外国人雇用でかかる費用 就労ビザの更新など解説!
外国人材を採用する時どんな費用が発生するでしょうか。採用から就労ビザに関する費用まで解説します。
目次
「外国人材を採用したいが費用がかかりそう」「具体的にどんな費用が必要なの?」
という疑問をお持ちの企業様に、実際に外国人材を採用する場合にかかる費用について解説します。
外国人採用にかかる費用・概要
一般的に採用時にかかるコストは以下の通りです。
1. 日本在住外国人を採用する場合
- 求人媒体への掲載費用
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 健康診断費用
採用後は
- 在留資格の変更・更新
- 外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
です。
日本在住外国人は採用までの費用に加えて、在留資格の変更、更新の 費用が必要になります。
2.海外在住外国人を採用する場合
- 人材紹介会社への紹介手数料
- 外国人の日本への渡航費
- 面接で実際に事業主が現地面接する場合の渡航費(面接費用)
- 海外在住者の国での申請書類を入手するための費用
- 健康診断費用
- 日本での配属場所までの交通費
- 日本で暮らすための各種指導・ガイダンスに必要な費用
- 日本で暮らす住居費用、水道光熱費など(企業が負担する場合)
そして、採用後は
- 在留資格の新規取得
- 在留資格の変更・更新
- 外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
の費用があります。
内定後、日本で在留資格を取得するための書類には、現地から収集しなければならないものもあります。
例えば、学歴がない外国人を実務経験だけで採用する場合には、在職証明書が必要です。
3.共通でかかる費用の解説
・人材紹介会社への紹介手数料
一般的に人材紹介会社を使用して採用を進める場合、採用費の相場は理論年収の30~35%と言われています。
例:理論年収300万円の場合
紹介費用 90万円
※理論年収とは?
1年間勤務した場合の月額給与の12カ月分と賞与を合わせた額のことで、「想定年収」とも呼ばれます。
毎月支給される通勤手当が理論年収から除外されます。社員ごとにその額が異なり、理論年収算出に適さないという理由からです。
理論年収を算出するには、まずその内訳を知っている必要があります。
理論年収の内訳は①基本給、②所定手当、③平均法定手当、④賞与の4費目から成っています。
そこで、理論年収は、
月額給与(基本給+所定手当+平均法定手当)×12+賞与(基本給×賞与支給月数)
の計算式で算出されます。
したがって仮に基本給と所定手当が同じでも、1年ごとに変動する平均法定手当と賞与により理論年収は変わってきます。
たとえば、A年とB年の基本給ː24万円+所定手当ː3万円=27万円で、
A年…平均法定手当ː3万円、賞与3カ月分
B年…平均法定手当ː2万円、賞与4カ月分
と仮定した場合、
A年の理論年収は、432万円=[(27万円+3万円)×12]+(24万円×3)]
B年の理論年収は、444万円=[(27万円+2万円)×12]+(24万円×4)]
となります。
・在留資格の変更・更新
在住者の在留資格には期限があります。在留資格を確認して更新したり、在留資格の活動に合わせて変更したりする必要があります。
例えば
就労ができない「留学」の在留資格の場合、そのまま就労させることはできません。外国人労働者を社員として雇用する際には、「技術・人文知識・国際業務」などの就労の区分に変更する必要があります。
・外国人の生活支援を行う支援業務(特定技能など)
特定技能外国人に関しては、ビザ申請許可が下りた後は、外国人の生活支援を行う支援業務が必要になります。支援業務には、外国人への事前ガイダンスや生活オリエンテーションなどが含まれます。支援業務は登録支援機関に外部委託でき、相場は月額2.5~3万円です。
・健康診断などの費用
外国人を採用する場合にも、日本人と変わらず、
健康診断の実施と健康診断書の提出が必要です。
健康診断の目的や内容を、外国人労働者が理解できるように説明した上で、必ず受診してもらうようにしてください。
健康診断費はおおよそ1万円です。
ビザ・在留資格 関係費用と手続き
・在留資格と就労ビザとは
在留資格とは、外国人が日本に入国して滞在する場合に必要な資格で、29種類あります。中でも18種類の在留資格のいずれかを取得することにより、外国人が日本国内で就労することができます。
この18種類の在留資格が「就労ビザ」と呼ばれています。
<リンク>いまさら聞けない「外国人が働ける在留資格」とは?|Jump Japan
外国人労働者の資格取得の申請は、管轄の入国管理局で行いますが、申請に必要な書類は場合によって異なりますので整理しておきましょう。
では、外国人労働者の在留資格取得申請には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
また申請時には基本的に、返信用封筒と404円分の切手が必要です。(定型郵便物25g以内84円と簡易書留代金320円)
海外在住外国人を採用する場合
外国にいる外国人に就労ビザを取得させ、日本に呼ぶ場合、就労ビザ取得にかかる費用は会社が負担するケースが多いです。外国人側から求職してきた場合も、一般的に会社が費用を負担します。
就労ビザの新規申請だけではなく、就労ビザの変更・更新費用も同様です。
ただし、就労ビザの申請に必要な写真や履歴書などは外国人本人に提出してもらうため、その費用まで会社が負担することはあまりないでしょう。
今海外で住んでいる・在留資格のない外国人を雇用したい場合には、資格の取得が必要です。この場合は、
まず雇用主が代理人として、入国管理局へ「在留資格認定証明書」の交付を申請します。外国人労働者について認められると「在留資格認定証明書」をもらうことになります。
そして、交付された証明書を海外にいる内定者へと送付すれば、今度は内定者の手続きです。外国人労働者は受け取った証明書を持参して日本の在外公館でビザを申請し、ビザと共に提示して日本へ入国します。
・在留資格取得費用
外国人労働者の在留資格を新たに取得する際には、特に手数料は必要ありません。
つまり、就労が可能な在留資格の取得手続きにかかる費用は、404円と書類準備費です。
「在留資格認定証明書」を送付してもらうための返信用封筒に貼る切手代申請書と必要な書類を揃え、入国管理局に提出することで就労ビザを取得できます。
在留資格取得申請に必要な書類は以下の通りです。
在留資格認定証明書申請に必要な書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真(3ヶ月以内に撮影されたもの。縦4cm・横3cm)
- 返信用封筒(宛名を記し、簡易書留用に392円分の切手を貼付したもの)
【日本での活動内容に応じた資料(所属機関の区分を証明する書類を提出する)】
企業側の必要書類
- 雇用契約書
- 全部事項証明書(企業謄本)
- 決算報告書のコピー
- 会社案内などのパンフレットなど
- 社内の写真 ※任意
- 雇用理由書 ※任意
これに加えて、学生などの場合には
- 卒業証明書または卒業見込み書
- パスポート
- 日本語検定の合格証明書※任意
- 無犯罪証明書※任意
などが必要になります。取得する在留資格の種類によって追加で資料を求められることがあります。
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧
以上の費用は
- 書類準備費
- 返信封筒用切手:404円
- 入国管理局までの交通費
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請必要書類一覧
在留資格変更許可申請を弊社が代行する必要がある場合はお任せください。
日本在住外国人を採用する場合
すでに来日している外国人が日本で就職するときなどは本人が費用を負担する場合が考えられます。
就労ビザの申請に必要な書類を自分で集めることになるため、証明写真や学歴など証明書を発行する費用も本人負担となります。
本人が就労ビザの取得・変更・更新費用を負担する場合、必要になる費用は以下の通りです。
- 返信封筒用切手:404円
- 証明写真の撮影費用:500~3,000円ほど
- 履歴書の購入費用:100~500円ほど
- 学歴等の証明書(卒業証明書など)発行費用:300~500円ほど
- 入国管理局までの交通費
- 変更・更新申請の場合→手数料:4,000円
日本にいる内定者を同職種から中途採用する場合
外国人労働者の内定者がすでに日本で働いている場合は、既に在留資格を保有しているはずです。
中途採用後の職種が転職前と同じ場合には、これに関して特に法的な手続きは不要です。ただし、外国人労働者の在留資格が新しい職種と合致しているかについて気になる場合は、入国管理局にて1,200円で「就労資格認定証明書交付申請」を行って確認することも可能です。
就労資格認定証明書交付申請に必要な書類
- 申請書
- 資格外活動許可書
- 在留カード又は特別永住者証明書(特別永住者証明書とみなされる外国人登録証明書を含む)
- 旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
- 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
日本にいる内定者を異職種から中途採用する場合
異職種などからの転職で外国人労働者を中途採用する場合には、入国管理局に「在留資格変更許可申請」をします。申請には、2週間~1ヶ月ほどかかります。
在留資格変更許可申請に必要な書類
- 申請書
- 写真
- 在留カード
- 資格外活動許可書
- 旅券又は在留資格証明書(提示することができないときは、その理由を記載した理由書)
- 身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)
[参照] 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請
そのため、就労ビザの変更手続の費用は、以下の通り。
- 手数料:4,000円
- 証明写真の撮影費用:500~3,000円ほど
- 履歴書の購入費用:100~500円ほど
- 学歴等の証明書(卒業証明書など)発行費用:300~500円ほど
- 入国管理局までの交通費
アルバイトとして雇う場合
日本にいる外国人を正社員ではなくアルバイトとして雇う場合には、外国人を雇用しようとする本人、企業が「資格外活動許可を得ているか」どうかは必ず確認しなければなりません。「資格外活動許可」を得ていればアルバイトとして働くことができます。
資格外活動とは「現に有している在留資格に属さない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に必要な許可」です。
ただし、外国人労働者の資格が「留学」もしくは「家族滞在」の場合は、「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」旨の制限があるので覚えておきましょう。
・在留資格更新の場合
外国人労働者の在留期限が過ぎるために資格を更新する際には、4,000円の手数料がかかります。永住許可申請では8,000円の手数料がかかります。
印紙で納付しましょう。
注意点・ポイント
・採用時に在留資格・必要な手続きの確認
日本国外の労働者を雇用する際には、この在留資格の確認が重要になります。
外国人の採用を検討するときは、
まず在留資格と有効期限をしっかりと確認しましょう。
・在留資格の更新について
就労ビザの更新には、2週間から1か月程かかります。
在留期限が満了になる前に申請をしていれば、審査結果がでていなくても在留期間の満了日から2か月は日本に滞在することができます。
就労ビザは在留期間が切れてしまう前に更新を実施する必要があり、
在留期間が6か月以上の場合は、在留期間の残りが3か月になったところで更新をすることができます。しかし特別な事情があるときは、3か月以上前から手続きをできることがあります。
・ 転職したときは就労資格証明書を申請!
外国人社員が転職してきた場合、更新が許可されるかどうか不安な場合は、事前に確認する手段として、就労資格証明書交付申請があります。上記更新時の立証資料を提出して審査してもらうことで、早い段階で更新が可能かどうか判断できます。
就労資格証明書交付申請の手数料は1,200円です。交付を受けるときに収入印紙で納付します。
行政書士などの専門家に依頼する場合の費用
また、行政書士などに申請のサポートを依頼する際には、行政書士が設定する費用が必要になります。
行政書士などの入管業務をメインとしている専門家に依頼するメリットとしては以下になります。
・申請に関する書類準備を任せることができる
在留資格認定証交付申請では、海外にいる外国人と卒業証明書や職務経歴書などのやり取りを行わなければなりません。入管業務に詳しい行政書士に依頼すると、外国人とのコミュニケーションにも慣れており、効率よく準備を行うことができます。
・地方出入国在留管理局まで出向く必要がない
在留資格認定証交付申請では、会社の担当者が地方出入国在留管理局へ赴く必要があります。申請する外国人の数がとても多い地方出入国在留管理局では、申請が受理されるまで1日かかることがあります。入管業務を専門とされている行政書士は、申請取次行政書士の資格を保有していることも多く、会社の担当者に代わって地方出入国在留管理局で申請を行うことができます。
・申請が許可される可能性が高まる
法務省のホームページを調べれば、申請に必要な書類を把握でき、フォーマットも入手することができるため、誰でも簡単に申請が可能です。
しかし、専門家の行政書士は、審査基準を把握した上で書類作成を行うため、申請が許可される可能性が高まります。
行政書士や代行業者に就労ビザ申請に必要な書類作成を依頼する際の費用の相場は
- 特定技能ビザ申請の委託相場費用:100000~200000円
- 新規・変更申請:80,000~100,000円ほど
- 更新申請:30,000~60,000円ほど
となっています。
特定技能のビザ申請は、提出書類が他のビザと比較しても多く、外部委託をする企業が多いです。
在留資格変更許可申請を弊社が代行する必要がある場合はお任せください。
5.まとめ
以上が外国人材を雇用する際に必要な各種費用です。外国人材の在留資格申請や確認は余裕を持って行いましょう。
それぞれの費用を確認して外国人材の採用を進めましょう。
お気軽にお問い合わせください