たりますので許可されません。通常の外食産業であっても接待は禁止されており、例えば、カフェや喫茶店でもバーがある場合、お客のグラスのお酒を注いであげるなどの行為も接待行為とされるので禁止です。
また、物販業(物品販売をする小売店)は、外食業(飲食業)ではありませんので、特定技能による外国人就労は認められません。
閉じる- 2019.12.23外国人技能実習生受け入れの問題とトラブル防止策3選
目次
技能実習制度の本来の目的
技能実習制度の目的
日本は少子高齢化が進む中で、業界によっては人手不足に悩まされています。この人手不足の現状からも技能実習制度は、今や日本にはなくてはならない制度となっています。
日本の人手不足の一助となっていることに違いありませんが、技能実習制度の本来の目的は人手不足解消とは別のところにあります。そもそも技能実習制度は期限が決まっています。外国人技能実習生はその期間に日本で培われた技能、技術又は知識を学び、母国(開発途上地域)に移転すること、帰国後に習得した技能で国の発展に寄与するという国際貢献が目的となっています。
技能実習制度は単純労働が目的ではない
技能実習生を受け入れる際の大事なポイントがあります。それは、技能実習生に低賃金で単純労働をしてもらえるという誤解がある点です。
先にも述べましたが、本来の目的は技能実習生の母国への技術移転を目的としています。
そのため、受け入れ企業は受け入れの際、技能実習生が実習を行うための技能実習計画を提出しなければなりません。職種によって実習内容は異なりますが、提出した技能実習計画に沿って行わなければなりません。
安い労働力であるとだけ認識していると技能実習生を受け入れる際のトラブルのもとにもなりかねません。
次に、技能実習生受け入れの際の問題・トラブル事案とその防止策を送り出し機関として解説いたします。
外国人技能実習生の問題・トラブル
技能実習制度では実際にいくつかの問題も起こっています。ここでは実際の事例を紹介いたします。
外国人技能実習生の失踪
大きな問題はやはり「失踪」です。悪質なブローカーによって失踪が斡旋されることもあります。もっと稼げる、もっといい環境で働ける、甘い言葉に技能実習生はついていき、失踪という結末を迎えます。技能実習生は原則3年間同じ受け入れ企業に勤めるため転職という選択肢がありません。そのため、辛い現実に当たると母国に帰るか失踪する選択肢を思い浮かべてしまいます。そうならないための防止策を後にご紹介いたします。
技能実習生の失踪理由出典:法務省 技能実習生の失踪動機調査「聴取表」集計 訂正版より作成
「低賃金」
失踪者の理由第1位が「低賃金」です。「思った金額と違った」「労働の対価としての金額に不満がある」等の不満が積もると失踪を選ぶ技能実習生が出てきます。ミャンマー・ユニティでは送り出し機関として、受け入れ企業様には適切な賃金での受け入れを行っていただくことをお願いしております。
日本に来るために借金を背負った技能実習生も中にはいます。そして、家族思いの習慣から家族への送金を大事にしている実習生もいます。実習生の抱えているものは大きく、少しでも給与を多く支払うなどという甘い誘いを持ちかけられると、気持ちが揺れ動くのも理解できます。甘い誘惑に乗らないよう、指導することが大切です。
「長時間労働」「暴力」「暴言」
失踪理由の中にも4・5番目にあがってくるのが長時間労働と暴力です。これは実習実施者と技能実習生間における大きな問題にもなります。技能実習生も日本人と同じく、労働環境が過酷だと嫌になります。監理団体が、適切に実習がおこなわれているか、また企業の経営者や従業員が技能実習生に対して暴力や暴言を振るっていないかを厳格に管理監督する必要があります。
生活の中で技能実習生が近隣住民とのトラブル
技能実習生は外国人であり、日本の生活習慣に慣れていません。ゴミ出しのルールがわからず近隣住民とのトラブルになってしまったなんてこともあります。また仲間を集めて騒いだり、ゴミを投げ捨てるなどのトラブルも起こり得ます。実習実施者は技能実習生が生活に慣れるまで、また日本で生活するにあたってのルールを把握できるまで、気を配ってあげることが大切です。
技能実習生が事故に遭ってしまった
技能実習生が労働時間外に交通事故に遭ってしまい、実習を中断せざる負えないケースもあります。実習生が道路環境や交通ルールをしっかり理解していないことが挙げられます。この事例からも、日本で生活していく上での基本的なルールを教える必要があります。
技能実習生のトラブル・問題の防止策
送り出し機関ミャンマー・ユニティの防止策
「失踪」に対する防止策
ミャンマー・ユニティでは失踪問題を重く受け止め、防止するために日本へ送り出す前にいくつかの対策を行っています。
対策内容について詳しくはこちらをご覧ください「近隣住民とのトラブル」「交通事故に遭ってしまった」に対する防止策
生活の仕方や交通ルールを技能実習生があらかじめ知っておくことが重要です。ミャンマー・ユニティは実習面だけでなく、生活面までサポートする送り出し機関を目指しております。そのため、ミャンマー・ユニティでは面接候補者に対して、生活面に関する事前講義を実施しています。
事前講義の内容は日本での生活や日本事情に関しての講義などがあります。面接を受ける前に日本の環境を知ることで、面接候補者に日本で働くことを理解してもらい、面接に挑んでもらっています。育ってきたミャンマーと違う日本の環境を講義で学んでいたとしても、やはり初めて見る風景には外国人技能実習生は驚きます。受け入れ企業様には、次に記載している技能実習生への配慮をお願いします。
事前講義についてはこちらをご覧ください技能実習生のトラブルを防ぐための受け入れ企業の防止策
労働環境を整える
規定以上の長時間労働などは日本人と同等に違法になります。外国人技能実習生だからといって、例外になるわけではありません。労働環境を整えることで、失踪などのトラブルを未然に防ぐことができます。
信頼関係を築く
ミャンマー人は大家族で家に住み、家族を大事にする習慣が根強いです。日本においても、技能実習生を家族のように接することで信頼関係が築け、悩んだときに一人で抱え込まず相談してくれるようになります。技能実習生の不安や悩みを察知し、トラブルを未然に防ぎましょう。
改正を続けている技能実習制度
技能実習制度には先述したような問題はありますが、制度継続のために改正がされています。制度改正によって悪質な監理団体は監理団体資格の取り消しなど雇用側の規制強化も行われております。また、厚生労働省は外国人技能実習生を日本人と同等に雇用するよう、受け入れ企業や監理団体に呼び掛けています。
外国人技能実習制度の適正化のための措置
監理団体や実習実施機関に対しては,技能実習修了時等に技能評価試験の受検を義務付ける等により効果測定を行う方向で見直しを行う。 また,監理団体の実習実施機関への監査体制を強化するべく,外部役員又は外部監査の導入を義務付けるなどの新たな施策を講じる。その他,行政機関の役割を補完する新たな制度の管理運用機関を創設して,これに法令上の根拠を持たせ,政府が一貫して厳正な指導・監督を行うことができる体制を構築する。さらに,技能実習生の人権保護に関しては,技能実習生が実習実施機関や監理団体による不適正な行為を通報できる制度を整備することや,人権侵害等を行う監理団体・実習実施機関に対して新たな罰則規定を設けるなど,技能実習生に対する人権侵害行為等への対応を強化していく。加えて,不適切な送出し機関を排除するため,例えば,送出し国政府との政府(当局)間取決めの作成など,送出し段階からの適正化を目指す。引用:厚生労働省 出入国管理行政に係る主要な施策等
ミャンマー・ユニティは送り出し機関として、送り出し段階から外国人技能実習生をしっかりと教育し受け入れ企業様へ配属しております。
ミャンマー・ユニティの強みおすすめ記事閉じる技能実習生の注意点【受け入れ後】
技能実習生配属後の職場環境から生活環境まで注意点をご説明いたします。【実習、勤怠、賃金関係】【寮・社宅関係】【外出関係】【生活全般】【公平な扱い】【レクリエーション】【帰国時のスケジュール】【退職時の社内手続】など受け入れ企業が気になるポイントをまとめました。
- 2019.12.18【初心者向け】特定技能とは?外国人雇用を詳しく解説
目次
在留資格「特定技能」とは
特定技能とは、日本の深刻な人手不足を解消するために、2019年4月から新たに導入された在留資格で、就労ビザの一つです。経済産業省や厚生労働省などの省庁が、人手不足であると定めた14の職種(これを特定産業分野と呼びます)に対して、外国人の就労が認められます。
特定技能が創設された背景は「人手不足」
特定技能は技能実習制度と異なり、純粋に「人手不足の解消」を目的としています。法務省によると、有効求人倍率は、1970年代以来44年ぶりの高さで、全ての都道府県で1を超える状態が続いています。2018年9月の有効求人倍率は1.64倍です。これは10人の求人をしても6人しか応募が来ないこととほぼ同じですので、事態の深刻性が分かります。
求人企業 求職者 2018年9月の有効求人倍率が1.64=10人の求人に6人しか応募が来ない状態とほぼ同じ
さらに、日本人の労働力人口はどんどん少なくなっていくことが見込まれています。理由は、「少子高齢化」です。高齢によって退職する人口は、新社会人として新しく働き始める人口を大きく上回ります。具体的には、年間で約60万人ずつ少なくなるとされています。このように、いわゆる「働き盛り」の年代に当たる人口の割合が小さく、その結果経済の発展に悪い影響をもたらす状態のことを「人口オーナス」と呼びます。人口オーナスの状況下では、たくさん働ける若い世代の男性だけでなく、女性や高齢の方、あるいは障がい者の方など、多様な人材を活用する、またはそのような環境を整えることが必要です。これが、働き方改革の一つ「ダイバーシティ」という考え方ですが、その中には「外国人人材」の活用も含まれます。外国人労働者の受け入れは、働き方改革を行う上での選択肢の一つと言えるでしょう。
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日本が高齢社会である現状と、そこから考えられる労働人口の減少にフォーカスしました。労働人口減少の対応策として外国人人材のご説明をいたします。
外国人技能実習生受け入れは働き方改革に繋がるのか?
技能実習生を受け入れることでのメリットを働き方改革の視点から解説します。外国人材受け入れの拡大から外国人と働くことが身近となっています。こちらでは、実際に技能実習生の受け入れをされている企業様のリアルな声もご紹介しています。
一方で、日本で暮らす在留外国人数は、年々増えています。1985年の12月末時点で約85万人だった在留外国人の数は、2018年の12月末には約273万人になっています。
- 2018年の時点で有効求人倍率が1を超えている
- 今後、労働人口は年を追うごとに減少していく
- 在留外国人は年々増えている傾向がある
以上の3点から、日本政府は外国人による単純労働(技能実習と特定技能1号)を受け入れる決断を下したのです。
特定技能人材受け入れが可能な職種(特定産業分野)
在留資格「特定技能」として外国人労働者の受け入れが可能な職種は、「特定産業分野」という名称で定められた、以下の14分野です。
- ①介護厚生労働省
- ②ビルクリーニング厚生労働省
- ③素形材産業経済産業省
- ④産業機械製造業経済産業省
- ⑤電気・電子情報関連産業経済産業省
- ⑥建設国土交通省
- ⑦造船・舶用工業国土交通省
- ⑧自動車整備国土交通省
- ⑨航空国土交通省
- ⑩宿泊国土交通省
- ⑪農業農林水産省
- ⑫漁業※農林水産省
- ⑬飲食料品製造業農林水産省
- ⑭外食業農林水産省
※漁業関係の送り出しについては事前にお問い合わせください。
人手不足が深刻な「介護」は特定技能の受け入れが特に必要
人手不足が深刻になる大きな原因は「少子高齢化」ですが、その影響を最も大きく受けるのが介護分野と言って良いでしょう。労働人口がどんどん少なっていくばかりでなく、介護される側の高齢者が反比例的にどんどん増えていくためです。また介護の分野は高齢者とのコミュニケーションが必須であることから、より高度な日本語能力が求められたり、機械化やAI化が進みづらい職種であったりもします。これらのことから、介護は特定技能制度の中でも最も受け入れ数が多く求められる分野です。
おすすめ記事介護人材の人手不足がやばい|介護の業界の人手不足の理由と対策を徹底解説
介護業界は未曾有の人手不足に直面しています。今後さらに労働人口が減少している現状とニーズの急増という2つの波が押し寄せ、ますます深刻化していくことが明確です。少子高齢化の日本を襲う人材難に立ち向かうために、その理由と外国人労働者活用での対策を徹底解説します。
技能実習では受け入れができない特定技能「外食」など
特定技能の中には、技能実習の資格では従事できない分野もあります。「外食」は「医療・福祉施設給食製造」という職種(作業)を除いて特定技能1号でなければ外国人を雇用することはできません。
また、食品製造業の一部、例えばアイスクリームなどの一部の菓子、みそやしょうゆなどの一部の調味料、納豆や豆腐などの製造や建設分野の吹付ウレタン断熱、海洋土木工は、技能実習が認められていない作業です。これらの作業も、特定技能1号でなければなりません。
おすすめ記事特定技能と技能実習。外国人をどちらで雇用すべきなのかを徹底解説
2019年4月より在留資格「特定技能」が施行されました。しかし、技能実習との違いやメリット・デメリットはとても分かりにくいです。今回は職種ごとに、技能実習と特定技能のどちらの在留資格の人材を選ぶべきかを細かく解説していきます。
技能実習制度と特定技能の違い
労働を外国人に委ねる在留資格に「技能実習」と「特定技能」があります。その2つの違いは、以下のとおりです。
技能実習制度と特定技能の違い 在留資格名 技能実習 特定技能 在留期間 技能実習1号:1年以内
技能実習2号:2年以内
技能実習3号:2年以内
合計で最長5年通算5年 対象業種 85職種156作業 14分野 外国人の技能水準 なし 相当程度の知識又は経験が必要 外国人の日本語水準 なし
(介護職種のみ入国時N4相当必須)日本語能力試験4級
国際交流基金日本語基礎テスト入国時の試験 なし
(介護職のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり)技能水準、日本語能力水準(4級など)を試験などで確認
(技能実習2号を良好に終了した者は試験免除)転職の可否 原則不可 可能(同一の業務区分内) 受け入れ可能国 15か国※1 9か国※2 受け入れ人数枠 あり なし
※介護と建設は制限有り制度趣旨 本国への技能移転 人手不足対応のための一定の専門性・技能を有する外国⼈の受け⼊れ - ※1
- 中国
- ベトナム
- フィリピン
- インドネシア
- カンボジア
- タイ
- ミャンマー
- モンゴル
- スリランカ
- バングラデシュ
- ラオス
- インド
- ブータン
- ウズベキスタン
- パキスタン
- ※2
- ベトナム
- フィリピン
- インドネシア
- カンボジア
- タイ
- ミャンマー
- モンゴル
- ネパール
- 中国
おすすめ記事このように、2つの在留資格に違いが出る大きな理由は何でしょうか?それは、技能実習と特定技能は制度の目的の違いです。
人手不足の解消が目的の特定技能
特定技能は、人手不足の解消が第一の目的です。労働力そのものが目的であるため、即戦力であることが求められます。したがって、技能実習2号の修了や特定技能試験の合格といった、一定の水準を満たす経験や知識が必須になります。しかし、労働力を目的にしているので人数枠に制限が無い場合がほとんどです。※介護と建設分野は異なります。
技能移転が目的の技能実習制度
一方、技能実習制度の目的は「技能移転」にあります。技能実習生たちは日本の先進的な技術を習得し、本国に持ち帰ってその発展に寄与してもらう「国際貢献」を目的としています。つまり技能実習生にとっての労働は、文字通り「実習」になりますので、技能水準や日本語水準は求められていません(介護職種のみ入国時N4相当必須)。その代わり、その技術を習得することが目的ですので、転職は原則的に許されておりません。
その他にも、技能実習生には単純労働のみの業務を禁止していたり、通算で働ける年数の上限に違いがあったりしますが、特定技能1号と技能実習生の違いには、制度趣旨の違いから生じたものがほとんどです。それぞれの在留資格の違いと、受け入れ企業の環境や状況を踏まえながら、技能実習生と特定技能1号、どちらの在留資格を持った外国人を雇用すれば良いのかを判断すると良いでしょう。
おすすめ記事特定技能と技能実習。外国人をどちらで雇用すべきなのかを徹底解説
2019年4月より在留資格「特定技能」が施行されました。しかし、技能実習との違いやメリット・デメリットはとても分かりにくいです。今回は職種ごとに、技能実習と特定技能のどちらの在留資格の人材を選ぶべきかを細かく解説していきます。
【最新比較】技能実習と特定技能1号の違い|メリット・デメリット
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特定技能1号と2号の違い
特定技能にはさらに「1号」と「2号」があります。この2つの違いはなんでしょうか?
まず前提として、特定技能2号は、特定技能1号の5年間の修了者しか移行することはできません。したがって、特定技能の在留資格を持つ外国人労働者は、始めはすべて特定技能1号ということになります。
特定技能1号は、通算で5年間労働することで在留資格としての期限を満了します。このまま特定技能2号に移行にするにしろ、一度は帰国する義務がありますので、例えば家族を帯同させる、といったことは認められていません。
特定技能2号は1号からの移行、つまり通算で5年間その業種でのキャリアを積んだ、熟練した能力を持つ人材です。そこからさらに日本で働くことを希望し、一定期間で更新する限り、在留期間に上限はありません。そのまま10年が経過した場合、日本に永住できる「永住者」の在留資格を視野に捉えることも可能になるので、要件を満たせば家族の帯同も認められる場合があります。
特定技能1号と2号の違い 在留資格名 特定技能1号 特定技能2号 在留期間 1年、6ヶ月、又は4ヶ月ごとの更新、通算で上限5年 3年、1年、又は6カ月ごとの更新で、上限なし 技能水準 試験等で確認※3 試験等で確認 日本語能力 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認※3 試験等での確認なし 家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可能(配偶者、子) - ※3
- 技能実習2号修了者は試験等免除
しかし、特定産業分野の14の職種のうち、特定技能2号への移行が認められているのは、2019年12月現在では「建設業」および「造船・舶用工事」の2業種のみです。ただし、将来的にはその他の12の業種でも移行が認められるであろうと予想されています。
特定技能1号を取得できる外国人の条件
特定技能1号の在留資格は、外国人ならだれでも取得できるわけではありません。まず前提として、外国人の国籍が、日本と二国間協定を締結した国の国籍でなければなりません。その上で、法務省の出入国在留管理庁が定める「特定技能外国人に関する基準」を満たしていることが条件です。
日本と二国間協定を結んだ送り出し国は9か国が前提
外国人が特定技能の在留資格を得るためには、彼らの本国と日本との政府間で二国間協定(協力覚書)を締結する必要があります。理由は「特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保、及び特定技能外国人の日本国での就労における問題の解決等のため」とされています。2019年12月の時点では、インドネシア・カンボジア・タイ・中国・ネパール・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・モンゴルの9か国ですので、これらの国の国籍を持った外国人でなければなりません。ただし、受け入れ可能な国は今後増えていくことが予想されています。
特定技能外国人に関する基準を満たすことが必須
上記9か国出身の外国人であっても、さらに一定の基準を満たした外国人でなければなりません。極端に言えば、子供だったり、重い病気を抱えていたり、過去に強制退去を命じられていたりする外国人には特定技能は与えられません。基準は特定技能1号と2号それぞれのものと、その両方に共通するものが定められています。次のとおりです。
特定技能1号、特定技能2号に共通の基準
- 18歳以上であること
- 健康状態が良好であること
- 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
- 保証金の徴収等をされていないこと
- 外国の機関に費用を支払っている場合は、額・内容を十分に理解して機関との間で合意していること
- 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続きを経ていること
- 食費、居住費等外国人が定期的に負担する費用について、その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており、かつ、その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されること
特定技能1号のみの基準
- 必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他評価方法により証明されていること。(ただし技能実習2号を良好に修了しているものであり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性があると認められる場合はこれに該当する必要がない)
- 特定技能1号での在留期間が通年して5年に達していないこと
特定技能2号のみの基準
- 必要な技能を有していることが、試験その他の評価方法により証明されていること
- 技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められていること
本国での特定技能試験
ここで重要なのは特定技能1号の基準の中にある、
必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他評価方法により証明されていること。(ただし技能実習2号を良好に修了しているものであり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性があると認められる場合はこれに該当する必要がない)出入国在留管理庁『在留資格「特定技能」について』
という項目です。これは、端的に言うと
- 技能実習生2号を修了している
- 本国で行われる特定技能試験に合格する
のいずれかであると言えます。
技能実習2号の修了とはつまり、日本で3年間技能実習を行っていることになりますので、「必要な技能及び日本語能力を有している」とみなされ、試験なしで特定技能1号に在留資格を移行させることが可能です。
それ以外に、送り出し国の本国で行われる、各分野の技能試験に合格することでも特定技能1号の在留資格を得ることができます。どの国でどの分野の試験が受験できるかは各国によってまちまちです。ミャンマーの場合は2019年12月の時点で「介護」「宿泊」「ビルクリーニング」の3分野で受験が可能です。
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特定技能外国人・受入れ機関・登録支援機関の関係
在留資格「特定技能」で外国人を雇用するにあたっては、「外国人労働者」と「雇用する企業や個人事業主」の間に「登録支援機関」があり、外国人と企業双方のサポートをします。
受入れ機関とは、雇用する企業や個人事業主のこと
外国人技能実習生の受け入れ企業を指す「実習実施者」に対して、特定技能外国人の受け入れ企業や個人事業主のことを、「受入れ機関(特定技能所属機関)」と呼びます。受入れ機関は外国人材と、「特定技能雇用契約」という雇用契約を結びます。特定技能雇用契約には、「特定技能外国人に関する基準」を満たしていることが盛り込まれています。
外国人と企業のサポートをする登録支援機関
登録支援機関は、政府に登録された、特定技能制度の支援機関のことです。受入れ機関から依頼を受けて支援委託契約を結び、特定技能1号の支援計画を適正に実施するための機関です。支援の内容は次のとおりです。
支援計画の主な記載事項
- 職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援として必要であるとして省令で定められた10項目(下記参照)の実施内容・方法等
- 支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職名
- 支援の実施を契約により他の者に委託する場合の氏名及び住所等
- 登録支援機関情報(登録支援機関に委託する場合)
支援計画実施の登録支援機関への委託
- 受入機関は支援計画の一部または全部の実施を他の者に委託できる(支援委託契約を締結)
- 受入機関は支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には外国人を支援する体制があるものとされる。
省令で定められた支援計画10項目
- ① 事前ガイダンス
- 雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明
- ② 出入国する際の送迎
- 入国時に空港等と事業所または住居への送迎
- 帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行
- ③ 住居確保・生活に必要な契約支援
- 連帯保証人になる・社宅を提供する等
- 銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等を案内・各手続の補助
- ④ 生活オリエンテーション
- 円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明
- ⑤ 公的手続等への同行
- 必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行、書類作成の補助
- ⑥ 日本語学習の機会の提供
- 日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供等
- ⑦ 相談・苦情への対応
- 職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応、内容に応じた必要な助言、指導等
- ⑧ 日本人との交流促進
- 自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や、参加の補助等
- ⑨ 転職支援(人員整理等の場合)
- 受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供
- ⑩ 定期的な面談・行政機関への通報
- 支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し,労働基準法違反等があれば通報
実際に受け入れをするには?
特定技能外国人を雇用しようという運びになった場合、企業は具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか?外国人を募集する、特定技能雇用契約の締結、登録支援機関との支援委託契約の締結、1号特定技能支援計画の策定、などなど、ちょっと聞いただけでもハードルの高い作業がたくさん待ち受けています。このような場合は、まずはプロにご相談されることをおすすめします。当送り出し機関から登録支援機関のご紹介も可能ですので、お気軽にお問合せください。
- 2019.12.17製造業での外国人雇用について
目次
人手不足の製造業
現在、日本は少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が問題視されています。実際に、あらゆる業界において有効求人倍率が高くなっており、製造業においても求人を出しても以前より応募者が減少しているのを感じている企業は多いのではないかと思います。
こうした状況のなか、人手不足の打開策として注目していただきたいのが外国人の採用です。政府の取り組みが功を奏し、日本で働く外国人が年々増加しており、すでにあらゆる業種で外国人労働者を積極的に採用している企業も目立ち始めています。
特に製造業界は、近年若者離れが叫ばれている業界の一つです。若者がいないということは職場も高齢化が進んでいます。こうした不安を解消するためにも、若い外国人を積極的に採用することは、企業にとって大きなメリットになるはずです。
製造業での外国人雇用の分類
新たに外国人材を受け入れる際、最適な在留資格の選定に悩まれる方は多くいらっしゃいます。
製造業においては、受け入れられる在留資格がいくつかあり、担当する業務分類によって決まっています。製造業での外国人雇用に関しては、大きく分けると以下の3つに分類できると思います。
- ・技術部門
- ・事務部門
- ・現場(製造ライン)部門
上記の中でも、担当する業務によって必要な在留資格が異なるため、製造業で外国人雇用の際は留意が必要です。
技術部門・事務部門の雇用に必要な在留資格
技術および事務部門で外国人を雇用できる在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」です。
この資格は、特に専門知識や技術を必要とされる業務に携わる外国人労働者に与えられます。
技能実習や特定活動に比べて採用にかかるコストや労力が少ないので、企業にとってはできればこの在留資格で採用したいというニーズが高いです。
働く要件としては、大学(短期大学含む)を卒業または日本の専門学校を卒業し、専門士の学位を取得していることです。具体的な仕事としては、主に下記です。管理業務に携わることができるのが特徴です。
技術部門
- ・CADオペレーター・NCオペレーター
- ・製品の開発
- ・生産・品質管理
- ・技術教育
事務部門
- ・海外拠点との通訳・翻訳
- ・人事総務
- ・会計
- ・経理
- ・マーケティング
- ・企画
- ・営業
おすすめ記事高度人材の在留資格 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」について
高度人材の在留資格である技術・人文知識・国際業務について。就労可能な業務、大学の学科とビザ取得可能性について解説してます。外国人採用の参考にしていただけたらと思います。
現場(製造ライン)部門の雇用に必要な在留資格
工場等での現場ラインの業務は、単純作業とみなされるため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では就労させることができません。
これらの業務に従事させるには、下記の在留資格の外国人であれば雇用可能です。「技能実習1・2・3号」
技能実習は海外から一定の期間「実務研修」という形で雇用されるもので、多くの場合は監理団体たる事業協同組合を通して受け入れる形が一般的です。
技能実習は、産業分野だけではなく職種と作業内容まで細かく法律で定められているため、当該製造業務が技能実習の対象にあてはまるかどうか事前の確認が必要です。おすすめ記事技能実習生はどの職種で受け入れ可能か|受け入れ職種一覧【2022年最新】
2022年1月24日現在、77職種135作業が技能実習3号移行可能職種となっています。この記事では外国人技能実習生の職種一覧をご紹介。また、必須作業等の条件や3号移行対象職種にはどのような項目があるのか解説します。
「特定技能1・2号」
製造業において、2019年4月に施行された特定技能1号に産業分野があてはまる場合(現在12分野14業種)、最大5年間単純労働にて雇用が可能です。
特定技能の在留資格を取得するには、要件として、当該業務の「技能実習生2号」を修了している、もしくは日本語評価試験および製造業の技能測定試験に合格している必要があります。「定住者」など
定住者の在留資格を持つ外国人も製造業における単純業務が可能です。定住者は主に日系人やその配偶者などで、就労制限がありません。
就労制限がないため、製造業の工場内作業など単純作業とみなされる仕事でも雇用が可能です。定住者の他にも、日本人の配偶者等・永住者・永住者の配偶者等・企画した外国人も就労制限がないため、工場内作業で雇用が可能です。
「定住者」など身分に基づく就労制限のない在留資格をもつ外国人の雇用の場合、パスポートなどをしっかりと確認したうえで雇用手続きを行う必要があります。
業務内容に応じて、ハローワークなどと並行して民間の人材紹介会社など幅広い募集活動をご検討することをおすすめします。製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会
産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業
産業機械製造業/素形材産業/電気・電子情報関連産業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、 「製造業特定技能外国人受入れ協議・連絡会」に必ず加入する必要があります。 これは経済産業省やその他の関係省庁、業界団体などが構成員として密に連携を図り、制度や情報の周知、 各地域の事業者が必要な特定技能外国人を受け入れる体制を整えることを目的としています。 注意点として、これまでは、初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、受け入れた日から4月以内に協議・連絡会への入会が必要でしたが、 2021年3月1日から、入館庁における手続きの前に協議・連絡会への入会が必要となりました。
飲食料品製造業
飲食料品製造業において特定技能外国人を受け入れる機関(受け入れ企業)は、特定技能の受入れから4ヶ月以内に、 「食品産業特定技能協議会」の構成員にならなければなりません。 これは、企業同士の情報共有や、不正予防、また、特定技能の受入れ状況を把握するといった目的で、農林水産省が運営する組織です。
外国人雇用のメリット
日本人スタッフの意欲向上を目指したいという企業にも、外国人の採用はメリットになると言われています。
例えば、ルーティーン化してしまうような業務においては、モチベーションが落ちてしまうことは誰にでもあるはずです。外国人を採用することは、そうした雰囲気に刺激となります。
日本人の多くは外国人に慣れておらず、コミュニケーションを取ることだけでも大きな刺激となります。また外国人の労働者は「国に置いてきた家族に仕送りをしたい」「日本の技術を学び自国に還元したい」など、労働意欲が高い人が多い傾向にあります。
そうした意欲的な外国人労働者を職場に迎えることで、日本人スタッフにも良い刺激となり、職場に活気が生まれます。また、スタッフの労働意欲が底上げされれば、自然と生産性があがるため、最終的に企業の業績にもメリットをもたらします。
- 2019.12.17外国人エンジニア採用|即戦力エンジニア採用のメリット
目次
国内の人材不足は年々深刻になっている
少子高齢化による労働人口の減少と、産業のIT化により、日本のエンジニア人材不足は年々深刻化しています。
すでに2015年の時点で、約17万人のエンジニア不足が結果としてある一方、エンジニアの需要も高まっています。
新型コロナウイルスのワクチン接種によって世界経済の回復兆候が見え始めたら、エンジニアの採用促進を始める企業がさらに増加し、 コロナ終息後には、日本のエンジニアの有効求人倍率は、上昇する可能性が極めて高いと予測されています。
経済産業省の調査によると、2030年には約80万人のエンジニア不足が懸念されます。 そこで今のうちに視野に入れたいのは、即戦力となる外国人エンジニアの雇用です。外国人エンジニアの雇用増加
国内のエンジニア不足が懸念となり、日本のIT業界では、エンジニア雇用においての外国人労働者の雇用人口が急激に増えています。
2017年には5万2千人を超え、10年間で約3倍に増加しています。
技術部門の国際化を推進しているメルカリ社の例では、2018年度の新卒 の9割がインド人エンジニアだったことも話題となりました。 インド政府はIT産業の強化を国家戦略としているため、英才教育を施された 優秀なエンジニアとなる人材が生まれる環境が整っていることが理由です。
教育に関しても、アメリカやイギリスでは、義務教育が始まる前からプログラミング指導が始められるほど、エンジニア教育が重要だという意識があります。
国によっても重視している分野の違いがあり、ロシアであれば「アルゴリズム」、イスラエルであれば「サイバーセキュリティ」に特化したエンジニア教育が発展しています。
隣国の中国では2011年から「卓越エンジニア教育育成計画」によって、 社会のニーズにあったエンジニアの育成をスタートしました。 様々な分野での「現場エンジニア」、「設計開発エンジニア」、「研究型エンジニア」を育成する計画です。 2020年までに行われたその計画は成功し、様々な中国製品の質が向上し、ドローンや無人コンビニ、 360度カメラなどの新しいアイデアが形になり、イノベーション大国として走り続けています。
このように海外では、優秀なエンジニア教育が国の発展につながっており、日本にとっても外国人エンジニアの雇用はイノベーションへの近道となると言えます。
そこで今回は、即戦力となる優秀な外国籍エンジニアを実際に雇用する際のメリットと注意点について紹介します。外国人エンジニアを採用するメリット
- ・グローバル化の促進
- ・最新情報を素早く取り入れる
- ・これから必要とされる「T型人材」となる可能性が高い
グローバル化の促進
グローバル化を重視した企業にとっては、外国籍エンジニアの存在が必要不可欠になります。
英語を使うこともそうですが、冒頭で述べた通り、外国のエンジニア教育レベルは高く、即戦力となる人材が多いのです。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングのデジタル技術では、2020年の日本の順位は62位です。
対象は63の国・地域ですから、最後から2番目ということになります。
このような結果を見ても、ハイクラスな外国人エンジニアの雇用は、日本の企業にとって世界に通用するための近道になります。最新情報を素早く取り入れる
世界に通用する外国人エンジニアは、常に最新トレンドに追いついています。
最新トレンドに追いつくためには、情報収集の速さはかなり重要となります。
IoT化やAI技術が進む中で、様々なコンテンツを通じて情報収集ができ、トレンドも急速に移り変わるようになりました。
日本人の英語力は伸びていますが、やはり英語圏の論文やコンテンツでの情報収集はハンデが多いこともあります。
その点、ネイティブの外国籍エンジニアは、使えるコンテンツや、取り入れることが可能な英語圏の情報の幅が広く、情報収集のスピードも格段に早いことが強みです。
外国人エンジニアがいることで、情報収集の幅が広がり、トレンドに沿ったイノベーションが生まれる可能性が高まります。「T型人材」となる可能性が高い
イノベーションを重視した企業にとって、「T型人材」が近年注目されています。
技術革新が急速に進む中で、今一番必要な柔軟性を持った人材といえます。
柔軟性のある外国人エンジニアを採用し、「T型人材」を増加させることが企業にとっての強みになります。「T型人材」とは
T型人材とは、「一つの専門的に高い技術を持ち、幅広い分野を学び、広範囲に知識を生かせる人材」のことです。
専門性の高い人材(スペシャリスト:I型人材)と、広範囲で知識をもつ人材(ゼネラリスト:一型人材)の分業が従来の雇用ですが、 T型人材はその両方を兼ね備えた、ハイブリッドな人材として雇用できます。
IT企業を例で言うと、T型人材が工数管理をしながらプログラミングを担うといったことも可能となります。
また、スペシャリストとゼネラリストが一人ずついるより、T型人材が2人いた方がより多方面での意見交換が可能になり、革新的な意見も出やすい環境になります。
新規事業を始める際、答えのない状況でも自分なりの答えを提案できるのは、T型人材の強みです。
そのため、スタートアップ企業では必要不可欠な人材となります。
社会の流れを読みながら、企業にとってより良い軌道を見出す力を持っていることも特徴です。
そして、あくまでT型人材と定義できるのは「一つの専門性を持っていること」が条件となります。
外国籍エンジニアは高い専門性を確実にもって選ばれた人材です。
そのため、雇用の時点ではスペシャリストであっても、今後T型人材となる可能性が高いといえます。外国人エンジニア採用のための注意点
- ・成果主義のキャリア形成
- ・残業時間
- ・フレックスタイム制
成果主義のキャリア形成
優秀な外国人エンジニアほど、成果主義のキャリア形成を望む傾向があります。
海外で優秀なエンジニアとして育成されてきた人材であるため、技術向上の意欲が高いことは外国人エンジニアの強みです。
総じてキャリアアップの思考が高く、日本のように年功序列ではない成果主義のキャリア形成を望んでいます。
成果が上がるたび、エンジニアのスキルアップやモチベーションにも影響し、企業の成長との相乗効果が期待できます。残業時間
外国人エンジニアが日本で働く上で一番配慮が必要なのは、残業時間です。
日本では残業が日常化している企業も多く、社員もそれを受け入れざるを得ないという状況があります。
IT企業は特に労働時間が長いと言われていますが、日本ではそれが当たり前になっていても、外国籍エンジニアにとっては普通ではありません。
海外では仕事から帰ったら、家族とゆっくり過ごす文化があります。
そのため、残業時間が続くと不満の種となり、離職に繋がるということも多くあります。フレックスタイム制
優秀は外国人エンジニアほど合理性を重視する傾向があります。
合理性を無視したルールが多いほど、意欲的に働ける環境ではないと判断されてしまいます。
同じ理由で、海外の労働環境ではフレックスタイム制への理解が重視されています。
日本では、毎日定時に出社することを会社の決まりだとしても、海外の労働環境に慣れている外国籍エンジニアにとっては、 それが合理的な理由でなければ伝わらないこともあります。
優秀な外国籍エンジニアの力を十分に発揮できる環境づくりとして、フレックスタイム制の導入も視野に入れておきたいものです。
まとめ
2020年は新型コロナウイルスの影響で入国制限はありましたが、国内の外国人労働者数は過去最高を更新し、外国人を雇用する企業は増えています。
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前述したように、外国人エンジニアの雇用には評価基準や勤務時間制の革新がある程度は必要になりますが、 生活環境の安全性や医療保険制度の充実など、外国籍エンジニアにとっても日本は魅力の多い国であることは確かです。
トレンドをいち早く取り入れ、柔軟な発想ができる優秀なエンジニアチームを作ることは、企業のグローバル化を促進し、成長するための資産となります。
これからさらにIoT化やAI技術が急速に進んでいく中で、外国籍エンジニアの雇用は最大のメリットになるでしょう。- 2019.12.13高度人材の在留資格 「技術・人文知識・国際業務(技人国)」について
目次
就労ビザとは?
「就労ビザ」という名前のビザはありません。「ビザ」とは日本語では「査証」と呼び、外国人が自国に滞在しても差し支えないことを証明する許可証のようなものです。これは、身元が確かな人物であるかどうかなど、入国に相応しい人物に対して与えられます。
一方で在留資格は、どのような目的で日本に在留しているのかを示す資格のことです。
その中で、就労が目的になる在留資格がいくつかありますが、それらを慣例的に「就労ビザ」と呼んでいるのです。したがって、まず日本に入国するために「ビザ」が必要で、目的の活動を日本で行うために「在留資格」が必要、ということになります。
高度人材とは?
「高度人材」とは、専門的知識や技術力を持つ外国人材一般を広く指す言葉です。高度人材の中でも特に学歴や年収、日本語能力などで高い能力を保有する外国人に優遇措置を与える在留資格が「高度専門職」で、これを取得するために使われるのが「高度人材ポイント制」です。
在留資格「高度専門職」が創設されるまでは「高度人材」と呼んでいた時期があるため、今でも「高度人材」というと在留資格「高度専門職」の保有者を指すことがあります。
しかし、広い意味での「高度人材」には、在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の保有者や、その他の専門的・技術的分野で活動を許可されている在留資格保有者も含まれます。
専門的・技術的分野に該当するおもな在留資格の一覧表
在留資格 具体例 教授 大学教授など 高度専門職 ポイント制による高度人材 経営・管理 企業などの経営者や管理者 法律・会計業務 弁護士、公認会計士など 医療 医師、歯科医師、看護師 研究 政府関係機関や私企業などの研究者 教育 中学校・高等学校などの語学教師など 技術・人文知識・国際業務 機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者など 企業内転勤 外国の事業所からの転勤者 介護 介護福祉士 技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属などの加工職人など 在留資格「技術・人文知識・国際」について
ITや製造業での技術者や通訳、海外営業などのオフィスワーカーとして日本で働くために必要な在留資格が「技術・人文知識・国際業務」です。
- 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動
- 当該在留資格に該当する活動は,入管法別表第一の二の表の技術の項の下欄において,「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 (平成27年3月改定 法務省資料より)
現在は「技術・人文知識・国際業務」とひとくくりになっていますがひとつづ見ていきましょう
技術に該当する業務
機械工学等の技術者、システムエンジニア等のエンジニア
Example- 機械加工業において、設計補助業務(CAD)やプログラミングを伴う(NCなど)業務
- システム開発会社におけるプログラミング業務など
人文知識に該当する業務
法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野における属する知識を要する業務
Example- コンプライアンス部門における、海外法律に関する業務
- 建築設計会社などにおける積算業務
国際業務に該当する業務
外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務
Example- 海外営業部門における企画営業に関する業務
- 語学学校における、英会話教師
などが事例として挙げられます。
特に注意したいポイント- 大学や専門学校で先行した科目と従事する業務内容の関連性
- 職務内容の専門性
「技術や知識などの専門性が必要な業務」をおこなうためには、 大学や専門学校において専門的な技術や知識を習得しているかが必要です
製造業において単純な梱包業務を主たる業務として行うなど、単純作業と 判断される業務は認められません。
大学の学科とビザ取得可能性について
機械、電子、機械電子、電力工学、土木、建築、物理、微生物など理系の学科を卒業し学士を取得していれば、関連のある業務内容を行う職種については「技術・人文知識・国際業務」の技術で在留資格を取得することが可能です。
また、理系大卒であれば、例えば機械系の学科を卒業していても、建築系の業務で在留資格を取得するなど分野を超えた就職も可能性があります。(多少力技になりますが)
理系学科の内、数学系は弊社取り扱い実績がないのですが、基本的には理系の他学科と同じ考え方ができるはずです。履修内容に関係する業務であることが説明できれば在留資格を取得することができると思われます。
看護系学科を卒業した場合でも、日本の看護系業務に就くには別途資格が必要になります。
文系学科(経営、語学、地理、歴史)の卒業であれば、「技術・人文知識・国際業務」の人文知識=企業の総合職であれば在留資格の取得が可能です。
日本語学科の卒業であれば、上記人文知識に加えて国際業務=通訳・翻訳業務での在留資格取得が可能です。ただし、ミャンマー語と日本語間の通訳・翻訳の需要があることを明確に示す必要があります。
ミャンマー語や英語に関する学科の場合、通訳・翻訳業務での在留資格取得は難しく人文知識=総合職としての可能性はあります。
外国人材を雇用するにあたっては、業務内容の棚卸の上、事前に必ず確認しましょう。
「技術・人文知識・国際」の在留期間
保有している専門性を活かせる会社と雇用契約を結んでいる限り日本に在住することが可能です。
この時家族は「家族滞在」のビザで滞在することができます。いづれにせよ10年以上日本に在留していて、かつ、日本で今後も生活していくのに十分な経済的基盤がある場合には、「永住権」を獲得することも可能です。万が一勤めている会社を退職した場合は、「特定活動」ビザを取得して就職活動をすることが可能です。
- 2019.11.27技能実習生は期間終了後も延長して日本で働きたいのか?
目次
日本では、ほとんどの人が自分の数年後の人生設計を考えると思います。対して、途上国ではあまり先の人生設計を明確に考える文化はありません。しかし、実習生を受け入れる企業は技術を教えこんだ実習生にできるだけ長く働いてもらいたいと思うはずです。では、技能実習生は技能実習期間終了後の3年後どうなりたいのか、技能実習で最大5年働けることに興味はないのか、特定技能への移行はどうか? そんな疑問を解消できたらと思います。
外国人技能実習生就労期間最大3年→5年に
とかく技能実習生の雇用期間は3年のみと国内外で認識されていることが多いようですが、2017年11月の技能実習法制定により、一部の職種を除いて、条件をクリアすればその後あと2年技能実習期間が延長できることになりました。
つまり、技能実習生受け入れ企業(実習実施者)が優良要件をクリアして優良認定を受け、かつ技能実習生が随時3級の技能試験に合格すれば、その技能実習生はその実習実施者において、技能実習2号を終了したその後、技能実習3号に移行し日本での就労期間を延長することができます。
技能実習2号が3年、技能実習3号は2年ですので、合計技能実習期間が5年となります。
技能実習3号への移行要件、申請方法についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
ミャンマー人は将来をどのくらい考えているのか
貧しい東南アジアの現状
東南アジアの貧しい国においては、その日その日を生き抜くことに必死で、将来のことなど考えたこともない人が多くいるようです。
ミャンマーは、2011年まで軍事政権に支配され、世界中から経済制裁を浴びていたため、国の発展が著しく遅れ、今でもアジア最貧国のひとつに数えられています。
ミャンマーという国家は深刻な財政難で、国民に対する社会福祉は何もありません。社会保険制度もなく、健康保険制度もなく、貧しい人々は生きていくのが精一杯で、ひとたび病気にでもなれば医者に行くお金もなく、早死してしまうことが多いのが現状です。
したがって、ミャンマーにおいては、自分の将来を真剣に考えている人はとても少ないです。技能実習生になって日本に行こうとするミャンマー人も、ほとんどの方にはその後の将来設計がなく、「日本に出稼ぎに行こう」くらいに考えている人が多いようです。
出稼ぎではなく自分の将来設計を
「単なる出稼ぎで日本に行こうとする」これが最もよくないことだと我々ミャンマー・ユニティは考えています。 「出稼ぎ=お金がもらえればいいや」という考えでは、3年間だけ働いて、その後の自分の将来は何も考えていない、ということになってしまいます。
特にミャンマーにおいては、最大都市ヤンゴンを除いては、ほとんどまともな仕事もなく、仕事があったとしても簡単な仕事では月給8,000円ほどしかもらえません。
そうなると、技能実習期間3年経過してその後ミャンマーに帰っても、いいことはなにもない。また悲惨な生活に戻ってしまう。そう考えると、在留資格がなくなっても日本にとどまることを考えて、失踪につながってしまいます。
ですからミャンマー・ユニティでは、技能実習生の将来設計に関して次の4点の説明を行い、技能実習2号を修了したその後の人生における選択肢を広げる教育にとても力を入れております。
ミャンマー・ユニティの技能実習生に対する将来設計教育
ミャンマーでの職業紹介
ミャンマー・ユニティは関連会社で日本企業のミャンマー進出コンサルティングを行っており、多数のミャンマー進出日本企業とつながりがあります。 せっかく日本で技能実習を3年経験し、日本語力も身につき、技術も身についたのだから、その後その能力をミャンマーに帰国してからも活かす。これがベストです。
ですから、ミャンマー・ユニティは帰国後の技能実習経験者に、ミャンマー国内で日本企業に就職できるように職業紹介を実施しております。
特にミャンマー・ヤンゴン近郊のティラワ経済特区は日本企業の進出が盛んで、目覚ましい発展を遂げております。
中でも注目されるのは自動車産業の進出です。
すでにミャンマーには日産自動車、スズキがノックダウン式工場(部品を輸入し、組み立てる工場)を開設しており、ミャンマー国内のモータリゼーションの発展に先手を打っています。
そしてこの度トヨタがミャンマー進出を決定しました。最初はセミノックダウン式工場としてのスタートですが、今後は周辺産業(トヨタに部品を納める協力会社)がこぞってミャンマーに工場を建設することが期待されます。
これから目覚ましい発展が期待できるミャンマーにおいて、特にミャンマー進出日本企業においては、日本語力があり、技術がある帰国技能実習生は喉から手が出るほどほしい人材になってきます。
ミャンマー・ユニティでは、技能実習生がミャンマーで研修しているうちから、「日本からミャンマーに帰国したら、ぜひ日本企業に就職してほしい。そのためには日本に行ってからも継続して日本語を学び続けてほしい。高い技術力も身につけてほしい。そうすればきっとその日本語力と技術力が買われて、通常のミャンマー企業に就職するより数倍の収入が得られます。」と力説しています。
また、ミャンマー・ユニティでは、日本に来る前の事前体験の中で技能実習が修了したその後の将来を明確に想像してもらうために、ミャンマーのティラワ経済特区の見学、及び日本企業での職業訓練も実施しております。実習生たちは、その日本企業の現場を自分の目で見ることで、自分が日本での技能実習を終え、その後の将来どのようになりたいのかを現実的かつ明確に考えます。
現地スタッフは、ティラワ経済特区から帰ってくる実習生の目はみんな輝いているといいます。このように、日本に来る前から明確にその後の将来を考える機会を与えることで、日本での失踪を防ぐことにも活かされています。
このように、ミャンマー・ユニティでは帰国技能実習生に対してミャンマー進出日本企業への職業紹介を行い、技能実習生の将来設計をサポートしています。
技能実習3号、特定技能への移行のすすめ
前述したように、まだミャンマーでは技能実習期間=3年のみと考えている人が多いようです。しかし時代は変わりました。2017年11月の技能実習法制定により、一部の職種を除き、条件をクリアすれば2年延長して5年間の技能実習が認められるようになりました。
また2019年4月から施行された新しい在留資格「特定技能」の制度により、一部の職種を除き、技能実習を3年経験した技能実習生には、無試験で特定技能の資格が与えられることになりました。
従来は、技能実習を3年経験し帰国したあとどうするかを指導するしか方法がありませんでしたが、今は違います。
技能実習を3年経た後に技能実習3号をさらに2年期間を延長して続けることができますし、特定技能に切り替えてさらに5年間働くこともできます。(一部職種を除く)
また技能実習期間を5年経た後に特定技能に切り替えてさらに5年間延長して働くこともできます。(一部職種を除く)
今や、3年間だけ出稼ぎに行く、という制度ではなくなっていますので、ミャンマー・ユニティでは一部職種を除き、「日本で10年働く」ことを視野に入れるよう、技能実習生に指導を行っております。
(介護職種では)介護福祉士資格取得のすすめ
介護業界では未曾有の人材不足にほとほと困り果てています。
さらに日本では2055年まで高齢者の人口が増え続けます。つまり2055年まで介護職のニーズが増え続けるわけです。
したがって、介護職種においては将来に渡って就職先の心配はありません。もちろん、最初に就職した技能実習先で長く働くこともできます。
そして介護職においては、介護福祉士の資格を取得すれば永住権が得られ、ずっと働くことができます。もちろん家族を日本に呼ぶこともできます。
もし、ミャンマー人が日本で働くことによりミャンマーでの収入の20倍、30倍がもらえるならば、40年働けば800年~1200年分の収入が得られます。日本人では宝くじに当たったとしてもこうした収入を得るのは無理でしょう。
ですから、我々ミャンマー・ユニティでは介護職を希望するミャンマーの方々に、できる限り長く日本で働くことをおすすめしています。
ミャンマーにいるうちに日本語3級を取得し、その後日本に行ったら日本語2級を目指して日本語の勉強をし続けること。そして目標を高く持って介護の勉強を続け、実務者講習を経験して、介護福祉士資格を目指してほしい。
そうすることが、介護職を目指すミャンマー人技能実習生たちの将来を素晴らしいものにすると信じて指導をしております。
特定技能2号の可能性の説明
介護職種でなくとも、日本に永住できる可能性が出てきました。
日本政府は2019年4月より新在留資格「特定技能」制度を施行し、まず特定技能1号による5年の就労を外国人に開放しました。
特定技能の法令は、2年後に見直しされます。そのときには特定技能1号だけが今認められている12業種に関して、特定技能2号が開放されることが見込まれます。 特定技能1号期間中に技術力と日本語力を身につければ、その分野で特定技能2号に移行できる可能性が十分にあります。
そのためには、まずは日本語力の向上が必要です。
ミャンマー・ユニティでは特定技能送り出しにおいては、3級レベルの日本語力になるまで教育をいたしますので、日本で働いている間にぜひ2級を取得していただきたい。
そして技術力も向上させ、将来開放されるであろう特定技能2号の在留資格を取得し、永住権を取得していただきたい。そして家族を日本に呼び寄せていただきたい。
まだ法令が定まっていないので憶測ではありますが、すべての特定技能の職種に特定技能2号が開放されることを予想して、このような指導を行っております。
- 2019.11.18外国人技能実習生受け入れは働き方改革に繋がるのか?
目次
人材不足が加速する日本は外国人労働者受け入れを拡大しています。外国人と共に働く未来はすぐそこです。
外国籍の人材を社内に雇用すると、日本人のやる気の向上に繋がったり、考え方が多様になったりと、社内の雰囲気がガラっと変化します。1000人以上の技能実習生を送り出しているミャンマー・ユニティに寄せられる企業様の声をご紹介します。外国人を受け入れることが企業のマネジメントや働き方改革にも繋がります。外国人労働者受け入れを拡大の背景
日本は少子高齢化社会が進み、労働人口が減少しています。介護職種や建設業等、専門的な技術が必要な現場の従業員の高齢化も企業が抱える問題の1つといえます。日本政府もこの事態に対応しようと、外国人材の受け入れに前向きに取り組んでいます。
2017年11月に技能実習生法改正があり、外国人技能実習制度専門の機関、外国人技能実習機構が設立され制度の強化が図られました。また2019年4月には技能実習の上位資格である特定技能という在留資格が誕生し、より外国人材受け入れの幅が広がりました。
人手不足の企業においては、働き手を増やすことで従業員の長時間労働を減らし、労働生産性の向上を図るためにも、外国人労働者の受け入れによる働き方改革が必要となります。
外国人労働者・技能実習生受け入れのメリット
技能実習生に日本人従業員が刺激される
外国人労働者受け入れが拡大していく中で、日本に来る技能実習生もこれからもっと増えていきます。実際に外国人技能実習生を迎えて実習実施者にどのような影響があったのか、実際に受け入れをしている企業の声を紹介します。
訪れたこともない国に技術を学びに来る技能実習生は不安と期待の中、日本にやってきます。技能実習生は外国の日本で働くということもあり、生半可な気持ちでやってくる人はいません。皆根気強く、やる気があります。そんな実習生に日本人従業員も負けてられないと感化され、やる気になるそうです。
また、外国人従業員が入ることで、出身国の話や、どう実習生を教育していくか等、日本人同士の会話が活発になり、実習生に対して仕事を一生懸命教えることでオフィスも活気づくといいます。
日本人従業員の中には毎日の仕事の中での慣れからか、自分のオリジナルのやり方でやっている人や、マニュアルから逸れたやり方をしている人もいます。しかし、実習生の一生懸命に働く姿を見て自分たちも負けてはいられないと、日本人も初心に戻ろうと思わせてくれ、業務を忠実にこなす実習生を見習う部分もでてくるといいます。
また、外国人従業員を採用する準備として、作業工程の確認やマニュアル化や働くために必要な基本ルールをつくる場合があります。改めて作業工程やマニュアル、ルールの見直しを行ったり制定したりすることが作業効率改善となり、社員のモチベーションを向上させると同時に働き方改革にもつながると考えられます。
グローバル・ダイバーシティの考えを社内にもたらす
働き方改革でよく耳にする、「ダイバーシティ」。多様な人材を積極的に活用しようという考え方はビジネス上の経営戦略としても使われています。
ダイバーシティの概念(多様性)には、女性活躍やセクシャル・マイノリティの他にグローバル化も含まれています。国際化が進む中で、多彩な異文化が共存共栄するグローバル・ダイバーシティを取り入れることは、企業イメージにも繋がります。
文化に配慮し、互いに尊重することが重要となります。技能実習生を受け入れると、企業イメージという側面にもメリットがあり、技能実習生を受け入れている企業は、外国人雇用で一歩リードしていると言えるでしょう。
- 2019.11.18外国人材採用の基本的なルールと採用までの流れ
目次
“外国人を採用”と聞くと、「ハードルが高そう」、「採用したいけど手続きがよくわからない」、といった声があがります。そこで、外国人を採用する際の基本的なルールと採用までの流れをご紹介し、外国人雇用について理解を深めていただけたらと思います。
外国人は就労可能な在留資格がないと日本で働けない
外国人が日本で就労するには、就労可能な在留資格を持っていないといけません。これを持っていないと、不法就労になってしまいます。
就労ビザという言葉を耳にすることがありますが、厳密には就労ビザという言葉はなく、就労が目的になる在留資格を慣例的に「就労ビザ」と呼ばれています。 就労可能な在留資格は以下の通りです。職種、業種を問わず就労可能な在留資格
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」
これらの在留資格は、職種・業種問わず就労でき、自由に転職が可能となっています。一定範囲内の職種、業種、勤務内容に限って就労可能な在留資格
在留資格 該当例 (1) 外交 外国政府の大使,公使等及びその家族 (2) 公用 外国政府等の公務に従事する者及びその家族 (3) 教授 大学教授等 (4) 芸術 作曲家,画家,作家等 (5) 宗教 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 (6) 報道 外国の報道機関の記者,カメラマン等 (7) 高度専門職 ポイント制による高度人材 (8) 経営・管理 企業等の経営者,管理者等 (9) 法律・会計業務 弁護士,公認会計士等 (10) 医療 医師,歯科医師,看護師等 (11) 研究 政府関係機関や企業等の研究者等 (12) 教育 高等学校,中学校等の語学教師等 (13) 技術・人文知識・国際業務 機械工学等の技術者等,通訳,デザイナー,語学講師等 (14) 企業内転勤 外国の事務所からの転勤者 (15) 介護(※1) 介護福祉士 (16) 興行 俳優,歌手,プロスポーツ選手等 (17) 技能 外国料理の調理師,スポーツ指導者等 (18) 技能実習
(1号、2号、3号)技能実習生。対象職種にて就労可能 (19) 特定技能(1号、2号) 技能実習の上位資格。対象職種にて就労可能 (平成30年8月現在の一覧が掲載されています。特定技能での受入は平成31年4月より可能になりました。)
外国人の募集から採用まで
外国人が就労できる基準を理解したところで次に、実際に外国人を雇用する手順を説明します。
- 外国人を募集する
外国人派遣会社・紹介会社や、ハローワークなどの公的機関を使い、募集をかけます
- 面接を行う
- 雇用契約書を作る
- 入国管理局に申請を出し、在留資格(就労ビザ)を取得する
- 外国人就労スタート
以上のステップを経て外国人を採用していきます。
採用までの流れに慣れれば簡単に採用ができるようになりますが、⑴~⑿の在留資格に関しては専門的な資格を持っている人という限られた条件があり、⒀は大学を卒業していることや日本語能力等の条件があります。募集時に、求めている人材と在留資格が見合わない、人が集まらないといった壁が立ちふさがります。
そんなときは、技能実習生・特定技能採用をオススメします。
専門機関が採用をフォロー「技能実習・特定技能」
技能実習生や特定技能の在留資格を持った外国人を雇用するには、海外の送り出し機関から募集した人材を、日本の監理団体を通して採用することになります。
送り出し機関や、監理団体(外国人採用のスペシャリスト)が現地視察や面接、配属から配属された後のケアをしてくれます。
外国人採用の大きな壁はコミュニケーションがとれるかどうか。日本語を話せる外国人を採用したい企業が多い中、技能実習生や特定技能の在留資格を持った外国人は日本語教育を受けた人材であるため、日本語でコミュニケーションをとりながら働いてもらうことが可能になります。
ミャンマー・ユニティが送出しているミャンマー人技能実習生は募集してから企業に配属するまで約6~7ヶ月です。人材を採用したい時期から逆算して面接に行くことで確実な人材確保が出来ます。
例えば日本人の新卒採用ですと、何社も面接を受ける方が多い為、採用通知を出した後に辞退をされ再度募集を出さなくてはいけない、ということが起きることがありますが、技能実習生はこの会社でこの技術を学びたい、という意思の下面接に参加します。
また、在留資格取得のために「この会社で働きます」という会社の情報や雇用条件書等を提出して在留資格を取得します。そのため、よっぽどのことがない限り、就業場所の変更をすることが出来ません。
また、1期生の配属後、1期生の面接に行った時と同じタイミングで2期生、3期生の受入を行うことで1期生が2期生に仕事を教えるという先輩後輩の流れもでき、人材の成長にも繋がるのです。
関連リンク技能実習生の就労までの手続きと流れ
- 2019.10.07特定技能と技能実習。外国人をどちらで雇用すべきなのかを徹底解説
目次
特定技能と技能実習の違い、メリット・デメリット
2019年4月より新しい在留資格「特定技能」が施行され、外国人の雇用方法がさらに広がりました。
特に単純労働と呼ばれる分野においては、今までの技能実習に加えて新しく特定技能が始まったわけですが、その2つの違い、メリット・デメリットはとてもわかりにくいですね。
ミャンマー・ユニティでは、今まで特定技能と技能実習の違い、メリット・デメリットについて解説してまいりましたが、今回は職種ごとに、どちらを選ぶべきかを細かく解説してまいりたいと思います。
関連リンク 【介護職種】技能実習と特定技能1号の違い(メリット・デメリット) 【介護以外の職種】技能実習と特定技能1号の違い(メリット・デメリット)
なぜ技能実習より特定技能をおすすめする職種があるのか
技能実習よりも、特定技能で採用したほうがよいと思われる職種について解説します。
日本政府は、2017年11月より外国人技能実習機構を設立し、その運用を開始しました。 外国人技能実習機構設立の目的は、2017年11月より施行された新しい技能実習法(正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)の厳格な運用です。
当初は、外国人技能実習機構は、入管や厚労省労働局から人材をかき集めて結成されましたので、監理団体許可が遅れたり、実習計画認定作業が遅れたりとバタバタの状態でしたが、やがて体制が整うにしたがい、当初の目的であった技能実習制度運用の厳格化への着手が始まりました。
これにより、「技能実習法を厳格に守れない企業は、技能実習を実施するべきではない」という、本来当たり前のようなお話が、とても重要になってきました。
つまり、特定技能も技能実習も両方選べる職種において、技能実習法が守れそうにない場合は、特定技能を選ぶべきである、ということになるわけです。
技能実習は法令遵守が厳格に求められる
外国人技能実習機構が求める技能実習法の厳格運用とは主に以下の三点です
- 技能実習計画を厳正に実施しているか
- 労働基準法を遵守しているか
- 技能実習生の人権を尊重しているか
技能実習計画を厳正に実施しているか
技能実習法においては、実習実施者(実習生を雇う企業や団体・個人)が外国人技能実習機構に技能実習計画を認可してもらい、実習生に対して技能の習得を図らなければなりません。
技能実習計画には、必須業務、関連業務、周辺業務があり、職種・作業ごとにそれぞれが日本政府からどのような技能実習を実施すべきかその内容を制限されており、実習実施者は、実習生に対して、必須業務を業務の半分以上行わせなければなりません。
実はこれが想像以上に難しいのです。
元来、日本の製造現場においては「多能工」が望まれています。つまり、さまざまな作業をこなせる作業員が多いほど、現場は無駄な待ち時間や、上流工程・下流工程の無理解からくる品質低下や生産性低下が防げます。
対して、技能実習法は、必須業務を50%以上行うことを義務付けています。関連業務、周辺業務についても制限されており、実習生になんでも頼むことは許されません。 つまり、多能工は認められないわけです。
言い換えれば、実習生が多能工化すると法律違反となるのです。
そもそも技能実習とは、祖国で従事していた仕事に対して、日本でその同じ仕事の技術を磨き、帰国後また同じ仕事に就くことを想定してできた法律です。(前職要件については若干の例外規程はあります)ですから技能実習法では、技術を磨く範囲を限定しており、特定の作業しか従事できないという制限があるのです。
しかし、製造現場・建設現場などでは多能工が求められるのが現状です。つまり、技能実習法では必須作業を半分以上行うことが求められているが、現場のニーズが違うのです。
しかし現場は、本来できる仕事が限られている技能実習生に対して、様々な仕事をさせてしまいがちです。でもこれは違法になるわけです。
2019年初頭頃から、外国人技能実習機構は、この技能実習計画と違う作業をさせている企業を厳格に取り締まりはじめました。
関連リンク 技能実習のデメリット(特定技能ではメリットになる)
この新聞記事にあるように、日本を代表する企業である三菱自動車やパナソニックなどが、突然技能実習法違反で摘発され、新聞沙汰になり、大きな社会的制裁を受けたのです。
これはもう他人事ではありません。
技能実習生を雇っている企業には、外国人技能実習機構が抜き打ちで検査に来ます。そして、企業と実習生に聞き取り調査をするのです。企業の職員への聞き取りのみならず、外国人技能実習機構は通訳を連れてきて、実習生に対しても直接聞き取りをします。これが抜き打ちで来ますので、実習生は本心を話してしまいます。
「あなたはどこで、どんな仕事をしていますか?」
「一日何時間働いていますか?」
「残業代は正しくもらっていますか?」つまり、外国人技能実習機構の抜き打ち検査があると、技能実習法違反はすぐにバレてしまいまうのです。
普段から万全な体制を敷いていないと、この抜き打ち検査には対処できません。つまり、厳正な技能実習法の運用が求められるのです。その第一のポイントが、実習実施者は、実習生に対して、必須業務を業務の半分以上行わせなければならない、という点なのです。
実際に新聞沙汰になった三菱自動車のケースはこの「技能実習計画通りに作業をさせていなかった」ことによるものでした。
労働基準法を遵守しているか
技能実習においては、労働基準法の遵守が厳正に求められます。ポイントは以下の3点です。
賃金を正しく支払っているか
雇用契約書通りの賃金が支払われていること、またその時給計算が正しいことが厳正に求められます。
残業代を正しく支払っているか
サービス残業はないこと、時間外手当が正しく支払われていること、時間外の割増手当が正しく支払われていることが厳正に求められます。
36協定違反はないか
36協定(サブロク協定)とは、1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた労働(残業)や法定休日の出勤を可能にするために、会社と従業員の間で締結される協定のことです。36協定は、労働基準法で定められたルールに基づいて締結、運用されなければなりませんが、中小零細企業においては、その多くにおいて36協定自体がない場合があります。36協定に関して労働基準法違反になるケースは、下記のケースです。
- そもそも36協定を締結せずに残業・法定休日出勤をさせられている
- 36協定を会社が勝手に作っている
- 週15時間・月45時間を超えて残業させられている
- 特別な事情なく月45時間を超えた残業をさせられている
実際にはかなりの割合で36協定違反が横行しているといえるでしょう。新聞沙汰になったパナソニックのケースは残業のさせすぎ、つまり、36協定違反によるものでした。
技能実習生の人権を尊重しているか
技能実習生も人間です。日本国憲法で基本的人権が保証されていますので、技能実習生の雇用においても、人権を守る必要があります。
人権違反の主なケースは
- 暴力、暴言
- パスポートを預かる
- 貯金通帳、キャッシュカードを預かる
- 在留カードを預かる
- 強制的に預金をさせる
- その他技能実習生の自由を奪う行為
が挙げられます。
これらは、いかなる理由があっても、人権違反とされますので注意が必要です。
特定技能と技能実習どちらで外国人を雇うべきか職種別解説
特定技能でしか外国人を採用できない職種
ここでは、法令上、技能実習や高度人材(在留資格:技術人文国際)では外国人を雇用できない職種が対象となります。つまり、技能実習の職種にないもの、またはデスクワークを主体とする職種がこれにあたります。
特定技能でしか外国人を採用できない職種としては、次のものが挙げられます。(1)外食
外食業(飲食業)とは、一般的に言うレストラン・ファーストフード・居酒屋などのことで、飲食店営業許可を得ている業態を言います。日本標準産業分類上,「飲食店」又は「持ち帰り・配達飲食サービス業」に分類される事業者である必要があります。但し、風俗営業(風俗営業許可を必要とする業態)においては特定技能による外国人就労は認められませんので、注意が必要です。 例えば深夜営業するカラオケボックスは風俗営業に当たりますので許可されません。 また、物販業(物品販売をする小売店)は、外食業(飲食業)ではありませんので、特定技能による外国人就労は認められません。
外食業における特定技能外国人が従事する主たる業務は、飲食物調理,接客,店舗管理で、それに付帯する各種業務も実施可能です。 付帯業務とは、入出庫作業、配達、清掃作業等が挙げられます。 しかし、付帯する業務が業務のほとんどを占める場合は、違法性が高くなりますので注意が必要です。
(2)建設の一部
建設の中でも、吹付ウレタン断熱工事等作業及び関連工事作業に従事する吹付ウレタン断熱と水際線域、水上で行うしゅんせつ及び構造物の製作・築造等の作業に従事する海洋土木工は特定技能でしか認められていません。(3)食品製造の一部
下記の職種は、食品製造業でありながら、技能実習が認められておりませんが、特定技能は認められています。製麺製造業、菓子製造業、豆腐製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、食肉製品製造業、魚肉ねり製品製造業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、みそ製造業、醤油製造業、氷雪製造業、納豆製造業、ソース類製造業、食用油脂製造業、マーガリン又はショートニング製造業、添加物製造業、製菓材料等製造業、粉末製造業、調味料等製造業、液卵製造業
特定技能で外国を採用を勧める職種
ここでは、法令上、技能実習や在留資格「技術・人文・国際」(高度人材)で雇用すると法令違反になるおそれがある職種が対象になります。具体的には下記のケースが対象になります。
現場作業で、かつ、多能工を必要とする場合または技能実習で定められた必須作業が50%未満の場合(様々な業務に関わらせたい場合)
前述の通り、製造現場や建設現場においては、生産性を上げるために、作業員にさまざまな業務に携わってもらいたい場合が多いです。 しかし、技能実習法では必須作業を半分以上行うことが求められています。また職種ごとにさせてはいけない仕事も決められています。 実習生に対しては、実習実施計画に基づいた仕事をしてもらう必要があり、様々な仕事を任せることはできません。
また、技能実習で職種ごとに定められた必須作業が現場の実情と合っていない場合もあります。 つまり、技能実習制度が現場のニーズと異なっている場合が少なくありません。 こうした場合は、特定技能で外国人を雇うほうが安全です。法令違反の恐れがある技能実習は避けたほうがいいでしょう。現場作業で、かつ、技能実習で定められた設備や要件が備わっていない場合
一例として「技能実習 “惣菜”」の場合は下記の要件や設備が必要とされており、これをクリアしていない場合は、技能実習が認められません。
他の職種でも同様です。定められた設備や要件が備わっていない場合、技能実習は認められませんので、特定技能での外国人受け入れをおすすめします。【技能実習「惣菜」の定義】
技能実習「惣菜」を実施するには、下記条件をすべて満たしている食品(つまり惣菜)を製造している必要があります。- そのまま食事として食べられる状態に調理されて販売されるものを製造すること
- 蓋付きの容器などに包装し、持ち運び可能な形態で出荷されること
- 中食(なかしょく)の環境で調理することなく食べられるようになっていること。つまり、家庭・職場・屋外などの任意の場所で調理することなく食べられるようになっていること。
- 食材を炊く、茹でる、揚げる、炒める、煮る、焼く、蒸す等の加熱調理及び洗浄・殺菌処理や和(あ)える等の非加熱調理により、衛生的に製造された、即食可能な加工食品を製造すること
【技能実習「惣菜」の実習実施者の要件】
また、技能実習「惣菜」を実施するには、製造業者が下記条件をすべて満たす必要があります。- 食品衛生法に基づく営業許可(惣菜製造業<煮物、揚物、焼物、サラダ等の製造>または飲食店営業<調理パン、弁当等の製造>)を有しており、これに基づいて「惣菜」を製造していること
- 大量調理マニュアルを適用していること(A及びB、又はA及びC)
A)同一メニューを「同一メニューを1回300食以上」又は「1日750食以上」調理施設
B)加熱調理食品の加熱温度管理(標準作業書(手洗いマニュアル、器具等の洗浄・殺菌マニュアル、原材料等の保管管理マニュアル、加熱調理食品の中心温度及び加熱時間の記録マニュアル))に従い、温度と時間の記録を行うこと。
C)非加熱で調理する食材の洗浄または殺菌の実施記録を行うこと。 - 即食性(そのまま食すること、若しくは適温に温める程度で食することができることをいう)のある惣菜を製造していること
- それぞれの調理方法ごとに大量調理ができる設備※を有し、当該設備を使用して惣菜を製造していること
※例えば、「炒める」の場合は、20L容量以上の固定式ロースター(平釜・回転釜)を1台以上(ただし、連続式の場合は1種類以上、固定式の場合は2種類以上の所有が要件)
【技能実習「惣菜」における必要な設備】
連続式の場合は1種類以上、または 固定式の場合は2種類以上所有している必要があります。炊く:連続式若しくは固定式3升(約4.5kg)を6釜以上
茹でる:連続式若しくは固定式茹漕(50L水容量以上)を2台以上
揚げる:連続式若しくは固定式フライヤー(18L容量以上の油槽)を1台以上
炒める:20L容量以上の固定式ロースター(平釜・回転釜)を1台以上
焼く:連続式若しくは(コンベクション)オーブン6段以上を2台以上
蒸す:連続式若しくは固定式蒸し器(9kg1回処理以上)を1台以上
煮る:満タン50L水容量以上の固定式釜を1台以上
合(和)える:10kg以上の食材を混合する固定式ミキサーを1台以上
連続式野菜洗浄機(500L水容量以上)技能実習でしか外国人を採用できない職種
ここでは、法令上、特定技能や在留資格「技術・人文・国際」(高度人材)では外国人を雇用できない職種が対象になります。具体的には、下記のケースが対象になります。
業種 職種 作業名 建築関係 さく井 - パーカッション式さく井工事
- ロータリー式さく井工事
冷凍空気調和機器施工 - 冷凍空気調和機器施工
建具製作 - 木製建具手加工
石材施工 - 石材加工
- 石張り
タイル張り - タイル張り
サッシ施工 - ビル用サッシ施工
防水施工 - シーリング防水工事
ウエルポイント施工 - ウエルポイント工事
築炉 - 築炉
繊維・衣服関係 紡績運転 - 前紡工程
- 静紡工程
- 巻糸工程
- 合ねん糸工程
織布運転 - 準備工程
- 製織工程
- 仕上工程
染色 - 色
- 織物・ニット浸染
ニット製品製造 - 靴下製造
- 丸編みニット製造
たて編ニット生地製造 - たて編ニット生地製造
婦人子供服製造 - 婦人子供既製服縫製
紳士服製造 - 紳士既製服製造
下着類製造 - 下着類製造
寝具製作 - 寝具制作
カーペット製造 - 織じゅうたん製造
- タフテッドカーペット製造
- ニードルパンチカーペット製造
帆布製品製造 - 帆布製品製造
布はく縫製 - ワイシャツ製造
座席シート縫製 - 自動車シート縫製
その他職種 家具製作 - 家具手加工
印刷 - オフセット印刷
- グラビア印刷
製本 - 製本
強化プラスチック成形 - 手積み積層成形
紙器・段ボール箱製造 - 印刷箱打抜き
- 印刷箱製箱
- 貼箱製造
- 段ボール箱製造
陶磁器工業製品製造 - 機械ろくろ成形
- 圧力鋳込み成形
- パッド印刷
リネンサプライ - リネンサプライ仕上げ
空港グランドハンドリング - 航空貨物取扱
- 客室清掃
技術・人文・国際で外国人を採用すべき職種
(1)大卒以上の専門知識が必要な場合
(例)設計、測量、生産管理、IT技術者(2)机上作業が主な任務で、かつ多能工を必要とする場合(様々な業務に関わらせたい場合)
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(例)中小企業の製造現場で設計を主体とするが、製造も監督する場合- 2019.07.29【最新比較】技能実習と特定技能1号の違い|メリット・デメリット
目次
介護以外の職種とは
こちらの記事では、技能実習も特定技能1号も受け入れを許可されている介護以外の職種について、比較をしていきます。
内容に入る前に、まずはどのような職種が本記事の対象となるのか簡単にご紹介いたします。- 農業
- 食品製造
- 機械・金属
- プラスチック成型
- 塗装
- 溶接
- 工業包装
- 自動車整備
- ビルクリーニング
もっと詳しく対象職種をご覧になりたい方は関連リンクからご確認ください。
おすすめ記事【技能実習・特定技能】受け入れ可能な職種一覧
「技能実習で受け入れ可能」「特定技能1号による受け入れが可能/不可能」「技能実習3号に移行できない」職種・作業をまとめてご覧いただけます。また、技能実習と特定技能の面接から配属までの期間や雇用人数などを一度に比較できる表が詳細欄からご確認いただけます。受け入れ検討の際にぜひご活用ください。
介護職の比較についてはこちらの記事をご覧ください。
おすすめ記事【介護】技能実習と特定技能1号の違いーメリット・デメリット
介護職種の技能実習と特定技能1号において制度の違いとメリットとデメリットを徹底解説。両者の特徴を比較しながら、ケース別でどちらの在留資格を選ぶのがよいかや、おすすめなどをご案内いたします。これから外国人の雇用を検討している事業者様は必見の内容です。
技能実習と特定技能1号はどちらがよいか
技能実習と特定技能1号はどちらがよいかとよく聞かれます。
もちろん、特定技能が許可されていない職種や、外食産業などの技能実習が許可されていない職種においては、比較しても意味がありません。
しかし、両方が許可されている職種においては、どちらを選ぶべきかとても迷ってしまいますね。
政府の資料を見ても、用語が難しすぎたり、資料が多すぎたりしてよくわからない方も多いと思います。そんなお悩みの方々に、ミャンマー・ユニティがお答えしましょう。
総合的に見ると、技能実習の方が導入メリットが高いと考えられますが、ケースバイケースでその判断は分かれます。なぜなら、企業ごとの事情などにより、メリット・デメリットの感じ方が異なるためです。
ここでは技能実習と特定技能1号の違い(どちらがよいか?、メリット・デメリット)について解説します。
おすすめ記事在留資格の比較
技能実習と特定技能ができるが技能実習をおすすめする職種(介護と建設職種以外) おすすめ在留資格 技能実習 特定技能 おすすめ度 おすすめ理由(メリット) 技能実習期間は転職ができないので雇用が安定する。 現地求職者が集ま […]
技能実習のメリット(特定技能1号ではデメリットになる)
技能実習は転職ができないので雇用が安定する
まず、1つ目の技能実習のメリットは「転職がない」ということです。
技能実習は、日本政府(外国人技能実習機構)が、特定の事業者(事業所)に対して、特定の技術を習得するために外国人に日本在留を許可するというスタイルです。
ですから、自由に就業場所を変えることはできません。
仕事の種類(作業)も変えることができません。つまり、転職という概念がないのです。
日本は未曾有の人材不足に直面しています。
おすすめ記事日本は未曽有の人材不足
日本が高齢社会である現状と、そこから考えられる労働人口の減少にフォーカスしました。労働人口減少の対応策として外国人人材のご説明をいたします。
有効求人倍率は歴史的水準に上昇してまいります。
人材不足の企業様における一番の悩みは、離職率が高いことだと思います。
採用しても、採用しても、辞められてしまう。
その繰り返しに困り果てている企業は少なくありません。
ですから「転職がない」という部分に大きなメリットを感じる企業様も多いようです。
対して特定技能においては、原則として転職が許されます。(特定技能を受け入れることを許可されている事業者には転職か可能です)
多大な費用と手間と時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは企業にとっては「絶対に避けたいこと(デメリット)」と映ることが多いようです。
つまり、転職があるかないか、という観点で言えば、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。
技能実習は面接候補者が集まりやすい
2つ目のメリットは「面接を受けたい候補者が多い」ということです。
特定技能は「日本語評価試験」「技能評価試験」2つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来きません。これが日本で働きたいと思っている外国人の前に立ちはだかるハードルとなるため、面接候補者が集まりにくいというデメリットがあります。
おすすめ記事特定技能1号 入国までの流れ
特定技能1号 の申し込みから入国、配属までの流れになります。「特定技能資格保有の場合」と「日本語資格のみの場合」に分けて解説しています。また、日本・ミャンマーそれぞれの対応についても記載してありますのでご覧ください。
対して、技能実習は資格がなくても日本に行けますので、ミャンマー人にとっては日本に行くためのハードルが低く、魅力が高いと言えます。
技能実習は在留期間が長く、最大で合計10年働ける
3つ目の能実習のメリットは「合計10年日本で働ける」ということが挙げられます。(一部の職種は8年だけ働けます)
技能実習は最長5年です。
特定技能が許可されている職種においては、技能実習を3年経れば、無試験で特定技能1号に移行できますので、特定技能1号で5年働けて、合計8年働けます。また、技能実習3号が許可されている職種においては、技能実習を5年やれば、特定技能1号が5年できますので、合計10年働けます。
一方、特定技能1号で日本に入国しますと、最長5年しか働けません。
これが、5年以上の長期雇用を希望している企業にとっては、デメリットと感じる部分となります。つまり、働ける年数で考えますと、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。
特定技能1号のメリット(技能実習ではデメリットになる)
特定技能は初年度から採用できる人数枠が大きい
次に、特定技能1号のメリットを解説していきます。
1つ目のメリットは、「初年度から採用できる人数枠が大きい(雇用できる人数が多い)」ということです。
おすすめ記事技能実習生の人数枠(介護職種以外)
基本人数枠 実習実施者の常勤の職員の総数 技能実習生の人数 301人以上 常勤職員総数の 20分の1 201人~300人 15人 101人~200人 10人 51人~100人 6人 41人~50人 5人 31人~40人 […]
技能実習は、採用できる人数枠が決まっているため、すぐにでもたくさんの人材が必要な企業にとってはデメリットとなります。
介護以外の職種においては、初年度は例えば常勤職員数が30名以下の場合は、1社で実習生を3名しか採用できません。
この場合、次年度になれば最初の3名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、また3名採用できます。
3年目も同様で、二期生の3名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、また3名採用できます。
つまり、常勤職員数が30名以下の介護以外の職種の企業においては、3年間で9名の実習生を雇用できます。建設分野においては、上記の枠に加えて、令和4年4月1日以降は、実習生の数が常勤職員の総数を超えてはならなくなります。(優良な実習実施者・監理団体は免除)
※優良な実習実施者以外の団体監理型技能実習で常勤職員数が9人未満(1~8人)の場合、現行は最大9名の実習生を受け入れることが可能ですが、令和4年4月1日の新制度告示施行後は、常勤職員数までしか受け入れられないこととなります。対して、特定技能(建設と介護以外の職種)は初年度から、人数枠の制限なく雇用ができます。
※特定技能の建設分野では常勤職員数までしか雇用できません。深刻な人材不足に悩んでおられる企業は、
いくら待っても人材が来ない。
いくら費用をかけても人材が採用できない。
よい人材が採用できない。
入社してもすぐに辞めてしまう・・・人材獲得に関する悩みは尽きないと思います。
そうなれば、俄然、特定技能の出番です。
介護と建設以外の職種においては、特定技能では制限なく一気に外国人を雇用できるわけですから、人材に困っておられる企業は、特定技能を選ぶことになります。つまり、採用できる人数枠においては、特定技能に軍配が上がる(人数枠が大きい)ということになると思われます。
特定技能は受け入れ後の制約事項が少ない
2つ目のメリットは、「雇用上の制限が少ない」ことが挙げられます。
2019年の初め頃から、突然日本政府(外国人技能実習機構)の技能実習に対する締付けが大変厳しくなりました。
それまでは、事実上許されていたことも、次々に摘発され、新聞沙汰になるほどになったのです。具体的には、技能実習計画に基づいた作業を忠実に実施していないと法律違反として、実習取消処分になるようになりました。
また、36協定など、労働基準法に違反すると、これも実習取消処分になるようになりました。実習取消処分が下されると、これはもう悲劇です。
まず、企業は実習生をすべて雇えなくなります。
つまり人材が足りなくなります。
そして最も悲劇的なのは、実習生の行き場がなくなることです。
実習生が日本に来るためにかけた時間、費用が無駄になってしまうのです。
中には日本に来るために借金を背負った実習生は、その借金が返せなくなってしまいます。ですから、このような悲劇が起こってはいけませんので、監理団体は、企業に対して厳しく監査・巡回をして法令違反を防止しなければなりません。
具体的には、監理団体は毎月、実習先の企業を回り、事業者と実習生にヒヤリングを行います。
そして賃金台帳や出勤簿をチェックして労働基準法違反がないかどうかチェックします。
それらは監理団体に義務付けられており、監理団体自体も遵守しないと悪質なケースは監理団体許可が取り消されてしまいます。一方、特定技能においては、上記ような厳しい規制はありません。
仕事内容についても、一度出入国在留管理庁(入管)の審査が通れば、事業所内のどのような作業をしてもほぼ許されます。
毎月の巡回・監査は不要ですし、3ヶ月に1回の国への報告が必要なだけで、制限はとても少ないのです。つまり、雇用上の制限が少ないという観点においては、特定技能に軍配が上がるということになります。
技能実習と特定技能1号を選ぶ際のポイント
以上をまとめると、介護以外の職種において『技能実習』と『特定技能1号』を選ぶ際のポイントは下記のようになります。
★技能実習がおすすめ
- 転職の心配を最小限にとどめ安定的な雇用をしたい場合
- 確実に外国人人材を受け入れたい場合
(面接候補者が集まりやすいため) - 1人の外国人を長期雇用したい場合(最大10年)
★特定技能1号がおすすめ
- 雇用初年度からたくさんの外国人を雇用したい場合
- 法的な制限を最小限にとどめたい場合
どちらで外国人を雇用するのがよいかは、企業の状況によってこれだけ変わってきます。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、何を重要視するかで判断することが求められます。ご自身の企業において、どちらの外国人人材を雇用するのがよいか等、ご不明な点がありましたら、ミャンマー・ユニティまでお気軽にお問い合わせください。
- 2019.07.26【介護】技能実習と特定技能1号の違いーメリット・デメリット
目次
介護職種において技能実習と特定技能1号とはどちらがよいか
技能実習と特定技能1号はどちらがよいかとよく聞かれます。
結論から申し上げますと、技能実習の方が導入メリットが高いと考えられますが、ケースバイケースでその判断は分かれるようです。
なぜなら、介護事業者様の個別の事情により、『技能実習』と『特定技能1号』のメリット・デメリットの感じ方が異なるためです。ここではその介護職種における、それぞれの在留資格の違い(どちらがよいか?、メリット・デメリット)について、下記の関連ページをもとに解説します。
おすすめ記事【介護職種】技能実習と特定技能1号の比較
介護職種における技能実習と特定技能1号を各項目で比較した表です。
技能実習のメリット(特定技能のデメリット)
転職ができないので雇用が安定する
まず、技能実習のメリット1つ目は「転職がない」ということです。
技能実習は、日本政府(外国人技能実習機構)が、特定の事業者(事業所)において、特定の技術を習得する目的で外国人に日本在留を許可するというスタイルです。
ですから、仕事の種類(作業)も就業場所も自由に変えることができません。
つまり、転職という概念がないのです。
事業者様の一番の悩みは、離職率が高いことです。
採用しても、採用しても、辞められてしまう。その繰り返しに困り果てている事業者は少なくありません。
事業者様の声を聞くと、離職率が30%、35%というお話もよく聞きます。
そうなると、事業者様の人事部は、年中採用活動に忙殺されます。そのような状況の中、「転職」という概念がない技能実習は、事業者様にとっては大きなメリットを感じるようです。
対して特定技能においては、原則として転職は許されています。(特定技能を受け入れることを許可されている事業所に転職可能です)
多大な費用・手間・時間を費やして外国から招き入れた外国人に、一瞬のうちに転職されてしまうとしたら、それは事業者様にとっては「絶対に避けたいこと(デメリット)」と映ることが多いようです。
つまり、転職があるかないか、という観点で言えば、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。
面接候補者が集まりやすい
2つ目のメリットは「面接を受けたい候補者が多い」ということです。
介護職種の特定技能は「日本語評価試験(JLPT N4以上もしくはJFT-Basic合格)」「介護日本語評価試験」「技能評価試験」3つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来ません。これが日本で働きたいと思っている外国人の前に立ちはだかるハードルとなるため、面接候補者が集まりにくいというデメリットがあります。
おすすめ記事特定技能1号 入国までの流れ
特定技能1号 の申し込みから入国、配属までの流れになります。「特定技能資格保有の場合」と「日本語資格のみの場合」に分けて解説しています。また、日本・ミャンマーそれぞれの対応についても記載してありますのでご覧ください。
対して、介護技能実習生は日本語能力試験(NAT-Test)4級に合格すれば日本に行けます。3つの試験に合格しなければならない特定技能よりも、ミャンマー人にとっては日本に行くためのハードルが低く魅力が高いと言えます。
在留期間が長く、最大で合計10年働ける
3つ目のメリットは「合計10年日本で働ける」ということです。
技能実習は最長5年です。
しかし、技能実習2号まで(実習期間3年)実施していれば、無試験で特定技能1号に移行することができます。特定技能1号では5年働くことができるため、技能実習を3年実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、技能実習期間と合わせて合計8年働くことができます。
また、技能実習3号まで(実習期間5年)実施した後、特定技能1号へ在留資格を変更すれば、最大で合計10年働くことができます。一方、特定技能については、現状介護職種は特定技能2号への移行対象ではないため、1号期間のみの雇用となり、最長でも5年の雇用期間となります。
これが、5年以上の長期雇用を希望している事業者にとっては、デメリットと感じる部分となります。1人の外国人介護士をできるだけ長い期間雇用したい事業者様は、まず技能実習での受け入れを行い、特定技能1号へ在留資格を変更することで長期雇用が可能となります。
つまり、働ける年数で考えますと、特定技能よりも技能実習に軍配が上がります。
特定技能1号のメリット(技能実習のデメリット)
人員配置基準に配属後すぐに算入できる
次に、特定技能1号のメリットを解説していきます。
1つ目のメリットは、「事業所に配属後すぐに人員配置基準に加えることができる」ということです。
一方で、技能実習で外国人を雇用した場合は、実習生を事業所に配属してから、6ヶ月間は人員配置基準に算入できないことがデメリットとなります。
度重なる介護報酬の削減や人材不足などにより、経営状態が悪化している事業者様もあるようです。
そのような中で、外国人を雇っても、国から介護士として認めてもらえない(人員配置基準にカウントできない)ということは、つまり、もうひとり介護士を雇わなければならなくなるということです。日本政府が技能実習において、6ヶ月間人員配置基準に含めないという判断をした理由は、EPA(経済連携協定)と同様な人員配置基準にしないと、EPA制度を利用する人たちから苦情が来るからと言われています。
この日本政府の判断は事業者にとってはとてもつらいものですが、すぐには覆すことはできません。ですから、外国人介護士を配属後すぐに人員配置基準に入れたい、とおっしゃる事業者様は、特定技能を選ぶことになります。
つまり、人員配置基準の観点からは、特定技能に軍配が上がるということになります。
新設から3年間未満でも導入できる
2つ目のメリットは、「新設の事業所でも外国人の雇用が可能」ということが挙げられます。
一方で、技能実習においては、施設開所後3年間は実習生の受け入れができないデメリットがあります。
特に事業展開を積極的に実施している事業者様においては、新設事業所で外国人介護士を受け入れることができないのは、とても困ることのようです。
なぜなら、新設事業所こそが一番人手を集めるのに苦労するからです。ですから、新設事業所をお持ちの事業者様において、外国人の雇用をする場合は、特定技能を選ぶケースが多くなると思われます。
つまり、新設事業所で外国人介護士を導入できるかどうかにおいては、特定技能に軍配が上がるということになります。
初年度から常勤介護職員数まで採用できる
3つ目のメリットは、「外国人介護士の雇用における受け入れ人数枠が大きい(雇用できる人数が多い)」というところです。
おすすめ記事介護職種の技能実習生の人数枠
介護職種における技能実習生の人数枠を分かりやすく表にしました。介護団体監理型と企業単独型のそれぞれの場合で実際の人数枠を想定できます。
技能実習においては、初年度は例えば1事業所の常勤介護職員数が60名の場合は、実習生を6名しか採用することができません。
次年度になれば、最初の6名が技能実習2号に移行するため、技能実習1号の枠が空き、また追加で6名採用できます。
3年目も同様で、二期生の6名が技能実習2号に移行しますので、技能実習1号の枠が空き、さらに追加で6名採用できます。
つまり、常勤介護職員数が60名の事業所においては、3年間で18名まで実習生が雇用できます。対して、特定技能は初年度から、常勤介護職員の数まで一気に雇用ができます。
1号特定技能外国人の受け入れ人数枠は、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を超えないこととされます。
「日本人等」については、次に掲げる外国人材はそれに含まれます。
- 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
- 在留資格「介護」により在留する者
- 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する者
つまり「日本人等」の中には、技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生は含まれません。
介護業界では、深刻な人材不足に悩んでおられる事業者様がとても多い状態です。
いくら待っても人材が来ない。
いくら費用をかけても人材が採用できない。
よい人材が採用できない。
入社してもすぐに辞めてしまう・・・人材獲得に関する悩みは尽きないようです。
技能実習においては、受け入れ人数枠の制限が大きいので、外国人を採用したとしても、それでも職員が足りないという状況はすぐには解決できない場合があります。
したがって、人材不足に困っている事業者様は、常勤介護職員数まで一気に外国人を雇用できる特定技能を選ぶことになります。
つまり、採用できる人数枠(受け入れ人数枠が大きいかどうか)においては、特定技能に軍配が上がるということになります。
受け入れ後の制約事項が少ない
4つ目のメリットは、「雇用上の制限が少ない」ということです。
2019年の初め頃から、日本政府(外国人技能実習機構)の技能実習に対する締付けが厳しくなりました。
それまでは事実上許されていたことが、取り締まりが突然強化され、次々に新聞沙汰になるほどになったのです。
具体的には、技能実習計画に基づいた作業を忠実に実施していないと法律違反として、実習取消処分になるようになりました。
また、36協定など、労働基準法に違反すると、これも実習取消処分になるようになりました。実習取消になると、これはもう悲劇です。
まず、企業は実習生を全員雇えなくなります。つまり人材不足に陥ります。
そして最も悲劇的なのは、実習生の行き場がなくなることです。
実習生が日本に来るためにかけた時間、費用が無駄になってしまうのです。
中には日本に来るために借金を背負った実習生は、その借金が返せなくなってしまいます。ですから、このような悲劇が起こらないように、監理団体は企業に対して法令遵守をチェックするため、厳しく監査・巡回をしなければなりません。
具体的には、監理団体は毎月、技能実習先の企業を回り、事業者と実習生にヒヤリングを行います。
そして賃金台帳や出勤簿をチェックして労働基準法違反がないかどうかチェックします。
そして国に報告できるよう、記録を残すのです。対して、特定技能においては、そのような厳しい規制はありません。
仕事内容についても、一度出入国在留管理庁(入管)の審査が通れば、事業所内のどのような作業をしてもほぼ許されます。
毎月の巡回・監査は不要ですし、3ヶ月に1回の国への報告が必要なだけで、技能実習と比べると、制限はとても少ないのです。つまり、雇用上の制限が少ないという観点においては、技能実習よりも特定技能に軍配が上がるということになります。
前職要件がない
4つ目のメリットは、技能実習生には必要な「前職要件がない」ということです。
前職要件とは、団体監理型技能実習の場合は、日本で従事する業務と同種の業務を母国で経験する必要があるということです。
しかし、海外では日本の「介護」のような職種がない国も多く同種の業務を経験するというのはハードルが高いです。
そのため、前職要件を満たすには下記の教育課程を修了する必要があります。- 2ヶ月以上320時間以上の訓練
- そのうち1か月以上160時間以上の介護職種に関する課程を満たしている
参考<厚生労働省:技能実習「介護」における固有要件について>
ほとんどの技能実習生は上記の教育課程を修了する必要があるため、受け入れをしたいと考えてから入国までに時間がかかってしまいます。
一方で、前述にもありますが介護職種の「特定技能」では、「日本語評価試験」「介護日本語評価試験」「技能評価試験」3つの試験に合格しなければ日本に行くことが出来ません。取得しなければならないというハードルがありますが、すでに3つの資格を取得している外国人であれば、圧倒的にスムーズに受け入れることができます。技能実習と特定技能それぞれにメリット・デメリットがあります。次の項目では各在留資格のおすすめポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
介護職種での技能実習と特定技能1号の選び方
以上をまとめると、『技能実習』と『特定技能1号』を選ぶ際におさえておくべきポイントは下記のようになります。
★技能実習がおすすめ
- 転職の心配を最小限にとどめ安定的な雇用をしたい場合
- 確実に外国人介護士を受け入れたい場合
(面接候補者が集まりやすいため) - 1人の外国人を長期雇用したい場合(最大10年)
★特定技能1号がおすすめ
- 雇用後すぐに人員配置基準に参入したい場合
- 新設の事業所で外国人を雇用したい場合
- 雇用初年度から最大人数を雇用したい場合
- 法的な制限を最小限にとどめたい場合
- 前職要件がない
介護職種に限定しても、特定技能1号と技能実習のどちらで外国人を雇用するのがよいかは、事業者様の状況によってこれだけ変わってきます。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解し、何を重要視するかで判断することが求められます。ご自身の事業所において、どちらの外国人材を雇用するのがよいか等、ご不明な点がありましたら、ミャンマー・ユニティまでお気軽にお問い合わせください。
- 2019.07.25コンビニで働く外国人の在留資格とは?
平成30年10月末までの外国人雇用状況届出書によると日本で就労している外国人は146万人いるといわれています。近年、コンビニや居酒屋等身近なところで働く外国人を目にする機会が多くなってきました。例えばコンビニでレジでの会計作業や商品陳列のような単純作業(アルバイト)に従事している外国人はどのような在留資格で働いているのでしょうか。
コンビニで働くことが許可される在留資格の種類
外国人が日本で生活するためには在留資格が必要になります。在留資格は下記の種類があり、それぞれ就労の決まりがあります。
- ○:身分に基づく在留資格を持っている外国人
- 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「永住者」「定住者」などの身分系在留資格の場合、就労の制限はありません。上記の在留資格を持っている人はコンビニで働くことが出来ます。
- △:非就労系の在留資格の場合
- 「留学」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」「研修」の場合には、基本的に日本国内では働くことができません。しかし、在留カードの裏面下部にある「資格外活動許可欄」の部分に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」を書かれていればコンビニ等でのアルバイトは可能です。資格外活動(留学生のアルバイト等)で働いている外国人は約34万人いると言われています。
- ×:就労目的で在留が認められる在留資格ではコンビニで働けない
- 「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「介護」「特定技能」の場合には、コンビニ等で単純作業に従事する目的で働くことができません。 例えば「技能実習」は技能実習生として日本に入国してきているため、外国人技能実習機構へ申請した就業場所と別の会社で働いていると不法就労になってしまいます。
現在コンビニで働くことが出来る外国人には上記のような在留資格の制限があります。しかし最近特定技能で外食業が認められる等今後外国人就労が拡大していくことが期待されています。
閉じる- 2019.07.24介護人材の人手不足がやばい|介護の業界の人手不足の理由と対策を徹底解説
目次
労働人口減少による有効求人倍率の上昇
歴史的水準まで上がる有効求人倍率
いつの間にか人手不足を感じたり、採用がしにくくなったと感じたりしていませんか?
日本では介護業界だけでなく、すべての業界・職種において人材採用が困難になってきており、人手不足に陥っています。
人事担当者の共通の悩みは、「離職が多い」「採用が難しい」「採用に経費がかかりすぎる」です。採用の難しさを測る「有効求人倍率」はすでに歴史的水準まで上昇しています。
その理由は労働人口の減少
なぜこんなにも有効求人倍率が上昇するのでしょうか?
一番の原因は、労働人口(生産年齢人口)が年々減少しているからです。平成30年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.63倍となり、新規求人倍率(季節調整値)は2.41倍です。
これは全ての業界が人手不足になることを意味しています。
そして、この人手不足は今後さらに深刻化していきます。
なぜなら、今後ずっと、毎年労働人口(生産年齢人口)は減少していくからです。
関連リンク介護業界に対するニーズの増加
高齢化により要介護者が増える
そして介護業界はさらに深刻な影響を受け、人手不足が加速します。
なぜなら、ニーズがどんどん増加するからです。このように今後老齢人口は増加の一途をたどります。
そうすると要介護者が増えます。75歳以上の人口は、2005年には1,160万人でしたが、2030年には2,260万人とほぼ倍増します。
そして2055年には2,387万人になります。高齢化の原因としては医療技術等の進歩のほか、生活環境や食生活の改善などによる平均寿命の延伸や、少子化の進行による若年人口の減少が挙げられます。
このように日本では少子高齢化が進むことで総人口が減少し、生産性の低下と労働力人口も減少します。つまり、高齢化により介護業界はニーズがどんどん増加する一方、増加するニーズに対して人材の確保が追い付かず、人手不足へと繋がっていくのです。
少子化により高齢者を支える人手が足りない
少子化とは、出生率が低下し子供の数が減少することを表しています。
日本では1942年出生数269万人、合計特殊出生率4.32が過去最高ですが 、2020年には出生数84万832人、合計特殊出生率1.34と過去最低を記録しています。
このような少子化が起こる原因として、未婚化・晩婚化・晩産化、女性のライフスタイルの変化、経済的負担などが挙げられます。時代が進むにつれ結婚出産に対する意識の変化がみられ、必ずしもしなくてはならないという考えではなく、選択の一つとして捉える方が増え、また結婚していても子どもを持たず、夫婦二人で楽しむという選択をする方もたくさんいらっしゃいます。
そして女性のライフスタイルの変化により、働く女性が増えたことで初婚年齢や出産年齢が高くなる現象(晩婚化・晩産化)が生じています。
このように女性の社会進出が進む一方、子育て支援の体制が不十分であり、仕事と育児の両立への不安感が深まり、出産育児という選択肢が制限されているということも晩婚化晩産化が進む原因となっています。
また全体的な所得減少や出産育児により仕事から離れ失う所得が大きいことなどによる経済的不安も原因のひとつとして挙げられます。これらの理由から少子化は進み、高齢者を介護する人手も確実に減少してしまいます。
子が親を介護するスタイルからの変化
以前は、自分の子供や専業主婦である嫁が、高齢になった親を家庭内で介護するというのが一般的なスタイルでした。
しかし、少子化や女性の社会進出などによるライフスタイルの変化により、子が親と同じ空間で共にできる時間が減り、子が親を介護するスタイルに無理が生じるようになりました。そのような背景から介護保険制度が始まり、介護が必要な人に対して国から費用が給付されるようになりました。
その結果、施設利用者は状況に応じて様々な民間サービスを選べるようになったことで、介護業界に対してニーズがより高いものとなり、労働者の人手不足が加速しています。
今後も加速する介護の人手不足
労働者減少とニーズ急増で介護職不足が加速
人口減少、国内空洞化などの理由により、国内のほとんどの産業においてマーケットが縮小し、深刻な人材難は大きな問題となってまいりました。
労働人口(生産年齢人口)の減少による有効求人倍率の上昇は全産業に人手不足をもたらしていますが、介護業界にはもう一つ「ニーズの急増」という大きな問題があり、この2つの強烈なダブルパンチを受けて、今後劇的なスピードで人手不足がさらに深刻化していきます。
人手不足に直面する介護事業所の現状
①介護労働者の21.6%が60歳以上
平成30年度の調査では、全介護労働者のうち60歳以上が占める割合が21.6%となりました。
65歳以上の割合も12.2%と1割を超え、平成26年度の調査から4年間で、60歳以上の介護労働者の割合は年々増加の一途をたどっている現状です。
②介護労働者の悩みの上位は「人手が足りない」
労働条件・仕事の負担に関する悩みについての調査によると、54.2%と半数以上の介護労働者が「人手が足りない」ということを悩みにもっています。
また、人手が足りないことが影響していると考えられる悩みとして、「有給休暇が取りにくい」「休憩が取りにくい」なども多くを占めています。
③介護施設の67.2%が人材不足を感じている
平成30年度に介護施設の従業員の過不足を調査した結果、67.2%の事業所が人材不足を感じていることが分かりました。これは平成25年度の調査から、10%以上増加しており、5年連続で不足感が増加しています。
また、不足している理由としては「採用が困難である」が89.1%で、同業他社との人材獲得が激しいということが採用困難の原因の半数以上を占めています。
介護職に対するネガティブイメージ
(株)リクルートキャリアが行う、介護サービス業の就業人口を増やすためのプロジェクト「HELPMAN JAPAN」において、介護業界で働いていない500人を対象とした意識調査が実施されました。
その調査結果によると、介護業界での就労をためらう理由として「体力的・精神的にきつい仕事が多い」や「離職率が高い業界」などを挙げる人が多く、介護職に対してネガティブなイメージを抱いていることがわかりました。
一方、介護業界の実状についての認知調査では、「業界全体の離職率は産業全体と大きく変わらないこと」「約4割の事業所は1年以内の離職率が10%未満であること」などの実態への認知が極めて低く、また「技術の進化によって腰などを痛めず、身体負荷をかけずに生涯働ける環境になっていること」についてもほとんど認知されていないことがわかります。
このことから、全体的に介護業界の実状についての認知が低く、実態とは異なるイメージを抱いている人が多くいるということになります。つまり、介護業界での就業をためらう理由にあるネガティブなイメージに繋がってしまうのです。
2025年問題で前例のない人材不足に
介護保険制度がスタートした2000年、介護職の数は55万人でした。
それが5年後には倍増、10年後には3倍となりました。2021年に厚生労働省が発表した介護職員の必要数では、2023年は約233万人(約22万人不足)、2025年は約243万人(約32万人不足)、2040年は約280万人(約69万人不足)必要とされています。
介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について広がりを見せる外国人雇用で人材不足対策
政府が外国人を受け入れる環境を整備
政府は介護業界の人材不足対策として、特別に外国人労働者を優先的に許可する規制緩和を続けてきました。
EPA、在留資格「介護」の創設、そして技能実習への介護職種追加・・・
そして、ついに2019年4月からは新しい在留資格「特定技能」を介護業界に許可しました。
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介護職種の技能実習と特定技能1号において制度の違いとメリットとデメリットを徹底解説。両者の特徴を比較しながら、ケース別でどちらの在留資格を選ぶのがよいかや、おすすめなどをご案内いたします。これから外国人の雇用を検討している事業者様は必見の内容です。
外国人労働者の受け入れ状況
平成30年度の調査によると、調査に回答した約9000の事業所において、外国人労働者を受け入れている事業所は全体の2.6%とまだ少数であることがわかりました。
一方で、今後外国人労働者を活用する予定がある事業所は、全体の13.3%ですので外国人労働者に対する関心は高まっています。
中でも、外国人労働者を活用する予定があると回答した事業所の半数以上は、「技能実習生」での受け入れを予定していると回答しています。(※調査対象期間は平成30年10月であり「特定技能」は創設前のため含まない)
外国人労働者に対する印象の違い
外国人労働者を受け入れている事業所は全体の2.6%と少数ですが、外国人労働者を活用する上での課題については、受け入れていない事業所よりも受け入れている事業所のほうが、支障が少ないと感じている傾向にあります。
また、介護労働者においても、外国人労働者と一緒に働いていない人より、一緒に働いている人の方が、不安感が少なく外国人労働者に対してポジティブな印象を持っています。
特に、外国人労働者と一緒に働いている人は「職場に活気が出る」「利用者が喜んでいる」といった面で、一緒に働いていない人と比べて約2倍の割合の人がよい印象を感じているようです。
各介護事業所での人材不足に対する対策
人手不足なのにどうしたらいいのかわからない介護施設様も多いのではないでしょうか。すでに大きな影響を及ぼしている人材不足に対していったい何ができるのでしょうか。 今現在働いているスタッフの離職率を下げるため、そしてこれから介護士とし働きたいと思う方がひとりでも多く増えるように、 まずは労働環境の改善を行う必要があります。上記で説明した通り労働環境の悪化は離職率の上昇を促している大きな要因であります。 労働環境の改善方法
- ・全体のミーティングを増やすことでひとりひとりが発言でき、スタッフ同士がコミュニケーションをとりながら情報交換ができる場を作る
- ・スキルアップをはかるため勉強会や研修を開催しモチベーションをあげる
- ・ICTによる業務代替も有効な方法となります。これは業務を効率化するだけではなくサービスの質の向上や利用者の満足度にもつながるため有効な方法のひとつとなります。
- ・国が積極的に進めている外国人労働者雇用の制度もあります。
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介護業界での外国人材の採用の方法と制度、介護業界の人手不足の背景と原因、外国人の採用方法の種類、ポイント、手法についてと採用時に企業が利用したい助成金制度・助成金の種類について解説します。
さらに現在政府は介護士の人材確保を目的とし、介護職員処遇改善加算制度を導入しています。 給与が安いといったイメージを持つ方は多いですが、実際は年々介護士の平均給与が少しずつ上がっています。 ネガティブなイメージを払拭するために応募の際に積極的にアピールしていくことも重要です。
深刻化する介護業界の人手不足についてまとめ
未曾有の人材難が日本全体を襲います。
そして介護業界はさらに巨大な人手不足の波が遅い、さらにその波は2055年まで年々大きくなっていきます。
少子高齢化は進み続け、2025年には団塊の世代がすべて75歳以上となるため約55万人の介護人材の確保が必要といわれています。
介護職員が良い環境で労働できる、また要介護者が適切な介護サービスを受けることができるようにそれぞれの介護事業所が目的に合わせた方法で人材確保をできるように検討していきましょう。介護事業者においては、今後外国人雇用が必須となっていくと予想されます。
- 2019.07.24日本は未曽有の人材不足
目次
日本の人口は減り続ける
とても悲しいお知らせがあります。
日本では少子高齢化が叫ばれで久しいですが、我々が生きている間にはもう日本人の人口が増えることはありません。
出生率を上げれば人口が維持できるという意見がありますが、実際は、日本人女性の人口が減り続けていますので、少しばかり出生率を上げたところで日本の人口は増えることはありません。
今の日本は出生率が1.42ですから、一世代あとになると新生児は3割以上減ります。
その先の世代ではさらに3割以上減り、2世代前の5割以下になります。
その次の世代はさらに3割以上減ります。
一世代を仮に30年とすると、90年で新生児は元の35%以下になります。人口動態の予測は様々ありますが、一説によると100年後の日本の人口は約3分の1になってしまうという説もあります。
実のところ、今の日本の人口が激減せずに済んでいるのは、実は日本人の人口減少を外国人の入国で補っているからです。
日本は49年前から高齢化社会だった
高齢化社会の定義は国連が決めています。
65歳以上の高齢者の比率が人口の7%を超えると高齢化社会といいます。実は日本は49年前に高齢化社会に突入しました。
この日本はもう半世紀も前から高齢化社会なのです。今や高齢化率は27.7%。
そして出生率は1.42です。日本の高齢化率はダントツの世界一
日本の高齢化率はダントツの世界一です。
そして今後も世界一をキープしつづけます。
そして日本の高齢化率は40%に近づきます。2019年現在、日本の高齢化率は、欧米の先進国と比べても圧倒的に高いです。
上記グラフでは、現時点の順位は日本、ドイツ、スウェーデン、フランス、イギリス、アメリカの順で、さらに今後も日本の高齢化率はこれら欧米先進国を引き離していきます。
欧米の先進国は、2035年ごろから高齢化率に歯止めがかかる時代が来るのですが、日本は依然高齢化率が上昇し続け、やがて40%近くに達していきます。日本の高齢化率はアジア各国にくらべてもダントツに高いです。
上記グラフでは、現時点の順位は日本、韓国、シンガポール、タイ、中国、インド、インドネシア、フィリピンの順ですが、今後これらアジア各国も日本の高齢化率を追っていきます。
中国や韓国は、日本の後を追って高齢化率がぐんぐん上昇しますが、それでも日本は首位をキープし続けます。日本の人口ピラミッドの推移
図をご覧ください。
1920年の日本の人口ピラミッドは、まさしくきれいなピラミッド型でした。
それが2015年になりますと、かなりいびつな形になります。2015年の人口ピラミッドにおいて特筆すべきことは、70歳近辺に戦後のベビーブーム世代、つまり団塊の世代がいることです。
このときは一年に250万人が生まれました。対して今、新生児が生まれる数は年間100万を割り込みました。
そうなると、単純に引き算をすると150万人が減ることになります。
団塊の世代が退職・・・年間250万人
新生児 ・・・年間100万人
---------------------------------------------------------
150万人の減少!この150万人の差が、じわじわと日本を苦しめるのです。
労働人口(生産年齢人口)は年間約60万人ずつ減っている
労働人口(生産年齢人口)は今後劇的に減少していきます。
2015-2020 341万人減少
2020-2025 256万人減少
2025-2030 312万人減少
※15年で909万人減少
2035-2040 556万人減少ここ4、5年前から急に人材採用がしにくくなったという声を聞きます。
それはなぜか。
理由は、労働人口(生産年齢人口)が年間約60万人ずつ、どんどん減っているからなのです。そしてこれはこれからも続きます。
ですから、人材採用の状況は「今がまだマシ」と言えます。
去年よりも今年のほうが人材不足になり、
来年は今年よりもさらに人材不足になります。
再来年は来年よりもさらに人材不足。
3年後は再来年よりもさらに人材不足。今後年を追うごとに人材不足はどんどん深刻化していきます。
2045年の人口ピラミッドはこのような形になります。
これは棺桶型と言われています。この日本は、棺桶に向かって歩んでいるのです。
もう外国人労働者に頼らなければ日本はやっていけない
年間約60万人ずつ、この日本から労働者が減り続けるわけですから、日本はこの労働者の減少によってやがて持ちこたえられなくなります。
いくらロボットだ、人工知能・AIだと言っても、すべての業界でそれが使えるわけではありません。
5年間で341万人労働力が失われるわけですから、それはもう深刻です。
ですからこの日本は、もう外国人労働者に頼らなければやっていけないのです。
日本に住む外国人の数
日本にはすでにたくさんの外国人が暮らしています。
その中で働いている方もたくさんおられます。
移民というと語弊がありますが、これらの方々をもし移民と呼ぶと、日本はすでに移民大国になっています。
OECDに加盟する35ヵ国の最新データによると、移民数は上から順にドイツ、アメリカ、イギリス、日本の順で、日本は韓国を抜いて移民数第4位です。これから外国人労働者は増え続ける
特にこれからは単純労働分野の外国人が増えると考えられます。
技能実習と特定技能1号を単純労働と仮定すると、現在その数は約32万人。
しかし3年後にはその合計数は60万人に達すると予想されます。
理由は、特定技能による入国が始まること、また許可される職種が増えることです。今回特定技能の許可業種に外食業と宿泊業が追加されました。
外食業とはレストラン、ファーストフード、居酒屋、ラーメン屋などを含みます。
日本全国に90万店あると言われる外食産業に特定技能が許可されたわけです。また、3100万人を超えた外国人観光客の受け入れにより、ホテルや旅館などの宿泊施設が不足しています。
当然働く人もたくさん必要になってきています。
観光立国を目指す日本政府としては、ホテル・旅館の人手不足は観光立国の障害になるとして、真っ先に特定技能を許可しました。
今後さらにホテル・旅館などの宿泊業には技能実習も許可されようとしています。ですから5年後には外国人の単純労働者は100万人に達すると予想されます。
5年間で341万人の労働力が日本から消失するわけですから、外国人100万人くらいは日本に来てもらって働いてもらわないと、日本はやっていけないのです。
もしかするともっと必要かもしれません。そして、10年後の日本は単純労働(技能実習と特定技能1号)の外国人が200万人を超えることが予想されます。
日本の至るところで外国人といっしょに働くことが当たり前になる時代がやってくると思います。東京の銀座でも、大阪の難波でも、京都でも、鎌倉でも、福岡の博多でも、もう外国人観光客だらけです。
5年ほど前までは外国人はほとんど見かけませんでした。
しかし、今では気がつくと外国人観光客が街を歩くことは当たり前になっていました。これと同じことが職場でも起こり始めます。
今は外国人と働くことは抵抗がある人が多いかもしれません。しかし、やがて、気がつくと、外国人といっしょ働くことが当たり前になっていることでしょう。
→リンク「介護業界は今後さらに人材不足が深刻化する。その理由は?」
閉じる- 2019.07.22在留資格「技能実習2号・3号」移行の流れと手続き
目次
技能実習生が就労した後の手続きについて
実習生は外国人技能実習機構(OTIT)へ計画認定を申請し、出入国管理局に在留資格の申請をして許可が下りてから日本に入国してきます。
では、実習生は入国した後は何もしなくても1号から2号および3号へ移行し、実習期間満了(2号なら3年、3号なら5年)まで働けるのでしょうか?
答えはNOです。
実は、実習生が予定している実習期間満了まで日本で働くには、毎年在留期間の更新をする必要があります。実習生就労後の各手続きの流れは下記表の通りです。
技能実習1号~2号移行時の手続き
技能実習2号への移行要件
以下、技能実習1号から2号へ移行する際の要件です。
- 技能実習1号と同一の実習実施機関で、同一の技術等について実習が行われること※同一の実習実施機関で実習ができない場合は除く
- 技能実習計画に基づき、さらに実践的な技能等を修得しようとするものであること
- 所定の技能評価試験(技能検定基礎級相当)の学科試験及び実技試験に合格した者であること
- 移行対象職種は省令で定められた職種、作業であること(令和3年1月8日時点で85職種156作業)
技能実習2号移行への流れ
技能検定2級の受験/結果の通知
1号から2号1年目へ移行する際、実習生は「2号移行試験」を受検します。2号移行試験は職種により内容が異なりますが、技能検定基礎級もしくは技能評価試験初級を指します。
試験には、学科試験と実技試験があり、どちらも合格しなくてはいけません。
試験は入国後8か月目を目安に受検をします。そのため、試験の申込みは入国してから6ヶ月目くらいから始めます。
入ってきてやっと職場に慣れたと思ったら、もう試験の準備をしなくてはならないのです。2号技能実習計画認定の申請/認定通知書の交付
入国時に外国人技能実習機構(OTIT)にする申請は「1号」時の計画認定の申請なので、2号の2年間分の計画認定を行います。
この書類も実習生の入国後6ヶ月~7ヶ月目を目安に準備を始めます。OTITに提出してから認定が下りるまでの認定機関は3週間~2ヶ月と言われており、各OTIT事務所によって審査の時間は異なりますので、前もって手続きすることが大切になります。
在留資格変更の申請
2号の計画認定が下りたら、技能実習1号から2号1年目への在留資格変更の申請を行います。実習生が働いている地域の管轄の入国管理局へ申請を行います。
入国管理局での審査は約1ヶ月なので実習生の在留期限が切れる1ヶ月前までには申請をする必要があります。
技能実習2号1年目~2号2年目の手続き
2号1年目から2年目の移行に関しては、1号から2号に移行するときのように試験を受けたり、認定をとる必要はありません。(2号移行時に取得する認定は2年分の認定になります。)
しかし、2号1年目の在留期限は1年間で発行されますので、2年目分の在留期間の更新をする必要があります。
在留期間の更新は入国管理局へ申請します。在留資格変更申請と同じでこちらの審査も約1ヶ月かかりますので在留期限の1ヶ月前までに申請する必要があります。技能実習2号2年目~3号移行の手続き
技能実習3号への移行要件
以下、技能実習2号から3号へ移行する際の要件です。
- 移行対象職種は省令で定められた3号移行可能な職種、作業であること(令和3年1月8日時点で77職種135作業)
- 3年間の実習終了後(2号修了後)、1ヶ月以上1年未満の一時帰国を行うこと
- 所定の技能評価試験(技能検定3級)の実技試験に合格した者であること
- 過去に技能実習3号を利用したことがないこと
- 主務省令で定められた優良基準に適合していると認められた監理団体および実習実施者であること
技能実習3号移行要件である優良実習実施者とは
技能実習3号を受け入れるためには、監理団体と実習実施者がそれぞれ優良な管理団体、優良な実施者の認定を受ける必要があります。
優良実習実施者のメリット
- 技能実習3号の受け入れ可能(実習期間最長5年)
- 技能実習生の受け入れ人数枠拡大
優良な実習実施者になる要件
120点満点の6割以上で優良な実習実施者となります。
1技能等の修得等に係る実績 配点 最大70点 Ⅰ 過去3技能実習事業年度の基礎級(初級)程度の技能検定等の学科試験及び実技試験の合格率(旧制度の基礎2級程度の合格率を含む) 95%以上:20点
80%以上95%未満:10点
75%以上80%未満:0点
75%未満:-20点Ⅱ 過去3技能実習事業年度の2・3級(上級又は専門級)程度の技能検定等
の実技試験の合格率 【計算方法】分母:新制度の技能実習生の2号・3号修了者数-うちやむを得ない不受検者数 +旧技能実習生の受検者数
分子:(3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2
80%以上:40点
70%以上80%未満:30点
60%以上70%未満:20点
50%以上60%未満:0点
50%未満:-40点* 上記の計算式の分母の算入対象となる技能実習生がいない場合は
過去3技能実習事業年度には2号未修了であった者の申請日時点の3級程度の
技能検定等の実技試験の合格実績に応じて、右欄のとおり加点する。合格者3人以上:20点
合格者2人:10点
合格者1人:5点
Ⅲ 直近過去3年間の2・3級程度の技能検定等の学科試験の合格実績
*2級、3級で分けず、合格人数の合計で評価合格者2人以上:5点
合格者1人以上:3点Ⅳ 技能検定等の実施への協力
*技能検定委員(技能検定における学科試験及び実技試験の問題の作成、採点、実施要領の作成や検定試験会場での指導監督などを職務として行う者)又は技能実習評価試験において技能検定委員に相当する者を社員等の中から輩出している場合や、実技試験の実施に必要とされる機材・設備等の賃与等を行っている場合を想定協力有:5点 2技能実習を行わせる体制 配点 最大10点(介護15点) Ⅰ 直近過去3年以内の技能実習指導員の講習受講歴 全員有:5点 Ⅱ 直近過去3年以内の生活指導員の講習受講歴 全員有:5点 Ⅲ 直近過去3年以内の介護職種の技能実習指導員講習の受講歴 全員有:5点 3技能実習生の待遇 配点 最大10点 Ⅰ 第1号技能実習生の賃金(基本給)のうち最低のものと最低賃金の比較 115%以上:5点
105%以上115%未満:3点Ⅱ 技能実習生の賃金に係る技能実習の各段階ごとの昇給率 5%以上:5点
3%以上5%未満:3点Ⅲ 技能実習生の住環境の向上に向けた取組 有:5点 4法令違反・問題の発生状況 配点 最大5点 Ⅰ 過去3年以内に改善命令を受けたことがあること 改善未実施:-50点
改善実施:-30点Ⅱ 過去3年以内における失踪がゼロ又は失踪の割合が低いこと ゼロ:5点
10%未満又は1人以下:0点
20%未満又は2人以下:-5点
20%以上又は3人以上:-10点Ⅲ 過去3年以内に責めによるべき失踪があること 該当:-50点 5相談・支援体制 配点 最大45点 Ⅰ 母国語相談・支援の実施方法・手順を定めるマニュアル等を策定し、関係職員に周知していること 有:5点 Ⅱ 受け入れた技能実習生について、全ての母国語で相談できる相談員を確保していること 有:5点 Ⅲ 過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために当該技能実習生の受入れを行ったこと 基本人数枠以上の受入:25点
基本人数枠未満の受入:15点Ⅳ 技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるため、実習先変更支援サイトに監理団体を通じて受入れ可能人数の登録を行っていること 有:10点 6地域社会との共生 配点 最大10点 Ⅰ 受け入れた実習生に対し、日本語の教育の支援を行っていること 有:4点 Ⅱ 地域社会との交流を行う機会をアレンジしていること 有:3点 Ⅲ 日本の文化を学ぶ機会をアレンジしていること 有:3点 参考:技能実習制度運用要項
技能実習3号移行への流れ
技能検定3級の受験/結果の通知
実習3年目の最終目標は、技能検定の場合は随時3級、技能評価試験の場合は専門級の受検し合格することです。
3号移行を希望している実習生も希望していない実習生も、帰国前に必ず随時3級相当の試験を受検する必要があります。受検のタイミングは在留期限の2~3ヶ月前になります。2号移行試験は実技と学科どちらも受検する必要がありますが、随時3級相当の試験は実技のみで問題ないとされております。(もちろん学科も受けても構いません。)
再受験は1回に限り認められています。3号に移行したい実習生の場合、合格は必須となります。3号技能実習計画認定の申請/認定通知書の交付
3号2年分の計画認定の申請をします。申請する書類の中には実習生のサインが必要なものもあるため、実習生が一時帰国する前に3号時の雇用条件の説明や締結が必要になります。
申請は2号移行時と同じく3週間から2ヶ月かかりますので、前もって手続きの準備が必要になります。
※3号技能実習は実習生の転籍が可能です。転籍する場合、認定申請は3号技能実習を行う実習実施者が行います。
一時帰国
3号移行を希望する実習生は、3年間の実習終了後、1か月以上1年未満の一時帰国を行う必要があります。一時帰国に係る旅費については、旧制度と同じく監理団体(企業単独であれば実習実施者)が負担する必要があります。
また、再入国の前に年金の脱退一時金の申請をすると、3年間払ってきた年金の1部が還付されます。(遡れるのは36ヶ月分)
一時帰国の期間が3ヶ月を超える場合は、地方出入国在留管理局において第3号技能実習開始時に一時帰国するまでの在留期間が決定されます。その場合、一時帰国の本邦入国は、在留資格認定書交付申請を行い、査証を取得して新規入国する必要があります。在留資格変更/在留資格交付の申請
3号に移行したい実習生の中には一時帰国はするがすぐにでも日本に戻ってきて働きたいという人もいれば、ゆっくり母国で休んでから日本に戻ってきたい、という人もいます。
前者の場合、2号の在留期限から2ヶ月以内に戻ってくる実習生であれば、出入国管理局にする申請は「在留資格変更申請」になります。
この場合、在留資格変更の許可が下りれば日本に戻ってくることが出来ます。後者の場合、2号の在留期限から日本への入国が3ヶ月を超える場合は「在留資格交付申請」になります。
この場合は在留資格が交付された後、母国の日本大使館にてビザの発行が必要になります。ビザ発行後、日本に入国することが出来ます。- 2019.07.13外国人採用は、ミャンマーが最高です
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ミャンマーの歴史
ミャンマーは2011年に民主化されました。
それまでのミャンマーは約50年に渡って軍事政権が支配していて、先進各国から経済制裁を受けて世界から孤立していました。 経済制裁を受けていた理由は、人権侵害、麻薬取引などです。例えば今のミャンマー国家最高顧問であるアウン・サン・スー・チー氏を当時のミャンマー政府が自宅軟禁していたことはご存知だと思います。当時のミャンマーは、軍事政権に背く人物をことごとく弾圧し、自由を奪っていました。また、国を挙げて麻薬栽培・麻薬取引をしていたことも経済制裁の理由でした。長く世界から孤立していたミャンマーは、世界経済の発展から取り残されていました。周辺の東南アジア各国が著しい経済発展を遂げる中、唯一ミャンマーだけがその発展から取り残されていました。先進国がミャンマーに対して経済制裁を行い、ミャンマーは対外貿易がほとんどできず、また外資の流入もほとんどなく、周囲の東南アジア諸国が経済発展する中でひとり取り残されていました。
元々ミャンマー(ビルマ)は、東南アジアでも一番発展していた国でした。しかし50年に及ぶ軍事政権の支配により、いつの間にか東南アジアでも最も貧しい、遅れた国になってしまっていました。
そんなミャンマーにもついに2011年民主化の波が押し寄せました。世界各国で民衆が蜂起し、次々に民主化されていく中で、ミャンマーの民主化も必然だったのではないでしょうか?
というわけで2011年にミャンマーは民主化されました。テイン・セイン政権が誕生し、民主化が進行していきました。やがて先進国による経済制裁も解け、ついにミャンマーが長い鎖国状態から「開国」したのです。
ミャンマーの若者が日本に行きたい理由
優秀な若者が多いが、いい仕事につけるチャンスがない
多数の若者が日本に行きたいと思う強い理由があります。
長い鎖国状態により、ミャンマーの工業化は遅れに遅れました。今も国民の9割が農業に従事しており、工業化されていないため、たとえ優秀な大学を卒業した優秀な若者であっても、就職先がない学生がたくさんいます。
日本でいう東京大学、京都大学、東京工業大学などの超一流大学に相当する難関大学であっても、採用されやすいわけではありません。
ですから、ある意味、優秀なミャンマー人を採用したい日本企業にとっては、宝の山なのです。超優秀な金の卵が中小企業でも採用できるチャンスがあるのです。
そうなると上位の大学ではない学生はもっと採用されるチャンスがありません。特にミャンマーでは、高校のときに受ける共通センター試験のような試験の点数により大学が割り振られるしくみになっており、特に文系学生や中級大学の工科系学生は就職先がなかなか見つからないのが現状です。
ですから、経済的事情により大学を中退したり、高卒、高校中退のミャンマー人は特に就職先がありません。
就職しても地方の簡単な仕事では月給が8,000円 程度
そのようなわけで、ミャンマーは失業率が高く、なかなか就職先がみつかりません。もし就職できたとしても、地方で、小売店店員やレストランのウェイター・ウェイトレスなどの簡単な仕事でしか採用されず、月給が10万チャット(8,000円)程度しかもらえません。
ミャンマーの平均的な家族構成を、両親と子供6人の8人家族と考えると、8人家族の中で仕事があるのが1人か2人という場合も多いようです。いくら生活費が安いといっても、8人家族が16,000円で暮らすのは楽ではありません。
医療保険制度や社会保障制度がないミャンマーでは、もし家族の中で一人でも病人が出たら大変です。病院では高額な医療費がかかり、途端に生活ができなくなります。生活するためには、病気になっても医者に行けず、結果的に早死してしまうケースも多くあるようです。ミャンマーの平均寿命が若いのはここにも原因があります。
というわけで、働いたとしても8,000円程度の月給では楽に暮らしていけるわけではないのです。
そんな状況の中で、もし彼ら、彼女たちが日本企業に採用され、働けるとしたらどうでしょうか?少なくとも、月給14万円はもらえるはずです。中には20万円以上もらえる場合もあります。そうすると、ミャンマーでの収入の20倍から30倍の収入になるのです。
3年働くと60年分~90年分の収入が得られるのです。
5年働くと100年分~150年分の収入が得られるのです。
10年働くと200年分~300年分の収入が得られるのです。もし、日本人の方々に「月給600万円で転職しませんか?」という話がきたらどう考えますか?
ほとんどの方が迷わず転職を考えるのではないか思います。(日本ではありえない話ではありますが)しかし、ミャンマーでは怪しげな人材会社も多く、ミャンマーの方々は騙されるのではないかと疑っています。怪しげな儲け話だと映るわけです。
しかし、もし信用できる人材会社から「日本に行って働きませんか?」と声がかかったらどうでしょうか?ほとんどの人が「日本に働きに行きたい!」と言うはずです。
私たちミャンマー・ユニティは、長い時間をかけてミャンマーで信用を積み重ねてきました。
ミャンマー・ユニティなら信用できる。
ミャンマー・ユニティで教育を受けて日本企業に採用された人たちがたくさん幸せに働いている。
私たちミャンマー・ユニティには、そんなよい評判がミャンマーの社会で駆け巡っています。私たちが正しくミャンマーの方々にお声がけをすれば、ほとんどの若者が「日本に働きに行きたい!」と言ってくれて、ミャンマー・ユニティの門をたたいてくれるようになりました。
ミャンマー・ユニティでは日本に行きたいという若者が、無限に集まるのです。
ミャンマー人の特徴
国民の9割が敬虔な仏教徒で、仏教文化が根付いている
ミャンマーは国民の9割が仏教徒です。その仏教も上座部仏教(小乗仏教)といって、日本の大乗仏教とはかなり違います。日本の大乗仏教は、庶民への浸透を図るために大衆化したものです。
対してミャンマーの上座部仏教は、言わば本物の仏教です。
ミャンマーのほとんどの仏教徒は、一度は仏門に入ります。一週間や二週間程度の修行である場合も多いですが、皆が頭を丸めて修行を行います。女性も仏門に入るときは頭を丸めます。
そして「現世で徳を積み、よい来世を迎える」という輪廻転生が重視されています。生きている間にできる限り徳を積む努力をします。
徳を積む方法としては「お寺に寄付をする」ことが広く行われています。収入の半分くらいをお寺に寄付をする人がかなりいます。
例えば月収が5,000円しかなく、とても貧しいのに2,500円を寄付してしまうようなことが当たり前のように行われています。
自分の生活よりも、徳を積むことのほうが重要なのです。
他に徳を積む方法として「人の役に立つことをできる限り行う」ことも広く行われています。ボランティア活動をすることはミャンマーの仏教徒にとっては当たり前のことのようです。
ですから、体の不自由なご老人のお世話をする「介護」は、働きながら現世で徳を積むことができるので、ミャンマーでは人気がある職種なのです。
介護をやりたいという人は、ミャンマー以外の国ではなかなか見つかりません。
介護をやりたいという人がたくさんいる国はミャンマーしかないと思います。心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目、犯罪が少ない
現世で徳を積まなければならないわけですから、犯罪を犯すと元も子もありません。徳がなくなってしまいますので、ミャンマーではこの宗教心から犯罪がとても少ないです。
日本は道徳教育が徹底していますので、犯罪が少ないのですが、ミャンマーは宗教心から犯罪が少なく、とても安心して生活できます。
他の東南アジアの国はどこも日本人が犯罪に合うことが多く、筆者も多くの国で危険な目にかなり遭いましたが、ミャンマーでは全く危険な目に合ったことがありません。
ミャンマーは心が純粋な人々が多く、勤勉で真面目な方がとても多いです。
強い自己主張をしないため、日本人と価値観が合う
そして、ミャンマー人の特徴としては、やはり日本人と価値観が合うことだと思います。国民性として、控えめでおとなしいこと、また身勝手な自己主張をしないことが、日本人ととても似ています。
他の東南アジアでは、国により程度の差はありますが、強く自己主張をしてくる外国人の方々が多く見られ、日本人には強い違和感を覚える方も多いと思います。
私たちミャンマー・ユニティでは、ミャンマー人が100人以上日本人と一緒に働いていますが、みんなとても温和で、争いごともなく、素晴らしい環境で働けてとても毎日が幸せです。
農業人口が多く、忍耐力のある若者が多い
ミャンマーは経済発展が遅れており、工業化が進んでいません。 国民の9割が農業に従事しています。
ミャンマーは暑いです。炎天下の中で黙々と農業に従事しています。かなりの重労働ですが、毎日それをこなしています。
ですからミャンマーにはとても忍耐力のある、屈強な若者が多いです。見た目は痩せていても、見かけ以上に皆体力があります。
次に注目する国はミャンマーである
ベトナムに代わる、人口の多い仏教国はミャンマーである
以前、外国人技能実習生といえば中国でした。
中国も30年くらい前までは収入が低く、今のミャンマー並の5000円から7000円くらいの月収しかえられませんでした。ですので以前、外国人技能実習生といえば中国だったのです。
しかしその中国も著しい経済発展とともに収入が上がり、やがて日本に働きに来る価値が相対的に下がってきました。
中国国内でもよい給料で仕事が見つかるならば、もう日本に行く価値はほとんどなくなっていきます。なぜなら、日本に行くためにはお金も、時間もかかりますし、家族と離れ離れの生活になるからです。
そのような理由で、今は日本の外国人技能実習生はベトナム人が一番多くなっています。
しかし、そのベトナムにも著しい経済発展の波が押し寄せています。今ベトナムでは月給が25000円くらいもらえるようになってきました。優秀な人、技術がある人、都市部ではもっと稼げます。
そうなると、今技能実習全盛期のベトナムもやがて日本で働く価値が相対的に低くなり、日本に行ってくれる人が少なくなってきます。
すでに建設や介護など、ベトナム人にも不人気の職種では、十分な候補者が集められなくなってきました。
私たちミャンマー・ユニティは日を追うごとに日本企業からの問い合わせが増えておりますが、ほとんどの企業や監理団体様は「ベトナムは限界が来た」「ベトナムでは候補者が集まらない」とおっしゃいます。日本企業はベトナムに代わる採用したい次の国を探しておられます。
しかし、ベトナムのような国はあまり見つかりません。 宗教が違ったり、あまりにも国が小さすぎたり、訪れるには危険すぎたり・・・
そして皆さんが次に注目する国がミャンマーなのです。
ベトナムに代わる、人口の多い仏教国はもうミャンマーしか残っていません。 ベトナムの次の国、それがミャンマーなのです。
親日国である(日本からの支援が1兆円以上!)
日本とミャンマーはとても親密です。 日本とミャンマーの親密な関係はミャンマー建国の歴史にさかのぼります。
ミャンマー国家顧問のアウン・サン・スー・チー氏の父親であるアウンサン将軍は、ミャンマー建国の父としてミャンマー人全体から敬愛されています。
アウンサン将軍は、当時イギリスに支配されていたビルマ(今のミャンマー)を独立させるために、日本軍の支援を仰ぎました。アウンサン将軍はイギリスから独立するために軍事戦略を日本から学び、日本軍とともにイギリスからの独立を勝ち取りました。
ミャンマーの人たちは、アウンサン将軍が日本の支援を受けたことを皆知っており、日本のおかげで独立できたことを知っています。ですから、ミャンマーの方々は日本に対して特別に親密感を覚えておられます。
また、日本からミャンマーへの支援もすでに1兆円以上に達しています。
今も、インフラ建設、医療から軍事に渡るまで、日本からミャンマーへの支援は続いています。
そして、ミャンマーの人たちは日本のことを尊敬し、憧れています。アジアで最も発展し、尊敬できる国民として、とても親密に感じておられます。
ビルマ語と文法が似てるため、日本語の上達が早い
ミャンマーはビルマ語(ミャンマー語)が公用語です。
そのビルマ語は、世界の中でもとても珍しく、日本語と文法が似ています。
ある意味日本語の単語を覚えれば、なんとか文章になるのです。ですからミャンマー人は日本語の上達が早いです。
またミャンマー人は日本語の発音が上手です。
ビルマ語は280音あり、日本の50音に比べてとても発音が複雑です。
しかしその280音の中に、日本の50音に似た発音があり、偶然ではありますが、日本語の発音がとても上手です。また他の経済発展が遅れた発展途上国に比べて、識字率が高いのもミャンマー人が日本語習得が早い理由でもあります。
閉じる- 2019.07.12技能実習生の注意点【受け入れ後】
目次
技能実習生受け入れ期間中の注意点
一般的な技能実習生受け入れ期間中の注意点については、以下の通りです。
実習、勤怠、賃金関係
技能実習日誌はきちんと作成されているか 技能実習指導員の方が記録し確認印を押します。また記録内容は実質的業務の他、週に2回(各1時間程度)は安全衛生講習を実施し、記録して下さい。 労基法を遵守しているか 実習実施者(受け入れ企業)との雇用関係のもと、日本人労働者と同じ労働関係法令等が適用されます。 賃金支給はきちんと行っているか 雇用契約通りの賃金支給(および各種控除)を行っているか確認してください。 36 協定は遵守されているか 労働基準法大36条により、会社は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働および休日勤務などを命じる場合、労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。 労働時間・賃金に格差はないか 技能実習生間で労働時間・賃金等に格差があると、技能実習生から不満が出る恐れがあります。 最低賃金を下回っていないか 賃金は、最低賃金額以上の額を支払わないといけません。たとえ、実習実施者(受け入れ企業)と技能実習生が最低賃金額を下回る賃金で合意し、労働契約を締結しても、その賃金額は無効となり、最低賃金額で締結したものとみなされます。また、最低賃金の改定時には要注意です。 一般のパート従業員との賃金比較 一般のパート従業員と技能実習生が同じ業務を行っていた場合、同一作業同一賃金の原則から、同じ賃金を支払う必要があります。 関連・周辺作業に偏っていないか 必須業務(実習時間全体の2分の1以上)・関連業務(実習時間全体の2分の1以下)・周辺業務(実習時間全体の3分の1以下)と、それぞれの実習時間の割合は決まっています。 申請と別の現場で実習していないか 技能実習計画の時に申請した現場で実習を行う必要があります。 就業規則を守っているか 技能実習生を含め労働者を常時10 人以上使用している場合は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。また、就業規則を変更した場合にも、同様に届け出が必要です。 実習生の声を聞いているか 実習生の労働環境が法令違反していたり、体調が悪いにも関わらず無理に働かせようとすると実習生は非常に辛い思いをします。そして実習生の途中帰国にも繋がる可能性があります。
途中帰国は、実習実施者(受け入れ企業)としても困ることだと思いますので、実習生の声にも耳を傾けるようにしてください。寮・社宅関係
室内は整理整頓され、清潔に保たれているか 室内の整理整頓は都度確認してください。特に飲食類の保存については注意が必要です。 同居人とのトラブルがないか 一緒に暮らしている技能実習生同士などでトラブルがないか注意してください。 無断外泊ないし部外者を泊めることがないか 技能実習生が無断で外泊していないか、また部外者や母国の家族などを呼んで泊めていないか確認してください。 ごみ捨てや生活はルール通りなされているか 技能実習生とは生活習慣が異なります。多少の誤解や失敗は考慮しつつ、技能実習生のためにしっかりとした指導を心がけてください。 外出・外泊関係
外出の際は、必ず在留カードを携帯しているか 在留カードは常時携帯してることが必要です。入国審査官、入国警備官、警察官から提示を求められた場合には提示しなければなりません。在留カードを携帯していなかった場合、20万円以下の罰金、提示に応じなかった場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されることがあります。 外泊禁止にしてはいけない 技能実習生を外泊禁止とすることは、私生活を制限しているとみなされ、違反行為となりますので注意してください。 自転車を拾って(盗んで)乗っていないか 道などで自転車を勝手に拾って(盗んで)きて乗っていないか確認してください。 他人のものを勝手に使用していないか 許可なく他人の物を使用していないか、また実習生間での物の貸し借りなどトラブルにつながる恐れがありますので注意が必要です。 ゴミ捨て場等から物を拾ってきていないか ゴミ捨て場に捨てられているものを勝手に拾ってきて使用していないか確認してください。 ギャンブル(パチンコ等)を行っていないか 実務研修に支障が出ないように生活指導を行ってください。 他でアルバイトをしていないか 技能実習生は本来の技能実習に専念してもらうため、資格外活動(アルバイト)は許可されていません。 生活全般
お金の無駄使いはないか 技能実習生がお金を無駄に支出していないか、都度確認してください。 同僚からの借金はないか 技能実習生同士や職場内でのお金の貸し借りがないか確認してください。 日本語を継続的に勉強しているか 入国前・入国後の講習が終われば実習しながら日本語を身に着けていくことになります。技能実習生が仕事をしながら、日本語を勉強できる環境を作ってあげてください。 病気や怪我を我慢していないか 慣れない地(日本)での病気やケガは技能実習生にとって大きな不安となります。なかなか言い出せないこともありますので、実習実施者様には気にかけていただきたいです。また、技能実習生は病院の場所や適切な受診科がわからない状態です。全てを代行してあげる気持ちで同行してあげてください。 公平な扱い
- 技能実習生を受け入れている工場間で、処遇が異なると、技能実習生同士で情報交換を行っている場合が多いため、不平不満が出る可能性があり注意が必要です。
- 会社方針として処遇に差が出る場合は、その理由等を技能実習生にきちんと説明し、納得を得てください。
レクリエーション
相互理解や意欲向上の為には、業務外に以下のレクリエーションを社内で実施したり地域交流としてイベントに参加することは効果的です。
- 日帰り旅行(東京ディズニーリゾート、富士山観光)
- カラオケ、ボーリング
- 食事会、食材差し入れ(春節の時期等に)
- 地域の季節イベント(お花見、夏祭り、ハイキング、クリスマス、お正月など)
技能実習生帰国時の注意点
帰国日のスケジュール調整
技能実習生の帰国日が近づいてきたら、在留期間内で三者にて協議の上、退職日および帰国日を決定致します。決定後、監理団体にて航空券を手配致します。 退職後、帰国までの間に以下の諸手続きがある為、余裕を持って帰国日を迎えることが望ましいです。
退職時の社内手続および注意点
給与 技能実習生に支払う最終給与は、帰国日の都合上、予め、スケジュール立てて給与計算を行う必要があります。支払方法は、現金支給して下さい。 有給休暇 実習期間中に消化するよう付与を推奨して下さい。帰国までに有給を消化出来ない場合、技能実習生から不満が出る可能性がありますのでご注意下さい。 年末調整 技能実習生が帰国する際には、12月を待たずに、最後の賃金で年末調整を行い、所得税の清算を行う必要があります。 社会保険喪失手続き 技能実習生は、厚生年金脱退一時金(※)の受給対象であることから、社会保険の喪失手続は勿論、年金手帳(脱退一時金の申請で使用)の返却漏れ等がないようご注意下さい。
本邦内の会社で6カ月以上働いたことのある外国人を対象に、厚生年金保険から支払われる一時金。日本に短期滞在する外国人の保険料の掛け捨てを防ぐために、外国人が日本を出国後(2 年以内)に請求すれば、厚生年金保険に加入していた期間に応じた、一時金が支払われます。(詳細は、日本年金機構 HP 参照)本件は、監理団体より送出し機関に申し送ります。健康保険証等の回収 健康保険証、社員証等退職時回収すべきものの回収を忘れないようご注意下さい。 住民税の清算 住民税は前年の所得金額に応じて後納で分割払いをする性質のため、実習生の帰国月によっては納税が残っている可能性があります。事前に管轄の市役所に問い合わせて帰国前清算をお願い致します。精算方法については、別途ご相談させて頂きますので、宜しくお願い致します。 帰国時のその他手続および注意点
市町村への転出届 住民登録をした市町村へは帰国前に必ず、転出届を行って下さい。厚生年金脱退一時金の受給要件に「日本国内に住所を有していない方」があり、転出届を出さないと、脱退一時金の還付が通常(凡そ帰国後半年後)より遅くなる可能性がありますのでご注意下さい。 外国人労働者(技能実習生を含む)の離職届け 外国人労働者(技能実習生を含む)の雇入れ又は離職の際に、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等について確認し管轄の公共職業安定所(ハローワーク)へ届け出る必要があります(離職した日の翌日から起算して十日以内に雇用保険被保険者資格喪失届と併せて必要事項を届け出ます)。 銀行口座の解約 最終給与支給し技能実習生が全金額を引き下ろした後、銀行口座は必ず解約させて下さい。銀行口座を残したままだと、銀行口座の売却等、悪用される恐れがありますのでご注意下さい。 携帯電話およびインターネット等の契約解除 技能実習生が契約を解除せずに帰国してしまった場合、帰国後も料金が発生し、受け入れ企業が負担するケースもある為、必ず解約させるのを忘れないようご注意下さい。 その他の注意点
「不法行為」に対する規制・監視の強化
- 随時、技能実習機構による実習実施機関への実地検査が行われ、不正行為の発覚があれば<改善命令>、<業務停止命令>、<認定の取消し>が適応されます。また、同時に不正行為を行った事業社名は各機関のHPに公表されます。
- 「実習生保護法」では技能実習生への暴言・違約金の徴収などに加え、パスポートを取り上げたり、私生活の自由を不当に制限したりする人権侵害行為に対し「6ヶ月以下の懲役、又は30万円以下の罰金」が課せられます。さらに暴行・脅迫・監禁その他の精神、又は身体の自由を不当に拘束する手段によって技能実習を強制する行為には「1年以上10年以下の懲役、又は20万円以上300万円以下の罰金」の重い刑罰が課せられます。
関連リンク閉じる- 2019.07.12【介護以外の職種】技能実習生の面接から配属までの流れについて
- 受け入れ申込~面接
- 直近2事業年度分の財務諸表、企業情報のご提出
- 受け入れ要望書の記入及び押印
- 雇用条件書、雇用契約書、覚書の記入及び押印1.3.に関しては監理団体により確認する書類が異なる場合があります。
- 会社の概要や仕事の様子がわかるような会社案内・職場の写真・寮の写真等の提出
- 1~4の情報をもとに監理団体から送出し機関に募集・面接準備の依頼 面接日程の候補時期の確定(募集には約1ヶ月程度かかります。)
受け入れ申込時 必要書類
- 雇用条件書
- 技能実習のための雇用契約書
- 雇用条件書に関する覚書
- 登記簿謄本
- 直近2事業年度分の財務諸表
- 実習実施機関情報(事務所・現場・宿舎の写真含む)
- 企業カレンダー(変形労働制の場合)
- 変形労働に関する協定書の写し(変形労働制の場合)
- 下記の書類の原本を、面接時に現地にご持参いただきます
面接時書類 必要書類
- 雇用条件書(様式1~4)×2部/人
- 技能実習のための雇用契約書×2部/人
- 雇用条件書に関する覚書×1部
- 技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書×人数分
- デマンドレター(監理団体作成)×2部
- その他、面接時の会社説明会にて、会社・職場の様子がわかるように、可能であれば ビデオ等をご用意
- 現地(面接時)での手続き(送出し機関により多少異なります。)
- 面接前に会社の説明をして頂きます。
- 採用者への会社・仕事内容・雇用条件等の説明をして頂きます。
- 雇用契約書、雇用条件書、その他覚書等の締結をして頂きます。
- 雇用契約書、雇用条件書は、原本は実習生と企業様にてそれぞれ保管。写しを送出し機関、監理団体にて保管。
- 雇用条件書に関する覚書は、原本は企業様にて保管。写しを各実習生及び送出し機関、監理団体にて保管。
- 面接後の手続き
面接後、入国ビザや在留資格等を得るための手続きを開始致します。各種書類作成のため各書類の内容確認や内容修正、押印等をお願い致します。
- 2019.07.11【介護職種】技能実習生の面接から配属までの流れについて
目次
技能実習生の日本語能力について
NAT-TEST4級取得までの手続き
面接時の学習進捗ならびに送り出し機関より毎月ご報告する学習状況レポートから、実習実施事業所ごとに内定者の4級合格日を予想していただき、4級合格後に送り出し国政府と外国人技能実習機構に対して書類申請する日を個別に仮設定いたします。仮設定した書類申請日に合わせ、下記【一般申請書類(必須)】及び【介護職種 追加申請書類(必須)】の作成を行います。その際、各種書類作成のため各書類の内容確認や内容修正、押印等をお願いいたします。
なお、受け入れ事業所内において複数の内定者の4級合格予想日が異なる場合は、合格した実習生から、随時書類申請を行うことを推奨いたします。技能実習生の感情としては一刻も早く日本で実習を開始したいと考えることが多いので4級取得者が現れ次第、次々に日本入国手続きを開始(つまり外国人技能実習機構に「技能実習計画認定」の申請手続きを開始)することが望ましいです。もし実習実施者が内定者全員同時入国を望まれる場合は、先に4級を取得した技能実習生が日本行きを待ちきれなくなって離脱する可能性がありますので、何卒ご配慮の程よろしくお願い申し上げます。
外国人技能実習機構への計画認定申請
基本的には一般職種の技能実習生の受け入れ時と同じ書類を提出します。
介護職種 追加申請書類(必須)
- 技術指導員の資格を証明する書類(下記のいずれかの書類)
- 介護福祉士登録証の写し
- 看護師または准看護師の免許証の写し
- 実務者研修修了証明書
- 技能実習を行わせる事業所の概要書
- 指定通知書の写し
- 申請者の誓約書
入国前の事前講習
面接後、内定者は入国に向け、現地にて引き続き事前講習を受講します。事前講習では、合計11ヶ月間の、日本語講習(10ヶ月間)及び介護講習(1ヶ月間)を行っています。内定者は面接後約6ヶ月間の日本語講習を経てNAT-TEST4級を取得後、3級取得を目指してさらに約4ヶ月間の日本語講習と1ヶ月間の介護講習を継続して受講します。内定者の学習状況は毎月ご報告致します。
受け入れ態勢
受け入れ事業者において選任が必須なスタッフは以下の通りとなります。選任が必須なスタッフに関しては異動した場合、異動届を監理団体経由で外国人技能実習機構へ提出する必要があります。
- 技能実習責任者必須
- 技能実習制度が円滑に且つ適正に実施出来るよう管理監督を担う。資格要件は、管理職以上で、技能実習計画認定申請時に最低 1 名選任。
- 技能実習責任者は3年ごとに主務大臣が告示した養成講習機関で養成講習を受講する必要があります。
- 現場または本社で選任。(施設であれば、施設長。本社であれば人事部長等)
- 関係官庁との連携も必要であることから、本制度のみならず、労働関係法令全般に対する知識が必要となります。
- 生活指導員必須
- 生活指導員は、現場(施設等)において、実技を除く、技能実習生に係る全般(日常生活指導、賃金、労働時間その他)の管理を担う。技能実習計画認定申請時に1 名選任。
- 生活指導員は、技能実習責任者あるいは技能実習指導員と兼任ができません。
- 技能実習指導員必須
- 技能実習指導員の資格要件は、技能実習生が修得する技能等について、介護福祉士またはこれと同等の資格や専門知識を有する者で5 年以上の経験を有する者と定められています。(但し実務者研修修了者に限り8年以上の経験を有する必要があります。)技能実習生5名に対し1 名選任が必要です。(実習生を10名受け入れる場合は指導員を2名選出します。)
コンプライアンス遵守の観点から、技能実習生に関する基本的な知識(技能実習制度や技能実習生特有の取扱い等)を有していることが望ましいです。 - 実習実施場所(施設等)を分けて技能実習を実施する場合は、実習実施場所ごとに技能実習指導員が必要となります(複数の現場に配属する場合は、現場毎の選任要)。
- 技能実習生が勤務している夜勤を含む全ての時間帯は、技能を指導出来る社員が勤務している必要があることから、本来は、それぞれの時間帯で技能実習指導員を選任しておくことが必要となります(技能実習指導員の上限人数に制限無し)。
- 技能実習指導員と技能実習責任者は兼任することができます。
- 技能実習指導員の資格要件は、技能実習生が修得する技能等について、介護福祉士またはこれと同等の資格や専門知識を有する者で5 年以上の経験を有する者と定められています。(但し実務者研修修了者に限り8年以上の経験を有する必要があります。)技能実習生5名に対し1 名選任が必要です。(実習生を10名受け入れる場合は指導員を2名選出します。)
技能実習生の報酬に関して
技能実習生の月給の手取り額が13万円以上になるようにご調整ください。また、面接応募者を十分に集めるために、技能実習生の希望が多い「寮のWifi無料提供」「通勤に自転車が必要な場合の自転車無償提供」をご検討ください。Wifi契約は技能実習生の不満発生を防止するために、上限なしの契約にしていただきますようお願いいたします。手取り額=月額固定給-税金-社会保険料-家賃-互助会費用などのその他控除額(水道光熱費、通信費、食費などは控除せずに計算します)
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