入社に備えての準備(ミャンマー編)

入社に備えての準備(ミャンマー編)

入社に備えての準備

入社が正式に決定したら、受け入れの準備を本格的に進めましょう。この準備には、受け入れ企業向けと外国人労働者向けの2種の準備があります。
社内向けの準備としては、主に外国人労働者との共同作業を円滑にするための職場環境の整備が挙げられます。一方、外国人労働者向けの準備としては、彼らの生活環境を整えることが重要です。具体的には次の3つの項目に取り組んでいきます。

円満な職場環境の整備

まずは、全社員を対象にした説明会を開催し、外国人労働者を雇用する目的から、彼ら個人に関する情報まで共有します。特に、外国人労働者とのコミュニケーションに必要な日本語スキルのレベルについては、関係者全員が理解できるように共通の基準を設けることが重要です。この基準が明確でないと、業務や人間関係に支障をきたす可能性があります。
そのためにも外国人労働者の出身国に応じて勉強会を開催し、その国の文化や考え方、国民性などを周知することが大切です。これは、彼らを受け入れる前に行うのが効果的です。入社後に行っても、なかなか浸透しづらい場合があります。
説明会や勉強会の実施は、お互いの理解を深めるだけでなく、外国人労働者に対する共通の認識を醸成するのに役立ちます。これにより、人間関係のミスマッチを緩和し、円滑な職場環境の構築にもつながります。

安全安心な生活環境の整備

外国人労働者が日本で就労し、職場で最大限に活躍できるようにするためには、住居の確保が必要不可欠です。企業が社員寮や社宅を提供している場合は、そこに滞在できるため、問題はありません。しかし、そのような施設がない企業に就職する場合は、外国人労働者本人が住居を探し、手続きを行う必要があります。といっても、外国人が未知の土地で日本語に不慣れな状況で住居を探すことは非常に困難です。法務省の報告書によれば、家賃や契約料の高さ、国籍や保証人の問題などが挙げられ、自力での住居探しは困難であることが示されています。問題やトラブルを回避するためにも、受け入れ側のサポートで必要なのは、まずは住居の確保です。
住居確保だけでなく、生活に最低限必要な備品類を準備してあげることも大切です。ミャンマー人にとって日本の物価は想像以上に高く感じますし、給料をもらう前に多額の支出があるのは無理があります。
「ミャンマー人を受け入れるために準備したほうがよい備品」を参考にしていただき、中古品でもよいので従業員の方々に不用品提供の協力を求めながら準備することをお勧めいたします。 ミャンマー人を受け入れるために準備したほうがよい備品 また、ゴミ捨てルールを伝えること、油を台所に流してはならないこと、レンジ周りが特に油で汚れやすいので掃除を欠かせないこと、騒がないことなど、ミャンマーとは違う日本の生活ルールも丁寧に伝える必要があります。当初はルールが守られているか訪問してチェックすることも本人のためになると思います。

現場ではマニュアルの整備

就業に向けての受け入れ準備が整ったら、次は現場での業務を円滑に進めるためのマニュアルの準備をしてください。外国人労働者は入社前に日本語を学習していても、母国語と異なる言語での業務理解に苦労することがあります。特に細かい指示や手順が必要な業務では、口頭だけでは理解が難しい場合がありますので、マニュアルが役立ちます。それも母国語でわかりやすく説明してあげてください。
マニュアルには、業務の指示書だけでなく、就業に関する情報も含めることが望ましいです。雇用契約時に就業規則などを伝えていても、現場ごとに安全や衛生に関する規則が異なる場合があるためです。これらの注意事項をわかりやすくまとめておけば、外国人労働者も働きやすくなりますし、現場での説明の手間も省けます。また、文章だけでなく、イラストや写真などを多用して視覚的にも理解しやすくしてあげましょう。

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