技能実習生「製造業」|外国人を雇用するには?
人手不足が深刻化している「製造業」の現状から外国人技能実習生を受入可能な職種・雇用する方法・雇用するメリットを解説します。
目次
「製造業で技能実習生を雇用して売上アップに繋げたいけど、上手く採用する方法は?」など、製造業で外国人技能実習生の雇用方法について気になる方も多いのではないでしょうか。実際、日本の製造技術は年々需要が高まっており、雇用を積極的に進めている企業が多いのも事実。技能実習生を上手く採用できれば、業績向上に繋がり社内の問題も解決していくでしょう。この記事では、製造業における外国人技能実習生の雇用方法を中心に解説していきます。
人手不足が深刻化している製造業の現状
現在製造業は深刻な人手不足に直面しています。事実「経済産業省製造産業局 製造業における外国人材受入れに向けた説明会」によれば、企業の人手不足がビジネスに影響が出ていると回答した上位の職種は鉄鋼業・非鉄金属・金属製品・輸送用機械でした。加えて、若い年代の退職ラッシュが続き、高齢化が進んでいる現状なのです。加えて、中小企業はとくに技術者の雇用に苦労しており「雇用したくても求める人材がいない」状況であるのも事実。製造業から人が離れていく現状と合わせて、各社が人材の確保に四苦八苦しているのが製造業の実態なのです。
製造業の人手不足、技能実習をすぐにでも雇用したい実情
製造業が人手不足になる原因は何があるのでしょうか?ここからは人手不足の理由について説明していきます。
・製造業に対して悪い印象を持たれやすい
製造業は歴史が長く日本を代業する分野です。そのため、製造業の労働環境に対して悪い印象を持たれやすいのが人手不足を進めている一因と言えます。「残業時間が長いのではないか?」「古い企業体質でパワハラなどが存在するのではないか?」など、求職者が製造業に対して良いイメージを持たず、働きたいと思わないのが原因でしょう。たしかに一昔前は製造業にも前述の企業はあったかもしれません。しかし、現在は製造業の労働環境は改善され、企業によっては若い年齢層の雇用に成功しているケースも。今後は製造業全体にとって悪い印象を払拭する努力が必要となるでしょう。
・東京オリンピックによる需要拡大
東京オリンピックの開催が決定したのは2013年。以降2020年開催に向けて製造業の需要は大きく拡大しました。会場を建設するための部品やアスリートのトレーニング機材など、かつてない需要があり製造業の人材確保が急務となったのです。しかし、東京オリンピックは一時的なものであり、長期雇用を望む求職者のニーズにはマッチしないのが現状。東京オリンピックによって需要は拡大したものの、想定していた応募数には至らなかった経緯があります。
・政府による在宅勤務の後押し
現在は自宅でも作業可能な仕事内容が増えました。その理由のひとつに、政府が新型コロナウイルスの影響を考慮し、在宅勤務を後押ししている背景があります。在宅勤務が進めば当然製造業の技術職にも影響を及ぼし、より効率化を求める若い年代はIT企業やテレワーク可能な企業への就職を求めているのです。良くも悪くも若い世代は流行に乗りやすい傾向にありますので、製造業の技術職は今後時代の背景に飲まれてしまう可能性もあるでしょう。
技能実習「製造業」で外国人を受入可能な職種
製造業で技能実習生を雇用する際、受入可能な職種を確認しておく必要があります。具体的には以下の15職種になりますので、順番に見ていきましょう。
職種名 | 作業名 |
---|---|
鋳造 | 鋳鉄鋳物鋳造 |
非鉄金属鋳物鋳造 | |
鍛造 | ハンマ型鋳造 |
プレス型鋳造 | |
ダイカスト | ホットチャンバダイカスト |
コールドチャンバダイカスト | |
機械加工 | 普通旋盤 |
フライス盤 | |
数値制御旋盤 | |
マシニングセンタ | |
金属プレス加工 | 金属プレス |
鉄工 | 構造物鉄工 |
工場板金 | 機械板金 |
めっき | 電気めっき |
溶融亜鉛めっき | |
アルミニウム陽極酸化処理 | 陽極酸化処理 |
仕上げ | 治工具仕上げ |
金型仕上げ | |
機械組立て仕上げ | |
機械検査 | 機械検査 |
機械保全 | 機械系保全 |
電子機器組立て | 電子機器組立て |
電気機器組立て | 回転電機組立て |
変圧器組立て | |
配電盤・制御盤組立て | |
開閉制御器具組立て | |
回転電機巻線製作 | |
プリント配線板製造 | プリント配線板設計 |
プリント配線板製造 |
基本的には製造業の主要職種は上記に含まれており、大半の企業は該当するのではないでしょうか。しかし、採用に向けて準備を進めたものの、受入可能な職種ではないケースもあります。あらためて確認が必要です。
技能実習「製造業」で外国人を雇用する方法
製造業で外国人技能実習生を雇用する場合、一般的に「監理団体」を選び技能実習生の受入を代行してもらう「団体監理方式」を取る必要があります。監理団体とは、外国人技能実習生を受入れるために手続きや指導を全面サポートする非営利団体です。監理団体には中小企業団体・商工会議所・農業協同組合・職業訓練法人などがあり、監理団体として許可されている団体から選択する必要があります。選択し雇用する体制が整えば、日本在籍数に応じた「技能実習1~3号」と雇用関係が結べるのです。
また、団体監理方式の他にも「企業単独型」があり、企業単独型は海外に支店や関連企業があれば技能実習生の受入が可能となります。団体監理方式とは違い、間に団体を介さないため、ある程度情報が入った状態で雇用ができるのが最大のメリットです。しかし、海外に支店を持つ企業に限られ、資金豊富な大企業に制限されてしまうデメリットもあります。そのため、一般的には製造業で外国人技能実習生を雇用する場合は、団体監理方式を選択します。
技能実習「製造業」で外国人を雇用するメリット
製造業で外国人技能実習生を雇用する最大のメリットは、若い世代の雇用が見込める点です。前述のとおり、製造業は深刻な若年層離れが加速しています。若い世代はどの企業も求めているため、競争率が激しく獲得は容易ではありません。しかし、製造業で働く外国人技能実習生の大半は20~30代であり、企業が求める年齢層と合致しています。
加えて、外国人技能実習生は一般的には3年までしか日本で実習できませんが、技能実習3号や特定技能制度を利用すれば、さらに延長して雇用も可能です。技能実習生はモチベーションが高く知識吸収スピードが早いのが特徴。若い世代の日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあります。以上のように、製造業で外国人技能実習生を雇用するメリットは多く、人事戦略を変えるポイントとなりえるでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は製造業で技能実習生の雇用方法について徹底解説しました。技能実習生を雇用するには監理団体を選択し、所定の手続きを踏めば団体から技能実習生が派遣されます。技能実習生は多くの企業が望んでいる若い世代の雇用が可能となり、成長次第では若い日本人を雇用するよりも、長期的に会社に貢献してくれる可能性もあるのです。実際、技能実習生が業務の根幹を担っている企業があるのも事実。本記事をあらためて参考にし、製造業で技能実習生の雇用を検討していきましょう。
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