転職・失踪を防ぐために必要な外国人労働者向け職場改善策とミスマッチ解消法
ミスマッチによる転職・失踪を防ぐ方法とは
ミスマッチは外国人労働者の転職や失踪につながる問題です。特に技能実習生の失踪は社会問題となっていて、外国人技能実習機構は外国人実習生失踪対策を強化しています。
では、転職や失踪を防ぐために、どのような策を取れば良いのでしょうか。具体的な問題から、その解決策や対応策の手段や方法をご紹介していきます。
実際の作業・住環境、及び先輩からのコメントの動画の撮影
これは、条件でのミスマッチを防ぐ方法のひとつです。現在働いている同じ国出身の先輩からのコメントは、最も信頼できるものです。作業中の動画があれば、職場の雰囲気がよりリアルに伝わり、ミスマッチを防ぐための一助となってくれます。
日本で働き始めた際に、最初に聞いていた内容と異なる場合が多々あるというのは、残念ながら事実です。このような状況は、受け入れ側が外国人労働者を採用したいがために、良い面だけを強調してしまうためです。
次に紹介するエピソードは実際にあったケースで、ある日本の食品工場での募集に関するものです。募集内容では、清潔な工場内で流れ作業などをする仕事として提示されていました。しかし、その流れ作業は豚の解体や抜骨作業で、肉と骨を取り除く作業中に作業服が豚の血液で血まみれになる厳しい環境であることについての十分な説明はなかったようです。
また、社員寮などの住環境も同様です。募集内容では清潔な部屋を示し、そこでの生活と働きについて良い印象を与えていましたが、実際は非常に汚かったというケースもありました。仕事内容や職場環境、住環境が全く異なることは、外国人労働者を欺く行為としか言いようがありません。
こうした事態を防ぐために効果的な手段のひとつが動画です。仕事内容だけでなく、先輩の感想も含めるとわかりやすいと思います。文字だけでは伝わりにくいことも、動画なら細かなニュアンスも伝わりやすく、職場環境を正確に伝えるための適切な手法と言えます。
適正な給与の支払い
日本人でも給料が低いと、仕事に満足感を得ることが難しく、長期間その職場で働き続けることは困難です。外国人労働者ならなおさら、安い給料で働かされることに対しては、その怒りを転職や失踪に置き換えていきます。今ではインターネットやSNSを通じて自分の給料水準を簡単に調べることができます。もし自分の給料が低いとわかれば、誰でも転職したくなります。さらに、帰国を望む人も出てくるでしょうし、詐欺的なブローカーの甘い言葉に惑わされて取り返しがつかないことをしてしまうことも考えられます。普通のことですが、いかに適正な給与を支払うことが重要かというのは、転職や失踪のリスクを減らすためでもあるのです。
職場環境の改善
地方の企業において、受け入れ側が外国人に慣れていないため、壁を作って職場環境が悪化することがよくあります。これに対処するには、受け入れ側が慣れる必要があります。職場環境は各企業ごとに、さまざまです。経営者がとても立派な方だったとしても、現場で働く人に質の悪い人がいれば、外国人労働者は、それも職場環境が悪い要因だと感じてしまいます。中には、外国人労働者に対して暴言を吐いたり、差別的な扱いやいじめを行うケースもあります。あろうことか外国人に対して暴力を振う人もいます。これらは到底許されることではありません。
近年、日本人の若い世代に対して、上司がきつく注意すると辞めてしまうので、優しく話すように対策をしている企業もあります。暴力行為は問題外ですが、日本人の若い世代と同じように、外国人労働者に対しても、優しい言葉と口調で話さないと、職場環境が悪いと感じて辞めてしまう原因になってしまうので、注意が必要です。
定期的なヒアリングを行う
例えば、月に1回程度の定期的な話し合いの場を設けることも有効です。そこでは、困ったことや職場への要望、仕事の悩みなどを聞く場にすると、意外な情報が得られることがあります。また、日本で働く決意を持って来日した人でも、慣れない環境やコミュニケーションの壁に不安を感じることがあります。そういう人たちに向けてもヒアリングを行うことは、ストレスの解消や心のケアにつながり、生活の安心感を高めることにもつながります。
ヒアリングは母国語で通訳をしながら行う
ヒアリングを行う際は、母国語を話せる人で対応するのが理想的です。例えば、ミャンマー人の場合はミャンマー語を話せる職員がヒアリングするのが理想的です。というのも、日本人に対しては壁を感じて、心を開かずに本当のことを話さない人もいるからです。同じ母国の通訳がいると共感できて安心感が生まれ、言いづらいことも話してくれたりもします。
日本語が上手な外国人ですら、複雑な悩みを正確に表現するのが難しいと言われます。そのため、ヒアリングの途中でも説明が難しいと感じて諦めてしまうこともあります。せっかくのチャンスが活かされないままになってしまうのです。
もしミャンマー人を雇い入れている企業で社内に通訳がいない場合は、弊社に遠慮なくご相談ください。弊社はそういう不具合が起きないように、全国各地にミャンマー人通訳を配置しています。受け入れ側と外国人労働者の架け橋としてご利用ください。
対応は迅速に
ヒアリングを行った際に、受け入れ企業の問題点が浮かび上がった場合、離職や失踪を防ぐためには、即座に対策を講じることがとても重要です。残念ながら、問題点を把握していても、それを放置してしまうケースが多いのが実情です。迅速に対策を行うことで、外国人労働者と受け入れ企業との信頼関係も向上します。
中にはすぐ対処できない問題もあります。例えば給与に関する問題、特に残業代についての問題が挙げられます。現在の日本の労働基準法では、残業時間を1分単位で計算します。しかし、実際にはサービス残業が存在する企業も多く、給与が正しく支払われない事例が見受けられます。こうした企業は組織の仕組みを変える必要がありますが、その過程には時間がかかり、担当者が社長に進言しても怒られるといった理由から、対策を怠るケースもあります。
こうした難しい問題に直面しても、またどんなに小さな問題でも、見過ごさず迅速に対策を講じることが重要です。こうすることによって、大きな問題に発展しそうなことを防ぐことができます。
幸せを感じられるように
受け入れ企業が外国人労働者をとりまくさまざまな問題に対処しなければ、外国人労働者は苦痛を感じるばかりです。外国人が日本で働く理由の根源には、幸せになりたいという願いがあります。弊社では、日本で働くすべてのミャンマー人が充実感ややりがいを持ち、幸せを感じる職場環境を提供したいと考えています。これは、働く個人だけでなく、母国で待つ家族にも安心感をもたらすことにつながります。この使命を果たすことが私たちの責務です。
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