外国人エンジニア採用|即戦力エンジニア採用のメリット
外国人エンジニア採用にはどのようなメリットがあるのか。外国人エンジニア採用について日本でのエンジニア不足の背景からこれからの雇用増加について・人材を採用するメリット・採用のための注意点・働き方のポイントについてを解説します。
目次
国内の人材不足は年々深刻になっている
少子高齢化による労働人口の減少と、産業のIT化により、日本のエンジニア人材不足は年々深刻化しています。
すでに2015年の時点で、約17万人のエンジニア不足が結果としてある一方、エンジニアの需要も高まっています。
新型コロナウイルスのワクチン接種によって世界経済の回復兆候が見え始めたら、エンジニアの採用促進を始める企業がさらに増加し、
コロナ終息後には、日本のエンジニアの有効求人倍率は、上昇する可能性が極めて高いと予測されています。
経済産業省の調査によると、2030年には約80万人のエンジニア不足が懸念されます。
そこで今のうちに視野に入れたいのは、即戦力となる外国人エンジニアの雇用です。
外国人エンジニアの雇用増加
国内のエンジニア不足が懸念となり、日本のIT業界では、エンジニア雇用においての外国人労働者の雇用人口が急激に増えています。
2017年には5万2千人を超え、10年間で約3倍に増加しています。
技術部門の国際化を推進しているメルカリ社の例では、2018年度の新卒 の9割がインド人エンジニアだったことも話題となりました。
インド政府はIT産業の強化を国家戦略としているため、英才教育を施された 優秀なエンジニアとなる人材が生まれる環境が整っていることが理由です。
教育に関しても、アメリカやイギリスでは、義務教育が始まる前からプログラミング指導が始められるほど、エンジニア教育が重要だという意識があります。
国によっても重視している分野の違いがあり、ロシアであれば「アルゴリズム」、イスラエルであれば「サイバーセキュリティ」に特化したエンジニア教育が発展しています。
隣国の中国では2011年から「卓越エンジニア教育育成計画」によって、 社会のニーズにあったエンジニアの育成をスタートしました。
様々な分野での「現場エンジニア」、「設計開発エンジニア」、「研究型エンジニア」を育成する計画です。
2020年までに行われたその計画は成功し、様々な中国製品の質が向上し、ドローンや無人コンビニ、
360度カメラなどの新しいアイデアが形になり、イノベーション大国として走り続けています。
このように海外では、優秀なエンジニア教育が国の発展につながっており、日本にとっても外国人エンジニアの雇用はイノベーションへの近道となると言えます。
そこで今回は、即戦力となる優秀な外国籍エンジニアを実際に雇用する際のメリットと注意点について紹介します。
外国人エンジニアを採用するメリット
- ・グローバル化の促進
- ・最新情報を素早く取り入れる
- ・これから必要とされる「T型人材」となる可能性が高い
グローバル化の促進
グローバル化を重視した企業にとっては、外国籍エンジニアの存在が必要不可欠になります。
英語を使うこともそうですが、冒頭で述べた通り、外国のエンジニア教育レベルは高く、即戦力となる人材が多いのです。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングのデジタル技術では、2020年の日本の順位は62位です。
対象は63の国・地域ですから、最後から2番目ということになります。
このような結果を見ても、ハイクラスな外国人エンジニアの雇用は、日本の企業にとって世界に通用するための近道になります。
最新情報を素早く取り入れる
世界に通用する外国人エンジニアは、常に最新トレンドに追いついています。
最新トレンドに追いつくためには、情報収集の速さはかなり重要となります。
IoT化やAI技術が進む中で、様々なコンテンツを通じて情報収集ができ、トレンドも急速に移り変わるようになりました。
日本人の英語力は伸びていますが、やはり英語圏の論文やコンテンツでの情報収集はハンデが多いこともあります。
その点、ネイティブの外国籍エンジニアは、使えるコンテンツや、取り入れることが可能な英語圏の情報の幅が広く、情報収集のスピードも格段に早いことが強みです。
外国人エンジニアがいることで、情報収集の幅が広がり、トレンドに沿ったイノベーションが生まれる可能性が高まります。
「T型人材」となる可能性が高い
イノベーションを重視した企業にとって、「T型人材」が近年注目されています。
技術革新が急速に進む中で、今一番必要な柔軟性を持った人材といえます。
柔軟性のある外国人エンジニアを採用し、「T型人材」を増加させることが企業にとっての強みになります。
「T型人材」とは
T型人材とは、「一つの専門的に高い技術を持ち、幅広い分野を学び、広範囲に知識を生かせる人材」のことです。
専門性の高い人材(スペシャリスト:I型人材)と、広範囲で知識をもつ人材(ゼネラリスト:一型人材)の分業が従来の雇用ですが、
T型人材はその両方を兼ね備えた、ハイブリッドな人材として雇用できます。
IT企業を例で言うと、T型人材が工数管理をしながらプログラミングを担うといったことも可能となります。
また、スペシャリストとゼネラリストが一人ずついるより、T型人材が2人いた方がより多方面での意見交換が可能になり、革新的な意見も出やすい環境になります。
新規事業を始める際、答えのない状況でも自分なりの答えを提案できるのは、T型人材の強みです。
そのため、スタートアップ企業では必要不可欠な人材となります。
社会の流れを読みながら、企業にとってより良い軌道を見出す力を持っていることも特徴です。
そして、あくまでT型人材と定義できるのは「一つの専門性を持っていること」が条件となります。
外国籍エンジニアは高い専門性を確実にもって選ばれた人材です。
そのため、雇用の時点ではスペシャリストであっても、今後T型人材となる可能性が高いといえます。
外国人エンジニア採用のための注意点
- ・成果主義のキャリア形成
- ・残業時間
- ・フレックスタイム制
成果主義のキャリア形成
優秀な外国人エンジニアほど、成果主義のキャリア形成を望む傾向があります。
海外で優秀なエンジニアとして育成されてきた人材であるため、技術向上の意欲が高いことは外国人エンジニアの強みです。
総じてキャリアアップの思考が高く、日本のように年功序列ではない成果主義のキャリア形成を望んでいます。
成果が上がるたび、エンジニアのスキルアップやモチベーションにも影響し、企業の成長との相乗効果が期待できます。
残業時間
外国人エンジニアが日本で働く上で一番配慮が必要なのは、残業時間です。
日本では残業が日常化している企業も多く、社員もそれを受け入れざるを得ないという状況があります。
IT企業は特に労働時間が長いと言われていますが、日本ではそれが当たり前になっていても、外国籍エンジニアにとっては普通ではありません。
海外では仕事から帰ったら、家族とゆっくり過ごす文化があります。
そのため、残業時間が続くと不満の種となり、離職に繋がるということも多くあります。
フレックスタイム制
優秀は外国人エンジニアほど合理性を重視する傾向があります。
合理性を無視したルールが多いほど、意欲的に働ける環境ではないと判断されてしまいます。
同じ理由で、海外の労働環境ではフレックスタイム制への理解が重視されています。
日本では、毎日定時に出社することを会社の決まりだとしても、海外の労働環境に慣れている外国籍エンジニアにとっては、
それが合理的な理由でなければ伝わらないこともあります。
優秀な外国籍エンジニアの力を十分に発揮できる環境づくりとして、フレックスタイム制の導入も視野に入れておきたいものです。
まとめ
2020年は新型コロナウイルスの影響で入国制限はありましたが、国内の外国人労働者数は過去最高を更新し、外国人を雇用する企業は増えています。
前述したように、外国人エンジニアの雇用には評価基準や勤務時間制の革新がある程度は必要になりますが、
生活環境の安全性や医療保険制度の充実など、外国籍エンジニアにとっても日本は魅力の多い国であることは確かです。
トレンドをいち早く取り入れ、柔軟な発想ができる優秀なエンジニアチームを作ることは、企業のグローバル化を促進し、成長するための資産となります。
これからさらにIoT化やAI技術が急速に進んでいく中で、外国籍エンジニアの雇用は最大のメリットになるでしょう。
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